(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3233 20160101AFI20220225BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220225BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220225BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20220225BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220225BHJP
G09G 3/3275 20160101ALI20220225BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220225BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220225BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20220225BHJP
G06F 3/042 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09F9/00 366A
G09F9/30 365
G09F9/33
G09G3/20 612T
G09G3/3275
G09G3/20 611H
G09G3/20 670J
G09G3/20 624B
H01L27/32
H05B33/14 A
G06F3/041 412
G06F3/041 510
G06F3/042 472
G09G3/20 641P
G09G3/20 642A
(21)【出願番号】P 2019142662
(22)【出願日】2019-08-02
【審査請求日】2019-08-02
(31)【優先権主張番号】10-2018-0091894
(32)【優先日】2018-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】鄭 紋 須
(72)【発明者】
【氏名】李 珠 希
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0243217(US,A1)
【文献】特開2018-072827(JP,A)
【文献】特開2018-072483(JP,A)
【文献】特表2007-501953(JP,A)
【文献】特表2007-504501(JP,A)
【文献】特開2017-227854(JP,A)
【文献】特開2011-154154(JP,A)
【文献】特表2013-519113(JP,A)
【文献】特開2010-113229(JP,A)
【文献】特開2008-046617(JP,A)
【文献】国際公開第2013/102952(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105741776(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0170578(US,A1)
【文献】特開2016-110100(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106406622(CN,A)
【文献】特開2009-042486(JP,A)
【文献】特開2015-225537(JP,A)
【文献】特開2002-268615(JP,A)
【文献】特開2007-256733(JP,A)
【文献】特開平10-254410(JP,A)
【文献】特開2018-101681(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102376741(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/3233
G09F 9/00
G09F 9/30
G09F 9/33
G09G 3/20
G09G 3/3275
H01L 27/32
H01L 51/50
G06F 3/041
G06F 3/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号に対応して発光する複数のピクセルおよび入射光に対応して電気信号を出力する複数のフォトセンサを備える表示パネルと、
前記複数のピクセルに前記映像信号を供給し、前記複数のピクセルから該当ピクセルの特性を示すセンシング信号を受信し、前記複数のフォトセンサから前記電気信号を受信する1つまたは複数のソースドライブICを含むデータ駆動回路と、
前記複数のピクセルと前記複数のフォトセンサの動作を制御するスキャン信号を生成するゲート駆動回路と、
前記データ駆動回路と前記ゲート駆動回路の動作を制御する制御信号と前記表示パネルに表示する映像データとを供給するタイミングコントローラとを含み、
前記1つまたは複数のソースドライブICは、
前記タイミングコントローラが供給する映像データを、前記映像信号に変換するデジタル-アナログ変換器(DAC)と、
1つまたは複数のセンシングユニットであって、前記センシングユニットのそれぞれは、前記複数のピクセルに前記映像信号を供給するディスプレイ期間において、前記フォトセンサからの前記電気信号を受信し、前記センシングユニットのそれぞれは、2つのディスプレイ期間の間のブランク期間に前記ピクセルから前記センシング信号を受信するための1つまたは複数のセンシングユニットと、
前記センシングユニットが出力する信号をデジタルデータに変換するアナログ-デジタル変換器(ADC)を含み、
前記複数のピクセルはセンシングラインを介して前記センシングユニットと接続し、前記複数のフォトセンサは、フォトラインを介して前記センシングユニットと接続し、
前記センシングユニットは、
前記センシングラインを介して前記複数のピクセルに基準電圧を供給するかどうかを制御する第5スイッチングTFTと、
前記センシングラインと前記ADCとの接続を制御する第6スイッチングTFTと、
前記フォトラインを介して入力される前記電気信号を増幅して前記ADCに伝達するバッファと、
前記フォトラインと前記バッファとの接続を制御する第7スイッチングTFTとを含む、表示装置。
【請求項2】
前記複数のピクセルは、印加される電流に応じて光を放射する発光ダイオードと、ゲート-ソース間の電位差に応じて前記発光ダイオードに流れる電流量を調節する駆動TFTと、前記スキャン信号に応答して、前記データ駆動回路が供給する映像信号を前記駆動TFTのゲート電極に供給する第1スイッチングTFTと、前記スキャン信号に応じて前記センシングユニットとの接続を制御する第2スイッチングTFTと、前記駆動TFTに供給する映像信号に対応するデータ電圧を格納するストレージキャパシタとを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第5および第7スイッチングTFTは、前記ディスプレイ期間においてターン-オンされ、前記第6スイッチングTFTは、前記ブランク期間においてターン-オンされる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
映像信号に対応して発光する複数のピクセルおよび入射光に対応して電気信号を出力する複数のフォトセンサを備える表示パネルと、
前記複数のピクセルに前記映像信号を供給し、前記複数のピクセルから該当ピクセルの特性を示すセンシング信号を受信し、前記複数のフォトセンサから前記電気信号を受信する1つまたは複数のソースドライブICを含むデータ駆動回路と、
前記複数のピクセルと前記複数のフォトセンサの動作を制御するスキャン信号を生成するゲート駆動回路と、
前記データ駆動回路と前記ゲート駆動回路の動作を制御する制御信号と前記表示パネルに表示する映像データとを供給するタイミングコントローラとを含み、
前記1つまたは複数のソースドライブICは、
前記タイミングコントローラが供給する映像データを、前記映像信号に変換するデジタル-アナログ変換器(DAC)と、
センシングユニットであって、前記センシングユニットのそれぞれは、前記複数のピクセルに前記映像信号を供給するディスプレイ期間において、前記フォトセンサからの前記電気信号を受信し、前記センシングユニットのそれぞれは、2つのディスプレイ期間の間のブランク期間に前記ピクセルから前記センシング信号を受信するための1つまたは複数のセンシングユニットと、
前記センシングユニットが出力する信号をデジタルデータに変換するアナログ-デジタル変換器(ADC)を含み、
前記複数のピクセルと前記複数のフォトセンサは、センシングラインを介して前記センシングユニットと接続し、
前記複数のピクセルは、基準電圧を供給するタイミングを制御するスイッチングTFTをさらに含み、
前記センシングユニットは、
同じ制御信号に応じて前記ブランク期間において前記センシングラインと前記ADCとの接続を制御する第8及び第9スイッチングTFTと、
第8及び第9スイッチングTFTの間に配置されて前記センシング信号に対応する電圧を格納するセンシングユニットキャパシタと、
前記ディスプレイ期間において前記センシングラインと前記ADCとの接続を制御する第10スイッチングTFTと、
前記ディスプレイ期間において前記センシングラインを介して入力される前記電気信号を増幅して前記ADCに伝達するバッファを含む表示装置。
【請求項5】
前記複数のピクセルと前記センシングユニットとは、センシングラインを介して接続され、
前記ゲート駆動回路は、前記データ駆動回路が前記映像信号を供給する第1ピクセルに、前記ディスプレイ期間中に前記第1ピクセルを前記センシングラインに接続するためにターン-オンレベルのセンシング信号を供給し、前記データ駆動回路がセンシング用映像信号を供給する第2ピクセルに、前記ブランク期間中に前記センシングラインに接続するために前記ターン-オンレベルのセンシング信号を供給することを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記複数のフォトセンサは、入射光に対応する電流を出力するフォトTFTと、前記フォトTFTが出力する電流を充電するフォトキャパシタと、前記スキャン信号に応じて前記フォトキャパシタと前記センシングユニットとの接続を制御する第3スイッチングTFTとを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記フォトTFTと前記第3スイッチングTFTは、少なくとも1水平期間以上離隔する二つのスキャン信号によってターン-オンされることを特徴とする、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記複数のフォトセンサの前記第3スイッチングTFTは第1スキャン信号によって制御され、前記第1スキャン信号は前記複数のフォトセンサに対応するピクセルに供給され、前記フォトセンサのフォトTFTは、前記第1スキャン信号より少なくとも2水平期間遅い第2スキャン信号によって制御される、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記複数のフォトセンサは、前記フォトセンサに対応するピクセルが入力される映像信号に基づいて発する光に対応する電気信号を前記センシングユニットに出力し、前記ADCは、前記電気信号をデジタルフォトデータに変換する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記タイミングコントローラは、映像データとピクセルが発光する輝度との相関関係を格納するルックアップテーブルを管理し、前記データ駆動回路から伝送されるデジタルフォトデータを前記ルックアップテーブル内の対応するデータと比較し、前記比較の結果に応じて前記表示パネルに表示する映像データを補償する、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記ADCは前記複数のフォトセンサが出力した電気信号をデジタルフォトデータに変換して出力し、
前記タイミングコントローラは、前記データ駆動回路から伝送されるデジタルフォトデータを基準値と比較し、前記基準値以上のデジタルフォトデータを出力するフォトセンサの座標データを取得し、前記座標データを接続されたホストシステムに伝送する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記ホストシステムは、前記タイミングコントローラから受信した座標に外部入力があることを表現するイメージを生成し、前記表示パネルに表示する映像データに重ね合わせ、前記重ね合わせた映像データを、前記タイミングコントローラに出力することを特徴とする、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記フォトセンサは、複数のピクセルで構成されるピクセルユニットごとに1つずつ配置される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
ディスプレイ期間に表示パネルの複数のピクセルに映像データを書き込み、発光させる段階と、
2つのディスプレイ期間の間のブランク期間に、ピクセルラインの複数のピクセルをセンシングするためのデータを書き込み、前記複数のピクセルから前記ピクセルの特性を示すセンシング信号を受信し、前記センシング信号をデジタルセンシングデータに変換する段階を含み、
前記発光させる段階は、前記表示パネルに入射する光に対応して電気信号を出力する複数のフォトセンサからの電気信号を受信し、これをデジタルフォトデータに変換する段階をさらに含み、
前記電気信号を受信することは、センシングユニットにおけるバッファを使用する前記電気信号を増幅することを含み、
前記電気信号を前記デジタルフォトデータに変換する段階は、
前記バッファを使用して、前記増幅された電気信号をアナログ-デジタル変換器(ADC)に伝達することを含む、表示装置を駆動する方法
であって、
前記複数のピクセルはセンシングラインを介して前記センシングユニットと接続し、前記複数のフォトセンサは、フォトラインを介して前記センシングユニットと接続し、
前記センシングユニットは、
前記センシングラインを介して前記複数のピクセルに基準電圧を供給するかどうかを制御する第5スイッチングTFTと、
前記センシングラインと前記ADCとの接続を制御する第6スイッチングTFTと、
前記フォトラインと前記バッファとの接続を制御する第7スイッチングTFTとを含む、方法。
【請求項15】
前記映像データを書き込む段階が、前記表示パネルに含まれる複数のフォトセンサが対応する入射光を出力する電気信号を受信し、前記電気信号をデジタルフォトデータに変換する段階を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
表示パネルに配置され、映像信号に応じて発光する複数のピクセルと、
前記表示パネルに配置され、入射光に応じて電気信号を出力する複数のフォトセンサと、
映像信号を前記複数のピクセルに供給し、複数のピクセルの特性を示すセンシング信号を受信し、前記複数のフォトセンサから電気信号を受信するソースドライブICとを備え、
前記ソースドライブICは、
タイミングコントローラが供給する映像データを、前記映像信号に変換するデジタル-アナログ変換器(DAC)と、
前記複数のピクセルの内の1つに前記映像信号を供給するディスプレイ期間において、前記複数のフォトセンサから前記電気信号を受信し、2つのディスプレイ期間の間のブランク期間に前記複数のピクセルの内の前記1つから前記センシング信号を受信するためのセンシングユニットと、
前記センシングユニットが出力する信号をデジタルデータに変換するアナログ-デジタル変換器(ADC)とを備え、
前記複数のフォトセンサと前記複数のピクセルはセンシングラインを介して前記ソースドライブICと接続し、
前記ソースドライブICは、前記複数のピクセルと前記複数のフォトセンサの動作を制御するスキャン信号を生成するゲート駆動回路を備え、
前記センシングユニットは、
同じ制御信号に応じて前記ブランク期間において前記センシングラインと前記ADCとの接続を制御する第8及び第9スイッチングTFTと、
第8及び第9スイッチングTFTの間に配置されて前記センシング信号に対応する電圧を格納するセンシングユニットキャパシタと、
前記ディスプレイ期間において前記センシングラインと前記ADCとの接続を制御する第10スイッチングTFTと、
前記ディスプレイ期間において前記センシングラインを介して入力される前記電気信号を増幅して前記ADCに伝達するバッファを含む、表示装置。
【請求項17】
データ駆動回路と前記ゲート駆動回路の動作を制御する制御信号と表示する映像データとを供給するタイミングコントローラをさらに備え、
前記タイミングコントローラは、前記ソースドライブICから伝送されるデジタルフォトデータを基準値と比較し、前記基準値以上のデジタルフォトデータを出力するフォトセンサの座標データを取得し、前記座標データを接続されたホストシステムに伝送する、請求項16に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、さらに詳細には、発光ダイオードの補償回路とフォトセンサの検出回路を併合して駆動する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリックス型の有機発光表示装置は、自ら発光する有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)を含み、応答速度が速く、発光効率、輝度及び視野角が大きい長所がある。
【0003】
有機発光表示装置は、OLEDを含むピクセルをマトリックス形態に配列し駆動TFT(Thin Film Transistor)が映像データの階調に対応して、ゲート電極とソース電極との間にかかる電圧に基づいてOLEDに流れる電流を調整して輝度を調節する。OLEDと駆動TFTの電気的特性は、時間が進むにつれて、劣化し、ピクセルごとに差が生じることがある。ピクセルの電気的特性(駆動TFTのしきい値電圧、駆動TFTの移動度、OLEDのしきい値電圧)に相当するセンシング情報を測定して、アナログ-デジタルコンバータ(Analog Digital Converter、ADC)を介してデジタルセンシングデータに変換し、これに基づいて映像データを変調する外部補償技術が知られている。
【0004】
最近、フォトセンサをディスプレイパネルに内蔵して、タッチ入力や指紋センサのような入力装置として活用しようとする試みがあるが、フォトセンサは、光の強さに応じた電荷量を情報として格納し、格納した情報を制御信号に応じて出力する素子である。フォトセンサが出力する信号を入力信号として利用するためには、フォトセンサの出力をADCを介してデジタルデータに変換しなければならない。
【0005】
外部補償回路でピクセルの電気的特性を測定し、補償する表示装置にフォトセンサのような入力装置を追加するには、外部補償回路を含むソースドライブICとフォトセンサの出力を検出するための受信ドライブICを別々に設けて別に動作させなければならない。また、水平方向の各ピクセルまたはいくつかのピクセルを束ねた一単位のピクセル毎に、ソースドライブICと受信ドライブICにADCをそれぞれ1つずつ装着するべきで、資源の重複が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような状況を勘案したものであり、本発明の目的は、外部補償回路とフォトセンサ検出回路を融合して駆動する表示装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、ピクセルの電気的特性を出力するためのセンシングラインとフォトセンサの出力ラインを統合して駆動する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、映像信号に対応して発光する複数のピクセルおよび入射光に対応して電気信号を出力する複数のフォトセンサを備える表示パネルと、複数のピクセルに映像信号を供給し、複数のピクセルから該当ピクセルの特性を示すセンシング信号を受信し、複数のフォトセンサから電気信号を受信する1つまたは複数のソースドライブICを含むデータ駆動回路と、複数のピクセルと複数のフォトセンサの動作を制御するスキャン信号を生成するゲート駆動回路と、データ駆動回路とゲート駆動回路の動作を制御する制御信号と表示パネルに表示する映像データとを供給するタイミングコントローラとを含み、1つまたは複数のソースドライブICは、タイミングコントローラが供給する映像データを映像信号に変換するデジタル-アナログ変換器(DAC)と、複数のピクセルに映像信号を供給するディスプレイ期間において、フォトセンサからの電気信号を受信し、2つのディスプレイ期間の間のブランク期間にピクセルからセンシング信号を受信するための1つまたは複数のセンシングユニットと、センシングユニットが出力する信号をデジタルデータに変換するアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む。
【0010】
一実施形態において、複数のピクセルは、印加される電流に応じて光を放射する発光ダイオードと、ゲート-ソース間の電位差に応じて発光ダイオードに流れる電流量を調節する駆動TFT、スキャン信号に応答して、データ駆動回路が供給する映像信号を駆動TFTのゲート電極に供給する第1スイッチングTFTと、スキャン信号に応じてセンシングユニットとの接続を制御する第2スイッチングTFTと、駆動TFTに供給する映像信号に対応するデータ電圧を格納するストレージキャパシタとを含む。
【0011】
一実施形態において、複数のピクセルはセンシングラインを介してセンシングユニットと接続し、複数のフォトセンサは、フォトラインを介してセンシングユニットと接続することができる。
【0012】
一実施形態において、センシングユニットは、センシングラインを介して複数のピクセルに基準電圧を供給するかどうかを制御する第5スイッチングTFTと、センシングラインとADCとの接続を制御する第6スイッチングTFTと、フォトラインを介して入力される電気信号を増幅してADCに伝達するバッファと、前記フォトラインと前記バッファとの接続を制御する第7スイッチングTFTとを含む。
【0013】
一実施形態において、第5および第7スイッチングTFTは、ディスプレイ期間においてターン-オンされ、第6スイッチングTFTはブランク期間においてターン-オンされ得る。
【0014】
一実施形態において、複数のピクセルと前記複数のフォトセンサは、センシングラインを介してセンシングユニットと接続し、複数のピクセルは、基準電圧を供給するタイミングを制御するスイッチングTFTをさらに含められる。
【0015】
一実施形態において、センシングユニットは、同じ制御信号に応じてブランク期間においてセンシングラインとADCとの接続を制御する第8及び第9スイッチングTFTと、第8及び第9スイッチングTFTの間に配置されてセンシング信号に対応する電圧を格納するセンシングユニットキャパシタと、ディスプレイ期間においてセンシングラインとADCとの接続を制御する第10スイッチングTFTと、ディスプレイ期間において、センシングラインを介して入力される電気信号を増幅してADCに伝達するバッファを含む。
【0016】
一実施形態において、複数のピクセルとセンシングユニットとは、センシングラインを介して接続され、ゲート駆動回路は、データ駆動回路が映像信号を供給する第1ピクセルに、ディスプレイ期間中に第1ピクセルをセンシングラインに接続するためにターン-オンレベルのセンシング信号を供給し、データ駆動回路がセンシング用映像信号を供給する第2ピクセルに、ブランク期間中にセンシングラインに接続するためにターン-オンレベルのセンシング信号を供給できる。
【0017】
一実施形態において、フォトセンサは、入射光に対応する電流を出力するフォトTFTと、フォトTFTが出力する電流を充電するフォトキャパシタと、スキャン信号に応じてフォトキャパシタとセンシングユニットとの接続を制御する第3スイッチングTFTとを含められる。
【0018】
一実施形態において、フォトTFTと第3スイッチングTFTは、少なくとも1水平期間以上離隔するスキャン信号によってターン-オンされることができる。
【0019】
一実施形態において、複数のフォトセンサの第3スイッチングTFTは第1スキャン信号によって制御され、第1スキャン信号は、複数のフォトセンサに対応するピクセルに供給され、フォトセンサのフォトTFTは、第1スキャン信号より少なくとも2水平期間遅い第2スキャン信号によって制御され得る。
【0020】
一実施形態において、複数のフォトセンサは、フォトセンサに対応するピクセルが入力される映像信号に基づいて発する光に対応する電気信号をセンシングユニットに出力し、ADCは、電気信号をデジタルフォトデータに変換できる。
【0021】
一実施形態において、タイミングコントローラは、映像データとピクセルが発光する輝度との相関関係を格納するルックアップテーブルを管理し、データ駆動回路から伝送されるデジタルフォトデータをルックアップテーブル内の対応するデータと比較し、比較結果に応じてパネルに表示する映像データを補償できる。
【0022】
一実施形態において、ADCは複数のフォトセンサが出力した電気信号をデジタルフォトデータに変換して出力し、タイミングコントローラは、データ駆動回路から伝送されるデジタルフォトデータを基準値と比較し、基準値以上のデジタルフォトデータを出力するフォトセンサの座標データを取得し、座標データを接続されたホストシステムに伝送できる。
【0023】
一実施形態において、ホストシステムは、タイミングコントローラから受信した座標に外部入力があることを表現するイメージを生成し、表示パネルに表示する映像データに重ね合わせ、重ね合わせた映像データを、タイミングコントローラに出力できる。
【0024】
一実施形態において、フォトセンサは、複数のピクセルで構成されるピクセルユニットごとに1つずつ配置され得る。
【0025】
本発明の他の実施形態に係る表示装置を駆動する方法は、ディスプレイ期間に表示パネルの複数のピクセルに映像データを書き込み、発光させる段階と、2つのディスプレイ期間の間のブランク期間にピクセルラインの複数のピクセルをセンシングするためのデータを書き込み、複数のピクセルからピクセルの特性を示すセンシング信号を受信し、これをデジタルセンシングデータに変換する段階を含み、発光させる段階は、表示パネルに入射する光に対応して電気信号を出力する複数のフォトセンサからの電気信号を受信し、これをデジタルフォトデータに変換する段階をさらに含む。
【発明の効果】
【0026】
したがって、外部補償のための回路とフォトセンシングのための回路を統合することにより、駆動回路の一体化が可能となり、ADCの数を減らしてコストを削減することができる。
【0027】
また、駆動回路の一体化により、ベゼルのサイズを減らす効果が発生する。
【0028】
また、外部補償のためのセンシングラインとフォトセンサの出力ラインを1つに統一することで、ピクセルの開口率を向上させることができる。
【0029】
また、表示装置にフォトセンサを採用することにより、タッチしなくても、ユーザのコマンドを入力することができるようになる。
【0030】
また、フォトセンサの出力を用いて、OLEDの実際の出力輝度に基づいて映像データを補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】ピクセル回路と電圧センシング方式の外部補償回路の接続を示す図である。
【
図3】本発明に基づいて、ディスプレイの区間にフォトセンシングを行い、ブランク区間に外部補償を実行することを概念的に示す図である。
【
図4】本発明に係る有機発光表示装置をブロックで示す図である。
【
図5】本発明に基づいてフォトセンサの出力データに座標アルゴリズムを適用して座標データを得ることを概念的に示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に基づいて表示パネルに装着されるピクセル回路とフォトセンシング回路がソースドライブICに内蔵されたセンシングユニットに接続されることを示す図である。
【
図7】
図6のセンシングユニットを構成するスイッチの動作タイミングを示す図である。
【
図8】
図6のピクセル回路とフォトセンシング回路を構成するスイッチの動作タイミングを示す図である。
【
図9】本発明の他の実施形態に基づいて表示パネルに装着されるピクセル回路とフォトセンシング回路がソースドライブICに内蔵されたセンシングユニットに接続されることを示す図である。
【
図10】
図9のセンシングユニットを構成するスイッチの動作タイミングを示す図である。
【
図11】本発明のさらに他の実施形態に基づいてフォトセンシング回路の出力を使用してピクセルの輝度を補償することを概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付された図面を参照して、本発明に係る好ましい実施形態を詳細に説明する。明細書全体にわたって同一の参照番号は、実質的に同一の構成要素を意味する。以下の説明において、本発明と関連された公知の機能あるいは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0033】
図1は、ピクセル回路と電圧センシング方式の外部補償回路の接続を示したものである。
【0034】
図1において、ピクセル回路(PXL)は、表示パネルに配列され、デジタル-アナログコンバータ(Digital-to-Analog Converter、DAC)、センシングユニット(Sensing Unit、SU)及びアナログ-デジタル変換器(Analog-to-Digital Converter、ADC)は、ソースドライブICに内蔵される。
【0035】
DACはソースドライブICが出力するデジタルデータをイメージ表示用のデータ電圧(Vdata)に変換してデータライン(Data Line、DL)を介してピクセル(PXL)に印加する。
【0036】
センシングユニット(SU)は、ピクセル回路(PXL)に含まれた駆動TFT(DT)に流れる電流(Ids)に対応してセンシングライン(SL)のラインキャパシタ(CSL)に格納されたセンシング電圧をセンシングする。センシングユニット(SU)は、初期化制御信号(PRE)に基づいて基準電圧(Vref)を提供する基準電圧源とセンシングライン(Sensing Line、SL)の接続を制御する第1スイッチ(SW1)とサンプリング制御信号(SAM)に基づいてセンシングライン(SL)と、ADCの接続を制御する第2スイッチ(SW2)を含みから構成されることができる。第2スイッチ(SW2)とADCの間にセンシング駆動時のアナログセンシング電圧をサンプリングし、維持するためのサンプル&ホールド部を含めてもよい。
【0037】
駆動TFT(DT)に流れる電流(Ids)に応じて駆動TFTのソースノード(N2)の電圧が変化する時、ADCは、第2スイッチ(SW2)がターン-オンされる特定の時点でセンシングライン(SL)のラインキャパシタ(CSL)に格納された駆動TFT(DT)のソースノード電圧をデジタルセンシング値に変換して出力する。
【0038】
ピクセル(PXL)は、駆動TFT(DT)、第1スイッチングTFT(ST1)、第2スイッチングTFT(ST2)、ストレージキャパシタ(CST)及び有機発光ダイオード(OLED)を含んでもよい。第1スイッチングTFT(ST1)は、スキャン信号(SCAN)の制御に基づいて、データライン(DL)を介して印加されるデータ電圧(Vdata)を駆動トランジスタ(DT)のゲート電極に印加し、第2スイッチングTFT(ST2)は、センス信号(SENS)に基づいて基準電圧(Vref)を駆動トランジスタ(DT)のソース電極に印加し、駆動TFT(DT)は、ゲート-ソース電極間の電圧(Vgs)に応じて、OLEDに流れる電流を制御する。
【0039】
外部補償方式は、駆動TFT(DT)をソースフォロワ(Source Follower)方式で動作させた後、駆動TFT(DT)のソース端子の電圧をセンシング電圧として受信し、駆動TFT(DT)のしきい値電圧の変化を補償するために、ADCが変換したデジタルセンシング値(SD)に基づいて入力デジタルビデオデータを変調する。このような外部補償は、センシングにかかる時間が比較的長いため、少なくとも1つの非表示区間において実行され得る。
【0040】
【0041】
フォトセンサの回路またはフォトセンサは、フォトTFT(PT)、フォトキャパシタ(CPT)及びスイッチングTFT(ST)を含んでもよい。フォトTFT(PT)は、スキャン1(SCAN1)信号がオン状態を維持する間入力される光を感知して電流を生成し、フォトキャパシタ(CPT)は、スイッチングTFT(ST)がオフの状態を維持する間、フォトTFT(PT)から生成される電流を充填し、スイッチングTFT(ST)は、スキャン2(SCAN2)信号に応じてターン-オンされてフォトキャパシタ(CPT)の電圧をフォトライン(Photo Line、PL)に供給し、ADCはフォトライン(PL)を介して伝達される電圧をデジタル値に変換する。
【0042】
指、ペン、瞳のような物体(object)がフォトセンサに近接したり、タッチされると、フォトセンサに入射される光量が変化し、光量の変化をフォトライン(PL)を介して受信して処理するとアクセスまたはタッチされた物体を認識することができるようになる。また、レーザーポインタからレーザービームがフォトセンサに入射すると、同様にフォトセンサがレーザービームを感知して、レーザービームが入射する位置情報を得ることができる。したがって、フォトセンサは、表示パネルに内蔵されて、タッチの認識、指紋の認識、虹彩の認識、レーザーポインタの認識などのような入力装置として使用することができる。
【0043】
フォトセンサが、表示パネルに内蔵されて、タッチやポインタの認識のための入力装置として使用されるためには、ピクセルの単位(ピクセルごとに1つのフォトセンサ)または所定数のピクセルグループの単位(例えばnXm個のピクセルごとに1つのフォトセンサ)でフォトセンサが装着されるべきであり、またフォトセンサの出力を引き出すための配線、つまりフォトラインが必要である。
【0044】
データラインが進行する垂直方向(例えば、第1方向)に配列されたフォトセンサをまとめて1つのフォトライン(PL)を共有することにしても、ゲートラインが進行する水平方向(例えば、第1方向と垂直な第2方向)に表示パネルの水平解像度に相当する数のフォトラインまたは水平解像度をnで割った数のフォトラインが必要である。また、各フォトラインにADCを接続するか、所定数のフォトラインをまとめて1つのADCと接続しても、多くの数のADCを表示パネルの表示領域外ベゼル領域に配置するべきである。
【0045】
図1に示したように、有機発光表示装置で、外部補償のために表示パネルにデータ電圧を印加するソースドライブICにセンシングユニットとADCが装着される。
【0046】
このような点に着目して、本発明は、有機発光表示装置にフォトセンサを用いる入力装置を装着するとき、外部補償のためのADCをフォトセンサの出力に共に使用することにより、フォトセンサの出力を変換するADCの数を減らし、ベゼル領域が大きくなることを防止することができる。
【0047】
図3は本発明に基づいて、ディスプレイの区間にフォトセンシングを行い、ブランク区間に外部補償を実行することを概念的に示したものである。
【0048】
図1を参照して、説明したように、外部補償動作は非表示区間、例えば1フレームでピクセルにデータを書き込み、OLEDを発光させるディスプレイ期間(Display Period)を除外したブランク期間(Blank Period)に実行され得る。ソースドライブICに含まれたADCがブランク期間に動作するので、ADCはフォトセンサの出力をブランク期間を除外した期間、すなわちディスプレイ期間にデジタル値に変換しなければならない。
【0049】
図3に示したように、1フレームの中で、ディスプレイ期間にはピクセルを発光させる表示動作とフォトセンサを用いたフォトセンシング動作が行われ、ブランク期間には、ピクセルの電気的特性の変化をセンシングする外部補償動作が実行され得る。
【0050】
図4は、本発明に係る有機発光表示装置をブロック図で示したものである。本発明に係る表示装置は、表示パネル10、タイミングコントローラ11とデータ駆動回路12、及びゲート駆動回路13を備えることができる。
【0051】
図4の表示装置は、外部電源を用いて、データ駆動回路12とゲート駆動回路13の動作に必要な電圧を生成し、および、高電位駆動電圧と低電位駆動電圧を生成し、表示パネル10にこれらの電圧を印加する電源回路(図示せず)をさらに含んでもよい。また、表示装置は、タッチセンサを駆動するためのタッチ駆動回路(図示せず)をさらに備えることができる。
【0052】
表示パネル10には、垂直方向(第1方向)に進行する複数のデータライン14とセンシングライン14とフォトライン14、及び水平方向(第2方向)に進行する複数のゲートライン15が交差し、データラインとゲートラインが交差する交差領域ごとにピクセル(PXL)がマトリックス形態に配置されてピクセルアレイを形成する。
【0053】
複数のゲートライン15は、データ電圧印加を制御するためのスキャン信号(SCAN)が供給される複数の第1ゲートラインとピクセル(PXL)とセンシングラインの接続を制御するためのセンス信号(SENS)が供給される複数の第2ゲートラインを含められる。しかしながら、スキャン信号とセンス信号が同位相の場合には、第1及び第2ゲートラインは、1つに統一され得る。
【0054】
ピクセルアレイにおいて、同じ水平線に配置されるピクセル(PXL)のそれぞれは、データライン14の内の1つ、センシングライン14の内の1つ、第1ゲートラインの内の1つ、および、第2ゲートラインの内の1つに接続されてピクセルラインを形成する。
【0055】
1つのピクセルユニットに含まれた複数のピクセルは、1つのセンシングライン14を共有することができる。ピクセルユニットは赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、青色サブピクセルを含む3つのサブピクセルまたは赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、青色サブピクセル、白色サブピクセルを含む4つのサブピクセルで構成され得るが、これに限定されない。
【0056】
また、表示パネル10には、1つのピクセルユニットごとに1つのフォトセンサ(PS)が配置されたり、または水平方向にn個と垂直方向にm個のピクセルユニットグループに1つのフォトセンサ(PS)が配置されてもよい。各フォトセンサ(PS)は、水平方向に進行するフォトライン14の内の1つに接続され、水平方向に進行するゲートライン15の内、1つまたは2つ(
図2でSCAN1、SCAN2)に接続することができる。また、各フォトセンサには、所定の電圧ライン(
図2でV11、V22)が接続することができる。フォトセンサはフォトTFT、キャパシタ、スイッチングTFTで構成すれ得る。
【0057】
ピクセル(PXL)は、第1ゲートラインを介して入力されるスキャン信号(SCAN)に応答してデータライン14と電気的に接続され、データ電圧を受信し、第2ゲートラインを介して入力されるセンス信号(SEN)に応答してセンシングユニット(SU)から基準電圧(Vref)を受信し、または、センシングユニット(SU)に駆動TFT(DT)のソース電圧を出力することができる。同じピクセルラインに配置されたピクセルは、第1ゲートラインから入力されるスキャン信号と同じ第2ゲートラインから入力されるセンス信号に応答して同時に動作する。
【0058】
ピクセルは、電源生成部から高電位駆動電圧(EVDD)と低電位駆動電圧(EVSS)の供給を受け、発光素子、駆動トランジスタ、ストレージキャパシタ、複数のスイッチングトランジスタを備えることができる。発光素子は、無機電界発光素子または有機発光ダイオード素子(OLED)であってよい。以下では、便宜上、OLEDを例に挙げて説明する。
【0059】
ピクセルは、内部補償回路をさらに含むことができる。内部補償回路は、1つまたは複数のスイッチングTFTと1つまたは複数のキャパシタを含み、駆動TFTのゲート電極を初期化した後、駆動TFTのしきい値電圧と電子移動度をセンシングして、データ電圧を補償する。内部補償回路は、いずれの実施形態にも適用可能である。
【0060】
ピクセルを構成するトランジスタ(またはTFT)は、P型またはN型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)構造で実現されるか、またはP型とN型の混用されたハイブリッド型で実現され得る。さらに、TFTの半導体層は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、または酸化物を含められる。以下の実施形態においてN型トランジスタを例示するが、本発明はこれに限定されない。
【0061】
トランジスタは、ゲート(gate)、ソース(source)及びドレイン(drain)を含む3電極素子である。ソースは、キャリア(carrier)をトランジスタに供給する電極である。トランジスタ内でキャリアは、ソースから流れ始める。ドレインはトランジスタでキャリアが外部に出る電極である。つまり、MOSFETでのキャリアの流れは、ソースからドレインに流れる。
【0062】
N型MOSFET(NMOS)の場合、キャリアが電子(electron)であるため、ソースからドレインに電子が流れるように、ソース電圧はドレイン電圧より低い電圧を有する。N型MOSFETで電子がソースからドレインに流れるため、電流の方向は、ドレインからソースの方向である。P型MOSFET(PMOS)の場合、キャリアが正孔(hole)であるため、ソースからドレインに正孔が流れるように、ソース電圧はドレイン電圧より高い電圧を有する。P型MOSFETの場合、正孔がソースからドレインに流れるため、電流はソースからドレインに流れる。
【0063】
MOSFETのソースとドレインは、固定されたものではない。例えば、MOSFETのソースとドレインは、印加電圧に応じて変更され得る。以下の実施形態において、トランジスタのソースとドレインによって発明が限定されてはならず、ソース電極とドレイン電極を区別せずに、第1及び第2電極と称することもある。
【0064】
表示パネル10にタッチセンサを配置することができる。タッチ入力を別のタッチセンサを用いて、センシングしたり、ピクセルを介してセンシングしてもよい。タッチセンサは、オン-セル(On-cell type)またはアドオン型(Add on type)で表示パネル10上に配置されてもよく、ピクセルアレイに内蔵されるイン-セル型(In-cell type)タッチセンサとして実現してもよい。
【0065】
タイミングコントローラ11は、外部ホストシステム(図示せず)から伝達される映像データ(RGB)をデータ駆動回路12に供給する。タイミングコントローラ11は、ホストシステムから垂直同期信号(Vsync)、水平同期信号(Hsync)、データイネーブル信号(Data Enable、DE)、ドットクロック(DCLK)などのタイミング信号を受信し、データ駆動回路12とゲート駆動回路13の動作タイミングを制御するための制御信号を生成する。制御信号は、ゲート駆動回路13の動作タイミングを制御するためのゲートタイミング制御信号(GDC)とデータ駆動回路12の動作タイミングを制御するためのデータタイミング制御信号(DDC)を含む。
【0066】
タイミングコントローラ11は、ピクセルの駆動特性をセンシングし、それに応じた補償値を更新するためのセンシング駆動(または外部補償駆動)と、補償値が反映された入力映像を表示するためのディスプレイ駆動を所定の制御シーケンスに基づいて時間的に分離することができる。
【0067】
タイミングコントローラ11の制御動作により、外部補償駆動は、ディスプレイ駆動の間の垂直ブランク期間(またはバーチカルブランク時間)に行われるか、またはディスプレイ駆動が開始される前のパワーオンシーケンス期間で実行されるか、またはディスプレイ駆動が終わった後のパワーオフシーケンスの期間に実行され得る。
【0068】
垂直ブランク期間は、入力映像データ(DATA)が書き込まれない期間であって、1フレーム分の入力映像データ(DATA)が書き込まれる垂直アクティブ期間の間ごとに配置される。パワーオンシーケンス期間とはシステムの電源がオンされた後から入力映像が表示されるまでの過渡期間をいう。パワーオフシーケンスの期間とは、入力映像の表示が終わった後からシステムの電源がオフになるまでの過渡期間をいう。
【0069】
駆動TFTの特性センシングと補償のための外部補償駆動は、システムの電源が印加される途中で表示装置の画面だけオフされた状態、例えば、待機モード、スリープモード、低電力モードなどで実行されてもよい。タイミングコントローラ11は、所定の感知プロセスに基づいて待機モード、スリープモード、低電力モードなどを感知し、外部補償駆動のための全ての動作を制御してもよい。
【0070】
即ち、タイミングコントローラ11は、外部補償駆動によるデジタルセンシングデータ(SD)をデータ駆動回路12から受信し、デジタルセンシングデータ(SD)に基づいて入力デジタルビデオデータ(RGB)を補償して、データ駆動回路12に供給することにより、駆動TFTの電気的特性を補償したり、またはOLEDの劣化を補償することができる。
【0071】
図5は本発明に基づいてフォトセンサの出力データに座標アルゴリズムを適用して座標データを得ることを概念的に示したものである。
【0072】
タイミングコントローラ11は、ディスプレイ駆動するディスプレイ期間に、フォトセンサの出力信号をタッチまたはポインタ入力信号で検出するフォトセンシング駆動を行ってもよく、フォトセンシング駆動によるデジタルフォトデータ(PD)をデータ駆動回路12から受信し、これに所定の座標アルゴリズムを適用してフォトセンサを介した入力に相当する座標データを生成し、これを接続されたホストシステムに伝送して、タッチ入力またはポインタの入力として使用することができる。
【0073】
即ち、タイミングコントローラ11は、入力されるデジタルフォトデータ(PD)を基準値と比較して、基準値を超えるデジタルフォトデータ(PD)を出力するフォトセンサにタッチやポインタ入力があると判断し、そのフォトセンサの座標を求めることができるが、1つのクラスタを構成する複数のフォトセンサから出力されるデジタルフォトデータ(PD)が基準値より大きいとき、その領域にタッチまたはポインタ入力があることをさらに明確に判断し、その領域の中心座標を計算することができる。
【0074】
ホストシステムは、タイミングコントローラ11から、デジタルフォトデータ(PD)に相当する座標情報の伝達を受け取ったら、その座標に発生するタッチによる動作を実行するか、またはその座標にタッチまたはポインタ入力があることを表現するイメージ(例えば所定の大きさの赤い丸)を生成し、表示パネル10に表示する映像データに重畳し、重畳された映像データをタイミングコントローラ11に出力することができる。
【0075】
データ駆動回路12は、タイミングコントローラ11の制御に基づいてタイミングコントローラ11から入力されるデジタルビデオデータ(RGB)をアナログデータ電圧に変換してデータライン14に出力するが、データ電圧は、有機発光素子が示すイメージ信号に相当する値で有り得る。
【0076】
また、データ駆動回路12は、データ制御信号(DDC)に基づいて、外部補償動作を実行するブランク期間に、センシングユニット(SU)を介してセンシングラインでピクセルの駆動特性に相当する電圧をセンシングしADCを介して、デジタルセンシングデータ(SD)に変換してタイミングコントローラ11に出力する。
【0077】
また、データ駆動回路12は、データ制御信号(DDC)に基づいて、ディスプレイの動作を実行するディスプレイ期間に、センシングユニット(SU)を介してフォトラインでフォトセンサ(PS)の出力に該当する電圧をセンシングし、ADCを介して、デジタルフォトデータ(PD)に変換してタイミングコントローラ11に出力する。
【0078】
ゲート駆動回路13は、タイミングコントローラ11の制御に基づいて、ゲート制御信号(GDC)に基づいて、スキャン信号とセンス信号を生成するが、スキャン信号とセンス信号を行順次方式で生成してピクセルラインごとに接続された第1及び第2ゲートラインに順次提供できる。
【0079】
ゲート駆動回路13は、シフトレジスタ、シフトレジスタの出力信号をピクセルのTFT駆動に適したスイング幅に変換するためのレベルシフター及び出力バッファなどをそれぞれ含む複数のゲートドライブ集積回路で構成され得る。または、ゲート駆動回路13は、GIP(Gate Drive IC in Panel)方式で表示パネル10の下部基板に直接形成することもできる。GIP方式の場合、レベルシフターはPCB(Printed Circuit Board)上に実現され、シフトレジスタは、表示パネル10の下部基板に形成され得る。
【0080】
モバイル機器やウェアラブル機器においてデータ駆動回路12、ゲート駆動回路13、タッチ駆動回路などの駆動回路、タイミングコントローラ11及び、電源回路は、1つの集積回路に集積できる。
【0081】
図6は、本発明の一実施形態に基づいて表示パネルに装着されるピクセル回路とフォトセンシング回路が、ソースドライブICに内蔵されたセンシングユニットに接続されることを示したものであり、表示パネルには、2つの連続するピクセルライン(PL#1、PL#2)にそれぞれピクセルとフォトセンサが配置されている。
【0082】
ピクセル(PXL)は、発光ダイオード、駆動TFT(DT)、ストレージキャパシタ(CST)、第1スイッチングTFT(ST1)及び第2スイッチングTFT(ST2)を含めて構成され得る。
【0083】
発光ダイオード、例えば、有機発光ダイオード(OLED)は、第2ノード(N2)に接続されたアノード電極、低電位駆動電圧(EVSS)の入力端に接続されたカソード電極、アノード電極とカソード電極との間に位置する有機化合物層を含む。
【0084】
駆動TFT(DT)は、ゲート-ソース間電圧(Vgs)に応じて、OLEDに入力される電流量を制御するが、第1ノード(N1)に接続されたゲート電極、高電位駆動電圧(EVDD)の入力端に接続された第1電極及び第2ノード(N2)に接続された第2電極を備える。
【0085】
ストレージキャパシタ(CST)は、第1ノード(N1)と第2ノード(N2)との間に接続される。
【0086】
第1スイッチングTFT(ST1)は、スキャン信号(SCAN11、SCAN21)に応答してデータライン(DL)のデータ電圧(Vdata)を第1ノード(N1)に印加し、ゲート電極は、スキャン信号(SCAN11)を出力する第1ゲートライン15に接続され、第1電極は、データライン14に接続し、第2電極は、第1ノード(N1)に接続される。
【0087】
第2スイッチングTFT(ST2)は、センス信号(SENS1、SENS2)に応答して、第2ノード(N2)とセンシングライン(SL)との間の接続を制御する。第2スイッチングTFT(ST2)は、第2ゲートライン15に接続されたゲート電極、センシングライン(SL)に接続された第1電極及び第2ノード(N2)に接続された第2電極を備える。
【0088】
フォトセンサ(Photo Sensor)は、フォトTFT(PT)、第3スイッチングTFT(ST3)及びフォトキャパシタ(CPT)を含めて構成され得る。
【0089】
フォトTFT(PT)は、フォト半導体層に入射される光エネルギーを電気エネルギーに変換するのに、ゲート電極が第1ゲートライン15の内、1つに接続され、第1電極が第1電圧(V11)の入力端に接続され、第2電極がフォトキャパシタ(CPT)の第1電極に接続される。
【0090】
フォトTFT(PT)で生成される電流を充電するフォトキャパシタ(CPT)は、第1電極がフォトTFT(PT)の第2電極に接続され、第2電極は、第2電圧(V22)の入力端に接続することができる。
【0091】
第3スイッチングTFT(ST3)は、フォトキャパシタ(CPT)とフォトライン(PL)の接続を制御するが、ゲート電極は、第1ゲートライン15の内、他の1つに接続され、第1電極は、フォトキャパシタ(CPT)の第1電極に接続され、第2電極は、フォトライン(PL)に接続される。
【0092】
フォトTFT(PT)と第3スイッチングTFT(ST3)は、それぞれゲート駆動回路13が出力するスキャン信号の内の1つを用いることができ、同じピクセルラインに供給されるスキャン信号を用いるか、他のピクセルラインに供給されるスキャン信号を用いることができる。
【0093】
ソースドライブIC(S-IC)は、DAC、センシングユニット(Sensing Unit)及びADCを含められる。
【0094】
データライン(DL)に接続されるDACは、ディスプレイ駆動時、データ制御信号(DDC)に基づいてタイミングコントローラ11から印加される入力映像データ(DATA)をディスプレイ用のデータ電圧(Vdata)に変換して、データライン(DL)に供給する。ディスプレイ用のデータ電圧(Vdata)は、入力映像の階調に応じて変わる電圧である。
【0095】
DACは、外部補償駆動時、データ制御信号(DDC)に基づいてセンシング用データ電圧を生成して、データライン(DL)に供給する。センシング用データ電圧は、外部補償駆動時のピクセル(PXL)に供給された駆動TFT(DT)をターン-オンさせることができる電圧である。センシング用データ電圧は、すべてのピクセルに対して同じ値で生成するか、カラーごとにピクセルの特性が相違することを考慮して、カラーごとに異なる値で生成されることができる。
【0096】
センシングユニット(Sensing Unit)は、外部補償駆動時、データ制御信号(DDC)をベースに、センシングライン(SL)に基準電圧(Vref)を供給し、またはセンシングライン(SL)のセンシングラインキャパシタ(C
SL)に格納される、ピクセル(PLX)の第2ノード(N2)の電圧(OLEDや駆動TFTの電気的特性値)をサンプリングしホールディングしてADCに供給することができる。センシングユニットは、電流センシング型または電圧センシング型で実現されるが、
図6では、電圧センシング型を示す。
【0097】
また、センシングユニットは、ディスプレイ駆動時、フォトライン(PL)を通じて流れる電流(フォトセンサが入射光を電荷に変換し、電荷はフォトキャパシタ(CPT)に蓄積され、フォトキャパシタ(CPT)の電荷がフォトラインPLを通じて流れる電流を生じさせる)を増幅してADCに供給できる。
【0098】
センシングユニットは、第5スイッチングTFT(ST5)、第6スイッチングTFT(ST6)、第7スイッチングTFT(ST7)及びバッファ(Buffer)を含められる。
【0099】
第5スイッチングTFT(ST5)は、ピクセルに基準電圧(Vref)を供給することを制御し、ゲート電極は、第1スイッチング信号(SW1)の供給を受け、第1電極は、基準電圧(Vref)の入力端に接続され、第2電極は、センシングライン(SL)に接続する。
【0100】
第6スイッチングTFT(ST6)は、センシングライン(SL)とADCの接続を制御する。第6スイッチングTFT(ST6)では、ゲート電極は第2スイッチング信号(SW2)を受信し、第1電極は、センシングライン(SL)に接続され、第2電極はADCに接続される。
【0101】
第7スイッチングTFT(ST7)は、フォトライン(PL)とバッファ(Buffer)の接続を制御する。第7スイッチングTFT(ST7)では、ゲート電極は第3スイッチング信号(SW3)を受信し、第1電極はフォトライン(PL)に接続され、第2電極はバッファ(Buffer)に接続される。
【0102】
バッファ(Buffer)は、フィードバックキャパシタ(図示せず)によってフォトライン(PL)を介して入力されるフォトセンサの出力電流を積分し増幅してADCに伝達する。
【0103】
ADCはセンシングユニットが出力する電圧をデジタルデータに変換し、複数のセンシングユニットは1つのADCに順次接続され得る。したがって、ADCは、ディスプレイ期間には、複数のフォトライン(PL)から順次フォトセンシング信号を受信し、デジタルフォトデータ(PD)に変換して出力する。ブランク期間には、複数のセンシングライン(SL)から順次に第2ノード(N2)の電圧を受信し、デジタルセンシングデータ(SD)に変換して出力できる。
【0104】
図7は、
図6のセンシングユニットを構成するスイッチの動作タイミングを示すものであり、
図8は、
図6のピクセル回路とフォトセンシング回路を構成するスイッチの動作タイミングを示すものである。
【0105】
1フレームを、映像データを表示パネル10に表示するディスプレイ駆動とフォトセンサに蓄積された電圧を検出するフォトセンシング駆動を行うディスプレイ期間(垂直アクティブ期間(Display Period))と外部補償駆動を行うブランク期間(Blank Period)に分割することにより、1フレームが駆動される。
【0106】
図7において、ブランク期間(Blank Period)に、ターン-オフレベルの第1スイッチング信号(SW1)に基づいて、第5スイッチングTFT(ST5)はセンシングライン(SL)に基準電圧(Vref)を供給せず、ターン-オンレベルの第2スイッチング信号(SW2)に基づいて、第6スイッチングTFT(ST6)はセンシングライン(SL)をADCに接続し、ターン-オフレベルの第3スイッチング信号(SW3)に基づいて、第7スイッチングTFT(ST7)はフォトライン(PL)とバッファ(Buffer)の接続を切る。
【0107】
また、ブランク期間(Blank Period)に、外部補償駆動を行うピクセルライン(
図7でi番目のピクセルライン)の第2ゲートライン15にターン-オンレベルのセンス信号(SENS(i))が印加され、そのピクセルラインのピクセルとセンシングライン(SL)とを接続する。
【0108】
表示装置は、ブランク期間(Blank Period)にピクセルの駆動特性をセンシングする外部補償動作を実行する。つまり、ブランク期間(Blank Period)に、データ駆動回路12は、データライン(14、DL)を介してi番目のピクセルラインに属するすべてのサブピクセルまたは一部のサブピクセルにセンシング用データ電圧を印加し、ゲート駆動回路13は、i番目のピクセルラインの第1ゲートライン15にスキャンパルスを印加して、第1スイッチングTFT(ST1)をターン-オンさせてデータライン(DL)のセンシング用データ電圧を駆動TFT(DT)のゲート電極(N1)に印加し、したがって、駆動TFT(DT)がターン-オンされて駆動TFT(DT)に電流が流れる。第2ノード(N2)では、センシング用データ電圧と駆動TFT(DT)のしきい値電圧の差分に相当する電圧が形成され、センシングユニットが第2スイッチングTFT(ST2)、センシングライン(SL)及び第6スイッチングTFT(ST6)を経て、第2ノード(N2)の電圧をセンシングし、ADCがこれをデジタルセンシングデータ(SD)に変換して出力する。
【0109】
ディスプレイ期間(Display Period)では、1水平期間(1H)周期のデータイネーブル信号(DE)に合わせてすべてのピクセルラインに順次データ電圧を印加する。
図7において、ディスプレイ期間に、ターン-オンレベルの第1スイッチング信号(SW1)に基づいて、第5スイッチングTFT(ST5)はセンシングライン(SL)に基準電圧(Vref)を印加し、ターン-オフレベルの第2スイッチング信号(SW2)に基づいて、第6スイッチングTFT(ST6)はセンシングライン(SL)とADCの接続を切り、ターン-オンレベルの第3スイッチング信号(SW3)に基づいて、第7スイッチングTFT(ST7)はフォトライン(PL)とバッファ(Buffer)とを接続する。
【0110】
表示装置は、ディスプレイ期間に、最初のピクセルライン(PL#1)から最後のピクセルラインまで順次、各ピクセルラインに含まれたピクセル(PXL)にデータ電圧を書き込み、OLEDを発光させて映像データを表示パネル10に表示し、最初のピクセルライン(PL#1)から最後のピクセルラインまで順次、各ピクセルラインに含まれた(または所定のピクセルライン間隔で配置された)フォトセンサ(Photo Sensor)のスイッチを制御してフォトセンサに入力される光をフォトキャパシタ(CPT)に蓄積しフォトライン(PL)に印加し、センシングユニットとADCを介して、デジタルフォトデータ(PD)に出力するフォトセンシング駆動を行う。
【0111】
図8において、ゲート駆動回路13は、1水平期間(1H)の間隔で、最初のピクセルライン(PL#1)から最後のピクセルラインまで順次、各ピクセルラインのピクセルにスキャン信号とセンス信号を出力する。
【0112】
つまり、ゲート駆動回路13は、最初の水平期間で、最初のピクセルライン(PL#1)の第1ゲートライン15にパルス幅が1Hであるスキャン信号(SCAN11)を印加して第1スイッチングTFT(ST1)をターン-オンさせデータライン(DL)のデータ電圧が第1ノード(N1)に印加されるようにし、最初のピクセルライン(PL#1)の第2ゲートライン15にパルス幅が1Hより小さいセンス信号(SENS1)を印加して第2スイッチングTFT(ST2)をターン-オンさせセンシングライン(SL)の基準電圧(Vref)が第2ノード(N2)に印加されるようにする。ターン-オンレベルのセンス信号(SENS1)が印加される間、OLEDは、基準電圧(Vref)に初期化されるので、初期化期間と呼ぶ。
【0113】
最初の水平期間の中盤以降に、スキャン信号(SCAN11)がターン-オンレベルを維持し、センス信号(SENS1)がターン-オフレベルに変わると、駆動TFT(DT)には、初期化期間に設定されたゲート-ソース間電位差(Vgs)に相当する電流が流れ、これに駆動TFT(DT)のソース電極である第2ノード(N2)の電位は、駆動TFT(DT)のゲート電極である第1ノード(N1)に印加されたデータ電圧の方向に上昇して、所望する階調レベルに合わせて駆動TFT(DT)のゲート-ソース間の電位差(Vgs)をプログラミングするため、センシング期間に相当する。
【0114】
2番目の水平期間にスキャン信号(SCAN11)がターン-オフレベルに変わると、第1ノード(N1)と第2ノード(N2)の電位は、センシング期間にプログラミングされた電位差(Vgs)を維持しながら、OLEDのしきい値電圧以上の電圧レベルまで上昇した後に維持され、駆動TFT(DT)のゲート-ソース間の電位差(Vgs)に相当する駆動電流がOLEDを介して流れ、その結果OLEDが発光して、所望する階調が実現され、この期間は、発光期間に相当する。
【0115】
最初のピクセルライン(PL#1)のピクセルと同様に、2番目の水平期間において、2番目のピクセルライン(PL#2)のピクセルに
図8に示すようなスキャン信号(SCAN21)とセンス信号(SENS2)が印加され、ピクセルにデータ電圧を印加して、OLEDを初期化し、また、駆動TFT(DT)のゲート-ソース間の電位差(Vgs)をプログラミングし、3番目の水平期間に2番目のピクセルラインのピクセルが発光する。
【0116】
一方、最初のピクセルライン(PL#1)に配置されたフォトセンサの第3スイッチングTFT(ST3)のゲート電極には、最初のピクセルライン(PL#1)の第1ゲートライン15に印加されるスキャン信号(SCAN11)が最初の水平期間に印加され、最初のピクセルライン(PL#1)に配置されたフォトセンサのフォトTFT(PT)のゲート電極には、3番目のピクセルライン(PL#3)の第1ゲートラインに印加されるスキャン信号が3番目の水平期間に印加される。
【0117】
最初のピクセルライン(PL#1)に配置されたフォトセンサは、最初の水平期間に、フォトキャパシタ(CPT)に貯蔵された電荷をフォトライン(PL)とセンシングユニットの第7スイッチングTFT(ST7)を介してセンシングユニットのバッファ(Buffer)に伝達し、バッファ(Buffer)は、これを積分して増幅し、ADCがこれをデジタルフォトデータ(PD)に変換してタイミングコントローラ11に出力する。
【0118】
同様に2番目のピクセルライン(PL#2)に配置されたフォトセンサの第3スイッチングTFT(ST3)のゲート電極に、2番目のピクセルライン(PL#2)の第1ゲートライン15に印加されるスキャン信号(SCAN21)を2番目の水平期間において印加し、2番目のピクセルライン(PL#2)に配置されたフォトセンサのフォトTFT(PT)のゲート電極に、4番目のピクセルライン(PL#4)の第1ゲートラインに印加されるスキャン信号を第4の水平期間において印加する。したがって、2番目のピクセルライン(PL#2)に配置されたフォトセンサは、2番目の水平期間においてフォトキャパシタ(CPT)に貯蔵された電荷に相当するデジタルフォトデータ(PD)を出力することができる。
【0119】
フォトセンサの第3スイッチングTFT(ST3)のゲート電極とフォトTFT(PT)のゲート電極にピクセルラインに印加するスキャン信号を印加する時、互いに少なくとも1H以上離隔された二つのスキャン信号を印加してフォトTFT(PT)がターン-オンされてフォトキャパシタ(CPT)に電荷が蓄積される間、フォトキャパシタ(CPT)がフォトライン(PL)に接続されないようにすることができる。
【0120】
フォトセンサの第3スイッチングTFT(ST3)のゲート電極とフォトTFT(PT)のゲート電極に印加するスキャン信号の順序を
図8と異なるようにすることもできるが、フォトTFT(PT)のゲート電極に、第3スイッチングTFT(ST3)のゲート電極に印加するスキャン信号より早いスキャン信号を印加することができる。つまり、最初のピクセルライン(PL#1)に配置されたフォトセンサのフォトTFT(PT)のゲート電極に最初のピクセルライン(PL#1)の第1ゲートライン15に印加されるスキャン信号(SCAN11)を最初の水平期間において印加し、最初のピクセルライン(PL#1)に配置されたフォトセンサの第3スイッチングTFT(ST3)のゲート電極に、3番目のピクセルライン(PL#3)の第1ゲートラインに印加されるスキャン信号(SCAN31)を3番目の水平期間において印加できる。
【0121】
一方、水平解像度が3840であり、垂直解像度が2160である4K表示パネルにおいて6×6ピクセルユニットグループ毎に1つのフォトセンサを配置する場合は、水平方向に640(3840/6)個、垂直方向に360(2160/6)個のフォトセンサを表示パネルに配置することができる。
【0122】
データ駆動回路12に8つのソースドライブICが装着され、各ソースドライブICに1つのADCが配置されると、1つのADCは、6つの水平期間(6H)の間80(640/8)個のセンシングユニットが出力するフォトセンシング信号を処理できる。1水平期間は1s/60frames/2160=7.4μs程度であり6Hは44.4μsである。
【0123】
4Mhzで動作するADCが1つのサンプルを処理するのに0.25μsがかかり、80個のサンプルを処理するのに0.25μs×80=20μsがかかるので、6Hの間にADCが80個のフォトセンシング信号を処理するには何の問題もない。
【0124】
このように、フォトセンシングのための別途の受信ドライブICを削除し、外部補償のためのソースドライブICに統合することで、ドライブICの一体化が可能となり、ADCの数を減らしてコストを削減することができる。また、ドライブICの一体化により、ベゼルのサイズを小さくすることができる。
【0125】
図9は、本発明の他の実施形態に基づいて表示パネルに装着されるピクセル回路とフォトセンシング回路がソースドライブICに内蔵されたセンシングユニットに接続されることを示したものであり、
図10は、
図9のセンシングユニットを構成するスイッチの動作タイミングを示すものである。
【0126】
図9において、フォトセンサのフォトライン(PL)を省略し、フォトセンサをピクセルのセンシングライン(SL)に接続する。
図6の実施形態において、ディスプレイ期間(Display Period)に、センシングライン(SL)を介してセンシングユニットから基準電圧(Vref)をピクセルに印加し、また、フォトセンサのフォトキャパシタ(C
PT)に蓄積された電荷をフォトライン(PL)を介してセンシングユニットに伝達する。
図6とは異なり、
図9の実施形態においては、ディスプレイの期間に、センシングライン(SL)を介した信号伝達が重畳されることがあるので、フォトライン(PL)とセンシングライン(SL)を統合するために、基準電圧(Vref)をピクセルで供給しなければならない。
【0127】
このために、ピクセル回路(PXL)は、第4スイッチングTFT(ST4)をさらに含むが、第4スイッチングTFT(ST4)のゲート電極は、スキャン信号(SCAN14)を出力するゲートライン15に接続され、第1電極は、基準電圧(Vref)の入力端に接続され、第2電極は、第2ノード(N2)に接続される。
【0128】
センシングユニット(Sensing Unit)は、第8スイッチングTFT(ST8)、第9スイッチングTFT(ST9)、第10スイッチングTFT(ST10)、センシングユニットキャパシタ(CSU)及びバッファ(Buffer)から構成され得る。
【0129】
第8スイッチングTFT(ST8)と第9スイッチングTFT(ST9)は、センシングライン(SL)と、ADCの接続を制御する。第8/第9スイッチングTFT(ST8/ST9)のゲート電極は、第4スイッチング信号(SW4)を受信し、第8スイッチングTFT(ST8)の第1電極は、センシングライン(SL)と接続し、第2電極は、センシングユニットキャパシタ(CSU)の第1電極と接続し、第9スイッチングTFT(ST9)の第1電極は、センシングユニットキャパシタ(CSU)の第1電極と接続し、第2電極は、ADCと接続する。
【0130】
センシングユニットキャパシタ(C
SU)は、外部補償駆動時に第2ノード(N2)の電圧を貯蔵するためのもので、
図6の実施形態において、センシングラインキャパシタ(C
SL)の役割をする。センシングユニットキャパシタ(C
SU)の第1電極は、第8スイッチングTFT(ST8)の第2電極と第9スイッチングTFT(ST9)の第1電極に接続される。第2電極は、所定の電圧、例えば、共通電圧を供給する入力端に接続される。
【0131】
第10スイッチングTFT(ST10)は、センシングライン(PL)とADCとの接続を制御するが、ゲート電極は、第5スイッチング信号(SW5)を受信する。第1電極は、センシングライン(SL)に接続され、第2電極は、バッファに接続される。
【0132】
図9の第10スイッチングTFT(ST10)とバッファ(Buffer)は、
図6の第7スイッチングTFT(ST7)とバッファ(Buffer)と同じである。
【0133】
図10では、ブランク期間(Blank Period)において、ターン-オンレベルの第4スイッチング信号(SW4)に基づいて、第8及び第9スイッチングTFT(ST8、ST9)はセンシングライン(SL)をADCに接続し、ターン-オフレベルの第5スイッチング信号(SW5)に基づいて、第10スイッチングTFT(ST10)はセンシングライン(SL)とバッファ(Buffer)との接続を切る。
【0134】
さらに、ブランク期間(Blank Period)において、外部補償駆動を行うピクセルライン(例えば、i番目のピクセルライン)の第2ゲートライン15に、ターン-オンレベルのセンス信号(SENS(i))を印加し、そのピクセルラインに対応するピクセルとセンシングライン(SL)を接続する。しかし、センス信号(SENS)を、ディスプレイ期間(Display Period)において、すべてのピクセルラインに対してターン-オフレベルに印加し、ピクセルとセンシングライン(SL)との接続を切る。
【0135】
図9のセンシングユニットの動作は、
図6のセンシングユニットについて説明したものとほぼ同じで、説明を省略する。
【0136】
第4スイッチングTFT(ST4)のゲート電極に印加されるスキャン信号(SCAN14)は、ブランク期間(Blank Period)においてターン-オフレベルであり、ディスプレイ期間(Display Period)では、
図8のセンス信号(SENS1)のような信号として入力される。つまり、スキャン信号(SCAN14)は、当該ピクセルラインにスキャン信号が入力される水平期間の初期にターン-オンレベルで入力され、水平期間の後半にターン-オフレベルで入力され、当該ピクセルラインのピクセルに初期化期間とセンシング期間とを提供する。
【0137】
やはり、
図9と
図10の実施形態において、ディスプレイ期間にピクセルのOLEDを発光させるディスプレイ駆動とフォトセンサでタッチまたはポインタの入力をセンシングするフォトセンシング駆動とブランク期間にピクセルの駆動特性をセンシングする外部補償駆動は、
図6~
図8を参照し説明したものと同じであるので、説明を省略する。
【0138】
図9の実施形態のようにフォトラインを省略し、センシングラインに統合することにより、ピクセルを通過する配線の数を減らしてピクセルの開口率を向上できる。
【0139】
図11は、本発明の他の実施形態に基づいてフォトセンシング回路の出力を用いて、ピクセルの輝度を補償することを概念的に示したものである。
【0140】
図6~
図10の実施形態は、外部入力を受信するためにフォトセンサを使用する場合に該当する。しかし、ピクセルごとにフォトセンサが配置される場合、対応するピクセルが発光する光をフォトセンサが感知すると、これをピクセルの輝度を補償するために使用できる。
【0141】
OLED発光層とTFTアレイが垂直に積層される垂直積層構造において、OLED発光層から放射される光は、表示パネル10の表面だけでなく、TFTアレイの方向に進行するので、TFTアレイに配置されるフォトセンサのフォトTFTは、対応するピクセルが発光する光に相当する電気信号を出力することができる。
【0142】
OLED発光層とTFTアレイが水平に配置される構造においても、OLED発光層から放射される光は、バンク(Bank)を横切って水平方向に進行してフォトセンサに進入することができるが、隣接するピクセルで発光する光がフォトセンサに進入しないように、セル境界にあるバンクにコーティング処理することもできる。
【0143】
フォトセンサは、対応するピクセルが発光する期間中、または発光する期間の一部の間に入射する光を用いて、キャパシタに電荷を貯蔵しなければならない。したがって、
図6や
図9のフォトセンサでフォトTFT(PT)のゲート電極に、対応するピクセルが発光する間ターン-オンレベルの信号を印加する必要がある。
【0144】
図8において、最初のピクセルライン(PL#1)に配置されるピクセルは、最初の水平期間に初期化とサンプリングが行われ、2番目の水平期間から発光が行われる。したがって、最初のピクセルライン(PL#1)に配置されるフォトセンサのフォトTFT(PT)は、2番目の水平期間以後に動作する必要があり、フォトTFT(PT)のゲート電極には2番目のピクセルライン(PL#2)の第1ゲートライン15に印加されるスキャン信号(SCAN21)または3番目のピクセルライン(PL#3)の第1ゲートライン15に印加されるスキャン信号(SCAN31)が印加され得る。
【0145】
フォトキャパシタ(CPT)に蓄積された電荷をフォトライン(PL)に印加するためのフォトセンサの第3スイッチングTFT(ST3)は、フォトTFT(PT)が動作する時間の後に動作する必要がある。しかし、最後のピクセルラインのフォトセンサの場合、フォトセンサの第3スイッチングTFT(ST3)が動作する時間を確保することが難しいため、フォトTFT(PT)が動作するフレームではない、次のフレームにおいて、第3スイッチングTFT(ST3)がフォトキャパシタ(CPT)に蓄積された電荷をフォトライン(PL)に印加するほうが有利である。
【0146】
また、フォトセンサが配置されるピクセルラインから遠いピクセルラインからスキャン信号を引き出すことは、ピクセル配線構造を複雑にし、開口率を下げる問題を発生させ得る。
【0147】
したがって、
図8に示すように、最初のピクセルライン(PL#1)において、スキャン信号(SCAN12)が制御する第3スイッチングTFT(ST3)は、最初のピクセルラインに配置された対応するピクセルの発光(この発光は、前のフレームにおいて同じピクセルライン(PL#1)に印加されたスキャン信号(SCAN11)を使用することにより発生する)によってフォトキャパシタ(C
PT)に蓄積された電荷をフォトライン(PL)に伝達できる。また、フォトTFT(PT)は、二つの水平期間後(または2つのピクセルラインの下ピクセルラインに)印加されるスキャン信号(SCAN31)をスキャン信号(SCAN13)として用いて、現在のフレームに最初のピクセルラインに配置される対応するピクセルが発光する光エネルギーを電気エネルギーに変えてフォトキャパシタ(C
PT)に電荷として蓄積できる。
【0148】
タイミングコントローラ11は、所定数の階調別映像データと輝度の関係を格納するルックアップテーブル(LUT)を管理し、ルックアップテーブルにおいて輝度はフォトセンサが出力するデジタルフォトデータ(SD)の形で管理できる。タイミングコントローラ11は、ピクセルに印加した映像データとその映像データのピクセルを発光させてフォトセンサが検出したデジタル映像データ(PD)をルックアップテーブル(LUT)に格納された値と比較し、比較にしたがってピクセルの電気的特性の変化を判断し、そのピクセルの駆動特性を補償するためにピクセルに印加する映像データを変更できる。
【0149】
このように、フォトセンサを用いて、実際出力される輝度に基づいて、ピクセルの発光特徴の変化を補償することができるようになる。
【0150】
以上説明した内容を通じて当業者であれば、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で様々な変更及び修正が可能であることを知ることができる。したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定まれるべきである。