(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】ハンドルアセンブリ及びそれを含む吻合器
(51)【国際特許分類】
A61B 17/115 20060101AFI20220224BHJP
【FI】
A61B17/115
(21)【出願番号】P 2020534896
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2018122049
(87)【国際公開番号】W WO2019128798
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-06-22
(31)【優先権主張番号】201711434086.9
(32)【優先日】2017-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201721846936.1
(32)【優先日】2017-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515172670
【氏名又は名称】天臣国▲際▼医▲療▼科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Touchstone International Medical Science Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】278 Dongping Street,Suzhou Industrial Park,Suzhou,Jiangsu,215123 China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 志
(72)【発明者】
【氏名】郭 毅
(72)【発明者】
【氏名】林 江
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲暁▼▲偉▼
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206261635(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106388948(CN,A)
【文献】特表2015-503949(JP,A)
【文献】特開2009-189831(JP,A)
【文献】特開昭61-048345(JP,A)
【文献】登録実用新案第3148464(JP,U)
【文献】特開2017-099988(JP,A)
【文献】特開平05-212041(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0051669(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吻合器を発射するためのハンドルアセンブリであって、
第1位置領域と第2位置領域との間で移動可能な指針と、
第1ハンドル及び第2ハンドルと、
スライド溝及びスライドブロックと、を含み、
前記スライド溝は、互いに連通する第1区間及び第2区間を含み、前記スライド溝は、前記第1ハンドルに位置し、前記スライドブロックは、前記スライド溝で移動可能であり、前記指針が前記第1位置領域から第2位置領域まで移動する場合、前記スライドブロックを前記スライド溝の第1区間から前記スライド溝の第2区間へ移動させ、
前記スライドブロックが前記スライド溝の第1区間に位置し且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記スライドブロックは、前記第2ハンドルに当接しなく、前記第2ハンドルは、安全位置にあり、
前記スライドブロックが前記スライド溝の第2区間に位置し且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記スライドブロックは、前記第2ハンドルに当接して前記第2ハンドルを前記安全位置から発射位置へ移動させる
ことを特徴とするハンドルアセンブリ。
【請求項2】
前記指針は、プルタブの遠位端に連結され、プルタブの近位端は、スクリューに外嵌され、スクリューの
近位端には、ノブが設置され、ノブを回してプルタブを近位端へ移動させ、プルタブは、指針を第1位置領域から第2位置領域へ移動させることを特徴とする請求項1に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項3】
前記第1ハンドルは、第1ピン軸を介して前記第2ハンドルに回転可能に連結され、前記第2ハンドルは、第2ピン軸を介して前記吻合器のハウジングに回転可能に連結されることを特徴とする請求項1に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項4】
前記第1ピン軸及び第2ピン軸には、第1ねじりばね及び第2ねじりばねがそれぞれ外嵌され、前記第1ねじりばねの両端は、それぞれ前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルに当接し、前記第2ねじりばねの両端は、それぞれ前記第2ハンドル及び前記吻合器のハウジングに当接
し、
前記第1ねじりばねは、前記第1ハンドルに前記第1の方向と反対する時計回り方向に沿って回転するように作用力を提供し、
前記第2ねじりばねは、前記第2ハンドルに前記第1の方向と反対する時計回り方向に沿って回転するように作用力を提供することを特徴とする請求項3に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項5】
スライドブロック復帰ばねをさらに含み、前記スライドブロックは、前記スライドブロック復帰ばねに作用力を加えて前記スライドブロック復帰ばねを変形状態にし、前記スライドブロック復帰ばねが変形状態から初期状態まで復帰する場合、前記スライドブロックを前記スライド溝の第2区間から前記スライド溝の第1区間へ移動させることを特徴とする請求項1に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項6】
前記スライドブロック復帰ばねは、スライドブロック復帰ねじりばねであり、前記スライドブロック復帰ねじりばねの第1端及び第2端は、それぞれ前記スライドブロック及び前記第2ハンドルに当接することを特徴とする請求項5に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項7】
前記第2ハンドルは、ハンドルガイド部を含み、前記スライドブロックは、スライド部及びスライドブロックガイド部を含み、前記スライド部は、前記スライド溝の内部で移動可能であり、
前記スライドブロックが前記スライド溝の第2区間に位置し且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記スライドブロックガイド部は、前記ハンドルガイド部に当接する
ことを特徴とする請求項1に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項8】
前記ハンドルガイド部は、互いに隣接する第1ハンドルガイド面及び第2ハンドルガイド面を含み、前記スライドブロックガイド部は、ガイド区間を含み、前記ガイド区間は、互いに隣接する第1スライドブロックガイド面及び第2スライドブロックガイド面を含み、前記スライドブロックガイド部が前記ハンドルガイド部に当接する場合、前記第2スライドブロックガイド面は、前記第2ハンドルガイド面の位置に対応し且つ互いに平行であることを特徴とする請求項7に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項9】
前記第2ハンドルガイド面は、前記スライド溝の長手方向と90°未満の角度をなすことを特徴とする請求項8に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項10】
前記第2スライドブロックガイド面が前記第2ハンドルガイド面に当接し且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第2スライドブロックガイド面は、前記第2ハンドルガイド面に推力Fを加え、推力Fは、互いに垂直な成分F1及び成分F2を含み、前記成分F1は、前記第2スライドブロックガイド面に垂直であり、且つ、F1×β<F2であり、ここで、βは、前記第2スライドブロックガイド面と第2ハンドルガイド面との間の摩擦係数であることを特徴とする請求項9に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項11】
前記スライドブロックガイド部は、前記ガイド区間に隣接する連結区間をさらに含み、前記連結区間は、第3スライドブロックガイド面を含み、前記第3スライドブロックガイド面は、前記第2スライドブロックガイド面に隣接することを特徴とする請求項9に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項12】
前記第1ハンドルは、両側の側壁を有する第1キャビティを含み、前記第1キャビティの両側の側壁には、前記スライド溝がそれぞれ設置され、前記スライドブロックは、2つのスライド部及び前記スライドブロックガイド部を含み、前記2つのスライド部は、それぞれ前記スライド溝で移動可能であり、
前記スライドブロック部がそれぞれ対応するスライド溝の第1区間に位置し且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第2ハンドルの少なくとも一部は、前記第1キャビティに進入し、
前記スライド部がそれぞれ対応するスライド溝の第2区間に位置し且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記スライドブロックガイド部は、前記第2ハンドルに当接して前記第2ハンドルが前記第1キャビティに進入し続けることを阻害する
ことを特徴とする請求項7に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項13】
前記第2ハンドルは、両側の側壁を有する第2キャビティを含み、前記ハンドルガイド部は、前記第2キャビティに位置し、且つ、前記ハンドルガイド部の幅は、前記スライドブロックガイド部の幅以下であることを特徴とする請求項12に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項14】
前記スライドブロックは、ボスをさらに含み、前記ボスは、前記スライド部と前記スライドブロックガイド部との間に位置し、前記ボスの先端には、凹部が設置され、前記凹部の内面と前記第2ハンドルとの間には、スライドブロック復帰ねじりばねが設置されることを特徴とする請求項12に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項15】
請求項1から請求項14のうちいずれか1項に記載のハンドルアセンブリを含むことを特徴とする吻合器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具技術分野、特に、吻合器技術分野に関し、具体的に、ハンドルアセンブリ及びそれを含む吻合器に関する。
【背景技術】
【0002】
消化管腫瘍は、発症率の高いヒト疾患の一つである。治療過程において、消化管などの生理学的組織を吻合するために、医師の手動操作の代わりに円形吻合器が一般的に使用されている。円形吻合器は、よく見かける外科手術器具であり、軸方向内向きに綴じるという方式を多く使用しており、手術時に食道、胃、腸管などの生理学的組織の端々又は端側吻合を行い、吻合時に2つの組織セグメントを吻合器に収容し、発射を完了した後、組織に円形の吻合口を形成し、組織チャネルを再構築する。
【0003】
従来技術では、円形吻合器は、吻合器本体と、前記吻合器本体に移動可能に連結されるハンドルアセンブリと、前記本体と嵌合するステープルアンビルアセンブリとを含む。前記吻合器本体は、遠位端に設置され、環状ステープルカートリッジ及びカッターを含むステープルカートリッジアセンブリと、本体の近位端に設置され、本体に対して回転可能なノブと、を含む。ここで、遠位端及び近位端は、操作者のいる位置によるものであり、操作者に近い一端が近位端であり、操作者から遠い一端、即ち手術位置により近い一端が遠位端である。前記ステープルアンビルアセンブリは、ステープルアンビルと、ステープルアンビルの頂部に設置されるステープルアンビルキャップと、ステープルアンビルの内部に設置されるナイフアンビルと、吻合器本体に着脱可能に連結されるステープルアンビル軸と、を含む。手術中、腫瘍組織を取り除いた後、ステープルアンビル軸を組織の一端の巾着に通過させ、吻合器本体の遠位端に配置させ、ノブを回して、ステープルアンビルとステープルカートリッジとの間の距離を適切な距離まで徐々に減少して発射可能な状態に到達してこそ、ハンドルを把持して器具を発射し、これにより、吻合を完了することができる。医療器具の不断の発展に伴い、円形吻合器は、痔などの疾患の治療にもますます広く使用されている。
【0004】
同時に、泌尿器科分野における過長包皮及び包茎を治療するための手術において、他の形態の円形吻合器、即ち包皮吻合器も登場した。包皮吻合器も従来技術に記載されており、その構造は、前記本体と嵌合するものが亀頭キャップアセンブリである以外に、上記の消化管用円形吻合器と類似する。同様に、前記亀頭キャップアセンブリは、ステープルアンビルと、ステープルアンビルに固定して連結される亀頭キャップ及びナイフアンビルと、吻合器本体に着脱可能に連結される中央ロッドと、を含む。手術中、切除される包皮組織を亀頭キャップに固定し、その後、中央ロッドを吻合器本体の遠位端に配置し、ノブを回して、亀頭キャップとステープルカートリッジとの間の距離を適切な距離まで徐々に減少して発射可能な状態に到達してこそ、ハンドルを把持して器具を発射し、これにより、吻合を完了することができる。
【0005】
技術の発展に伴い、既に円形吻合器の発射伝動機構を改善し、安全メカニズムを追加し、吻合器が発射可能な状態に到達していない場合、安全メカニズムの作用によって、医師は、ハンドルを押してもハンドルを動かすことができなく、これにより、器具の発射による手術の失敗ことを回避する。しかしながら、実際の状況において、医師の使用体験が高くないなどの一部の欠陥が依然として存在し、また、医師がハンドルを強く押すと、吻合器のハウジングの破断を招く可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術における問題に鑑みて、吻合器が発射可能な位置に到達したかどうかに関係なく、医師は、第1ハンドルを押すことができるが、吻合器が発射可能な位置に到達していない場合、第1ハンドルが第2ハンドルによって吻合器を発射することがないので、ハンドルを強く押すことによる吻合器の損傷を回避することができるハンドルアセンブリ及びそれを含む吻合器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例は、吻合器を発射するためのハンドルアセンブリを提供し、前記ハンドルアセンブリは、第1位置領域と第2位置領域との間で移動可能な指針と、第1ハンドル及び第2ハンドルと、スライド溝及びスライドブロックと、を含み、前記スライド溝は、互いに連通する第1区間及び第2区間を含み、前記スライド溝は、前記第1ハンドルに位置し、前記スライドブロックは、前記スライド溝で移動可能であり、前記指針が前記第1位置領域から第2位置領域まで移動する場合、前記スライドブロックを前記スライド溝の第1区間から前記スライド溝の第2区間へ移動させ、前記スライドブロックが前記スライド溝の第1区間に位置し且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記スライドブロックは、前記第2ハンドルに当接しなく、前記第2ハンドルは、安全位置にあり、前記スライドブロックが前記スライド溝の第2区間に位置し且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記スライドブロックは、前記第2ハンドルに当接して前記第2ハンドルを前記安全位置から発射位置へ移動させる。
【0008】
選択的に、前記指針は、プルタブの遠位端に連結され、プルタブの近位端は、スクリューに外嵌され、スクリューの遠位端には、ノブが設置され、ノブを回してプルタブを近位端へ移動させ、プルタブは、指針を第1位置領域から第2位置領域へ移動させる。
【0009】
選択的に、前記第1ハンドルは、第1ピン軸を介して前記第2ハンドルに回転可能に連結され、前記第2ハンドルは、第2ピン軸を介して前記吻合器のハウジングに回転可能に連結される。
【0010】
選択的に、前記第1ピン軸及び第2ピン軸には、第1ねじりばね及び第2ねじりばねがそれぞれ外嵌され、前記第1ねじりばねの両端は、それぞれ前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルに当接し、前記第2ねじりばねの両端は、それぞれ前記第2ハンドル及び前記吻合器のハウジングに当接する。
【0011】
選択的に、スライドブロック復帰ばねをさらに含み、前記スライドブロックは、前記スライドブロック復帰ばねに作用力を加えて前記スライドブロック復帰ばねを変形状態にし、前記スライドブロック復帰ばねが変形状態から初期状態まで復帰する場合、前記スライドブロックを前記スライド溝の第2区間から前記スライド溝の第1区間へ移動させる。
【0012】
選択的に、前記スライドブロック復帰ばねは、スライドブロック復帰ねじりばねであり、前記スライドブロック復帰ねじりばねの第1端及び第2端は、それぞれ前記スライドブロック及び前記第2ハンドルに当接する。
【0013】
選択的に、前記第2ハンドルは、ハンドルガイド部を含み、前記スライドブロックは、スライド部及びスライドブロックガイド部を含み、前記スライド部は、前記スライド溝の内部で移動可能であり、前記スライドブロックが前記スライド溝の第2区間に位置し且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記スライドブロックガイド部は、前記ハンドルガイド部に当接する。
【0014】
選択的に、前記ハンドルガイド部は、互いに隣接する第1ハンドルガイド面及び第2ハンドルガイド面を含み、前記スライドブロックガイド部は、ガイド区間を含み、前記ガイド区間は、互いに隣接する第1スライドブロックガイド面及び第2スライドブロックガイド面を含み、前記スライドブロックガイド部が前記ハンドルガイド部に当接する場合、前記第2スライドブロックガイド面は、前記第2ハンドルガイド面の位置に対応し且つ互いに平行である。
【0015】
選択的に、前記第2ハンドルガイド面は、前記スライド溝の長手方向と90°未満の角度をなす。
【0016】
選択的に、前記第2スライドブロックガイド面が前記第2ハンドルガイド面に当接し且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第2スライドブロックガイド面は、前記第2ハンドルガイド面に推力Fを加え、推力Fは、互いに垂直な成分F1及び成分F2を含み、前記成分F1は、前記第2スライドブロックガイド面に垂直であり、且つ、F1×β<F2であり、ここで、βは、前記第2スライドブロックガイド面と第2ハンドルガイド面との間の摩擦係数である。
【0017】
選択的に、前記スライドブロックガイド部は、前記ガイド区間に隣接する連結区間をさらに含み、前記連結区間は、第3スライドブロックガイド面を含み、前記第3スライドブロックガイド面は、前記第2スライドブロックガイド面に隣接する。
【0018】
選択的に、前記第1ハンドルは、両側の側壁を有する第1キャビティを含み、前記第1キャビティの両側の側壁には、前記スライド溝がそれぞれ設置され、前記スライドブロックは、2つのスライド部及び前記スライドブロックガイド部を含み、前記2つのスライド部は、それぞれ前記スライド溝で移動可能であり、前記スライドブロック部がそれぞれ対応するスライド溝の第1区間に位置し且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第2ハンドルの少なくとも一部は、前記第1キャビティに進入し、前記スライド部がそれぞれ対応するスライド溝の第2区間に位置し且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記スライドブロックガイド部は、前記第2ハンドルに当接して前記第2ハンドルが前記第1キャビティに進入し続けることを阻害する。
【0019】
選択的に、前記第2ハンドルは、両側の側壁を有する第2キャビティを含み、前記ハンドルガイド部は、前記第2キャビティに位置し、且つ、前記ハンドルガイド部の幅は、前記スライドブロックガイド部の幅以下である。
【0020】
選択的に、前記スライドブロックは、ボスをさらに含み、前記ボスは、前記スライド部と前記スライドブロックガイド部との間に位置し、前記ボスの先端には、凹部が設置され、前記凹部の内面と前記第2ハンドルとの間には、スライドブロック復帰ねじりばねが設置される。
【0021】
本発明の実施例は、前記ハンドルアセンブリを含むことを特徴とする吻合器をさらに提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に提供されるハンドルアセンブリ及びそれを含む吻合器は、以下の利点を有する。
【0023】
本発明は、ハンドルアセンブリを第1ハンドルと第2ハンドルとに分割することにより、第2ハンドルの移動によってこそ、吻合器を発射して切断及び縫合動作を実行することができる。使用の過程において、吻合器が発射可能な位置に到達したかどうかに関係なく、医師は、第1ハンドルを押すことができるが、吻合器が発射可能な位置に到達していない場合、第1ハンドルが第2ハンドルを駆動することがないので、吻合器を発射することもなく、医師は、操作体験を通じて発射状態を判断することもでき、吻合器が発射可能な位置に到達してこそ、第1ハンドルの移動によって第2ハンドルを移動させ、さらに吻合器を発射し、これにより、ハンドルを強く押すことによる吻合器の損傷を回避し、医師の使用体験を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下の図面を参照しながら非限定的な実施例に対する詳細な説明から、本発明の他の特徴、目的及び利点がさらに明らかとなる。
【
図1】本発明の一実施例に係るハンドルアセンブリが吻合器に使用される構造を示す模式図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る円形吻合器の構造を示す模式図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るハンドルアセンブリが包皮吻合器に使用される構造を示す模式図である。
【
図4】
図1におけるA-A方向に沿う断面図である。
【
図5】本発明の一実施例に係るスライドブロックの構造を示す模式図である。
【
図6】本発明の一実施例に係るスライドブロックがスライド溝の第1区間に位置する場合におけるハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
【
図7】本発明の一実施例に係るスライドブロックがスライド溝の第2区間に位置する場合におけるハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
【
図8】本発明の一実施例に係る第2ハンドルの構造を示す模式図である。
【
図9】本発明の一実施例に係るスライドブロックがスライド溝の第1区間に位置する場合における第2ハンドルとスライドブロックとの組み合わせの構造を示す模式図である。
【
図10】本発明の一実施例に係るスライドブロックがスライド溝の第1区間に位置し且つ第1ハンドルが回転していない場合におけるハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
【
図11】本発明の一実施例に係るスライドブロックがスライド溝の第1区間に位置し且つ第1ハンドルが回転している場合におけるハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
【
図12】本発明の一実施例に係るスライドブロックがスライド溝の第2区間の2つの位置に位置する模式図である。
【
図13】
図12におけるスライド溝及びスライドブロック部分の拡大図である。
【
図14】本発明の一実施例に係るスライドブロックがスライド溝の第2区間のより近い位置に位置し且つ第1ハンドルが回転していない場合におけるハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
【
図15】
図14における第2ハンドルとスライドブロックとの組み合わせの部分の構造を示す模式図である。
【
図16】本発明の一実施例に係るスライドブロックがスライド溝の第2区間のより近い位置に位置し且つ第1ハンドルが回転している場合におけるハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
【
図17】本発明の一実施例に係るスライドブロックがスライド溝の第2区間のより近い位置に位置し且つ指針が復帰した場合におけるハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
【
図18】本発明の一実施例に係るスライドブロックがスライド溝の第2区間のより遠い位置に位置し且つ第1ハンドルが回転していない場合におけるハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
【
図19】本発明の
図18における第2ハンドルとスライドブロックとの組み合わせの部分の構造を示す模式図である。
【
図20】本発明の一実施例に係るスライドブロックがスライド溝の第2区間のより遠い位置に位置し且つ第1ハンドルが回転している場合におけるハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
【
図21】本発明の一実施例に係るスライドブロックがスライド溝の第2区間のより遠い位置に位置し且つ指針が復帰した場合におけるハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、添付の図面を参照して、例示的な実施形態をより完全に説明する。ただし、例示的な実施形態は、複数種類の形態で実施することができ、ここに記述する実施形態に限定されない。逆に、これらの実施形態を提供して、本発明を全面で完全に、かつ、例示的な実施形態の思想を全面で当業者に伝達する。図中の同一の参照番号は同一又は類似の構造を示し、したがって、それらの繰り返しの説明は省略する。
【0026】
図1に示すように、上記の目的を達成するために、本発明の一実施例は、吻合器を発射するためのハンドルアセンブリを提供し、本発明は、ハンドルアセンブリ(
図1において、明確に示すために、ハンドルアセンブリのハウジングは省略される)を第1ハンドル1と第2ハンドル2に分割し、且つ、第2ハンドル2が回転する場合のみに吻合器を発射することができ、さらに第1ハンドル1と第2ハンドル2の相対的移動を制御するための指針4を設置する。ここで、
指針4には、第1端41、第2端42及び固定端が設置され、指針4の第2端42は、プルタブの遠位端と連動し、プルタブの近位端は、スクリューに外嵌させ、スクリューの近位端は、ノブに連結される。ノブを回すことにより、プルタブは、指針の第2端42を第1位置領域と第2位置領域との間で移動させることができ、ここで、吻合器本体における第1位置領域及び第2位置領域に対応する位置には、使用の過程において指針の第2端42が所在する位置を観察するための観察窓が設置され、指針の第2端42が第1位置領域に位置する場合、安全状態にあり、この時、吻合器を発射することができなく、指針の第2端42が第2位置領域に位置する場合、吻合器を発射することができ、医者により直感的な提示を与えるために、観察窓における発射可能な第2位置領域Lに対応する領域は、既に従来技術に開示された緑色領域である。
【0027】
第1ハンドル1には、スライド溝17及びスライドブロック3が設置され、スライド溝17は、互いに連通する第1区間及び第2区間を含み、スライドブロック3は、スライド溝17で移動可能である。指針4の第2端42が第1位置領域から第2位置領域まで移動する場合、スライドブロック3をスライド溝17の第1区間からスライド溝17の第2区間へ移動させ、ここで、指針4がスライドブロック3を移動させることは、指針4がスライドブロック3を直接的に押す(引く)か、又はスライドブロックを間接的に押す(引く)ことを意味し、例えば、指針4とスライドブロック3との間に、指針4の移動をスライドブロック3に伝達するための伝動ロッド又は他の種類の伝動機構を設置してもよく、すべてが本発明の保護範囲に属する。
【0028】
スライドブロック3がスライド溝17の第1区間に位置し且つ第1ハンドル1が把持されて第1方向に沿って回転する場合、スライドブロック3は、移動の過程において第2ハンドル2に当接しなく、第2ハンドル2は、安全位置にあり、スライドブロック3がスライド溝17の第2区間に位置し且つ第1ハンドル1の第1方向に沿う回転に伴ってスライド溝17が移動する場合、スライドブロック3は、第2ハンドル2に当接して第2ハンドル2を安全位置から発射位置へ移動させる。この実施例において、第1方向は、図面におけるハンドルが反時計回りに把持される方向である。
【0029】
指針4の第2端42が第1位置領域及び第2位置領域に位置する場合、第1ハンドル1の移動の第2ハンドル2への影響は異なる。指針4の第2端42が第1位置領域に位置する場合、スライドブロック3がスライド溝17の第1区間に位置するので、スライドブロック3は、移動の過程において第2ハンドル2と接触しなく、第2ハンドル2に作用力を加えることもなく、第2ハンドル2は、依然として初期の安全状態を維持し、発射されない。指針4が第2位置領域に位置する場合、スライドブロック3がスライド溝17の第2区間に位置するので、第1ハンドル1が把持されて反時計回りに回転する過程において、スライドブロック3は、第2ハンドル2を移動させるとともに、第2ハンドル2を発射位置に押す。このため、指針4の位置を変更することにより、第1ハンドル1と第2ハンドル2との相互嵌合を制御することができる。
【0030】
つまり、吻合器への発射の準備ができていない場合、指針4の第2端42は、第1位置領域に位置し、この時、医師が第1ハンドル1を把持すると、第1ハンドル1を容易に回転させることができるが、第2ハンドル2を発射することがなく、これは、この時に空の発射状態であり、第1ハンドルを把持する力が非常に小さいからである。医師は、このような操作体験により、現在の吻合器が非発射状態にあり、且つ、吻合器のハウジングの破断を招くことがないことを知ることもできる。吻合器への発射の準備ができている場合、指針4は、第2位置領域にあり、この時、医師は、第1ハンドル1を把持し、第1ハンドル1の移動により第2ハンドル2を移動させ、さらに吻合器を発射する。
【0031】
なお、本発明における前記スライド溝17の第1区間及び第2区間は、相対的な概念であり、即ち、図面に示される視野角から、スライド溝17の第1区間は、スライド溝17の第2区間の右側に位置する。
【0032】
図2に示すように、本発明の一実施例に係るハンドルアセンブリが吻合器に使用される構造を示す模式図である、この図には、円形吻合器が示されている。当該吻合器の一端は、互いに嵌合するステープルカートリッジアセンブリ52及びステープルアンビルアセンブリ53を含み、その他端は、ノブ51及びハンドルアセンブリを含み、第2ハンドル2の第2端は、ステープル押込ロッド55の近位端と嵌合する。吻合器が発射条件を満たす場合、第2ハンドルは、ステープル押込ロッド55を押し、ステープル押込ロッド55は、さらに吻合器のステープル押込スライス及び環状カッターを押し、手術を行う組織を縫合及び切断する。ここで、
図2に示される吻合器の構造は、一例に過ぎず、実際の応用において、他の種類の吻合器は、本発明の実施例に係るハンドルアセンブリを使用して本発明の目的を達成することもできる。例えば、
図3に示すように、このハンドルアセンブリを適用した包皮吻合器本体9の構造を示している。包皮吻合器本体9の遠位端は、ステープルカートリッジアセンブリ91を含み、また、ステープルカートリッジアセンブリ91と嵌合する亀頭キャップアセンブリ(図示せず)がさらに設置される。包皮吻合器を使用する場合、第2ハンドル2は、包皮吻合器の一端に移動可能に連結され、第2ハンドル2の第2端は、包皮吻合器のステープル押込部材と嵌合し、発射条件を満たす場合、第2ハンドル2は、ステープル押込部材を押し、包皮吻合器の発射を実現する。
【0033】
図4に示すように、第1ハンドル1の第1端11は、医師が手術時に操作するための把持部である。第1ハンドル1の第2端12は、第1ピン軸14を介して第2ハンドル2の第1端21に回転可能に連結されてもよく、第2ハンドル2の第2端22は、第2ピン軸24を介して吻合器のハウジング54に回転可能に連結されてもよい。さらに、第1ハンドル1と第2ハンドル2との間には、第1ピン軸14に外嵌される第1ねじりばね15がさらに設置され、第2ハンドル2と吻合器のハウジング54との間には、第2ピン軸24に外嵌される第2ねじりばね25がさらに設置される。このため、スライドブロック3がスライド溝17の第1区間に位置する場合、器具は、安全状態にあり、第1ハンドル1は、操作者からの小さな把持力を受けると、第1ピン軸14回りに回転でき、また、外力が解放されると、第1ねじりばね15により時計回りに初期位置まで復帰でき、この時、第2ハンドル2は、回転しない。スライドブロック3がスライド溝17の第2区間に位置する場合、第1ハンドル1の回転により第2ハンドル2を回転させ、第2ハンドル2を第2ピン軸24回りに回転させ、また、外力が解放されると、第2ねじりばね25により時計回りに元の状態まで復帰させる。
【0034】
さらに、このハンドルアセンブリには、スライドブロック復帰ばねがさらに設置され、スライドブロック3は、スライドブロック復帰ばねに作用力を加えてスライドブロック復帰ばねを変形状態にし、スライドブロック復帰ばねが変形状態から初期状態まで復帰する場合、スライドブロック3は、スライド溝の第2区間からスライド溝17の第1区間へ移動する。
図4に示すように、このスライドブロック復帰ばねは、スライドブロック復帰ねじりばね16であってもよく、スライドブロック復帰ねじりばね16の第1端及び第2端は、それぞれスライドブロック3及び第2ハンドル2に当接する。このため、スライドブロック3がスライド溝17の第1区間から第2区間へ移動する場合、スライドブロック3は、スライドブロック復帰ねじりばね16の第1端を押してこのねじりばねを変形させ、スライドブロック3から外力が解放されると、スライドブロック3は、スライドブロック復帰ねじりばね16の復元力によって、スライド溝17の第1区間に戻る。さらに、スライドブロック復帰ばねは、引張ばね、圧縮ばねなどであってもよい。
【0035】
以下、
図5~
図9を組み合わせて本実施例におけるスライドブロックの構造を具体的に説明する。スライドブロックは、スライド部31及びスライドブロックガイド部32を含みことができ、スライド部31は、スライド溝17の内部で移動可能であり、第2ハンドル2には、ハンドルガイド部26が設置される。スライドブロック3がスライド溝17の第2区間に位置し且つ第1ハンドル1が把持されて回転する場合、スライドブロックガイド部32は、ハンドルガイド部26に当接する。
【0036】
この実施例において、第1ハンドル1は、両側の側壁を有する第1キャビティ13を含むことができ、第1キャビティ13の両側の側壁には、スライド溝17がそれぞれ設置され、これに対応して、スライドブロック3は、2つのスライド部31を含み、2つのスライド部31は、それぞれ2つのスライド溝17に埋め込まれ、且つ、スライド部31は、それぞれ対応するスライド溝17で移動可能である。
【0037】
スライドブロック部31がそれぞれ対応するスライド溝17の第1区間に位置し且つ第1ハンドル1が把持されて反時計回りに回転する場合、第2ハンドル2の少なくとも一部は、第1キャビティ13に進入する。これにより、第1ハンドル1の移動により第2ハンドル2を移動させることができない。スライド部31がそれぞれ対応するスライド溝17の第2区間に位置し且つ第1ハンドル1が把持されて反時計回りに回転する場合、スライドブロックガイド部32は、ハンドルガイド部26に当接する。これにより、第1ハンドル1の移動により第2ハンドル2を移動させ、第2ハンドルが作用力によって発射動作を完了するようにする。
【0038】
さらに、第2ハンドル2は、両側の側壁を有する第2キャビティ23を含むことができ、ハンドルガイド部26は、第2キャビティ23に位置し、且つ、ハンドルガイド部26の幅は、スライドブロックガイド部32の幅以下である。ここで、ハンドルガイド部26の幅とは、第1キャビティ13の側壁に垂直な方向の長さを指し、スライドブロックガイド部32の幅とは、このスライドブロックガイド部32の第1キャビティ13の側壁に垂直な方向の長さを指すが、これに限定されない。
【0039】
さらに、スライドブロック3は、ボス33をさらに含むことができ、ボス33は、スライド部31とスライドブロックガイド部32との間に位置し、ボス33の先端には、凹部331が設置され、凹部331の内面と第1ハンドル1との間には、上記のスライドブロック復帰ねじりばね16が設置される。
【0040】
図9に示すように、ハンドルガイド部26は、互いに隣接する第1ハンドルガイド面261及び第2ハンドルガイド面262を含み、スライドブロックガイド部32は、ガイド区間、即ち図の左側において斜面を有する部分を含み、ガイド区間は、互いに隣接する第1スライドブロックガイド面321及び第2スライドブロックガイド面322を含み、指針の作用によってスライドブロックガイド部32がハンドルガイド部26に当接する場合、第2スライドブロックガイド面322は、第2ハンドルガイド面262の位置に対応し且つ互いに平行である。ここで、位置に対応することは、スライドブロック3がスライド溝17の第2区間に位置し且つ第1ハンドル1が反時計回りに回転する場合、スライド溝17の移動方向における第2スライドブロックガイド面322及び第2ハンドルガイド面262の投影が重なり、即ち、第2スライドブロックガイド面322が第2ハンドルガイド面262に当接することを意味し、第2スライドブロックガイド面322は、第2ハンドルガイド面262に作用力を加え、相互作用力によって、スライドブロック3がさらにスライド溝17の第2区間へ移動する傾向があるので、スライドブロック3と第2ハンドル2との間より確実な噛合を取得し、さらに第2ハンドルを押して移動させる。
【0041】
選択的に、スライドブロックガイド部32がハンドルガイド部26と噛合するように見えるが非噛合状態であるという不明瞭な場合を回避するために、この実施例において、相対的な斜面ガイド機構をさらに追加する。第2ハンドルガイド面262は、スライド溝17の長手方向と90°未満の角度をなす。即ち、第2ハンドルガイド面262は、図に示すように斜面である。第2ハンドルガイド面262が第2スライドブロックガイド面322に当接する場合、第2ハンドルガイド面262と第2スライドブロックガイド面322との間の相対的な移動をガイドし、両者の接触面積を増加させることができるとともに、両者が完全に貼合される場合、それらの接触面積は、2つの平面より大きくなり、これにより、条件を満たす場合、第1ハンドルの移動によって第2ハンドルをより安定して確実に押す。
【0042】
さらに、第2ハンドルガイド面262と第2スライドブロックガイド面322との間の摩擦力は、第2ハンドルガイド面262と第2スライドブロックガイド面322との間のスライドを阻害しない。即ち、第2スライドブロックガイド面322が第2ハンドルガイド面262に当接し且つ第1ハンドル1が反時計回りに回転する場合、第2スライドブロックガイド面322は、第2ハンドルガイド面262に推力Fを加え、推力Fは、互いに垂直な成分F1及び成分F2を含み、成分F1は、第2スライドブロックガイド面に垂直であり、且つF1×β<F2であり、ここで、βは、第2スライドブロックガイド面322と第2ハンドルガイド面262との間の摩擦係数である。
【0043】
この実施例におけるスライドブロックガイド部32及びハンドルガイド部26の構造を使用する場合、両者がポイントツーポイントであり、ポイントツーポイントの衝突確率が非常に小さくて無視できるので、接触後、完全に噛合し又は完全に離脱するという2つの状態のみが存在する。
【0044】
さらに、選択的に、スライドブロックガイド部32は、ガイド区間に隣接する連結区間、即ち図の右側においてプラットフォームと類似した部分をさらに含むが、実際の応用において、プラットフォームの形状でなくてもよい。プラットフォーム部分の作用は、ガイド区間の強度を向上させるとともに両側のスライド部31を連結することである。連結区間は、前記第2スライドブロックガイド面322に隣接する第3スライドブロックガイド面323を含む。
【0045】
この実施例において、スライドブロックガイド部32及びハンドルガイド部26の構造及び傾斜角度などは、具体的な選択可能な実施形態に過ぎず、実際の応用において、他の構造を使用してもよく、例えば、第2スライドブロックガイド面322及び第2ハンドルガイド面262がスライド溝の延在方向と平行であるように設置されるという構成などは、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0046】
以下、
図9~
図11を組み合わせてスライドブロック3がスライド溝17の第1区間に位置する場合における第1ハンドルの移動過程を説明する。ここで、
図9~11において、第1ハンドル1は回転しない。
図11において、第1ハンドル1は把持されて回転する。
【0047】
図10に示すように、指針4は、固定端を介して吻合器のハウジングの内部に回転可能に固定され、指針4の第2端42が第1位置領域と第2位置領域との間で移動する場合、指針4の第1端41もそれに伴って移動する。なお、初期位置の場合、スライドブロック3は、スライドブロックねじりばね16の作用によって、スライド溝の第1区間の第2区間から離れた端部、即ち図示した右端の位置に位置する。勿論、指針4の第1端41によりスライドブロック3の初期位置を制限することもできる。
図10から分かるように、ノブの回転に伴って、プルタブは、指針の第2端に引張力を加え、プルタブの作用によって指針4の第2端42が第1位置領域に位置する場合、指針4の第1端は、徐々にスライドブロック3をスライド溝17の第1区間で第2区間に向かって移動させるが、スライド溝の第2区間に進入させない。スライドブロック3は、スライド溝17の第1区間、即ち図におけるスライド溝17の右端に位置し、この時、第1ハンドル1は回転しない。
図11は、第1ハンドル1が回転した後の状態である。しかし、この時、ハンドルガイド部26は、スライドブロックガイド部32に当接しなく、即ち、スライドブロック3により第1ハンドル1を第2ハンドル2と連動させることがなく、第2ハンドル2は、第1キャビティ13に部分的に進入するが、第2ハンドル2自体の位置は変化しなく、即ち、使用者の第1ハンドル1への把持力により第2ハンドルを駆動して回転させることがないので、第2ハンドル2は、依然として初期の安全位置にあり、吻合器を発射しない。第1ねじりばね15のねじり力が発射力よりもはるかに小さいので、この時の圧力は、第1ねじりばね15に打ち勝つ力に過ぎず、医師は、依然として第1ハンドル1を押すことができるものの、第2ハンドル2を移動させることがなく、さらに吻合器を発射することもなく、同時に、医師は、触覚フィードバックを取得することもでき、現在の指針4が発射可能な領域に到達しなくて発射しないことを知っている。
【0048】
以下、
図12~
図21を組み合わせてスライドブロック3がスライド溝17の第2区間に位置する場合における第1ハンドルの移動過程をさらに説明する。ここで、
図12~13は、この実施例に係るスライドブロック3がスライド溝17の第2区間の2つの位置に位置する模式図である。
【0049】
即ち、この実施例において、スライドブロック3がスライド溝17の第2区間(即ち、図におけるスライド溝17の左端)に位置することは、2つの場合が存在する。1つは、スライドブロック3がスライド溝17の第2区間のより近い位置に位置し、即ち
図13において右側に偏ったスライドブロックであり、スライド部31がスライド溝17の第2端の端面からなお一定の距離を有し、もう1つは、スライドブロック3がスライド溝17の第2区間のより遠い位置に位置し、即ち、
図13において左側に偏ったスライドブロックであり、スライド部がほとんどスライド溝17の第2端の端面に密着する。この実施例において、このような2つの場合には、第1ハンドル1と第2ハンドル2との連動を実現することができ、また、第1の場合と第2の場合との間の状態では、第1ハンドル1と第2ハンドル2との連動を実現することもでき、これにより、操作時に医師の発射可能な領域を増加させるとともに、発射の過程における安定性をさらに向上させ、また、医師の操作の難しさをある程度低下させる。しかし、ここでは一実施形態に過ぎず、実際の応用において、スライド溝17の左側の端面を右側へ引っ込めることにより第1の場合のみが存在することも可能であり、すべてが本発明の保護範囲に属する。
【0050】
図14に示すように、指針4は、プルタブの作用によって回転し、指針4の第2端42は、第2位置領域Lに進入し始め、スライドブロック3は、スライド溝17の第2区間のより近い位置に位置し、且つ、第1ハンドル1は回転しない。この時、ノブを回し続けると、プルタブは、指針4の第1端41がスライドブロック3を押してスライド溝17に沿って左側へ移動させるように駆動し続け、これに応じて、ステープルアンビルとステープルカートリッジとの間の距離も徐々に小さくなる。それに伴って、
図15に示すように、スライド溝17の移動方向におけるスライドブロックガイド部32及びハンドルガイド部26の投影が重なる部分は、徐々に大きくなり、これにより、第1ハンドル1と第2ハンドル2との間のより確実な連結を得る。
図16に示すように、スライドブロック3の作用によって、第1ハンドル1と第2ハンドル2との間で連動関係を形成し、第1ハンドル1を把持する場合、第1ハンドル1の回転により第2ハンドル2を安全位置から発射位置まで回転させ、第2ハンドル2の第2端は、吻合器の発射ブロック55と接触し、これにより、吻合器の発射を完了する。発射の過程において、第1ハンドル1の第2端は、回転中にプルタブに突き当て、プルタブを突き上げて、指針4から離脱させ、指針4は、指針復帰機構の作用によって復帰する。
【0051】
発射を完了した後、第1ハンドル1が復帰しないが指針4が復帰した場合、即ち、使用者が依然として把持状態を維持する場合、ハンドルアセンブリの構造は、
図17に示す通りである。この時、指針4の第2端42は、第1位置領域まで復帰する。ハンドルガイド部26のスライドブロックガイド部32に対する制限によって、スライドブロック3は、依然として復帰しない。この時、第1ハンドル1を離すと、第1ハンドル1が元の位置まで回転した後、スライドブロック3は、スライドブロック復帰ねじりばね16の作用によってスライド溝17の第1区間に戻ることができ、第2ハンドルも第2ねじりばね25の復元力によって時計回りに回転して安全位置に戻る。
【0052】
図18に示すように、スライドブロックがスライド溝17の第2区間のより遠い位置に位置し且つ第1ハンドル1が回転しない場合、指針4の第2端42は、第2位置領域Lに進入し、且つ
図14における指針4の第2端42の位置よりも右側に偏り、指針4の第1端41もさらに左側に偏り、これにより、スライドブロック3を押してスライド溝17の第2端の端面にさらに近接させる。
図19に示すように、スライド溝17の移動方向におけるスライドブロックガイド部32及びハンドルガイド部26の投影が重なる部分は、より多くなり、第1ハンドル1と第2ハンドル2との連結は、より確実になる。
【0053】
図20に示すように、第1ハンドル1の回転に伴って、第1ハンドル1と第2ハンドル2との間のスライドブロック3による連動関係によって、第1ハンドル1の回転により第2ハンドル2を安全位置から発射位置まで回転させ、第2ハンドル2の第2端は、吻合器の発射ブロック55と接触し、これにより、吻合器の発射を完了する。
【0054】
発射を完了した後、第1ハンドル1が復帰しないが指針4が復帰した場合、ハンドルアセンブリの構造は、
図21に示す通りである。その過程は、指針4が緑色領域に進入し始める時の状態と同一であり、ここで説明は繰り返さない。
【0055】
本発明の実施例は、ハンドルアセンブリを含む吻合器をさらに提供する。吻合器が発射可能な位置に到達していない場合、第1ハンドルが第2ハンドルを駆動することがないので、吻合器を発射することもなく、医師は、操作体験を通じて発射状態を判断することもでき、吻合器が発射可能な位置に到達してこそ、第1ハンドルの移動によって第2ハンドルを移動させ、さらに吻合器を発射する。これにより、吻合器が誤発射されることを回避する上で、吻合器のハウジングの破断を回避する。
【0056】
本発明に提供されるハンドルアセンブリ及びそれを含む吻合器は、以下の利点を有する。
【0057】
本発明は、ハンドルアセンブリを第1ハンドルと第2ハンドルとに分割することにより、第2ハンドルの移動によってこそ、吻合器を発射して切断及び縫合動作を実行することができる。使用の過程において、吻合器が発射可能な位置に到達したかどうかに関係なく、医師は、第1ハンドルを押すことができるが、吻合器が発射可能な位置に到達していない場合、第1ハンドルが第2ハンドルを駆動することがないので、吻合器を発射することもなく、医師は、操作体験を通じて発射状態を判断することもでき、吻合器が発射可能な位置に到達してこそ、第1ハンドルの移動によって第2ハンドルを移動させ、さらに吻合器を発射し、これにより、ハンドルを強く押すことによる吻合器の損傷を回避するとともに、医師の使用体験を向上させることができる。
【0058】
以上は、具体的な好ましい実施形態を組み合わせて本発明をさらに詳細的に説明し、本発明の具体的な実施はこれらの説明のみに限定されると認定することはできない。当業者にとって、本発明の構想から逸脱しない範囲において種々の単純な推論又は置換を行うこともでき、それらのすべては、本発明の保護範囲内のものに該当すると、見なされるべきである。