(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】マンコンベヤ装置
(51)【国際特許分類】
B66B 29/08 20060101AFI20220225BHJP
【FI】
B66B29/08 Z
(21)【出願番号】P 2020167668
(22)【出願日】2020-10-02
【審査請求日】2020-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】物部 愛
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-007360(JP,A)
【文献】特開昭49-094081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00- 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
欄干部と、
前記欄干部に対して第1横方向の外側に配置され、前記第1横方向と直交する第2横方向で伸縮可能な伸縮柵と、を備え、
前記伸縮柵は、前記欄干部の前記第2横方向側の端点に対して前記第2横方向の内側に固定される柵基端部と、前記欄干部の前記第2横方向側の端点に対して前記第2横方向の内側の待機位置と外側の伸長位置との間を移動可能な柵先端部と、を備え、
前記柵先端部は、柱状に形成され、前記柵先端部の先端側は、前記第1横方向視において、上下方向に沿って直線状に延びており、
前記伸縮柵の上部は、前記柵先端部が前記待機位置に位置するときに、前記第1横方向視において、前記欄干部と重なる、マンコンベヤ装置。
【請求項2】
欄干部と、
前記欄干部に対して第1横方向の外側に配置され、前記第1横方向と直交する第2横方向で伸縮可能な伸縮柵と、を備え、
前記伸縮柵は、前記欄干部の前記第2横方向側の端点に対して前記第2横方向の内側に固定される柵基端部と、前記欄干部の前記第2横方向側の端点に対して前記第2横方向の内側の待機位置と外側の伸長位置との間を移動可能な柵先端部と、を備える、マンコンベヤ装置であって、
前記柵先端部を移動させる柵駆動源と、
人の有無を検出する検出部と、をさらに備え、
前記検出部が人を検出していないときに、前記柵駆動源は、前記柵先端部を移動し、
前記検出部が人を検出したときに、前記柵駆動源は、前記柵先端部の移動を停止する、マンコンベヤ装置。
【請求項3】
欄干部と、
前記欄干部に対して第1横方向の外側に配置され、前記第1横方向と直交する第2横方向で伸縮可能な伸縮柵と、を備え、
前記伸縮柵は、前記欄干部の前記第2横方向側の端点に対して前記第2横方向の内側に固定される柵基端部と、前記欄干部の前記第2横方向側の端点に対して前記第2横方向の内側の待機位置と外側の伸長位置との間を移動可能な柵先端部と、を備える、マンコンベヤ装置であって、
前記伸縮柵の上部は、前記柵先端部が前記待機位置に位置するときに、前記第1横方向視において、前記欄干部よりも上方に配置され、
前記マンコンベヤ装置は、柵先端部が待機位置に位置するときに、前記伸縮柵の上部を覆うカバー部を備える、マンコンベヤ装置。
【請求項4】
前記伸縮柵は、上下方向に延びて前記第2横方向に並べられる複数の縦枠部と、隣接する縦枠部間の距離を変更可能に、前記複数の縦枠部を接続する接続部と、を備える、請求項1~3の何れか1項に記載のマンコンベヤ装置。
【請求項5】
前記隣接する縦枠部は、前記柵先端部が前記待機位置に位置するときに、接し合う、請求項4に記載のマンコンベヤ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、マンコンベヤ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤ装置は、欄干部と、欄干部に対して第1横方向の外側に配置される伸縮柵とを備えている。そして、伸縮柵は、第1横方向と直交する第2横方向で伸縮可能に構成されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、特許文献1に係るマンコンベヤ装置においては、伸縮柵の少なくとも一部は、常に、欄干部の第2横方向側の端点よりも、第2横方向の外側に配置されている。これにより、伸縮柵が必要無い場合(例えば、乗り降りする人が少ない場合等)でも、人が通行する位置に、伸縮柵が存在することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、人が通行する位置に、必要に応じて伸縮柵を存在させることができるマンコンベヤ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
マンコンベヤ装置は、欄干部と、前記欄干部に対して第1横方向の外側に配置され、前記第1横方向と直交する第2横方向で伸縮可能な伸縮柵と、を備え、前記伸縮柵は、前記欄干部の前記第2横方向側の端点に対して前記第2横方向の内側に固定される柵基端部と、前記欄干部の前記第2横方向側の端点に対して前記第2横方向の内側の待機位置と外側の伸長位置との間を移動可能な柵先端部と、を備える。
【0007】
また、マンコンベヤ装置においては、前記伸縮柵の上部は、前記柵先端部が前記待機位置に位置するときに、前記第1横方向視において、前記欄干部と重なる、という構成でもよい。
【0008】
また、マンコンベヤ装置においては、前記伸縮柵の上部は、前記柵先端部が前記待機位置に位置するときに、前記第1横方向視において、前記欄干部よりも上方に配置され、前記マンコンベヤ装置は、柵先端部が待機位置に位置するときに、前記伸縮柵の上部を覆うカバー部を備える、という構成でもよい。
【0009】
また、マンコンベヤ装置においては、前記伸縮柵は、上下方向に延びて前記第2横方向に並べられる複数の縦枠部と、隣接する縦枠部間の距離を変更可能に、前記複数の縦枠部を接続する接続部と、を備える、という構成でもよい。
【0010】
また、マンコンベヤ装置においては、前記隣接する縦枠部は、前記柵先端部が前記待機位置に位置するときに、接し合う、という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るマンコンベヤ装置の概要図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係るマンコンベヤ装置の要部図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係る伸縮柵の全体正面図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る伸縮柵の要部正面図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係る伸縮柵の要部斜視図である。
【
図6】
図6は、同実施形態に係る伸縮柵の全体正面図であって、柵先端部が待機位置に位置する図である。
【
図7】
図7は、同実施形態に係る伸縮柵の全体正面図であって、柵先端部が伸長位置に位置する図である。
【
図8】
図8は、他の実施形態に係る伸縮柵の全体正面図であって、柵先端部が待機位置に位置する図である。
【
図9】
図9は、同実施形態に係る伸縮柵の全体正面図であって、柵先端部が伸長位置に位置する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、マンコンベヤ装置における一実施形態について、
図1~
図7を参照しながら説明する。なお、各図(
図8及び
図9も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0013】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係るマンコンベヤ装置10は、第1横方向D1に並べられる第1及び第2マンコンベヤ11,12と、装置10全体を制御する制御部13とを備えている。各図において、第1横方向D1は、水平方向であり、第2横方向D2は、水平方向で且つ第1横方向D1と直交する方向であり、第3方向D3は、鉛直方向であって、上下方向D3である。
【0014】
なお、第1横方向D1において、内側とは、マンコンベヤ11,12の第1横方向D1の中心に近い側のことであり、外側とは、マンコンベヤ11,12の第1横方向D1の中心から遠い側のことである。また、第2横方向D2において、内側とは、マンコンベヤ11,12の第2横方向D2の中心に近い側のことであり、外側とは、マンコンベヤ11,12の第2横方向D2の中心から遠い側のことである。
【0015】
各マンコンベヤ11,12は、第2横方向D2側の各端部に、人が乗り降りする乗降部11a,11b,12aを備えている。そして、第2横方向D2の一方側の端部の乗降部11b,12aは、上下方向D3において、同じ位置であり、第1横方向D1に並ぶように配置されている。
【0016】
マンコンベヤ11,12は、躯体に設置される構造体14と、人を第2横方向D2へ搬送する搬送部15とを備えている。また、マンコンベヤ11,12は、搬送部15を第1横方向D1で挟むように配置される一対の欄干部16,16と、搬送部15及び欄干部16を駆動させる駆動部17とを備えている。
【0017】
搬送部15は、例えば、本実施形態のように、駆動部17に駆動されることによって無端回転する環状の走行部(例えば、チェーン)15aと、走行部15aに対して第1横方向D1を中心に回転可能に接続され、人が乗る踏面を有する複数のステップ15bとを備えていてもよい。そして、例えば、走行部15aは、第1横方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ15bは、一対の走行部15a,15aの間に配置され、それぞれの走行部15aに対して回転可能に接続されている、という構成でもよい。
【0018】
欄干部16は、例えば、本実施形態のように、駆動部17に駆動されることによって無端回転する環状の手摺ベルト16aと、手摺ベルト16aを支持するベルト支持部16bとを備えていてもよい。そして、例えば、各マンコンベヤ11,12の欄干部16の第2横方向D2の一方側の端点P1は、第1横方向D1視において、同じ位置であってもよい。
【0019】
また、駆動部17は、例えば、本実施形態のように、ステップ15bが反転するように走行部15aが巻き掛けられて且つ第1横方向D1を中心に回転する一対の回転部(例えば、スプロケット)17a,17aと、回転部17aを回転させる駆動源(例えば、モータ)17bとを備えていてもよい。そして、駆動源17bは、制御部13に制御されている。
【0020】
本実施形態に係るマンコンベヤ11,12は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、少なくとも一つのマンコンベヤ11,12は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0021】
図2に示すように、マンコンベヤ装置10は、欄干部16に対して第1横方向D1の外側に配置される伸縮柵1を備えている。特に限定されないが、伸縮柵1は、例えば、本実施形態のように、第1マンコンベヤ11の欄干部16と第2マンコンベヤ12の欄干部16との間に配置されていてもよい。なお、伸縮柵1は、例えば、マンコンベヤ11,12を乗り降りする人を誘導するために用いられる。
【0022】
図2及び
図3に示すように、伸縮柵1は、第2横方向D2で伸縮可能に構成されている。そして、伸縮柵1は、第2横方向D2の内側端に配置される柵基端部2と、第2横方向D2の外側端に配置される柵先端部3とを備えている。柵基端部2及び柵先端部3は、例えば、本実施形態のように、柱状に形成されていてもよい。
【0023】
柵基端部2は、マンコンベヤ11,12に対して固定されている。具体的には、柵基端部2は、欄干部16の端点P1に対して、第2横方向D2の内側で固定されている。また、柵先端部3は、マンコンベヤ11,12及び柵基端部2に対して第2横方向D2へ移動可能である。具体的には、柵先端部3は、欄干部16の端点P1に対して第2横方向D2の内側の位置と外側の位置との間を移動可能である。
【0024】
図2は、伸縮柵1が最も縮んだ状態、即ち、伸縮柵1の第2横方向D2の寸法が最小である状態を示しており、当該状態における柵先端部3の位置は、待機位置という。また、
図3は、伸縮柵1が最も伸びた状態、即ち、伸縮柵1の第2横方向D2の寸法が最大である状態を示しており、当該状態における柵先端部3の位置は、伸長位置という。なお、柵先端部3は、安定して移動したり停止したりするために、上下方向D3の中心よりも下方に、重心を有していることが好ましい。
【0025】
図3及び
図4に示すように、伸縮柵1は、上下方向D3に延びて第2横方向D2に並べられる複数の縦枠部4と、隣接する縦枠部4,4間の距離を変更可能に、複数の縦枠部4を接続する接続部5とを備えている。これにより、隣接する縦枠部4,4間の距離が変更することによって、伸縮柵1は、第2横方向D2で伸縮する。
【0026】
伸縮柵1は、例えば、本実施形態のように、ローラ3a,4aと、柵先端部3を移動させるために、ローラ3aを回転させる柵駆動源(例えば、モータ)3bと、人の有無を検出する検出部3cとを備えていてもよい。ローラ3a,4aは、例えば、柵先端部3の下端部と、少なくとも一つの縦枠部4の下端部とに、それぞれ第1横方向D1に離れて一対ずつ配置されていてもよく、柵駆動源3bは、例えば、柵先端部3の内部に配置されていてもよく、検出部3cは、例えば、柵先端部3の内部に配置されていてもよい。
【0027】
検出部3cは、例えば、各種センサ(例えば、光電センサ、近接センサ等)とすることができる。そして、例えば、検出部3cが人を検出したときに、柵駆動源3bが停止されることによって、柵先端部3は、停止する一方、検出部3cが人を検出していないときに、柵駆動源3bが運転することによって、柵先端部3は、移動する、という構成でもよい。
【0028】
接続部5は、例えば、本実施形態のように、複数のリンク部5aと、リンク部5a,5a同士を回転可能に接続する第1軸部5bと、リンク部5a,5a同士と縦枠部4とを回転可能に接続する第2軸部5cとを備えている、という構成でもよい。また、
図5に示すように、例えば、縦枠部4は、第2軸部5cを上下方向D3に案内する軸案内部4bを備え、そして、接続部5を内部に配置するように、環状に形成されている、という構成でもよい。
【0029】
図2及び
図3に戻り、マンコンベヤ装置10は、例えば、本実施形態のように、伸縮柵1が第2横方向D2に沿って伸縮するように、伸縮柵1を案内する案内部6を備えていてもよい。例えば、案内部6は、ローラ3a,4aを案内する溝6aを備える、という構成でもよい。
【0030】
例えば、溝6aは、予め設定したローラ3aの停止箇所(数か所)に、深さが周辺よりも少し深い溝深部を備えていてもよい。これにより、ローラ3aが溝深部に位置することにより、ローラ3aの位置が固定され、柵先端部3の停止を安定させることができる。また、柵先端部3は、ローラ3aが第2横方向D2に並ぶように、複数のローラ3aを備えていてもよい。これにより、例えば、柵先端部3を安定して移動及び停止させることができる。
【0031】
図2~
図4に示すように、マンコンベヤ装置10は、例えば、情報を出力する出力部7を備えていてもよい。そして、例えば、柵先端部3が移動するときに、出力部7は、情報(例えば、柵先端部3が移動中であることの情報)を出力してもよく、また、例えば、柵先端部3が移動し且つ検出部3cが人を検出したときに、出力部7は、情報(例えば、移動する柵先端部3に衝突する虞があることの情報)を出力してもよい。
【0032】
図2及び
図3に示すように、例えば、出力部7は、視覚的に情報を出力する表示部(例えば、LED、ライト)7aを備え、表示部7aは、溝6aの内部に配置されている、という構成でもよい。また、
図4に示すように、例えば、出力部7は、聴覚的に情報を出力する発音部(例えば、ブザー)7bを備え、発音部7bは、柵先端部3に配置されている、という構成でもよい。
【0033】
ここで、伸縮柵1が伸縮する動作について、
図6及び
図7を参照しながら説明する。
【0034】
伸縮柵1が必要ないときには、
図6に示すように、柵先端部3は、待機位置に位置している。このとき、隣接する縦枠部4,4は、接し合っている。これにより、例えば、柵先端部3を柵基端部2に限りなく近づけることができるため、伸縮柵1の第2横方向D2の寸法を効率的に小さくすることができる。
【0035】
そして、柵先端部3が欄干部16の端点P1よりも第2横方向D2の内側に位置しているため、人が通行する位置に、伸縮柵1が存在していない。しかも、第1横方向D1視において、伸縮柵1の上部が欄干部16と重なっているため、伸縮柵1の上部は、欄干部16から上方に突出していない。
【0036】
これにより、例えば、伸縮柵1を視認し難くすることができるため、意匠性を向上させることができる。また、例えば、伸縮柵1に触れ難くすることができるため、伸縮柵1を安全に動作させることができる。
【0037】
一方で、伸縮柵1が必要であるときには、
図7に示すように、柵先端部3は、伸長位置に位置している。これにより、柵先端部3が欄干部16の端点P1よりも第2横方向D2の外側に位置しているため、人が通行する位置に、伸縮柵1が存在している。このように、柵先端部3が待機位置と伸長位置との間を移動することによって、人が通行する位置に、必要に応じて伸縮柵1を存在させることができる。
【0038】
なお、伸縮柵1が必要であるときとは、例えば、マンコンベヤ11,12の利用率が高くなるときである。したがって、制御部13は、マンコンベヤ11,12の利用率に基づいて、柵先端部3の位置を変更する、という構成でもよい。例えば、マンコンベヤ11,12の利用率を検出する構成として、マンコンベヤ11,12を乗り降りする人を検出するカメラやセンサ、駆動源17bの電流値(負荷率)を検出する電流検出器等が挙げられる。
【0039】
また、時間によって利用率が決まるマンコンベヤ11,12に対しては、制御部13は、タイマに基づいて、柵先端部3の位置を変更する、という構成でもよい。なお、柵先端部3の位置は、待機位置及び伸長位置だけに限られず、待機位置と伸長位置との間の任意の位置とすることができる、即ち、伸縮柵1の第2横方向D2の寸法は、自由に変更することができる。
【0040】
以上より、本実施形態のように、マンコンベヤ装置10は、欄干部16と、前記欄干部16に対して第1横方向D1の外側に配置され、前記第1横方向D1と直交する第2横方向D2で伸縮可能な伸縮柵1と、を備え、前記伸縮柵1は、前記欄干部16の前記第2横方向D2側の端点P1に対して前記第2横方向D2の内側に固定される柵基端部2と、前記欄干部16の前記第2横方向D2側の端点P1に対して前記第2横方向D2の内側の待機位置と外側の伸長位置との間を移動可能な柵先端部3と、を備える、という構成が好ましい。
【0041】
斯かる構成によれば、柵先端部3が、欄干部16の第2横方向D2側の端点P1に対して、第2横方向D2の内側の待機位置に位置することによって、人が通行する位置に、伸縮柵1が存在しなくなる。一方で、柵先端部3が、欄干部16の第2横方向D2側の端点P1に対して、第2横方向D2の外側の伸長位置に位置することによって、人が通行する位置に、伸縮柵1が存在する。このように、柵先端部3が待機位置と伸長位置との間を移動することによって、人が通行する位置に、必要に応じて伸縮柵1を存在させることができる。
【0042】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ装置10においては、前記伸縮柵1の上部は、前記柵先端部3が前記待機位置に位置するときに、前記第1横方向D1視において、前記欄干部16と重なる、という構成が好ましい。
【0043】
斯かる構成によれば、柵先端部3が待機位置に位置するときに、第1横方向D1視において、伸縮柵1の上部が欄干部16と重なるため、伸縮柵1の上部が欄干部16から上方に突出することを防止することができる。
【0044】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ装置10においては、前記伸縮柵1は、上下方向D3に延びて前記第2横方向D2に並べられる複数の縦枠部4と、隣接する縦枠部4,4間の距離を変更可能に、前記複数の縦枠部4を接続する接続部5と、を備える、という構成が好ましい。
【0045】
斯かる構成によれば、接続部5が、隣接する縦枠部4,4間の距離を変更することによって、柵先端部3は、待機位置と伸長位置との間を移動する。これにより、伸縮柵1を第2横方向D2で伸縮することができる。
【0046】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ装置10においては、前記隣接する縦枠部4,4は、前記柵先端部3が前記待機位置に位置するときに、接し合う、という構成が好ましい。
【0047】
斯かる構成によれば、柵先端部3が待機位置に位置するときに、隣接する縦枠部4,4が接し合うため、柵先端部3を柵基端部2に近づけることができる。これにより、例えば、伸縮柵1の第2横方向D2の寸法を効率的に小さくすることができる。
【0048】
なお、マンコンベヤ装置10は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ装置10は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0049】
(1)上記実施形態に係るマンコンベヤ装置10においては、柵先端部3が待機位置に位置するときに、伸縮柵1の上部は、第1横方向D1視において、欄干部16と重なる、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ装置10は、斯かる構成に限られない。
【0050】
例えば、
図8に示すように、柵先端部3が待機位置に位置するときに、伸縮柵1の上部の一部は、第1横方向D1視において、欄干部16よりも上方に配置される、という構成でもよい。当該構成に対しては、例えば、
図8及び
図9に示すように、マンコンベヤ装置10は、柵先端部3が待機位置に位置するときに、伸縮柵1の上部を覆うカバー部8を備える、という構成が好ましい。
【0051】
カバー部8は、
図8に示すように、例えば、柵基端部2に固定され、そして、柵先端部3、縦枠部4及び接続部5を上方及び側方から覆うように形成されていてもよい。即ち、カバー部8は、箱状に形成され、柵先端部3、縦枠部4及び接続部5を内部に収容してもよい。なお、カバー部8の上部は、第1横方向D1視において、欄干部16よりも上方に配置されている。そして、
図9に示すように、柵先端部3が伸長位置へ移動することによって、柵先端部3と、縦枠部4及び接続部5の一部とは、カバー部8の外部へ配置される。
【0052】
このように、
図8及び
図9に示すように、マンコンベヤ装置10においては、前記伸縮柵1の上部は、前記柵先端部3が前記待機位置に位置するときに、前記第1横方向D1視において、前記欄干部16よりも上方に配置され、前記マンコンベヤ装置10は、柵先端部3が待機位置に位置するときに、前記伸縮柵1の上部を覆うカバー部8を備える、という構成が好ましい。
【0053】
斯かる構成によれば、柵先端部3が待機位置に位置するときに、カバー部8が伸縮柵1の上部を覆うため、第1横方向D1視において、伸縮柵1の上部が欄干部16から上方に露出することを防止することができる。
【0054】
(2)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ装置10においては、伸縮柵1は、上下方向D3に延びて第2横方向D2に並べられる複数の縦枠部4と、隣接する縦枠部4,4間の距離を変更可能に、複数の縦枠部4を接続する接続部5と、を備える、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ装置10は、斯かる構成に限られない。例えば、上記特許文献1に係る構成のように、伸縮柵1は、第2横方向D2に延びて互いに第2横方向D2にスライド可能な複数の部材を備える、という構成でもよい。
【0055】
(3)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ装置10においては、柵先端部3が待機位置に位置するときに、隣接する縦枠部4,4が接し合う、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ装置10は、斯かる構成に限られない。例えば、柵先端部3が待機位置に位置するときに、隣接する縦枠部4,4が離れている、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…伸縮柵、2…柵基端部、3…柵先端部、3a…ローラ、3b…柵駆動源、3c…検出部、4…縦枠部、4a…ローラ、4b…軸案内部、5…接続部、5a…リンク部、5b…第1軸部、5c…第2軸部、6…案内部、6a…溝、7…出力部、7a…表示部、7b…発音部、8…カバー部、10…マンコンベヤ装置、11…第1マンコンベヤ、11a…乗降部、11b…乗降部、12…第2マンコンベヤ、12a…乗降部、13…制御部、14…構造体、15…搬送部、15a…走行部、15b…ステップ、16…欄干部、16a…手摺ベルト、16b…ベルト支持部、17…駆動部、17a…回転部、17b…駆動源、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、P1…端点
【要約】
【課題】 人が通行する位置に、必要に応じて伸縮柵を存在させることができるマンコンベヤ装置を提供する。
【解決手段】 マンコンベヤ装置は、欄干部と、欄干部に対して第1横方向の外側に配置され、第1横方向と直交する第2横方向で伸縮可能な伸縮柵と、を備え、伸縮柵は、欄干部の第2横方向側の端点に対して第2横方向の内側に固定される柵基端部と、欄干部の第2横方向側の端点に対して第2横方向の内側の待機位置と外側の伸長位置との間を移動可能な柵先端部と、を備える。
【選択図】
図3