(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】船舶の上のデッキ用具を取り扱うための方法、並びに、船舶のデッキ用具のための巻き上げ機
(51)【国際特許分類】
B63B 21/20 20060101AFI20220224BHJP
B63B 21/16 20060101ALI20220224BHJP
B63B 21/18 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
B63B21/20 A
B63B21/16
B63B21/18
(21)【出願番号】P 2018563756
(86)(22)【出願日】2017-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2017000175
(87)【国際公開番号】W WO2017144158
(87)【国際公開日】2017-08-31
【審査請求日】2020-02-04
(31)【優先権主張番号】102016002251.5
(32)【優先日】2016-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521183110
【氏名又は名称】マックグレゴー・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【氏名又は名称】鈴木 友子
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】シェルヴィンスキー・ニルス
(72)【発明者】
【氏名】ハイデン・クリスティアン
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特公昭50-12668(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第103539033(CN,A)
【文献】実開昭48-101087(JP,U)
【文献】実開昭63-162790(JP,U)
【文献】実開昭50-19166(JP,U)
【文献】特開2000-16774(JP,A)
【文献】中国実用新案第2833228(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 21/16-21/20,
B66D 1/72, 5/10, 5/26,
F16D 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンカーを有するアンカーチェーン、ホーサーまたは係留綱の繰り出しおよびたぐり込みのための巻き上げ機によって、船舶の上のデッキ用具を取り扱うための方法であって、前記巻き上げ機のブレーキの弛緩によって、前記アンカーを有する前記アンカーチェーン、もしくは、前記ホーサーまたは係留綱が引き下ろされ、
アンカーチェーン、ホーサーまたは係留綱が十分に繰り出された際に、前記ブレーキが、第1の操作様式により締め付けられ、および、
前記アンカーを有する前記アンカーチェーン、前記ホーサーまたは前記係留綱が、前記ブレーキが弛緩された際に、前記巻き上げ機の駆動装置によってたぐり込まれる方法において、前記巻き上げ機の前記駆動装置の所定の負荷の超過の際に、前記ブレーキが、第2の操作様式により締め付けられること、
前記第2の操作様式が、前記ブレーキの操作装置(21)の駆動装置によって、即ち前記操作装置(21)のモータ式または液圧式の作動によって行われること
、
前記ブレーキの前記操作装置(21)が、スピンドルナット(27)を備える、手動操作可能な、ねじ付きスピンドル(26)を有しており、
このスピンドルナット(27)に
、リニア駆動装置、及び、案内アーム(24)の端部(38)が枢着されており、および、
この案内アーム(24)の反対側の端部(37)が
、二腕状のレバー(23)の旋回軸(32)に支承されていること、
を特徴とする方法。
【請求項2】
前記巻き上げ機の前記駆動装置の前記負荷は、前記アンカーチェーン、前記ホーサーまたは前記係留綱のたぐり込みの際に、連続して測定され、および、
予め設定された負荷の超過の際に、前記ブレーキが、前記第2の操作様式により締め付けられ、もしくは、より強固に締め付けられ、及び/または、前記駆動装置が停止されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アンカーチェーン、前記ホーサー及び/または前記係留綱に対して作用する力は、少なくとも、前記ブレーキが締め付けられた際に、連続して検出され、および、
前記巻き上げ機の前記駆動装置が予め与えられた最大負荷を下回る際に、前記ブレーキが、前記第2の操作様式により再び弛緩され、且つ、前記巻き上げ機が再び駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
船舶のデッキ用具のための巻き上げ機であって、この巻き上げ機が、
駆動装置によって回転状態で駆動可能な、アンカーチェーン、係留綱またはホーサーのための連行手段と、
前記連行手段に所属して設けられた、第1の操作様式によりおよび必要に応じて第2の操作様式により操作可能な操作装置(21)を備える、少なくとも1つのブレーキとを有している様式の上記巻き上げ機において、
前記ブレーキの前記操作装置(21)が、位置固定式の旋回軸(32)を中心として旋回可能な二腕状のレバー(23)を有しており、
この二腕状のレバーの第1のレバーアーム(30)が、関節運動可能に前記ブレーキに枢着された連結アーム(22)と結合されており、且つ、
第2のレバーアーム(31)に、前記第2の操作様式のためのリニア駆動装置が連結されていること、および、
前記ブレーキの前記操作装置(21)が、スピンドルナット(27)を備える、手動操作可能な、ねじ付きスピンドル(26)を有しており、
このスピンドルナット(27)に、前記リニア駆動装置、及び、案内アーム(24)の端部(38)が枢着されており、および、
この案内アーム(24)の反対側の端部(37)が、前記二腕状のレバー(23)の旋回軸(32)に支承されていること、
を特徴とする巻き上げ機。
【請求項5】
前記両方の操作様式は、相互に依存せずに実施可能である、または、前記第2の操作様式が、前記第1の操作様式に重畳されていることを特徴とする請求項4に記載の巻き上げ機。
【請求項6】
前記ブレーキの前記操作装置は、先ず第一に、前記第1の操作様式により調節可能であり、且つ、必要のある場合には、前記第2の操作様式より締め直し可能及び/または調節可能であることを特徴とする請求項4または5に記載の巻き上げ機。
【請求項7】
前記操作装置(21)は、前記第2の操作様式のために、モータ式または液圧式の駆動装置を有していることを特徴とする請求項4から6のいずれか一つに記載の巻き上げ機。
【請求項8】
前記案内アーム(24)及び前記リニア駆動装置は、前記スピンドルナット(27)に枢着されていることを特徴とする請求項4に記載の巻き上げ機。
【請求項9】
前記リニア駆動装置は、前記案内アーム(24)に枢着されていることを特徴とする請求項4に記載の巻き上げ機。
【請求項10】
前記アンカーチェーン、前記係留綱または前記ホーサーのたぐり込みもしくは繰り出しのための前記駆動装置の負荷の検出のため、及び/または、前記ブレーキの場合によっては生じるスリップの検出のための、測定装置が設けられていることを特徴とする請求項4から9のいずれか一つに記載の巻き上げ機。
【請求項11】
制御装置が設けられており、この制御装置は、前記測定装置によって取り込まれた少なくとも1つの測定値に依存して、前記ブレーキのブレーキ力の適当な変化、少なくとも増大のために、前記リニア駆動装置を操作することを特徴とする請求項10に記載の巻き上げ機。
【請求項12】
前記リニア駆動装置は、前記ブレーキ、即ちこのブレーキの操作装置(21)の前記第2の操作様式のひき起こしのために、少なくとも1つの圧力媒体シリンダー、即ち液圧シリンダー(28)、及び/または、モータ式に作動されるスピンドル駆動装置を有していることを特徴とする請求項4から11のいずれか一つに記載の巻き上げ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に従う、船舶の上のデッキ用具を取り扱うための方法、並びに、請求項4の上位概念に従う、デッキ用具のための巻き上げ機に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶の上のデッキ用具として、特にアンカーチェーンを有するアンカー、例えば曳航ホーサーのようなホーサー、および、係留綱が挙げられる。
特に、貨物船、フェリーボート、および、クルージング船のような、大型の海洋船舶において、アンカーおよび、このアンカーのアンカーチェーン、並びに、ホーサー、および、係留綱は、巻き上げ機によって、少なくとも引き上げもしくはたぐり込まれ、および、有利には繰り出される。アンカーチェーンのために、いわゆるチェーンスプロケットを有するウィンドラスは、アンカーチェーンのいくつかのチェーン環内への形状的に嵌合する係合のために使用される。
ホーサーおよび係留綱において、ウインチが使用される。これらウインチは、内方へとアーチ形にされた外套面を有するドラムを備えており、ホーサーもしくは係留綱のたぐり込みの際のウインチドラムとホーサーもしくは係留綱との間の適当な摩擦係合および力一体的な係合の引き起こしのために、この外套面の周囲にホーサーおよび係留綱が多重に巻き付けられる。
【0003】
投錨の後、ウィンドラスのチェーンスプロケットは、ブレーキによって、通常、手動による第1の操作様式の後に操作されるバンドブレーキによって、形状的および摩擦的な係合状態でブロックされる。ウインチに関しても同じことが言え、ここで、ホーサーもしくは係留綱のたぐり込みの後、ウインチドラムは、手動操作されるブレーキにより、形状的および摩擦的な係合状態でブロックされる。
【0004】
特に、ウィンドラスのチェーンスプロケットのモータ式の駆動装置による、アンカーチェーンを有するアンカーの引き上げの際に、この駆動装置が、例えばアンカーが石だらけの水底内において引っ掛かりまたは強度な風および波の動きにより船舶が大きな力をアンカーチェーンに対して作用する場合、必要な力を付与可能ではないということが生じる可能性がある。
その場合に、アンカーチェーンによって行われる、駆動装置の逆回転によって、アンカーチェーンの予期せぬ引き出しの危険が存在する。このことは、アンカーチェーンの端部の船舶側の結合部材がぷっつり切れ、且つ、このアンカーチェーンがアンカーと共に失われる程のものである可能性がある。同じことは、係留綱またはホーサーのたぐり込みの際に生じる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の根底をなす課題は、冒頭に記載された様式の方法および巻き上げ機を、アンカーの引き上げ、または、ホーサーまたは係留綱のたぐり込みにおける、駆動装置の過負荷の際に、アンカーチェーン、ホーサーまたは係留綱の意図しない引き出しが高い信頼性で防止されるという趣旨で構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決のための方法は、請求項1の構成を有している。
この方法に従い、巻き上げ機、及び/または、この巻き上げ機の駆動装置の所定の負荷の超過の際に、ブレーキを第2の操作様式により牽引することが行われる。この第2の操作様式は、過負荷状況において、この目的のためにブレーキが第1の操作様式に従い手動的に締め付けられる必要無しに、ブレーキの迅速且つ確実な締め付けを保証する。ブレーキは、従って、第2の操作様式に従い、第1の操作様式に依存せずに、十分な程度に、および、最短の時間内において、より強固に締め付けられ得る。
従って、適時に、巻き上げ機からのアンカーチェーン、ホーサーまたは係留綱の予期せぬ引き出しは、確実に回避される。
第2の操作様式は、いわば、駆動装置の緊急停止、及び/または、巻き上げ機の緊急ブレーキを誘起し、または、駆動装置の緊急停止、及び/または、巻き上げ機の緊急ブレーキを具現する。第2の操作様式は、巻き上げ機を、一時的に、摩擦係合及び/または力一体的な係合状態でブロックする。
【発明の効果】
【0007】
有利には、巻き上げ機の駆動装置の負荷は、アンカーの引き上げの際、または、ホーサーまたは係留綱のたぐり込みの際に、しかも有利には連続してもしくは所定の時間間隔を有して相前後して連続して測定される。選択的に、同様にアンカーチェーン、ホーサーまたは係留綱の負荷も測定され得る。予め設定された負荷の超過の際に、その場合に、ブレーキは、第2の操作様式により締め付けられ、および、有利には、駆動装置が停止される。
有利には連続的または相前後して連続する時間間隔において行われる、負荷の測定によって、駆動装置の過負荷、または、完全に、過度に大きな負荷に基づいての駆動装置の逆戻りの移動は回避され、且つ、ブレーキは、第2の操作様式により、有利には自動的に、全く駆動装置の過負荷およびこれに伴って現れるこの駆動装置の可能な阻害を誘起可能でなく、特にしかしながら、巻き上げ機からの、アンカーチェーン、ホーサーまたは係留綱の意図しない引き出しの危険が信頼性をもって回避されるように、強固に締め付け、もしくは、締め直しされる。
【0008】
この方法の有利な更なる構成により、巻き上げ機、駆動装置、アンカーチェーン、ホーサー及び/または係留綱に作用する負荷は、ブレーキが締め付けられた際に、有利には第2の操作様式により締め付けられたブレーキの際に、検出され、且つ、予め与えられた負荷を下回る際に、このブレーキが、第2の操作様式により再び弛緩され、並びに、巻き上げ機の駆動装置が再び始動される。
このことは、駆動装置の改めての作動(Aktiveren)を許容する負荷の低下が、有利には連続的または規則的な時間間隔において行われる負荷測定に基づいて確認されるやいなや、第2の操作様式による、過負荷の際に行われるブレーキの締め付け、即ち、いわば「緊急停止」が、再び解除されることを誘起する。
本発明に従う方法は、これに伴って、例えばアンカー、および、このアンカーのアンカーチェーンの負荷が再び減少し、且つ、このことによって巻き上げ機の駆動装置の出力がアンカーチェーンを有するアンカー、ホーサー、もしくは、係留綱を再びもしくは更に手繰るまたは引締めるために十分である場合に、巻き上げ機を即座に再び作動状態にすることを可能にする。
【0009】
この方法の有利な1つの構成の場合、第2の操作様式において、ブレーキは、モータ式または液圧式に作動される。このことによって、ブレーキの引き締め、および、同様に弛緩も、第1の操作様式とは対照的に、第2の操作様式に従い、自動的に行われ得る。そのようなモータ式または液圧式の駆動装置は、特に、同様に巻き上げ機の負荷に依存する制御または調節のためにも適している。
【0010】
冒頭に記載された課題の解決のための巻き上げ機は、請求項4の特徴を有している。この巻き上げ機において、ブレーキ、特にこのブレーキの操作装置を、必要に応じて、第2の操作様式により操作することが行われる。この第2の操作様式は、ブレーキ装置を、他の方法で操作すること、特に一種の「緊急ブレーキ」を実施することを可能にする。
【0011】
有利には、第2の操作様式は、有利に手動的に行われる第1の操作様式に重畳されており、及び/または、この第1の操作様式から分離されている。このことによって、付加的な操作様式は提供される。
有利には、両方の操作様式は、相互に依存せずに実施可能である。このことによって、これら操作様式は、互いに関連付けられていない。特に第2の操作様式は、前もって第1の操作様式が解消されるべきである、または、その逆であること無しに行われ得る。
【0012】
本発明の有利な構成により、ブレーキを、先ず第一に、第1の操作様式により調節すること、および、必要のある場合には、このブレーキを、第2の操作様式より調節する及び/または後調節すること、有利にはより強度に締め付けることは考慮可能である。
このことは、第2の操作様式により、場合によっては、ブレーキが、特に摩擦係合及び/または力一体的な係合状態で、巻き上げ機またはウインチを、いわばブロックする程に行われる。このことによって、アンカーチェーンもしくはホーサーまたは係留綱の予期せぬ引き出しは、高い信頼性で回避される。
【0013】
有利には、ブレーキは、第2の操作様式の実施のために、モータ式または液圧式の駆動装置を備えている。
第1の操作様式が、有利には、手動的に行われる場合、第2の操作様式により、ブレーキは、自動的に、および、場合によっては遠隔制御された状態で操作され得る。このことによって、ブレーキは、第2の操作様式により、合目的に、自動的に調節可能であり、特に、必要に相応して更に締め付けられ得る。
【0014】
本発明の有利な構成により、ブレーキの操作装置に、位置固定式の旋回軸を中心として旋回可能な二腕状のレバーを所属して設けることは行われる。この二腕状のレバーの第1の、より短いレバーアームは、場合によっては、ブレーキに配設された連結アームと、しかも有利には関節運動可能に、結合されている。二腕状のレバーの、第2の、特により長い、レバーアームに、このブレーキの有利な1つの構成において、リニア駆動装置が連結されている。
リニア駆動装置が、圧力媒体シリンダー、有利には液圧シリンダーであることは可能であり、しかしながら同様に、モータ式に駆動可能なスピンドル駆動装置、または、ラック駆動装置であることも可能である。このリニア駆動装置によって、第2の操作様式は、液圧式もしくはモータ式に実施可能である。
【0015】
巻き上げ機の有利な更なる構成の可能性に従い、ブレーキの操作装置は、同様に、有利には手動操作される、スピンドルナットを備えるスピンドルを有している。このスピンドルは、特に第1の操作様式の実施のために利用される。更に、リニア駆動装置に、案内アームの端部を所属して設けること、および、この案内アームの反対側の端部を、二腕状のレバーの旋回軸に旋回可能に支承することは行われ得る。
このようにして、手動操作される、スピンドルナットを備えるスピンドルを有する、ブレーキの市販の操作装置が、モータ式もしくは液圧式に行われる第2の操作様式のための付加的なリニア駆動装置を装備されていることは可能である。
【0016】
有利には、リニア駆動装置及び/または案内アームは、スピンドルナットに、または、第1の操作様式のためのスピンドルに枢着されている。このことによって、第1の操作様式において、このスピンドルを介して、スピンドルナットの利用のもとで、ブレーキは、例えば手動操作され得、および、このスピンドルナットに支持するリニア駆動装置によって、このスピンドルに依存せずに、ブレーキが第2の操作様式により調節され得る。
選択的に、リニア駆動装置が、案内アームと共に、スピンドルナットに枢着されているのではなく、むしろ、このリニア駆動装置が、スピンドルナット27に支持する案内アームに係合していることは、同様に考慮可能である。
【0017】
巻き上げ機の有利な更なる構成により、この巻き上げ機の駆動装置の負荷、及び/または、アンカーチェーン、ホーサー、係留綱、またはその種の他の物内における引張負荷の検出のための測定装置が設けられている。選択的または付加的に、この測定装置は、同様にブレーキの場合によっては生じるスリップの検出のためにも利用され得る。
連続的な、特に規則的に相前後して連続する時間間隔において、それぞれの測定装置によって検出された測定値によって、どのような負荷が、特にアンカーチェーン、係留綱及び/またはホーサーから巻き上げ機に対して作用されるかが、確認され得る。
この負荷が所定の値を超過した場合、特に巻き上げ機の駆動装置の過負荷の回避のために、ブレーキは、第2の操作様式により、付加的なリニア駆動装置に従い、より強固に、しかも場合によっては、このブレーキが、摩擦係合及び/または力一体的な係合状態で、いわばブロックされる程に、締め付けられ得る。このことによって、巻き上げ機からの、アンカーチェーン、ホーサーまたは係留綱の意図しない引き出しは回避される。
この測定装置は、駆動装置がブレーキの前述の弛緩の後に再び始動されることによって、アンカーチェーンの更なる手繰りもしくは係留綱またはホーサーの締め付けを許容する、低下する負荷の検出のためにも利用され得る。このことによって、過負荷の際に、いわば、巻き上げ機の、行われた「緊急ブレーキ」は、この過負荷が除去または減衰されるやいなや、即座に、再び自動的に解消される。
【0018】
巻き上げ機の他の考慮可能な実施形態の可能性により、制御装置が設けられており、この制御装置は、測定装置によって取り込まれた少なくとも1つの測定値に依存して、リニア駆動装置を、特にこのリニア駆動装置がブレーキのブレーキ力を検出された測定値に対するこの制御装置によって行われた応動に依存して自動的に変化するように、操作する。
【0019】
本発明の有利な実施例を、以下で図に基づいて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】ウィンドラスとして形成された巻き上げ機の透視図である。
【
図2】弛緩されたブレーキにおける、
図1の巻き上げ機の側面図である。
【
図3】最大に締め付けられたブレーキにおける、
図1の巻き上げ機の側面図である。
【
図4】
図2の位置におけるブレーキの操作装置の一部分の図である。
【
図5】
図3に従う位置における、操作装置の
図4内において示された部分の側面図である。
【
図6】本発明の選択的な実施例に従う、
図4内において示された操作装置41の一部分の透視図である。
【
図7】
図5に類似する図示における、
図6内において示された部分の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図は、ウィンドラス10として形成された巻き上げ機を示している。
少なくとも1つのそのようなウィンドラスは、通常、特にコンテナ船、小口扱い貨物船、タンカー、フェリーボート、タグボート、またはその種の他の物のような海洋船舶の、比較的に大きな、商業的に使用される船舶のデッキに配設されている。ウィンドラス10は、そのアンカーのアンカーチェーンを有するアンカーの引き下ろしおよび引き上げのために利用される。アンカーおよびアンカーチェーンは、図内において示されていない。
【0022】
アンカーチェーンは、ウィンドラス10の領域内において、一部分、例えばこのウィンドラス10のチェーンスプロケット11の3分の1から3分の2までの周囲に巻き付けられている。その際、アンカーチェーンの複数の隣接するチェーン環は、部分的に、チェーンスプロケット11のチェーン環収容部12内において位置する。
チェーン環収容部12は、チェーンスプロケット11の外套面の周囲に配設されており、且つ、従って、回転状態で駆動されるチェーンスプロケット11による、アンカーチェーンの、形状的に嵌合する連結および連行のために利用される。
【0023】
チェーンスプロケット11は、このチェーンスプロケットの長手方向中心軸線を通って延在する駆動軸13を中心として、ウィンドラス10の軸受台14の、向かい合って位置する軸受部に、回転状態で駆動可能に軸受けされている。軸受台14は、不動に、当該の船舶のデッキの上に組み付けられている。駆動軸13は、図内において示されていない電気式または液圧式の駆動装置と連結されている。
【0024】
ウィンドラス10は、ブレーキを有するブレーキ装置を備えており、このブレーキが、示された実施例においてバンドブレーキ15として形成されている。バンドブレーキ15は、チェーンスプロケット11の傍らの一方の側で配設されている。示された実施例において、この目的のために、チェーンスプロケット11の傍らに円筒形のブレーキ面17を有するブレーキドラム16が、回転不能に駆動軸13に固定されている。
ブレーキドラム16の円筒形のブレーキ面17の大部分は、少なくとも部分的に弾性的なブレーキバンド18によって巻きつけられている。ブレーキバンド18の、向かい合って位置する端部19、20の協動運動によって、このブレーキバンドがブレーキドラム16のブレーキ面17に対して押圧され、且つ、このことによって、バンドブレーキ15が締め付けられる(
図2)。この目的のために、ブレーキバンド18の一方の端部19が、不動に、ウィンドラス10の軸受台14と結合されており、これに対して、このブレーキバンド18の反対側の端部20は可動である。
【0025】
ウィンドラス10のブレーキ装置は、更に操作手段を備えており、この操作手段が、ブレーキバンド18の可動な端部20をグリップし、且つ、バンドブレーキ15の弛緩並びに必要に応じての締め付けのために利用される。バンドブレーキ15の締め付けのために、操作手段は、ブレーキバンド18の可動な端部20を牽引する。バンドブレーキ15の弛緩のために、操作手段は、ブレーキバンド18の可動な端部20を、完全に、または、部分的に解放する。
【0026】
図2から4まで内において、バンドブレーキの操作手段の第1の実施例、しかも、操作装置21が図示されている。
この操作装置21は、ブレーキバンド18の可動な端部20と関節運動可能に結合された、例えば少しの平行な間隔をもって互いに並列して位置している縦長の2つの連接板から成る連結アーム22と、二腕状のレバー23と、同様に少しの間隔をもって平行に互いに並列して位置している縦長の2つの連接板を形成する案内アーム24とを有している。
更に、操作装置21は、第1の操作様式のひき起こしのための、そのねじ付きスピンドル上に軸受けされたスピンドルナット27を有する、上側の端部39においてハンドル車25によって回転可能な縦長の該ねじ付きスピンドル26と、第2の操作様式のひき起こしのための、液圧シリンダー28として形成された圧力媒体シリンダーとを備えている。
【0027】
二腕状のレバー23は、短いレバーアーム30と長いレバーアーム31との間で、不動に軸受台14に支承された旋回軸32を中心として旋回可能である。
二腕状のレバー23の短いレバーアーム30の自由な端部33は、関節運動可能もしくは回転可能に、ブレーキバンド18の可動な端部20と反対側の、連結アーム22の端部と結合されている。二腕状のレバー23の長いレバーアーム31の反対側の端部34は、液圧シリンダー28のピストンロッド側の端部35と、関節運動可能もしくは回転可能に結合されている。
液圧シリンダー28の反対側の、シリンダー側の端部36は、
図1から5までの実施例において、関節運動可能もしくは回転可能に、スピンドルナット27に枢着されている。
案内アーム24は、一方の端部37によって、回転可能もしくは旋回可能に、不動の旋回軸32に軸受けされており、および、反対側の端部38が、回転可能もしくは旋回可能に、スピンドルナット27に枢着されている。
【0028】
ハンドル車25と結合されている、ねじ付きスピンドル26の上側の端部39は、横方向に整向された軸線を中心として旋回可能に、さもなければ、しかしながら位置固定式に、ウィンドラス10の軸受台14の保持アーム40に固定されている。
このことによって、ハンドル車25において手動的に行われた、ねじ付きスピンドル26の回転の際に、スピンドルナット27は、このハンドル車25のそれぞれの回転方向に応じて一方または他方の方向に、ねじ付きスピンドル26の長手軸線に沿って、即ち
図2および3内における図に従い上方もしくは下方へと移動する。その際、案内アーム24によって、旋回軸32に対するスピンドルナット27の間隔は一定に保持され、従って、上側の端部39において横方向軸線を中心として旋回可能な、軸受台14におけるねじ付きスピンドル26の不動の軸受けに基づいて、ねじ付きスピンドル26の長手軸線は、側方の旋回に抗して支持される。
このようにして、非操作状態の液圧シリンダー28は、スピンドルナット27と、二腕状のレバー23の長いレバーアーム31の反対側の端部34との間の連結部材として作用し、従って、ねじ付きスピンドル26の上側の端部39から離れるように移動されたスピンドルナット27の際に、その二腕状のレバーに支持するこの液圧シリンダー28によって、この二腕状のレバー23が、位置固定式の旋回軸32を中心として反時計方向に旋回され、
このことによって、この二腕状のレバー23の短いレバーアーム30の端部33によって、可動な端部20が、ブレーキバンド18の不動の端部19へと牽引され、これによって、バンドブレーキ15の締め付けが、ブレーキドラム16のブレーキ面17に対するブレーキバンド18の押し付けおよび密着によってひき起こされる(
図3)。
【0029】
図6および7は、ウィンドラス10のバンドブレーキ15の締め付けおよび弛緩のための操作装置41の、選択的な実施例を示している。原理的に、この操作装置41は、操作装置21に相応しており、その理由で、同じ部材に関して、同じ参照符号が使用される。
【0030】
操作装置21に対する操作装置41の唯一の相違は、液圧シリンダー28のシリンダー側の端部36が、スピンドルナット27に枢着されているのではなく、むしろ、案内アーム24に、しかも、この案内アーム24の端部38に対して隣接して枢着されており、それによって、この案内アームが、スピンドルナット27に枢着されていることにある。
この目的のために、案内アーム24は、この案内アームの、スピンドルナット27と関節運動可能に結合される端部38の近傍において、旋回軸32に対して平行に延びる回転軸42を備えている。この回転軸42に、液圧シリンダー28のシリンダー側の端部36が旋回可能に軸受けされている。
回転軸42が、案内アーム24の端部37と端部38との間で、偏心的に位置しているので、液圧シリンダー28の力の導入は、
図2から5までの実施例とは対照的に、直接的に、スピンドルナット27に行われるのではなく、むしろ、スピンドルナット27の近傍において、案内アーム24に行われる。
それに加えて、このことによって、液圧シリンダー28の端部37と端部38とは、この液圧シリンダーの引き込まれた状態において、
図2から5までに実施例よりも近くに並んで位置している。その他の点では、
図6および7の実施例における液圧シリンダー28の作用の仕方、および、機能は、
図2から5までの実施例と同一であるか、または、少なくとも匹敵している。
【0031】
ウィンドラス10は、このウィンドラスの負荷の測定のための、図内において図示されていない測定装置を備えている。
この負荷は、チェーンスプロケット11の電気モータ式または液圧式の駆動装置の出力消費量によって測定され得る。この測定は、しかしながら、例えばストレーンゲージを介して、同様にモータの駆動軸、または、チェーンスプロケット11の駆動軸13内における張力(Spannung)の検出によっても行われ得る。
選択的または付加的に、負荷の測定は、同様にアンカーチェーン内における張力の検出によっても行われ得る。この目的のために、例えば、アンカーチェーンの少なくとも1つのチェーン環に、例えば少なくとも1つのストレーンゲージを基礎とする、張力測定装置が所属して設けられている。そのように、アンカーチェーンからその場合に検出された張力値もしくは負荷値は、有利には、遠隔測定的に、ウィンドラス10の制御装置に伝送される。
負荷の測定は、駆動装置においてであろうが、駆動軸13においてであろうが、及び/またはアンカーチェーンにおいてであろうが、有利には連続的に、相前後して連続する測定、特に規則的な時間間隔において相前後して連続する測定によって行われる。
測定された負荷もしくは測定値は、液圧シリンダー28のための制御装置に入力され得、この液圧シリンダーが、その場合に、負荷に依存して、特にバンドブレーキ15の必要に応じた締め付け、及び/または弛緩のために操作される。
【0032】
図1から3まで内において示されたウィンドラス10は、係留綱、その他のホーサー、例えば曳航ホーサーのためのウインチドラムを備える、付加的な、図示されていないウインチ(Winsch)を有している。
このウインチは、継手または伝動機構を介して、ウィンドラス10のチェーンスプロケット11の駆動装置と結合されている。この伝動機構は、有利には、チェーンスプロケット11が駆動装置によって回転状態で駆動されるか、または、ウインチのウインチドラムがこの駆動装置によって回転状態で駆動されるように構成されている。ウインチもしくはウインチドラムに、有利には、独自の操作装置を有する別個のブレーキ装置が所属して設けられている。
このようにして、ウィンドラス10の唯一の駆動装置によって、選択的に、チェーンスプロケット11が、アンカーの繰り出し、または、たぐり込み(Dichtholen)もしくは引き上げのために作動され、または、ウインチが、係留綱もしくは曳航ホーサーのたぐり込み、または、繰り出しのために作動される。
【0033】
本発明は、バンドブレーキ15の代わりに他のブレーキもしくはブレーキ装置、例えばドラムブレーキ、ディスクブレーキ、またはシューブレーキを備える、アンカーウインチ及び/またはウインチに適している。
【0034】
以下で、本発明に従う方法を、本発明の第1の実施例による、
図1から5まで内において図示されているウィンドラス10との関連において、詳細に説明する。
【0035】
ハンドル車25におけるねじ付きスピンドル26の手動の操作によって、ブレーキバンド18は、投錨の際に、アンカーを有するアンカーチェーンが次第に繰り出される、即ち降下される程に締め付けられる。その際、ブレーキバンド18は、未だに、ブレーキドラム16のブレーキ面17におけるスリップを許容する。
【0036】
アンカーが、十分に引き下ろされ、および、これに伴って、投錨工程が終了されるやいなや、ハンドル車25を介して、バンドブレーキ15が、より強度に締め付けられ、従って、アンカーは、このアンカーのアンカーチェーンおよびウィンドラス10を介して保持される。このことは、バンドブレーキ15のブレーキバンド18とブレーキドラム16との間の、力一体的な係合および摩擦係合によって、並びに、アンカーチェーンのいくつかの環と、ウィンドラス10のチェーンスプロケット11との間の、形状的な嵌合によって行われる。
【0037】
前記において、第1の操作様式によるウィンドラス10の操作が記載されている。示された実施例において、この第1の操作様式は、手動的に、ハンドル車25によって回転状態で駆動されるねじ付きスピンドル26を用いて、および、操作装置21の使用のもとで行われる。
【0038】
ここで、アンカーチェーンを有するアンカーが、再び、引き上げられる(hochgeholt)べき場合、ウィンドラス10は、示されていない液圧式または電気モータ式の駆動装置によって、相応する回転方向に駆動される。前もって、バンドブレーキ15は、完全に、または、少なくとも部分的に弛緩される。このことは、第1の操作様式により、手動的に、ハンドル車25からのねじ付きスピンドル26の回転によって行われる。
【0039】
アンカーの引き上げの際に、このアンカーを引き上げる、または、更に引き上げるために、駆動装置の力または出力が十分でないことの状況が生じる可能性がある。例えば、このことは、アンカーが、水底、特に石だらけの水底において引っ掛かり、及び/または、強度な風、および、これと関連する強度な波の動きが、アンカーチェーンが過度な引張り負荷に曝される程に、高い力を船舶に対して作用する場合に生起する可能性がある。
【0040】
前記で例示的に、しかしながら確定的に説明されていない諸影響によって、ウィンドラス10の駆動装置が、アンカーを仮に更に引き上げることができない場合、アンカーチェーンの高い張力が、駆動装置を逆回転させ、且つ、その際に、アンカーの引き上げの代わりに、ウィンドラス10からのアンカーチェーンの引き出しを生じさせることの危険が存在する。
その場合に、もはやウィンドラス10の駆動装置は、アンカーチェーンを保持せず;および、アンカーチェーンが、ウィンドラス10のブレーキドラム16との、チェーンスプロケット11および駆動軸13の回転状態の連行のもとで、ウィンドラス10から引き出されるというやり方で、逆の結果を生じる。
このことから、アンカーチェーンを有するアンカーの喪失の危険が、結果として生じる。このことを防止するために、この方法は、ウィンドラス10の、しかも特にこのウィンドラス10のバンドブレーキ15の操作装置21の、第2の操作様式を提供する。
【0041】
操作装置21の第2の操作様式は、1つの駆動装置によって、しかも、示された実施例において、ブレーキバンド18の操作装置21に所属して設けられた液圧シリンダー28によって行われる。この液圧シリンダーは、手動の介入無しに、自動的に、バンドブレーキ15を、しかもウィンドラス10からのアンカーチェーンの予期せぬ引き出しが、同様に最も不利な条件のもとでも、もはや行われ得ない程に、更に締め付け可能である。
示された実施例において、液圧シリンダー28によって、または、同様に類似のリニア駆動装置によっても行われる、第2の操作様式は、従って、緊急停止及び/または緊急ブレーキを具現する。
【0042】
液圧シリンダー28は、操作装置21を用いて、この液圧シリンダーが繰り出しによって(
図2および3を参照)操作装置21の二腕状のレー23を旋回軸32を中心として反時計方向に旋回し、このことによって、この二腕状のレバー23の短いレバーアーム30によって連結アーム22が例えばハンドル車25への方向に牽引されることによって、ブレーキバンド18を締め付ける。その際、ブレーキバンド18の可動な端部20は、このブレーキバンド18の不動の端部19へとより接近して移動され、且つ、このことによって、このブレーキバンド18が、より大きな張力によって、ブレーキドラム16のブレーキ面17の周囲に巻き付けられる。
換言すれば、このことによって、ブレーキバンド18は、より強固に、ブレーキドラム16の円筒形のブレーキ面17に密着する。
このようにして、液圧シリンダー28によって、この液圧シリンダーによって行われたウィンドラス10の第2の操作様式の後、バンドブレーキ15は、場合によっては、このバンドブレーキ15がその駆動軸の上で旋回不能に保持されたチェーンスプロケット11を有する該駆動軸13を、しかも相応して強度に締め付けられたブレーキバンド18とブレーキドラム16のブレーキ面17との間の摩擦係合及び/または力一体的な係合によって、ほぼ旋回不能に固定する程に、非常に締め付けられ得る。
このことによって、ブレーキ面17とブレーキバンド18との間のスリップは、同様に最も不利な条件のもとでも、もはや可能ではない。
【0043】
有利には、第2の操作様式をひき起こす液圧シリンダー28の制御または調節は、負荷に依存して行われる。この目的のために、ウィンドラス10、チェーンスプロケット11、及び/または、このチェーンスプロケットの駆動軸13の駆動装置に、少なくとも1つの負荷センサーまたは力センサーが所属して設けられている。このセンサーは、連続的に、しかも、恒久的にかまたは規則的な時間間隔において、アンカーの引き上げまたはたぐり込みの際に、駆動装置によって付与される、または、この駆動装置に作用する、出力または力を測定する。
選択的または付加的に、しかしながら、ウィンドラス10に作用する負荷は、同様に、他の方法で、例えばストレーンゲージによって測定され得、これらストレーンゲージが、チェーンスプロケット11を有する駆動軸13、この駆動軸13の駆動ロッド、及び/または、アンカーチェーンの中、または、このアンカーチェーンに添って設けられている。ウィンドラス10及び/またはアンカーチェーンの、同じ位置または異なる位置における、同様に複数の重複するトランスデューサー(Messwertaufnehmer)も考慮可能である。
【0044】
所定の限界負荷または限界力が超過されたことが、少なくとも1つの出力トランスデューサー、力トランスデューサー、または、負荷トランスデューサーによって確認された場合、制御装置によって、ウィンドラス10の駆動装置は、この駆動装置が損傷を被る、または、完全に逆回転される前に作動停止され得、および、同時に、または、前後に幾分の時間ずれを有して、液圧シリンダー28の第2の操作様式に従い、ブレーキバンド18が、チェーンスプロケット11が、アンカーおよびアンカーチェーンの負荷によって、駆動装置がチェーンスプロケット11をアンカーチェーンを有するアンカーの引き上げのために回転する方向とは逆に回転され、且つ、その際、このアンカーチェーンがウィンドラス10から引き出されることによって、ウィンドラス10に対して作用する負荷がどんな事情があってもアンカーチェーンを決してウィンドラス10から引き出さない程に、「緊急ブレーキ」の様式により締め付けられる。
【0045】
負荷測定装置または力測定装置は、アンカーチェーンの予期せぬ引き出しに抗して、第2の操作様式に従い行われるウィンドラス10の「緊急ブレーキ」の後、このウィンドラス10及び/またはアンカーチェーンに対して作用する力または負荷を、更に測定するためにも利用され得、従って、第2の操作様式の後の液圧シリンダー28による過負荷の低下または減少、および、ウィンドラス10の駆動装置の負荷の限界値を下回る際に、バンドブレーキ15が再び弛緩され、且つ、駆動装置が、ウィンドラス10の低下する負荷の際にアンカーチェーンを有するアンカーを再びたぐり込むために、改めて始動される。
【0046】
本発明に従う方法は、
図6および7に従う選択的に形成された操作装置41によって、全く同様に、前記で説明されているように行われる。
【0047】
本発明は、先に記載されたウィンドラス10のためだけでなく、ホーサー、例えば曳航ホーサー及び/または係留綱のたぐり込み、および、制御された繰り出しのためのウインチのためにも適している。
全く同様に、本発明に従う方法は、ウインチでもって実施可能である。そのようなウインチは、示されたウィンドラス10に所属して設けられており、従って、このウインチが、投錨作動からウインチ作動へと切替え可能であり、且つ、このことによって、選択的に、アンカーチェーンを有するアンカーの引き下ろしおよびたぐり込みのために、しかしながら同様に、ホーサーおよび係留綱のたぐり込みまたは繰り出しのためにも適している。
全く同様に、本発明は、同様に、選択的に、同様にウィンドラス10として使用可能でないウインチのためにも適している。その場合には、原理的に、図内において示されたウィンドラス10のチェーンスプロケット11は、ウインチドラムに置換される。
【符号の説明】
【0048】
10 ウィンドラス
11 チェーンスプロケット
12 チェーン環収容部
13 駆動軸
14 軸受台
15 バンドブレーキ
16 ブレーキドラム
17 ブレーキ面
18 ブレーキバンド
19 端部(不動)
20 端部(可動)
21 操作装置
22 連結アーム
23 二腕状のレバー
24 案内アーム
25 ハンドル車
26 ねじ付きスピンドル
27 スピンドルナット
28 液圧シリンダー
29 軸受
30 短いレバーアーム
31 長いレバーアーム
32 旋回軸
33 端部
34 端部
35 ピストンロッド側の端部
36 シリンダー側の端部
37 端部
38 端部
39 上側の端部
40 保持アーム
41 操作装置