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特許7029581シングルサーブの食用フードバーの成形システム及び成形方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】シングルサーブの食用フードバーの成形システム及び成形方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/126 20160101AFI20220225BHJP
【FI】
A23L7/126
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018536074
(86)(22)【出願日】2016-09-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-10-25
(86)【国際出願番号】 US2016053747
(87)【国際公開番号】W WO2017053954
(87)【国際公開日】2017-03-30
【審査請求日】2019-09-11
(31)【優先権主張番号】62/232,407
(32)【優先日】2015-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518101853
【氏名又は名称】バーテンダー ベンチャーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】特許業務法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロウスナー,スティーブ
【審査官】植原 克典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0157223(US,A1)
【文献】特開昭57-115170(JP,A)
【文献】米国特許第06132199(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/117-9/20
A23P 10/00-30/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シングルサーブの食用バーの成形方法であって、
a.所定の量の分離している食用細片を提供することと、
b.該細片をコロイド状又は可溶性の結着剤材料で徐々に増大するように被覆することと、
c.被覆した細片を成形型手段に搬送することと、
d.所定の圧力及び温度プロファイルで、所定の期間、前記成形型手段を圧縮することとを含み、該圧力は第1の所定の期間にわたる第一の圧力と、第2の所定の期間にわたる第2の所定の圧力であり、温度を、環境温度が相対応ガラス転移温度を超えるように、時間とともに非直線的に高めるものであり、
前記コロイド状または可溶性の結着剤は、セルロース、微結晶性セルロース、ココアふすま(cocoa bran)、コーンふすま、オート麦ふすま、オート麦繊維、リンゴ果肉、ペクチン、サイリウム、米糠、甜菜果肉、小麦ふすま、ダイズ繊維、親水コロイド、エンドウ繊維、小麦繊維、イヌリン、分解イヌリン、グアーガム、可溶性コーンふすま、スクロース、コーンシロップ等の被覆の材料、分解グアーガム、 -2-1-フルクトフラノース材料、又は、上述したもののうち1つもしくは複数を含む混合物を含み、
前記被覆することであるステップは、
a.前記細片を被覆手段に加えることと、
b.前記細片又はコロイド状被覆物質の崩壊を引き起こすことなく、前記細片及び/又は前記コロイド状被覆物質のガラス転移温度(T )を、前記被覆手段の動作温度より下に局所的に低下させるような量で、コロイド状及び/又は可溶性の被覆物質と粘着性液体とを前記被覆手段に別個に加えることと、
c.継続的に、前記被覆手段内の前記細片の表面被覆上のコロイド状及び/又は可溶性の被覆物質の量を、徐々に増大するように増加させることとを含むものであって、前記コロイド状被覆物質は、約5%から約50%(w/w)の間の量で加えられる、方法。
【請求項2】
被覆細片を配置することであるステップが、前記被覆細片を約3%から約7%(w/w)の間の含水量に乾燥させるステップより開始される、請求項記載の方法。
【請求項3】
前記被覆細片を配置することであるステップは、前記被覆手段から成形型に前記被覆細片を空気圧及び機械的に搬送することの少なくともいずれかを含む、請求項記載の方法。
【請求項4】
前記温度を、式:T=T+kln(t)で表される速度で上昇させるものであって、
ここでTは約50℃から約125℃の間であり、
一方kは、約50min-1から約100min-1の間である、請求項記載の方法。
【請求項5】
前記第1の時間の圧力は、前記第2の時間の圧力よりも高い、請求項又はに記載の方法。
【請求項6】
前記第1の時間の圧力は、前記第2の時間の圧力よりも低い、請求項又はに記載の方法。
【請求項7】
前記被覆細片をポッド、容器、仕切り、包装、袋又はケースの内部の成形型に搬送する、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フードバーの成形システム及び成形方法に向けられ、特に、比較的短い時間枠でシングルサーブのフードバーを成形するシステム、及びこれらシステムで実行可能な方法に向けられている。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプの携帯用バーが知られており、それらのバルク製造に関する連続的なバッチ方法もまた知られている。例えば、結着剤系によって共に結合させたものである、シリアルの乾燥混合原材料を含有するシリアルバーが知られている。典型的な結着剤系には、コーンシロップ及び他の原材料(すなわち、砂糖、蜂蜜等)が含有され得る。該結着剤系は通常、混合し易いように、シリアル混合物に添加する前に加熱される。シリアル/結着剤の生地はその後、冷却ステップ及び切断ステップの前に、シート状にされて又は成形型に入れられて層を形成することが可能である。通常、必要な粘着を得るために、シリアル生地は、ローラー又は他の従来のシリアルバー製造装置で圧縮され、バーに成形される。いくつかの状況においては、混合物は、バーの成形のためにエクストルーダ又は押出成形機(auger)に導入され得る。
【0003】
また、これら携帯用食品は、食事の代用品又は軽食として消費されるため、比較的短い時間枠で需要に応じて調製することができ、かつ、消費者の嗜好及び栄養必要量を個人に合わせられることが、大きな利益になることとなる。
【0004】
従って、比較的短い時間枠でシングルサーブのフードバーを成形するシステム、及びこれらシステムで実行可能な方法は、このように有益となる。
【発明の概要】
【0005】
様々な実施形態において、シングルサーブのシリアルバーをすぐに成形するシステム及び方法を開示する。
【0006】
ある実施形態では、シングルサーブの食用バーの成形方法であって、所定の量の分離している食用細片を提供することと、該細片をコロイド状結着剤で徐々に増大するように被覆することと、被覆した細片を成形型手段に搬送することと、所定の期間及び温度プロファイルで、所定の圧力に成形型手段を圧縮することとを含み、該圧力は時間とともに非連続的な方法で変化させ、温度は時間とともに非直線的に変化させるものである、シングルサーブの食用バーの成形方法を本明細書において提供する。
【0007】
別の実施形態では、シングルサーブの食用バーの成形システムであって、成形型モジュールと、成形型モジュールに所定の圧力プロファイルを加える手段と、成形型モジュールに所定の温度プロファイルを加える手段と、所定の量の細片状食品を成形型に充填及び非充填する手段と、時間、温度及び圧力を伝達するように構成された複数のセンサと、成形型手段に充填及び/又は非充填し、成形型手段に所定の圧力プロファイルを加え、かつ、成形型手段に所定の温度プロファイルを加えるように構成された実行可能な指示のセットを含むものである、プロセッサ読み取り可能な媒体を備えたメモリを有する、上記成形型モジュール、上記成形型モジュールに所定の圧力プロファイルを加える手段、上記成形型モジュールに所定の温度プロファイルを加える手段、上記所定の量の細片状食品を成形型に充填及び非充填する手段ならびに上記複数のセンサと連通するプロセッサとを備えた、シングルサーブの食用バーの成形システムを本明細書において提供する。
【0008】
比較的短い時間枠で個人に合わせたシングルサーブのフードバーを成形するシステム及び方法について良好に理解するため、その実施形態に関して、添付の図面について言及するが、全体にわたって、同じ符号は対応する要素又は部分を指すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、非加熱下での、成形型モジュールの圧縮の結果を示すグラフである。
【0010】
図2図2は、加熱下での、時間の関数としての圧縮荷重の結果を示すグラフであり、食品細片としてラッキーチャームズ(Lucky Charms(商標))を用いた。
【0011】
図3図3は、加熱下での、時間の関数としての圧縮荷重の結果を示すグラフであり、食品細片としてコールデングラハム(Colden Grahams(商標))シリアルを用いた。
【0012】
図4図4は、加熱下での、時間の関数としての圧縮荷重の結果を示すグラフであり、高プロテイン含有の食品細片を用いた。
【0013】
図5図5は、200°Fまで加熱させた、時間の関数としての圧縮荷重の結果を示すグラフであり、一般的な食品細片を用いた。
【0014】
図6図6は、300°Fまで加熱させた、時間の関数としての圧縮荷重の結果を示すグラフであり、一般的な食品細片を用いた。
【発明を実施するための形態】
【0015】
いくつかの実施形態において、比較的短い時間枠でシングルサーブのフードバーを成形するシステム、及びこれらシステムで実行可能な方法を本明細書において提供する。
【0016】
ある実施形態では、シングルサーブの(すなわち、各バー単体の、又は複数のバーの)食用バーの成形方法であって、所定の量の分離している食用細片(該細片は破砕されるか、切り刻まれるか、粉砕されるか、粉状にされるか、凝集塊にされている食品又はそれらの組み合わせ等である)を提供することと、該細片をコロイド状又は可溶性の結着剤で徐々に増大するように被覆することと、該被覆させた細片を成形型手段に搬送することと、所定の期間及び温度プロファイルで、所定の圧力に成形型手段を圧縮することとを含み、該圧力は、時間とともに非連続的な方法で変化させ、該温度は時間とともに非直線的に変化させる、上記シングルサーブの食用バーの成形方法を本明細書において提供する。
【0017】
ある実施形態では、成形型手段は、様々な寸法をもつ別個の独立に可動の壁を有するチャンバであって、例えば、ある枠内における、複数の四辺形壁、独立に可動の側部、又は面であるとすることが可能である。また上部側部及び底部側部が、独立に可動の面又は壁を、該可動の面又は壁の内側に包囲される容量を減少させるように、長手方向軸に沿って可動であってもよい。可動の面又は壁はそれぞれ、荷重センサ及び圧縮駆動部と動作可能に連結することが可能であり、各壁又は面が圧縮され、荷重が該駆動部で感知され、荷重及び圧力の値が加工モジュールに伝達されるようにできる。加工モジュールは、独立に動く壁又は面それぞれの荷重センサ及び駆動部と(電気的に)連通である。
【0018】
用語「モジュール」は、有形の実体であって、物理的に構築されるか、特定的に構成されるか(例えば、配線による)、又は特定の方法で動作するかもしくは本明細書に記載する任意の動作の一部もしくは全てを実行するように、一時的に(例えば、一過性的に)構成される(プログラムされる)ものである実体を、包含するということが理解される。モジュールが一時的に構成される例を考えてみると、該モジュールはそれぞれ、任意のある瞬間においてインスタンス化されている必要がない。例えば、モジュールが、ソフトウェアを用いて構成される汎用性のハードウェアプロセッサを含む場合、該汎用性のハードウェアプロセッサは、異なる時点においては、それぞれ異なるモジュールとして構成され得る。したがってソフトウェアは、例えばある時点では、ある特定のモジュールを構成し、異なる時点では、ある異なるモジュールを構成するように、ハードウェアプロセッサを構成できる。ある実施形態では、開示されて主張されるシステムの電子的な制御ユニットが、上記加工モジュールである。
【0019】
用語「伝達する」(及び、例えば第1の構成要素が第2の構成要素と「通じる」又は「連通である」というような、その派生語)及びその文法上のバリエーションは、2以上の構成要素又は要素間における、構成上、機能上、機構上、電気的、光学的又は流体的な関係性又は任意のそれらの組み合わせを示唆するために用いられる。このように、第1の構成要素が第2の構成要素と連通であると言われる事実は、追加的な構成要素が、第1の構成要素及び第2の構成要素の間に存在可能であること、及び/又は、第1の構成要素及び第2の構成要素と動作可能に関連もしくは係合していることの可能性を除外することを意図していない。また、用語「電子通信」は、本明細書に記載される比較的短い時間枠でシングルサーブのフードバーを成形するシステムの1つ又は複数の構成要素が、電子的な信号及び情報を構成要素間で交換可能であるように、有線もしくは無線での通信又はインターネット通信状態にあることを意味する。
【0020】
本明細書で提供される比較的短い時間枠でシングルサーブのフードバーを成形するシステム、及びこれらシステムで実行可能な方法で用いる分離している食用細片は、加工シリアル片、押出シリアル片、ローラー処理したシリアル、パフ状穀物、焼フレーク体、焼シリアル片、果物片、乳製品含有細片、上述したもののうち1つもしくは複数を含む凝集塊又はそれらの組み合わせを含むことが可能である。「加工シリアル片」は、RTEシリアルの製造に用いる工程によって形成された細片とすることが可能であり、その工程により、フレーク状片、パフ状シリアル穀粒もしくはパフ状の小麦粉生地片、押出小麦粉生地片、又は別の実施形態では、焼片、塊又はローラー処理した穀物片が製造される。当業者であれば、任意のRTEシリアル片の製造に用いる工程は、例えば別の実施形態における、一実施形態のデンプン材料又は乳固形分又はそれらの組み合わせを含む1つ又は複数の調理し押出された生地の粒子又はフレークによる乾燥混合物を調製すること、砂糖又は乳固形分又は結着剤又はそれらの混合物を含むコロイド状結着剤(0.05から3μmの範囲の複数の平均粒径を有する複合粒子を指す)と上記乾燥混合物を混合すること、及び、得られた塊を本明細書に記載されるシステムを用いてバー形状に成形することを含む、即席(ready-to-eat)フードバーの製造工程において、開示の方法の使用を妨げない、ということがわかるであろう。コロイド状結着剤は、セルロース、微結晶性セルロース、ココアふすま(cocoa bran)、コーンふすま、オート麦ふすま、オート麦繊維、リンゴ果肉、ペクチン、サイリウム、米糠、甜菜果肉、小麦ふすま、ダイズ繊維、親水コロイド、エンドウ繊維、小麦繊維、イヌリン、分解イヌリン、グアーガム、分解グアーガム、β-2-1-フルクトフラノース材料、砂糖、コーンシロップ、澱粉、デキストリン、キサンタン、糖アルコール、又は、上述したもののうち1つもしくは複数を含む混合物を含むことが可能である。
【0021】
本明細書で提供される比較的短い時間枠でシングルサーブのフードバーを成形するシステム、及びこれらシステムで実行可能な方法で用いる被覆は、或る実施形態においてコロイド状混合物を食用細片と結合させるために用いることが可能である、液体結着剤をさらに含むことが可能である。液体結着剤は、食用細片自体を製造する工程で用いることが可能である。ある実施形態では、用語「液体結着剤」は、比較的乾燥している原材料を結合させて、コロイド状結着剤の食用細片への粘着を一時的に引き起こす粘着剤として機能することが可能である、シロップ組成物を指す。別の実施形態では、コロイド状結着剤を使用せずに、液体結着剤のみを用いる。食用細片の組成に応じて、液体結着剤(例えば、デキストリンシロップ)の粘度及び組成を選択することが可能であり、徐々に増大するように被覆することで、本明細書に記載されるシステムを用いて加熱処理下で固めた又は圧縮したときに、適切な挙動を得ることが可能である。
【0022】
一実施形態では、本明細書で提供される比較的短い時間枠でシングルサーブのフードバーを成形するシステム、及びこれらシステムで実行可能な方法で用いる食用細片は、粘着力を高める液体結着剤と軽度に接触させることが可能であり、その時間の後でコロイド状結着剤を添加し、その後食用細片に均一に被覆及び粘着させる(又は非晶質のコロイド状結着剤のガラス転移(T)を局所的に超えたら使用する)ことが可能である。
【0023】
例えば油脂、水(一実施形態又は局所面の加熱における蒸気を含む)、液糖、コーンシロップ、水溶性繊維溶液、溶解ワックス、乳化剤、ゴム溶液等である液体で処理することで、食用細片の粘着力が高まると、粘着することとなる面に対して繊維が付着し得る。その後、食品細片上に徐々に増大するように形成された完成形の被覆を形成させるために、水、砂糖、水溶性繊維等よりなる水(又は他の可塑剤)含有シロップ又は1つもしくは複数の可塑剤と上述したものの組み合わせを、次いで徐々に増大するように加えることによって、均一な被覆/層内で、コロイド状結着剤が活性化又は膨張することが可能であり、その後乾燥させて、徐々に増大するように被覆させた食用細片を得ることが可能である。乾燥させた食用細片はその後、シングルサーブの食用フードバーの成形に十分なポッド、小袋、包装または他の個装に包装することが可能である。
【0024】
したがって、ある実施形態においては、本明細書で提供される比較的短い時間枠でシングルサーブのフードバーを成形するシステム、及びこれらシステムで実行可能な方法で用いる、被覆することであるステップは、上記食用細片を被覆手段に加えることと、食用細片のバルク状の塊又はコロイド状被覆物質のバルク状の塊の崩壊を引き起こすことなく、該細片及び/又はコロイド状被覆物質の局所的なガラス転移温度(T)(すなわち、ナノメートルスケールにおける表面の層のみのT)を、被覆手段の動作温度より下に局所的に低下させるような液量で(すなわち、被覆手段、例えばタンブラーの動作温度は食用細片及び/又はコロイド状結着剤の表面Tよりも高い)、コロイド状被覆物質と粘着性液体とを前記被覆手段に別個に加えることと、継続的に、被覆手段内の上記細片の表面被覆上のコロイド状被覆物質の量を、徐々に増大するように増加させることとを含むことが可能であって、上記コロイド状被覆物質は、約5%から約50%(w/w)の間の量で加えられるものである。用語「徐々に増大するように(accretively)」は、シリアル片上の被覆が、時間的及び/又は距離的に、段階的に付着し、結果的にシリアル片上の被覆が増大又は成長することを指す。
【0025】
或る実施形態においては、徐々に増大するように加えられる被覆物質は、約7%未満の含水量で、フライ物質(fry matter)として加えられ、スラリー状ではないということが考慮される。他の実施形態では、加えられた乾燥した被覆物質の含水量は、シリアル片のTgが加工温度よりも高いものである状態で、別様の非晶質の被覆のガラス転移(Tg)を加工温度より低くなるように低下させるように構成される。
【0026】
食用細片の被覆工程について用いる場合、用語「粘着力を高めた」は、ある実施形態において、開示される方法によるコロイド状結着剤又は液体結着剤の吸収をより受け入れ易くさせるような食用細片表面の改変を指す。そのため、開示される方法による食用細片及びコロイド状結着剤両方を有利に湿らせる(又は、すなわち可塑化させる)ように構成することが可能である液体の付着が、食用細片の粘着力を高めることとなる。別の実施形態では、局所的に(食用細片の表面を指す)食用細片のTを超えて、該片表面上でラバー状態を形成することを、同様に、開示される方法による細片の粘着力を高める特性があるとみなす。また、食用細片表面又は加えるコロイド状結着剤の表面の粘着力を高めることは、該表面に対して、粘着をより受け入れ易くさせることによってなすことが可能である。用語「粘着」及びその文法上の使用(例えば、粘着する)は、マイクロメートル又はそれより小さいスケールにおける、表面張力又は機構上の組み込みにより2つのものが共に結合することを指す。例えば、化学的粘着によって又は界面接着によりなされる。用語「化学的粘着」は、一実施形態において、2つのものが、両者の界面上において分子間のイオン結合、ファンデルワールス結合又は共有結合によって、界面で共に結合するような粘着を指す。用語「界面接着(interfacial adhesion)」は、別の実施形態において、相間又は構成要素間の界面が、界面を横断する分子間力、分子鎖の絡まり又はその両方によって維持されるような粘着を指す。ある実施形態では、本明細書で提供される比較的短い時間枠でシングルサーブのフードバーを成形するシステム、及びこれらシステムで実行可能な方法で用いる、食用細片を徐々に増大するように被覆することは、局所的にガラス転移温度(T)を超えることに起因して低下した表面粘度を有する食用細片表面が、表面粘度が低下したコロイド状結着剤と融合することによって生じる、界面接着に起因するものであり得る。
【0027】
あるいは、被覆手段にコロイド状結着剤を導入する前に、被覆手段に粘着性液体を加えない。そのため、食用細片の表面が局所的な(又は表面の)Tを超えて、表面粘度が約2~6桁の規模で低下、例えば、約1014から約10cPasに低下するように、被覆手段を熱気と接触させ、それによってコロイド状結着剤を食用細片の局所的に粘弾性(又はラバー状)である表面上に凝集させることができる。当業者であれば、全体的な(すなわち、バルクの)食用細片を崩壊させることなく、局所的にTを超えることを可能にする方法が多数存在するということがわかるであろう。環境温度(被覆手段及び又は成形型モジュールのような加工環境)がその相に対応するTよりも高い点まで局所的に温度を上昇させる方法の全てが、開示される技術の範囲内に包含されるものと想定している。一実施形態では、平均分子量、成分の濃度、相体湿度、他の可塑剤の存在、加工操作(例えば、蒸気の注入)等又はそれらの組み合わせを用いて、食用細片の表面の粘着性を高め、開示される技術の組成物及び開示されるシステムで実行可能である開示される方法で用いられる組成物の粘着を可能にすることができる。コロイド状結着剤(又はある実施形態では可溶性結着剤)で被覆した片はその後、成形型モジュールに詰め易くするように、任意に目止めコーティング(可溶性コロイド状結着剤、砂糖等)で覆ってもよい。
【0028】
用語「崩壊」は、食用細片が、それ自体がもつバルク重量又はそれ自体がもつ体積を支えることができなくなることを指す。崩壊は、食用細片の外側の層に限定され得、それは1から約10μmの範囲であり得る。当業者は、コロイド状結着剤が食用細片に粘着する能力は、必ずしも、本明細書で記載するような粘着性液体が食用細片を可塑化させる能力に依存しないということを認識するであろう。用語「可塑(剤)」は、ある実施形態では、粘着性液体がもつ、Tを低下させる能力を指し、別の実施形態では、食用細片の表面の層における非晶質状態の自由体積が増加することを指す。
【0029】
コロイド状(又は可溶性)結着剤で被覆すると、被覆された細片は、約3%から約7%(w/w)の間の平衡含水量に脱水されて、被覆手段から取り出すことができ、被覆された食用細片は、非晶質表面を有するように構成(例えば、比較的高い温度で急速に乾燥させることによって)させることが可能であって、それは、本明細書に開示され主張されるシステムとともに用いて、開示される温度プロファイルを加えたときに、被覆された食用細片のTを超えて、該細片が圧縮され又は他の方法で固められたときに圧密(T)点(consolidation point)が現れ、食用細片のバルク及び塊の三次元の結合浸透限界(bond percolation threshold)を超えるものである三次元の(バルク体積での)結合濃度を生じ、分離している食用細片の結合ではなく、単一の塊がもつ物理化学的特性が現れ始めることとなる。温度がさらに上昇すると、バルクが流動し始め、流動点(flow point)(T)が現れることとなる。
【0030】
したがって、本明細書で提供される比較的短い時間枠でシングルサーブのフードバーを成形するシステム、及びこれらシステムで実行可能である方法で用いる成形型手段は、第1の所定の時間の間は第1の所定の圧力で、第2の時間の間は第2の所定の圧力で、圧縮又は固められることが可能である。成形型モジュールの圧縮は、加熱状態下で実行することが可能であり、第1の圧縮時間は、本明細書に記載される圧密点(T)に到達するまでと制限することが可能である。成形型モジュールの独立に可動の壁又は面に動作可能に連結する圧力駆動部における荷重センサを用いて、加工モジュールによって圧密点に達したかを判断することによって、駆動部は、バルクを圧縮する壁又は面に与えられる圧縮圧力を変化させるように構成することが可能であり、該与えられる圧力は、完成形のシングルサーブの食用バーが所望のバルク密度を得るように増加又は減少させることが可能である。
【0031】
圧密点(T)の到達に係る時間は、例えば食用細片の組成、そのサイズ及びサイズ分布、コロイド状結着剤の種類、濃度(w/w)及びサイズ分布、成形型モジュールの温度の上昇速度、その熱伝達計数、壁もしくは面に与えられる圧力、又は、上述したもののうち1つもしくは複数を含む因子の組み合わせである、様々な因子に依存し得る。
【0032】
成形型モジュールが加熱される温度は、以下の式で表す速度で上昇させるように構成することが可能である:
=T+kln(t) (式1)
ここで、Tは約50°Fから約F℃の間であり、
は、約50から約75の間であり(無次元)、
tは時間(min(分))である。
【0033】
成形型モジュールは、独立に可動の壁又は面の一部又は全てと動作可能に連結した加熱手段を用いて加熱することが可能である。例えば、壁又は面は、様々な電源と連結する電流に対する抵抗とすることが可能であり、又は、別の例では、加熱素子と動作可能に連結し、又は、二重構造で加熱液体(例えば、オイル、蒸気)と流体連通することが可能である。さらに、成形型モジュールは、冷却手段と動作可能に連結することが可能である。
【0034】
本明細書に記載の駆動部によって与えられる圧力は、圧密点(T)に到達後は、タイムラインに沿って変化させることができ、完成形のシングルサーブの食用バーを特定の、所定のバルク密度に維持するような所定の方法で減少又は増加させることが可能である。
【0035】
ある実施形態では、「比較的短い時間枠」という場合、記載されるシステムにおいて提供され、実行される方法が、約1分から約15分の間の時間枠で、個人に合わせたシングルサーブの即席食用バーを提供するように構成されるものである。したがって、ある実施形態では、シングルサーブの食用バーの成形システムであって、成形型モジュールと、成形型モジュールに所定の圧力プロファイルを加える手段と、成形型モジュールに所定の温度プロファイルを加える手段と、所定の量の細片状食品を成形型に充填及び非充填する手段と、時間、温度及び圧力を伝達するように構成された複数のセンサと、成形型手段に充填及び/又は非充填し、成形型手段に所定の圧力プロファイルを加え、かつ、成形型手段に所定の温度プロファイルを加えるように構成された実行可能な指示のセットを含むものである、プロセッサ読み取り可能な媒体を備えたメモリを有する、上記成形型モジュール、上記成形型モジュールに所定の圧力プロファイルを加える手段、上記成形型モジュールに所定の温度プロファイルを加える手段、上記所定の量の細片状食品を成形型に充填及び非充填する手段及び上記複数のセンサと連通するプロセッサとを備えた、シングルサーブの食用バーの成形システムを本明細書において提供する。
【0036】
本明細書で提供されるシングルサーブの食用バーを成形するシステムで用いる成形型手段(本明細書で記載される成形型モジュールと置き換え可能)は、細長ケース又はチャンバであって、該ケースの長手方向軸又は横断方向軸に対して可動である少なくとも1つの可動部分(例えば、壁又は面)をもつ、細長ケース又はチャンバを備えることが可能である。可動部分は、チャンバ体積を減少させるように構成されている。また、本明細書で提供されるシングルサーブの食用バーを成形するシステムで用いる、成形型モジュールに所定の温度プロファイルを加える手段は、上記ケースに動作可能に連結された加熱素子であって、上記ケース又はチャンバを、所定の速度で、所定の高さに加熱及び/又は冷却するように構成された加熱素子を備えることが可能である。さらに、本明細書で提供されるシングルサーブの食用バーを成形するシステムで用いる、成形型モジュールに所定の圧力プロファイルを加える手段は、上記ケースの少なくとも1つの可動部分に動作可能に連結される駆動部を備えることが可能である。駆動部(actuator)という用語は、本明細書では、上記で述べた種類の装置を明示するために用いているが、この分野においては、本質的に同様な機構が、流体シリンダー、水圧ジャッキ、線形流体モーターとして、又は、さらに別の名称で、多様に知られており、本明細書で用いる駆動部という用語は、上記で述べた基本的な性能を有する全てのそうした装置を指すということを理解されたい。例えば、駆動部は、成形型の可動部分に動作可能に連結される、ヒンジで要素が動くシャフトを有するねじ歯車と動作可能に連結したモーター駆動体とすることが可能である。
【0037】
また、プロセッサは、同時に成形型モジュールの圧力及び/又は温度を変化させながら、圧密点(T)を表示する複数のセンサから荷重値を受信するまで、ケースに第1の圧力及び温度プロファイルを加えるように構成されている。
【0038】
提供されるシステムで実行可能であるような本明細書に記載の方法によって成形されたシングルサーブの食用バーが、さらに提供される。
【実施例
【0039】
実施例1:非加熱:
図1では、成形型手段に対して非加熱の、上記に記載した成形型モジュールにおけるシリアルベースの食用細片の圧縮を示している。図示するように、駆動部が受ける荷重は、連続して減少していくようであり、圧密点又は流動点(それぞれT、T、例えば図2を参照のこと。)は何も現れていない。圧密点が現れないため、食用バーは成形されず、成形型を開けると細片は分離した状態であった。
実施例2:ラッキーチャームズ(Lucky Charms(登録商標))シリアル細片、加熱及び加圧:
【0040】
ここで図2では、上記に記載したシステムを用いて、圧力駆動部が受ける荷重における所定の圧力での時間及び温度の結果を示している。図示するように、式1に従って非直線的に温度を上昇させるものとし、式1においてTを66°Fとし、kを90とした。図示するように、約2分後、温度約123°Fで、駆動部での荷重の急低下として現れる、圧密点(Tc)に到達する。その約1分後、温度約166°Fで、流動点に到達した。バーが良好に一体成形された。ラッキーチャームシリアルの細片は、分解イヌリンの可溶性/コロイド状粉末で被覆し、その後成形型モジュールに移すようにした。
実施例3:ゴールデングラハム(Golden Grahams(登録商標))シリアル細片、加熱及び加圧:
【0041】
ここで図3では、上記に記載したシステムを用いて、圧力駆動部が受ける荷重における所定の圧力(3000g)での時間及び温度の結果を示している。図示するように、式1に従って非直線的に温度を上昇させるものとし、式1においてTを64.8°Fとし、kを90.97とした。図示するように、約2分後、温度約123°Fで、駆動部での荷重の急低下として現れる、圧密点(Tc)に到達する。4分で、温度約185°Fで、流動点に到達した。バーが良好に一体成形された。ゴールデングラハムシリアルの細片は、融解させた砂糖を急冷させた被覆をもつ、購入時の「そのまま」の状態で用い、その後成形型モジュールに移して固めるようにした。
【0042】
バー成形の際、圧密点に到達した後、成形型の温度を流動点(T)に相当する温度より下に維持しながら、加えている圧力を駆動部によって減少させ、成形型の冷却を開始し、それによって良好に一体となったシングルサーブの一体型のバーを得るための時間を減少させるようにシステムを構成することが可能である。
実施例4:高プロテイン含有(90%)細片、加熱及び加圧:
【0043】
ここで図4では、上記に記載したシステムを用いて、圧力駆動部が受ける荷重における所定の圧力での時間及び温度の結果を示している。図示するように、式1に従って非直線的に温度を上昇させるものとし、式1においてTを101.5°Fとし、kを72とした。図示するように、約2.5分後、温度約175°Fで、表面上は第3及び第4の構造の崩壊を原因とする、駆動部での荷重の急増及びその結果としての体積の増加として現れる、圧密点(Tc)に達する。その約8分後に、温度約265°Fで、流動点に到達した。バーが良好に一体成形された。上記細片は、購入時の「そのまま」の状態で用い、その後成形型モジュールに移した。
【0044】
バー成形の際、圧密点に到達した後、急速に、成形型の温度を流動点(T)に相当する温度より上に上昇させながら、加えている圧力を駆動部によって増加させ、流動点に達したことの表示を加工モジュールが受信したら、成形型の冷却を開始し、それによって良好に一体となったシングルサーブの一体型のバーを得るための時間を減少させるようにシステムを構成することが可能である。
実施例5:定圧における加熱速度の結果:
【0045】
ここで図5及び図6では、食用細片の原料としての圧密点(Tc)及び流動点に達する、最大温度とそれによる加熱速度の結果を示している。図5に示すように、式1に従って非直線的に200°Fまで温度を上昇させるものとし、式1においてTを76.1°Fとし、kを67とした。図示するように、約2分後、温度約112°Fで、駆動部での荷重の急低下として現れる、圧密点(Tc)に到達する。その約2分後、温度約188°Fで、流動点に到達した。バーが良好に一体成形された。上記細片は、分解イヌリンの可溶性粉末で被覆し、その後成形型モジュールに移すようにした。
【0046】
図6に示すように、式1に従って非直線的に300°Fまで温度を上昇させるものとし、式1においてTを65.65.1°Fとし、kを94とした。図示するように、約1分後、温度約125°Fで、駆動部での荷重の急低下として現れる、圧密点(Tc)に到達する。その約1分後、温度約170°Fで、流動点に到達した。バーが良好に一体成形された。上記細片は、分解イヌリンの可溶性粉末で被覆し、その後成形型モジュールに移すようにした。
【0047】
圧密点(Tc)及び流動点(Tf)はいずれも成形型モジュールにおける共同的なバルク的な事象の表れであるため、加熱速度(k)に実質的な違いがあることを考えると、2つの加熱レジメン下でのバルク状細片の挙動間にあるいくつかのヒステリシスを予測することが妥当であり得る。ある実施形態では、その違いを用いて、シングルサーブの一体型バーの取得に係る時間を減少するように、成形型モジュールの好ましい加熱プロファイルが提供される。
【0048】
用語「連結する」は、例えば「動作可能に連結する」、「連結している」又は「連結可能な」などであるその様々な形態を含めて、2つの構成要素を、別の構成要素によって又は別の構成要素を介して、又は成形工程によって連結させた一体成形した構成要素同士を含む、直接的もしくは間接的に、構造的に連結、接続もしくは装着させること、又は、そうした直接的もしくは間接的な、構造的なもしくは動作可能な連結、接続もしくは装着に関する適応もしくは性能を指し、またこれらを含む。間接的な連結は、介在部材もしくは接着剤を介して連結させるか、又は、物理的な接続を何も含まずに、摩擦的にもしくは分離手段によって、隣接させて、そうでなければ対向させて、配置させることに関与し得る。
【0049】
「組み合わせ」には、ブレンドしたもの、混合物、合わせたもの、反応物等が含まれる。また、用語「第1」「第2」等は、本明細書においてその順序、量、又は重要度を何も示すものではなく、他の要素の中の1つの要素であることを示すために用いている。
【0050】
用語“a”、“an”及び“the”は、本明細書において量の限定を示しているのではなく、本明細書で別に言及しているか又は文脈と明らかに矛盾する場合を除き、単数及び複数の両方を包含するものと解釈される。本明細書で用いる場合、接尾辞“(s)”は、それが付加している用語の単数形及び複数形の両方を含むことを意図し、それによって、該用語の1つ又は複数を含む(例えば、面(facet(s))は、1つ又は複数の面を含む)。
【0051】
明細書全体を通して、「一実施形態」、「別の実施形態」、「ある実施形態」等の言及は、実施形態と関連して記載される特定の要素(例えば、特徴、構造及び/又は特性)が、本明細書に記載の少なくとも1つの実施形態に含まれており、かつ、他の実施形態にも存在し得るか、他の実施形態には存在し得ないということを意味する。また、記載されている要素は、様々な実施形態において任意の好適な方法で組み合わせることができるということを理解されたい。
【0052】
用語「選択可能に」は、食用細片の性質に基づいて選択可能である加熱プロファイル及び圧力プロファイルと言うときに用いる場合、駆動部及び加熱/冷却手段が、システムの他の構成要素に影響することなく有効になされることができるということを意味している。
【0053】
用語「約」は、技術及び/又は請求項の記載において用いる場合、量、サイズ、配合(formulation)、パラメータならびに他の量及び特徴が、寸分違わぬものではなく、またそうであるとは限らず、しかしながら、自由に許容誤差、換算計数、丸め、測定誤差等及び当業者に公知の他の因子を反映させた、概ねのもの及び/又はより大きいもしくはより小さいものであってよいということを意味する。概して、そうであるように明白に記載されていてもいなくても、量、サイズ、配合、パラメータ又は他の量もしくは特徴は、「約」又は「概ね」であり、かつ、開示される量、サイズ、配合、パラメータ及び他の量ならびに特徴の示されている値の、例えば±25%、又は±20%、詳細には±15%、又は±10%、より詳細には±5%を含んだ、提供された任意の範囲の両端を含み得る。
【0054】
1つ又は複数の構成要素は、本明細書において、「ように構成される」、「によって構成される」、「構造化可能な」、「~するように動作可能/動作する」、「適用される/適用可能」、「~できる」、「と一致した/一致させる」等とともに言及され得る。これら用語(例えば、「ように構成される」)は、別の文脈でない限り、概して、有効な構成要素及び/又は非有効な構成要素及び/又はスタンバイ状態の構成要素を包含することが可能である。
【0055】
また、本開示のため、「上部」、「底部」、「より上」、「より下」、「側方」、「前」、「前面」、「前方」、「後」、「後方」、「背部」、「後部」、「上に」、「下に」、「左」、「右」、「水平」、「垂直」、「上方」、「下方」、「外側」、「内側」、「外部」、「内部」、「中間」、「後側」、「前部」、「頂点の」、「基部の」などの方向的又は位置的な用語は、本願の様々な実施形態の説明に、便宜上用いたに過ぎない。
【0056】
したがって、ある実施形態では、シングルサーブの食用バーの成形方法であって、所定の量の分離している食用細片を提供することと、該細片にコロイド状結着剤を徐々に増大するように被覆することと、被覆した細片を成形型手段に搬送することと、所定の期間及び温度プロファイルで、所定の圧力に成形型手段を圧縮することとを含み、該圧力は、時間とともに非連続的な方法で変化させ、該温度は時間とともに非直線的に変化させ、(i)上記分離している食用細片は、押出シリアル片、ローラー処理したシリアル、パフ状穀物、焼フレーク体、焼シリアル片、果物片、乳製品含有細片、上述したもののうち1つもしくは複数を含む凝集塊又はそれらの組み合わせを含み、(ii)コロイド状結着剤は、セルロース、微結晶性セルロース、ココアふすま(cocoa bran)、コーンふすま、オート麦ふすま、オート麦繊維、リンゴ果肉、ペクチン、サイリウム、米糠、甜菜果肉、小麦ふすま、ダイズ繊維、親水コロイド、エンドウ繊維、小麦繊維、イヌリン、分解イヌリン、グアーガム、分解グアーガム、β-2-1-フルクトフラノース材料、又は、上述したもののうち1つもしくは複数を含む混合物を含み、(iii)被覆には、液体がさらに含まれるものであって、(iv)被覆することであるステップは、細片を被覆手段に加えることと、細片又はコロイド状被覆物質の崩壊を引き起こすことなく、該細片及び/又はコロイド状被覆物質のガラス転移温度(T)を、被覆手段の動作温度より下に局所的に低下させるような量で、コロイド状被覆物質と粘着性液体とを前記被覆手段に別個に加えることと、継続的に、被覆手段内の上記細片の表面被覆上のコロイド状被覆物質の量を、徐々に増大するように増加させることとを含み、コロイド状被覆物質は、約5%から約50%(w/w)の間の量で加えられるものであり、(v)被覆細片を配置することであるステップが、被覆細片を約3%から約7%(w/w)の間の含水量に乾燥させるステップより開始され、(vi)被覆細片を配置することであるステップは、被覆手段から成形型に被覆細片を空気圧で搬送すること、及び/又は、(vii)被覆手段から成形型に被覆細片を機械的に搬送することを含み、(viii)成形型手段は、第1の所定の時間の間は第1の所定の圧力で、第2の時間の間は第2の所定の圧力で圧縮され、(ix)温度は、式T=T+kln(t)で表される速度で上昇させ、ここでTは、約50℃から約125℃の間、一方ktは約50から約75min-1の間とし、(x)第1の時間の圧力は、第2の時間の圧力よりも高く、又は、(xi)第1の時間の圧力は第2の時間の圧力よりも低く、(xii)被覆細片を、ポッド、容器、仕切り、包装、袋又はケースの内部の成形型に搬送することを含む、シングルサーブの食用バーの成形方法が本明細書で提供される。
【0057】
別の実施形態では、シングルサーブの食用バーの成形システムであって、成形型モジュールと、成形型モジュールに所定の圧力プロファイルを加える手段と、成形型モジュールに所定の温度プロファイルを加える手段と、所定の量の細片状食品を成形型に充填及び非充填する手段と、時間、温度及び圧力を伝達するように構成された複数のセンサと、成形型手段に充填及び/又は非充填し、成形型手段に所定の圧力プロファイルを加え、かつ、成形型手段に所定の温度プロファイルを加えるように構成された実行可能な指示のセットを含むものである、プロセッサ読み取り可能な媒体を備えたメモリを有する、上記成形型モジュール、上記成形型モジュールに所定の圧力プロファイルを加える手段、上記成形型モジュールに所定の温度プロファイルを加える手段、上記所定の量の細片状食品を成形型に充填及び非充填する手段及び上記複数のセンサと連通するプロセッサとを備えるものであって、(xiii)成形型手段は、細長ケースであって、該ケースの長手方向軸又は横断方向軸に対して可動である少なくとも1つの可動部分をもつ、細長ケースを備え、(xiv)成形型モジュールに所定の温度プロファイルを加える手段は、ケースに動作可能に連結される加熱素子であって、ケースを加熱及び/又は冷却するように構成された加熱素子を備え、(xv)成形型モジュールに所定の圧力プロファイルを加える手段は、ケースの少なくとも1つの可動部分に動作可能に連結される駆動部を備え、(xvi)プロセッサは、式:T=T+kln(t)で表される速度で、ケースの温度を上昇させるように構成され、ここでTは約50℃から約125℃の間であり、一方k(min-1)は約50から約75の間であり、tは時間(min)であり、(xvii)プロセッサは、圧密点を表示する複数のセンサから荷重値を受信するまで、ケースに第1の圧力及び温度プロファイルを加えて、圧力及び/又は温度を変化させるように構成されている、シングルサーブの食用バーの成形システムを本明細書において提供する。
【0058】
さらに別の実施形態では、本明細書に記載のシステム及び方法によって成形された、シングルサーブのシリアルバーを本明細書において提供する。
【0059】
比較的短い時間枠で個人に合わせたシングルサーブのフードバーを成形するシステム及び方法について特定の実施形態を記載したが、出願人や他の当業者によれば、現在予見されていない又は予見され得ない代替物、変形物、バリエーション、改良物及び実質的な均等物が想起され得る。したがって、出願時の添付の請求項及び補正され得る添付の請求項は、こうした代替物、変形物、バリエーション、改良物及び実質的な均等物の全てを包含することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6