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▶ テクノプローブ・ソチエタ・ペル・アチオニの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】電子デバイスのためのプローブカード
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20220225BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
G01R1/073 E
H01L21/66 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018566242
(86)(22)【出願日】2017-07-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-22
(86)【国際出願番号】 EP2017068832
(87)【国際公開番号】W WO2018019863
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-07-22
(31)【優先権主張番号】102016000079679
(32)【優先日】2016-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】515035445
【氏名又は名称】テクノプローブ・ソチエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】TECHNOPROBE S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Cavalieri di Vittorio Veneto, 2, I-23870 Cernusco Lombardone(Lecco), Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリッパ、ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】フェリチ、ステファノ
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-025749(JP,A)
【文献】国際公開第2003/014717(WO,A1)
【文献】特開昭53-077610(JP,A)
【文献】特開2008-134248(JP,A)
【文献】実開昭54-045341(JP,U)
【文献】特表2016-520816(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0203829(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/073
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスの試験装置のためのプローブカード(20)であって、少なくとも1つの上部ガイド(23)および1つの下部ガイド(24)内に実現されるガイド孔に挿入される複数のコンタクトプローブ(22)を有する少なくとも1つのテストヘッド(21)と、前記上部と下部ガイド(23、24)との間に画定される前記コンタクトプローブ(22)の屈曲領域(26)と、複数のコンタクトパッド(28A)を備える、少なくとも1つの間隔変換器(28)と、を備え、前記コンタクトプローブ(22)のそれぞれは、第1長さ(LA)で前記下部ガイド(24)から突出し、被試験装置(27)のそれぞれのコンタクトパッド(27A)に当接するように適合されるコンタクトチップ(22A)を端部に備える少なくとも1つの第1端末部分(21A)、および第2長さ(LB)で前記上部ガイド(23)から突出し、前記間隔変換器(28)の前記コンタクトパッド(28A)の1つに当接するように適合されるコンタクトヘッド(22B)を端部に備える1つの第2端末部分(21B)、を有し、前記テストヘッド(21)の前記間隔変換器(28)と前記上部ガイド(23)との間に挟まれる、少なくとも1つのスペーサ要素(30)をさらに備え、前記スペーサ要素(30)は、前記コンタクトプローブ(22)の前記第2端末部分(21B)の前記第2長さ(LB)を変更することによって、前記コンタクトプローブ(22)の前記第1端末部分(21A)の前記第1長さ(LA)を調節するために取り外し可能であり、それによって、前記テストヘッド(21)を、特に前記上部ガイド(23)を、前記間隔変換器(28)へと接近させ、前記スペーサ要素(30)は、重なり合い、互いに結合して、個別に取り外し可能である複数の層(30a、30b、30c)を備え、前記スペーサ要素(30)の前記層(30a、30b、30c)は前記テストヘッド(21)から、および特に前記上部ガイド(23)からの、それぞれの突出部分(300)を有し、前記第1長さ(LA)が調節される前の状態において、前記層(30a、30b、30c)の前記突出部分(300)は、互いから段階的に増減する長さを有することを特徴とする、プローブカード(20)。
【請求項2】
前記スペーサ要素(30)は、前記上部ガイド(23)に結合されることを特徴とする、請求項1に記載のプローブカード(20)。
【請求項3】
前記層(30a、30b、30c)は、前記突出部分(300)の表面(Fc、Fc’)に付される付番を有することを特徴とする、請求項1に記載のプローブカード(20)。
【請求項4】
前記スペーサ要素(30)は、前記層(30a、30b、30c)の厚さの合計と同等の、前記コンタクトプローブ(22)の前記第2端末部分(21B)の前記第2長さ(LB)に対応する高さを有することを特徴とする、請求項1に記載のプローブカード(20)。
【請求項5】
前記間隔変換器(28)および前記テストヘッド(21)を結合するように適合される保持手段(32、32’)、および前記保持手段(32、32’)の適切な格納シート(35、35’;38、38’)が設けられた前記スペーサ要素(30)をさらに備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のプローブカード(20)。
【請求項6】
前記保持手段(32、32’)の前記格納シート(35、35’;38、38)は、孔(35、35’)、および/または前記保持手段(32、32’)を格納するために適切な寸法を有する開口ハウジング(38、38’)であることを特徴とする、請求項5に記載のプローブカード(20)。
【請求項7】
前記スペーサ要素(30)は、透明または半透明のプラスチック材料、またはセラミック材料もしくは金属材料、または有機材料、またはシリコンで作製されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のプローブカード(20)。
【請求項8】
プローブカード(20)を復元する方法であって、プローブカード(20)は、少なくとも1つの上部ガイド(23)および1つの下部ガイド(24)内に実現されるガイド孔に挿入される複数のコンタクトプローブ(22)を有する少なくとも1つのテストヘッド(21)と、複数のコンタクトパッド(28A)を備える、少なくとも1つの間隔変換器(28)と、を備え、前記コンタクトプローブ(22)のそれぞれは、前記下部ガイド(24)から突出する、第1長さ(LA)を有し、被試験装置(27)のそれぞれのコンタクトパッド(27A)に当接するように適合されるコンタクトチップ(22A)を端部に備える少なくとも1つの第1端末部分(21A)、および前記上部ガイド(23)から突出する、第2長さ(LB)を有し、前記間隔変換器(28)の前記コンタクトパッド(28A)の1つに当接するように適合されるコンタクトヘッド(22B)を端部に備える1つの第2端末部分(21B)、を有し、前記プローブカード(20)は、前記テストヘッド(21)の前記間隔変換器(28)と前記上部ガイド(23)との間に挟まれ重なり合い、互いに結合し、個別に取り外し可能である複数の層(30a~30c)を備える少なくとも1つのスペーサ要素(30)をさらに備え、前記スペーサ要素の前記層(30a、30b、30c)は前記テストヘッド(21)から、および特に前記上部ガイド(23)からの、それぞれの突出部分(300)を有し、前記第1長さ(LA)が調節される前の状態において、前記層(30a、30b、30c)の前記突出部分(300)は、互いから段階的に増減する長さを有し、前記方法は、
前記間隔変換器(28)を、前記テストヘッド(21)から、特に前記上部ガイド(23)から結合解除するステップと、
前記スペーサ要素(30)またはそれを構成する前記層(30a~30c)の1つを取り外すステップと、
前記上部ガイド(23)と前記間隔変換器(28)とを接近させるステップと、
前記テストヘッド(21)および前記間隔変換器(28)を再度結合するステップと、
を含み、
それによって、前記コンタクトプローブ(22)の前記第2端末部分(21B)の前記第2長さ(LB)を変更することによって、前記コンタクトプローブ(22)の前記第1端末部分(21A)の前記第1長さ(LA)を調節し、前記テストヘッド(21)を、特に、前記上部ガイド(23)を前記間隔変換器(28)へと接近させ、前記テストヘッド(21)の、したがってそれを含む前記プローブカード(20)の適切な動作を復元することを特徴とする、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスの試験装置のためのプローブカードに関する。
【0002】
本発明は、限定されないが、具体的には、電子デバイスの、特にはウェハ上に集積されたデバイスの、試験のための、垂直型プローブを有するテストヘッドを1つ備えるプローブカードに関し、以下の説明は、その提示を簡潔にすることのみを目的として、この分野の適用を参照してなされる。
【背景技術】
【0003】
周知の通りプローブカードは、微細構造のコンタクトパッド、特にウェハ上に集積された電子デバイスを、特には電気的な機能確認、一般的には試験を実行する試験装置の、対応するチャネルに電気的に接続するように適合された装置である。
【0004】
集積デバイスに対し行われる試験は、既に製造段階にある欠陥のある装置の検出および隔離に特に有用である。したがって、通常は、プローブカードは、ウェハ集積デバイスを、それらを切断し、チップ格納パッケージ内に組み立てる前に、電気的に試験するために使用される。
【0005】
プローブカードは、特にテストヘッドを備え、テストヘッドは、少なくとも1対のプレートまたは実質的にプレートの形状であり、互いに平行であるガイドに保持される、複数の可動式のコンタクト要素またはコンタクトプローブを備える。そのようなガイドは、適切な孔を備え、コンタクトプローブの移動および生じ得る変形のための自由領域または空気領域を残すように、ガイドとガイドの間にある程度の距離をおいて設置される。1対のガイドは、特に、上部ガイドおよび下部ガイドを含み、「上部」および「下部」という形容詞は、動作中のテストヘッドを参照する分野において使用され、図面の例に対応しており、テストヘッドは、試験装置(上方)と、試験される装置を含むウェハ(下方)との間に位置決めされる。
【0006】
両方のガイドには、ガイド孔が設けられ、通常は特殊合金のワイヤで形成され、良好な電気的および機械的特性を有するコンタクトプローブがガイド孔を軸方向に摺動する。
【0007】
テストヘッドはさらに、上部と下部ガイドとの間に配置され、通常はセラミックで作製され、プローブを包含するように適合される外被またはケースにより完成される。
【0008】
装置自体に対する、すなわち、それを含むウェハに対するテストヘッドによる圧力によって、コンタクトプローブと、被試験装置のそれぞれのコンタクトパッドとの間の良好な接続が確実にされ、上部および下部ガイド内に作製されるガイド孔内を移動可能であるコンタクトプローブは、2つのガイドの間の自由領域内で、そのような圧接の際に屈曲およびそのガイド孔内の摺動の影響を受ける。
【0009】
この種類のテストヘッドは、一般的に、垂直型プローブヘッドと名付けられる。
【0010】
垂直型プローブヘッドは、実質的に、コンタクトプローブの屈曲が起こり、したがって屈曲領域として示される自由領域を有し、コンタクトプローブの屈曲は、プローブ自体の適切な構成および/またはガイドの適切な位置決めによりさらに助長され得る。
【0011】
いくつかの場合、コンタクトプローブは、上部ガイドに対応するテストヘッドに、たとえば接合により、固定されて拘束される。これは、ブロック化されるプローブヘッドの場合である。
【0012】
しかし、テストヘッドは、固定されて拘束されないが、共通して「間隔変換器」と示される、プローブカードの間隔変換板に連結されて保持されるプローブとともに使用されることの方が多い。これはブロック化されないプローブヘッドの場合である。
【0013】
図1に、ブロック化されない垂直型プローブヘッドを備えるプローブカードを概略的に示す。図を単純にするために、そのようなテストヘッドが通常備える、複数のプローブのうちの1つのコンタクトプローブのみが図示されている。
【0014】
具体的には、プローブカード10は、間隔変換器8と被試験装置7との間に配置されるテストヘッド1を備え、テストヘッド1は、実質的に平面であり、互いに平行である板状支持部により作製される、少なくとも1つの上部ガイド3および下部ガイド4を備え、それぞれのコンタクトプローブ2が内部を摺動する、それぞれの上部ガイド孔3Aおよび下部ガイド孔4Aを有する。
【0015】
テストヘッド1は、また、芯材として機能するケース5を備え、ケース5は、コンタクトプローブ2を包含し、上部ガイド3と下部ガイド4との間に配置される。ケース5は、特に、そのようなガイド間の空気または屈曲領域6に応じて延在する。
【0016】
各コンタクトプローブ2は、略棒状体2C、および少なくとも1つの端部またはコンタクトチップ2Aを有する。端部および先端部という用語により、これ以降、必ずしも鋭利でない端部部分を示す。具体的には、コンタクトチップ2Aは、被試験装置7のコンタクトパッド7Aに当接し、前述の装置と、およびプローブカード10が端末要素を形成する試験装置(図示されず)との間に機械的および電気的接触がなされる。
【0017】
図1に示す例においては、コンタクトプローブ2は、間隔変換器8の複数のコンタクトパッド8Aに向けて、通常、テストヘッド2Bと示される追加の接触端部を有する。プローブと間隔変換器との間の良好な電気的接触は、コンタクトプローブの端末部分、特に先端部またはヘッドによるそれぞれのコンタクトパッドに対する圧力による被試験装置との接触と同様の方法で確実にされる。
【0018】
上部ガイド3および下部ガイド4は、コンタクトプローブ2の変形を可能にする空気または屈曲領域6から適切に遠ざけられ、上部ガイド孔3Aおよび下部ガイド孔4Aは、内部でそれぞれのプローブの摺動を可能にするようにサイズ決めされる。浮遊領域と呼ばれる追加の領域が、上部ガイド3と間隔変換器8との間に画定され、そのような浮遊領域9は、テストヘッド1による、したがって、コンタクトプローブ2による、被試験装置7に対する圧接の際に、特に、コンタクトチップ2Aによるコンタクトパッド7Aに対する圧接の際に、コンタクトヘッド2Bの移動を許しながらも、コンタクトヘッド2Bと間隔変換器8のコンタクトパッド8Aとの接触を確実にするように設置される。
【0019】
いわゆる「シフトプレート付き」の技術で実現されるテストヘッドの場合、「座屈ビーム」としても示されるコンタクトプローブ2は、全体の長さに亘り一定の、好ましくは矩形の横断面を有して真っ直ぐに作製される。この種類のテストヘッドが、それぞれのガイド孔に対応させ、コンタクトプローブをそのガイド孔に挿入し、ガイド同士を遠ざけて屈曲領域を形成し、そのガイド同士をずらす、またはシフトし、図1に示すように略中心位置でプローブのボディの変形を引き起こすようにガイドを重ね合わせることによって実現されることが知られている。この場合、それらはシフトプレートテストヘッドと呼称される。
【0020】
テストヘッドの適切な動作、したがって、それを含むプローブカードの適切な動作は、本来、2つの要素に拘束される。それは、コンタクトプローブの垂直移動またはオーバートラベルと、それぞれの接触端部、特にコンタクトチップ2Aの水平移動またはスクラブであり、そのスクラブにより、被試験装置7のコンタクトパッド7Aを表面的に「洗浄」し、その動作寿命全体に亘り、テストヘッド1によりなされる接触が向上されることが可能になることを覚えておくべきである。
【0021】
コンタクトヘッド2のコンタクトプローブ2Bの浮遊領域9が、これらのヘッドが確実に間隔変換器8のコンタクトパッド8Aに適切に接触されるようにサイズ決めされることを確実にすることも重要である。
【0022】
これらのすべての特徴は、テストヘッドの製造のステップ中に評価および較正され、プローブ、被試験装置および間隔変換器間の良好な接続が、常に保証されなければならない。
【0023】
コンタクトプローブの接触端部、特に、試験される装置のパッドとコンタクトチップは、その使用中に、一般的に汚れと示される材料の堆積の影響を受け、それによりそれらの性能が低下し、これらの先端部のスクラブが、いずれの方法においてもパッドとの電気的接触を提供することが不可能である場合、プローブと被試験装置との適切な接触が損なわれる可能性がある。
【0024】
したがって、研磨布により、特に、コンタクトチップの洗浄作業を実行することが知られている。
【0025】
当然のことながら、そのような洗浄作業は、プローブの端末部分の一部分、特にコンタクトチップの消耗を伴い、したがって、洗浄するたびに短くなる、その先端部の長さにより厳密に回数が限定される。具体的には、その後の、端末部分の、すなわちコンタクトチップのどのような摩耗も、実際にコンタクトチップを実現する、下部ガイドから被試験装置に向けて突出するテーパ状のプローブ部分に限定されるべきである。
【0026】
テストヘッドの洗浄作業の回数が、実際には、その動作寿命を、および結果としてそれを含むプローブカードの動作寿命を決定する。
【0027】
本出願人に代わって2014年10月16日公開された、特許文献1から、格納要素と、上部および下部ガイドの1つとの間に取り外し可能に挟まれる、コンタクトプローブの端末部分の長さを、特にコンタクトチップに対応して調節するように、スペーサ要素を使用することが知られている。
【0028】
そのようなテストヘッドは、様々な点に関して利点があるが、スペーサまたはその層の取り外しによる端末部分の長さの変化は、必然的に、コンタクトプローブの空気または屈曲領域も変更し、それにより、そのような自由領域においてプローブに起こる変形が変更されることに加えて、接触動態が変更され、プローブによりコンタクトパッドに対し加えられる力、およびそれらの上で可能とされるスクラブに関する課題がもたらされ、永久的に変形する、またはそのプローブがそれぞれのガイド孔に挟み込まれる危険性があるという欠点がある。
【0029】
2015年2月5日公開の日本マイクロニクス社の特許文献2から、着脱可能なようにホルダおよび配線基板の間に配置されるスペーサを含むプローブカードが知られている。特に、スペーサはホルダの外に向かって突出し、下方へ突出する形状を有することで、取り外しが容易になる。
【0030】
さらに、2002年4月17日公開の日本電子材料社の特許文献3には、3枚の基板を剥離可能に積層した下側ガイドを備え、プローブが破損した場合には、破損したプローブが、新たな正確な作動のために下側ガイドから十分に突出することが可能なように基板が下側ガイド板から分離される垂直型プローブカード、が記載されている。
【0031】
本発明の基礎にある技術的課題は、機能的損害なしに、対応するテストヘッド内に包含されるコンタクトプローブの十分な回数の洗浄作業を可能にし、特に、プローブカードの動作寿命の全体に亘り、その後の洗浄作業の場合においても、プローブとコンタクトパッドとの間の適切な接触のための、一定に加えられる力および重要なスクラブ機構を保証することにより、先行技術により実現されるテストヘッドを悩ませる制限および欠点を克服する構造的および機能的特徴を有する、ウェハ上に集積された電子デバイスのためのプローブカードを提供するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【文献】国際公開第2014/167410号
【文献】特開2015-025749号公報
【文献】欧州特許出願公開第1197756号明細書
【発明の概要】
【0033】
本発明の解決案は、カード内部に配置され、容易に取り外し可能で、可能であれば剥離可能である少なくとも1つの間隔要素またはスペーサを備えるプローブカードであって、間隔要素またはスペーサの取り外しは、たとえ一部でも、プローブの屈曲領域の延びを変更せず、したがって、それらが加える力を変更しないプローブカードを実現するというものである。
【0034】
この解決案に基づき、技術的課題は、被試験装置と、間隔変換層または間隔変換器との間に配置される少なくとも1つのテストヘッドと、少なくとも1つの上部ガイド内および下部ガイド内に実現されるガイド孔に挿入される複数のコンタクトプローブを備えるテストヘッドと、間隔変換層と上部ガイドとの間に挟まれる少なくとも1つのスペーサ要素と、を備える電子デバイスの試験装置のためのプローブカードにより解決される。
【0035】
より具体的には、テストヘッドには、少なくとも1つの上部ガイドおよび下部ガイド内に作製されるガイド孔に挿入される複数のコンタクトプローブが設けられ、コンタクトプローブの屈曲領域が、前述の上部と下部ガイドとの間に画定される。さらに、コンタクトプローブのそれぞれは、第1長さで下部ガイドから突出し、被試験装置のそれぞれのコンタクトパッドに当接するように適合されるコンタクトチップを端部に備える少なくとも1つの第1端末部分と、第2長さで上部ガイドから突出し、間隔変換器のコンタクトパッドの1つに当接するように適合されるコンタクトヘッドを端部に備える少なくとも1つの第2端末部分と、を有する。
【0036】
適切には、本発明によるプローブカードは、間隔変換器とテストヘッドの上部ガイドとの間に挟まれる、少なくとも1つのスペーサ要素をさらに備えてもよく、スペーサ要素は、コンタクトプローブの第2端末部分の第2長さを変更することによって、コンタクトプローブの第1端末部分の第1長さを調節するために取り外し可能であり、スペーサ要素を取り外すことによって、実際に、テストヘッドを、特に、上部ガイドを間隔変換器へと接近させることが可能である。
【0037】
より具体的には、本発明は、個別に、または必要であれば互いに組み合わされて用いられる、以下の、追加の、および任意の特徴を含む。
【0038】
本発明の形態によると、スペーサ要素は、コンタクトプローブの第2端末部分の第2長さと比較して小さい、または等しい高さを有してもよい。
【0039】
そのようなスペーサ要素は、テストヘッドから、および特に上部ガイドからの、少なくとも1つの突出部分を有してもよい。
【0040】
さらに、スペーサ要素は、重なり合い、そして個別に取り外し可能である複数の層を備えてもよい。
【0041】
そのような層は、たとえば接着材からなる層により、互いに結合される。
【0042】
さらに、スペーサ要素は、たとえば接着材から成る層により、上部ガイドに結合されてもよい。
【0043】
本発明の別の形態によると、スペーサ要素の層は、テストヘッドから、および特に上部ガイドからの、それぞれの突出部分を有してもよい。
【0044】
具体的には、そのような層の突出部分は、互いに異なる長さを有してもよい。
【0045】
さらに、層は、突出部分の表面に付される付番を有してもよく、そのような付番は、突出部分上に書込み、又は刻印、又はエンボス加工、又は他の任意の技術で作製された、または、任意の形状で所望の付番に対応する数で、任意の適切な技術により作製される切欠きまたは浮彫りなどの、1つまたは複数の特徴的な標識である。
【0046】
本発明の別の形態によると、プローブカードは、間隔変換器およびテストヘッドを結合するように適合される保持手段、および保持手段の適切な格納シートが設けられたスペーサ要素をさらに備える。
【0047】
具体的には、保持手段の格納シートは、孔、および/または保持手段を格納するために適切な寸法を有する開口ハウジングであってもよい。
【0048】
さらに、そのような格納シートは、上部ガイドの周囲部分および/または周囲部分と隣接し、同心である上部ガイドの中央部分に対応して位置決めされてもよい。
【0049】
本発明の別の形態によると、スペーサ要素は、略矩形の細長い形状を有してもよい。
【0050】
より具体的には、スペーサ要素は、長尺体およびヘッドにより形成されるパドルとタブから選択される形状を有してもよい。
【0051】
代替的に、スペーサ要素は、上部ガイドとして実質的に延在するフレームを備えてもよい。
【0052】
適切には、スペーサを形成するそのようなフレームは、テストヘッドに対し、特に上部ガイドに対し突出するように、またはテストヘッド、特に上部ガイドに対し突出する少なくとも1つの細長い部分を備えるようにサイズ決めされ得る。
【0053】
本発明の別の形態によると、スペーサ要素は、上部ガイドの平行の両側部に沿って実質的に延在する少なくとも1対のセミフレームを備えてもよく、スペーサ要素を形成するそのセミフレームは、テストヘッド、特に上部ガイドに対し突出するようにサイズ決めされる、またはテストヘッド、特に上部ガイドに対し突出するように適合される少なくとも1つの細長い部分である。
【0054】
本発明の別の形態によると、スペーサ要素は透明または半透明のプラスチック材料、またはセラミック材料もしくは金属材料、または有機材料、またはシリコン、好ましくはカプトン(登録商標)で作製され得る。
【0055】
さらに、プローブカードは、コンタクトプローブの、したがってそれを含むプローブカードの適切な動作に干渉しないような位置、数、および形状で、上部ガイド上に配置される複数のスペーサ要素を含んでもよい。
【0056】
本発明は、また、プローブカードを復元する方法に関し、プローブカードは、少なくとも1つの上部ガイドおよび1つの下部ガイド内に実現されるガイド孔に挿入される複数のコンタクトプローブを有する少なくとも1つのテストヘッドと、複数のコンタクトパッドを備える、少なくとも1つの間隔変換器と、を備え、コンタクトプローブのそれぞれは、下部ガイドから突出する、第1長さを有し、被試験装置のそれぞれのコンタクトパッドに当接するように適合されるコンタクトチップを端部に備える少なくとも1つの第1端末部分、および上部ガイドから突出する、第2長さを有し、間隔変換器のコンタクトパッドの1つに当接するように適合されるコンタクトヘッドを端部に備える1つの第2端末部分、を有し、プローブカードは、テストヘッドの間隔変換器と上部ガイドとの間に挟まれる、少なくとも1つのスペーサ要素をさらに備え、重なり合い、個別に取り外し可能である複数の層を備える場合、方法は、間隔変換器を、テストヘッドから、特に上部ガイドから結合解除するステップと、スペーサ要素またはそれを構成する層の1つを取り外すステップと、上部ガイドと間隔変換器とを接近させるステップと、テストヘッドおよび間隔変換器を再度結合するステップと、を含み、それによって、コンタクトプローブの第2端末部分の第2長さを変更することによって、コンタクトプローブの第1端末部分の第1長さを調節し、テストヘッドの、したがってそれを含むプローブカードの適切な動作を復元することを特徴とする。
【0057】
具体的には、取り外しのステップは、スペーサ要素またはそれを構成する層の1つをずらして外すことを含む。
【0058】
本発明によるプローブカードの特徴および利点は、以下の、添付の図面を参照して、指示的および非制限的に提供される、その1つの実施形態の説明によりもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】先行技術により実現された、特に、ウェハ上で集積された、電子デバイスのテストヘッドを概略的に示す。
図2】本発明の実施形態により実現されるプローブカードの断面図を概略的に示す。
図3A】本発明により実現されるプローブカードの代替の実施形態の断面図を概略的に示す。
図3B】本発明により実現されるプローブカードの代替の実施形態の断面図を概略的に示す。
図3C】本発明により実現されるプローブカードの代替の実施形態の断面図を概略的に示す。
図3D】本発明により実現されるプローブカードの代替の実施形態の断面図を概略的に示す。
図4】本発明によるプローブカードの上面図を概略的に示す。
図5A】本発明により実現されるプローブカードの細部の代替の実施形態の上面図を概略的に示す。
図5B】本発明により実現されるプローブカードの細部の代替の実施形態の上面図を概略的に示す。
図5C】本発明により実現されるプローブカードの細部の代替の実施形態の上面図を概略的に示す。
図5D】本発明により実現されるプローブカードの細部の代替の実施形態の上面図を概略的に示す。
図5E】本発明により実現されるプローブカードの細部の代替の実施形態の上面図を概略的に示す。
図6A】本発明により実現されるプローブカードの細部の別の代替の実施形態を概略的に示す。
図6B】本発明により実現されるプローブカードの細部の別の代替の実施形態を概略的に示す。
図6C】本発明により実現されるプローブカードの細部の別の代替の実施形態を概略的に示す。
図6D】本発明により実現されるプローブカードの細部の別の代替の実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
参照符号20は、そのような図面、および特に図2を参照して、本発明に従い実現されるプローブカードを全体的に示す。
【0061】
なお、図面は概略図であり、寸法通りに描かれておらず、代わりに、本発明の重要な特徴部を強調して描いている。
【0062】
さらに、特定の実施形態を参照して示される配置は、明らかに、他の実施形態と組み合わせて使用され得ることが留意されるべきである。さらに、異なる図面において、構造的および機能的に一致する要素を示すために、同一の参照符号が使用される。
【0063】
プローブカード20は、テストヘッド21を備え、そしてテストヘッド21は、複数のコンタクトプローブ22を備える。テストヘッドは、また、内部をコンタクトプローブ2が摺動するガイド孔23Aおよび24Aをそれぞれ有する、少なくとも1つの上部ガイド23および下部ガイド24を備え、そのガイド間を延びる格納要素またはケース25が設けられる。上部ガイド23と下部ガイド24との間には、プローブが被試験装置27に圧接する際に、コンタクトプローブ22がさらに変形してもよい空気領域または屈曲領域26が画定される。
【0064】
図示されているテストヘッド21は、実際には、「シフトプレート付き」の種類のものであり、上部ガイド23および下部ガイド24が適切にシフトされ、それによって前述のガイドのそれぞれのガイド孔に格納されるコンタクトプローブ22が予め変形され、テストヘッド21と被試験装置27との接触の際に、さらなる屈曲および変形の影響を受ける。
【0065】
具体的には、図2に示されているテストヘッド21は、ブロック化されない垂直型プローブの種類のものであり、各コンタクトプローブ22は、それぞれのコンタクトパッドと機械的および電気的に接触するように適合される、それぞれの端末部21Aおよび21Bを有する。具体的には、第1端末部分21Aは、被試験装置27のコンタクトパッド27A上に当接するように適合されるコンタクトチップ22Aを端部に備え、一方で、第2端末部分21Bは、間隔変換層または間隔変換器28のコンタクトパッド28A上に当接するように適合されるコンタクトチップ22Bを端部に備える。このようにして、コンタクトプローブ22は、被試験装置27と試験装置(図示されず)とを機械的および電気的に接触させ、プローブカードが、その端末要素である。「端末要素」という用語は、ここで、および以下においては、ガイド23、24に対し、したがってケース25に対し、具体的には被試験装置27または間隔変換器28のそれぞれの方向に突出するコンタクトプローブ22の一部である。さらに、既に強調したように、先端部という用語は、必ずしも鋭利な端末部分を意味しない。
【0066】
コンタクトチップ22Aに対応しているコンタクトプローブ22の第1端末部分21Aは、下部ガイド24と被試験装置27との間の第1領域29A内を延びる。具体的には、第1端末部分21Aは、テストヘッド21と圧接している被試験装置27により決定される理想的な平面を参照して、テストヘッド21が被試験装置27に対し圧接しているときの第1領域29Aの長さに対応する適切な第1長さLAで下部ガイド24から突出する。そのような第1領域29Aは、テストヘッド21およびそれを含むプローブカード20の作動中に、コンタクトプローブ22のコンタクトチップ22Aが、被試験装置27のコンタクトパッド27A上で移動することを可能にするため、スクラブ領域29Aとして示される。
【0067】
なお、先行技術に関して説明したように、テストヘッド21が使用されるにつれて、その先端部は研磨布上を通過するため、第1端末部分21Aのその長さLAは徐々に減少する。実質的に、第1端末部分21Aは、関連するコンタクトチップ22Aの毎回の洗浄作業中に消耗される。
【0068】
同様に、コンタクトヘッド22Bに対応するコンタクトプローブ22の第2端末部分21Bが、上部ガイド23と間隔変換器28との間の第2領域29B内に延びる。具体的には、間隔変換器28により決定される理想的な平面を参照して、第2端末部分21Bが、適切な第2長さLBで上部ガイド23から突出し、そのような第2長さLBは、被試験装置27と同様に、テストヘッド21が間隔変換器28と圧接しているときの第2領域29Bの長さに対応している。この第2領域29Bにより、テストヘッド21およびそれを含むプローブカード20の作動中に、コンタクトプローブ22のコンタクトヘッド22Bが移動することが可能になるため、浮遊領域29Bとして示される。
【0069】
すでに指摘したように、プローブカード20により実行される試験作業の間、テストヘッド21が被試験装置27と、および間隔変換器28と圧接しており、コンタクトプローブ22が、上部ガイド23と下部ガイド24との間に延在し、ケース25の高さに対応する追加の長さLを有する屈曲領域26にて屈曲する。上部ガイド23および下部ガイド24は、板状であり、互いに平行であり、局所的な自由領域によって適切に分離される複数のガイドを備えてもよい。
【0070】
本発明によると、有利には、図2に概略的に示されている実施形態では、プローブカード20は、浮遊領域29Bに対応して上部ガイド23と間隔変換器28との間に配置され、浮遊領域29Bの第2長さLBに略対応し、具体的には、その第2長さLBと比較して小さいまたは等しい高さH(H≦LB)を有する少なくとも1つの間隔要素またはスペーサ30をさらに備える。より具体的には、プローブカード20は、図2に示されるようにテストヘッド21の両側部に配置される少なくとも2つのスペーサ30を備える。
【0071】
概して、プローブカード20は、テストヘッド21と間隔変換器28との間に配置される複数のスペーサ30を備える。
【0072】
そのようなスペーサ30は、たとえば透明または半透明のプラスチック材料で、セラミック材料で、金属材料で、有機材料またはシリコンで、好ましくはカプトン(登録商標)で作製され得る。
【0073】
さらに、スペーサ30は、以下において説明するように、テストヘッド21がプローブカード20から取り除かれ、それによって間隔変換器28から分離されると、スペーサ自体の把持および取り外しを単純化するようにテストヘッド21に対し、したがって上部ガイド23に対し突出する部分300を有するように作製されてもよい。
【0074】
適切には、スペーサ30は、互いに重ねられる、または並べられ、1つずつ取り外しまたは剥離可能である1つまたは複数の層を備え、スペーサ30を構成する層は、単純に互いに重ねておかれ得る、または、たとえば接着剤など、特に、簡単な方法で層を1つずつ分離させるように、シール力の弱い接着材のような適切な手段により互いに結合される。図2のプローブカード20は、非制限の例として、30a、30bおよび30cで示される3つの層からなるスペーサ30を備え、スペーサ30は、1つの場合も含む、任意の数の層を備えることが可能である。好ましくは、層30a~30cは、同じ厚さであり、層30a~30cのすべての厚さの合計が、スペーサ30の高さHを決定する。
【0075】
当然のことながら、互いとは異なる厚さを有し、さらにすべての層の厚さの合計がスペーサ30の高さHを決定する層を想定することが可能である。任意に、そのような層の間に、具体的には、シール力の弱い、接着材からなる膜が挟まれる。
【0076】
有利には、本発明によると、上記のようなスペーサ30が備え付けられたプローブカード20が、コンタクトプローブ22の第1端末部分21Aの長さLAを調節し、それにより、プローブカード20の動作寿命中のコンタクトチップ22Aの消耗という課題を克服することを可能にする。
【0077】
実際には、コンタクトプローブ22の第1端末部分21Aの長さLAの所望の調節のために、スペーサ30の1つまたは複数の層を取り外すことが可能である。具体的には、テストヘッド21を、プローブカード20から取り外し、それにより、間隔変換器28から分離させてスペーサ30を曝露させ、スペーサ30を構成する1つまたは複数の層を取り外し、その後にテストヘッド21と間隔変換器28とを組み立てなおし、それによってプローブカード20を組み立てなおすことが可能である。スペーサ30の1つまたは複数の層の取り外しによって、スペーサ30の高さH自体が減少し、そしてそれによって、浮遊領域29Bの第2長さLBが減少して、間隔変換器28がテストヘッド21上で位置変更されると、コンタクトプローブ22が被試験装置27の方向へと押し出される、すなわち、そのようなプローブの第1端末部分21Aの第1長さLA、それぞれのコンタクトチップ22Aに対応するコンタクトプローブ22の消耗が原因で短縮化された長さを元に戻す。
【0078】
適切には、スペーサ30の層30a~30cは、テストヘッド21からの突出部分300を有するように作製され得る。図3Aに示される代替の実施形態では、使用される別々のスペーサ30に対し、同数の層の取り外しを容易にするために、同一のスペーサ30のそのような突出部分300は異なる層で異なる長さを有する。適切には、そのような突出部分300は、別々のスペーサ30の対応する層に対し、等しい長さであり、たとえば、すべてのスペーサ30の間隔変換器28により近位の層の突出部分は、同一の長さを有しており、その長さは、上部ガイド23に段階的に近位である以下の層の長さよりもさらに長い。具体的には、その突出部分300は、間隔変換器28に近い層から、上部ガイド23に近い層に向かって、段階的に長さが短くなる。
【0079】
また、そのような層30a~30cに、たとえば間隔変換器28にもっとも近いものから順番に付番を提供することが可能であり、この付番は、具体的には、たとえば、間隔変換器28に面するその表面Fcに対応する、スペーサ30の突出部分300に適用される。したがって、間隔変換器28の側面からテストヘッド21を見て、テストヘッド21がプローブカード20から取り外されると、単にそのスペーサ30の、間隔変換器28に最も近い層の突出部分300の番号を読み取ることで、すべてのスペーサ30は、望ましい数の層を備えることを即座に確認することができる。そのような付番は、突出部分300上に書込みもしくは刻印された番号、またはエンボス加工もしくは他の任意の技術で作製された番号の形態であってもよい。代替的に、付番は、任意の形状であり、所望の付番に一致する番号で、任意の適切な技術により作製される、切欠きまたは浮彫りなどの複数の特徴的な標識が含まれてもよい。この場合、たとえば、図3Aの層30aのような第1の層と識別される層は、刻印またはエンボス加工された個所のような1つの切欠きまたは浮彫りのみを備える。同様に、第2の層30bは、2つの刻印またはエンボス加工された個所を有してもよく、および第3の層30cは、3つの刻印またはエンボス加工された個所を有してもよい。
【0080】
もちろん、図3Bに概略的に示されるような、間隔変換器28に最も近い層から上部ガイド23に最も近い層に向かって長さが増加する突出部分を備えるスペーサ30を想定することが可能である。
【0081】
また、表面Fcに対し反対であり、詳細にはテストヘッド21に面する反対表面Fc’にて、スペーサ30の層30a~30cに付番を適用することも可能である。
【0082】
代替の実施形態では、スペーサ30は、図3Cに概略的に示されるように、テストヘッド21のサイズ内に完全に収まる、同一の長さの1つまたは複数の層を備える、略円柱状の形状を有する。
【0083】
有利に、そのようなスペーサ30は、適切な手段、たとえば、単純な圧力により、または単純に上部ガイド23に置くだけで、上部ガイド23に接続させることが可能である少なくとも1つの粘着層を備え得る。スペーサ30が、図3Cに示されるように、複数の層30a~30cを備える場合、適切な手段、具体的には、そのような層30a~30cを互いに結合するように適合される複数の粘着層を提供することも可能である。そのような層30a~30cは、たとえば、カプトン(登録商標)で作製され得る。
【0084】
そのような円柱状スペーサ30は、図3Dに概略的に示されるように、上部ガイド23の、必ずしも縁部の1つではなく、異なる位置に配置されるように適切にサイズ決めされてもよい。そのようなスペーサ30の形状に加え、その数および位置は、コンタクトプローブ22の適切な動作に干渉しないように、テストヘッド21の設計に基づき選択される。
【0085】
図面には示されていないが、プローブが当接する被試験装置27が存在しない場合でもプローブがはみ出ることを防止するように、上部ガイド23内に実現される上部ガイド孔23Aよりも直径が大きい部分であって、その直径は、たとえば、先行技術に関連して示されるコンタクトプローブの長手方向の伸縮軸に直交の部分の最大横断寸法である部分を、少なくとも1つ有するように、コンタクトプローブ22のコンタクトヘッド22Bを実現することが可能である。
【0086】
プローブカード20は、また、そのようなプローブカードの種々の構成要素、具体的には、間隔変換器28およびテストヘッド21、より具体的にはその上部ガイド23、を結合するように適合されるそれぞれの保持手段32を備え、この目的のために、スペーサ30には保持手段32のための適切な格納シートが備え付けられる。
【0087】
図4に示されるように、間隔変換器28は透明として、プローブカード20が間隔変換器28の側から示されており、保持手段32が、基本的にリング状の形状を有する、上部ガイド23の周囲部分40Pに沿って実質的に配置されている。図示されている例では、プローブカード20は、略矩形の上部ガイド23の頂点に対応する、パドル形状で実質的に実現されているスペーサを備える。保持手段32’もまた、周囲部分40Pと隣接し、同心であり、実際には、コンタクトプローブ22により占められる領域に対応する、上部ガイド23の中央部分40Cに位置決めされて設けられる。保持手段32、32’は、たとえば、それぞれねじ孔に格納される、具体的にはヘッドが平坦なねじにより実現され得る。
【0088】
もちろん、スペーサ30の、図4に示されるものに対し異なる数および異なる位置で、左右対称または非対称に配置され得る様々な構成を想定することが可能である。
【0089】
スペーサ30を上部ガイド23と接続し、それによってスペーサを保持手段32、32’が横切ることが回避されるように、追加の粘着フィルムを使用することも可能である。粘着フィルムによる、この種のスペーサ30と上部ガイド23との結束化は、図3Cおよび3Dに示されるもののような円柱形スペーサ30の場合、特に、図3Dに示されるもののように、上部ガイド23の中央部分40Cに位置決めされるときに特に便利であり、保持手段32’は、テストヘッド21に含まれるコンタクトプローブ22の通常動作に干渉しない数に限定されて、その中央部分40Cに位置決めされる。
【0090】
特に単純化された実施形態では、スペーサ30は、単純に上部ガイド23へと載置され、その所定位置における保持は、テストヘッド21がプローブカード20内に位置決めされると、間隔変換器28を用いる圧接により確実にされる。スペーサ30が複数の層30a~30cによって形成される場合でも、それらを上部ガイド23上で単純に互いに重ねることが可能であり、重ねられた層30a~30cは、上部ガイド23および間隔変換器28により及ぼされる圧力により所定位置に保持される。
【0091】
図5Aに概略的に示されるように、スペーサ30は、便利には、パドルの形状を有することが可能である。
【0092】
この場合、スペーサ30は、長尺体33、およびたとえば円形であり、保持手段32、32’が横切るような寸法を有する孔35を備え得るヘッド34を備える。スペーサ30のそのような形状は、特に有利な結果をもたらし、スペーサを、長尺体33に調和して、取り外しの際に容易に把持することが可能になる。そのような長尺体33は、実際に、テストヘッド21に対し、具体的には上部ガイド23に対し突出する。さらに、長尺体33に対して大きいヘッド34の寸法により、それぞれの保持手段32、32’を締め付ける際の圧力負荷の良好な再配分が保証される。
【0093】
スペーサ30を、図5Bに概略的に示されるように、保持手段32、32’の通過を可能にするための孔35を備え得る、略矩形のタブ36として実現することも可能である。
【0094】
パドル状およびタブ状の実施形態は、略矩形の細長い形状の、特に、他よりもはるかに大きい寸法を有するスペーサ30を画定する。そのようなスペーサ30は、ガイド、特に、上部ガイド23よりも小さく、特に、テストヘッド21の別のガイドまたは層よりもかなり小さい表面積を有する。
【0095】
パドルまたはタブにより実現されるスペーサ30は、構造的に非常に単純であり、拘束された横方向の寸法により、およびそれが、テストヘッド21に対し突出する細長い縦方向の寸法のため、適切に把持されることにより、テストヘッド21および間隔変換器28に対する所望の位置に分配することを想定することを可能にする。
【0096】
代替的に、スペーサ30は、たとえば上部ガイド23の周囲部分40Pの寸法に対応する寸法を有するフレームによって実現され得る。そのようなフレームには、図5Cに概略的に示されるように、所定の位置に、保持手段32を通過させるための複数の孔35が適切に備えられてもよい。適切には、スペーサ30を実現するそのようなフレームは、容易に把持することが可能なように、上部ガイド23に対して突出するようにサイズ決めされてもよい。さらに、このようにすると、スペーサ30に番号を、特に、既に説明したように、構成する層のいずれかに付することを想定することが可能である。
【0097】
より具体的には、スペーサ30を作るフレームは、図5Cに示すように、テストヘッド21に対し、および特に上部ガイド23に対し突出するそれぞれの横方向部分31l、31rを備える。
【0098】
フレームにより実現されるそのようなスペーサ30は、テストヘッド21の全体面積に対し、より大きな面積を有するため、パドルまたはタブに対し、構造的により強固となる。
【0099】
テストヘッド21から、および特に上部ガイド23の互いに平行の両側面に沿って実質的に延在する、1対のセミフレーム30lおよび30rの形状のスペーサ30を実現することも可能である。また、セミフレームには、図5Dに概略的に示されるように、所定の位置に、保持手段32を通過させるための孔35が設けられてもよい。また、この場合、スペーサ30を実現するセミフレームは、把持を容易にし、かつ付番の適用を可能にするように、テストヘッド21に対し、特に上部ガイド23に対し突出するようにサイズ決めされ得る。前のとおりに、したがって、そのようなセミフレーム30l、30rは、図5Dに示すように、テストヘッド21に対し、特に上部ガイド23に対し突出する、それぞれの横方向部分31l、31rを備え得る。
【0100】
セミフレーム30l、30rの形状で実現されるスペーサ30は、1自由度をもたらし、対応する平面性における不適合のために必要であれば、間隔変換器28に対するテストヘッド21の傾斜を実現するように、たとえば除去する層に関して、テストヘッド21の一側部を、もう一方の側部に対して別個に管理することを可能にする。さらに、セミフレームを使用することで、スペーサ30を、単純に、セミフレーム30l~30rを近づける、または遠ざけることによって、異なる寸法のテストヘッド21に適合させることが可能になる。
【0101】
最終的には、スペーサ30を、テストヘッド21、および特に上部ガイド23の互いに平行の両側面に沿って延在し、その中央部分40Cの内部上に延在するような寸法を有する、数組のセミフレーム30lおよび30rの形状で実現することが可能である。そのようなセミフレームには、図5Eに概略的に示されるように、上部ガイド23の周囲部分40Pに想定される位置に、保持手段32を通過させるための孔35が、および上部ガイド23の中央部分40Cに想定される位置に、追加の保持手段32’を通過させるための追加の孔35’が設けられ得る。
【0102】
前述のように、スペーサ30を実現するセミフレーム30l、30rは、把持を可能にし、付番の適用を可能にするように、テストヘッド21に対し、特に上部ガイド23に対し突出するようにサイズ決めされてもよい。また、この場合、セミフレーム30l~30rは、図5Eに示すように、テストヘッド21に対し、特に上部ガイド23に対し突出する、それぞれの横方向部分31l、31rを備えてもよい。
【0103】
なお、上部ガイド23の中央部分40C内で延びるセミフレーム31l、30rの使用により、追加の孔35’および追加の保持手段32’の結合のため、セミフレーム自体の保持位置の数が増加する。
【0104】
この場合、セミフレーム30l、30rは、また、図5Eに示すように、そのようなセミフレームの材料を孔35および追加の孔35’の周囲の領域にて制限するように、適切な溝37を備えてもよい。このようにして、そのようなセミフレームにより実現されるスペーサ30は、より軽量であるが、それでも保持の強化が保証される。
【0105】
なお、類似の溝が、図5Dに示されるセミフレームに、および図5Cに示されるもののようなフレーム全体に設けられてもよく、追加の保持手段32’のための追加の孔を含むように、特に、上部ガイド23の中央部分40C内にも延びるように、より大きい寸法を有する。
【0106】
テストヘッド21、および特に上部ガイド23と平坦となり、スペーサ30を把持することを容易にし、かつ付番の適用を可能にするように、少なくとも1つのタブとして、テストヘッド21から、および特に上部ガイド23から突出するように適合される細長い部分を設けるような寸法のスペーサ30を構成するフレームまたはセミフレームを実現することが可能である。フレームまたはセミフレームの全体寸法に基づいて、およびプローブカード20の適用に基づいて、スペーサ30を備えるプローブカード20の通常動作を妨げないように位置決めされる任意の数の把持タブが想定され得る。
【0107】
図5A~5Eに示される種類の、保持手段32、32’の格納のための孔35、35’を備えるスペーサ30を使用することによって、そのような保持手段32、および存在する場合は、追加の保持手段32’のブロック化を解いて、特に、それぞれのねじを取り外し、そしてプローブカード20を部分的に解体して、スペーサ30またはそれらの層30a~30cの少なくとも1つを取り外すステップによってコンタクトプローブ22の第1端末部分21Aの長さLAを調節することが可能である。
【0108】
さらに、孔35の周囲の材料の部分に、座金として、保持手段32、32’が、部分的に、上に置かれることが可能であり、保持手段32、32’は、実際に、保持手段32、32’のおかげにより、スペーサ30の適切な保持を実現するために、たとえばフラットヘッドねじを備えることに留意すべきである。
【0109】
スペーサ30またはそれらの層30a~30cの少なくとも1つの取り外しにより、間隔変換器28の、テストヘッド21、特に上部ガイド23への接近を実行することが可能になり、その後にコンタクトプローブ22が、被試験装置27に向かって移動し、それぞれの第1端末部分21Aの短縮化を埋め合わせる、および単純かつ迅速な方法でプローブカード20の適切な動作を復元するように適合される。具体的には、スペーサ30またはそれらの層30a~30cの少なくとも1つの取り外しにより、コンタクトヘッド22Bの浮遊領域29Bの長さLBが減少し、コンタクトプローブ22が被試験装置27に向かってさらに突出することが可能になる。
【0110】
基本的には、本発明によるプローブカード20は、そのプローブカードに挿入されるテストヘッド21に含まれる、コンタクトプローブ22のコンタクトチップ22Aを備える第1端末部分21Aの長さを調節する方法の実行を可能にし、それによって、そのテストヘッド21の適切な動作を復元し、そしてそれを含むプローブカード20の適切な動作を復元する。
【0111】
有利には、本発明によると、方法は、保持手段32、および存在する場合は32’を、たとえば、それぞれのねじを緩めるまたは取り外すことによってブロック化を解くステップと、それに続くスペーサ30または少なくともそれらの層30a~30cを取り外すステップと、を含む。
【0112】
この時点で、方法は、コンタクトヘッド22Bの浮遊領域29Bの長さLBを減少させ、その結果、テストヘッド21が間隔変換器28に当接したときに、コンタクトプローブ22を被試験装置27に向かって変位させることにより、上部ガイド23を間隔変換器28に接近させるステップを含む。具体的には、この方法で、コンタクトプローブ22は、下部ガイド24から突出し、コンタクトチップ22Aを備える第1端末部分21Aの長さを復元する。上部ガイド23を間隔変換器28に接近させるこのステップは、特に、コンタクトチップ22Aを備える第1端末部分21Aの長さが、テストヘッド21の適切な動作に対応する値に回復するように実行される。
【0113】
なお、スペーサ30またはそれらに含まれる層30a~30cの1つを取り外すことによってコンタクトチップ22Aを備える第1端末部分21Aの長さを調節することにより、保持手段32、および存在する場合は追加の保持手段32’を、たとえば、それぞれのねじを締め直し、テストヘッド21の要素およびそれを備えるプローブカード20の要素を再度結合することにより復元するための準備が整えられる。
【0114】
スペーサ30の1つの層をさらに取り外すことは明らかに可能であり、また、プローブカード20の動作寿命の後期の段階において、特に、テストヘッド21の適切な動作に対応する長さよりも小さい長さを有する場合に、特に、たとえば使用のため、および洗浄作業のために、コンタクトプローブ22のコンタクトチップ22Aを備える第1端末部分21Aがさらに短縮化されたとき、間隔変換器28を、テストヘッド21、特にその上部ガイド23へと近づけるように移動させる。
【0115】
さらに、スペーサ30が複数の層を備える場合、そのような取り外しをより多い回数実行することが可能であり、この方法で、続く、コンタクトプローブ22のコンタクトチップ22Aを備える第1端末部分21Aの長さの調節を実行する。
【0116】
したがって、コンタクトプローブ22のコンタクトチップ22Aを備える第1端末部分21Aの短縮化が、テストヘッド自体の複雑な交換を実現しない限り、テストヘッド21およびそれを備えるプローブカードの使用を終了させる既知の解決策に対し、テストヘッド21およびそれを備えるプローブカードの動作寿命は、結果として適切に延長される。
【0117】
最終的には、スペーサ30の層を取り外し、間隔変換器28を、左右非対称的にであっても、テストヘッド21、特にその上部ガイド23へと接近させ、それによって、プローブ自体を作製する過程の公差による、それぞれのコンタクトチップ22Aの不整列の際に、コンタクトプローブ22の第1端末部分21Aの長さを別々に調節することが可能である。したがって、上部ガイド23および間隔変換器28によってそれぞれ画定される平面のいずれの傾きも調節することが可能である。
【0118】
本発明の好ましい実施形態では、図6A~6Dに示される実施形態にあるように、保持手段32のための開口ハウジング38を含むようにスペーサ30が設けられ得る。そのような開口ハウジング38は、保持手段32、特にそれぞれのねじ、を完全に取り外すことなく、特に、スペーサ30またはそれらに含まれる層30a~30cの1つをずらして外すことを可能にし、前述の保持手段を単に緩めることで十分であり、単純にそれらをずらして外すことによって、そしてテストヘッド21およびそれを備えるプローブカード20を、部分的にであっても解体することなく、特に、スペーサ30自体、またはそれらを構成する層の1つの取り外しを可能にする。
【0119】
そのような場合、本発明による方法は、スペーサ30または少なくともそれらの層30a~30cの1つをずらすことによる取り外しステップを含む。
【0120】
そのような保持手段32、および存在する場合は追加の保持手段32’を、さらに締め付けることで、間隔変換器28をテストヘッド21、特に上部ガイド23への望ましい接近が、したがって、コンタクトポイント22Aを備える第1端末部分21Aの適切な長さの復元が確実となり、したがって、テストヘッド21自体、およびそれを備えるプローブカード20の適切な動作が確実となる。
【0121】
より具体的には、前に図示されたものと形状が類似であり、したがって同じ利点を有するスペーサ30を実現することが可能である。たとえば、図6Aおよび6Bそれぞれに概略的に示されるように、スペーサは、パドルとして、長尺体33およびヘッド34、または略矩形のタブ36により形成される細長い形状を有し、開口ハウジング38が設けられ得る。開口ハウジング38は、保持手段32または追加の保持手段32’を格納するために適切な寸法を有する。
【0122】
なお、開口ハウジング38は、スペーサ30内で、フォークとして、保持手段32、32’が部分的にその上に置かれてもよい、少なくとも1つの材料部分39、39’を画定し、実際には、保持手段32、32’によってスペーサ30の適切な保持を達成するために、保持手段32、32’は、たとえばフラットヘッドねじを備える。
【0123】
単に、開口ハウジング38の開口部を通過する保持手段32、32’を緩め、そのスペーサまたはその層を、図6Aおよび6Bの矢印Fに示されるように、その長手方向の展開の方向に、およびテストヘッド21から離れるように移動させることによって、そのスペーサ30またはそれを構成する層30a~30cの1つを除去することが可能であることが即座に理解される。
【0124】
具体的には、パドルまたはタブの細長い形状により、大きい値の力を印加する必要なく、スペーサ30またはそれらを構成する層30a~30cの1つが容易にずれて外れることが保証される。
【0125】
代替的に、スペーサ30は、それぞれ、図6Cおよび図6Dに概略的に示されるように、たとえば上部ガイド23の周囲部分40Pに位置する保持手段32に対応する開口ハウジング38が適切に設けられ、および、存在する場合には、上部ガイド23の中央部分40Cに対応して位置決めされる他の保持手段32’に対応する追加の開口ハウジング38’が適切に設けられて、セミフレーム30lおよび30rにより作製され得る。
【0126】
適切に、スペーサ30を実現するそのようなセミフレーム30rおよび30lは、容易に把持可能であるように、および特に、既に説明したように、それを構成する層のそれぞれに付番の適用を可能にするように、テストヘッド21に対し、特に上部ガイド23に対し突出するようにサイズ決めされ得る。この場合、図6Cおよび6Dに示すように、セミフレーム30l、30rは、テストヘッド21に対し、特に上部ガイド23に対し突出する、それぞれの横方向部分31l、31rを備え得る。
【0127】
この場合、単に、保持手段32、32’を緩め、セミフレーム30lおよび30r、またはそれらの層の1つを、図6Cおよび6Dの矢印F1およびF2に示されるように、テストヘッド21から離れるように移動させることによって、スペーサ30またはそれを構成する層30a~30cの1つを除去することが可能であることが即座に理解される。この場合もまた、保持手段32および32‘もまた開口ハウジング38、38’の開口部から通過してもよい。
【0128】
セミフレームで作製されるスペーサ30は、上部ガイド23よりも小さいが、パドルまたはタブよりも面積が大きいため、パドルまたはタブよりも構造的に強いので、この場合は、たとえばパドルまたはタブにより作製されるスペーサ30の場合に使用されるものよりも大きい値の力を印加することが可能である。
【0129】
前述のように、結果としてテストヘッド21と、特に上部ガイド23と同じ高さになり、それによって、スペーサ30の把持を容易にし、付番の適用を可能にするように、タブとして、テストヘッド21から、および特に上部ガイド23から突出するように適合される少なくとも1つの細長い部分が設けられるような寸法の、スペーサ30を構成するセミフレームを実現することが可能である。
【0130】
図6A~6Dに示される種類の保持手段32、32’を格納するための開口ハウジング38、38’が設けられたスペーサ30を使用することによって、単に、保持手段32、および、存在する場合は、追加の保持手段32’を緩め、特に、それぞれのねじを部分的に緩め、その後に、テストヘッド21の構造統合性を維持しながらも、スペーサ30またはそれらの層30a~30cの少なくとも1つをずらして外すことによって、コンタクトプローブ22の第1端末部分21Aの長さLAを調節することが可能である。
【0131】
パドルまたはタブよりも構造的により頑強であり、より大きな力に耐えることが可能である、セミフレームにより作製されるスペーサ30の場合、保持手段32、32’を事前に完全に緩めることなく、スペーサ30をずらすことを想定することが可能である。
【0132】
すでに説明したように、スペーサ30またはそれらの層30a~30cの少なくとも1つの取り外しにより、間隔変換器28の、テストヘッド21および特に上部ガイド23への接近を実行することが可能であり、続く浮遊領域29B、およびコンタクトプローブ22のコンタクトヘッド22Bを含む第2端末部分21Bが減少、したがって、それぞれのコンタクトプローブ22のコンタクトチップ22Aを備える第1端末部分21Aの短縮を補償し、単純かつ迅速な方法でテストヘッド21およびそれを備えるプローブカード20の適切な作動を復元するように、コンタクトプローブ22が被試験装置27に向かって移動することが可能になる。
【0133】
そして、テストヘッド21およびプローブカード20の要素を完全に再結合させるために、保持手段32および、存在する場合は、追加の保持手段32’を、具体的には、それぞれのねじを締めなおすことによって、固定することが必要となる。いずれの場合も、開口ハウジング38の使用により、スペーサ30またはそれらの層の1つを取り外すために、テストヘッド21の、部分的な解体すら回避することが可能になることが強調されるべきである。
【0134】
もちろん、スペーサ30が複数の層を有する場合、スペーサ30の層を1つさらに取り外すこと、また、プローブカード20の可使期間の後期の段階において、そのような取り外しを複数回実行すること、そしてその結果、コンタクトプローブ22の第1端末部分21Aの長さLAを連続して調節し、最終的に、左右非対称にも、スペーサ層30を取り外すことが可能である。
【0135】
最終的には、本発明の別の実施形態によると、具体的には、たとえば図3Cおよび3Dに示される種類の円柱状スペーサ30の場合、それぞれの粘着フィルムによって、互いに、および上部ガイド23と結合される場合、任意の形状の、1つまたは複数の層30a~30cによるスペーサ30を実現することが可能である。
【0136】
具体的には、そのようなスペーサ30は、コンタクトプローブ22の適切な動作に干渉しないように、上部ガイド23上の、その周囲部分40P、およびその中央部分40Cの両方における位置決めに適切な形状を有する。そのような円柱状スペーサ30は、保持手段32、32’の孔またはハウジングなしで作製され、そのような保持手段32、32’が横切らないように、上部ガイド23上に配置される。
【0137】
なお、この場合、円柱状スペーサ30またはそれらの層の1つの取り外しは、テストヘッド21のいずれの保持手段も取り外す必要なく、単純に剥離することによって行われる。すでに指摘したように、上部ガイド23に、したがってテストヘッド21に対する円柱状スペーサ30の突出部分は必要ない。
【0138】
したがって、コンタクトプローブ22のコンタクトチップ22Aを備える第1端末部分21Aの長さの調節機構は、さらに単純化され、上部ガイド23を暴露し、そして円柱状スペーサ30またはそれらの層の1つを剥離することによって取り外すことを可能にするために、プローブカード20から、したがって間隔変換器28との接続からテストヘッド21を取り外すことのみが必要とされる。
【0139】
なお、本発明によるプローブカードの示されているすべての実施形態が、プローブの屈曲領域の長さを変更することなく、したがって、具体的には、スクラビング、および特にパッドに加えられる力に関して、同じ運動動態を変更することなく、コンタクトチップを備え、したがって消耗の影響を受けるコンタクトプローブの端末部分の長さの調節を可能にする。
【0140】
結論として、本発明によるスペーサを備えるプローブカードは、それぞれのチップの多くの数の洗浄作業、およびその後の、テストヘッドの適切な動作に対応する長さと同等またはそれより長くなるように、下部ガイドに対し突出するコンタクトプローブの端末部分の長さの調節を想定することが可能であるため、より長い動作寿命を有することとなる。
【0141】
スペーサが存在することにより、プローブカードの適切な動作を、そこに含まれるテストヘッドのコンタクトプローブの端末部分の短縮化につながる動作期間の後、プローブの屈曲領域の長さが一定に保たれるため、そのプローブの運動動態に、そして何よりも、それらに加えられる力に影響を与えることなく、簡単かつ迅速な方法で復元することが可能である。
【0142】
適切には、テストヘッドのガイドの領域に対して、円柱状、パドルまたはタブ状の実施形態の場合のように著しく限定された領域を超えて延在するようにスペーサは実現され、そのスペーサは、数および位置に関して任意に位置決めされることが可能であり、プローブカードを備え、および、実際にはテストヘッドのガイドまたは間隔変換器などである全ての板により形成される他の要素よりも、平坦さの課題がより少ない。
【0143】
さらに、特に、その端末部分、すなわちコンタクトプローブのコンタクトチップを備える第1端末部分が、使用のために短縮化され、そのプローブカードに含まれるテストヘッドの適切な動作に対応する長さよりも短くなる場合は常に、プローブカードの動作寿命の様々な段階におけるコンタクトプローブの端末部分の長さの追加の調節を実行することが可能であり、また、プローブ自体の製造プロセスの公差による、それぞれのコンタクトチップの不整列の場合に、別々のコンタクトプローブに対して異なる方法で端末部分の長さの変更を可能にする。
【0144】
明らかに、当業者は、偶発的の、および特定の要件を満たすために、上で説明されたプローブカードの修正例および変形例を作成することが可能であり、すべての本発明の保護の範囲は以下の請求項により定義される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D