(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】エアシリンダー加速器
(51)【国際特許分類】
F15B 15/14 20060101AFI20220224BHJP
F15B 15/18 20060101ALI20220224BHJP
B23Q 5/26 20060101ALN20220224BHJP
【FI】
F15B15/14 380Z
F15B15/18
B23Q5/26 C
(21)【出願番号】P 2020137217
(22)【出願日】2020-08-17
【審査請求日】2020-08-17
(32)【優先日】2020-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】519025655
【氏名又は名称】臻賞工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100198650
【氏名又は名称】小出 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】孫穎
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0067918(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 15/14
F15B 15/18
B23Q 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアシリンダー加速器であって、シリンダー体、開閉弁、エアシリンダーを有し、
前記シリンダー体は、ピストン室とアキュムレーターを有し、
前記開閉弁は、弁シートを有し、前記シリンダー体に設置され、しかも前記ピストン室と前記アキュムレーターの間を隔て、前記弁シートは、通路を有し、制御部材は、前記弁シート中に設置され、前記通路を開閉し、前記ピストン室と前記アキュムレーターが相互に通じるか、或いは相互に通じないかを切り換え、
前記エアシリンダーは、ピストン部を有し、前記ピストン室中に設置され、しかも棒部を有し、前記ピストン部の片側から前記シリンダー体外へと伸び出し、前記通路が前記制御部材により閉鎖され、しかも前記ピストン室と前記アキュムレーターが相互に通じない時、前記アキュムレーター中に圧力源を通し入れ、所定の圧力まで蓄積し、前記通路が前記制御部材により開かれ、しかも前記ピストン室と前記アキュムレーターが、相互に通じない状態から、相互に通じる状態へと切り換えられた瞬間、前記ピストン部は、前記所定の圧力により迅速に押し動かされ、前記棒部は前記ピストン室外へと迅速に押し出されることを特徴とする、
エアシリンダー加速器。
【請求項2】
前記制御部材は、弁ステムで、
前記弁ステムは、
前記弁ステム自身の中心軸方向に
沿って移動できるように前記弁シート内に設置され、しかも前記通路を貫通し、前記弁ステムは、直径が縮小して形成される小径セクションを有し、前記小径セクションの位置は、前記通路に対応し、前記弁ステムは、前記小径セクションの一端に、前停止リングを有し、前記弁ステムは、前記弁シート内で
前記弁ステム自身の中心軸方向に
沿って移動し、前記前停止リングは前記通路に進入し、前記通路を閉鎖し、或いは前記前停止リングは、前記通路中から退出し、前記小径セクションにより、前記通路は開かれる
ことを特徴とする、
請求項1に記載のエアシリンダー加速器。
【請求項3】
前記弁シート中には、操作室を設置し、
前記操作室の両端には、第一流道と第二流道を有し、前記弁シート外へとそれぞれ連通し、前記弁ステムの一端には、駆動部を有し、前記操作室中に収容して設置され、
前記圧力源は、前記第一流道から前記操作室へと通し入れられ、前記駆動部を押し、これにより前記弁ステムは
前記弁ステム自身の中心軸方向に
沿って移動し、前記前停止リングは前記通路に進入し、前記通路を閉鎖し、前記圧力源は、前記第二流道から前記操作室へと通し入れられ、前記駆動部を逆方向に押し動かし、これにより前記弁ステムは
前記弁ステム自身の中心軸方向に
沿って移動し、こうして前記前停止リングは、前記通路中から退出し、前記通路を開く
ことを特徴とする、
請求項2に記載のエアシリンダー加速器。
【請求項4】
前記第一流道と前記第二流道は、電磁弁にそれぞれ連接され、さらに前記アキュムレーターに連接され、前記電磁弁により前記圧力源をコントロールし、前記第一流道から通し入れ、或いは前記第二流道から通し入れる
ことを特徴とする、
請求項3に記載のエアシリンダー加速器。
【請求項5】
前記弁シートは、前記第一流道位置に、フランジブロックを有し、前記フランジブロックは、前記弁シートにおいて突出する
ことを特徴とする、
請求項3に記載のエアシリンダー加速器。
【請求項6】
前記シリンダー体は、前記ピストン室の一端に、第一端キャップを有し、しかも前記シリンダー体は、前記アキュムレーターの一端に、第二端キャップを有し、前記第一端キャップは、第一貫通孔を有し、前記ピストン室へ連通し、前記弁シートは第二貫通孔を有し、
前記通路に連通する
ことを特徴とする、
請求項2に記載のエアシリンダー加速器。
【請求項7】
前記第一貫通孔は、前記アキュムレーターに連通し、しかも前記第一貫通孔と前記アキュムレーターの間には、シングル電磁弁を設置し、これにより前記圧力源と前記第一貫通孔との間の導通をコントロールし、こうして前記棒部が前記ピストン室外へと迅速に押し出される時に回流通路を形成し、或いは反対方向に前記圧力源を前記ピストン室に通し入れ、前記ピストン部を押し動かし、前記棒部は収縮して前記ピストン室に戻り、しかも前記第二貫通孔に回流通路を形成する
ことを特徴とする、
請求項6に記載のエアシリンダー加速器。
【請求項8】
前記弁ステムは、前記小径セクションの一端に後停止リングを有し、
前記弁ステム
は前記弁ステム自身の中心軸方向に
沿って移動し、前記前停止リングが前記通路を閉鎖する時、前記通路と前記第二貫通孔は相互に通じ、
また、前記弁ステム
は前記弁ステム自身の中心軸方向に
沿って移動し
、前記前停止リングが前記通路中から退出し
、前記通路を開く時、前記停止リングは前記第二貫通孔を閉鎖し、これにより前記通路と前記第二貫通孔とは相互に通じない
ことを特徴とする、
請求項7に記載のエアシリンダー加速器。
【請求項9】
前記弁シートは、前記アキュムレーターと相互に通じる連通孔を有し、前記連通孔により、前記圧力源は、前記所定の圧力まで、アキュムレーター中に通し入れられ、或いは前記アキュムレーター中の前記所定の圧力をリリースする
ことを特徴とする、
請求項1に記載のエアシリンダー加速器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアシリンダー加速器に関し、特にエアシリンダーに応用し運動を加速する機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動加工機は、フライス、ドリル、ボーリング等の異なる加工ニーズに対応するため、しばしば加工主軸を組合せ、カッティングツールマガジンを設置する。
カッティングツールマガジンに、異なる加工形態のカッティングツールを設置し、カッティングツール交換機構が、加工主軸上で異なる形態のカッティングツールに交換することで、最適な加工効率を実現する。
加工主軸に設置されるカッティングツールを交換する際には、カッターアームが作動することで、加工主軸上のカッティングツールを先に挟持し、次にエアシリンダーが倍力機構に対応し、アンクランピング動作を行い、これによりカッティングツールを加工主軸から離脱させ、こうしてカッターアームはカッティングツールを離し交換される。
【0003】
特許文献1に開示する倍力式のアンクランピングシリンダーは、従来のアンクランピングシリンダーの、アンクランピング時の力不足という問題を主に解決するもので、第一作動シリンダーユニット、第二作動シリンダーユニット、アンクランピングユニットを有する。
第一切換器と第二切換器の切り換え選択により、第一気圧源と第二気圧源は、アンクランピングシリンダーに進気或いは排気を同時に提供できる。
こうして、下圧の力を倍加する方式で、アンクランピングシリンダーのアンクランピング執行を加速することができる。
【0004】
しかし、アンクランピング動作を加速するため、従来のアンクランピングシリンダーは、2組の作動シリンダーユニットを有し、しかも2組の切換器と2個の気圧源を対応させる必要がある。
これにより、アンクランピングシリンダーは、必然的に構成部材が複雑になり、簡素化できないという問題を抱えている。
また構成部材が多いため、構成部材のコストが高止まりし、しかも空圧ソースの圧力が不安定なため、圧力が不足すると、アンクランピングシリンダーがアンクランピング動作を確実に執行できないという状況も発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記先行技術には、アンクランピング動作を加速するため、構成部材が複雑になり簡素化できず、また構成部材が多いためコストが高止まりし、しかも空圧ソースの圧力が不安定なため圧力が不足すると、アンクランピングシリンダーがアンクランピング動作を確実に執行できない状況が発生するという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はシリンダー体がアキュムレーターを有する設計を利用し、しかも制御部材によりアキュムレーターとピストン室の間が相互に通じるか、相互に通じないかを切り換え、アキュムレーター中に圧力源が通し入れられ所定の圧力まで蓄積されると、アキュムレーターとピストン室の間が相互に通じるように制御部材により切り換え、瞬間的に所定の圧力によりエアシリンダーを迅速に押し動かすエアシリンダー加速器に関する。
【0008】
本発明によるエアシリンダー加速器は、シリンダー体、開閉弁、制御部材、エアシリンダーを有する。
シリンダー体は、ピストン室とアキュムレーターを有する。
開閉弁は、弁シートを有し、該シリンダー体に設置され、しかも該ピストン室と該アキュムレーターの間を隔て、該弁シートは、通路を有する。
制御部材は、該弁シート中に設置され、該通路を開閉し、該ピストン室と該アキュムレーターが相互に通じるか、或いは相互に通じないかを切り換える。
エアシリンダーは、ピストン部を有し、該ピストン室中に設置され、しかも棒部を有し、該ピストン部の片側から該シリンダー体外へと伸び出す。
該通路が該制御部材により閉鎖され、しかも該ピストン室と該アキュムレーターが相互に通じない時、該アキュムレーター中に圧力源を通し入れ、所定の圧力まで蓄積する。
該通路が該制御部材により開かれ、しかも該ピストン室と該アキュムレーターが、相互に通じない状態から、相互に通じる状態へと切り換えられた瞬間、該ピストン部は、該所定の圧力により迅速に押し動かされ、該棒部は該ピストン室外へと迅速に押し出される。
【0009】
シリンダー体はアキュムレーターを有し、圧力源を通し入れられ、圧力源は、アキュムレーター内で所定の圧力まで蓄えられ、予備とされる。
制御部材により、アキュムレーターとピストン室の間が相互に通じるよう切り換えられると、ピストン部は瞬間的に所定の圧力により迅速に押し動かされ、棒部はピストン室外へと迅速に押し出される。
言い換えれば、本発明のシリンダー体は、ピストン室を有する他に、別にアキュムレーターの構造を有し、制御部材の動作を対応させることで、棒部をピストン室外へと迅速に押し出す効果を達成でき、しかもアキュムレーターに所定の圧力まで既に蓄えられているため、外部の空圧ソースが持続的に提供されなくとも、アキュムレーターに蓄積された圧縮空気の圧力を利用して、棒部をピストン室外へと迅速に押し出す動作を完成でき、構成部材を簡素化し、しかも構成部材コストを引き下げる効果を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明によるエアシリンダー加速器の立体外観図である。
【
図2】本発明によるエアシリンダー加速器の別の視角からの立体外観図である。
【
図3】本発明によるエアシリンダー加速器の断面構造図である。
【
図4】
図3の4-4位置でカットした断面構造図である。
【
図5】本発明によるエアシリンダー加速器の局部の断面立体図であり、該局部の断面は2個の連通孔の構造を示す。
【
図6】本発明によるエアシリンダー加速器の回路図であり、図中のピストン室とアキュムレーターは相互に通じず、しかもエアシリンダーの棒部は収縮してピストン室に戻る様子を示す。
【
図7】
図6の回路図中のピストン室とアキュムレーターは相互に通じ、しかもエアシリンダーの棒部がピストン室から伸び出した様子を示す。
【
図8】本発明によるエアシリンダー加速器の局部断面立体拡大図であり、図中のピストン室とアキュムレーターは相互に通じ、しかもアキュムレーター中の高圧気体が通路を通ってピストン室に進入する様子を示す。
【
図9】本発明によるエアシリンダー加速器の局部断面平面拡大図であり、図中の高圧気体はピストン部を迅速に押し動かし、これにより棒部がピストン室から伸び出す様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(一実施形態)
図1~
図9に示す通り、本発明の一実施形態によるエアシリンダー加速器100は、本実施形態中ではアンクランピングシリンダーに応用されるが、これに限定されない。
本実施形態によるエアシリンダー加速器100は、シリンダー体10、開閉弁20、エアシリンダー30を有する。
【0012】
シリンダー体10は、ピストン室11とアキュムレーター12を有し、本実施形態のシリンダー体10は円筒状を呈し、シリンダー体10は、ピストン室11の一端に、第一端キャップ13を有し、しかもシリンダー体10は、アキュムレーター12の一端に、第二端キャップ14を有する。
本実施形態の第一端キャップ13は、矩形ブロックを呈し、しかも本実施形態の第二端キャップ14もまた、矩形ブロックを呈し、第一端キャップ13には、第一貫通孔131を有し、ピストン室11へ連通する。
【0013】
開閉弁20は、弁シート21を有し、弁シート21は、シリンダー体10に設置され、しかも弁シート21の位置は、ピストン室11とアキュムレーター12の間にあり、弁シート21は、通路211を有する。
本実施形態の弁シート21中には、操作室212を設置し、操作室212の両端には、第一流道213と第二流道214を有する。
操作室212は、第一流道213と第二流道214により、弁シート21外へとそれぞれ連通する(
図1、4参照)。
本実施形態の弁シート21は、矩形ブロックを呈し、弁シート21は、第一流道213位置に、フランジブロック215を有し、フランジブロック215は、弁シート21において突出する。
弁シート21は本実施形態中では、2個の連通孔216を有し、2個の連通孔216は共に、アキュムレーター12と相互に通じる(
図5参照)。
連通孔216により、圧力源Pは、アキュムレーター12中に通し入れられ、所定の圧力まで蓄積し、またアキュムレーター12中の圧力をリリースする。
弁シート21は、第二貫通孔217を有し、通路211に連通し、本実施形態の第二貫通孔217と操作室212は、通路211の両端にそれぞれ位置する。
第二貫通孔217と通路211は、相互に連通し、操作室212と通路211は、連通しない。
【0014】
圧力源P(
図6、7参照)とは、本発明中では、動力を提供可能な高圧流体を指す。
高圧流体は、例えば高圧気体(気圧)、或いは高圧液体(液圧)であるが、本実施形態中では、高圧気体を例とする。
この他、圧力源Pは、駆動部223を押すために用いられる他、他の構成部材の動力ソースとすることもできる。
例えば、アキュムレーター12中に通し入れられ、所定の圧力まで蓄集される。
【0015】
開閉弁20は、制御部材を有する。
制御部材は弁シート21中に設置され、制御部材により、通路211は開閉され、ピストン室11とアキュムレーター12が相互に通じるよう切り換え、或いはピストン室11とアキュムレーター12が相互に通じないよう切り換える。
本実施形態において、制御部材は、弁ステム22で、弁ステム22は、弁ステム22自身の中心軸方向に沿って移動できるように弁シート21内に設置される。
しかも、弁ステム22は、通路211を貫通する。
弁ステム22は、小径セクション221を有し、小径セクション221は弁ステム22本体の直径を縮小して形成され、小径セクション221の位置は、通路211に対応する。
弁ステム22は、小径セクション221の一端に、前停止リング222を有する。
これにより、弁ステム22は、弁シート21内で弁ステム22自身の中心軸方向に沿って移動し、前停止リング222は、通路211中に進入し通路211を閉鎖し、或いは前停止リング222は、通路211中から退出し、小径セクション221により、通路211を開く。
【0016】
本実施形態において、弁ステム22の一端には、駆動部223を有する。
駆動部223は、操作室212中に収容して設置され、圧力源Pは、第一流道213から操作室212へと通し入れられ、駆動部223を押し動かし、これにより弁ステム22は、
弁ステム22自身の中心軸方向に
沿って移動し、前停止リング222は、通路211を閉鎖する(
図6参照)。
圧力源Pはまた、第二流道214から操作室212へと通し入れられ、これにより逆方向に駆動部223を押し動かし、弁ステム22は
弁ステム22自身の中心軸方向に
沿って移動して、前停止リング222は通路211中から退出し、こうして通路211は開かれる(
図7参照)。
この他、本実施形態の弁ステム22は、小径セクション221の他端に後停止リング224をさらに有する。
弁ステム22が
弁ステム22自身の中心軸方向に
沿って移動し、前停止リング222が通路211を閉鎖すると、通路211と第二貫通孔217は、相互に通じる。
この時、通路211は、第二貫通孔217を回流通路とすることで、排気が行われる(
図3参照)。
また、弁ステム22が
弁ステム22自身の中心軸方向に
沿って移動し、前停止リング222が、通路211中から退出し、これにより通路211が開かれると、後停止リング224は第二貫通孔217を閉鎖し、通路211と第二貫通孔217は相互に通じなくなる。
この時、通路211は、第二貫通孔217を経由して排気を行うことができない(
図4参照)。
【0017】
エアシリンダー30は、ピストン部31を有し、ピストン室11中に設置される。
しかも、棒部32を有し、ピストン部31の片側からシリンダー体10外へと伸び出す。
通路211が制御部材により閉鎖され、しかもピストン室11とアキュムレーター12が相互に通じない時、アキュムレーター12中には、圧力源Pが通し入れられ、所定の圧力まで蓄積される。
通路211が制御部材により開かれ、しかもピストン室11とアキュムレーター12が、相互に通じない状態から、相互に通じる状態へと切り換えられた瞬間、ピストン部31は、所定の圧力により迅速に押し動かされ、棒部32は、ピストン室11外へと迅速に押し出され、アンクランピングが行われる。
ここで言う所定の圧力とは、棒部32を迅速にピストン室11外へと押し出し、アンクランピングするのに十分な圧力で、一定の数値ではない。
所定の圧力は、実際のアンクランピング時のニーズに基づき決められる。
【0018】
本実施形態において、第一流道213と第二流道214は、電磁弁にそれぞれ連接され、この電磁弁により、さらにアキュムレーター12に連接される。
電磁弁は圧力源Pの第一流道213からの通し入れ、或いは第二流道214からの通し入れを主にコントロールする。
本実施形態中において、電磁弁は双方向電磁弁40である(
図6、7参照)。
本実施形態中では、特に、5ポート3ポジション電磁弁である。
本実施形態において、第一端キャップ13に設置される第一貫通孔131はアキュムレーター12に連通し、しかも第一貫通孔131とアキュムレーター12の間には、シングル電磁弁50を設置する(
図6、7参照)。
本実施形態において、圧力源Pは、連通孔216に連接し、双方向電磁弁40とシングル電磁弁50は、もう一つの連通孔216にそれぞれ連接する(
図6、7中での、双方向電磁弁40とシングル電磁弁50の異なる位置における連通孔216との連接は図示に過ぎず、実際には同一の連通孔216に連接される)。
【0019】
双方向電磁弁40の通電による励起により、圧力源Pは、第一流道213から操作室212へと通し入れられ、駆動部223を押し動かす(
図6参照)。
こうして、弁ステム22は
弁ステム22自身の中心軸方向に
沿って移動し、前停止リング222は通路211中に進入して通路211を閉鎖し(
図3参照)、操作室212中の気体は、第二流道214から排出される。
この時、ピストン室11中での棒部32は収縮して戻った状態で、アキュムレーター12中に通し入れられた圧力源Pは、所定の圧力まで蓄えられる。
【0020】
アンクランピングを行う時には、
図7に示す通り、双方向電磁弁40の通電による逆励起により、圧力源Pは変わって、第二流道214から操作室212へ通し入れられ、逆方向に駆動部223を押し動かす。
操作室212中の気体はこの時、第一流道213から排出され、弁ステム22は
弁ステム22自身の中心軸方向に
沿って移動し、前停止リング222は、通路211中から退出し、通路211が開かれる(
図8、9参照)。
通路211が開かれ、しかもピストン室11とアキュムレーター12が相互に通じるよう切り換えられると、ピストン部31は瞬間的に、所定の圧力により迅速に押し動かされ、棒部32は、ピストン室11外へと迅速に押し出され、アンクランピングが行われる。
棒部32が、ピストン室11外へと迅速に押し出され、アンクランピングが行われると同時に、シングル電磁弁50により、圧力源Pと第一貫通孔131との間の導通をコントロールする。
棒部32が、ピストン室11外へと迅速に押し出され、アンクランピングが行われる時、回流通路を形成し、第一貫通孔131から排気動作が行われる。
【0021】
棒部32が、ピストン室11外へと迅速に押し出され、アンクランピングが行われる前に、シングル電磁弁50を通して圧力源Pと第一貫通孔131との間の先行導通をコントロールすることができる。
これにより、ピストン室11は予め第一貫通孔131から排気動作を行い、棒部32のピストン室11からの押し出しをより効果的に加速できる。
この他、本実施形態はシングル電磁弁50を独立設置し、排気動作をコントロールするが、本発明ではこれに限定するものではなく、開閉弁20上に別に電磁弁を設置することもでき、これによっても同様にシングル電磁弁50が排気動作をコントロールするような効果を達成することができる。
【0022】
アンクランピング完了後、双方向電磁弁40により前記のように、再び圧力源Pを、第一流道213から操作室212へと通し入れ、駆動部223を押し動かし、再び弁ステム22を
弁ステム22自身の中心軸方向に
沿って移動させ、前停止リング222は再び通路211中に進入し通路211を閉鎖し(
図3参照)、シングル電磁弁50は逆方向に圧力源Pをピストン室11へと通し入れ、ピストン部31を押し動かし、これにより棒部32は収縮してピストン室11に戻り(
図6参照)、しかも第二貫通孔217において回流通路を形成し、排気動作を行い、アンクランピング前の状態を回復する。
【0023】
上述の説明により分かるように、本発明の特徴は以下の通りである。
シリンダー体10がアキュムレーター12を有する構造を通して、予め圧力源Pを通し入れ、アキュムレーター12内で圧力源Pを所定の圧力まで蓄えることができる。
これにより、所定の圧力を、ピストン室11から棒部32を迅速に押し出す動力とする。
アンクランピングに応用する際に、加工主軸に設置されるカッティングツール(図示なし)を交換するには、制御部材(前記の弁ステム22など)によりアキュムレーター12とピストン室11の間を相互に通じるよう切り換える。
この時、ピストン部31は瞬間的に、所定の圧力により迅速に押し動かされ、棒部32はピストン室11から迅速に押し出され、アンクランピングが行われる。
本発明のシリンダー体10は、ピストン室11を有する他、アキュムレーター12の構造を有するため、制御部材の動作を対応させて、棒部32をピストン室11から迅速に押し出す効果を達成できる。
これにより、2組の作動シリンダーユニットを有する必要があり、しかも2組の切換器及び2個の気圧源を対応させる必要がある従来のアンクランピングシリンダーに比べ、その構成部材を簡素化できることは明らかで、構成部材コストを引き下げる効果を達成することができる。
この他、シリンダー体10のアキュムレーター12は、予め圧力源Pを通し入れ、所定の圧力まで蓄えることができるため、外部の空圧ソースの故障或いは圧力不足により、十分な圧力を持続的に提供できない場合にも、アキュムレーター12に既に蓄えられた圧縮空気の圧力を利用し、棒部32を迅速にピストン室11から押し出すことができ、アンクランピング動作に応用する際には、アンクランピング動作失効の問題の発生を回避できる。
【0024】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、よって、本発明により保護される範囲は後述される特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0025】
100 エアシリンダー加速器、
10 シリンダー体、
11 ピストン室、
12 アキュムレーター、
13 第一端キャップ、
131 第一貫通孔、
14 第二端キャップ、
20 開閉弁、
21 弁シート、
211 通路、
212 操作室、
213 第一流道、
214 第二流道、
215 フランジブロック、
216 連通孔、
217 第二貫通孔、
22 弁ステム、
221 小径セクション、
222 前停止リング、
223 駆動部、
224 後停止リング、
30 エアシリンダー、
31 ピストン部、
32 棒部、
40 双方向電磁弁、
50 シングル電磁弁、
P 圧力源。