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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】ファン組立体
(51)【国際特許分類】
   F04F 5/44 20060101AFI20220224BHJP
   F04F 5/20 20060101ALI20220224BHJP
   F04F 5/48 20060101ALI20220224BHJP
   F04F 5/54 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
F04F5/44 B
F04F5/20 D
F04F5/48 C
F04F5/54
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2018224884
(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2019100341
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2018-11-30
【審判番号】
【審判請求日】2020-12-23
(31)【優先権主張番号】1720058.5
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】トマス リチャード モグリッジ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン アレクサンダー ヒューズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ グレゴリー フォレスト
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン エドゥアルド ピート
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ロバート カーリング
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ヘンリー キャンベル テリー-コリンズ
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】木戸 優華
【審判官】佐々木 芳枝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-172358(JP,A)
【文献】米国特許第2488467(US,A)
【文献】国際公開第2010/100451(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04F 5/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファン組立体であって、該ファン組立体は、空気流を発生させるためのモータ駆動羽根車と、
第1の空気出口を含むノズルと、を含み、前記ノズルは、ボアを構成し、ファン組立体の外側からの空気は、前記ボアを通して、前記第1の空気出口から放出される空気流の任意の部分によって引き込まれ、前記第1の空気出口から放出される前記空気流と組み合わさって、増幅空気流を生成し、
前記ファン組立体は、第2の空気出口をさらに含み、前記第2の空気出口は、該第2の空気出口から放出される空気流の任意の部分が、前記ノズルによって構成される前記ボアを通して空気を引き込まず、それによって、非増幅空気流を生成するように構成されており、前記第2の空気出口は、前記非増幅空気流がファン組立体から離れる方に放射するように、該第2の空気出口から放出される前記空気流の任意の部分を差し向けるように構成されている、ファン組立体。
【請求項2】
前記ノズルが、前記第2の空気出口を含む、請求項1に記載のファン組立体。
【請求項3】
前記第2の空気出口は、前記非増幅空気流が前記ノズルによって構成された前記ボアの中心軸線から離れる方に放射するように、該第2の空気出口から放出される前記空気流の任意の部分を差し向けるように構成されている、請求項2に記載のファン組立体。
【請求項4】
前記第2の空気出口は、前記ノズルによって構成された前記ボアの前記中心軸線から離れる方に実質的に前記中心軸線に対して垂直に該第2の空気出口から放出される前記空気流の任意の部分を差し向けるように構成されている、請求項3に記載のファン組立体。
【請求項5】
前記第2の空気出口は、前記ノズルによって構成された前記ボアの中心軸線と実質的に垂直である方向に向いている前記ノズルの外面の少なくとも一部のまわりに延びている、請求項3に記載のファン組立体。
【請求項6】
前記第1の空気出口は、前記ノズルによって構成された前記ボアの中心軸線と実質的に平行に放出される空気流を差し向けるように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項7】
少なくとも1つの弁部材を含む弁をさらに含み、該弁は、該弁の前記弁部材の位置に応じて前記第1の空気出口および前記第2の空気出口の一方または両方に前記空気流を差し向けるように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項8】
前記弁部材は、該弁部材が、前記第1の空気出口に空気流を差し向け、前記第2の空気出口に到達しないように空気流を閉塞する第1の端位置と、該弁部材が、前記第2の空気出口に空気流を差し向け、前記第1の空気出口に到達しないように空気流を閉塞する第2の端位置との間で移動可能であるように構成されている、請求項7に記載のファン組立体。
【請求項9】
前記弁部材は、前記第1の端位置と前記第2の端位置の間に位置するときに、該弁部材が、前記第1の空気出口に空気流の第1の部分を差し向け、前記第2の空気出口に空気流の第2の部分を差し向けるように構成されている、請求項8に記載のファン組立体。
【請求項10】
前記ノズルは、前記第1の空気出口、前記第2の空気出口、および、前記第1の空気出口および前記第2の空気出口の両方に前記空気流を運ぶための内部通路を含み、前記弁は、前記ノズルの前記内部通路内に設けられている、請求項7~9のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項11】
前記ノズルは、前記第1の空気出口および前記第2の空気出口の両方に前記空気流を運ぶための内部通路を含み、前記内部通路は、第1の空気流チャンネルおよび第2の空気流チャンネルを備えており、前記第1の空気流チャンネルは、前記第1の空気出口に向けて前記空気流を差し向けるように構成されており、前記第2の空気流チャンネルは、前記第2の空気出口に向けて前記空気流を差し向けるように構成されている、請求項8又は9に記載のファン組立体。
【請求項12】
前記ノズルは、前記第1の空気出口、前記第2の空気出口、および、前記第1の空気出口および前記第2の空気出口の両方に前記空気流を運ぶための内部通路を含み、前記弁は、前記ノズルの前記内部通路内に設けられており、
前記内部通路は、第1の空気流チャンネルおよび第2の空気流チャンネルを備えており、
前記第1の端位置において、前記弁部材は、前記内部通路の残りの部分から前記第2の空気流チャンネルを閉塞するように構成されており、前記第2の端位置において、前記弁部材は、前記内部通路の残りの部分から前記第1の空気流チャンネルを閉塞するように構成されている、請求項8又は9に記載のファン組立体。
【請求項13】
バッフルが、前記内部通路内に設けられており、前記バッフルは、前記内部通路内で前記第1の空気流チャンネルおよび前記第2の空気流チャンネルの少なくとも一方を少なくとも部分的に構成し、前記弁部材は、前記第1の端位置および前記第2の端位置の一方で前記バッフルに当接し、それによって、前記内部通路の残りの部分から、前記第1の空気流チャンネル又は前記第2の空気流チャンネルのいずれかを閉塞する、請求項11または12に記載のファン組立体。
【請求項14】
前記第1の空気出口および前記第2の空気出口の一方または両方に空気流を差し向けるべく前記弁部材の移動を生じさせるように構成された弁駆動体をさらに含む、請求項7~13のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項15】
前記弁駆動体は、ラックの移動を生じさせるように構成されており、前記ラックは、該ラックの移動が前記弁部材の移動を生じさせるような前記弁部材とのリンク機構を備える、請求項14に記載のファン組立体。
【請求項16】
前記ラックと前記弁部材の間の前記リンク機構は、カムが前記ラックおよび前記弁部材の一方に設けられ、フォロワが前記ラックおよび前記弁部材の他方に設けられたカム-フォロワ対によって提供される、請求項15に記載のファン組立体。
【請求項17】
前記弁駆動体は、弁アクチュエータの移動を生じさせるように構成されており、前記弁アクチュエータは、該弁アクチュエータの移動が前記弁部材の移動を生じさせるような弁部材とのリンク機構を備える、請求項14に記載のファン組立体。
【請求項18】
前記弁アクチュエータと前記弁部材との間の前記リンク機構は、カム前記弁アクチュエータおよび前記弁部材の一方に設けられ、フォロワが前記弁アクチュエータおよび前記弁部材の他方に設けられたカム-フォロワ対によって提供される、請求項17に記載のファン組立体。
【請求項19】
前記弁駆動体は、ラックの移動を生じさせるように構成されており、前記ラックは、該ラックの移動が前記弁アクチュエータの移動を生じさせるように前記弁アクチュエータに連結されている、請求項17および18のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項20】
前記ノズルは、前記第1の空気出口、前記第2の空気出口、および、前記第1の空気出口および前記第2の空気出口の両方に前記空気流を運ぶための内部通路を含み、前記ラックは、前記内部通路の整合した部分の形状に対応する円弧の形状を有し、前記弁駆動体は、前記ラックの円運動を生じさせるように構成されている、請求項1516、および、19のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項21】
前記ノズルは、前記第1の空気出口、前記第2の空気出口、および、前記第1の空気出口および前記第2の空気出口の両方に前記空気流を運ぶための内部通路を含み、前記ラックは、前記内部通路の整合した部分の形状に対応する円弧の形状を有し、前記弁駆動体は、前記ラックの円運動を生じさせるように構成され、
第1の弁アクチュエータが、前記ラックの第1の端に連結されており、第2の弁アクチュエータが、前記ラックの第2の端に連結されている、請求項15又は16に記載のファン組立体。
【請求項22】
前記弁部材は、第1の弁部材及び第2の弁部材を含み、
前記第1の弁部材に前記第1の弁アクチュエータをリンク結合するカム-フォロワ対のカムが、前記第2の弁部材に前記第2の弁アクチュエータをリンク結合するカム-フォロワ対のカムと対向する配向を有する、請求項21に記載のファン組立体。
【請求項23】
ファン組立体のためのノズルであって、該ノズルは、
前記ファン組立体から空気流を受け入れるための空気入口と、
第1の空気出口と、
第2の空気出口と、を含み、
前記ノズルは、ボアを構成し、前記ファン組立体の外側からの空気は、前記ボアを通して、前記第1の空気出口から放出される空気流の任意の部分によって引き込まれ、前記ボアは、前記第1の空気出口から放出される空気流と組み合わさって、増幅空気流を生成し、
前記第2の空気出口は、該第2の空気出口から放出される空気流の任意の部分が、前記ノズルによって構成される前記ボアを通して空気を引き込まず、それによって、非増幅空気流を生成するように構成されており、前記第2の空気出口は、前記非増幅空気流がファン組立体から離れる方に放射するように、該第2の空気出口から放出される前記空気流の任意の部分を差し向けるように構成されている、ノズル。
【請求項24】
弁をさらに含み、該弁は、該弁の弁部材の位置に応じて前記第1の空気出口および前記第2の空気出口の一方または両方に前記空気流を差し向けるように構成されている、請求項23に記載のノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファン組立体、および、ファン組立体のためのノズルに関する
【背景技術】
【0002】
在来の家庭用ファンは、典型的には、軸線を中心として回転できるように取り付けられた1組のブレードまたは羽根、および、空気流を発生されるために1組のブレードまたは羽根を回転させる駆動装置を含む。空気流の運動および循環は、「風冷(wind chill)」またはそよ風を創出し、その結果、使用者は、熱が対流または気化によって放散されるときに冷却効果を経験する。ブレードは、全体的にケージ内に位置し、ケージは、ファンの使用中に、使用者が回転するブレードに接触するようになることを防止しながら、空気流がハウジングを通過することを可能にする。
【0003】
米国特許第2,488,467号は、ファンから空気を投射させるためにケージに収容されたブレードを使用しないファンを記載している。代わりに、ファン組立体は、ベースであって、該ベース内に空気を引き込むためのモータ駆動される羽根車、および、ベースに連結された環状ノズルであって、各々が、ファンから空気流を放出するためにノズルの前部に配置された空気流出口を含む環状ノズルを含み、各ノズルは、該ノズルがまわりに延びるボアを規定するボア軸線のまわりに延びている。
【0004】
各ノズルは、エアフォイルの形状になっており、エアフォイルは、したがって、ノズルの後部に位置する前縁、ノズルの前部に位置する後縁、および、前縁と後縁の間に延びる翼弦線を有するものと考えることができる。米国特許第2,488,467号では、各ノズルの翼弦線は、ノズルのボア軸線と平行である。空気出口は、翼弦線上に位置し、ノズルから離れる方に翼弦線に沿って空気流を放出するように配置されている。
【0005】
ファン組立体から空気を投射させるためにケージに収容されたブレードを使用しないもう1つのファン組立体が、WO2010/100451に記載されている。このファン組立体は、円筒形ベースであって、これまた該ベース内に主空気流を引き込むためのモータ駆動羽根車を収容する円筒形ベース、および、このベースに連結された単一の環状ノズルを含み、該ノズルは、環状口/出口を含み、主空気流は、前記環状口/出口を通してファンから放出される。ノズルは、開口部を構成し、ファン組立体の局所的環境内の空気は、この開口部を通して、前記口から放出された主空気流によって引き込まれ、主空気流を増幅させる。ノズルは、コアンダ表面(Coanda surface)を含み、前記口は、このコアンダ表面上で主空気流を差し向けるように構成されている。コアンダ表面は、ファン組立体によって発生された空気流が、円筒形または截頭円錐形輪郭を有する環状ジェットの形態になるように、前記開口部を中心として対称的に延びている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、ファン組立体であって、増幅空気流、あるいは、非増幅空気流、あるいは、増幅空気流と非増幅空気流の両方を同時に送出し、そうする際に、ファン組立体の使用者に、ファン組立体によっていかなる空気が送出されるかについての種々の選択肢を与えることができるファン組立体を提供することである。
【0007】
1つの観点によれば、空気流を発生させるためのモータ駆動羽根車と、第1の空気出口を含むノズルと、を含むファン組立体が提供される。ノズルは、ボアを構成し、ファン組立体の外側からの空気は、前記ボアを通して、第1の空気出口から放出される空気流の任意の部分によって引き込まれ、第1の空気出口から放出される空気流と組み合わさって、増幅空気流を生成する。ファン組立体は、第2の空気出口をさらに含み、第2の空気出口は、該第2の空気出口から放出される空気流の任意の部分が、前記ノズルによって構成された前記ボアを通して空気を引き込まず、それによって、非増幅空気流を生成するように構成されている。第2の空気出口は、非増幅空気流がファン組立体から離れる方に開出するように、該第2の空気出口から放出される空気流の任意の部分を差し向けるように構成されている。
【0008】
モータ駆動羽根車によってファン組立体を通して引き込まれ、第1の空気出口および第2の空気出口の一方または両方によってファン組立体から放出される空気流は、以下では、主空気流と呼ばれる。第1の空気出口から放出されるこの空気流の任意の部分は、ノズルを取り囲む空気を連行し、かくして、ノズルは、主空気流と連行された空気の両方を使用者に供給する増幅器として作用する。連行された空気は、本願では、二次的空気流と呼ばれる。この二次的空気流は、ノズルを取り囲む室内空間、領域または外部環境から引き込まれる。主空気流は、したがって、連行された二次的空気流と組み合わさって、ノズルの前部から前方に投射される、組み合わされた、または増幅された空気流を形成する。対照的に、第2の空気出口から放出される主空気流の任意の部分は、いかなる重大な二次空気流も連行せず、したがって、本願では、非増幅空気流と呼ばれる。
【0009】
好ましくは、ファン組立体は、空気流が第1の空気出口および第2の空気出口のいずれからも放出される前に空気流を浄化するように構成された少なくとも1つの浄化組立体を含む。
【0010】
ノズルは、好ましくは、ループを含む。ノズルは、環状および細長い環状形状のいずれも有することができる。ファン組立体は、ファン本体をさらに含み、ノズルは、ファン本体上に取り付けられ、ファン本体によって支持される。ファン本体が、次いで、第2の空気出口をさらに含んでもよい。第2の空気出口は、次いで、非増幅空気流がファン本体から離れる方に開出するように、第2の空気出口から放出される空気流の任意の部分を差し向けるように構成されているのがよい。
【0011】
代替的には、ノズルが、第2の空気出口を含んでもよい。第2の空気出口は、次いで、非増幅空気流が、ノズルによって構成されるボアの中心軸線から離れる方に開出するように、第2の空気出口から放出される空気流の任意の部分を差し向けるように構成されているのがよい。そうするために、第2の空気出口は、ノズルによって構成されるボアの中心軸線から離れる方に実質的に垂直に第2の空気出口から放出される空気流の任意の部分を差し向けるように構成されているのがよい。第2の空気出口は、したがって、第2の空気出口のダクトが、ノズルによって構成されるボアの中心軸線に対して実質的に垂直であるように構成されているのがよい。
【0012】
第2の空気出口は、ノズルによって構成されるボアの中心軸線と実質的に平行である方向に向いているノズルの外面の少なくとも一部のまわりで延びているのがよい。
【0013】
第1の空気出口は、ノズルによって構成されるボアの中心軸線と実質的に平行に放出される空気流を差し向けるように構成されているのがよい。第1の空気出口は、第1の空気出口のダクトが、ノズルによって構成されるボアの中心軸線と実質的に平行であるように構成されているのがよい。好ましくは、第1の空気出口は、ノズルによって構成されるボアの中心軸線と実質的に平行である方向に向いているノズルの縁部に設けられている。
【0014】
好ましくは、ノズルは、弁をさらに含み、該弁は、該弁の弁部材の位置に応じて第1の空気出口および第2の空気出口の一方または両方に空気流を差し向けるように構成されている。弁部材は、該弁部材が、第1の空気出口に空気流を差し向け、第2の空気出口に到達しないように空気流を閉塞する第1の端位置と、該弁部材が、第2の空気出口に空気流を差し向け、第1の空気出口に到達しないように前記空気流を閉塞する第2の端位置との間で移動可能であるように構成されているのがよい。好ましくは、弁部材は、第1の端位置と第2の端位置の間に位置するときに、該弁部材が、第1の空気出口に空気流の第1の部分を差し向け、第2の空気出口に空気流の第2の部分を差し向けるように構成されている。
【0015】
ノズルは、第1の空気出口、第2の空気出口、および、第1の空気出口および第2の空気出口の両方に空気流を運ぶための内部通路を含み、弁は、ノズルの内部通路内に設けられているのがよい。第1の空気出口および第2の空気出口の一方または両方の形状は、次いで、内部通路の整合する部分の形状に対応しているのがよく、弁は、次いで、ノズルの内部通路の少なくとも一部のまわりに延びているのがよい。弁は、次いで、第1の端位置において、弁部材が、内部通路内の空気流の残りの部分から第2の空気出口を閉塞するように構成されており、第2の端位置において、弁部材が、内部通路内の空気流の残りの部分から第1の空気出口を閉塞するように構成されているのがよい。
【0016】
内部通路は、第1の空気流チャンネルおよび第2の空気流チャンネルを備えているのがよく、第1の空気流チャンネルは、第1の空気出口に向けて空気流を差し向けるように構成されており、第2の空気流チャンネルは、第2の空気出口に向けて空気流を差し向けるように構成されている。弁部材は、次いで、第1の端位置において、該弁部材が、内部通路の残りの部分から第2の空気流チャンネルを閉塞し、第2の端位置において、第1の空気流チャンネルを閉塞するように構成されているのがよい。
【0017】
好ましくは、バッフルが内部通路内に設けられており、バッフルは、内部通路内で第1の空気流チャンネルおよび第2の空気流チャンネルの少なくとも一方を少なくとも部分的に構成している。弁部材は、次いで、第1の端位置および第2の端位置の一方でバッフルに当接し、それによって、内部通路の残りの部分から第1の空気流チャンネル、あるいは、第2の空気流チャンネルのいずれかを閉塞する。
【0018】
弁は、第1の空気出口および第2の空気出口の一方または両方に空気流を差し向けるように弁部材の移動を生じさせるように構成された弁駆動体をさらに含むのがよい。弁駆動体は、弁モータ、および、手動駆動ダイアルまたはスイッチのいずれを含んでもよい。
【0019】
弁駆動体は、ラックの移動を生じさせるように構成されているのがよく、ラックは、ラックの移動が弁部材の移動を生じさせるような弁部材とのリンク機構を備えている。ラックと弁部材の間のリンク機構は、好ましくは、カムがラックおよび弁部材の一方上に設けられ、フォロワがラックおよび弁部材の他方上に設けられ、カムと協働するように構成されているカム-フォロワ対によって提供される。
【0020】
弁駆動体は、弁アクチュエータの移動を生じさせるように構成されているのがよく、弁アクチュエータは、弁アクチュエータの移動が弁部材の移動を生じさせるような弁部材とのリンク機構を備える、弁アクチュエータと弁部材の間のリンク機構は、好ましくは、カムが弁アクチュエータおよび弁部材の一方上に設けられ、フォロワが弁アクチュエータおよび弁部材の他方上に設けられ、カムと協働するように構成されているカム-フォロワ対によって提供される。弁駆動体は、ラックの移動を生じさせるように構成されているのがよく、ラックは、ラックの移動が弁部材の移動を生じさせるように弁アクチュエータに連結されている。
【0021】
ラックは、内部通路の整合した部分の形状に対応する円弧の形状を有し、弁駆動体は、対で、ラックの円運動を生じさせるように構成されているのがよい。次いで、第1の弁アクチュエータが、円弧状ラックの第1の端に連結されており、第2の弁アクチュエータが、円弧状ラックの第2の端に連結されているのがよい。次いで、第1の弁部材に第1の弁アクチュエータをリンク結合するカム-フォロワ対のカムが、第2の弁部材に第2の弁アクチュエータをリンク結合するカム-フォロワ対のカムと対向する配向を有するのがよい。
【0022】
ノズルは、2つ以上の第1の空気出口を有してもよく、弁は、次いで、2つ以上の第1の空気出口の各々に対応する弁部材を含むのがよく、各弁部材は、弁部材の位置に応じて空気流を対応する第1の空気出口に差し向けるように構成されている。代替的に、あるいは、追加的に、ノズルは、2つ以上の第2の空気出口を有してもよく、弁は、次いで、2つ以上の第2の空気出口の各々に対応する弁部材を含むのがよく、各弁部材は、弁部材の位置に応じて空気流を対応する第2の空気出口に差し向けるように構成されている。2つ以上の弁部材の各々は、次いで、弁部材が空気流を第1の空気出口に差し向け、第2の空気出口に到達しないように空気流を閉塞する第1の位置と、弁部材が空気流を第2の空気出口に差し向け、第1の空気出口に到達しないように空気流を閉塞する第2の位置との間で移動可能であるように構成されているのがよい。
【0023】
第2の観点によれば、ファン組立体のためのノズルであって、該ノズルは、ファン組立体から空気流を受け入れるための空気入口と、第1の空気出口と、第2の空気出口と、を含む、ノズルが提供される。ノズルは、ボアを構成し、ファン組立体の外側からの空気は、ボアを通して、第1の空気出口から放出される空気流の任意の部分によって引き込まれ、第1の空気出口から放出される空気流と組み合わさって、増幅空気流を生成する。第2の空気出口は、該第2の空気出口から放出される前記空気流の任意の部分が、前記ノズルによって構成された前記ボアを通して空気を引き込まず、それによって、非増幅空気流を生成するように構成されている。
【0024】
好ましくは、ノズルは、弁をさらに含み、該弁は、該弁の弁部材の位置に応じて第1の空気出口および第2の空気出口の一方または両方に空気流を差し向けるように構成されている。弁部材は、該弁部材が、第1の空気出口に空気流を差し向け、第2の空気出口に到達しないように空気流を閉塞する第1の端位置と、該弁部材が、第2の空気出口に空気流を差し向け、第1の空気出口に到達しないように空気流を閉塞する第2の端位置との間で移動可能であるように構成されているのがよい。好ましくは、弁部材は、第1の端位置と第2の端位置の間に位置するときに、該弁部材が、第1の空気出口に空気流の第1の部分を差し向け、第2の空気出口に空気流の第2の部分を差し向けるように構成されている。
【0025】
第2の空気出口は、ノズルによって構成されるボアの中心軸線から離れる方に実質的に垂直に第2の空気出口から放出され空気の任意の部分を差し向ける。第2の空気出口は、したがって、第2の出口のダクトが、ノズルによって構成されるボアの中心軸線に対して実質的に垂直であるように構成されているのがよい。第2の空気出口は、ノズルによって構成されるボアの中心軸線と実質的に垂直である方向に向いているノズルの外面の少なくとも一部のまわりに延びるのがよい。
【0026】
第1の空気出口は、ノズルによって構成されるボアの中心軸線から離れる方に実質的に垂直に放出される空気流を差し向けるように構成されているのがよい。第1の空気出口は、第1の空気出口のダクトが、ノズルによって構成されるボアの中心軸線と実質的に平行であるように構成されているのがよい。好ましくは、第1の空気出口は、ノズルによって構成されるボアの中心軸線と実質的に平行である方向に向いているノズルの縁部に設けられている。
【0027】
ノズルは、空気入口から第1の空気出口および第2の空気出口に空気を運ぶための内部通路を含むのがよい。弁は、次いで、ノズルの内部通路内に設けられるのがよい。
【0028】
第3の観点によれば、羽根車、空気流を発生させるように羽根車を回転させるためのモータ、および、羽根車により発生された空気流を受け取るように構成された第2の観点によるノズルを含むファン組立体が提供される。
【0029】
本発明の好ましい特徴を、添付の図面を参照して例としてのみ以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1A】ファン組立体の第1の実施形態の正面図である。
図1B】ファン組立体の第1の実施形態の右側面図である。
図2図1Aの線A-Aに沿って取られた右側面横断面図である。
図3図1Bの線B-Bに沿って、ファン組立体のノズルを通して取られた横断面図である。
図4図2の横断面図の一部の拡大図を示す。
図5図1Aおよび図1Bのファン組立体の主本体部分の斜視図である。
図6A図1Aおよび図1Bのファン組立体の浄化組立体の分解図である。
図6B図1Aおよび図1Bのファン組立体と共に使用されるのに適した穿孔シュラウドの背面斜視図である。
図7図1Aおよび図1Bのファン組立体のノズルの分解図である。
図8図1Aおよび図1Bのファン組立体の弁の背面斜視図である。
図9A】ファン組立体のノズルの第2の実施形態の正面図である。
図9B】ファン組立体のノズルの第2の実施形態の右側面図である。
図10A】第1の作動モードにあるときに図9Bの線B-Bに沿って取られた、図9Aおよび図9Bのノズルの1つの断面における横断面図である。
図10B】第2の作動モードにあるときに図9Bの線B-Bに沿って取られた、図9Aおよび図9Bのノズルの1つの断面における横断面図である。
図11図9Aおよび図9Bのノズルの分解図である。
図12図9Aおよび図9Bのノズルの弁の正面斜視図である。
図13A】ファン組立体のノズルの第3の実施形態の正面図である。
図13B】ファン組立体のノズルの第3の実施形態の右側面図である。
図14A】第1の作動モードにあるときに図13Bの線B-Bに沿って取られた、図13Aおよび図13Bのノズルの1つの断面における横断面図である。
図14B】第2の作動モードにあるときに図13Bの線B-Bに沿って取られた、図13Aおよび図13Bのノズルの1つの断面における横断面図である。
図15図13Aおよび図13Bのノズルの分解図である。
図16図13Aおよび図13Bのノズルの弁の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ファン組立体であって、増幅空気流、あるいは、非増幅空気流を送出し、あるいは、増幅空気流と非増幅空気流の両方を同時に送出することができ、そうする際に、ファン組立体の使用者に、ファン組立体によっていかなる空気が送出されるかについての種々の選択肢を与えることができるファン組立体が提供される。本願で使用されている用語「ファン組立体」とは、温熱快適性、および/または、環境もしくは気候制御の目的で空気流を発生させ、送出するように構成されたファン組立体をいう。かかるファン組立体は、脱湿空気流、加湿空気流、浄化空気流、ろ過空気流、冷却空気流、および、加熱空気流の1つまたはそれ以上を発生させることができる。
【0032】
ファン組立体1000は、空気入口1110を含む本体またはスタンド1100であって、主空気流が、空気入口1110を通って、本体またはスタンド1100と、空気入口1110上で本体1100上に取り付けられた少なくとも1つの浄化フィルタ組立体1200と、空気ベント/開口部1115に取り付けられたノズルと、を含み、主空気流は、空気ベント/開口部1115を通して、本体1100を出る。ノズル1300は、ファン組立体1000から主空気流を放出するための第1の空気出口1310と、ファン組立体1000から主空気流を放出するための第2の空気出口1320と、弁1400と、を含み、弁1400は、弁1400の弁部材1410の位置に応じて第1の空気出口1310および第2の空気出口1320の一方または両方に主空気流を差し向けるように構成されている。
【0033】
ノズル1300は、ノズル1300の空気入口1340から、第1の空気出口1310および第2の空気出口1320の一方または両方に空気を運ぶための内部通路1330を含む。ノズル1300はまた、中央/内側開口部/ボア1500を構成し、ファン組立体1000の外側からの空気は、中央/内側開口部/ボア1500を通して、第1の空気出口1310から放出される主空気流によって引き込まれ、中央/内側開口部/ボア1500は、放出される空気流と組み合わさって、増幅空気流を生成する。ノズル1300は、したがって、ボア1500のまわりに延び、ボア1500を取り囲むループを形成する。
【0034】
ノズル1300の第2の空気出口1320は、内部通路1330から空気流を受け入れ、ノズル1300によって構成された開口部ボア1500を通してファン組立体の外側から空気を引き込むことなく空気流を放出するように構成されており、それによって、非増幅空気流を生成する。本願に示されている実施形態では、第2の空気出口1320は、放出される空気流を、該放出される空気流がファン組立体1000から離れる方に実質的に放射/開出するように差し向ける。特に、第2の空気出口1320は、放出される空気流を、該放出される空気流がノズル1300によって構成された開口部ボア1500の中心軸線(X)から離れる方に実質的に放射/開出するように、すなわち、ノズル1300によって構成された開口部ボア1500の中心軸線(X)から離れる方に30°と150°の間の角度をなして放射/開出するように、差し向ける。好ましくは、第2の空気出口1320は、非増幅空気流を、ノズル1300によって構成された開口部ボア1500の中心軸線(X)から離れる方に実質的に垂直に、すなわち、ノズル1300によって構成された開口部ボア1500の中心軸線(X)から離れる方に45°から145°の角度をなして、より好ましくは、ノズル1300によって構成された開口部ボア1500の中心軸線(X)から離れる方に70°から110°の角度をなして差し向けるように構成されている。第2の空気出口1320は、したがって、ボア1500を通して空気が引き込まれる方向と実質的に垂直な方向に非増幅空気流を差し向けるように構成されるであろう。
【0035】
図1Aおよび図1Bは、自立環境制御ファン組立体1000の第1実施形態の外部図であり、図2および図3は、図1Aおよび図1Bの線A-Aおよび線B-Bにおける断面図を示している。図4は、次いで、図1Aおよび図1Bに示されているファン組立体1000の本体1100の拡大断面図を示している。図2および図4に示されているように、本体1100は、実質的に円筒形の下側本体部分1130上に取り付けられた実質的に円筒形の主本体部分1120を含む。主本体部分1120は、下側本体部分1130よりも小さい外径を有する。主本体部分1120は、主本体部分1120の下端から離れる方に半径方向/垂直方向に延びる下側環状フランジ1121を有する。下側環状フランジ1121の外縁は、下側本体部分1120の外面と実質的に面一である。次いで、取り外し可能な浄化/フィルタ組立体1200は、主本体部分1120上に取り付けられ、主本体部分1120の下側環状フランジ1121上に載る。この実施形態では、主本体部分1120は、主本体部分1120の反対側の上端から離れる方に半径方向/垂直方向に延びる上側環状フランジ1122をさらに含む。上側環状フランジ1122の外縁は、次いで、主本体部分1120の上端に連結するノズル1300のベース/ネック1350の外面と実質的に面一である。
【0036】
この第1実施形態では、ファン組立体1000は、主本体部分1120の2つの対向する半部上に位置してこれらの半部を覆うように構成されている2つの別個の浄化組立体1200a、1200bを含む。各浄化組立体1200は、したがって、主本体部分1120上に同心状に位置することができ、主本体部分1120の下側環状フランジ1121上に載る半シリンダ/管の形状を実質的に有する。したがって、図5は、浄化組立体の一方1200aが取り外され、浄化組立体の他方1200bが主本体部分1120の遠い側上に取り付けられている主本体部分1120を示している。
【0037】
図6Aは、図1図5のファン組立体と共に使用されるのに適したフィルタ組立体1200の1つの実施形態の分解図を示している。この実施形態では、各フィルタ組立体1200は、1つまたはそれ以上のフィルタ媒体を支持するフィルタフレーム1210を含む。各フィルタフレーム1210は、フィルタフレーム1210の長手方向軸線と平行である2つの直線状側面、および、フィルタフレーム1210の長手方向軸線と垂直である2つの湾曲した端を備える半シリンダの形状を実質的に有する。1つまたはそれ以上のフィルタ媒体は、フィルタフレーム1210によって構成された表面領域を覆うように構成されている。
【0038】
フィルタフレーム1210は、フィルタフレーム1210の第1の湾曲した端から離れる方に半径方向/垂直方向に延びる第1の端フランジ1211、および、フィルタフレーム1210の反対側の第2の湾曲した端から離れる方に半径方向/垂直方向に延びる第2の端フランジ1212を備える。各フィルタフレーム1210は、次いでまた、フィルタフレーム1210の第1の側から、第1の端フランジ1211の第1の端から離れる方に第2の端フランジ1212の第1の端まで延びる第1の側方フランジ1213、および、フィルタフレーム1210の第2の側から、第1の端フランジ1211の第2の端から離れる方に第2の端フランジ1212の第2の端まで延びる第2の側方フランジ1214を備える。第1の端フランジ1211、第2の端フランジ1212、第1の側方フランジ1213、および、第2の側方フランジ1214は、互いに一体的に形成され、それによって、フィルタフレーム1210の全周のまわりに延びるリッジまたはリムを形成する。フランジ1211-1214は、フィルタ媒体を封止することができる(例えば、フィルタ1210の下流側で糊を使用して)面を提供し、また、フィルタフレーム1210が、空気がフィルタ媒体を通過することなくファン本体1100の内外に漏れるのを防止するように、主本体1120と封止部を形成するのを可能にする面を提供する。
【0039】
各フィルタ組立体1200は、空気がフィルタ組立体1200の縁のまわりで主本体部分1120の空気入口1110に通過するのを防止するように主本体部分1120と係合するためにフィルタフレーム1210の内周の全体のまわりに設けられた可撓性シール1230をさらに含む。可撓性シール1230は、好ましくは、円弧形状ワイパまたはリップの形態を実質的に取る下側湾曲シール部分および上側湾曲シール部分を含み、下側湾曲シール部分の各端は、各々がワイパまたはリップの形態を実質的に取る2つの直線状シール部分によって上側シール部分の対応する端に連結されている。上側湾曲シール部分および下側湾曲シール部分は、したがって、主本体部分1120の湾曲した上端および下端に接触するように構成されているのに対して、直線状シール部分は、主本体部分1120から離れる方に垂直方向に延びる2つの直径方向に対向した長手方向フランジの一方または他方に接触するように構成されている。好ましくは、フィルタフレーム1210は、フィルタフレーム1210の内周の全体のまわりに延び、シール1230を支持し、受け入れるように構成されている凹部(図示せず)を備える。図示されている実施形態では、この凹部は、第1の側方フランジ1213および第2の側方フランジ1214の両方の内面、および、フィルタフレーム1210の第1の端および第2の端の両方の内縁を横切って延びる。
【0040】
第1および第2のフランジ1211、1212と第1および第2の側方フランジとの間の領域を横切って延びる凸形の外面上に支持される。図示されている実施形態では、各フィルタ組立体1200a、1200bは、フィルタフレーム1210の外面上に取り付けられた外側メッシュ層1222で覆われた粒子状フィルタ媒体層1221を含む。随意には、1つまたはそれ以上の別のフィルタ媒体が、次いで、フィルタフレーム1210の凹形の内面内に位置してもよい。例えば、これらの別のフィルタ媒体は、第2の化学的フィルタ媒体層によって覆われた第1の化学的フィルタ媒体層を含むのがよく、第1の化学的フィルタ媒体層および第2の化学的フィルタ媒体層は共にフィルタフレーム1210の内面内に位置する。これらの別のフィルタ媒体は、フィルタフレーム1210の凹形の内面に取り付けられ、かつ/または、フィルタフレーム1210の凹形の内面上に支持されるのがよく、あるいは、代替的には、主本体部分1120上に取り付けられ、各フィルタ組立体1200a、1200bの下で主本部分1120の下側環状フランジ1121上に載ってもよい。いずれの場合においても、フィルタフレーム1210は、フィルタフレーム1210の凹形の内面内に空間を構成するように形成されることとなり、フィルタフレーム1210の凹形の内面内で、これらのフィルタ媒体は、フィルタ組立体1200が主本体部分1120上に取り付けられるときに、フィルタフレーム1210の凹形の内面内に収容されることができるようになる。
【0041】
図5に示されているように、実質的に半シリンダの形状である穿孔シュラウド1240が、次いで、主本体部分1120上に配置されるときに、浄化組立体1200を覆うようにフィルタフレーム1210に同心状に取り付けられる。図6Bは、図1図5のファン組立体と共に使用されるのに適した穿孔シュラウド1240の背面斜視図を示している。穿孔シュラウド1240は各々、ファン1000の使用に際して浄化組立体1200の空気入口として作用する孔の配列を含む。代替的には、シュラウド1240の空気入口1241は、シュラウドに設けられた窓内に取り付けられた1つまたはそれ以上のグリルまたはメッシュを含んでもよい。本発明の範囲内で、空気入口の配列の代替的なパターンが考えられることも明らかであろう。シュラウド1240は、例えば移動中に、損傷からフィルタ媒体1221-1224を保護し、また、ファン組立体1200の全体的な外観と相俟って、浄化組立体1200のために視覚的に魅力的な外面を提供する。
【0042】
主本体部分1120は、ファン組立体1000の種々の構成要素を収容する穿孔ハウジング1124を含む。穿孔ハウジング1124は、ファン組立体1000の本体1100の空気入口1110として作用する孔の配列を含む。浄化組立体は、次いで、羽根車によって主本体部分1200内に引き込まれた空気が、主本体部分1200に入る前にろ過されるように、主本体部分1200の空気入口1110の上流側に配置される。これは、ファン組立体1000に潜在的に損傷を生じさせ得るいかなる粒子も除去するのに役立ち、また、ノズル1300から放出された空気が粒子状物質を含まないことを確保する。さらに、これは、潜在的に健康に危険であり得る種々の化学物質を除去し、それによって、ノズルから放出される空気が浄化される。この実施形態では、空気入口1110は、主本体部分1120に形成された孔の配列を含む。代替的には、空気入口1110は、主本体部分1120に形成された窓内に取り付けられた1つまたはそれ以上のグリルまたはメッシュを含んでもよい。主本体部分1120は、主空気流を本体1100から排出させる空気ベント/開口部1115を収容するように前端が開放している。
【0043】
下側本体部分1130は、主本体部分1120内に収容された構成要素以外のファン組立体の構成要素を収容する別のハウジングを含む。下側本体部分1130は、ファン組立体1000が配置される面に係合するためのベース1140上に取り付けられている。特に、ベース1140は、ノズル1300がベース1140に対して最上部にある状態で面上に配置されるときにファン組立体1000を支持する。この実施形態では、下側本体部分1130は、パンピニオン(図示せず)によって係合されるパン駆動ギア(図示せず)を収容する。振動モータ1160によるパンピニオンの回転は、したがって、下側本体部分1130に対して主本体部分1120を回転させる。ファン組立体1000に電力を供給するための主電力ケーブルが、下側本体部分1130に形成された孔1131を通して延びる。ケーブルの外部端は、次いで、主電源に接続するためのプラグに接続される。
【0044】
主本体部分1120は、主空気流がファン組立体1000から放出される方向を調節するように下側本体部分1130に対して傾けられているのがよい。例えば、下側本体部分1130の上面1132、および、主本体部分1120の下面は、主本体部分1120が下側本体部分1130から持ち上げられるのを防止しながら、主本体部分1120が下側本体部分1130に対して移動するのを可能にする相互連結特徴を備えるのがよい。例えば、下側本体部分1130および主本体部分1120は、相互係止L字形部材を含むのがよい。この実施形態では、下側本体部分1130の上面1132は凹形であり、主本体部分1120の下面1125は対応するように凸形である。したがって、2つの面の少なくとも一部は、主本体部分1120が下側本体部分に対して傾けられるときに、少なくとも部分的に連結されたままになる。
【0045】
上述したように、主本体部分1120は、下側本体部分1130内でパン駆動ギアと係合されるパンピニオンを駆動する振動モータ1160を収容する。図3および図5に示されている実施形態では、振動モータ1160は、主本体部分の凸形の下面1125に隣接して、主本体部分1120の底部内に収容される。振動モータ1260と共に、パンピニオンおよびパン駆動ギアは、下側本体部分1130に対して主本体部分120を振動させるための振動機構を提供する。この振動機構は、使用者によって与えられる制御入力に応答してファン組立体1000の主制御回路1170によって制御される。
【0046】
主電源ケーブルは、下側本体部分1130を通過し、主電源ケーブルの内部端は、次いで、主本体部分1120の底部に向かって収容された主電源ユニット1180に接続される。この実施形態では、主電源ユニット1180は、振動モータ1160の上方に固定された電源マウント上に取り付けられている。電源カバー1182が、次いで、主電源ユニット1180を包囲し、保護するように主電源ユニット1180を覆って位置決めされる。この実施形態では、主電源カバー1182は、空気入口1110を通してファン組立体1000に入る主空気流のいかなる妨害も最小にし、かつ、主空気流を案内するのを助けるような実質的にドーム形である。随意には、主電源ユニット1180によって発生される熱を放散させるのを助けるために、シートシンク(図示せず)の上面上に設けられてもよい。主電源ユニット1182の上面上にヒートシンクを取り付けることによって、シートシンクは、主空気流が主電源ユニット1180によって発生される熱を放散させるのをさらに助けるように、空気入口1110を通して本体1100に入る空気の経路内に配置される。
【0047】
主本体部分1120は、主空気流を、空気入口1110を通して本体1100内に引き込むための羽根車1150を収容する。好ましくは、羽根車1150は、混合流羽根車の形態をしている。羽根車1150は、モータ1152から外方に延びる回転シャフト1151に連結されている。図3および図5に示されている実施形態では、モータ1152は、使用者によって与えられる制御入力に応答して主制御回路1170によって可変である速度を有するDCブラシレスモータである。モータ1152は、下側部分1153bに連結された上側部分1153aを含むモータバケット1153内に収容されている。モータバケットの上側部分1153aは、湾曲ブレードを有する環状ディスクの形態のディフューザ1153cをさらに含む。
【0048】
モータバケット1153は、主本体部分1120内に取り付けられた羽根車ハウジング1154内に配置され、この羽根車ハウジング1154上に取り付けられている。羽根車ハウジング1154は、略截頭円錐形羽根車壁1154aと、羽根車壁1154a内に配置された羽根車シュラウド1154bと、を含む。羽根車1150、羽根車壁1154a、および、羽根車シュラウド1154bは、羽根車1150が、羽根車シュラウド1154bに近接しているが、羽根車シュラウド1154bに接触しないように形状決めされている。実質的に環状の入口部材1155が、次いで、羽根車ハウジング1154内に主空気流を案内するために根車ハウジング1154に連結される。
【0049】
図2および図4に示されている実施形態では、主空気流を本体1100から排出させる空気ベント/開口部1115は、モータバケットの上側部分1153aおよび羽根車壁1154aによって構成されている。
【0050】
可撓性封止部材1156が、羽根車ハウジング1154と主本体部分1120との間に取り付けられている。可撓性封止部材1156は、空気が羽根車ハウジング1154の外面のまわりで入口部材1155に通過するのを防止する。封止部材1156は、好ましくは、好ましくはゴムで形成された環状リップシールを含む。
【0051】
上述したように、ノズル1300は、主空気流が本体1100を出ていく空気ベント1115の上方で主本体部分1120の上端上に取り付けられている。ノズル1300は、主本体部分1120の上端に連結し、本体1100から主空気流を受け入れるための空気入口1340を提供する開放した下端を有するネック/ベース1350を含む。ノズル1300のベース1350の外面は、次いで、主本体部分1120の上側環状フランジ1122の外縁と実質的に面一である。ベース1350は、したがって、主本体部分1120の上面1121上に設けられているファン組立体1000の任意の構成要素を覆う/包囲するハウジングを含む。
【0052】
図3および図5に示されている実施形態では、主制御回路1170は、主本体部分1120の上端から離れる方に半径方向に延びる上側環状フランジ1121の上面上に取り付けられている。主制御回路1170は、したがって、ノズル1300のベース1350内に収容されている。さらに、電子ディスプレイ1180が、主本体部分1120の上側環状フランジ1121上に取り付けられており、したがって、ノズル1300のベース1350内に収容されており、ディスプレイ1180は、ベース1350に設けられた開口部、または、少なくとも部分的に透明な窓を通して見ることができる。随意には、1つまたはそれ以上の追加の電子構成要素が、上側環状フランジ1121上に取り付けられ、結果的に、ノズル1300のベース1350内に収容されるのがよい。例えば、これらの追加の電子構成要素は、Wi-Fi Bluetooth(登録商標)等のような1つまたはそれ以上のワイヤレス通信モジュール、および、赤外線センサ、埃センサ等のような1つまたはそれ以上のセンサ、および任意の関連したエレクトロニクスであってよい。任意のかかる追加のエレクトロニクスは、次いで、主制御回路1170に接続されることになるだろう。
【0053】
図1図4に示されている実施形態では、ノズル1300は、しばしばスタジアム形状と呼ばれる細長い管状の形状を有し、その幅よりも大きい高さを有する細長い開口部1500を構成する。ノズル1300は、したがって、各々が開口部1500のそれぞれの細長い側部に隣接している2つの比較的直線状の部分1301、1302、2つの比較的直線状の部分1301、1302の上端を接合する上側湾曲部分1303、および、2つの比較的直線状の部分1301、1302の下端を接合する下側湾曲部分1304を含む。
【0054】
ノズル1300は、したがって、細長い環状内側ケーシング部分1370と同心状であり、この細長い環状内側ケーシング部分1370のまわりに延びる細長い環状外側ケーシング部分1360を含む。この例では、内側ケーシング部分1370と外側ケーシング部分1360は、別体の構成要素である。しかしながら、これらの内側ケーシング部分および外側ケーシング部分は、単一部品として一体的に形成されてもよい。ノズル1300はまた、ノズル1300の後部を形成する湾曲した後側ケーシング部分1380を有し、湾曲した後側ケーシング部分1380の上端は、内側ケーシング部分1370の上端に連結されている。この例では、内側ケーシング部分1370および湾曲した後側ケーシング部分1380は、例えば、ねじおよび/または接着材を使用して、互いに連結された別体の構成要素である。しかしながら、これらの内側ケーシング部分および湾曲した後側ケーシング部分もまた、単一部品として一体的に形成されてもよい。湾曲した後側ケーシング部分は、ノズル1300の内側ボア1500の中心軸線(X)と垂直な略細長い環状横断面、および、ノズル1300の内側ボア1500の中心軸線(X)と平行な略半円形横断面を有する。
【0055】
内側ケーシング部分1370は、ノズル1300の内側ボア1500の中心軸線(X)と垂直な略細長い環状横断面を有し、ノズル1300の内側ボア1500のまわりに延び、ズル1300の内側ボア1500を取り囲む。この例では、内側ケーシング部分1370は、後側部分1371、および、前側部分1372を有する。後側部分1371は、内側ボア1500の中心軸線(X)から離れる方に内側ケーシング1370の後端から外方に角度をなしている。前側部分1372もまた、内側ボア1500の中心軸線(X)から離れる方に内側ケーシング1370の後端から外方に角度をなしているが、その角度は、後側部分1371の角度よりも大きい。内側ケーシング部分1370の前側部分1372は、したがって、外側ケーシング1360の前端に向かってテーパしているが、外側ケーシング1360の前端とは出会わず、外側ケーシング1360の前端が、ノズル1300の第1の空気出口1310を形成するスロットを構成する。
【0056】
外側ケーシング部分1360は、次いで、ノズル1300の前部から湾曲した後側ケーシング部分に向かって延びるが、湾曲した後側ケーシング部分とは出会わず、外側ケーシング部分1360の後端と湾曲した後側ケーシング部分1380の後端の間の空間は、ノズル1300の第2の空気出口1320を形成するスロットを構成する。
【0057】
外側ケーシング部分1360、内側ケーシング部分1370、および、湾曲した後側ケーシング部分1380は、したがって、ノズル1300の空気入口1340から第1の空気入口1310および第2の空気出口1380の一方または両方に空気を搬送するための内部通路を構成する。換言すると、内部通路1330は、外側ケーシング部分1360、内側ケーシング部分1370、および、湾曲した後側ケーシング部分1380の内面によって境界決めされている。内部通路1330は、空気入口1340を通してノズル1300に入る空気が、ノズル1300の下側湾曲部分1304に入り、各々がノズル1300の直線状部分1301、1302のそれぞれの1つ内に流れる2つの空気流れに分割されるときに、ボア1500のまわりで各々が反対方向に延びる第1の部分および第2の部分を含むと考えることができる。
【0058】
ノズル1300は、ノズル1300の内部通路1330の湾曲部分から空気の漏れが実質的にないように、各々がノズル1300の頂部湾曲部分1303および底部湾曲部分1304において外側ケーシング部分1360と内側ケーシング部分1370の間でシールを形成するための2つの湾曲したシール部材1365をさらに含む。ノズル1300は、したがって、各々が中央ボア1500のそれぞれの細長い側に位置する2つの細長い第1の空気出口1310a、1310bを含む。この実施形態では、ノズル1300は、したがって、ノズル1300の前部に向かってノズル1300および/または開口部1500の細長い両側に位置する主空気流を放出するための1対の第1の空気出口1310a、1310bを備える。
【0059】
ノズル1300は、次いで、内部通路1330内に、各々が1対の第1の空気出口1310a、1310bのそれぞれの1つに隣接している1対のヒータ組立体1390a、1390bをさらに含む。各ヒータ組立体1390a、1390bは、フレーム1392内に支持された複数のヒータ要素1391を含み、フレーム1392は、次いで、それぞれの第1の空気出口1310a、1310bに隣接してノズル1300の内部通路1330内に取り付けられている。各々のヒータ組立体1390a、1390bは、したがって、内部通路1330内に取り付けられたときに、ヒータ要素1391を通して、かつ対応する第1の空気出口1310a、1310bから外に空気流を差し向けるように構成されている。そうするために、ヒータ要素1391と対応する第1の空気出口1310a、1310bの間にあるフレーム1392の部分は、空気出口に向かってテーパしており、フレーム1392の狭い端は、ノズル1300の前方に向かう縁部に設けられた対応する第1の空気出口1310a、1310bを備える。フレーム1392のこのテーパした部分は、第1の空気出口1310a、1310bに向けて空気流を通し、第1の空気出口1310a、1310bのダクト1311を形成するように、空気案内部材として作用する。
【0060】
図4に示されている実施形態では、第1の空気出口1310a、1310bの各々は、したがって、対応するヒータ組立体1390のフレーム1392によって構成されるノズル1300の内部通路1330内に対応する第1の空気流チャンネル1312a、1312bを備える。ヒータ組立体1390のフレーム1392の内縁によって構成される、第1の空気流チャンネル1312a、1312b内への空気入口は、ボア/開口部1500の中心軸線(X)と実質的に垂直である。1対の第1の空気出口1310a、1310bから放出された空気流が、ファン組立体1000の外側から空気を引き込み、この空気と組み合わさって増幅空気流を形成するために、第1の空気出口1310a、1310bは、ノズル1300によって構成される開口部/ボア1500の中心軸線(X)と実質的に平行である方向に、すなわち、中心軸線から離れる方に-30°~+30°の角度、好ましくは中心軸線から離れる方に-20°~+20°の角度、より好ましくは中心軸線から離れるに-10°~+10°の角度の角度をなしている方向に、放出される空気流を差し向けるように構成されている。そうするために、各第1の空気出口1310a、1310bは、第1の空気出口1310a、1310bのダクト1311が、ノズル1300によって構成される開口部/ボア1500の中心軸線(X)と実質的に垂直であるように構成されている。
【0061】
第2の空気出口1320は、次いで、ノズル1300によって構成される開口部/ボア1500の中心軸線(X)に対して実質的に垂直であるように構成されている。その結果、第2の空気出口から放出される非増幅空気流は、ノズル1300によって構成される開口部/ボア1500の中心軸線(X)から離れる方に実質的に垂直に差し向けられるようになる。図4に示されているように、第2の空気出口1320のダクト1321は、ボア1500を通して引き込まれる空気の方向と実質的に垂直である方向に本体1100から受け取られた主空気流をノズル1300の外周に運ぶ内部通路1330から延びている。
【0062】
図4に示されている実施形態では、第2の空気出口1320に向けて主空気流を差し向けるように構成された第2の空気流チャンネル1322を内部通路1330内に構成するバッフル1420が、内部通路内に設けられている。バッフル1420は、内部通路1330を少なくとも部分的に構成するノズル1300の内面から内部通路1330内に延びており、第2の空気流チャンネル1322は、バッフル1420の一方の側にある内部通路1330の部分である。特に、第2の空気流チャンネル1322は、バッフル1420、および、第2の空気流チャンネル1320に隣接した部分であるノズル1300の内面の部分によって境界決めされている内部通路1330の部分を含む。
【0063】
バッフル1420は、湾曲した後側ケーシング部分1380から内部通路1330内に延びるバッフル壁によって提供される。バッフル壁1420は、湾曲した後側ケーシング部分1380の外側端に連結されており、前側部分1421および後側部分1422を有する。バッフル壁1420の後側部分1422は、湾曲した後側ケーシング部分1380の外側端からボア1500の中心軸線(X)に向けて内方に角度付けされている。バッフル壁1420の前側部分1421は、次いで、この前側部分1421が外側ケーシング部分1360と平行であり、この前側部分1421の大部分が外側ケーシング部分1360と重なるように、後側部分1422に対して角度付けされている。バッフル壁1420の前側部分1421と外側ケーシング部分1360の重なる部分の間に位置する内部通路1330の部分は、したがって、内部通路1330内で第2の空気流チャンネル1322を形成し、バッフル壁1420の角度付けされた後側部分1422は、ノズル1300によって構成される開口部/ボア1500の中心軸線(X)に対して実質的に垂直である第2の空気出口1320のダクト1321を提供する。バッフル壁の前端部1421および外側ケーシング部分1360の内面によって構成される、第2の空気流チャンネル1322内への空気入口は、ノズル1300によって構成される開口部/ボア1500の中心軸線(X)と実質的に垂直である。
【0064】
さらに、バッフル壁1420は、上側湾曲部分1303のピーク/中央に突出部1424をさらに含み、突出部1424は、バッフル壁1420の外方に向いた面から外側ケーシング部分の内面まで延び、それによって、内部通路1330から第2の空気流チャンネルを分離し、内部通路1330から第2空気流チャンネル1322内への開口部/入り口を2つの部分であって、各々が、細長い側部1301、1302まで、および、上側湾曲部分1303のピーク突出部に達するまで内部通路1330の上側湾曲部分1303のまわりに部分的に延びる2つの開口部/入り口部分に分割する。
【0065】
図1図4に示されている実施形態では、ファン組立体1000は、次いで、第1の空気出口1310a、1310bおよび第2の空気出口1320の一方または両方に主空気流を差し向けるように構成された弁1400を含む。そうするために、弁1400は、1対の弁部材1410a、1410bを含み、1対の弁部材1410a、1410bは、1対の弁部材1410a、1410bの位置に応じて第1の空気出口1310a、1310bおよび第2の空気出口1320の一方または両方に主空気流を差し向けるように構成されている。各弁部材1410a、1410bは、したがって、弁部材が主空気流を1対の第1の空気出口1310a、1310bの対応する1つに差し向け、かつ、主空気流が第2の空気出口1320に到達するのを防止する/妨げる第1の端位置と、弁部材が主空気流を第2の空気出口1320に差し向け、かつ、主空気流が対応する第1の空気出口1310a、1310に到達するのを防止する/妨げる第2の端位置との間で移動可能であるように構成されている。弁部材1410a、1410bが、第1の端位置と第2の端位置の間に位置するときに、弁部材は、主空気流の第1の部分を第1の空気出口1310a、1310bに差し向け、主空気流の第2の部分を第2の空気出口1320に差し向ける。弁部材1410a、1410bが第1の端位置に近ければ近いほど、それほどますます第1の空気出口1310a、1310bに差し向けられる第1の部分を含む主流体流の比率が大きくなる。逆に、弁部材1410a、1410bが第2の端位置に近ければ近いほど、それほどますます第2の空気出口1320に差し向けられる第2の部分を含む主流体流の比率が大きくなる。
【0066】
図1図5に示されている実施形態では、弁1400は、ノズル1300の内部通路1330内に設けられている。その結果、各弁部材1410a、1410bは、第1の端位置にあるときに、空気流が第2の空気流チャンネル1322に入るのを実質的に防止するように内部通路1330の残りの部分から第2の空気流チャンネル1322を閉鎖し、第2の端位置にあるときに、空気流が第1の空気流チャンネル1312a、1312bに入るのを実質的に防止するように内部通路1330の残りの部分から対応する第1の空気流チャンネル1312a、1312bを閉鎖するように構成されている。
【0067】
各弁部材1410a、1410bは、したがって、第1の端位置で、第2の流体出口1320に隣接しているノズル1300の内面およびバッフル1420の両方に対して当接し/封止され、それによって、内部通路1330の残りの部分から第2の空気流チャンネル1322の対応する入口部分を実質的に閉鎖するように構成されている。バッフル壁1420の前端上に設けられたガスケット1423は、弁部材1410a、1410bが第1の端位置にあるときに、弁部材1410a、1410bとバッフル1420の間のシールを改善する。各弁部材1410a、1410bはまた、第2の端位置で、第2の流体出口1320に隣接しているノズル1300の内面およびバッフル1420の両方に対して当接し/封止され、それによって、図4に示されているように、内部通路1330の残りの部分から第2の空気流チャンネル1322の対応する入口部分を実質的に閉鎖するように構成されている。各弁部材1410a、1410bの形状は、したがって、内部通路1330の整合した部分の形状と実質的に対応/一致/相関している。ノズル1300の分解図を提供する図8に示されているように、各弁部材1410a、1410bは、したがって、細長い部分および湾曲端を有する略J字形をしており、また、細長い部分および湾曲端を含む略J字形の横断面を有する。
【0068】
弁部材1410a、1410bを第1の端位置から第2の端位置までの任意の位置に移動させるために、ファン組立体1000は、主制御回路1170からの信号に応答して弁部材1410a、1410bの移動を生じさせるように構成された弁モータ1430を備える。図9に示されているように弁モータ1430は、湾曲したまたは円弧状のラック1440と係合するピニオン1431を回転させるように構成されており、弁モータ1430の回転は、ピニオン1431とラック1440の両方の回転を生じさせ、弁1400は、ラック1440の回転が、弁部材1410a、1410bの移動を生じさせるように、構成されている。
【0069】
図1図10Bに示されている実施形態では、弁モータ1430は、上側湾曲部分1303のピークまたは中央において内部通路1330内でバッフル壁1420上に取り付けられており、バッフル壁1420は、次いで、後側ケーシング部分1380に取り付けられている。弁モータ1430の回転シャフト1432は、次いで、後側ケーシング1380に向かって突出し、シャフト1432の回転軸線は、ボア/開口部1500の中心軸線(X)と平行である。ピニオン1431は、回転シャフト1432上に取り付けられており、ピニオン1431の歯は、円弧状ラック1440に係合し、円弧状ラック1440の形状は、内部通路1330の上側湾曲部分の形状と実質的に対応/一致/相関している。
【0070】
ノズル1300は、細長い環状形状を有しているように、ラック1440は、小さい円弧の形状を有しており、ラック1440は、180°よりも小さい角度に対応する。特に、円弧状ラック1440は、ノズル1300によって構成される内部通路1330の上側湾曲部分1303の大部分のまわりに延びるようになり、円弧状ラック1440の端は各々、ノズル1300内に取り付けられるときに内部通路1330のそれぞれの細長い側部1301、1302と整合する。
【0071】
上述したように、第1の空気流チャンネル1312a、1312b内への入口、および、第2の空気流チャンネル1322の対応する入口部分は、互いに整合しており、ボア/開口部1500の中心軸線(X)と平行である。その結果、弁部材1410a、1410bが、第1の端位置にあるときに第2の空気流チャンネル1322を閉鎖し、第2の端位置にあるときに第1の空気流チャンネル1312a、1312bを閉鎖するために、弁部材1410a、1410bは各々、ボア/開口部1500の中心軸線(X)と実質的に平行な方向に移動するように構成されている。弁1400は、したがって、ラック1440の回転が、ボア/開口部1500の中心軸線(X)と実質的に平行な方向への弁部材1410a、1410bの移動に変換されるように、構成されている。ラック1440の回転をボア/開口部1500の中心軸線(X)と実質的に平行な方向への弁部材1410a、1410bの移動に変換するために、図8に示されている円弧状ラック1440は、ボア/開口部1500の中心軸線(X)と実質的に平行な方向にラック1440から突出する1対の面1441a、1441bを備え、これらの突出する面1441a、1441bの各々は、弧状ラック1440の湾曲を辿るように湾曲しており、ラック1440は、1対の面1441a、1441bが、ピニオン1431がラック1440に係合されるときにピニオン1431の両側に位置するように構成されている。これらの突出する面1441a、1441bの各々は、次いで、ラック1440の回転軸線に対して約45°の角度をなして湾曲面を横切って延び、対応する弁部材1410a、1410bから突出するフォロワピン1411a、1411bよって係合されるように構成されたカムスロット1442a、1442bの形態のリニアカムを備え、カムスロット1442a、1442bは、同じ方向に角度付けされた突出する面の両方上に設けられている。
【0072】
さらに、1対の弁アクチュエータの第1の弁アクチュエータ1450aは、円弧状ラック1440の第1の端に回転自在に連結され/取り付けられており、1対の弁アクチュエータの第2の弁アクチュエータ1450bは、円弧状ラック1440の反対側の第2の端に回転自在に連結され/取り付けられている。各弁アクチュエータ1450a、1450bは、細長く(内部通路1330の細長い側部1301、1302に沿って延びるように構成され)、弁アクチュエータ1450a、1450bの上端に向かって設けられた上側カムスロット1451、および、弁アクチュエータ1450a、1450bの下端に向かって設けられた下側カムスロット1452を備える。上側カムスロット1442a、下側カムスロット1442bは、ボア15000の中心軸線(X)に対して約45°の角度をなして対応する弁アクチュエータ1450a、1450bを横切って延びており、各々、対応する弁部材1410a、1410bから突出するフォロワピン1412、1413によって係合されるように構成されている。弁アクチュエータの第1の弁アクチュエータ1450a上のカムスロット1451a、1452aは、カムスロットが弁アクチュエータ1450aの後部から前部に延びるときに、上向きに角度付けされ、弁アクチュエータの第2の弁アクチュエータ1450b上のカムスロット1451b、1452bは、カムスロットが弁アクチュエータ1450bの後部から前部に延びるときに、下向きに角度付けされる。
【0073】
各弁部材1410a、1410bは、したがって、ラック1440の対応する部分上に設けられたカムスロット1442と係合し、それぞれ、対応する弁アクチュエータ1450a、1450b上に設けられた上側カムスロット1451、下側カムスロット1452と係合するように構成された3つのフォロワピン1411,1412,1413を含む。
【0074】
弁部材1410a、1410bを第1の端位置から第2の端位置までの任意の位置に移動させるために、主制御回路1170は、弁モータ1430に、モータにシャフト1432を1方向または他方向に回転させ、それによって、シャフト1432上に設けられたピニオン1431の回転を生じさせる信号を送る。したがって、ピニオン1431が弧状ラック1440と係合することにより、ラック1440は、シャフト1432と同じ方向に回転される。したがって、円弧状ラック1440の回転により、ラック1440から突出する湾曲面1441a、1441b上に設けられたカムスロット1442が、カムスロット内に係合されている対応する弁部材1410a、1410bのフォロワピン1411に対して移動され、カムスロット1442a、1442bの角度が、弧状ラック1440の回転運動を、ボア15000の中心軸線(X)と平行な方向への弁部材1410a、1410bの直線運動に変換する。特に、円弧状ラック1440の回転は、突出する面1441a、1441bを同じ方向に回転させる。これに関連して、ラック1440から突出する面1441a、1441b上に設けられたカムスロット1442a、1442bが同じ方向に角度付けられているときに、同じ方向への湾曲面1441a、1441bの回転は、第1の弁部材1410a、および、第2の1410bの同じ方向への水平方向運動に変換される。
【0075】
さらに、円弧状ラック1440の回転は、円弧状ラック1440の第1の端および第2の端の鉛直方向変位を生じさせ、次いで、円弧状ラック1440の第1の端および第2の端の鉛直方向変位は、ラック1440の端に回転自在に連結されている弁アクチュエーアを鉛直方向に変位させる。特に、円弧状ラック1440の回転は、円弧状ラック1440の第1の端および第2の端の一方および連結されている弁アクチュエータ1450a、1450bの上向きの移動を生じさせ、円弧状ラック1440の第1の端および第2の端の他方および連結されている弁アクチュエータ1450a、1450bの下向きの移動を生じさせる。弁アクチュエータ1450a、1450bの鉛直方向変位は、弁アクチュエータ1450a、1450b上に設けられた角度付けされたカムスロット1451、1452を、対応する弁部材1410a、1410bのそれぞれのカムフォロワ1412、1413に対して移動させ、カムスロット1451、1452の角度は、弁アクチュエータ1450a、1450bの鉛直方向変位を、ボア15000の中心軸線(X)と平行な方向への弁部材1410a、1410bの水平方向移動に変換する。これに関連して、第1の弁アクチュエータ1450a上に設けられたカムスロット1451a、1452bが、第2の弁アクチュエータ1450b上に設けられたカムスロットと反対方向に角度付けされているときに、第1の弁アクチュエータ1450aおよび第2の弁アクチュエータ1450bの対向する鉛直方向の変位は、第1の弁部材1410a、および、第2の1410bの同じ方向への水平方向運動に変換される。
【0076】
ファン組立体1000を作動させるために、使用者は、使用者インターフェース上のボタンを押す。使用者インターフェースは、ファン組立体1000自身上に、関連したリモコン(図示せず)上に、および/または、ファン組立体1000と無線的に通信するタブレットまたはスマートフォンのような無線コンピュータ装置上に設けられるのがよい。使用者によるこの動作は、主制御回路1170に通信され、これに応答して、主制御回路1170は、ファンモータ1152を付勢させ、羽根車1150を回転させる。羽根車1150の回転は、浄化組立体を介して空気入口1110を通して本体1100内に主空気流を引き込ませる。使用者は、使用者インターフェースを操作することによって、ファンモータ1152の速度、したがって、空気入口1110を通して本体1100内に引き込まれる空気の流量を制御することができる。主空気流は、順次、浄化組立体1200、空気入口1100、羽根車ハウジング1154、主本体部分1120の開放上端の空気ベント1115を通過して、ノズル1300のベース1350に位置する空気入口1340を経てノズル1300の内部通路1330に入る。
【0077】
内部通路1330内で、主空気流は、2つの空気流に分割され、2つの空気流は、各々内部通路1330のそれぞれの直線状部分1301、1302内で、ノズル1300の周りを反対角度方向に通過する。空気流が内部通路1330を通過するときに、空気は、弁部材1410a、1410bの位置に応じて、第1の空気出口1310a、1310bおよび第2の空気出口1320の一方または両方を通して放出される。
【0078】
図1図10Bに示されている実施形態では、内部通路1330に設けられた弁部材1410a、1410bの両方が第1の端位置にあるときに、弁部材1410a、1410bの略J字形横断面部分の細長い部分は、バッフル壁1420の前端上に設けられたガスケット1423と接触するようになり、弁部材1410a、1410bの略J字形横断面部分の湾曲部分は、外側ケーシング部分1360の内面の重なる部分と接触するようになる。弁部材1410a、1410bは、したがって、空気流が第2の空気流チャンネル1322に入ることを実質的に防止するように内部通路1330の残りの部分から第2の空気流チャンネル1322内への入口を実質的に閉鎖し、したがって、主空気流全体を第1の空気流出口1310a、1310bに差し向けるようになる。内部通路1330に設けられた弁部材1410a、1410bの両方が第2の端位置にあるときに、弁部材1410a、1410bの略J字形横断面部分の細長い部分は、対応するヒータ組立体1390a、1390bのフレーム1392の内周/縁と接触するようになる。弁部材1410a、1410bは、したがって、内部通路1330の残りの部分から第1の空気流チャンネル1312a、1312b内への入口を実質的に閉鎖し、したがって、主空気流全体を第2の空気流出口1320に差し向けるようになる。内部通路1330に設けられた弁部材1410a、1410bの両方が第1の端位置と第2の端位置の間に位置するときに、第1の空気流チャンネル1312a、13120bおよび第2の空気流チャンネル1320は、内部通路1330の残りの部分に開放するようになり、主空気流の第1の部分は、第1の空気流出口1310a、1310bに差し向けられ、主空気流の第2の部分は、第2の空気流出口1320に差し向けられる。
【0079】
ノズル1300によって構成される開口部/ボア1500の中心軸線(X)と実質的に平行な方向に第1の空気出口1310a、1310bから主空気流または主空気流の一部を放出することは、外部環境からの、特にノズル1300のまわりの領域からの空気の連行によって二次的空気流が発生される。二次的空気流は、第1の空気流出口1310a、1310bから放出される主空気流と組み合わさって、ノズル1300から前方に投射される組み合わされた増幅された空気流を生成する。対照的に、主空気流が実質的にファン組立体1000から離れる方に放射/開出するように第2の空気出口1320から主空気流が放出されることは、この空気流がファン組立体1000の外側から、ノズル1300によって構成される開口部/ボア1500を通して空気を引き込むことを防止し、それによって、非増幅空気流を生成する。
【0080】
図9Aおよび図9Bは、自立環境制御ファン組立体1000の第2の実施形態のノズル1300の外部図であり、図10Aおよび図10Bは、図9Aの線A-Aにおける断面図である。この第2の実施形態では、ファン組立体1000の本体1100は、第1の実施形態のファン組立体の本体と実質的に同じであり、したがって、これ以上図示も説明もされていない。さらに、この第2の実施形態のノズル1300もまた、第1の実施形態のノズル1300と実質的に同じであり、したがって、対応する参照番号が、これらの実施形態の対応する若しくは同じ部品または特徴のために使用されている。
【0081】
この第2の実施形態では、ノズル1300は、主空気流が本体1100から出る空気ベント1115上で主本体部分1120の上端上に取り付けられている。第1の実施形態と同様に、ノズル1300は、主本体部分1120の上端に連結しており、本体1100から主空気流を受け入れるための空気入口1340を提供する開放した下端を有するネック/ベース1350を含む。ノズル1300のベース1350の外面は、次いで、主本体部分1120の上側環状フランジ1121の外縁と実質的に面一である。
【0082】
第1の実施形態と第2の実施形態との唯一の重要な違いは、第2の実施形態が、第1の空気出口1310a、1310bに隣接して内部通路1330内にヒータ組立体1390a、1390bを含まないことである。その結果、第2の実施形態のファン組立体1000は、第1の空気出口1310a、1310bに向かって漏斗状に主空気流を導き、したがって、ノズル1300の内部通路1330内で第1の空気流チャンネル1312a、1312bを構成するヒータ組立体1390a、1390bのフレームを含まない。対照的に、第2の実施形態のファン組立体1000は、内部通路1330内に取り付けられたといきに、対応する第1の空気出口1310a、1310bから外に空気流を差し向けるように構成された1つまたはそれ以上の空気流案内部材1331a、1331bを含む。
【0083】
そうするために、各空気流案内部材1331a、1331bは、ノズル1300の前方に向かう縁部に設けられた対応する第1の空気出口1310a、1310b内に嵌合され、したがって、第1の空気出口1310a、1310bのダクト1311を形成する前端、および、この前端に対して角度付けされた後面を備える。各空気流案内部材1331a、1331bの角度付けされた後面は、したがって、対応する第1の空気出口1310a、1310b、および、空気流案内部材1331a、1331bの前端によって提供される第1の空気出口1310a、1310bのダクト1311に向けて空気流を漏斗状に導く。ノズル1300内の内部通路1339内の第1の空気流チャンネル1312a、1312bは、したがって、少なくとも部分的にそれぞれの空気流案内部材1331a、1331bによって構成されている。弁1400は、したがって、第2の端位置で、対応する空気流案内部材1331a、1331bの角度付けされた面、および、対応する弁アクチュエータ1450a、1450bの面に対して当接/封止されように構成されており、弁アクチュエータ1450a、1450bは、外側ケーシング1360の内面に隣接して内部通路1330内に位置し、それによって、図10Aに示されているように、内部通路1330の残りの部分から第1の空気流チャンネル1312、1312bを実質的に閉鎖する。さらに、弁1400は、第1の端位置で、弁部材1410a、1410bが、バッフル壁1420の前端、および、第2の空気出口1320に隣接している対応する弁アクチュエータ1450a、1450bの面の両方に対して当接/封止されるように構成され、それによって、図10Bに示されているように、内部通路1330の残りの部分から第2の空気流チャンネル1322を実質的に閉鎖する。
【0084】
第1の実施形態と第2の実施形態とのもう1つの違いは、第2の実施形態では、円弧状ラック1440が、ボア1500の中心軸線(X)と実質的に平行な方向にラック1440から突出する1対の面1441a、1441bを備えないことである。図12に示されているように、第2の実施形態では、円弧状ラック1440は、ボア1500の中心軸線(X)と実質的に平行な方向にラック1440から突出し、円弧状ラック1440の長さに沿って延びる単一の面1441を備える。この突出する面1441は、次いで、各々がラック1440の回転軸線に対して約45°の角度をなして湾曲面を横切って延びるカムスロット1442a、1442bの形態のリニアカムを備え、ラック1440は、ピニオン1431が、ラック1440に係合されるときに、カムスロット1442a、1442bがピニオン1431の両側に位置するように構成されている。カムスロット1442a、1442bは各々、対応する弁部材1410a、1410bから突出するフォロワピン1411a、1411bによって係合されるように構成されており、カムスロット1442a、1442bは、同じ方向に角度付けされている。
【0085】
1対の弁アクチュエータの第1の弁アクチュエータ1450aは、円弧状ラック1440の第1の端に回転自在に連結され/取り付けられており、1対の弁アクチュエータの第2の弁アクチュエータ1450bは、円弧状ラック1440の反対側の第2の端に回転自在に連結され/取り付けられている。各弁アクチュエータ1450a、1450bは、細長く(内部通路1330の細長い側部1301、1302に沿って延びるように構成され)、弁アクチュエータ1450a、1450bの上端に向かって設けられた上側カムスロット1451と、弁アクチュエータ1450a、1450bの下端に向かって設けられた下側カムスロット1452と、弁アクチュエータ1450a、1450bの中間に向かって設けられた中間カムスロット1453と、を備える。上側カムスロット1451、下側カムスロット1452、および、中間カムスロット1453は、ボア1500の中心軸線(X)に対して約45°の角度をなして対応する弁アクチュエータ1450a、1450bを横切って延びており、各々、対応する弁部材1410a、1410bから突出するフォロワピン1412、1413、1414によって係合されるように構成されている。弁アクチュエータの第1の弁アクチュエータ1450a上のカムスロット1451a、1452a1453aは、カムスロットが弁アクチュエータ1450aの後部から前部に延びるときに、上向きに角度付けされ、弁アクチュエータの第2の弁アクチュエータ1450b上のカムスロット1451b、1452b、1453bは、カムスロットが弁アクチュエータ1450bの後部から前部に延びるときに、下向きに角度付けされる。
【0086】
各弁部材1410a、1410bは、したがって、ラック1440の対応する部分上に設けられたカムスロット1442と係合し、それぞれ、対応する弁アクチュエータ1450a、1450b上に設けられた上側カムスロット1451、下側カムスロット1452、および、中間カムスロット1453と係合するように構成された4つのフォロワピン1411、1412、1413、1414を含む。
【0087】
第2の実施形態の弁部材1410a、1410bの移動を含む作動は、第1の実施形態のために上述された作動と実質的に同じ仕方で行われ、したがって、これ以上説明しない。
【0088】
図13Aおよび図13Bは、自立環境制御ファン組立体1000の第3の実施形態のノズル2300の外部図であり、図14Aおよび図14Bは、図13Aの線A-Aにおける断面図である。この第3の実施形態では、ファン組立体1000の本体1100は、第1および第2の実施形態のファン組立体の本体と実質的に同じであり、したがって、これ以上図示も説明もされていない。しかしながら、細長い環状形状を有するのではなく、この第3の実施形態のノズル2300は、ノズル2300の構造に違いがあり、かつ、ノズル2300の内部通路2330内に設けられる弁2400に違いがあるように、形状が環状/円筒状である。
【0089】
この第3の実施形態では、ノズル2300は、主空気流が本体1100から出る空気ベント1115上で主本体部分1120の上端上に取り付けられている。ノズル2300は、主本体部分1120の上端に連結しており、本体1100から主空気流を受け入れるための空気入口2340を提供する開放した下端を有するネック/ベース2350を含む。ノズル2300のベース2350の外面は、次いで、主本体部分1120の上側環状フランジ1121の外縁と実質的に面一である。
【0090】
図13A図16に示されている実施形態では、ノズル2300は、したがって、環状/略円筒状内側ケーシング部分2370と同心状であり、この環状/略円筒状内側ケーシング部分2370のまわりに延びる環状/円筒状外側ケーシング部分2360を含む。この例では、内側ケーシング部分2370と外側ケーシング部分2360は、別体の構成要素である。しかしながら、これらの内側ケーシング部分および外側ケーシング部分は、単一部品として一体的に形成されてもよい。ノズル2300はまた、ノズル2300の後部を形成する湾曲した後側ケーシング部分2380を有し、湾曲した後側ケーシング部分2380の内側端は、内側ケーシング部分2370の後端に連結されている。この例では、内側ケーシング部分2370および湾曲した後側ケーシング部分2380は、例えば、ねじおよび/または接着材を使用して、互いに連結された別体の構成要素である。しかしながら、これらの内側ケーシング部分および湾曲した後側ケーシング部分もまた、単一部品として一体的に形成されてもよい。湾曲した後側ケーシング部分は、ノズル2300の内側ボア2500の中心軸線(X)と垂直な環状/円筒状横断面、および、ノズル2300の内側ボア2500の中心軸線(X)と平行な略半円形横断面を有する。
【0091】
内側ケーシング部分2370は、ノズル2300の内側ボア2500の中心軸線(X)と垂直な環状/円筒状横断面を有し、ノズル2300の内側ボア2500のまわりに延び、ノズル2300の内側ボア2500を取り囲む。この例では、内側ケーシング部分2370は、後側部分2371、および、前側部分2372を有する。後側部分2371は、内側ボア2500の中心軸線(X)から離れる方に内側ケーシング2370の後端から外方に角度をなしている。前側部分2372もまた、内側ボア2500の中心軸線(X)から離れる方に内側ケーシング2370の後端から外方に角度をなしているが、その角度は、後側部分2371の角度よりも大きい。内側ケーシング部分2370の前側部分2372は、したがって、外側ケーシング2360の前端に向かってテーパしているが、外側ケーシング2360の前端とは出会わず、内側ケーシング部分2370の前端と外側ケーシング2360の前端の間の空間が、ノズル2300の第1の空気出口2310を形成するスロットを構成する。
【0092】
外側ケーシング部分2360は、次いで、ノズル2300の前部から湾曲した後側ケーシング部分2380に向かって延びるが、湾曲した後側ケーシング部分2380とは出会わず、外側ケーシング部分2360の後端と湾曲した後側ケーシング部分2380の後端の間の空間は、ノズル2300の第2の空気出口2320を形成するスロットを構成する。
【0093】
外側ケーシング部分2360、内側ケーシング部分2370、および、湾曲した後側ケーシング部分2380は、したがって、ノズル2300の空気入口2340から第1の空気入口2310および第2の空気出口2320の一方または両方に空気を搬送するための内部通路2330を構成する。換言すると、内部通路2330は、外側ケーシング部分2360、内側ケーシング部分2370、および、湾曲した後側ケーシング部分2380の内面によって境界決めされている。内部通路2330は、空気入口2340を通してノズル2300に入る空気が、ノズル2300に入り、各々がノズル2300の内部通路2300のまわりで反対方向に流れる2つの空気流れに分割されるときに、ボア2500のまわりで各々が反対方向に延びる第1の部分および第2の部分を含むと考えることができる。
【0094】
上述したように、第1の空気出口2310は、内側ケーシング部分2370の前端と外側ケーシング部分1260の間の空間によって構成されるスロットの形態を取る。ノズル2300は、したがって、ノズル2300の前方を向いた縁部に構成され、主空気流をノズル2300の前部に向けて放出するために中央ボア2500の周囲の大部分のまわりに延びる単一の第1の空気出口2310を含む。
【0095】
第1の空気出口2310から放出される空気流がファン組立体1000の外側から空気を引き込み、この空気と組み合わさって増幅空気流を生成するために、第1の空気出口2310、ノズル2300によって構成される開口部/ボア2500の中心軸線(X)と実質的に平行である方向に、すなわち、中心軸線から離れる方に-30°~+30°の角度、好ましくは中心軸線から離れる方に-20°~+20°の角度、より好ましくは中心軸線から離れる方に-10°~+10°の角度の角度をなしている方向に、放出される空気流を差し向けるように構成されている。そうするために、第1の空気出口2310は、第1の空気出口2310のダクト2311が、ノズル2300によって構成される開口部/ボア2500の中心軸線(X)と実質的に平行であるように構成されている。内側ケーシング部材2370は、したがって、内側ケーシング部分2370の前端と外側ケーシング部分2360の前端の間の空間に直ぐに隣接している内側ケーシング部分2370の前端からノズル2300の内部通路2330内に内向きに延びる突出部2373を備える。この内向きに延びる突出部2373は、したがって、外側ケーシング部分2360の対向する内面と共に、開口部/ボア2500の中心軸線(X)と実質的に平行である第1の空気出口2310のダクト2311を構成する。次いで、内向きに延びる突出部2373の内側端から内側ケーシング部分2370の内面の隣接した部分まで延びる内側通路内に空気流案内部材2331が設けられている。この空気流案内部材2331は、したがって、主空気流を、第1の空気出口2310、および、内向きに延びる突出部2373によって部分的に構成される第1の空気出口2310のダクト2311に向けて差し向ける。ノズル2300も内部通路2330内の第1の空気流チャンネル2312が、したがって、少なくとも部分的に空気流案内部材2331によって構成される。
【0096】
第2の空気出口2320は、次いで、第2の空気出口2320のダクト2321が、ノズル2300によって構成される開口部/ボア2500の中心軸線(X)に対して実質的に垂直であるように構成されている。その結果、第2の空気出口から放出される非増幅空気流は、ノズル2300によって構成される開口部/ボア2500の中心軸線(X)から離れる方に実質的に垂直に差し向けられるようになる。図14Aおよび図14Bに示されているように、第2の空気出口2320のダクト2321は、ボア2500を通して引き込まれる空気の方向と実質的に垂直である方向に本体1100から受け取られた主空気流をノズル2300の外周に運ぶ内部通路2330から延びている。
【0097】
図14Aおよび図14Bに示されている実施形態では、第2の空気出口2320に向けて主空気流を差し向けるように構成された第2の空気流チャンネル2322を内部通路2330内に構成するバッフル2420が、内部通路内に設けられている。バッフル2420は、内部通路2330を少なくとも部分的に構成するノズル2300の内面から内部通路2330内に延びており、第2の空気流チャンネル2322は、バッフル2420の一方の側にある内部通路2330の部分である。特に、第2の空気流チャンネル2322は、バッフル2420、および、第2の空気流チャンネル2322に隣接した部分であるノズル2300の内面の部分によって境界決めされている内部通路2330の部分を含む。
【0098】
バッフル2420は、湾曲した後側ケーシング部分2380から内部通路2330内に延びるバッフル壁によって提供される。バッフル壁2420は、湾曲した後側ケーシング部分2380の外側端に連結されており、前側部分2421および後側部分2422を有する。バッフル壁2420の後側部分2422は、湾曲した後側ケーシング部分2380の外側端からボア2500の中心軸線(X)に向けて内方に角度付けされている。バッフル壁2420の前側部分2421は、次いで、この前側部分2421が外側ケーシング部分2360と平行であり、この前側部分2421の大部分が外側ケーシング部分2360と重なるように、後側部分2422に対して角度付けされている。バッフル壁2420の前側部分2421と外側ケーシング部分2360の重なる部分の間に位置する内部通路2330の部分は、したがって、内部通路2330内で第2の空気流チャンネル2322を形成し、バッフル壁2420の角度付けされた後側部分2422は、ノズル2300によって構成される開口部/ボア2500の中心軸線(X)に対して実質的に垂直である第2の空気出口2320のダクト2321を提供する。バッフル壁の前端2421および外側ケーシング部分2360の内面によって構成される、第2の空気流チャンネル2322内への空気入口は、ノズル2300によって構成される開口部/ボア2500の中心軸線(X)と実質的に平行である。
【0099】
図14Aおよび図14Bに示されている実施形態では、バッフル壁2420は、内部通路2330の大部分のまわりに延びている。バッフル壁2420の下端は、主空気流がこの下端を経て第2の空気流チャンネル2322に入ることができないように、バッフル壁2420の下端が内部通路2330の下側部分の内面に出会うように開口部/ボア2500の中心軸線(X)から離れる方に角度付けされている。
【0100】
この第3の実施形態では、ノズル2300は、第1の空気出口2310および第2の空気出口2320の一方または両方に主空気流を差し向けるように構成された弁2400を含む。そうするために、弁2400は、単一の弁部材2410を含み、単一の弁部材2410は、弁部材の位置に応じて第1の空気出口2310および第2の空気出口2320の一方または両方に主空気流を差し向けるように構成されている。弁部材2410は、したがって、弁部材が主空気流を第1の空気出口2310に差し向け、かつ、主空気流が第2の空気出口2320に到達するのを防止する/妨げる第1の端位置と、弁部材が主空気流を第2の空気出口2320に差し向け、かつ、主空気流が第1の空気出口2310に到達するのを防止する/妨げる第2の端位置との間で移動可能であるように構成されている。弁部材2410が、第1の端位置と第2の端位置の間に位置するときに、弁部材は、主空気流の第1の部分を第1の空気出口2310に差し向け、主空気流の第2の部分を第2の空気出口1320に差し向ける。弁部材2410が第1の端位置に近ければ近いほど、それほどますます第1の空気出口2310に差し向けられる第1の部分を含む主流体流の比率が大きくなる。逆に、弁部材2410が第2の端位置に近ければ近いほど、それほどますます第2の空気出口2320に差し向けられる第2の部分を含む主流体流の比率が大きくなる。
【0101】
この第3の実施形態では、弁2400は、ノズル2300の内部通路2330内に設けられている。その結果、弁部材2410は、第1の端位置にあるときに、空気流が第2の空気流チャンネル2322に入るのを実質的に防止するように内部通路2330の残りの部分から第2の空気流チャンネル2322を閉鎖し、第2の端位置にあるときに、空気流が第1の空気流チャンネル2312に入るのを実質的に防止するように内部通路1330の残りの部分から対応する第1の空気流チャンネル2312を閉鎖するように構成されている。
【0102】
弁部材2410を第1の端位置から第2の端位置までの任意の位置に移動させるために、ファン組立体1000は、主制御回路1170からの信号に応答して弁部材2410の移動を生じさせるように構成された弁モータ2430を備える。図15に示されているように弁モータ2430は、湾曲したまたは円弧状のラック2440と係合するピニオン2431を回転させるように構成されており、弁モータ2430の回転は、ピニオン2431とラック2440の両方の回転を生じさせ、弁2400は、ラック2440の回転が、弁部材2410の移動を生じさせるように、構成されている。
【0103】
弁モータ2430は、内部通路2330のピークまたは頂部において内部通路2330内でバッフル壁2420上に取り付けられており、バッフル壁2420は、次いで、後側ケーシング部分2380に取り付けられている。弁モータ2430の回転シャフト2432は、次いで、後側ケーシング2380に向かって突出し、シャフト2432の回転軸線は、ボア/開口部2500の中心軸線(X)と平行である。ピニオン2431は、回転シャフト2432上に取り付けられており、ピニオン2431の歯は、円弧状ラック2440に係合し、円弧状ラック2440の形状は、内部通路2330の形状と実質的に対応/一致/相関している。
【0104】
ノズル2300が、形状が環状/円筒状であるように、ラック2440は、大きい円弧の形状を有しており、ラック2440は、180°よりも大きい角度に対応する。特に、弧状のラック2440は、ノズル2300によって構成される内部通路1330の大部分のまわりに延びるようになり、円弧状ラック2440の端の間の空間は、ノズル2300内に取り付けられるときに空気入口2340と整合する。
【0105】
第1の空気流チャンネル2312内への入口、および、第2の空気流チャンネル2322の口部分は、互いに整合しており、ボア/開口部2500の中心軸線(X)と実質的に平行である。その結果、弁部材2410が、第1の端位置にあるときに第2の空気流チャンネル2322を閉鎖し、第2の端位置にあるときに第1の空気流チャンネル2312を閉鎖するために、弁部材2410は、ボア/開口部2500の中心軸線(X)と実質的に平行な方向に移動するように構成されている。弁2400は、したがって、ラック2440の回転が、ボア/開口部2500の中心軸線(X)と実質的に平行な方向への弁部材2410の移動に変換されるように、構成されている。
【0106】
ラック2440の回転をボア/開口部2500の中心軸線(X)と実質的に平行な方向への弁部材2410の移動に変換するために、図15および図16に示されている円弧状ラック2400は、ボア/開口部2500の中心軸線(X)と実質的に平行な方向にラック2440から突出し、円弧状ラック1440の長さに沿って延びる単一の面2441を備える。この突出する面1441は、次いで、円弧状ラック2440の長さのまわりに一様に分配された5つのリニアカムを備え、各々のリニアカムは、円弧状ラック2440の回転軸線に対して約45°の角度をなして湾曲面を横切って延びるカムスロット2442a-eの形態である。この第3の実施形態では、ラック2440は、5つのカムスロットの1つカムスロット2442aは、空気出口2340の反対側にあり、ピニオン2431がラック2440に係合する位置に隣接した、ラック2440の長さに沿った中央箇所に位置している。4つの別のカムスロット2442b、2442c、2442d、2442eは、ピニオン2431がラック2440に係合されるときに、2つのカムスロットがピニオン2431の各側にあるように、2つのカムスロットがラック2440の各半部上に位置するように中央のカムスロット2442aの両側に分配されている。カムスロット2442a-eは各々、弁部材2410から突出する対応するフォロワピン2411a-eによって係合されるように構成されている。
【0107】
弁部材2410を第1の端位置から第2の端位置までの任意の位置に移動させるために、主制御回路1170は、弁モータ2430に、モータにシャフト2432を1方向または他方向に回転させ、それによって、シャフト2432上に設けられたピニオン2431の回転を生じさせる信号を送る。したがって、ピニオン2431が円弧状ラック2440と係合することにより、ラック2440は、シャフト2432と同じ方向に回転される。したがって、円弧状ラック2440の回転により、ラック2440から突出する湾曲面2441上に設けられたカムスロット2442a-eが、カムスロット内に係合されている対応する弁部材2410フォロワピン1411a-eに対して移動され、カムスロット1442a-eの角度が、円弧状ラック2440の回転運動を、ボア2500の中心軸線(X)と平行な方向への弁部材2410の直線運動に変換する。
【0108】
弁2400は、したがって、第2の端位置で、弁部材2410が空気流案内部材2331の面、および、外側ケーシング2360の内面に隣接して内部通路2330内に位置する円弧状ラック2440の面に対して当接し/封止され、それによって、図14Aに示されているように、内部通路2330の残りの部分から第1の空気流チャンネル2312を閉鎖するように構成されている。さらに、弁2400は、第1の端位置で、弁部材2410が、第2の流体出口2320に隣接しているノズル2300の内面およびバッフル2420の両方に対して当接し/封止され、それによって、図14Bに示されているように、内部通路2330の残りの部分から第2の空気流チャンネル2322の入口部分を実質的に閉鎖するように構成されている。
【0109】
内部通路2330に設けられた弁部材2410が第1の端位置と第2の端位置の間に位置するときに、弁部材2410は、主空気流の第1の部分を第1の空気出口2310に差し向け、主空気流の第2の部分を第2の空気出口2320に差し向ける。弁部材2410が第1の端位置に近ければ近いほど、それほどますます第1の空気出口2310に差し向けられる第1の部分を含む主流体流の比率が大きくなる。逆に、弁部材2410が第2の端位置に近ければ近いほど、それほどますます第2の空気出口2320に差し向けられる第2の部分を含む主流体流の比率が大きくなる。
【0110】
ノズル2300によって構成される開口部/ボア2500の中心軸線(X)と実質的に平行な方向に第1の空気出口2310から主空気流または主空気流の一部を放出することは、外部環境からの、特にノズル2300のまわりの領域からの空気の連行によって二次的空気流が発生される。二次的空気流は、第1の空気出口2310から放出される主空気流と組み合わさって、ノズル2300から前方に投射される組み合わされた増幅された空気流を生成する。対照的に、主空気流が実質的にファン組立体1000から離れる方に放射/開出するように第2の空気出口2320から主空気流が放出されることは、この空気流がファン組立体1000の外側からノズル2300によって構成される開口部/ボア2500を通して空気を引き込むことを防止し、それによって、非増幅空気流を生成する。
【0111】
本願に記載されているファン組立体は、したがって、増幅空気流、あるいは、非増幅空気流、あるいは、増幅空気流と非増幅空気流の両方を送出することができ、そうする際に、ファン組立体の使用者に、ファン組立体によっていかなる空気が送出されるかについての種々の選択肢を与えることができる。これは、ファン組立体の使用者が、増幅空気流を提供することによって生成される冷却効果なくして、ファン組立体の使用者が浄化された空気を受け取り続けることを望むときに、ファン組立体が浄化された空気を提供するように構成されているときに、特に有用である。例えば、これは、使用者が、温度が低すぎて、増幅空気流によって提供される冷却効果を利用することができないと考える冬の場合がそうであり得る。同様に、ファン組立体が加熱された空気を提供するように構成されている場合には、ファン組立体の使用者は、集中された増幅空気流に対する必要なくして、非方向性の、非増幅空気流が第2の空気出口から送出されて、ファン組立体から浄化された空気を受け取り続けることを望むことがあり得る。
【0112】
例えば、使用者が、増幅空気流を提供することによって生成される冷却効果なくして、ファン組立体の使用者が浄化された空気を受け取り続けることを望む場合に、使用者は、使用者インターフェースを操作することによって空気送出モードを制御することができる。これらの使用者入力に応答して、主制御回路は、次いで、1つまたはそれ以上の弁部材に空気流が1つまたはそれ以上の第1の空気出口に到達することを防止させまたは妨げさせ、それによって、主空気流の全体が1つまたはそれ以上の第2の空気出口を通して外に差し向けられるようにするであろう。ファン組立体は、そのとき、非増幅空気流だけを生成するであろう。代替的には、使用者は、増幅空気流を提供することによって生成される冷却効果を部分的にだけ減少させたいと望むこともあり得る。この場合には、使用者入力は、主制御回路に、1つまたはそれ以上の第1の空気出口に差し向けられる主空気流の比率を減少させる一方で、1つまたはそれ以上の第2の空気出口に差し向けられる主空気流の比率を増加させるように弁部材を移動させるように主制御回路に指令を与えるであろう。
【0113】
さらには、上記の実施形態では、ファン組立体の1つまたはそれ以上の第2の空気出口は、ノズルによって構成されるボアの中心軸線から離れる方に実質的に垂直に放射/開出するように非増幅空気流を差し向けるように構成されている。これらの実施形態はまた、したがって、非増幅空気流が拡散的に放出され、それによって、使用者に主空気流を間接的に送出することができるようにしている。対照的に、ファン組立体の1つまたはそれ以上の第1の空気出口は、放出される空気流を、ノズルによって構成されるボアの中心軸線と実質的に平行な方向に差し向けるように構成されており、それによって、使用者に、増幅された空気流のより直接的な集中された送出を可能にするようにしている。1つまたはそれ以上の第2の空気出口による非増幅空気流のより拡散的な送出が、集中された増幅空気流を提供することによって生成される冷却効果をさらに最小にするように望ましいこともあり得る。
【0114】
上述された個々のアイテムは、それら自身上で、あるいは、図面に示され、または、明細書に記載された他のアイテムと組み合わされて使用されることができ、互いに同じ文章で、または、互いに同じ図面で言及されているアイテムが、互いと組み合わされて使用される必要がないことが理解されるであろう。さらに、表現「手段」は、所望されるように、アクチュエータ、または、システム、または、装置(device)に置き換えることができる。さらに、「含む(comprising)」または「からなる(consisting)」に対するいかなる言及も、いかなる仕方でも制限的であることを意図せず、読者は、明細書および特許請求の範囲をそれにしたがって解釈すべきである。
【0115】
さらに、本発明は、上述されているように好ましい実施形態に関して説明してきたけれども、これらの実施形態は例示にすぎないことを理解すべきである。当業者は、本願の開示に鑑みて、添付の特許請求の範囲に入ると考えられる変更および代替を行うことができるであろう。例えば、当業者は、上記の発明が、自立ファン組立体だけでなく、他のタイプの環境制御ファン組立体に等しく適用可能であることを理解するであろう。例として、ファン組立体は、自立ファン組立体、天井または壁取り付けファン組立体、および、車内ファン組立体のいずれでもあり得る。
【0116】
さらなる例として、上記の実施形態はすべて、ノズルが、第2の空気出口を含むものであるけれども、第2の空気出口は、ファン組立体の本体/スタンド上、あるいは、ファン組立体の本体/スタンドに連結するノズルのネックに設け、弁が、それにしたがって空気流を差し向けるように構成されてもよい。
【0117】
さらに別の例として、図1図10Bに示されている第1の実施形態は、第1の空気流チャンネル内に、主空気流が第1の空気流チャンネルを通過して第1の空気出口に行くときに主空気流を加熱するように構成されたヒータ組立体を含むけれども、本願で記載されているファン組立体は、代替的に、あるいは、追加的に、主空気流が第2の空気流チャンネルを通過して第2の空気出口に行くときに主空気流を加熱するように構成されたヒータ組立体を備えてもよい。
【0118】
さらに、上記の実施形態はすべて、弁の弁部材の移動を駆動するために弁モータを含むけれども、本願に記載されているノズルは、代替的には、弁部材の移動を駆動するために、使用者による力の印加が弁部材の移動に変換される手動の機構を含んでもよい。例えば、これは、使用者によるダイアルの回転またはスライドがシャフト、ピニオンおよびラックの回転を生じさせる、回転可能なダイアル、若しくはホイール、または、スライドするダイアル若しくはスイッチの形態を取ってもよい。
【0119】
さらに、上記の実施形態から、ファン組立体は、1つまたはそれ以上の第1の空気出口、および/または、1つまたはそれ以上の第2の空気出口を有してもよいことは明らかである。ファン組立体が、2つ以上の第1の空気出口、および/または、2つ以上の第2の空気出口を含む場合には、ファン組立体は、第1の空気出口および第2の空気出口の一方または両方に主空気流を差し向けるための単一の弁部材を含んでもよく、あるいは、複数の弁部材であって、第1の空気出口および第2の空気出口の一方または両方に主空気流をこれらの間で差し向けるための複数の弁部材を含んでもよい。例えば、ファン組立体は、第1の空気出口の各々、および/または、第2の空気出口の各々に対応する弁部材を含んでもよい。
【符号の説明】
【0120】
1000 ファン組立体
1300 ノズル
1310 第1の空気出口
1320 第2の空気出口
1400 弁
1500 ボア
2300 ノズル
2310 第1の空気出口
2320 第2の空気出口
2400 弁
2500 ボア
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16