(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220225BHJP
【FI】
A63F5/04 511G
(21)【出願番号】P 2017252647
(22)【出願日】2017-12-27
【審査請求日】2020-09-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 友浩
【審査官】西岡 貴央
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-328350(JP,A)
【文献】特開2009-289565(JP,A)
【文献】特開2011-239896(JP,A)
【文献】特開2012-161343(JP,A)
【文献】特開2010-227418(JP,A)
【文献】特開2008-119209(JP,A)
【文献】特開2016-154668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光源と、前記発光源の近傍に配置され、前記発光源を識別可能にする識別表示と、を複数有
し、リールの内側から光を照射する
バックライト基板と、
前記発光源を露出させる開口が複数形成されたリフレクタと、を備え、
前記識別表示は、番号識別表示と向き識別表示とを含み、
前記開口から前記発光源及び前記識別表示の全体が露出するようにしている、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、抽選や遊技価値の付与等に関する制御を実行する制御基板や、発光することで遊技を盛り上げる演出を実行する電飾基板等の、回路基板を備えるパチンコ機やスロットマシン等の遊技機が知られている。この種の遊技機において、回路基板上の電子部品や配線を保護するために、回路基板の端面や前後をカバーで覆ったものが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機は、分解することなく、基板の番号識別表示や向き識別表示を識別することについては開示されていない。
【0005】
そこで、本発明は、バックライト基板とリフレクタとを分解することなく、バックライト基板の番号識別表示や向き識別表示を識別することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、発光源と、前記発光源の近傍に配置され、前記発光源を識別可能にする識別表示と、を複数有し、リールの内側から光を照射するバックライト基板と、
前記発光源を露出させる開口が複数形成されたリフレクタと、を備え、
前記識別表示は、番号識別表示と向き識別表示とを含み、
前記開口から前記発光源及び前記識別表示の全体が露出するようにしている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、バックライト基板とリフレクタとを分解することなく、バックライト基板の番号識別表示や向き識別表示を識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態における遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態におけるマックスベットボタンユニットを示す断面図である。
【
図3】本実施形態における上部ランプユニットの正面図である。
【
図4】本実施形態における上部ランプユニットを前方から視た分解斜視図である。
【
図5】本実施形態における上部ランプユニットを示す
図3におけるA-A断面図である。
【
図6】本実施形態における発光装置の正面図である。
【
図7】本実施形態における発光装置を後方から視た分解斜視図である。
【
図8】本実施形態における発光基板を示す図で、(a)は発光基板の正面図、(b)はD部を示す拡大図、(c)はE部を示す拡大図である。
【
図9】本実施形態における発光装置を示す図で、(a)は
図6におけるB-B断面図、(b)は
図6におけるC-C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施の形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。更に、以下の説明において基本的に「前後」とは、遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とは遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技機を遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0011】
1.遊技機の全体構成
まず、本発明の実施の形態に係る遊技機としてのスロットマシン1の全体構成について
図1に基づいて説明をする。本実施の形態に係るスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
図1に示すように、スロットマシン1は、6面体構造のうち遊技者に対向する前面が開口した筐体10を備えていると共に、この開口した筐体10の前面を開閉可能な前扉50により被覆して構成されている。また、筐体10の内部には、複数の回転リールとしての第1リールR1~第3リールR3を備えたリールユニットRE、リールユニットREの下部に配置されたメダルの払出装置としてのホッパーユニット(不図示)、及びリールユニットREの上部に配置され、遊技を実行するための各種の演算を行うと共にリールユニットREやホッパーユニットの動作を制御する制御基板(不図示)が収められている。
【0012】
第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ円筒状に形成されていると共に、外周面が一定の間隔で21の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1~第3リールR3は、スポークやハブを有するリールホイールを介して、リールを駆動させるアクチュエータとしての第1ステッピングモータ~第3ステッピングモータに軸支されている。第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ左右方向に延びるステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。
【0013】
また、リールユニットREは、筐体10に固定されていると共に、第1ステッピングモータ~第3ステッピングモータを支持するリール枠(不図示)と、リール枠に固定されて第1リールR1~第3リールR3を内部から前方へ向けて照明するバックライト基板(不図示)と、リール枠に固定されて第1リールR1~第3リールR3とバックライト基板との間に配置されているバックライトリフレクタ(不図示)と、を有する。なお、バックライト基板はリール枠に直接固定されているものに限定されない。バックライト基板は、例えば、バックライトリフレクタに直接固定されて、リール枠に対して間接的に固定されていてもよい。
【0014】
バックライト基板は、第1リールR1を後方から照明する第1バックライト基板、第2リールR2を後方から照明する第2バックライト基板、及び第3リールR3を後方から照明する第3バックライト基板からなる。第1バックライト基板~第3バックライト基板は、それぞれ上辺、下辺、左辺及び右辺を有する略長方形に形成されており、円筒状に形成されている第1リールR1~第3リールR3の内部の空間に表面が前方やや上向きとなるように起立して配置されている。第1バックライト基板~第3バックライト基板は、発光源として、それぞれ各バックライト基板の表面の上部に設置されている上段LED、各バックライト基板の表面の下部に設置されている下段LED、及び各バックライト基板の表面の上段LEDと下段LEDとの間に設置されている中段LEDと、を有する。
【0015】
バックライトリフレクタは、第1バックライト基板と第1リールR1の内周面との間の空間に第1バックライト基板の表面に対向して配置されている第1リフレクタと、第2バックライト基板と第2リールR2の内周面との間の空間に第2バックライト基板の表面に対向して配置されている第2リフレクタと、第3バックライト基板と第3リールR3の内周面との間の空間に第3バックライト基板の表面に対向して配置されている第3リフレクタと、からなる。第1リフレクタ~第3リフレクタは、光を反射しやすい材料、例えば白色の合成樹脂により形成されていると共に、それぞれ有底で前方が開放する箱状に形成されており、対向する第1バックライト基板~第3バックライト基板のいずれかと略同サイズの長方形に形成されて各バックライト基板に対向する底板と、底板の上端から前方に延出して前端が対応する第1リールR1~第3リールR3のいずれかに近接する上板と、底板の下端から前方に延出してする前端が対応する第1リールR1~第3リールR3のいずれかに近接する下板と、上板の左端及び下板の左端を接続する左板と、上板の右端及び下板の右端を接続する右板と、を有している。
【0016】
底板には、上段LED~下段LEDのそれぞれに対応する位置に配置され、上段LEDを露出させる上段開口、中段LEDを露出させる中段開口、及び下段LEDを露出させる下段開口が形成されており、底板、上板、下板、左板及び右板により周囲の空間と仕切ることで、上段LED~下段LEDからの光を第1リールR1~第3リールR3の内周面に案内する導光空間を形成している。導光空間は、上段開口と中段開口との間、及び中段開口と下段開口との間の、それぞれに配置されている仕切板により仕切られており、上段LEDからの光を第1リールR1~第3リールR3の内周面に案内する上段導光空間、中段LEDからの光を第1リールR1~第3リールR3の内周面に案内する中段導光空間、及び下段LEDからの光を第1リールR1~第3リールR3の内周面に案内する下段導光空間が形成されている。バックライトリフレクタは、上述のように構成されて、バックライト基板に設置されている上段LED~下段LEDからの光を反射して、上段導光空間~下段導光空間により前方、すなわち第1リールR1~第3リールR3の内周面へ向けて上段LED~下段LEDからの光を案内すると共に、上段導光空間と中段導光空間との間及び中段導光空間と下段導光空間との間における光漏れや、第1リフレクタと第2リフレクタとの間における光漏れ及び第2リフレクタと第3リフレクタとの間における光漏れ、リールユニットREの外部への光漏れを防ぐように構成されている。
【0017】
前扉50は、上扉ユニット50Uと、下扉ユニット50Lとに上下に分割して構成されており、上扉ユニット50Uは、その中央部から上方部に亘って大型の液晶からなる表示装置52が設けられていると共に、表示装置52の下方には、バックライト基板と略平行となるように表面が前方やや上向きとなるように起立して配置され、第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓51が設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓51を通じて観察できるようになっている。また、第1リールR1の上段図柄が第1バックライト基板の上段LEDに、第1リールR1の中段図柄が第1バックライト基板の中段LEDに、第1リールR1の下段図柄が第1バックライト基板の下段LEDに、第2リールR2の上段図柄が第2バックライト基板の上段LEDに、第2リールR2の中段図柄が第2バックライト基板の中段LEDに、第2リールR2の下段図柄が第2バックライト基板の下段LEDに、第3リールR3の上段図柄が第3バックライト基板の上段LEDに、第3リールR3の中段図柄が第3バックライト基板の中段LEDに、第3リールR3の下段図柄が第3バックライト基板の下段LEDに、それぞれ照明されるように構成されている。
【0018】
また、本実施形態のスロットマシン1では、各リールの上段・中段・下段の表示位置の組合せ(例えば中段1列)によって有効ラインLfが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1~第3リールR3の中段によって構成される有効ラインLfが有効化される。
【0019】
前扉50の下扉ユニット50Lには、演出用の絵柄などを表示する下パネル55が設けられていると共に、下パネル55の上方には各種の操作手段が設けられている操作部65が配置されている。操作部65は、各種の操作手段と、各種の操作手段を支持する操作ベース66と、を有して、スロットマシン1の左端部から右端部に亘って形成されている。操作部65は、操作ベース66の上面部66aに、操作手段として、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段としての、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットを実行するマックスベットボタンユニットMBなどが配置されており、操作ベース66の前面部66bに、操作手段として、第1リールR1~第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、第1ステッピングモータ~第3ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3などが配置されている。
【0020】
更に、下扉ユニット50Lには、遊技者がメダルを投入するメダル投入口56が設けられており、このメダル投入口56から投入されたメダルは、下扉ユニット50Lの裏側に設けられたセレクタ(不図示)によってカウントされてホッパーユニットへと案内されるようになっている。本実施の形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口56に投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、シングルベットボタンBTを規定投入数と同じ回数押下する操作又はマックスベットボタンユニットMBを押下する操作を行うことで、第1リールR1~第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下、つまり遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、制御基板において乱数値を用いた内部抽選が行われた後に第1リールR1~第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させ、第1リールR1~第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3の押下操作が許可、即ちストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3による停止操作が有効化される。
【0021】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3を押下(以下、「押下タイミング」と記載)し、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3を解放状態にすると、ストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3のそれぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板(不図示)へ出力するリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
【0022】
そして、制御基板は、ストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1~第3リールR3を停止させる。
【0023】
また、制御基板は、第1リールR1~第3リールR3を停止させた後に、有効ラインLf上に停止している図柄の組合せに応じて、各種処理を実行する。制御基板が実行する各種処理としては、例えば、有効ラインLf上に停止している図柄の組合せが複数種類の役のうちメダルの払い出しを伴う小役の図柄組合せである場合、即ち小役が入賞した場合に、入賞した小役に設定されている配当に基づきホッパーユニットからメダルを払い出す払出処理や、有効ラインLf上に停止している図柄の組合せが遊技者にメダルを消費させることなく1回の遊技を実行可能にするリプレイの図柄組合せである場合に、今回の遊技における規定投入数のメダルを投入状態に設定するリプレイ処理等がある。
【0024】
また、下扉ユニット50Lの下部にはメダル受け皿60が設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口からメダル受け皿60へ払い出されるようになっている。更に、例えば、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンが押下された場合、精算ボタンの押下に伴ってホッパーユニットからクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口からメダル受け皿60へメダルを払い出す。
【0025】
上扉ユニット50Uは、正面視において上扉ユニット50Uと略同じ大きさのベース部材53を有している。ベース部材53には、遊技を盛り上げるための音響装置(不図示)、スロットマシン1を装飾すると共に発光する演出を行う電飾装置75,76L,76R,77,78、演出用の可動役物71、及び上述した表示装置52など、上扉ユニット50Uを構成する複数の装飾部材や演出装置、演出装置を制御する副制御基板(不図示)等が支持されている。具体的には、表示装置52の前面には、可動役物としてシャッタ装置71が設けられており、遊技の進行に応じて左右のシャッタ(可動部材)71L,71Rを移動(開閉)させて表示装置52の画面を遮蔽させたり露出させたりすることができるようになっている。
【0026】
また、電飾装置として、表示装置52の上方には上部ランプユニット75が設けられていると共に、表示装置52の左右側方には、サイドランプユニット76L,76Rが設けられている。更に、リールユニットREの図柄を観察する表示窓51の左右側方には、演出用の図柄を発光させるランプ装置77及び演出時に発光したり遊技者が操作を行ったりする演出ボタンSBが設けられている。また、表示装置52の下方には、ベース部材53に固定されているナビランプユニット78が設けられている。これら上部ランプユニット75及びサイドランプユニット76L,76R及びナビランプユニット78は、遊技に合わせて点灯して演出用の照明装置として機能したり、遊技に係る情報を遊技者に報知する報知装置として機能したりする。
【0027】
次に、
図2を参照して、マックスベットボタンユニットMB及びストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3について説明をする。マックスベットボタンユニットMBは、押しボタン部90と、摺動支持部93と、付勢手段としてのボタンばね94と、マックスベットスイッチとしてのスイッチ部95と、を有している。
【0028】
摺動支持部93は、操作部65(
図1参照)に固定されており、押しボタン部90を、押圧されていない状態である初期位置としての解除位置と押圧された押圧位置との間で、上下方向に摺動自在に支持している。ボタンばね94は、押しボタン部90を押圧方向である下方と逆の方向、すなわち上方へ付勢している。スイッチ部95は、透過型のフォトインタラプタであり、制御基板に電気的に接続されるコネクタ95aと、発光部95bと、図示しない受光部と、を有している。スイッチ部95は、押しボタン部90が押圧方向へ摺動して、押しボタン部90の遮光部91aが発光部95bからの光を遮光した際に、制御基板へ検知信号を出力するように構成されている。押しボタン部90は、遮光部91aを有するボタン本体91と、ボタン本体91に固定されてボタン本体91の上部を覆う装飾部92と、を備えており、遊技が行われる際に遊技者により押圧操作されて、スイッチ部95に検知信号を出力させる。なお、以下の記載において、押しボタン部90が解除位置から押圧方向へ摺動して、スイッチ部95に検知信号を出力させない状態から検知信号を出力させる状態となる押しボタン部90の位置を、動作位置とも記載する。マックスベットボタンユニットMBを押圧操作する際に遊技者の指が触れる面、すなわち装飾部92の操作面92aは、左右方向の大きさが大人の標準的な指の太さ2本分より十分に大きな値、例えば約40mmとなるように形成されて、遊技者により複数本の指で押圧操作されるように構成されている。
【0029】
動作位置は、解除位置から押圧位置まで間のいずれかの位置となるように設定されている。仮に、解除位置と動作位置との距離が小さく設定されている場合、ボタンばね94の経年劣化等による付勢力の低下や、埃等の挟み込み、振動、部品寸法のばらつき等により、遊技者の押圧操作によらず、押しボタン部90がスイッチ部95に検知信号を出力させてしまう虞がある。また、動作位置と押圧位置との距離が小さく設定されている場合、埃等の挟み込み、部品寸法のばらつき等により、遊技者が押圧操作を行っても、押しボタン部90がスイッチ部95に検知信号を出力させられない虞がある。このため、動作位置は、解除位置から、遊技者の押圧操作によらず押しボタン部90がスイッチ部95に検知信号を出力させる虞がある位置までの第1の範囲、及び遊技者が押圧操作を行っても押しボタン部90がスイッチ部95に検知信号を出力させられない虞がある位置から、押圧位置までの第2の範囲を除く動作位置設定可能範囲に位置するように設定されている。例えば、第1の範囲は、解除位置から押圧方向へ0.5mm離間する位置までの範囲、第2の範囲は押圧位置から押圧方向とは反対の方向へ0.5mm離間する位置までの範囲となっている。
【0030】
また、解除位置と押圧位置との距離Lが大きい場合、動作位置設定可能範囲も大きくなり、動作位置を動作位置設定可能範囲内で自由に設定することができるが、一般に、解除位置と押圧位置との距離Lを大きく設定すると、操作性が低下して押圧操作により遊技者が疲労を感じる虞がある。また、設計段階で想定した動作位置と、製品を操作して実際に検知信号が出力される動作位置とは、部品寸法のばらつき等により、例えば、±0.2mmの誤差が生じる。このため、解除位置と押圧位置との距離Lを、第1の範囲及び第2の範囲と比較して十分に大きく確保できない場合は、動作位置は、解除位置と押圧位置との中央位置に設定されていることが望ましい。
【0031】
具体的には、本実施形態のマックスベットボタンユニットMBは、押しボタン部90が、解除位置から押圧方向へ約1mm摺動した際に押しボタン部90が動作位置に到達し、遮光部91aにより発光部95bからの光を遮光し、解除位置から押圧方向へ約2mm摺動した際に押圧位置に到達して、押しボタン部90が摺動支持部93に形成されている規制面93aに当接して、更なる押圧方向への移動が規制されるように構成されている。
【0032】
なお、ストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3の構成は、マックスベットボタンユニットMBの構成に対して、押圧方向が後方(押しボタン部90の摺動する方向が前後方向)であること、装飾部92の大きさ及び動作に必要な力が異なるのみで、他の構成はマックスベットボタンユニットMBと同様であるため、ストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3の構成についての説明を省略する。なお、ストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3の装飾部92の操作面92aは、左右方向の大きさがマックスベットボタンユニットMBの装飾部92の操作面92aより小さな値、例えば約30mmとなるように形成されてかつマックスベットボタンユニットMBの装飾部92の操作面92aより小さな面積となるように形成されて、遊技者により1本の指で押圧操作されるように構成されている。
【0033】
マックスベットボタンユニットMB及びストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3は、上述のように構成されていることにより、ボタンばね94の経年劣化や、埃等の挟み込み、振動、それぞれの部品寸法のばらつき等を許容して、遊技者の押圧によって確実にマックスベットスイッチやストップスイッチとしてのスイッチ部95がオン動作、すなわち検知信号を出力するように構成されている。
【0034】
また、マックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力、すなわちボタンばね94の付勢力に抗してマックスベットボタンユニットMBの押しボタン部90を動作位置に保持する力は、ストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3の動作に必要な力、すなわちボタンばね94の付勢力に抗してストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3の押しボタン部90を動作位置に保持する力より、大きい値となるように設定されている。具体的には、マックスベットボタンユニットMBの押しボタン部90を動作位置に保持するには、マックスベットボタンユニットMBのボタンばね94の付勢力に抗して、約1.0N(ニュートン)の力を要するように構成されている。また、ストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3の押しボタン部90を動作位置に保持するには、ストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3のボタンばね94の付勢力に抗して、約0.7N(ニュートン)の力を要するように構成されている。
【0035】
これにより、遊技者が手の重さを利用して複数本の指で押圧可能なマックスベットボタンユニットMBの押しボタン部90を押圧する際には、遊技者に対して適度に大きな操作力を要求し、マックスベットボタンユニットMBを操作したことを遊技者が認識しやすくすると共に、遊技者が手の重さを利用せずに1本の指で押圧するストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3の押しボタン部90を押圧する際には、遊技者が比較的に軽い力で操作可能とし、遊技者の疲労を軽減するように構成されている。また、このように構成されている場合、特に遊技者が長時間遊技を行う際における疲労軽減効果が大きい。また、このように、本実施形態のスロットマシン1では、押圧操作されるボタンの装飾部92の操作面92aの、左右方向の大きさや面積が大きいほど、ボタンの動作に必要な力が大きくなるように構成されている。
【0036】
2.上部ランプユニットの構成
次に、
図3乃至
図5を参照して、上部ランプユニット75の構成を説明する。上部ランプユニット75は、上部ランプベース80と、上レンズ82(第3部材)と、下レンズ81(第2部材)と、仕切り部材83(第1部材)と、発光装置40と、を有する。上部ランプベース80は、ベース部材53に固定されている。下レンズ81は、透光性の透光材料で形成され、正面視において上レンズ82に対して下方に隣接して配置されると共に上部ランプベース80に固定されて、前方に向く下レンズ透光面81aを有している。
【0037】
仕切り部材83は、上部ランプベース80に固定され、上レンズ82と下レンズ81との間に配置されている仕切り板83aを有している。仕切り板83aは、前後方向に延びて、下レンズ81の第2対向面81cに対向する第1対向面83cを有している。仕切り部材83は、遮光性の遮光材料で形成され、第2対向面81cの面方向の一方側である下方側に下レンズ81との間で第1空間S1を形成し、第2対向面81cの他方側である上方側であって、仕切り板83aにおける第1対向面83cとは反対側に上レンズ82との間で第2空間S2を形成し、仕切り板83aにより第1空間S1と第2空間S2との間を遮光している。仕切り板83aは、下レンズ81の上端に沿って左右方向に延び、第2対向面81cよりも第1空間S1の内部に突出する突出リブ83b(突出部)を有している。突出リブ83bは、下レンズ透光面81aより後方に配置されている。
【0038】
上レンズ82は、透光性の透光材料で形成され、上部ランプベース80に固定されて、前方に向く上レンズ透光面82aを有している。上レンズ透光面82aの下端は、第2対向面81cの面方向の上方側にあって、仕切り部材83の前端部を覆う覆い部82bを形成している。覆い部82bは、下レンズ81を露出させるように第1対向面83cまで下方へ延びて形成されており、正面視において、上レンズ82の下端と下レンズ81の上端が隣接すると共に、覆い部82bにより覆われて仕切り部材83が直視されないように構成されている。また、上レンズ82の下端は、下レンズ81の上端に対して前後方向に離間して配置されている。発光装置40は、上レンズ82及び下レンズ81の後方に配置されて、上部ランプベース80に固定されている。発光装置40は、複数のLED31,32(発光源)を有しており、上レンズ82の後方に配置されているLED31が発光することにより、上レンズ透光面82aに向けて第2空間S2へ光を照射可能に構成されていると共に、下レンズ81の後方に配置されているLED32が発光することにより、下レンズ透光面81aに向けて第1空間S1へ光を照射可能に構成されている。
【0039】
3.発光装置の構成
次に、
図6乃至
図9を参照して、発光装置40の構成を説明する。発光装置40は、前方に向けて配置されて前面30a(第1面、表面)に複数のLED31,32が設置されていると共に後面30b(第2面)にコネクタ33が設置されている発光基板30と、発光基板30の前面30aに対向して配置されているリフレクタ41(対向部材)と、発光基板30の後方に配置されて発光基板30の後面30bを保護する基板カバー42と、を有している。
【0040】
リフレクタ41は、上部ランプベース80に固定されており、複数のLED31,32を露出させるように形成されている複数のLED孔41a(開口)を有している。また、リフレクタ41は、遮光性を有すると共に光を反射しやすい材料、例えば白色の合成樹脂で形成され、LED孔41aの周囲に、LED孔41aから露出させているLED31,32の光を前方へ向けて反射する反射面41bを有している。反射面41bは、互いに隣接する2つのLED孔41aの間に配置されて、それぞれのLED孔41aから露出させているLED31,32の間を遮光している。
【0041】
リフレクタ41は、発光基板30の前面30a、具体的には前面30aに形成されている後述するコネクタ非配線部30gに向けて延出する円柱状に形成されて、発光基板30に当接する複数の当接突起部41d,41e(当接部)を有している。複数の当接突起部41d,41eには、発光基板30の前面30aに直交する方向視においてコネクタ33と重なる位置に配置されているコネクタ突起部41dと、発光基板30の周縁部付近に配置されている周縁突起部41eと、が含まれている。
【0042】
発光基板30は、発光することにより第1空間S1(
図5参照)に光を照射する複数の下部LED32と、下部LEDの上方に配置されている下部LED32とは異なる種類のLEDであり、発光することにより第2空間S2(
図5参照)に光を照射する複数の上部LED31と、を有している。下部LED32は、下部LED32の向きを識別可能な識別部32cを有しており、複数の下部LED32が全て同じ向きとなるように発光基板30に設置されている。また、上部LED31は、上部LED31の向きを識別可能な識別部31cを有しており、上部LED31が全て同じ向きとなるように発光基板30に設置されている。
【0043】
発光基板30は、設置されている各LED31,32のそれぞれに付与されている固有番号を識別可能にするLED番号識別表示31a,32a(識別表示)と、各LED31,32が設置される正しい向きを識別可能とするLED向き識別表示31b,32bと、が、各LED31,32のそれぞれの前面30aにおける近傍に印刷されている。LED番号識別表示31a,32aは、部品の種類を識別させる表示、例えば、「LED」の文字と、部品が設置される位置を識別させる表示、例えば「LED」の文字に隣接する数字、具体的には各LED31,32のそれぞれに連番で付与されている固有番号と、からなり、例えば、各LED31,32のそれぞれの近傍に、LED1、LED2、LED3、・・・LEDnと印刷されている。LED向き識別表示31b,32bは、例えば、各LED31,32のそれぞれの近傍に配置されて所定の向きを示す表示であり、各LED31,32が設置される正しい向きを識別可能に前面30aに印刷されている。作業者は、LED向き識別表示31b,32bと、各LED31,32の識別部31c,32cと、を比較することにより、設置されているLED31,32が正しい向きに配置されているか否かを識別することができるように構成されている。
【0044】
下部LED32に対応するLED番号識別表示32a及びLED向き識別表示32bは、全て同じ向きとなるように印刷されている。また、上部LED31に対応するLED番号識別表示31a及びLED向き識別表示31bは、全て同じ向きとなるように印刷されている。LED番号識別表示31a,32a及びLED向き識別表示31b,32bは、LED孔41aから露出するように配置されている。
【0045】
このように構成されていることにより、例えば、作業者が発光装置40の検査を行う際に、発光装置40を分解することなく、発光基板30に設置されている各LED31,32の固有番号や各LED31,32が正しい向きに設置されているか否かを識別することができるように構成されている。また、複数の下部LED32は全てが同じ向きに設置されていると共に下部LED32に対応するLED番号識別表示32a及びLED向き識別表示32bも全て同じ向きに印刷され、複数の上部LED31は全てが同じ向きに設置されていると共に上部LED31に対応するLED番号識別表示31a及びLED向き識別表示31bも全て同じ向きに印刷されているので、少なくとも同種のLED、すなわち、複数の下部LED32、及び複数の上部LED31を、それぞれ検査する際に、作業者が各LED31,32の固有番号や各LED31,32が正しい向きに設置されているか否かを識別する際の視認性を向上している。
【0046】
発光基板30は、各LED31,32へ電力を供給する配線等の配線が形成されている配線部30eと、配線が形成されていない非配線部30f,30gとを、前面30aに有している。具体的には、発光基板30は、発光基板30の前面30aに直交する方向視においてコネクタ33と重なる前面30aの領域30hに形成されているコネクタ非配線部30gと、発光基板30の周縁に形成されている周縁非配線部30fと、を有し、発光基板30の前面30aにおいてコネクタ非配線部30g及び周縁非配線部30fのいずれでもない部分は、配線部30eとなっている。配線部30e及び非配線部30f,30gは、リフレクタ41の当接突起部41d,41eが非配線部30f,30gと当接し、リフレクタ41の当接突起部41d,41eが配線部30eとは当接しないように、配置されている。具体的には、コネクタ非配線部30gはコネクタ突起部41dと当接するように配置され、周縁非配線部30fは周縁突起部41eと当接するように配置され、配線部30eはいずれの当接突起部41d,41eにも当接しないように配置されている。発光基板30は、コネクタ33に対し後面30bに交差する方向に挿抜可能で、コネクタ33と電気的に接続されている配線ケーブル45を介して、制御基板から各LED31,32を発光させるための電力の供給を受けている。
【0047】
基板カバー42は、発光基板30の後方からリフレクタ41に固定されており、発光基板30を基板カバー42とリフレクタ41とにより挟んで支持している。基板カバー42には、コネクタ33が貫通するコネクタ孔42aが形成されており、基板カバー42がリフレクタ41に固定されている状態でコネクタ33に対して配線ケーブル45を挿抜可能に構成されている。このように構成されていることにより、例えば作業者がコネクタ33に配線ケーブル45を挿入する際、発光基板30の後面30bと交差する方向に発光基板30へ外力が加わった場合であっても、コネクタ突起部41dがコネクタ非配線部30gに当接していることにより、発光基板30に曲げ応力が発生して発光基板30が破損することや、リフレクタ41と当接して発光基板30の前面30aに形成されている配線が傷つくことの防止を図っている。
【0048】
4.本実施形態のまとめ
以上のように、本実施形態のスロットマシン1は、第1面に直交する方向視においてコネクタ33と重なる発光基板30の前面30aの領域30hに形成されたコネクタ非配線部30gに当接可能なコネクタ突起部41dを有しているので、発光基板30のコネクタ33に配線ケーブル45を接続する際等、発光基板30の後面30bと交差する方向に外力が加わる場合に、当該外力による発光基板30の変形を低減し、配線の保護及び発光基板30の破損の防止を図ることができる。
【0049】
5.変形例
本実施形態において、コネクタ突起部41dは、発光基板30の前面30aに直交する方向視においてコネクタ33と重なる領域30hで発光基板30と当接するように構成されているが、これに限定されない。コネクタ突起部41dは、発光基板30の前面30aに直交する方向視においてコネクタ33と重なる領域30hの近傍で当接するように構成されていればよい。コネクタ突起部41dと発光基板30の前面30aとが当接する位置は、好ましくは、上記領域30hから50mm以内の位置であり、更に好ましくは、上記領域30hから10mm以内の位置である。
【0050】
また、本実施形態において、当接突起部41d,41eは、非配線部30f,30gに当接しているように構成されているが、これに限定されない。当接突起部41d,41eは、発光基板30の前面30aに近接して配置され、発光基板30に対して前方へ向けて外力が加わった際、発光基板30が破損する前に非配線部30f,30gに当接するように構成されていてもよい。
【0051】
また、リフレクタ41は、LED孔41aが、LED31,32、LED番号識別表示31a,32a、及びLED向き識別表示31b,32bを露出させるように構成されているが、単一のLED孔41aが、LED31,32のうちいずれか1つ、LED番号識別表示31a,32aのうちいずれか1つ、及びLED向き識別表示31b,32bのうちいずれか1つを、露出させるように構成されているものに限定されない。リフレクタ41は、例えば、単一のLED孔41aが、複数の発光源と、これら発光源のそれぞれに対応する複数のLED番号識別表示及び複数のLED向き識別表示を露出させるように構成されていてもよい。
【0052】
また、本実施形態において、基板としての発光基板30及び発光基板30の前面に対向して配置されている対向部材としてのリフレクタ41は、いずれも上扉ユニット50Uの上部ランプユニット75の一部として構成されているが、これに限定されない。基板及び対向部材は、例えば、サイドランプユニット76L,76R、ランプ装置77、ナビランプユニット78、可動役物71、マックスベットボタンユニットMB、ストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3及び演出ボタンSBの一部として構成されていてもよい。また、基板及び対向部材は、リールユニットREの一部として構成されていてもよい。例えば、第1リールR1~第3リールR3を内側から前方へ向けて照明するバックライト基板が本実施形態における基板を構成し、バックライト基板の表面に対向して配置されているバックライトリフレクタが本実施形態における対向部材を構成してもよい。また、バックライト基板は、表面に設置されている発光源としての上段LED~下段LEDの近傍に配置され、各発光源を識別可能にするLED番号識別表示や各発光源が設置される正しい向きを識別可能にするLED向き識別表示を有し、バックライトリフレクタは、バックライト基板の各発光源を露出させると共にバックライト基板のLED番号識別表示やLED向き識別表示を識別可能となるように露出させる上段開口~下段開口を有するように構成されていてもよい。このように構成されていることにより、作業者は、第1リールR1~第3リールR3が退避した状態で、バックライト基板とバックライトリフレクタとを分解することなく、バックライト基板のLED番号識別表示やLED向き識別表示を識別することが可能となる。また、上段LED~下段LEDは、それぞれ単一の発光源で構成されているものに限定されない。上段LED~下段LEDは、複数の発光源、例えばステッピングモータの軸方向に並べてバックライト基板の表面に設置されている複数LEDからそれぞれが構成されて、上段開口~下段開口のうちいずれか1つが上記複数のLEDと、対応する複数のLED番号識別表示や複数のLED向き識別表示を露出させるように構成されていてもよい。
【0053】
また、本実施形態において、リフレクタ41のLED孔41aは、LED番号識別表示31a,32a、及びLED向き識別表示31b,32bの全体を露出させるように構成されているが、これに限定されない。LED孔41aは、各LED31,32の固有番号及び各LED31,32が設置される正しい向きが識別可能となる程度に、LED番号識別表示31a,32a、及びLED向き識別表示31b,32bを露出していればよい。LED孔41aは、例えば、LED番号識別表示31a,32a、及びLED向き識別表示31b,32bの一部を露出させるように構成されていてもよい。LED孔41aは、例えば、
図8(b)におけるLED向き識別表示31bの右半分のみを露出させ、又は
図8(c)におけるLED向き識別表示32bの下半分のみを露出させて、各LED31,32が設置される正しい向きが識別可能となるように構成されていてもよい。
【0054】
また、LED孔41aは、いずれか1つのLED番号識別表示31a,32aにおける50%以上(例えば上側半分以上、等)を露出させるように構成されていてもよいし、LED番号識別表示31a,32aの固有番号のみを露出させるように構成されていてもよい。また、LED孔41aは、いずれか1つ又は複数のLED番号識別表示31a,32aの全体を露出させないが、隣接する又は周辺に設置されているLED31,32に付与されて、識別可能となるように露出しているLED番号識別表示31a,32aの内容から、露出していないLED番号識別表示31a,32aの内容が類推可能となるように構成されていてもよい。具体的には、LED孔41aは、発光基板30に左右方向に沿って直線的に複数設置されているLED32に対して付与されているLED番号識別表示32aを、1つおきに露出させて、露出していないLED番号識別表示32aの内容を類推可能となるように構成されていてもよいし、左端のLED32及び右端のLED32に付与されているLED番号識別表示32aのみを露出させ、左端のLED32又は右端のLED32の内容から何個目のLED32に付与されているLED番号識別表示32aであるかを数えることにより、露出していないLED番号識別表示32aの内容を類推可能となるように構成されていてもよい。また、LED孔41aは、リフレクタ以外、例えば発光基板30のLEDが設置されている面を保護する基板カバー等に形成されていてもよい。
【0055】
また、本実施形態において、識別表示は、発光基板30に設置されている複数のLED31,32の固有番号を識別可能であるように構成されているが、これに限定されない。識別表示は、例えば、基板に設置されている抵抗やICの固有番号を識別可能であるように構成されていてもよいし、基板に抵抗やICを設置する正しい向きを識別可能であるように構成されていてもよい。
【0056】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、マックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力が、ストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3の動作に必要な力より大きい値となるように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、マックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力と、ストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3の動作に必要な力と、が同じ値、例えば、マックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力と、ストップボタンユニットB1~ストップボタンユニットB3の動作に必要な力と、が共に、1.0N及び0.7Nのいずれか一方の値となるように構成されていてもよい。このように、遊技を行う際に操作される複数種類のボタンの動作に必要な力が同じ値となるように構成された場合、遊技者に対して押下操作の際に違和感を与えることの防止を図ることができる。また、このように構成された場合、特に遊技者が短時間遊技を行う際において違和感を防止する効果が大きい。
【0057】
また、スロットマシン1は、前後方向に押下操作可能な演出ボタンSBの動作に必要な力がマックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力より大きい値、例えば5N(ニュートン)となるように構成されていてもよい。このように構成されている場合、演出ボタンSBを押圧操作する際に遊技者の指が触れる操作面は、左右方向の大きさ及び面積がいずれもマックスベットボタンユニットMBより大きくなるように構成されていることが望ましい。なお、本実施形態の演出ボタンSBの構成は、マックスベットボタンユニットMBの構成に対して、押圧方向が後方(押しボタン部の摺動する方向が前後方向)であることと、装飾部92の大きさと、動作に必要な力と、解除位置から動作位置及び押圧位置へ到達するまでに摺動する長さと、が異なるのみで、他の構成はマックスベットボタンユニットMBと同様である。本実施形態の演出ボタンSBは、押しボタン部90が、解除位置から押圧方向へ約5mm摺動した際に押しボタン部90が動作位置に到達し、遮光部91aにより発光部95bからの光を遮光し、解除位置から押圧方向へ約10mm摺動した際に押圧位置に到達して、押しボタン部90が摺動支持部93に形成されている規制面93aに当接して、更なる押圧方向への移動が規制されるように構成されている。また、演出ボタンSBの押圧方向は後方であるように構成されているものに限定されない。演出ボタンSBの押圧方向は下方であるように構成されていてもよいし、前方であるように構成されていてもよいし、上述した方向以外の方向であるように構成されていてもよい。
【0058】
また、本実施形態においては、遊技機の一例である、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行うスロットマシンを例にして説明したが、本発明は、遊技球を遊技媒体として用いた遊技を行うスロットマシンや、入賞口への入球を抽選契機とした抽選が実行されるパチンコ機を含む弾球遊技機等の各種の遊技機に適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 スロットマシン(遊技機)
30 発光基板(基板)
30a 前面(第1面)
30b 後面(第2面)
30e 配線部
30f 周縁非配線部(非配線部)
30g コネクタ非配線部(非配線部)
30h 領域
33 コネクタ
41 リフレクタ(対向部材)
41d コネクタ突起部(当接突起部、当接部)
45 配線ケーブル