(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】光パルス発生器及び光パルス発生器の操作方法
(51)【国際特許分類】
H01S 5/023 20210101AFI20220224BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20220224BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20220224BHJP
【FI】
H01S5/023
H01L33/62
H01L33/00 J
(21)【出願番号】P 2019517314
(86)(22)【出願日】2017-09-15
(86)【国際出願番号】 EP2017073232
(87)【国際公開番号】W WO2018059965
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-03-13
(31)【優先権主張番号】102016118580.9
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502327850
【氏名又は名称】フォルシュングスフェアブント ベルリン エー ファウ
【氏名又は名称原語表記】Forschungsverbund Berlin e.V.
【住所又は居所原語表記】Rudower Chaussee17,D-12489 Berlin,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】リエロ, アルミン
(72)【発明者】
【氏名】クレア, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン, トーマス
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-065255(JP,A)
【文献】特開昭63-067792(JP,A)
【文献】特開2013-097147(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0229912(US,A1)
【文献】特開2016-014665(JP,A)
【文献】特表2013-536592(JP,A)
【文献】特開平06-334169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光放射を発するように適合された能動光学部品(10)と、前記光学部品(10)の電子駆動手段(20)と、第1サブマウント(30)と、第2サブマウント(40)とを備える光パルス発生器であって、
前記光学部品(10)は電気的接触のための接触面(12、14)を有し、
前記電子駆動手段(20)は、前記光学部品(10)をパルス状の光放射に励起するように適合され、且つ電気的接触のための接触面(22、24)及び電子部品を備え、
前記電子駆動手段(20)は前記第1サブマウント(30)上に配置され、
前記電子部品は、前記第1サブマウント(30)の第1側面に配置され、前記電子駆動手段(20)の前記接触面(22、24)は、前記第1サブマウント(30)の前記第1側面とは反対側の第2側面に配置され、前記電子部品は、前記第1サブマウント(30)内の導電性ビアを用いて前記電子駆動手段(20)の前記接触面(22、24)に接続され、
前記光学部品(10)は前記第2サブマウント(40)上に配置され、
前記光学部品(10)は、前記第1サブマウント(30)と前記第2サブマウント(40)との間に
直接に配置され、
前記第2サブマウント(40)の表面上の凹部内に完全に埋め込まれており、
前記電子駆動手段(20)の少なくとも1つの接触面(22、24)は、前記光学部品(10)の少なくとも1つの接触面(12、14)に、直接又ははんだ点により接続されている、
光パルス発生器。
【請求項2】
請求項1に記載の光パルス発生器であって、前記電子駆動手段(20)の前記接触面(22、24)は金属製である、光パルス発生器。
【請求項3】
請求項1に記載の光パルス発生器であって、前記電子駆動手段(20)は、前記光学部品(10)の電子パラメタに適合された高周波パルス生成用の駆動回路である、光パルス発生器。
【請求項4】
請求項
3に記載の光パルス発生器であって、前記光学部品(10)には、前記第1サブマウント(30)及び前記第2サブマウント(40)を介して、又は前記第1サブマウント(30)のみを介して電流が供給される、光パルス発生器。
【請求項5】
請求項1に記載の光パルス発生器であって、前記光学部品(10)は前記第1サブマウント(30)と前記第2サブマウント(40)との間に挟着される、光パルス発生器。
【請求項6】
請求項1に記載の光パルス発生器であって、前記第1サブマウント(30)はフレキシブル回路基板であり、前記電子駆動手段(20)は前記
光学部品(10)をパルス状の光放射に励起するための高周波回路である、光パルス発生器。
【請求項7】
請求項1に記載の光パルス発生器であって、前記電子駆動手段(20)は、前記光学部品(10)により発せられた放射パルスに対して、可変パルス幅変調を用いて個々のシグネチャを適用するように適合されている、光パルス発生器。
【請求項8】
請求項1~
7に記載の光パルス発生器を備える、LiDARシステム。
【請求項9】
光パルス発生器の操作方法であって、
能動光学部品(10)を提供する工程であって、前記光学部品(10)は電気的接触のための接触面(12、14)を有する、工程と、
前記光学部品(10)の電子駆動手段(20)を提供する工程であって、前記電子駆動手段(20)は電気的接触のための接触面(22、24)及び電子部品を有する、工程と、
第1サブマウント(30)を提供する工程であって、前記電子駆動手段(20)は前記第1サブマウント(30)上に配置される工程であって、前記電子部品は、前記第1サブマウント(30)の第1側面に配置され、前記電子駆動手段(20)の前記接触面(22、24)は、前記第1サブマウント(30)の前記第1側面とは反対側の第2側面に配置され、前記電子部品は、前記第1サブマウント(30)内の導電性ビアを用いて前記電子駆動手段(20)の前記接触面(22、24)に接続される、工程と、
第2サブマウント(40)を提供する工程であって、前記光学部品(10)は前記第2サブマウント(40)上に配置され
、且つ前記第2サブマウント(40)の表面上の凹部内に完全に埋め込まれる、工程と、
前記光学部品(10)を前記第1サブマウント(30)と前記第2サブマウント(40)との間に
直接に配置する工程であって、前記電子駆動手段(20)の少なくとも1つの接触面(22、24)は、前記光学部品(10)の前記接触面(12、14)に直接接続されている、工程と、
前記光学部品(10)を前記第1サブマウント(30)と前記第2サブマウント(40)との間に挟着する工程と、
前記電子駆動手段(20)により前記光学部品(10)をパルス状の光放射に励起する工程とを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光パルス発生器及び光パルス発生器の操作方法に関するものである。具体的には、本発明は、LiDARシステムにおける高周波(HF)パルス幅変調用の光パルス発生器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LiDAR(光検出と測距)は、レーザビームを用いた光学的な距離・速度測定のための方法である。LiDARシステムは、自動車において、特に、障害物の検出を目的として使用されることも増えている。そのような、自動車において使用されるLiDARシステムとして、例えば、US7,969,588B2が知られている。
【0003】
しかしながら、一般的に、そのようなシステムは一定のパルス幅で動作するので、独立して動作する限られた数のシステムを用いた場合しか、信頼性のある測定を行うことができない。多数のシステムの信号が重畳している場合、例えば、密集した都市部のトラフィックにおいて多数の反射障害物により重畳している場合、信頼性のある検出はもはや不可能である。つまり、LiDARの使用の増加は、それに応じた重大なエラーの危険性を高める。信号検出を向上させるための送信・受信信号の自己相関は、関連するレーダシステムにおいては一般的であるが、光学分野においては相当の技術的努力によってのみ可能となる。
【0004】
個々のLiDAR信号を明確に識別するための方法として、パルス幅変調を用いて個々のシグネチャを付与する方法がある。しかしながら、そのような変調においては、非常に高速な論理回路及びインダクタンスが非常に低い設計によってのみ、スイッチング時間に係る要求を満たすことができる。
【0005】
レーザダイオード、及び半導体に基づく他の放射放出光学部品(例えば、発光ダイオード、光増幅素子)は、一般に、高速パルス制御に必要とされる電子機器を有していない。個々のチップは製造ウェハから分離されており、通常は外部電子回路によって制御される。
【0006】
レーザダイオードは、レーザダイオードの表面上の接触面と電子回路の対応する接触面との間に導電接続を形成する多数のボンディングワイヤにより接続されることが多い。特に高出力レーザダイオードを用いる場合は、活性層内で均一な電流密度を実現するために、通常、断面の小さい多数のボンディングワイヤをレーザの全長にわたりできるだけ均一に配置する。ボンディングワイヤの断面積が小さく、電流が及ぶ面積が大きいため、このような接続は意図する用途に対してはインダクタンスが高すぎる。接触用バンドの使用により、発生するインダクタンスを下げることが可能であるが、それでも尚、特に放射の高速HFパルス幅変調に対しては高すぎる。ボンディングワイヤの典型的なインダクタンスは0.8-1.0nH/mm-ボンディングワイヤ長である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、先行技術の上術のような欠点を克服する光パルス発生器及び光パルス発生器の操作方法を提供することである。具体的には、本発明に係る光パルス発生器は、LiDARシステムにおいてHFパルス幅変調を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的は、本発明の請求項1の特徴により解決される。本発明の好適な形態は、従属項に記載されている。
【0009】
本発明に係る光パルス発生器は、光放射を発するように適合された能動光学部品と、光学部品の電子駆動手段と、第1サブマウントと、第2サブマウントとを備える。光学部品は電気的接触のための接触面を有し、電子駆動手段は、光学部品をパルス状の光放射に励起するように適合され、且つ電気的接触のための接触面を有し、電子駆動手段は第1サブマウント上に配置され、光学部品は第2サブマウント上に配置される。本発明に係る光パルス発生器は、光学部品が第1サブマウントと第2サブマウントとの間に配置されていることを特徴とし、電子駆動手段の少なくとも1つの接触面は、光学部品の少なくとも1つの接触面に、直接又ははんだ点により接続される。
【0010】
好ましくは、能動光学部品は、レーザダイオード、発光ダイオード、又は光増幅素子である。光学部品は、電気的接触のための複数の接触面を備えることができる。好ましくは、接触のために設けられた導電性面状素子を、光学部品の表面上の接触面として用いる。接触面は、光学部品の単一の面又は異なる複数の面上に形成することができる。
【0011】
好ましくは、光学部品の電子駆動手段は、能動光学部品の電子パラメタに適合された高周波パルス生成用の駆動回路である。電子駆動手段は、高周波高電流パルスにより光学部品を駆動するように設計されることが好ましい。具体的には、電子駆動手段は、光学部品の中心位置に対して片側又は両側で光電流パルスを生成することができる。駆動回路は、1対以上の制御トランジスタと蓄電体を備えることができる。電子駆動手段との接触のための接触面は、好ましくは、導電性材料(例えば、金属)で構成される。電子駆動手段は、上術の電子部品及び接触面に加えて、他の電子部品、導体路、接続素子を含んでもよい。
【0012】
好ましくは、第1サブマウントは、特殊フレキシブル回路基板材料又はLTCC(セラミック)である。電子駆動手段は、好ましくは、第1サブマウントに恒久的に接続することができる。サブマウントに恒久的に接続されたそのような電子駆動手段(「回路」)の例は、事前組立型の配線回路基板である。
【0013】
好ましくは、第2サブマウントはヒートシンクである。光学部品は、ヒートシンクに固定、又は取り外し可能に固定(例えば、剥離可能な接着剤で接着)されている。ヒートシンクは、金属製で表面積が大きいことが好ましい。加えて、第2サブマウントは、導電材料で構成されることが好ましい。これにより、光学部品への給電を第2サブマウントによっても行うことが可能となる。しかしながら、電流の入力を、第1サブマウントのみから行うこともできる。
【0014】
好ましくは、第2サブマウントはその表面の1つに凹部を有し、光学部品をその中に完全に埋め込むことができる。好ましくは、第2サブマウントの凹部を含む表面と、凹部に完全に埋め込まれた光学部品の外側に面する表面とは、共通の平面を形成する。
【0015】
本発明の発想は、光学部品(例えば、レーザ)と電子駆動手段(駆動電子機器)との間を、給電線による寄生インダクタンス効果なしに、ハイブリッド集積により直接結合できることに基づく。これは、具体的には、光学部品を駆動電子機器に直接集積することにより可能となり、これにより、極めて低いインダクタンスが実現する。これは、特に、光学部品の有効長さに対して幅が適合化された電子制御手段内において、給電線の幅をできる限り大きくできるよう個々の回路素子間の空間距離が小さくなっていること、且つ給電線間の距離が小さいことにより達成され得る。後者は、具体的には、特に薄い誘電体(例えば、特殊フレキシブル回路基板材料又はLTCC(セラミック))で構成される配線キャリア(すなわち、第1サブマウント)を用いることで、達成される。本発明に係る光パルス発生器で達成される総インダクタンスは、通常、約100~200pHである。
【0016】
従来のボンディングワイヤ又は接触バンドの使用を回避することで、発生するインダクタンスを大幅に下げることができる。インダクタンスが低いことで、生成される放射パルスを、迅速にスイッチオンできるだけでなく、迅速にスイッチオフすることもできる。これにより、特に、個々のパルス幅シグネチャを付与するための光学範囲における高周波パルス幅変調が可能になる。パルスのスイッチング時間は、好ましくは、1桁のナノ秒範囲内、より好ましくはピコ秒範囲内である。
【0017】
好ましくは、システムは、測定目的で、押圧技術(挟着)、又は実用においては、電子駆動手段の少なくとも1つの接触面と光学部品の少なくとも1つの接触面との間の直接接続によって、構築される。光学部品は、好ましくは、第1サブマウントと第2サブマウントとの間に挟着される。挟着は、適切な固定装置又は保持装置により行うことができる。挟着に代えて、接合又ははんだ付けを用いることも可能である。
【0018】
好ましくは、電子駆動手段は、光学部品によって発せられた放射パルスに、可変パルス幅変調により個々のシグネチャを付与するように設計されている。個々のシグネチャは、例えば、パルス幅変調のために事前に定義された方式、個々のパルス又はパルスシーケンスのためにランダムに規定されたパルスシーケンスの変動、又は明確なパルス指定に好適な別の変調方式でもよい。
【0019】
好ましくは、電子駆動手段の電子部品は、第1サブマウントの第1側面に配置され、電子駆動手段の接触面は、第1サブマウントの第1側面とは反対側の第2側面に配置される。好ましくは、電子部品及び接触面は、相互に接続されて回路を形成する。第1サブマウントの第1側面上に配置された電子部品を第1サブマウントの反対側の第2側面上の接触面と接続するために、好ましくは、第1サブマウントにおいて導電性ビアが用いられる。
【0020】
本発明の第1実施形態において、光学部品のバイポーラ電源により、第1サブマウントに対向する光学部品表面のみから電源が供給される。つまり、電源は、第1サブマウントのみを介して供給される。
【0021】
本発明の第2実施形態において、光学部品のバイポーラ電源は、第1サブマウントに対向する(第1極性を有する)光学部品表面及び第2サブマウントに対向する(第2極性を有する)光学部品表面の両方から電源を供給することができる。この場合、電源は、第1サブマウント及び第2サブマウントの両方を介して供給される。
【0022】
本発明の別の態様は、本発明に係る光パルス発生器を備えるLiDARシステムに関するものである。具体的には、光パルス発生器のインダクタンスが低いことで実現する高周波パルス幅変調により、パルスの明確な識別のために個々のパルスシグネチャを付与することが可能となる。パルス幅変調の対応する帯域幅により、多数の独立したLiDAR信号を用いる場合であっても信頼性の高い測定が可能となる。
【0023】
本発明は、以下の工程を含む光パルス発生器の操作方法をさらに含む。能動光学部品を提供する工程であって、光学部品は電気的接触のための接触面を有する、工程。光学部品の電子駆動手段を提供する工程であって、電子駆動手段は電気的接触のための接触面を有する、工程。第1サブマウントを提供する工程であって、電子駆動手段は第1サブマウント上に配置される、工程。第2サブマウントを提供する工程であって、光学部品は第2サブマウント上に配置される、工程。光学部品を第1サブマウントと第2サブマウントとの間に配置する工程であって、電子駆動手段の少なくとも1つの接触面は、光学部品の接触面に直接接続されている、工程。光学部品を第1サブマウントと第2サブマウントとの間に挟着する工程。電子駆動手段により光学部品をパルス状の光放射に励起する工程。
【0024】
本発明に係る方法は、個々の光学部品の試験を行う際に特に好適である。上述の光パルス発生器の操作方法に従いパルス状の光放射に励起される光学部品は、本発明に従い挟着することで(すなわち、光学部品上に高周波回路を直接押し付けることで)、短パルス操作において非破壊的に試験を行うことができる。これにより、大規模な接合を行うことなく光学部品をすばやく交換することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明を、以下の例において、対応する図面を用いて説明する。
【0026】
【
図1】
図1は、本発明に係る光パルス発生器の第1実施形態の概略図である。
【0027】
【
図2】
図2は、本発明に係る光パルス発生器の第2実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明に係る光パルス発生器の第1実施形態の概略図である。光学部品10は、第2サブマウント40の表面の凹部に完全に埋め込まれており、具体的には、第2サブマウント40の第1サブマウント30に指向する表面が、光学部品10の第1サブマウント30に同様に指向する表面と共通の平面を形成している。しかしながら、このような配置において、光学部品10の第1サブマウント30に指向する表面は、第2サブマウント40の第1サブマウント30に指向する表面の、光学部品10の方向における上方又は下方に配置してもよい。
【0029】
第1サブマウント30は、電子駆動手段20のキャリアとして機能し、電子駆動手段20は、様々な電子部品、導体路、及び接触のために設計された少なくとも2つの接触面22、24から構成される。
図1に示すように、好ましくは、電子部品は、第1サブマウント30の接触面22、24とは反対側(すなわち、第1サブマウント30の上側)に配置される。電子部品を接続し回路を形成する導体トラック間の導電接続は、第1サブマウント30の上側に配置されており、第1サブマウント30の下側に配置された接触面12、14は、第1サブマウント30を貫通する(ビアが形成される)。
【0030】
電子駆動手段20は、光学部品10を電子励起するための光電流パルスを、光学部品10の中心位置に対して両側で光学部品に結合するように設計されている。つまり、光電流パルスは、光学部品10の左に配置された電子部品と光学部品10の右に配置された電子部品との両方によって生成される。
【0031】
好ましくは、光学部品10は、第1サブマウント30と第2サブマウント40との間に挟着される。これにより、光学部品10の少なくとも1つの接触面14が、電子駆動手段20の少なくとも1つの接触面24に接触する。接触は、接触面14、24との接触のみで行われても、接触面14と接触面24との間のはんだ点を用いて行われてもよい。加えて、接触性を向上させるために、導電性接触メディエータとして作用する任意の接触剤(例えば、腐食防止効果を有するグラファイト含有導電性ペースト)を使用することができる。
【0032】
図示した実施形態において、電子駆動手段20は、光学部品10の少なくとも1つの接触面12と直接接触しない少なくとも1つの追加接触面22を有する。好ましくは、第2サブマウント40は、第2サブマウント40を介して光学部品10の接触面12と電子駆動手段20の接触面22との間に電流を流すように適合された導電性材料(例えば、金属)を備える。好ましくは、第2サブマウント40全体が、熱的及び電気的な伝導性を有する材料(例えば、銀、銅、金、アルミニウム)で構成されている。図示した実施形態では、光学部品10は、光学部品10の両側から給電される。
【0033】
図2は、本発明に係る光パルス発生器の第2実施形態の概略図を示す。その基本構造は、
図1に示した設計にほぼ対応している。各参照番号及びそれらの割り当ては、対応して適用される。
図1とは異なり、光学部品10への給電は、光学部品10の片側からのみ行われる。光学部品10の第1サブマウント30に指向する面は、第2サブマウント40の第1サブマウント30に指向する面の下方に配置されている。第1サブマウントの下側に配置されている、電子駆動手段20の相互に独立した接触面22、24は、下方にある光学部品10の表面上に、すなわち、光学部品10の接触面12、14上に平らに配置されている。
【符号の説明】
【0034】
10 光学部品
12 接触面(光学部品10)
14 接触面(光学部品10)
20 電子駆動手段
22 接触面(電子駆動手段20)
24 接触面(電子駆動手段20)
30 第1サブマウント
40 第2サブマウント