(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】キャスターストッパ
(51)【国際特許分類】
B60B 33/00 20060101AFI20220225BHJP
B60B 33/08 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
B60B33/00 501Z
B60B33/08 A
(21)【出願番号】P 2021090637
(22)【出願日】2021-04-12
【審査請求日】2021-06-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519400944
【氏名又は名称】有限会社古賀設計
(72)【発明者】
【氏名】古賀 富春
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-001207(JP,A)
【文献】特開2015-093513(JP,A)
【文献】登録実用新案第3227162(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 33/00
B60B 33/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項2】
前記ストッパレバー(6、6)とストッパレバー回転規制の凸部(1w、1w、1v、v)を有する前記支持部材(1)において、前記押圧盤(4、4)との係合が解消した時のストッパ状態で前記全方向移動型車輪(100)が強制的に外力によってストッパ解除の方向(N)に回転力が加えられても前記ストッパレバー(6、6)は連結された前記リンク(7、7)にてZ方向に働く力によって前記支持部材(1)の前記ストッパレバー回転規制の凸部(1w、1w)側にて固着され、前記リンク(7、7)がロックし、ストッパ状態を保つ構造を有する請求項1に記載のキャスターストッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全方向移動型車輪(100)のキャスターに設けたストッパに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現存する全方向移動型車輪の手押し台車等において、床の状態が水平でない場合、全方向移動型車輪が前後左右に自由自在に移動する為、停止時において特別な停止装置が必要で、その停止装置も台車に乗せる荷重の大小により機種を選定する必要があり、又キャスターとは別の位置に取り付けている現状である。
【文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、全方向移動型車輪の手押し台車等において停止させる位置を選ばず、前後左右に不安定な動作を無くし、特別に停止装置が要らないキャスターストッパを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
全方向移動型車輪100が支持部材1に固着された水平状回転軸2廻りに回転して前後方向に進む動作と、全方向移動型車輪100のR側、L側の円周等分に互い違いに配置された樽型ローラー101の回転軸102廻りに回転して左右方向に進む回転の2つの動作が可能なキャスター50を停止させるストッパであって、全方向移動型車輪100の回転軸2周り両側に配置された弾性体10、10、により、停止盤3、3、とブレーキシュー5、5、と支持部材1の係合穴1a、1a、と係合される押圧盤凸部4x、4x、を有する押圧盤4、4、が付勢され、ストッパレバー6、6、の回転によりリンク7、7、に連結された押圧盤4、4、が回転することにより、支持部材1の係合穴1a、1a、との係合を解消して押圧盤凸部4x、4x、の膨らみの高さHにて押圧盤4、4、が回転軸2の軸方向に水平に移動することによりブレーキシュー5、5、と停止盤3、3、が押圧され樽型ローラー101が回転軸2廻り円周上どの位置に在っても停止盤3、3、により圧接され全方向移動型車輪が停止することによって解決される。
【発明の効果】
【0006】
本発明のストッパをキャスターに付与することにより床の状態に関係無く常時、安定した停止が出来る為、安全であり、手押し台車、ショピングカート、ベビーカー、ワゴン等に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施例におけるキャスターストッパの分解図である。
【
図2】本発明の実施例におけるキャスターストッパの斜視図である。
【
図3】本考案の実施例におけるキャスターストッパのストッパ解除時の正面図(a)と線断面A-A図(b)及びストッパ時の正面図(c)と線断面B-B図(d)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1において、支持部材1には両側面に回転軸穴1c、1c、とその周りに数個の係合穴1a、1a、とリンクピン逃し揺動長穴1b、1b、と各1箇所のストッパレバー支点用穴1x、1x、が明けられ、ストッパレバー6、6、の回転規制凸部1w、1w、1v、1v、が設けられている。ストッパレバー6、6、は支点用穴6a、6a、に支点ピン13、13、が軸として組み込まれ、その軸を支点として支持部材1のストッパレバー回転規制凸部1w、1w、と1v、1v、の間で回転を規制されている。リンクピン穴6b、6b、にはリンクピン15、15、がキャップナット16、16、にて固定され、ハンドル用穴6c、6c、はハンドル14を支持する為の穴である。リンク7、7、は回転軸穴7a、7a、とスペーサ12、12、と押圧盤4、4、のリンクピン穴4b、4b、に回転ピン11、11、にて連結されストッパレバー6、6、の回転を押圧盤4、4、に伝達し支持部材1との係合又は係合の解消を仲介する働きをしている。スペーサ12、12、は押圧盤4、4、とリンク7、7、の擦れ防止を目的としている。
【0009】
図3(a)、(b)においてストッパ解除状態を示し、水平状回転軸2廻りに配置された全方向移動型車輪100の両側に弾性体受け8、8、とカラー9、9、が配置され、カラー9、9、の廻りには弾性体10、10、停止盤3、3、ブレーキシュー5、5、押圧盤4、4、が配置され、弾性体10、10、は支持部材1と押圧盤4、4、の係合及び樽型ローラー101と停止盤3、3、とのスキマを確保する為、付勢している。
【0010】
図3(b)において、リンクピン15、15、と鍔付ブッシュ17、17、は圧入により固着され、リンク7、7、のリンクピン穴7b、7b、の勘合及び外れ防止を目的とし、ブッシュ部の長さは押圧盤4、4、が押圧盤凸部4x、4x、の膨らみの高さHの分、水平移動をする為その移動量を確保した長さとする。
【0011】
図3(c)は支持部材1と押圧盤4、4、が係合を解消しストッパレバー6、6、がリンク7、7、によってロックされた状態を示す。
図3(d)は係合解消により停止盤3、3、が樽型ローラー101を圧接した状態を示す。
【符号の説明】
【0011】
図1 1 支持部材
図1 1a 係合穴
図1 1b リンクピン逃し揺動長穴
図1 1c 回転軸穴
図1 1v ストッパレバー回転規制凸部(ストッパ解除側)
図1 1w ストッパレバー回転規制凸部(ストッパ側)
図1 1x ストッパレバー支点用穴
図1 2 回転軸
図1 3 停止盤
図1 4 押圧盤
図1 4b リンクピン穴
図1 4x 押圧盤凸部
図1 5 ブレーキシュー
図1 6 ストッパレバー
図1 6a 支点用穴
図1 6b リンクピン穴
図1 6c ハンドル用穴
図1 7 リンク
図1 7a 回転軸穴
図1 7b リンクピン穴
図1 8 弾性体受け
図1 9 カラー
図1 10 弾性体
図1 11 回転ピン
図1 12 スペーサ
図1 13 支点ピン
図1 14 ハンドル
図1 15 リンクピン
図1 16 キャップナット
図1 17 鍔付ブッシュ
図1 100 全方向移動型車輪
図2 50 キャスター
図3 101 樽型ローラー
図3 102 回転軸
【要約】
【課題】全方向移動型車輪付キャスターの手押し台車等において特殊な停止装置を必要とせず、前後左右自在な動きを停止できるキャスターストッパを提供する。
【解決手段】 全方向移動型車輪100が前後方向に進む動作と、左右方向に進む回転の2つの動作を停止させるストッパを備え、回転軸2周り両側の弾性体10、10、にて停止盤3、3、とブレーキシュー5、5、と支持部材1と係合される押圧盤4、4、を付勢し、ストッパレバー6、6、の回転によりリンク7、7、に連結された押圧盤4、4、が回転し、支持部材1との係合を解消して押圧盤4、4、の凸部4x、4x、の膨らみの高さHにて回転軸2の軸方向に水平に移動しブレーキシュー5、5、と停止盤3、3、が、押圧され圧接することにより樽型ローラー101が回転軸2廻り円周上どの位置に在っても全方向移動型車輪100が停止する。