(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】アップリンクデータ解凍、圧縮方法および装置
(51)【国際特許分類】
H03M 7/30 20060101AFI20220224BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20220224BHJP
H04W 80/02 20090101ALI20220224BHJP
【FI】
H03M7/30 Z
H04W28/06
H04W80/02
(21)【出願番号】P 2019558705
(86)(22)【出願日】2018-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2018078451
(87)【国際公開番号】W WO2018196491
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2019-10-28
【審判番号】
【審判請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】201710296106.4
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1/F, Building 1, No.5 Shangdi East Road, Haidian District,Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】全 ▲海▼洋
(72)【発明者】
【氏名】鮑 ▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】邱 禹
【合議体】
【審判長】角田 慎治
【審判官】林 毅
【審判官】野崎 大進
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0309364(US,A1)
【文献】Qualcomm Inc.,A Low-Complexity Uplink Data Compression Solution、3GPP TSG-RAN WG2 #97bis R2-1703583、2017年3月25日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M7/30
H04W28/06
H04W80/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
解凍エンドが、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)パケットを受信すると、前記PDCPパケットのうち、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するための解凍キャッシュエリア関連情報とを含むUDC(Uplink Data Compression)ヘッダを検査することと、
前記解凍エンドが、前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行うこととを含
み、
前記UDCヘッダは、
UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールド、及び解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールドを含む、アップリンクデータ解凍方法。
【請求項2】
前記PDCPパケットは、
PDCPパケットのヘッダと、データパケットと、PDCPパケットのヘッダとデータパケットの間に位置するUDCヘッダを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記UDCヘッダは、
解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィール
ドをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記UDCヘッダは、
データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールド、または、保留ビットフィールドをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記解凍エンドが、前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行うことは、
前記UDCヘッダのうちの第1指示ビットフィールドが、UDC圧縮が行われないことを示す第1値であれば、前記解凍エンドが、直接、前記データパケットを上位層に伝送することと、
前記第1指示ビットフィールドが、UDC圧縮が行われることを示す第2値であれば、前記解凍エンドが、UDCヘッダのうち、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールドを検査することと、
前記第2指示ビットフィールドが、解凍キャッシュエリア復元が必要であることを示す第3値であれば、解凍キャッシュエリアをクリアし、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを検査する必要がなく、直接、前記データパケットに対しUDC解凍を行うことと、
前記第2指示ビットフィールドが、解凍キャッシュエリア復元が必要でないことを示す第4値であれば、引き続き、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを検査することと、
前記第3指示ビットフィールドがn(正整数)ビットであれば、前記解凍エンドが、解凍キャッシュエリアのうちのデータを検査して前記解凍キャッシュエリアからnビットを取り、該nビットがUDCヘッダのうちの第3指示ビットフィールドとは同一であれば、前記データパケットに対しUDC解凍を行うが、逆の場合、リセットプロセスを引き起こし、圧縮キャッシュエリアのリセットを圧縮エンドに指示することとを含み、
前記解凍キャッシュエリアからnビットを取ることは、
バイト全体で重ね合わせ、または、解凍キャッシュエリアのすべてのビットを重ね合わせ、最後のnビットを取ることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールドがUDCヘッダに含まれ、かつ前記第4指示ビットフィールドが、データパケットが解凍キャッシュエリアに入ることが必要であることを示す第5値であれば、圧縮されていないデータパケットまたは解凍後のデータパケットである前記データパケットを解凍キャッシュエリアに記憶することと、
データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールドがUDCヘッダに含まれ、かつ前記第4指示ビットフィールドが、データパケットが解凍キャッシュエリアに入ることが必要でないことを示す第6値であれば、前記データパケットを解凍キャッシュエリアに記憶しないこととをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
圧縮エンドが、PDCPパケットを解凍エンドに送信することを含み、
前記解凍エンドが、前記PDCPパケットのうち、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するための解凍キャッシュエリア関連情報とを含むUDCヘッダを検査し、前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行
い、
前記UDCヘッダは、
UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールド、及び解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールドを含む、アップリンクデータ圧縮方法。
【請求項8】
前記PDCPパケットは、
PDCPパケットのヘッダと、データパケットと、PDCPパケットのヘッダとデータパケットの間に位置するUDCヘッダを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記UDCヘッダは、
解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィール
ドをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対しUDC圧縮が行われたのであれば、前記圧縮エンドが、UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールドを第2値にセットし、逆の場合、第1指示ビットフィールドを第1値にセットすることと、
前記第1指示ビットフィールドが第2値にセットされたのであれば、前記圧縮エンドが、圧縮前の圧縮キャッシュエリアのうちのデータを重ね合わせることによって、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを算出し、前記UDCヘッダに記入することとをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記UDCヘッダは、
データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールド、または、保留ビットフィールドをさらに含み、
前記データパケットが圧縮キャッシュエリアに入る必要があるのであれば、前記圧縮エンドが、前記UDCヘッダのうち、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールドを第5値にセットすることと、
前記データパケットが圧縮キャッシュエリアに入る必要がないのであれば、前記圧縮エンドが、前記UDCヘッダのうち、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールドを第6値にセットすることとをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
解凍エンドであって、
PDCPパケットを受信すると、前記PDCPパケットのうち、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するための解凍キャッシュエリア関連情報とを含むUDCヘッダを検査する検査モジュールと、
前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行う第1処理モジュールとを含
み、
前記UDCヘッダは、
UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールド、及び解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールドを含む、解凍エンド。
【請求項13】
前記UDCヘッダは、
UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドのうちの1つまたは複数を含み、
前記UDCヘッダは、
データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールド、または、保留ビットフィールドをさらに含み、
前記処理モジュールは、さらに、
前記UDCヘッダのうちの第1指示ビットフィールドが、UDC圧縮が行われないことを示す第1値であれば、前記解凍エンドが、直接、前記データパケットを上位層に伝送することと、
前記第1指示ビットフィールドが、UDC圧縮が行われることを示す第2値であれば、前記解凍エンドが、UDCヘッダのうち、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールドを検査することと、
前記第2指示ビットフィールドが、解凍キャッシュエリア復元が必要であることを示す第3値であれば、解凍キャッシュエリアをクリアし、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを検査する必要がなく、直接、前記データパケットに対しUDC解凍を行うことと、
前記第2指示ビットフィールドが、解凍キャッシュエリア復元が必要でないことを示す第4値であれば、引き続き、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを検査することと、
前記第3指示ビットフィールドがn(正整数)ビットであれば、前記解凍エンドが、解凍キャッシュエリアのうちのデータを検査して前記解凍キャッシュエリアからnビットを取り、該nビットがUDCヘッダのうちの第3指示ビットフィールドとは同一であれば、前記データパケットに対しUDC解凍を行うが、逆の場合、リセットプロセスを引き起こし、圧縮キャッシュエリアのリセットを圧縮エンドに指示することとに用いられる、請求項12に記載の解凍エンド。
【請求項14】
PDCPパケットを解凍エンドに送信する送信モジュールを含む圧縮エンドであって、
前記解凍エンドが、前記PDCPパケットのうち、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するための解凍キャッシュエリア関連情報とを含むUDCヘッダを検査し、前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行
い、
前記UDCヘッダは、
UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールド、及び解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールドを含む、圧縮エンド。
【請求項15】
前記UDCヘッダは、
UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドのうちの1つまたは複数を含み、
前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対しUDC圧縮が行われたのであれば、UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールドを第2値にセットし、逆の場合、第1指示ビットフィールドを第1値にセットすること、または、
前記第1指示ビットフィールドが第2値にセットされたのであれば、圧縮前の圧縮キャッシュエリアのうちのデータを重ね合わせることによって、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを算出し、前記UDCヘッダに記入することに用いられる第1セットモジュールをさらに含み、
前記UDCヘッダは、
データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールド、または、保留ビットフィールドをさらに含む、請求項14に記載の圧縮エンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年4月28日に中国特許庁に提出された中国特許出願201710296106.4の優先権を主張し、その全ての内容が援用によりここに取り込まれる。
本開示は、通信技術分野に係り、特にアップリンクデータ解凍、圧縮方法および装置に係る。
【背景技術】
【0002】
(1)関連技術における移動通信システムのデータ伝送過程
UE(User Equipment)とeNB(evolved Node B)との間のデータ伝送は、通常、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)層、RLC(Radio Link Control)層、MAC(Media Access Control)層およびPHY(Physical Layer)の伝送を経て行われ、各層において異なるデータ処理が行われる。PDCP層では、たとえば暗号化や完全性保護、ROHC(Robust Header Compression)の圧縮および解凍など、主にセキュリティ処理およびヘッダの圧縮/解凍処理が行われる。RLC層では、データのセグメントカスケーディング(Segmented cascading)、データの順次引渡しおよびARQ(Automatic Repeat-reQuest)のデータ伝送保障が実現される。MAC層では、主にスケジューリング、異なる論理チャネルのカスケーディング処理およびHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)処理が実現される。物理層では、伝送ブロックのパケット化およびエアインタフェース送信が実現される。
図1を参照すると、ユーザプレーンのプロトコルスタックの概略図が示されている。
【0003】
(2)PDCPによるデータ処理
PDCP層では、主な機能として、セキュリティ関連処理(暗号化/復号、完全性保護/チェック)およびヘッダの圧縮/解凍処理が行われる。具体的なデータ処理フローは、
図2に示されている。
【0004】
PDCP送信エンティティは、受信したIP(Internet Protocol)データパケットを処理してPDCP PDU(Protocol Data Unit)を生成する。PDCP PDUの構造は、
図3に示されるように、PCPC層のSN(Sequence Number)は、PDCPヘッダ(header)に含まれる。
【0005】
(3)アップリンクデータ圧縮のメカニズム
アップリンクデータ圧縮は、UEがアップリンクのアプリケーション層のデータまたはシグナリングに対し圧縮を行い、基地局側において、圧縮後のデータの解凍が行われる。それによって、エアインタフェース伝送のデータ量を節約し、アップリンクリソースを節約する。
【0006】
現在、端末と基地局側での正しい解凍を維持する解決策は、2種類が考えられる。その1つは、圧縮キャッシュ中のデータコンテンツが端末によってアップリンクデータの送信中に確立され、基地局側に保留され、その後、対応するルールで解凍される。もう1つは、端末と基地局において、事前に定義される解凍用のプロファイル(profile)情報を予めダウンロードし、または保存しておき、シグナリングのやり取りによって、どのプロファイルを起動させるかを特定し、いったん合意すると、端末と基地局では正しい圧縮および解凍が保証される。
【0007】
ここで、プロファイル情報は、圧縮方法、および解凍バッファ(buffer)の情報または解凍のマッピング(mapping)を含む。
【0008】
図4に示すように、アップリンクデータ圧縮は、PDCP層の処理フローでROHCの圧縮を代替可能である。
【0009】
無線移動通信システムのアップリンクデータ圧縮(UDC:Uplink Data Compression)の研究において、端末は、ネットワークの設定に応じてUDC機能を起動させ、アップリンクデータを圧縮する。UDCにパケットクロス(Packet cross)の圧縮方式が用いられ、すなわち基地局は、今まで受信したデータ情報に基づいて、新規に受信した圧縮パケットの解凍を行う。よって、基地局と端末の両方で圧縮キャッシュと解凍キャッシュの一致が保証できず、さらにアップリンクデータ圧縮の信頼性が保証できない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の技術問題に鑑みて、本開示の実施例は、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアと解凍エンドの解凍キャッシュエリアの一致が保証でき、さらにアップリンクデータ圧縮の信頼性が保証できるアップリンクデータ解凍、圧縮方法および装置を提供する。
【0011】
本開示の実施例の第1方面において、アップリンクデータ解凍方法を提供する。当該方法において、解凍エンドが、PDCPパケットを受信すると、前記PDCPパケットのうち、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するための解凍キャッシュエリア関連情報とを含むUDCヘッダを検査することと、前記解凍エンドが、前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行うこととを含む。
【0012】
選択可能に、前記PDCPパケットは、PDCPパケットのヘッダと、データパケットと、PDCPパケットのヘッダとデータパケットの間に位置するUDCヘッダを含む。
【0013】
選択可能に、前記UDCヘッダは、UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドのうちの1つまたは複数を含む。
【0014】
選択可能に、前記UDCヘッダは、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールド、または、保留ビットフィールドをさらに含む。
【0015】
選択可能に、前記解凍エンドが、前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行うことは、前記UDCヘッダのうちの第1指示ビットフィールドが、UDC圧縮が行われないことを示す第1値であれば、前記解凍エンドが、直接、前記データパケットを上位層に伝送することと、前記第1指示ビットフィールドが、UDC圧縮が行われることを示す第2値であれば、前記解凍エンドが、UDCヘッダのうち、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールドを検査することと、前記第2指示ビットフィールドが、解凍キャッシュエリア復元が必要であることを示す第3値であれば、解凍キャッシュエリアをクリアし、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを検査する必要がなく、直接、前記データパケットに対しUDC解凍を行うことと、前記第2指示ビットフィールドが、解凍キャッシュエリア復元が必要でないことを示す第4値であれば、引き続き、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを検査することと、前記第3指示ビットフィールドがn(正整数)ビットであれば、前記解凍エンドが、解凍キャッシュエリアのうちのデータを検査して前記解凍キャッシュエリアからnビットを取り、該nビットがUDCヘッダのうちの第3指示ビットフィールドとは同一であれば、前記データパケットに対しUDC解凍を行うが、逆の場合、リセットプロセスを引き起こし、圧縮キャッシュエリアのリセットを圧縮エンドに指示することとを含む。
【0016】
選択可能に、前記圧縮キャッシュエリアからnビットを取ることは、バイト全体で重ね合わせ、または、解凍キャッシュエリアのすべてのビットを重ね合わせ、最後のnビットを取ることを含む。
【0017】
選択可能に、前記方法において、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第2指示ビットフィールドがUDCヘッダに含まれ、かつ前記第2指示ビットフィールドが、データパケットが解凍キャッシュエリアに入ることが必要であることを示す第5値であれば、圧縮されていないデータパケットまたは解凍後のデータパケットである前記データパケットを解凍キャッシュエリアに記憶することと、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第2指示ビットフィールドがUDCヘッダに含まれ、かつ前記第2指示ビットフィールドが、データパケットが解凍キャッシュエリアに入ることが必要でないことを示す第6値であれば、前記データパケットを解凍キャッシュエリアに記憶しないこととをさらに含む。
【0018】
本開示の実施例の第2方面において、アップリンクデータ圧縮方法を提供する。当該方法において、圧縮エンドが、PDCPパケットを解凍エンドに送信することを含む。前記解凍エンドが、前記PDCPパケットのうち、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するための解凍キャッシュエリア関連情報とを含むUDCヘッダを検査し、前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行う。
【0019】
選択可能に、前記PDCPパケットは、PDCPパケットのヘッダと、データパケットと、PDCPパケットのヘッダとデータパケットの間に位置するUDCヘッダを含む。
【0020】
選択可能に、前記UDCヘッダは、UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドのうちの1つまたは複数を含む。
【0021】
選択可能に、前記方法において、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対しUDC圧縮が行われたのであれば、前記圧縮エンドが、UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールドを第2値にセットし、逆の場合、第1指示ビットフィールドを第1値にセットすることと、前記第1指示ビットフィールドが第2値にセットされたのであれば、前記圧縮エンドが、圧縮前の圧縮キャッシュエリアのうちのデータを重ね合わせることによって、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを算出し、前記UDCヘッダに記入することとをさらに含む。
【0022】
選択可能に、前記UDCヘッダは、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールド、または、保留ビットフィールドをさらに含む。
【0023】
選択可能に、前記方法において、前記データパケットが圧縮キャッシュエリアに入る必要があるのであれば、前記圧縮エンドが、前記UDCヘッダのうち、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールドを第5値にセットすることと、前記データパケットが圧縮キャッシュエリアに入る必要がないのであれば、前記圧縮エンドが、前記UDCヘッダのうち、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールドを第6値にセットすることとをさらに含む。
【0024】
本開示の実施例の第3方面において、解凍エンドをさらに提供する。当該解凍エンドは、PDCPパケットを受信すると、前記PDCPパケットのうち、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するための解凍キャッシュエリア関連情報とを含むUDCヘッダを検査する検査モジュールと、前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行う第1処理モジュールとを含む。
【0025】
選択可能に、前記PDCPパケットは、PDCPパケットのヘッダと、データパケットと、PDCPパケットのヘッダとデータパケットの間に位置するUDCヘッダを含む。
【0026】
選択可能に、前記UDCヘッダは、UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドのうちの1つまたは複数を含む。
【0027】
選択可能に、前記UDCヘッダは、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールド、または、保留ビットフィールドをさらに含む。
【0028】
選択可能に、前記処理モジュールは、さらに、前記UDCヘッダのうちの第1指示ビットフィールドが、UDC圧縮が行われないことを示す第1値であれば、前記解凍エンドが、直接、前記データパケットを上位層に伝送することと、前記第1指示ビットフィールドが、UDC圧縮が行われることを示す第2値であれば、前記解凍エンドが、UDCヘッダのうち、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールドを検査することと、前記第2指示ビットフィールドが、解凍キャッシュエリア復元が必要であることを示す第3値であれば、解凍キャッシュエリアをクリアし、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを検査する必要がなく、直接、前記データパケットに対しUDC解凍を行うことと、前記第2指示ビットフィールドが、解凍キャッシュエリア復元が必要でないことを示す第4値であれば、引き続き、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを検査することと、前記第3指示ビットフィールドがn(正整数)ビットであれば、前記解凍エンドが、解凍キャッシュエリアのうちのデータを検査して前記解凍キャッシュエリアからnビットを取り、該nビットがUDCヘッダのうちの第3指示ビットフィールドとは同一であれば、前記データパケットに対しUDC解凍を行うが、逆の場合、リセットプロセスを引き起こし、圧縮キャッシュエリアのリセットを圧縮エンドに指示することとに用いられる。
【0029】
選択可能に、前記解凍エンドは、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第2指示ビットフィールドがUDCヘッダに含まれ、かつ前記第2指示ビットフィールドが、データパケットが解凍キャッシュエリアに入ることが必要であることを示す第5値であれば、圧縮されていないデータパケットまたは解凍後のデータパケットである前記データパケットを解凍キャッシュエリアに記憶すること、または、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第2指示ビットフィールドがUDCヘッダに含まれ、かつ前記第2指示ビットフィールドが、データパケットが解凍キャッシュエリアに入ることが必要でないことを示す第6値であれば、前記データパケットを解凍キャッシュエリアに記憶しないことに用いられる第2処理モジュールをさらに含む。
【0030】
本開示の実施例の第4方面において、PDCPパケットを解凍エンドに送信する送信モジュールを含む圧縮エンドをさらに提供する。前記解凍エンドが、前記PDCPパケットのうち、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するための解凍キャッシュエリア関連情報とを含むUDCヘッダを検査し、前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行う。
【0031】
選択可能に、前記PDCPパケットは、PDCPパケットのヘッダと、データパケットと、PDCPパケットのヘッダとデータパケットの間に位置するUDCヘッダを含む。
【0032】
選択可能に、前記UDCヘッダは、UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドのうちの1つまたは複数を含む。
【0033】
選択可能に、前記圧縮エンドは、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対しUDC圧縮が行われたのであれば、UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールドを第2値にセットし、逆の場合、第1指示ビットフィールドを第1値にセットすること、または、前記第1指示ビットフィールドが第2値にセットされたのであれば、圧縮前の圧縮キャッシュエリアのうちのデータを重ね合わせることによって、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを算出し、前記UDCヘッダに記入することに用いられる第1セットモジュールをさらに含む。
【0034】
選択可能に、前記UDCヘッダは、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールド、または、保留ビットフィールドをさらに含む。
【0035】
選択可能に、前記圧縮エンドは、前記データパケットが圧縮キャッシュエリアに入る必要があるのであれば、前記UDCヘッダのうち、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールドを第5値にセットし、前記データパケットが圧縮キャッシュエリアに入る必要がないのであれば、前記UDCヘッダのうち、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールドを第6値にセットすることに用いられる第2セットモジュールをさらに含む。
【0036】
本開示の実施例の第5方面において、第1メモリ、第1プロセッサおよび第1メモリに記憶されて第1プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む解凍エンドをさらに提供する。前記第1プロセッサが前記プログラムを実行すると、上記第1方面に記載のアップリンクデータ解凍方法のステップが実現される。
【0037】
本開示の実施例の第6方面において、第2メモリ、第2プロセッサおよび第2メモリに記憶されて第2プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む圧縮エンドをさらに提供する。前記第2プロセッサが前記プログラムを実行すると、上記第2方面に記載のアップリンクデータ圧縮方法のステップが実現される。
【0038】
本開示の実施例の第7方面において、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。当該プログラムがプロセッサによって実行されると、上記第1方面に記載のアップリンクデータ解凍方法のステップ、または、上記第2方面に記載のアップリンクデータ圧縮方法のステップが実現される。
【発明の効果】
【0039】
少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するための解凍キャッシュエリア関連情報を含むUDCヘッダをPDCPパケットに追加することによって、解凍エンドが、圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行うことができる。それによって、解凍エンドが、解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとは一致するように解凍キャッシュエリアを制御し、従来技術において基地局と端末の両方で圧縮キャッシュと解凍キャッシュの一致が保証できないという問題を解決し、さらにアップリンクデータ圧縮の信頼性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本開示の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、本開示の実施例の記載に必要とされる図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の記載に関する図面は、単に本開示の一部の実施例である。当業者にとって、創造性のある作業をしない前提で、これらの図面から他の図面を得ることもできる。
【0041】
【
図1】ユーザプレーンのプロトコルスタックの概略図である。
【
図2】PDCP層のデータ処理のフローの概略図である。
【
図4】PDCPデータ処理フローにおけるUDCの位置の概略図である。
【
図5】1つのPDCP PDUフォーマットの概略図である。
【
図6】もう1つのPDCP PDUフォーマットの概略図である。
【
図7】さらにもう1つのPDCP PDUフォーマットの概略図である。
【
図8】本開示の1つの実施例におけるアップリンクデータ解凍方法のフローチャートである。
【
図9】本開示の1つの実施例におけるアップリンクデータ圧縮方法のフローチャートである。
【
図10】本開示の1つの実施例における3つのフィールドを有するUDCヘッダのフォーマットの概略図である。
【
図11】本開示の1つの実施例における4つのフィールドを有するUDCヘッダのフォーマットの概略図である。
【
図12】本開示の1つの実施例における5つのフィールドを有するUDCヘッダのフォーマットの概略図である。
【
図13】本開示の1つの実施例におけるUDCヘッダ付きのPDCP UDCフォーマットの概略図である。
【
図14】本開示の1つの実施例における解凍エンドの構造図である。
【
図15】本開示の1つの実施例における圧縮エンドの構造図である。
【
図16】本開示のもう1つの実施例における解凍エンドの構造図である。
【
図17】本開示のもう1つの実施例における圧縮エンドの構造図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、添付図面を参照して本開示の例示的な実施例をさらに詳細に記載する。本開示の例示的な実施例を図面に示しているが、本開示は、ここで説明した実施例に限定されることなく様々な形態で実現されうることが理解されるべきである。これらの実施例を示すことは、本開示をより徹底的に理解してもらい、本開示の範囲を当業者に全面的に伝えるためである。
【0043】
本発明の実施例において用いられるUC圧縮アルゴリズムは、公開済みのRFC(Request for Comments)1951の圧縮アルゴリズムである。具体的に、IETF(Internet Engineering Task Force)のRFC1951ファイルを参照されたい。
【0044】
図5、
図6、
図7には、UDC圧縮後のPDCPパケットのフォーマットが示されている。図示のUDCブロック(UDC block)は、RFC1951による圧縮後のデータパケットであり、圧縮対象がPDCP SDU(Service Data Unit)であり、すなわち上位層から送信されるデータパケットである。
【0045】
図8には、アップリンクデータ解凍方法が示されている。具体的に、以下のステップを含む。
【0046】
ステップ801において、解凍エンドは、PDCPパケットを受信すると、PDCPパケットのうちのUDCヘッダを検査する。UDCヘッダには、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報とを含む。解凍キャッシュエリア関連情報は、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するために用いられる。
【0047】
上記圧縮コンテキスト情報は、UDC圧縮を行うか否かを指示する指示ビットフィールドである。上記解凍キャッシュエリア関連情報は、圧縮キャッシュエリア復元を指示する指示ビットフィールドと解凍キャッシュエリア検査用の指示ビットフィールドを含む。解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアと解凍エンドの解凍キャッシュエリアの一致を効果的に保証することができ、アップリンクデータ圧縮の信頼性を向上させる。
【0048】
本実施例において、解凍エンドは、ネットワーク側PDCPの位置するエンティティであり、たとえば基地局のPDCP層を指す。当該PDCP層は、基地局または分布式基地局のCU(Centralized Unit)に位置する。
【0049】
ステップ802において、解凍エンドは、圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行う。
【0050】
本実施例において、選択可能に、PDCPパケットは、PDCPパケットのヘッダと、データパケットと、PDCPパケットのヘッダとデータパケットの間に位置するUDCヘッダを含む。
【0051】
本実施例において、選択可能に、前記UDCヘッダは、UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドのうちの1つまたは複数を含む。
【0052】
本実施例において、選択可能に、前記UDCヘッダは、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールド、または、保留ビットフィールドをさらに含む。
【0053】
具体的に、上記UDCヘッダの構造に関連し、本実施例において、解凍エンドは、以下の方式でPDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行う。UDCヘッダのうちの第1指示ビットフィールドが、UDC圧縮が行われないことを示す第1値であれば、解凍エンドは、直接、データパケットを上位層に伝送する。第1指示ビットフィールドが、UDC圧縮が行われることを示す第2値であれば、解凍エンドは、UDCヘッダのうち、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールドを検査する。第2指示ビットフィールドが、解凍キャッシュエリア復元が必要であることを示す第3値であれば、解凍キャッシュエリアをクリアし、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを検査する必要がなく、直接、データパケットに対しUDC解凍を行う。第2指示ビットフィールドが、解凍キャッシュエリア復元が必要でないことを示す第4値であれば、引き続き、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを検査する。第3指示ビットフィールドがn(正整数)ビットであれば、解凍エンドは、解凍キャッシュエリアのうちのデータを検査して解凍キャッシュエリアからnビットを取り、該nビットがUDCヘッダのうちの第3指示ビットフィールドとは同一であれば、前記データパケットに対しUDC解凍を行い、解凍後のデータパケットが解凍キャッシュエリアに入るが、逆の場合、リセットプロセスを引き起こし、圧縮キャッシュエリアのリセットを圧縮エンドに指示する。
【0054】
前記圧縮キャッシュエリアからnビットを取る方式として、バイト全体で重ね合わせ、または、解凍キャッシュエリアのすべてのビットを重ね合わせ、最後のnビットを取る。
【0055】
選択可能に、本実施例において、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第2指示ビットフィールドがUDCヘッダに含まれ、かつ前記第2指示ビットフィールドが、データパケットが解凍キャッシュエリアに入ることが必要であることを示す第5値であれば、圧縮されていないデータパケットまたは解凍後のデータパケットである前記データパケットを解凍キャッシュエリアに記憶する。データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第2指示ビットフィールドがUDCヘッダに含まれ、かつ前記第2指示ビットフィールドが、データパケットが解凍キャッシュエリアに入ることが必要でないことを示す第6値であれば、前記データパケットを解凍キャッシュエリアに記憶しない。
【0056】
本実施例において、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報を含むUDCヘッダ(UDC header)をPDCPパケットに追加することによって、解凍エンドが、圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行うことができる。それによって、解凍エンドが、解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアと一致するように解凍キャッシュエリアを制御し、従来技術において基地局と端末の両方で圧縮キャッシュと解凍キャッシュの一致が保証できないという問題を解決し、さらにアップリンクデータ圧縮の信頼性を向上させる。
【0057】
図9には、アップリンクデータ圧縮方法のフローが示されている。具体的なステップとして、ステップ901において、圧縮エンドは、PDCPパケットを解凍エンドに送信する。前記解凍エンドは、前記PDCPパケットのうち、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するための解凍キャッシュエリア関連情報を含むUDCヘッダを検査し、前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行う。
【0058】
本実施例において、上記圧縮エンドは、端末側PDCPの位置するエンティティである。当該エンティティは、アップリンクデータに対しUDC圧縮を行う機能を有する。たとえば、当該圧縮エンドは、端末に対応する。
【0059】
本実施例において、選択可能に、前記PDCPパケットは、PDCPパケットのヘッダと、データパケットと、PDCPパケットのヘッダとデータパケットの間に位置するUDCヘッダを含む。
【0060】
本実施例において、選択可能に、前記UDCヘッダは、UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドのうちの1つまたは複数を含む。
【0061】
本実施例において、選択可能に、前記方法において、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対しUDC圧縮が行われたのであれば、前記圧縮エンドが、UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールドを第2値にセットし、逆の場合、第1指示ビットフィールドを第1値にセットすることと、前記第1指示ビットフィールドが第2値にセットされたのであれば、前記圧縮エンドが、圧縮前の圧縮キャッシュエリアのうちのデータを重ね合わせることによって、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを算出し、前記UDCヘッダに記入することとをさらに含む。
【0062】
本実施例において、選択可能に、前記UDCヘッダは、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールド、または、保留ビットフィールドをさらに含む。
【0063】
本実施例において、選択可能に、前記方法において、前記データパケットが圧縮キャッシュエリアに入る必要があるのであれば、前記圧縮エンドが、前記UDCヘッダのうち、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールドを第5値にセットすることと、前記データパケットが圧縮キャッシュエリアに入る必要がないのであれば、前記圧縮エンドが、前記UDCヘッダのうち、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールドを第6値にセットすることとをさらに含む。
【0064】
本実施例において、解凍エンドが、UDCヘッダのうちの解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアと一致するように解凍キャッシュエリアを制御し、従来技術において基地局と端末の両方で圧縮キャッシュと解凍キャッシュの一致が保証できないという問題を解決し、さらにアップリンクデータ圧縮の信頼性を向上させる。
【0065】
本開示のもう1つの実施例において、PDCPのヘッダとデータパケット(UDC圧縮パケットと称してもよい)の間にUDCヘッダを追加する。当該UDCヘッダは、UDC圧縮を行うかの指示ビットフィールド、キャッシュエリア復元を指示するための指示ビットフィールド、キャッシュエリア検査用の指示ビットフィールドのうちの1つまたは複数のフィールドを含む。
【0066】
選択可能に、当該UDCヘッダは、当該パケットがキャッシュエリアに入るか否かを指示するための指示ビットフィールドをさらに含む。
【0067】
選択可能に、当該UDCヘッダは、保留ビットフィールドをさらに含む。
【0068】
本実施例において、解凍エンドは、データパケットを受信すると、まずUDCヘッダを検査してからUDCの解凍処理を行う。上記解凍エンドは、基地局であってもよい。
【0069】
解凍エンドの具体的な行動は、以下である。
【0070】
ステップ1において、解凍エンドは、UDC圧縮を行うかの指示ビットフィールドを検査し、UDC圧縮が行われないのであれば、UDC解凍ステップを飛ばし、直接PDCP SDUを上位層に引渡す。UDC圧縮が行われるのであれば、ステップ2に進む。
【0071】
ステップ2において、キャッシュエリア復元を指示するための指示ビットフィールドを検査し、1にセットされるのであれば、解凍キャッシュエリアをクリアし、キャッシュエリア検査用の指示ビットフィールドを検査する必要がなく、UDCの解凍モジュールにおいて解凍を行われる。0にセットされるのであれば、引き続き、キャッシュエリア検査用の指示ビットフィールドを検査する。
【0072】
キャッシュエリア検査用の指示ビットフィールドがn(1~7であり、たとえば4を取る)ビットであるとすると、解凍エンドは、解凍キャッシュエリアのうちのデータを検査し、たとえば、バイト(byte)全体で重ね合わせ、または、キャッシュエリアのすべてのビットを重ね合わせ、最後のnビットを取る。該nビットが受信したUDCヘッダのうちの解凍キャッシュエリア検査用の指示ビットフィールドとは同一であれば、一致するとし、UDC解凍に進む。一致しなければ、リセット(reset)プロセスを引き起こし、圧縮キャッシュエリアのリセットを圧縮エンドに指示する。
【0073】
選択可能に、解凍エンドの行動は、さらにステップ3を含む。ステップ3において、当該データパケットがキャッシュエリアに入るか否かを指示するための指示ビットフィールドがUDCヘッダに含まれ、かつ当該指示ビットフィールドが1であれば、当該データパケットがUDC圧縮パケットであるかにかかわらず、当該データパケットのうちのデータ(圧縮されていないデータパケットまたは解凍後のデータ)を解凍キャッシュエリアに圧縮して保存する。当該指示ビットフィールドが0であれば、当該データパケットのうちのデータを解凍キャッシュエリアに圧縮しない。
【0074】
圧縮エンドの具体的な行動は、以下である。
【0075】
ステップ1において、ネットワーク側の設定に基づいて圧縮を行うかを判断する。たとえば、圧縮率がある閾値を超える(たとえば10%以上)と、圧縮パケットの送信を特定し、UDC圧縮を行うかの指示ビットフィールドを1にセットするが、逆に、UDC圧縮を行うかの指示ビットフィールドを0にセットする。
【0076】
ステップ2において、UDC圧縮を行うかの指示ビットフィールドを1にセットしたのであれば、圧縮前の圧縮キャッシュエリアを加算し、解凍キャッシュエリア検査用の指示ビットフィールドを算出してUDCのヘッダに記入する。
【0077】
ステップ3において、当該パケットのデータが圧縮キャッシュエリアに入るのであれば、UDCヘッダのうち、キャッシュエリアに入るかの指示ビットフィールドを1にセットするが、逆の場合、キャッシュエリアに入るかの指示ビットフィールドを0にセットする。
【0078】
(実施例1)
実施例1において、UDCヘッダに3つのフィールドを有する。
【0079】
図10を参照する。UDCヘッダのフォーマットは、UDC圧縮を行うかの指示ビットフィールド(U:1ビット)、解凍キャッシュエリア復元用の指示ビットフィールド(N:1ビット)、解凍キャッシュエリア検査用の指示ビットフィールド(C情報:6ビット)を含む。
【0080】
端末のPDCP層は、上位層から送信されたデータに対し、UDC圧縮を行い、圧縮データパケットをネットワークに送信すると特定すると、Uを1にセットし、圧縮前の圧縮キャッシュエリアのデータを重ね合わせ、最後の6ビット情報を取ってUDCのCフィールドに記入する。
【0081】
当該パケットのデータに対し圧縮を行わないと特定すると、Uを0にセットする。Cフィールドには、デフォルト値または任意の値を記入してもよく、圧縮キャッシュエリアの重ねあわせ後の最後の6ビットであってもよい。
【0082】
端末は、ネットワーク側の設定や圧縮キャッシュエリアに存在する問題を発見したことに基づいて、圧縮キャッシュエリアを復元させることが必要となると、Nフィールドを1にセットするが、逆の場合、0にセットする。
【0083】
基地局は、当該パケットのデータを受信すると、Uが0であれば、UDCのヘッダ部分を飛ばし、解凍を行わず、直接後続のデータパケットを上位層に引渡す。Nフィールドが1であれば、解凍キャッシュエリアのデータをクリアする。Uが1でありかつNフィールドが0であれば、解凍キャッシュエリアのうちのデータを検査して重ね合わせ、最後の6ビットを取り、受信したUDCヘッダのうちのCフィールドの検査ビットフィールドとは同一であれば、一致するとし、UDC解凍モジュールにおいて解凍を行われる。そして、解凍後のデータパケットは、解凍キャッシュエリアに入る。
【0084】
なお、圧縮キャッシュエリアのデータ重ね合わせは、多種類の方法がある。たとえば、バイト全体で重ね合わせ、最後のnビットを取ってもよく、または、ビットで重ね合わせ、最後のnビットを取っても良い。具体的な方式は、プロトコルによって取り決められる。
【0085】
(実施例2)
実施例2において、UDCヘッダに4つのフィールドを有する。
【0086】
図11を参照する。UDCヘッダのフォーマットは、UDC圧縮を行うかの指示ビットフィールド(U:1ビット)、解凍キャッシュエリア復元用の指示ビットフィールド(N:1ビット)、解凍キャッシュエリアに入るかの指示ビットフィールド(I:1ビット)、および解凍キャッシュエリア検査用の指示ビットフィールド(C情報:6ビット)を含む。
【0087】
実施例2において、Uフィールド、Nフィールド、Cフィールドの使用方法は、上記実施例1とは類似である。以下、上記Iフィールドの使用方法を紹介する。Iフィールドは、当該パケットのデータが解凍キャッシュエリアに入るかを示す。当該データパケットが圧縮されたかにかかわらず、Iが1にセットされると、基地局は、圧縮されていないデータパケット(Uが0である場合)または解凍後のデータパケット(Uが1である場合)を解凍キャッシュエリアに圧縮する。
【0088】
(実施例3)
実施例3において、UDCヘッダに5つのフィールドを有する。
【0089】
図12を参照する。UDCヘッダのフォーマットは、UDC圧縮を行うかの指示ビットフィールド(U:1ビット)、キャッシュエリア復元用の指示ビットフィールド(N:1ビット)、キャッシュエリアに入るかの指示ビットフィールド(I:1ビット)、キャッシュエリア検査用の指示ビットフィールド(C情報:4ビット)、および保留ビットフィールド(R:2ビット)を含む。
【0090】
U、I、Cフィールドの使用方法は、上記の実施例1と実施例2とは同一であるが、本実施例において、4ビットのCフィールドが用いられる。2ビットのRフィールドは、今後の使用に用いられ、しばらくその機能を定義しない。
【0091】
(実施例4)
実施例4において、UDCヘッダの位置を説明する。
【0092】
図13を参照する。1つのDRB(Data Resource Bearer)が、UDCを使用するように設定されると、元のPDCPヘッダとデータパケットの間に1バイトのUDCヘッダを挿入する。当該UDCヘッダは、UDCの活性化期間中に存在する。
【0093】
(実施例5)
実施例5において、キャッシュエリアのチェックフィールドCに不一致が生じる場合を説明する。
【0094】
解凍エンドは、解凍キャッシュエリア検査用の指示ビットフィールドと、受信したデータパケットのうちの情報とは一致しないと発見すると、解凍キャッシュエリアのすべての情報をクリアし、解凍キャッシュエリア検査用の指示ビットフィールドを0にセットし、シグナリングによって圧縮エンド(すなわち端末)に通知する。
【0095】
選択可能に、当該シグナリングは、RRCシグナリングである。たとえば再設定メッセージで、あるDRBのUDC圧縮キャッシュエリアをクリアすると指示する。
【0096】
選択可能に、当該シグナリングは、新規のPDCPの制御PDUであり、または既有のPDCPの制御PDUに付帯される1ビットの指示情報である。たとえば、制御PDUのうちのRビットフィールドは、キャッシュエリアの復元を指示すると再定義する。
【0097】
圧縮エンドは、復元指示情報を受信すると、圧縮キャッシュエリアをクリアし、上記の実施例におけるPDUのうちの復元指示ビットフィールドによって、解凍エンドが両方のキャッシュエリア状態の一致を保証するように復元したことを指示する。
【0098】
同一の発明思想に基づき、本開示の実施例は、解凍エンドをさらに提供する。当該解凍エンドは、問題を解決する原理が本開示の実施例の
図8におけるアップリンクデータ解凍方法に似るため、その実施例について、方法の実施を参照されたく、重複なところを繰り返して記載しない。
【0099】
図14には、解凍エンドの構造が示されている。当該解凍エンド1400は、PDCPパケットを受信すると、前記PDCPパケットのうち、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するための解凍キャッシュエリア関連情報とを含むUDCヘッダを検査する検査モジュール1401と、前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行う第1処理モジュール1402とを含む。
【0100】
本実施例において、選択可能に、前記PDCPパケットは、PDCPパケットのヘッダと、データパケットと、PDCPパケットのヘッダとデータパケットの間に位置するUDCヘッダを含む。
【0101】
本実施例において、選択可能に、前記UDCヘッダは、UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドのうちの1つまたは複数を含む。
【0102】
本実施例において、選択可能に、前記UDCヘッダは、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールド、または、保留ビットフィールドをさらに含む。
【0103】
本実施例において、選択可能に、前記処理モジュールは、さらに、前記UDCヘッダのうちの第1指示ビットフィールドが、UDC圧縮が行われないことを示す第1値であれば、前記解凍エンドが、直接、前記データパケットを上位層に伝送することと、前記第1指示ビットフィールドが、UDC圧縮が行われることを示す第2値であれば、前記解凍エンドが、UDCヘッダのうち、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールドを検査することと、前記第2指示ビットフィールドが、解凍キャッシュエリア復元が必要であることを示す第3値であれば、解凍キャッシュエリアをクリアし、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを検査する必要がなく、直接、前記データパケットに対しUDC解凍を行うことと、前記第2指示ビットフィールドが、解凍キャッシュエリア復元が必要でないことを示す第4値であれば、引き続き、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを検査することと、前記第3指示ビットフィールドがn(正整数)ビットであれば、前記解凍エンドが、解凍キャッシュエリアのうちのデータを検査して前記解凍キャッシュエリアからnビットを取り、該nビットがUDCヘッダのうちの第3指示ビットフィールドとは同一であれば、前記データパケットに対しUDC解凍を行うが、逆の場合、リセットプロセスを引き起こし、圧縮キャッシュエリアのリセットを圧縮エンドに指示することとに用いられる。
【0104】
本実施例において、選択可能に、前記解凍エンドは、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第2指示ビットフィールドがUDCヘッダに含まれ、かつ前記第2指示ビットフィールドが、データパケットが解凍キャッシュエリアに入ることが必要であることを示す第5値であれば、圧縮されていないデータパケットまたは解凍後のデータパケットである前記データパケットを解凍キャッシュエリアに記憶すること、または、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第2指示ビットフィールドがUDCヘッダに含まれ、かつ前記第2指示ビットフィールドが、データパケットが解凍キャッシュエリアに入ることが必要でないことを示す第6値であれば、前記データパケットを解凍キャッシュエリアに記憶しないことに用いられる第2処理モジュールをさらに含む。
【0105】
同一の発明思想に基づき、本開示の実施例は、圧縮エンドをさらに提供する。当該圧縮エンドは、問題を解決する原理が本開示の実施例の
図9におけるアップリンクデータ圧縮方法に似るため、その実施例について、方法の実施を参照されたく、重複なところを繰り返して記載しない。
【0106】
図15には、圧縮エンドの構造が示されている。当該圧縮エンド1500は、PDCPパケットを解凍エンドに送信する送信モジュール1501を含む。前記解凍エンドは、前記PDCPパケットのうち、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するための解凍キャッシュエリア関連情報とを含むUDCヘッダを検査し、前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行う。
【0107】
本実施例において、選択可能に、前記PDCPパケットは、PDCPパケットのヘッダと、データパケットと、PDCPパケットのヘッダとデータパケットの間に位置するUDCヘッダを含む。
【0108】
本実施例において、選択可能に、前記UDCヘッダは、UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア復元を指示するための第2指示ビットフィールド、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドのうちの1つまたは複数を含む。
【0109】
本実施例において、選択可能に、前記圧縮エンドは、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対しUDC圧縮が行われたのであれば、UDC圧縮を行うか否かを指示するための第1指示ビットフィールドを第2値にセットし、逆の場合、第1指示ビットフィールドを第1値にセットすること、または、前記第1指示ビットフィールドが第2値にセットされたのであれば、圧縮前の圧縮キャッシュエリアのうちのデータを重ね合わせることによって、解凍キャッシュエリア検査を指示するための第3指示ビットフィールドを算出し、前記UDCヘッダに記入することに用いられる第1セットモジュールをさらに含む。
【0110】
本実施例において、選択可能に、前記UDCヘッダは、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールド、または、保留ビットフィールドをさらに含む。
【0111】
本実施例において、選択可能に、前記圧縮エンドは、前記データパケットが圧縮キャッシュエリアに入る必要があるのであれば、前記UDCヘッダのうち、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールドを第5値にセットし、前記データパケットが圧縮キャッシュエリアに入る必要がないのであれば、前記UDCヘッダのうち、データパケットが解凍キャッシュエリアに入るか否かを指示するための第4指示ビットフィールドを第6値にセットすることに用いられる第2セットモジュールをさらに含む。
【0112】
本開示の実施例において、第1メモリ、第1プロセッサおよび第1メモリに記憶されて第1プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む解凍エンドをさらに提供し、前記第1プロセッサが前記プログラムを実行すると、上記のアップリンクデータ解凍方法のステップが実現される。
【0113】
図16には、解凍エンドの構造が示されている。当該解凍エンドは、第1メモリ1604、第1プロセッサ1601および第1メモリ1604に記憶されて第1プロセッサ1601で実行可能なコンピュータプログラムを含む。前記第1プロセッサ1601が前記プログラムを実行すると、PDCPパケットを受信すると、前記PDCPパケットのうち、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するための解凍キャッシュエリア関連情報とを含むUDCヘッダを検査するステップと、前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行うステップとが実現される。
【0114】
図16において、バスアーキテクチャ(第1バス1600で示す)は、任意数の相互接続するバスとブリッジを含む。第1バス1600は、汎用の第1プロセッサ1601をはじめとする1つ又は複数のプロセッサと第1メモリ1604をはじめとするメモリの各種類の回路が接続したものである。第1バス1600は、周辺デバイス、レギュレーター、電力管理回路などの各種類のほかの回路を接続したものであってもよい。第1バスインタフェース1603により、第1バス1600と第1トランシーバ1602との間でインタフェースが提供される。第1トランシーバ1602は、1つの部品であってもよく、複数の受信機および送信機など、複数の部品であってもよく、伝送媒体でほかの各種類の装置と通信するユニットとして提供される。たとえば、第1トランシーバ1602は、ほかの機器から外部データを受信する。第1トランシーバ1602は、第1プロセッサ1601によって処理されたデータをほかの機器に送信する。
【0115】
第1プロセッサ1601は、第1バス1600と通常の処理を管理し、前述のように汎用のオペレーションシステムを実行する。第1メモリ1604は、第1プロセッサ1601による操作実行に用いられるデータを記憶ことに用いられる。
【0116】
選択可能に、第1プロセッサ1601は、CPU、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはCPLD(Complex Programmable Logic Device)である。
【0117】
本開示の実施例において、第2メモリ、第2プロセッサおよび第2メモリに記憶されて第2プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む圧縮エンドをさらに提供し、前記第2プロセッサが前記プログラムを実行すると、上記のアップリンクデータ圧縮方法のステップが実現される。
【0118】
図17には、圧縮エンドの構造が示されている。当該圧縮エンドは、第2メモリ、第2プロセッサおよび第2メモリに記憶されて第2プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む。前記第2プロセッサが前記プログラムを実行すると、PDCPパケットを解凍エンドに送信するステップを実現し、前記解凍エンドが、前記PDCPパケットのうち、少なくともPDCPパケットのうちのデータパケットの圧縮コンテキスト情報と、圧縮エンドの圧縮キャッシュエリアとの一致を確保するように前記解凍エンドの解凍キャッシュエリアを制御することを前記解凍エンドに指示するための解凍キャッシュエリア関連情報とを含むUDCヘッダを検査し、前記圧縮コンテキスト情報と解凍キャッシュエリア関連情報に基づいて、前記PDCPパケットのうちのデータパケットに対し、対応する処理を行う。
【0119】
図17において、バスアーキテクチャ(第2バス1700で示す)は、任意数の相互接続するバスとブリッジを含む。第2バス1700は、汎用の第2プロセッサ1701をはじめとする1つ又は複数のプロセッサと第2メモリ1704をはじめとするメモリの各種類の回路が接続したものである。第2バス1700は、周辺デバイス、レギュレーター、電力管理回路などの各種類のほかの回路を接続したものであってもよい。第2バスインタフェース1703により、第2バス1700と第2トランシーバ1702との間でインタフェースが提供される。第2トランシーバ1702は、1つの部品であってもよく、複数の受信機および送信機など、複数の部品であってもよく、伝送媒体でほかの各種類の装置と通信するユニットとして提供される。たとえば、第2トランシーバ1702は、ほかの機器から外部データを受信する。第2トランシーバ1702は、第2プロセッサ1701によって処理されたデータをほかの機器に送信する。計算システムの性質によっては、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、ジョイスティックなどのユーザインタフェース1105が提供される。
【0120】
第2プロセッサ1701は、第2バス1700と通常の処理を管理し、前述のように汎用のオペレーションシステムを実行する。第2メモリ1704は、第2プロセッサ1701による操作実行に用いられるデータを記憶ことに用いられる。
【0121】
選択可能に、第2プロセッサ1701は、CPU、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはCPLD(Complex Programmable Logic Device)である。
【0122】
本開示の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、当該プログラムがプロセッサによって実行されると、上記のアップリンクデータ解凍方法のステップ、または、上記のアップリンクデータ圧縮方法のステップが実現される。
【0123】
なお、明細書の全文にわたって言及されている「1つの実施例」や「一実施例」とは、実施例に関連する特定の特徴、構造または特性が本開示の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。従って、明細書の各箇所に記載されている「1つの実施例において」や「一実施例において」とは、必ずしも同一の実施例を指すとは限らない。また、これらの特定の特徴、構造または特性は、任意かつ適切な方式で1つまたは複数の実施例に組み入れられることができる。
【0124】
本開示の各実施例において、上記各プロセスの番号の大きさは、実行順の前後を意味するのではなく、各プロセスの実行順は、その機能および内在的な論理によって確定されるものであり、本開示の実施例の実施プロセスに対しいっさい限定を構成しないと理解すべきである。
【0125】
また、本文において、「システム」と「ネットワーク」は、常に互換して使用することができる。
【0126】
本文において、「および/または」との用語は、関連対象の関連関係を表現するものに過ぎず、存在可能な3種類の関係を示す。例えば、Aおよび/またはBの場合、Aのみ、AとBの両方、Bのみの3種類の場合を示す。また、本文において、「/」の記号は、通常、前後の関連対象が「または」の関係であることを示す。
【0127】
本願に提供される実施例において、「Aに対応するB」とは、BとAが関連付けられることを示し、Aに基づいてBを確定することができる。なお、Aに基づいてBを確定することは、Aのみに基づいてBを確定するという意味ではなく、Aおよび/または他の情報に基づいてBを確定するのもよい。
【0128】
本願で提供されるいくつかの実施例において、開示された方法および装置は、他の方式で実施され得ることを理解されたい。以上記載した装置実施例は、単に例示的なものである。例えば、記載したユニットの区分は、単に論理機能の区分であり、実際に実現する際に別の区分方式がある。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントは、組み合わせてもよく、別のシステムに一体化されてもよく、または、一部の特徴は、無視されてもよく、または実行されなくてもよい。また、示されておりまたは議論されている各構成部分の相互間の結合や直接結合や通信接続は、インタフェース、装置またはユニットを介した間接結合や通信接続であってもよく、電気的、機械的、または他の形式であってもよい。
【0129】
また、本開示の各実施例における各機能的ユニットは、全て1つの処理ユニットに一体化されていてもよいし、別々に1つのユニットとしてもよいし、2つ以上のユニットが1つのユニットに一体化されてもよい。上述した一体化ユニットは、ハードウェアの形態、またはハードウェアとソフトウェア機能ユニットの形態で実施することができる。
【0130】
上述したソフトウェア機能ユニットの形態で実施される一体化ユニットは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されてもよい。上記ソフトウェア機能ユニットは、記憶媒体に記憶され、本開示の各実施例の送受信方法のステップの一部をコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク装置であってもよい)に実行させるいくつかの指令を含む。前記の記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気ディスクまたは光ディスクなど、プログラムコードを格納することができる様々な媒体を含む。
【0131】
以上記載されたのは、本開示の好適な実施形態である。なお、当業者は、本開示に記載されている原理を逸脱せずに様々な改良や修飾をすることもできる。これらの改良や修飾も、本開示の保護範囲内に含まれる。