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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/239 20180101AFI20220225BHJP
   F21S 43/245 20180101ALI20220225BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20220225BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20220225BHJP
   F21S 41/24 20180101ALI20220225BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20220225BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20220225BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20220225BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20220225BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220225BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20220225BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20220225BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20220225BHJP
【FI】
F21S43/239
F21S43/245
F21V8/00 320
G02B6/00 331
F21S41/24
F21W103:55
F21W103:35
F21W103:10
F21W103:20
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y115:30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017090340
(22)【出願日】2017-04-28
(65)【公開番号】P2018190548
(43)【公開日】2018-11-29
【審査請求日】2020-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】仲野 裕次
(72)【発明者】
【氏名】竹内 啓太
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-198536(JP,A)
【文献】特開2012-174551(JP,A)
【文献】特開2013-222540(JP,A)
【文献】特開2004-273336(JP,A)
【文献】特開2016-126948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/00
F21S 41/00
F21V 8/00
G02B 6/00
F21W 102/00
F21W 103/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/20
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具であって、
光源と、
長尺の導光体と、を備え、
前記導光体は、
両端に形成される2つの反射部と、
側面に形成され、当該導光体内を導光する光が出射する出射部と、
当該導光体の長手方向に並ぶように前記側面に形成され、当該導光体内を導光する光を前記出射部に向けて反射する複数の反射ステップと、
前記側面の前記出射部を避けた位置であって前記長手方向において前記反射ステップと並ぶ位置に形成され、当該導光体に光を入射させるための入射部と、を有し、
本車両用灯具はさらに、前記入射部に接続され、前記光源の光を前記導光体に導くための入射導光体を備え
前記入射部は、複数の反射ステップの間に形成されていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
車両用灯具であって、
光源と、
長尺の導光体と、を備え、
前記導光体は、
両端に形成される2つの反射部と、
側面に形成され、当該導光体内を導光する光が出射する出射部と、
当該導光体の長手方向に並ぶように前記側面に形成され、当該導光体内を導光する光を前記出射部に向けて反射する複数の反射ステップと、
前記側面の前記出射部を避けた位置であって前記長手方向において前記反射ステップと並ぶ位置に形成され、当該導光体に光を入射させるための入射部と、を有し、
本車両用灯具はさらに、前記入射部に接続され、前記光源の光を前記導光体に導くための入射導光体を備え
前記入射導光体は、外周面の少なくとも一部が楕円面を基調とした形状を有し、当該楕円面の第1焦点またはその近傍に前記光源が位置し、第2焦点またはその近傍に前記入射部が位置するように構成され、
前記導光体はさらに、少なくとも一部が前記入射部と対向するように前記側面に形成され、前記入射導光体から当該導光体に入射した光を反射する反射要素を有することを特徴とする車両用灯具。
【請求項3】
前記導光体は、前記入射導光体よりも屈折率が高い材料により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記入射導光体は、前記光源の光を当該入射導光体に入射させるための入射部を有し、
前記導光体の入射部の面積は、前記入射導光体の入射部の面積よりも小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記導光体は、
前記2つの反射部と前記入射部とを有する棒状部と、
前記出射部を有する板状部と、を含み、
前記棒状部の周面に、前記板状部の2つの主表面をつなぐ側面が接続されており、
前記光源の光は、前記入射部から前記棒状部に入射し、前記棒状部の前記周面から前記板状部に進入し、前記板状部の主表面から出射されることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
長尺の導光体を備える車両用灯具が知られている。従来では、LED等の光源からの光を長尺の導光体に入射させ、その側面から出射されるように構成されたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-129250公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
長尺の導光体を備える従来の車両用灯具では、光源からの光を有効に利用できていない。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、長尺の導光体を備えた車両用灯具において、光源からの光の利用効率を向上できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用灯具は、光源と、長尺の導光体と、を備える。導光体は、両端に形成される2つの反射部と、側面に形成され、当該導光体内を導光する光が出射する出射部と、側面の出射部を避けた位置に形成され、当該導光体に光を入射させるための入射部と、を有する。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、長尺の導光体を備えた車両用灯具において、光源からの光の利用効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る車両用灯具を示す斜視図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図3(a)は変形例に係る車両用灯具を示す斜視図であり、図3(b)は図3(a)のB-B線端面図である。
図4】別の変形例に係る入射導光体とその周辺を示す断面図である。
図5】さらに別の変形例に係る入射導光体とその周辺を示す断面図である。
図6図6(a)、(b)はそれぞれ、さらに別の変形例に係る入射導光体とその周辺を示す断面図である。
図7】さらに別の変形例に係る入射導光体とその周辺を示す断面図である。
図8】さらに別の変形例に係る入射導光体とその周辺を示す断面図である。
図9図9(a)はさらに別の変形例に係る車両用灯具を示す斜視図であり、図9(b)は図9(a)のC-C線端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0011】
図1は、実施の形態に係る車両用灯具100の正面図である。図2は、図1のA-A線断面図である。車両用灯具100は、例えば車両後方に配置されるストップランプである。
【0012】
車両用灯具100は、ランプボディ10と、アウターカバー12と、光源14と、基板16と、メイン導光体18と、入射導光体20と、を備える。ランプボディ10は、開口を有する箱状に形成される。アウターカバー12は、透光性を有するカバーであり、ランプボディ10の開口を覆うようにランプボディ10に取り付けられる。ランプボディ10とアウターカバー12とによって形成される灯室22内には、光源14、基板16、メイン導光体18および入射導光体20が収容されている。
【0013】
光源14は、例えばLED(発光ダイオード)である。なお、光源14は、LD(レーザーダイオード)、有機または無機EL(エレクトロルミネセンス)等の他の半導体発光素子や、白熱球、ハロゲンランプ、放電球等であってもよい。基板16は、光源14を搭載するとともに光源14に電力を供給する。
【0014】
メイン導光体18および入射導光体20は、透光性を有する部材であり、樹脂材料により形成される。樹脂材料としては、例えばポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等の、透明な熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を挙げることができる。
【0015】
メイン導光体18は長尺の部材である。メイン導光体18は、本実施の形態では直線的に延在し、その延在方向(長手方向)に垂直な断面形状は円形状である。なお、メイン導光体18は、長尺であればよく、例えばランプボディ10やアウターカバー12の形状に沿って曲線的に延在してもよい。また、メイン導光体18の延在方向に垂直な断面形状は、矩形状、その他の形状であってもよい。また、その断面形状は、位置によって大きさ・形状に違いがあってもよい。メイン導光体18は、ランプボディ10に設けられた支持部材(不図示)により支持される。
【0016】
メイン導光体18は、入射部18aと、第1反射部18bと、第2反射部18cと、複数の反射ステップ18dと、出射部18eとを有する。入射部18aは、メイン導光体18の側面18fのうち、出射部18eを避けた位置に形成される。入射部18aは、本実施の形態では灯具後方側の面に形成されている。光源14の光は、入射部18aからメイン導光体18内に入射される。
【0017】
第1反射部18bは、メイン導光体18の一方側の端面である。詳しくは、第1反射部18bは、光を反対側の端面に戻すように、すなわち光を内面反射(全反射)させるように構成された端面である。第1反射部18bは例えば、金属(例えばアルミ)蒸着が施された端面であってもよいし、反射ステップが形成された端面であってもよいし、鏡面加工された端面であってもよい。
【0018】
第2反射部18cは、メイン導光体18の他方側(すなわち第1反射部18bとは反対側)の端面である。第2反射部18cは、第1反射部18bと同様に構成される。
【0019】
複数の反射ステップ18dは、メイン導光体18の側面18fに形成され、出射部18eと対向する。本実施の形態では、複数の反射ステップ18dは、メイン導光体18の灯具後方側の面に、メイン導光体18の延在方向に沿って帯状に形成されている。反射ステップ18dは、反射ステップ18dに入射した光を出射部18eに向けて反射する。
【0020】
出射部18eは、メイン導光体18の側面18fに形成される。出射部18eは、本実施の形態ではメイン導光体18の灯具前方側の面に形成されている。反射ステップ18dで反射された光は、出射部18eから出射される。
【0021】
入射導光体20は、光源14の光をメイン導光体18に入射させるための導光体である。入射導光体20は、本実施の形態では棒状の導光体であり、メイン導光体18と一体成形される。入射導光体20は入射部20aを有する。入射部20aは、入射導光体20の一方側の端面であり、光源14と対向する。光源14の光は、入射部20aから入射導光体20に入射される。入射導光体20の他端側の端面は、メイン導光体18の入射部18aに接続されている。
【0022】
光源14の光は、入射部20aから入射導光体20に入射し、入射導光体20内を導光してメイン導光体18に到達する。メイン導光体18に到達した光は、入射部18aからメイン導光体18に入射する。メイン導光体18に入射した光は、第1反射部18bと第2反射部18cとの間を行き来するように、メイン導光体18内を導光する。メイン導光体18内を導光する間に反射ステップ18dに入射した光は、出射部18eに向けて反射され、出射部18eから灯具前方に向けて出射される。
【0023】
以上説明した本実施の形態によれば、メイン導光体18は、両端面が光を内面反射させるように構成される。これにより、メイン導光体18内を導光する光が両端面から外に抜けるのを抑止できる。すなわち、光源14からの光をより有効に利用することができる。
【0024】
以上、実施の形態に係る車両用灯具の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0025】
(第1変形例)
図3(a)は変形例に係る車両用灯具を示す斜視図であり、図3(b)は図3(a)のB-B線端面図である。図3(a)では、ランプボディおよびアウターカバーの表示を省略している。本変形例では、車両用灯具はメイン導光体18の代わりにメイン導光体118を備える。メイン導光体118は、棒状部130と、板状部132とを有する。
【0026】
棒状部130は、長尺の導光体であり、延在方向に垂直な断面形状は円形状である。棒状部130は、入射部18aと、第1反射部18bと、第2反射部18cとを有する。光源14の光は、入射部18aから棒状部130に入射し、第1反射部18bと第2反射部18cとの間を行き来するように、棒状部130内を導光する。
【0027】
板状部132は、棒状部130の延在方向に長い、正面視で略矩形状の板状の導光体である。板状部132は、灯具前方側の主表面132aと灯具後方側の主表面132bとをつなぐ側面132cが、棒状部130の側面18fに接続されている。棒状部130を導光する光は、側面132cから板状部132に入射する。
【0028】
板状部132は、入射した光を拡散して主表面132aから出射させる拡散要素を含む。これにより、板状部132の主表面132aが面状に発光して見える。拡散要素は、例えば主表面132bに形成されたシボすなわち微少凹部であってもよい。この場合、板状部132に入射した光はシボで乱反射し、主表面132aから出射される。また拡散要素は、例えば主表面132bに形成された反射ステップであってもよい。この場合、板状部132に入射した光は反射ステップで主表面132aに向けて反射され、主表面132aから出射される。また拡散要素は、例えば板状部132に含有される拡散剤であってもよい。拡散剤の種類や添加量は、例えば板状部132のヘイズ値が30%以下になるよう決定されてもよい。
【0029】
本変形例によれば、上述の実施の形態と同様の効果を奏することができ、かつ、導光体を面発光させることができる。
【0030】
(第2変形例)
図4(a)、(b)はそれぞれ、別の変形例に係る車両用灯具のメイン導光体118を示す端面図である。図4(a)、(b)はそれぞれ、図3(b)に対応する。図4(a)、(b)の変形例では、メイン導光体118の板状部132の灯具後方側の主表面132bに、棒状部130の延在方向と平行な方向に延びる反射ステップ132dが形成されている。ここでは、反射ステップ132dが内側に凹んだ凹ステップである場合を示しているが、外側に突出した凸ステップであってもよい。反射ステップ132dは、断面形状が略V字状である第1反射面132eと、第1反射面132eを挟む第2反射面132fとを有する。
【0031】
図4(a)の変形例では、第2反射面132fは平坦な面であり、その断面形状は直線状を有する。第1反射面132eは出射方向とのなす角がθ1である反射面であり、第2反射面132fは出射方向とのなす角がθ2(>θ1)である反射面である。したがって、第2反射面132fに入射された光は、第1反射面132eとは異なる方向に反射される。第2反射面132fは第1反射面132eよりも細い帯状に形成される。すなわち、断面図において、第2反射面132fは第1反射面132eよりも短くなるよう形成される。これにより、第2反射面132fで反射する光の光量は、第1反射面132eで反射する光の光量よりも少なくなる。言い換えると、第1反射面132eが強く発光して見え、それを挟むように第2反射面132fが比較的弱く発光して見える。このような見た目の発光は人の目につきやすいため、安全性の向上に寄与しうる。
【0032】
図4(b)の変形例では、第2部分132fは湾曲した面であり、その断面形状は曲線状を有する。また、第2反射面132fには、シボ加工が施されている。第1反射面132e、第2反射面132fに入射された光は、概ね同じ方向に反射される。
上述したように第2反射面132fにはシボ加工が施されているため、第2反射面132fで反射された光はぼやけて見える。つまり、この変形例によれば、第1反射面132eが強く発光して見え、それを挟むように第2反射面132fが弱く発光して(すなわちぼやけて)見える。図4(a)と同様、このような見た目の発光は人の目に付きやすいため、安全性の向上に寄与しうる。
【0033】
(第3変形例)
実施の形態では特に言及しなかったが、入射導光体20からメイン導光体18に入射した光源14の光が、メイン導光体18を導光するうちに入射導光体20に戻り、入射部20aから出射されることがある。メイン導光体18から入射導光体20に光が戻るのを抑止できれば、光源14からの光をより有効に利用できる。以下、それを実現するための変形例を説明する。
【0034】
図5は、さらに別の変形例に係る入射導光体20とその周辺を示す断面図である。図5の変形例では、メイン導光体18は、入射導光体20とは異なる樹脂材料、特に入射導光体20よりも屈折率が高い樹脂材料により形成されている。これにより、メイン導光体18内を導光していた光がメイン導光体18と入射導光体20との境界に到達した場合、その光の一部は、入射導光体20に戻らずに、境界で反射される。詳しくは、境界に到達した光のうち、境界への入射角がメイン導光体18の屈折率と入射導光体20の屈折率に基づく臨界角よりも大きい光が反射される。例えば、メイン導光体18がポリアリレート(屈折率1.61)またはポリカーボネート(屈折率1.59)で形成され、入射導光体20がアクリル(屈折率1.49)で形成されてもよい。
【0035】
図6(a)、(b)はそれぞれ、さらに別の変形例に係る入射導光体20とその周辺を示す断面図である。図6(a)の変形例では、メイン導光体18および入射導光体20は、メイン導光体18の入射部18aの面積が入射導光体20の入射部20aの面積よりも小さくなるよう形成されている。例えば入射導光体20が光源14から離れるほど細くなるよう形成されることにより、これが実現される。図6(b)の変形例では、入射導光体20は複数(ここでは2つ)に分岐されてメイン導光体18に接続されている。この変形例では、メイン導光体18の各入射部18aの面積の合計が、入射導光体20の入射部20aの面積よりも小さくなるよう形成されている。図6(a)、(b)の変形例によれば、メイン導光体18の入射部18aの面積が入射導光体20の入射部20aの面積よりも小さく形成されることにより、すなわちメイン導光体18の入射部18aの面積が比較的小さく形成されることにより、メイン導光体18から入射導光体20に光が戻るのが抑止される。
【0036】
図7は、さらに別の変形例に係る入射導光体20とその周辺を示す断面図である。この変形例では、入射導光体20は略回転楕円体状に形成されている。図7では、入射導光体20の2つの焦点F1、F2を通る断面を示している。入射導光体20の長軸方向における一端側には入射部20aが形成されている。入射部20aは略半球面形状を有する。入射導光体20の長軸方向における他端側はメイン導光体18に接続されている。入射導光体20は特に、一方の焦点F2がメイン導光体18との境界(すなわち入射部18a)またはその近傍に位置するようにメイン導光体18に接続されている。メイン導光体18および入射導光体20は、入射部18aの面積が入射部20aの表面積よりも小さくなるよう形成される。
【0037】
光源14は、光軸Axが2つの焦点F1、F2を通り、かつ、出射面が焦点F1上またはその近傍に位置するように配置されている。光源14の光は、入射部20aから入射導光体20に入射する。光軸Axと略平行な方向に出射された光源14の光は、入射導光体20内を直進して入射部18aに到達する。光軸Axとは異なる方向に出射された光源14の光は、内面反射して焦点F2に向かって進み、入射部18aに到達する。いずれにせよ、入射導光体20に入射した光源14の光の大半は、入射部18aに到達する。したがって、図7の変形例によれば、入射部18aの面積を比較的小さくした場合でも入射導光体20に入射した光を効率よくメイン導光体18に入射させることができる。つまり、メイン導光体18への光の入射に影響を与えることなく、メイン導光体18から入射導光体20に光が戻るのを抑止できる。
【0038】
図7の変形例では、入射導光体20の外周面のうちのメイン導光体18から離れる方向に向かって凸形状を有する部分20bで内面反射した光は、比較的小さい入射角ですなわち垂直に近い角度でメイン導光体18に入射するため、側面から抜けるおそれがある。そこで図7の変形例では、部分20bで反射した光が入射するメイン導光体18の側面に、ステップ等の反射要素18gが設けられている。反射要素18gは、少なくとも一部が入射部18aと対向するように形成されてもよく、少なくとも一部が入射導光体20の長軸の延長線上に位置するように形成されてもよい。
【0039】
図8は、さらに別の変形例に係る入射導光体20とその周辺を示す断面図である。図8図7に対応する。図7との違いに焦点を当てる。入射導光体20は、回転楕円体を2つの焦点F1、F2を通る断面で切断した形状を有する。すなわち、入射導光体20は、図7の入射導光体20とは異なり、入射導光体20の外周面の一部だけが回転楕円体面形状を有する。その回転楕円体面形状を有する外周面の部分20cは、メイン導光体18に向かって凸形状を有する。光源14は、出射面が焦点F1上またはその近傍に位置し、かつ、出射面が部分20cを向くように配置されている。光源14の光は、内面反射して焦点F2に向かって進み、入射部18aに到達する。図8の変形例によれば、図7の変形例と同様の効果を奏することができる。
【0040】
(第4変形例)
図9(a)はさらに別の変形例に係る車両用灯具を示す斜視図であり、図9(b)は図9(a)のC-C線端面図である。図9(a)では、ランプボディおよびアウターカバーの表示を省略している。本変形例では、車両用灯具は入射導光体20の代わりに入射導光体120を備える。入射導光体120は、棒状部140と、板状部142とを有する。
【0041】
棒状部140は、長尺の導光体であり、その延在方向に垂直な断面形状は円形状である。棒状部140の一方側の端面は、入射部20aを構成し、光源14と対向する。光源14の光は、入射部20aから棒状部140に入射される。棒状部140の他端側の端面は、到達した光を内面反射させるように構成されている。
【0042】
板状部142は、棒状部140の延在方向に長い、正面視で略矩形状の板状の導光体である。板状部142は、棒状部140の側面140aとメイン導光体18の側面18fとを連結する。棒状部140に入射した光は板状部142を通ってメイン導光体18に入射する。
【0043】
(第5変形例)
実施の形態では、入射導光体20からメイン導光体18に光を入射する場合について説明したが、これに限られず、車両用灯具100が入射導光体20を有しない構成も考えられる。この場合、光源14はメイン導光体18の入射部18aと対向するよう配置され、光源14の光は入射部18aから入射導光体20に入射される。
【0044】
(第6変形例)
実施の形態および上述の変形例では、車両用灯具がストップランプである場合について説明したが、これに限られず、本実施の形態の技術的思想は、ヘッドランプ、クリアランスランプ、デイランプ、ターンランプ、その他のランプにも適用できる。また、メイン導光体および入射導光体を、他の導光体に光を入射させるための導光体にも適用できる。
【符号の説明】
【0045】
14 光源、 18 メイン導光体、 18a 入射部、 18b 第1反射部、 18c 第2反射部、 18e 出射部、 100 車両用灯具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9