(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】流体中の電場、ガスおよび細菌を制御するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01F 7/06 20060101AFI20220225BHJP
A61N 1/40 20060101ALI20220225BHJP
A61N 2/02 20060101ALI20220225BHJP
B01J 19/08 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
H01F7/06 D
H01F7/06 J
A61N1/40
A61N2/02 F
B01J19/08 Z
(21)【出願番号】P 2017564780
(86)(22)【出願日】2016-03-07
(86)【国際出願番号】 US2016021267
(87)【国際公開番号】W WO2016141385
(87)【国際公開日】2016-09-09
【審査請求日】2019-03-01
(32)【優先日】2015-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517311024
【氏名又は名称】エンハンスド ライフ ウォーター ソリューションズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100117444
【氏名又は名称】片山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,ゲリー ディー.
【審査官】井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-513646(JP,A)
【文献】米国特許第05951459(US,A)
【文献】実開昭58-098938(JP,U)
【文献】米国特許第05579887(US,A)
【文献】特開2001-038362(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0022886(US,A1)
【文献】独国特許出願公告第10302646(DE,B2)
【文献】特開昭53-088950(JP,A)
【文献】米国特許第04253231(US,A)
【文献】特開2006-210755(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0170526(US,A1)
【文献】特開2007-180073(JP,A)
【文献】特表2008-526479(JP,A)
【文献】国際公開第2006/072125(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101098830(CN,A)
【文献】米国特許第04473811(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 7/06
A61N 1/40
A61N 2/02
B01J 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界を誘導するための装置であって、
対向する縁に並んだ複数のノッチを有する
可撓性の鉄シートコアと、
対向するノッチの間に束が形成された導電性ワイヤの複数の第1の束と、
複数の前側接続ワイヤであって、1つのワイヤが、前記鉄シートコアの前側
で1つの第1の束を別の第1の束に電気的に接続する、複数の前側接続ワイヤと、
第1の複数の束に重なるように配置された導電性ワイヤの複数の第2の束と、
複数の後側接続ワイヤであって、1つのワイヤが、
前記鉄シートコアの後側で1つの第2の束を別の第2の束に電気的に接続する、複数の後側接続ワイヤと、を備え、
前記第1の束、前記前側接続ワイヤ、前記第2の束、および、前記後側接続ワイヤは、前記鉄シートコアの周りに巻かれた1本の連続したワイヤであり、
前記第1の束は、前記鉄シートコアの周りに第1の方向で巻かれ、
前記第2の束は、前記鉄シートコアの周りに前記第1の方向と対向する第2の方向で巻かれ、
前記鉄シートコアはパイプを包むように構成される、装置。
【請求項2】
電界を誘導するための装置であって、
対向する縁に並んだ複数のノッチを有する可撓性の鉄シートコアと、
対向するノッチの間に束が形成された導電性ワイヤの複数の第1の束と、
複数の前側接続ワイヤであって、1つのワイヤが、前記鉄シートコアの前側で1つの第1の束を別の第1の束に電気的に接続する、複数の前側接続ワイヤと、
第1の複数の束に重なるように配置された導電性ワイヤの複数の第2の束と、
複数の後側接続ワイヤであって、1つのワイヤが、前記鉄シートコアの後側で1つの第2の束を別の第2の束に電気的に接続する、複数の後側接続ワイヤと、を備え、
前記第1の束、前記前側接続ワイヤ、前記第2の束、および、前記後側接続ワイヤは、前記鉄シートコアの周りに巻かれた1本の連続したワイヤであり、
前記前側接続ワイヤおよび前記後側接続ワイヤは、前記鉄シートコアを介して、交差パターンを形成し、
前記
鉄シート
コアはパイプを包むように構成される、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、一般に、電磁場および電場を生成し、流体、ガスおよび細菌をこれらの電磁場および電場に暴露することに関し、より具体的には、電磁場および電場を生成して、微生物レベルを低下させ、かつ流体またはガス中の分子を配向するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パイプを流れる流体は、無機質、分子、巨大分子、および溶質が正しく配向されなくなる結果となる。例えば、パイプを流れる水は、一般に沈殿物からのスケールの形成をもたらす。スケールを除去するには、関連する細菌を処理するために有害な化学物質および殺生剤を使用する必要がある。この問題を解決することを目的とする他の装置は、パイプの切断、またはパイプの周囲へのワイヤの物理的な巻き付け、または電磁場および/または多方向振動場の使用を含み、例えば米国特許第8,477,003号明細書に記載されている。
【0003】
ヒトまたは動物体などの体に関しては、体液の不適切な循環のために炎症が起こりやすい。従来、循環または炎症の問題の治療には医薬品の使用が含まれる。しかし、これらの医薬品は、肝臓などの他の身体器官を徐々に破壊する可能性がある。
【0004】
したがって、流体の流れを改善し、粘度を低下させ、微生物のレベルを低下させ、無機質、分子、巨大分子および溶質を流体中に配向して、化学物質を使用せずに流体を増強させるのに役立つ手段または装置が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
流れる流体に電場および/または電磁場をかけて無機質、分子、巨大分子および溶質を配向する装置、システムおよび方法を開示し、特許請求する。配向された材料は、沈殿物を形成するのではなく、溶液中に溶解しかつ懸濁したままである。一実施形態では、装置は、例えばコアの周囲のノッチ、ノッチからノッチまでコアの周囲に巻き付けられたゴムテープの第1の層、ゴムテープの上のコアの周囲に巻き付けられた磁気ワイヤ、磁気ワイヤの上のコアの周囲に巻き付けられたゴムテープの第2の層などの複数の受入位置を含んでもよく、その結果、磁気ワイヤは2層のゴムテープの間に挟持され、電源ワイヤは磁気ワイヤに取り付けられ、電源ワイヤは、電源と係合して装置に電力を供給するように構成される。特定の実施形態では、ワイヤは、単一方向のコアの周囲に単一方向に巻き付けられる。コアが柔軟であってもよいので、装置は、それが適用される物体の形状に適合することができる。装置が使用されている場合、装置は微生物のレベルを低下させる傾向があり、物体を流れているかまたは物体内に配置された流体中の無機質を配向して懸濁する傾向がある。
【0007】
本開示の上記および他の利点および特徴が得られる方法を説明するために、簡潔に上述した本開示のより詳細な説明を、添付の図面に示す特定の実施形態を参照して行う。これらの図面は本開示の典型的な実施形態のみを描写しているので、その範囲を限定するものではないと理解されるものであり、本開示を、添付の図面を使用してさらなる具体性および詳細とともに記載しかつ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】可撓性コア上に配置された複数のワイヤ受入位置用の受入部の一実施形態の正面図である。
【
図1B】可撓性コア上に配置された複数のワイヤ受入位置用の受入部の一実施形態の背面図である。
【
図2A】
図1Aおよび
図1Bのコアのノッチの形態の複数のワイヤ受入位置の一実施形態の正面図である。
【
図2B】
図1および
図1Bのコアのノッチの形態の複数のワイヤ受入位置の一実施形態の背面図である。
【
図3A】ワイヤ受入位置の周囲に巻かれるかまたは巻き付けられたワイヤを保護し、かつ絶縁するための材料の配置の一実施形態の正面図である。
【
図3B】ワイヤ受入位置の周囲に巻かれるかまたは巻き付けられたワイヤを保護し、かつ絶縁するための材料の配置の一実施形態の背面図である。
【
図4A】複数のワイヤ受入位置の周囲に巻かれたワイヤコイルの一実施形態の正面図である。
【
図4B】複数のワイヤ受入位置の周囲に巻かれたワイヤコイルの一実施形態の背面図である。
【
図5A】ワイヤ受入位置の周囲に巻かれたワイヤを保護し、かつ絶縁するための材料の配置の一実施形態の正面図である。
【
図5B】ワイヤ受入位置の周囲に巻かれたワイヤを保護し、かつ絶縁するための材料の配置の一実施形態の背面図である。
【
図6A】複数のワイヤ受入位置の周囲に巻かれたワイヤを電源に電気的に接続する一実施形態の正面図である。
【
図6B】複数のワイヤ受入位置の周囲に巻かれたワイヤを電源に電気的に接続する一実施形態の背面図である。
【
図7A】装置を囲むカバーを提供する一実施形態の正面図である。
【
図7B】装置を囲むカバーを提供する一実施形態の背面図である。
【
図8】導管内の流体を処理するための導管の周囲に組み立てられた装置を配置する一実施形態を示す図である。
【
図9】組み立てられた装置を身体部分の周囲に配置する一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明では、多くの詳細、例および実施形態について説明する。しかし、本出願は記載された実施形態に限定されず、本出願をいくつかの用途のいずれかに適合させることができることは、当業者にとって明らかである。
【0010】
いくつかの実施形態では、本開示は、微生物のレベルを低下させ、流体中の分子を配向するために使用される装置に関する。この装置は、それが意図されるように機能することができる任意の適切な構成要素を含んでもよく、いくつかの実施形態では、装置は、コア、コア上の複数のワイヤ受入位置、絶縁材料、導電性材料製の巻線、および/または電源コードを含む。この可能な構成要素の一覧は単なる例示であり、この一覧を使用して本発明の装置をこれらの要素に限定することを意図するものではない。本開示に関連する当業者は、装置の本質的な機能または動作を変更することなく、本開示内で置換されてもよい等価要素が存在することを理解するであろう。開示された装置の様々な要素は以下の例示的な態様に関連してもよいが、様々な要素間の関係の範囲または性質を限定するものではなく、以下の例は単に例示的な例として提示される。
【0011】
図1から
図9を参照すると、電磁場を生成し、電場を生成し、磁場を生成し、溶媒中で溶質を処理し、微生物のレベルを低下させ、流体中の無機質を配向することのうちの1つ以上を実施する装置1が開示されている。装置1を製造し、組み立て、構成し、その他の方法で構築する方法も開示される。装置1を、水性溶媒および有機溶媒(例えばガソリン、他の石油系流体、無機溶媒、水性溶媒、塩水、淡水、および生物系などの水性流体)を含む様々な溶質において使用することができる。
【0012】
図1Aおよび
図1Bは、基板またはコア10を示す。
図1Aは、コア10の正面図を示す。
図1Bは、コア10の背面図を示す。参照符号Aは、
図1Aの正面図と
図1Bの背面図との共通の角部を示す。コア10は任意の適切な材料を含むことができるが、いくつかの実施形態では、コア10はシートを含む。他の実施形態では、シートは柔軟であってもよい。コア10は、固形体またはメッシュを含んでもよい。さらに他の実施形態では、金属メッシュの間隔は用途によって決定される。コア10は、金属(例えば鉄系金属または非鉄金属)、ポリマー、セラミックなどの複合材料、またはこれらの材料の組み合わせを含んでもよい。コアは、コアモジュールを選択的に結合して所望の特性を含むコアを形成するモジュラーシステムを含んでもよい。コア10は、亜鉛めっき金属板または可撓性金属メッシュなどの可撓性金属板を含んでもよい。コア10は、前部10Aおよび後部10Bを含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、コア10は、電荷を受け入れるかまたは維持する鉄などの磁性材料を含んでもよい。あるいは、コア10は、亜鉛めっき板などのその他の所望の材料を含んでもよく、コア10の組成は用途に依存してもよい。他の実施形態では、コア10は略長方形であってもよい。さらに他の実施形態では、コア10は、略円形、楕円形、三角形、または正方形などのその他の適切な形状を含む。
【0014】
図2Aおよび
図2Bに示すように、コア10は、コア10の2つの対向する縁部の長さに沿って配置された複数の受入位置12を有して略長方形で平坦であってもよい。
図2Aは、複数のノッチ12を含むコア10の正面図を示し、
図2Bは、複数のノッチ12を含むコア10の背面図を示す。ノッチ12の代替の実施形態は、ノッチ12の変形(例えばフック、リップ、レッジ、クリップノッチ凹部などの突起、または巻線が固定される溶接部位またははんだ付け部位を含む他の表面形状)を含んでもよい。ノッチ12は、ノッチ12を形成するようにコア10の一部を切り抜くかまたは打ち抜くことで形成されてもよい。別の実施形態では、鋳型または他の成形方法などの他の手段によって、受入位置12を形成することができる。その結果、
図2Aおよび
図2Bに示すように、ノッチ12がコア10の対向側付近に配置される。特定の実施形態では、上縁部および底縁部はノッチ12を含んでもよい。ノッチ12は、位置合わせされていてもよいし、オフセットされていてもよい。ノッチは、寸法が変化してもよく、または均一であってもよい。ノッチは、V字形を形成するための1つの角度を含んでもよいし、または複数の角度を含んでもよい。ノッチ12の形状は、コア10の周囲に巻き付けるために使用されるワイヤのゲージに適応するように構成されてもよい。ノッチ12は、用途、ワイヤ寸法、電圧、およびコア寸法に応じて離間していてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ノッチ12は、約2分の1インチから約3インチ離間して配置される。別の実施形態では、ノッチ12は、コア10の縁部に沿って等間隔に配置されてもよい。
【0015】
ここで
図3Aおよび
図3Bを参照すると、コア10の表面に塗布されたコーティング14を含む装置1が示されている。
図3Aは、コア10に塗布されたコーティング14の正面図を示し、
図3Bは、コア10に塗布されたコーティング14の背面図を示す。いくつかの実施形態では、コーティング14は、受入位置12の間のコアの表面に沿った経路を連結するように被覆される。コーティング14は任意の適切な絶縁材料を含むことができるが、いくつかの実施形態では、コーティング14は、ノッチ12からノッチ12までコア10の周囲に巻き付けられた絶縁ゴムテープなどの任意の適切な電気絶縁を含む。コーティング14は、絶縁性(例えばゴム、プラスチック、ポリマー、セラミック、およびその他の類似の絶縁材料)を含む任意の材料を含んでもよい。コーティング14を、ワイヤとコア10との間の絶縁層として構成することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、コーティング14は、第1の縁部の第1のノッチ12から第2の縁部の第1の対向ノッチ12まで被覆され、第1の縁部の第1のノッチ12に戻り、その後に第2の縁部の第2のノッチ12に対角線方向に下向きに流れ、コーティング14が全てのノッチ12を覆うまでこのパターンが必要に応じて繰り返される。したがって、塗布されたコーティング14は、図に示すように各垂直線を結ぶ対角線を含む垂直線として現れることがある。コーティング14がコア10に巻き付けられる回数は、コア10の用途および寸法に依存してもよい。
【0017】
ここで
図4Aおよび
図4Bを参照すると、導電性材料を用いて巻線16を形成することができる。
図4Aは、コーティング14に巻き付けられた巻線16の正面図を示し、
図4Bは、コーティングに巻き付けられた巻線16の背面図を示す。巻線16は、第1の端部18および第2の端部19をさらに含むことができる。導電性材料は、ワイヤ、カーボンナノチューブ、単層カーボンナノチューブ、高分子導電体、または、電磁場、電場および/または磁場を発生させるために電流が流れることができるその他の材料を含んでもよい。巻線16は、電力が巻線16を介して導通される場合に電場、磁場および/または電磁場を生成することができる銅線などの電線であってもよい。巻線16は、撚り線、非撚り線、または撚り線および非撚り線の2つの任意の組み合わせを含んでもよい。ワイヤは、任意の適切なまたは所望の導電性ワイヤまたは磁気ワイヤを含むことができる。用途に応じて、ワイヤの寸法および組成が変化することがある。
【0018】
巻線16は、任意の適切な態様でコア10の周囲に巻き付けられてもよいが、いくつかの実施形態では、巻線16は、直交する態様でコア10の周囲に巻き付けられる。
【0019】
あるいは、巻線16は、コア10の一方の側に完全に配置され、2つの直接対向する受入位置12でコア10に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、巻線16は、受入位置12から受入位置12へのコーティング14の上のコア10の周囲に導電性材料を巻き付けることによって形成され、コーティング14は、コア10と巻線16との間に配置される。コア10を覆うために使用されるパターンは、対向ノッチ12の間の複数の巻き付けを含み、単一の対角ワイヤは、平行なノッチ12の組を接続する。ワイヤは、隣接するノッチ12を接続してもよく、または隣接していないノッチ12を覆ってもよい。例えば、いくつかの巻線のための2つの正対向ノッチ12の間に導電性材料を巻き付け、隣接する一対の正対向ノッチ12へ対角線上に移行させ、隣接する一対の正対向ノッチ12を覆い、巻線16がノッチ12の各々に巻き付けられるまでコア10の長さにわたって継続することによって、巻線16を配置することができる。
【0020】
巻線16のための好ましい巻き付けパターンは、ワイヤを2つの正対向ノッチの間でコアの周囲に時計回りに5回巻き付け、次いで、2つの正対向ノッチから対角線方向にコア10を横切って次の隣接する一対の対向ノッチ12に移行することを含んでもよく、この場合、ワイヤは、5回の巻き付けのために隣接する一対の対向ノッチの間に巻き付けられ、工程はコア10の長さにわたって継続される。ワイヤを2つの整列したノッチ12の間に複数回巻き付け、次いで、ワイヤが整列したノッチ12の周囲に複数回巻き付けられる上方対角線方向のパターンで、ワイヤを下部ノッチから次の隣接する上部ノッチへ導くこのパターンは、整列した受入位置12のノッチの組が、前側10Aの隣接するノッチを接続する単一のワイヤを含む巻線を有するまで繰り返される。
【0021】
巻き付けパターンは、最後の巻線から第1の巻線まで繰り返される巻き付けパターンを含む同じ連続長のワイヤで継続し、ワイヤは、以前の巻線が形成された同じノッチ内で以前に配置された巻線に重なる巻線を形成するために使用される。巻き付けの段階では、隣接するノッチ12を接続するワイヤは、上部ノッチ12を接続し、コアの下方縁部のノッチ12に対して下方対角線方向に延在する。コアの前部10Aの対角移行ワイヤおよびコアの後部10Bの対角移行ワイヤは、「X」を形成しているように見えるが、2つのワイヤはコア10の反対側にあって接触していないかまたは物理的に交差していない。この構成では、巻線を流れる電流は、コア10の反対側で反対方向に流れる。
【0022】
いくつかの実施形態では、巻き付けパターンは交互になったノッチの回りに巻き付けることを含んでもよいので、巻き付けパターンは対角線上にずれている。あるいは、対角移行の長さは複数の巻き付けを含んでもよく、または、ずれたノッチ間の巻き付けを接続するためにより長くてもよい。本開示は、コアに沿って任意の適切な態様で配置された巻線16を含むコア10を意図している。あるいは、コア10のモジュールを巻線とともに所定の位置に形成してもよく、コア10のモジュールは、本明細書に記載されたパターンと一致して接続され、電流がコアの前部10Aおよびコアの後部10Bで反対方向に流れることを可能にする。
【0023】
いくつかの実施形態では、2つの整列したノッチ12の間の巻き付け数は、2回の巻き付けと200回以上の巻き付けとの間で変動する可能性がある。別の実施形態では、所望の数の巻き付けが完了し、次の隣接するノッチ配列12において巻き付けが継続され、その結果、単一のワイヤが2つのノッチ配列12の間でコーティング14を辿って、2つの新たなノッチ配列12の間で巻き付けが繰り返される。このパターンは、巻き付けがコア10の対向終縁部に達するまでコアの長さに沿って繰り返され、この場合、同じ巻き付けパターンが、コア10の長さに沿って反対方向に繰り返される。
【0024】
図4Aおよび
図4Bのコアの前部10Aおよびコアの後部10Bに示されるように、ワイヤは、対向ノッチ12の間で1回以上巻かれてコア10に外接するワイヤコイルを形成する。次いで、ワイヤは、コア10を次の隣接する対向ノッチ12に向かって対角線上に通過し、この地点で、ワイヤは、再び対向ノッチ12の間で1回以上巻かれてコア10に外接する別のワイヤコイルを形成する。この巻き付けパターンは、ワイヤのコイルがコア10の長さに沿って一対の対向ノッチ12の各々の間に配置されるまで、コア10の長さに沿って繰り返される。これにより、コア10の周囲に巻き付けられた第1の組のワイヤコイルが生成される。第1の組のワイヤコイルを生成する場合、
図4Aに示すように、コアの前部10Aに示されるコア10の同じ側においてワイヤ16が次の隣接する対向ノッチ12に向かって各対角線上を通過する可能性があり、この場合、対角ワイヤはコーティング14の上を対角線上に通過する。
【0025】
図4Aおよび
図4Bにさらに示すように、第1の組のワイヤコイルがコア10の周囲に配置された後、ワイヤは、
図4Bに示すようにコアの後部10Aを次の隣接する対向ノッチ12に向かって対角線上に通過し、この地点で、ワイヤは再び対向ノッチ12の間で1回以上巻かれて、コア10に外接する別のワイヤコイルを反対方向に形成する。これは、ワイヤの別のコイルが反対方向にコア10の長さに沿って各対向ノッチ12の間に配置されるまで、コア10の長さに沿って繰り返される。これにより、コア10の周囲に巻き付けられた第2のまたは対向する組のワイヤコイルが生成される。第2の組または対向する組のワイヤコイルをコアの後部パネル10Bを横切って生成する場合、例えば
図4Bのコアの後部10Bに示されるコアの同じ側においてワイヤが次の隣接する対向ノッチ12に向かって各対角線上を通過する可能性があり、これは、対角移行ワイヤがコーティング14の上を対角線上に通過することを示している。第1の組のワイヤコイルおよび第2の組または対向する組のワイヤコイルは、同じ2つの対向ノッチ12の間で反対方向のワイヤを通る電力の流れをもたらす。
【0026】
いくつかの実施形態では、ワイヤは、コイルの一端が周囲に巻かれる同じ縁部上の2つの隣接するノッチ12を利用してコア10の一方の側に巻き付けられ、コイルの他端は、コア10の対向縁部上の2つの隣接するノッチ12の周囲に巻き付けられる。他の実施形態では、柱、フックまたは他の隆起した部材、埋め込まれた部材、および/または取り付けられた部材がコア10上に配置されて、コア10の上または周囲にワイヤコイルを受け入れて保持する。
【0027】
ここで
図5Aおよび
図5Bを参照すると、巻線16および対角線上の移行部を覆うように、コアの前部10Aおよびコアの後部10Bにコーティング14の第2の層を塗布することができる。
図5Aは巻線16を覆うコーティング14の正面図を示し、
図4Bは巻線16を覆うコーティング14の背面図を示す。いくつかの実施形態では、巻線16は、コーティング14の2つの層の間に狭持されている。
【0028】
ここで
図6Aおよび
図6Bを参照すると、いくつかの実施形態では、電源ワイヤ20が第1の端部18および第2の端部19に取り付けられて、巻線16を電源30に電気的に接続する。電源30から第1の端部18および第2の端部19を通り、巻線16を介して電力を導通するように電源ワイヤ20を構成することができる。電源ワイヤ20は、任意の適切な接続機構を使用して第1の端部18および第2の端部19に取り付けられてもよく、いくつかの実施形態では、第1の端部18および第2の端部19にはんだ付けされてもよい。電源ワイヤ20は、電源30と係合するように構成された任意のコードを含んでもよく、いくつかの実施形態では、用途に応じてUSBコードまたは21mmのコードを備えてもよい。システムが機能するために大量の電力を必要としないので、電源30は、低量の電力を提供するように構成された電源を備えることができる。例えば、電源30は、約0.1アンペアで約3ボルトから約15アンペアで約40ボルトを供給する太陽光システムまたはその他の電力システムを備えることができる。他の実施形態では、電源30は、最大約50アンペアで最大約1000ボルトを供給する電源を備える。
【0029】
ここで
図7Aおよび
図7Bを参照すると、いくつかの実施形態では、装置1はカバー40をさらに含む。
図7Aは、カバー40を含む装置1の正面図を示し、
図7Bは、カバー40を含む装置1の背面図を示す。カバー40は、装置1を保護し、装置1を電気的に絶縁し、および/またはユーザがコーティング14、巻線16、第1の端部18、第2の端部19、またはコア10のその他の部分に接触するのを防止するように構成された、任意の適切な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、カバー40は可撓性材料を含む。カバー40は、コアを保護するための任意の適切なカバーを含んでもよい。例えばいくつかの実施形態では、カバー40は、用途に応じて、ゴム引きのコーティングもしくはヘッドライナ、または接着剤で接着されたその他の種類の材料を含んでもよい。
【0030】
理論に束縛されるものではないが、装置は、競合する電磁場が流体中の沈降物と相互作用して粒子寸法を低減し、かつ溶液中に懸濁した粒子を活性化することを可能にする構成で機能すると考えられる。微粒子の寸法の低減は、スケール、妨害物、または、例えば蒸発冷却システムなどにおける流れを防止する他の現象をもたらすことなく流体が流れることを可能にする。粒子の活性化は、粒子が互いに結合して溶液から凝結することを防止する。これは、システム内に妨害物または他の障害物を形成することなく流れる過飽和溶液を生じる可能性がある。
【0031】
いくつかの実施形態では、装置は、水、水中の他の無機質または導管内のあらゆる物質に電子を加えることによって機能する。他の実施形態では、装置は、水素イオン(H+)の濃度を低下させることによってpHが増加するように電子を加えることによって機能する。場合によっては、装置は、電子を加えることによって水素イオンの濃度を低減する。他の場合には、装置は、物質に電子を加えてCa(カルシウム)およびその他の無機質を変化させて安定させる。Caは、追加の電子を導入することによって安定化することができる陽イオンである。安定化されたカルシウムは凝集せず、粒子に安定化することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、装置は、全ての溶液を懸濁液に安定化することによって機能する。場合によっては、装置は、分子を、溶液の代わりに懸濁状態にある粒子に安定化することができる。安定化を高めることによって、新たなレベルの過飽和を達成することができる。他の場合では、装置は、集束電子場を電磁場線に沿うビーム状のものとして使用して、導管内の水、無機質または他の物質に電子を導入することによって、pHを安定したままにすることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、細菌が装置の影響を受ける2つの方法がある。第1の方法は、電子ビームまたは電子エネルギーの場が細菌の細胞膜を破壊して、細菌を死滅させることができることである。第2の方法は、無機質を水中で安定化させ、それによって細菌がこれらの無機質を利用するのを防止することである。他の実施形態では、より複雑な生活形態として、藻類および植物が細胞による処理のために無機質を直接標的とすることができるので、装置は藻類または植物に影響を与えない。場合によっては、装置は、植物による無機質の吸収を促進するように無機質を安定化させて、より効率的な植物成長を促進することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、装置は既存の硬水沈殿物を除去する。安定化効果または結晶化は、カルシウムを粒子にすることができる。他の実施形態では、装置は、水を溶液から懸濁液に変化させて、既存の沈殿物を除去することができる過飽和を可能にする。さらに他の実施形態では、既存の沈殿物は、束の加熱中の固体板スケールの亀裂のためにより脆くなる。いくつかの実施形態では、カルシウムが安定化され、これ以上金属に結合しないので、顆粒型の硬水沈殿物が落下する。他の実施形態では、金属は、腐食を防止し、かつカルシウムまたは他の陽イオンへの結合を防止するように加えられた電子によって補強される。
【0035】
いくつかの実施形態では、装置は、処理された流体の熱エネルギー伝達率に影響を与える。例えば、水冷却塔では、塔によって放出される熱エネルギーが水の振動を増加させる。この振動は、沸騰によって分子の結合が分離して蒸気になるまで増加する。電子を加えることによって、装置は既存の結合を強化し、水が容易に蒸気にならないようにすることができる。これは、水がより多くの熱エネルギーを保持することを可能にし、それによって熱エネルギー伝達率を増加させる。
【0036】
従来のシステムでは、細菌の増殖および/または水中の生物付着を防ぐために、水処理用の化学物質が使用されている。従来のシステムに化学物質を添加すると、水素イオン(H+)の濃度は酸性域において高くなる。これらの添加化学物質は細菌または他の形態の生物付着を防止するが、酸性水は、パイプおよび他のシステムの腐食を引き起こす可能性がある。したがって、従来のシステムでは、腐食を防止するために腐食防止剤を添加する必要がある。場合によっては、添加された化学物質の適正量を得て腐食を防止すると同時に生物付着を防止するために微妙な均衡が取られることもある。いくつかの実施形態では、装置は、水を処理して細菌の増殖を制御し、かつ、添加された化学物質を必要とせずに生物付着を低減および/または防止する。
【0037】
いくつかの実施形態では、装置は、電子の物理現象を介して機能する。電子の物理現象は電場線によってもたらされ、電磁場によって導かれる。装置が平坦である場合、ほとんど集束させずに電子を送ることができる。装置が湾曲している場合、電磁場は集束することができる。この物理現象は、誘電率および透磁率と呼ぶこともできる。場合によっては、(電子を吸収する)抵抗によって電気を停止することができる一方で、遮蔽のために磁気の方向を変える必要がある。装置が平坦な構成である場合、装置はコアの正(磁北)側で電子を放出し、コアの負(磁南)側から電子を吸収することができる。装置が湾曲している場合、装置の有益な効果を集約させることができる。電磁場の強度は、コアの端部が共に湾曲するにつれて増加させることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、装置が円筒状に湾曲している場合、電磁場はリング磁石となる。磁力線に沿った指向性のある流れは、ここで南から北へ移動することができる。電子は、装置の北端から放出してビーム効果を生成することができる。コアの端部を互いに接近させることによって、電磁場を強めることができる。磁力線に沿った指向性のある流れは、ここで南から北へ移動している。電子は、装置の北端から放出してビーム効果を生成することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、電磁力線に沿った電子の指向性のある流れは、集束電子場と呼ばれる電気力学的エネルギー効果をもたらす。他の実施形態では、集束電子場は、電気力学的場効果の導入からの脱イオン化および再結合による分子安定化を誘発する。
【0040】
いくつかの実施形態では、この装置は、身体部分に使用される場合に健康上有益な影響を提供する。これらの健康上有益な影響には、より良好なカルシウムの吸収、腎臓結石の減少および/または予防、血液および/または他の体液の粘性の低下が含まれ、これにより、血流が増加し、治癒が早まり、疼痛管理が改善され、高濃度のイオンおよび潜在的な毒素が希釈され、身体による濾過が改善される。
【0041】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置および方法を使用して、硬水軟化システムが改善される。場合によっては、この装置および方法を使用してナトリウムを含有する水を処理することができる。他の場合には、この装置および方法を使用して塩化ナトリウムを水酸化ナトリウムに変換することができる。さらに他の場合には、この装置および方法を使用して、水酸化ナトリウムを安定化させて危険性を低減することができる。塩化ナトリウムを水酸化ナトリウムに変換することによって、装置は塩水を処理することができる。場合によっては、この装置および方法を使用して、使用に適していなかった塩水を農業または灌漑に使用することができる有効水に再生することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、装置全体は、任意の所望の寸法または必要な寸法を有してもよく、適用される物体の外形または内形を模倣するように成形可能であってもよい。場合によっては、防水であるように、および/または浸漬されるように装置を構成することができる。他の場合には、流体の流れの中で配向されるように装置を構成することができる。一般に、流体が流れる任意の導管の周囲に巻き付けることによって装置を使用することができる。巻線が流体の流れと平行になるように装置を巻き付けることができる。その後、装置には電源が投入されて、流れる流体に有益な効果をもたらすように導電部に浸入する電場および電磁場を生成する。有益な効果は、流体中の微生物レベルの低下、スケール沈積の低減および/または転換、流体の流れの改善、および、身体部分へ適用した場合の健康上の利益の改善を含むことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、装置は、パイプなどの物体の周囲に巻き付けて、装置に電力を印加して物体を流れる流体中の無機質および/または沈殿物を配向するかまたは流体中に十分に懸濁させることによって、スケールおよび他の無機質の蓄積が、流体に接触する壁、パイプまたは他の機器に付着および/または蓄積することを防止するように適用される。他の実施形態では、装置を水処理に使用して、水の風味を増強し、塩含有硬水軟化システムを置き換え、および/または、塩の使用を低減して(例えば塩の使用を50%低減して)塩含有硬水軟化剤を扱ってもよい。さらに他の実施形態では、装置は、処理水を植物成長のために使用することができるように水中のナトリウム結合を破壊してもよい。場合によっては、装置は身体に適用されて血流を増加させ、かつ炎症を低減する。他の場合には、装置は処理された流体中の細菌の増殖を低減する。
【0044】
いくつかの実施形態では、コア10は、操作によって流動系内のパイプなどの導管の外形に適合するように構成された可撓性材料を含む。他の実施形態では、コア10は略平坦であってもよく、パイプ、導管またはグリーストラップの周囲に巻き付けられるような、意図される用途に望ましい寸法に適合されてもよい。さらに他の実施形態では、コア10は、パイプまたは身体部分のような物体の形状に適合するように構成された任意の材料を含んでもよい。
【0045】
図8を参照すると、いくつかの実施形態では、装置は、パイプなどの導管に適合するために可撓性であるように構成される。例えば、装置1は、パイプ50のような導管の周囲に巻き付けられるように構成された可撓性材料を含むことができる。装置が作動されると、パイプ50を流れる任意の流体は、これらに限定されないが、スケールの低減、微生物レベルの低下、および流体の流れの改善などの上述の有益な効果を経験することができる。場合によっては、装置は、丸められた態様または毛布のような態様でパイプ50の周囲に巻き付けるように構成することができる。
【0046】
図9を参照すると、いくつかの実施形態では、装置は、膝などの身体部分に巻き付くように構成された健康パッドとして構成されている。例えば、装置1は、膝60のような身体部分の周囲に巻き付けられるように構成された可撓性材料を含むことができる。装置が作動されると、巻き付けられた身体部分は、限定されないが炎症の低減および血流の増加などの上述の有益な効果を経験することができる。場合によっては、装置は、丸められた態様または毛布のような態様で身体部分の周囲に巻き付けるように構成することができる。他の場合には、身体部分は、これらに限定されないが、足指、足、足首、脹脛、膝、大腿部、脚、腰、骨盤領域、腹部、胸部、上半身、肩、腕、前腕、手、首、またはその他の適切な身体部分を含むことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、開示された装置および使用方法は、流体の処理を必要とする任意の用途に適している。例えば、装置および方法を、異なる身体部分に適用される健康パッドの形態で健康用途に使用することができる。場合によっては、この装置および方法を、水質の改善、微生物レベルの低下、スケールの低減、および水流の改善のうちの1つ以上のための水処理に使用することができる。他の場合には、装置および方法を、燃料効率の改善、燃料品質の改善、燃料不純物の低減、および燃焼の改善のうちの1つ以上のための燃料処理に使用することができる。さらに他の場合には、装置および方法を、スケールを低減し、流体の流れを改善し、および/または生物付着を低減することによって、流体の濾過に役立つように使用することができる。いくつかの場合、この装置および方法を、スケールを低減し、水流を改善し、微生物のレベルを低下させ、および生物付着を低減することによって、脱塩に適用することができる。他の例では、装置および方法を、水質を改善し、微生物レベルを低下させ、スケールを低減し、かつ水流を改善するための灌漑に適用することができる。さらに他の例では、装置および方法を、流体のpH調整、水素生成、電気分解、および/または敷物洗浄に適用することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、本出願は、電磁場誘導装置を開示しており、この電磁場誘導装置は、前側、後側、頂部、底部、第1の縁部、第2の縁部および複数のノッチを有するシートを含むコアと、コアの周囲に巻き付けられた導電性材料を含む巻線とを含み、巻線はコアに沿ってノッチに配置され、巻線は電流が巻線を流れることを可能にするように電気的に連絡している。他の実施形態では、コアは金属材料を含む。さらに他の実施形態では、コアは鉄系材料を含む。いくつかの実施形態では、コアはメッシュを含む。他の実施形態では、コアは、金属、セラミックおよびポリマーのうちの1つ以上を含む。さらに他の実施形態では、装置は、コアの表面上に絶縁性コーティングをさらに含む。いくつかの実施形態では、絶縁性コーティングは、導電性材料よりもコンダクタンスが低い。他の実施形態では、絶縁性コーティングは、対角線に接続された複数の垂直線を含むようにコアの表裏面に塗布される。さらに他の実施形態では、導電性材料はワイヤを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、装置は、導電性材料を、第1の組の正対向ノッチにおいてコアの周囲に複数回にわたって直交方向に巻き付けることによって形成され、導電性材料がコアの前部からコアの後部まで単一の方向に巻き付けられている第1の巻線と、導電性材料を、第2の組の正対向ノッチにおいてコアの周囲に複数回にわたって直交方向に巻き付けることによって形成され、導電性材料がコアの前部からコアの後部まで単一の方向に巻き付けられている第2の巻線とをさらに含み、ここで、第1の巻線および第2の巻線は導電接続されている。
【0050】
いくつかの実施形態では、ノッチは、導電性材料が第1の巻線を形成するように構成されたコアの縁部から延在する突起部を含み、導電性材料は、巻線が前記コアの1つの表面のみを占めるように、整列した第1の組の受入位置の周囲に巻き付けられ、導電性材料は第2の巻線を形成し、導電性材料は、巻線がコアの1つの表面のみを占めるように第2の組の正対向ノッチの周囲に巻き付けられ、第1の巻線および第2の巻線は導電接続されている。他の実施形態では、装置は、第1の長さのワイヤを2つのノッチの周囲に第1の方向に巻き付けることによって、少なくとも2つのノッチの周囲に配置された第1の長さのワイヤと、第2の長さのワイヤを同じ2つのワイヤ受入位置の周囲に第2の方向に巻き付けることによって、同じ2つのノッチの周囲に配置された第2の長さのワイヤとをさらに含む。さらに他の実施形態では、第1の方向は第2の方向に対向している。いくつかの実施形態では、第1の長さのワイヤおよび第2のワイヤは、いずれも連続ワイヤの一部である。
【0051】
いくつかの実施形態では、本出願は、電磁場を生成するための装置を開示しており、この装置は、ノッチと、第1のワイヤの第1の部分を第1の組のノッチの周囲に巻き付けることによって第1のワイヤの第1の部分が第1の組のノッチの周囲に配置され、かつ、第1のワイヤの第2の部分を第2の組のワイヤ受入位置の周囲に巻き付けることによって第1のワイヤの第2の部分が第2の組のノッチの周囲に配置される、電流を導通することが可能な第1のワイヤと、第2のワイヤの第1の部分を第1の組のノッチの周囲に、第1の組のノッチの周囲への第1のワイヤの巻き付けに対向する方向に巻き付けることによって、第2のワイヤの第1の部分が第1の組のノッチの周囲に配置され、かつ、第2のワイヤの第2の部分を第2の組のノッチの周囲に、第2の組のノッチの周囲への第1のワイヤの巻き付けに対向する方向に巻き付けることによって、第2のワイヤの第2の部分が第2の組のノッチの周囲に配置される、電流を導通することが可能な第2のワイヤとを含む。他の実施形態では、第1のワイヤおよび第2のワイヤは、いずれも連続ワイヤの一部である。
【0052】
いくつかの実施形態では、本出願は、流体に電磁場を通過させる方法を開示しており、コアの第1の縁部からコアの第2の縁部へ巻き付けられた第1の組の巻線、コアの前記第2の縁部からコアの第1の縁部に巻き付けられた第2の組の巻線とを含むコアを提供すること、コアを流体が流れている導管に隣接して配置すること、および巻線に電流を流すことを含む。他の実施形態では、この方法は、コアを導管の形状に成形することをさらに含む。さらに他の実施形態では、この方法は、コアを導管の周囲に巻き付けることをさらに含む。
【0053】
本発明の上述の実施形態は、例示の目的で提示されたものであって、限定するものではない。本発明のこれらの実施形態を多くの具体的詳細を参照して記載してきたが、当業者は、本発明の精神から逸脱することなく本発明を他の特定の形態で具体化することができることを認識するであろう。したがって、当業者であれば、本発明は上述の例示的な詳細によって限定されるものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲によって規定されることを理解するであろう。