(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】眼センサ、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 3/10 20060101AFI20220224BHJP
A61B 3/113 20060101ALI20220224BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
A61B3/10
A61B3/113
A61B5/11
(21)【出願番号】P 2018530685
(86)(22)【出願日】2016-12-08
(86)【国際出願番号】 US2016065679
(87)【国際公開番号】W WO2017100486
(87)【国際公開日】2017-06-15
【審査請求日】2019-12-09
(32)【優先日】2015-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518201717
【氏名又は名称】ブレインステム バイオメトリクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】バルテイ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ラスマッセン ブルース
(72)【発明者】
【氏名】シェハビ ヤヒヤ
(72)【発明者】
【氏名】ボルジャー キーラン
(72)【発明者】
【氏名】アクアドロ マーティン
(72)【発明者】
【氏名】フォスター クラーク
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/001558(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/159498(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2014/0180161(US,A1)
【文献】RYLE, James P. et al. ,Simultaneous drift, microsaccades, and ocular microtremor measurement from a single noncontact far-field optical sensor,Journal of Biomedical Optics,2015年02月,Vol.20, No.2,027004-1~027004-13,<DOI: 10.1117/1.JBO.20.2.027004>
【文献】MCCAMY, Michael B., et al.,Simultaneous recordings of ocular microtremor and microsaccades with a piezoelectric sensor and a video-oculography system,PeerJ,2013年02月12日,Vol.1, e14,pp.1-18,<DOI 10.7717/peerj.14>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
A61B 5/00
A61B 5/11
A61B 10/00
PubMed
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼瞼の外面に設けられ、圧電素子を含むセンサが、眼瞼を通して眼球運動
を感知し、前記眼球運動に応じ
た生体信号を生成する、工程と、
前記センサからの生体信号を信号プロセッサが受信する工程と、
前記生体信号に基づいて周波数成分及び振幅成分を前記信号プロセッサが生成する工程であって、前記周波数成分が眼球マイクロトレモア(OMT)周波数を含み、前記振幅成分がマイクロサッカード(MS)振幅を含み、前記
生体信号から前記OMT周波数及び前記MS振幅が得られる、工程と、
前記周波数成分及び前記振幅成分から、組み合わされたデータセットを前記信号プロセッサが生成する工程であって、前記組み合わされたデータセットが、前記周波数成分、前記振幅成分、及び前記周波数成分と前記振幅成分との間の時間関係を含む、工程と
を含む、方法。
【請求項2】
前記振幅成分が、OMT振幅をさらに含み、前記OMT振幅が、前記
生体信号から得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組み合わされたデータセットを、少なくとも1つの既知の参照値と比較して、比較を得る工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記
生体信号を生成する工程が、
前記圧電素子によって、眼球運動に応じて電圧を生成すること、及び
電気接続部に沿って電流を伝達すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記
生体信号を増幅して、増幅された
生体信号をレンダリングする工程
をさらに含み、
前記信号プロセッサにより前記周波数成分及び前記振幅成分を生成する工程が、前記増幅された
生体信号を処理することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記周波数成分及び前記振幅成分を生成する工程が、前記信号プロセッサによって前記
生体信号を処理することを含み、
前記
生体信号を処理することが、
OMT及びMSに起因する眼球運動を分離すること、
前記OMT周波数を判定すること、及び
組み合わされたOMT振幅及びMS振幅、MSパワー、MS反応性、またはそれらの組み合わせを判定すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ディスプレイにより結果を表示する工程をさらに含み、
前記結果を表示する工程が、
前記周波数成分及び前記振幅成分の表現、前記組み合わされたデータセット、MS振幅の反応性、またはそれらの組み合わせを提示すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記信号プロセッサにより前記周波数成分、前記振幅成分、前記組み合わされたデータセット、またはそれらの組み合わせを、既知の値、既知のパターン、または既知の値と既知のパターンの両方と比較する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
眼瞼の外面に設けられ、圧電素子を含むセンサが、眼瞼を通して眼球運動
を感知し、前記眼球運動に応じ
た生体信号を生成する、工程と、
前記センサからの生体信号を信号プロセッサが受信する工程と、
眼球マイクロトレモア(OMT)成分及びマイクロサッカード(MS)成分を含むパラメータを前記信号プロセッサが導出する工程であって、前記
生体信号から前記OMT成分及び前記パラメータが得られる、工程と、
前記OMT成分及び前記パラメータから、組み合わされたデータセットを前記信号プロセッサが生成する工程であって、前記OMT成分が、OMT周波数、OMT振幅、OMT速度、またはそれらの組み合わせから導出され、前記パラメータが、MS周波数、MS振幅、MS速度、またはそれらの組み合わせから導出され、前記組み合わされたデータセットが、前記OMT成分、前記パラメータ、及び前記OMT成分と前記パラメータとの間の時間関係を組み込む、工程と
を含む、方法。
【請求項10】
前記OMT成分が、前記OMT周波数から導出される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記信号プロセッサにより、前記組み合わされたデータセットを、少なくとも1つの既知の参照値と比較して、比較を得る工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記
生体信号を生成する工程が、
圧電素子によって、眼球運動に応じて電圧を生成すること、及び
電気接続部に沿って電流を伝達すること
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記
生体信号を増幅して、増幅された
生体信号をレンダリングする工程
をさらに含み、
前記信号プロセッサにより前記OMT成分及び前記パラメータを導出する工程が、前記増幅された
生体信号を処理することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記OMT成分及び前記パラメータを導出する工程が、前記信号プロセッサによって前記
生体信号を処理することを含み、
前記
生体信号を処理することが、
前記OMT周波数に起因する眼球運動を分離すること
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
ディスプレイにより結果を表示する工程をさらに含み、
前記結果を表示する工程が、
前記OMT成分の表現、前記パラメータ、前記組み合わされたデータセット、反応性、またはそれらの組み合わせを提示すること
を含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、監視者(例えば、麻酔医、集中治療医、または臨床医)に、患者の鎮静、意識、及び応答性のレベルを含む患者の脳幹活動または改変された脳幹状態の指標を提供するために、患者の眼球(例えば、角膜/強膜)の1つ以上の固視微動のグラフ及び数値表現を表示する、眼センサ、システム、及び方法に関する。これは、例えば、手術中に患者が麻酔される場合のような、医療または臨床的処置の前、間、及び後に使用され得る。眼センサのセンサは薄く柔軟であり、患者の閉じられた眼瞼の形状に一致することができるか、または、患者の眼球の固視運動に応答する患者の開いた眼瞼の組織ひだ内に位置付けられることができる。
【背景技術】
【0002】
多くの医療処置及び状態の実施及び治療中、麻酔は、患者が鎮静及び無意識にされるように投与される。いくつかの場合において、患者は手術の間ずっと過剰に鎮静され得て、これは患者の神経能力に永久的に影響を与え、場合によって、脳幹死を引き起こし得る。他の状況において、患者は、患者に痛みを供する意識レベルに対して、医療職員に警告する能力を有することなく、鎮静及び不動化下にあり得る。さらに他の場合において、患者の過剰な鎮静は、人工呼吸の持続時間を延ばし得て、鎮静下で患者に意図しない抜管を供することをもたらし得る。
【0003】
長時間にわたって、麻酔または鎮静の深さに関する臨床医が利用可能な情報の一次供給源は、身体的及び/または口頭刺激への患者の体性及び自立性応答に限定されていた。これらの応答は、神経筋遮断薬、自立神経系に影響する薬、及び刺激の非一貫性によって改変及び影響されやすいことが知られている。したがって、これらの応答の存在または不在は、意識のある認識と常に正確に相関せず、それゆえ、患者の無意識状態の深さの不良な指標であり得る。
【0004】
マイクロサッカード(MS)(それらのより大きな同等物、サッカード運動と混同されるべきではない)は、突発波及び非活動期間を伴う高活動期間によって不安定な単波作用から主に構成され、間隔間の時間、1秒あたり約一回の突発波を単位として典型的に測定される。それゆえ、マイクロサッカードの周波数は、有用であるとしてほとんど報告されず、方向、ピーク速度もしくは加速の存在または欠如及び振幅は、様々な現象の測定値としてより頻繁に報告される傾向がある。他方で眼球マイクロトレモア(OMT)は、死亡及び他の稀な状態を除いて、常に継続的に揺れている。かかる小さな振幅を測定する場合、従来の測定技術が変動する傾向があるため、OMTは、周波数で測定される傾向があり、傾向分析と共に全体の活動レベル認識及び覚醒の指標として使用され、部分的には、約ゼロ~100Hzの範囲である。OMT振幅範囲は、絶対的、及び特に相対的な観点の両方において、マイクロサッカード範囲よりもはるかに狭い。歴史的に有力な高周波数カウントは、反応パワーまたは刺激に対する反応を測定するためではなく傾向に乗っ取った連続的な測定値に使用される測定値の主要な単位である。
【0005】
MSは、「フリック」と適切に名付けられた全ての眼球運動の最高加速及び速度を達成し、これらの運動は、指数関数的にすぐに迅速に上昇すること、同様に、測定レベル未満に等しく迅速に消失または急低下することが知られている。マイクロサッカードの測定値は、視覚実験のために不可欠な値で、対象範囲の外側にあり、典型的には、マイクロサッカード測定システムの検出レベル未満であるOMTを考慮する。本開示まで、従来の知識は、マイクロサッカードイベントマイクロサッカードが、「存在」するか、または「存在」しないかのいずれかであることを教示し、再び、開いた眼の視覚刺激及び作用が検知され得る、覚醒している患者の状態に限定される意識鎮静患者の測定に使用することが提案される機会においてのみ、主要な視覚手段及び起源であることを教示した。
【0006】
センサは、試験を受ける個体のマイクロサッカード(MS)及び/または眼球マイクロトレモア(OMT)に応答する先行技術において既知である。患者の閉じられた眼瞼にわたって接着剤で接着され、患者の眼球の大きな自主的な(例えば、20度の総偏位)運動を感知するセンサも既知である。しかしながら、既知のセンサは、試験される個体の眼が完全に閉じられ、テープされて閉鎖される場合、手術の間に使用されるのに限定されるように、比較的大きい。小さな微小眼球運動が約500ナノメートルの振幅を有するため、身体的力及び生物的アーチファクトと同様に外部電気及び電磁干渉によって、これらの運動のセンサは、マスクまたは改変されることに影響されやすい。それゆえ、ここで必要とされるものは、地震及び電気的の両方である望ましくないアーチファクトを低減することによって、及び、所望されない背景の雑音を増幅することもなしに生体信号の情報内容を増幅することによって、(例えば、0.1~400マイクロメートルの眼球の弧長の偏位の振幅を有する)患者の眼球の固視運動(例えば、MS及びOMT)を正確に反映する混じりけのない生体信号を生成することができる改善されたセンサ及びセンサシステムである。
【0007】
眼センサは、固視運動として既知の全範囲の運動を捕捉するために適切な範囲及び感度を測定することができるべきである。このように、眼センサは、より低い限界における最小の記録されたOMT偏位及びより高い限界上の最大のマイクロサッカード偏位を表す0.1ミクロン~400ミクロンの弧の動作の長さの眼球周辺の運動を測定することができるべきである。したがって、OMTの動作の報告された最も広い範囲は、0.1~2.5であり、より一般的には、約1マイクロメートルの弧長の報告された平均偏位を有する0.5~1.5である。したがって、MSの動作の報告された最も広い範囲は、3~403であり、より一般的には、約45ミクロンマイクロメートルの弧長の報告された平均偏位を有する16~151である。周波数に関して、OMT成分は、死亡に際してのゼロから、他の珍しい状態では最大200ヘルツの高さの範囲であり、一般に、健康な覚醒している大人において約84ヘルツの平均値を有する20~90の範囲である。MS成分は、1ヘルツ未満から最大25ヘルツまでの範囲であり、一般に、自然共鳴及び追加の突発波期間を含まない1~13ヘルツの範囲で報告される。報告されたMS値は、主に覚醒している患者の記録から取られ、意識のない患者または抑制された脳幹状態下にある人におけるMSの特徴に関して利用可能である利用可能な情報は記録されていない。
【0008】
望ましくないアーチファクトはまた、センサからシステムの他の品目への接続によって導入され得る。測定される運動がとても小さいことを考慮して、センサの任意の運動は、検知されることができる。したがって、信号伝達手段によって伝達される運動からセンサを分離することには、相当の注意があるべきである。加えて、一旦センサが眼のいくつかの運動を検知し、信号を生成すると、信号(例えば、電気的)は、試験環境に存在する干渉から保護されていなければならず、信号の統合性を維持するために、大きな配慮が払われなければならない。
【0009】
いくつかの従来の眼球マイクロトレモアセンサを患者の眼瞼に取着することが、患者の眼球における抑制を創出する眼瞼に適用される集束された圧力をもたらし得ることが分かっている。集中された圧力を患者の眼球に適用する従来のセンサの時として侵襲的な性質は、経時的に患者の不快感を引き起こし得る。この及び他の場合において、患者の眼の動作に応答することができるように、その適切な位置配置を確実にするために、従来のセンサは追加の介入及び制御を必要とし得る。さらに重要なことに、患者は、患者の眼球に適用される圧力によって引き起こされる不快感を避けるために従来のセンサを着用することに抵抗することがある。
【0010】
さらに、その適用を最大化するために、患者が完全にまたは部分的に寝ているか、または覚醒している間、及び患者の眼瞼が完全に閉じられている、完全に開いている、または開いているのと閉じているのとの間に瞬きする間に、固視運動に応答する個体の閉じた眼瞼またはそれらの組織ひだに直接取り付けられることができるように、改善されたセンサは低コストで、汚染を避けることができ、コンパクトであるべきである。この同じ観点では、患者が実質的にその存在に気付かないほど快適に装着されるように、不快な集束された圧力を患者の眼に適用することを避け、便利な様式で容易に取り付けられるように、センサは十分に柔軟でなければならない。
【発明の概要】
【0011】
一般的には、監視者(例えば、麻酔医、集中治療医、臨床医など)に、患者の鎮静、応答性、及び意識のレベルを含む、患者の脳幹活動または変化した脳幹状態のレベルについての信頼できる指標を提供するための用途を有する眼センサ、システム、及び方法が開示される。手術中に患者に投与される麻酔の場合のように、医療処置または評価の前、間、及び後。0.1~400マイクロメートルの眼球の弧長の偏位の振幅を有する患者の固視運動(例えば、角膜/強膜)に応答するように、眼センサは、例えば、患者の閉じられた眼瞼にわたって、または患者の開かれた眼瞼の組織ひだ内に直接取り付けられ得る検出器のセンサのような電気的に活性な感知要素を備える。眼センサは、また、検出器によって生成された交番電圧生体信号が遮蔽された眼球信号増幅器に供給される遮蔽された可撓性リボンアセンブリを備える。眼センサの眼球信号増幅器の増幅された出力は、まず、信号プロセッサに提供され、その後、生体信号のグラフ及び数値表現ならびに患者の脳幹活動及び意識レベルを提供する視覚ディスプレイに提供される。
【0012】
一連の研究及び実験を通して重要なことに、マイクロサッカードは脳幹反応の優れた測定値であり、特に、以前は研究されていなかった低レベルで、OMT信号と共に組み合わされた場合、現在までは実施不可能だった脳幹状態及び患者の状態を診断する強力な新しい手段を提供することが分かっている。マイクロサッカードの特徴的な、及びOMTのはっきりと特徴的ではない眼の動作が、深い麻酔からはっきりとした覚醒までの連続の全レベルで存在すること、平均では、その周波数(平均、サッカード間間隔、変化量、及び速度)及び突発波パターンが連続を通して比較的安定したままであることは、出願人には既知となった。マイクロサッカードの振幅、パワー、及びエネルギーは、劇的な様式で、恐らく対数的または指数関数的に変化するように見える。マイクロサッカードは、覚醒、刺激に対する反応、ならびに他の覚醒現象及びイベントの迅速な増加に際して、ほぼ正方形の波の様式で強く突発する傾向があることも発見されてきた。特に連続の低レベルでの、または軽度の刺激に対する軽い反応に際して、あるいは緩和された反応またはさらに有害な刺激に対する反応(例えば、薬によって、または睡眠のような他の脳幹機能衰退メカニズム)に際して、マイクロサッカードの強さ及びパワーは、脳幹の反応可能性に比例するように見える。逆に、刺激の停止時にマイクロサッカード眼球運動の振幅、パワー、またはエネルギーが劇的に減少することを観察する。マイクロサッカード運動のパワーはまた、睡眠や薬剤によって誘発された意識の喪失時にも降下する。しかしながら、この移行は、明らかに特有で、比較的急なものではあるが、覚醒の場合ほど急激には定義されない。覚醒のより高いレベルにおいて、マイクロサッカード反応は、刺激の強さ及び脳幹の衰退レベルに比例しているように見える。しかしながら、比例する変化は、はるかに劇的でないようである。出願人によって観察されるこの現象は、覚醒レベルでは、再び視覚刺激に応じる特に覚醒している対象者に臨床的に関連するのは、それらの存在または欠如、方向、集中の密度、単波の短期発射変化量ピーク速度であるという現行の教示を説明するのを助ける。
【0013】
マイクロサッカード反応または刺激に対する反応のもの及びそれらのOMTパターンの安定した傾向パターンのようなそれらの固視運動パラメータの特定の組み合わせが、いずれかのパラメータ単独を測定することでは区別ができない様々な状態を診断及び区別するシグネチャとして認識され得ることが、さらに開示される。
【0014】
同時に2つ以上の種類の固視運動(例えば、MS及びOMT)を測定することが、患者の状態へのより良好な洞察を提供することが分かってきた。これらの2つ以上の種類の固視運動を監視することによって、特有のパターンが発見され、既定の値と比較され、状態に応じた行動を提案及び/または自動的に取り得る。2つ以上の固視運動の使用は、異なる基本状態が同様に存在し、本発明より前に使用可能な従来の器具、単独のパラメータ測定値、及び方法を使用して以前は区別ができなかった状況において、臨床医が患者の状態をよりよく診断することを可能にする。
【0015】
本発明は、MS及びOMT運動の観点から記載されるが、監視されるとき、ドリフト及び他の固視運動は、脳幹活動を表すデータを提供すると仮定される。発見されたことは、先行技術によって以前は独立した値のみであると考えられていた少なくとも2つの固視運動を監視することによって、実際には、個別のデータポイントよりも脳幹状態を良好に診断するということである。
【0016】
例えば、2つ以上の種類の固視運動の使用は、臨床医が、
刺激に対する応答をもたらす身体及び脳活動における一時的な増加対鎮静または麻酔のレベルにおける基本的な転換と、
睡眠状態の活動抑制対薬物誘発性の活動抑制と、
意識のある認識対薬によって麻痺され、通常の身体活動指標が不在である場合の意識のない認識の欠如と、
軽対中レベルの鎮静またはしばしば同様に存在する他の微細なグレードと、
「非応答性」のグラデーションまたは身体的に観察可能なカットオフポイント未満に存在する脳状態活動の連続とを区別するための有効な客観的データを提供する。これらの状態は、OMT周波数測定値単独によって明確に区別されない。OMT周波数はこれらの状態を示すことができるが、多くの場合、データの単独セットの大半の場合のように、同様のOMT周波数読み取り値が複数の状態で存在する。同様に、マイクロサッカード動作、反応性パターン、及び突発波は、応答の強度及び速度の優れた指標である一方で、一般的な傾向及び漸進的変化を評価する際に価値が少ない。脳幹に対する既知の同様の基本薬物用量及び効果の時間の所与の長さの間、複数の刺激に関連する一般的な強いマイクロサッカードイベントの期間及び即座に隣接する反対の期間を観察し得る。追加の情報がない場合、マイクロサッカード反応性の観察者は、間違った結論を導き得て、致死性薬物の不適当な投与をもたらす可能性がある。
【0017】
いくつかの実施形態は、MS及びOMT動作の両方の全範囲を両方取り込むように設計されたセンサシステムを備え、両方の信号を測定するために適切な感度及び雑音低減であり、開いているかまたは閉じられている眼の行動状態の全範囲下で、ならびに医療的昏睡状態下で完全に覚醒及び深く麻酔されていることに気付いている対象者の全範囲を通して、そうすることが可能である。
【0018】
いくつかの実施形態は、MS及びOMT運動を処理し、OMTの周波数及び組み合わされたデータを判定するためのシステムを含み、組み合わされたデータが組み合わされたマイクロサッカード(MS)振幅及びOMT振幅、組み合わされたMS及びOMTパワー、組み合わされたMS及びOMT反応性、またはそれらの組み合わせを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、眼センサのセンサが圧電素子を含む。一実施形態は、応力ならびに歪み及び感度を最大化するように、圧電層とほぼ等しい厚さの隣接する構造層と共に積層された10~60umの厚さの範囲で単一の厚い圧電層を組み込む。いくつかの実施形態では、圧電素子は、中間結合剤によって反対のバイモルフ様式によって互いに接合される、上部及び下部の薄いフィルム形成圧電層を含む。いくつかの実施形態では、運動によって創出される信号を収集するために、上部及び下部圧電層の各々の外側は、圧電層上に直接配設された導電面電極を有する。検出器のセンサは、それらの上部及び下部圧電層が患者の眼球の固視運動に応じて偏向されるとき、外側導電面の間の交番電圧生体信号を生成することができる。その感度を増加させ、追加の測定値を必要としない適切な変換を確実に可能にし、開いた及び閉じられた眼の状態の両方の間で使用を可能にし、着用者の不快感を低減するために、それらの形状に適合するようにセンサが患者の眼瞼に取り付けられる。さらに、感知要素は、内部に配設された導電性電極から絶縁されている導電性遮蔽の外側層で覆われる。
【0020】
本実施形態は一致する圧電センサ技術の使用を開示する一方で、任意の数の代替技術を使用することは、好適である(あり得る)。
【0021】
センサと増幅器との間に延在する可撓性リボンケーブルの実施形態は、非導電性フィルムストリップを含む。可撓性リボンアセンブリは、上部ストリップ表面の外側及び下部非導電性絶縁層の外側にある導電性遮蔽層によって外部電気的及び電磁的干渉から遮蔽されている。1つ以上の導電性トレースは、互いから及び導電性遮蔽コーティングから電気的に遮蔽されたリボンの内部に沿って長手方向に延びる。いくつかの実施形態では、圧電素子は、上部及び下部ストリップに沿って延びる導電性トレースの第1の端部で形成される電気端子と電気的に接触して感知要素の導電性外部表面があるように、可撓性リボンアセンブリの近位端で対向する上部と下部非導電性ストリップの間に挟まれる。可撓性回路基板は、いくつかの実施形態では、導電性トレースの反対の端部で形成される電気端子と電気的に接触してあるように、可撓性リボンアセンブリの端子端部で対向する上部及び下部非導電性ストリップの間に挟まれて位置付けられる。可撓性リボンアセンブリの端子端部で可撓性回路基板は、眼球信号増幅器の内部に配置される電気コネクタブロックに連結される。したがって、検出器の圧電素子によって生成される交番電圧生体信号は、可撓性リボンアセンブリの上部及び下部非導電性ストリップに沿って延びる導電性トレースを経由して眼球信号増幅器に供給される。
【0022】
交番電圧生体信号が検出器から供給される眼センサの増幅器及び遮蔽された可撓性リボンアセンブリは、外部電気的及び電磁的干渉から生体信号を遮蔽する導電性ハウジングを備える。いくつかの実施形態では、増幅器ハウジングは、患者の皮膚に導電性接着パッチによって取り付けられる。増幅器ハウジングの底部及び内部にあるプリント回路基板は、患者の皮膚に対して保持されるように、ハウジングを通って延在する接地電極に連結される。可撓性リボンアセンブリに沿って延び、感知要素から固視運動生体信号を運搬する導電性トレースは、眼球信号増幅器のハウジング内に配置される前述のコネクタブロックによって、増幅のためにプリント回路基板に連結される。第1及び第2の導電性メッシュピローは、リボンアセンブリの上部及び下部非導電性ストリップの外側にある導電性遮蔽のそれぞれのものに接触するように、増幅器ハウジングの内部にあり得る。メッシュピローは、リボンアセンブリの遮断コーティングが、増幅器ハウジングの底部を通る接地電極を経由して、互いに、及び患者の皮膚における電気的接地に接続される回路経路にある。眼球信号増幅器の出力は、増幅器ハウジングからの遮蔽ケーブルまたは増幅器ハウジング内に配置される無線送信器のいずれかを経由して、それらのプリント回路基板から信号プロセッサに供給され、信号プロセッサの遠隔トランシーバで通信する。
【0023】
本明細書に開示される多くの実施形態がある。これらの実施形態のうちのいくつかが下で言及される。
【0024】
方法は、眼球運動を示す出力信号を生成するように構成された眼センサから出力信号を得ることと、出力信号から周波数及び組み合わされたデータを導出することと、を含み、周波数はOMT周波数であり、組み合わされたデータは、組み合わされたMS振幅及びOMT振幅、組み合わされたMS及びOMTパワー、組み合わされたMS及びOMT反応性、またはそれらの組み合わせを含む。眼センサは、検出器を備えることができ、検出器は、センサを備え、センサは眼瞼上に配置される。眼センサは、検出器及び増幅器を備えることができ、検出器は、センサを備え、増幅器は皮膚に接地され、センサは眼瞼上に配置される。増幅された出力信号をレンダリングするために出力信号を増幅することがあり得て、周波数及び組み合わされたデータを導出することは、周波数及び組み合わされたデータを分離するため増幅された出力を処理することを含む。出力信号を得ることが、圧電素子によって眼の運動に応じて電圧を生成することを含み、電気接続部に沿って電流を伝達することであり得る。増幅された出力信号をレンダリングするために出力信号を増幅することがあり得て、出力信号を得ることは、圧電素子による眼球運動に応じて電圧を生成することを含み、眼センサは圧電素子を含み、電気接続部に沿って電流を伝達する。電気接続部は、遮蔽リボンを備え得る。眼センサは、組織ひだまたは開いた眼瞼内に配置されるセンサを備え得る。周波数及び組み合わされたデータを導出することは、プロセッサによって出力信号を処理することを含み得、出力信号を処理することは、OMT及びMSに起因する眼球運動を分離することと、OMTの周波数を判定することと、OMT及びMSの組み合わされた振幅、OMT及びMSの組み合わされたパワー、反応性、またはそれらの組み合わせを判定することを含む。結果を表示することもあり得て、結果を表示することは、周波数ならびにOMT及びMSの組み合わされた振幅の表現、OMT及びMSの組み合わされたパワー、反応性、またはそれらの組み合わせを提示することを含む。表現を提示することは、周波数の表現及び組み合わされたデータの表現を示すことを含み得、周波数の表現は組み合わされたデータの表現と実質的に同時に示される。参照番号として到達し、参照番号を表示するように周波数及び組み合わされたデータをコンパイルすることもあり得る。周波数、組み合わされたデータ、または周波数及び組み合わされたデータの両方を、既知の値、既知のパターン、または既知の値及び既定のパターンの両方と比較することもあり得る。比較することに基づいて、警告または提案される措置を表示することもあり得る。
【0025】
方法は、眼球運動を示す出力信号を生成するように構成された眼センサから出力信号を得ることと、出力信号を遮蔽することと、出力信号を増幅して増幅された出力信号を得ることと、増幅された出力信号を処理して周波数及び組み合わされたデータを判定することと、を含み得、周波数は眼球マイクロトレモア(OMT)周波数であり、組み合わされたデータは、組み合わされたマイクロサッカード(MS)振幅及びOMT振幅、組み合わされたMS及びOMTパワー、組み合わされたMS及びOMT反応性、またはそれらの組み合わせを含み、周波数及び組み合わされたデータを表示する。
【0026】
方法は、眼球運動を示す出力信号を生成するように構成された眼センサから出力信号を得ることと、出力信号を遮蔽することと、出力信号を増幅して増幅された出力信号を得ることと、増幅された出力信号を処理して周波数及び組み合わされたデータを判定することと、を含み得、周波数は眼球マイクロトレモア(OMT)周波数であり、組み合わされたデータは、組み合わされたマイクロサッカード(MS)振幅及びOMT振幅、組み合わされたMS及びOMTパワー、組み合わされたMS及びOMT反応性、またはそれらの組み合わせを含み、周波数、組み合わされたデータ、または周波数及び組み合わされたデータの両方を、既知の値、既知のパターン、または既知の値及び既定のパターンの両方と比較する。比較することに基づいて、警告または提案される措置もあり得る。
【0027】
方法は、意識のない哺乳動物の眼球運動を示す出力信号を生成するように構成された眼センサから出力信号を得ることと、出力信号を遮蔽することと、出力信号を増幅して増幅された出力信号を得ることと、増幅された出力信号を処理して周波数及び組み合わされたデータを判定することと、を含み得、周波数は眼球マイクロトレモア(OMT)周波数であり、組み合わされたデータは、組み合わされたマイクロサッカード(MS)振幅及びOMT振幅、組み合わされたMS及びOMTパワー、組み合わされたMS及びOMT反応性、またはそれらの組み合わせを含み、周波数、組み合わされたデータ、または周波数及び組み合わされたデータの両方を、既知の値、既知のパターン、または既知の値及び既定のパターンの両方と比較する。方法は、眼球運動を示す出力信号を生成するように構成された眼センサから出力信号を得ることと、出力信号を処理して周波数及び組み合わされたデータを判定することと、を含み得、周波数は眼球マイクロトレモア(OMT)周波数であり、組み合わされたデータは、組み合わされたマイクロサッカード(MS)振幅及びOMT振幅、組み合わされたMS及びOMTパワー、組み合わされたMS及びOMT反応性、またはそれらの組み合わせを含み、周波数、組み合わされたデータ、または周波数及び組み合わされたデータによるイベントを検知し、イベントを評価し、周波数、組み合わされたデータ、または周波数及び振幅の両方を、既知の値、既知のパターン、または既知の値及び既定のパターンの両方と比較する。イベントを評価することは、倍率変化を分析することを含み得る。
【0028】
装置は、第1の表面及び第2の表面を有する圧電要素と、第1の表面に電気的に連結された第1の導電面と、第2の表面に電気的に連結された第2の導電面とを備えるセンサ、及び配線と、導電性遮蔽と、電気絶縁器とを備える、センサに連結されたリボンを備える検出器を備えることができ、配線は第1の導電面と電気的に連結され、電気絶縁器は第1の導電面と導電性遮蔽との間に配置され、センサは眼の形状に適合するように構成され、センサは、0.1~400マイクロメートルの眼球弧長偏位の振幅を有する眼球の微動を検知するように構成される。
【0029】
装置は、第1の表面及び第2の表面を有する圧電要素と、第1の表面に直接接触する第1の導電面と、第2の表面に直接接触する第2の導電面、及び導電性配線と、導電性遮蔽と、電気絶縁器とを備える柔軟なリボンアセンブリを備える感知要素を備えるセンサを備えることができ、導電性配線は第1の導電面と電気的に通信し、電気絶縁器は第1の導電面と導電性遮蔽との間に配置され、センサは眼の形状に適合するように構成され、柔軟なリボンアセンブリの曲げ剛性は、10×10-4lbs-in4未満またはこれに等しい。
【0030】
装置は、第1の表面及び第2の表面を有する圧電要素と、第1の表面に直接接触する第1の導電面と、第2の表面に直接接触する第2の導電面、及び導電性配線と、導電性遮蔽と、電気絶縁器とを備える柔軟なリボンアセンブリを備える感知要素を備えるセンサを備えることができ、導電性配線は第1の導電面と電気的に通信し、電気絶縁器は第1の導電面と導電性遮蔽との間に配置され、センサは眼の形状に適合するように構成され、リボンアセンブリの厚さは25マイクロメートル未満またはこれに等しい。
【0031】
装置は、感知要素と、感知要素に当接する導電性上面と、感知要素に当接する導電性底面と、トレース及び導電性遮蔽を備えるリボンとを備えるセンサを備える検出器を備えることができ、リボンはセンサに連結され、トレースは導電性遮蔽から絶縁され、トレースは導電性上面または導電性底面のいずれかに連結される。
【0032】
装置は、感知要素と、感知要素に当接する導電性上面と、感知要素に当接する導電性底面と、配線及び導電性遮蔽を備えるリボンとを備えるセンサを備える検出器を備えることができ、リボンはセンサに連結され、配線は導電性遮蔽から絶縁され、配線は導電性上面または導電性底面のいずれかに連結される。
【0033】
装置は、感知要素と、感知要素に当接する導電性上面と、感知要素に当接する導電性底面と、配線及び導電性遮蔽を備えるリボンとを備えるセンサを備える検出器を備えることができ、リボンはセンサに連結され、配線は導電性遮蔽から絶縁され、配線は導電性上面または導電性底面のいずれかに連結され、センサは眼の形状に適合するように構成され、センサは、眼球弧長偏位の0.1~400マイクロメートルの低い振幅を有する眼球の微動を検知するように構成される。
【0034】
装置は、感知要素と、感知要素に当接する導電性上面と、感知要素に当接する導電性底面と、配線及び導電性遮蔽を備えるリボンとを備えるセンサを備える検出器を備えることができ、リボンはセンサに連結され、配線は導電性遮蔽から絶縁され、配線は導電性上面または導電性底面のいずれかに連結され、センサは眼の形状に適合するように構成され、リボンアセンブリの曲げ剛性は、10×10-4lbs-in4未満またはこれに等しい。
【0035】
装置は、感知要素と、感知要素に当接する導電性上面と、感知要素に当接する導電性底面と、配線及び導電性遮蔽を備えるリボンとを備えるセンサを備える検出器を備えることを備えることができ、リボンはセンサに連結され、配線は導電性遮蔽から絶縁され、配線は導電性上面または導電性底面のいずれかに連結され、センサは眼の形状に適合するように構成され、リボンの厚さは25マイクロメートル未満またはこれに等しい。
【0036】
方法は、本明細書に記載されるような眼センサを提供することと、患者の眼瞼にセンサを適用することと、患者を鎮静することと、ディスプレイからの出力を監視することと、患者に投与される麻酔薬を調整することを含む。
【0037】
装置は、リボンに電気的に連結されたセンサと、増幅器と、増幅器から受信された信号を処理して結果を得るように構成されたプロセッサと、結果を表示するように構成されたディスプレイとを備える検出器を備える眼センサを備え、眼センサは増幅器に電気的に連結され、増幅器はプロセッサと通信し、プロセッサはディスプレイと通信する。
【0038】
装置は、感知要素と、感知要素に当接する導電性上面と、感知要素に当接する導電性底面と、第1のトレース及び導電性遮蔽を備えるリボンであって、リボンはセンサに連結され、第1のトレースは導電性遮蔽から絶縁され、第1のトレースは導電性上面または導電性底面のいずれかに連結されるリボンを備えるセンサと、プリント回路基板を備えるリボンに電気的に連結される増幅器であって、プリント回路基板は信号を調整して増幅するように構成された増幅器と、増幅器から受信された信号を処理して1つ以上の結果を得るように構成されたプロセッサと、1つ以上の結果を提示するように構成されたディスプレイを備え、眼センサは増幅器と電気的に連結され、増幅器はプロセッサと通信し、プロセッサはディスプレイと通信する、眼センサを備える。感知要素は、圧電素子を含み得る。感知要素は、複数の圧電素子を含み得る。感知要素は、アームアクチュエータを備え得る。感知要素は、圧電素子を含み得、圧電素子は管状形状を画定し、導電性上面は圧電素子内に配置され、導電性底面は圧電素子外に配置される。導電性遮蔽は、上部遮蔽層及び底部遮蔽層を備え得る。リボンは、導電性遮蔽から絶縁される第2のトレースをさらに含み得、第2のトレースは、第1のトレースに連結されない導電性上面または導電性底面のいずれかに連結される。導電性上部トレースまたは導電底部トレースは、導電性遮蔽に電気的に連結され得る。導電性遮蔽は上部遮蔽層を備えることができ、上部遮蔽層はセンサを覆うように延在する。導電性遮蔽は、センサを覆うように延在し得る。リボンは端子端部をさらに備え得、端子端部は取り付け部及び端子を備え、取り付け部は取り付け部に電気的に連結され、端子は第1のトレースに電気的に連結される。リボンは端子端部を備え得、それは、増幅器に連結されるリボンの端子端部である。増幅器は、導電性遮蔽に電気的に連結されたハウジングをさらに備え得る。増幅器は、患者の皮膚と接触する場合に、増幅器を接地するように構成された電極を接地している増幅器を、さらに備え得る。増幅器は、導電性の接着パッチをさらに備え得る。増幅器は、プロセッサに電気的に連結され得る。増幅器は、無線送信器をさらに備えることができ、プロセッサは無線受信器を備える。結果は、周波数、組み合わされたデータを含み得、周波数は、眼球マイクロトレモア(OMT)周波数であり、組み合わされたデータは、組み合わされたマイクロサッカード(MS)振幅及びOMT振幅、組み合わせたMS及びOMTパワー、組み合わされたMS反応性及びOMT反応性、またはそれらの組み合わせを含む。結果は、周波数及び組み合わされたデータを含み得、周波数は、眼球マイクロトレモア(OMT)周波数であり、組み合わされたデータは、組み合わされたマイクロサッカード(MS)振幅及びOMT振幅、組み合わせたMS及びOMTパワー、組み合わされたMS及びOMT反応性、またはそれらの組み合わせを含む。1つ以上の結果は、周波数及び組み合わされたデータを含み得、周波数は、眼球マイクロトレモア(OMT)周波数であり、組み合わされたデータは、組み合わされたマイクロサッカード(MS)振幅及びOMT振幅、組み合わせたMS及びOMTパワー、組み合わされたMS及びOMT反応性、またはそれらの組み合わせ、ならびに周波数及び組み合わされたデータによって画定されたイベントを含む。1つ以上の結果は、イベントの評価をさらに含み得る。1つ以上の結果は、周波数及び組み合わされたデータを含み得、周波数は、眼球マイクロトレモア(OMT)周波数であり、組み合わされたデータは、組み合わされたマイクロサッカード(MS)振幅及びOMT振幅、組み合わせたMS及びOMTパワー、組み合わされたMS及びOMT反応性、またはそれらの組み合わせ、ならびに周波数、組み合わされたデータ、もしくは周波数及び組み合わされたデータの他の値との比較を含む。ディスプレイは、1つ以上の結果を1つ以上のスクリーン上で提示するように構成され得る。ディスプレイは、1つ以上の結果を1つ以上のモニター上で提示するように、さらに構成される。ディスプレイは、1つ以上の結果を同じスクリーン上で提示するように、さらに構成され得る。1つ以上の結果は、2つ以上の結果を含み得、2つ以上の結果は同時に互いに共にある。
【0039】
方法は、センサから出力信号を受信することであって、センサは眼球運動に応じて出力信号を生成する、センサから出力信号を受信することと、周波数成分及び振幅成分を生成することであって、周波数成分は眼球マイクロトレモア(OMT)周波数を含み、振幅成分はマイクロサッカード(MS)振幅を含み、OMT周波数及びMS振幅は出力信号から得られる、周波数成分及び振幅成分を生成することと、周波数成分及び振幅成分から組み合わされたデータセットを生成することであって、組み合わされたデータセットは、周波数成分、振幅成分、及び周波数成分と振幅成分との間の時間関係を含む、周波数成分及び振幅成分から組み合わされたデータセットを生成することを含み得る。振幅成分が、OMT振幅をさらに含み、OMT振幅が、出力信号から得られる。方法は、組み合わされたデータセットを、少なくとも1つの既知の参照値と比較して、比較を得ることをさらに含み得る。方法は、参照値を生成することをさらに含み得、参照値が、組み合わされたデータセット、比較、または組み合わされたデータセットと比較との組み合わせに基づく。センサは、眼瞼を通して眼球運動を感知し得る。方法は、出力信号を生成することであって、出力信号を生成することが、圧電素子によって眼球運動に応じて電圧を生成し、電気接続部に沿って電流を伝達することを含む、出力信号を生成することを、さらに含み得る。方法は、出力信号を増幅し、増幅された出力信号をレンダリングすることをさらに含み、周波数成分及び振幅成分を生成することが、増幅された出力信号を処理することを含む。周波数成分及び振幅成分を生成することは、プロセッサによって出力信号を処理することを含み得、出力信号を処理することは、OMT及びMSに起因する眼球運動を分離することと、OMTの周波数を判定することと、組み合わされたOMT MS振幅、MSパワー、MS反応性、またはそれらの組み合わせを判定することを含む。方法は、結果を表示することであって、結果を表示することが、周波数成分及び振幅成分の表現、組み合わされたデータセット、MS振幅の反応性、またはそれらの組み合わせを提示することを含む、結果を表示することをさらに含み得る。方法は、周波数成分、振幅成分、組み合わされたデータセット、またはそれらの組み合わせを、既知の値、既知のパターン、または既知の値と既知のパターンの両方と比較することをさらに含み得る。方法は、比較することに基づいて、警告または提案される措置を表示することをさらに含み得る。方法は、イベント検出及びイベント評価をさらに含み、イベント評価が、イベントの反応性、長期比率及び短期比率、イベント前、中、及び後比較分析、周波数、またはそれらの組み合わせを判定することを含み得る。
【0040】
方法は、センサから出力信号を受信することであって、センサが眼球運動に応じて出力信号を生成する、センサから出力信号を受信することと、眼球マイクロトレモア(OMT)成分及びマイクロサッカード(MS)成分を含むパラメータを導出することであって、OMT成分及びパラメータは出力信号から得られる、眼球マイクロトレモア(OMT)成分及びマイクロサッカード(MS)成分を含むパラメータを導出することと、OMT成分及びパラメータから組み合わされたデータセットを生成することであって、OMT成分はOMT周波数、OMT振幅、OMT速度、またはそれらの組み合わせから導出され、パラメータはMS周波数、MS振幅、MS速度、またはそれらの組み合わせから導出され、組み合わされたデータセットは、OMT成分、パラメータ、及びOMT成分とパラメータとの時間関係を組み込む、OMT成分及びパラメータから組み合わされたデータセットを生成することを含み得る。OMT成分は、OMT周波数から導出され得る。方法は、組み合わされたデータセットを、少なくとも1つの既知の参照値と比較して、比較を得ることをさらに含み得る。方法は、参照値を生成することをさらに含み得、参照値が、組み合わされたデータセット、比較、またはそれらの組み合わせに基づく。方法は、センサに、眼瞼を通して眼球運動を感知させ得る。方法は、出力信号を生成することであって、出力信号を生成することが、圧電素子によって眼球運動に応じて電圧を生成し、電気接続部に沿って電流を伝達することを含む、出力信号を生成することを、さらに含み得る。方法は、出力信号を増幅し、増幅された出力信号をレンダリングすることをさらに含み得、OMT成分及びパラメータを導出することが、増幅された出力信号を処理することを含み得る。OMT成分及びパラメータを導出することは、プロセッサによって出力信号を処理することであって、出力信号を処理することが、OMTのOMT周波数に起因する眼球運動を分離することを含む、プロセッサによって出力信号を処理することを含み得る。方法は、結果を表示することであって、結果を表示することが、OMT成分の表現、パラメータ、組み合わされたデータセット、反応性、またはそれらの組み合わせを提示することを含む、結果を表示することをさらに含み得る。
【0041】
個体の脳幹活動の指標を提供するための、0.1~400マイクロメートルの眼球弧長偏位の振幅を有する個体の眼球の固視運動に応答する眼球マイクロトレモア(眼)センサ、この眼センサは、この固視運動を電気的生体信号に変換することができる電気的に活性な感知要素を含み得、眼瞼を経由して個体の眼球の固視運動を受信するために、この電気的に活性な感知要素は、この感知要素が個体の眼瞼の形状に一致するように、個体の皮膚に取り付けられ、この固視運動に応じて、この電気的生体信号を生成する。電気的に活性な感知要素は、上部表面及び下部表面、この上部表面上の第1の導電性材料、及びこの下部表面上の第2の導電性材料を有する少なくとも1つの可撓性圧電層を含み得、患者の眼瞼を経由してこの感知要素の可撓性圧電層に受容され、固体の眼球の固視運動によって偏向されるように、この電気的に活性な感知要素は、個体の眼瞼の形状に取り付けられて、一致し、それにより、この固視運動によって引き起こされたこの可撓性圧電層の偏向に応じて、この電気的に活性な感知要素の可撓性圧電層の上部及び下部表面上で、この電気的生体信号は、この第1及び第2の導電性材料の間に生成される。眼センサは、それによって生成された生体信号を受信するために、この電気的に活性な感知要素に電気的に接続された可撓性リボンアセンブリを含み得、この可撓性リボンアセンブリは、それに沿って延びる第1の導電性トレースを有する上部層及びそれに沿って延びる第2の導電性トレースを有する下部層を含み、この第1の導電性トレースは、この電気的に活性な感知要素のこの可撓性圧電層の上部表面上で、第1の導電性材料と電気的接触を作製し、この第2の導電性トレースは、この電気的に活性な感知要素のこの可撓性圧電層の下部表面上で、第2の導電性材料と電気的接触を作製する。眼センサは、この可撓性リボンアセンブリが個体の皮膚に接着される、この可撓性リボンアセンブリの下層に取り付けられた接着パッチを含み得る。この可撓性リボンアセンブリの上部及び下部層の各々は、非導電性材料から製造され得て、上部及び底部を有し、この第1の導電性トレースは、この上部非導電性層の底部に沿って延び、この第2の導電性トレースは、この下部非導電性層の上部に沿って延び、この上部非導電性層は、この下部非導電性層上に配置され、この第1及び第2の導電性トレースは、この上部及び下部非導電性層に沿って互いから電気的に絶縁される。この可撓性リボンアセンブリのこの上部非導電性層の上部及びこの下部非導電性層の底部の各々は、その上に配置された導電性電磁的遮蔽表面、この導電性遮蔽表面によって包囲されているこの可撓性リボンアセンブリの上部及び下部非導電性層のそれぞれのものに沿って延びる、この電気的に活性な感知要素ならびに第1及び第2の導電性トレースを有し得る。この可撓性リボンアセンブリのこの上部非導電性層の上部及びこの下部非導電性層の底部上に配置される導電性電磁的遮蔽表面は互いに接続され、個体の皮膚で接地され得る。可撓性リボンアセンブリは、この電気的に活性な感知要素の可撓性圧電層の上部表面上でこの第1の導電性トレースの第1の端部と第1の導電性材料との間に配置される第1の導電性パッド及びこの電気的に活性な感知要素の可撓性圧電層の下部表面上でこの第2の導電性トレースの第1の端部と第2の導電性材料との間に配置される第2の導電性パッドも備え得る。この電気的に活性な感知要素ならびにこの第1及び第2の導電性パッドは、この上部非導電性層の底部に沿って延びる第1の導電性トレースの第1の端部とこの下部非導電性層の上部に沿って延びる第2の導電性トレースの第1の端部との間に配置され、いくつかの実施形態では挟まれるように、この可撓性リボンアセンブリの上部及び下部非導電性層は他方の上に保たれ得る。この電気的に活性な感知要素の可撓性圧電層の上部及び下部表面のそれぞれのものの上にある第1及び第2の導電性材料が、この第1及び第2の導電性トレースを経由して、この可撓性リボンアセンブリの第1及び第2の出力端子のそれぞれのものに電気的に連結され、これにより、この電気的生体信号は、この電気的に活性な感知要素から、この第1及び第2の出力端子に供給されるように、可撓性リボンアセンブリは、この第1の導電性トレースの反対の端部とこの可撓性リボンアセンブリの第1の出力端子との間に配置される第3の導電性パッド、及びこの第2の導電性トレースの反対の端部とこの可撓性リボンアセンブリの第2の出力端子との間に配置される第4の導電性パッドも備える。第3の導電性パッドは、この第1の導電性トレースの反対の端部とこの可撓性リボンアセンブリ第1の出力端子との間に配置され、いくつかの実施形態では、挟まれ得、第4の導電性パッドは、この第2の導電性トレースの反対の端部とこの可撓性リボンアセンブリ第2の出力端子との間に配置され、いくつかの実施形態では、挟まれる。眼センサは、信号増幅電気回路及び個体の皮膚で電気的接地に接続される接地電極を有する眼球信号増幅器、この電気的に活性な感知要素によって生成される電気的生体信号を、それらの信号増幅電気回路によって増幅されるこの眼球信号増幅器に供給する、この電気的に活性な感知要素とこの眼球信号増幅器との間に接続されるこの可撓性リボンアセンブリも含み得る。眼球信号増幅器は、また、この信号増幅電気回路及びこのハウジングが個体の皮膚に接着されている導電性接着パッチを取り囲むためのハウジングを有し得る。この眼球信号増幅器のハウジングは、導電性電磁的遮蔽材料から製造され得て、この増幅器ハウジングは、この接地電極を経由して個体の皮膚で電気的接地に接続される。眼球信号増幅器はまた、供給され、この眼球信号増幅器の信号増幅電気回路によって増幅された電気的生体信号を、無線通信経路を介してこの眼球信号増幅器から離れた場所に送信するための、無線送信器を有し得る。この電気的に活性な感知要素によって生成された電気的生体信号を、増幅のためのこの電気回路に供給するように、この可撓性リボンアセンブリの上部及び下部非導電性層に沿って延びる第1及び第2の導電性トレースは、第1及び第2の導電性材料のそれぞれのものから、この電気的に活性な感知要素のこの可撓性圧電層の上部及び下部表面上で、この眼球信号増幅器の信号増幅電気回路に、電気的に接続され得る。眼球信号増幅器はまた、この可撓性リボンアセンブリのこの上部非導電性層の上部及びこの下部非導電性層の底部上に配置される導電性電磁的遮蔽表面のそれぞれのものと電気的に接触している第1及び第2の導電性クッションサポートを有し得て、この第1及び第2の導電性クッションサポートは、この眼球信号増幅器の接地電極を経由して、互いに、及び個体の皮膚で電気的接地に電気的に接続される。
【0042】
個体の脳幹活動を示す電気的生体信号を生成するためのシステムであって、このシステムは、個体の眼球の固視運動に応答する個体の眼瞼に取り付けられ、それによりこの電気的生体信号を生成する圧電性感知要素であって、この圧電性感知要素は、上部及び底部を有する少なくとも1つの可撓性圧電層、この圧電層の上部上に配置される第1の導電性材料、及びこの圧電層の底部上に配置される第2の導電性材料を有し、この生体信号が、この可撓性圧電層の上部及び底部に配置される第1及び第2の導電性材料の間で、それらの偏向に応じて生成されるように、この可撓性圧電層は、個体の眼球の固視運動によって偏向される、圧電性感知要素と、この圧電性感知要素の可撓性圧電層の偏向に応じて生成された電気的生体信号を受信及び増幅するための個体の皮膚上に配置される増幅器と、第1及び第2非導電性層を有するリボンアセンブリであって、それぞれの導電性トレースを有するこの第1及び第2非導電性層の各々はそれに沿って延び、導電性トレースはこの増幅器とこの圧電性感知要素の可撓性圧電層の上部上に配置される第1の導電性材料との間で接続されるこのリボンアセンブリの第1の非導電性層に沿って延び、導電性トレースは、この増幅器とこの圧電性感知要素の可撓性圧電層の底部上に配置される第2の導電性材料との間で接続されるこのリボンアセンブリの第2の非導電性層に沿って延びる、リボンアセンブリと、を備え得る。このリボンアセンブリの導電性トレースは、互いに及び個体の皮膚で電気的接地に接続されるこの第1及び第2非導電性層の反対側で、導電性電磁的遮蔽表面、導電性電磁的遮蔽表面によって覆われる、この第1及び第2非導電性層のそれぞれのものの片側、このリボンアセンブリの第1及び第2非導電性層の反対側の各々に沿って、延び得る。この圧電性感知要素の可撓性圧電層によって生成され、この増幅器によって増幅され得る、電気的生体信号は、時間をかけて周波数を有する交番電圧アナログ生体信号であり、このシステムは、アナログ生体信号をデジタル生体信号に変換するためのアナログ-デジタル変換器、既定の振幅を超える振幅を有するデジタル生体信号のいずれの部分も排除するためのフィルタ、及びデジタル生体信号の表現を示すためのディスプレイをさらに備える。
【0043】
個体の脳幹活動を示す電気的生体信号を生成するためのシステムであって、このシステムは、個体の眼球の固視運動に応答する個体の皮膚に取り付けられ、それによりこの固視運動に応じてこの電気的生体信号を生成する圧電性感知要素であって、この圧電性感知要素は、上部及び底部を有する少なくとも1つの可撓性圧電層、この可撓性圧電層の上部上に配置される第1の導電性材料、及びこの圧電層の底部上に配置される第2の導電性材料を有し、この電気的生体信号が、この可撓性圧電層の上部及び底部に配置される第1及び第2の導電性材料の間で、それらの偏向に応じて生成されるように、この可撓性圧電層は、個体の眼球の固視運動によって偏向される、圧電性感知要素と、この圧電性感知要素の可撓性圧電層の偏向の結果として生成された電気的生体信号を受信及び増幅するための個体の皮膚に取り付けられる増幅器と、を備え得る。この圧電性感知要素の可撓性圧電層は、受信し、眼瞼を経由して個体の眼球の固視運動によって偏向されるために、眼瞼の形状に一致するために個体の眼瞼に取り付けられる。この増幅器によって受信され、増幅される電気的生体信号は、アナログ電圧生体信号であり得て、このシステムは、アナログ電圧生体信号をデジタル生体信号に変換するためのアナログ-デジタル変換器、既定の振幅を超える振幅を有するデジタル電圧生体信号のいずれの部分も排除するためのフィルタ、及びデジタル生体信号の表現を示すためのディスプレイも備える。システムは、トランシーバをさらに備えることができ、この増幅器は増幅された生体信号を、無線通信経路を介してこのトランシーバに送信する無線送信器を備える。増幅器は、第1及び第2の非導電性層を有するリボンアセンブリによって、この圧電性感知要素の可撓性圧電層と通信し得て、このリボンアセンブリの第1及び第2の非導電性層の各々は、それに沿って延びるそれぞれの導電性トレースを有し、導電性トレースは、この増幅器とこの圧電性感知要素の可撓性圧電層の上部上に配置される第1の導電性材料との間で接続されるこのリボンアセンブリの第1の非導電性層に沿って延び、導電性トレースは、この増幅器とこの圧電性感知要素の可撓性圧電層の底面上に配置される第2の導電性材料との間で接続されるこのリボンアセンブリの第2の非導電性層に沿って延びる。
【0044】
0.1~400マイクロメートルの眼球弧長偏位の振幅を有する個体の眼球の固視運動を電気的生体信号に変換することができる電気的に活性な感知要素によって個体の脳幹活動を示す電気的生体信号を生成するための方法であって、この方法は、個体の眼球の固視運動を眼瞼を通して受信するために、この感知要素が眼瞼の形状に一致するように、この電気的に活性な感知要素を個体の眼瞼に取り付ける工程を含み得る。方法は、この電気的に活性な感知要素により生成される電気的生体信号を増幅する追加の工程を含み得る。方法は、増幅器により電気的生体信号を増幅する追加の工程と、増幅器を個体の皮膚の上に位置付ける工程と、増幅された電気的生体信号を無線通信経路を介してこの増幅器から信号プロセッサに伝達する工程と、及び増幅された電気的生体信号を既知の参照番号と比較することと、を含み得る。電気的に活性な感知要素は、上部表面及び下部表面を有する少なくとも1つの可撓性圧電層、この上部表面上に配置される第1の導電性材料、及びこの下部表面上に配置される第2の導電材料を備え、この可撓性圧電層に受容され、個体の眼球の固視運動によって偏向されるように、この電気的に活性な感知要素の可撓性圧電層は、個体の眼瞼の形状に取り付けられ、一致し得て、この方法は、この電気的に活性な感知要素の可撓性圧電層の上部及び下部表面上に配置される第1及び第2の導電性材料の間で電気的生体信号を生成する追加の工程と、個体の皮膚に取り付けられる増幅器により電気的生体信号を増幅する追加の工程と、電気的生体信号をこの電気的に活性な感知要素からこの増幅器に第1及び第2の非導電性層を有するリボンアセンブリを介して供給する追加の工程と、を含み、このリボンアセンブリの第1及び第2の非導電性層の各々は、それに沿って延びる導電性トレース、この増幅器とこの電気的に活性な感知要素の可撓性圧電層の上部表面上に配置される第1の導電性材料との間に接続されるこのリボンアセンブリの第1の非導電性層に沿って延びる導電性トレース、及びこの増幅器とこの電気的に活性な感知要素の可撓性圧電層の下部表面上に配置される第2の導電性材料との間で接続されるこのリボンアセンブリの第2の非導電性層に沿って延びる導電性トレースを有する。方法は、この第1の非導電性層に沿って延びる反対の導電性トレースを横たえる第1の電磁的遮蔽材料で、このリボンアセンブリの第1の非導電性層を覆う追加の工程と、この第2の非導電性層に沿って延びる反対の導電性トレースを横たえる第2の電磁的遮蔽材料で、このリボンアセンブリの第2の非導電性層を覆う追加の工程と、を含み得、この第1及び第2の電磁的遮蔽材料は、電気的に絶縁され、このリボンアセンブリの第1及び第2の非導電性層に沿って延びる導電性トレース及びこの電気的に活性な感知要素の可撓性圧電層の上部及び下部表面上に配置される第1及び第2の導電性材料を包囲するようにこのリボンアセンブリを取り囲む。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】眼センサを着用している間に手術を経る鎮静された患者の脳幹活動及び意識レベルを示す電気的生体信号のグラフ及び数値表現を見るためのディスプレイの一実施形態を観察する麻酔医を示す。
【
図2】生体信号が、感知要素によって生成され、眼で搭載される眼球信号増幅器に供給されるように、患者の眼球の固視運動に応じる患者の閉じられた眼瞼に取り付けられる
図1の検出器の複層圧電要素の一実施形態を示す。
【
図3】
図2の線3-3に沿って取られた検出器の断面図である。
【
図3A】患者の閉じられた眼瞼上にある検出器の複層圧電要素を示す、
図3から取られた拡大された詳細である。
【
図4】
図3の線4-4に沿って取られた眼検出器の断面図である。
【
図5】固視運動生体信号が、感知要素によって生成され、眼球信号増幅器に供給されるように、患者の眼球の固視運動に応じる患者の開いた眼瞼の組織ひだ内に配置される
図1の検出器の圧電要素、一実施形態を示す。
【
図6】
図5の線6-6に沿って取られた検出器の断面図である。
【
図7】無線眼球信号増幅器を含む
図5の眼検出器を示す。
【
図8】眼生体信号を生成するために感知要素が応答可能である患者の眼球の固視運動に応じて偏向される
図1の検出器の複層圧電要素の一実施形態を示す。
【
図9】患者の眼球の固視運動の方法によって固視運動生体信号を生成するために異なる方向に偏向される
図8の複層圧電要素の一実施形態を示す。
【
図10】患者の眼球の固視運動の方法によって固視運動生体信号を生成するために異なる方向に偏向される
図8の複層圧電要素の一実施形態を示す。
【
図11】導電性接着パッチによって患者の皮膚に取り付けられる接地電極に取り外し可能に取り付けられる
図2の眼センサの眼球信号増幅器を示す。
【
図12】
図11の線12-12に沿って取られた眼球信号増幅器の断面図である。
【
図13A】
図12の眼球信号増幅器に電気的に接続される
図8~10の複層圧電要素を備える検出器の一実施形態の分解図である。
【
図14】それらの近位端で
図8~10の複層圧電要素に及び端子端部で
図12の眼球信号増幅器の電気コネクタブロックに接続される
図13の遮蔽された可撓性リボンアセンブリの上面図である。
【
図15】
図14の線15-15に沿って取られた遮蔽された可撓性リボンアセンブリの断面図である。
【
図16】
図14の線16-16に沿って取られた遮蔽された可撓性リボンアセンブリの断面図である。
【
図17】
図2の眼センサが信号プロセッサ及び
図1のディスプレイに連結される通信システムの一実施形態のブロック図の説明である。
【
図18】
図7の眼センサが無線通信経路を介して信号プロセッサ及び
図1のディスプレイに連結される通信システムの一実施形態のブロック図の説明である。
【
図19】電気的生体信号がセンサの圧電要素によって生成され得るように、そこに伝達される患者の眼球の固視運動に応じて偏向される所である患者の眼瞼に取り付けられた機械的力伝達アームアクチュエータを備える検出器の一実施形態を示す。
【
図20】電気的生体信号を生成するためにそこに伝達される患者の眼球の固視運動に応じて形状の歪みを経る所である患者の眼瞼のひだ内に配置される管状の表面装着型検出器を有する眼球マイクロトレモア(眼)センサの異なる実施形態を示す。
【
図21】電気的生体信号を生成するためにそこに伝達される患者の眼球の固視運動に応じて形状の歪みを経る所である患者の眼瞼のひだ内に配置される管状の表面装着型検出器を有する眼球マイクロトレモア(眼)センサの異なる実施形態を示す。
【
図22】電気的生体信号を生成するためにそこに伝達される患者の眼球の固視運動に応じて形状の歪みを経る所である患者の眼瞼のひだ内に配置される管状の表面装着型検出器を有する眼球マイクロトレモア(眼)センサの異なる実施形態を示す。
【
図23】
図20に示される検出器から取られた管状-平面張力緩和アダプタの拡大された詳細である。
【
図24】検出器の圧電性感知要素によって電気的生体信号を生成され得るように、そこに伝達される患者の眼球の固視運動に応じて形状の歪みを経る患者の眼瞼のひだ内に配置される円筒形の力伝達アクチュエータを有する眼球マイクロトレモア(眼)センサのためのさらに別の実施形態を示す。
【
図25】25マイクロメートル半径を有する円内の固視運動の表現を示す。
【
図26】眼球運動データを処理するためのルーチンの一実施形態を示す。
【
図27A】異なる脳幹活動ルーチンに関する13の異なる試験対象からのデータの実施例を示す。
【
図27B】異なる脳幹活動ルーチンに関する13の異なる試験対象からのデータの実施例を示す。
【
図27C】異なる脳幹活動ルーチンに関する13の異なる試験対象からのデータの実施例を示す。
【
図28】反応性とOMTを独立して使用すること対反応性とOMTの組み合わせの使用の有効性のデータの実施例を示す。
【
図29】OMT及び倍数変化反応性を示す試験の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
詳細な説明
例示の簡略化及び明確化のために、適切な場合、参照番号及び/または名称が、対応するまたは類似の要素を示すために、異なる図面間で繰り返されていることが理解されるであろう。加えて、本明細書に記載の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本明細書に記載される実施形態は、これらの具体的な詳細なしで実施され得ることが当業者に理解されるであろう。他の事例において、記載されている関連する関連特徴を不明瞭にしないように、方法、手順、及び構成要素は詳細に記載されていない。図面は必ずしも縮尺通りではなく、特定の部分の割合は、詳細及び特徴をより良好に説明するために誇張されている場合がある。説明は、本明細書に記載の実施形態の範囲を制限すると考えられるものではない。本開示において「一」または「1つの」実施形態への言及は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、そのような言及は少なくとも1つを意味することに留意されたい。
【0047】
本開示を通して適用するいくつかの定義が、ここで提示される。
【0048】
「連結された」という用語は、介在構成要素を直接または間接的に介するかどうかにかかわらず接続されるとして定義され、必ずしも物理的接続に限定されない。接続は、物体が恒久的に接続または解除可能に接続されるようにすることができる。「電気的に連結された」という用語は、それぞれの要素の間で電子の流れを可能にするために、介在構成要素を直接または間接的に介するかどうかにかかわらず、構造的電気的接触にあると定義される。接続は、物体が、また、「連結された」ようにすることができる。「外部」という用語は、物理物体の最外範囲を超える領域を指す。「内部」という用語は、領域の少なくとも一部が、物体によって形成された境界内に部分的に収容されることを示す。「実質的に」という用語は、構成要素が正確である必要がないように、実質的に改変する特定の寸法、形状、または他の言葉に本質的に一致するように定義される。例えば、実質的に円筒形であるとは、物体が円筒に似ていることを意味するが、1つ以上の真円筒からの逸脱は有し得る。「備える」という用語は、「含むが必ずしも限定されない」ということを意味するが、これは、具体的には、開口の含有またはそのような記載された組み合わせ、群、連における部材などを指す。
【0049】
図25で見ることができるように、固視運動の表現である。縮尺を得るために、円の半径は、単に25マイクロメートルであり、1つのヒト毛髪のおよそのサイズである。眼は、典型的には常に動き回っている。より大きな運動は、ドリフト及びMSである。ドリフトは非常にゆっくりした運動であり、一方、長く迅速かつ実質的に直線的な運動がMSである。OMT及びドリフトは同時に生じる。眼球ドリフトは、よりスムーズで、よりゆっくりとした、眼のうろうろとした動作によって特徴付けられる固視運動である。眼球ドリフトの正確な運動は、その流体を含む原子と分子のその衝突の結果として流体中に懸濁される粒子のランダム動作である、ブラウン運動としばしば比較される。運動は、また、方向におけるランダムかつしばしば不安定な変化によって特徴付けられるランダムウォークと比較され得る。眼球ドリフトの周波数は、OMTの周波数よりも通常は低い(40~100Hzと比較される20~40Hz)にも関わらず、30~40Hzの範囲で眼球ドリフトと眼球マイクロトレモアを区別することが問題となる。サッカード間眼球運動の解明は、技術的に困難である。OMTは小さく、迅速で、40~100Hzの範囲の周波数で発生する眼の同期された振動であるが、典型的には平均的な健康な個体において約90Hzで発生する。「フリック」としても知られるMSは、固定期間中に無意識に生成されるサッカードである。それらは、固視運動の最大で最速のものである。
【0050】
まず図面のうちの
図1を参照すると、無意識及び鎮静された患者を監視している医療関係者、麻酔医、集中治療医、臨床医などのような監視者が示されている。監視者は眼球信号情報を取得し、それを事前にプログラムされたルーチンで処理し、複数のパラメータを同時に記憶及び表示することができる。監視者は、コンパクト、低コスト、かつかなり柔軟な眼センサ1によって、患者の脳幹活動及び改変された脳幹状態を判定し、患者の鎮静、意識、及び応答性レベルを測定することができる。(例えば、手術室または集中治療施設における)医療処置の間に監視者に患者の意識の指標を提供するために、患者の眼球の固視運動を確実に感知することが有利にできるように、患者の眼瞼20に配置された眼センサ1が、
図1に示される。固視運動は、眼が明らかに静止している時でさえ、(死亡及びいくつかの稀な状態を除いて)常に存在し、無意識に発生する。同様に、身体は、外界から外生的に、または、体内から内生的であるかどうかにかかわらず、ほぼ常に刺激を受けている。例えば、末梢に由来する低酸素刺激は、心肺の調節を容易にし、脳幹によって連続的に処理される。脳幹は絶えず刺激され、固視運動は常に存在するため、ほとんど全ての臨床及び行動状態において、生産的な本発明の使用によって、我々はマイクロサッカード及びOMTならびにそれらの組み合わせを使用することができる。
【0051】
しかしながら、本明細書において開示される眼センサ1は、また、医療及び産業環境の両方における個体の警戒、認識、覚醒、怪我の診察、及び行動修正の指標を監視及び提供するために使用され得ることを理解されたい。眼センサ1はまた、既知の参照値に対して比較される個体の脳幹活動の測定値を得ることが望ましい任意の状態または状況を監視することも可能である。この目的のために、本発明の眼センサ1は、患者の閉じられた眼瞼上または患者の眼瞼に隣接した組織ひだ内に直接取り付けられることが有利にできる。眼センサ1は、監視者または同様の医療関係者のケアにおける患者によって使用するための特定の適用を有するとして本明細書で時として言及される一方で、眼センサ1は、また、産業または他の非医療環境において、運転、機械の操縦、複雑なタスクの実行などをしようとする人物の警戒を試験するために使用され得ることが、もう一度理解される。
【0052】
図1の眼センサ1は、検出器11及び増幅器3を備える。検出器11は、(
図8~10では16と標記される)センサを備える。いくつかの実施形態では、(
図8~10では16と標記される)センサ16は、リボン5を経由して増幅器3と電気的に連結される複層圧電要素を備える。増幅器3の出力は、遮蔽ケーブル7によって信号プロセッサ9に供給される(
図17に最もよく示されている)。信号プロセッサ9は、今度は、視覚ディスプレイ10に電気的に接続されている。センサ16、リボン5、ならびに、センサ16が連結されて眼センサ1を形成する増幅器3の詳細が、以下により詳細に記載される。
【0053】
図1は、眼センサ1によって生成された情報を表示するための(
図17の)信号プロセッサ9と通信する視覚ディスプレイ10の一実施形態を示す。ディスプレイ10は、予備ベースライン試験中及び/または患者が半意識または完全に意識、警告があり、鎮静されていない場合に、また、情報を提供し得る。実施例によってのみ、ディスプレイ10は、患者の眼球の固視運動に応じて、眼センサ1によって生成される固視運動生体信号12を示す。固視運動生体信号12の形状及び振幅/
パワー/反応性は、特定のサンプリング時間にわたって、患者の脳幹活動のグラフ表現及び患者の意識レベルを提供する。固視運動は、MS及びOMTを含む。OMT生体信号は、一般的に、患者の眼瞼によって眼センサ1が応答する患者の眼球のOMTを反映する交番電圧波形である。組み合わされたOMT/MS
パワー反応性信号は、急上昇、ピーク、及び底の急速な開始によって中断される長く安定した落ち着いた期間を有し、不安定及び頻発する傾向がある。
【0054】
加えて、ディスプレイ10は、また、監視者による容易な視覚的参照によって信号プロセッサ9によって算出される別個の参照番号14を示す。実施例によって、患者の脳幹の活動の別の指標及び意識、鎮静、及び反応性の患者のレベルを提供するため、表示されている参照番号14は、眼球の固視運動及び固視運動生体信号12の波形の対応する周波数に依存する。
【0055】
ここで図面のうち
図2~4を参照すると、手術室で手術を受けている間に深く鎮静された患者のような個体の閉じられた眼瞼に取り付けられた(
図8~10の)センサ16の一実施形態が示される。しかしながら、以前に示されるように、センサ16は、多くの状況(例えば、集中ケアユニット、産業及び他の非医療環境)において評価を受けている個体の眼瞼に、また、取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、患者の眼瞼20は、センサ16の取り付け前に閉じられて保持されている。
図3A及び13に示される)両面圧力感受性接着パッチ100は、眼球の固視運動に応答する患者の眼球上で患者の閉じられた眼瞼に対してセンサ16を保持し、それによって増幅器3のリボン5を経由して(
図1の)固視運動生体信号12を提供するために使用され得る。増幅器3は、意識、鎮静、及び反応性の患者のレベルを含む患者の脳幹活動のグラフ及び数値表現の両方が、ディスプレイ10上で監視者に視覚的に利用可能であるように、信号プロセッサ9に固視運動生体信号12の増幅されたアナログ信号を提供する。
【0056】
しかしながら、患者の眼瞼が完全または部分的に開いている時に患者の脳幹活動及び意識の患者のレベルを測定及び示すために眼センサ1の使用が可能であることが望ましい場合に実例がある。この場合、図面の
図5及び6を参照すると、眼センサ1は、患者の巻きあがった眼瞼に取り付けられて示される。例えば、眼センサ1は、予備ベースライン試験が実施されている間のような、患者が軽、中、または全く鎮静されておらず、患者の眼瞼は交互に開いたり閉じられたりする場合、または患者の眼瞼が完全に開いている場合のような時に、
図5及び6で示される様式で使用されることが示される。
【0057】
前述のように、患者の脳幹活動及び意識レベルは、必要に応じて、監視者または他の医療関係者による介入を可能にするために連続的に監視され得る。(
図8~10の)センサ16及びリボン5を含む眼センサ1は、薄くて柔軟なため、
図5及び6に示されるように、センサ16は、検出器11のセンサ16が患者の眼球の固視運動に応答する患者の開いた眼瞼の組織ひだの間で有利に取り付けられ得る。
【0058】
図1~6であって、増幅器3は、遮蔽されたケーブル7によって(
図17では9と標記される)信号プロセッサに接続されるものとして示されている。しかしながら、図面の
図7に示されるように、増幅器3が無線眼球信号増幅器3-1によって置き換えられることは本発明の範囲内にある。この場合、(
図5では7と標記される)遮蔽ケーブルは、ここで排除される。さらに、いくつかの実施形態では、無線眼球信号増幅器3-1は、(
図18では110と標記される)アナログ-デジタル変換器及び(
図18では116と標記される)従来の無線送信器と共に提供され、(
図18では9-1と標記される)信号プロセッサは、補足のトランシーバ118と共に提供される。このようにして、増幅された固視運動生体信号12は、無線通信経路を介して増幅器3-1から離れた場所で信号プロセッサ9-1に伝達され得る。
【0059】
一実施形態の詳細において、
図1~6で示されるセンサ16は、図面のうち
図8~10を参照しながら、ここに開示される。以前に説明されたように、センサ16は、0.1~400マイクロメートルの眼球弧長偏位の振幅を有し、それにより(
図1では3と標記される)すぐに説明される眼球信号増幅器に対応する交番電圧固視運動生体信号を提供する患者の眼球の固視運動に対応するように、(
図8~10では参照番号20によって一般に表される)患者の開いたまたは閉じられた眼瞼の移動表面に対して保持される。
【0060】
いくつかの実施形態では、導電性(例えば、銅)上部表面28は、感知要素30の上部に適用されて、第1の出力端子を確立する。導電性(例えば、銅)底部表面32は、感知要素30の底部に適用されて、第2の出力端子を確立する。
【0061】
いくつかの実施形態では、センサ16は、圧電性薄い平面状上層22、薄い平面状底層24、及びそれらの間に配置され、層状構造を形成する中間結合剤26(例えば、エポキシ)を備える。第1の導電性(例えば、銅)上部表面28は、センサ16の上層22から可撓性の第1の圧電(例えば、PVDF)フィルム30の外側に適用され、第1の出力端子を確立する。導電性(例えば、銅)底部表面32は、センサ16の底層24から可撓性の第2の圧電フィルム34の外側に適用され、第2の出力端子を確立する。互いに面するセンサ16の上層22及び下層24の第1の圧電フィルム30及び第2の圧電フィルム34の各々は、中間接合剤26によって対向する整列に保持される。第1の圧電フィルム30及び第2の圧電フィルム34の長さ及び幅は、上部表面28と底部表面32との間の望ましくない電気通信を回避するように、上部表面28及び底部表面32のそれぞれの長さ及び幅よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、
図8~10に示されるセンサ16の厚さは、20~150ミクロンである。
【0062】
いくつかの実施形態では、センサ16は、その上にセンサ16が取り付けられる眼瞼20を通して対応する動作を創出する患者の眼球の固視運動に応答して、感知要素が偏向される時に電圧を生成することができる。すなわち、センサ16は、眼球の固視運動によって引き起こされる患者の眼瞼20の運動によって変形及び偏向される。センサ16が
図8に示されるように静止している場合、電圧は、上部表面28及び底部表面32の第1及び第2の出力端子の間のセンサ16によって生成されない。センサ16が、
図9に示されるように、同じ第1の方向における患者の眼瞼20の運動によって第1の方向に偏向される場合、正の電圧は、上部表面28及び底部表面32の出力端子間のセンサ16によって生成される。センサ16が、
図10に示されるように、同じ反対の方向における患者の眼瞼20の移動によって反対方向に偏向される場合、負の電圧は、上部表面28及び底部表面32の出力端子間のセンサ16によって生成される。
【0063】
患者の眼球の固視運動は、典型的には、様々な強度を有して周波数の範囲にわたってナノメートル及びマイクロメートルレベルで生じるため、センサ16は、生体信号を生成するように、同様の対応において前後に曲げられるように設計される。センサ16が応答する固視運動の振幅、正または負の方向、及び周波数は、分離、処理、及び再統合され、かつ、様々なイベント及びパターンを例示するように時間同期様式でグラフ的かつ数値的に、
図1のディスプレイ10上でユーザに視覚的にアクセス可能な表示された12のようなトレース及び14のような要約参照値によって、反映される。
【0064】
図面において、センサ16が一対の圧電素子(第1の圧電フィルム30及び第2の圧電フィルム34)を備えるとして示されるが、センサ16は、1つ以上の圧電素子を備えることができ、その上部及び底部が、その上に置かれた導電性表面を有して、固視運動生体信号が間に生成される前述の第1及び第2の出力端子を確立するであろうことが開示されることが、明示的に理解される。いくつかの実施形態では、センサ16は、単一の圧電素子を備え、他では、センサは、3以上の圧電素子を備える。
【0065】
図面のうちの特に
図3及び3Aを参照すると、
図8~10に示される検出器11のセンサ16が患者の完全に閉じられた眼瞼に対して保持される位置が記載される。いくつかの実施形態の重要な特徴として、(
図8~10を参照する場合に説明されるように)センサ16は十分に薄く、感知要素が接着剤100によってそこに取り付けられる場合、患者の眼瞼の形状に一致するために一般的な弓形(例えば、湾曲した)構成を帯びるために柔軟である。接着剤は、両面圧力感受性接着パッチであり得る。いくつかの実施形態では、センサ16は、患者の閉じられた眼瞼のうちの少なくともいくつかを取り囲み、眼窩内に配置されるのにさらに小さい眼球の角度偏位を覆うように十分大きいようにサイズ決定される。
【0066】
これに関して、このセンサ16は、眼瞼を通って伝達される患者の眼球の動作の完全な範囲に応答するように、眼瞼の相対的に大きい表面積を覆うようにサイズ決めされ得る。さらに、センサ16によって眼瞼に適用される圧力は、いくつかの従来の集束された圧力感知要素よりも眼瞼の周りにより均一に分布される。したがって、いくつかの従来の集束された圧力感知要素よりも信頼性の高い応答を達成するために、センサ16はより長い期間にわたって装着することがより快適であり、より費用が低く、眼瞼において正確な位置付けが容易である。それゆえ、眼センサ1は、それらのセンサ16が気付かれにくいか、または拒まれにくいように、患者に快適に適合され得る。
【0067】
患者の眼瞼の形状に一致し、リボン5に連結されるセンサ16は、
図3Aに示される。
図16~18を参照した場合、より詳細に記載されるように、センサ16はリボン5の上部ストリップ62及び下部ストリップ64によって取り囲まれる。上部遮蔽層70及び底部遮蔽層72は、上部ストリップ62及び下部ストリップ64のそれぞれのものの外部表面上にあり、リボン5に遮蔽を提供する。遮蔽は、センサ16によって生成され、リボン5を介して電気的及び電磁気的雑音ならびに他の干渉に伝達される生体信号を供することを回避する。
【0068】
増幅器3の一実施形態が、
図11及び12を参照すると記載される。増幅器3の電気的構成要素を分離し、それによって眼生体信号によって含有される情報を変化することから環境的電気的及び電磁的干渉を防ぐため、増幅器3は取り外し可能な蓋40を有する導電性増幅器ハウジング38と共に提供される。センサ16は、(
図13~16に最もよく示される)リボン5によって増幅器3に電気的に接続される。
【0069】
使用中、患者の眼瞼への負荷または引っ張り力を適用し、それによってセンサ16によって可能な意図しない反応を誘発することを回避するように、リボン5がセンサ16と増幅器3との間に緩みが存在するような長さであり得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、平坦な導電性基部45を備える電極44に接地する増幅器は、患者の皮膚周辺にある。いくつかの実施形態では、導電性接着パッチ46(例えば、共通EKG電極パッチ)が増幅器ハウジング38の底部を患者に取り付ける。増幅器3は、リボンケーブルの全体領域を低減させるが、リボン5に対する引っ張り力の適用を回避するように緩んだ様式でセンサ16の近くに配置され得る。増幅器ハウジング38内の電気的レセプタクル56は、増幅器接地電極44に連結される。接着パッチ46は、増幅器3を適所に、導電性基部を患者の皮膚に対して繋ぎ止める。取り付けは、監視中にリボン5に対する増幅器3のずれを防止することを補助する。他の従来の電気的及び機械的(例えば、ストラップ、糊、吸引)増幅器取り付け手段は、ただ増幅器が接地されるように、導電性接着パッチ46に置換され得ることが認識されるべきである。
【0071】
増幅器3によって生成される増幅された交番電圧信号が環境によって変更されないことを確実にするために、導電性増幅器ハウジング38、上部遮蔽層70、及び底部遮蔽層72は、電気的接地に電気的に連結され得る。リボン5の上部遮蔽層70及び底部遮蔽層72ならびに増幅器3の増幅器ハウジング38から、導電性接着パッチ46によって適所で皮膚に対して保持される増幅器接地電極44で、患者の皮膚に接地のため確立される。いくつかの実施形態では、導電性増幅器ハウジング38、上部遮蔽層70、及び底部遮蔽層72は、患者に加えて接地アイテムに電気的に連結される。患者の皮膚で接地するこれらの電気経路の詳細を以下に説明する。
【0072】
図12に示される実施形態では、リボン5は、それらの近位端で(
図13に最もよく示される)センサ16に、及び遠位端51で増幅器ハウジング38の内部に位置する電気コネクタブロック48に接続される。第1の導電性(例えば、メッシュ)ピロー50が、増幅器ハウジング38の取り外し可能な蓋40と、リボン5の上部を覆って延びる上部遮蔽層70との間にあるように、増幅器ハウジング38内に位置付けられている。第2の導電性ピロー52が、リボン5の底部を覆って延びる導電性遮蔽72と、増幅器3の増幅器ハウジング38の底部に位置付けられるプリント回路基板54との間にあるように、増幅器ハウジング38内に位置付けられる。前述の増幅器接地電極44は、増幅器接地電極44の平坦な導電性基部45が、患者の皮膚に対して接地に接続されるように、増幅器ハウジング38の底部を通して増幅器3に、かつ、電気的レセプタクル56でプリント回路基板54に、取り外し可能に接続されている。
【0073】
いくつかの実施形態では、増幅器3は、前述の導電性上部遮蔽層70及び底部遮蔽層72のそれぞれのものと電気的に接触している第1及び第2の導電性ピロー50及び52を備える。したがって、リボン5の上部の上部遮蔽層70は、第1の電気経路によって、第1の導電性ピロー50、導電性増幅器ハウジング38、増幅器ハウジング38を電気的レセプタクル56と連結する第1のジャンパーワイヤ60、ならびに最終的に患者の皮膚に対してある増幅器接地電極44及び基部45を備える接地に接続される。リボン5の底部の底部遮蔽層72は、また、第2の導電性ピロー52及びピロー52を電気的レセプタクル56に接続する第2のジャンパーワイヤ61を備える接地への第2の電気経路、ならびに、最終的に患者の皮膚に対する増幅器接地電極44及びそれらの基部45によって接地に接続される。この同じ観点では、リボン5の上部及び底部の上部遮蔽層70及び底部遮蔽層72は、導電性ピロー50及び52ならびに導電性増幅器ハウジング38によって、互いに電気的に接続されることが理解され得る。
【0074】
リボン5の上部遮蔽層70及び底部遮蔽層72に重なる導電性(例えば、メッシュ)ピロー50及び52の弾性特性は、リボン5に供される曲げ力を収容及び吸収する。ピロー50及び52は、また、増幅器ハウジング38内のリボン5を支持し、電気コネクタブロック48と軸方向に整列するように、プリント回路基板54の上でリボン5をつるす。リボン5の端子端部51が接続される電気コネクタブロック48は、直立コネクタポスト58によってプリント回路基板54に今度は電気的に接続されている。プリント回路基板54は、従来の信号コンディショニング及び増幅器回路を含有し、固視運動生体信号が、いくつかの実施形態では少なくとも10の要因によって増幅される、リボン5によって運ばれる交番電圧生体信号である。増幅されたアナログ固視運動生体信号は、プリント回路基板54から延在する遮蔽されたケーブル7によって、
図12に示される増幅器3から
図17の信号プロセッサ9及びディスプレイ10に供給される。しかしながら、以前に説明されたように、固視運動生体信号は、また、増幅器3から信号プロセッサ9に
図18に図示される無線通信経路にわたって伝達され得る。
【0075】
図面のうち
図13~16を同時に参照すると、それらの近位端で(
図8~10を参照して以前記載された)センサ16に、かつ、反対の端子端部51で(
図12を参照して記載された)増幅器3に、電気的に接続されるリボン5の実施形態の詳細は、ここに提供される。リボン5は、取り囲む係合で配設され、センサ16の上部表面28と底部表面32と内部及び
図12で示される増幅器3の遮蔽ハウジング38の底部に保持されるプリント回路基板54上でコネクタポスト58によって保持される電気コネクタブロック48との間で接続される。
【0076】
リボン5のいくつかの実施形態は、上下に取り付けられている、上部及び下部延材されたものならびに上部ストリップ62及び下部ストリップ64を備える。例として、上部ストリップ62の底部及び下部ストリップ64の上部は、(
図15では65と標記される)接着剤の従来の薄い層によって互いに向き合って接着されてもよい。リボン5の上部及び下部ストリップ62及び64の各々は、電気絶縁ポリイミドまたは任意の他の好適な非導電性材料から製造され得る上部非導電性層66及び底部非導電性層68を備える。上部及び下部ストリップ62及び64の上部非導電性層66及び底部非導電性層68の各々の上部及び底部の両方は、導電性(例えば、アルミニウムまたは金)コーティングによってまず覆われる。
【0077】
図15に示される実施形態に示されるように、リボン5の上部ストリップ62の上部非導電性層66の外向きに面する上部及び下部ストリップ64の底部非導電性層68の外向きに面する底部を覆う上部遮蔽層70及び底部遮蔽層72は、遮蔽表面を創出するために、無傷のままである。上部遮蔽層70及び底部遮蔽層72は、センサ16によって生成され、リボン5によって増幅器3に供給される生体信号を中断または歪め得る電気的及び電磁的エネルギーに対してリボン5を遮蔽するために互い及び固体の皮膚で接地に接続されるとして
図12を参照して以前記載された。
【0078】
図13に示される実施形態に示されるように、上部ストリップ62の上部非導電性層66の内向きに面する底部及び下部ストリップ64の底部非導電性層68の対向する内向きに面する上部を最初に覆うことができる遮断の一部は、上部及び下部ストリップ62及び64の上部非導電性層66及び底部非導電性層68に沿って延びる導電性トレース74及び76をそれぞれ長手方向に延在するままにするために、エッチングされ得る。前述のエッチングプロセスの間、比較的広い導電性上部端子78、79、及び導電性下部端子80、81の対は、導電性トレース74及び76の各々の第1及び反対の端部で形成される。(
図15の)中間接着層65によって共に結合されたリボン5の上部及び下部ストリップ62及び64と共に、上部非導電性層66及び底部非導電性層68の底部及び上部上に形成される長手方向に延在する導電性トレース74及び76は、平行に並び、互いから電気的に遮蔽されている。前述のエッチングプロセスは、導電性トレース74及び76を形成するための技法の例である。しかしながら、することは理解されるべきである。他の従来の技術が、上部非導電性層66及び底部非導電性層68上にトレース74及び76を形成するために使用され得る。
【0079】
図15に示される実施形態に示されるように、センサ16は、複層圧電性要素であり得て、リボン5の近接端で上部及び下部ストリップ62及び64の第1の端の間に配置されるか、いくつかの実施形態では挟まれる。いくつかの実施形態では、導電性上部パッド82は、上部ストリップ62の底部上で上部トレース74の第1の端に配置される上部端子78とセンサ16の上部上の上部表面28との間に接着される。導電性下部パッド83は、センサ16の底部にある底部表面32と、下部ストリップ64の上部上の下部トレース76の第1の端部に配置される下部端子80との間に配置される。トレース74及び76の第1の端部における上部及び下部端子78及び80ならびにセンサ16の上部及び底部上の上部パッド82及び下部パッド83は、リボン5の近位端において積み重なって互いに全て整列される。
【0080】
いくつかの実施形態において、導電性上部端子パッド84は、上部ストリップ62の底部にある上部トレース74の反対の端部に形成された上部端子79と、(
図13Aの)可撓性遷移回路基板88の上部上に形成された対向する上部端子86との間に接着されている。回路基板88は、端子端部51で上部ストリップ62の反対の端部と下部ストリップ64との間に配置されるか、いくつかの実施形態において、挟まれる。導電性下部端子パッド85は、下部ストリップ64の上部上の下部トレース76の反対の端部に配置される下部端子81と、可撓性遷移回路基板88の底部上に配置される対向する下部端子90との間に配置される。上部トレース74及び底部トレース76の反対の端部における端子79及び81、回路基板88の上及び下に配置される上側端子パッド84、下部端子パッド85、対向する上部端子86、及び回路基板88の回路基板下部端子90は、リボン5の端子端部51において積み重なって互いに全て整列される。
【0081】
遷移回路基板88の上部端子86(例えば、リボン5の第1の出力端子)は、(
図12の)導電性遮蔽増幅器ハウジング38によって取り囲まれた電気コネクタブロック48に、回路基板88及び電気コネクタブロック48の第1の電気的接触94の上部上にある第1の導電性トレース92によって電気的に接続される。遷移回路基板88の回路基板下部端子90(例えば、リボン5の第2の出力端子)は、電気コネクタブロック48に、回路基板88及び電気コネクタブロック48の第2の電気的接触98の底部上にある第2の導電性トレース96によって電気的に接続される。
図12を参照して以前に説明されたように、電気コネクタブロック48は、増幅器3の増幅器ハウジング38の底部にあるプリント回路基板54に電気的に接続される。それゆえ、センサ16によって生成される交番電圧生体信号は、リボン5の近位端と端子端部51との間で上部及び下部ストリップ62及び64に沿って延びる導電性トレース74及び76によって、センサ16の上部及び底部において上部表面28及び底部表面32から増幅器3に伝達され得ることが理解され得る。
【0082】
上部非導電性層66の底部に沿って延びる導電性上部トレース74は、上部非導電性層66の上部を覆う上部遮蔽層70から電気的に絶縁され得ることを理解されたい。同様に、リボン5の下部ストリップ64の底部非導電性層68の上部に沿って延びる導電性下部トレース76は、底部非導電性層68の底部を覆う底部遮蔽層72から電気的に絶縁され得る。さらに、外部電気的及び電磁的干渉によって引き起こされ得るような交番電圧生体信号の改変を回避するように、上部非導電性層66の上部及び底部非導電性層68の底部を覆う上部遮蔽層70及び底部遮蔽層72は、ほぼ完全にリボン5を取り囲み、それらの間にあるセンサ16に並んでそれらの導電性トレース74及び76を包囲する。
【0083】
接着剤100は、それらの1つの側面において、下部ストリップ64の外向きに面する底部に取り付けられ得る。接着剤100の反対の側面は、剥ぎ取り解除フィルムストリップ42によって覆われ得る。接着剤100からフィルムストリップ42が剥ぎ取られ、除去される場合、リボン5の近位端において上部ストリップ62と下部ストリップ64との間に配置され、いくつかの実施形態では挟まれるリボン5及びセンサ16を含む眼センサ1は、患者の眼球の固視運動を感知、増幅、処置及び/または表示することを可能にする方法で、患者の眼瞼に接着され得る。
【0084】
本明細書において開示されるリボン5によって、センサ16は、そうでなければそこに増幅器3から伝達され得る機械力から実質的に分離され得る。例として、筋肉作用、地震活動、及び他の機械動作及び振動は、センサ16によって生成された交番電圧生体信号に望ましくないアーチファクト騒音を導入し得る。この目的のために、リボン5の寸法及び材料電気に応じて最小曲げ剛性は、リボン5を介してセンサ16へのかかる機械力の伝達を回避するために好ましい。
【0085】
いくつかの実施形態では、リボン5の厚さは25ミクロン以下であり、幅は約4~8mmである。いくつかの実施形態では、リボン5の曲げ剛性は、10×10-4lbs-4-in4以下である。先に示されたように、リボン5は、センサ16への力の適用を回避するために、緩みまたは張力緩和と共に提供されるべきである。すなわち、センサ16と増幅器3との間の直線距離より長いリボン5の長さである。いくつかの実施形態では、長さは、直線距離よりも少なくとも5%長い。
【0086】
図13Bにおいて、検出器11の一実施形態が示される。検出器11は、端子端部51、リボン5、及びセンサ16を備える。端子端部51は、端子端部バッキング187、上部遮蔽パッド186、底部遮蔽パッド185、及び取り付け手段190を備える。センサ16は、導電性である上部表面28及び底部表面232、ならびに感知要素30、及び底部導電性表面端子180を備える。底部導電性表面端子180は、端子78に電気的に連結される。いくつかの実施形態では、底部導電性表面端子180及び上部端子78は、導電性上部パッド82を介して接続される。いくつかの実施形態では、センサ16の全てではない場合、一部分は、リボン5によって覆われる。いくつかの実施形態では、センサ16は、底部導電性表面232、底部導電性表面232を底部導電性表面端子180と連結する導電性ブリッジ181を備える。
【0087】
図Xに示されるように、リボン5の一実施形態は、上部遮蔽層70、上部非伝導性層66、導電性上部トレース74、底部非伝導性層68、及び底部遮蔽層72を備える。
【0088】
図13Cにおいて、センサ16の一実施形態及びリボン5の一実施形態が示される。リボン5は、上部遮蔽70、上部非導電性層66、導電性上部トレース74、底部非導電性層68、導電性上部トレース74、及び底部遮蔽72を備える。センサ16は、導電性上部パッド82、非導電性層260、導電性上部パッド82と電気的に連結された上部表面28及び下部導電性表面端子180、感知要素30に連結された底部導電性表面232を備える。導電性パッド82は、上部表面28及び底部導電性表面232に電気的に連結される一方で、上部表面28を底部導電性表面232から絶縁し、ブリッジ181を介して上部表面28及び底部導電性表面232を導電性上部トレース74及び底部遮蔽層72にそれぞれ連結する。いくつかの実施形態では、リボン5の上部遮蔽層70及び上部非導電性層66は、それが上部遮蔽層70によって完全に覆われ、上部遮蔽層70によって遮蔽されるように、センサ16の上に延在している。
【0089】
開示されるセンサ16の他の実施形態と比較した、
図13Cに示される実施形態の1つの差異は、リボン5の底部遮蔽層72がリボン5のためのトレース及び電磁的遮蔽の両方として作用できることである。これは、1つ少ないトレースまたは電気経路が必要とされる他のリボン5に勝る利点であり得る。これは、より薄く、より可撓性のリボン5をもたらし得る。上述のように、リボン5によってセンサ16に伝達される機械運動は、読み取り値を破壊するだろう。したがって、より薄い及び/またはより可撓性のリボン5は、より正確な読み取り値をもたらす。いくつかの実施形態では、底部遮蔽層72は、増幅器3によって接地される。
【0090】
また、
図13Cで示される端子端部51の一実施形態が示される。端子端部51は、上部遮蔽層70に連結された上部遮蔽パッド186、底部遮蔽層72に連結された底部遮蔽パッド185、及び導電性上部トレース74に連結された端子191を備える。いくつかの実施形態は、導電性である取り付け手段190をさらに備える。いくつかの実施形態では、取り付け手段190は、導電性磁石を備える。いくつかの実施形態は、端子端部バッキング187をさらに備える。
【0091】
図13Dにおいて、端子端部の一実施形態及び増幅器3の一実施形態が示される。増幅器3は、外側ハウジング193、電気レセプタクル56、及びプリント回路基板54を備える。いくつかの実施形態は、ハウジング38をさらに備える。増幅器3は、患者の皮膚に当接及び接地される接地電極44に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、他の実施形態では、接地電極44及び/または接着パッチ46は別々に提供される一方で、増幅器3は、接地電極44及び/または導電性接着パッチ46を備える。前述の増幅器接地電極44は、増幅器3に取り外し可能に接続される。接地電極44は、増幅器接地電極44が患者の皮膚に対して取り付けられた場合に接地として作用するように、電気レセプタクル56を介してプリント回路基板54に電気的に連結される。
【0092】
外側ハウジング193は、導電性接着パッチ46を介して患者に接地される。これはリボン5の遮蔽及び効果的に底部表面232として示される感知要素30の側面を効率的に接地する役目を果たす。しかしながら、感知要素30のいずれの側面もリボン遮蔽によって接地され得ることが理解される。示されるように、リボン5の上部の上部遮蔽層70は、第1の電気経路によって、患者の皮膚で、上部遮蔽パッド186、導電性外側ハウジング193、及び導電性接着パッチ46を備える接地に接続される。リボン5の底部の底部遮蔽層72は、また、部分的に共有された経路によって接地に接続される。リボン5の底部の底部遮蔽層72は、底部遮蔽パッド185に連結され、底部遮蔽パッド185は、また、外部ハウジング193に連結される。他の実施形態は、上部遮蔽パッド186及び底部遮蔽パッド185の両方が取り付け手段に連結され、外部ハウジング193にも連結された取り付け手段190をさらに含む。この同じ観点では、上部遮蔽層70及び底部遮蔽層72が外側ハウジング193に電気的に連結されることが理解され得る。
【0093】
プリント回路基板は、取り付けられる場合、導電トレース及び端子191を介して感知要素30に電気的に連結される。プリント回路基板54は、従来の信号コンディショニング及び増幅器回路を含有し、固視運動生体信号が、いくつかの実施形態では少なくとも10の要因によって増幅される、リボン5によって運ばれる交番電圧生体信号である。増幅されたアナログ固視運動生体信号は、プリント回路基板54から、かつ外向きに増幅器ハウジング38の側面を通って延在する遮蔽ケーブル7によって、増幅器3から信号プロセッサ9及び
図17のディスプレイ10に供給される。しかしながら、以前に説明されたように、固視運動生体信号は、また、
図18に図示される無線通信経路にわたって増幅器3から信号プロセッサ9に伝達され得る。
【0094】
図面のうち
図17は、前述の信号プロセッサ9に接続された眼センサ1の一実施形態を示す。より具体的には、以前に開示されたように、センサ16の(
図8~13に示される)圧電フィルム30の偏向に応じて生成された交番電圧生体信号が、まず供給され、増幅器3によって増幅される。一実施形態では、増幅器3は、未加工の固視運動生体信号データをフィルタリングし、頭の運動及び大きな自主的な眼球運動によって引き起こされるような基本的なアーチファクトを排除することができる。信号プロセッサ9は、増幅された固視運動生体信号をクロックタイミング、バッファリング、ウィンドウイング、及びフィルタリングすることができ、かつ同じ及び他のアーチファクト(例えば、望ましくない眼球運動及び電気的または電磁的干渉によって引き起こされるもの)を排除することができるべきである。プロセッサ及びルーチン114は、異なる種類の固視運動の間の構文解析、個々の及び組み合わされた信号構成要素の分析、及びOMT構成要素の主要な高周波数のような、あるいはMS及びOMT眼球運動の組み合わされた振幅及び
パワー速度を算出することによって、様々なパラメータの算出ができる。さらなるプロセッサ及びルーチン114は、イベントを特定し、イベント及び傾向に関連する追加の値を算出するために振幅、
パワー、及び周波数パラメータならびに他のものなどを使用してイベントを評価することができ、かかる算出は、しばしば固視運動データの複数の種類の使用を含む。いくつかの実施形態では、眼センサ1は、イベントの反応性エネルギー、長期比率、及び短期比率、イベント前-中-後比較分析、周波数のような数値を提供し、ディスプレイ10で複数のパラメータ及び数値結果を表示する。同様に、患者の脳幹活動の最近の履歴及び意識レベルがディスプレイ10上で視覚的に利用可能であるように、眼球信号波形のリアルタイムのグラフ表現(
図1では12と標記される)同様に、患者の脳幹活動の最近の履歴及び意識レベルがディスプレイ10上で視覚的に利用可能であるように、眼球信号波形のリアルタイムのグラフ表現(
図1では12と標記される)もまた表示される。さらなるプロセッサ及びルーチン114は、様々な臨床診断に関する記憶された参照値を含む。プロセッサ及びルーチンは、薬の投与の増加、減少、または維持のような臨床的決定を支持するために、または臨床医に患者の脳幹の予想外の状態及び病態を警告するために、合同の複数のパラメータの組み合わせを導出する時間同期様式でのデータストリームを比較し、それらの算出された結果を記憶された既知の参照値に対して比較することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、ルーチン114は、信号プロセッサ9に接続された(
図1の)ディスプレイ10上のモニターに情報を提供するために使用される周波数及び振幅帯域通過フィルタを備える。一例として、信号プロセッサ9の振幅帯域通過フィルタは、センサ16によって生成される入力波形を認識するように適合される。(マイクロサッカードによって引き起こされるような)既定の閾値よりも大きい振幅を有する任意の波形は、信頼性のある眼情報の代表ではないとしてフィルタリング及び排除される。
【0096】
従来の処理技法(例えば、高速フーリエ変換分析、線形予測モデリング、またはピーク計数)は、デジタル眼生体信号の周波数を算出するために使用される。ピーク計数アプローチにおいては、固視運動生体信号は、所定の時間間隔の間にサンプリングされる。信号ピークのカウントは維持され、サンプリング時間中に増分される。数値形態でのピーク周波数(
図1では14と標記される)が、ディスプレイ10(
図1で最もよく示される)上に表示される。全体的な眼球運動及びマイクロサッカードを示すと決定される、固視運動生体信号のいずれの部分も排除される。
【0097】
増幅された交番電圧固視運動生体信号は、増幅器3から、
図17の信号プロセッサ9のアナログ-デジタル(A/D)変換器110に、それらの間で接続される遮蔽ケーブル7によって供給され得る。A/D変換器110は、処理を容易にするためにアナログ交番電圧生体信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器110によって生成されたデジタル信号は、デジタルアイソレータ112に供給され、このデジタルアイソレータ112は、固視運動生体信号の情報内容を、信号処理を行うのに要求されるハードウェアを駆動するのに必要とされる電源によって生成される場合がある干渉から隔離する。デジタルアイソレータ112はまた、意図しない回路故障が生じた場合に、患者に面した部分をAC主給電部分から電気的に絶縁する、電気的安全性の目的も果たす。
【0098】
いくつかの実施形態では、ルーチン114は、信号プロセッサ9に接続された(
図1の)ディスプレイ10上のモニターに情報を提供するために使用される周波数及び振幅帯域通過フィルタを備える。一例として、信号プロセッサ9の振幅帯域通過フィルタは、センサ16によって生成される入力波形を認識するように適合される。(マイクロサッカードによって引き起こされるような)既定の閾値よりも大きい振幅を有する任意の波形は、信頼性のある眼情報の代表ではないとしてフィルタリング及び排除される。
【0099】
従来の処理技法(例えば、高速フーリエ変換分析、線形予測モデリング、またはピーク計数)を使用して、眼球のデジタル生体信号の周波数を計算する。ピーク計数アプローチにおいては、固視運動生体信号が所定の時間間隔の間にサンプリングされる。信号ピークのカウントは維持され、サンプリング時間中に増分される。数値形態でのピーク周波数(
図1では14と標記される)が、ディスプレイ10(
図1で最もよく示される)上に表示される。同様に、患者の脳幹活動の最近の履歴及び意識レベルがディスプレイ10上で視覚的に利用可能であるように、眼球信号波形のリアルタイムのグラフ表現(
図1では12と標記される)もまた表示される。
【0100】
サンプリングされている固視運動生体信号の処理された周波数値は、スプリアス信号をフィルタリングし排除し得るように、有効性について試験される。例えば、固視運動生体信号の周波数を検査し、認識された生理学的状態に適合することが知られている既定の周波数範囲と比較することができる。その上、患者が麻酔を受ける前にベースライン試験に供される場合、固視運動生体信号は、ベースライン試験結果と比較することができる。全体的な眼球運動及びマイクロサッカードを示すと決定される、固視運動生体信号のいずれの部分も排除される。
【0101】
増幅された交流電圧での固視運動生体信号が、増幅器3から、
図17の信号プロセッサ9のアナログ-デジタル(A/D)変換器110に、それらの間に接続された遮蔽ケーブル7によって供給され得る。A/D変換器110は、処理を容易にするためにアナログ交番電圧生体信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器110によって生成されたデジタル信号は、デジタルアイソレータ112に供給され、このデジタルアイソレータ112は、固視運動生体信号の情報内容を、信号処理を行うのに要求されるハードウェアを駆動するのに必要とされる電源によって生成される場合がある干渉から隔離する。デジタルアイソレータ112はまた、意図しない回路故障が生じた場合に、患者に面した部分をAC主給電部分から電気的に絶縁する、電気的安全性の目的も果たす。
【0102】
サンプリングされている固視運動生体信号の処理された値は、スプリアス信号をフィルタリングし排除し得るように、有効性について試験される。例えば、固視運動生体信号の周波数を検査し、認識された生理学的状態に適合することが知られている既定の周波数範囲と比較することができる。その上、患者が麻酔を受ける前にベースライン試験に供される場合、固視運動生体信号は、ベースライン試験結果と比較することができる。
図面のうちの
図18は、信号プロセッサ9-1と通信しているセンサ16の実施形態を示し、この信号プロセッサ9-1は、増幅されたアナログ固視運動生体信号を増幅器3-1から、無線通信経路を介して受信することができる。増幅器3-1が無線通信経路を介して信号プロセッサ9-1と通信する実施形態では、前述のa/d変換器110は、プロセッサ9(
図17)から除去され、増幅器3-1に位置して、リボン5から固視運動生体信号を受信する。
図18の増幅器3-1のA/D変換器110は、電池、マイクロセル、または好適な電源、及びアンテナと共に同じく増幅器3-1に位置する無線送信器116に電気的に結合されている。この場合、遮蔽ケーブル(
図7及び17では7と標記される)は、排除されている。同様に、
図18の信号プロセッサ9-1には、増幅器3-1の無線送信器116と互換性であり、それと通信可能なトランシーバ118が設けられている。したがって、信号プロセッサ9-1は、眼センサ1から遠隔に位置してもよく(例えば、看護師ステーションに)、これにより、患者は、手術または他の処置から回復し、意識を取り戻す過程で監視され得る。
【0103】
センサ16が固体の眼球の固視運動によって偏向されて生体信号を発生させるように、センサ16は、試験されている個体の眼瞼に取り付けられることが本明細書に開示された。しかしながら、固視運動を個体の眼球から直接センサ16に適用させてその偏向を引き起こすのではなく、固視運動は、代わりに、中間の機械的アクチュエータに適用することができる。図面のうちの
図19は、力及び応力を比較的小さい感知要素134に集中させるように個体の眼瞼に取り付けられている機械的アームアクチュエータ132を備える、検出器130の実施形態を示す。いくつかの実施形態では、固視運動は、眼球から、感知要素134に直接ではなく、機械的アームアクチュエータ132に適用される。
【0104】
図19の機械的アームアクチュエータ132は、非導電性の医療グレードプラスチックから製造され得る。機械的アームアクチュエータ132は、眼瞼の形状に適合するように個体の閉鎖した眼瞼に取り付けられ、そこにおいて、個体の眼瞼の固視運動に応じて偏向される。
図8~10に示される感知要素30と同一の構築であり得る、
図19の運動感知要素134は、機械的アームアクチュエータ132とリボン5との間に位置する。リボン5は、
図13を参照したときに先に開示されたものと同一であってもよい。しかしながら、ここでは、それは検出器130の機械的アームアクチュエータ132によって提供される、運動感知要素134を偏向させるレバーの利点であるため、運動感知要素134は、サイズ及び遮蔽と比較したときにより小さくされ、要求される遮蔽が低減され得る。さらに、電気的または電磁波干渉を受けない機械的アームアクチュエータ132は、遮蔽される必要がない。
【0105】
機械的アームアクチュエータ132の下にある個体の眼瞼を通した個体の眼球の固視運動に応じた機械的アームアクチュエータ132の偏向が、感知要素134に伝達される。運動感知要素134によって発生される生体信号は、前述のようにリボン5を経て増幅器3(
図11及び12)に供給される。
【0106】
検出器140のある実施形態は、表面装着式圧電ケーブル素子を含み、センサ142については、図面のうちの
図20~23を同時に参照しながら記載される。検出器140のセンサ142は、
図8~10に示されるセンサ16の場合と同様の平面状素子ではなく、管状スリーブである。より具体的には、センサ142は、個体の眼球の固視運動に応答して生体信号を発生させるために、その元々の管状形状の歪みを受ける。
図21に示される実施形態に示されるように、センサ142は、第1の電気端子として機能する可撓性の導電性内部領域144を備える。アームセンサ142の導電性内部領域144は、圧縮及び変形されるように適合される可撓性の中間圧電材料146によって包囲されている。導電性外面148は、 中間圧電材料146を包囲する。第2の電気端子として機能するアームセンサ142の導電性外面148は、遮蔽材料(図示せず)によって包囲されてもよい。単なる例として、検出器140のセンサ142の導電性内部領域144及び外面148の各々(例えば、第1の端子及び第2端子)は、薄い導電性金属メッシュから製造することができる。
【0107】
検出器140の管状の表面装着型圧電センサ142は、個体の眼瞼のひだ内に位置し得、そこでそれは、圧縮及び変形を経ることによって対応する電圧を発生させるように、眼瞼を通して伝達される個体の眼球の固視運動に応答性となる。センサ142が最初に弛緩状態にあるとき、導電性内部領域144及び外面148、ならびにそれらの間に置かれる中間圧電材料146は全て、円筒状の構成を有する(図示せず)。しかしながら、管状センサ142が、個体の眼球の固視運動に応答した圧縮力を受信するとき、導電性内部領域144、外面148、及び中間圧電材料146の各々の形状は歪み、それによって、
図21及び22に示される楕円形の構成を帯びる。
【0108】
中間圧電材料146の形状の歪み及び変化は、表面装着型圧電センサ142の第1の端子と第2の端子(例えば、導電性内部領域144と導電性外面148)との間で生体信号を生成する。検出器140のアームセンサ142によって発生された生体信号は、検出器140の(
図20の)管状-平面張力緩和アダプタ150を経て増幅器3に供給される。
【0109】
図23に示される実施形態を具体的に参照すると、
図20の検出器140の管状-平面張力緩和アダプタ150の詳細が示され、それによると、センサ142の導電性内部領域144及び導電性外面148は、リボン5の代わりに増幅器3のプリント回路基板54(
図12)に接続されている。張力緩和アダプタ150は、非導電性材料から製造された、弓形(例えば、湾曲した)構成を有する可撓性基板151を備える。湾曲した基板151は、それに加えられた機械力に応じて屈曲して、さもなければセンサ142にかけられ得る引っ張り力を吸収するように適合される。第1の導電性トレース152が、基板151に沿って導電性の第1の接触パッド154から増幅器3へと長手方向に延びている。導電性の第2のトレース156が、基板151に沿って導電性の第2の接触パッド158から増幅器3へと長手方向に延びている。第1及び第2の導電性トレース152及び156は、互いに電気的に絶縁されるように、張力緩和アダプタ150の基板151に沿って離間し並列に並んだ整列で配置されている。
【0110】
導電性内部領域144は、基板151上の取り付け部(例えば、第1の接触パッド154に形成された溝)で接続されている(例えば、係止係合するように押し込まれる)。第2の接触パッド158は、第1の接触パッド154の前に置かれ、かつそれと軸方向に整列するように、基板151を横断して横方向に延在する。したがって、センサ142の導電性内側領域144が第1の接触パッド154に接触すると同時に、管状センサ142の導電性外面(例えば、第2の端子)148は、第2の接触パッド158上に置かれ、かつそれに接触するように自動的に整列させられる。したがって、管状センサ142が個体の眼球の固視運動に応答して歪み及びその形状の変化を経るとき、その導電性内部領域144と導電性外面148との間のアームセンサ142によって発生される対応する生体信号は、増幅のために、基板151に沿って延びる張力緩和アダプタ150の第1及び第2の導電性トレース152及び156のそれぞれのものを経由して増幅3に伝達される。
【0111】
図24は、機械的アクチュエータ及び圧電性感知要素を備える検出器160の実施形態を示す。
図19を参照しながら説明された検出器130と同様に、
図24の検出器160は、個体の眼球の固視運動に応答性である機械力伝達アクチュエータを備える。しかしながら、この場合、アームアクチュエータが個体の閉鎖した眼瞼に取り付けられるのではなく、円筒形の力伝達アクチュエータ162が、眼球に対して圧電性感知要素よりも近くに置かれるように眼瞼のひだ内に位置する。
【0112】
検出器160の円筒形の力伝達アクチュエータ162は、個体の眼瞼を通って伝達される個体の眼球の固視運動に応答して、圧縮され、変形を経るように適合されている。円筒形の力伝達アクチュエータ162は、医療グレードの気泡ゴム等のような圧縮可能な材料から製造することができる。第2の例として、円筒形の力伝達アクチュエータ162は、ゲル等のような圧縮可能な液体で充填される。円筒形の力伝達アクチュエータ162が液体で充填される場合、アクチュエータは、好ましくは、可撓性エンベロープ164(
図24において破線で示される)によって包囲されている。
【0113】
検出器160は、円筒形の力伝達アクチュエータ162を覆って接着剤で取り付けられ、かつその形状に適合するように略平面状である、センサ166を備える。圧電性感知要素であり得るセンサ166は、
図8~10を参照しながら先に説明されたセンサ16と同一であってもよい。しかしながら、検出器160のサイズを低減するために、
図24に示されるセンサ166の実施形態は、第1の端子として機能する上部導電性面168、及び第2の電気端子として機能するより下部導電性面170を備える。中間圧電材料部分172は、上部及び下部の電気的上部導電性面168と下部導電面170との間に位置する。
【0114】
個体の眼球の固視運動が個体の眼瞼を通して適用され、円筒形の力伝達アクチュエータ162の変形及びその形状の変化をもたらす。円筒形の力伝達アクチュエータ162の変形は、力伝達アクチュエータ162を覆いかつそれに接して置かれているセンサ166に伝達される。したがって、センサ166の中間圧電材料172は、生体信号が、中間圧電材料172のそれぞれ反対側に置かれる第1の端子と第2の端子(例えば、上部及び下部導電面168及び170)との間で生成されるように、対応して偏向される。次いで、生体信号は、(
図13では5と標記されるもののような)可撓性部を経由して(
図11及び12では3と標記されるもののような)増幅器に供給され得る。
【0115】
眼センサ1の電気的に活性な感知要素は、典型的に、感知要素が患者の眼球の固視運動によって偏向されることに応答して電圧を発生させるように構成されているセンサ16であるものとして説明された。しかしながら、本明細書に開示されるセンサ(例えば、16、166、142)のいずれ、及び本明細書に開示される感知要素(例えば、30)のいずれも、その出力が、試験を受けている個体の眼球の固視運動を示しさえすれば、他の種類の電気的に活性なデバイス、例えば、可変抵抗要素(例えば、歪みゲージ)、可変コンデンサ、加速度計、または可変インダクタであってもよい。
【0116】
次に
図26を参照すると、プロセッサ及びルーチン114の実施形態が示される。固視運動データは、センサによって取得され、プロセッサ、ならびに、ある特定の成分を導出し、2つの別個のパラメータを生成するように設計された一対の第1及び第2のルーチンの使用を通して、有益な情報に変換される。第3のルーチンを使用して、データストリームを統合及び同期させ、これにより、合同の値が、患者の脳幹及び状態のより良い、より正確な見解を提供するように同時に考慮及び解析され得る。対合または合同の値は、個々の値または成分の値のうちのいずれかよりも優れた有益性を提供することが多い。第4及び第5のイベント検出及び評価ルーチンは、ある特定のイベント及びパターンに関する時間窓を確立することが可能であるように、第3の統合及び同期ルーチンと動的に相互作用する。例としては、外科的刺激、他の内因性または外因性刺激、値の傾向ベースの推移、処置上のイベント、いびきパターン、睡眠、及び薬物関連イベント等が挙げられる。これらのイベントの識別及び評価に関連しかつそれらを必要とする、イベントの反応性エネルギー、またはイベントの前及び後のパラメータの長期平均などのある特定の解析は、過去の、現在の、または予測される、患者の状態のかなり重要な指標であることが分かる。ある実施形態は、臨床医がデータを可視化及び解釈することができるように、パラメータの早期の表示を提供し得、個々の数値またはリアルタイムストリーミングパラメータを提示するように、処理ルーチンにおいてさらにデータを表示し得る。また、既定の設定点及びユーザ入力値が組み合わされて所望の結果を生成し得ることも明示的に理解される。
【0117】
いくつかの実施形態では、固視運動データは、OMT及びMSを含む。固視運動データは、検出器を介して対象から連続的に得られ、第1段階で増幅され、アナログフィルタでフィルタリングされて5Hz未満の低周波雑音成分を除去し、次いで、さらに増幅されて2000~2500の範囲の利得で全体的な増幅を達成することが可能である。増幅されたアナログ信号を、16ビットの低雑音変換器及び1000cpsの取得速度を用いてデジタル信号に変換した後。固視運動データは、振幅パワー計算機(APC)及び周波数アナライザパーサー(FAP)によって処理される。APC及びFAPの両方が、様々な値に合わせて設定され得る一連のコンディショニング及びフィルタリングルーチンを用い、結果として生じる共通のまたは異なるフィルタリングデータストリームのいずれかを、APC及びFARの各々またはそのうちの一方もしくは他方に提示する。結果のデータストリームは、分離した眼球運動成分、または合同信号もしくは合同信号データとしての組み合わされた成分から構成され得る。導出及び生成された個々の成分、合同信号及びパラメータ、ならびに組み合わせは、脳幹活動についての最も正確かつ有益な視点を提供するように選択される。
【0118】
フィルタは、帯域通過フィルタ、ノッチ、及び振幅フィルタを用いて、合同でOMT及びMSについて知られている値を上回る及び下回る、さらにはそれらの値以内にある値を有する周波数成分及び振幅成分のデータをフィルタリングすることができる。ノッチフィルタは、AC主または他の既知の不要な干渉などの特定の既知のアーチファクトをフィルタリングするために使用され得る。さらに、ウェーブレットノイズ除去、周波数帯域グループ化等のような、様々な既知のフィルタリング及び信号処理技術が知られており、それらが用いられてもよい。
【0119】
雑音を消音する眼瞼組織、遮断、可撓性リボン機械的振動分離、接地、可撓性リボン機械的振動分離、接地等への適合する適用などの、眼センサの前述の特徴は、眼球運動信号のみが提示されることを確実にするようにコンディショニング及びフィルタリングルーチンと一緒に動作することができる。ある実施形態では、結果として生じる合同信号は、OMT及びMSの2つの固視運動成分によって表されるデータ、ならびに眼によって発生され、センサによって受信された生体信号内に含まれるこの2つの運動によって表されるデータのみを含む。
【0120】
APCは、既定のデータ窓を用い、その窓の電圧対時間データをバッファリングし、デジタルフィルタロールオフ及び共振を考慮するときに低周波MS及び高周波OMTの全範囲の固視運動データが提示されることを可能にする様態で、間の初期帯域通過周波数フィルタリングルーチンセットを行う。MSの全体的な平均周波数は、1ヘルツ未満~5ヘルツの範囲内にあることが知られているが、出願人の観察によれば、眼球の共振と組み合わせたMSバーストは、有効に測定されたMSの周波数値を5~25ヘルツ、しばしば13~22ヘルツの範囲に増加させる傾向がある。APCは、OMT成分及びMS成分の両方を含む、周波数フィルタリング、コンディショニング済みの合同信号を使用して、2秒間の平均パワーまたは総計の眼球パワーを計算する。最初に、センサによって1000cpsの速度で発生されたコンディショニング、フィルタリング済みの電圧値は、それらの絶対値に変換され、次いで2秒間などの時間窓設定した期間にわたって合計される。結果として生じるパワー値は、その時間枠にわたって眼により達成された作業量を表す。このパワー値は、OMT及びMS振幅から導出される固視運動のパワーの重要な部分を反映するものであり、刺激に対する脳幹反応の感受性測定値であることが発見されている。このパラメータは、患者が意図的または他の刺激に対して観察可能な生理学的応答または反応を何ら示さない、事実上「非応答性」であると評価される、抑制状態において特に有用である。しかしながら、可視的または観察により検出可能なレベルを実際には下回る、組み合わせた総計の眼球パワーパラメータが用いられる場合、脳幹応答が存在し、ディスプレイ上で図示され得ることが発見されている。加えて、データは、システムが「見えないものを見る」ことが可能であるだけでなく、結果として生じる信号または合同信号を使用して、応答の比例性または相対値を決定することも可能であることを示唆する。システムのさらなる特徴は、応答または反応性エネルギーの総エネルギーを算出するように、イベント検出及び評価器ルーチンを用いることを必要とする。この算出、比例性の特性の有益な利用のための算出された値の比較が後に説明される。
【0121】
では、FAPは、APCと連携して稼働する。異なるレジームでは、FAPは、主に周波数レジームで動作するが、一方で、APCは、主に振幅レジームにおいて動作し、FAPは、主に周波数レジームにおいて動作することが見て取れる。FAPは、APCのそれに提供される概要の事前コンディショニング及びフィルタリングルーチンを含む。一実施形態では、初期周波数フィルタリングと一緒に作動する初期の眼センサシステムは、APCにおいて提示され、上述されるのと同じフィルタリングデータストリームをもたらす。しかしながら、FPCは、信号のうちのOMT成分のみを分離するように追加のフィルタリング工程を実行する。二重の振幅フィルタが用いられる。1つ目は、電子回路と関連付けられる最低雑音成分をフィルタリングする。APC及び振幅レジームの場合には重要でないが、最低雑音は、周波数レジームにおいて干渉するため、除去されなければならない。2つ目は、OMTの優位高周波成分及び/またはピーク計数周波数を分離することが可能である、振幅フィルタである。
【0122】
増幅された生体信号を受信し、上述のプロセッサ機能を行うために増幅器3に接続するのに好適な1つの信号プロセッサ9が、2006年3月14日発行の米国特許第7,011,410号に示され、記載されており、その詳細は参照により本明細書に組み込まれる。したがって、信号プロセッサ9の簡単な説明のみが下記に提供される。
【0123】
従来の処理技法(例えば、高速フーリエ変換分析、線形予測モデリング、またはピーク計数)を使用して、眼球のデジタル生体信号の周波数を計算する。ピーク計数アプローチにおいては、固視運動生体信号が所定の時間間隔の間にサンプリングされる。信号ピークのカウントは維持され、サンプリング時間中に増分される。数値形態でのピーク周波数(
図1では14と標記される)が、ディスプレイ10(
図1で最もよく示される)によって表示される。この場合、全体的な眼球運動及びマイクロサッカードを示すと決定される、固視運動生体信号のいずれの部分も排除される。周波数パーサーは、この様態で、最高周波数OMT成分によって表されることが知られているような、固視運動信号の優位高周波成分として知られるものを計算することが可能である。
【0124】
OMT周波数は、脳幹活動の連続した電流レベルの優れた指標である。それは、プロポフォール投与または意識の喪失時に急速に降下する。Bolgerによって記載される、様々な薬物の組み合わせ、睡眠状態、眠気、傷害等といった、脳幹活動を減衰させるいかなる手段もピーク計数を低下させるという意味で、それは非差別的である。逆に、薬物濃度の軽減、覚醒、及び刺激は、OMT周波数値を上昇させる役目を果たす。したがって、OMT周波数は患者の状態に関して固有の洞察を提供するが、分離されたOMTピーク周波数が、APCによって送達される総計の眼球パワーパラメータと併せてある特定のイベントについて時刻同期様態で考慮される場合、ある特定の臨床診断が改善されることが本明細書に開示される。FPCは、それによって、連続したデータストリームを送達する。
【0125】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ10は、APRC、FAP、イベント検出器(ED)、及び/またはイベント評価器(EV)の結果の各々を積分し得る同時データ積分器(SDI)を含む。いくつかの実施形態では、APRC、FAP、イベント検出器、及び/または評価器の結果のうちの2つ以上が、複合結果へと組み合わされ得る。結果のうちの1つ以上の提示は、1つ以上が同じ画面、同じ表示ユニットの交互スクリーン、及び/または異なるスクリーン上で示され得る。提示は、追跡線、FTT、スペクトル分析、定量数、複数追跡線及び/または複合追跡線の形態をとり得る。提示は、提示される全ての項目について時刻が同期されるように示され得る。周波数及び振幅の組み合わされたパラメータを計算及び表示する追加の方法が、有効に用いられてきた。例えば、スペクトログラムとして一般的に知られているものは、同期された時刻情報、周波数、及び振幅データを表す色調画像を表示する。外科手術の場合、コンディショニング、フィルタリング済みの眼球信号データを受信する、かかる技術は、患者の脳幹及び鎮静もしくは麻酔状態に対するイベント、傾向、及び変化を図示する有効な手段を提供する。
【0126】
いくつかの実施形態は、イベント検出器を含む。イベント検出器は、LTA及び/またはSTAを記録することができる。イベント検出器は、いくつかの実施形態では、イベントを記録するようにSTAがSTAを超過する既定値または倍数を含む。第三次臨床入力方法もまた使用され得る。
【0127】
いくつかの実施形態は、イベントを定量化するイベント評価器を含む。この定量化は、ローカルに、クラウド及びまたはインターネットに記憶され得る、以前に得られたデータに基づくことができる。イベント評価器は、イベントを定量化する際に、イベントの倍数変化、頻度、及び/またはイベント(複数可)のエネルギーを分析する能力を有する。
【0128】
いくつかの実施形態では、APRC及びFAPを使用して、表示結果をユーザに提示する。
【0129】
いくつかの実施形態では、比較器が、固視運動データ及び/または結果を既知のデータパターンと比較する。比較は、ディスプレイ上に提示され得る。比較器は、自動化されたシステムによって警報、命令を出力し、かつ/またはアクションを引き起こし得る。例えば、比較器は、現在のデータ点を既知のデータ点と比較してもよい。比較器が、負の状況が発生したことを決定するか、またはその前兆であり得る何かに気付く場合、それは、ディスプレイ10に、警報及び/または提案される命令を提示するように命令することができる。他の実施形態では、比較器は、患者に供給されている薬物を自律的に変化させることができる。
【0130】
いくつかの実施形態は、固視運動、具体的には、眼球マイクロトレモアと一緒にマイクロサッカードの振幅を測定するための、眼センサ1と、ある特定の成分を分離し、データを操作及び再結合し、結果を提示するための事前にプログラムされたルーチンを有する、プロセッサ9とを含む。ARPCはパワー計算機法を実施し、FARは周波数アナライザ法を実行して、2つのデータストリームを同時に生成する。いくつかの実施形態では、データストリームは、固視運動の振幅及びOMTの周波数成分である。2つのデータストリームの各々は、パワー及び周波数パラメータの各々の未加工の値または計算値を提供し得、データストリームは、別々であるが相互に関連した眼球運動信号のパラメータ、したがって、別々であるが相互に関連した脳幹活動のパラメータを表す。いくつかの実施形態では、比較器は、脳幹活動パターンを、最も近い既知の参照パターンと整合させることを含む方法を実施し、事前にプログラムされた規則に従って応答し得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、SDIは、同時計算方法を実行する。データ積分器は、第5のルーチン、すなわち、イベント検出器からのイベントデータ及び分析窓を用いて、パワーデータを反応性データに変換し、合わせて脳幹活動パターンを表す反応性パラメータ及び周波数パラメータの積分され対合された組み合わせを提示する、イベント評価器と相互作用する。
【0132】
個々の及び2つの種類の固視運動の組み合わせた同時測定及び分析、ならびに組み合わせたパターンの解釈は、新たな有用な洞察を提供し、これまで識別不可能であった状態と新たな診断との間の解析を可能にする。多くの従事者がMS固定運動を用いて、注意応答を測定し、状態を決定し、そして神経学的状態を診断している。この作業は、MSが視覚的知覚及び視力において重要な役割を果たす状態に注力する。したがって、MSの研究は、開眼した健常な覚醒している対象において、または視覚プロセスに接続する方法で用いられる測定システムに主に制限される。MSはOMTとは異なる特徴を有するため、各々がより好適であるタスクもあれば、あまり好適でないタスクもあることに留意することが重要である。例えば、覚醒している対象の眼球から直接測定されるMS運動は、解像能がミクロン範囲に限定された汎用の機器及びその特定のサイズ範囲に調整された機器を用いて測定するのがより容易である。一方で、OMTは、MSよりも振幅が約40倍小さい、ナノメートルレベルの振幅であり、高感度のセンサ、高利得増幅器、及び、雑音アーチファクトを排除または低減する予防的要素を、一般的機器のそれよりもさらに必要とする。MSは比較的大きいため、それらは、大きな波がフィルタリングまたは他の既知の手段を介して除去されない限り、OMT測定を不正確にする。従来のOMTセンサシステムは、ナノメートルから1ミクロンレベルの運動を測定するのに特化されたシステムに必要とされる運動範囲に調整されており、OMTの振幅ではなく、周波数に主に焦点を当てる。また、OMTが主として、MSについて知られる値よりも高い値の周波数単位で測定されることを考慮して、先行技術は、OMTによるより高い計数に不正確にバイアスを与えることを回避するために、マイクロサッカードの低周波計数を含めることを回避するよう教示する。したがって、先行技術及びその目的によれば、MSは、有用な情報を何ら提供せず、OMTの振幅を分離するためにフィルタリングされるべきである。
【0133】
図27A~27Cは、固視運動及び関連パラメータの2つの組み合わせた使用により、この成分のどちらか単独の使用によりもたらし得るよりも優れた診断をもたらすことができる、使用中の実施形態の一例が集中治療室(ICU)内の重症患者に対する鎮静剤の適切な投与を管理している様子を示す。多種多様な潜在的パラメータ及び固視運動の変化形のふるい分けによる大規模な実験的パイロット研究の結果、ならびに対照を置いた臨床研究の統計結果が、
図27A~27Cに図示される。この研究は、麻酔及び集中治療鎮静中の眼球マイクロトレモア「OMT」の有効性及び信頼性を実証するように設計された。主要評価項目は、OMTデータと現在の標準治療、すなわち、鎮静スケール(Richmond Agitation-Sedation Scale、RASS)と称される、有効で信頼性があることが証明されている客観的な生理学的評価手段との間の相関関係である。したがって、出願人は、OMT値と、認可された研究プロトコルに従って制御された刺激形態として施与されたRASS標準との間の統計的に有意な相関関係を実証することを追及した。
【0134】
次に
図27Bを参照すると、従来のOMT信号周波数ピーク計数単独とRASS標準との間の第1の相関関係が報告される(R2値は28%である)。この相関統計は有意であるが、スコア範囲が高い。
【0135】
出願者は、RASSが患者の反応性の尺度であるとの仮説を立て、固視運動のマイクロサッカード成分に基づいた、周波数に依存しない反応性の尺度を開発した。生体信号のMS成分は、未加工の眼球運動データにおいて遍在していたが、先行技術は、強力な周波数及び振幅フィルタリングによってMS成分を排除することを教示した。新たなパラメータは、刺激イベントの反応性エネルギーを計算するように、
図26に最もよく示されるプロセッサ及びルーチンを用いる。SDIは、APCによる総計の眼球
パワーデータを受信し、ED及びEVによるイベント情報を組み込み、正規化されたエネルギー値を計算する。イベントまでの総計の眼球
パワーのLTAを計算し、イベントに至るまでの指定の時間窓にわたって加算し、イベント前のエネルギーを得る。イベントに対応する眼球エネルギーは、イベント中の同じ指定の時間枠にわたって
パワー値を合計することによって計算される。期間前及びかつ期間中からのエネルギーの変化は、期間中の値からの期間前の値を減算することによって決定して、イベントに起因するエネルギーの変化を得る。この変化は、患者の変動にわたって正規化するように、エネルギーまたは好適な値の入来LTAによって除算され得る。この正規化されたエネルギー変化のlog10は、有用で正確なイベント評価の例である。このパラメータ実施形態である、イベントの反応性エネルギーが、
図27Aの左軸に示される。出願者は、新たな反応性の尺度を組み込んだ副次的分析を行った。再び、
図27Aでは、相関統計が、R2値が有意であるとして知られる-、70%であるが、広範囲のスコアが残っていることが、訓練を受けた眼により容易に見て取れる。最後に、両方の尺度が一緒に、2つのパラメータのうちのいずれかを個々に用いるよりも優れた結果を提供することが分かった。
図27Cは、両方のパラメータが一緒に使用されるときの相関統計を示す。この場合、パラメータが組み合されるとき、相関統計r2値が80%超まで10%増加し、これは優秀な相関関係であることが決定され、新たな臨床実務の基盤となる。この場合、OMT周波数をイベントパラメータの反応性エネルギーで乗算して、固視運動鎮静指数と名付けられる新たな無単位の指数を得、これが
図27Cのグラフの左軸に示される。これより、ICUにおける薬物投与の不適切な管理という長年存在した問題を解決するために、比較器の使用と共にこの技法を採用し得ることが分かる。患者の電流値は、本明細書に記載の方法及び装置を使用して計算され得、それらが、今ではデータベースの形態で既知の現在の相関参照値に対して比較され得る。比較により、薬物投与の指図を得ることができる。指標値が目標レベルを超える場合、薬物が増加される。逆に、測定された指標値が目標レベルを下回る場合、薬物速度は、患者が所望の状態に達するまで低下または完全に中止されるべきである。指標値が目標値と一致する場合、薬物レベルは、現状で維持される。
【0136】
その後、上述の相違の理由のうちの1つが、OMTピーク周波数の単独の使用では、睡眠により誘発される脳幹抑制の状態と、薬物抑制によって引き起こされるその抑制状態との区別が良好でないことであることが明らかとなった。薬物抑制は、睡眠により誘発される機構よりも脳幹抑制を維持する上でより強制的である。出願人は、自然に深い眠りについている対象についての患者OMT値が、強力な薬物で高度に麻酔された患者の場合と同じ低周波数範囲にあると測定した。しかしながら、重要なことに、睡眠患者は、覚醒しないことは当然ながら、応答することさえもない麻酔患者に与えられた刺激よりも同じ近似強度の刺激により覚醒可能である。薬物は、自然の睡眠機構が脳幹を減衰させるよりも強制的にそれを減衰させる。同様の様態で、MS成分から導出される反応性エネルギー及びパワーは、より覚醒した帯域で識別性がより低い傾向があり、この帯域においては、MS振幅の相対的増加が、あたかもそれらがすでに「完全にオン」であるかのように、明白でないにしてもより少なく、このため、追加の挑発刺激が振幅を劇的にさらに増強することはない。OMT周波数は、しかしながら、覚醒レベルでの活動に関する優れた尺度であり、そのレベルでの変化に完全に比例する。したがって、再び、信号パラメータの組み合わせが、個々の値のうちのいずれか単独よりも価値がより高く、新たな予想外の目的で使用される理由を説明する。この組み合わせの価値は、初めて複数の固視運動データが一緒に取得され、深い麻酔または昏睡において見られるような臨死状態から、完全に覚醒した及びさらには正常な状態を上回って興奮した状態まで、覚醒スケールの全範囲にわたって用いられるときに、特に明白になる。これが、OMT値と共同で考慮される、MS成分から導出される反応性パラメータの追加が、全体的な統計的診断性能を増強する理由である。
【0137】
本発明の実施形態及び開示されるICU鎮静実施例と一致して、ある実施形態は、比較器が深い、中程度、及び軽度の3つの鎮静状態のうちの1つを容易に特定することを可能にする、単純な決定マトリックスを含む。43ヘルツ前後のある特定の閾値を下回るOMT周波数と、それに伴う1.5を下回る低反応性値は、一緒に、深い状態を示す。43ヘルツを上回るOMT周波数と、それに伴う2.5を上回る反応性値は、軽度の状態を示す。周波数値が43を下回るが、1.5~2.5の高い反応性を伴う場合が、軽度の状態と最も一致する。43ヘルツを下回るOMT周波数と時間同期的様態で相まった、1.5~2.5の中間の反応性値は、中程度の状態と最も一致する、といった具合である。
【0138】
同様に本発明と一致して、概日リズム及び睡眠状態がICU患者について図示され得、この睡眠状態は、適切な休息の蓄積を容易にする、または譫妄などの蔓延している併発病態のより早期の診断を可能にするように、薬物誘導鎮静状態から解析されてもよい。
【0139】
本発明の実施形態を使用した睡眠分析は、ICU鎮静患者に限定されない。いくつかの実施形態では、本発明は、睡眠関連障害の診断に使用される、睡眠中の呼吸器関連イベントを特定することができる。なおもいくつかの実施形態では、増幅器3は、新生児後半未熟児のより小さな解剖学的構造に一致するようにサイズが縮小され、未熟児無呼吸を検出する、ならびにNICUにいる間及び退院後に患者が完全に成熟した脳幹発達を達成するのに十分に長い期間にわたって脳幹発達の傾向をマッピングするために使用される。
【0140】
なおも別の例では、
図28で見て取れるように、反応性及びOMTの組み合わせの使用対反応性及びOMTを独立して使用することの有効性が、外来患者の大腸内視鏡検査による診断処置の事例において図示される。本発明の実施形態は、薬物投与を調整するためのより優れた手段を提供する。およそ1分間の時間枠が例示されており、このうち左軸が、FAP及び方法の使用により導出及び生成されるOMTピーク計数周波数を表し、右軸が、APC及び前述の方法の使用により導出及び生成される総計の眼球
パワーを表す。ED及びEVを使用して、イベントA、続いてイベントBと境界を画定された別個の後続の臨床イベントを特定した。イベントAは、臨床医によって加えられる刺激に対する結果として生じる脳幹の反応であり、この刺激は、血圧を測定するために使用される圧力カフの適用であった。比較器を使用したイベントAを同時に再検討すると、およそ25秒間の期間にわたって、OMT周波数値及び眼球
パワー値の両方が比較的一定かつ低く、刺激に応答して急激に増加し、次いでそれらが以前にそうであったのと同じ値に戻って急速に下降したことが示される。この場合、時間において一緒に考慮したOMT成分及びMS成分から導出された値を含む、比較され組み合わされたデータ値が、既知の参照値に対して比較されて、命令が決定される。この場合、両方の値が記載されるように調和して上昇し、下降する場合、外部の一過性刺激に関連し、結果として薬物レベルに対する変更は何ら必要とされないことが統計的に示される。値は上下し、そして同じ値に戻った。時間同期は重要であり、位相遅れ、位相進み、前後間の比例等、または任意の数のより複雑な時間ベースの関係を意味し得ることに留意されたい。複数の固視運動成分から導出される複数のデータパラメータが時間において既知の関係である限り、それは本発明と一貫している。
【0141】
次に、
図28に図示される第2のイベント、すなわちイベントBと見ると、プロポフォールの血漿中レベルの真の軽度化または「消失化」が生じている。再び、眼センサプロセッサ及びルーチンを同様に使用することによって、同等の構成され組み合わされたデータセットが導出され生成及び比較される。しかしながら、この場合、イベントSDIによって認識されるパターンは極めて異なる。第1に、OMT周波数は、その以前のレベルには戻らず、むしろ顕著なことに、それは10計数上昇する。第2に、ピークOMT値はそれほど高くなく、これは、イベントAにおいて提示された顕著なピークよりもむしろ、脳幹減衰の変化に関連する周波数のより微細な変化を示唆する。パターンの第3の特徴は、達せられる眼球
パワー値がイベントAのそれよりも高く、より持続的であることである。換言すれば、イベントBの総反応性エネルギーは、イベントAのそれの数倍である。時間において比較した複数の固視運動成分の導出値を含むこの組み合わせたデータパターンを一緒にまとめると、イベントAのパターン、及びいずれかのパラメータ単独の評価により示唆される結論とはかなり異なる結果が得られる。この場合、麻酔医は、イベントBの直後にプロポフォールの追加のボーラスを投与し、信号パターンは目標レベルに戻った。これより、本発明が、訓練を受けた専門家がこの事例に立ち会うことによる予測的有用性よりも優れた予測的有用性、または少なくとも、同じく非常に有益である確認的有用性を有することが見て取れる。イベントBの間に示される個々のトレースを再検討すると、総計の眼球
パワー及びエネルギーによって測定される反応性情報は確実により大きいが、このイベントは、以前の値の数パーセント以内に大方戻るようである。したがって、臨床医またはオペレーティングシステムは、薬物投与を増加させるべきか否かを思案させられる。同様に、OMT値は、イベント前のレベルを上回る新たな持続レベルを達成はするが、それは上昇し続けるのではなく平坦であり、ここでもまた、オペレータまたはシステムに、どの薬物投与戦略に従うべきかについて疑念を抱かせる。2つのパラメータを一緒にまとめると、結論の信頼性が増加する。この実証される結果は、複数の患者にわたって対照を置いた研究を実施した、大腸内視鏡検査実施例の統計分析において証明される。
【0142】
今しがた記載した大腸内視鏡検査事例で使用されるプロポフォールは、速効作用型かつ速効消失型の薬物として知られていることに留意されたい。これがその広範な使用の主因である。それはまた危険でもあり、即時の致命的結果につながり得る。多くの他の薬物が測定されており、本発明によって制御され得る。これらには、デクスメデトミジン(dexmeditomine)、セボフルラン(sevofluorane)、オピオイド、セバフルオン、オピオッド、神経筋遮断薬/麻痺薬、及び様々な他の薬剤が含まれ、これらのうちのいずれも哺乳動物の脳幹に影響を及ぼす。
【0143】
次に
図29を参照すると、本発明と一致するディスプレイの一実施形態が示され、このディスプレイは、眼センサプロセッサ9及びルーチン114から情報を受信し、この情報を表示し、このようにして臨床医が情報にアクセスできるようにする。ディスプレイ9は、固視運動成分から導出される1つ以上の組み合わされたパラメータのリアルタイムの連続ディスプレイを提供する。水平の目盛りは、時計時間または任意の他の時間尺度もしくは時間ベースの単位を表す。軸の各々は、通常の動作モードにおいてこれら2つの間の関係を維持するように、時間同期されている。水平スケールは典型的には、20分間のデフォルトに設定され、連続的に表されたデータの直近の20分間を表示する。継続期間スケールは、より短い期間もしくはより長い期間を示すように変更する、または特定のイベントもしくは時点にズームインすることができる。現在の時間枠及び記録され表示されている現在の値は、各グラフ領域の最も右側部分にあり、信号は、各2秒間の分析窓及び記録が経過すると共に左側に推移し、したがって、表示されるトレースは、画面を横断して右から左に移動しているように見える。最も左側のデータ点が次の現在の新たな値によって置き換えられるとき、最も古いデータ点は、画面の視野から消える。
【0144】
一実施形態では、上部チャート領域は、垂直左軸上にヘルツの単位でのOMT周波数を表示する。上部グラフ領域に近接して、15~20フィート距離から読み取ることができる大きなサイズで、記録されている現在の周波数値の数値表示が含まれている。周波数値は、表示される数字のリアルタイムの精度と安定性との間で最適化する柔軟なアプローチを可能にする、瞬間の値、2秒間の平均、またはより長い平均であり得る。上部チャート領域に近接した表示ボックス内の周波数値はまた、システムが事前設定された値の外側にあるデータ部分を検出するかまたはフィルタリング条件を超過する場合に点滅する、交替の色に変わる、またはユーザに別様に警告することもできる。
【0145】
下部チャートは、前述の実施形態を使用して算出された、連続的に算出された総計の眼球
パワーを表示する。下部チャートの垂直軸は、
図28に記載されたのと同じ総計の眼球
パワーの単位を図示し、ある実施形態ではワットに比例する単位で測定される。上部グラフ領域に近接して、15~20フィート距離から読み取ることができる大きなサイズで、記録されている現在の周波数値の数値表示が含まれている。周波数値は瞬間の値であり得る。上部グラフ領域に近接して、15~20フィート距離から読み取ることができる大きなサイズで、イベント検出器によって特定された直近のイベントのエネルギー変化の数値表示が含まれている。ある実施形態では、エネルギー変化値は、倍数変化の単位で算出及び表示され得る。倍数変化は、イベントの反応性エネルギーと同様であり、同じ様式で算出される。イベントの総エネルギーが計算され、そのイベントのエネルギーから直前のセグメントにおけるエネルギーを差し引いた差異が計算され、それを直前のセグメントのエネルギーで除算する。実質的に、ベースライン正規値と比較したイベントのエネルギーにおける複数倍数または数倍変化を提供することである。この値は、患者間のばらつき及び様々なレベルの鎮静等に関連する振幅のばらつきを考慮するために、ベースラインの非反応性期間で除算することによって正規化される。
【0146】
別の実施形態では、ディスプレイは、プロセッサ9及びルーチン114から受信した単一の連続的なライブパラメータを提示するが、OMT成分及びマイクロサッカード成分から導出された、組み合わせ導出し計算した値である。固視運動鎮静指数は、本実施形態及び本発明と一致している。上述の近接した、見るために大きな数値表示ボックスは、直近のイベントに関連する現在の値を表示する。スクリーンは、部分の3つの略等しい部分に分割され、最上部分が軽度の鎮静に対応し、中央部分が中程度の鎮静、下部部分が深い鎮静に対応する。鎮静指数値が臨床的状況と共に推移すると同時に、スクリーンの対応する部分が、患者の全身状態を3つのゾーン、すなわち軽度、中程度、または深い、のうちの1つにおいて図示するような様態でアクティブ化され、移行が起きるとそれらの間で適宜推移する。
【0147】
現在の標準よりも優れた様態で、かつ従来の眼球運動検知技法の使用によるものよりも有効に診断または管理され得るいくつかの他の病態が、これより開示される。周波数、速度、振幅、パワーピーク速度、平均値、上昇時間、傾斜、適合曲線、比率、フーリエ、及びスペクトル分析、ならびに統計的に有意な結果を指示する同様の組み合わせから導出される、導出及び生成されたパターンが今では知られている。例えば、意識の喪失の決定的な印は、優位高周波ピーク計数の急速な降下、続いてその後の、MS成分の振幅のおよそ数秒間の急速な指数的または対数的減衰によって顕著となる。意識の回復は、OMT周波数の先立つ強力な上昇に続いて、MS振幅の劇的な増加という、ミラー化した、しかしほぼ方形波様式のパターンに従う傾向がある。
【0148】
上記に示され記載される実施形態は例にすぎない。本技術の多数の特徴及び利点が、本開示の構造及び機能の詳細と一緒に前述の説明において記載されたが、本開示は例示的なものにすぎず、特許請求の範囲において使用される用語の広義の趣旨によって確立される全範囲までかつそれを含む本開示の原則内で、部品の形状、サイズ、及び配置の事柄を含めて、詳細部分に変更が行われてもよい。
【0149】
また、実施形態の要素は、特定の実施形態の説明を参照して記載され得るが、開示される実施形態の要素は、他の開示される実施形態の同じ名称及び/または数を有する実施形態の対応する要素と切り替えられ得ることが開示されることにも留意されたい。例えば、16として特定される166として特定されるセンサ、及び142として特定されるセンサは、センサが開示されるいずれの実施形態においても互いに交換可能であることがこれにより開示される。
【0150】
実施形態に応じて、記載される方法のある特定の工程が除去されてもよく、他の工程が追加されてもよく、また工程の順序が交替されてもよい。また、方法に向けた説明及び請求項は、ある特定の工程を参照するいくつかの指示を含み得ることも理解されたい。しかしながら、使用される指示は、特定する目的のみで見られるものであり、それらの工程の順序に関する示唆と見なされるものではない。また、「上部」、「最上部」、「下部」、及び「底部」という用語の使用を伴う要素は、位置の指示として捉えられるものではなく、これらの用語は単に、説明を容易にするために要素の名称で用いられたものであることにも留意されたい。例えば、上部要素は下部要素よりも下に位置することが可能である。