(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】喫煙品の包装方法および装置
(51)【国際特許分類】
B65B 19/12 20060101AFI20220224BHJP
B65B 19/26 20060101ALI20220224BHJP
B65B 19/28 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
B65B19/12
B65B19/26
B65B19/28
(21)【出願番号】P 2019515255
(86)(22)【出願日】2017-09-29
(86)【国際出願番号】 EP2017074793
(87)【国際公開番号】W WO2018060434
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-09-14
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】JT INTERNATIONAL S.A.
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】フランツェン, イェンス
(72)【発明者】
【氏名】トリッツ, フランツ ヨゼフ
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-251766(JP,A)
【文献】国際公開第2016/102461(WO,A1)
【文献】特開2016-169049(JP,A)
【文献】米国特許第04557101(US,A)
【文献】西独国特許出願公開第03413828(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 19/12
B65B 19/26
B65B 19/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1組の喫煙品がその中に包装される可撓性シート、および前記喫煙品へのアクセスを阻止する閉鎖位置と前記喫煙品にアクセスする開放位置との間で移動可能な再閉鎖可能なフラップを備える内側パックと、該内側パックを保持して実質的に囲う容器、および前記内側パックへのアクセスを阻止する閉鎖位置での蓋を備える外側パックであって、前記蓋が、前記閉鎖位置と前記内側パックへアクセスする開放位置との間で移動可能である、外側パックとを備える喫煙品の予備組立パックを用意するステップと、
前記再閉鎖可能なフラップの一部分へのアクセスを可能にするために、前記外側パックの前記蓋と前記内側パックとの間に空間を生じさせるステップと、
前記内側パックの前記再閉鎖可能なフラップを、前記空間を
通して前記外側パックの前記蓋へ取付けるステップと、
引き続き、
完成したパックを個々に透明薄膜で包装するために、前記
完成したパックを包装ステーションへ移送するステップと、を含
み、
前記外側パックの前記蓋と前記内側パックとの間に前記空間を生成する前記ステップが、前記外側パックの前記蓋を前記容器に対して前記閉鎖位置から少なくとも部分的な開放位置まで相対的に移動させるステップを含む、喫煙品パックの製造方法。
【請求項2】
前記内側パックの前記フラップを前記外側パックの前記蓋に取付けるために、前記空間を
通して取付手段を導入するステップを含み、前記取付手段が、前記内側パックの前記フラップおよび/または前記外側パックの前記蓋と接触するために前記空間に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記取付手段を導入する前記ステップが、前記蓋上および/または前記内側パックの前記フラップ上に接着手段を適用するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記接着手段が、接着要素または細片、および流体状態の接着剤
である接着媒体の少なくとも1つを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記接着手段が、乾燥接着剤、感圧接着剤、および熱溶融性接着剤の少なくとも1つを含む、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記空間が、前記蓋の内面と前記内側パックの外面との間に生成され、約8mm未満の寸法である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記蓋が
、前記閉鎖位置と前記開放位置との間で回動するように、前記外側パックの前記容器へ回動可能に連結され、前記蓋を前記閉鎖位置から
少なくとも部分的な開放位置まで相対的に移動させる前記ステップが、約35°未満の角度(β)まで前記容器に対して前記蓋を相対的に回動させるステップを含む、請求項
1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記取付手段を導入した後、前記外側パックの前記蓋を前記閉鎖位置へ相対的に移動させて戻すステップをさらに含み、
前記外側パックの前記再閉鎖可能な蓋を前記閉鎖位置へ移動させて戻す前記ステップが、前記取付手段
を前記内側パックの前記再閉鎖可能なフラップの外面および前記外側パックの前記蓋の内面の一方または両方と接触させる、
請求項2および請求項2を引用する請求項
3から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記取付ステップが、前記再閉鎖可能な蓋の内面と前記再閉鎖可能なフラップの外面とを互いに直接接触させ、または前記取付手段を介して間接的に接触させるステップを含む、
請求項2および請求項2を引用する請求項
3から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
可撓性シートに包装された1組の喫煙品から構成され、前記喫煙品へのアクセスを阻止する閉鎖位置と前記喫煙品にアクセスする開放位置との間で移動可能である再閉鎖可能なフラップを有する内側パック、および、該内側パックを保持して実質的に囲う容器を備え、前記内側パックへのアクセスを阻止する閉鎖位置と前記内側パックにアクセスする開放位置との間で移動する蓋を有する外側パックを備える喫煙品の予備組立パックを受け入れる受入ユニットと、
前記外側パックの前記蓋と前記内側パックとの間に空間を生成し、前記内側パックの前記再閉鎖可能なフラップを前記外側パックの前記蓋へ取付けるために前記空間に取付手段を導入する取付ユニットと、を具備
し、
前記取付ユニットが、前記閉鎖位置から少なくとも部分的な開放位置へ前記容器に対して前記外側パックの前記蓋を移動させて、前記空間を生成するように構成される、喫煙品パックの製造装置。
【請求項11】
前記取付ユニットが、前記空間を
通して、前記内側パックの前記フラップの外面上および/または前記外側パックの前記蓋の内面上に接着要素または媒体として前記取付手段を導入するように構成される、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記取付
ユニットが、前記取付手段を導入後、前記外側パックの前記再閉鎖可能な蓋を前記閉鎖位置へ移動させて戻し、それによって、前記取付手段
を前記内側パックの前記フラップの外面および前記外側パックの前記蓋の内面の一方または両方と接触させるように構成されている、請求項
10または11に記載の装置。
【請求項13】
前記外側パックの前記蓋および/または前記内側パックの前記フラップへの前記取付手段の適用を検出するセンサ装置と、
前記取付手段の前記適用が失敗していると検出された場合、
完成したパックを排除する分別機構と、をさらに備える、請求項
10から12のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙巻煙草、細葉巻、葉巻などのような喫煙品の包装に関し、煙草類は、簡潔かつ明瞭にするために、本明細書では単に「喫煙品」と呼称する。具体的には、本発明は、喫煙品の包装方法および装置、ならびにその方法および装置により製造された喫煙品パックに関する。
【背景技術】
【0002】
湿気の侵入および漏出を共に制約し、香りを保って維持するために、環境への露出から喫煙品を密封するよう喫煙品パックを上包みすることが知られている。喫煙品パックの中身を保存する既知の方式は、そのパックをセロハンで上包みすることである。これにより、密封されたパックはより長い貯蔵寿命を有するようになる。しかし、パックを開けるためにセロハンを取り除いた後は、喫煙品が環境に露出され、特に、暑く乾燥するかまたは湿った環境では、湿気および香りに関する同様の問題がやはり生じる。
【0003】
これら問題に対処する試みでは、喫煙品へのアクセスを可能にする再使用可能なカバー・フラップによって閉じられる引抜開口を有する気密材を用いて喫煙品が包装された堅固なパックが提案されている。カバー・フラップは、たとえば、カバー・フラップ上および/または引抜開口の周りに施された粘着性の接着剤によって、引抜開口を閉じるために繰返し固定することができる。
【0004】
そのようなパックが、2タイプ知られている。第1のタイプでは、消費者は、先ず、包装された喫煙品の束にアクセスするためにパックの蓋を開け、次に、喫煙品にアクセスするためにカバー・フラップを開ける必要がある。パックを再び閉じるために、消費者は、次いで、カバー・フラップを閉じ、その後蓋を閉じる必要がある。そのようなパックは、たとえば、特許文献1により知られる。
【0005】
より最近の第2のタイプでは、カバー・フラップが、パックの蓋に恒久的に取り付けられ、それにより、消費者がパックの蓋を開けると、カバー・フラップが、蓋と同時に移動し、喫煙品へのアクセスを可能にする。パックを閉じる場合には、蓋を閉じると、消費者が手を使って引抜開口上にカバー・フラップを戻さなくても、カバー・フラップが引抜開口を覆う。そのようなパックは、特許文献2から知られている。
【0006】
産業界の動向は、より新しい第2のタイプのパックへ向かう一方、手を使ってカバー・フラップを引抜開口上に閉じることを可能にするパックを好む消費者もいる。したがって、両方のパックタイプに需要があり、これらは市場に共存し得る。
【0007】
今までのところ、そのようなパックの製造には、包装製造ラインの設備にかなりの投資を必要としてきた。すなわち、両タイプのパックの製造が望まれる市場では、それぞれのタイプのパックのための包装製造ライン設備が必要になり、工場で必要な面積(すなわち占有面積)に著しい影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第4300676(A)号明細書
【文献】欧州特許第2155568(B1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記に鑑みて、パックの蓋と共にまたは同時に移動する再閉鎖可能なフラップを有するタイプの喫煙品包装用の新たな改良された方法および装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、請求項1に挙げられた特徴を有する喫煙品の包装方法、および請求項11に挙げられた特徴を有する喫煙品の包装装置が提供される。本発明の様々な好ましくかつ/有利な特徴が、従属請求項に挙げられる。
【0011】
したがって、一態様によれば、本発明は、
喫煙品へのアクセスを阻止する閉鎖位置と喫煙品にアクセスする開放位置との間で移動可能な再閉鎖可能なフラップを有する、可撓性シートに包装され囲われた1組の喫煙品の内側パックと、内側パックを保持して実質的に囲う容器、および内側パックへのアクセスを阻止する閉鎖位置での蓋を備える外側パックであって、蓋が、閉鎖位置と内側パックへアクセスする開放位置との間で移動可能である、外側パックとを具備する喫煙品の予備組立パックを用意するステップと、
再閉鎖可能なフラップの一部分へのアクセスを可能にするために、外側パックの蓋と内側パックの可撓性シートとの間に空間または間隙を生じさせるステップと、
内側パックの再閉鎖可能なフラップを、空間または間隙を通しまたは介して外側パックの蓋へ取り付けるステップと、
引き続き、パックを個々に透明薄膜で包装するために、パックを包装ステーションへ移送するステップと、を含む、喫煙品パックの製造方法を提供する。
【0012】
このようにして、本発明は、内側パックの再閉鎖可能なフラップが、閉鎖位置と開放位置との間を外側パックの蓋と共に移動するように、外側パックの蓋に取付けられまたは相互連結された、喫煙品の包装パックを提供することができる。さらに、本発明は、そのような最終パック構成を実現する極めて効率的かつ経済的な方式を提供する。具体的には、結果として得られるパック構成は最終的に全く異なり、フラップと蓋とを取付または相互結合することを含むが、既存の基本的設備および器材を使用し続けることができる。すなわち、本発明者は、再閉鎖可能な蓋が閉鎖位置にある堅固な外側パックを有する予備組立パックが、外側パックの蓋と内側パックの可撓性シートとの間に、再閉鎖可能なフラップの一部分へのアクセスを可能にし、フラップと蓋との取付けに十分な空間または間隙を生成するように処理され、それによってフラップと蓋とを閉鎖位置と開放位置との間で同時に移動させることができるようにする技法を開発した。
【0013】
本発明の別の利点は、本発明が、フラップが蓋に取付けられないパックを製造することをも求められる工場にとって、占有床面積の低減を可能にすることである。すなわち、その種パック用の製造ラインが、本発明の方法の開始時点の製品を製造する。フラップを蓋に取付けるために使用する工程ステップをその目的に適合させるため、コンベヤ手段を用いることができる。これにより、占有床面積が低減したより柔軟な製造現場を実現することができる。
【0014】
閉鎖位置と開放位置との間を共に移動させるために内側パックのフラップを外側パックの蓋に取付けるステップは、フラップを蓋に取付けるために取付手段を空間または間隙に導入するステップを含み得る。これに関し、接着手段などの取付手段を、内側パックの再閉鎖可能なフラップおよび/または外側パックの蓋と接触させるために空間または間隙に導入する。空間または間隙は、通常、外側パックの蓋の内面、特に外側パックの蓋の下側縁部と内側パックの外面、特に外側パックの容器の前方パネルとの間に設けられる。空間または間隙は、約8mm未満、たとえば約6mm未満、または、たとえば約2mm~約6mmの範囲内の寸法であり得る。
【0015】
本発明者は、外側パックの蓋と内側パックとの間に生成される空間を制限することが、パックの外観を損なわずに取付ステップを実施することを可能にすることに気付いている。言い替えれば、そのような範囲が、パックが使用されたように見えるのを防ぎ、新品の外観を維持する。
【0016】
取付手段を導入するステップは、外側パックの再閉鎖可能な蓋上および/または内側パックの再閉鎖可能なフラップ上に接着手段を適用するステップを含み得る。一例では、接着剤が、蓋の内面上および/またはフラップの外面上に塗布される。接着手段は、両面接着要素(たとえば両面接着片)などの接着媒体もしくは要素および流体状態の接着剤の少なくとも1つを含み得る。流体状態の接着剤は、点状または筋状に塗布することができる。あるいは、流体状態の接着剤は、フラップおよび/または蓋の領域または面積を覆うように、たとえば実質的に切れ目なく塗布することができる。
【0017】
接着手段は、水ベースまたは溶剤ベースの接着剤などの乾燥接着剤、PVAなどの感圧接着剤、および熱溶融性接着剤の少なくとも1つを含み得る。様々なタイプの接着剤の1つまたは複数の組合せは、フラップの蓋への適切な取付けを高速で確保しながら高い歩留まりを達成する利点がある。特に有利なのは、熱溶融性接着剤と乾燥接着剤または感圧接着剤との組合せを用いることである。熱溶融性接着剤は、フラップと蓋とを殆ど即時に接合するが、コストが高く、乾燥接着剤および感圧接着剤は、有効な接合のために追加のステップを必要とする(すなわち乾燥接着剤は乾燥する必要があり、感圧接着剤は圧力を掛ける必要がある)ので、フラップと蓋とを即時に接合することができない。そのような接着剤の組合せを用いることで、1点の熱融合性接着が、正しい位置決めの確保を満足し、他のタイプの接着剤がフラップを蓋へ目標または必要接合強度まで効果的に接合するのに必要な追加時間を実現するので、コストを低減して蓋へのフラップの即時接合を達成することができる。
【0018】
別の実施形態では、取付手段を導入するステップが、外側パックの蓋の領域上および/または内側パックの再閉鎖可能なフラップの領域上に熱を導入するステップを含み得る。このようにすると、この領域に配置された感熱媒体または物質が、加熱後に軟化または溶融して融合または接合を生じさせることができる。熱は、たとえば、生成された空間または間隙を通してレーザ・ビームを向けることによって導入することができる。
【0019】
さらに別の実施形態では、外側パックの蓋と内側パックとの間に空間または間隙を生成するステップが、外側パックの蓋を容器に対して移動させ、かつ/または容器を外側パックの再閉鎖可能な蓋に対して移動させるステップを含む。より具体的には、外側パックの蓋を、閉鎖位置から少なくとも部分的な開放位置まで(相対的に)移動させることで、蓋と内側パックとの間に空間または間隙を生成し、その空間または間隙を通しまたは介して、内側パックのフラップと外側パックの蓋とが互いに取付けられる。好ましくは、蓋は、閉鎖位置から、内側パックの上端部分が露出しない部分的な開放位置まで回転させられる。従来、組立後に外側パックの蓋を開けると通常、パックの外観を損ない、「使用された」ように見えるので、望ましくないと一般的に考えられてきた。しかし、本発明者は、外側パックの蓋を開ける程度を制限することによって、開ける操作の悪影響を実質的に回避することができると判断した。さらに、本発明者は、制限された蓋の開放であっても、内側パックの再閉鎖可能なフラップと外側パックの蓋とが閉鎖位置と開放位置との間を同時に移動することができるように、内側パックの再閉鎖可能なフラップと外側パックの蓋との効果的な取付けを実現するのに十分であると判断した。このように、本発明は、そのような望ましいパック構成の製造を簡略化する重要な成果を提示する。
【0020】
一実施形態では、外側パックの蓋が、外側パックの容器へ、通常、蝶着タイプの連結を介して回動可能に連結されている。このようにして、蓋は、閉鎖位置と開放位置との間で回動または回転運動をするように構成されている。その結果、外側パックの蓋と内側パックとの間に空間または間隙を生成するステップは、外側パックの蓋を容器に対して約35°未満、たとえば約30°未満、たとえば約25°未満の角度まで回動させまたは回転させるステップを含み得る。蓋の相対回転をこれら角度に限定することによって、開放操作の悪影響を回避することが可能になる。外側パックの蓋と内側パックとの間に空間または間隙を生成するステップは、外側パックの蓋を容器に対して少なくとも約15°、たとえば少なくとも約20°、またはたとえば約20°~30°の範囲内の角度まで回動させまたは回転させるステップを含み得る。本発明者は、これら範囲での相対的な蓋の回転は、特に、内側パックの再閉鎖可能なフラップを空間または間隙を通しまたは介して外側パックの蓋へ取付けるステップが、外側パックの再閉鎖可能な蓋上および/または内側パックの再閉鎖可能なフラップ上に接着手段を適用するステップを含むとき、より速い製造速度を生じると判断した。
【0021】
代替的な実施形態では、外側パックの蓋と内側パックとの間に空間または間隙を生成するステップが、蓋とフラップとの間に空間または間隙を生じさせるために、たとえば圧縮力を加えることによって、外側パックおよび/または内側パックを変形させるステップを含む。これに関して、外側パックの変形は比較的僅かのみでよく、それでも取付手段を導入するにはなお十分であり得ることを理解されたい。一例では、外側パックの変形は、たとえば側方から圧縮力を加えることによって、外側パックの蓋、特に外側パックの蓋の前方パネルを座屈させまたは膨らませることを含む。蓋の前方パネルの僅かな湾曲でも、上記のように、取付手段を導入するにはなお十分である。別の例では、外側パックの変形は、外側パックの容器、特に外側パックの容器の前方パネルを圧縮することを含む。別の例では、外側パックの蓋および外側パックの容器の両方が変形させられる。
【0022】
別の実施形態では、外側パックの蓋と内側パックとの間に空間または間隙を生成するステップが、外側パックの蓋と内側パックとの間に工具を用いまたは工具を挿入して、空間または間隙を形成するステップを含み得る。これに関して、工具は、外側パックの上記変形を生じることができ、その変形は、蓋、容器、またはそれら両方の変形である。次いで、同じ工具また別の工具を、空間または間隙に取付手段を導入または挿入するために使用することができる。
【0023】
パックは、外側パック内に配置され内側パックを部分的に囲うか、または内側パック内に配置され喫煙品の組を部分的に囲う補強材を備えることとしてもよい。補強材は、内側パックと蓋との間に空間または間隙を生成するために外側パックに掛けられる圧力によって喫煙品が損傷されることを防ぐために配置することができる。そのような補強材を設けることによって、喫煙品を損傷することなく1つまたは複数の外側パック・パネルを圧縮することにより、蓋と内側パックとの間に、より大きな空間または間隙を生成することができる。
【0024】
補強材は、主パネルと、主パネルの両側で主パネルに連結された2つの副パネルを備え得る。両方のケースについて、補強材の主パネルは、容器の前方壁に実質的に平行に配置され、副パネルは、内側パックまたは喫煙品の組の両側を囲う。補強材は、内側パックもしくは喫煙品の組の下端部を補強する下端パネル、または内側パックもしくは喫煙品の組の上端部を補強する上端パネルもしくは肩部など、さらに別のパネルまたは壁を備え得る。補強材が有し得るパネルまたは壁の数に関係なく、補強材は、好ましくは、パックの内容物への消費者のアクセス性への制約を増さずに内側パック内の喫煙品へのアクセスを可能にする形状にされる。
【0025】
補強材は、パックの剛性を増加させるので、好ましくは、外側パックの1つもしくは複数のパネルまたは壁への加圧によって空間または間隙を生成することのない他の実施形態にも適している。
【0026】
取付ステップは、蓋の内面と再閉鎖可能なフラップの外面とを接近させて合わせ、たとえば蓋に圧力を加えることによって、望ましくは互いに接触させるステップを含み得る。このようにして、空間または間隙を介して導入した取付手段に、フラップおよび蓋の両方との緊密な接合接触をさせて、フラップおよび蓋との恒久的かつ取外し不可能な取付けを生じさせることができる。
【0027】
付着ステップは、蓋の内面と再閉鎖可能なフラップの外面とを接近させて合わせ、望ましくは互いに接触させるステップと、引き続き、少なくとも所定の時間、蓋の内面と再閉鎖可能なフラップの外面とを接近させて合わせ、望ましくは互いに接触させることを維持するステップとを含み得る。このために蓋に圧力を加える場合、加える圧力は、好ましくは、少なくとも所定の時間、維持する。
【0028】
所定の時間、圧力を加えるステップは、空間または間隙を通しまたは介して内側パックの再閉鎖可能なフラップを外側パックの蓋に取付けるステップが、外側パックの再閉鎖可能な蓋上および/または内側パックの再閉鎖可能なフラップ上に接着手段を適用するステップを含む実施形態において特に有利であると判明している。
【0029】
所定の時間は、特に接着手段が使用されないとき、10分の数秒の程度、たとえば1/10~1秒であり得る。本発明者は、流体状態の接着剤が使用される実施形態では、所定の時間は、有利には約3秒~約6秒の範囲にあり、たとえば所定の時間が約5秒であり得ることを見出した。PVA接着剤が使用されるとき、最低限約4秒間、具体的には最低限約5秒間、加えられた圧力を維持することが、フラップと蓋との十分な接合を生じるために特に好ましいことが分かっている。
【0030】
本方法は、取付手段を導入した後、外側パックの蓋を閉鎖位置へ移動させて戻すステップをさらに含み得る。このようにして、取付手段を押圧して内側パックの再閉鎖可能なフラップの外面および外側パックの蓋の内面の一方または両方と接触させ、それによって、取付手段(たとえば接着手段)をフラップおよび蓋の両方に緊密に接合接触させて、フラップと蓋との取外し不可能な取付けを行うことができる。
【0031】
本方法は、外側パックの蓋および/または内側パックのフラップへの接着手段の適用を検出するステップと、接着手段の適用が失敗していると検出された場合、そのパックを排除するステップとをさらに含み得る。接着手段の適用は、通常、接着手段が検出されない場合、または接着手段の量もしくは位置が正しくないと検出された場合に失敗していると検出される。一部の実施形態では、接着手段の適用の失敗の検出およびパックの排除の両ステップが連続している。一方、別の実施形態では、検出ステップと排除ステップとの間に1つまたは複数の中間ステップが実行される。その場合、欠陥パックは、識別され、1つまたは複数の中間ステップが実行された後に排除される。
【0032】
付着ステップが、蓋の内面と再閉鎖可能なフラップの外面とを接近させて合わせ、望ましくは互いに接触させるステップを含む実施形態では、外側パックの蓋および/または内側パックのフラップへの接着手段の適用を検出するステップは、好ましくは、蓋の内面と再閉鎖可能なフラップの外面を接近させて合わせ、望ましくは互いに接触させる前に行われる。接着手段の適用が失敗していると検出された場合にそのパックを排除するステップは、好ましくは、蓋の内面と再閉鎖可能なフラップの外面を接近させて合わせ、望ましくは互いに接触させるステップの後に行われる。
【0033】
別の態様によれば、本発明は、
可撓性シートに包装されまたは囲われた1組の喫煙品から構成され、喫煙品へのアクセスを阻止する閉鎖位置と喫煙品にアクセスする開放位置との間で移動可能である再閉鎖可能なフラップを有する内側パック、および、内側パックを保持して実質的に囲う容器を備え、内側パックへのアクセスを阻止する閉鎖位置に蓋を有する外側パックを備える喫煙品の予備組立パックを受け入れる受入ユニットと、
外側パックの再閉鎖可能な蓋と内側パックとの間に空間または間隙を生成し、内側パックの再閉鎖可能なフラップを外側パックの蓋へ取付けるために空間または間隙を通して取付手段を導入する取付ユニットと、を具備する、喫煙品パックの製造装置を提供する。
【0034】
取付ユニットは、空間または間隙を介して、内側パックのフラップの外面上および/または外側パックの蓋の内面上に、特に接着媒体の形態の、取付手段を導入または適用するように構成され得る。接着媒体は、好ましくは、接着片または流体状態の接着剤を含み得る。
【0035】
一実施形態では、取付ユニットは、容器に対して外側パックの蓋を移動させて、空間または間隙を生成するように構成されている。これに関し、取付ユニットは、容器に対して少なくとも部分的に蓋を開放するように構成することができる。これは、通常、蓋を閉鎖位置から部分的な開放位置に相対的に移動させることを含む。取付ユニットは、取付手段を導入した後、外側パックの蓋を閉鎖位置へ移動させて戻すようにさらに構成することができる。これは、それによって、取付手段を押圧して内側パックのフラップの外面および外側パックの蓋の内面の一方または両方と接触させるように作用することができる。
【0036】
代替実施形態では、取付ユニットが、たとえば側方圧縮力を加えることによって、外側パック、特に外側パックの蓋の前方パネルを変形させるように構成されている。
【0037】
別の実施形態では、取付ユニットが、外側パックの蓋と内側パックとの間に挿入して空間または間隙を形成する工具を備える。これに関し、工具は、外側パックの容器、特に外側パックの容器の前方パネルに僅かな内向きの湾曲を生じさせ、かつ/または外側パックの蓋、特に外側パックの蓋の前方パネルに僅かな外向きの湾曲を生じさせることができる。次いで、同じ工具また別の工具を、その空間または間隙に取付手段を導入または挿入するために使用することができる。
【0038】
取付ユニットは、蓋の内面と再閉鎖可能なフラップの外面とを接近させて合わせ、望ましくは互いに接触させ、引き続き、少なくとも所定の時間、蓋の内面と再閉鎖可能なフラップの外面とを接近させて合わせ、望ましくは互いに接触させることを維持するように構成され得る。
【0039】
所定の時間は、特に接着手段が使用されないとき、10分の数秒の程度、たとえば1/10~1秒であり得る。本発明者は、流体状態の接着剤が使用される実施形態では、所定の時間が、有利には約3秒~約6秒の範囲内にあり、たとえば所定の時間が約5秒であり得ることが分かっている。
【0040】
装置は、外側パックの蓋および/または内側パックのフラップへの取付手段の適用を検出するセンサと、取付手段の適用が失敗していると検出された場合、パックを排除する分別機構とをさらに備え得る。上記に指摘したように、取付手段の適用は、通常、取付手段が検出されない場合、または取付手段の位置もしくは範囲が正しくないと検出された場合に失敗していると検出される。装置は、センサからのデータを受け取り解析し、分別機構の作動を制御する制御部および/またはプロセッサを備え得る。
【0041】
好ましい実施形態では、センサは、適用された取付手段の画像を取得するように配置され構成されたカメラであり、またはそのようなカメラを備える。画像は、制御部および/またはプロセッサに送られ、そこで画像が解析されて、取付手段の存在ならびに、任意選択で、取付手段の範囲および/または位置が検出される。取付手段の適用が失敗していると検出された場合、パックは、分別機構によって排除される。
【0042】
本発明のある種の実施形態では、装置は、完成したパックを装置から出して包装ステーションに向けて搬送するコンベヤ装置を備える。コンベヤ装置は、パックを搬送すると共に、所定の時間だけパックの蓋に圧力を加えるように構成されている。好ましい実施形態では、コンベヤ装置は、圧力を蓋に加えるためにパックの向かい合わせの面に係合する2つのコンベヤ・ベルトを備える。
【0043】
装置の受入ユニットは、喫煙品の予備組立パックを特定の向きで受け入れるように構成され得、内側パックの再閉鎖可能なフラップを外側パックの蓋に取付た後、取付ユニットが、喫煙品パックを同じ向きで送出するように構成され得る。その向きは、パックの前面が上方に向き、外側パックの再閉鎖可能な蓋が、受入ユニットによって受け入れられる移動方向において前方端になるように横たわる向きである。好ましくは、本発明の装置は、喫煙品の複数の予備組立パックを連続して受け入れ、処理するように構成されている。このようにして、本発明の装置は、既存の器材および基本的設備への擾乱を比較的最低限に抑えて、既存の包装製造ラインに追加しそれを補完することができる。
【0044】
本発明および本発明の利点をより完全に理解するために、本発明の例示的実施形態が、添付図面を参照して、以下の記述においてより詳細に説明される。添付図面では、同じ参照符号は同じ部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】従来技術によって知られている喫煙品パックの概略透視図である。
【
図2】好ましい実施形態による方法における、閉鎖状態の外側パックの蓋を有する喫煙品の予備組立パックの概略側面図である。
【
図3】好ましい実施形態による方法における、部分的な開放状態の喫煙品パックの外側パックの概略側面図である。
【
図4】一実施形態による、喫煙品パックの製造方法のステップを概略的に示す流れ図である。
【
図5】好ましい実施形態による、完成したパックを包装ステーションに向けて移送するコンベヤ装置の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
添付図面は、本発明のさらに深い理解を促すために記載され、本明細書の一部として援用され、本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の具体的な実施形態を例示し、本記述と併せて、本発明の原理を説明する役割を果たす。本発明の他の実施形態および本発明に付随する多くの利点は、以下の詳細な説明を参照してそれら原理がより良く理解されてくるにつれて容易に認識されるであろう。
【0047】
市場で通用している実施形態において有用または必要であり得る一般的で十分に理解されている要素は、実施形態のより深遠な考察を容易にするために、必ずしも示されていないことを理解されたい。図面の要素は、必ずしも相対的な縮尺で示されていない。方法の実施形態における一部の動作および/またはステップは、特定の発生順序で説明しまたは示され得るが、当業者は、順序に関するそのような特定は実際には必要ないことを理解するであろうことをさらに理解されたい。本明細書で使用される用語および表現は、本明細書で特定の意味が別途示されている場合を除き、それら用語および表現の対応するそれぞれの調査および研究分野に関するそれら用語および表現に一致する通常の意味を有することをさらに理解されたい。
【0048】
先ず図面の
図1を参照すると、喫煙品C、たとえば紙巻煙草のパックPが、特許文献2の図面から概略的に再現して示されている。パックPは、大きい方の前方および後方パネルF、Rならびに小さい方の側方パネルSを有する従来の直方体形状を有する。パックPはハイブリッド・パックであり、1組または1充填分の喫煙品Cが包装されまたは囲われている防護薄層の可撓性シート2、および喫煙品Cへのアクセスを阻止する閉鎖位置(図示せず)と喫煙品にアクセスする開放位置(図示)との間を移動可能である再閉鎖可能なフラップ3を有する柔軟な内側パック1を備える。フラップ3の下側は、喫煙品Cの充填部へのアクセスを可能にする内側パック1の喫煙品引抜開口の周りで、粘着性の接着剤を有する。これが、引抜開口の周りでの内側パック1へのフラップ3の繰返し閉鎖を可能にする。パックPは、内側パック1を保持して実質的に囲う容器本体5と蓋6とを備える、厚紙から形成された堅固な外側パック4をさらに備える。蓋6は、容器本体5に回動するように蝶着され、閉鎖位置(図示せず)と開放位置(図示)との間で移動可能である。
図1から分かるように、内側パック1の再閉鎖可能なフラップ3は、外側パック4の蓋6に強固に取り付けられて、その蓋と共に開放位置と閉鎖位置との間を移動する。
【0049】
次いで、図面の
図2および3を参照して、一実施形態による喫煙品CのパックP用のそのような構成の製造方法が説明される。
図2に示される喫煙品Cの予備組立パックPが用意される。予備組立パックPは、やはり、大きい方の前方および後方パネルF、Rならびに小さい方の側方パネルSを有する従来の直方体形状を有する。予備組立パックPは、喫煙品Cへのアクセスを阻止する閉鎖位置(図示)と喫煙品にアクセスする開放位置(図示せず)との間を移動可能である再閉鎖可能なフラップ3を有し、1組または1充填分の喫煙品Cが防護薄層の可撓性シート2内に、その中で包装されまたは囲われている柔軟な内側パック1をやはりさらに備える。予備組立パックPは、直方体形状を本質的に形成し、内側パック1を保持して実質的に囲う容器本体5と、内側パック1へのアクセスを阻止する閉鎖位置(図示)での蓋6とを有する堅固な外側パック4をさらに備える。
図1のパックPにおけるように、蓋6は、蝶着線7を介して外側パック4の容器本体5に回動するように連結され、閉鎖位置(図示)と開放位置(図示せず)との間で移動可能である。
【0050】
柔軟な内側パック1は、外側パック4内に長方形の破線によって表されている。これに関し、内側パック1の上端領域が蓋6によって収容され覆われていることが視認される。このように、容器本体5に対して蓋6を蝶着線7の周りに回転させることによって(たとえば
図3に見られるように)、蓋6が回動して少なくとも部分的に開くと、再閉鎖可能なフラップ3を含む内側パック1の上側端部領域が、内側パック1にアクセスするために露出される。蓋6を容器本体5に対して部分的に開放する回動角度βは、35°以下、好ましくは約8°~約25°である。蓋6が開放される角度を制限することによって、外側パック4の新品の外観を全体として維持することができる。
【0051】
図3をさらに参照すると、外側パックPの蓋6を部分的に開けると、外側パックの蓋6と内側パック1の可撓性シート2との間に空間または間隙が生じる。空間または間隙は、様々な方向で検討または測定することができる。たとえば、パックPを上方からまたは平面図で検討した場合、空間または間隙は、蓋6の下側縁部8と容器本体5の相補的縁部9との間の、
図3に示される寸法「h」によって表すことができる。他方、パックPを端面図によって検討した場合、空間または間隙は、蓋6の下側縁部8と容器本体5の前方パネルFとの間の、
図3に示される寸法「d」によって表すことができる。空間または間隙hは、通常15mm以下、好ましくは12mm以下、より好ましくは4mm~8mmの範囲内である。空間または間隙dは、通常8mm以下、好ましくは2mm~6mmの範囲内である。
【0052】
内側パック1にアクセスするために、蓋6を蝶着線7の周りに角度βまで回動させることによって外側パック4の蓋6を部分的に開けた後、熱溶融性接着剤などの接着媒体10を、内側パック1のフラップ3の外面11および/または外側パック4の蓋6の内面12に塗布するために、空間または間隙dを介して導入することができる。このために、
図3に示されるノズル塗布器を用いることもできる。あるいは、接着媒体10は、内側パック1のフラップ3の外面11上および/または外側パック4の蓋6の内面12上に取付けるために、空間または間隔h、dを介して取付けられる(たとえば取付用具を用いて)両面接着片を備えてもよい。その後、蓋6を閉鎖位置へ回動し戻して、たとえば蓋6に圧力を加えることによって、蓋6の内面12とフラップ3の外面11とを閉じ合わせる。このようにして、空間または間隙h、dを介して導入された接着媒体10は、フラップ3および蓋6の両方と緊密な接合接触をさせられ、それによってフラップと蓋との恒久的かつ取外し不可能な取付けが行われる。加えられた圧力は、恒久的かつ取外し不可能な取付けを確保するために所定の時間維持される。
【0053】
所定の時間は、特に接着手段が使用されないとき、10分の数秒の程度、たとえば1/10~1秒であり得る。本発明者は、流体状態の接着剤が使用される実施形態では、所定の時間は、有利には約3秒~約6秒の範囲にあり、たとえば所定の時間が約5秒であり得ることが分かっている。
【0054】
PVA接着剤が使用されるとき、最低限約4秒間、具体的には最低限約5秒間、加えられた圧力を維持することが、フラップと蓋との十分な接合を生じるために特に好ましいことが分かっている。
【0055】
センサ装置(図示せず)が、外側パック4の蓋6および/または内側パック1のフラップ3への接着媒体10の塗布を検出するために、通常設けられる。さらに、分別機構も、接着媒体10の塗布が失敗したと検出された場合、すなわち、接着媒体10が検出されない場合または接着媒体10の位置もしくは範囲が正しくない場合、パックPを排除するために設けられる。センサ装置からのデータを受け取り解析し、分別機構の作動を制御する制御部および/またはプロセッサを、さらに設けることができる。
【0056】
センサ装置は、好ましくは、塗布された接着媒体10の1つまたは複数の画像を得るように構成されたカメラであり、またはそのようなカメラを備える。得られた画像は、制御部および/またはプロセッサに送られ、そこで、それら画像は、接着媒体10の存在または欠落を検出するために解析される。解析は、接着媒体10の範囲および/または位置を測定し、次いで測定値を所定の基準値の範囲と比較することによって、行うことができる。測定値が、所定の基準値から外れている場合、パックは排除される。その代わりにあるいはそれに加えて、得られた画像を、管理または基準画像と比較することもできる。画像は、蓋6が閉鎖位置へ回動し戻される前に取得される。欠陥ありと識別されたパックPは、好ましくは、蓋6を閉鎖位置へ回動し戻した後に分別機構によって排除される。
【0057】
最後に、ここで図面の
図4を参照すると、
図2および
図3に関して上記で説明された本発明の好ましい実施形態による、喫煙品パックの製造方法におけるステップを概略的に例示する流れ図が示されている。これに関し、
図4の第1のボックスiは、紙巻煙草などの喫煙品の予備組立パックPを用意するステップを表し、パックPは、1組の喫煙品Cがその中に包装されまたは囲われている可撓性シート2、および閉鎖位置と開放位置との間を移動可能なフラップ3を有する内側パック1と、内側パック1を保持し実質的に取り巻く容器本体5を含む外側パック4とを備え、外側パック4は、内側パックへのアクセスを阻止する閉鎖位置での蓋6を有する。予備組立パックPは、好ましくは、パックの前方パネルFが上方に向き、パックPの蓋6が移動方向での前方端に位置する横たわる向きで用意される。
【0058】
第2のボックスiiは、外側パック4の蓋6と内側パック1との間に空間または間隙h、dを生じさせるステップを表す。上記に指摘したように、このステップは、外側パックの容器本体5に対して蓋6を部分的に開けるステップを含み得る。
【0059】
次いで、第3のボックスiiiは、たとえば、間隙または空間h、dを介して接着媒体10を導入または挿入することによって、空間または間隙h、dを介しかつ/または通して、内側パック1の再閉鎖可能なフラップ3を外側パック4の蓋に取付けるステップを表す。取付ステップは、特に取付手段を導入した後に、外側パック4の蓋6を相対的に移動させて閉鎖位置に戻して、間隙または空間h、dを介して導入または挿入された接着媒体10を、押圧して、内側パック1の再閉鎖可能なフラップ3の外面11および外側パックの蓋6の内面12の一方または両方に接触させるステップを含み得る。
【0060】
図4に示された最後のボックスivは、任意選択の、外側パック4の蓋6および/または内側パックのフラップ3への接着媒体10の塗布を検出するステップと、接着媒体10の塗布が失敗していると検出された場合、たとえば、接着媒体10が検出されない場合または検出された接着媒体10の量または位置が正しくない場合にパックを排除するステップとを表す。これらステップは、空間または間隙h、dを介しかつ/または通して内側パック1の再閉鎖可能なフラップ3を外側パック4の蓋に取付けるステップ中、またはその後に、実施することができる。実際に、前に説明したように、検出ステップは、外側パック4の蓋6を相対的に移動させて閉鎖位置に戻して、間隙または空間h、dを介して導入または挿入された接着媒体10を、押圧して、内側パック1の再閉鎖可能なフラップ3の外面11および外側パックの蓋6の内面12の一方または両方に接触させる前に実施することができ、他方、排除ステップは、その相対移動後に実施することができる。
【0061】
この後、本方法は、完成したパックPを、パックPを個々にセロハンなどの透明薄膜で包装し、その後、消費者に向けて発送するためにカートンで最後の包装をする包装ステーションへ移動または移送するステップを含み得る。パックPを包装する前に、本方法は、適用法令によって要求され得る税スタンプまたは物品税スタンプを押すために、完成したパックPを税または物品税スタンプ押印ステーションへ移動または移送するステップを含み得る。
【0062】
図5は、蓋6が閉鎖位置へ回動し戻されたらパックPを包装ステーションへ移送するために好ましいコンベヤ・ベルト装置を示す。このコンベヤ・ベルト装置は、欠陥パックを排除する分別機構の上流または下流に配置することができる。好ましくは、コンベヤ・ベルト装置は、分別機構と包装ステーションとの間に配置される。
【0063】
図5の好ましいコンベヤ・ベルト装置では、完成されたパックPが、パックPの後方パネルRと係合する第1のコンベヤ・ベルトB1によって、矢印によって示された方向に従って移送される。ある箇所で、パックPの前方パネルFが、第2のコンベヤ・ベルトB2と係合する。これが、蓋6に対して圧力を掛ける結果となり、その圧力は、パックPの後方および前方パネルR、Fが、第1および第2のコンベヤB1、B2と接触している間維持される。したがって、コンベヤ・ベルトB1、B2の長さおよび速度を選択することによって、圧力を蓋6に加える所定の時間を設定することが可能になる。これは、機械の占有面積を減らすので、蓋6に圧力を加える有効な方式であることが判明している。
【0064】
本発明の特定の実施形態が本明細書に例示され説明されてきたが、当業者には、様々な代替実施形態および/または等価な実施形態が存在することが理解されるであろう。1つまたは複数の例示的実施形態は単なる例であり、決して範囲、適用性、または構成を限定するものではないことを理解されたい。むしろ、前述の概要および詳細な説明は、少なくとも1つの例示的実施形態を実行するための便宜的道筋を当業者に示そうとするものであり、添付特許請求の範囲およびその合法的同等物で言及される範囲から逸脱することなく、例示的実施形態で説明された要素の機能および配置に様々な変化を施すことができることを理解されたい。全般的に、本願は、本明細書に説明された特定の実施形態のいかなる改変形態および変形形態をも包含するものである。本明細書で説明されたいかなる方法のステップも、パックが移動中または停止中に実行することができる。したがって、装置は、パックが移動または停止している間に対応する方法のステップを実行するように修正することができる。
【0065】
本文書では、用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「含有する」、「含有している」、「有する」、「有している」およびそれらのいかなる変化形も、包括的(すなわち非排他的)意味に理解されるように意図されており、それによって、本明細書に記述されたプロセス、方法、装置、設備、またはシステムは、列挙された特徴、部品、要素、またはステップに限定されず、明示的には列挙されていない、あるいはそれらプロセス、方法、物品、または装置に固有な他の要素、特徴、部品、またはステップを含み得る。さらに、本発明に使用された用語「a」および「an」は、別途明白に示されていない限り、1つまたは複数を意味すると理解されるよう意図されている。さらに、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」などは、単に指標として使用され、それらの対象の重要性のなんらかの序列に数字的要件を負わせ、またはその序列を確定することは意図されていない。
【符号の説明】
【0066】
1 内側パック
2 可撓性シート
3 再閉鎖可能なフラップ
4 外側パック
5 容器本体
6 蓋
7 蝶着線
8 蓋の下側縁部
9 容器本体の縁部
10 接着媒体
11 フラップの外面
12 蓋の内面
P パック
C 喫煙品
F 前方パネル
R 後方パネル
S 側方パネル
h 平面図での空間または間隙
d 端面図での空間または間隙
B1 第1のコンベヤ・ベルト
B2 第2のコンベヤ・ベルト