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  • 特許-自動ダンネージ適合装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】自動ダンネージ適合装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/22 20060101AFI20220224BHJP
【FI】
B65B61/22
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2020542859
(86)(22)【出願日】2019-02-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 US2019016738
(87)【国際公開番号】W WO2019156994
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-11-20
(31)【優先権主張番号】62/627,584
(32)【優先日】2018-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513206315
【氏名又は名称】ランパク コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シア ジャン‐イヴ
(72)【発明者】
【氏名】クラネール ウベ
(72)【発明者】
【氏名】パリス レミ
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-116394(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0369225(US,A1)
【文献】登録実用新案第3053858(JP,U)
【文献】実開平07-024302(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0205724(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンネージ要素をコンテナ内の内容物の周りにあてがうためのダンネージ適合装置であって、押圧部のアレイを備え、前記押圧部は、前記ダンネージ要素を前記コンテナ内の内容物の形状に適合させるように、互いに対して移動可能であり、且つ、前記ダンネージ要素に係合するための端面を有し、前記押圧部は、初期設定で延出状態に付勢され、前記端面と前記内容物との係合に応じて、付勢に抗して移動可能であり、前記押圧部の少なくとも1つは、前記内容物の形状への適合を可能にするために、残りの前記押圧部とは独立して付勢に抗して移動可能である、ダンネージ適合装置。
【請求項2】
前記端面を移動させて前記内容物と係合させるために前記アレイが結合される駆動装置をさらに備える、請求項1に記載のダンネージ適合装置。
【請求項3】
前記アレイの前記押圧部は、集合的に共通のキャリアに取り付けられる、請求項1または2の何れかに記載のダンネージ適合装置。
【請求項4】
前記アレイの前記押圧部は、平行に鉛直配置された軸に沿った互いに対する移動を行うために配列される、請求項1~3の何れかに記載のダンネージ適合装置。
【請求項5】
少なくとも1つの前記押圧部は、ピストンと、前記ピストンに結合される先端部と、を備え、前記先端部は、前記ピストンに対して弾性的に移動可能である、請求項1~4の何れかに記載のダンネージ適合装置。
【請求項6】
前記装置は、前記端面を、それぞれの延出状態において、前記押圧部により互いに相対的に平面状に維持するように構成される、請求項1~5の何れかに記載のダンネージ適合装置。
【請求項7】
前記アレイの前記押圧部のそれぞれが、それぞれの延出状態において、それぞれのマウントにおいて前記キャリアに取り付けられる、請求項に記載のダンネージ適合装置。
【請求項8】
前記アレイの前記押圧部のそれぞれは、個別に付勢される、請求項1~7の何れかに記載のダンネージ適合装置。
【請求項9】
前記押圧部への付勢は、前記押圧部の少なくとも1つについて調節可能である、請求項1~8の何れかに記載のダンネージ適合装置。
【請求項10】
前記押圧部への付勢は、前記押圧部の少なくとも1つが、残りの前記押圧部とは異なる付勢力を受けるように変更される、請求項1~9の何れかに記載のダンネージ適合装置。
【請求項11】
前記アレイの外縁に配置される少なくとも1つの前記押圧部は、前記アレイの前記外縁の内側に配置される少なくとも1つの前記押圧部よりも大きな付勢力によって前記延出状態に付勢される、請求項10に記載のダンネージ適合装置。
【請求項12】
付勢するための少なくとも1つの付勢要素をさらに備え、前記付勢要素はばねである、請求項1~11の何れかに記載のダンネージ適合装置。
【請求項13】
付勢するための少なくとも1つの付勢要素をさらに備え、前記付勢要素は、1つ以上の前記押圧部に対して付勢力を加えるガスの流れを調節するように構成される、請求項1~11の何れかに記載のダンネージ適合装置。
【請求項14】
前記アレイに対して結合される開口プレートをさらに備え、
前記開口プレートは、前記押圧部が前記開口プレートを通って移動させられることを可能にするために、前記押圧部に対して位置合わせされた開口を有し、
前記開口プレートは適用状態を有し、
前記適用状態において、前記開口プレートは、延出状態にある前記押圧部の鉛直下方に配置され、かつ、前記ダンネージ要素を、前記コンテナの底部に対する前記内容物の最高の高さ位置にあてがうために移動させられる、請求項1~13の何れかに記載のダンネージ適合装置。
【請求項15】
前記開口プレートは、前記アレイに対して移動可能である、請求項14に記載のダンネージ適合装置。
【請求項16】
ダンネージ要素をコンテナ内の内容物周りにあてがうためのダンネージ適合装置であって、前記ダンネージ要素を前記コンテナ内に押圧し、前記内容物と係合されるように構成される、相互に連結された鉛直方向に付勢されるセクションのアレイを備え、前記アレイは、前記ダンネージ要素を前記内容物の様々な寸法に適合させるために、前記セクションと前記内容物との係合の際、前記内容物の様々な寸法に鉛直方向に適合するように構成される、ダンネージ適合装置。
【請求項17】
ダンネージ要素をコンテナ内の内容物周りにあてがうためのダンネージ適合装置であって、
互いに対して個別に鉛直方向に付勢される押圧部のアレイと、
前記押圧部のそれぞれが、延出し、且つ、付勢された状態において、それぞれのマウントにおいて取り付けられるキャリアと、
前記キャリアに結合され、前記マウントを鉛直方向に集合的に移動させるように構成される駆動装置と、
を備え、
前記押圧部は、前記ダンネージ要素を前記内容物の形状の周りに適合させるために、前記内容物の様々な寸法との係合に応じて、付勢に抗して個別に鉛直方向に移動可能に構成される、
ダンネージ適合装置。
【請求項18】
前記押圧部がそれに沿って移動可能な鉛直軸は、互いに平行に配列される、請求項17に記載のダンネージ適合装置。
【請求項19】
前記押圧部の少なくとも1つへの付勢は調節可能である、請求項17または18の何れかに記載のダンネージ適合装置。
【請求項20】
前記押圧部への付勢は、前記押圧部の少なくとも1つが、残りの前記押圧部とは異なる付勢力を受けるように変更される、請求項17~19の何れかに記載のダンネージ適合装置。
【請求項21】
コンテナの内容物の前記コンテナに対する移動を制限する方法であって、
ダンネージ要素を前記内容物上に配置するステップと、
前記ダンネージ要素と、アレイ内に配置される押圧部の複数の端面とを係合させるステップと、
前記内容物の様々な寸法と、前記アレイの異なる前記押圧部とを係合させるステップであって、前記押圧部は、前記内容物との係合に先立って延出位置に鉛直方向に付勢され、前記押圧部と前記内容物との係合は、前記延出位置にある前記押圧部の、前記内容物の前記様々な寸法との係合に至る集合的な移動を含む、ステップと、
前記押圧部と前記様々な寸法との係合に応じた、付勢に抗する前記押圧部の移動によって、前記ダンネージ要素を、前記内容物の前記様々な寸法に適合させるステップと、
を含む方法。
【請求項22】
ダンネージ要素を輸送コンテナ内の内容物周りに自動的に適合させるダンネージ挿入装置であって、
挿入方向に集合的に移動可能な押圧部のアレイを備え、それぞれの前記押圧部は前記ダンネージ要素に係合するように構成される端部を有し、それぞれの前記端部は、前記ダンネージ要素に係合するように前記挿入方向に付勢され、前記押圧部の前記アレイは、前記ダンネージ要素を前記コンテナ内の前記内容物の形状に適合させるように連携する、ダンネージ挿入装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、概して、包装される内容物を中に有する輸送用コンテナ内にダンネージを挿入するための装置に関し、より詳細には、輸送中のコンテナに対する内容物の移動を制限するために、ダンネージをコンテナ内の内容物の形状の周りに適合させるための装置に関する。
[背景]
1つ以上の物品を、ある場所から別の場所へ輸送する過程において、梱包者は、通常、例えば段ボール箱などの輸送コンテナ内に、輸送される1つ以上の物品と共に何らかのダンネージ要素を配置する。ダンネージ要素は、通常、物品を包装するため、または、輸送コンテナ内の物品の周囲の空間または空隙容積を、部分的に、または、完全に充填するために用いられる。空隙容積を充填することにより、ダンネージは、輸送工程中の損傷を引き起こし得る物品の移動を阻止するか、または、最小限にする。ダンネージ要素は、また、遮断、固定、または、緩衝機能を果たすことも可能である。いくつかの一般的に用いられるダンネージ要素は、発泡プラスチックピーナッツ、プラスチックバブルパック、エアバッグ、及び、加工紙ダンネージ材である。
【0002】
ダンネージ要素は、通常、手で、または、ダンネージ要素を例えば上方位置からコンテナの開口へ落下させることによって、または、ダンネージ要素をコンテナ内に滑り込ませることによって輸送コンテナ内に配置される。ピーナッツ以外のダンネージ要素を用いて内容物の外形周りを緩衝することは、通常、ダンネージ要素を手動であてがうことを必要とし、このことは、ダンネージ要素が緩衝性を失うようなダンネージ要素の過圧縮、ダンネージ要素と外形との不適合、または、ダンネージ要素と外形とのごく部分的な適合、の何れか1つ以上をもたらす可能性がある。
[概要]
本発明は、ダンネージ要素を、内容物、例えば輸送コンテナ内に配置される内容物の外形に適合させてあてがうための装置を提供する。装置は、ダンネージ要素を様々な寸法に適合させることを可能にするために、内容物の様々な寸法との係合をもたらし、その一方で、好ましくは、内容物の外面と、コンテナの内面との間にダンネージ要素を押し込むことを可能にする。ダンネージ要素と、内容物の外形または形状との適合は、コンテナに対する内容物の移動を制限する。ダンネージ要素をあてがうことは、ダンネージ要素のコンテナ内の内容物周りへの迅速で効率的な配置のために、装置によって自動化される。
【0003】
装置は、押圧部のアレイを用いて、従来の装置の1つ以上の不備を低減または除去し、少なくともいくつかの押圧部は、他の押圧部とは独立して付勢され、アレイが内容物と係合するとき、アレイが内容物の外形に適合することを可能にする。押圧部は、共通して、押圧部マウントにおいてキャリアに取り付けられ、キャリアは、押圧部マウントを内容物に向けて集合的に移動させるように移動可能である。押圧部は、内容物にあてがわれているダンネージ要素に係合可能な延出位置に付勢される。押圧部は、ダンネージ要素を内容物の周りにあてがうために、内容物との係合に応じて付勢に抗して移動するように構成される。
【0004】
内容物の外形に対するダンネージ要素の適合は自動化され、装置は、コンテナ内の内容物に対する迅速且つ効率的な緩衝を提供する。押圧部を付勢することは、内容物を破損したり、または、過度にダンネージ要素を圧縮したりすることなく、アレイが、ダンネージ要素を内容物に適合させることを可能にし、それにより、十分に、内容物をコンテナに対して緩衝する。
【0005】
本発明の1つの態様によれば、ダンネージ要素を、コンテナの内容物の形状の周囲に適合させるための装置は押圧部のアレイを備え、押圧部は、ダンネージ要素をコンテナ内の内容物の形状に適合させるように互いに対して移動可能であり、ダンネージ要素に係合するための端面を有し、押圧部は、延出状態に付勢され、端面と内容物との係合に応じて、付勢に抗して移動可能であり、アレイの押圧部の少なくとも1つは、内容物の形状への適合を可能にするために、残りの押圧部とは独立して付勢に抗して移動可能である。
【0006】
ダンネージ適合装置は、端面を移動させて内容物に係合させるためにアレイが結合される駆動装置を備えてもよい。
【0007】
アレイの押圧部は、共通のキャリアに集合的に取り付けられてもよい。
【0008】
アレイの押圧部は、平行に鉛直配置された軸に沿った互いに対する移動のために配列されてもよい。
【0009】
少なくとも1つの押圧部は、ピストンと、ピストンに結合される先端部と、を備えてもよく、先端部は、ピストンに対して弾性的に移動可能である。
【0010】
装置は、端面を、それぞれの延出状態において、押圧部によって互いに相対的に平面状に維持するように構成されてもよい。
【0011】
ダンネージ適合装置は、アレイの押圧部のそれぞれが、それぞれの延出状態において、それぞれのマウントにおいて取り付けられるキャリアを備えてもよい。
【0012】
アレイの押圧部のそれぞれは、個別に付勢されてもよい。
【0013】
押圧部への付勢は、押圧部の少なくとも1つについて調節可能としてもよい。
【0014】
押圧部への付勢は、押圧部の少なくとも1つが、押圧部のアレイの少なくとも1つの他の押圧部とは異なる付勢力を受けるように変更されてもよい。
【0015】
アレイの外縁に配置される少なくとも1つの押圧部は、アレイの外縁の内側に配置される少なくとも1つの押圧部よりも大きな付勢力によって延出状態に付勢されてもよい。
【0016】
ダンネージ適合装置は、付勢するために少なくとも1つの付勢要素を備えてもよく、(i)付勢要素はばねであるか、または、(ii)付勢要素は、1つ以上の押圧部に対して付勢力を加えるガスの流れを調節するように構成される。
【0017】
ダンネージ適合装置は、アレイに対して結合される開口プレートを備えてもよく、開口プレートは、押圧部が開口プレートを通って移動させられることを可能にするために、押圧部に対して位置合わせされた開口を有してもよく、開口プレートは、ダンネージ要素を、コンテナの底部に対する内容物の最高の高さ位置にあてがうために移動させられる、押圧部の延出状態の鉛直下方に配置される適用状態を有してもよい。
【0018】
開口プレートは、アレイに対して移動可能としてもよい。
【0019】
本発明の別の態様によれば、ダンネージ要素をコンテナ内の内容物周りにあてがうためのダンネージ適合装置は、ダンネージ要素をコンテナ内に押圧し、内容物と係合されるように構成される、相互に連結された鉛直方向に付勢されるセクションのアレイを備え、アレイは、ダンネージ要素を内容物の様々な寸法に適合させるために、セクションが内容物と係合するとき、内容物の様々な寸法に鉛直方向に適合するように構成される。
【0020】
本発明のさらに別の態様によれば、ダンネージ要素をコンテナ内の内容物周りにあてがうためのダンネージ適合装置は、互いに対して個別に鉛直方向に付勢される押圧部のアレイと、押圧部のそれぞれが、延出し付勢された状態において、それぞれのマウントにおいて取り付けられるキャリアと、キャリアに結合され、マウントを鉛直方向に集合的に移動させるように構成される駆動装置と、を備える。押圧部は、ダンネージ要素を内容物の形状の周りに適合させるために、内容物の様々な寸法との係合に応じて、付勢に抗して個別に鉛直方向に移動可能に構成される。
【0021】
押圧部がそれに沿って移動可能な鉛直軸は、互いに平行に配列されてもよい。
【0022】
押圧部の少なくとも1つへの付勢は、調節可能としてもよい。
【0023】
押圧部への付勢は、押圧部の少なくとも1つが、残りの押圧部とは異なる付勢力を受けるように、変更されてもよい。
【0024】
本発明のまた別の態様によれば、コンテナの内容物のコンテナに対する移動を制限する方法は、(a)ダンネージ要素を内容物上に配置するステップと、(b)ダンネージ要素を、アレイ内に配置される押圧部の複数の端面と係合させるステップと、(c)内容物の様々な寸法を、アレイの異なる押圧部と係合させるステップであって、押圧部は内容物との係合に先立って延出位置に鉛直方向に付勢され、押圧部と内容物との係合は、延出位置にある押圧部の、押圧部と内容物の様々な寸法との係合に至る集合的な移動を含む、ステップと、(d)押圧部と様々な寸法との係合に応じた、付勢に抗する押圧部の移動によって、ダンネージ要素を、内容物の様々な寸法に適合させるステップと、を含む。
【0025】
本発明の別の態様によれば、ダンネージ要素を輸送コンテナ内の内容物周りに自動的に適合させるダンネージ挿入装置は、挿入方向に集合的に移動可能な押圧部のアレイを備え、それぞれの押圧部は、ダンネージ要素に係合するように構成される端部を有し、それぞれの端部は、ダンネージ要素に係合するように挿入方向に付勢され、押圧部のアレイは、ダンネージ要素をコンテナ内の内容物の形状に適合させるように連携する。
【0026】
本発明の上述の、及び、他の特徴は、以下に十分に説明され、また、特に特許請求の範囲にて指摘され、以下の説明及び添付図面は、本発明のいくつかの例示的な実施形態を詳細に説明するが、これらの実施形態は、本発明の原理が採用され得る様々な態様のほんのいくつかを示しているに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明によって提供される例示的なダンネージ適合装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[詳細な説明]
本発明は、ダンネージ要素を、内容物、例えば輸送コンテナ内に配置される内容物の外形に適合させてあてがうための装置を提供する。装置は、ダンネージ要素を様々な寸法に適合させることを可能にするために、内容物の様々な寸法との係合をもたらし、その一方で、好ましくは、内容物の外面と、コンテナの内面との間へダンネージ要素を押し込むことを可能にする。ダンネージ要素を、内容物の外形または形状に適合させることは、コンテナに対する内容物の移動を制限することになる。ダンネージ要素をあてがうことは、ダンネージ要素の、コンテナ内の内容物周りへの迅速で効率的な配置のために、装置によって自動化される。
【0029】
ここで図1を参照すると、本発明は、ダンネージ要素をコンテナ12の内容物の外形に自動的に適合させるための装置10を提供する。図示された例示的な実施形態において、装置10は、押圧部24のアレイ20を備え、押圧部24はアレイ20内で平行な軸に沿って配列される。押圧部24は、概して、鉛直軸と、この軸に沿って鉛直方向に付勢され、ダンネージをコンテナ12内に押圧するように構成されるセクションと、を有するように配置される。セクションを付勢することは、それぞれのセクションと、様々な高さを有し得る内容物の様々な寸法との係合に応じて、セクションが互いに対して個別に移動できることを可能にする。この構造は、次に、アレイ20、及び、アレイ20によって押圧されるダンネージ要素が、内容物の外形に適合することを可能にし、コンテナ12内の内容物に対して自動的に適合される緩衝を提供する。
【0030】
より具体的には、装置10は、好ましくは、共通の方向に付勢される複数の平行なプランジャによって形成される押圧部24のアレイ20を備える。押圧部24は、互いに対して移動可能であり、それぞれが、ダンネージ要素に係合してダンネージ要素をコンテナ12内の内容物の形状に適合させるための端面28を有する。押圧部24は、短縮状態から延出状態まで付勢可能であり、端面28と内容物との係合に応じて付勢に抗して移動可能である。押圧部24の少なくとも1つは、アレイ20を内容物の形状に適合させ得るように、残りの押圧部24とは独立して付勢に抗して移動可能である。
【0031】
好適な実施形態において、押圧部24は、互いに対してそれぞれ個別に独立して移動可能であり、また、それぞれ独立して付勢される。
【0032】
図1に示されるように、押圧部24は、個別に鉛直方向に付勢され、アレイ20内で互いに平行な鉛直軸に沿って配置される。押圧部は、コンテナ12に向かう集合的な鉛直方向の移動のため、また、個別の平行な鉛直方向に配置された軸30に沿った付勢に抗する、鉛直方向とは反対方向の移動のために、平行に配列される。
【0033】
押圧部24は、ピストン34に結合された先端部32を備え、ピストン34は、マウント38において共通キャリア36に取り付けられる。先端部32は、それぞれ、押圧部24の端面28を有し、ダンネージ、及び、ダンネージ要素を介してコンテナ12の内容物に係合するように配置される。いくつかの実施形態において、1つ以上の先端部32は、それぞれのピストン34に対して弾性的に移動可能としてもよい。共通キャリア36への押圧部24の集合的な取り付けは、コンテナ12に向かい、また、コンテナ12から離れる、例えば、アレイ20の中心鉛直軸42に沿った、押圧部24の集合的な移動を可能にする。
【0034】
図示されたマウント38のそれぞれは、それぞれのピストン34がその中に収容され、その中で移動可能であるシリンダ40を備える。シリンダ40は、例えば、1つ以上の適切な締結具などで共通キャリア36に結合される。他の実施形態において、マウント38は、共通キャリア36、例えば、ピストン34を収容するための円筒形チャンバを画定する共通のキャリア、と一体にされてもよい。
【0035】
共通キャリア36は、押圧部24のそれぞれがシリンダ40を介して取り付けられるキャリアプレート36として示される。シリンダ40のそれぞれは、キャリアプレート36の上側48で、キャリアプレート36の開口50に取り付けられる。開口50は、ピストン34がキャリアプレート36を通って、反対側のキャリアプレート36の下側52に延出することを可能にする。いくつかの実施形態において、シリンダ40は、代わりに、キャリアプレート36の下側52に取り付けられてもよい。
【0036】
駆動装置54は、端面28を鉛直軸42に沿って挿入方向に移動させ、コンテナ12の内容物、及び、その上に配置されるダンネージ要素に係合させるために、アレイ20、より具体的には、キャリアプレート36に結合される。駆動装置54を起動させると、駆動装置54がキャリアプレート36に結合していることにより、マウント38がアレイ20の鉛直軸42に沿って集合的に移動させられる。図示される駆動装置54は、例えば、ピストン-シリンダアセンブリのようなリニアアクチュエータであるが、他の実施形態においては他の異なる駆動装置も適切であり得る。
【0037】
駆動装置54の近位端56は支持部材60に結合される。支持部材60からは、例えば、図示される支持ロッド62のような1つ以上の鉛直要素が、キャリアプレート36の駆動装置54との結合のために延出する。
【0038】
装置10は、水平部72を備える鉛直支持部70を含むものとして図示され、駆動装置54の遠位端74が水平部72に結合される。支持部材60とキャリアプレート36とのそれぞれは、駆動装置54の起動に応じて、支持部材60及びキャリアプレート36の鉛直移動をガイドするために、鉛直支持部70に摺動可能に結合されるそれぞれのアライメント部76を備えてもよい。示される支持部材60のアライメント部76は、鉛直支持部70のスロットに収容されるキーとして構成されるが、他の構造も適切であり得る。
【0039】
使用の際、押圧部24のそれぞれは、付勢要素によって加えられる付勢力によって初期設定の延出位置に付勢される。図示されるように、押圧部24のそれぞれは、キャリアプレート36に結合されるガス接続部80に結合される圧縮ガス供給付勢要素(図示なし)によって付勢される。ガス接続部80は、次に、適切なガスコネクタ、例えば管など、によって、シリンダ40に流体結合される。押圧部24が、個別の付勢要素によってそれぞれ付勢されなくてもよいように、ガス接続部80より多くの押圧部24が設けられてもよい。
【0040】
押圧部24のピストン34に加えられるガスの付勢力は、例えば、1つ以上のレギュレータ(図示なし)を使用して、調節可能に制御されてもよい。例えば、押圧部24への付勢は、例えば、レギュレータを用いるガス制御を介して、押圧部24の少なくとも1つが、残りの押圧部とは異なる付勢力を受けるように変更されてもよい。一実施形態において、アレイ20の外縁に配置される1つ以上の押圧部24は、外縁の内側に配置される押圧部24よりも大きな付勢力によって、延出状態に付勢されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、それぞれの押圧部24に加えられる付勢力は、個別に調節可能としてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、装置10は、例えば1つ以上の付勢要素を使用して、端面28を、それぞれの延出状態において、押圧部24で互いに相対的に平面状に維持するように構成されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、押圧部24の任意の数のピストン34は、共通の移動のために固定されてもよく、且つ/または、共通の付勢要素によって、共通に付勢されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、付勢力は、例えば、ばねのような弾性付勢要素を介して、代替的に、または、追加的に与えられてもよい。このような場合において、圧縮部材は、ばねの付勢力を調節するために、ばねに対して調節可能としてもよい。
【0045】
図1に示される装置10は、遠位開口プレート90も備える。開口プレート90は、アレイ20に対して結合され、開口プレート90を貫通する開口92を有する。開口92は、端面28が開口プレート90を通って移動させられることを可能とするように、押圧部24の端面28に対して位置合わせされる。開口プレート90は、ダンネージを、コンテナ12の底部に対するコンテナ12内の内容物の最高の高さ位置にあてがうために移動される、押圧部24の延出状態の鉛直下方に配置される(コンテナ12の底から最も間隔が空けられる)適用状態を有する。
【0046】
いくつかの実施形態において、開口プレート90は、開口プレート90の適用状態から、適用状態の鉛直上方の上昇状態に、アレイ20に対して移動させられてもよい。いくつかの実施形態において、このような移動は、アレイに対して結合され得る、駆動装置を介して、且つ/または、付勢要素を介してなされてもよい。他の実施形態において開口プレート90は省略されてもよい。
【0047】
内容物に対して適合させるために適切なダンネージは、1つ以上の間隔を空けた位置で互いに結合されるシート材料の2枚以上のシートを含み、緩衝性をもたらすために、間隔を空けて圧着された位置に隣接して鉛直方向に複数層が重なる部分を有する、ダンネージパッド、または、他の緩衝ダンネージ要素としてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、例えば、過大なダンネージパッド、または、過大な他の緩衝ダンネージ要素のような過大なダンネージ要素が用いられてもよい。過大なダンネージ要素は、コンテナ12の開口94のそれぞれの長さ寸法、または、幅寸法よりも大きい長さ寸法または幅寸法のうちの少なくとも1つを有してもよい。この過大な寸法は、内容物の外面と、コンテナ12の内面との間にダンネージ要素の1つ以上の部分を押し込むことを可能にするために十分なダンネージを提供するものであってもよい。
【0049】
ダンネージ要素の基礎を形成しうる例示的なシート材料は、例えばクラフト紙、より具体的には、単層のクラフト紙などの紙である。適切なクラフト紙は、様々な基本重量、例えば、20ポンドまたは40ポンドといった基本重量を有してもよい。いくつかの実施形態において、シート材料は、ラミネートされてもよく、例えば、別の紙、プラスチックシート、金属箔、または、これらの任意の組み合わせなどの任意の他の適切な材料を含んでもよい。紙は、再生利用可能、生分解可能であり、さらに、再生可能資源からなる、環境に配慮した素材である。
【0050】
使用の際、第1ダンネージ要素は、アレイ20、開口プレート90、または、これらの組み合わせの鉛直方向の並進を介して、コンテナ12の底部にあてがわれてもよい。一旦、梱包される内容物が第1ダンネージ要素の上に置かれると、内容物に向かう挿入方向に移動させられるアレイ20の使用により、または、アレイ20と開口プレート90の組み合わせの使用により、第2ダンネージ要素が自動的にあてがわれてもよい。
【0051】
要約すれば、本発明は、コンテナ12内の内容物の周りにダンネージ要素を適合させるための装置10を提供する。装置10は、押圧部24のアレイ20を備え、押圧部24は互いに対して移動可能な付勢される端部を有し、且つ、ダンネージ要素に係合するための端面28を有する。押圧部24の端面28は、延出状態に付勢され、端面28と内容物との係合、及び、端面28と、端面28と内容物との間のダンネージ要素との係合に応じて、付勢に抗して移動可能である。押圧部24の少なくとも1つは、内容物の形状に対するアレイ20の適合を可能にするために、残りの押圧部24とは独立して付勢に抗して移動可能である。押圧部24は、それぞれのマウント38においてキャリア36に取り付けられる。駆動装置54は、キャリア36に結合され、マウント38を鉛直方向に集合的に移動させるように構成される。
【0052】
本発明はまた、コンテナ12の内容物の、コンテナ12に対する移動を制限する方法も含む。本方法は、(a)ダンネージ要素を内容物の上に配置し、(b)ダンネージ要素と、アレイ20内に配列された複数の押圧部24の端面28とを係合させ、(c)内容物の様々な寸法と、アレイ20の異なる押圧部24とを係合させ、押圧部24は、内容物との係合に先立って延出位置に鉛直方向に付勢され、押圧部24と内容物との係合は、それらの延出位置における押圧部24の、内容物の様々な寸法との係合に至る集合的な移動を含み、(d)押圧部24と様々な寸法との係合に応じた、付勢に抗する押圧部24の移動によって、ダンネージ要素を内容物の様々な寸法に適合させる、ステップを含む。
【0053】
本発明が、特定の図示された1つ以上の実施形態に関して示され、説明されてきたが、本明細書及び添付された図面を読んで理解することにより、当業者は、同等の変更及び修正に想到するであろう。特に上述の整数のもの(構成要素、アセンブリ、装置、構成など)により実施される様々な機能に関して、そのような整数のものを説明するために用いられる用語(「手段」についての言及を含む)は、別段の指示がない限り、本明細書に記載の本発明の1つまたは複数の実施形態における機能を実行する開示された構造と構造的に等価でなくとも、特定の機能を実行する(つまり、機能的に等価である)いかなるの整数のものにも対応することが意図される。「結合」という用語は、1つの整数のものと別の整数のものとの直接的な結合を指すこともあり、または、整数のものと、例えば、それらの間に1つ以上の整数のものを有する、整数のものとの間接的な結合を指すこともある。「a、及び/または、b」にて用いられるような「及び/または」という用語は、(i)a及びb、(ii)aまたはbの何れか、または、両方を含むものとして定義される。
図1