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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】スタイラスペン
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/03 20060101AFI20220225BHJP
【FI】
G06F3/03 400F
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2018108931
(22)【出願日】2018-06-06
(65)【公開番号】P2019003636
(43)【公開日】2019-01-10
【審査請求日】2020-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2017-0072415
(32)【優先日】2017-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0081225
(32)【優先日】2017-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513009370
【氏名又は名称】株式会社 ハイディープ
【氏名又は名称原語表記】HiDeep Inc.
【住所又は居所原語表記】3F Dasan Tower,49,Daewangpangyo-ro 644 beon-gil,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do 463-400,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】キム セ ヨプ
(72)【発明者】
【氏名】ウ ヒョン ウク
(72)【発明者】
【氏名】ゴ ジュ ヒョン
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/057862(WO,A1)
【文献】実開平06-065928(JP,U)
【文献】特開2012-252525(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0056915(KR,A)
【文献】登録実用新案第3135409(JP,U)
【文献】特許第5647325(JP,B1)
【文献】特開2014-102531(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0068344(US,A1)
【文献】特開2004-227206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体、
前記本体に連結され、端に開口部が形成されているホルダー、
前記ホルダーの開口部に全部または一部が導出されて形成され、少なくとも一部が導電性の材質からなる球形態または感知表面に接触される一部領域が一定の曲率を有する形態のスタイラスチップ
記スタイラスチップに電気的に連結され、前記ホルダーおよび前記本体の内部まで延長される導電性部材、並びに
前記導電性部材に電気的に連結される、導電性マス
を含み、
前記導電性マスの抵抗値は前記導電性部材の抵抗値よりも低い、スタイラスペン。
【請求項2】
前記本体と前記ホルダーは互いに異なる誘電率を有する、請求項1に記載のスタイラスペン。
【請求項3】
前記本体の誘電率が前記ホルダーの誘電率より大きい、請求項2に記載のスタイラスペン。
【請求項4】
前記本体の一部が開放され前記導電性部材が外部に露出されている、請求項1に記載のスタイラスペン。
【請求項5】
前記スタイラスチップは、
プラスチック材質から形成された中心体、そして
前記中心体の外側に形成されたメッキ層を含む、請求項1に記載のスタイラスペン。
【請求項6】
前記中心体の一部領域に前記導電性部材が挿入される挿入ホールが形成される、請求項5に記載のスタイラスペン。
【請求項7】
端に開口部が形成されている第1本体、
前記第1本体に連結される第2本体、
前記第1本体の開口部に全部または一部が導出されて形成され、少なくとも一部が導電性の材質からなる球形態または感知表面に接触される一部領域が一定の曲率を有する形態のスタイラスチップ、
前記スタイラスチップに電気的に連結され、前記第1本体の内部まで延長される導電性部材、および
前記導電性部材に電気的に連結され、前記第2本体の内部まで延長される導電性マス
を含み、
前記導電性マスの抵抗値は前記導電性部材の抵抗値よりも低い、スタイラスペン。
【請求項8】
前記第1本体と前記第2本体は互いに異なる誘電率を有する、請求項7に記載のスタイラスペン。
【請求項9】
前記第2本体の誘電率が前記第1本体の誘電率より大きい、請求項8に記載のスタイラスペン。
【請求項10】
前記導電性マスは、前記導電性部材より表面積が大きい、請求項7に記載のスタイラスペン。
【請求項11】
前記第1本体の内部に前記スタイラスチップを固定させる固定部が備えられる、請求項7に記載のスタイラスペン。
【請求項12】
前記第2本体の指が接触される領域に一つ以上の接触ホールが形成される、請求項7に記載のスタイラスペン。
【請求項13】
前記接触ホール内に導電性材質が充填され、前記導電性マスに電気的に連結される、請求項12に記載のスタイラスペン。
【請求項14】
前記スタイラスチップは、
プラスチック材質から形成された中心体、および
前記中心体の外側に形成されたメッキ層を含む、請求項7に記載のスタイラスペン。
【請求項15】
前記中心体の一部領域に前記導電性部材が挿入される挿入ホールが形成される、請求項14に記載のスタイラスペン。
【請求項16】
少なくとも一部が導電性の材質からなる球形態または感知表面に接触される一部領域が一定の曲率を有する形態のスタイラスチップ
記スタイラスチップに電気的に連結される導電性部材、および
前記導電性部材に電気的に連結される導電性マスを含み、
前記スタイラスチップは、
非導電性材質から形成される中心体、および
前記中心体の外側に形成された導電層を含み、
前記導電性マスの抵抗値は前記導電性部材の抵抗値よりも低い、スタイラスペン。
【請求項17】
前記中心体の第1領域と第2領域にそれぞれ第1挿入ホールと第2挿入ホールが形成されており、
前記第1挿入ホールと前記第2挿入ホールが交差する空間に、前記導電性部材の折り曲げられた部分が位置する、請求項16に記載のスタイラスペン。
【請求項18】
前記導電性部材は第1挿入ホールに挿入されており、前記導電性部材の端部は第2挿入ホールに挿入されている、請求項17に記載のスタイラスペン。
【請求項19】
前記中心体の一部領域に前記導電性部材が挿入されて貫通される貫通ホールが形成されており、
前記貫通ホールを貫通した前記導電性部材の端部に導電性部材解け防止部分が形成されている、請求項16に記載のスタイラスペン。
【請求項20】
前記導電性部材解け防止部分を密着して囲む解け防止カバー
をさらに含む、請求項19に記載のスタイラスペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スタイラスペンに関するものであって、特に静電容量式タッチスクリーン用スタイラスペンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にスマートフォン、ナビゲーション装置、PDA端末、MP3プレーヤー、ピーエムピー(Portable Multimedia Player:PMP)、電子書籍などの携帯端末やタブレットPCなどにはタッチスクリーン(‘タッチパネル’とも言う)が備えられ、タッチスクリーンに表示されるキーボードやアイコンなどを接触することによって入力が実行される。
【0003】
このような各種端末のタッチスクリーンへの入力は使用者の手を用いて主に行われる。最近、スマートフォンが過去に比べて5~6インチ程度に大きくなることによって、スマートフォンやタブレットPCなどのタッチスクリーンに単純なタッチ入力を行うこと以外に直接文字を書いたり絵を描くなどの精巧なタッチ入力の必要性が増加している。
【0004】
このような精巧なタッチ入力のためにスタイラスペンが使用される。スタイラスペンはタッチスクリーン上に一定の圧力を加えてキーボードなどを作動させる感圧式と、タッチスクリーンの所望の位置に接触してキャパシタンスの変化を起こし、これを測定する静電式に分けられる。感圧式スタイラスペンの場合は、タッチスクリーンに接触する度に一定の圧力が引き続き作用するため、タッチスクリーンが損傷することがありタッチが良く認識されないかエラーが発生する問題点がある。このような理由によって最近はさらに安定的な静電式スタイラスペンの使用が増加している。
【0005】
一方、スタイラスペンは、内部に電子部品が備えられるかどうかによってアクティブスタイラス(active stylus)ペンとパッシブスタイラス(passive stylus)ペンに区分することができる。
【0006】
アクティブスタイラスペンは、パッシブスタイラスペンより精巧なタッチ入力が可能であるという長所があるが、スタイラスペンにバッテリーと電子部品が含まれなければならないので費用が増加し重くなる短所がある。パッシブスタイラスペンは、アクティブスタイラスペンに比べて低廉であり軽く製作することができるという長所があるが、感度が低く精巧な入力が難しいという短所がある。
【0007】
図1は、従来技術によるパッシブスタイラスペンを示す図である。図1を参照すれば、スタイラスペン10は、弾丸形状のスタイラスチップ11とスタイラス本体12を含む。スタイラスチップ11の全体または一部は導電性物質からなる。
【0008】
実際に使用者がスタイラスペン10を使用する場合には、感知表面20に垂直に使用するよりは、感知表面20に10度から45度の間に傾けて使用することが一般的である。スタイラスペン10を傾けて使用する場合、スタイラスチップ11と感知表面20の間の接触位置21でキャパシタンスの変化量が最も大きいのでなく、スタイラスチップ11の接触位置21からスタイラスペン10が傾ける方向側にある位置22でキャパシタンスの変化量が最も大きくなる。したがって、スタイラスチップ11が感知表面20に実際接触する接触位置21が表示されるのではなく、接触位置21に近接した他の位置22が接触したものと認識される。この時、接触位置21と実際認識される位置22の間のオフセット(即ち、チルトオフセット)値23は数百μm以上になることもある。
【0009】
このように、従来技術によるパッシブスタイラスペンを傾けて使用すれば、スタイラスペンの傾きによって直進性誤差(linearity error)が発生し精巧なタッチ入力が難しいという問題点が発生する。
【0010】
米国特許第9,298,285号は、パッシブスタイラスペン10を傾けて使用する場合の問題点を解決するためのスタイラスペンを開示している。
【0011】
図2および図3は、米国特許第9,298,285号で開示されたスタイラスペンの構造を示す図である。
【0012】
図2で、スタイラスペン30は、球状のスタイラスチップ31と、スタイラスチップ31に連結された導電性部材32を含む。スタイラスチップ31の一部領域および導電性部材32は、非導電性物質からなるホルダー33によって囲まれて固定される。ホルダー33はスタイラス本体34に連結される。図2に示したスタイラスペン30の構造によれば、球状のスタイラスチップ31を使用するためチルト(傾き)の程度に関係なく接触地点でのキャパシタンスの変化量が最大になり、導電性部材32が細く形成されているため導電性部材32によるキャパシタンスの変化量を最少化することができ、チルトによるオフセットを最少化することができる。
【0013】
しかし、図2および図3に示したスタイラスペンの構造によれば、導電性部材がフローティングされた状態であり使用者が握る部分と導電性部材32の距離が長く、使用者の手と導電性部材の間のキャパシタンス(C1)が小さいため、スタイラスチップ31のタッチ感度が落ちる問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の実施形態は、チルトオフセットの改善とタッチ感度を高めるためのスタイラスペンを提供するためのものである。
【0015】
また、本発明の実施形態は、スタイラスチップによる衝撃でタッチスクリーンのカバーガラスが破損するか、スタイラスチップと感知表面の間に騒音が発生される問題点を除去することができるスタイラスペンを提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
一実施形態によるスタイラスペンは、本体、本体に連結され、端に開口部が形成されているホルダー、ホルダーの開口部に全部または一部が導出されて形成され、少なくとも一部が導電性の材質からなる球形態または感知表面に接触される一部領域が一定の曲率を有する形態のスタイラスチップ、並びにスタイラスチップに電気的に連結され、ホルダーおよび本体の内部まで延長される導電性部材を含む。
【0017】
本体とホルダーは互いに異なる誘電率を有してもよい。
【0018】
本体の誘電率がホルダーの誘電率より大きくてもよい。
【0019】
本体の一部が開放され導電性部材が外部に露出されていてもよい。
【0020】
スタイラスチップは、プラスチック材質から形成された中心体、そして中心体の外側に形成されたメッキ層を含んでもよい。
【0021】
中心体の一部領域に導電性部材が挿入される挿入ホールが形成されてもよい。
【0022】
他の実施形態によるスタイラスペンは、端に開口部が形成されている第1本体、第1本体に連結される第2本体、第1本体の開口部に全部または一部が導出されて形成され、少なくとも一部が導電性の材質からなる球形態または感知表面に接触される一部領域が一定の曲率を有する形態のスタイラスチップ、スタイラスチップに電気的に連結され、第1本体の内部まで延長される導電性部材、および導電性部材に電気的に連結され、第2本体の内部まで延長される導電性マス(mass)を含む。
【0023】
第1本体と第2本体は互いに異なる誘電率を有してもよい。
【0024】
第2本体の誘電率が第1本体の誘電率より大きくてもよい。
【0025】
導電性マスは、導電性部材より表面積が大きくてもよい。
【0026】
第1本体の内部にスタイラスチップを固定させる固定部が備えられてもよい。
【0027】
第2本体の指が接触される領域に一つ以上の接触ホールが形成されてもよい。
【0028】
接触ホール内に導電性材質が充填され、導電性マスに電気的に連結されてもよい。
【0029】
スタイラスチップは、プラスチック材質から形成された中心体、および中心体の外側に形成されたメッキ層を含んでもよい。
【0030】
中心体の一部領域に導電性部材が挿入される挿入ホールが形成されてもよい。
【0031】
また他の実施形態によるスタイラスペンは、少なくとも一部が導電性の材質からなる球形態または感知表面に接触される一部領域が一定の曲率を有する形態のスタイラスチップ、スタイラスチップに電気的に連結される導電性部材を含み、スタイラスチップは、非導電性材質から形成される中心体、および中心体の外側に形成されたメッキ層を含んでもよい。
【0032】
中心体の第1領域と第2領域にそれぞれ第1挿入ホールと第2挿入ホールが形成されており、第1挿入ホールと第2挿入ホールが交差する空間に、導電性部材の折り曲げられた部分が配置されてもよい。
【0033】
導電性部材は第1挿入ホールに挿入されており、導電性部材の端部は第2挿入ホールに挿入されていてもよい。
【0034】
中心体の一部領域に導電性部材が挿入されて貫通される貫通ホールが形成されており、貫通ホールを貫通した導電性部材の端部に導電性部材解け防止部分が形成されていてもよい。
【0035】
導電性部材解け防止部分を密着して囲む解け防止カバーをさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明の実施形態によれば、スタイラスペンのチルトオフセットを改善することができ、スタイラスチップのタッチ感度を高めることができる。
【0037】
また、本発明の実施形態によれば、スタイラスチップによる衝撃でタッチスクリーンのカバーガラスが破損するか、スタイラスチップと感知表面の間に騒音が発生される問題点を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】従来技術によるスタイラスペンを示す図である。
図2】従来技術によるスタイラスペンを示す図である。
図3】従来技術によるスタイラスペンを示す図である。
図4】本発明の第1実施形態によるスタイラスペンを示す図である。
図5a】本発明の第1実施形態によるスタイラスペンの本体およびホルダーの構造を示す図である。
図5b】本発明の第1実施形態によるスタイラスペンの本体およびホルダーの構造を示す図である。
図6】本発明の第2実施形態によるスタイラスペンを示す図である。
図7】本発明の第2実施形態によるスタイラスペンを示す図である。
図8a】本発明の第2実施形態によるスタイラスペンの本体の構造を示す図である。
図8b】本発明の第2実施形態によるスタイラスペンの本体の構造を示す図である。
図9】本発明の一つの実施形態によるスタイラスチップの詳細構造を示す図である。
図10】本発明の一つの実施形態によるスタイラスチップの詳細構造を示す図である。
図11】本発明の一つの実施形態によるスタイラスチップ形成方法を示す図である。
図12】本発明の他の実施形態によるスタイラスペンの詳細構造を示す図である。
図13a】本発明の他の実施形態によるスタイラスペンの詳細構造を示す図である。
図13b】本発明の他の実施形態によるスタイラスペンの詳細構造を示す図である。
図14】本発明の他の実施形態によるスタイラスチップ形成方法を示す図である。
図15】本発明の他の実施形態によるスタイラスチップの詳細構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は様々の相異な形態に実現できるので、ここで説明する実施形態に限定されない。図面で本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体で同一または類似の構成要素については同一の図面符号を使用した。また、広く知られた公知技術の場合、その具体的な説明は省略する。
【0040】
本明細書で、ある部分がある構成要素を“含む”というとき、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。また、ある部分が他の部分の“上に”あると言及する場合、これはすぐ他の部分の上にあるか、その間に他の部分が伴われ得る。対照的に、ある部分が他の部分の“真上に”あると言及する場合、その間に他の部分が伴われない。
【0041】
図4は、本発明の第1実施形態によるスタイラスペンを示す図である。
【0042】
図4に示したように、本発明の第1実施形態によるスタイラスペン100は、本体140、ホルダー150、スタイラスチップ110、導電性部材120を含む。
【0043】
本体140は使用者が手で握って把持するのが容易な直径で形成される。また、図4に示してはいないが、本体140の一部分が開放され導電性部材120が外部に露出されてもよい。そうすれば、導電性部材120は使用者の指や手に直接接触され、接地され得る。
【0044】
ホルダー150は本体140の端に連結され、ホルダー150の端には開口部151が形成されている。図4ではスタイラス本体140とホルダー150が分離および結合される構造を示しているが、スタイラス本体140とホルダー150を一体形に実現することもできる。ホルダー150は半球形または円錐型など本体140から遠くなるほど断面積が次第に小さくなる多様な形状を有し得る。このようなホルダーは非導電性物質からなる。
【0045】
スタイラスチップ110は球または感知表面に接触される一部領域が一定の曲率を有する形態(例えば、半球形態)であって、ホルダーの開口部151に一部または全部が導出されて形成される。スタイラスチップ110は感知表面200に直接接触される部分であって、チップ全体またはチップの一部が導電性材質からなる。この時、スタイラスチップ110は10Ω以下の抵抗値を有することが好ましい。また、スタイラスチップの直径が大きいほどチルトオフセットによる問題は改善されるが、直径が大きくなれば正確な位置に接触するのが難しいため、直径が0.5mm~3mmであることが良く、特に2mm以内の直径を有するようにすることが好ましい。
【0046】
導電性部材120はスタイラスチップ110に連結されて、ホルダー150および本体140の内部まで長く延長される。本発明の第1実施形態によれば、導電性部材120は使用者が手で握る本体140の領域まで延長され、20mm以上の長さで形成することが好ましい。また、導電性部材120はチルトによる感度影響を最少化するために直径が1mm以下に細く形成することが好ましい。
【0047】
図4では、本発明の第1実施形態によれば、導電性部材120が使用者が手で握る本体140の領域まで延長されるので、使用者の指と導電性部材の間のキャパシタンスC2が図3に示した従来技術より大きくなる。したがって、従来技術より接地状態の使用者の指の影響をさらに多く受けスタイラスチップ110から接地に伝達される電荷量が多くなるので、スタイラスチップ110のタッチ感度を高めることができる。
【0048】
このように本発明の第1実施形態によれば、球または感知表面に接触される一部領域が一定の曲率を有する形態のスタイラスチップ110を用いてスタイラスペンのチルトオフセットを改善することができ、使用者が手で握る本体140の領域まで導電性部材120が延長されるので、スタイラスチップのタッチ感度を高めることができる。
【0049】
図5aは、本発明の第1実施形態によるスタイラスペンの本体140およびホルダー150の構造を示す図である。図5aでは、本体140は中空の管体であって、内部が空気で満たされている。
【0050】
図5aでは、ホルダー150および本体140は互いに異なる誘電率を有する物質から形成される。具体的に、本体140を形成する物質の誘電率がホルダー150を形成する物質の誘電率より大きいようにする。
【0051】
図5aでは、スタイラスペンのホルダー150は誘電率ができる限り低い物質から形成され、ホルダー150の内部は空気で満たされる。そして、本体140は誘電率ができる限り高い物質から形成され、内部は空気で満たされる。即ち、図5aによれば、導電性部材120、本体140の外部、ホルダー150の外部、空気の順に誘電率が高くなる。
【0052】
図5bは、本発明の第1実施形態によるスタイラスペンの本体140およびホルダー150の他の構造を示す図である。図5bでは、本体140は中が満たされた封止体からなる。
【0053】
図5bでは、本体140を形成する封止体の誘電率がホルダー150を形成する物質の誘電率より大きいようにする。具体的に、スタイラスペンのホルダー150は誘電率ができる限り低い物質から形成され、ホルダー150の内部は空気で満たされる。そして本体140は誘電率ができる限り高い物質の封止体から形成される。即ち、図5bによれば、導電性部材120、本体140、ホルダー150の外部、空気の順に誘電率が高くなる。
【0054】
図5aおよび図5bによれば、スタイラスチップ110付近の領域(1領域)のキャパシタンス値が小さく、手を通じて接地されるか手とカップリングされる本体140の領域(2領域)のキャパシタンス値が大きいため、チルトエラーへの影響を最少化することができる。
【0055】
図6および図7は、本発明の第2実施形態によるスタイラスペンを示す図である。本発明の第2実施形態によるスタイラスペン100は、スタイラスチップ110、導電性部材120、導電性マス130、第1本体140aおよび第2本体140bを含む。
【0056】
図6および図7では、スタイラスチップ110は球または感知表面に接触される一部領域が一定の曲率を有する形態であって、第1本体140aの開口部141に一部または全部が導出されて形成される。スタイラスチップ110の直径は0.5mm~3mmで形成される。
【0057】
導電性部材120は、スタイラスチップ110に連結されて、第1本体140aの内部まで延長される。導電性部材120はチルトによる感度影響を最少化するために直径が1mm以下に細く形成することが好ましい。
【0058】
第1本体140aの内部は中空の管体または中が満たされた封止体からなってもよいが、指の接触による影響を最少化するためには誘電率が最も低い空気で満たされることが好ましい。また、第1本体140aの内部はスタイラスチップ110を固定させる固定部(図示せず)が備えられる。
【0059】
導電性マス130は導電性部材120に電気的に連結され、第2本体140bの内部に形成される。導電性マス130と導電性部材120の連結は多様な方法で実現することができ、例えば導電性マス130の一側に板バネ(図示せず)を形成した後、板バネに導電性部材120をはめ込むことによって連結することができる。
【0060】
図7では、導電性マス130は、スタイラスチップの半径r1と導電性部材の半径r2より大きい半径r3を有する円筒形に実現される。本発明の第2実施形態によれば、導電性マス130の抵抗値が導電性部材120の抵抗値より低い。これにより、導電性マス130の対応する部分を指で把持した場合、第1実施形態に比べてスタイラスチップ110から接地に伝達される電荷量が多くなり、スタイラスチップ110のタッチ感度をさらに高めることができる。図7で、導電性マス130は円筒形に実現されたが、本発明がこれに限定されるのではなく、導電性部材より表面積の大きい多様な形態(例えば、円錘形、直六面体など)に実現され得る。
【0061】
図6では、本発明の第2実施形態で第1本体140aと第2本体140bは一体形に実現することもでき、分離可能な構造に実現することもできる。また、第1本体140aと第2本体140bは、タッチスクリーンにあるセンサーとのカップリングを減らすためにできる限り誘電率が低いプラスチック材質で実現することが好ましい。
【0062】
第2本体140bの指が接触される領域には一つ以上の接触ホール142が形成され、接触ホール142内には導電性材質160が充填され導電性マス130に電気的に連結され得る。本発明の第2実施形態によれば、接触ホール142に充填された導電性材質160を通じて導電性マス130、導電性部材120およびスタイラスチップ110が使用者の指と直接電気的に連結されるため、スタイラスチップ110のタッチ感度を高めることができる。また、図6に示してはいないが、導電性マス130は直接接地されてもよい。
【0063】
図8aは、本発明の第2実施形態によるスタイラスペンの本体140a、140bの構造を示す図である。
【0064】
図8aでは、第1本体140aおよび第2本体140bは互いに異なる誘電率を有する物質から形成する。具体的に、第2本体140bを形成する物質の誘電率が第1本体140aを形成する物質の誘電率より大きいようにする。
【0065】
図8aでは、スタイラスペンの第1本体140aは誘電率ができる限り低い物質から形成され、第1本体140aの内部は空気で満たされる。そして第2本体140bは誘電率ができる限り高い物質から形成され、内部は空気で満たされる。即ち、図8aによれば、導電性部材120/導電性マス130、第2本体140bの外部、第1本体140aの外部、空気の順に誘電率が高くなる。
【0066】
図8bは、本発明の第2実施形態によるスタイラスペンの本体140a、140bの他の構造を示す図である。図8bでは、第2本体140bは導電性マスと同一の物質から形成される。
【0067】
図8bでは、第2本体140bを形成する導電性マスの誘電率が第1本体140aを形成する物質の誘電率より大きいようにする。即ち、図8bによれば、導電性部材120/第2本体140b、第1本体140a、空気の順に誘電率が高くなる。
【0068】
図8aおよび図8bによれば、スタイラスチップ110付近の第1本体140aの領域(1領域)のキャパシタンス値が小さく、手を通じて接地されるか手とカップリングされる第2本体140bの領域(2領域)のキャパシタンス値が大きいため、チルトエラーへの影響を最少化することができる。
【0069】
図9は、本発明の実施形態によるスタイラスチップ110の詳細構造を示す図である。
【0070】
図9では、スタイラスチップ110は、プラスチック材質から形成された中心体111と、中心体111の外側に形成されたメッキ層112を含む。中心体111の一部領域には導電性部材120が挿入される挿入ホール113が形成される。
【0071】
本発明の実施形態によるスタイラスチップ110は金属より硬度が高くないプラスチック材質の中心体111の外部に金属材質のメッキ層110を形成するため、スタイラスチップ110による衝撃でタッチスクリーンのカバーガラスが破損するか、スタイラスチップ110と感知表面の間に騒音が発生される問題点を除去することができる。
【0072】
以下、図9図11を参照して、本発明の実施形態によるスタイラスチップ110の形成方法を説明する。
【0073】
まず、挿入ホール113を有するプラスチック材質の中心体111を射出(S10)する。この時、挿入ホール113の直径は導電性部材120より若干大きく形成される。
【0074】
その後、クロム、アルミニウム、ニッケル、銀などの金属材質を用いてメッキ層112を形成(S20)する。本発明の実施形態ではメッキ層として硬度が高く耐摩耗性に優れたクロムメッキ層を使用するが、本発明が必ずしもこれに限定されるのではない。メッキ層112が過度に厚ければカバーガラスに破損を加えることがあり、過度に薄ければ導電性面で良くないため、10~50μmの範囲で形成することが良い。
【0075】
その後、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの接着剤を挿入ホール113に充填(S30)した後、接着剤が充填された挿入ホール113に導電性部材120を挿入し、接着剤を硬化(S40)させる。その後、導電性部材120が挿入された挿入ホール113に導電性ペーストを塗布(S50)する。
【0076】
以下、図12図13aおよび図13bを参照して、本発明の他の実施形態によるスタイラスチップ110の構造を説明する。
【0077】
図12を参照すれば、導電性部材120は‘V’字乃至‘L’字形態に折り曲げられている。この時、導電性部材120の端部121aと導電性部材120の間の距離はd1であるものとして説明する。
【0078】
図13aおよび図13bでは、プラスチック材質の中心球111は、導電性部材120が挿入される第1挿入ホール113aと、導電性部材120の折り曲げられた部分121が挿入される第2挿入ホール113bを含む。第1挿入ホール113aと第2挿入ホール113bは中心球111内で交差する。第1挿入ホール113aと第2挿入ホール113bが交差する空間に、導電性部材120の折り曲げられた部分121が配置され得る。
【0079】
ここで、中心球111内に位置した導電性部材120の端部121aと導電性部材120の間の距離d1は、第1挿入ホール113aの直径d2よりさらに大きい。
【0080】
以下、図13a、図13b、および図14を参照して、本発明の他の実施形態によるスタイラスチップ110の形成方法を説明する。
【0081】
まず、第1挿入ホール113aおよび第2挿入ホール113bを有するプラスチック材質の中心体111を射出(S60)した後、クロム、アルミニウム、ニッケル、銀などの金属材質を用いて中心体111の外側にメッキ層(図示せず)を形成(S70)する。
【0082】
その後、導電性部材120の折り曲げられた部分121を第1挿入ホール113aに挿入(S80)する。
【0083】
図13aに示したように、第1挿入ホール113aに挿入される前の導電性部材120の端部121aと導電性部材120の間の距離d1が、第1挿入ホール113aの直径d2より大きいため、導電性部材120の折り曲げられた部分121が第1挿入ホール113aに挿入され始めると、導電性部材120の折り曲げられた部分121は導電性部材120への方向(A方向)に収縮する。この時、導電性部材120の端部121aと導電性部材120の間の距離はd3に減少する。
【0084】
図13bに示したように、導電性部材120の折り曲げられた部分121が第2挿入ホール113bの形成された地点以下に下がるようになれば、導電性部材120方向に収縮された導電性部材120の折り曲げられた部分112が弾性力によって反対方向(B方向)に拡張される。導電性部材120の端部121aと導電性部材120の間の距離はd1に復帰する。そうすれば、導電性部材120の端部121aは第2挿入ホール113bに位置するようになる。
【0085】
これにより、導電性部材120を中心体111の外側方向に持ち上げても第2挿入ホール113bに位置した導電性部材120の端部121aによって外部に離脱しなくなる。
【0086】
その後、第1挿入ホール113aおよび第2挿入ホール113bに接着剤でボンディングした後、シルバーペーストで塗布(S90)する。
【0087】
以下、図15を参照して、本発明の他の実施形態によるスタイラスチップ110の構造を説明する。
【0088】
図15を参照すれば、中心体111の一部領域に導電性部材120が挿入されて貫通する貫通ホール113cが形成される。プラスチック材質から形成された中心体111の外側にはメッキ層(図示せず)が形成される。
【0089】
貫通ホール113cに挿入および貫通された導電性部材の端部の領域の導電性部材の解け防止部分122が導電性部材に密着して巻かれている。導電性部材解け防止部分122によって導電性部材が貫通ホール113Cから離脱することが防止され得る。解け防止カバー123は、導電性部材解け防止部分122が導電性部材に堅固に結合されるように導電性部材解け防止部分を密着して囲んでいる。図15で導電性部材解け防止部分122が導電性部材を囲む構造が示されているが、本実施形態はこれに限定されず、多様な形態に実現することができる。
【0090】
図15では、導電性部材が貫通ホール113Cから離脱することを防止するために、貫通ホール113cには接着剤(図示せず)が充填されていてもよい。
【0091】
図15に示したスタイラスチップ113によれば、導電性部材の解け防止部分122および/または解け防止カバー123によって導電性部材がスタイラスチップに堅固に結合されるので、導電性部材がスタイラスチップから分離される問題点を除去することができる。
【0092】
図13aおよび図13bは中心体と導電性部材の結合に関連してV字折り曲げ形態の結合方法を開示しているが、L字折り曲げ形態の結合方法でも実現することができる。また、中心体111はプラスチック材質から形成されることを例として説明したが、ある程度の硬度を有する多様な形態の非伝導体物質や黒鉛でも実現することができる。
【0093】
以上を通じて本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0094】
10、30 スタイラスペン
11、31 スタイラスチップ
20 感知表面
32 導電性部材
33 ホルダー
34 本体
100 スタイラスペン
110 スタイラスチップ
120 導電性部材
122 解け防止部分
123 解け防止カバー
130 導電性マス
140 本体
150 ホルダー
140a 第1本体
140b 第2本体
142 接触ホール
160 導電性材質
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12
図13a
図13b
図14
図15