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  • 特許-シートバックフレームの捩じり構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】シートバックフレームの捩じり構造
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/22 20060101AFI20220225BHJP
   A47C 7/40 20060101ALI20220225BHJP
   B60N 2/68 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
B60N2/22
A47C7/40
B60N2/68
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020040780
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021142774
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2020-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】504183861
【氏名又は名称】宣禹實業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】COMFORDY co., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.22-1, Beishizhou Minghe Village, Shanshang Dist. Tainan City TAIWAN
(73)【特許権者】
【識別番号】593209080
【氏名又は名称】中央可鍛工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596040231
【氏名又は名称】株式会社チューキョー
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】呉玉玲
(72)【発明者】
【氏名】サンダー、アーミン ローランド
(72)【発明者】
【氏名】シャルリエ、シリル ジャン
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-299501(JP,A)
【文献】特開平11-115594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/22
A47C 7/40
B60N 2/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有するシートバックフレームを備えた、シートバックフレームの捩じり構造であって、
前記シートバックフレームは、左右対称に縦向きに設けられた第1の杆部及び第2の杆部と、上下対称に横向きに設けられた第3の杆部及び第4の杆部と、を有し、前記第3の杆部及び前記第4の杆部の両端は、前記第1の杆部及び前記第2の杆部の両端にそれぞれ接続され、
前記第1の杆部、前記第2の杆部、前記第3の杆部及び前記第4の杆部により中空領域が画成され、
前記シートバックフレームの前記第1の杆部及び前記第2の杆部には、第1の弾性当接リブ及び第2の弾性当接リブが一体成形され、
前記第1の弾性当接リブ及び前記第2の弾性当接リブは、前記中空領域に向かって延び、前記第1の弾性当接リブ及び前記第2の弾性当接リブが前記中空領域の左右両側にそれぞれ位置し、
前記第1の弾性当接リブの上下両端は、前記第1の杆部の上縁及び下縁にそれぞれ接続され、前記第2の弾性当接リブの上下両端は、前記第2の杆部の上縁及び下縁にそれぞれ接続され、
前記第1の杆部及び前記第2の杆部が位置する前記第1の弾性当接リブ及び前記第2の弾性当接リブの上下両端の箇所には、前記第1の弾性当接リブ及び前記第2の弾性当接リブの支持部がそれぞれ設けられていることを特徴とする、
シートバックフレームの捩じり構造。
【請求項2】
前記第1の弾性当接リブは、前記第1の杆部の上縁から前記中空領域の中央に向かって傾きながら下方へ延びる第1の下斜め部と、前記第1の杆部の下縁から前記中空領域の中央に向かって傾きながら上方へ延びる第1の上斜め部と、前記第1の下斜め部と前記第1の上斜め部との間に接続され、前記中空領域の中央に向かって弧状突設された第1の湾曲部と、を有し、前記第2の弾性当接リブは、前記第2の杆部の上縁から前記中空領域の中央に向かって傾きながら下方へ延びる第2の下斜め部と、前記第2の杆部の下縁から前記中空領域の中央に向かって傾きながら上方へ延びる第2の上斜め部と、前記第2の下斜め部と前記第2の上斜め部との間に接続され、前記中空領域の中央に向かって弧状突設された第2の湾曲部と、を有することを特徴とする請求項に記載のシートバックフレームの捩じり構造。
【請求項3】
前記シートバックフレームの前記第1の弾性当接リブ及び前記第2の弾性当接リブの下方には、補強リブが設けられ、前記補強リブは、前記中空領域に横設され、前記補強リブの両端には、前記第1の杆部及び前記第2の杆部がそれぞれ接続され、前記第1の弾性当接リブ及び前記第2の弾性当接リブの下端には、前記補強リブがそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項に記載のシートバックフレームの捩じり構造。
【請求項4】
前記シートバックフレームの前記第1の弾性当接リブ、前記第2の弾性当接リブ及び前記第3の杆部の背面には、嵌入溝が長手方向でそれぞれ形成され、シートバックカバーをさらに備え、前記シートバックカバーは、前記シートバックフレームを覆い、前記シートバックカバーの左右両側が前記第1の杆部の前記第1の弾性当接リブの支持部及び前記第2の杆部の前記第2の弾性当接リブの支持部を通って、前記第1の弾性当接リブ及び前記第2の弾性当接リブの背面まで延び、前記第1の弾性当接リブ及び前記第2の弾性当接リブの背面の前記嵌入溝にそれぞれ対応して嵌合され、前記シートバックカバーの上側から前記第3の杆部の背面に至るまで延び、前記第3の杆部の背面の前記嵌入溝に対応して嵌合され、前記シートバックカバーの底側から前記シートバックフレームの前記補強リブの底縁に至るまで延びることを特徴とする請求項に記載のシートバックフレームの捩じり構造。
【請求項5】
シートバックカバーをさらに備え、前記シートバックカバーは、シートバックフレームを覆うとともに、ネットカバー又は布カバーであることを特徴とする請求項1に記載のシートバックフレームの捩じり構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートバックフレームの捩じり構造に関し、特に、使用者が身体を捩じったとき、それに伴ってシートバックフレームに捩じり動作が発生するため、ユーザの背中がその上に密着され、座り心地が良いシートバックフレームの捩じり構造に関する。
【背景技術】
【0002】
椅子に座る者は背中をシートバックにもたせかけるが、硬いシートバックプレートに背中を直接もたせかけると、背中に痛みを感じて体の調子が悪くなることがあった。そのため、硬いシートバックプレートの表面にクッションを取付けて、シートバックに弾力性を持たせると、硬くて不快に感じることはないものの、クッションの弾力性に限界がある上、シートバックプレートに取付けることで、リクライニング角度が制限を受け、座ったときの姿勢を変えるために体を捻っても、使用者の捻った体に対応して捻る動作が発生しないため、使用者が左右に体を捻ったときに、使用者の背中の一側がシートバックから離れてしまい、支えることができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、使用者が身体を捩じったときに、それに伴ってシートバックフレームに捩じり動作が発生するため、ユーザの背中がその上に密着され、座り心地が良いシートバックフレームの捩じり構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、可撓性を有するシートバックフレームを備えた、シートバックフレームの捩じり構造であって、前記シートバックフレームは、左右対称に縦向きに設けられた第1の杆部及び第2の杆部と、上下対称に横向きに設けられた第3の杆部及び第4の杆部と、を有し、前記第3の杆部及び前記第4の杆部の両端は、前記第1の杆部及び前記第2の杆部の両端にそれぞれ接続され、前記第1の杆部、前記第2の杆部、前記第3の杆部及び前記第4の杆部により中空領域が画成され、前記シートバックフレームの前記第1の杆部及び前記第2の杆部には、第1の弾性当接リブ及び第2の弾性当接リブが一体成形され、前記第1の弾性当接リブ及び前記第2の弾性当接リブは、前記中空領域に向かって延び、前記第1の弾性当接リブ及び前記第2の弾性当接リブが前記中空領域の左右両側にそれぞれ位置することを特徴とする、シートバックフレームの捩じり構造を提供する。
【発明の効果】
【0005】
本発明のシートバックフレームの捩じり構造は、使用者が身体を捩じったときに、それに伴って捩じり動作が発生するため、ユーザの背中がその上に密着し、座り心地が良い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態に係るシートバックフレームの捩じり構造を示す正面斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るシートバックフレームの捩じり構造を示す背面斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るシートバックフレームの捩じり構造を示す横断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係るシートバックフレームの捩じり構造の使用状態の斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係るシートバックフレームの捩じり構造の使用状態の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1及び図2を参照する。図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係るシートバックフレームの捩じり構造は、少なくともシートバックフレーム1から構成されてなる。シートバックフレーム1は、可撓性を有する。シートバックフレーム1は、ポリプロピレンからなるとともに、左右対称に縦向きに設けられた第1の杆部11及び第2の杆部12と、上下対称に横向きに設けられた第3の杆部13及び第4の杆部14と、を有する。第3の杆部13及び第4の杆部14の両端は、第1の杆部11及び第2の杆部12の両端にそれぞれ接続される。第1の杆部11、第2の杆部12、第3の杆部13及び第4の杆部14により中空領域15が画成される。第4の杆部14の前側中央部には、椅子組立部141が延設される。
シートバックフレーム1の第1の杆部11及び第2の杆部12には、互いに対をなす第1の弾性当接リブ16及び第2の弾性当接リブ17が一体成形される。第1の弾性当接リブ16及び第2の弾性当接リブ17は、中空領域15の左右両側にそれぞれ位置する。第1の弾性当接リブ16は、第1の杆部11の上縁から中空領域15の中央に向かって傾きながら下方へ延びる第1の下斜め部161と、第1の杆部11の下縁から中空領域15の中央に向かって傾きながら上方へ延びる第1の上斜め部162と、第1の下斜め部161と第1の上斜め部162との間に接続され、中空領域15の中央に向かって弧状突設された第1の湾曲部163と、を有する。第2の弾性当接リブ17は、第2の杆部12の上縁から中空領域15の中央に向かって傾きながら下方へ延びる第2の下斜め部171と、第2の杆部12の下縁から中空領域15の中央に向かって傾きながら上方へ延びる第2の上斜め部172と、第2の下斜め部171と第2の上斜め部172との間に接続され、中空領域15の中央に向かって弧状突設された第2の湾曲部173と、を有する。
第1の弾性当接リブ16及び第2の弾性当接リブ17は、中空領域15の中央に向かって弧状突設される。第1の杆部11及び第2の杆部12が位置する第1の弾性当接リブ16及び第2の弾性当接リブ17の上下両端の箇所には、第1の弾性当接リブ16及び第2の弾性当接リブ17の支持部111,121がそれぞれ設けられる。第1の弾性当接リブ16及び第2の弾性当接リブ17の下方には、補強リブ18が設けられる。補強リブ18は、中空領域15に横設され、補強リブ18の左右両端には、第1の杆部11及び第2の杆部12がそれぞれ接続され、第1の弾性当接リブ16及び第2の弾性当接リブ17の下端には、補強リブ18の左右両側がそれぞれ接続される。
図3を併せて参照する。図3に示すように、本発明の一実施形態に係るシートバックフレームの捩じり構造は、シートバックカバー2をさらに備える。シートバックカバー2は、複数の網孔が形成されたネットカバーでもよい。シートバックカバー2は、シートバックフレーム1を覆い、シートバックカバー2の左右両側は、第1の杆部11及び第2の杆部12の支持部111,121を通って張設され、第1の弾性当接リブ16及び第2の弾性当接リブ17の背面まで延ばされ、第1の弾性当接リブ16及び第2の弾性当接リブ17の背面に長手方向で形成された第1の嵌入溝164及び第2の嵌入溝174が対応して嵌合され、シートバックカバー2の上側から第3の杆部13の背面まで延びる。第3の杆部13の背面には、その長手方向に第3の嵌入溝131が形成され、シートバックカバー2の上側が第3の嵌入溝131中に嵌合され、シートバックカバー2の底側がシートバックフレーム1の補強リブ18の底縁まで延びる。
【0008】
本発明のシートバックフレーム1が組み立てられた椅子に使用者が座り、背中をシートバックフレーム1へもたせかけると、背中がシートバックカバー2を介してシートバックフレーム1の第1の弾性当接リブ16及び第2の弾性当接リブ17に接触される。これにより、使用者が身体を捻ってストレッチする際、体を右側に捻って右側の背中が後方へ移動すると、左側の背中が前方へ移動し、使用者の身体右側の背中を後方へ移動させる場合、図4及び図5に示すように、シートバックフレーム1の第1の弾性当接リブ16が後方に押圧され、第1の弾性当接リブ16及び第2の弾性当接リブ17と接続した第3の杆部13などの連動により、シートバックフレーム1の第2の弾性当接リブ17が相対的に前方へ移動し、使用者の左側の背中に密着される。
第1の杆部11及び第2の杆部12の支持部111、121は、第1の弾性当接リブ16及び第2の弾性当接リブ17の上下両端の支持作用により、第1の弾性当接リブ16及び第2の弾性当接リブ17を適切な弾性変形量に維持して曲がり過ぎることを防ぎ、使用者の背中をもたせかけたときの快適性を高めることができる。また、使用者が身体を左側に捻る際、左側の背中を後方へ移動させると、右側の背中が前方へ移動し、使用者の身体左側の背中が後方へ移動し、シートバックフレーム1の第2の弾性当接リブ17を後方へ押圧すると、第1の弾性当接リブ16及び第2の弾性当接リブ17に接続した第3の杆部13などと連動し、シートバックフレーム1の第1の弾性当接リブ16が前方へ移動し、使用者の身体右側の背中に密着する。このように、本発明のシートバックフレーム1は、使用者が身体を捻ると、捻りの弾性設計に対応し、使用者が椅子に座って身体を捻ってストレッチしても、背中をシートバックフレーム1へ密着させ続けることができる。
【0009】
使用者の背中を本発明のシートバックフレーム1に寄り掛からせると、身体の熱がネットカバーのシートバックカバー2上に形成された網孔を介し、シートバックフレーム1の中空領域15から排出されるため、使用者が本発明のシートバックフレーム1に寄り掛かったときの通気性を高めて快適度を高めることができる。このため、従来のように椅子のシートバックに一定時間寄りかかった後に、背中が暑苦しくなり、汗が流れてしまうことを防ぐ。
【0010】
前述した実施形態又は図面は本発明のシートバックフレームの捩じり構造の実施形態を制限するわけではなく、シートバックカバー2は、ネットカバー以外に布カバーでもよく、布カバーは、布体の内面に一層の発泡体が接続されて構成されてもよい。
【符号の説明】
【0011】
1 シートバックフレーム
2 シートバックカバー
11 第1の杆部
12 第2の杆部
13 第3の杆部
14 第4の杆部
15 中空領域
16 第1の弾性当接リブ
17 第2の弾性当接リブ
18 補強リブ
111 支持部
121 支持部
131 第3の嵌入溝
141 椅子組立部
161 第1の下斜め部
162 第1の上斜め部
163 第1の湾曲部
164 第1の嵌入溝
171 第2の下斜め部
172 第2の上斜め部
173 第2の湾曲部
174 第2の嵌入溝
図1
図2
図3
図4
図5