(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】プログラム、情報管理方法、情報管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220225BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020134798
(22)【出願日】2020-08-07
【審査請求日】2020-08-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397041185
【氏名又は名称】三菱UFJ信託銀行株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】七條 真輔
(72)【発明者】
【氏名】中野 宏一
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-177594(JP,A)
【文献】特開2014-56324(JP,A)
【文献】特開2018-55229(JP,A)
【文献】特開2013-101549(JP,A)
【文献】特開2002-7323(JP,A)
【文献】特開2002-329013(JP,A)
【文献】特開2018-18266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
第1ユーザが伝達する複数の伝達情報と、前記伝達情報のそれぞれに対する、前記伝達情報の閲覧が許可される第2ユーザ及び前記閲覧が可能となる閲覧可能時期を含む閲覧条件と、を前記第1ユーザの端末から受け付ける、伝達情報受付処理
であって、記憶部に記憶される前記第1ユーザに関連付けられた複数の他のユーザに関する情報に基づいて、前記複数の他のユーザの中から選択された前記第2ユーザを受け付ける、伝達情報受付処理と、
前記伝達情報のそれぞれに対する前記閲覧条件に基づいて、前記伝達情報のそれぞれを、前記閲覧可能時期に、前記第2ユーザが前記第2ユーザの端末から閲覧可能な状態にする、閲覧管理処理と、
前記複数の他のユーザの候補である追加ユーザに関する情報を第1入力情報として前記第1ユーザの端末から取得する、ユーザ情報取得処理と、
前記第1入力情報に基づいて、前記追加ユーザが前記追加ユーザに関する情報を第2入力情報として入力するための情報を前記追加ユーザの端末に送信する、入力要求処理と、
前記第2入力情報を前記追加ユーザの端末から取得し、前記第1入力情報と前記第2入力情報との照合を行う照合処理と、
前記第1入力情報と前記第2入力情報とが一致する場合、前記追加ユーザを前記複数の他のユーザとして、前記追加ユーザに関する情報を前記第1ユーザに関連付けて前記記憶部に記憶させるユーザ記憶処理と、を実行させるプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記伝達情報は、予め定められた複数の伝達項目の一つに属する情報であり、
前記伝達情報受付処理は、前記複数の前記伝達項目のうち少なくとも一つ以上の前記伝達項目に対して、前記少なくとも一つ以上の前記伝達項目のそれぞれに属する少なくとも一つ以上の前記伝達情報と、前記少なくとも一つ以上の前記伝達情報のそれぞれに対する前記閲覧条件と、を受け付ける、プログラム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプログラムであって、
前記伝達情報受付処理は、記憶部に記憶される前記第1ユーザに関連付けられた複数の他のユーザに関する情報に基づいて、前記複数の他のユーザの中から選択された前記第2ユーザを受け付ける、プログラム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記第1ユーザが前記閲覧可能時期として指定可能な状態にあることを示す状態情報と、前記状態を証明する証明情報とを、前記複数の他のユーザのいずれかの端末から取得する、状態取得処理と、
前記証明情報に基づいて前記第1ユーザが前記状態にあることが証明されたことを示す証明結果を取得する、証明結果取得処理と、をさらに実行させ、
前記閲覧管理処理は、前記閲覧条件と前記証明結果とに基づいて、前記伝達情報のそれぞれを、前記第1ユーザが前記状態にあることに対応する前記閲覧可能時期に、前記第2ユーザが前記第2ユーザの端末から閲覧可能な状態にする、プログラム。
【請求項5】
コンピュータが、
第1ユーザが伝達する複数の伝達情報と、前記伝達情報のそれぞれに対する、前記伝達情報の閲覧が許可される第2ユーザ及び前記閲覧が可能となる閲覧可能時期を含む閲覧条件と、を前記第1ユーザの端末から受け付けること
であって、記憶部に記憶される前記第1ユーザに関連付けられた複数の他のユーザに関する情報に基づいて、前記複数の他のユーザの中から選択された前記第2ユーザを受け付けることと、
前記伝達情報のそれぞれに対する前記閲覧条件に基づいて、前記伝達情報のそれぞれを、前記閲覧可能時期に、前記第2ユーザが前記第2ユーザの端末から閲覧可能な状態にすることと、
前記複数の他のユーザの候補である追加ユーザに関する情報を第1入力情報として前記第1ユーザの端末から取得することと、
前記第1入力情報に基づいて、前記追加ユーザが前記追加ユーザに関する情報を第2入力情報として入力するための情報を前記追加ユーザの端末に送信することと、
前記第2入力情報を前記追加ユーザの端末から取得し、前記第1入力情報と前記第2入力情報との照合を行うことと、
前記第1入力情報と前記第2入力情報とが一致する場合、前記追加ユーザを前記複数の他のユーザとして、前記追加ユーザに関する情報を前記第1ユーザに関連付けて前記記憶部に記憶させることと、を含む情報管理方法。
【請求項6】
第1ユーザが伝達する複数の伝達情報と、前記伝達情報のそれぞれに対する、前記伝達情報の閲覧が許可される第2ユーザ及び前記閲覧が可能となる閲覧可能時期を含む閲覧条件と、を前記第1ユーザの端末から受け付ける、伝達情報受付部
であって、記憶部に記憶される前記第1ユーザに関連付けられた複数の他のユーザに関する情報に基づいて、前記複数の他のユーザの中から選択された前記第2ユーザを受け付ける、伝達情報受付部と、
前記伝達情報のそれぞれに対する前記閲覧条件に基づいて、前記伝達情報のそれぞれを、前記閲覧可能時期に、前記第2ユーザが前記第2ユーザの端末から閲覧可能な状態にする、閲覧管理部と、
前記複数の他のユーザの候補である追加ユーザに関する情報を第1入力情報として前記第1ユーザの端末から取得し、
前記第1入力情報に基づいて、前記追加ユーザが前記追加ユーザに関する情報を第2入力情報として入力するための情報を前記追加ユーザの端末に送信し、
前記第2入力情報を前記追加ユーザの端末から取得し、前記第1入力情報と前記第2入力情報との照合を行い、
前記第1入力情報と前記第2入力情報とが一致する場合、前記追加ユーザを前記複数の他のユーザとして、前記追加ユーザに関する情報を前記第1ユーザに関連付けて前記記憶部に記憶させる、家族情報管理部と、を備える情報管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報管理方法及び情報管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ある人の財産に関する情報あるいは医療や介護等に関する情報を、その人の家族等に伝えられるように予め記録しておくことで、例えば、介護や相続といった、将来発生する可能性がある出来事に対して、家族等が円滑に対処することが可能となる。
【0003】
非特許文献1には、ユーザ(委託者)の財産に関する情報やユーザのみが把握している契約等の情報を記録し、それらの情報の提供対象として予め指定されたユーザ(指定受取人)へと提供するサービスが示されている。非特許文献1に記載のサービスでは、相続発生前に指定受取人が閲覧可能な情報と、相続発生後に指定受取人が閲覧可能な情報とが存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】みずほ信託銀行株式会社、「プライベートデータ信託「未来への手紙」の取扱開始について」、ニュースリリース、[online]、令和2年7月10日、みずほ信託銀行株式会社、[令和2年7月10日検索]、インターネット<URL:https://www.mizuho-tb.co.jp/company/release/pdf/20200710.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に記載のサービスでは、ユーザから預かる情報の提供対象となるユーザであれば、各ユーザが同一の情報を閲覧可能である。一方、円滑な相続のために、財産に関する情報として預けた情報の全部が、予め指定されたユーザ全員へと開示されることをユーザが望まない場合がある。あるいは、財産に関連しない情報の中にも、予め指定されたユーザ全員へと情報が開示されないことをユーザが望む場合がある。すなわち、情報の提供対象となるユーザであれば各ユーザが同一の情報を閲覧可能であるとすると、情報を預けるユーザの希望に適わない情報の提供が発生する場合がある。また、ユーザは、非特許文献1のような相続発生以外の場合のタイミングで情報を伝達したい場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、あるユーザが他のユーザに伝達する情報が、適切なユーザに対して適切な時期に伝達されることを可能とするプログラム、情報管理方法及び情報管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、第1ユーザが伝達する複数の伝達情報と、伝達情報のそれぞれに対する、伝達情報の閲覧が許可される第2ユーザ及び閲覧が可能となる閲覧可能時期を含む閲覧条件と、を第1ユーザの端末から受け付ける、伝達情報受付処理と、伝達情報のそれぞれに対する閲覧条件に基づいて、伝達情報のそれぞれを、閲覧可能時期に、第2ユーザが第2ユーザの端末から閲覧可能な状態にする、閲覧管理処理と、を実行させる。
【0008】
上記態様において、伝達情報は、予め定められた複数の伝達項目の一つに属する情報であり、伝達情報受付処理は、複数の伝達項目のうち少なくとも一つ以上の伝達項目に対して、少なくとも一つ以上の伝達項目のそれぞれに属する少なくとも一つ以上の伝達情報と、少なくとも一つ以上の伝達情報のそれぞれに対する閲覧条件と、を受け付けてもよい。
【0009】
上記態様において、伝達情報受付処理は、記憶部に記憶される第1ユーザに関連付けられた複数の他のユーザに関する情報に基づいて、複数の他のユーザの中から選択された第2ユーザを受け付けてもよい。
【0010】
上記態様において、コンピュータに、複数の他のユーザの候補である追加ユーザに関する情報を第1入力情報として第1ユーザの端末から取得する、ユーザ情報取得処理と、第1入力情報に基づいて、追加ユーザが追加ユーザに関する情報を第2入力情報として入力するための情報を追加ユーザの端末に送信する、入力要求処理と、第2入力情報を追加ユーザの端末から取得し、第1入力情報と第2入力情報との照合を行う照合処理と、第1入力情報と第2入力情報とが一致する場合、追加ユーザを複数の他のユーザとして、追加ユーザに関する情報を第1ユーザに関連づけて記憶部に記憶させるユーザ記憶処理と、をさらに実行させてもよい。
【0011】
上記態様において、コンピュータに、第1ユーザが閲覧可能時期として指定可能な状態にあることを示す状態情報と、状態を証明する証明情報とを、複数の他のユーザのいずれかの端末から取得する、状態取得処理と、証明情報に基づいて第1ユーザが閲覧可能時期として指定可能な状態にあることが証明されたことを示す証明結果を取得する、証明結果取得処理と、をさらに実行させ、閲覧管理処理は、閲覧条件と証明結果とに基づいて、伝達情報のそれぞれを、第1ユーザが閲覧可能時期として指定可能な状態にあることに対応する閲覧可能時期に、第2ユーザが第2ユーザの端末から閲覧可能な状態にしてもよい。
【0012】
本発明の他の態様に係る情報管理方法は、コンピュータが、第1ユーザが伝達する複数の伝達情報と、伝達情報のそれぞれに対する、伝達情報の閲覧が許可される第2ユーザ及び閲覧が可能となる閲覧可能時期を含む閲覧条件と、を第1ユーザの端末から受け付けることと、伝達情報のそれぞれに対する閲覧条件に基づいて、伝達情報のそれぞれを、閲覧可能時期に、第2ユーザが第2ユーザの端末から閲覧可能な状態にすることと、を含む。
【0013】
本発明の他の態様に係る情報管理装置は、第1ユーザが伝達する複数の伝達情報と、伝達情報のそれぞれに対する、伝達情報の閲覧が許可される第2ユーザ及び閲覧が可能となる閲覧可能時期を含む閲覧条件と、を第1ユーザの端末から受け付ける、伝達情報受付部と、伝達情報のそれぞれに対する閲覧条件に基づいて、伝達情報のそれぞれを、閲覧可能時期に、第2ユーザが第2ユーザの端末から閲覧可能な状態にする、閲覧管理部と、を備える。
【0014】
本発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータに、第1ユーザが伝達する複数の伝達情報と、伝達情報のそれぞれに対する、伝達情報の閲覧が許可される第2ユー
及び閲覧が可能となる閲覧可能時期を含む閲覧条件と、を入力可能な伝達情報入力画面を表示する画面表示処理と、伝達情報入力画面を通じて入力された伝達情報と閲覧条件とを、ネットワークを通じて接続される情報管理装置に送信する、送信処理と、を実行させる。
【0015】
上記態様において、伝達情報は、予め定められた複数の伝達項目の一つに属する情報であり、画面表示処理は、複数の伝達項目のうち少なくとも一つ以上の伝達項目に対して、少なくとも一つ以上の伝達項目のそれぞれに属する少なくとも一つ以上の伝達情報と少なくとも一つ以上の伝達情報のそれぞれに対する閲覧条件を入力可能な伝達情報入力画面を表示してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、あるユーザが他のユーザに伝達する情報が、適切なユーザに対して適切な時期に伝達されることを可能とするプログラム、情報管理方法及び情報管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係る情報管理システムの構成の概略図である。
【
図2】本実施形態に係る情報管理装置のブロック図である。
【
図3】本実施形態に係るユーザ端末のブロック図である。
【
図5】本実施形態に係る伝達情報及び閲覧条件の一例である。
【
図6】本実施形態に係る伝達情報及び閲覧情報を記憶する処理を説明する図である。
【
図7】伝達情報及び閲覧情報を記憶する処理における画面例である。
【
図8】伝達情報及び閲覧情報を記憶する処理における画面例である。
【
図9】伝達情報及び閲覧情報を記憶する処理における画面例である。
【
図10】伝達情報及び閲覧情報を記憶する処理における画面例である。
【
図11】伝達情報及び閲覧情報を記憶する処理における画面例である。
【
図12】伝達情報及び閲覧情報を記憶する処理における画面例である。
【
図13】伝達情報及び閲覧情報を記憶する処理における画面例である。
【
図14】伝達情報及び閲覧情報を記憶する処理における画面例である。
【
図15】本実施形態に係る家族情報を更新する処理を説明する図である。
【
図16】家族情報を更新する処理における画面例である。
【
図17】家族情報を更新する処理における画面例である。
【
図18】家族情報を更新する処理における画面例である。
【
図19】家族情報を更新する処理における画面例である。
【
図20】家族情報に基づいて表示される画面例である。
【
図21】証明情報に関する処理を説明する図である。
【
図22】証明情報に関する処理における画面例である。
【
図23】証明情報に関する処理における画面例である。
【
図24】証明情報に関する処理における画面例である。
【
図26】家族による伝達情報の閲覧の処理を説明する図である。
【
図27】家族閲覧画面を表示するための情報の生成処理を説明する図である。
【
図28】家族による伝達情報の閲覧における画面例である。
【
図29】家族による伝達情報の閲覧における画面例である。
【
図30】家族による伝達情報の閲覧における画面例である。
【
図31】家族による伝達情報の閲覧における画面例である。
【
図32】家族による伝達情報の閲覧における画面例である。
【
図33】家族による伝達情報の閲覧における画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0019】
図1には、本実施形態に係る情報管理システム10の概略図が示される。情報管理システム10は、情報管理装置101及びユーザ端末102a,102b,102c,102dを備える。なお、特に区別の必要がない場合、ユーザ端末102a,102b,102c,102dをユーザ端末102という。また、本実施形態では、4つのユーザ端末102を示しているが、ユーザ端末102の数はこれに限られない。
【0020】
情報管理装置101は、あるユーザから他のユーザへの情報の伝達を管理する情報管理サービスをユーザ端末102に提供する。情報管理装置101は、ユーザ端末102a~102dを含む複数のユーザ端末102とネットワークNを通じて通信可能に接続される。情報管理装置101は、所定のプログラムを実行することにより、あるユーザのユーザ端末102を通じて、当該ユーザが他のユーザに伝達したい情報を取得し、取得した情報を他のユーザのユーザ端末102を通じて閲覧可能とするように構成された情報処理装置である。情報管理装置101は、例えば、ネットワークNに接続されたサーバである。
【0021】
ユーザ端末102は、所定のプログラムを実行することによって、情報管理装置101への情報の送信及び情報管理装置101からの情報の取得を行うことができる情報処理装置である。ユーザ端末102は、例えば、スマートフォンやタブレット端末である。また、ユーザ端末102は、デスクトップ型やノート型のパーソナルコンピュータであってもよい。すなわち、情報管理装置101と通信可能であり、各種情報の入出力が可能な端末であればよい。
【0022】
本実施形態では、家族間で相続等に必要な情報を伝達する場合について説明する。情報を伝達する側のユーザを本人といい、情報を伝達される側のユーザを家族という。あるユーザは、本人であると同時に他のユーザの家族でありうる。例えば、2人のユーザが夫婦である場合、夫を本人とすると妻は家族であり、同時に、妻を本人とすると夫は家族である。
【0023】
情報管理装置101には、本人が家族に伝達したい情報が伝達情報として記憶され、家族に関する情報が家族情報として記憶される。伝達情報及び家族情報については後述する。本実施形態では、ユーザ端末102aが本人によって操作される端末であり、ユーザ端末102b,102c,102dが家族によって操作される端末であるとして説明する。
【0024】
本実施形態では、情報管理サービスを利用するためのプログラム(アプリケーション)がユーザ端末102にインストールされている場合を例に説明する。なお、ユーザ端末102からアクセスされることで、情報管理装置101に記憶されるプログラムが動作して本実施形態にて説明するユーザ端末102の動作が実現されてもよい。例えば、ユーザ端末102にインストールされている汎用のブラウザから情報管理装置101へのアクセスが行われ、情報管理装置101に記憶されているプログラムが動作することにより、情報管理サービスに関するユーザ端末102の動作が実現されてもよい。
【0025】
図2には、情報管理装置101の構成がブロック図として示される。情報管理装置101は、通信部201、記憶部202、伝達情報受付部203、閲覧管理部204、状態取得部205、証明結果取得部206及び家族情報管理部207を有する。
【0026】
情報管理装置101の各部は、例えば、情報管理装置101において、メモリ等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることによって、実現することができる。
【0027】
通信部201は、ネットワークNを通じた情報管理装置101の外部との通信を制御する。
【0028】
記憶部202は、情報管理装置101での処理に用いられる各種情報を記憶する。記憶部202は、家族情報記憶部2021及び伝達情報記憶部2022を有する。家族情報記憶部2021には家族関係を示す家族情報が記憶される。伝達情報記憶部2022には、本人が家族に伝達したい伝達情報が記憶される。
【0029】
伝達情報受付部203は、本人が家族に伝達する複数の伝達情報と、伝達情報のそれぞれに対する、伝達情報の閲覧が許可されるユーザ及び閲覧が可能となる閲覧可能時期を含む閲覧条件と、を本人が操作するユーザ端末102aから受け付ける。本実施形態では、伝達情報の閲覧が許可されるユーザを閲覧者という
【0030】
閲覧管理部204は、伝達情報のそれぞれに対する閲覧条件に基づいて、伝達情報のそれぞれを、閲覧可能時期に、閲覧者がユーザ端末102から閲覧可能な状態にする。言い換えると、閲覧管理部204は、各家族による伝達情報の閲覧の可否を管理する。
【0031】
伝達情報を閲覧可能な状態にする手法としては、例えば、家族が、ユーザ端末102を通じて情報管理装置101にアクセスし、情報管理装置101に記憶される伝達情報を取得して閲覧する態様がある。他の手法として、各家族のメールアドレス等の連絡先が情報管理装置101に記憶されており、情報管理装置101が連絡先に基づいてユーザ端末102へと伝達情報を送信することで、家族が伝達情報を閲覧する態様があってもよい。
【0032】
状態取得部205は、本人が閲覧可能時期として指定可能な状態にあることを示す状態情報と、閲覧可能時期として指定可能な状態を証明する証明情報とを、家族のいずれかの端末から取得する。本実施形態において、閲覧可能時期として指定可能な状態とは、例えば、本人が認知症と診断された状態や、本人が死亡した状態である。
【0033】
証明結果取得部206は、証明情報に基づいて本人が閲覧可能時期として指定可能な状態にあることが証明されたことを示す証明結果を、ネットワークNを通じて接続される外部の端末(不図示)から取得する。証明結果取得部206は、例えば、取得した証明情報の画像を情報管理サービスの担当者の端末に送信し、担当者による画像の確認を経て、担当者の端末から証明結果を取得する。証明結果取得部206は、証明情報の画像に対して文字認識を行うようにしてもよい。この場合、担当者の端末は、文字認識された情報を証明結果取得部206から併せて取得し、担当者による確認を経た証明結果を証明結果取得部206に送信してもよい。なお、証明結果取得部206は、本人が閲覧可能時期として指定可能な状態にあることが証明されなかったことを示す証明結果を取得することもできる。
【0034】
証明結果取得部206は、取得した証明情報に基づいて、本人が状態情報により示される状態であるかを自身で判断し、証明結果を得るようにしてもよい。また、証明結果取得部206は、情報管理サービスの担当者の端末とは異なる情報処理装置から、証明結果を取得してもよい。例えば、証明結果取得部206は、医療機関等の外部機関の情報処理装置から証明結果を取得してもよい。なお、証明結果取得部206が取得する証明結果は、家族から提供される証明情報に基づかないものであってもよい。
【0035】
家族情報管理部207は、本人からの申請に基づいて、本人の家族を新たなユーザとして追加する処理を行う。家族情報管理部207は、家族の候補である追加ユーザに関する情報を第1入力情報としてユーザ端末102aから取得する。家族情報管理部207は、第1入力情報に基づいて、追加ユーザが追加ユーザに関する情報を第2入力情報として入力するための情報を追加ユーザのユーザ端末102に送信する。例えば、第1入力情報には、追加ユーザのメールアドレスが含まれ、このメールアドレスに基づいて、追加ユーザのユーザ端末102に、第2入力情報として入力するための情報が送信される。
【0036】
家族情報管理部207は、第2入力情報を追加ユーザのユーザ端末102から取得し、第1入力情報と第2入力情報との照合を行う。家族情報管理部207は、第1入力情報と第2入力情報とが一致する場合、追加ユーザを家族として、追加ユーザに関する情報を本人に関連づけて家族情報記憶部2021に記憶させる。
【0037】
図3には、ユーザ端末102の構成がブロック図として示される。ユーザ端末102は、通信部301、記憶部302、表示部303、入力部304及び撮像部305を有する。
【0038】
通信部301は、ネットワークNを通じたユーザ端末102の外部との通信を制御する。記憶部302は、ユーザ端末102での処理に用いられる各種情報を記憶する。
【0039】
表示部303は、ユーザに対して情報を表示する、例えばタッチパネル等の画面である。入力部304は、例えば、表示部303に表示される入力用インターフェースにおける操作に基づいて、ユーザから情報の入力を受け付ける。撮像部305は、例えばスマートフォンに搭載されるカメラであって、ユーザによる画像撮影を可能とする。
【0040】
図4を参照して、家族情報記憶部2021に記憶される家族情報について説明する。家族情報は「利用者名」、「ユーザID」、「家族登録者名」及び「続柄」の項目を有する。「利用者名」は、情報管理システム10を利用して、情報の伝達を行う本人の氏名である。「ユーザID」は、情報管理システム10の利用者すなわち本人及び家族の各個人を識別するためのIDである。「家族登録者名」は、「利用者名」に記憶される本人に関連付けられる家族の氏名である。「続柄」は、各家族の本人に対する続柄である。本実施形態では、続柄は三親等以内の親族とするが、続柄の範囲はこれに限定されない。
【0041】
図4では、特許太郎の家族として、特許花子、特許一郎、特許二郎の三名がおり、特許花子の家族として、母である実用梅子がいる場合の例が示される。情報管理システム10の利用にあたって、本人または家族には、それぞれのユーザ端末から情報管理装置101にアクセスして行われる操作によって、あらかじめユーザIDが付与されている。
【0042】
情報管理装置101は、ユーザ(本人または家族)が情報管理サービスを利用する際に、各自のユーザIDとパスワードとを受け付けることにより、ユーザ認証を行う。ユーザ認証が行われることで、情報管理装置101は、情報管理装置101にアクセスするユーザをユーザIDによって識別することが可能となる。なお、パスワードは、初期パスワード又はユーザにより設定されたパスワードが、ユーザIDに関連付けられて記憶部202に記憶されている。
【0043】
図4では、ユーザID「USER01」の「特許太郎」に対して、ユーザIDがそれぞれ「USER02」、「USER03」、「USER04」である「特許花子」、「特許一郎」、「特許二郎」が関連付けられている。「特許花子」、「特許一郎」、「特許二郎」の続柄はそれぞれ、「妻」、「長男」、「次男」である。
【0044】
ユーザID「USER02」の「特許花子」が本人となる場合は、家族として「特許太郎」、「特許一郎」、「特許二郎」が関連付けられている。さらに「特許花子」には、ユーザID「USER05」である「実用梅子」が、続柄「母」として関連付けられている。以降は、氏名を用いて説明を行うが、各ユーザは、ユーザIDのみによって管理されていてもよい。
【0045】
情報管理装置101は、家族情報記憶部2021に記憶される家族情報に基づいて、本人からの伝達情報の取得及び家族の伝達情報の閲覧管理を行う。家族情報管理部207による家族の追加に関する処理については後述する。
【0046】
図5を参照して、伝達情報記憶部2022に記憶される伝達情報について説明する。伝達情報及び伝達情報に関連する情報は、情報管理システム10を本人として利用するユーザのそれぞれに対して記憶される。
【0047】
図5では「利用者名」が特許太郎であるユーザについて、「伝達項目」、「伝達情報」及び「閲覧条件」の各項目が記憶されている例が示される。伝達情報を取得する処理については後述する。複数の「伝達項目」のそれぞれに対して、少なくとも一つ以上の「伝達情報」が記憶され、「伝達情報」のそれぞれについて、「閲覧条件」が関連付けられるようにして、伝達情報が記憶される。
【0048】
「伝達項目」は予め定められた項目である。
図5では、伝達項目として、「預貯金」、「有価証券」、「保険」、「不動産」、「病院/薬」、「介護」、「葬儀」、「財産の遺しかた」という項目が設けられる。なお、伝達項目はこれらに限定されず、例えば、クレジットカードや電子マネー、その他資産、借入金やローン、ペット、口座引き落とし状況又は会員証や各種デジタルサービスの利用のためのIDに関する項目などが設けられてもよい。
【0049】
伝達項目には、「預貯金」、「有価証券」、「保険」、「不動産」及び「財産の遺しかた」という財産に関する伝達情報に対応する項目と、「病院/薬」、「介護」、「葬儀」という財産以外の伝達情報に関する項目が設けられる。
【0050】
各伝達項目に属する伝達情報は、各項目に応じて異なった内容となり得る。例えば、「預貯金」の伝達項目に属する伝達情報は、金融機関名、支店名、口座番号を示す情報を含み得る。一方、「介護」の伝達項目に属する伝達情報には、本人が介護を依頼したい人や場所及び介護費用に関する情報を含み得る。他の伝達情報についてもそれぞれ適切な情報が含まれ得る。
【0051】
伝達情報は、文字に限らず、画像(静止画又は動画)や音声等、任意の形式であってもよい。例えば
図5の伝達項目「預貯金」において、通帳等の画像Zが金融機関名、支店名、口座番号を示す伝達情報として記憶される。
【0052】
伝達情報は部分的な情報であってもよい。例えば、伝達項目「保険」の場合、会社名、種類、証券番号のうち少なくとも一つが含まれるような情報であってもよい。
【0053】
「閲覧条件」は、「閲覧者」及び「閲覧可能時期」の項目を有する。「閲覧者」は、家族情報において本人に関連付けられたユーザのうち、伝達情報の閲覧が本人によって許可された家族である。「閲覧可能時期」は、伝達情報の閲覧が可能になる時期である。本実施形態では、閲覧可能時期を、「現在」、「認知症診断時」、「死亡時」の三種類としている。なお、閲覧可能時期の種類は、ここで例示された時期以外のものであってもよい。
【0054】
図6及び
図7から
図14を参照して、情報管理装置101が伝達情報及び閲覧条件を、本人のユーザ端末102aから受け付ける伝達情報受付処理について説明する。
【0055】
図6のステップS601において、ユーザ端末102aは、本人から伝達情報入力のリクエストを受け付ける。ユーザ端末102aにおいて、所定の操作が受け付けられ、
図7に示されるリクエスト送信画面701が表示部303に表示される。ユーザ端末102aは、リクエスト送信画面701において、例えばタップ操作によってボタン721が本人から選択されたことを入力部304が検出することで、リクエストを受け付ける。なお、以降の画面に関する図面においては、画面のみが示される。
【0056】
ステップS602において、ユーザ端末102aから情報管理装置101にリクエストが送信される。
【0057】
ステップS603において、伝達情報受付部203は、リクエストに基づいて、家族情報記憶部2021に記憶される家族情報を参照し、リクエスト送信者を本人とする家族の情報を取得する。
【0058】
ステップS604において、伝達情報受付部203は、伝達情報入力画面を表示させるための情報を生成する。伝達情報入力画面には、一連の操作に伴ってユーザ端末102aに表示される複数の画面が含まれる。伝達情報入力画面を表示させるための情報には、予め定められた伝達項目、本人の家族を示す情報及び予め定められた閲覧可能時期が含まれる。
【0059】
ステップS605において、情報管理装置101からユーザ端末102aに伝達情報入力画面を表示させるための情報が送信される。
【0060】
ステップS606において、ユーザ端末102aは、伝達情報入力画面を表示させるための情報に基づいて、
図8に示される伝達情報入力画面801を表示する。伝達情報入力画面801には、伝達項目ごとにボタン821から828が設けられる。以降、ユーザ端末102aに表示される各画面は同様に、伝達情報入力画面を表示させるための情報に基づいて表示される。
【0061】
ステップS607において、ユーザ端末102aは、伝達項目の選択をボタン821から828のいずれかが選択されることによって受け付ける。
【0062】
ステップS608において、ユーザ端末102aは選択された伝達項目に応じた伝達情報入力画面を表示する。ステップS609において、ユーザ端末102aは表示された伝達情報入力画面を通じて伝達情報及び閲覧条件を取得する。
【0063】
例えば、
図8において、「預貯金」の項目が選択された場合、ユーザ端末102aは
図9の伝達情報入力画面901を表示する。伝達情報入力画面901には、伝達項目「預貯金」に応じて、金融機関名、支店名、口座番号を示す情報が入力可能な入力欄911から913が設けられる。本人は、入力部304を通じて各種情報を入力可能である。また、「通帳を撮影」と表示されるボタン921が選択されると、撮像部305を用いた通帳の画像の撮影が可能となる。通帳の画像には、金融機関名、支店名、口座番号を示す情報が含まれ得るが、入力欄911から913に情報が入力され、かつ通帳の画像が伝達情報とされてもよく、入力欄における情報又は通帳の画像の一方のみが伝達情報であってもよい。
【0064】
「閲覧者を選択」と表示されるボタン922が選択されると、ユーザ端末102aは、
図10に示される閲覧者選択画面1001を表示する。閲覧者選択画面1001には、伝達情報入力画面を表示させるための情報に含まれる家族情報に基づいて、閲覧者の候補の氏名が表示される。各氏名が表示されるボタン1021から1023を本人が選択することで、閲覧者が選択される。閲覧者選択画面1001下部の選択ボタンが選択されることで、閲覧者として選択された家族が、伝達情報に関連付けられる。閲覧者の選択がなされた後、ユーザ端末102aは、入力過程にある
図9の画面を再度表示する。
【0065】
図9において、「閲覧可能時期を選択」と表示されるボタン923が選択されると、ユーザ端末102aは、
図11に示される閲覧可能時期選択画面1101を表示する。閲覧可能時期選択画面1101には、伝達情報入力画面を表示させるための情報に含まれる閲覧可能時期に基づいて、閲覧可能時期の候補が表示される。各閲覧可能時期が表示されるボタン1121から1123を本人が選択することで、閲覧可能時期が選択される。閲覧可能時期選択画面1101下部の選択ボタンが選択されることで、選択された閲覧可能時期が、伝達情報に関連付けられる。閲覧可能時期の選択がなされた後、ユーザ端末102aは、入力過程にある
図9の画面を再度表示する。
【0066】
図9の伝達情報入力画面901下部にある「登録」と表示されるボタンが選択されると、ステップS610において、ユーザ端末102aは伝達情報、伝達情報が属する伝達項目及び伝達情報に関連付けられる閲覧条件を、情報管理装置101へと送信する。ステップS610において、預貯金に関する伝達情報が情報管理装置101に送信される場合、ユーザ端末102aの記憶部302に、同じ伝達項目及び伝達情報が記憶されるようにしてもよい。
【0067】
ステップS611において、伝達情報受付部203は、取得した伝達情報及び閲覧条件を、伝達情報が属する伝達項目に関連付けて、記憶部202に記憶する。例えば、
図9の入力欄911から913に入力された情報は、
図10にて「特許花子」が選択され、
図11にて閲覧可能時期が「今すぐ」と選択された場合、
図5の預貯金の項目において、伝達情報が「金融機関:A銀行…」で始まる情報として閲覧条件とともに記憶される。
【0068】
図9を通じて入力された伝達情報が情報管理装置101に送信された場合、ユーザ端末102aは、伝達情報入力画面801を再度表示し、他の伝達項目に対する伝達情報及び閲覧条件の入力を受け付けるようにできる。この場合、ステップS606からステップS611までの処理が繰り返される。他の伝達項目に属する伝達情報及びある一つの伝達項目に属する複数の伝達情報は順次、情報管理装置101に記憶される。
【0069】
例えば、
図8において、「介護」の項目が選択された場合、ユーザ端末102aは、伝達情報入力画面1201を表示する。伝達情報入力画面1201は、伝達情報入力画面901とは異なる伝達情報を入力可能な入力欄1211から1213を有する。伝達情報入力画面1201においても、
図9と同様に閲覧者の選択及び閲覧可能時期の選択を可能にするボタン1221,1222が表示される。
【0070】
図8において、「財産の遺しかた」の項目が選択された場合、ユーザ端末102aは、伝達情報入力画面1301を表示する。「財産の遺しかた」の項目における伝達情報は、本人による財産の分配への意向を示す情報である。伝達情報入力画面1301では、本人が遺言書を用意している場合は、ボタン1321を選択し、遺言書の種類及び保管場所を入力する画面(不図示)が表示され、当該画面を通じた情報が、情報管理装置101に送信される。
【0071】
図13にて、ボタン1322が選択されると、ユーザ端末102aは、
図14に示される伝達情報入力画面1401を表示する。伝達情報入力画面1401を生成する際、ユーザ端末102aは、記憶部302に記憶される伝達情報及び伝達情報が属する伝達項目を取得する。
【0072】
伝達情報入力画面1401では、すでに本人から取得した伝達情報が含まれる伝達項目がプルダウンメニューによって選択可能とされ、入力欄1411に入力される。伝達情報入力画面1401では、入力欄1411に入力された伝達項目に属する伝達情報がプルダウンメニューによって選択可能とされ、入力欄1412に入力される。
【0073】
入力欄1413,1414には、伝達情報によって示される財産の配分が、配分対象者及び配分割合として入力される。「相続させたい人を追加」と表示されるボタン1421を選択すると、配分対象者を追加可能である。なお、配分対象者は家族情報に基づいて選択するようにしてもよく、本人が入力するようにしてもよい。また、「写真を追加」と表示されるボタン1422を選択すると、撮像部305を用いて、財産の配分を示す紙などの撮影が可能となる。
【0074】
図15及び
図16から
図20を参照して、本人が家族を追加する場合の処理について説明する。ここでは、ユーザ端末102aを操作する特許太郎が、ユーザ端末102dを操作する特許二郎を追加する場合を例に説明する。
【0075】
図15のステップS1501において、ユーザ端末102aは、本人から家族追加のリクエストを受け付ける。ユーザ端末102aにおける所定の操作が受け付けられて、表示部303に
図16に示されるリクエスト送信画面1601が表示される。ユーザ端末102aは、リクエスト送信画面1601において、ボタン1621が本人から選択されたことを入力部304が検出することで、リクエストを受け付ける。
【0076】
ステップS1502において、ユーザ端末102aは情報管理装置101に家族追加リクエストを送信する。
【0077】
ステップS1503において、家族情報管理部207は、家族申請依頼画面を表示させるための情報を生成する。ステップS1504において、家族情報管理部207は、当該情報をユーザ端末102aに送信する。ステップS1505において、ユーザ端末102aは、
図17で示される家族申請依頼画面1701を表示部303に表示する。
【0078】
ステップS1506において、ユーザ端末102aは、ユーザ情報取得処理として、本人が追加したい家族に関する情報を、入力欄1711から1715及びボタン1721又はボタン1722への入力を通じて取得する。入力欄1714は、続柄が三親等以内の選択肢から選択されて入力される。また、入力欄1715には、追加したい家族の連絡先としてメールアドレスが入力される。
【0079】
家族申請依頼画面1701下部のボタン1716が選択されると、ステップS1507において、追加したい家族に関する情報が情報管理装置101に送信される。
【0080】
ステップS1508において、家族情報管理部207は、入力要求処理として、追加したい家族のメールアドレスに基づいて、ユーザ端末102dへ、家族申請画面を表示させるための情報を送信する。この情報は、例えば、家族申請画面へのリンクである。また、特許二郎が情報管理システム10の利用に用いるユーザIDを持っていない場合は、ユーザIDの発行及びユーザ認証の後に、以下の処理が行われる。
【0081】
ステップS1509において、ユーザ端末102dに家族申請画面1801が表示される。ステップS1510において、ユーザ端末102dは、家族に関する情報を、入力欄1811から1816及びボタン1821又はボタン1822への入力を通じて取得する。
【0082】
ステップS1511において、家族に関する情報がユーザ端末102dから情報管理装置101へ送信される。ステップS1512において、家族情報管理部207は、照合処理として、ユーザ端末102aから取得した情報と、ユーザ端末102dから取得した情報を照合する。ここでは、ユーザ端末102aから取得した情報と、ユーザ端末102dから取得した情報が正しく対応するものであるとして説明する。仮に、両者の情報が異なった情報である場合、家族情報管理部207は、ユーザ端末102aに情報が照合しなかったことを示す情報を送信する。これにより、本人は追加が失敗したことに対して対応可能となる。
【0083】
両者の情報が正しく対応する場合、ステップS1513において、家族情報管理部207は、ユーザ端末102aに家族の追加への承認をリクエストする。承認は、具体的には、ステップS1514においてユーザ端末102aに表示される家族一覧画面1901を通じて行われる。家族一覧画面1901では、申請が済んだ家族については表示欄1911,1912に表示され、表示欄1913に、現在未承認の家族が表示される。ステータス欄1914には、承認状態が表示される。ボタン1921が選択されることで、ステップS1515において、承認を示す情報が、ユーザ端末102aから情報管理装置101へと送信される。
【0084】
ステップS1516において、家族情報管理部207は、ユーザ記憶処理として、承認された家族を本人に関連付けるようにして家族情報を更新する。
【0085】
追加された家族は、ユーザ端末102aにおいて、
図20のような家族選択画面2001の表示欄2011及び表示欄2012に表示される。家族選択画面2001は、
図4の家族情報に基づく特許太郎の画面が例として示されている。
【0086】
図21及び
図22から24を参照して、本人の状態を示す状態情報及び証明情報が情報管理装置101によって取得される処理について説明する。ここでは、特許太郎について、家族から報告がなされる場合を説明する。状態情報及び証明情報は、ユーザ端末102b,102c,102dのいずれかのユーザ端末によって、情報管理装置101へと送信される。ここでは、ユーザ端末102bから情報の送信が行われる場合を説明する。
【0087】
ステップS2101において、ユーザ端末102bは、所定の操作を受け付けて、表示部303に報告メニュー画面2201を表示する。
【0088】
報告メニュー画面2201には、「特許太郎さんの認知症診断を報告」と表示されたボタン2221及び「特許太郎さんの死亡を報告」と表示されたボタン2222が表示される。
【0089】
家族が、ボタン2221又はボタン2222を選択すると、ステップS2102において、ユーザ端末102bは、報告画面を表示する。
【0090】
報告メニュー画面2201において、ボタン2221が選択された場合、
図23に示される報告画面2301が表示される。報告メニュー画面2201において、ボタン2222が選択された場合、
図24に示される報告画面2401が表示される。選択されたボタン2221又はボタン2222に応じて、ユーザ端末102bが情報管理装置101に送信する状態情報が、認知症診断されたことであるか死亡したことであるかが判断される。
【0091】
ステップS2103において、ユーザ端末102bは報告画面において、報告内容を取得する。例えば、報告画面2301においては、要介護認定日が入力欄2311に入力される。報告画面2401においては、死亡日が入力欄2411に入力される。
【0092】
ステップS2104において、ユーザ端末102bは、報告内容によって示される情報を証明する情報を取得する。報告画面2301においてはボタン2321が選択され、撮像部305によって撮影された要介護認定書が証明情報となる。また、報告画面2401においては、ボタン2421が選択され、撮像部305によって撮影された死亡診断書が証明情報となる。
【0093】
報告画面2301又は2401の「報告する」と表示されたボタンが選択されることで、ステップS2105において、ユーザ端末102bは、情報管理装置101に状態情報及び証明情報を送信する。ここで、状態情報には、取得した日付に関する報告内容が含まれる。送信された状態情報及び証明情報は、状態取得部205によって取得される。
【0094】
ステップS2106において、証明結果取得部206は、証明情報に基づいて、本人が、状態情報が示す状態にあることが証明されたことを示す証明結果を、ネットワークNを通じて接続される外部の端末(不図示)から取得し、記憶部202に記憶する。
【0095】
図25には、記憶部202に記憶される証明結果の一例が示される。証明結果は、本人となる各利用者別に、「認知症診断報告」及び「死亡報告」の項目について、証明済みか未証明であるかが記憶される。
【0096】
図26及び
図27を参照して、家族による伝達情報の閲覧について説明する。情報管理装置101は、家族それぞれのユーザIDとパスワードを用いたユーザ認証を行った後に、以下の各処理を行う。
図26のステップS2601において、ユーザ端末102は、所定の操作を受け付けて、家族閲覧画面のリクエストを受け付ける。例えば、
図20の家族選択画面2001において、特許太郎が本人以外の家族として登録されている家族を示すボタンBT2022が選択されることで、リクエストが受け付けられる。すなわち、ユーザ認証を経た家族が、家族登録された本人を選択することで、選択された本人の伝達情報の閲覧がリクエストされる。
【0097】
ステップS2602において、ユーザ端末102は、情報管理装置101に家族閲覧画面のリクエストを送信する。
【0098】
ステップS2603において、情報管理装置101は、家族閲覧画面を表示するための情報を生成する処理を行う。この処理は後述する。
【0099】
ステップS2604において、情報管理装置101は、ユーザ端末102に家族閲覧画面を表示するための情報を送信する。ステップS2605において、ユーザ端末102は、表示部303に家族閲覧画面を表示する。家族閲覧画面には、一連の操作に伴ってユーザ端末102に表示される複数の画面が含まれる。
【0100】
ステップS2603における閲覧管理部204による閲覧管理処理について、
図27を参照して説明する。
【0101】
ステップS2701において、閲覧管理の対象となる伝達情報の閲覧条件を伝達情報記憶部2022から取得する。
【0102】
ステップS2702において、閲覧管理部204は、家族情報記憶部2021に記憶される家族情報とリクエストを送信したユーザのユーザIDとに基づいて、リクエストを送信したユーザの氏名を参照し、当該ユーザが伝達情報の閲覧者として閲覧条件を満たすか否かを判断する。
【0103】
ステップS2702にて、ユーザが伝達情報の閲覧者であると判断された場合、ステップS2703において、閲覧管理部204は、証明結果によって示される本人の状態と、閲覧条件とに基づいて、閲覧可能時期が満たされるか否かを判断する。閲覧管理部204は、記憶部202に記憶される証明結果を参照し、本人の「認知症診断報告」が証明済みか未証明であるかに応じて、「認知症診断時」の閲覧可能時期が満たされるか否かを判断する。また、死亡した場合の証明結果についても同様に、閲覧管理部204は記憶部202の証明結果を参照し、「死亡時」の閲覧可能時期が満たされるか否かを判断する。閲覧可能時期が「現在」であるものは、常に閲覧可能時期を満たすとして、閲覧管理部204は証明結果の参照を行わない。
【0104】
ステップS2702にて、ユーザが伝達情報の閲覧者ではないと判断された場合又はステップS2703において閲覧可能時期が満たされないと判断された場合、ステップS2704において、閲覧管理部204は、対象の伝達情報はリクエストを送信したユーザに表示可能ではないとする。
【0105】
ステップS2703にて、閲覧可能時期が満たされると判断された場合、ステップS2705において、閲覧管理部204は、対象の伝達情報はリクエストを送信したユーザに表示可能であるとする。
【0106】
ステップS2706において、閲覧管理部204は、本人が伝達情報記憶部2022に記憶させたすべての伝達情報の閲覧条件について判断が済んだか否かを判断し、残りの伝達情報及び閲覧条件がある場合は、ステップS2701からの処理を繰り返す。
【0107】
ステップS2707において、閲覧管理部204は、表示可能である伝達情報の伝達項目を参照する。
【0108】
ステップS2708において、閲覧管理部204は、表示可能である伝達情報及び当該伝達情報が属する伝達項目に基づいて家族閲覧画面を表示するための情報を生成する。
【0109】
図28から
図33の画面例を参照して、閲覧管理部204によって伝達情報の閲覧が管理される場合の家族閲覧画面について説明する。これらの画面は、
図5の伝達情報及び伝達項目、閲覧条件に基づく画面である。
【0110】
図28には、特許太郎について認知症発症報告が行われた場合に、特許花子のユーザ端末102bに表示される家族閲覧画面2801が示される。家族閲覧画面2801では、
図5において、閲覧者が特許花子、閲覧可能時期が現在又は認知症診断時である伝達情報を含む伝達項目が、ボタン2821から2825とともに表示される。
【0111】
図29には、特許太郎について死亡報告が行われた場合に、特許花子のユーザ端末102bに表示される家族閲覧画面2901が示される。家族閲覧画面2901では、
図5において、閲覧者が特許花子、閲覧可能時期が現在、認知症診断時又は死亡時である伝達情報を含む伝達項目がボタン2921から2927とともに表示される。
【0112】
図30には、
図28において、ボタン2821が選択されることで、預貯金の項目に属する伝達情報が表示される家族閲覧画面3001が示される。閲覧者が特許花子であり、閲覧可能時期が現在又は認知症診断時である伝達情報が、表示欄3011、3012に表示される。なお、
図29においてボタン2921が選択された場合も同様の画面が表示される。ただし、預貯金の伝達項目に、閲覧者が特許花子であり、閲覧可能時期が死亡時である伝達情報が含まれる場合は、その伝達情報がさらに表示される。
図30に示される情報は、特許一郎及び特許二郎には閲覧できない。
【0113】
図31には、特許太郎について認知症発症報告が行われた場合に、特許二郎のユーザ端末102dに表示される家族閲覧画面3101が示される。家族閲覧画面3101では、
図5において、閲覧者が特許二郎、閲覧可能時期が現在又は認知症診断時である伝達情報を含む伝達項目が、ボタン3121とともに表示される。ここでは、介護の項目のみが表示されている。
【0114】
図32には、特許太郎について死亡報告が行われた場合に特許二郎のユーザ端末102dに表示される家族閲覧画面3201が示される。家族閲覧画面3201では、
図5において、閲覧者が特許二郎、閲覧可能時期が現在、認知症診断時又は死亡時である伝達情報を含む伝達項目が、ボタン3221から3223とともに表示される。ここでは、介護の項目に加えて、預貯金及び保険の項目が追加されて表示されることが示される。
【0115】
図33には、
図32において、ボタン3221が選択されることで、預貯金の項目に属する伝達情報が表示される家族閲覧画面3301が示される。ここでは、閲覧者が特許二郎であり、閲覧可能時期が現在、認知症診断時又は死亡時である伝達情報が、画像Zとして表示欄3311に表示される。
図33に示される情報は、特許花子及び特許一郎には閲覧できない。
【0116】
以上本実施形態について説明した。本実施形態に係る情報管理装置101は、本人(第1ユーザ)が伝達する複数の伝達情報と、伝達情報のそれぞれに対する、伝達情報の閲覧が許可される閲覧者(第2ユーザ)及び閲覧が可能となる閲覧可能時期を含む閲覧条件と、をユーザ端末102aから受け付ける、伝達情報受付部203と、伝達情報のそれぞれに対する閲覧条件に基づいて、伝達情報のそれぞれを、閲覧可能時期に、閲覧者が閲覧者の端末から閲覧可能な状態にする、閲覧管理部204と、を備える。
【0117】
これにより、本人は、伝達情報を見ることができるユーザと、伝達情報を見ることができる時期とを設定して、伝達情報を情報管理装置101に記憶させることができる。閲覧管理部204によって、伝達情報の閲覧の管理が行われることで、本人が家族に伝達する情報が、適切な家族に対して適切な時期に伝達されることが可能となる。
【0118】
情報管理装置101では、伝達情報は、予め定められた複数の伝達項目の一つに属する情報であり、伝達情報受付部203は、複数の伝達項目のうち少なくとも一つ以上の伝達項目に対して、少なくとも一つ以上の伝達項目のそれぞれに属する少なくとも一つ以上の伝達情報と、少なくとも一つ以上の伝達情報のそれぞれに対する閲覧条件と、を受け付けてもよい。
【0119】
これにより、同一の伝達項目を有し、共通のカテゴリに属するような伝達情報が複数ある場合であっても、個々の伝達情報について閲覧条件を受け付けることができる。個々に設定された閲覧条件に基づいて、伝達情報の閲覧の管理が行われるので、本人が家族に伝達する情報が、より細やかに、適切な家族に対して適切な時期に伝達されることが可能となる。
【0120】
情報管理装置101では、伝達情報受付部203は、記憶部202に記憶される本人に関連付けられた家族に関する情報に基づいて、家族の中から選択された閲覧者を受け付ける。これにより、例えば、伝達情報が財産に関する情報である場合には、本人の意向が家族に適切に伝達されることで、円滑な相続が可能となる。
【0121】
情報管理装置101は、家族の候補である追加ユーザに関する情報を第1入力情報として本人のユーザ端末102aから取得する、ユーザ情報取得処理と、第1入力情報に基づいて、追加ユーザが追加ユーザに関する情報を第2入力情報として入力するための情報を追加ユーザのユーザ端末102dに送信する、入力要求処理と、第2入力情報を追加ユーザのユーザ端末102dから取得し、第1入力情報と第2入力情報との照合を行う照合処理と、第1入力情報と第2入力情報とが一致する場合、追加ユーザを複数の他のユーザとして、追加ユーザに関する情報を本人に関連づけて記憶部202に記憶させるユーザ記憶処理と、をさらに実行する家族情報管理部207を更にそなえる。
【0122】
これにより、本人からの情報と追加ユーザからの情報を照合した結果、家族を追加することができるので、家族以外の者に伝達情報を閲覧される可能性を低下させることができ、情報管理システム10の安全性を高めることが可能となる。
【0123】
情報管理装置101は、本人が閲覧可能時期として指定可能な状態にあることを示す状態情報と、閲覧可能時期として指定可能な状態を証明する証明情報とを、家族のいずれかのユーザ端末102から取得する、状態取得部205と、証明情報に基づいて本人が閲覧可能時期として指定可能な状態にあることが証明されたことを示す証明結果を取得する、証明結果取得部206と、をさらに備え、閲覧管理部204は、閲覧条件と証明結果とに基づいて、伝達情報のそれぞれを、本人が閲覧可能時期として指定可能な状態にあることに対応する閲覧可能時期に、閲覧者が閲覧者のユーザ端末102から閲覧可能な状態にしてもよい。
【0124】
これにより、本人が閲覧可能時期として設定した時期になったことが家族から状態情報として報告され、報告された本人の状態が、証明情報に基づく証明結果によって証明された場合に、閲覧管理部204が閲覧可能時期に応じた閲覧を管理することができる。これにより、家族などによって、誤った報告がなされ、それに基づいて伝達情報の閲覧が行われる可能性が低くなるので、伝達情報が、本人の希望したタイミングで伝達されるようにできる。
【0125】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその条件、接続関係及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0126】
10…情報管理システム、101…情報管理装置、102a,102b,102c,102d…ユーザ端末、201,301…通信部、202,302…記憶部、203…伝達情報受付部、204…閲覧管理部、205…状態取得部、206…証明結果取得部、207…家族情報管理部、303…表示部、304…入力部、305…撮像部