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特許7029361移動通信システム、端末装置、基地局装置、通信方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】移動通信システム、端末装置、基地局装置、通信方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20220224BHJP
   H04W 76/27 20180101ALI20220224BHJP
【FI】
H04W72/12 150
H04W76/27
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018150200
(22)【出願日】2018-08-09
(65)【公開番号】P2020027955
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2020-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】梅原 雅人
(72)【発明者】
【氏名】菅野 一生
(72)【発明者】
【氏名】大関 武雄
(72)【発明者】
【氏名】末柄 恭宏
【審査官】永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】Samsung,On RRC message for transition into RRC_IDLE and RRC_INACTIVE,3GPP TSG RAN WG2 #101bis R2-1804868,2018年04月06日
【文献】3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Study on Non-Orthogonal Multiple Access (NOMA) for NR (Release 15),3GPP TR 38.812 V0.0.1,2018年03月16日
【文献】vivo,RRC Connection Release Issues for UE in RRC_INACTIVE,3GPP TSG RAN WG2 #101bis R2-1804597,2018年04月06日
【文献】KDDI,Discussion on procedures related to NOMA,3GPP TSG RAN WG1 #93 R1-1807222,2018年05月11日
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,RRC release and inactivation,3GPP TSG RAN WG2 #101bis R2-1805618,2018年04月24日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムにおいて、
前記基地局装置は、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号を前記端末装置へ送信し、
前記端末装置は、前記制御信号を受信した場合において、特定のQoSが設定されたベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときに、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態において、前記RRC_CONNECTED状態における前記基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用して、前記基地局装置間のアップリンク送信を行い、
前記基地局装置は、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されている場合に、前記RRC_CONNECTED状態における前記端末装置間のアップリンク受信の接続パラメータ情報を使用して、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態の前記端末装置間のアップリンク受信を行う、
移動通信システムであり、
前記基地局装置は、
前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する第1接続パラメータ情報記憶部と、
前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する第1特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、
前記基地局装置は、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されている場合には前記第1接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記第1接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていない場合には前記第1接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除し、
前記端末装置は、
前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する第2接続パラメータ情報記憶部と、
前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する第2特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、
前記端末装置は、前記制御信号を受信した場合において、前記ベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときには前記第2接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記第2接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていないときには前記第2接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除する、
移動通信システム。
【請求項2】
前記端末装置は、前記RRC_INACTIVE状態から移行したRRC_CONNECTED状態において、前記RRC_INACTIVE状態における前記基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用して、前記基地局装置間のアップリンク送信を行い、
前記基地局装置は、前記RRC_INACTIVE状態における前記端末装置間のアップリンク受信の接続パラメータ情報を使用して、前記RRC_INACTIVE状態から移行したRRC_CONNECTED状態の前記端末装置間のアップリンク受信を行う、
請求項に記載の移動通信システム。
【請求項3】
前記端末装置は、前記RRC_INACTIVE状態において、前記基地局装置から受信した信号に基づいて前記基地局装置間のアップリンク送信に使用する接続パラメータ情報の送信電力値を調整する、
請求項1又は2のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項4】
基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの前記端末装置において、
RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号を前記基地局装置から受信した場合において、特定のQoSが設定されたベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときに、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態において、前記RRC_CONNECTED状態における前記基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用して、前記基地局装置間のアップリンク送信を行う無線通信部、を備え
前記無線通信部は、
前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する接続パラメータ情報記憶部と、
前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、
前記無線通信部は、前記制御信号を受信した場合において、前記ベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときには前記接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていないときには前記接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除する、
端末装置。
【請求項5】
基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの前記基地局装置において、
RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号を前記端末装置へ送信し、特定のQoSが設定されたベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されている場合に、前記RRC_CONNECTED状態における前記端末装置間のアップリンク受信の接続パラメータ情報を使用して、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態の前記端末装置間のアップリンク受信を行う無線通信部、を備え
前記無線通信部は、
前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する接続パラメータ情報記憶部と、
前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、
前記無線通信部は、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されている場合には前記接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていない場合には前記接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除する、
基地局装置。
【請求項6】
基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの通信方法であって、
前記基地局装置が、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号を前記端末装置へ送信する制御信号送信ステップと、
前記端末装置が、前記制御信号を受信した場合において、特定のQoSが設定されたベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときに、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態において、前記RRC_CONNECTED状態における前記基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用して、前記基地局装置間のアップリンク送信を行うアップリンク送信ステップと、
前記基地局装置が、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されている場合に、前記RRC_CONNECTED状態における前記端末装置間のアップリンク受信の接続パラメータ情報を使用して、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態の前記端末装置間のアップリンク受信を行うアップリンク受信ステップと、
を含む通信方法であり、
前記基地局装置は、
前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する第1接続パラメータ情報記憶部と、
前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する第1特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、
前記基地局装置は、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されている場合には前記第1接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記第1接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていない場合には前記第1接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除し、
前記端末装置は、
前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する第2接続パラメータ情報記憶部と、
前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する第2特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、
前記端末装置は、前記制御信号を受信した場合において、前記ベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときには前記第2接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記第2接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていないときには前記第2接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除する、
通信方法。
【請求項7】
基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの前記端末装置のコンピュータに、
RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号を前記基地局装置から受信した場合において、特定のQoSが設定されたベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときに、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態において、前記RRC_CONNECTED状態における前記基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用して、前記基地局装置間のアップリンク送信を行うアップリンク送信ステップ、を実行させるためのコンピュータプログラムであり、
前記端末装置は、
前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する接続パラメータ情報記憶部と、
前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、
前記端末装置のコンピュータに、
前記制御信号を受信した場合において、前記ベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときには前記接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていないときには前記接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除するステップ、
をさらに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの前記基地局装置のコンピュータに、
RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号を前記端末装置へ送信する制御信号送信ステップと、
特定のQoSが設定されたベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されている場合に、前記RRC_CONNECTED状態における前記端末装置間のアップリンク受信に使用した接続パラメータ情報を使用して、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態の前記端末装置間のアップリンク受信を行うアップリンク受信ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラムであり、
前記基地局装置は、
前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する接続パラメータ情報記憶部と、
前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、
前記基地局装置のコンピュータに、
前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されている場合には前記接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていない場合には前記接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除するステップ、
をさらに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システム、端末装置、基地局装置、通信方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動通信システムとして、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で検討されているLTE(Long Term Evolution)と呼ばれる移動通信システム(LTEシステム)や第5世代の移動通信システム(5Gシステム)等が知られている。
LTEシステムや5Gシステムにおいて、端末装置のRRC(Radio Resource Control)プロトコルの状態には、RRC_CONNECTED状態とRRC_IDLE状態とが存在する。RRC_CONNECTED状態は無線コネクション確立時の状態である。RRC_IDLE状態は待受け時の状態である。
【0003】
さらに、NR(New Radio)においては、端末装置のRRCプロトコルの状態として、RRC_INACTIVE状態が新たに追加される。RRC_INACTIVE状態は、端末装置がコアネットワーク(Core Network)と通信するための情報(UE(User Equipment)コンテキスト)が最終接続基地局(Last serving cell)に保持された状態における、待受け時の状態である。RRC_INACTIVE状態である端末装置が基地局装置へ信号を送信するアップリンク送信技術の検討内容が、例えば非特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】3GPP TR 38.812 v0.0.1, February 2018
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した非特許文献1に記載されるアップリンク送信技術の検討内容では、RRC_INACTIVE状態である端末装置が基地局装置へ信号を送信する際に使用する接続パラメータ情報を、端末装置がどのようにして取得するのかが不明である。このため、RRC_INACTIVE状態である端末装置が基地局装置へ信号を送信することができない。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、RRC_INACTIVE状態である端末装置が基地局装置間のアップリンク送信を行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様は、基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムにおいて、前記基地局装置は、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号であって接続パラメータ情報を含む前記制御信号を前記端末装置へ送信し、前記端末装置は、前記制御信号を受信した場合に、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態において、前記制御信号に含まれる前記接続パラメータ情報を使用して前記基地局装置間のアップリンク送信を行い、前記基地局装置は、前記制御信号に含まれる前記接続パラメータ情報を使用して、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態の前記端末装置間のアップリンク受信を行う、移動通信システムである。
【0008】
本発明の一態様は、基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムにおいて、前記基地局装置は、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号を前記端末装置へ送信し、前記端末装置は、前記制御信号を受信した場合において、特定のQoSが設定されたベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときに、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態において、前記RRC_CONNECTED状態における前記基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用して、前記基地局装置間のアップリンク送信を行い、前記基地局装置は、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されている場合に、前記RRC_CONNECTED状態における前記端末装置間のアップリンク受信の接続パラメータ情報を使用して、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態の前記端末装置間のアップリンク受信を行う、移動通信システムであり、前記基地局装置は、前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する第1接続パラメータ情報記憶部と、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する第1特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、前記基地局装置は、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されている場合には前記第1接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記第1接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていない場合には前記第1接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除し、前記端末装置は、前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する第2接続パラメータ情報記憶部と、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する第2特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、前記端末装置は、前記制御信号を受信した場合において、前記ベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときには前記第2接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記第2接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていないときには前記第2接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除する、移動通信システムである。
【0009】
本発明の一態様は、前記端末装置は、前記RRC_INACTIVE状態から移行したRRC_CONNECTED状態において、前記RRC_INACTIVE状態における前記基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用して、前記基地局装置間のアップリンク送信を行い、前記基地局装置は、前記RRC_INACTIVE状態における前記端末装置間のアップリンク受信の接続パラメータ情報を使用して、前記RRC_INACTIVE状態から移行したRRC_CONNECTED状態の前記端末装置間のアップリンク受信を行う、上記いずれかの移動通信システムである。
本発明の一態様は、前記端末装置は、前記RRC_INACTIVE状態において、前記基地局装置から受信した信号に基づいて前記基地局装置間のアップリンク送信に使用する接続パラメータ情報の送信電力値を調整する、上記いずれかの移動通信システムである。
【0010】
(7)本発明の一態様は、基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの前記端末装置において、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号であって接続パラメータ情報を含む前記制御信号を前記基地局装置から受信した場合に、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態において、前記制御信号に含まれる前記接続パラメータ情報を使用して前記基地局装置間のアップリンク送信を行う無線通信部、を備える端末装置である。
(8)本発明の一態様は、基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの前記基地局装置において、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号であって接続パラメータ情報を含む前記制御信号を前記端末装置へ送信し、前記制御信号に含まれる前記接続パラメータ情報を使用して、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態の前記端末装置間のアップリンク受信を行う無線通信部、を備える基地局装置である。
【0011】
本発明の一態様は、基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの前記端末装置において、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号を前記基地局装置から受信した場合において、特定のQoSが設定されたベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときに、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態において、前記RRC_CONNECTED状態における前記基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用して、前記基地局装置間のアップリンク送信を行う無線通信部、を備え、前記無線通信部は、前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する接続パラメータ情報記憶部と、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、前記無線通信部は、前記制御信号を受信した場合において、前記ベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときには前記接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていないときには前記接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除する、端末装置である。
本発明の一態様は、基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの前記基地局装置において、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号を前記端末装置へ送信し、特定のQoSが設定されたベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されている場合に、前記RRC_CONNECTED状態における前記端末装置間のアップリンク受信の接続パラメータ情報を使用して、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態の前記端末装置間のアップリンク受信を行う無線通信部、を備え、前記無線通信部は、前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する接続パラメータ情報記憶部と、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、前記無線通信部は、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されている場合には前記接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていない場合には前記接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除する、基地局装置である。
【0012】
(11)本発明の一態様は、基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの通信方法であって、前記基地局装置が、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号であって接続パラメータ情報を含む前記制御信号を前記端末装置へ送信する制御信号送信ステップと、前記端末装置が、前記制御信号を受信した場合に、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態において、前記制御信号に含まれる前記接続パラメータ情報を使用して前記基地局装置間のアップリンク送信を行うアップリンク送信ステップと、前記基地局装置が、前記制御信号に含まれる前記接続パラメータ情報を使用して、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態の前記端末装置間のアップリンク受信を行うアップリンク受信ステップと、を含む通信方法である。
【0013】
本発明の一態様は、基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの通信方法であって、前記基地局装置が、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号を前記端末装置へ送信する制御信号送信ステップと、前記端末装置が、前記制御信号を受信した場合において、特定のQoSが設定されたベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときに、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態において、前記RRC_CONNECTED状態における前記基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用して、前記基地局装置間のアップリンク送信を行うアップリンク送信ステップと、前記基地局装置が、前記RRC_CONNECTED状態における前記端末装置間のアップリンク受信の接続パラメータ情報を使用して、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態の前記端末装置間のアップリンク受信を行うアップリンク受信ステップと、を含む通信方法であり、前記基地局装置は、前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する第1接続パラメータ情報記憶部と、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する第1特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、前記基地局装置は、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されている場合には前記第1接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記第1接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていない場合には前記第1接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除し、前記端末装置は、前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する第2接続パラメータ情報記憶部と、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する第2特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、前記端末装置は、前記制御信号を受信した場合において、前記ベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときには前記第2接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記第2接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていないときには前記第2接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除する、通信方法である。
【0014】
(13)本発明の一態様は、基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの前記端末装置のコンピュータに、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号であって接続パラメータ情報を含む前記制御信号を前記基地局装置から受信した場合に、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態において、前記制御信号に含まれる前記接続パラメータ情報を使用して前記基地局装置間のアップリンク送信を行うアップリンク送信ステップ、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
(14)本発明の一態様は、基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの前記基地局装置のコンピュータに、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号であって接続パラメータ情報を含む前記制御信号を前記端末装置へ送信する制御信号送信ステップと、前記制御信号に含まれる前記接続パラメータ情報を使用して、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態の前記端末装置間のアップリンク受信を行うアップリンク受信ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0015】
本発明の一態様は、基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの前記端末装置のコンピュータに、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号を前記基地局装置から受信した場合において、特定のQoSが設定されたベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときに、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態において、前記RRC_CONNECTED状態における前記基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用して、前記基地局装置間のアップリンク送信を行うアップリンク送信ステップ、を実行させるためのコンピュータプログラムであり、前記端末装置は、前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する接続パラメータ情報記憶部と、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、前記端末装置のコンピュータに、前記制御信号を受信した場合において、前記ベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されているときには前記接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていないときには前記接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除するステップ、をさらに実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0016】
本発明の一態様は、基地局装置と、前記基地局装置と無線通信を行う端末装置とを備える移動通信システムの前記基地局装置のコンピュータに、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号を前記端末装置へ送信する制御信号送信ステップと、特定のQoSが設定されたベアラが前記端末装置とコアネットワークとの間に確立されている場合に、前記RRC_CONNECTED状態における前記端末装置間のアップリンク受信に使用した接続パラメータ情報を使用して、前記RRC_CONNECTED状態から移行した前記RRC_INACTIVE状態の前記端末装置間のアップリンク受信を行うアップリンク受信ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムであり、前記基地局装置は、前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を記憶する接続パラメータ情報記憶部と、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されているか否かを示す情報を保持する特定QoSベアラ確立情報保持部と、を備え、前記基地局装置のコンピュータに、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されている場合には前記接続パラメータ情報記憶部に記憶される前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を継続して前記接続パラメータ情報記憶部に保持し、一方、前記ベアラが前記端末装置と前記コアネットワークとの間に確立されていない場合には前記接続パラメータ情報記憶部から前記RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除するステップ、をさらに実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、RRC_INACTIVE状態である端末装置が基地局装置間のアップリンク送信を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態に係る移動通信システムの概略の構成例を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係る端末装置の概略の構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係る基地局装置の概略の構成例を示すブロック図である。
図4】一実施形態に係る通信方法の例1の手順を示すシーケンス図である。
図5】一実施形態に係る通信方法の例2の手順を示すシーケンス図である。
図6】一実施形態に係る通信方法の例3の手順を示すシーケンス図である。
図7】一実施形態に係る通信方法の例4の手順を示すシーケンス図である。
図8】一実施形態に係る通信方法の例5の手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る移動通信システムの概略の構成例を示すブロック図である。図1に示される移動通信システム1は、例えば、LTEシステムであってもよく、又は、5Gシステムであってもよい。
【0020】
図1において、端末装置10は基地局装置20と無線通信を行う。基地局装置20は、コアネットワーク30と通信接続されている。端末装置10は、基地局装置20を介して、コアネットワーク30と通信を行う。
【0021】
図2は、本実施形態に係る端末装置の概略の構成例を示すブロック図である。図2において、端末装置10は、無線通信部11と、端末制御部13と、操作部14と、表示部15とを備える。無線通信部11は、接続パラメータ情報記憶部12を備える。
【0022】
無線通信部11は、基地局装置20と無線通信を行う。接続パラメータ情報記憶部12は、接続パラメータ情報を記憶する。無線通信部11は、接続パラメータ情報記憶部12に記憶される接続パラメータ情報を使用して、基地局装置20との間のアップリンクの信号の送信(アップリンク送信)を行う。アップリンク(Uplink)は、端末装置10から基地局装置20へ向かう方向のリンクである。ダウンリンク(Downlink)は基地局装置20から端末装置10へ向かう方向のリンクである。
【0023】
端末装置10が基地局装置20へアップリンク送信する信号は、ユーザデータ信号(User-plane(U-plane)信号)であってもよく、又は、制御信号(Control-plane(C-plane)信号)であってもよい。
【0024】
接続パラメータ情報は、例えば、送信タイミング情報、物理リソース情報、変調符号化方式情報、送信電力情報などである。送信タイミング情報は、スロット周期と、ダウンリンクフレームからのオフセット値とを含む情報である。物理リソース情報は、送信リソースのシンボル位置と周波数位置とを含む情報である。変調符号化方式情報は、MCS(Modulation and Coding Scheme)とCQI(Channel Quality Indicator)とを含む情報である。MCSは、変調方式と符号化率とを示す情報である。
【0025】
端末制御部13は、端末装置10の制御を行う。操作部14は、例えばテンキー等の入力デバイスから構成され、利用者の操作に応じたデータ入力を行う。表示部15は、例えば液晶表示装置等の表示デバイスから構成され、データ表示を行う。なお、端末装置10は、データ入力とデータ表示の両方が可能なタッチパネルを備えてもよい。
【0026】
端末装置10として、スマートフォン等の携帯通信端末装置、タブレット型のコンピュータ装置(タブレットPC)などを利用してもよい。
【0027】
図3は、本実施形態に係る基地局装置の概略の構成例を示すブロック図である。図3において、基地局装置20は、無線通信部21と、基地局制御部23と、通信部24とを備える。無線通信部21は、接続パラメータ情報記憶部22を備える。
【0028】
無線通信部21は、端末装置10と無線通信を行う。接続パラメータ情報記憶部22は、接続パラメータ情報を記憶する。無線通信部21は、接続パラメータ情報記憶部22に記憶される接続パラメータ情報を使用して、端末装置10との間のアップリンクの信号の受信(アップリンク受信)を行う。
【0029】
基地局制御部23は、基地局装置20の制御を行う。通信部24は、コアネットワーク30と通信を行う。
【0030】
次に、本実施形態に係る通信方法の例を説明する。
【0031】
[通信方法の例1]
図4を参照して、本実施形態に係る通信方法の例1を説明する。図4は、本実施形態に係る通信方法の例1の手順を示すシーケンス図である。
【0032】
(ステップS1) 端末装置10は、RRC_CONNECTED状態である。端末装置10は、RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を接続パラメータ情報記憶部12に記憶する。RRC_CONNECTED状態である端末装置10の無線通信部11は、接続パラメータ情報記憶部12に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を使用して、基地局装置20との間のアップリンク送信を行う。
【0033】
基地局装置20の無線通信部21は、RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を接続パラメータ情報記憶部22に記憶する。無線通信部21は、接続パラメータ情報記憶部22に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を使用して、RRC_CONNECTED状態である端末装置10との間のアップリンク受信を行う。
【0034】
(ステップS2) 基地局装置20の無線通信部21は、「RRC release」信号を端末装置10へ送信する。この「RRC release」信号は、「suspendConfig」と接続パラメータ情報とを含む信号である。「suspendConfig」を含む「RRC release」信号は、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態へ移行させる制御信号である。「suspendConfig」を含む「RRC release」信号に含まれる接続パラメータ情報は、当該「suspendConfig」を含む「RRC release」信号によってRRC_CONNECTED状態から移行したRRC_INACTIVE状態における接続パラメータ情報である。無線通信部21は、「suspendConfig」を含む「RRC release」信号に含まれるRRC_INACTIVE状態における接続パラメータ情報を、接続パラメータ情報記憶部22に記憶する。
【0035】
(ステップS3) 端末装置10の無線通信部11は、基地局装置20から「suspendConfig」及び接続パラメータ情報を含む「RRC release」信号を受信すると、受信した「RRC release」信号に含まれるRRC_INACTIVE状態における接続パラメータ情報を、接続パラメータ情報記憶部12に記憶する。また、無線通信部11は、接続パラメータ情報記憶部12から、RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除する。
【0036】
(ステップS4) 端末装置10は、基地局装置20から受信した「suspendConfig」及び接続パラメータ情報を含む「RRC release」信号に応じて、RRC_INACTIVE状態に移行する。
【0037】
(ステップS5) RRC_INACTIVE状態である端末装置10の無線通信部11は、接続パラメータ情報記憶部12に記憶されるRRC_INACTIVE状態における接続パラメータ情報を使用して、基地局装置20との間のアップリンク送信を行う。基地局装置20の無線通信部21は、接続パラメータ情報記憶部22に記憶されるRRC_INACTIVE状態における接続パラメータ情報を使用して、RRC_INACTIVE状態である端末装置10との間のアップリンク受信を行う。
【0038】
上述した通信方法の例1によれば、RRC_INACTIVE状態である端末装置10は、基地局装置20から受信した「suspendConfig」を含む「RRC release」信号に含まれる接続パラメータ情報を使用して、基地局装置20間のアップリンク送信を行うことができる。
【0039】
[通信方法の例2]
図5を参照して、本実施形態に係る通信方法の例2を説明する。図5は、本実施形態に係る通信方法の例2の手順を示すシーケンス図である。図5の例では、端末装置10がRRC_CONNECTED状態に移行する手順の一例として、端末装置10が電源オンされた後に実行する初期接続の手順を示している。なお、端末装置10がRRC_CONNECTED状態に移行する手順は、初期接続の手順以外の手順であってもよい。
【0040】
(ステップS11) 端末装置10は電源オンされる。次いで、端末装置10の無線通信部11は、初期接続の手順としてステップS12からステップS15までを実行する。
【0041】
(ステップS12) 端末装置10の無線通信部11は、「RACH preamble」信号を基地局装置20へ送信する。
【0042】
(ステップS13) 基地局装置20の無線通信部21は、「RACH response」信号を端末装置10へ送信する。
【0043】
(ステップS14) 端末装置10の無線通信部11は、「RACH connection request」信号を基地局装置20へ送信する。
【0044】
(ステップS15) 基地局装置20の無線通信部21は、「RACH connection setup (C-RNTI)」信号を端末装置10へ送信する。
【0045】
(ステップS16) 端末装置10の無線通信部11は、初期接続の手順により、RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を取得する。無線通信部11は、取得したRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を接続パラメータ情報記憶部12に記憶する。
【0046】
(ステップS17) 端末装置10は、RRC_CONNECTED状態に移行する。RRC_CONNECTED状態である端末装置10の無線通信部11は、接続パラメータ情報記憶部12に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を使用して、基地局装置20との間のアップリンク送信を行う。
【0047】
基地局装置20の無線通信部21は、RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を接続パラメータ情報記憶部22に記憶する。無線通信部21は、接続パラメータ情報記憶部22に記憶される、RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を使用して、RRC_CONNECTED状態である端末装置10との間のアップリンク受信を行う。
【0048】
(ステップS18) 基地局装置20の無線通信部21は、「suspendConfig」を含む「RRC release」信号を端末装置10へ送信する。
【0049】
(ステップS19) 基地局装置20の無線通信部21は、接続パラメータ情報記憶部22に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を、継続して接続パラメータ情報記憶部22に保持する。
【0050】
(ステップS20) 端末装置10の無線通信部11は、基地局装置20から「suspendConfig」を含む「RRC release」信号を受信すると、接続パラメータ情報記憶部12に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を、継続して接続パラメータ情報記憶部12に保持する。
【0051】
(ステップS21) 端末装置10は、基地局装置20から受信した「suspendConfig」を含む「RRC release」信号に応じて、RRC_INACTIVE状態に移行する。
【0052】
(ステップS22) RRC_INACTIVE状態である端末装置10の無線通信部11は、接続パラメータ情報記憶部12に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を使用して、基地局装置20との間のアップリンク送信を行う。基地局装置20の無線通信部21は、接続パラメータ情報記憶部22に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を使用して、RRC_INACTIVE状態である端末装置10との間のアップリンク受信を行う。
【0053】
上述した通信方法の例2によれば、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態に移行した端末装置10は、当該RRC_CONNECTED状態における基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用して、基地局装置間のアップリンク送信を行うことができる。
【0054】
なお、上述した通信方法の例1と例2を組み合わせてもよい。通信方法の例1と例2を組み合わせる場合において、基地局装置20から端末装置10へ「suspendConfig」及び接続パラメータ情報を含む「RRC release」信号が送信されるときには、上述した通信方法の例1と同様の接続パラメータ情報の設定が行われ、一方、基地局装置20から端末装置10へ送信される「suspendConfig」を含む「RRC release」信号が接続パラメータ情報を含まないときには、上述した通信方法の例2と同様の接続パラメータ情報の設定が行われる。
【0055】
[通信方法の例3]
図6を参照して、本実施形態に係る通信方法の例3を説明する。図6は、本実施形態に係る通信方法の例3の手順を示すシーケンス図である。図6において、図5の各ステップに対応するステップには同一の符号を付している。図6の例では、図5の例と同様に、端末装置10がRRC_CONNECTED状態に移行する手順の一例として、端末装置10が電源オンされた後に実行する初期接続の手順を示している。なお、端末装置10がRRC_CONNECTED状態に移行する手順は、初期接続の手順以外の手順であってもよい。
【0056】
図6に示されるステップS11からステップS17までが実行される。ステップS11からステップS17までは、上述した図5に係る通信方法の例2と同じである。次いで、ステップS31が実行される。
【0057】
(ステップS31) 基地局装置20の無線通信部21は、「suspendConfig」及び接続パラメータ情報使用情報を含む「RRC release」信号を端末装置10へ送信する。接続パラメータ情報使用情報は、RRC_CONNECTED状態の接続パラメータ情報を使用するか否かを示す情報である。
【0058】
(ステップS32) 基地局装置20の無線通信部21は、端末装置10へ送信した「RRC release」信号の接続パラメータ情報使用情報がRRC_CONNECTED状態の接続パラメータ情報を使用することを示す場合に、接続パラメータ情報記憶部22に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を、継続して接続パラメータ情報記憶部22に保持する。一方、基地局装置20の無線通信部21は、端末装置10へ送信した「RRC release」信号の接続パラメータ情報使用情報がRRC_CONNECTED状態の接続パラメータ情報を使用することを示さない場合には、接続パラメータ情報記憶部22から、RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除する。
【0059】
(ステップS33) 端末装置10の無線通信部11は、基地局装置20から「suspendConfig」及び接続パラメータ情報使用情報を含む「RRC release」信号を受信した場合において当該「RRC release」信号の接続パラメータ情報使用情報がRRC_CONNECTED状態の接続パラメータ情報を使用することを示すときに、接続パラメータ情報記憶部12に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を、継続して接続パラメータ情報記憶部12に保持する。一方、端末装置10の無線通信部11は、当該「RRC release」信号の接続パラメータ情報使用情報がRRC_CONNECTED状態の接続パラメータ情報を使用することを示さないときには、接続パラメータ情報記憶部12から、RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除する。
【0060】
(ステップS34) 端末装置10は、基地局装置20から受信した「suspendConfig」及び接続パラメータ情報使用情報を含む「RRC release」信号に応じて、RRC_INACTIVE状態に移行する。
【0061】
(ステップS35) RRC_INACTIVE状態である端末装置10の無線通信部11は、接続パラメータ情報記憶部12に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を使用して、基地局装置20との間のアップリンク送信を行う。基地局装置20の無線通信部21は、接続パラメータ情報記憶部22に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を使用して、RRC_INACTIVE状態である端末装置10との間のアップリンク受信を行う。
【0062】
上述した通信方法の例3によれば、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態に移行した端末装置10は、基地局装置20から接続パラメータ情報使用情報「使用する」を受信した場合、当該RRC_CONNECTED状態における基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用して、基地局装置間のアップリンク送信を行うことができる。また、基地局装置20は、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態に移行させる端末装置10に対して、当該RRC_CONNECTED状態における基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用するか否かを、接続パラメータ情報使用情報により指示することができる。
【0063】
なお、上述した通信方法の例1と例3を組み合わせてもよい。通信方法の例1と例3を組み合わせる場合において、基地局装置20から端末装置10へ「suspendConfig」及び接続パラメータ情報を含む「RRC release」信号が送信されるときには、上述した通信方法の例1と同様の接続パラメータ情報の設定が行われ、一方、基地局装置20から端末装置10へ「suspendConfig」及び接続パラメータ情報使用情報を含む「RRC release」信号が送信されるときには、上述した通信方法の例3と同様の接続パラメータ情報の設定が行われる。
【0064】
[通信方法の例4]
図7を参照して、本実施形態に係る通信方法の例4を説明する。図7は、本実施形態に係る通信方法の例4の手順を示すシーケンス図である。図7において、図5の各ステップに対応するステップには同一の符号を付している。図7の例では、図5の例と同様に、端末装置10がRRC_CONNECTED状態に移行する手順の一例として、端末装置10が電源オンされた後に実行する初期接続の手順を示している。なお、端末装置10がRRC_CONNECTED状態に移行する手順は、初期接続の手順以外の手順であってもよい。
【0065】
図7に示されるステップS11からステップS17までが実行される。ステップS11からステップS17までは、上述した図5に係る通信方法の例2と同じである。次いで、ステップS41が実行される。
【0066】
(ステップS41) 基地局装置20の無線通信部21は、「suspendConfig」を含む「RRC release」信号を端末装置10へ送信する。
【0067】
(ステップS42) 基地局装置20の無線通信部21は、特定のQoS(Quality of Service)が設定されたベアラ(以下、特定QoSベアラと称する)が端末装置10とコアネットワーク30との間に確立されているか否かを示す情報を保持する。基地局装置20の無線通信部21は、特定QoSベアラが端末装置10とコアネットワーク30との間に確立されている場合に、接続パラメータ情報記憶部22に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を、継続して接続パラメータ情報記憶部22に保持する。一方、基地局装置20の無線通信部21は、当該特定QoSベアラが端末装置10とコアネットワーク30との間に確立されていない場合には、接続パラメータ情報記憶部22から、RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除する。
【0068】
なお、端末装置10が特定QoSベアラを確立する相手であるコアネットワーク30のノードは、例えば、LTEシステムのコアネットワークのS-GW(Serving Gateway)や、5GシステムのコアネットワークのUPF(User plane function)などである。また、LTEシステムにおいて、QoSは、QCI(QoS Class Identifier)で表される。また、5Gシステムにおいて、QoSは、5QI(5G QoS Identifier)で表される。
【0069】
(ステップS43) 端末装置10の無線通信部11は、特定QoSベアラが自端末装置10とコアネットワーク30との間に確立されているか否かを示す情報を保持する。端末装置10の無線通信部11は、基地局装置20から「suspendConfig」を含む「RRC release」信号を受信した場合において、特定QoSベアラが自端末装置10とコアネットワーク30との間に確立されているときに、接続パラメータ情報記憶部12に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を、継続して接続パラメータ情報記憶部12に保持する。一方、端末装置10の無線通信部11は、基地局装置20から「suspendConfig」を含む「RRC release」信号を受信した場合において、特定QoSベアラが自端末装置10とコアネットワーク30との間に確立されていないときには、接続パラメータ情報記憶部12から、RRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を削除する。
【0070】
(ステップS44) 端末装置10は、基地局装置20から受信した「suspendConfig」を含む「RRC release」信号に応じて、RRC_INACTIVE状態に移行する。
【0071】
(ステップS45) RRC_INACTIVE状態である端末装置10の無線通信部11は、接続パラメータ情報記憶部12に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を使用して、基地局装置20との間のアップリンク送信を行う。基地局装置20の無線通信部21は、接続パラメータ情報記憶部22に記憶されるRRC_CONNECTED状態における接続パラメータ情報を使用して、RRC_INACTIVE状態である端末装置10との間のアップリンク受信を行う。
【0072】
上述した通信方法の例4によれば、RRC_CONNECTED状態からRRC_INACTIVE状態に移行した端末装置10は、特定QoSベアラが自端末装置10とコアネットワーク30との間に確立されている場合、当該RRC_CONNECTED状態における基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用して、基地局装置間のアップリンク送信を行うことができる。
【0073】
なお、上述した通信方法の例1と例4を組み合わせてもよい。通信方法の例1と例4を組み合わせる場合において、基地局装置20から端末装置10へ「suspendConfig」及び接続パラメータ情報を含む「RRC release」信号が送信されるときには、上述した通信方法の例1と同様の接続パラメータ情報の設定が行われ、一方、基地局装置20から端末装置10へ送信される「suspendConfig」を含む「RRC release」信号が接続パラメータ情報を含まないときには、上述した通信方法の例4と同様の接続パラメータ情報の設定が行われる。
【0074】
[通信方法の例5]
図8を参照して、本実施形態に係る通信方法の例5を説明する。図8は、本実施形態に係る通信方法の例5の手順を示すシーケンス図である。図8において、図4の各ステップに対応するステップには同一の符号を付している。
【0075】
図8に示されるステップS1からステップS5までが実行される。ステップS1からステップS5までは、上述した図4に係る通信方法の例1と同じである。次いで、ステップS51,S52が実行される。ステップS51,S52は、RRC_INACTIVE状態である端末装置10がRRC_CONNECTED状態に移行する手順の一例である。
【0076】
(ステップS51) 端末装置10の無線通信部11は、「RRC Connection Resume Request」信号を基地局装置20へ送信する。
【0077】
(ステップS52) 基地局装置20の無線通信部21は、「RRC Connection Resume」信号を端末装置10へ送信する。
【0078】
(ステップS53) 基地局装置20の無線通信部21は、接続パラメータ情報記憶部22に記憶されるRRC_INACTIVE状態における接続パラメータ情報を、継続して接続パラメータ情報記憶部22に保持する。
【0079】
(ステップS54) 端末装置10の無線通信部11は、接続パラメータ情報記憶部12に記憶されるRRC_INACTIVE状態における接続パラメータ情報を、継続して接続パラメータ情報記憶部12に保持する。
【0080】
(ステップS55) 端末装置10は、基地局装置20から受信した「RRC Connection Resume」信号に応じて、RRC_CONNECTED状態に移行する。
【0081】
(ステップS56) RRC_CONNECTED状態である端末装置10の無線通信部11は、接続パラメータ情報記憶部12に記憶されるRRC_INACTIVE状態における接続パラメータ情報を使用して、基地局装置20との間のアップリンク送信を行う。基地局装置20の無線通信部21は、接続パラメータ情報記憶部22に記憶されるRRC_INACTIVE状態における接続パラメータ情報を使用して、RRC_CONNECTED状態である端末装置10との間のアップリンク受信を行う。
【0082】
上述した通信方法の例5によれば、RRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECTED状態に移行した端末装置10は、当該RRC_INACTIVE状態における基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報を使用して、基地局装置間のアップリンク送信を行うことができる。これにより、端末装置10がRRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECTED状態に移行する手順において、RRC_CONNECTED状態で使用する接続パラメータ情報を端末装置10が取得する手順を省略することができる。
【0083】
なお、上述した通信方法の例5を、上述した通信方法の例2、例3、例4と組み合わせてもよい。
【0084】
また、上述した通信方法の例5では、RRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECTED状態に移行した端末装置10が当該RRC_INACTIVE状態における接続パラメータ情報を接続パラメータ情報記憶部12に継続して保持したが、他の方法によって、RRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECTED状態に移行した端末装置10が基地局装置間のアップリンク送信に使用する接続パラメータ情報を端末装置10に設定してもよい。
【0085】
例えば、基地局装置20の無線通信部21が接続パラメータ情報を含む「RRC Connection Resume」信号を端末装置10へ送信する。端末装置10の無線通信部11は、当該「RRC Connection Resume」信号の接続パラメータ情報を接続パラメータ情報記憶部12に記憶する。また、端末装置10の無線通信部11は、接続パラメータ情報記憶部12から、RRC_INACTIVE状態における接続パラメータ情報を削除する。RRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECTED状態に移行した端末装置10の無線通信部11は、接続パラメータ情報記憶部12に記憶される「RRC Connection Resume」信号の接続パラメータ情報を使用して、基地局装置20との間のアップリンク送信を行う。基地局装置20の無線通信部21は、当該「RRC Connection Resume」信号の接続パラメータ情報を接続パラメータ情報記憶部22に記憶し、当該「RRC Connection Resume」信号の接続パラメータ情報を使用して、RRC_CONNECTED状態である端末装置10との間のアップリンク受信を行う。
【0086】
上述した実施形態によれば、RRC_INACTIVE状態である端末装置が基地局装置間のアップリンク送信を行うことができるという効果が得られる。
【0087】
また、基地局装置は、RRC_INACTIVE状態である端末装置がアップリンク送信に使用する接続パラメータ情報を認識できるので、RRC_INACTIVE状態である端末装置間のアップリンク受信を行うことができる。また、RRC_INACTIVE状態である端末装置からアップリンク送信された信号が、他の同期端末の信号に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0088】
なお、本実施形態は、RRC_INACTIVE状態である端末装置が行う基地局装置間の同期アップリンク送信及び非同期アップリンク送信の両方に適用してもよい。
【0089】
また、端末装置10の無線通信部11は、RRC_INACTIVE状態において、基地局装置20から受信した信号に基づいて当該基地局装置20との間のアップリンク送信に使用する接続パラメータ情報の送信電力値を調整してもよい。例えば、端末装置10の無線通信部11は、基地局装置20から周期的に送信される信号を観測し、当該観測の結果に基づいてパスロスを計算し、当該計算の結果のパスロスに基づいて接続パラメータ情報の送信電力値を変更する。
【0090】
また、端末装置がRRC_INACTIVE状態で使用する接続パラメータ情報として、過去に使用実績がある接続パラメータ情報を適用してもよく、又は、予め定められた接続パラメータ情報を適用してもよい。
【0091】
また、端末装置のRRC_INACTIVE状態における基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報は、次のRRC_INACTIVE状態における基地局装置間のアップリンク送信の接続パラメータ情報として繰り返し使用されてもよい。
【0092】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0093】
上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0094】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0095】
1…移動通信システム、10…端末装置、11,21…無線通信部、12,22…接続パラメータ情報記憶部、13…端末制御部、14…操作部、15…表示部、20…基地局装置、23…基地局制御部、24…通信部、30…コアネットワーク
図1
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