(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】吸収冷凍および空調装置
(51)【国際特許分類】
F25B 15/06 20060101AFI20220225BHJP
F25B 15/00 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
F25B15/06
F25B15/00 E
F25B15/00 301A
F25B15/00 301B
(21)【出願番号】P 2018558481
(86)(22)【出願日】2017-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2017051041
(87)【国際公開番号】W WO2017129464
(87)【国際公開日】2017-08-03
【審査請求日】2020-01-17
(32)【優先日】2016-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518267539
【氏名又は名称】クール4シー エーピーエス
【氏名又は名称原語表記】COOL4SEA APS
【住所又は居所原語表記】Kullinggade 31A,5700 Svendborg,Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ルンドスガード,ハンス ニコライ シェルニング
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン,ダニエル ブル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィ―ゼ,マーク ホレンダー
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン,クリスチャン フォネスベック
【審査官】飯星 潤耶
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-525869(JP,A)
【文献】特開2000-002472(JP,A)
【文献】特開2007-327658(JP,A)
【文献】特開平01-244258(JP,A)
【文献】特開2000-304369(JP,A)
【文献】米国特許第04292808(US,A)
【文献】特開2013-002790(JP,A)
【文献】特開2007-255860(JP,A)
【文献】特開平05-280822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 15/00-30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発器ユニットに由来する水蒸気が、臭化リチウムの濃縮溶液中に吸収されて熱を放出する、吸収器ユニットと、
発生器または濃縮器ユニットであって、発生器カラム、頂部および基部を備え、該頂部にデミスタまたはミストエリミネータが装着され
、該頂部および該基部から導入された臭化リチウムの希釈溶液がエネルギー吸収蒸発によって濃縮され、発生器または濃縮器ユニットおよび発生器または濃縮器ユニットの頂部が、発生器カラムの頂部への、高度に希釈された臭化リチウム溶液の小さな逆流を周期的に調整することによって洗滌される、前記発生器ユニットまたは濃縮器ユニットと、
吸収器ユニットと発生器ユニットの基部との間に装着された、U字管と、
発生器ユニットからの蒸気が、冷却剤供給源によって、液体まで冷却される、凝縮器ユニットであって、該凝縮器ユニットは、外部供給源から冷却されるプレート熱交換器と、凝縮器ユニットおよび蒸発器ユニット内の圧力ドメイン間の圧力差を制御する、圧力調整U字管とを含み、該外部供給源は、冷却水、循環海水または蒸気冷凍装置が設置されている船からの低温冷却剤循環の供給を含む、前記凝縮器ユニットと、
凝縮器ユニットに由来する水が、蒸発されて、それによって、冷凍しようとする外部源からの熱を抽出する、蒸発器ユニットと
を含む、蒸気吸収冷凍装置。
【請求項2】
希釈臭化リチウム溶液を発生器ユニットの底部中に圧送する、熱交換器を備えた吸収器・発生器移転ポンプをさらに含む、請求項1の蒸気吸収冷凍装置。
【請求項3】
発生器ユニットからの臭化リチウムの濃縮物が、吸収器ユニット内の圧力において沸点より下に冷却されるように、濃縮臭化リチウム溶液を発生器ユニットの基部か
ら熱交換器へと移転させて、濃縮臭化リチウム溶液を吸収器ユニットに戻す、導管をさらに含む、請求項2に記載の蒸気吸収冷凍装置。
【請求項4】
濃縮臭化リチウムの冷却から回収された熱が、発生器ユニットに移転されている希釈臭化リチウムを予熱するのに利用される、請求項3に記載の蒸気吸収冷凍装置。
【請求項5】
1以上のユニットにおけるバッフルまたはバッフルトレイをさらに含む、請求項1に記載の蒸気吸収冷凍装置。
【請求項6】
発生器ユニットが、中心分割プレートと、中心分割プレートの両側の複数
のバッフルまたは
段を形成するよう配置されたバッフルトレイとを含む、請求項5に記載の
蒸気吸収冷凍装置。
【請求項7】
発生器ユニット内の蒸気のためのバッフルトレイおよび入口管をさらに含み、入口管が、発生器の非同調区間内の下部プレートに装着されて、下方に突出している、請求項1に記載の蒸気吸収冷凍装置。
【請求項8】
蒸発器ユニットは、導管を経由してバッファタンクに接続された熱交換器部を含み、バッファタンクは、液相と気相の分離を可能にし、大気動作温度の広範囲な変動の影響を最小化する凝縮器ユニットに由来する凝縮水を収納する、請求項1に記載の蒸気吸収冷凍装置。
【請求項9】
装置内のいずれかの水の再循環が、ポンプによって強制され、それによって蒸発器ユニットまたはバッファタンク内での局所的な氷の形成を阻害する、請求項1に記載の蒸気吸収冷凍装置。
【請求項10】
傾斜導管が、蒸発器ユニットから吸収器ユニットへと蒸気を移転する、請求項1に記載の蒸気吸収冷凍装置。
【請求項11】
傾斜導管に、荒れた
海上条件下で吸収器ユニットから蒸発器ユニットに戻る運動量移転による液体同調を制限するための、バッフルが装着されている、請求項
10に記載の蒸気吸収冷凍装置。
【請求項12】
吸収器ユニットが、大きな吸収表面を作り出すための、
段を形成するよう配置されたバッフルプレートを装着した背の高いカラムを含む、請求項1に記載の蒸気吸収冷凍装置。
【請求項13】
カラムが、多数プレートを装着した
流下液膜式フィルム型カラムである、請求項
12に記載の蒸気吸収冷凍装置。
【請求項14】
吸収器ユニットが、発生器ユニットからの濃縮臭化リチウム溶液のいずれかの再循環ストリームと、蒸発器ユニットから流れる水蒸気の混合のためのインジェクタを含む、請求項1に記載の蒸気吸収冷凍装置。
【請求項15】
請求項1~
14のいず
れか一項に記載の蒸気吸収冷凍装置を船に装着することを含む、船上の環境を調整するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、その内容の全文を参照により本明細書に組み入れてある、2016年1月28日出願の米国仮出願第62/288,115号の優先権の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
海上輸送においては大気温度と湿度が潜在的に許容できないレベルまで上昇するので、船上の雰囲気(climate)は、特に高温領域において、調節を必要とする。
しかしながら、海上環境は、船の横傾斜(heeling)やクランキング(cranking)と、波が砕けるのに伴う衝撃のために要求が厳しい。
従来型の吸収冷凍(refrigeration)ユニットは、加湿された臭化リチウム媒体を加熱することによる除湿の原理で動作するものであり、動的な海上条件の下での使用に対して、修正することなしに、適用することはできない。船の運動のために、従来型の吸収器ユニットには動作上の問題が生じる。
【0003】
ピストンコンプレッサは、船上の環境を調整するために、従来から運転されている。しかしながら、これらは、燃料、冷却剤流体、冷媒流体および維持のコストが高いために高価である。さらに、エンジンからの過剰な熱が環境に分散される。
吸収冷却法は、1858年にカレル(Carre)によって発明されて、フォン・プラーテン(von Platen)とムンタース(Munters)によって、装置内で流体を移送するのに重力に頼り、流体移送に圧送装置を必要としない、3流体構成へとさらに発展させられた。
【0004】
アインシュタイン(Einstein)とシラード(Szilard)は、1927年に、冷凍装置を開示しており、米国特許第1,781,541号も参照されたい。この装置において、冷媒は、不活性ガスと共に蒸発器内に収納されている。冷媒は蒸発して、不活性ガスと共に、凝縮器へと移送されて、そこで蒸発物は、冷却剤を供給される凝縮器内で低下した温度において、液体状態に戻る。米国特許第1,781,541号において、冷媒は、不活性アンモニアガスと混じり合わないブタンである。ブタンは、アンモニア溶液よりも密度が低く、この2つの成分は成層化(stratification)によって分離する。液体ブタンは、導管を経由して蒸発器に戻る。高濃度のアンモニア溶液は、重力によって凝縮器から発生器ユニットへと熱交換器を介して流れ、熱交換器において、外部源からの熱の印加によってアンモニアが蒸発する。アンモニアガスは、導管を経由して蒸発器へと戻り、それによって、その存在が冷媒ブタンの分圧を低下させ、したがって冷媒を蒸発させる。発生器において、アンモニアをほとんど含まない水が、高所に置かれた容器を通過することによって加熱されて、その容器から、水は、重力によって熱交換器を経由して凝縮器へと排出され、それによって、熱は凝縮器から発生器へと流れる低温の濃縮液体へと移転される。アンモニア含有量の低い、冷却された水のストリームは、凝縮器の低温水ジャケットを通過することによってさらに冷却されて、その結果として、凝縮器内へ出ると、ストリームは、アンモニアガスの迅速な吸収を促進する条件になっている。
【0005】
構造の様々な要素は、発生器に対する蒸発器の高さを調節することによって、液圧平衡にされており、その結果として、蒸発器から流れが維持される。
【0006】
公開された米国特許出願第20110259039号は、加熱および冷却用の熱駆動ヒートポンプを開示している。この熱駆動ヒートポンプは、冷却流体を蒸発させて熱を奪うための低温蒸発器を含む。第1のエゼクタ(ejector)の集束/発散チャンバの出口に位置する第1の熱交換器が、冷却流体蒸気の部分を凝縮させるために、一次流体蒸気の流れと、第1のエゼクタから噴射された冷却流体蒸気とを受け入れる。第1の熱交換器に位置する吸収器は、冷却流体蒸気を、吸収流体内に吸収して、第1の熱交換器内の圧力を低下させる。第2のエゼクタの集束/発散チャンバの出口に位置する第2の熱交換器は、冷却流体蒸気と一次流体蒸気を凝縮させるために、一次流体蒸気と、第2のエゼクタから噴射された冷却流体蒸気とを、受け入れる。第2のエゼクタ、低温蒸発器および一次流体蒸発器と連通するセパレータは、一次流体を冷却流体から分離する。
【0007】
米国特許第5,016,445号は、吸収装置、冷媒効果を生成する方法、および吸収性冷媒溶液を開示している。この吸収装置は、ハウジングと、強い冷媒溶液を生成するための、ハウジング内部に収納された吸収器とを備える。発生器冷媒貯留器は、上昇冷媒蒸気を生成するために、ハウジングの底部に置かれている。凝縮器は、冷媒蒸気を冷媒液体に凝縮させるために、ハウジングの頂部に置かれている。蒸発器は、凝縮器から冷媒液体を受け入れて、それを蒸発させて冷媒効果を生み出すための、ハウジング内の凝縮器の下に配置されている。吸収装置は、さらに、吸収器から発生器冷媒貯留器へ強い冷媒溶液を圧送するためのポンプを備える。ハウジング内部で冷媒効果を生成する方法であって、ハウジング内部に収納された吸収器によって、強い冷媒溶液を生成すること、およびハウジング内部に位置する発生器冷媒貯留器から上昇する冷媒蒸気を生成することも含む方法が開示されている。また、この方法は、ハウジング内部に置かれた凝縮器によって、冷媒蒸気を冷媒液体に凝縮させること、冷媒効果を生成するために、ハウジング内部に配置された蒸発器によって冷媒液体を蒸発させること、および発生器冷媒貯留器へ強い冷媒溶液を圧送することを含む。また、吸収性冷媒の蒸気吸収特性を増強する、促進剤を含有する吸収性冷媒溶液、および吸収装置を製造する方法も開示されている。
【0008】
米国特許第4,345,440号は、断熱膨張と、作動流体の振動的な圧縮と圧送のための、インパルス発生手段とを利用する冷凍システムを開示している。インパルス発生手段とは、熱源による熱、典型的には、自動車エンジンの廃熱を、作動流体に印加するための手段を備える、喉部(throat)の下流に液体入口を有するベンチュリ管(venturi)である。作動流体は、自動車乗員コンパートメント内で、蒸発により空気を冷却するのに使用してもよい。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、加湿された液体臭化リチウム媒体を加熱することによる、除湿の原理に基づき動作する、蒸気吸収冷凍装置に関する。一旦、乾燥すると、次いで臭化リチウム溶液は、除湿しようとする空間に由来する水蒸気を吸収することによって、加湿される。吸収の工程は、熱を放出し、これには周囲から液体媒体への熱伝達を伴い、その結果として、この工程を、密閉された空間の温度と湿度を制御するのに使用することができる。吸収冷凍ユニットは、特に海上用途において有用であり、船舶上の密閉された空間の温度または湿度を制御する。
【0010】
すなわち、本発明の非限定の観点は、密閉空間の温度および/または湿度を制御することのできる、吸収冷凍および空調装置に関する。この装置は、海上用途において特に有用である。
本発明の別の非限定の観点は、内燃機関において使用される吸入空気を冷却し、それによって燃費を大幅に改善するための、熱交換器を介する冷却能力の利用に関する。
【0011】
本発明の装置は、蒸発器ユニットに由来する水蒸気が、臭化リチウムの濃縮溶液中に吸収されて熱を放出する、吸収器ユニットと、臭化リチウムの希釈溶液がエネルギー吸収蒸発によって濃縮される、発生器ユニットまたは濃縮器ユニットと、発生器ユニットからの蒸気が、冷却剤供給源によって液体まで冷却される、凝縮器ユニットと、凝縮器ユニットに由来する水が蒸発され、それによって冷凍しようとする外部源からの熱を抽出する、蒸発器ユニットと含む。
【0012】
一つの非限定の実施態様において、工程において生じる圧力差を補償して、濃縮臭化リチウム溶液を吸収器に戻すために、U字管が、吸収器ユニットと発生器ユニットの基部の間に装着されている。
一つの非限定の実施態様において、希釈臭化リチウムは、吸収器・発生器移転ポンプを用い、熱交換器を介して、発生器ユニットの底部中に圧送される。
【0013】
一つの非限定の実施態様において、発生器ユニットからの臭化リチウム濃縮物が、吸収器ユニット内の圧力においその沸点より下に冷却されることを確実にするために、濃縮臭化リチウム溶液が、発生器ユニットの底部から内部熱交換器へ移転されるとともに、導管を経由して吸収器に戻される。この非限定の実施態様においては、濃縮臭化リチウムから回収された熱は、発生器ユニットへ移転されている希釈臭化リチウムを予備加熱して、それによって熱効率を向上させるのに使われる。
一つの非限定の実施態様において、発生器ユニットは、希釈臭化リチウムを濃縮物から分離する、中心分割プレートを含む。
【0014】
一つの非限定の実施態様において、本発明の装置は、流体移動を最小化かつ/または停止させるとともに、大きな体積に渡る流体の律動的な移動の加速を避けるために、1以上のユニット内にバッフル(baffle)またはバッフルトレイ(baffle tray)を備える。この実施態様において、バッフルトレイが発生器ユニット内に組み込まれているときには、この装置は、非同調(disentrainment)区間中への蒸気の進入速度が、非同調区間の効率的な動作に対して最適であることを確実にするため、および船が過剰に上下運動またはロール運動するとき、または臭化リチウム食塩水が激しく沸騰するときに、非同調区間中への臭化リチウム溶液の大量の移送を防止するために、非同調区間における下部プレートに装着されて、下方に突出した、入口管をさらに備えてもよい。
【0015】
一つの非限定の実施態様において、発生器ユニットの頂部の蒸気空間には、蒸気空間の底板上に支持された、デミスタ(demister)またはミストエリミネータ(mist-eliminator)が装着されている。
一つの非限定の実施態様において、発生器ユニットは、発生器カラムを含み、発生器ユニットの頂部ステージは、周期的に、発生器カラムの頂部への、高度に希釈された臭化リチウム溶液の小さな逆流(back-flow)を調整することによって洗滌される。
【0016】
一つの非限定の実施態様において、装置の凝縮器ユニットは、冷却水、循環海水または船上での低温冷却剤循環の供給などの外部から冷却される、プレート熱交換器と、凝縮器ユニットおよび蒸発器ユニット内の圧力ドメイン間の圧力差を制御する、圧力調整U字管とを含む。
一つの非限定の実施態様において、蒸発器ユニットは、液相と気相の分離を可能にし、大気動作温度の広範囲な変動の影響を最小化する、凝縮器ユニットに由来する凝縮水を収納するバッファタンクに導管を経由して接続された、熱交換器部を含む。一実施態様において、水の循環は、ポンプを用いて強制され、それによって蒸発器ユニットまたはバッファタンク内での氷の局所的な形成が阻害される。
【0017】
一つの非限定の実施態様において、相対的に大きな直径を有する傾斜導管が、蒸発器ユニットから吸収器ユニットへと蒸気を移転する。一つの非限定の実施態様において、導管には、荒れる海洋条件の下で吸収器ユニットから蒸発器ユニットへと戻る運動量移転による液体同調を制限するために、適当なバッフルが装着されている。一つの非限定の実施態様において、臭化リチウム溶液の蒸発器ユニットへと戻る移転を防止するため、かつ機器が機能していないときに、水蒸気の吸収器への移送を防止するため、導管内に蒸気バルブが装着されている。
一つの非限定の実施態様において、吸収器ユニットは、最適な大きさの吸収表面を作り出すための、段付きバッフルプレートを装着した背の高いカラムを含む。
【0018】
一つの非限定の実施態様において、吸収器ユニットは、大きな吸収表面を与えるとともに、冷却と、確実で均一な臭化リチウム溶液の濃縮率とを可能にする、多数プレートを装着した流下液膜式カラムを含む。
一つの非限定の実施態様において、吸収器ユニットは、発生器ユニットからの濃縮臭化リチウム溶液の循環ストリームと、蒸発器ユニットから流れる水蒸気の迅速な混合を確実にする、ベンチュリ型のインジェクタを含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の吸収冷凍ユニットの設計に適用された基本原理の図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の吸収冷凍ユニットの動作原理のより詳細な図である。
【
図3】
図3は、その底部に有孔送給管を備える、蒸発器ユニット、特に熱交換器の非限定の実施態様のさらなる詳細図を示す。
【
図4】
図4は、頂部の近くに有孔送給管を備える、蒸発器ユニット、特にバッファタンクの非限定の実施態様の図を示す。
【
図5】段付きバッフルプレートを含む、発生器のさらに詳細な図を示す。
【0020】
発明の詳細な説明
任意好適な源からの廃熱を利用する、吸収冷却ユニットは、全体的な燃料経済を改善し、それによって好ましくないガス状廃棄物を低減し、燃料および冷却液体の消費と損失を節約し、維持コストを低減することができる。本明細書において開示される、吸収冷却ユニットは、海上動作に関する特殊条件に対応する。この設計は、特に、海洋環境における効率的な動作に致命的な、重力効果および慣性効果を低減すること、および任意の自然発生する大気温度で最適に動作する能力を目的としている。
【0021】
好適な廃熱源の非限定の例としは、それに限定はされないが、エンジン冷却剤からの廃熱、過剰な熱エネルギーが利用可能である、作業領域または居住設備からの高温空気、船舶に搭載されたボイラまたはエンジン室からの熱、およびエンジンからの排出ガスが挙げられる。
蒸気吸収装置は、豊富で安価な低級熱源が利用可能な場合、または熱が太陽熱収集器または風力タービンから抽出される場合に通常、使用される。ほとんどの船において、豊富な熱が、原動機から廃熱として利用可能である。この熱源は、蒸気吸収装置において利用し、必要に応じて船の領域を任意選択で加熱または冷却してもよい。
【0022】
本発明のねらいと目的は、冷凍または任意選択で領域加熱のためのエネルギー源として、低級な熱源を利用する手段を提供することである。開示された実施態様において、設計は、船舶の冷却しようとする領域、特に、居住収容施設、空調された領域、貯蔵領域、その他から熱を抽出することを目的とする。本発明のデバイスは、船上での雰囲気を調整する方法、加えてこれらの蒸気吸収冷凍装置で内燃機関において使われる吸入空気を冷却することによって、内燃機関の燃費を向上させる方法において有用である。
【0023】
従来型の吸収試作装置を動作させることの経験から、2つの好ましくない効果が、吸収器ユニットの信頼性および効率に影響を与えることが明らかに示されている。この開示には、吸収器ユニットを、臭化リチウム溶液に基づいて、海において確実かつ効率的に動作するように修正することを可能にする、特有のステップが明記されている。効率を制限する第1の効果は、蒸発器ドメインの水分の汚染によって生じる。臭化リチウムによる好ましくない汚染が蒸発工程の効率に強い影響を与える、臭化リチウム溶液の蒸発器への移転を防止することが重要である。別の重大な問題は、結果として閉塞を生じる、導管内での濃縮臭化リチウムの塩析(salting out)およびケーキング(caking)に関する。
【0024】
図1に示されるように、最も簡便な形態において、本発明の装置は、蒸発ユニット3に由来する水蒸気が臭化リチウムの濃縮溶液に吸収されて熱を放出する、吸収器ユニット4と;臭化リチウムの希釈溶液がエネルギー吸収蒸発によって濃縮される、発生器ユニットまたは濃縮器ユニット1と;発生器ユニット1からの蒸気が、冷却剤供給源によって液体まで冷却される、凝縮器ユニット2と;凝縮器ユニット2に由来する水が蒸発して、それによって冷凍しようとする外部供給源から熱を抽出する、蒸発器ユニット3とを含む。工程において生ずる圧力差を補償するとともに、濃縮臭化リチウム溶液を吸収器に戻すために、吸収器ユニット4と発生器ユニット1の間に、U字管が装着されている。
【0025】
本発明の装置の動作の原理が、
図2にさらに詳細に示されている。
発生器ユニットまたは濃縮器ユニット1の機能は、発生器ユニット1内の内部熱交換器に供給される、エンジン冷却剤のような、低級外部源からの熱を利用することによって、希釈臭化リチウム溶液から水を蒸発させて、それを濃縮することである。処理速度は、蒸発の潜熱を補償する、水を蒸発させるエンタルピー変化に加えて、回収の熱(heat of salvation)によって決まるエンタルピー変化の観点において臭化リチウム溶液を濃縮するのに使用されるエンタルピーの両方に依存する。Wiley Online Library(wileyonlinelibrary.com)にオンラインで公開された、Palacios-Berecheら、International Journal of Energy Research (2010)を参照のこと。DOI:10.1002/er.l790。
【0026】
U字管として作用する導管21は、発生器ユニット1内の所望の液体の上端(head)を決定するとともに、濃縮臭化リチウムを、発生器ユニット1の基部にある発生器から離れる方向に導く。導管21は、動的移動および船舶のクランキングまたは傾斜の程度とは独立して、発生器ユニットへの流れ安定性を確保する。導管は、発生器ユニットの頂部において液体蒸気界面の上方に排気されている。単に頂部だけでなく、発生ユニットの基部における、臭化リチウム溶液の導管を経由しての発生器への流れによって、蒸気同調または流体運動量による、発生器ユニットから凝縮器ユニットへの好ましくない移送が防止される。低濃度LiBr溶液は、発生器の反対側において熱の入力へ遠隔式に送給される。中心セパレータプレートと、水平方向に段付きバッフルプレートまたは
図5に示されるような複数のプレート34とを備える、構造の非限定の実施態様は、対向流の延長経路を確保する。濃縮されたLiBrは、さらに濃度が高く、発生器の底部に集まる。蒸発工程に必要な熱は、高LiBr濃度の区域において入る。この対向流モードにおいて、加熱の速度は、低LiBr濃度の区域に向かって低下する。
【0027】
重力および、臭化リチウムの同調の程度と、発生器ユニットからの液体移送とに影響を与える、運動量移転の効果を制限するために、希釈臭化リチウム溶液は、吸収器・発生器移転ポンプ7を用いて、熱交換器5を経由して発生器ユニットの底部中に圧送される。
濃縮臭化リチウム溶液は、同様に、発生器ユニット1の基部から熱交換器5へと移転されて、導管19を経由して吸収器ユニット4へと戻される。この熱交換器は、発生器ユニットからの臭化リチウム濃縮物が、吸収器ユニット内の圧力において、その沸点より低く冷却されることを確実にする。濃縮臭化リチウムの冷却から回収された熱は、発生器ユニットに移転されている、希釈臭化リチウムを予備加熱するのに使用され、それによって熱効率を向上させる。
【0028】
水の安定蒸発を確実にするとともに、沸騰蒸発と、結果として生じる溶質同調の増加とを避けるために、中心分割プレート11は、凝縮物から希釈臭化リチウムを分離する。中心分割プレートは、内部熱交換器と、濃縮されている臭化リチウム溶液との間で、対向流状態が維持されることを確実にする。一実施態様において、内部熱交換器は、多重管熱交換器26である。熱交換器は、船の駆動モータからの冷却剤のような、そうでなければ無駄にされることのある低級熱源を経由して、発生器ユニットを加熱する。発生器ユニットは、名目的に、温度が83°、圧力が63ミリバール(mbar)に維持される、チャンバを有する。毎分約2リットルの流体移送が、吸収器・発生器移転ポンプ7を用いて、維持される。
【0029】
一つの非限定の実施態様において、蒸気排気内の臭化リチウム濃縮物の同調、ならびに船舶の動的移動による流体の同調の防止は、発生器ユニットに水平バッフルトレイまたは段付きバッフルプレート34(
図5を参照)を装着することによって制御される。一つの非限定の実施態様において、トレイは、5mmのラシヒリング(Raschig ring)の10cm層を支持する。下部トレイは、蒸気が、後続の凝縮ステージにおいて、その中心を通り排気される中心パイプを備える。この下部トレイは、単一の中心ベントパイプを有し、その寸法は、約20から30メートル/秒の蒸気速度を有する必要性に基づいている。管内の蒸気の速度は、効率的な非同調と、再同調を制限するための、最適値である23メートル/秒に決定された。この実施態様はまた、非同調区間10中への蒸気の進入速度が、非同調区間の効率的な動作に最適であることを確実にする、非同調区間における下部プレートに装着された蒸気バルブ28も含む。蒸気液体界面に向かう下方への管突出は、船が過剰に上下運動したり、ロール運動するときに、濃縮臭化リチウム溶液の、非同調区間中への大量の移送を防止することを意図している。
【0030】
一つの非限定の実施態様において、発生器ユニットの頂部の蒸気空間には、蒸気空間の底部プレート上に支えられた、デミスタまたはミストエリミネータが装着されている。金網型のそのようなミストエリミネータは、それに限定はされないが、米国、テキサス州ヒューストンのAMACSなどの、多数の世界的製造会社によって製造されている。発生器の蒸気フィルタ区間からの融合液体は、発生器内の液体に、容易に排出して戻すことができることがわかった。導管14に進入する再同調された臭化リチウム濃縮物は、1000分の1に低減された。
一つの非限定の実施態様において、発生器カラムの頂部への、高度に希釈された臭化リチウム溶液の小さな逆流を、周期的にバルブを介して調整することによって、発生器ユニットの頂部ステージの洗滌のための準備が行われた。
【0031】
装置の凝縮器ユニット2は、冷却水、循環海水、または船上での低温冷却剤循環の供給などの、外部から冷却されて、37℃の名目温度と約63mbarの圧力に維持された、プレート熱交換器を備える。
【0032】
圧力調整U字管6は、システム内の2つの圧力ドメイン間の圧力の差を制御する。U字管は、凝縮器ユニット2から蒸発器ユニット3への水凝縮物の流れを確実にする。圧力調整U字管6の2つのリム部(limb)における高度差は、発生器・凝縮器ドメインと比較した、蒸発器・吸収器ドメインにおける圧力差を決定する。蒸発器ユニットが5℃で、8mbarの圧力に維持されている一方で、発生器ユニットは、83℃で、約63mbarの圧力で動作する。これらの動作条件は、臭化リチウム溶液に対する熱力学関係により決定される。Wiley Online Library(wileyonlinelibrary.com)にオンラインで公開された、Palacios-Berecheら、International Journal of Energy Research (2010)を参照のこと。DOI:10.1002/er.l790。
【0033】
装置の蒸発器ユニット3および13は、冷凍しようとする領域から熱を抽出するユニットである。熱は、従来型手段による冷却を必要とする船内の領域から、蒸発器ユニットへ移送される。蒸発器ユニットは、熱交換器3と、液体相と蒸気相の分離を可能にする、バッファタンク13とを備える。熱は、冷却しようとする領域から、蒸発器ユニットへ移送される。バッファタンク13は、凝縮器ユニット2に由来する、凝縮水を収納する。バッファタンク13を準備することによって、大気動作温度における広い変動の効果が最小化される。ポンプ8による水の強制循環によって、蒸発器ユニットまたはバッファタンクにおける局所的な氷の形成が阻害され、熱伝達がより効率的になる。さらに、ポンプは、船舶の横傾斜角度と動的移動の全条件において確実な熱伝達を維持する。
【0034】
名目的に8mbarの低下した圧力と5℃の温度で動作するバッファタンク内に、液体‐蒸気界面が形成される。凝縮器ユニット2からの冷却水は、循環ポンプ8を用いて、バッファタンク13と、蒸発器ユニットの熱交換器3とに移転される。循環ポンプ8は、安定循環を確実にし、蒸発器ユニットの効率を向上させる。蒸発器ユニットの内容物を強制循環することによって、海上条件下での運動移転による乱流の影響が制限される。また、シャットダウン中、バッファタンク13の内容物が吸収器ユニット4へと移転されるとき、このポンプは、ドレインポンプとして働く。結果として得られる、臭化リチウムの希釈溶液は、低下した氷点を有し、それによって霜に対する保護を与える。
【0035】
蒸発器ユニット3からの蒸気は、傾斜した導管15を経由して吸収器ユニット4へと移転される。傾斜した導管15は、名目的に、吸収器の断面積の15から25%となる、相対的に大きい直径を有し、これによって、蒸発器ユニット3からの蒸気移転がほとんど圧力低下なしに促進される。一つの非限定の実施態様において、導管には、荒れた海上条件下で、吸収器ユニットから蒸発器ユニットに戻る運動量移転による液体同調を制限するために、段付きバッフルが装着されている。
【0036】
臭化リチウムによる好ましくない汚染が、蒸発工程の効率に大きな影響を与える、蒸発器ユニットに戻る臭化リチウム溶液の移転を防止するために、蒸気バルブ28が、この導管15に装着されており、これは、蒸発器ユニットが動作していないときには、閉止されている。
【0037】
一つの非限定の実施態様において、有孔の送給管33またはトレイ31が、蒸発器ユニット3またはそのバッファタンク13中に装着されている。一つの非限定の実施態様において、有孔管31は、蒸発器の底部にある。
図3を参照。代替的に、有孔トレイ33は、頂部により近く設置してもよい。
図4を参照。有孔送給管33またはトレイ31は、バッファタンクへの液体流を液滴に分割させる。このことは、露出された液体表面の増加と、バッファタンク13内での蒸発の強化を表わし、その結果として冷却工程はより効率的になる。
【0038】
代替的な非限定の実施態様において、蒸発の速度を上昇させるとともに、熱効率を向上させるために、多数のバッフルプレートが段付き配設(stepping arrangement)で使用される。図示のようにバッフルを装着したときには、吸収器ユニット4は、船のヒーリングのすべての角度において効率的である。
【0039】
本発明の装置は、吸収器ユニット4をさらに含む。バッファタンク13からの水蒸気が吸収器ユニット4に移送され、この吸収器ユニット4は、最適の大きい吸収表面を作り出すために、段付きバッフルプレートが装着された、背の高いカラムを備える。この設計は、船がロール運動するときに効率的であり、その結果として、ユニット効率は、すべての海上動作条件の下で維持される。吸収器ユニットのチャンバは、内部管熱交換工程によって冷却され、37℃の温度と8mbarの圧力に維持される。水蒸気は、発生器ユニットから導管21を経由して熱交換器5に、さらに導管19を経由して吸収器ユニット4へと送給される、濃縮臭化リチウムに吸収される。熱は、臭化リチウム溶液が希釈されるときに溶液のエンタルピーの変化によって吸収器ユニット内に放出され、この熱は、内部管熱24を用いて運び去られる。吸収器ユニットから発生器ユニットへの循環、および熱交換器5内での循環は、ポンプ7によって維持されて、このポンプ7から、吸収器ユニットからの冷却された希釈臭化リチウムが、導管16を経由して発生器ユニットに送給される。同様に、発生器ユニットからの加熱された濃縮臭化リチウムが、導管21を経由して吸収器ユニットへ送給される。
【0040】
一つの非限定の実施態様において、吸収器ユニット4は流下液膜式カラムを備え、このカラムには、大きな吸収表面を与えるとともに、臭化リチウム溶液の冷却と、確実で均一な濃縮速度とを可能にする、多数のプレート12が装着されている。発生器からの濃縮LiBrは、熱交換器5を経由し、ポンプ9を経由して、対向流原理で動作する吸収器の頂部へと送給される。臭化リチウム溶液の濃度は、液体が1つのプレートから別のプレートへとカラムを流れ落ちるにつれて低下し、その結果として、カラムの頂部において最大の液体比重が得られる。蒸発器ユニットから供給される蒸気は、底部近くのカラムに送給され、その結果として、カラムは、対向流モードで動作する。
【0041】
別の非限定の実施態様において、吸収器ユニットは、発生器ユニットからの濃縮臭化リチウム溶液の再循環ストリームと、蒸発器ユニットから流れる水蒸気との迅速な混合を確実にする、ベンチュリ型のインジェクタを備える。このストリームは、希釈臭化リチウムを冷却するコイル管熱交換器が装着された、蒸発器ユニットに進入する。
【0042】
船の動的移動の間に、装置内の流体は、慣性的な影響を受けて、運動量を移転し、動いている。流体の加速と運動は、蒸発器ユニットおよび凝縮器ユニット内の熱伝達、処理タンク内の表面に対する力に影響を与え、1つの工程ステージから別の工程ステージまでの汚染を増大させ、それによって装置内の工程に影響を与える。このような傾向は、好ましくない流体移動および蒸気相における液体同調を最小化するために、バッフルを装着することによって制御される。乱流および運動量移転は、装置の大容積容器内の流体を、物質速度が高い接続管中に、同調する可能性もある。この結果として、例えば、蒸発器ユニットから同調された水によって、吸収器ユニット内の吸収剤の希釈を生じ、それによって吸収器ユニットの効率を低下させるとともに、発生器ユニットから蒸発器ユニットまでの臭化リチウムの同調を生じ、それによって蒸発工程の効率に重大な影響を与える可能性がある。
【0043】
すなわち、本発明のねらいは、吸収冷凍を海上運転に対して好適にすることであって、吸収冷凍装置のユニットには、同調制限装置が装着されて、限定された量の濃縮臭化リチウム溶液だけが、凝縮器ユニット2への同調によって移転されて、水ドメインの汚染およびファウリング、熱効率の低下を回避することを確実にするように動作される。
【0044】
機器の反復的な始動および再始動により、同調された臭化リチウムの結晶化が、内部ドレイン20のファウリングと閉塞を起こし、結果として、動作停止となる可能性がある。発生器ユニットが臭化リチウム水溶液を高濃度で含有する場合には、臭化リチウムが溶液内に残留することのできるレベルまで大気温度が低下すれば、結晶化ファウリングが生じる可能性がある。したがって、一つの非限定の実施態様においては、これらの敏感な場所には、同調効果が適切に解決されない場合に溶解度を維持するために、熱源が装備されている。
【0045】
代替的に、または追加的に、発生器圧力を増大させることにより、導管およびバルブを初期の結晶化から解放し、導管19および21を介して適当な流れを確実にするのに役立つので、これを行うことができる。
様々な非限定の動作パラメータが、最適性能のために定義されている。これらには、発生器ユニットを、63mbarの圧力と60%の臭化リチウム濃度で動作させること;凝縮器ユニットを、63mbarの圧力と37℃の温度で動作させること;蒸発器ユニットを、8mbarの圧力と5℃の温度で動作させること;および吸収器ユニットを、8mbarの圧力と37℃の温度で動作させることが含まれる。
【0046】
本発明の冷凍装置は、回路上の3点でアクセス可能であり、閉止バルブが装着されている、導管17を経由してユニットを空にすることによって空気を一掃することができる。真空バッファタンク18は、逆真空が簡便に利用可能であるように、設けられている。
一つの非限定の実施態様において、以下の動作順序は、本発明の装置を始動させるのに使用される。装置は、すべての容器およびバルブに、ファウリングや結晶化がないことを確実にするために、最初にファウリングと結晶化について検査が行われる。次いで、すべての非凝縮性ガスが、装置から排出される。次いで、発生器ユニット1および内部ドレイン20に、熱が印加される。60℃になると、吸収器・発生器ポンプ7が、再循環ポンプ9と共に始動される。次いで、蒸発器ポンプ8が始動されて、吸収器ユニット内の流体レベルが、蒸気配送導管バルブより低く低下すると、冷却回路が、動作可能になる。その後に、冷却効果が所望のレベルまで上昇する。