IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メデラ ホールディング アーゲーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】搾乳器
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/06 20060101AFI20220224BHJP
【FI】
A61M1/06
【請求項の数】 37
(21)【出願番号】P 2020522874
(86)(22)【出願日】2017-10-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 EP2017077141
(87)【国際公開番号】W WO2019080995
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】503465052
【氏名又は名称】メデラ ホールディング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ シュリエンガー
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン ホーナー
(72)【発明者】
【氏名】マリオ リガート
(72)【発明者】
【氏名】アーミン フェルバー
(72)【発明者】
【氏名】マルコ シュタイナー
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-505087(JP,A)
【文献】特表2017-527337(JP,A)
【文献】特開2013-013793(JP,A)
【文献】特開2012-071157(JP,A)
【文献】国際公開第2017/157701(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/131677(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0071466(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの母乳を搾り出すための搾乳器であって、駆動ユニットを備えたハウジングと、真空を生み出すために前記駆動ユニットにより駆動される可撓性のポンプ膜を備えたポンプ室と、母親の乳房を受け入れるための内部空間を備えた乳房シールドとを有し、
前記ポンプ室によって、前記内部空間に周期的に変化する負圧をかけることができ、
前記内部空間から第1の入口開口部を通って前記ポンプ室へと乳路がつながり、この乳路を通って搾り出された乳が前記乳房シールドの前記内部空間から前記ポンプ室へと流れ込み、前記ポンプ室は出口開口部を有し、これを通って前記搾り出された乳が前記ポンプ室から乳収集容器へと流れ込む搾乳器において、
多部品からなる衛生モジュールが存在し、前記衛生モジュールは、前記内部空間に接続するための流れ開口部を備えた第1の部分と、少なくとも1つの弁を備えた弁体と、前記ポンプ室を形成するための剛性カップを備えた第2の部分とを有し、前記弁体は前記第1の部分と前記第2の部分との間に配置され、前記衛生モジュールは全体として該搾乳器の前記ハウジングに密閉的且つ着脱可能に接続することができることを特徴とする搾乳器。
【請求項2】
前記剛性カップは、前記ポンプ室から乳収集容器へとつながる乳道を有し、この乳道は、少なくとも一部分にわたって、前記ポンプ膜の駆動軸に対して垂直に延在することを特徴とする、請求項1に記載の搾乳器。
【請求項3】
前記弁体は、少なくとも1つの流れ弁と1つの通気弁とを備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の搾乳器。
【請求項4】
前記弁体は、可撓性材料から一体的に形成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項5】
前記第1の部分は、前記乳房シールドの構成要素であることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項6】
前記乳房シールドは、前記ハウジングに着脱可能に接続するためのフランジを有することを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項7】
前記接続は、形状結合や力結合であることを特徴とする、請求項6に記載の搾乳器。
【請求項8】
記出口開口部は、該搾乳器の直立での使用位置において、少なくとも搾乳工程の開始時に、前記ポンプ室の上部領域、及び/又は、前記入口開口部の上側に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の搾乳器。
【請求項9】
前記乳路は、前記乳房シールドの前記内部空間に前記周期的に変化する負圧をかけるための真空路を形成することを特徴とする、請求項1に記載の搾乳器。
【請求項10】
前記ポンプ室は、剛性の第1のカップと可撓性のポンプ膜とを備え、前記ポンプ膜は、前記第1のカップに密閉状態で当接し、前記ポンプ膜が駆動され、前記第1のカップに対して前記ポンプ膜が動くことにより、前記ポンプ室に負圧を生み出すことができることを特徴とする、請求項8又は9に記載の搾乳器。
【請求項11】
前記剛性のカップと前記可撓性のポンプ膜との間に、前記ポンプ膜が搾り出された乳と接触することを防ぐように、可撓性の媒体分離膜が配置されることを特徴とする、請求項10に記載の搾乳器。
【請求項12】
前記第1のカップは出口溝を有し、これは、前記ポンプ室の前記出口開口部から多部品からなる衛生モジュールの出口へと延在し、前記出口溝は、少なくとも一部分にわたって、前記ポンプ膜の運動方向に垂直な方向に延在することを特徴とする、請求項10又は11に記載の搾乳器。
【請求項13】
前記ポンプ膜は、前記剛性の第1のカップの前記出口溝を閉鎖して、前記出口開口部及び前記出口を除き閉じられる路を形成することを特徴とする、請求項12に記載の搾乳器。
【請求項14】
前記乳房シールドは、前記乳路の一部を形成する第1の通路開口部を有し、前記第1の通路開口部の下側の前記内部空間を搾り出された乳で満たすことができるように、前記通路開口部は、前記乳房シールドの使用位置において、少なくとも搾乳工程の開始時に、前記内部空間の上部領域に配置されることを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項15】
前記乳路は、搾乳工程の最後に、前記搾り出された乳を前記ポンプ室から取り除くために、第1の弁によって閉鎖することができることを特徴とする、請求項1~14のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項16】
前記乳房シールドの前記内部空間と前記ポンプ室との間に前記乳路とは別に延在する流出路が存在し、前記流出路は第2の弁によって閉鎖することができ、前記流出路は、搾乳工程中は閉じられ、前記搾乳工程の終わりに開かれることを特徴とする、請求項1~15のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項17】
前記乳房シールドの前記内部空間を通気するための通気弁が存在することを特徴とする、請求項1~16のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項18】
前記通気弁は、前記第2の弁と一緒に閉鎖することができ、前記第2の弁と一緒に開けることができることを特徴とする、請求項16及び17に記載の搾乳器。
【請求項19】
第3の弁が存在し、この第3の弁は、前記周期的に変化する負圧の圧力が上昇したとき、前記乳房シールドの前記内部空間内における基準負圧を維持することを特徴とする、請求項1~18のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項20】
前記乳路に第4の弁が存在し、この第4の弁は、前記かけられた負圧に従って開閉することを特徴とする、請求項1~19のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項21】
前記流出路に第5の弁があって、この第5の弁は、前記かけられた負圧に従って開閉することを特徴とする、請求項16又は18のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項22】
前記弁の少なくともいくつかは、共通の弁体内に配置されることを特徴とする、請求項3,16,18,19,20又は21のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項23】
前記弁体は、一体的且つ可撓性の形態を有することを特徴とする、請求項22に記載の搾乳器。
【請求項24】
該搾乳器は、前記ポンプ膜用の駆動部を備えた前記ハウジングを有し、前記剛性の第1のカップは前記ハウジングに着脱可能に接続されることを特徴とする、請求項10に記載の搾乳器。
【請求項25】
前記第1の剛性カップは、前記ハウジングにともに接続可能な多部品からなるモジュールの構成要素であり、前記モジュールはさらに少なくとも前述の弁を有することを特徴とする、請求項24に記載の搾乳器。
【請求項26】
前記第1の剛性カップはアダプタ部分の構成要素であり、前記弁体が前記アダプタ部分の受入部に保持されることを特徴とする、請求項23及び25に記載の搾乳器。
【請求項27】
前記モジュールは、前記第1及び第2の弁を同時に作動させるための手動の作動手段をさらに含むことを特徴とする、請求項15及び請求項16及び請求項26に記載の搾乳器。
【請求項28】
前記手動の作動手段が、作動部分を形成し、
前記アダプタ部分及び前記作動部分は、破壊せずに互いから取り外すことができないことを特徴とする、請求項27に記載の搾乳器。
【請求項29】
該搾乳器は前記ハウジングを有し、前記乳房シールドは、前記ハウジングに着脱可能に固定することができ、前記乳房シールドを前記ハウジングに固定した結果、前記乳房シールドと前記ハウジングとの間にある部分が密閉して互いと接続されて、前記ポンプ室と前記乳房シールドの内部空間との間に密封接続が生まれることを特徴とする、請求項1~28のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項30】
前記乳房シールド及び前記弁体は、前記モジュールの一部であることを特徴とする、請求項25及び29に記載の搾乳器。
【請求項31】
該搾乳器は前記ハウジングを有し、これに前記乳房シールドを着脱可能に固定することができ、該搾乳器は、前記ハウジングにスナップフィットコネクタによって固定可能な乳収集容器をさらに有することを特徴とする、請求項1~30のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項32】
前記乳収集容器は本体と蓋とを有し、前記蓋は少なくとも部分的に空気を通すが液体は通さない形態を有することを特徴とする、請求項31に記載の搾乳器。
【請求項33】
前記蓋は、空気は通すが液体は通さない膜を有することを特徴とする、請求項32に記載の搾乳器。
【請求項34】
前記蓋は一方向弁を備えることを特徴とする、請求項32又は33のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項35】
前記接続は、バヨネットロックであることを特徴とする、請求項6に記載の搾乳器。
【請求項36】
前記弁の全部は、共通の弁体内に配置されることを特徴とする、請求項1~21のいずれかに記載の搾乳器。
【請求項37】
前記第1のカップは出口溝を有し、これは、前記ポンプ室の前記出口開口部から多部品からなる衛生モジュールの出口へと延在し、
前記媒体分離膜は、前記剛性の第1のカップの前記出口溝を閉鎖して、前記出口開口部及び前記出口を除き閉じられる路を形成することを特徴とする、請求項11に記載の搾乳器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトの母乳を搾り出すための搾乳器と乳房シールド、乳収集容器、及び、搾乳器を操作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの母乳を搾り出すための装置は十分によく知られている。原理的には二つの異なるタイプがあり、第1のタイプは、手動で作動させるもので、搾り出しに必要な負圧を、真空ポンプを手動で作動させて生み出す。第2のタイプでは、真空ポンプを電気的に操作する。
【0003】
これらの真空ポンプは、直接あるいは真空ラインを介して乳房シールドに接続される。乳房シールドは、母親の乳房又はその乳頭を受け入れるための内部空間を有する。この内部空間へ第1のラインを介して負圧が伝えられ、搾り出された乳は第2のラインを介して乳収集容器へ流れ込む。
【0004】
特許文献1及び特許文献2は、コンパクトな搾乳器について記載し、この場合、搾り出された乳は、正圧にて乳収集容器に運ばれる。このために、例えば、乳ラインが周期的に圧迫される。
【0005】
特許文献3は、真空ラインが同時に乳ラインを形成する搾乳器を開示する。負圧が生成されるポンプ室は、搾乳時、乳で満たされるので、ポンプシステムが空気圧システムから水圧システムへと変わり、すでに搾り出された乳は作動流体となる。ポンプ室を乳で満たすことができるように、乳収集容器につながるポンプ室の出口に弁が配置される。この弁はポンプ室内が一定の圧力になったとき、即ち、ポンプ室が十分に乳で満たされたときにのみ開く。
【0006】
この空気圧式と水圧式が組み合わさったポンプには多くの利点がある。このシステムにはデッドボリュームがない、又はほとんどない。システムが乳で満たされた後では、さらに乳を搾り出すのに必要とするポンプ力が僅かでしかないので、ポンプユニットの大きさを最小限にできる。特に、空気圧式真空ポンプの場合より容量の小さいバッテリーを使用することができる。その結果、真空ポンプを、より費用対効果が高く且つより小さく形成することができる。この搾乳器は、特に、搾乳器を体に置いて、乳房シールドをしっかり保持するのに手を必要としない、いわゆる「ハンズフリー」使用に適している。さらに、デッドボリュームが最小であるため、かける圧力をより容易に制御できる。その結果、母親ごとに個別に最適化されたポンプパラメータを選択することができる。
【0007】
特許文献4も、同様に、空気圧式ポンプシステムから水圧式ポンプシステムに変わる搾乳器を記載する。ポンプ室には、可撓性の膜に取り付けられた羽根を備える圧力センサがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】WO 2016/014494 A1
【文献】WO 2016/014469 A1
【文献】WO 2011/035447 A1
【文献】WO 2013/049944 A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、上述の搾乳器を最適化することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1,8,35,36,39及び42に記載の搾乳器、請求項41に記載の乳収集容器、請求項43に記載の乳房シールド、及び、請求項44の特徴を有する方法により達成される。
【0011】
好ましい実施形態において、ヒトの母乳を搾り出すための本発明による搾乳器は、駆動ユニットを備えたハウジングと、真空を生み出すために駆動ユニットにより駆動される可撓性のポンプ膜を備えたポンプ室と、母親の乳房を受け入れるための内部空間を備えた乳房シールドとを有する。ポンプ室によって、内部空間に周期的に変化する負圧をかけることができ、内部空間から第1の入口開口部を通ってポンプ室へと乳路がつながり、この乳路を通って搾り出された乳が乳房シールドの内部空間からポンプ室へと流れ込み、ポンプ室は出口開口部を有し、これを通って搾り出された乳がポンプ室から乳収集容器へと流れ込む。多部品からなる衛生モジュール(Hygiene module)が存在し、該衛生モジュールは、前記内部空間に接続するための流れ開口部を備えた第1の部分と、少なくとも1つの弁を備えた弁体と、ポンプ室を形成するための剛性カップを備えた第2の部分とを有し、弁体は第1の部分と第2の部分との間に配置され、該衛生モジュールは全体として搾乳器のハウジングに密閉的且つ着脱可能に接続することができる。
【0012】
この衛生モジュールはコンパクトに形成される。これは、容易に組み立てられ分解できるので、搾乳器の各部分を容易に洗浄できる。さらに、衛生モジュール内で弁体を使用することにより、製造、組み立て、及び洗浄が簡単になる。
【0013】
好ましくは、上記剛性カップは、ポンプ室から乳収集容器へとつながる乳道を有し、これは、少なくとも一部分にわたって、ポンプ膜の駆動軸に対し垂直に延在する。好ましくは、この乳道はポンプ膜の駆動軸に対し垂直な平面において延在し、この平面において、ポンプ室の高さの少なくとも半分にわたって、好ましくはポンプ室の全高にわたって延在する。この乳道が延在していることにより、搾り出された乳で、少なくとも部分的に、好ましくは完全にポンプ室を満たすことが可能となり、搾乳工程中、空気圧式ポンプシステムから混合ポンプシステムに、又は完全に水圧原理で作動するポンプシステムにさえ変換することができる。
【0014】
好ましくは、上記弁体は、少なくとも1つの流れ弁と1つの通気弁とを備える。好ましくは、弁体は可撓性材料から一体的に形成される。これにより、製造、組み立て及び洗浄がともに容易となる。
【0015】
好ましくは、上記第1の部分は乳房シールドの構成要素である。その結果、搾乳器をコンパクトに形成することができ、乳房シールドに付加的に取り付ける必要なく、衛生モジュールを搾乳器に簡単な方法で固定することができる。
【0016】
好ましくは、乳房シールドはハウジングに着脱可能に接続するためのフランジを有する。
【0017】
ハウジングへのこの接続は、形状結合や力結合、好ましくはバヨネットロックであれば、特に簡単な方法で構築することができる。
【0018】
さらに好ましい実施形態において、ヒトの母乳を搾り出すための本発明による搾乳器は、母親の乳房を受け入れるための内部空間を備えた乳房シールドとポンプ室とを有し、このポンプ室によって、前記内部空間に周期的に変化する負圧をかけることができる。内部空間から第1の入口開口部を通ってポンプ室へと乳路がつながり、この乳路を通って乳房シールドの内部空間からポンプ室へと搾り出された乳が流れ込む。ポンプ室は出口開口部を有し、これを通って搾り出された乳がポンプ室から乳収集容器へと流れ込む。この出口開口部は、搾乳器の直立での使用位置において、少なくとも搾乳工程の開始時、ポンプ室の上部領域、及び/又は、上記入口開口部の上側に配置される。
【0019】
その結果、ポンプ室はほぼ完全に乳で満たされ、本システムは、非常に短い時間内に空気圧系から水圧系又は空気圧と水圧の混合系へと移ることができる。ポンプ手段、例えば、ポンプ膜のための駆動力が同じであっても、ポンプ室内、ひいては乳房シールドの内部空間に、より大きなポンプ能力、すなわち、絶対値がより大きい負圧を生み出す。より小さな容量のバッテリーを用いることができる。これにより製造コストを下げ、ポンプの寿命を全体的に伸ばし、駆動ユニットのサイズを最小限に抑えることができる。
【0020】
好ましくは、上記乳路は、乳房シールドの内部空間に周期的に変化する負圧をかけるための真空路を形成する。つまり、同じライン又は同じ路を介して、まず真空がかけられ、続いて乳が吸い取られる。同じライン又は同じ路が、両方の作動流体、つまり、空気と乳のために用いられる。
【0021】
実施形態に応じて、上記ポンプは往復ポンプ、ダイアフラムポンプ、又は他の任意のタイプの真空ポンプである。しかしながら、好ましくは、ポンプ室は、剛性の第1のカップと可撓性のポンプ膜とを備え、ポンプ膜は、第1のカップに密閉状態で当接し、ポンプ膜が駆動され、第1のカップに対してポンプ膜が動くことにより、ポンプ室に負圧を生み出すことができる。
【0022】
好ましくは、剛性カップと可撓性のポンプ膜との間に、ポンプ膜を搾り出された乳と接触させないように、可撓性の媒体分離膜を配置する。乳房シールド内に存在する乳及び空気は、この媒体分離膜までしか達しない。結果的に、ポンプ膜と搾乳器の残りの部分が汚染から防護される。
【0023】
上記媒体分離膜は、ポンプ膜から容易に分離することができる。媒体分離膜は、好ましくは、既に述べた衛生モジュールの一部である。媒体分離膜は、好ましくは、衛生モジュールの残りの部分から分離することができ、これにより、容易に洗浄できる。衛生モジュールの残りの部分も、また、必要な限り、互いから分離させることができ、簡単に洗浄でき、その後好ましくは工具なしに再び簡単な方法で組み立てることができ、再び使用することができる。
【0024】
好ましくは、上記第1のカップは出口溝を有し、これは、ポンプ室の出口開口部から出口へと延在し、出口溝は、少なくとも一部分にわたって、ポンプ膜の運動方向に垂直な方向に延在する。好ましくは、出口溝は、この運動方向に垂直な平面において延在し、好ましくは、溝は、ポンプ室の高さの少なくとも半分にわたって、好ましくはポンプ室の全体にわたって延在する。
【0025】
他の実施形態において、上記溝は、部分的又は全体的に閉じた路として形成される。しかしながら、好ましくは、ポンプ膜、又は、もし存在する場合、媒体分離膜は、剛性の第1のカップの出口溝を閉鎖して、出口開口部と出口を除いて閉じられる路を形成する。
【0026】
好ましくは、上記溝は、ポンプ室に隣接して延在するがポンプ室の内部空間にはない。
【0027】
好ましい実施形態において、上記乳房シールドは、上記乳路の一部を形成する第1の通路開口部を有し、この第1の通路開口部は、第1の通路開口部の下側の内部空間を搾り出された乳で満たせるように、乳房シールドの使用位置において、少なくとも搾乳工程の開始時には、内部空間の上部領域に配置される。
【0028】
この結果、乳房シールドは、搾乳工程の開始時に、乳で部分的に又は完全に満たすことができる。これにより、水圧式ポンプシステムに変わるまでの時間を、何倍も短くすることができる。通常、乳が初めて乳収集容器に到着する前は、乳房シールドの内部空間がまず満たされ、続いてポンプ室が満たされる。
【0029】
好ましくは、上記乳路は、搾乳工程の最後に、搾り出された乳をポンプ室から取り除くために、第1の弁によって閉鎖することができる。この弁は、好ましくは、乳の搾り出しの際に自動的に開閉する同じ弁である。排出目的のために、これは永続的に閉じられる。実施形態に応じて、この閉鎖は、手動、又は自動で、例えば搾乳器の電子制御装置によって行われる。下流側に弁を配置する場合は、搾乳工程中、この第1の弁を開いたままにすることもできる。
【0030】
好ましくは、乳房シールドの内部空間とポンプ室との間に、乳路とは別に延在する排出路をおいて、この排出路を第2の弁によって閉鎖することができる。排出路は、搾乳工程中は閉じられ、搾乳工程の終わりに開かれる。実施形態に応じて、これを手動又は自動で行う。好ましくは、第2の弁は、第1の弁と同じ原理で又は同様の原理で機能し、好ましくは、同一の形態を有する。第2の弁は、乳房シールドの排出時の汲み出し工程中、母親の乳房から母乳を搾り出す間の第1の弁と同じように開閉する。下流側に弁が配置される場合は、排出工程中、第2の弁を開けたままにすることができる。
【0031】
好ましくは、乳房シールドの内部空間に通気するための通気弁がさらに存在する。好ましくは、この通気弁も、同様に、搾乳工程中は常に閉鎖されており、乳房シールドの排出を簡単にするために、手動又は自動で開かれる。
【0032】
好ましくは、通気弁は、第2の弁と一緒に閉鎖することができ、これと一緒に開けることができる。
【0033】
好ましい実施形態において、第3の弁が存在し、この第3の弁は、周期的に変化する負圧の圧力が上昇するときに、乳房シールドの内部空間において基準負圧(Basisunterdruck)を維持する。この結果、乳房シールドの内部空間の圧力は、全搾乳工程中、好ましくは排出中も、大気圧を下回る。これにより、乳頭にかかる負担が減り、母親の乳房からの乳の流れに良い影響を与える。
【0034】
好ましくは、上記乳路に第4の弁が存在し、かけられた負圧に従って開閉する。この第4の弁は、乳を搾り出す方向において第1の弁の次に配置される。しかしながら、既に上で述べたように、第4の弁を第1の弁によって形成することもできる。しかしながら、これが下流側に配置される場合、例えば、弁体内にフラッター弁としてこれを形成してもよい。
【0035】
好ましくは、上記排出路に第5の弁があって、この第5の弁がかけられた負圧に従って開閉する。この第5の弁は、乳の排出方向において第2の弁の次に配置される。しかしながら、既に上で述べたように、第5の弁を第2の弁によって形成することもできる。これが下流側に配置される場合、例えば、弁体内にフラッター弁として形成することができる。
【0036】
好ましくは、前述の弁の少なくともいくつか、好ましくは全部を、共通の弁体内に配置する。これにより製造が簡単になり費用を最小限に抑えられる。
【0037】
好ましくは、上記弁体は、一体的で且つ可撓性に形成される。好ましくは、シリコーンから構成される。
【0038】
好ましくは、本発明の搾乳器は、ポンプ膜用の駆動部を備えたポンプハウジングを有し、剛性の第1のカップはこのポンプハウジングに着脱可能に接続される。これにより、組み立てが簡単になり、母親による洗浄後の組み立ても簡単になる。
【0039】
好ましくは、第1の剛性カップは、ポンプハウジングにともに接続可能な多部品からなるモジュールの構成要素であり、モジュールはさらに少なくとも前述の弁を有する。このモジュールは、好ましくは、前述の衛生モジュールである。
【0040】
好ましくは、第1の剛性カップはアダプタ部分の構成要素であり、弁体がこのアダプタ部分の受入部に保持される。これにより、組み立てが簡単になり、とりわけ、モジュール設計及び衛生モジュールの使用を容易にする。
【0041】
好ましくは、上記モジュールは、第1及び第2の弁を同時に作動させるための手動の作動手段をさらに有する。これら2つの弁の手動の作動は費用対効果の良い及び確実な解決法である。
【0042】
好ましくは、上記アダプタ部分及び作動部分は、破壊せずに互いから取り外すことができない。これにより、モジュールは常に正確に組み立てられ、全ての要素とともにしか用いることができない。
【0043】
好ましくは、本発明の搾乳器はポンプハウジングを有し、このポンプハウジングに乳房シールドを着脱可能に固定することができ、乳房シールドをポンプハウジングに固定した結果、ポンプ室と乳房シールドの内部空間との間に密封接続が生じるように、乳房シールドとポンプハウジングとの間にある部分が密閉して互いと接続される。乳房シールドは容易に手で保持することができ、ポンプの組み立てを簡単にする。残りの部分も同様に、乳房シールドを固定することによってポンプハウジングに密閉して当接されるため、結果的に、搾乳器を手の1つの動きだけで、つまりポンプハウジングに乳房シールドを固定するための動きだけで、使用準備が整う。個々の部分は洗浄のために容易に取り外すこともできる。好ましくは、乳房シールドと弁体は上記モジュールの一部である。
【0044】
好ましくは、本発明の搾乳器はポンプハウジングを有し、これに乳房シールドを着脱可能に固定することができ、該搾乳器は、前記ポンプハウジングにスナップフィットコネクタによって固定可能な乳収集容器をさらに含む。乳収集容器を固定するためにスナップフィットコネクタを用いることは従来的ではない。通常はねじ付きキャップを用いる。このスナップフィットコネクタのおかげで、容器に様々な形態をもたせることができ、特に、より素早い固定及び取り外しができる。
【0045】
好ましくは、上記乳収集容器は本体と蓋とを有し、この蓋は少なくとも部分的に空気を通すが液体は通さないように形成される。この結果、この蓋は、通気するだけでなく、容器を中の液体をこぼすことなく逆さまに置くことが可能となる弁を形成する。好ましくは、蓋は、空気は通すが液体は通さない膜を有する。好ましくは、蓋は乳収集容器とポンプとの間に挟まれており、スペーサピンによって位置決めできる。
【0046】
さらに、蓋は、好ましくは一方向弁を備え、これがポンプ室から乳収集容器へとつながる。
【0047】
好ましい実施形態において、母乳を搾り出すための搾乳器は、母親の乳房を受け入れるための内部空間を備えた乳房シールドと、ポンプ室とを有し、ポンプ室によって、内部空間に周期的に変化する負圧をかけることができる。内部空間から第1の入口開口部を通ってポンプ室へと乳路がつながり、この乳路を通って、搾り出された乳が乳房シールドの内部空間からポンプ室へと流れ込む。ポンプ室は出口開口部を有し、これを通って搾り出された乳はポンプ室から乳収集容器へと流れ込む。乳房シールドの内部空間とポンプ室との間には乳路とは別に延在する排出路があり、この排出路は弁によって閉じることができ、搾乳工程中は閉じられ、搾乳工程の終わりに開かれる。これにより、乳を、搾乳工程の終わりに乳房シールドから容易に取り除くことができる。好ましくは、乳を積極的に汲み出して乳収集容器へと押し出すために、ポンプ室を用いて排出路に負圧をかける。
【0048】
好ましい実施形態において、ヒトの母乳を搾り出すための本発明の搾乳器は、母親の乳房を受け入れるための内部空間を備えた乳房シールドとポンプ室とを有し、ポンプ室によって、内部空間に周期的に変化する負圧をかけることができる。内部空間から第1の入口開口部を通ってポンプ室へと乳路がつながり、この乳路を通って、搾り出された乳が乳房シールドの内部空間からポンプ室に流れ込む。ポンプ室は出口開口部を有し、これを通って、搾り出された乳はポンプ室から乳収集容器へと流れ込む。本発明の搾乳器は、ポンプハウジングと、ポンプ膜とモジュールとを有し、該モジュールは、少なくとも、ポンプ室を形成するための剛性カップと乳房シールドとを有する。モジュールは、ポンプハウジングに1ユニットとして固定することができ、ポンプ室と乳房シールドの内部空間との間に密閉された接続が生まれ、ポンプ膜は、モジュールとポンプハウジングとの間に密閉状態で保持される。これにより、母親による搾乳器の各部分の洗浄と、こうした洗浄後の再組み立てを簡単にする。
【0049】
好ましくは、上記モジュールは、弁体をさらに有し、これは乳房シールドと剛性カップとの間に配置される。弁体と、好ましくは弁体の弁用の密閉座部を有する、第1及び第2の部分の対応する領域は、共通の弁ユニットを形成し、これを弁構築物とも呼ぶ。
【0050】
好ましくは、上記モジュールは、上記弁構築物の少なくとも1つの弁を作動させるための手動の作動手段をさらに有する。
【0051】
好ましい実施形態において、ヒトの母乳を搾り出すための搾乳器は、母親の乳房を受け入れるための乳房シールドと、ポンプハウジングと、乳収集容器とを有し、ポンプハウジングは、第1に、乳房シールドに着脱可能に接続することができ、第2に、乳収集容器に着脱可能に接続することができる。乳収集容器は、スナップフィットコネクタによってポンプハウジングに固定することができる。
【0052】
好ましくは、この搾乳器は、ポンプ室と乳路とを備え、この乳路を通って、搾り出された乳が乳房シールドの内部空間からポンプ室へと流れ込み、ポンプ室には乳収集容器と接続される出口があり、この出口を通って搾り出された乳が乳収集容器へと流れ込む。
【0053】
好ましい実施形態において、ヒトの母乳を搾り出すための搾乳器のポンプハウジングに接続するための本発明による乳収集容器があり、この乳収集容器は、ポンプハウジングに面する蓋を有し、この蓋は、少なくとも1つの領域において空気は通すが液体は通さない。
【0054】
好ましい実施形態において、ヒトの母乳を搾り出すための搾乳器は、母親の乳房を受け入れるための乳房シールドとポンプハウジングとを有し、乳房シールドはポンプハウジングに着脱可能に接続することができる。乳房シールドはバヨネットロックによってポンプハウジングに接続可能である。
【0055】
好ましい実施形態において、本発明による乳房シールドが存在し、これは、搾乳器のポンプハウジングに固定するために役立つ。乳房シールドは、母親の乳房を受け入れるための内部空間と、ポンプハウジングに取り付けるためのコネクタとを有し、このコネクタにはバヨネットロックが設けられる。
【0056】
ヒトの母乳を搾り出すための搾乳器を作動させるための本発明による方法の好ましい変形において、該搾乳器は、母親の乳房を受け入れるための内部空間を備えた乳房シールドと、ポンプ室とを有し、ポンプ室によって内部空間に周期的に変化する負圧をかける。第1のポンプ段階において、母親の乳房から乳を搾り出すために、前記内部空間に周期的に変化する負圧がかけられ、このとき、内部空間は、搾り出された乳が内部空間から流出することなく、搾り出された乳で満たされる。第2のポンプ段階において、搾り出された乳は内部空間からポンプ室へと流れ込み、ポンプ室は搾り出された乳で満たされる。第3のポンプ段階において、内部空間とポンプ室を搾り出された乳で満たしたままの状態で、搾り出された乳がポンプ室から乳収集容器へと流れ込む。第2のポンプ段階から第3のポンプ段階への変換は、搾り出された乳の充填レベルが、ポンプ室から乳収集容器へとつながる出口開口部に達することによって起こり、この結果、乳が、ポンプ室から出口開口部を通って乳収集容器へと流れ込む。
【0057】
この方法のおかげで、ポンプシステムは、比較的素早く、空気圧式のポンプシステムから水圧式又は主に水圧式のポンプシステムへと切り替わる。この結果、より小さい駆動部と低出力のモータを用いることができる。
【0058】
好ましくは、第1のポンプ段階は完全に又は主に空気圧式のポンプ段階であり、第2のポンプ段階は完全に又は主に水圧式のポンプ段階である。
【0059】
本発明の方法の好ましい変形において、第1のポンプ段階中、内部空間はほぼ完全に満たされる。好ましい変形において、内部空間及び/又はポンプ室は、第2及び/又は第3のポンプ段階中、搾り出された乳でほぼ完全に満たされる。
【0060】
好ましくは、第1のポンプ段階から第2のポンプ段階への変換は、搾り出された乳の充填レベルが内部空間からポンプ室へとつながる第1の通路開口部に達することによって起こり、これにより、乳が内部空間から第1の通路開口部を通ってポンプ室へと流れ込む。
【0061】
好ましくは、第3のポンプ段階において、搾り出された乳は第1の通路開口部を通ってポンプ室へと流れ込み、出口開口部を通って乳収集容器へと流れ込む。
【0062】
好ましくは、第4の段階において、内部空間は排出され、中に入っていた既に搾り出された乳は、内部空間から第2の通路開口部を通って乳収集容器へと案内される。
【0063】
好ましくは、第1の通路開口部は第1の弁を用いて閉鎖することができ、第2の通路開口部は第2の弁を用いて閉鎖することができ、このとき、第2の通路開口部は、第1から第3のポンプ段階中、常に閉じられたままである。
【0064】
好ましくは、第1の通路開口部は、第4のポンプ段階中、常に閉じられている。
【0065】
好ましくは、第2の通路開口部は、内部空間からポンプ室へとつながり、ポンプ室を介して出口開口部と流体連通接続している。
【0066】
好ましくは、ポンプ段階の少なくともいくつかで、好ましくは、第1、第2、及び第3のポンプ段階中、基準負圧が維持される。
【0067】
好ましくは、第3の弁が存在し、この第3の弁は、周期的に変化する負圧の圧力が大気圧の方向に上昇する場合に、最初は開き、その後閉じることによって基準負圧を維持する。
【0068】
本発明の方法のさらなる実施形態及び変形を従属請求項に記載する。
【0069】
請求項に詳細に記載する個々の要素は、請求項のすべての特徴を採用する必要なく、他の組み合わせで組み立てることもできる。特に、個々の要素は、純粋な空気圧式搾乳器、とりわけ空気圧式膜搾乳器においても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
本発明の好ましい実施形態を、図面に基づいて以下に説明するが、これらは単に説明のためのものであり、限定として解釈されてはならない。
【0071】
図1図1は、本発明の搾乳器の斜視図である。
図2図2は、斜めから見た図1の搾乳器の分解図である。
図3図3は、別の斜めから見た図1の搾乳器の分解図である。
図4図4は、第1の斜めから見た図1の搾乳器の部分断面図である。
図5図5は、第2の斜めから見た図1の搾乳器の部分断面図である。
図6図6は、分解図での図1の搾乳器のキャリアモジュールに取り付ける衛生モジュールの縦断面である。
図7図7は、図6の組み立てた衛生モジュールの斜視図である。
図8a図8aは、図1の搾乳器の乳房シールドの斜視図である。
図8b図8bは、図8aの乳房シールドの部分断面図である。
図9a図9aは、図1の搾乳器の弁体の斜視図である。
図9b図9bは、図9aの弁体の部分断面図である。
図9c図9cは、図9aの弁体の縦断面図である。
図9d図9dは、図9aの弁体の図である。
図10a図10aは、図1の搾乳器の調節リングの斜視図である。
図10b図10bは、図10aの調節リングの図である。
図11a図11aは、図1の搾乳器のアダプタ部分の、第1の側からの斜視図である。
図11b図11bは、図11aのアダプタ部分の部分断面図である。
図11c図11cは、図11aのアダプタ部分の、第2の側からの斜視図である。
図12a図12aは、図1の搾乳器の媒体分離膜の、第1の側からの斜視図である。
図12b図12bは、図12aの媒体分離膜の、第2の側からの斜視図である。
図12c図12cは、図12aの媒体分離膜の縦断面図である。
図13a図13aは、図1の搾乳器のポンプ膜の、第1の側からの斜視図である。
図13b図13bは、図13aのポンプ膜の、第2の側からの斜視図である。
図13c図13cは、図13aのポンプ膜の縦断面図である。
図14図14は、図1の搾乳器のキャリアモジュールの斜視図である。
図15図15は、図1の搾乳器の乳収集容器の上側フレーム部分の斜視図である。
図16図16は、容器弁を備えた図15の上側フレーム部分の縦断面図である。
図17図17は、図1の搾乳器の乳収集容器の器部分の斜視図である。
図18図18は、負圧をかける前の本発明のポンプシステムの概略図である。
図19a図19aは、第1のストローク位置で母親の乳房に作用中の、概略的に示された図1のポンプシステムを示す。
図19b図19bは、第2のストローク位置での図19aのポンプシステムを示す。
図19c図19cは、図19a及び図19bの、第1のストローク位置から第2のストローク位置に変わるときの、乳房シールド内の圧力の図解を示す。
図20a図20aは、第1のストローク位置で乳房から乳が流れ始めるときの、図19aのポンプシステムを示す。
図20b図20bは、第2のストローク位置での図20aのポンプシステムを示す。
図20c図20cは、図20a及び図20bの、第1のストローク位置から第2のストローク位置に変わるときの、乳房シールド内の圧力の図解を示す。
図21a図21aは、第1のストローク位置で乳房から乳が連続して流れる間の図19aのポンプシステムを示す。
図21b図21bは、第2のストローク位置での図21aのポンプシステムを示す。
図21c図21cは、図21a及び図21bの、第1のストローク位置から第2のストローク位置に変わるときの、乳房シールド内の圧力の図解を示す。
図22a図22aは、第1のストローク位置で乳の流れが終わるときの図19aのポンプシステムを示す。
図22b図22bは、第2のストローク位置での図22aのポンプシステムを示す。
図22c図22cは、図22a及び図22bの、第1のストローク位置から第2のストローク位置に変わるときの、乳房シールド内の圧力の図解を示す。
図23a図23aは、第1のストローク位置で排出する際の図19aのポンプシステムを示す。
図23b図23bは、第2のストローク位置での図23aのポンプシステムを示す。
図23c図23cは、図23a及び図23bの、第1のストローク位置から第2のストローク位置に変わるときの、乳房シールド内の圧力の図解を示す。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1図17に、本発明の搾乳器の好ましい例示の実施形態を示す。
【0073】
(個々の構成要素の概要)
図1から明白であるように、本発明の搾乳器はコンパクトな構造をもつ。本搾乳器は、乳房シールド2が固定されているポンプハウジング8と、同様にポンプハウジング8に固定されている乳収集容器9を有する。ポンプハウジング8には、動力伝達要素、例えばスピンドルを備えたモータが配置される。さらに、ポンプハウジング8には、モータを制御するための少なくとも1つの電子制御装置、ポンプを作動させるための作動スイッチ86、及びエネルギー貯蓄部がある。
【0074】
図2及び図3は、この搾乳器の分解図を示す。これは、母親の乳房を受け入れるための前述の乳房シールド2、可撓性材料、特にシリコーンからなる弁体3、アダプタ部分4、二部品からなる調節リング5、媒体分離膜6、ポンプ膜7、キャリアモジュール8’(これはポンプハウジング8の一部である)、及び、既に記載した乳収集容器9を備える。
【0075】
(乳収集容器)
乳収集容器9は、好ましくは、ポンプハウジング8の下側にラッチで留めることができ、好ましくは、回し入れることにより着脱可能に固定することができる。対応するラッチ要素901,902は図17で確認できる。このため、ポンプハウジング8は、これに適合するラッチ要素を有するが、ここでは図示しない。
【0076】
乳収集容器9は、搾り出された乳を受け入れる内部空間900を備えた器90を有する(図17参照)。この器90は上が開いた形をしており、蓋によって閉鎖することができる。蓋は、剛性の下側フレーム部分91、剛性又は半剛性又は可撓性のカバー92、及び剛性の上側フレーム部分93を有する。下側フレーム部分91は、器90の開口部の周囲の形状に対応し、この開口部に密閉状態でのる。剛性の上側フレーム部分93は、上下フレーム部分93,91の間に上記カバーを挟む。好ましくは、これら2つのフレーム部分91,93は互いに接着接続されるか、互いに溶接されるか、又は、他の手段によって破壊せずに互いから取り外すことができない。カバー92は、フィルムか、又は他の膜状部品であり、これは空気を通せるが液体を通すことができない。この結果、器90から空気は抜けることができるが液体は出てくることができない。
【0077】
好ましくは、上側フレーム部分93の形状も同様に器90の形状に対応しており、特に、そのフレーム930は、下側フレーム部分91の形状に対応する。詳細を図15及び図16に示す。フレーム930には、補強のため及びカバー92の保護部として、ブレース931がある。取っ手933により蓋の持ち上げが容易になる。スペーサピン934は、フレーム930上に配置されフレーム930を越えて突出するが、乳収集容器9の取り付けの際、ポンプハウジング8から一定の距離を確保するので、容器の内部空間900から空気が周囲へと抜けることができる。上側フレーム部分93には弁受入部932が形成され、この弁受入部により、器90の内部空間に液体だけが入ることができる。
【0078】
この弁受入部932には容器弁94が配置され、これは一方向弁として形成される。よって、蓋が閉じられると、液体は乳収集容器9に入ることはできてもそこから出ることができない。好ましくは、ここに図示するように、容器弁94はダックビル弁である。
【0079】
(衛生モジュール)
図6及び図7は本発明による衛生モジュールを示す。少なくとも、これは乳房シールド2のコネクタ23、弁体3、アダプタ部分4、及び調節リング5を備える。さらに、ここで示すように、可撓性媒体分離膜6を備えることもできる。乳房シールドが一体的な構成を有する場合、その全体が衛生モジュールの一部である。
【0080】
図6及び図7に示すように、前述の部品が組み合わさって共通のアセンブリを形成することができ、着脱可能にキャリアモジュール8’内にいっしょに固定することができる。このために、乳房シールド2のコネクタ23は、キャリアモジュール8’の対応する受入部、この場合2つの対向するサイドアーム80に、好ましくは形状結合且つ力結合式に固定することができる。好ましくは、この接続は、ここに示すようなバヨネットロックによって行われる。コネクタ23は対応するフランジ22を有し、キャリアモジュール8’のサイドアーム80はフランジのための対応する受入部とバヨネットロックの残りの要素を有する。
【0081】
乳房シールドをキャリアモジュール8’、ひいてはポンプハウジング8に固定することにより、その間にある部品、すなわち、衛生モジュールの弁体3、アダプタ部分4、及び、媒体分離膜6、並びにポンプ膜7もまた、互いに密閉して接続される。
【0082】
調節リング5は、好ましくは、破壊せずには取り外しできないようにアダプタ部分4に固定され、調節リングは、衛生モジュールの長手方向中心軸の周りに前記アダプタ部分に対して回転することができる。
【0083】
装置の個々の部品及びその相互作用を以下に述べる。
【0084】
(乳房シールド)
図8a及び図8bは乳房シールド2を示す。これは母親の乳房を受け入れるためにある。母親の乳房にかぶせるための漏斗部20と内部空間200とを備え、周期的に変化する負圧を内部空間200にかけることができ、この内部空間で母親の乳房又は少なくとも乳頭を受け入れる。
【0085】
乳房シールドは、好ましくは、一体的な構造をしており、好ましくは剛性の又は半剛性のプラスチックから製造される。しかしながら、多部品からなる形態であってもよい。さらに、乳房シールドは、柔らかいライナー、例えば、軟質シリコーンからなる乳房シールドインサートをつけて用いることができる。
【0086】
漏斗部20にはコネクタ23が続き、前述のバヨネットロックの一部を形成する少なくとも部分的に円周状のフランジ22を備える。コネクタ23の、乳房と反対を向く側では、内部空間200が通路開口部21へとつながり、この開口部は中央長手軸に沿って延びる路を形成する。フランジ22の、乳房と反対を向く側では、コネクタ23の直径方向の反対の位置にある2つの側面上に、それぞれ1つの凹所がある。
【0087】
第1の凹所には、第1の出口開口部24と曲げられた形の第1の流れ開口部25がある。この第1の出口開口部24は内部空間200からコネクタ23の外側、正確には第1の凹所に通じる。第1の流れ開口部25は、この第1の凹所から、好ましくは直角の路内を、コネクタ23の、乳房と反対を向く自由端部面まで通じる。第1の出口開口部24の近傍であるが、第1の凹所の外側には、コネクタ23の周囲上に通気口26が存在する。この通気口は内部空間200から外部へと通じる。
【0088】
コネクタ23の直径方向の反対の位置にある側面には、第1の出口開口部と第1の通路開口部と同じ形態を有する、第2の出口開口部27と第2の流れ開口部28とを備えた類似の第2の凹所が存在する。さらに、第2の凹所の外側で第2の出口開口部27近傍には、同様に、第2の通気口29が存在する。実際には、この第2の通気口29は機能せず、目的どおりに装置が用いられる場合には密閉されている。しかしながら、乳房シールド2の位置を180°回転させてキャリアモジュール8’に取り付けることもできるように、全ての開口部は対称的に配置される。
【0089】
(弁体)
図9aから図9dは弁体3を示す。弁体3は可撓性材料、好ましくはシリコーンから製造される。好ましくは一体的に形成され、後部壁31を備えた中空円筒形状の本体30を有する。後部壁31は、乳房と反対を向く側に、溝部312を備え、これは通路開口部32を環状に取り囲み、乳房の方に向く反対側に密閉エリア310を形成する。通路開口部32の円周状の縁には、乳房と反対を向く側に円周状の密閉リップ311が設けられる(図9b及び図9c参照)。この結果、円周状の密閉エリア310内部の後部壁31の領域は、さらに以下で説明するように基準真空弁として働く弁を形成する。
【0090】
本体30は、乳房に向く側に、径方向に突出する位置決め突起部33を有する。本体30の側面には、第1のスタッド34と通気スタッド35がある。直径方向のこれに反対の位置に、第2のスタッド36が配置される。これら3つのスタッドは、径方向外側に向かって突出する。第1のスタッド34と第2のスタッド36は中実であり、即ち中空でない形態をしている。通気スタッド35は本体30の内部空間から外部への通路開口部を有する。
【0091】
密閉エリア310と本体30の側面との間の、後部壁31の環状領域には、同様に直径方向の互いに反対の位置にある弁フラップが存在する。これら弁フラップの1つ目には参照記号37を付し、これら弁フラップの2つ目には参照記号38を付す。これらは、好ましくは、第1及び第2のスタッド34,36と同じ対角線上にある。
【0092】
(調節リング)
図10a及び図10bは調節リング5を示す。これは、好ましくは剛性で、好ましくはプラスチック製である。調節リング5は、好ましくは2つの部分からなる。第1の部分50は半環(half-ring)の形状を有し、両自由端部に第1のコネクタ部分51が設けられる。第2の部分52も同様に半環の形状を有し、その自由端部にそれぞれ1つずつ第2のコネクタ部分53が設けられる。第1及び第2の部分50,52は共通の環を形成し、2つのコネクタ部分対51,53にはラッチ要素54が設けられており、これらを、好ましくは着脱不可能に互いと接続する。環の内側周囲には、径方向内側に突出する部分的に周状の止め部55が存在し、アダプタ部分4に取り付けた後、調節リング5の取り外しを防止する。調節リングの内壁には、第1及び第2の押し付け要素56,57が形成される。これらは、好ましくは、径方向内側へと突出する隆起部であり、これは、ランプ(ramp)とも呼ばれる傾斜面を介してリング内面に対して平行に延在する面へと移行する。第1の部分50上には外側に突出する作動レバー58が形成される。
【0093】
(アダプタ部分)
図11aから図11cはアダプタ部分4を示す。アダプタ部分4は、好ましくは、剛性材料、好ましくはプラスチックから構成され、中空形状の本体40を有し、実質的に閉じたフランジ状のポンプ側の壁41を備える。本体40は、その側面に、第1のウィンドウ400と、直径方向の反対の位置にある第2のウィンドウ401を有する。乳房シールドに近い本体40の端面に位置決め補助部402があり、弁体3の位置決め突起部33の対となる部分を形成し、位置決め突起部33とともに、弁体3の回転止め位置を決めるのに役立つ。
【0094】
ポンプ側の壁41は、ここでは下向きとなっている方向に、路壁410へと延長する。さらに、ポンプ側の壁は隆起する中央の壁部分42を有し、これは乳房シールドに近い領域へと突出する。この結果、壁部分42の反対側、即ちポンプハウジングに面する側にくぼんだエリアが形成され、このくぼんだエリアが既に説明した剛性カップを形成し、ポンプ室47の一部となる。
【0095】
ポンプ側の壁41において、隆起した壁部分42と本体40の側面との間に、第1の通路開口部43と第2の通路開口部44がある。これら2つの通路開口部43,44は、直径方向の互いに反対の位置にある。この例では、それらは円形である。隆起した壁部分42の縁領域であって、その隆起した領域上に、第1の逆流開口部45と第2の逆流開口部46が存在する。これらは、好ましくは細長い形態をしている。これらの開口部はすべてポンプ室47に通じる。
【0096】
図11cで確認できるように、ポンプ室47のくぼんだカップは円周状の平らな縁で取り囲まれており、密閉エリアとして働く。この縁には溝48が延在し、これは、好ましくはポンプ室47の最上点にて始まり、出口開口部480を介してポンプ室と流体連通接続している。この溝48は、ここでは部分的な円形状に、ポンプ室47の円周に沿って下方に延在し、出口49に至る。出口49は路壁410内に位置する。
【0097】
(媒体分離膜)
図12aから図12cは媒体分離膜6を示す。これは、可撓性に作られており、好ましくは一体的に製造され、好ましくはシリコーンから製造される。媒体分離膜は、膜エリア60を有し、これには好ましくは、少なくとも1つの環状の溝部がそれ自体公知の方法で設けられる。好ましくは、膜エリアの中央領域61が隆起した形態を有し、アダプタ部分4に面する。膜エリア60の縁部は、密閉エリア62として形成され、アダプタ部分4の縁部に密閉状態でのる。この結果、ポンプ室47が形成される。溝63が密閉エリア62の内部を媒体分離膜6の周囲に沿って延在し、アダプタ部分4の溝48の密封閉鎖を形成する。媒体分離膜6の下部領域にある、ポンプハウジングに面する凹所64が、圧力センサ用の空き空間として機能するが、これについては以下でさらに述べる。
【0098】
好ましくは、図に示すように、媒体分離膜6はリブの形をした補強部を有し、これにより媒体分離膜の機能性が保証される。つまり、このリブにより、膜は要望どおり動き、それにもかかわらず周辺部分に対して常に密閉した状態になる。
【0099】
(ポンプ膜)
図13aから図13cはポンプ膜7を示す。ポンプ膜も膜エリア70と中央領域71とを有する。媒体分離膜6とは対照的に、ポンプ膜7の中央領域71には通路開口部72が設けられており、これの縁領域は、ここではリブの形をした補強部73を備えると好ましい。この場合もやはり、装置を組み立てた状態で、キャリアモジュール8’の対応するエリア上に密閉した状態で置かれる周状の密閉エリア74が存在する。サイドウィング77が密閉エリア74の外側にある。組み立てた状態で、サイドウィング77は、周状の平らな密閉エリア74(図13b)とともに、外部から液体が入り込めないように障壁を形成し、これにより電子機器を保護する。
【0100】
ポンプ膜7の下部領域は、しかしながらこれは閉鎖された周状の密閉エリア74内に配置されているが、圧力センサとして形成されている。圧力センサは、膜の形をしたセンサエリア75と羽根76とを備え、センサエリア75は、連結ウェブを介して膜エリア70に連結され、羽根76はポンプハウジングの方向にセンサエリアから垂直に突出する。この種の圧力センサについては、特許文献4に記載される。
【0101】
図で確認できるように、媒体分離膜6とポンプ膜7は同様の形状を有し、特に、それらの負圧を生み出すための可動領域に関して同様の形状を有する。
【0102】
(キャリアモジュール)
キャリアモジュール8’を図14に示す。これはポンプハウジングの外側ハウジングに保持される。外側ハウジングは図1に見られる。好ましくは、キャリアモジュール8’はこの外側ハウジングにねじ留めされる。対応する固定穴に、参照記号84を付す。キャリアモジュールは、プラスチックから一体的に製造することができる。しかしながら、多部品からなる形態であってもよいし、及び/又は、異なる材料から製造することもできる。キャリアモジュール8’は、乳房シールド2を受け入れるためのバヨネットロックを備えた2つの突出するサイドアーム80を有する。サイドアームはスピンドル受入部82の側方に配置される。スピンドル受入部82は通路開口部と円周状縁部85を有し、縁部85はポンプ膜7の密閉エリア74と対となる部分を形成する。スピンドル受入部82上には、カップの形をしたモータ受入部81が形成される。モータ受入部81は、スピンドル83に連結される電気モータ(図4参照)を保持する役割を有する。
【0103】
(組み立てたアセンブリの運転モード)
図6から、個々の開口部及び弁がどのように相互作用するかを確認することができる。
【0104】
弁体3は、回転位置を調整して(positioned)、アダプタ部分4の中空円筒形の本体40に挿入することができる。ここで、調節リング5は、既にアダプタ部分4に着脱不可能に接続されており、第1の押し付け要素56は第1のウィンドウ400を通って内側に突出し、第2の押し付け要素57は第2のウィンドウ401を通って内側に突出している。弁体3の第1のスタッド34はこの場合第1のウィンドウ400の下側に位置し、第2のスタッド36は第2のウィンドウ401の上側に位置する。弁体3の弁フラップ37,38はそれぞれアダプタ部分の第1及び第2の通路開口部43,44を覆って位置する。密閉リップ311は隆起した壁部分42上に密閉状態でのり、第1及び第2の逆流開口部が溝部312と密閉リップ311との間の密閉された環状領域に配置される。
【0105】
乳房シールド2が挿入されると、第1のスタッド34は第1の出口開口部24上に位置し、通気スタッド35が第1の通気開口部26上に位置する。第2のスタッド36は第2の出口開口部27上に位置する。第2の通気開口部29は弁体3の側面によって覆われて閉鎖される。
【0106】
乳房シールド2がキャリアモジュール8’に接続されると、説明した路と開口部との間に個々の接続が生まれ、外部に対して密閉される。
【0107】
図4及び図5は、組み立てた状態での本発明による搾乳器を示す。容易に確認できるように、このシステムには事実上デッドスペースがない。
【0108】
ポンプ膜7を駆動するスピンドル83は、図4に認識できる。媒体分離膜6はポンプ膜7に寄り添う形をしており、両方の膜6,7がともに動いて、ここでも損失が出ない。ポンプハウジング8、より正確にはキャリアモジュール8’は、後部壁85を備え、キャリアモジュール8’に衛生モジュールが固定されると、ポンプ膜7はこの後部壁85に密着してのる。このことは図4及び図5に容易に確認することができる。調節リング5はサイドアーム80の内側に回転可能に配置され、作動レバー58は表示要素としても働く。作動レバーは、ポンプハウジング8に取り付けられるディスプレイ87に沿って動き、これによって、個々の弁の位置についての情報を使用者に与え、これによって、ポンプの稼働状況についての情報を使用者に与える。つまり、ポンプが搾り出しのための操作準備状態にあるかどうか、又は、ポンプが排出状態にあるかどうかが示される。これについて以下に説明する。
【0109】
個々の弁は、調節リング5を回転させることによって手動で開閉できる。より正確には、第1の流れ開口部25と第1の出口開口部24とは、第2の流れ開口部28と第2の出口開口部27と、交互に、手動で開閉することができる。第1の通気開口部26は第2の出口開口部27及び第2の流れ開口部28とともに開閉される。第2の通気開口部29は弁体3内部のその位置により常に閉鎖されたままである。
【0110】
当然ながら、乳房シールド2を、第2の開口部が第1の開口部の位置にあるように、弁体3に対して位置づける場合には、第1の通気開口部の代わりに第2の通気開口部が開閉される。
【0111】
搾乳工程の開始時及び全搾乳工程中に選択される第1の位置において、弁体3の第2のスタッド36は、調節リングの第2の押し付け要素57によって押し上げられて、第2のスタッドが凹所に置かれ、その結果、乳房シールド2の第2の出口開口部27と第2の流れ開口部28上に置かれる。さらに、第1の押し付け要素56によって、通気スタッド35は第1の通気開口部26に押し付けられて、第1の通気開口部を閉鎖する。一方、弁体3の第1のスタッド34は解放されて、第1の出口開口部24と第1の流れ開口部25が、乳房シールドの内部空間200から弁体3の本体30への流体連通路を形成する。このことは図2図3及び図6で最もよく確認できる。
【0112】
調節リング5を第2の位置で回転させる。第1の押し付け要素56は通気スタッド35を開放し、それによって第1の通気開口部26を開放するが、反対に、第1のスタッド34を凹所上に押し付け、その結果第1の出口開口部24と第1の流れ開口部25を閉鎖する。第2の押し付け要素57はさらに第2のスタッド36を開放し、それにより、今度は、第2の出口開口部27と第2の流れ開口部28が、乳房シールド2の内部空間200から弁体3への開かれた連続する路を形成する。第2の出口開口部27と第2の流れ開口部28は排出路を形成し、これについては、以下でより詳細に説明する。
【0113】
相互の開閉は、好ましくは同時に行われる。しかしながら、中間の状態において全ての開口部を閉鎖するように押し付け要素をずらして配置することもできる。
【0114】
(母乳の搾り出し及び排出工程)
乳を母親の乳房から搾り出すことができるように、作動レバー58、したがって、調節リング5を上述の第1の位置にする。駆動部によって、ポンプ膜7は、媒体分離膜6とともに、ポンプ室47内及び乳房シールド2の内部空間200内に負圧が起こるように、アダプタ部分4へと動かされ再び戻される。ここで、ポンプ室47から乳房シールド2の内部空間200への真空ラインは、アダプタ部分4内の第1の通路開口部43と、第1の弁フラップ37によって覆われる弁体3内の開口部と、乳房シールド内の第1の流れ開口部25と第1の出口開口部24によって形成される路とによって形成される。
【0115】
とりわけ、弁体3の密閉リップ311によって形成される基準真空弁は、ポンプストロークが大気圧の方向に動くとき、乳房シールド2の内部空間200にベースの負圧を保持することを可能とする。基準真空弁は、ポンプストローク中、大気圧の方向へと開き、内部空間200内が所定の最小圧に達したときにはじめて閉じる。操作モードについては、スキームに基づいて以下でより詳細にもう一度説明する。乳房シールド2への空気の戻り流は、アダプタ部分4の第1及び第2の逆流開口部45,46、弁体3の通路開口部32、及び乳房シールド2の通路開口部21によって実現される。
【0116】
母親の乳房にこの真空をかけることにより、母親の乳房が刺激され、乳房から乳房シールド2の内部空間200へと乳が流れ込む。内部空間200は、乳の充填レベルが第1の出口開口部24に達するまで満たされる。ここで、乳房シールド2は好ましくは、この第1の出口開口部24が乳房シールド2の上部領域に位置するように保持される。
【0117】
搾り出された乳はその後、第1の出口開口部24と第1の流れ開口部25によって形成される路を通って、及び、第1の弁フラップ37によって覆われる開口部を通ってアダプタ部分4へと流れ込み、そこで、第1の通路開口部43を通ってポンプ室47に至る。
【0118】
ポンプ室47も同様に、上部に配置される出口開口部480に届くまで乳で満たされる。続いて、乳は、アダプタ部分4の溝48と、媒体分離膜6の溝63又はカバーによって形成される路を通って流れ、出口49を通って衛生モジュールから出て、容器弁94を通って乳収集容器9へと流れ込む。
【0119】
ポンプストロークが大気圧の方向の負圧を生み出す毎に、基準真空弁はまず開いて、空気又は乳の内部空間200への部分的な戻り流を可能とする。この部分的な逆流は、第1及び第2の逆流開口部45,46、開いた基準真空弁、通路開口部32及び通路開口部21によって起きる。弁は内部空間が一定の真空値で閉じるため、圧力は大気圧の方向にさらに上昇することができない。
【0120】
母親が乳の搾り出しを終えたいとき、又はもはや乳房から乳が流れない場合には、母親は調節リング5を第2の位置に回す。これまで用いた真空路と乳路は、第1の出口開口部24と第1の流れ開口部25を閉鎖することによって閉じられる。しかしながら、このとき、第2の出口開口部27、第2の流れ開口部28及び第1の通気開口部26は開く。この切り換えは、動いているポンプ、すなわち変わらず駆動しているポンプ膜7によって実現できる。さらに、この目的のためにポンプを止めて、続けて再び稼働させることもできる。ポンプは吸引し続けるため、既に母親の乳房から搾り出されて乳房シールド2の内部空間200に入っている乳は、第2の出口開口部27、第2の流れ開口部28、第2の弁フラップ37で覆われた弁体3の開口部、及び、アダプタ部分4の第2の通路開口部44を通って、ポンプ室47へとポンプで吸い上げられる。そこから、ポンプ膜7及び媒体分離膜6の動きによって、ポンプ室47から出口開口部480の方向へと追い込まれる。それ故に、乳は、同様に、溝48と出口49を通って乳収集容器9へと流れ込む。これにより、乳房シールド2の内部空間200とポンプ室47の両方をほぼ完全に排出することができる。さらに、上記装置を、システムから乳収集容器9へと乳全部を排出するために、斜めに置くこともできる。
【0121】
本発明の搾乳器は、好ましくは、搾乳工程の開始時に、乳房シールドの第1の出口開口部24とポンプ室47の出口開口部480がそれぞれの空隙の上部領域にあるように保持されることに注意しなければならない。その結果、空気がシステムから出ることができ、2つの中空の室は比較的速く乳で満たされる。これは、作動流体として空気を用いる純粋に空気式のポンプシステムから、乳が作動流体を形成する、又は、少なくとも作動流体の大部分を形成する、純粋に水圧式の、又は水圧式が支配的なポンプシステムへのできるだけ素早い変換を可能にする。しかしながら、開口部を搾乳工程の開始時に上述のように配置することは必須ではない。そうした場合、一方のポンプシステムから他方のポンプシステムへの変換により長い期間を要し、及び/又は、完全に変換することができないだけである。
【0122】
乳が内部空間200及びポンプ室47を部分的に、好ましくは前述の開口部まで満ちるとすぐに、搾乳器を好きな姿勢で置くことができる。これは、乳房シールド2及びポンプ室47だけでなく、とりわけ、乳収集容器9にも適用される。逆止め弁として形成される容器弁94のおかげで、及び、液体不浸透性カバー92のおかげで、乳収集容器9は、搾乳器の稼働を損なうことなく、逆さに置くことすら可能である。
【0123】
好ましい実施形態において、乳房シールド及び調節リングを、母親が夜間の搾乳時に目で見ることもできるように光らせる。
【0124】
上述の搾乳器は、単に、本発明による原理を実行し、本発明による方法を適用することのできる例示の実施形態である。従って、図18から図23cに、もう一度、概略的に、本発明による概念の本質がどこにあるのかを示す。
【0125】
(基本原理)
図18は内部空間200を備えた乳房シールド2を概略的に示す。乳房シールド2は、密閉状態で母親の乳房に置かれ、乳頭Wは内部空間200へと突出する。内部空間200は出口開口部16を介してポンプ室47に接続される。付加的な排出開口部19も同様に内部空間200からポンプ室47へと通じる。出口開口部16にはポンプ弁12が設けられ、排出開口部には排出弁14が設けられる。基準真空弁13が、真空室47と乳房シールド2の内部空間200との間の第3の開口部17を閉じる。さらに、通気弁11によって閉鎖することのできる通気開口部15が、乳房シールド2の内部空間200から外部へと通じる。
【0126】
ポンプ室47の容積は、ポンプ手段10、例えばポンプ膜又はピストンを用いて変えることができる。ポンプ手段10は、例えばスピンドル100を用いて駆動される。
【0127】
出口開口部480は、ポンプ室47から乳収集容器9へと通じる。乳収集容器9への入口には、好ましくは、逆止め弁が設けられ、ここでは容器弁94と呼ぶ。乳収集容器9は通気され、好ましくは、この目的のために吸気弁96を備えた吸気口95が存在する。
【0128】
上で詳細に述べた例示の実施形態と比較すると、通気開口部15と通気弁11は、第1の通気開口部26、通気スタッド35及び第1の押し付け要素56に対応する。
【0129】
略図の出口開口部16とポンプ弁12は、上記具体的な例示の実施形態の第1の出口開口部24、第1の流れ開口部25、第1のスタッド34、第1の押し付け要素56及び第1の弁フラップ37に対応する。
【0130】
略図の排出開口部19と排出弁14は、上記具体的な例示の実施形態の第2の出口開口部27、第2の流れ開口部28、第2のスタッド36、第2の押し付け要素57及び第2の弁フラップ38に対応する。
【0131】
略図の基準真空弁13と第3の開口部17は、上記具体的な実施形態の密閉リップ311、第1及び第2の逆流開口部45,46及び弁体3内の通路開口部32に対応する。
【0132】
略図の容器弁94は上記具体的な例示の実施形態の容器弁に対応する。
【0133】
略図の吸気口95と吸気弁96は、上述の具体的な例示の実施形態において、空気を通すが液体を通さないカバー、すなわち、適宜選択されるカバーフィルムによって形成される。
【0134】
これらの弁は異なる方法で実現することもできる。さらに、弁開口部を付加的なモジュール部分に収納して、これを乳房シールドに着脱可能に接続することもできる。また、出口開口部16及び/又は排出開口部19を、ライン、特に可撓性ライン中で延在する路として形成することができる。こうしたラインを形成することによって、ポンプ室を乳房シールドから距離をおいて配置することができ、実施形態に応じて、弁モジュールから距離をおいて配置することもできる。弁は好ましくはポンプ室と乳房シールドの漏斗部との間に配置されるモジュール内に収納することができる。ポンプ室を乳房シールドから距離をおいて配置する場合、弁モジュールは、ポンプ室に隣接させて、又は乳房シールドに隣接させて配置することができ、又は、乳房シールドの構成部分であってもよい。
【0135】
以下、機能について説明する:
図18の図では、ポンプはまだ作動していない。乳収集容器9の吸気弁96を別として、弁は閉じられている。全ての領域において大気圧となっており、つまりp=0である。
【0136】
図19aから図19cの図ではポンプ工程が始まり、母親の乳房はかけられた負圧によって刺激される。ポンプ弁12は開閉できる。この目的のため、具体的な例示の実施形態では、第1の出口開口部24と第1の流れ開口部25が開放され、第1の弁フラップ37が弁を開閉する。排出弁14はしっかり閉じられている。具体的な例示の実施形態において、このことは、調節リング5を対応する位置へと移し、第2の出口開口部27と第2の流れ開口部28をしっかり閉鎖することによって実現される。通気弁11も同様に、しっかりと閉じられたままである。具体的な例示の実施形態において、このことは、調節リング5を用いて第1のスタッド34が第1の通気開口部26を閉鎖することによって達成される。
【0137】
ポンプ手段10、好ましくはポンプ膜又はピストンは、ポンプ室47に負圧(この場合、例えば-150mmHg)を生み出すために外側に引かれる。ポンプ弁12が開いて、負圧が乳房シールド2の内部空間200へと伝わる、つまり、空気がこの内部空間からポンプ室47へと流れる。その結果、内部空間にも負圧が広がり、理想的には、例えば-150mmHgの同じ圧力となる。内部空間200内の圧力推移を図19cに示す。参照記号a)の圧力は、図19aの内部空間200内の圧力に対応する。容器弁94は閉じられたままである。乳収集容器9内の圧力はまだ大気圧、すなわちp=0である。
【0138】
そこで、ポンプ手段10を押し戻して、ポンプ室47の容積を減らすと、ポンプ弁12が閉じ、ポンプ室47内の圧力が大気圧p=0になるまで上昇する。内部空間200内の圧力も同様に、基準真空弁13が開いていることによって上昇する。しかしながら、基準真空弁13は一定の負圧で閉じるので、基準真空が内部空間200内で維持される。例えば、これは-20mmHgである。この状況を図19bに示し、図19cにおける圧力推移をb)で示す。
【0139】
図19aと図19bを比べると、内部空間200内で乳頭Wがどのようにのびて再び引っ込むかを見ることができる。
【0140】
図20aから図20cでは、母親の乳房から乳が流れ始める。図中、乳を参照記号Mで表す。乳房シールド2の内部空間200は搾り出された乳で満たされる。乳溜まりがポンプ弁12の下側に生まれる。乳が存在することにより、駆動力を変えずに、ポンプ力は、ポンプ室47及び内部空間200において、例えば-170mmHgへと上昇する。ポンプ弁12と基準真空弁13は各ポンプストロークで開閉し続けるが、排出弁14と通気弁11は閉じたままである。図20aは最大負圧(絶対値)での状況を示し、図20c中のa)でも表される。図20bは、内部空間200の基準負圧と、ポンプ室47内の大気圧を維持しているときの状況を示し、これを図20c中のb)で表す。
【0141】
内部空間200が出口開口部16まで乳Mで満たされると、乳Mはポンプ弁12を通って真空室47へと流れ込む。搾り出された乳Mは、充填レベルが乳収集容器9への出口開口部480に達するまで真空室47を満たす。それから、容器弁94は、好ましくは、収集された乳Mの圧力によって開かれ、乳Mは乳収集容器9に流れ込む。
【0142】
図21aから図21cは、理想的には、このシステム内にもはや空気は存在せず、本来の空気圧システムが水圧システムに完全に変換した状態を示す。実際には、多くの場合混合システムとなり、搾り出された乳が、好ましくは容積の実質的な部分を満たし、それによって主な作動流体を形成する。
【0143】
図19aから図19cに基づいて既に説明したように、ポンプ弁12と基準真空弁13は、ポンプのストロークに応じて開閉し、それによって内部空間200内に負圧を生み出すことができ、基準負圧を維持することができる。ここで、例えば、真空室47の圧力は、-250mmHgから0mmHgとの間で変化し、内部空間の圧力は、-250mmHgから-20mmHgの間で変化する。乳収集容器9内の圧力は大気圧、即ち0mmHgに保たれる。
【0144】
図22aから図22cは、乳房から乳がもはや流れない状況を示す。当初、システムはポンプ動作を続けるが、ポンプ圧力はもはや乳収集容器9へ容器弁94を開くのに十分でない。これは、ポンプ弁12が完全に閉じられ、その代わりに、今度は自動的に開閉できるように排出弁14が作動される時点である。具体的な例示の実施形態において、この目的のために調節リング5が手動で調整される。しかしながら、これら2つの弁を他の方法で作動させたり止めたりすることも可能である。例としては、これらを適当な電子機器を用いて制御することができる。
【0145】
図23aから図23cでは、ポンプ弁12はしっかりと閉じられ、その代わり、排出路と排出弁14が開かれている。ポンプ手段10は動き続けて、ポンプ室47内において最大の負圧と大気圧との間で変化する圧力を生み出し続ける。この動きに合わせて、排出弁14も前述のポンプ弁12と同じように開閉し、その結果、乳Mを内部空間200からポンプ室47へと汲み出す。そこから、乳Mは、好ましくは、最初は負圧によって、その後ポンプ手段10による排出によって、乳収集容器9へと運ばれる。この汲み出し状況において、排出弁14は好ましくは、乳房シールドの深い位置、好ましくはずっと下側に配置される。内部空間の引き下げられた乳溜まりは図23a及び図23bに容易に確認することができる。図23a及び図23bはここでも、ポンプストロークの2つの極限状況を示す。圧力推移を図23cに示す。内部空間200の圧力推移は比較的非特異的である。
【0146】
ポンプは、そのため、排出中作動し続ける。最後に真空室47に乳がまだあれば、ポンプを傾ける、又は「逆さに置く」ことによって、乳を乳収集容器9へと容易に導くことができる。
【0147】
結果として、本発明による搾乳器と本発明による方法は、空気圧式のポンプシステムにおいて搾り出された乳を使用することを可能にし、その結果、ポンプの駆動を最小限に抑えることができる。
【符号の説明】
【0148】
10 ポンプ手段
100 スピンドル
11 通気弁
12 ポンプ弁
13 基準真空弁
14 排出弁
15 通気開口部
16 出口開口部
17 第3の開口部
19 排出開口部

2 乳房シールド
20 漏斗部
200 内部空間
21 通路開口部
22 フランジ
23 コネクタ
24 第1の出口開口部
25 第1の流れ開口部
26 第1の通気開口部
27 第2の出口開口部
28 第2の流れ開口部
29 第2の通気開口部

3 弁体
30 本体
31 後部壁
310 密閉エリア
311 密閉リップ
312 溝部
32 通路開口部
33 位置決め突起部
34 第1のスタッド
35 通気スタッド
36 第2のスタッド
37 第1の弁フラップ
38 第2の弁フラップ

4 アダプタ部分
40 本体
400 第1のウィンドウ
401 第2のウィンドウ
402 位置決め補助部
41 ポンプ側壁
410 路壁
42 隆起した壁部分
43 第1の通路開口部
44 第2の通路開口部
45 第1の逆流開口部
46 第2の逆流開口部
47 ポンプ室
48 溝
480 出口開口部
49 出口

5 調節リング
50 第1の部分
51 第1のコネクタ部分
52 第2の部分
53 第2のコネクタ部分
54 ラッチ要素
55 止め部
56 第1の押し付け要素
57 第2の押し付け要素
58 作動レバー

6 媒体分離膜
60 膜エリア
61 中央領域
62 密閉エリア
63 溝
64 凹所

7 ポンプ膜
70 膜エリア
71 中央領域
72 通路開口部
73 補強部
74 密閉エリア
75 センサエリア
76 羽根
77 サイドウィング

8 ポンプハウジング
8’ キャリアモジュール
80 サイドアーム
81 モータ受入部
82 スピンドル受入部
83 スピンドル
84 固定穴
85 縁部
86 作動スイッチ
87 表示部

9 乳収集容器
90 器
900 内部空間
901 第1のラッチ要素
902 第2のラッチ要素
91 下側フレーム部
92 カバー
93 上側フレーム部
930 フレーム
931 ブレース
932 弁受入部
933 取っ手
934 スペーサピン
94 容器弁
95 吸気口
96 吸気弁

W 乳頭
M 乳
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
図9c
図9d
図10a
図10b
図11a
図11b
図11c
図12a
図12b
図12c
図13a
図13b
図13c
図14
図15
図16
図17
図18
図19a
図19b
図19c
図20a
図20b
図20c
図21a
図21b
図21c
図22a
図22b
図22c
図23a
図23b
図23c