IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メッドシャイン ディスカバリー インコーポレイテッドの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】PDE4阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20220331BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220331BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20220331BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20220331BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20220331BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220331BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20220331BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20220331BHJP
   C07D 498/04 20060101ALI20220331BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
C07D471/04 104Z
C07D471/04 CSP
A61P43/00 111
A61P17/06
A61P19/02
A61P11/00
A61P29/00
A61P19/08
A61P1/00
C07D471/04 107E
C07D471/04 107A
C07D498/04 105
A61K31/437
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2019510953
(86)(22)【出願日】2017-08-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-10
(86)【国際出願番号】 CN2017098461
(87)【国際公開番号】W WO2018036469
(87)【国際公開日】2018-03-01
【審査請求日】2020-06-10
(31)【優先権主張番号】201610700714.2
(32)【優先日】2016-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516304780
【氏名又は名称】メッドシャイン ディスカバリー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ルオ ユンフー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン チュンダオ
(72)【発明者】
【氏名】レイ マオイ
(72)【発明者】
【氏名】リュー リン
(72)【発明者】
【氏名】フー グオピン
(72)【発明者】
【氏名】リ チャン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シューフイ
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/021678(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/175956(WO,A1)
【文献】特表2008-523102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化1】
(ただし、
XはO、N(R)、-CH(R)-から選ばれる。
はH、F、Cl、Br、I、OH、CN、NH、COOH、R-L-から選ばれ、あるいは任意に1、2または3個のRで置換された、C1-6アルキル基、C1-6ヘテロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、-C 1-3 アルキル基-C(=O)O-C 1-3 アルキル基、C 1-3 アルキル基-S(=O) -C 1-3 アルキル基-、3~6員ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、5~6員ヘテロアリール基から選ばれる。
は任意に1、2または3個のRで置換された、C3-6シクロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、5~6員ヘテロアリール基から選ばれる。
は-CH-、-CHCH-、O、S、NH、-C(=O)-から選ばれる。
、Rはそれぞれ独立にH、F、Cl、Br、I、OH、CN、NH、R-L-から選ばれ、あるいは任意に1、2または3個のRで置換された、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、C2-6アルキルアルケニル基、C3-6シクロアルケニル基、3~6員ヘテロシクロアルケニル基、C3-6シクロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、5~6員ヘテロアリール基から選ばれる。
は任意に1、2または3個のRで置換された、C3-6シクロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルケニル基、フェニル基、5~6員ヘテロアリール基から選ばれる。
は-CH-、-CHCH-、O、S、NHから選ばれる。
は任意に1、2または3個のRで置換された、C1-3アルキル基から選ばれる。
RはH、ハロゲン、OH、NH、CNから選ばれ、あるいは任意に1、2または3個のR’で置換された、C1-6アルキル基、C1-6ヘテロアルキル基から選ばれる。
R’はH、F、Cl、Br、I、OH、NH、Me、Et、CF、CHF、CHF、NHCH、N(CHから選ばれる。
前記C1-6ヘテロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基、3~6員ヘテロシクロアルケニル基の「ヘテロ」は、-C(=O)NH-、-NH-、-C(=NH)-、-S(=O)NH-、-S(=O)NH-、-O-、-S-、=O、=S、-O-N=、-C(=O)O-、-C(=O)-、-C(=S)-、-S(=O)-、-S(=O)-および-NHC(=O)NH-から選ばれる。
以上のいずれの場合においても、ヘテロ原子またはヘテロ原子団の数はそれぞれ独立に1、2または3から選ばれる。)
【請求項2】
RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CNから選ばれ、あるいは任意に1、2または3個のR’で置換された、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C1-3アルキルチオ基、C1-3アルキルアミノ基、C1-4アルキル基-OC(=O)-、N,N’-ジ(C1-3アルキル)アミノ基から選ばれる、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、CF、CHF、CHF、Et、
【化2】
から選ばれる請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
は任意に1、2または3個のRで置換された、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基から選ばれる請求項1~3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
は任意に1、2または3個のRで置換された、
【化3】
から選ばれる請求項4に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
は、
【化4】
から選ばれる請求項5に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
-L-は、
【化5】
から選ばれる請求項1または6に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
はH、F、Cl、Br、I、OH、NH、R-L-から選ばれ、あるいは任意に1、2または3個のRで置換された、C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、-C1-3アルキル基-C(=O)O-C1-3アルキル基、C1-3アルキル基-S(=O)-C1-3アルキル基-、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基から選ばれる請求項1~3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
はH、F、Cl、Br、I、OH、NH、R-L-から選ばれ、あるいは任意に1、2または3個のRで置換されたMe、Et、
【化6】
から選ばれる請求項8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
はH、F、Cl、Br、I、OH、NH、Me、Et、
【化7】
から選ばれる請求項7または9に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
Xは
【化8】
から選ばれる請求項1または10に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
は任意に1、2または3個のRで置換されたフェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基から選ばれる請求項1~3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
は任意に1、2または3個のRで置換された、
【化9】
から選ばれる請求項12に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
は、
【化10】
から選ばれる請求項13に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
-L2-は、
【化11】
から選ばれる請求項1または14に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
、Rはそれぞれ独立にH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、R-L-から選ばれ、あるいは任意に1、2または3個のRで置換された、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C1-3アルキルチオ基、C1-3アルキルアミノ基、C2-4アルキルアルケニル基、1,2,3,6-テトラヒドロピリジル基、ピリジン-2(1H)-オニル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チエニル基から選ばれる請求項1~3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
、Rはそれぞれ独立にH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、R-L-から選ばれ、あるいは任意に1、2または3個のRで置換された、Me、
【化12】
から選ばれる請求項16に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
、Rはそれぞれ独立にH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、
【化13】
から選ばれる請求項15または17に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
は任意に1、2または3個のRで置換されたMe、Etから選ばれる請求項1~3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
はMe、CHF、CHFから選ばれる請求項19に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
以下から選ばれる請求項1~20のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化14】

(ただし、
、R、R、Rの定義は請求項1~20と同様である。)
【請求項22】
以下から選ばれる請求項21に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化15】

(ただし、
、R、R、Rの定義は請求項1~20と同様である。)
【請求項23】
以下から選ばれる式で表される化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化16】
【請求項24】
以下から選ばれる請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化17】
【請求項25】
PDE4関連病症の治療に用いられる、請求項1~24のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
乾癬、乾癬性関節炎、慢性閉塞性肺炎、強直性脊椎炎、又は炎症性腸疾患の治療に用いられる、請求項1~24のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
有効成分として薬学的に有効な量の請求項1~24のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを有する含む薬学組成物。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の引用]
本願は2016年08月22日に中華人民共和国国家知識産権局に提出した第201610700714.2号の中国発明特許出願の権利を要求し、ここでその全部の内容を全体として引用の形で本明細書に取り入れる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、PDE4阻害剤、およびPDE4関連疾患を治療する薬物の製造におけるその使用に関する。具体的に、式(I)で表される化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
【背景技術】
【0003】
腫瘍壊死因子(TNFα)は、主に単核食細胞が免疫刺激物に応答する時に放出される1種類のサイトカインである。TNFαは、細胞の分化、動員、増殖およびタンパク質の分解などの多くの過程を促進することができる。低レベルにおいて、TNFαは、伝染物、腫瘍および組織損傷を防止する保護作用を有する。しかし、TNFαが過剰に放出されると、疾患につながることもあり、たとえば、哺乳動物またはヒトにTNFαを投与すると、炎症の重症化、発熱、心血管作用、出血、凝血および急性感染やショック状態に類似する急性反応を引き起こすことがある。動物またはヒトの体内における過剰量または無制限のTNFαの発生は、通常、内毒素血症および/または中毒性ショック症候群、悪液質、成人呼吸窮迫症候群、癌(たとえば固形腫瘍や血液性腫瘍)、心臓病(たとえばうっ血性心不全)、ウイルス感染、遺伝性疾患、炎症性疾患、アレルギー性疾患または自己免疫疾患のような疾患に罹ったことを示唆する。
【0004】
癌は特に破壊性のある疾患で、血液におけるTNFαレベルの向上は癌の罹患または癌の拡散の危険性を示す。通常、癌細胞は健康な主体の循環系では生存できず、その原因の一つは血管内壁が腫瘍細胞の滲出の障壁であることにある。研究では、内皮細胞におけるELAM-1を介して結腸癌細胞のサイトカインで処理された内皮への粘着が促進されることがわかった。
【0005】
環状アデノシン一リン酸(cAMP)は多くの疾患や病症において作用する。炎症が起こると、白血球におけるcAMP濃度の向上が白血球の活性化を阻害し、その後TNFαやNF-κBなどを含む炎症調節因子が放出される。cAMPレベルの向上は気道平滑筋の弛緩にもつながる。
【0006】
cAMP不活性化の主な細胞機序は環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)と呼ばれるアイソザイムファミリーがcAMPを破壊するためである。PDEファミリーに11のメンバーがあることが知られている。今まで、PDE4酵素の阻害が炎症媒介物質の放出および気道平滑筋の弛緩にこ特に有効であるとが実証されてきたため、PDE4酵素がすでに注目の薬物標的の一つになっている。異なる遺伝子のコードによって、PDE-4ファミリーは4つのサブタイプ(PDE-4A、B、C、D)に分かれる。中では、PDE-4A、PDE-4BおよびPDE-4Dは炎症細胞(たとえばB細胞、T細胞や好中性顆粒球など)における発現がPDE-4Cよりも強い。PDE4酵素を阻害し、cAMPレベルを向上させることによって、TNFαレベルを調節し、疾患を治療する目的を実現させる。
【発明の概要】
【0007】
本発明は式(I)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0008】
【化1】
【0009】
(ただし、
XはO、N(R)、-CH(R)-から選ばれる。
はH、F、Cl、Br、I、OH、CN、NH、COOH、R-L-から選ばれ、あるいは任意に1、2または3個のRで置換された、C1-6アルキル基、C1-6ヘテロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、5~6員ヘテロアリール基から選ばれる。
【0010】
は任意に1、2または3個のRで置換された、C3-6シクロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、5~6員ヘテロアリール基から選ばれる。
は-CH-、-CHCH-、O、S、NH、-C(=O)-から選ばれる。
【0011】
、Rはそれぞれ独立にH、F、Cl、Br、I、OH、CN、NH、R-L-から選ばれ、あるいは任意に1、2または3個のRで置換された、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、C2-6アルキルアルケニル基、C3-6シクロアルケニル基、3~6員ヘテロシクロアルケニル基、C3-6シクロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、5~6員ヘテロアリール基から選ばれる。
【0012】
は任意に1、2または3個のRで置換された、C3-6シクロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルケニル基、フェニル基、5~6員ヘテロアリール基から選ばれる。
【0013】
は-CH-、-CHCH-、O、S、NHから選ばれる。
は任意に1、2または3個のRで置換された、C1-3アルキル基から選ばれる。
RはH、ハロゲン、OH、NH、CNから選ばれ、あるいは任意に1、2または3個のR’で置換された、C1-6アルキル基、C1-6ヘテロアルキル基から選ばれる。
【0014】
R’はH、F、Cl、Br、I、OH、NH、Me、Et、CF、CHF、CHF、NHCH、N(CHから選ばれる。
前記C1-6ヘテロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基、3~6員ヘテロシクロアルケニル基の「ヘテロ」は、-C(=O)NH-、-NH-、-C(=NH)-、-S(=O)NH-、-S(=O) NH-、-O-、-S-、=O、=S、-O-N=、-C(=O)O-、-C(=O)-、-C(=S)-、-S(=O)-、-S(=O)-および-NHC(=O)NH-から選ばれる。
【0015】
以上のいずれの場合においても、ヘテロ原子またはヘテロ原子団の数はそれぞれ独立に1、2または3から選ばれる。)
本発明の一部の形態において、上記RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN
から選ばれ、あるいは任意に1、2または3個のR’で置換された、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C1-3アルキルチオ基、C1-3アルキルアミノ基、C1-4アルキル基-OC(=O)-、N,N’-ジ(C1-3アルキル)アミノ基から選ばれる。
【0016】
本発明の一部の形態において、上記RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、CF、CHF、CHF、Et、
【0017】
【化2】
【0018】
から選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記Rは任意に1、2または3個のRで置換された、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基から選ばれる。
【0019】
本発明の一部の形態において、上記Rは任意に1、2または3個のRで置換された、
【0020】
【化3】
【0021】
から選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記Rは、
【0022】
【化4】
【0023】
から選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記R-L-は、
【0024】
【化5】
【0025】
から選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、R-L-から選ばれ、あるいは任意に1、2または3個のRで置換されたC1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、-C1-3アルキル基-C(=O)O-C1-3アルキル基、C1-3アルキル基-S(=O)-C1-3アルキル基-、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基から選ばれる。
【0026】
本発明の一部の形態において、上記RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、R-L-、あるいは任意に1、2または3個のRで置換された、Me、Et、
【0027】
【化6】
【0028】
から選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、Me、Et、
【0029】
【化7】
【0030】
から選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記Xは
【0031】
【化8】
【0032】
から選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記Rは任意に1、2または3個のRで置換された、
フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基から選ばれる。
【0033】
本発明の一部の形態において、上記Rは任意に1、2または3個のRで置換された、
【0034】
【化9】
【0035】
から選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記Rは、
【0036】
【化10】
【0037】
から選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記R-L-は、
【0038】
【化11】
【0039】
から選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記R、Rはそれぞれ独立にH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、R-L-から選ばれ、あるいは任意に1、2または3個のRで置換された、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C1-3アルキルチオ基、C1-3アルキルアミノ基、C2-4アルキルアルケニル基、1,2,3,6-テトラヒドロピリジル基、ピリジン-2(1H)-オニル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チエニル基から選ばれる。
【0040】
本発明の一部の形態において、上記R、Rはそれぞれ独立にH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、R-L-、あるいは任意に1、2または3個のRで置換された、Me、
【0041】
【化12】
【0042】
から選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記R、Rはそれぞれ独立にH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、
【0043】
【化13】
【0044】
から選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記Rは任意に1、2または3個のRで置換されたMe、Etから選ばれる。
【0045】
本発明の一部の形態において、上記RはMe、CHF、CHFから選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、あるいは任意に1、2または3個のR’で置換された、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C1-3アルキルチオ基、C1-3アルキルアミノ基、C1-4アルキル基-OC(=O)-、N,N’-ジ(C1-3アルキル)アミノ基から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
【0046】
本発明の一部の形態において、上記RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、CF、CHF、CHF、Et、
【0047】
【化14】
【0048】
から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
本発明の一部の形態において、上記Rは任意に1、2または3個のRで置換された、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
【0049】
本発明の一部の形態において、上記Rは任意に1、2または3個のRで置換された、
【0050】
【化15】
【0051】
から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
本発明の一部の形態において、上記Rは、
【0052】
【化16】
【0053】
から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
本発明の一部の形態において、上記R-L-は、
【0054】
【化17】
【0055】
から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
本発明の一部の形態において、上記RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、R-L-、あるいは任意に1、2または3個のRで置換された、C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、-C1-3アルキル基-C(=O)O-C1-3アルキル基、C1-3アルキル基-S(=O)-C1-3アルキル基-、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
【0056】
本発明の一部の形態において、上記RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、R-L-、あるいは任意に1、2または3個のRで置換された、Me、Et、
【0057】
【化18】
【0058】
から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
本発明の一部の形態において、上記RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、Me、Et、
【0059】
【化19】
【0060】
から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
本発明の一部の形態において、上記Xは
【0061】
【化20】
【0062】
から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
本発明の一部の形態において、上記Rは任意に1、2または3個のRで置換された、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
【0063】
本発明の一部の形態において、上記Rは任意に1、2または3個のRで置換された、
【0064】
【化21】
【0065】
から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
本発明の一部の形態において、上記Rは、
【0066】
【化22】
から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
【0067】
本発明の一部の形態において、上記R-L-は、
【0068】
【化23】
から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
【0069】
本発明の一部の形態において、上記R、Rはそれぞれ独立にH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、R-L-、あるいは任意に1、2または3個のRで置換された、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C1-3アルキルチオ基、C1-3アルキルアミノ基、C2-4アルキルアルケニル基、1,2,3,6-テトラヒドロピリジル基、ピリジン-2(1H)-オニル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チエニル基から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
【0070】
本発明の一部の形態において、上記R、Rはそれぞれ独立にH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、R-L-、あるいは任意に1、2または3個のRで置換された、Me、
【0071】
【化24】
から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
【0072】
本発明の一部の形態において、上記R、Rはそれぞれ独立にH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、
【0073】
【化25】
から選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
【0074】
本発明の一部の形態において、上記Rは任意に1、2または3個のRで置換された、Me、Etから選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
本発明の一部の形態において、上記RはMe、CHF、CHFから選ばれ、ほかの変量は上記のように定義されている。
【0075】
本発明の一部の形態において、上記化合物またはその薬学的に許容される塩は、
【0076】
【化26】
から選ばれる。
【0077】
(ただし、
、R、R、Rは上記のように定義されている。)
本発明の一部の形態において、上記化合物またはその薬学的に許容される塩は、
【0078】
【化27】
から選ばれる。
【0079】
(ただし、
、R、R、Rは上記のように定義されている。)
本発明の別の一部の形態において、上記変量の任意の組み合わせからなる。
【0080】
また、本発明は、以下から選ばれる式で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する:
【0081】

【化28】
【0082】
本発明の一部の形態において、上記化合物またはその薬学的に許容される塩は、以下から選ばれる:
【0083】
【化29】
【0084】
また、本発明は、PDE関連病症を治療する薬物の製造における、上記の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
本発明の一部の形態において、上記PDE4関連病症とは乾癬、乾癬性関節炎、慢性閉塞性肺炎、強直性脊椎炎、炎症性腸疾患である。
【0085】
技術効果:
アプレミラスト(Apremilast)と比べ、本発明の化合物は脳における分布を
減らし、潜在的に嘔吐および脳部に関連する副作用を減少させる。本発明の化合物のhPBMCにおけるTNFαに対する阻害作用を顕著に向上させ、かつ動物実験における最小有効投与量を低下させることで、潜在的に人体における最小有効投与量を低下させて人体における安全係数を向上させる。薬物動態学的特徴を改善し、人体への一日一回の投与の実現が可能になる。
【0086】
関連の定義
別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語および連語は以下の意味を有する。一つの特定の用語または連語は、特別に定義されない場合、不確定または不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品またはその活性成分を指す。本明細書で用いられる「薬学的に許容される塩」は、それらの化合物、材料、組成物および/または剤形に対するもので、これらは信頼できる医学的判断の範囲内にあり、ヒトおよび動物の組織との接触に適し、毒性、刺激性、アレルギー反応またはほかの問題または合併症があまりなく、合理的な利益/リスク比に合う。
【0087】
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明の化合物の塩で、本発明で発見された特定の置換基を有する化合物と比較的に無毒の酸または塩基とで製造される。本発明の化合物に比較的に酸性の官能基が含まれる場合、単独の溶液または適切な不活性溶媒において十分な量の塩基でこれらの化合物の中性の形態と接触することで塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アンモニアまたはマグネシウムの塩あるいは類似の塩を含む。本発明の化合物に比較的に塩基性の官能基が含まれる場合、単独の溶液または適切な不活性溶媒において十分な量の酸でこれらの化合物の中性の形態と接触することで酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の実例は、無機酸塩および有機酸塩、さらにアミノ酸(たとえばアルギニンなど)の塩、およびグルクロン酸のような有機酸の塩を含み、前記無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸、亜リン酸などを含み、前記有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸やメタンスルホン酸などの類似の酸を含む(Bergeら, “Pharmaceutical Salts”, Journal of Pharmaceutical Science 66: 1-19 (1977)を参照)。本発明の一部の特定の化合物は、塩基性および酸性の官能基を含有するため、任意の塩基付加塩または酸付加塩に転換することができる。
【0088】
好ましくは、通常の方法で塩を塩基または酸と接触させ、さらに母体化合物を分離することによって、化合物の中性の形態に戻す。化合物の母体の形態とその各種類の塩の形態との違いは、一部の物理的性質、例えば極性溶媒における溶解度が違うことにある。
【0089】
本明細書で用いられる「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の誘導体に属し、酸と塩を形成することまたは塩基と塩を形成することによって前記母体化合物を修飾する。薬学的に許容される塩の実例は、アミンのような塩基性基の無機酸または有機酸の塩、カルボン酸のような酸基のアルカリ金属塩または有機塩などを含むが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩は、通常の無毒性の塩または母体化合物の4級アンモニウム塩、例えば無毒の無機酸または有機酸で形成する塩を含む。通常の無毒性の塩は、無機酸および有機酸から誘導される塩を含むが、これらに限定されず、前記の無機酸または有機酸は、2-アセトキシ安息香酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、炭酸水素イオン、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルセプチン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシ基、ナフトール、
ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、ラクトース、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクトースアルデヒド、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、スバセチン酸、コハク酸、スルファミン酸、p-アミノベンゼンスルホン酸、硫酸、タンニン、酒石酸およびp-トルエンスルホン酸から選ばれる。
【0090】
本発明の薬学的に許容される塩は、酸基または塩基性基を含む母体化合物から通常の方法で合成することができる。通常の場合、このような塩の製造方法は、水または有機溶媒あるいは両者の混合物において、遊離酸または塩基の形態のこれらの化合物を化学量論量の適切な塩基または酸と反応させて製造する。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水媒体が好ましい。
【0091】
塩の形態以外、本発明によって提供される化合物は、プロドラッグの形態も存在する。本明細書で記載される化合物のプロドラッグは、生理条件で化学的変化が生じて本発明の化合物に転化しやすい。また、プロドラッグ薬物は、体内環境で化学または生物化学の方法で本発明の化合物に転換される。
【0092】
本発明の一部の化合物は、非溶媒和物の形態または溶媒和物の形態で存在してもよく、水和物の形態を含む。一般的に、溶媒和物の形態は非溶媒和物の形態と同等であり、いずれも本発明の範囲に含まれる。
【0093】
本発明の一部の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有してもよい。ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体および単独の異性体はいずれも本発明の範囲に含まれる。
【0094】
別途に説明しない限り、楔形の結合および破線の結合(
【0095】
【化30】
)は立体中心の絶対配置を表し、
【0096】
【化31】
で立体中心の相対配置を表す。本明細書に記載された化合物がオレフィン系の二重結合またはほかの幾何学的不斉中心を含有する場合、別途に定義しない限り、これらは、E、Z幾何異性体を含む。同様に、すべての互変異性形態も本発明の範囲内に含まれる。
【0097】
本発明の化合物は、特定の幾何または立体異性体の形態が存在してもよい。本発明は、すべてのこのような化合物を想定し、シスおよびトランス異性体、(-)-および(+)-鏡像異性体、(R)-および(S)-鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、およびそのラセミ混合物ならびにほかの混合物、たとえばエナンチオマーまたはジアステレオマーを多く含有する混合物を含み、すべてのこれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。アルキル基などの置換基にほかの不斉炭素原子が存在してもよい。すべてのこれらの異性体およびこれらの混合物はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0098】
光学活性な(R)-および(S)-異性体ならびにDおよびL異性体は、不斉合成またはキラル試薬またはほかの通常の技術を用いて調製することができる。本発明のある化合
物の一つの鏡像異性体を得るには、不斉合成またはキラル補助剤を有する誘導作用によって調製することができるが、ここで、得られたジアステレオマー混合物を分離し、かつ補助基を分解させて単離された所要の鏡像異性体を提供する。 あるいは、分子に塩基性官能基(たとえばアミノ基)または酸性官能基(たとえばカルボキシ基)が含まれる場合、適切な光学活性な酸または塩基とジアステレオマーの塩を形成させ、さらに本分野で公知の通常の方法によってジアステレオマーの分割を行った後、回収して単離された鏡像異性体を得る。また、エナンチオマーとジアステレオマーの分離は、通常、クロマトグラフィー法によって行われ、前記クロマトグラフィー法はキラル固定相を使用し、かつ任意に化学誘導法(たとえばアミンからカルバミン酸塩を生成させる)と併用する。
【0099】
本発明の化合物は、当該化合物を構成する一つまたは複数の原子には、非天然の比率の原子同位元素が含まれてもよい。たとえば、三重水素(H)、ヨウ素-125(125
I)またはC-14(14C)のような放射性同位元素で化合物を標識することができる。本発明の化合物のすべての同位元素の構成の変換は、放射性の有無を問わず、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0100】
用語「薬学的に許容される担体」とは本発明の有効量の活性物質を送達することができ、活性物質の生物活性を干渉せず、かつ宿主または患者に毒・副作用がない任意の製剤または担体媒体を指し、代表的な担体は水、油やミネラル、クリームベース、洗剤ベース、軟膏ベースなどを含む。これらのベースは懸濁剤、増粘剤、皮膚透過促進剤などを含む。これらの製剤は化粧品分野または局部薬物分野の技術者に周知である。
【0101】
用語「賦形剤」とは、通常、有効な薬物組成物の調製に必要な担体、希釈剤および/または媒体を指す。
薬物または薬理学的活性剤について、用語「有効量」または「治療有効量」とは毒性がなく期待の効果が得られる薬物または薬剤の充分な使用量を指す。本発明における経口投与剤形について、組成物における一つの活性物質の「有効量」とは、当該組成物におけるもう一つの活性物質と併用する時、期待の効果に必要な使用量を指す。有効量の確定は人によるが、被投与者の年齢および基本状況、そして具体的な活性物質で決まり、特定のケースにおける適切な有効量は当業者が通常の試験によって決めてもよい。
【0102】
用語「活性成分」、「治療剤」、「活性物質」または「活性剤」とは、化学的実体で、有効に目的の障害、疾患または病症を治療することができる。
「任意の」または「任意に」とは後記の事項または状況によって可能であるが必ずしも現れるわけではなく、かつ当該記述はそれに記載される事項または状況が生じる場合およびその事項または状況が生じない場合を含むことを意味する。
【0103】
用語「置換された」とは、特定の原子における任意の一つまたは複数の水素原子が置換基で置換されたことで、特定の原子の原子価状態が正常でかつ置換後の化合物が安定していれば、重水素および水素の変形体を含んでもよい。置換基がケトン基(すなわち=O)である場合、2つの水素原子が置換されたことを意味する。ケトン置換は、芳香族基に生じない。用語「任意に置換された」とは、置換されてもよく、置換されていなくてもよく、別途に定義しない限り、置換基の種類と数は化学的に安定して実現できれば任意である。
【0104】
変量(たとえばR)のいずれかが化合物の組成または構造に1回以上現れる場合、その定義はいずれの場合においても独立である。そのため、例えば、一つの基が0~2個のRで置換された場合、前記基は任意に2個以下のRで置換され、かついずれの場合においてもRが独立の選択肢を有する。また、置換基および/またはその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。
【0105】
連結基の数が0の場合、たとえば-(CRR)-は、当該連結基が単結合であることを意味する。
そのうちの一つの変量が単結合の場合、それで連結する2つの基が直接連結し、たとえばA-L-ZにおけるLが単結合を表す場合、この構造は実際にA-Zになる。
【0106】
置換基がない場合、当該置換基が存在しないことを表し、たとえばA-XにおけるXがない場合、当該構造が実際にAとなることを表す。一つの置換基の結合は交差に一つの環における2つの原子に連結する場合、このような置換基はこの環における任意の原子と結合してもよい。挙げられた置換基に対してどの原子を通して化学構造一般式に連結するか明示しない場合、具体的に挙げられていないが含まれる化合物も含め、このような置換基はその任意の原子を通して結合してもよい。置換基および/またはその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。たとえば、構造単位
【0107】
【化32】
は、シクロヘキシル基またはシクロヘキサジエンにおける任意の位置に置換されることを表す。
【0108】
別途に定義しない限り、用語「ヘテロ」とは、ヘテロ原子またはヘテロ原子団(すなわちヘテロ原子を含有する原子団)を指し、炭素(C)および水素(H)以外の原子およびこれらのヘテロ原子を含有する原子団を含み、たとえば酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、-O-、-S-、=O、=S、-C(=O)O-、-C(=O)-、-C(=S)-、-S(=O) 、-S(=O)-、および任意に置換された-C(=O)N(H)-、-N(H)-、-C(=NH)-、-S(=O) N(H)-または-S(=O)N(H)-を含む。
【0109】
別途に定義しない限り、「環」は置換または無置換のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基あるいはヘテロアリール基を表す。いわゆる環は、単環、連結環、スピロ環、縮合環または橋架け環を含む。環における原子の数は、通常、環の員数と定義され、たとえば「5~7員環」とは環状に並ぶ5~7個の原子を表す。別途に定義しない限り、当該環は任意に1~3個のヘテロ原子を含む。そのため、「5~7員環」はたとえばフェニル、ピリジンおよびピペリジル基を含む。一方、用語「5~7員のヘテロシクロアルキル基環」はピリジニル基およびピペリジニル基を含むが、フェニル基を含まない。用語「環」はさらに少なくとも一つの環を含む環系を含み、その中の各「環」はいずれも独立に上記定義に準じる。
【0110】
別途に定義しない限り、用語「複素環」または「ヘテロシクロ基」とは安定したヘテロ原子またはヘテロ原子団を含有する単環または二環または三環で、飽和、部分不飽和または不飽和(芳香族)のものでもよく、炭素原子と1、2、3または4個の独立にN、OおよびSから選ばれる環ヘテロ原子を含み、ここで、上記任意の複素環がベンゼン環と縮合して二環を形成してもよい。窒素および硫黄のヘテロ原子は、任意に酸化されてもよい(すなわちNOおよびS(O)pで、pは1または2である)。窒素原子は、置換されたものでも無置換のものでもよい(すなわちNまたはNRで、ここで、RはHまたは本明細書
で定義されたほかの置換基である)。当該複素環は、任意のヘテロ原子または炭素原子の側基に結合して安定した構造を形成してもよい。形成した化合物が安定したものであれば、ここに記載された複素環は炭素または窒素の位置における置換が生じてもよい。複素環における窒素原子は任意に第四級アンモニウム化されてもよい。一つの好適な形態は、複素環におけるSおよびO原子の合計が1を超える場合、これらのヘテロ原子はお互いに隣接しない。もう一つの好適な形態は、複素環におけるSおよびO原子の合計が1以下である。本明細書で用いられるように、用語「芳香族複素環基」または「ヘテロアリール基」とは、安定した5、6、7員の単環または二環あるいは7、8、9または10員の二重環複素環基の芳香環で、炭素原子と1、2、3または4個の独立にN、OおよびSから選ばれる環ヘテロ原子を含む。窒素原子は、置換されたものでも無置換のものでもよい(すなわちNまたはNRで、ここで、RはHまたは本明細書で定義されたほかの置換基である)。窒素および硫黄のヘテロ原子は、任意に酸化されてもよい(すなわちNOおよびS(O)pで、pは1または2である)。注意すべきのは、芳香族複素環におけるSおよびO原子の合計が1以下であることである。橋架け環も複素環の定義に含まれる。一つまたは複数の原子(すなわちC、O、NまたはS)が2つの隣接しない炭素原子または窒素原子と連結すると橋架け環になる。好適な橋架け環は、一つの炭素原子、二つの炭素原子、一つの窒素原子、二つの窒素原子および一つの炭素-窒素基を含むが、これらに限定されない。注意すべきのは、一つの架け橋はいつも単環を三重環に変換させることである。橋架け環において、環における置換基も架け橋に現れてもよい。
【0111】
複素環化合物の実例は、アクリジニル基、アゾシニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾメルカプトフリル基、ベンゾメルカプトフェニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサゾリニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾテトラゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリニル基、カルバゾリル基、4aH-カルバゾリル基、カルボリニル基、クロマニル、クロメニル、シンノリニルデカヒドロキノリニル基、2H, 6H-1, 5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフリル基、フリル基、フラザニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、イミダゾリル基、1H-インダゾリル基、インドールアルケニル、ジヒドロインドリル基、インドリジニル基、インドリル基、3H-インドリル基、イソベンゾフリル基、イソインドリル基、イソジヒドロインドリル基、イソキノリニル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、メチレンジオキシフェニル基、モルホリニル基、ナフチリジニル基、オクタヒドロイソキノリニル基、オキサジアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,3,4-オキサジアゾリル基、オキサゾリジニル基、オキサゾリル基、ヒドロキシインドリル基、ピリミジニル基、フェナントリジニル基、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、ベンゾヒポキサンチニル基、フェノキサジニル基、フタラジニル基、ピペラジニル基、ピペリジル基、ピペリドニル基、4-ピペリドニル基、ピペロニル基、プテリジニル基、プリニル基、ピラニル基、ピラジニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピラゾリル基、ピリダジル基、ピロロオキサゾール、ピロロイミダゾール、ピロロチアゾール、ピリジル基、ピロリジル基、ピロリニル基、2H-ピロリル基、ピロリル基、キナゾリニル基、キノリニル基、4H-キノリジジニル基、キノキサリニル基、キヌクリジン環基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロイソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基、テトラゾリル基,6H-1,2,5-チアジアジニル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,2,5-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、チアントレニル基、チアゾリル基、イソチアゾリルチエニル基、チエノオキサゾリル基、チエノチアゾリル基、チエノイミダゾリル基、チエニル基、トリアジル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、1,2,5-トリアゾリル基、1,3,4-トリアゾリル基およびキサンテニル基を含むが、これらに限定されない。さらに、縮合環およびスピロ環の化合物を含む。
【0112】
特別に定義しない限り、用語「炭化水素基」またはその下位概念(たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基など)そのものまたはほかの置換基の一部として直鎖、分枝鎖または環状の炭化水素原子団あるいはその組合せを表し、完全飽和のもの(たとえばアルキル基)、一価不飽和または多価不飽和のもの(たとえばアルケニル基、アルキニル基、アリール基)でもよく、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの(たとえばメチル基)、2価のもの(たとえばメチレン基)または多価のもの(たとえばメチン基)でもよく、2価または多価の原子団を含んでもよく、所定の数の炭素原子を有する(たとえばC-C12は1-12個の炭素原子を表し、C1-12はC、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11およびC12から、C3-12はC、C、C、C、C、C、C、C10、C11およびC12から選ばれる)。 「炭化水素基」は、脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基を含み、前記脂肪族炭化水素基は鎖状および環状を含み、具体的にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を含むが、これらに限定されず、前記芳香族炭化水素基は6~12員の芳香族炭化水素基、たとえばベンゼン、ナフタレンなどを含むが、これらに限定されない。一部の実施例において、用語「炭化水素基」は直鎖、分枝鎖の原子団あるいはその組合せを表し、完全飽和、価不飽和または多価不飽和のものでもよく、2価または多価の原子団を含んでもよい。飽和炭化水素原子団の実例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、(シクロヘキシル)メチル基、シクロプロピルメチル基、およびn-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基などの原子団の同族体および異性体などを含むが、これらに限定されない。不飽和炭化水素基は一つまたは複数の二重結合または三重結合を有し、実例は、ビニル基、2-プロペニル基、ブテニル基、クロチル基、2-イソペンテニル基、2-(ブタジエニル)基、2,4-ペンタジエニル基、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル基、1-及び3-プロピニル基、3-ブチニル基、及びより高級の同族体と異性体を含むが、これらに限定されない。
【0113】
別途に定義しない限り、用語の「ヘテロ炭化水素基」またはその下位概念(たとえばヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、ヘテロアリール基など)そのものまたはもう一つの用語と合わせて、安定した直鎖、分枝鎖または環状の炭化水素原子団あるいはその組合せを表し、所定の数の炭素原子および一つ以上のヘテロ原子からなる。一部の実施例において、用語「ヘテロアルキル基」そのものまたはもう一つの用語と合わせて、安定した直鎖、分枝鎖の炭化水素原子団あるいはその組合せを表し、所定の数の炭素原子および一つ以上のヘテロ原子からなる。一つの典型的な実施例において、ヘテロ原子はB、O、NおよびSから選ばれ、その中では、窒素および硫黄原子は任意に酸化され、窒素ヘテロ原子は任意に第四級アンモニウム化された。ヘテロ原子またはヘテロ原子団はヘテロ炭化水素基の内部の任意の箇所に位置してもよく、当該炭化水素基の分子のほかの部分に付着する箇所を含むが、用語「アルコキシ基」、「アルキルアミノ基」および「アルキルチオ基」(またはチオアルコキシ基)は通常の表現で、それぞれ一つの酸素原子、アミノ基またはイオン原子を通して分子のほかの部分と連結するアルキル基を指す。実例は、-CH-CH-O-CH、-CH-CH-NH-CH、-CH-CH-N(CH)-CH、-CH-S-CH-CH、-CH-CH、-S(O)-CH、-CH-CH-S(O)-CH、-CH=CH-O-CH、 -CH-CH=N-OCH及び-CH=CH-N(CH)-CHを含むが、これらに限定されない。多くとも二個のヘテロ原子が連続してもよく、例えば、-CH-NH-OCHが挙げられる。
【0114】
別途に定義しない限り、用語の「環状炭化水素基」、「ヘテロ環状炭化水素基」またはその下位概念(たとえばアリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、
ヘテロシクロアルキニル基など)そのものまたはほかの用語と合わせて、環化した「炭化水素基」、「ヘテロ炭化水素基」を表す。また、ヘテロ炭化水素基またはヘテロ環状炭化水素基(たとえばヘテロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基)について、ヘテロ原子は当該基が分子のほかの部分に付着した位置を占めてもよい。環状炭化水素基の実例は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1-シクロヘキセニル基、3-シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基などを含むが、これらに限定されない。ヘテロシクロ基の非制限的な実例は、1-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジル)基、1-ピペリジニル基、2-ピペリジニル基、3-ピペリジニル基、4-モルホリニル基、3-モルホリニル基、テトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロフリルインドール-3-イル、テトラヒドロチエン-2-イル基、テトラヒドロチエン-3-イル基、1-ピペラジニル基および2-ピペラジニル基を含む。
【0115】
特別に定義しない限り、用語「アルキル基」は直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を表し、単置換のもの(たとえば-CHF)でも多置換のもの(たとえば-CF)でもよく、1価のもの(たとえばメチル基)、2価のもの(たとえばメチレン基)または多価のもの(たとえばメチン基)でもよい。アルキル基の例は、メチル基(Me)、エチル基(Et)、プロピル基(たとえば、n-プロピル基やイソプロピル基)、ブチル基(たとえば、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基)、ペンチル基(たとえば、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基)などを含む。
【0116】
特別に定義しない限り、「アルケニル基」とは鎖の任意の箇所に1つまたは複数の炭素-炭素二重結合があるアルキル基をいうが、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のものまたは多価のものでもよい。アルケニル基の例は、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ブタジエニル基、ペンタジエニル基、ヘキサジエニル基などを含む。
【0117】
特別に定義しない限り、「アルケニルアルキル基」または「アルケニル基アルキル基」とはアルケニル基で置換されたアルキル基をいう。
特別に定義しない限り、用語「アルキニル基」は鎖の任意の箇所に1つまたは複数の炭素-炭素三重結合があるアルキル基をいうが、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のものまたは多価のものでもよい。アルキニル基の例は、エチニル基、プロパギル基、ブチニル基、ペンチニル基などを含む。
【0118】
特別に定義しない限り、用語「シクロアルキル基」は任意の安定した環状または多環炭化水素基を含み、炭素原子のいずれも飽和のもので、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のものまたは多価のものでもよい。このようなシクロアルキル基の実例は、シクロプロピル基、ノルボルナニル基、[2.2.2]ビシクロオクタン、[4.4.0]ビシクロデカンなどを含むが、これらに限定されない。
【0119】
特別に定義しない限り、用語「シクロアルケニル基」は任意の安定した環状または多環炭化水素基を含み、当該炭化水素基は環の任意の箇所に1つまたは複数の不飽和の炭素-炭素二重結合を含有し、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のものまたは多価のものでもよい。このようなシクロアルケニル基の実例は、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0120】
特別に定義しない限り、用語「シクロアルキニル基」は任意の安定した環状または多環炭化水素基を含み、当該炭化水素基は環の任意の箇所に1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を含有し、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のものまたは多価のものでもよい。
【0121】
別途に定義しない限り、用語「ハロ」または「ハロゲン」そのものまたはもう一つの置換基の一部として、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素の原子を表す。また、用語「ハロアルキル基」とは、モノハロアルキル基とポリハロアルキル基を含む。例えば、用語の「ハロ(C-C)アルキル基」とは、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、4-クロロブチル基および3-ブロモプロピル基などを含むが、これらに限定されない。別途に定義しない限り、ハロアルキル基の実例は、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基およびペンタクロロエチル基を含むが、これらに限定されない。
【0122】
「アルコキシ基」とは酸素橋で連結された特定の数の炭素原子を有する上記アルキル基を表し、別途に定義しない限り、C1-6アルコキシ基は、C、C、C、C、CおよびCのアルコキシ基を含む。アルコキシ基の例は、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペントキシ基およびS-ペントキシ基を含むが、これらに限定されない。別途に定義しない限り、用語「アリール基」とは、多不飽和の芳香族炭化水素置換基を表し、単置換のものでも多重置換のものでもよく、1価のもの、2価のものまたは多価のものでもよく、単環または多環(たとえば1~3個の環で、ここで、少なくとも1個の環が芳香族のものである)でもよく、一つに縮合してもよく、共役結合してもよい。用語の「ヘテロアリール基」とは1~4個のヘテロ原子を含むアリール基(または環)である。一つの例示的な実例において、ヘテロ原子はB、N、OおよびSから選ばれ、その中では、窒素および硫黄原子は任意に酸化され、窒素ヘテロ原子は任意に第四級アンモニウム化された。ヘテロアリール基はヘテロ原子を通して分子のほかの部分と連結してもよい。アリール基またはヘテロアリール基の非制限的な実施例は、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、4-ビフェニル基、1-ピロリル基、2-ピロリル基、3-ピロリル基、3-ピラゾリル基、2-イミダゾリル基、4-イミダゾリル基、ピラジニル基、2-オキサゾリル基、4-オキサゾリル基、2-フェニル-4- オキサゾリル基、5-オキサゾリル基、3 -イソオキサゾリル基、4-イソオキサゾリル基、5-イソオキサゾリル基、2-チアゾリル基、4-チアゾリル基、5-チアゾリル基、2-フリル基、3-フリル基、2-チエニル基、3-チエニル基、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基、2-ピリミジニル基、4-ピリミジニル基、5-ベンゾチアゾリル基、プリニル基、2-ベンゾイミダゾリル基、5-インドリル基、1-イソキノリル基、5-イソキノリル基、2-キノキサリニル基、5-キノキサリニル基、3-キノリル基和6-キノリル基を含む。上記アリール基およびヘテロアリール基の環系の置換基はいずれも後記の許容される置換基から選ばれる。
【0123】
別途に定義しない限り、アリール基はほかの用語と合わせて使用する場合(たとえばアリーロキシ基、アリールチオ基、アルアルキル基)上記のように定義されたアリール基およびヘテロアリール基環を含む。そのため、用語の「アルアルキル基」とはアリール基がアルキル基に付着した原子団(たとえばベンジル基、フェネチル基、ピリジルメチル基など)を含み、その炭素原子(たとえばメチレン基)がたとえば酸素に置換されたアルキル基、たとえばフェノキシメチル基、2-ピリジルオキシメチル3-(1-ナフトキシ)プロピル基などを含む。
【0124】
用語「脱離基」とは別の官能基または原子で置換反応(たとえば求核置換反応)で置換されてもよい官能基または原子を指す。たとえば、代表的な脱離基は、トリフルオロメタンスルホン酸エステル、塩素、臭素、ヨウ素、たとえばメタンスルホン酸エステル、トルエンスルホン酸エステル、p-ブロモベンゼンスルホン酸エステル、p-トルエンスルホン酸エステルなどのスルホン酸エステル基、たとえばアセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基などのアシルオキシ基を含む。
【0125】
用語「保護基」は「アミノ保護基」、「ヒドロキシ保護基」または「メルカプト保護基」を含むが、これらに限定されない。用語「アミノ保護基」とはアミノ基の窒素の位置における副反応の防止に適する保護基を指す。代表的なアミノ保護基は、ホルミル基、アルカノイル基(たとえばアセチル基、トリクロロアセチル基またはトリフルオロアセチル基)ようなようアシル基、t-ブトキシカルボニル(Boc)基のようなアルコキシカルボニル基、ベントキシカルボニル(Cbz)基および9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基のようなアリールメトキシカルボニル基、ベンジル(Bn)基、トリフェニルメチル(Tr)基、1,1-ビス(4’-メトキシフェニル)メチル基のようなアリールメチル基、トリメチルシリル(TMS)基およびt-ブチルジメチルシリル(TBS)基のようなシリル基などを含むが、これらに限定されない。用語「ヒドロキシ保護基」とはヒドロキシ基の副反応の防止に適する保護基を指す。代表的なヒドロキシ保護基は、メチル基、エチル基およびt-ブチル基のようなアルキル基、アルカノイル基(たとえばアセチル基)ようなようアシル基、ベンジル(Bn)基、p-メトキシベンジル(PMB)基、9-フルオレニルメチル(Fm)基およびジフェニルメチル(DPM)基のようなアリールメチル基、トリメチルシリル(TMS)基およびt-ブチルジメチルシリル(TBS)基のようなシリル基などを含むが、これらに限定されない。
【0126】
本発明の化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造するができ、以下挙げられた具体的な実施形態、ほかの化学合成方法と合わせた実施形態および当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
【0127】
本発明に使用される溶媒は市販品として入手可能である。本発明は下記略号を使用する。aqは水を、HATUはO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートを、EDCはN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩を、m-CPBAは3-クロロ過安息香酸を、eqは当量、等量を、CDIはカルボニルジイミダゾールを、DCMはジクロロメタンを、PEは石油エーテルを、DIADはアゾジカルボン酸ジイソプロピルを、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを、DMSOはジメチルスルホキシドを、EtOAcは酢酸エチルを、EtOHはエタノールを、MeOHはメタノールを、CBzはアミン保護基のベントキシカルボニル基を、BOCはアミン保護基のt-ブチルカルボニル基を、HOAcは酢酸を、NaCNBHはシアノ水素化ホウ素ナトリウムを、r.t.は室温を、O/Nは一晩行うことを、THFはテトラヒドロフランを、BocOはジカルボン酸ジ-t-ブチルを、TFAはトリフルオロ酢酸を、DIPEAはジイソプロピルエチルアミンを、SOClは塩化チオニルを、CSは二硫化炭素を、TsOHはp-トルエンスルホン酸を、NFSIはN-フルオロ-N-(フェニルスルホニル)ベンゼンスルホニルアミドを、NCSは1-クロロピロリジン-2,5-ジオンを、n-BuNFはテトラブチルアンモニウムフルオリドを、iPrOHは2-プロパノールを、mpは融点を、LDAはリチウムジイソプロピルアミドを表す。
【0128】
化合物は人工的にまたはChemDraw<登録商標>ソフトによって名付けられ、市販化合物はメーカーのカタログの名称が使用された。
【発明を実施するための形態】
【0129】
具体的な実施形態
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の何らの不利な制限にもならない。ここで、本発明を詳しく説明し、その具体的な実施例の形態も公開したため、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、本発明の具体的な実施形態に様々な変更や改良を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
【0130】
実施例1:WX001
【0131】
【化33】
工程1:化合物WX001-3の合成
室温において、化合物2,5-ジクロロ-3-ニトロピリジン(WX001-1) (464.42 mg, 1.04 mmol) および化合物WX001-2 (569.40 mg, 2.08 mmol) をアセトニトリル(3.00 mL)に溶解させ、炭酸カリウム(287.48 mg, 2.08 mmol)を入れ、添加終了後、反応混合物を80℃に加熱して2時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、水(10 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(5 mL × 2)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をクロマトグラフィーカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~2/1、体積比)目的化合物WX001-3を得た。MS-ESI m/z: 430.0 [M+H]
工程2:化合物WX001-4の合成
室温において、化合物WX001-3(180.00 mg, 418.73 μmol)および塩化アンモニウム (179.18 mg, 3.35 mmol) をエタノール(5.00 mL)および水(500.00 μL)に溶解させ、さらに鉄粉(116.93 mg, 2.09 mmol)を入れ、反応混合物を80℃に加熱して3時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル(5 mL)を入れ、ろ過し、ろ液を減圧で濃縮した。残留物に水(8 mL)を入れ、酢酸エチル(5 mL×2)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去して粗製品のWX001-4を得た。MS-ESI m/z: 400.0 [M+H]
工程3:化合物WX001の合成
室温において、化合物WX001-4(100.00 mg, 250.07 μmol)およびトリエチルアミン(50.6 mg, 500.14 μmol)をテトラヒドロフラン(2.00 mL)に溶解させ、反応混合物を氷水浴で0℃に冷却し、オルト
ギ酸トリエチル(89.05 mg, 300.08 μmol)を入れ、反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した。反応終了後、水(8 mL)を入れて反応をクエンチングし、酢酸エチル(5 mL × 2)で抽出した。2回で得られた有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的化合物WX001を得た。MS-ESI m/z: 426.0 [M+H]H NMR (400MHz, CDOD) δ: 8.03 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.36 (dd, J=1.9, 19.4 Hz, 2H), 7.17 (dd, J=1.8, 8.3 Hz, 1H), 6.93 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.15 (dd, J=3.9, 10.7 Hz, 1H), 4.87-4.77 (m, 1H), 4.09-3.99 (m, 3H), 3.82 (s, 3H), 2.95 (s, 3H), 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3H).
実施例2:WX002
【0132】
【化34】

工程1:化合物WX002-2の合成
室温において、化合物WX002-1(295.68 mg, 662.13 mmol) および化合物WX001-2 (354.9 mg, 1.30 mmol)をアセトニトリル(3.00 mL)に溶解させ、炭酸カリウム(183.03 mg, 1.32 mmol)を入れ、添加終了後、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応終了後、水(10 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(5 mL × 2)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をクロマトグラフィーカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~2/1、体積比)目的化合物WX002-2を得た。MS-ESI m/z: 464.0 [M+H]
工程2:化合物WX002-3の合成
室温において、化合物WX002-2(200.00 mg, 431.56 μmol)および塩化アンモニウム(184.67 mg, 3.45 mmol) をエタノ
ール(5.00 mL)および水(500.00 μL)に溶解させ、さらに鉄粉(120.51 mg, 2.16 mmol)を入れ、反応混合物を90℃に加熱して3時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル(5 mL)を入れて希釈し、ろ過し、そしてそのまま濃縮した。残留物に水(10 mL)を入れ、酢酸エチル(8 mL×2)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去して粗製品のWX002-3を得た。MS-ESI m/z: 434.0 [M+H]
工程3:化合物WX002の合成
室温において、化合物WX002-3(30.00 mg, 69.21 μmol)およびトリエチルアミン(14.12 mg, 0.14 mmol)をテトラヒドロフラン(2.00 mL)に溶解させ、反応混合物を氷水浴で0℃に冷却し、オルトギ酸トリエチル(24.65 mg, 83.05 μmol)を入れ、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。反応終了後、水(8 mL)を入れ、酢酸エチル(5 mL × 2)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的化合物WX002を得た。MS-ESI m/z: 460.0 [M+H]H NMR
(400MHz, CDCl) δ: 9.97 (br s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.25 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.86 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.26 (dd, J=4.0, 10.0 Hz, 1H), 4.93 (dd, J=10.4, 14.2 Hz, 1H), 4.20-4.06 (m, 2H), 3.97-3.78 (m, 4H), 2.86 (s, 3H), 1.47 (t, J=6.9 Hz, 3H).
実施例3:WX003
【0133】
【化35】
工程1:化合物WX003-2の合成
室温において、化合物WX003-1(505.93 mg, 1.13 mmol)
および化合物WX001-2(671.00 mg, 2.26 mmol) をアセ
トニトリル(3.00 mL)に溶解させ、炭酸カリウム(313.17 mg, 2.27 mmol)を入れ、添加終了後、反応混合物を80℃に加熱して16時間撹拌した。反応終了後、水(10 mL)を入れ、酢酸エチル(5 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をクロマトグラフィーカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~2/1、体積比)目的化合物WX003-2を得た。MS-ESI m/z: 435.9 [M+Na]
工程2:化合物WX003-3の合成
室温において、化合物WX003-2(150.00 mg, 362.83 μmol) および塩化アンモニウム (155.26 mg, 2.90 mmol) をエタノール(5.00 mL)および水(500.00 μL)に溶解させ、さらに鉄粉(101.32 mg, 1.81 mmol)を入れ、反応混合物を80℃に加熱して3時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル(5 mL)を入れて希釈し、ろ過し、そして濃縮した。残留物に水(5 mL)を入れ、酢酸エチル(5 mL×2)で抽出し、有機相を合併し、水(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去して粗製品のWX003-3を得た。MS-ESI m/z: 384.0 [M+H]
工程3:化合物WX003の合成
室温において、化合物WX003-3(70.00 mg, 182.56 μmol) およびトリエチルアミン(36.42 mg, 0.36 mmol)をテトラヒドロフラン(2.00 mL)に溶解させ、反応混合物を氷水浴で0℃に冷却し、オルトギ酸トリエチル(65.01 mg, 219.07 μmol)を入れ、反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した。反応終了後、水(8 mL)を入れ、酢酸エチル(5 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX003を得た。MS-ESI m/z: 410.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDOD) δ: 7.95 (t, J=2.0 Hz, 1H), 7.33 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.24 (dd,
J=2.4, 8.4 Hz, 1H), 7.17 (dd, J=1.8, 8.3 Hz, 1H), 6.93 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.15 (dd, J=3.8, 10.8 Hz, 1H), 4.88-4.82 (m, 1H), 4.13-3.99 (m, 3H), 3.81 (s, 3H), 2.98-2.90 (m, 3H), 1.39 (t, J=7.0 Hz, 3H).
実施例4:WX004
【0134】
【化36】

工程1:化合物WX004-2の合成
室温において、化合物WX001-2(10.00 g, 36.58 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(100.00 mL)に溶解させた後、順にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(14.18 g, 109.74 mmol, 19.16
mL)および化合物WX004-1(17.37 g, 73.16 mmol)を入れ、添加終了後、窒素ガスの保護下で反応混合物を100℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をメタノール(30
mL)に入れた。室温で10分間撹拌し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去して目的の化合物WX004-2を得た。MS (ESI) m/z: 473.7 [M+H], 475.7 [M+H+2]
工程2:化合物WX004-3の合成
室温において、化合物WX004-2(5.00 g, 10.54 mmol) および塩化アンモニウム(5.64 g, 105.40 mmol) をメタノール(50.00 mL)に溶解させた後、亜鉛粉(3.45 g, 52.70 mmol)を分けて入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応終了後、珪藻土でろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去して残渣を得た。得られた残留物を水(50 mL)および酢酸エチル(50 mL)を入れ、分液し、水相を酢酸エチルで(30 mL×3)抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、ろ液から減圧で溶媒を除去して粗製品のWX004-3を得た。MS (ESI) m/z: 443.7 [M+H], 445.7 [M+H+2]
工程3:化合物WX004の合成
室温において、化合物WX004-3(4.20 g, 9.45 mmol) およびトリエチルアミン(5.26 g, 51.99 mmol, 7.21 mL)をテトラヒドロフラン(50.00 mL)に溶解させ、反応混合物を氷水浴で0℃に冷却し、4回に分けてオルトギ酸トリエチル(981.73 mg, 3.31 mmol)を入れ、反応混合物を室温に上げて12時間撹拌した。反応終了後、飽和食塩水(15 m
L)を入れて反応をクエンチングし、さらに水 (15 mL) を入れて希釈し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、水(25 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をクロマトグラフィーカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=4/1~2/3、体積比)目的の化合物WX004(3.5 g,収率:77.17%)を得た。MS (ESI) m/z: 470.0 [M+H], 472.0 [M+H+2]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 9.09 (s, 1H), 8.14 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.41 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.22 (dd, J=2.0, 8.3 Hz, 1H), 6.84 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.17 (dd, J=4.5, 10.0
Hz, 1H), 4.86 (dd, J=10.3, 14.6 Hz, 1H), 4.98-4.78 (m, 1H), 4.13-4.08 (m, 2H), 3.88 (d, J=4.5 Hz, 1H), 3.85 (s, 4H), 2.81 (s, 3H), 1.46 (t, J=6.9 Hz, 3H).
実施例5:WX005
【0135】
【化37】

工程1:化合物WX005-1の合成
室温において、化合物WX004-1(2.17 g, 25.26 mmol)をジオキサン(30.00 mL)に溶解させ、順にリン酸カリウム(5.36 g, 25.26 mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(3.54 g, 12.63 mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.46 g, 1.26 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を100℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、水(30 mL)および酢酸エチル(30 mL)を入れて希釈し、分液し、水相を酢酸エチル(30 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(20 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾
燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をクロマトグラフィーカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=40/1~10/1、体積比)目的の化合物WX005-1を得た。MS-ESI m/z: 199.0 [M+H]
工程2:化合物WX005-2の合成
室温において、化合物WX005-1(200.00 mg, 1.01 mmol)をアセトニトリル(4.00 mL)に溶解させ、炭酸カリウム(279.18 mg,
2.02 mmol)を入れ、反応混合物を90℃に加熱して0.2時間撹拌した。その後、化合物WX001-2(276.08 mg, 1.01 mmol)を上記反応混合物に入れ、反応混合物を90℃でさらに11.8時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、水(10 mL)および酢酸エチル(10 mL)を入れて希釈し、分液し、水相を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(10 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をクロマトグラフィーカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/2、体積比)目的の化合物WX005-2を得た。MS-ESI m/z: 436.0 [M+H]
工程3:化合物WX005-3の合成
室温において、化合物WX005-2(100.00 mg, 229.63 μmol)、鉄粉(76.95 mg, 1.38 mmol)および塩化アンモニウム (122.83 mg, 2.30 mmol)を水(300.00 μL)およびエタノール(3.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を90℃に加熱して2時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、ろ過し、そして濃縮した。残渣を水(10 mL)および酢酸エチル(10 mL)で希釈し、分離し、水相を酢酸エチルで(10 mL×3)抽出した。有機相を合併し、水(10 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去して粗製品のWX005-3を得た。MS-ESI m/z: 406.1 [M+H]
工程4:化合物WX005の合成
室温において、化合物WX005-3(100.00 mg, 246.60 μmol)およびトリエチルアミン(124.89 mg, 1.23 mmol, 172.02 μL)をテトラヒドロフラン(4.00 mL)に溶解させ、反応混合物を氷水浴で0℃に冷却して10分間撹拌し、その後オルトギ酸トリエチル(87.81 mg, 295.92 μmol)を入れ、反応混合物を0℃で80分間撹拌した。反応終了後、水(10 mL)および酢酸エチル(10 mL)で希釈し、分離し、水相を酢酸エチルで(10 mL×3)抽出した。有機相を合併し、水(10 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX005を得た。MS-ESI m/z: 432.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDOD) δ: 7.92 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.34 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.20-7.15 (m, 1H), 7.14-7.10 (m, 1H), 6.93 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.27-5.86 (m, 1H), 4.88-4.82 (m, 1H), 4.07 (d, J=7.0 Hz, 3H), 3.82 (s, 3H), 2.95 (s, 3H), 2.16-1.80 (m, 1H), 1.39 (t, J=6.9 Hz, 3H), 1.03 (dd, J=1.5, 8.3 Hz, 2H), 0.83-0.65 (m, 2H).
実施例6:WX006
【0136】
【化38】

工程1:化合物WX006-1の合成
室温において、化合物WX004-2(200.00 mg, 421.65 μmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(214.15 mg, 843.30 μmol)、酢酸カリウム(124.14 mg, 1.26 mmol)および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(34.43 mg, 42.17 μmol)をジメチルスルホキシド(5.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応物を90℃に加熱して3時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、水(8 mL)を入れてクエンチングし、酢酸エチル(10 mL × 2)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をシリカゲル板によって分離して(ビヒクル:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、体積比)目的の化合物WX006-1を得た。MS-ESI m/z: 522.2 [M+H]
工程2:化合物WX006-2の合成
室温において、化合物WX006-1(80.00 mg, 153.44 μmol)、o-フルオロベンジルブロミド(58.01 mg, 306.88 μmol)、リン酸カリウム(65.14 mg, 306.87 μmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(177.30 mg, 153.44 μmol)をエチレングリコールジメチルエーテル(2.00 mL)、エタノール(500.00
μL)および水(500.00 μL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を90℃に加熱して2時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、水(8 mL)を入れてクエンチングし、酢酸エチル(10 mL × 2)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をシリカゲル板によって分離して(ビヒクル:石油エーテル/酢酸エチル=2/1、体積比)目的の化合物WX006-2を得た。MS-ESI m/z: 504.2 [M+H]
工程3:化合物WX006-3の合成
室温において、化合物WX006-2(80.00 mg, 158.88 μmol
)、亜鉛粉(83.11 mg, 1.27 mmol)および塩化アンモニウム (84.98 mg, 1.59 mmol)をメタノール(3.00 mL)に溶解させ、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル(8 mL)を入れ、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去して残渣を得た。残留物に水(8 mL)を入れ、酢酸エチルで(10 mL×2)抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、ろ液から減圧で溶媒を除去して粗製品のWX006-3を得た。MS-ESI m/z: 474.2 [M+H]
工程4:化合物WX006の合成
室温において、化合物WX006-3(30.00 mg, 63.35 μmol)
およびトリエチルアミン(19.23 mg, 190.05 μmol, 26.34 μL)をテトラヒドロフラン(2.00 mL)に溶解させ、反応混合物を氷水浴で0℃に冷却し、その後オルトギ酸トリエチル(7.52 mg, 25.34 μmol)を入れ、反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した。反応終了後、水(5 mL)を入れてクエンチングし、酢酸エチル(8 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX006を得た。MS-ESI m/z: 500.2 [M+H]H NMR (400MHz, CDOD) δ: 7.95 (s, 1H), 7.37-7.01 (m, 7H), 6.91 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.12 (dd, J=4.0, 10.5 Hz, 1H), 4.86-4.85 (m, 1H), 4.09-3.98 (m, 5H), 3.79 (s, 3H), 2.91 (s, 3H), 1.35 (t, J=6.9 Hz, 3H).
実施例7:WX007
【0137】
【化39】
室温において、化合物WX004(150.00 mg, 318.92 μmol)および4,4,5,5-テトラメチル-2-(2-メチル-1-プロペニル)-1,3,2-ジオキサボロラン(69.68 mg, 382.70 μmol)をジオキサン(20.00 mL) に溶解させた後、炭酸カリウム(132.23 mg, 956.75 μmol)および水(2.00 mL)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で30分間撹拌し、さらに[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(70.01 mg, 95.68 μmol)を上記反応混合物に入れ、反応混合物を80℃に加熱してさらに16時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、減圧で溶媒を除去し、残留物に水(30 mL)を入れ、酢酸エチル(20 mL
×3)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX007を得た。MS-ESI m/z: 446.2 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.70 (s, 1 H), 7.85 (s, 1 H), 7.39 (s, 1 H), 7.24 (d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.16 (s, 1 H), 6.76 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 6.31 (s, 1 H), 6.11 (s, 1 H), 4.86 (dd, J=14.2, 10.2 Hz, 1 H), 4.05 (dd,
J=7.0, 3.4 Hz, 2 H), .3.81 (d, J=3.2 Hz, 1 H), 3.77 (s, 3 H), 2.81 (s, 3 H), 1.86 (s, 3 H), 1.78 (s, 3 H), 1.37 (t, J=6.8 Hz, 3 H).
実施例8:WX008
【0138】
【化40】
室温において、化合物WX007(100.00 mg, 224.45 μmol)をメタノール(10.00 mL)に溶解させ、水酸化パラジウム(31.52 mg,
224.45 μmol)を入れ、水素ガス(40 psi)の雰囲気において、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応終了後、ろ過で不溶の触媒を除去した後、ろ液をそのまま分取HPLCによって分離して目的の化合物WX008を得た。MS-ESI m/z: 448.2 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 9.83 (s., 1 H), 7.78 (s, 1 H), 7.32
(s, 1 H), 7.17 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.07
(s, 1 H), 6.74 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 6.13
(dd, J=9.0, 4.6 Hz, 1 H), 4.82 (dd, J=14.6, 9.4 Hz, 1 H), 4.09-3.95 (m, 2 H), 3.88 (dd, J=14.4, 4.4 Hz, 1 H), 3.75 (s, 3 H), 2.65 (s, 3 H), 2.40 (d, J=6.8 Hz, 2 H), 1.83-1.70 (m, 1 H), 1.35 (t, J=7.0
Hz, 3 H), 0.84 (d, J=6.4 Hz, 6 H).
実施例9:WX009
【0139】
【化41】

室温において、化合物WX004(1.00 g, 2.13 mmol)、o-フルオロフェニルボロン酸(357.6 mg, 2.56 mmol)および炭酸カリウム(441.58 mg, 3.20 mmol)をジオキサン(10.00 mL)に溶解させ、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(173.94 mg, 213.00 μmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、珪藻土でろ過し、ろ液を減圧で濃縮した。得られた残留物を水(50 mL)および酢酸エチル(50 mL)を入れて希釈し、分液し、水相を酢酸エチルで(30 mL×3)抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX009を得た。MS-ESI m/z:
486.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ:
10.24 (br s, 1H), 8.24 (br s, 1H), 7.73-7.03 (m, 7H), 6.98-6.08 (m, 2H), 4.94 (br s, 1H), 4.36-3.50 (m, 6H), 2.78 (br s, 3H), 1.94 (br s, 1H), 1.42 (br s, 3H).

実施例9における合成方法を参照し、下記表における各実施例を合成した。
【0140】

【表1】
各実施例のLCMSとHNMRのデータ
【0141】

【表2】
実施例21:WX021
【0142】
【化42】

室温において、1H-ピリジン-2-オン(24.26 mg, 255.14 μmol)、化合物WX004(60.00 mg, 127.57 μmol)、N,N-ジメチルエチレンジアミン(4.50 mg, 51.03 μmol)、炭酸カリウム(35.26 mg, 255.154 μmol)およびヨウ化第一銅(4.86
mg, 25.51 μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を120℃に加熱して15時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、ろ過し、ろ液を減圧で濃縮し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX021を得た。MS-ESI m/z: 485.3
[M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 9.54 (br s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.53-7.42 (m, 2H), 7.38 (d, J=6.5 Hz, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.22 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.81 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.75 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.35 (t, J=6.8 Hz, 1H), 6.20 (dd, J=4.6, 9.2 Hz, 1H), 4.91-4.79 (m, 1H), 4.18-4.04 (m, 2H), 3.96-3.86 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 2.82 (s, 3H), 1.44 (t, J=6.9 Hz, 3H).
実施例22:WX022
【0143】
【化43】

工程1:化合物WX022-1の合成
室温において、化合物WX004(100.00 mg, 212.61 μmol)をメタノール(5.00 mL)に溶解させ、順にトリエチルアミン(43.03 mg, 425.22 μmol)および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(155.57 mg, 212.61 μmol)を入れ、一酸化炭素(50 psi)の雰囲気において、反応混合物を60℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、水(10 mL)および酢酸エチル(10 mL)を入れて希釈し、分液し、水相を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(10 mL×2)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX022-1を得た。MS-ESI m/z: 450.1
[M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.95 (br s, 1H), 8.79 (s, 1H), 7.86 (br s, 1H), 7.37 (br s, 1H), 6.84 (d, J=7.5 Hz, 1H), 6.27 (br s, 1H), 4.90 (br s, 1H), 4.11 (br s, 2H), 3.99-3.82 (m, 8H), 2.84 (br s, 3H), 1.46 (t, J=6.5 Hz, 3H).
工程2:化合物WX022-2の合成
室温において、化合物WX022-1(30.00 mg, 66.74 μmol)をメタノール(1.00 mL)およびテトラヒドロフラン(500.00 μL)に溶解させ、その後水酸化リチウム一水和物(5.60 mg, 133.49 μmol)および水(300.00 μL)溶液を入れ、反応混合物を50℃に加熱して3時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、希塩酸(2M, 0.1 mL)を入れ、酢酸エチル(8 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX022-2を得た。MS-ESI m/z: 436.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDOD) δ: 8.75 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.20 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.95 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.22 (dd,
J=3.8, 10.5 Hz, 1H), 4.95 (br s, 1H), 4.14-3.99 (m, 3H), 3.82 (s, 3H), 2.96 (s,
3H), 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3H).
工程3:化合物WX022-3の合成
室温において、化合物WX022-2(40.00 mg, 91.86 μmol)、塩化アンモニウム(19.65 mg, 367.44 μmol)およびテトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(10.48 mg, 27.56 μmol)をジイソプロピルエチルアミン(47.49 mg, 367.44 μmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド(2.00 mL)に溶解させ、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応終了後、水(5 mL)を入れ、酢酸エチル(8 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(5 mL×2)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX022-3を得た。MS-ESI m/z: 435.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDOD) δ: 8.61 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.36 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.23-7.12 (m, 1H), 6.93 (d, J=8.3 Hz,
1H), 6.21 (dd, J=3.8, 10.5 Hz, 1H), 4.94 (br s, 1H), 4.14-3.98 (m, 3H), 3.81 (s, 3H), 2.96 (s, 3H).
工程4:化合物WX022の合成
化合物WX022-3(30.00 mg, 69.05 μmol)およびトリエチルアミン(20.96 mg, 207.15 μmol)をジクロロメタン(1.00
mL)に溶解させ、0℃で、ゆっくりトリフルオロ酢酸無水物(29.00 mg, 138.10 μmol)を滴下し、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応終了後、水(3 mL)を入れ、酢酸エチル(5 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(5 mL×2)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX022を得た。MS-ESI m/z: 417.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDOD) δ: 8.43 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.61 (d, J=1.6 Hz, 1H), 7.33 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.18 (dd, J=2.0, 8.2 Hz, 1H), 6.94 (d, J=8.6 Hz, 1H), 6.21 (dd, J=3.8, 10.8 Hz, 1H), 4.83 (br s, 1H), 4.13-3.99 (m, 3H), 3.82 (s, 3H), 2.98 (s, 3H), 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3H).
実施例23:WX023
【0144】
【化44】
工程1:化合物WX023-1の合成
室温において、ビス(ピナコラト)ジボロン(388.73 mg, 1.53 mmol)、化合物WX004(300.00 mg, 637.84 μmol)および炭酸カリウム(375.58 mg, 3.83 mmol)のジオキサン(5.00 mL)溶液に[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(46.67 mg, 63.78 μmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を100℃に加熱して3時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、反応混合物に水(10 mL)を入れて反応をクエンチングし、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(15 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去し、減圧で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=3/1~1/2、体積比)分離して目的の化合物WX023-1を得た。MS-ESI m/z: 518.1 [M+H]
工程2:化合物WX023-2の合成
室温において、化合物WX023-1(250.00 mg, 483.19 μmol)およびベンゾフェノン(88.05 mg, 483.19 μmol)のエタノール(1.00 mL)溶液に酢酸パラジウム(5.42 mg, 24.16 μmol)を入れ、一酸化炭素(15 psi)の雰囲気において、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に水(10 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(15 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去し、減圧で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=3/1~1/2、体積比)分離して目的の化合物WX023-2を得た。MS-ESI m/z: 464.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 9.60 (s, 1H), 8.79 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.86 (d,
J=1.8 Hz, 1H), 7.34 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.23 (dd, J=1.9, 8.4 Hz, 1H), 6.83 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.23 (dd, J=4.5, 10.0 Hz, 1H), 4.90 (dd, J=10.2, 14.7 Hz, 1H), 4.4
0 (q, J=7.0 Hz, 2H), 4.09 (dquin, J=2.5,
7.0 Hz, 2H), 3.96-3.78 (m, 4H), 2.80 (s, 3H), 1.49-1.35 (m, 6H).
工程3:化合物WX023の合成
室温において、化合物WX023-2(60.00 mg, 129.45 μmol)のテトラヒドロフラン(4.00 mL)溶液に、LiBH(3.38 mg, 155.34 μmol)を入れ、反応混合物を50℃に加熱して2時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、反応混合物に水(8 mL)を入れて反応をクエンチングし、酢酸エチル(10 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去し、減圧で濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して目的の化合物WX023を得た。MS-ESI m/z: 422.1 [M+H]
NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 8.06 (s, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.36 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.19 (dd, J=2.0, 8.2 Hz, 1H), 6.95 (d, J=8.6 Hz, 1H), 6.19 (dd, J=3.6, 10.8 Hz, 1H), 4.87 (d, J=11.0 Hz, 1H), 4.67 (s, 2H), 4.13-4.01 (m, 3H), 3.82 (s, 3H), 2.97 (s, 3H), 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3H).
実施例24:WX024
【0145】
【化45】

室温において、化合物WX023-1(50.00 mg, 96.64 μmol)、o-フルオロベンジルブロミド(36.53 mg, 193.28 μmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(11.17 mg, 9.66 μmol)およびリン酸カリウム(41.03 mg, 193.28 μmol)をジメチルエーテル(2.00 mL)、エタノール(500.00 μL)および水(500.00 μL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を90℃に加熱して3時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、減圧で濃縮し、残留物に水(5 mL)を入れ、酢酸エチル(5 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去し、減圧で濃縮し、残留物をHPLCによって分離して目的の化合物WX024を得た。MS-ESI m/z: 608.2 [M+H]H NMR
(400MHz, CDCl) δ: 7.86 (s, 1H), 7.29 (
s, 1H), 7.19-7.12 (m, 4H), 7.05-6.87 (m,
6H), 6.74 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.18 (dd, J=4.5, 10.0 Hz, 1H), 4.97 (s, 2H), 4.79 (dd, J=10.0, 14.6 Hz, 1H), 4.05-3.94 (m,
2H), 3.88-3.74 (m, 6H), 2.69 (s, 3H), 1.36 (t, J=7.0 Hz, 3H).
実施例25:WX025
【0146】
【化46】

室温において、3-ブロモピリジン(15.27 mg, 96.64 μmol)、化合物WX023-1(50.00 mg, 96.64 μmol)および炭酸カリウム(40.07 mg, 289.92 μmol)のジオキサン(3.00 mL)および水(1.00 mL)溶液に[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(3.95 mg, 4.83 μmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を70~80℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、反応混合物に水(3 mL)および酢酸エチル(3 mL)を入れ、ろ過し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去し、減圧で濃縮した。残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX025を得た。MS-ESI m/z: 469.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 9.18 (br s, 1H), 8.78 (br s, 1H), 8.40 (d, J=6.8 Hz, 1H), 8.31 (br s, 1H), 7.87 (br s, 1H), 7.62 (br s, 1H), 7.33 (br s, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.25 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.84 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.29 (d, J=10.5 Hz, 1H), 5.05 (t, J=12.4 Hz, 1H), 4.11 (d, J=7.0 Hz, 2H), 3.85 (s,
4H), 2.93 (s, 3H), 1.46 (t, J=6.8 Hz, 3H).
実施例25における合成方法を参照し、下記表における各実施例を合成した。
【0147】

【表3】
各実施例のLCMSとHNMRのデータ
【0148】

【表4】
実施例41:WX041
【0149】
【化47】

工程1:化合物WX041-1の合成
0℃において、化合物WX023-1(50.00 mg, 96.64 μmol)のジクロロメタン(1.00 mL)溶液にH(21.91 mg, 193.28 μmol, 30%)および炭酸カリウム(26.71 mg, 193.28 μmol)を入れ、反応混合物を室温に昇温させて10時間撹拌した。反応終了後、減圧で濃縮してジクロロメタンを除去し、水 (5 mL) を入れて希釈し、飽和クエン酸水溶液で溶液のpH値を3~4に調整し、ジクロロメタン/メタノール=4/1(5 mL×5)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去し、減圧で濃縮した。残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX041-1を得た。H NMR (400MHz, CDOD) δ: 7.65 (d, J=2.3 Hz, 1H), 7.34 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.23-7.11 (m, 1H), 6.98-6.85 (m, 2H), 6.09 (dd, J=3.9, 10.4 Hz, 1H), 4.86-4.79 (m, 1H), 4.14-3.95 (m, 3H), 3.82 (s, 3H), 2.91 (s, 3H), 1.39 (t, J=7.0 Hz, 3H).
工程2:化合物WX041の合成
室温において、化合物WX041-1(30.00 mg, 73.63 μmol)、ヨードメタン(104.51 mg, 736.30 μmol)および炭酸カリウム(10.18 mg, 73.63 μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチル(10 mL)および水 (5 mL)を入れ、分液し、有機相を飽和食塩水(5 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去し、減圧で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLCによって精製して
目的の化合物WX041を得た。MS-ESI m/z: 436.1 [M+H]
H NMR (400MHz, CDCl) δ: 7.76 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.23 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.84-6.78 (m, 2H), 6.15 (dd, J=5.0, 9.5 Hz, 1H), 4.85 (dd, J=10.0, 14.6
Hz, 1H), 4.10 (dd, J=3.5, 7.0 Hz, 2H), 3.94-3.80 (m, 7H), 3.37 (s, 3H), 2.74 (s, 3H), 1.45 (t, J=7.0 Hz, 3H).
実施例42:WX042
【0150】
【化48】
室温において、化合物WX041-1(100.00 mg)および2-クロロピリミジン(28.11 mg, 245.43 μmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(3.00 mL)溶液に炭酸カリウム(67.84 mg, 490.86 μmol)を入れ、反応混合物を50℃に加熱して10時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、ろ過で減圧で溶媒を除去して残留物を得た。残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX042を得た。MS-ESI m/z: 486.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDOD) δ: 8.61 (d, J=4.8
Hz, 1H), 7.97 (d, J=2.3 Hz, 1H), 7.37 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.30 (d, J=2.3 Hz, 1H), 7.27-7.18 (m, 2H), 6.96 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.19 (dd, J=4.0, 10.5 Hz, 1H), 4.95
(br s, 1H), 4.15-4.01 (m, 3H), 3.83 (s,
3H), 2.96 (s, 3H), 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3H).
実施例43:WX043
【0151】
【化49】
室温において、化合物WX041-1(90.00 mg, 220.89 μmol)、1-フルオロ-2-トリフルオロメチルベンゼン(54.37 mg, 331.34 μmol)および炭酸カリウム(91.59 mg, 662.67 μmol)をメチルピロリドン(2.00 mL)に溶解させ、反応混合物をマイクロ波照射で160℃にして50分間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、反応混合物に水(8 mL)を入れ、酢酸エチル(10 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去し、減圧で濃縮した。残留物を分取HPLCによって分離して化合物WX043を得た。MS-ESI m/z: 552.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDOD) δ: 7.87 (d, J=2.3
Hz, 1H), 7.74 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.63-7.51 (m, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.30-7.17 (m,
2H), 7.13 (d, J=2.3 Hz, 1H), 6.97 (dd, J=8.5, 13.8 Hz, 2H), 6.18 (dd, J=3.8, 10.5 Hz, 1H), 4.83-4.81 (m, 1H), 4.12-3.99
(m, 3H), 3.83 (s, 3H), 2.97 (s, 3H), 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3H).
実施例44:WX044
【0152】
【化50】
室温において、化合物WX004(50.00 mg, 106.31 μmol)お
よびフェニルボロン酸(19.44 mg, 159.47 μmol)のジクロロメタン(2.00 mL)溶液に酢酸銅(19.31 mg, 106.31 μmol)および2-(2-ピリジル)ピリジン(16.60 mg, 106.31 μmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧で濃縮し、残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX044を得た。MS-ESI m/z: 546.0 [M+H], 548.0
[M+H+2]H NMR (400MHz, CDOD) δ: 8.23 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.65-7.58 (m, 2H), 7.56-7.46 (m, 4H), 7.40 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.24 (dd, J=2.1, 8.4 Hz, 1H), 6.97 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.27 (dd, J=4.0, 10.8 Hz, 1H), 4.17-4.02 (m, 3H), 3.84 (s, 3H),
3.27-3.22 (m, 1H), 3.00 (s, 3H), 1.41 (t, J=6.9 Hz, 3H).
実施例45:WX045
【0153】
【化51】
室温において、化合物WX004(50.00 mg, 106.31 μmol)およびシクロプロピルボロン酸(9.13 mg, 106.31 μmol)のジクロロメタン(2.00 mL)溶液に酢酸銅(19.31 mg, 106.31 μmol)および2-(2-ピリジル)ピリジン(16.60 mg, 106.31 μmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で10時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧で濃縮し、残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX045を得た。MS-ESI m/z: 510.0 [M+H], 512.0 [M+H+2]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.12 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.34 (s, 1H),
7.24 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.84 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.14 (dd, J=4.6, 9.9 Hz, 1H), 4.79 (dd, J=10.0, 14.3 Hz, 1H), 4.19-4.05
(m, 2H), 3.93-3.83 (m, 4H), 2.88 (d, J=3.3 Hz, 1H), 2.80 (s, 3H), 2.20 (s, 1H),
1.48 (t, J=6.9 Hz, 3H), 1.13 (d, J=6.8 Hz, 2H), 0.99 (br s, 2H).
実施例46:WX046
【0154】
【化52】
室温において、シクロプロピルボロン酸(13.27 mg, 154.47 μmol)および化合物WX009(50.00 mg, 102.98 μmol)のジクロロメタン(2.00 mL)溶液に酢酸銅(18.70 mg, 102.98 μmol)および2-(2-ピリジル)ピリジン(16.08 mg, 102.98 μmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を20~40℃で85時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、反応混合物を水(10 mL)でクエンチングし、ジクロロメタン(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(10 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去し、減圧で溶媒を除去した。残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX046を得た。MS-ESI m/z: 526.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.19 (s, 1H), 7.52 (t, J=1.8 Hz, 1H),
7.46-7.32 (m, 3H), 7.29-7.26 (m, 1H), 7.26-7.15 (m, 2H), 6.83 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.19 (dd, J=5.0, 9.8 Hz, 1H), 4.83 (dd, J=9.5, 14.6 Hz, 1H), 4.17-4.07 (m, 2H), 3.95 (dd, J=5.0, 14.8 Hz, 1H), 3.84 (s, 3H), 2.94-2.86 (m, 1H), 2.77 (s, 3H), 1.45 (t, J=7.0 Hz, 3H), 1.14-0.97 (m, 4H).
実施例47:WX047
【0155】
【化53】
室温において、化合物WX001(300.00 mg, 704.41 μmol)、4-メチルベンゼンスルホン酸 2,2-ジフルオロエチル(498.72 mg, 2.11 mmol)および炭酸カリウム(292.07 mg, 2.11 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を30℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチル(100 mL)および水 (30 mL)を入れ、有機相を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸で乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去し、減圧で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=5/1~1/1、体積比)精製して目的の化合物WX047を得た。MS (ESI) m/z 490.0 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.06 (d
, J=2.0 Hz, 1H), 7.31-7.20 (m, 3H) 6.84
(d, J=8.4Hz, 1H), 6.19-6.15 (m, 2H),4.82 (m, 1H),4.20-4.09 (m, 4H), 3.86-3.81 (m, 4H), 2.80 (s, 3H), 1.46 (t, J=6.8 Hz,
3H).
実施例47における合成方法を参照し、下記表における各実施例を合成した。
【0156】

【表5】
各実施例のLCMSとHNMRのデータ
【0157】
【表6】
実施例63:WX063
【0158】
【化54】

工程1:化合物WX063-2の合成
室温において、化合物WX063-1(500.00 mg, 1.99 mmol)、化合物WX001-2(489.15 mg, 1.79 mmol)およびジイソプロピルアミン(513.94 mg, 3.98 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を120℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、反応混合物に水(50 mL)を入れ、酢酸エチル(50 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去し、減圧で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~1/1、体積比)、目的の化合物WX063-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.34 (s, 1H), 7.33 (d, J=6.8 Hz, 1H), 6.99-6.94 (m, 1H), 6.92
(d, J=2.0 Hz, 1H), 6.90-6.86 (m, 1H), 5.78 (q, J=6.7 Hz, 1H), 4.15-4.06 (m, 2H), 3.86 (s, 3H), 3.75 (dd, J=6.5, 14.6 Hz, 1H), 3.46 (dd, J=6.4, 14.7 Hz, 1H), 2.59 (s, 3H), 2.52 (s, 3H), 1.47 (t, J=7.0
Hz, 3H).
工程2:化合物WX063-3の合成
室温において、化合物WX063-2(200.00 mg, 409.54 μmol)、o-フルオロフェニルボロン酸(85.95 mg, 614.31 μmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(33.44 mg, 40.95 μmol)および炭酸カリウム(113.21 mg, 819.08 μmol)をジオキサン(3.00 mL)および水(1.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、反応混合物に水(30 mL)を入れ、酢酸エチル(30 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(30 mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去し、減圧で濃縮して粗製品のWX063-3を得た。
【0159】
工程3:化合物WX063-4の合成
室温において、化合物WX063-3(220.00 mg, 436.91 μmol)、亜鉛粉(285.69 mg, 4.37 mmol)および塩化アンモニウム (233.70 mg, 4.37 mmol)をメタノール(5.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧で濃縮して残留物を得た。残留物にジクロロメタン(30 mL)に入れて室温で0.5時間撹拌した。懸濁液をろ過し、ろ液を減圧で濃縮して化合物WX063-4を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 7.51-7.29 (m, 3H), 7.24-6.94 (m, 7H), 6.82 (d, J=7.8 Hz, 1H), 4.10 (dd, J=6.8, 11.5 Hz, 2H), 3.99-3.89 (m, 1H), 3.86-3.78 (m,
4H), 3.55 (d, J=11.5 Hz, 1H), 2.87 (br s, 3H), 2.02 (s, 3H), 1.44-1.40 (m, 3H).
工程4:化合物WX063の合成
室温において、化合物WX063-4(200.00 mg, 422.33 μmol)、トリエチルアミン(213.68 mg, 2.11 mmol)およびトリホスゲン(50.13 mg, 168.93 μmol)をテトラヒドロフラン(10.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を0~5℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を室温に昇温させて水(50 mL)を入れて反応をクエンチング
し、酢酸エチル(50 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL×3)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で濃縮し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX063を得た。MS-ESI m/z: 500.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 10.12 (br s, 1H), 7.87 (br s, 1H), 7.32 (br s, 1H), 7.15 (br s, 4H), 7.10-7.01 (m, 1H), 6.71 (d, J=7.8 Hz, 1H), 6.13 (d, J=5.0 Hz, 1H), 4.92-4.75
(m, 1H), 3.98 (d, J=4.5 Hz, 2H), 3.82 (d, J=11.5 Hz, 1H), 3.72 (br s, 3H), 2.70
(br s, 3H), 2.11 (br s, 3H), 1.39-1.25 (m, 3H).
実施例64:WX064
【0160】
【化55】
工程1:化合物WX064-1の合成
室温において、化合物WX063-2(1.00 g, 2.05 mmol)、フェニルボロン酸(374.93 mg, 3.08 mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(167.41 mg, 205.00 μmol)および炭酸カリウム(849.99 mg, 6.15 mmol)をジオキサン(40.00 mL)および水(10.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80~90℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、そして酢酸エチル(100 mL)および水(100 mL)を入れて希釈し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をクロマトグラフィーカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=5/1~1/2、体積比)目的の化合物WX064-1を得た。MS-ESI m/z: 486.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.16 (s, 1H), 7.48-7.35 (m, 3H), 7.29-7.21 (m, 3H), 7.05-6.96 (m, 2H), 6.90 (d, J=8.3 Hz, 1H), 5.9
0 (q, J=6.5 Hz, 1H), 4.13 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.91-3.79 (m, 4H), 3.50 (dd, J=6.5,
14.8 Hz, 1H), 2.63 (s, 3H), 2.34 (s, 3H), 1.48 (t, J=7.0 Hz, 3H).
工程2:化合物WX064-2の合成
室温において、化合物WX064-1(800.00 mg, 1.65 mmol)をメタノール(50.00 mL)に溶解させた後、亜鉛粉(1.08 g, 16.50 mmol)および塩化アンモニウム(1.08 g, 16.50 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を0~5℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を珪藻土でろ過した。ろ液から減圧で溶媒を除去し、残渣にジクロロメタン(100 mL)および水(100 mL)を入れ、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で溶媒を除去して粗製品のWX064-2を得た。MS-ESI m/z: 456.1 [M+H]
工程3:化合物WX064の合成
室温において、化合物WX064-2(700.00 mg, 1.54 mmol)、トリホスゲン(274.20 mg, 924.00 μmol)およびトリエチルアミン(935.00 mg, 9.24 mmol, 1.28 mL)をテトラヒドロフラン(30.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を0~5℃で2時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル(100 mL)および水 (20 mL)を入れて希釈し、有機相を分離し、飽和食塩水(30 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をクロマトグラフィーカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/2、体積比)目的の化合物WX064を得た。MS-ESI m/z: 482.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 10.16 (br s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.43 - 7.29
(m, 3H), 7.28 - 7.13 (m, 4H), 6.74 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.15 (dd, J = 4.4, 9.7 Hz, 1H), 4.89 (dd, J = 9.8, 14.6 Hz, 1H), 4.10 - 3.96 (m, 2H), 3.86 (dd, J = 4.4, 14.7 Hz, 1H), 3.75 (s, 3H), 2.70 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 1.35 (t, J = 6.9 Hz, 3H).
実施例65:WX065
【0161】
【化56】
工程1:化合物WX065-2の合成
室温において、化合物WX065-1(2.00 g, 10.36 mmol)、o-フルオロフェニルボロン酸(1.45 g, 10.36 mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(846.30 mg, 1.04 mmol)および炭酸カリウム(2.15 g, 15.54 mmol)をジオキサン(20.00 mL)および水(7.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を60℃に加熱して4時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、飽和食塩水(25 mL)を入れて反応をクエンチングし、そして水
(25 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、水(30 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10~10/1、体積比)目的の化合物WX065-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.58 (d, J=5.0 Hz, 1H), 7.54-7.45 (m, 1H),
7.41 (d, J=4.8 Hz, 1H), 7.34-7.17 (m, 3H).
工程2:化合物WX065-3の合成
室温において、化合物WX065-2(997.38 mg, 3.95 mmol)および化合物WX001-2(900.00 mg, 3.29 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(20.00 mL)溶液に溶解させた後、ジイソプロピルエチルアミン(851.04 mg, 6.58 mmol, 1.15 mL)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して3時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、飽和食塩水(20 mL)を入れてクエンチングし、そして水 (60 mL) を入れて希釈し、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、水(100
mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムによって分離して(溶離
剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~2/1、体積比)目的の化合物WX065-3を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.40 (d, J=4.8 Hz, 1H), 7.86 (d, J=7.0 Hz, 1H), 7.49-7.39 (m, 1H), 7.38-7.30 (m, 1H), 7.19-7.10 (m, 1H), 7.09-6.98 (m, 2H), 6.94 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.68 (d, J=4.8 Hz, 1H), 5.92 (q, J=6.8 Hz, 1H), 4.16 (q, J=7.0
Hz, 2H), 4.01-3.85 (m, 4H), 3.53 (dd, J=7.0, 14.6 Hz, 1H), 2.62 (s, 3H), 1.50 (t, J=7.0 Hz, 3H).
工程3:化合物WX065-4の合成
室温において、化合物WX065-3(350.00 mg, 714.99 μmol) および塩化アンモニウム(573.67 mg, 10.72 mmol, 374.95 μL) をメタノール(10.00 mL)に溶解させた後、5回に分けて亜鉛粉(467.53 mg, 7.15 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を珪藻土でろ過した。ろ液から減圧で溶媒を除去し、残渣にジクロロメタン(20 mL)を入れ、5分間撹拌し、さらにろ過した。ろ液から減圧で溶媒を除去して粗製品のWX065-4を得た。
【0162】
工程4:化合物WX065の合成
室温において、化合物WX065-4(300.00 mg, 652.84 μmol)およびトリエチルアミン(264.24 mg, 2.61 mmol, 361.97 μL)をテトラヒドロフラン(30.00 mL)に溶解させ、0℃に冷却し、さらにトリホスゲン(67.81 mg, 228.49 μmol)を入れ、反応混合物を室温に上げて5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をろ過して不溶物を除去し、ろ液を減圧で濃縮し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX065を得た。MS-ESI m/z: 486.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.16 (d, J=5.3 Hz, 1H), 7.61-7.47 (m, 2H), 7.44 (s, 1H), 7.40-7.28 (m, 3H), 7.16 (d, J=5.0 Hz, 1H), 6.82 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.39 (d, J=4.8 Hz,
1H), 4.92-4.79 (m, 1H), 4.09 (q, J=6.8 Hz, 2H), 3.90 (d, J=11.8 Hz, 1H), 3.84 (s, 3H), 2.85 (s, 3H), 1.44 (t, J=6.9 Hz,
3H).
実施例66:WX066
【0163】
【化57】

工程1:化合物WX066-1の合成
室温において、化合物WX065-1(1.00 g, 5.18 mmol)、フェニルボロン酸(758.15 mg, 6.22 mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(189.51 mg, 259.00 μmol)および炭酸カリウム(2.15 g, 15.54 mmol)をジオキサン(18.00 mL)および水(6.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して2時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、そして水(20 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(30 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=40/1~20/1、体積比)目的の化合物WX066-1を得た。H NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 8.75 (d, J=5.0 Hz, 1H), 7.80 (d, J=5.0 Hz, 1H), 7.58-7.55 (m, 3H),
7.50-7.39 (m, 2H).
工程2:化合物WX066-2の合成
室温において、化合物WX066-1(300.00 mg, 1.28 mmol)をアセトニトリル(20.00 mL)に溶解させた後、化合物WX001-2(291.57 mg, 1.07 mmol)および炭酸カリウム(442.27 mg, 3.20 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を90℃で72時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、そして水(20 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(20 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取クロマトグラフィー板によって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、体積比)目的の化合物WX066-2を得た。H NMR (400M
Hz, CDCl) δ: 8.30 (d, J=5.0 Hz, 1 H), 7.46-7.40 (m, 3 H), 7.37 (d, J=6.8 Hz, 1 H), 7.31-7.27 (m, 2 H), 7.05-6.97 (m, 2 H), 6.92-6.87 (m, 1 H), 6.67 (d, J=4.8 Hz, 1 H), 5.88 (d, J=6.8 Hz, 1 H), 4.14-4.11 (m, 2 H), 3.90-3.82 (m, 4 H), 3.50 (dd, J=14.6, 6.8 Hz, 1 H), 2.61 (s, 3 H),
1.51-1.45 (m, 3 H).
工程3:化合物WX066-3の合成
室温において、化合物WX066-2(110.00 mg, 233.28 μmol)および塩化アンモニウム(124.78 mg, 2.33 mmol, 81.56 μL)をメタノール(10.00 mL)に溶解させた後、亜鉛粉(152.54 mg, 2.33 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で0.1時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を珪藻土でろ過し、ケーキをジクロロメタン(20
mL×2)で洗浄した。合併したろ液から減圧で溶媒を除去し、残渣にジクロロメタン(20 mL)を入れ、5分間撹拌し、さらにろ過した。ろ液から減圧で溶媒を除去してWX066-3を得た。MS-ESI m/z: 442.1 [M+H]
工程4:化合物WX066の合成
室温において、化合物WX066-3(100.00 mg, 226.48 μmol) およびトリエチルアミン(114.59 mg, 1.13 mmol, 156.97 μL)をテトラヒドロフラン(25.00 mL)に溶解させ、反応混合物を0℃に冷却し、さらにトリホスゲン(26.88 mg, 90.59 μmol)を入れ、反応混合物を0℃で5時間撹拌した。反応終了後、水(10 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(10 mL×2)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、ろ液を減圧で濃縮し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX066を得た。MS-ESI m/z: 468.1 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 10.13 (s, 1 H), 8.15 (s,
1 H), 7.68-7.42 (m, 6 H), 7.30 (s, 1 H), 7.20 (s, 1 H), 6.80 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 6.49 (s, 1 H), 4.91 (s, 1 H), 4.18-3.98 (m, 2 H), 3.93-3.70 (m, 4 H), 2.92 (s,
3 H), 1.41 (t, J=6.3 Hz, 3 H).
実施例67:WX067
【0164】
【化58】
工程1:化合物WX067-1の合成
室温において、化合物WX065-1(5.00 g, 25.91 mmol)、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール(5.39 g, 25.91 mmol)、炭酸カリウム(10.74 g, 77.73 mmol)および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(4.23 g, 5.18 mmol)をジオキサン(50.00 mL)および水(10.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃~90℃に加熱して3時間撹拌した。反応終了後、反応液を室温に冷却し、減圧で溶媒を除去し、残渣に酢酸エチル(100.00 mL)を入れて希釈し、珪藻土でろ過し、ろ液に水(30 mL)を入れ、10分間撹拌し、分離した有機相を飽和食塩水(30 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をクロマトグラフィーシリカゲルカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=5/1~1/1、体積比)目的の化合物WX067-1を得た。MS-ESI m/z: 239.0 [M+H]
工程2:化合物WX067-2の合成
室温において、化合物WX067-1(2.00 g, 8.38 mmol)、化合物WX001-2(2.29 g, 8.38 mmol)および炭酸カリウム(3.47 g, 25.14 mmol)をアセトニトリル(50.00 mL)溶液に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を90℃~100℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、酢酸エチル(200 mL)および水(30 mL)を入れ、分離した有機相を飽和食塩水(30 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をクロマトグラフィーシリカゲルカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=3/1~1/2、体積比)目的の化合物WX067-2を得た。MS-ESI m/z: 476.1 [M+H]
工程3:化合物WX067-3の合成
室温において、化合物WX067-2(500.00 mg, 1.05 mmol)、亜鉛粉(686.60 mg, 10.50 mmol)および塩化アンモニウム (561.65 mg, 10.50 mmol)をメタノール(20.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で15時間撹拌した。反応終了後、反応液を珪藻土でろ過した。ろ液から減圧で溶媒を除去し、残渣にジクロロメタン(30 mL)を入れ、20分間撹拌し、さらにろ過した。ろ液から減圧で溶媒を除去して粗製品のWX067-3を得た。MS-ESI m/z: 446.1[M+H]
工程4:化合物WX067の合成
室温において、化合物WX067-3(200.00 mg, 448.90 μmol)、トリホスゲン(79.93 mg, 269.34 μmol)およびトリエチルアミン(136.27 mg, 1.35 mmol, 186.68 μL)をテトラヒドロフラン(20.00 mL)に溶解させ、反応混合物を0~5℃に冷却して5時間撹拌した。反応終了後、反応液を氷水(20.00 mL)に注ぎ、酢酸エチル(50.00 mL)を入れ、分離した有機相を飽和食塩水(20.00 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX067を得た。MS-ESI
m/z: 472.1[M+H]H NMR (400MHz, CDCl): δ: 11.18 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.95 (d, J=5.6 Hz, 1H), 7.28-7.25 (m, 2H), 7.02 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.92
(d, J=8.8 Hz, 1H), 6.07 (dd, J=3.6, 9.6
Hz, 1H), 4.73-4.69 (m, 1H), 4.18-4.14 (m, 1H), 4.03-3.97 (m, 2H), 3.90 (s, 3H),
3.72 (s, 3H), 2.98 (s, 3H), 1.32 (t, J=7.2 Hz, 3H).
実施例68:WX068
【0165】
【化59】

工程1:化合物WX068-2の合成
室温において、化合物WX068-1(5.00 g, 26.45 mmol, 3.18 mL)、ビス(ピナコラト)ジボロン(10.08 g, 39.67 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(3.06 g, 2.64 mmol)および炭酸カリウム(10.97 g, 79.35 mmol)をジオキサン(100.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80~90℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、そして酢酸エチル(500 mL)および水(200 mL)を入れて希釈し、有機相を分離した。有機相を飽和食塩水(100 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた粗製品をカラムクロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=100/1~10/1、体積比)目的の化合物WX068-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 7.28-6.93 (m, 4H), 2.26 (s, 2H), 1.25 (s, 12H).
工程2:化合物WX068-3の合成
室温において、化合物WX065-1(35.00 g, 181.36 mmol)および酢酸ナトリウム(44.63 g, 544.08 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(600.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を120℃に加熱して3時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、減圧で溶媒を蒸発させ、残留物に酢酸エチル(500 mL)および水(200 mL)を入れ、有機相を分離した。水相を酢酸エチル(200 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過で乾燥剤を除去した後、溶液を減圧で乾燥まで蒸発させて粗製品を得た。さらに粗製品を石油エーテル(50 mL)および酢酸エチル(10 mL)の反応混合物に入れて30分間混合し、ろ過し、ケーキを収集して30分間真空乾燥し、目的の化合物WX068-3を得た。H NMR
(400MHz, DMSO_d) δ: 8.19 (d, J=6.0 Hz,
1H), 7.03 (d, J=6.0 Hz, 1H).
工程3:化合物WX068-4の合成
室温において、化合物WX068-3(10.00 g, 57.29 mmol)および臭化ホスホリル(49.28 g, 171.87 mmol)をアセトニトリル(600.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を90~100℃に加熱して5時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、減圧で溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチル(500 mL)で希釈し、0~5℃で飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpH=7~8になるように調整した。有機層を分離し、そして飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をクロマトグラフィーカラムによって分離して(ビヒクル:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~3/1、体積比)目的の化合物WX068-4を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.33 (d, J=5.6 Hz, 1H), 7.64 (d, J=5.6 Hz, 1H).
工程4:化合物WX068-5の合成
室温において、化合物WX068-4(3.50 g, 12.42 mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(1.38 g, 1.69 mmol)および炭酸カリウム(4.68 g,
33.89 mmol)をジオキサン(100.00 mL)および水(30.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、反応混合物を珪藻土でろ過し、ろ液に酢酸エチル(500
mL)および水(100 mL)を入れて希釈し、有機相を分離した。有機相を飽和食塩水(100 mL×2)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた粗製品を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX068-5を得た。MS-ESI m/z: 310.8 [M+H]
, 312.8 [M+H+2]H NMR (400MHz, CDCl
δ: 8.28 (d, J=5.0 Hz, 1H), 7.28-7.17 (m, 1H), 7.11-6.97 (m, 4H), 3.92 (s, 2H).
工程5:化合物WX068-6の合成
室温において、化合物WX068-5のトリフルオロ酢酸塩(800.00 mg, 1.88 mmol)、化合物WX001-2(771.58 mg, 2.82 mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(729.60 mg, 5.65 mmol, 985.95 μL)をN,N-ジメチルホルムアミド(30.00 mL)溶液に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を120~130℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、酢酸エチル(200 mL)および水(100 mL)を入れ、分離した有機相を飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/2、体積比)目的の化合物WX068-6を得た。MS-ESI m/z: 504.1 [M+H]
工程6:化合物WX068-7の合成
室温において、化合物WX068-6(300.00 mg, 595.78 μmol)、亜鉛粉(389.58 mg, 5.96 mmol)および塩化アンモニウム (318.68 mg, 5.96 mmol, 208.29 μL)をメタノール(30.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を0~5℃に冷却して1時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を珪藻土でろ過し、ケーキをジクロロメタン(20 mL×2)で洗浄した。合併したろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物にジクロロメタン(50 mL)および水(20 mL)を入れ、分離した有機相を飽和食塩水(20 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去し、減圧で溶媒を除去して目的の化合物WX068-7を得た。MS-ESI m/z:474.2 [M+H]
工程7:化合物WX068の合成
室温において、化合物WX068-7(200.00 mg, 422.33 μmol)、トリホスゲン(75.20 mg, 253.40 μmol)およびトリエチルアミン(256.41 mg, 2.53 mmol, 351.25 μL)をテトラヒドロフラン(30.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を0~5℃に冷却して2時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル(100 mL)および水(20
mL)を入れて希釈し、分離した有機相を飽和食塩水(20 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、ろ液を減圧で濃縮し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX068を得た。MS-ESI m/z: 500.0 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 10.32 (br s, 1H), 8.16 (d, J=5.2 Hz, 1H), 7.52(d, J=1.6 Hz, 1H), 7.43-7.38 (m, 3H), 7.27-7.25 (m, 2H), 7.03 (d, J=5.2 Hz, 1H), 6.94 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.37
(br dd, J=4.8, 9.0 Hz, 1H), 5.01 (br dd, J=9.4, 14.7 Hz, 1H), 4.24-4.19(m, 4H),
4.13-4.09 (m, 1H), 3.98 (s, 3H), 2.87(s, 3H), 1.56 (t, J= 6.8Hz, 3H).
実施例69:WX069
【0166】
【化60】
工程1:化合物WX069-2の合成
室温において、化合物WX069-1(7.00 g, 27.95 mmol)をジメチルスルホキシド溶液(50.00 mL)に溶解させた後、フッ化セシウム(8.00 g, 52.67 mmol)を入れ、反応混合物を55℃に加熱して14時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、飽和食塩水(10 mL)で反応をクエンチングし、水 (50 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。合併した有機相を水(50 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、ろ液を減圧で濃縮し、得られた残留物を分取フラッシュシリカゲルカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=100/1~100/15、体積比)目的の化合物WX069-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.64-8.31 (m, 2H), 3.98 (s, 3H).
工程2:化合物WX069-4の合成
室温において、化合物WX069-2(2.70 g, 3.46 mmol)および化合物WX069-3(946.13 mg, 3.46 mmol)をアセトニトリル(20.00 mL)溶液に溶解させた後、炭酸カリウム(559.70 mg, 4.05 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して5時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、水(20 mL)を入れてクエンチングし、そして水
(40 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。合併した有機相を飽和食塩水(20 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=100/0~100/70、体積比)目的の化合物WX069-4を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.57 (d, J=7.5 Hz, 1H), 8.32 (d, J=2.5 Hz, 1H), 8.24 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7
.06-6.95 (m, 2H), 6.89 (d, J=8.3 Hz, 1H), 5.82 (q, J=6.6 Hz, 1H), 4.13 (q, J=7.0
Hz, 2H), 3.89 (d, J=13.1 Hz, 6H), 3.81 (dd, J=6.5, 14.8 Hz, 1H), 3.47 (dd, J=6.4, 14.7 Hz, 1H), 2.64 (s, 3H), 1.48 (t, J=6.9 Hz, 3H).
工程3:化合物WX069-5の合成
室温において、化合物WX069-4(700.00 mg, 1.44 mmol)をテトラヒドロフラン(10.00 mL)溶液に溶解させた後、0℃で水素化ホウ素リチウム(94.09 mg, 4.32 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した後、30℃に昇温させてさらに2.5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で気泡が出なくなるまでクエンチングした。その後水(40 mL)を入れて希釈し、ジクロロメタンで抽出した(20 mL×3)。合併した有機相を水(50 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1~1/3、体積比)目的の化合物WX069-5を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.01 (br s, 1H), 7.34 (br s, 1H), 6.96 (br s, 2H), 6.82 (d, J=6.5 Hz, 1H), 6.26 (d, J=5.8 Hz, 1H), 5.72 (d, J=4.0 Hz, 1H), 4.55 (q, J=11.1 Hz, 2H), 4.07 (d, J=5.8 Hz, 2H), 3.94-3.60 (m, 4H),
3.44 (d, J=11.0 Hz, 1H), 2.63 (br s, 3H), 2.02 (br s, 1H), 1.42 (br s, 3H).
工程4:化合物WX069-6の合成
室温において、化合物WX069-5(491.50 mg, 1.07 mmol)およびトリエチルアミン(108.27 mg, 1.07 mmol)をジクロロメタン(5.00 mL)溶液に溶解させた後、0℃に冷却してMsCl(122.57 mg, 1.07 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に上げて2時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を飽和食塩水(20 mL)でクエンチングした。その後水(20 mL)を入れて希釈し、酢酸エチルで抽出した(20 mL×3)。合併した有機相を水(70 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~1/1、体積比)粗製品のWX069-6を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.13 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.52 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.05-6.94 (m, 2H), 6.89 (d, J=7.8 Hz, 1H), 5.92-5.74 (m, 2H), 4.63-4.43 (m, 2H), 4.18-4.03 (m, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.79 (dd, J=5.9, 14.7 Hz, 1H), 3.53
(dd, J=5.1, 14.7 Hz, 1H), 2.58 (s, 3H),
1.45 (t, J=7.0 Hz, 3H).
工程5:化合物WX069-7の合成
室温において、化合物WX069-6(175 mg, 粗製品)をN,N-ジメチルホルムアミド(3.00 mL)溶液に溶解させた後、順にシアン化ナトリウム(17.95 mg, 366.26 μmol)およびトリエチルアミン(74.12 mg,
732.52 μmol)を入れ、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を飽和食塩水(20 mL)でクエンチングした。その後水(40 mL)を入れて希釈し、酢酸エチルで抽出した(15 mL×3)。合併した有機相を飽和食塩水(25 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後
、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~2/3、体積比)目的の化合物WX069-7を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.13 (d, J=2.3 Hz, 1H), 7.62 (d, J=2.0
Hz, 1H), 7.06-6.94 (m, 2H), 6.93-6.82 (m, 1H), 5.82-5.71 (m, 1H), 5.61 (d, J=6.3 Hz, 1H), 4.11 (dq, J=4.3, 6.9 Hz, 2H),
3.87 (s, 3H), 3.71 (dd, J=6.9, 14.7 Hz,
1H), 3.59 (d, J=3.8 Hz, 2H), 3.51 (dd, J=4.9, 14.7 Hz, 1H), 2.62 (s, 3H), 1.46 (t, J=6.9 Hz, 3H).
工程6:化合物WX069-8の合成
室温において、化合物WX069-7(60.00 mg, 128.11 μmol)を塩酸のメタノール溶液(4 M, 5 mL)に溶解させ、反応混合物を室温で5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を飽和炭酸ナトリウム溶液でpH=7~8になるように調整し、飽和食塩水(30 mL)で希釈し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、水(30 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーカラムによって分離して(ビヒクル:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~2/3、体積比)目的の化合物WX069-8を得た。
【0167】
工程7:化合物WX069の合成
室温において、化合物WX069-8(60.00 mg, 119.67 μmol)を酢酸(2.00 mL)溶液に溶解させ、反応混合物をマイクロ波で150℃に加熱して20分間撹拌した。反応終了後、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(50 mL)で希釈し、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX069を得た。MS-ESI m/z: 469.2 [M+H], 471.2 [M+H+2]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.26 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.26 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.19 (dd, J=1.9,
8.2 Hz, 1H), 6.83 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.11 (dd, J=4.5, 10.3 Hz, 1H), 4.78 (dd, J=10.3, 14.3 Hz, 1H), 4.10 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.79 (dd, J=4.3, 14.6
Hz, 1H), 3.55 (s, 2H), 2.84 (s, 3H), 1.47 (t, J=6.9 Hz, 3H).
実施例70:WX070
【0168】
【化61】
工程1:化合物WX070-2の合成
化合物ジメチルスルホン(5.22 g, 55.50 mmol)をテトラヒドロフラン(50.00 mL)溶液に溶解させ、0℃で1滴ずつn-ブチルリチウム(2.5
M, 22.20 mL)を滴下し、窒素ガスの保護下で反応混合物を0℃で1時間撹拌した。その後0℃で化合物WX070-1(5.00 g, 27.75 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(20.00 mL)を1滴ずつ上記反応混合物に滴下した。窒素ガスの保護下で反応混合物を0℃で続いて1.5時間撹拌した。反応終了後、室温で反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(50 mL)でクエンチングし、水(150 mL)で希釈し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、水(100 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を酢酸エチル(20 mL)で再結晶させて目的の化合物WX070-2を得た。H NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 6.99 (s, 1H), 6.91 (s, 2H), 5.83 (d, J=4.0 Hz, 1H), 4.96 (ddd, J=2.8, 4.3, 10.0 Hz, 1H), 4.02 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.57 (dd, J=10.0, 14.6 Hz, 1H),
3.15 (d, J=14.6 Hz, 1H), 3.01 (s, 3H), 1.33 (t, J=7.0 Hz, 3H).
工程2:化合物WX070-4の合成
化合物WX070-3(200.00 mg, 913.28 μmol)を酢酸(5.00 mL)およびメタノール(5.00 mL)溶液に溶解させ、0℃で1回で鉄粉(153.02 mg, 2.74 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を0~5℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、水(50 mL)および酢酸エチル(50 mL)を入れて希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(1 M)でpH=9~10になるように調整し、分離した水相を酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。合併した有機相を飽和食塩水(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去し、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=5/1~1/4、体積比)目的の化合物WX070-4を得た。H NMR (400MHz, MeOD) δ: 7.46 (d, J=2.0 Hz, 1H), 6.99 (d, J=2.0 Hz, 1H).
工程3:化合物WX070-5の合成
化合物WX070-4(300.00 mg, 1.59 mmol)をジクロロメタン(20.00 mL)およびピリジン(10.00 mL)に溶解させた後、0℃でトリホスゲン(471.83 mg, 1.59 mmol)を入れた。窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃で3時間撹拌した。反応終了後、水(20 mL)を入れて希釈し、分離した水相をジクロロメタン(20 mL×3)で抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去し、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1、体積比)目的の化合物WX070-5を得た。H NMR (400MHz, MeOD) δ: 8.14 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.77 (d, J=2.0 Hz, 1H).
工程4:化合物WX070の合成
室温において、化合物WX070-5(230.00 mg, 1.07 mmol)、トリフェニルホスフィン(336.78 mg, 1.28 mmol)および化合物WX070-2(293.53 mg, 1.07 mmol)をテトラヒドロフラン(4.00 mL)溶液に溶解させた後、0℃に冷却してアゾジカルボン酸ジイソプロピル(259.64 mg, 1.28 mmol)を入れた。窒素ガスの保護下で反応混合物を0~20℃で12時間撹拌した。反応終了後、水(20 mL)を入れて希釈し、分離した水相を酢酸エチル(20 mL×3)で抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去し、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取シリカ板クロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、体積比)目的の化合物WX070を得た。MS-ESI m/z: 470.9 [M+H], 473.0 [M+H+2]H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.47 (t, J=6.9
Hz, 3H), 2.85 (s, 3H), 3.81 (dd, J=14.6, 4.52 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 4.07-4.13 (m, 2H), 4.73 (dd, J=14.3, 10.3 Hz, 1H),
6.02 (dd, J=10.2, 4.4 Hz, 1H), 6.84 (d,
J=8.5 Hz, 1H), 7.19 (dd, J=8.3, 2.0 Hz,
1H), 7.24 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.56 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 8.22 (d, J=2.0 Hz, 1 H).
実施例71:WX071
【0169】
【化62】
工程1:化合物WX071-1の合成
室温において、化合物WX070-5(1.80 g, 8.37 mmol)、o-フルオロフェニルボロン酸(1.41 g, 10.04 mmol)をジオキサン(30.00 mL)に溶解させた後、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(341.76 mg, 418.50 μmol)、炭酸カリウム(4.68 g, 33.89 mmol)および水(10.00 mL)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して3時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、飽和食塩水(10 mL)を入れてクエンチングし、そして水 (30 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、水(30 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=3/1~1/1、体積比)目的の化合物WX071-1を得た。MS-ESI m/z: 231.0 [M+H]
工程2:化合物WX071-2の合成
室温において、化合物WX071-1(800.00 mg, 3.48 mmol)、化合物WX070-2およびトリフェニルホスフィン(1.09 g, 4.17 mmol)をテトラヒドロフラン(5.00 mL)溶液に溶解させた後、反応混合物を0℃に冷却してアゾジカルボン酸ジイソプロピル(843.31 mg, 4.17 mmol, 810.88 μL)を滴下した。窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に上げて20時間撹拌した。反応終了後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取シリカゲル板クロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1~1/2、体積比)目的の化合物WX071-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 7.47-7.31 (m, 4H), 7.26-7.13
(m, 4H), 7.10 (dd, J=2.3, 8.3 Hz, 1H), 6.88 (d, J=8.3 Hz, 1H), 5.72 (dd, J=4.8,
9.3 Hz, 1H), 4.66 (dd, J=9.3, 14.8 Hz,
1H), 4.12 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.95-3.84 (m, 4H), 2.86 (s, 3H), 1.49 (t, J=6.9 Hz,
3H).
工程3:化合物WX071の合成
化合物WX071-2(550 mg)を超臨界流体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:Chiralpak AS-H 150 × 4.6mm I.D., 5um;移動相:A:二酸化炭素,B:エタノール (0.05% ジエチルアミン);~40%;流速:3mL/min;カラム温度:40 C;波長:220nm)によって分離し、保存時間が4.103 minのサンプルを収集してWX071を得た(ee%:98.93%)。
【0170】
実施例72:WX072
【0171】
【化63】
工程1:化合物WX072-2の合成
室温において、化合物ジメチルスルホン(1.38 g, 14.71 mmol, 1.19 mL)をテトラヒドロフラン(15.00 mL)溶液に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を-5℃に冷却した後、1滴ずつn-ブチルリチウム(2.5 M, 5.39 mL)を滴下し、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。その後0℃で化合物WX072-1(2.00 g, 12.26 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(20.00 mL)を1滴ずつ上記反応混合物に滴下し、反応混合物を0℃で続いて15分間撹拌し、室温に昇温させて1.5時間撹拌した。その後0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(602.93 mg, 15.94 mmol)を入れ、さらに10分間撹拌し、酢酸(3.39 g, 56.40 mmol, 3.23 mL)を入れて続いて2時間撹拌した後、水酸化ナトリウム水溶液(2.5 M, 16.18 mL)を入れ、さらに15分間撹拌した。反応混合物をゆっくり室温に上げた後、さらに60℃に加熱して還流させて12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、飽和食塩水(50 mL)でクエンチングし、酢酸エチル(15 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、水(50 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去し
た後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をシリカゲルカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=5/1~1/1、体積比)目的の化合物WX072-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 6.95-6.88 (m, 2H), 6.87-6.80 (m, 1H), 4.61 (dd, J=3.0, 9.5 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.87 (s,
3H), 3.42-3.15 (m, 2H), 2.92 (s, 3H).
工程2:化合物WX072-3の合成
室温において、化合物WX065-2(369.85 mg, 1.46 mmol)および化合物WX072-2(316.00 mg, 1.22 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3.00 mL)溶液に溶解させた後、ジイソプロピルエチルアミン(315.35 mg, 2.44 mmol, 426.14 μL)を入れ、反応混合物を65℃に加熱して24時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、反応混合物を飽和食塩水(10 mL)でクエンチングした。その後水(10 mL)を入れて希釈し、酢酸エチルで抽出した(10 mL×3)。有機相を合併し、飽和食塩水(20 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=2/1~1/1、体積比)目的の化合物WX072-3を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.38 (d, J=4.8 Hz, 1H), 7.85 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.47-7.38 (m, 1H), 7.36-7.28 (m, 1H), 7.26-7.22 (m, 1H), 7.12 (t, J=9.2 Hz,
1H), 7.06 (dd, J=1.9, 8.2 Hz, 1H), 7.00
(d, J=2.0 Hz, 1H), 6.92 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.66 (d, J=4.8 Hz, 1H), 5.93 (q, J=6.5 Hz, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.53 (dd, J=6.9, 14.7 Hz, 1H), 2.64 (s, 3H).
工程3:化合物WX072-4の合成
室温において、化合物WX072-3および塩化アンモニウム(151.87 mg,
2.84 mmol)をメタノール(3 mL)に溶解させた後、亜鉛粉(92.83
mg, 1.42 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で20分間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタン(5 mL)を入れて希釈し、珪藻土でろ過して不溶物を除去し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、残渣にジクロロメタン(10 mL)を入れ、さらにろ過した。ろ液から減圧で溶媒を除去して粗製品のWX072-4を得た。
【0172】
工程4:化合物WX072-5の合成
室温において、化合物WX072-4(35.00 mg, 303.70 μmol) およびトリエチルアミン(153.66 mg, 1.52 mmol, 210.49 μL)をテトラヒドロフラン(20.00 mL)に溶解させ、0℃に冷却してトリホスゲン(40.56 mg, 136.66 μmol)を入れた。窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に上げて12時間撹拌した。反応終了後、ろ過で不溶物を除去し、ろ液を減圧で濃縮し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX072-5を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 9.49 (br s, 1H), 8.08 (d, J=5.3 Hz, 1H), 7.47-7.35 (m, 2H), 7.28 (br s, 1H), 7.26-7.12 (m, 3H), 7.02 (d, J=5.3 Hz, 1H), 6.73 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.16 (dd, J=4.4, 8.4 Hz, 1H), 4.80 (dd, J=9.7, 14.2 Hz, 1H), 3.87 (dd, J=4.0, 14.6 Hz, 1H), 3.77 (s,
6H), 2.67 (s, 3H).
工程5:化合物WX072の合成
化合物WX072-5(39.00 mg, 82.71 μmol)を超臨界流体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:Chiralpak AD-3 50×4.6mm I.D., 3um;移動相:A:二酸化炭素,B:エタノール (0.05% ジエチルアミン);~40%;カラム温度:40 ℃;波長:220nm)によって分離し、保存時間が0.790 minのサンプルを収集してWX072を得た(ee%:100%)。
【0173】
実施例73:WX073
【0174】
【化64】
工程1:化合物WX073-2の合成
室温において、化合物WX073-1(29.00 g, 177.73 mmol)、2-クロロ-2,2-ジフルオロ酢酸ナトリウム(62.32 g, 408.78 mmol)および炭酸セシウム(86.86 g, 266.60 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(600.00 mL)および水(150.00 mL)溶液に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を100℃に加熱して3時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、その後酢酸エチル(1000 mL)および水(200 mL)を入れて希釈し、分離した有機相を飽和食塩水(200 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エ
チル=10/1~3/1、体積比)目的の化合物WX073-2を得た。H NMR (400MHz,CDCl) δ: 7.20-7.13 (m, 3H), 6.58 (t, J=74.4 Hz, 1H), 4.05 (q, J=6.8 Hz,
2H), 1.41 (t, J=6.8 Hz, 3H).
工程2:化合物WX073-3の合成
室温において、化合物ジメチルスルホン(9.71 g, 103.20 mmol,
8.37 mL)をテトラヒドロフラン(300 mL)溶液に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を0℃に冷却し、さらに1滴ずつn-ブチルリチウム(2.5 M,
41.28 mL)を滴下し、そして0~5℃1時間撹拌した後、化合物WX073-2(20.00 g, 93.82 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(200.00 mL)を1滴ずつ上記反応混合物に滴下した。窒素ガスの保護下で反応混合物を0~5℃で続いて30分間撹拌し、室温に昇温させてさらに1.5時間撹拌した後、水素化ホウ素ナトリウム(4.61 g, 121.97 mmol)を入れ、続いて30分間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却してさらに酢酸(25.92 g, 431.57 mmol, 24.69 mL)を入れ、続いて0~5℃で2時間撹拌し、さらに水酸化ナトリウム水溶液(2.5 M, 123.84 mL)を入れ、続いて0~5℃で30分間撹拌した。反応混合物を60℃に加熱して還流させて12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却した後、酢酸エチル(1000 mL)および水 (200 mL)を入れて希釈し、分離した有機相を飽和食塩水(200 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をシリカゲルカラムによって分離して(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール=100/1~10/1、体積比)目的の化合物WX073-3を得た。H NMR (400MHz,CDCl) δ: 7.08-6.84 (m, 3H), 6.50 (t, J=75.2 Hz, 1H), 4.58 (dd, J=2.8, 9.6 Hz, 1H), 4.04 (dd, J=6.8, 13.2Hz, 2H), 3.27-3.12 (m, 2H), 2.90 (s, 3H), 1.38 (t, J=7.2 Hz, 3H).
工程3:化合物WX073-4の合成
室温において、化合物WX073-3(9.00 g, 29.10 mmol)およびN-アセチル-L-ロイシン(3.02 g, 17.46 mmol)をメタノール(100.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、大量の固体が析出した。ろ過し、ケーキを30~40℃で真空乾燥した。得られた粗製品をメタノール(100.00 mL)に溶解させ、80℃に加熱して1時間撹拌し、室温に冷却し、大量の固体が析出した。ろ過し、ケーキをメタノール(30 mL)で洗浄し、30℃で真空で乾燥した。その後得られた白色の固体を酢酸エチル(100 mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(30 mL)溶液に入れ、室温で15分間撹拌した。有機相を分離し、飽和食塩水(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で溶媒を除去し、目的の化合物WX073-4を得た。(保存時間=2.853 min; カラム:chiral pak AD_3 100×4.6mm,3μm; 稼働時間: 10.0 分間).
工程4:化合物WX073-5の合成
室温において、化合物WX073-4(600.00 mg, 1.94 mmol)および化合物WX004-1(690.84 mg, 2.91 mmol)をアセトニトリル(6.00 mL)溶液に溶解させた後、炭酸カリウム(402.19 mg, 2.91 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を85℃に加熱して5時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、ジクロロメタン(15 mL)を入れて希釈、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をシリカゲルカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1、体積比)目的の化合物WX073-5を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.81
(d, J=7.3 Hz, 1H), 8.58 (d, J=2.3 Hz, 1H), 8.44 (s, 1H), 7.20 (d, J=8.3 Hz, 1H),
7.08-6.97 (m, 2H), 6.58 (t, J=75.0 Hz, 1H), 6.05-5.94 (m, 1H), 4.17-4.06 (m, 2H), 3.76 (dd, J=7.7, 14.7 Hz, 1H), 3.53 (dd, J=5.5, 14.6 Hz, 1H), 2.76 (s, 3H), 1.46 (t, J=7.2 Hz, 3H).
工程5:化合物WX073-6の合成
室温において、化合物WX073-5(250.00 mg, 489.90 μmol)およびo-フルオロフェニルボロン酸(102.82 mg, 734.85 μmol)をジオキサン(3 mL)および水(1 mL)に溶解させた後、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(20.00 mg, 24.50 μmol)および炭酸カリウム(101.56 mg,
734.85 μmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して4時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、食塩水(20 mL)を入れてクエンチングし、水(20 mL)で希釈し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、水(20 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をシリカゲルカラムによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~2/1、体積比)目的の産物WX073-6を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.85 (d, J=7.3 Hz, 1H), 8.71-8.62 (m, 2H), 7.46-7.33 (m, 2H), 7.26-7.16 (m, 3H), 7.10 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.05 (dd, J=2.0, 8.0 Hz, 1H), 6.59 (t, J=75.2 Hz, 1H), 6.18-6.03 (m, 1H), 4.17-4.17 (m, 1H), 4.14 (q, J=7.0 Hz, 1H), 3.84 (dd, J=7.4, 14.9 Hz,
1H), 3.57 (dd, J=5.8, 14.6 Hz, 1H), 2.78 (s, 3H), 1.47 (t, J=7.0 Hz, 3H).
工程6:化合物WX073-7の合成
室温において、化合物WX073-6(191.00 mg, 363.46 μmol)および塩化アンモニウム(194.42 mg, 3.63 mmol, 127.07 μL)をメタノール(10 mL)に溶解させた後、亜鉛粉(118.83 mg, 1.82 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で15分間撹拌した。反応終了後、ろ過で亜鉛粉を除去し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、残渣にジクロロメタン(30 mL)を入れて15分間撹拌し、さらにろ過で不溶の塩を除去した。ろ液から減圧で溶媒を除去して粗製品のWX073-7を得た。
【0175】
工程7:化合物WX073の合成
室温において、化合物WX073-7(120.00 mg, 242.17 μmol) およびトリエチルアミン(122.53 mg, 1.21 mmol, 167.85 μL)をテトラヒドロフラン(40.00 mL)に溶解させた後、0℃に冷却してトリホスゲン(40.56 mg, 136.66 μmol)を入れた。窒素ガスの保護下で反応混合物を0℃で0.5時間撹拌し、さらに室温に上げて12時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(20 mL)溶液でクエンチングし、水(20 mL)で希釈し、酢酸エチル(15 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和塩化ナトリウム(50 mL×2)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX073を得た。MS-ESI m/z: 521.9
[M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 9.79 (br s, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.55 (s, 1H),
7.46 (s, 1H), 7.45-7.35 (m, 2H), 7.28 (d, J=17.6 Hz, 2H), 7.24-7.12 (m, 2H), 6.54 (t, J=75.2 Hz, 1H), 6.31 (dd, J=3.0, 9.5 Hz, 1H), 5.04 (dd, J=10.3, 14.3 Hz, 1H), 4.17-4.05 (m, 2H), 3.86 (dd, J=3.1, 14.4 Hz, 1H), 2.86 (s, 3H), 1.42 (t, J=6.8 Hz, 3H).
実施例74:WX074
【0176】
【化65】
工程1:化合物WX074-1の合成
室温において、化合物WX073-5(250.00 mg, 489.90 μmol)およびフェニルボロン酸(89.60 mg, 734.85 μmol)をジオキサン(3.00 mL)および水(1.00 mL)に溶解させた後、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(20.00 mg, 24.50 μmol)および炭酸カリウム(101.56 mg, 734.85 μmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して4時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、飽和食塩水(20 mL)を入れてクエンチングし、そして水(20 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、水(20 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~2/1、体積比)目的の化合物WX074-1を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.81 (d, J=7.3 Hz, 1H), 8.70 (d, J=2.5 Hz, 1H), 8.67 (d, J=2.3 Hz, 1H), 7.58-7.45 (m, 5H), 7.24-7.18 (m, 1H), 7.13-7.03 (m, 2H), 6.58 (t, J=75.2 Hz, 1H), 6.17-6.07 (m, 1H), 4.13 (q, J=7.0 Hz, 2H)
, 3.84 (dd, J=7.4, 14.7 Hz, 1H), 3.56 (dd, J=5.8, 14.6 Hz, 1H), 2.78 (s, 3H), 1.47 (t, J=6.9 Hz, 3H).
工程2:化合物WX074-2の合成
室温において、化合物WX074-1(140.00 mg, 275.86 μmol) および塩化アンモニウム(147.56 mg, 2.76 mmol)をメタノール(10 mL)に溶解させた後、亜鉛粉(90.19 mg, 1.38 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応終了後、ろ過で亜鉛粉を除去し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、残渣にジクロロメタン(30 mL)を入れて15分間撹拌し、さらにろ過で不溶の塩を除去した。ろ液から減圧で溶媒を除去して粗製品のWX074-2を得た。
【0177】
工程3:化合物WX074の合成
室温において、化合物WX074-2(100.00 mg, 209.42 μmol)およびトリエチルアミン(105.95 mg, 1.05 mmol, 145.14 μL)をテトラヒドロフラン(30.00 mL)に溶解させた後、0℃に冷却してトリホスゲン(24.86 mg, 83.77 μmol)を入れた。窒素ガスの保護下で反応混合物を0℃で0.5時間撹拌し、さらに室温に上げて12時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(20 mL)溶液でクエンチングし、水(20 mL)で希釈し、酢酸エチル(15 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和塩化ナトリウム(50 mL×2)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX074を得た。MS-ESI m/z: 503.9 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 9.39 (br s, 1H), 8.29 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.56-7.51 (m, 3H), 7.51-7.44 (m, 3H), 7.44-7.38 (m, 1H), 7.30 (dd, J=1.9, 8.4 Hz, 1H),
7.14 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.55 (t, J=75.2
Hz, 1H), 6.33 (dd, J=4.0, 10.3 Hz, 1H),
5.05 (dd, J=10.3, 14.6 Hz, 1H), 4.11 (dquin, J=2.4, 6.9 Hz, 2H), 3.84 (dd, J=4.0, 14.6 Hz, 1H), 2.87 (s, 3H), 1.43 (t, J=7.0 Hz, 3H).
実施例75:WX075
【0178】
【化66】
工程1:化合物WX075-1の合成
室温において、化合物WX063-1(1.00 g, 3.98 mmol)および化合物WX073-4(1.35 g, 4.38 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(15.00 mL)溶液に溶解させた後、ジイソプロピルエチルアミン(1.54 g, 11.93 mmol, 2.08 mL)を入れた。窒素ガスの保護下で反応混合物を120℃で15時間撹拌した。反応終了後、水(100 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取シリカ板クロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=3/1、体積比)目的の化合物WX075-1を得た。
NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.30 (s, 1H), 7.40 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.16 (d, J=8.5 Hz,
1H), 7.02 (d, J=2.0 Hz, 1H), 6.96 (dd, J=2.0, 8.5 Hz, 1H), 6.55 (t, J=76.0 Hz 1H), 5.85 (dt, J=5.3, 7.4 Hz, 1H), 4.22-4.00 (m, 2H), 3.73 (dd, J=7.8, 14.8 Hz, 1H), 3.46 (dd, J=5.3, 14.8 Hz, 1H), 2.75 (s, 3H), 2.54-2.46 (m, 3H), 1.50-1.39 (m, 3H).
工程2:化合物WX075-2の合成
室温において、化合物WX075-1(200.00 mg, 381.44 μmol)、メチルボロン酸(68.50 mg, 1.14 mmol)および炭酸カリウム(158.16 mg, 1.14 mmol)をジオキサン(20.00 mL)および水(2.00 mL)に溶解させた後、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(27.91 mg, 38.14
μmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して10時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、減圧で溶媒を除去した。得られた残留物を水(30 mL)で希釈し、酢酸エチル(30 mL × 3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=3/1、体積比)目的の化合物WX075-2を得た。MS-ESI m/z: 460.1[M+H]
工程3:化合物WX075-3の合成
室温において、化合物WX075-2(90.00 mg, 195.88 μmol)をメタノール(15 mL)に溶解させた後、0℃に冷却し、さらに亜鉛粉(128.09 mg, 1.96 mmol)および塩化アンモニウム(31.43 mg, 587.64 μmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に上げて2時間撹拌した。反応終了後、ろ過で不溶物を除去し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水(20 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で溶媒を除去して粗製品のWX075-3を得た。MS-ESI m/z: 430.1 [M+H]
工程4:化合物WX075の合成
室温において、化合物WX075-3(70.00 mg, 162.99 μmol)およびトリエチルアミン(105.95 mg, 1.05 mmol, 145.14 μL)をテトラヒドロフラン(30.00 mL)に溶解させた後、0℃に冷却してトリホスゲン(24.86 mg, 83.77 μmol)を入れた。窒素ガスの保護下で反応混合物を0℃で0.5時間撹拌し、さらに室温に上げてさらに12時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(20 mL)溶液でクエンチングし、水(20 mL)で希釈し、酢酸エチル(15 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和塩化ナトリウム(10 mL)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX075を得た。MS-ESI m/z: 456.0 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 10.59 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.30-7.12 (m, 1H), 7.04 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.65 -6.28 (m, 2H), 4.97 (t, J=11.0 Hz, 1H), 4.03 (d, J=6.0 Hz, 2H), 3.68 (d, J=13.1 Hz, 1H), 2.86 (br s, 3H), 2.25 (m, 6H), 1.35 (t, J=6.5 Hz, 3H).
実施例76:WX076
【0179】
【化67】
工程1:化合物WX076-1の合成
室温において、化合物WX075-1(200.00 mg, 381.44 μmol)、o-フルオロフェニルボロン酸(58.71 mg, 419.58 μmol)および炭酸カリウム(105.44 mg, 762.88 μmol)をジオキサン(20.00 mL)および水(1.00 mL)に溶解させた後、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(27.91 mg, 38.14 μmol)を入れた。窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃で10時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、減圧で溶媒を除去した。得られた残留物を水(30 mL)で希釈し、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=3/1、体積比)目的の化合物WX076-1を得た。MS-ESI m/z: 540.1[M+H]
工程2:化合物WX076-2の合成
室温において、化合物WX076-1(160.00 mg, 296.56 μmol)をメタノール(15 mL)に溶解させた後、0℃に冷却し、さらに亜鉛粉(193.92 mg, 2.97 mmol, 10.00 eq)および塩化アンモニウム(47.59 mg, 889.68 μmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に上げて2時間撹拌した。反応終了後、ろ過で不溶物を除去し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水(20 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で溶媒を除去して粗製品のWX076-2を得た。MS-ESI m/z: 510.5 [M+H]
工程3:化合物WX076の合成
室温において、化合物WX076-2(100.00 mg, 196.26 μmol)およびトリエチルアミン(119.16 mg, 1.18 mmol, 163.23 μL)をテトラヒドロフラン(10.00 mL)に溶解させた後、0℃に冷却し
てトリホスゲン(34.94 mg, 117.76 μmol)を入れた。窒素ガスの保護下で反応混合物を5℃で2時間撹拌した。反応終了後、減圧で溶媒を除去し、反応混合物に水(10 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX076を得た。MS-ESI m/z: 535.9 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 9.73 (br s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.45 (dd, J=3.5, 8.5 Hz, 1H), 7.34-7.28 (m, 2H), 7.27-7.25 (m, 1H), 7.24-7.05 (m, 2H), 6.54 (t, J=76.0 Hz 1H), 6.45- 6.41 (m,
1H), 5.04 (dd, J=10.5, 14.6 Hz, 1H), 4.26-4.01 (m, 2H), 3.90-3.71 (m, 1H), 2.93
(s, 3H), 2.25 (s, 3H), 1.42 (t, J=7.0 Hz, 3H).
実施例77:WX077
【0180】
【化68】
工程1:化合物WX077-1の合成
室温において、化合物WX075-1(200.00 mg, 381.44 μmol)、フェニルボロン酸(55.81 mg, 457.73 μmol)および炭酸カリウム(52.72 mg, 381.44 μmol)をジオキサン(20.00 mL)および水(2.00 mL)に溶解させた後、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン錯体(279.10 mg, 381.44 μmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して10時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、減圧で溶媒を除去した。得られた残留物を水(30 mL)で希釈し、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除
去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離して(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=3/1、体積比)目的の化合物WX077-1を得た。MS-ESI m/z: 522.4 [M+H]
工程2:化合物WX077-2の合成
室温において、化合物WX077-1(180.00 mg, 345.14 μmol)をメタノール(15 mL)に溶解させた後、0℃に冷却し、さらに亜鉛粉(225.69 mg, 3.45 mmol)および塩化アンモニウム(55.38 mg, 1.04 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に上げて2時間撹拌した。反応終了後、ろ過で不溶物を除去し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水(20 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で溶媒を除去して粗製品のWX077-2を得た。MS-ESI
m/z: 492.5 [M+H]
工程3:化合物WX077の合成
室温において、化合物WX077-2(110.00 mg, 223.78 μmol)をテトラヒドロフラン(10.00 mL)に溶解させた後、0℃に冷却し、さらにトリホスゲン(34.94 mg, 117.76 μmol)およびトリエチルアミン(135.87 mg, 1.34 mmol, 186.12 μL)を入れた。窒素ガスの保護下で反応混合物を5℃で2時間撹拌した。反応終了後、減圧で溶媒を除去し、反応混合物に水(10 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過で乾燥剤を除去した後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離して目的の化合物WX077を得た。MS-ESI m/z: 517.9 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 10.47 (br s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.43-7.30 (m, 4H), 7.23 (d, J=7.0 Hz, 2H), 7.20-7.16 (m, 1H), 7.04 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.46 (t, J=76.0 Hz 1H) , 6.25-6.17 (m, 1H), 4.99 (dd, J=10.5, 14.6 Hz, 1H), 4.06-3.95 (m,
2H), 3.76 (dd, J=4.0, 14.6 Hz, 1H), 2.77 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 1.33 (t, J=7.0 Hz, 3H).
実施例78:WX078
【0181】
【化69】

工程1:化合物WX078-1の合成
室温において、化合物WX066-1(5.00 g, 21.31 mmol)、化合物WX073-3(6.59 g, 21.31 mmol)およびフッ化セシウム(6.47 g, 42.62 mmol)をジメチルスルホキシド(200.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を50℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、酢酸エチル(800 mL)および水(200 mL)で希釈し、有機相を飽和食塩水(100 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去し、減圧で溶媒を除去し、得られた粗製品をカラムクロマトグラフィーによって(純石油エーテルで洗浄)精製して目的の化合物WX078-1を得た。MS-ESI m/z: 508.2 [M+H]
工程2:化合物WX078-2の合成
室温において、化合物WX078-1(7.00 g, 13.79 mmol)、亜鉛粉(9.02 g, 137.90 mmol)および塩化アンモニウム(7.38 g, 137.90 mmol, 4.82 mL)をメタノール(200.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を珪藻土でろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物にジクロロメタン(100 mL)および水(20 mL)を入れ、分液した。有機相を飽和食塩水(20 mL×2)で洗浄し、ろ過で乾燥剤を除去し、減圧で濃縮して目的の化合物WX078-2を得た。MS-ESI m/z: 478.1 [M+H]H NMR
(400MHz,CDCl) δ: 7.60-7.54 (m, 1H), 7.44-7.37 (m, 2H), 7.37-7.29 (m, 3H), 7.11-7.05 (m, 2H), 7.00-6.94 (m, 1H), 6.58 (t, J=76 Hz, 1H ),5.68 (q, J=6.4 Hz, 1H),
4.07-3.98 (m, 2H), 3.81 (br dd, J=7.2, 14.7 Hz, 1H), 3.47 (br dd, J=5.4, 14.7 H
z, 2H), 2.78 (s, 3H), 1.36 (t, J=6.9 Hz,
3H)。
【0182】
工程3:化合物WX078-3の合成
室温において、化合物WX078-2(5.00 g, 10.47 mmol)、トリホスゲン(1.86 g, 6.28 mmol)およびトリエチルアミン(6.36
g, 62.82 mmol, 8.71 mL)をテトラヒドロフラン(150.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を0~5℃に冷却して3時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に酢酸エチル(300 mL)および水(100 mL)を入れ、分液した。有機相を飽和食塩水(100 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ過で除去し、減圧で濃縮し、得られた粗製品をカラムクロマトグラフィーによって(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=5/1~1/2、体積比)精製して目的の化合物WX078-3を得た。MS-ESI m/z: 504.1 [M+H]H NMR (400MHz,CDCl) δ: 9.91 (br s, 1H), 8.07 (d, J=5.5 Hz, 1H), 7.56-7.45 (m, 4H), 7.44-7.37 (m, 1H), 7.33 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.13 (dd, J=1.8, 8.3 Hz, 1H), 7.07-6.99 (m, 2H), 6.45(t, J=76.0 Hz, 1H), 6.18 (dd, J=4.4, 9.9 Hz, 1H), 4.89 (dd, J=9.9, 14.7 Hz, 1H), 3.99-3.91 (m, 2H), 3.78 (dd, J=4.4, 14.7 Hz, 1H), 2.70 (s, 3H), 1.32 (t, J=6.9 Hz, 3H)。
【0183】
工程4:化合物WX078の合成
化合物WX078-3(2.50 g, 4.97 mmol)を超臨界流体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:Chiralpak AD-3 100×4.6mm,
3μm;移動相:A:二酸化炭素,B:エタノール(0.05% ジエチルアミン);~40%;流速:2.8mL/min;カラム温度:40 ℃;波長:220nm)によって分離し、保存時間が4.842 minのサンプルを収集してWX078を得た。
【0184】
実験例1:体外の酵素阻害作用に対する評価
PDE4B酵素に対する化合物の阻害活性
当該生物実験は蛍光偏光によってAMP/GMP発現を測定し、すなわち、AMP/GMPの抗体結合をトレーシングするによって酵素の活性を表す。
【0185】
試薬:
実験緩衝溶液:10 mM Tris-HCl(pH 7.5)、5 mM MgCl、0.01% Brij 35、1 mM DTT、および1% DMSO。
【0186】
酵素:組み換えヒト由来PDE4B(遺伝子登録番号NM_002600、アミノ酸305末端)はN末端GSTタグでSf9昆虫細胞におけるバキュロウイルスによって発現させた。MW =78 kDa。
【0187】
酵素基質:1 μM cAMP
検出:Transcreener<登録商標>AMP2/ GMP2抗体およびAMP2/ GMP2 AlexaFluor633トレーシング。
【0188】
操作手順:
1.組み換えヒト由来PDE4B酵素および酵素基質(1 μM cAMP)をそれぞれ新鮮に調製された実験緩衝液に溶解させた。
【0189】
2.上記PDE4B酵素緩衝溶液を反応ウェルに移した。
3.音響技術(反響550、mμl範囲)によって100% DMSOで溶解させた化合物をPDE4B酵素緩衝溶液反応ウェルに入れ、そして室温で10分間インキュベートした。
【0190】
4.その後、酵素基質緩衝溶液を上記反応ウェルに反応を開始させた。
5.室温で1時間インキュベートした。
6.検出混合物(Transcreener<登録商標>AMP2/ GMP2抗体およびAMP2/ GMP2 AlexaFluor633トレーシング)を添加して反応を停止させ、そしてゆっくり混合しながら90分間インキュベートした。蛍光偏光の測定範囲はEx/Em = 620/688である。
【0191】
データ分析:蛍光偏光シグナルはAMP/GMP標準曲線からExcelソフトによってDMSO対照に対する%酵素活性を計算し、nMに換算した。曲線フィッティングはGraphPad Prismを使用した(医学アイコンを描いた)。
【0192】
【表7】
結論:本発明の化合物はいずれも優れたホスホジエステラーゼ4Bサブタイプ
(PDE4B)を阻害する体外活性を示した。
【0193】
実験例2:体外のhPBMCにおけるTNFα生成を阻害する作用の評価
化合物はLPSに対してヒト末梢単核球のTNFα生成の阻害活性を誘導した。
【0194】
操作手順:
1.健常者の全血を採取し、EDTA-K2抗凝集管で凝血を防止した。
2.Ficoll密度勾配遠心によってPBMCを分離し、計数し、細胞濃度が2x10/mLになるように調整した。
【0195】
3.U底96ウェルプレートにおいて、各ウェルに2x10個の細胞を入れ、LPS 1ng/mL、100μM、10μM、1μM、100nM、10nM、1nM、100pM、10pMと異なる濃度の化合物を入れ、各ウェルは200μlにし、2つの重複ウェルを設けた。
【0196】
4.24時間培養し、上清を収集した。
5.ELISAによって上清におけるTNFαのレベルを検出し、Graphpad Prismソフトで阻害曲線をフィッティングしてIC50を計算した。
【0197】
【表8】
結論:本発明の化合物はhPBMCにおいていずれも優れたTNFα生成を阻害する体外活性を示し、そしてアプレミラストよりも優れた。
【0198】

実験例3:体内CIAモデル
実験目的:
コラーゲンによって誘導されたマウス関節炎モデルは、薬物の乾癬性関節炎を治療する効果を評価するための動物モデルで、その発病機序および症状はいずれも乾癬性関節炎疾患と比較的に顕著な関連性がある。モデルはII型コラーゲンタンパク質を注射することによってB細胞、T細胞の骨コラーゲンタンパク質の反応性を活性化させ、活性化されたB細胞およびT細胞が関節部位に入って関節の炎症を引き起こすことで、一連のヒト乾癬性関節炎に類似する症状、たとえば関節部位の赤腫れ、関節軟骨、関節包の損傷などの症状につながる。臨床前に乾癬性関節炎の薬物治療の候補化合物を評価する過程において、コラーゲンによって誘導されたマウス関節炎はよくその有効性の評価に使用される。
【0199】
本実験の目的は化合物の実施例WX063のコラーゲンによって誘導されたマウス関節炎における治療効果を考察することによって、後の臨床研究に臨床前の薬効学の関連情報を提供することである。
【0200】
実験方法:
1.II型コラーゲン/完全フロイントアジュバントによる免疫
酢酸の調製:酢酸を100 mMに希釈し、0.22 μmろ過膜でろ過した後、4で保存した。
【0201】
ウシII型コラーゲン溶液:ウシII型コラーゲン(CII)を酢酸溶液に溶解させ、そして4℃で一晩保存した。
乳剤の調製:一晩保存したCII溶液を等体積の完全フロイントアジュバントと混合し、溶液が安定した乳剤になるまで、高速ホモジナイザーで均質化した。
【0202】
リポ多糖(LPS)の調製:LPSを量り、生理食塩水を入れ、安定した溶液になるまで均一に混合し、濃度は0.3 mg/kgであった。
2.関節炎の誘導:
マウスを無作為に異なる治療群に分けた。1回目の免疫の当日を0日目とし、その後の日数を順に表示する。
【0203】
DBA/1マウスをイソフルランで麻酔した後、尾部で調製されたコラーゲン乳剤を皮下注射した。
23日目に、腹腔に100 μLのLPS溶液を注射した。
【0204】
正常群のマウスは免疫しなかった。
3.投与と投与量の設計
27日目に、平均臨床スコアが1点程度になったら、発病程度が中度のマウスを60匹選択し、体重とスコアによって、改めて無作為に群分けし、各群にマウス10匹であった。
【0205】
デキサメタゾンを陽性対照薬物とし、0.3mg/kg投与量群はCIAモデルで通常使用される投与量で、また前期の予備実験の結果によって、被験化合物の実施例WX063と対照化合物であるアプレミラストの関連投与量の設計が決まった。第一群は正常のマウスで、何も処理せず、第二群は溶媒対照群で、溶媒を投与し、第三群はデキサメタゾンを投与し、投与量は0.3 mg/kgで、第四群はアプレミラストを投与し、投与量は5 mg/kgで、第五群、第六群、第七群は化合物の実施例WX063を投与し、投与量はそれぞれ0.3、1および3 mg/kgであった。毎日1回投与し、計11日続けた。胃内投与の体積は10 mL/kgであった。
【0206】
【表9】
4.関節炎の発病指標の測定
臨床観察:免疫の7日前から免疫後23日目まで、毎日DBA/1マウスの基本の健康状況および体重の変化を観察した(週に1回記録した)。23日目の後、実験が終わるまで、毎日マウスの健康状况、発病様子、および体重の変化(週に少なくとも3回記録した)を観察した。
【0207】
臨床スコア:LPSを注射した後、毎日マウスの発病様子を観察した。マウスが発病した後(関節炎の臨床症状が現れた)、病変の程度(赤腫れ、関節変形)によって0~4点の基準で採点し、各肢体の最高スコアは4点で、各動物の最高スコアは16点であった。採点の基準は表10に示す。週に少なくとも3回採点した。
【0208】
【表10】
病理:38日目に、マウスを安楽死させた。マウスの両後肢を切り取り、10%ホルマリン溶液で浸漬し、ギ酸溶液で脱カルシウムさせ、パラフィンで包埋し、切片を作り、ヘマトキシリン・エオジン染色(hematoxylin-eosin staining、HE)を行い、顕微鏡で写真を撮影して観察した。炎症細胞の浸潤、パンヌスの生成、軟骨損傷および骨吸収などの4つの面から関節の損傷程度を評価し、そして0~4点の基準で採点した。各スコアの基準は表11に示す。
【0209】
【表11】
5.統計学的処理
実験のデータは平均値±標準誤差で表示し(Mean±SEM)、体重および臨床スコアは二元配置分散分析(Two-way ANOVA)を使用し、病理学スコアおよびAUCはt検定を使用し、p<0.05で有意差があるとされた。
【0210】
実験結果:
1.臨床スコア:
1回目の免疫後25日目(2回目の免疫後の2日目)に、マウスに関節炎の臨床症状が現れた。27日目に投与を開始した。溶媒対照群の平均臨床スコアは段々上がり、36日目に8.3点に達し、これはコラーゲンによって誘導された関節炎モデルの構築に成功したことを示唆する。
【0211】
溶媒対照群に比べ、被験化合物の実施例WX063は0.3、1および3 mg/kgのいずれでも実験の終点(37日目)の関節炎マウスの臨床スコアを顕著に低下させ、3つの投与量における臨床スコアの平均値は3.6(p<0.0001)、4.3(p<0.001)および3.5(p<0.0001)に低下した。そのため、実施例WX063
は0.3 mg/kgと低い場合でも有効にコラーゲンによって誘導された関節炎を軽減させる。0.3 mg/kgのデキサメタゾンによる治療は顕著にコラーゲンによって誘導された関節炎の臨床スコアを抑制し、30日目から臨床スコアが0点のままで、溶媒対照群と有意差が現れ(p<0.0001)、そして試験が終わるまで続いた。5 mg/kgのアプレミラスト群も臨床スコアの向上を抑制し、そして33日目から溶媒対照群と有意差が現れ、そして試験が終わるまで続き、37日目に、臨床症状の平均スコアは4.2で、溶媒対照群と比べて3.7低下した(p<0.001)。
【0212】
各群の各動物の臨床スコア曲線を分析することによって、曲線下面積(AUC)を計算し、群間曲線下面積の平均値から、各投与群の溶媒対照群に対する抑制率を計算した。溶媒対照群と比べ、デキサメタゾン群およびアプレミラスト群は顕著に関節炎動物の臨床スコアを低下させ、抑制率はそれぞれ96.4%(p<0.0001)および41.3%(p<0.05)であった。実施例WX063は0.3、1および3 mg/kgの3つの投与量のいずれでも顕著に関節炎動物の臨床スコア曲線下面積を低下させ、抑制率はそれぞれ43.9%(p<0.05)、39.4%(p<0.05)および51.7%(p<0.01)であった。WX063の1 mg/kg群はアプレミラスト5 mg/kg群と抑制率が相当し(両群はいすれもp<0.05)、同時にWX063の3 mg/kg群の抑制率はアプレミラスト5 mg/kg群よりも優れた(p値はそれぞれ<0.01および<0.05であった)。
【0213】
2.組織病理スコア
各群のマウスの両後肢を切り取って切片を作り、H.E.染色を行い、両後肢の合計を取った。溶媒対照群の関節炎マウスは、病理スコアの合計は20.20±1.15であった。溶媒対照群と比べ、対照化合物であるアプレミラストは5 mg/kgの投与量でも顕著に関節炎マウスの病理スコアを低下させ、13.90±1.89(p<0.05)に低下させたが、実施例WX063は1および3 mg/kgの投与量で顕著に関節炎マウスの病理スコアを低下させ、それぞれ14.00±2.43(p<0.05)および9.20±1.83(p<0.0001)に低下させた。WX063は1 mg/kg群でアプレミラスト5 mg/kg群と関節炎病理スコアの効果が相当し(両群はp<0.05)、同時にWX063は3 mg/kg群で関節炎病理スコアの効果がアプレミラスト5
mg/kg群よりも優れた(p値はそれぞれ<0.0001および<0.05であった)。
【0214】
3.結論
1)実施例WX063は0.3、1および3 mg/kgの3つの投与量群のいずれでもコラーゲンによって誘導された関節炎の症状に顕著な改善作用があった。そして、1および3 mg/kgの投与量群で関節炎の病理学的病変に顕著な改善があり、3つの投与量群は関節炎の病理スコアで明らかな投与量と効果の関係があった。
【0215】
2)WX063は3 mg/kgにおける治療効果(臨床スコアと関節炎病理スコア)が5 mg/kgのアプレミラストよりも優れた。