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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】移動販売車及びロック装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 33/04 20060101AFI20220225BHJP
   B60P 3/025 20060101ALI20220225BHJP
   E05B 85/24 20140101ALI20220225BHJP
   E05B 83/20 20140101ALI20220225BHJP
【FI】
B62D33/04 C
B60P3/025 A
E05B85/24
E05B83/20
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018109928
(22)【出願日】2018-06-08
(65)【公開番号】P2019209920
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2020-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】502066948
【氏名又は名称】株式会社 東洋ブラザー工業
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】瀬下 節男
【審査官】久慈 純平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-035988(JP,A)
【文献】特開2003-161069(JP,A)
【文献】特開平07-048969(JP,A)
【文献】米国特許第04174128(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 33/04,
B60P 3/025,
E05B 85/24,83/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略直方体形状のコンテナを有した移動販売車であって、
前記略直方体形状のコンテナは、側面に開口部を有し、
該開口部は、下扉と上扉で開閉され、
前記コンテナは、ロック装置を有し、
前記ロック装置は、
コンテナ本体と、
このコンテナ本体に設けられた被係止部と、
前記コンテナ本体に対して回動自在に支持された前記下扉と、
この下扉に回動自在にフリーに取り付けられ、先端に前記被係止部に係止するツメ部を有するツメ体と、
このツメ体に設けられ、前記ツメ部と前記被係止部との係止状態を解除するレバーとを備え、
前記下扉を前記コンテナ本体に近づけるように回動すると、前記ツメ部の外周が前記被係止部に当接した状態で回動することで前記ツメ部の内方の凹所の部位前記被係止部に係止させるものであり、
前記被係止部は、回動自在に支持されたパイプである
ことを特徴とする移動販売車。
【請求項2】
下扉の上に上扉が位置し、
前記下扉の上に前記上扉が位置した状態にあって、前記下扉が外方に回動するのを前記上扉に係止して阻止するストッパーが前記下扉に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1記載の移動販売車。
【請求項3】
本体と、
この本体に設けられた被係止部と、
前記本体に対して回動自在に支持された移動体と、
この移動体に回動自在にフリーに取り付けられ、先端に前記被係止部に係止するツメ部を有するツメ体と、
このツメ体に設けられ、前記ツメ部と前記被係止部との係止状態を解除するレバーとを備え、
前記移動体を前記本体に近づけるように回動すると、前記ツメ部の外周が前記被係止部に当接した状態で回動することで前記ツメ部の内方の凹所の部位前記被係止部に係止させるものであり、
前記被係止部は、回動自在に支持されたパイプである
ことを特徴とするロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動販売車及びロック装置に係り、特に、簡易且つ迅速にロックすることができる移動販売車及びロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、山間部等において、食料品等を搭載した移動販売車が使用されている。
この移動販売車は、略直方体形状のコンテナを有し、側面に下扉と上扉で開閉され開口部を備えている。
そして、移動販売車の走行中に生じる振動により、下扉100が開放されないように、下扉100には、ラッチ101が用いられている(図8参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ラッチ101を解除するためには、ラッチ101に内蔵されているスプリングに抗してラッチ101の摘み102を水平方向に移動せねば成らず、しかも、摘み102の水平方向の移動操作は、ラッチ101の解除のみならず、ラッチ101をロックする場合も行わなければならず、ラッチ101による開閉操作が煩わしいという問題点があった。
【0004】
本発明は、前記問題点を考慮してなされた移動販売車及びロック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の移動販売車は、略直方体形状のコンテナを有した移動販売車であって、前記略直方体形状のコンテナは、側面に開口部を有し、該開口部は、下扉と上扉で開閉され、前記コンテナは、ロック装置を有し、前記ロック装置は、コンテナ本体と、このコンテナ本体に設けられた被係止部と、前記コンテナ本体に対して回動自在に支持された前記下扉と、この下扉に回動自在にフリーに取り付けられ、先端に前記被係止部に係止するツメ部を有するツメ体と、このツメ体に設けられ、前記ツメ部と前記被係止部との係止状態を解除するレバーとを備え、前記下扉を前記コンテナ本体に近づけるように回動すると、前記ツメ部の外周が前記被係止部に当接した状態で回動することで前記ツメ部の内方の凹所の部位前記被係止部に係止させるものであり、前記被係止部は、回動自在に支持されたパイプである
【0007】
また、請求項記載の移動販売車は、請求項1記載の移動販売車において、下扉の上
に上扉が位置し、前記下扉の上に前記上扉が位置した状態にあって、前記下扉が外方に回
動するのを前記上扉に係止して阻止するストッパーが前記下扉に取り付けられているもの
である。
【0008】
また、請求項記載のロック装置は、本体と、この本体に設けられた被係止部と、
前記本体に対して回動自在に支持された移動体と、この移動体に回動自在にフリーに取り付けられ、先端に前記被係止部に係止するツメ部を有するツメ体と、このツメ体に設けられ、前記ツメ部と前記被係止部との係止状態を解除するレバーとを備え、前記移動体を前記本体に近づけるように回動すると、前記ツメ部の外周が前記被係止部に当接した状態で回動することで前記ツメ部の内方の凹所の部位前記被係止部に係止させるものであり、前記被係止部は、回動自在に支持されたパイプである
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の移動販売車によれば、移動体をコンテナ本体に近づけるように回動す
ると、ツメ部の外周が被係止部に当接し、前記ツメ部の先端を超えて、前記ツメ部が落下
し、前記ツメ部の内方の凹所の部位が前記被係止部に係止するため、簡易且つ迅速にロッ
クすることができ、また、被係止部は、回動自在に支持されたパイプであるため、ツメ部の動きをスムーズに案内し、迅速にロックすることができる。
【0012】
また、請求項記載の移動販売車によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加
え、下扉の上に上扉が位置した状態にあって、前記下扉が外方に回動するのを前記上扉に
係止して阻止するストッパーが前記下扉に取り付けられているため、ツメ部と被係止部と
の係止状態が、例えば、移動中、何らかの理由で、解除された場合、下扉はストッパーが
上扉に係止して下扉が外方に回動するのを阻止することができる。
【0013】
また、請求項記載のロック装置によれば、移動体を本体に近づけるように回動する
と、ツメ部の外周が被係止部に当接し、前記ツメ部の先端を超えて、前記ツメ部が落下し
、前記ツメ部の内方の凹所の部位が前記被係止部に係止するため、簡易且つ迅速にロック
することができ、被係止部は、回動自在に支持されたパイプであるため、ツメ部の動きをスムーズに案内し、迅速にロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の一実施例の移動販売車の概略的一部断面図である。
図2図2は、本発明の要部の概略的一部拡大断面図である。
図3図3は、図2のロック装置のロック時の動きを示す概略的図である。
図4図4は、図2のロック装置のロック解除時の動きを示す概略的図である。
図5図5(a)は、図2のツメ体の概略的斜視図であり、図5(b)は、図5(a)のツメ体の概略的分解斜視図である。
図6図6(a)は、図2の被係止部の概略的斜視図であり、図6(b)は、図6(a)の被係止部の概略的分解斜視図である。
図7図7は、図2のロック装置のロック時を斜め上方から撮った写真である。
図8図8は、従来の移動販売車におけるロック装置の写真である。
【0016】
本発明の一実施例の移動販売車及びロック装置を図面(図1乃至図7)を参照して説明する。
山間部等において、食料品等を搭載した移動販売車(例えば、特開2017-35988公報参照)が使用されている。この移動販売車は、略直方体形状のコンテナを有している。
図1に示す11はコンテナの天井パネルで、12はコンテナの床パネルである。前記略直方体形状のコンテナは、側面に開口部を有し、該開口部は、下扉13と上扉14で開閉されるようになっている。
【0017】
前記コンテナは、ロック装置を有し、前記ロック装置は、コンテナ本体10と、このコンテナ本体10に設けられた被係止部15と、コンテナ本体10に対して回動自在に支持された下扉13と、この下扉13に回動自在にフリーに取り付けられ、先端に被係止部15に係止するツメ部161を有するツメ体16と、このツメ体16に設けられ、ツメ部161と被係止部15との係止状態を解除するレバー162とを備えている。
【0018】
被係止部15は、図6に示すように、ツメ部161と噛み合って下扉13を保持する役目を果たすストライカーで、該ストライカーは、例えば、ビス151とパイプ152とを有する。
特に、被係止部15が回動自在に支持されたパイプ152であると、ツメ部161の動きをスムーズに案内し、迅速にロックすることができる。
また、ツメ体16は、図2及び図5に示すように、台座1にビス2、ナット3を介して取り付けられている。台座1は、下扉13に図示しないビスで取り付けられている。
【0019】
下扉13をコンテナ本体10に近づけるように回動すると、図3に示すように、ツメ部161の外周が被係止部15に当接し、ツメ部161の先端を超えて、ツメ部161が落下し、ツメ部161の内方の凹所161aの部位が被係止部15に係止するものであり、凹所161aの開口部は、下方を向いている。
即ち、下扉13をコンテナ本体10に近づけるように回動すると、ツメ部161の外周が被係止部15に当接し、ツメ部161の先端を超えて、ツメ部161が落下し、ツメ部161の内方の凹所161aの部位が被係止部15に係止するため、簡易且つ迅速にロックすることができる。
なお、下扉13を開ける場合は、レバー162を図4に示すように指で倒せば、ツメ部161と被係止部15との係止状態を解除することができる。
【0020】
また、図1に示すように、下扉13の上に上扉14が位置し、下扉13の上に上扉14が位置した状態にあって、下扉13が外方に回動するのを上扉14に係止して阻止するストッパーSが下扉13に取り付けられている。
そのため、ツメ部161と被係止部15との係止状態が、例えば、移動中、何らかの理由で、解除された場合、下扉13はストッパーSが上扉14に係止して下扉13が外方に回動するのを阻止することができる。
なお、上扉14は、図示しないロック装置により、上扉14 が外方に回動しないように阻止されている。ストッパーSは、硬質部材であるが、ストッパーSの先端は、軟質部材となっている。
【0021】
また、上述した実施例においては、ツメ部161と被係止部15との係止状態によるロック装置を移動販売車に適用した例について述べたが、本願発明にあっては、移動販売車に限らず、一般的なロック装置にも適用することができる。
即ち、ロック装置は、本体(本体は、例えば、上記実施例で言えば、コンテナ本体10)と、この本体に設けられた被係止部(被係止部は、例えば、上記実施例で言えば、被係止部15)と、前記本体に対して回動自在に支持された移動体(移動体は、例えば、上記実施例で言えば、下扉13)と、この移動体に回動自在にフリーに取り付けられ、先端に前記被係止部に係止するツメ部を有するツメ体(ツメ体は、例えば、上記実施例で言えば、ツメ体16)と、このツメ体に設けられ、前記ツメ部と前記被係止部との係止状態を解除するレバー(レバーは、例えば、上記実施例で言えば、レバー162)とを備え、前記移動体を前記本体に近づけるように回動すると、前記ツメ部の外周が前記被係止部に当接し、前記ツメ部の先端を超えて、前記ツメ部が落下し、前記ツメ部の内方の凹所(凹所は、例えば、上記実施例で言えば、凹所161a)の部位が前記被係止部に係止するものであり、前記凹所の開口部は、下方に向いているものである。
このロック装置においても、上記実施例と同様に、移動体を本体に近づけるように回動すると、ツメ部の外周が被係止部に当接し、前記ツメ部の先端を超えて、前記ツメ部が落下し、前記ツメ部の内方の凹所の部位が前記被係止部に係止するため、簡易且つ迅速にロックすることができる。
【符号の説明】
【0022】
10 コンテナ本体
13 下扉
14 上扉
15 被係止部
16 ツメ体
161 ツメ部
162 レバー
161a 凹所
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8