(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】医薬品及び化学分野における、袋から内容物を取り出すための取り出しユニット
(51)【国際特許分類】
B65B 69/00 20060101AFI20220225BHJP
【FI】
B65B69/00 B
(21)【出願番号】P 2019504970
(86)(22)【出願日】2017-07-24
(86)【国際出願番号】 EP2017068674
(87)【国際公開番号】W WO2018019785
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-07-15
(31)【優先権主張番号】102016000078602
(32)【優先日】2016-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519027925
【氏名又は名称】アイ.エム.エー. インダストリア マッキーネ アウトマティケ ソシエタ ペル アチオニ
【氏名又は名称原語表記】I.M.A. INDUSTRIA MACCHINE AUTOMATICHE S.P.A.
【住所又は居所原語表記】VIA EMILIA 428-442, 40064 OZZANO DELL’EMILIA BOLOGNA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】特許業務法人森脇特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガブシ ガブリエーレ
(72)【発明者】
【氏名】トレッビ クラウディオ
【審査官】武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-254939(JP,A)
【文献】実開昭60-76609(JP,U)
【文献】実開昭55-30203(JP,U)
【文献】実開昭64-32310(JP,U)
【文献】国際公開第02/074632(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第103043271(CN,A)
【文献】独国特許出願公開第102014201966(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102014201967(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0134068(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102011080289(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0182742(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104816860(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品及び化学分野における、内容物(A)を袋(B)から取り出すための取り出しユニットであって、前記袋(B)は2枚の対向するフラップで形成される開口端部を有し、
前記取り出しユニットは、互いに異なる清浄度クラスを有する第1環境(7)と、第2環境(8)と、を分離する分離壁(6)を備え、
前記分離壁(6)は、第1環境(7)及び第2環境(8)とを連通する開口部(5)を備え、
前記開口部(5)において、前記開口部(5)が閉じられた閉位置と、前記開口部(5)が開いている開位置との間で移動可能な閉鎖隔壁(9)を有し、
前記取り出しユニットは、前記第1環境(7)内に収納され、前記袋(B)の前記開口端部の前記フラップを閉じたままに保つことができるグリッパー(2)を備え、
前記閉鎖隔壁(9)のそれぞれは、前記グリッパー(2)の各顎部(11)と連結するための結合要素(10)を備え、
前記グリッパー(2)の前記顎部(11)及び前記閉鎖隔壁(9)の前記結合要素(10)のうち少なくとも1つには、前記袋(B)のための少なくとも1つの保持装置(15)が備えられており、
前記閉鎖隔壁(9)が離隔することにより、前記グリッパー(2)の前記顎部(11)が離隔し、前記保持装置(15)により前記袋(B)の前記開口端部が続いて開き、前記開口部(5)を介して前記袋内部及び前記内容物が、前記第2環境(8)と通じることを特徴とする、取り出しユニット。
【請求項2】
前記グリッパー(2)は、前記第1環境(7)に収納された操作装置(3)と一体化されていることを特徴とする、請求項1記載の取り出しユニット。
【請求項3】
前記操作装置(3)は、前記袋(B)を支持する支持部材(4)を備え、
前記操作装置(3)は、前記開口部(5)の付近に前記支持部材(4)を移動させる経路に沿って移動可能であることを特徴とする、請求項2記載の取り出しユニット。
【請求項4】
アクチュエータによって制御される握持ユニット(12)を備え、
前記握持ユニット(12)は前記第2環境(8)内に設置されており、前記握持ユニット(12)が前記第2環境(8)内に完全に収容された縮退配置と、前記閉鎖隔壁(9)が開
位置にある時に、前記開口部(5)を介して前記握持ユニット(12)が前記第1環境(7)突き出た伸長配置との間で移動可能であることを特徴とする、請求項
3記載の取り出しユニット。
【請求項5】
前記第2環境(8)内に前記内容物(A)を引き込むために、前記握持ユニット(12)の端部(13)は、前記伸長配置において、前記袋(B)の前記内容物(A)を取り外し可能に把持することを特徴とする、請求項4記載の取り出しユニット。
【請求項6】
前記閉鎖隔壁(9)が開位置にあるとき、前記開口部(5)を介して前記第1環境(7)から前記第2環境(8)へ前記内容物(A)を移動させるために、前記袋(B)内の前記内容物(A)の側面を捕らえるように配置されるプッシャー(14)を備えることを特徴とする、請求項
3乃至5のいずれか一項記載の取り出しユニット。
【請求項7】
前記プッシャー(14)は、前記操作装置(3)に結合されることを特徴とする、請求項6記載の取り出しユニット。
【請求項8】
前記袋(B)のための前記支持部材(4)は、
前記保持装置(15)により前記袋(B)が開いた状態で、
前記内容物(A)が前記袋(B)の中で安定した実質的に水平な配置と、前記内容物(A)が前記開口部(5)を介して前記第2環境(8)に摺動することができる傾斜した配置との間で、前記操作装置(3)により、方向付されることを特徴とする、請求項
3乃至7のいずれか一項記載の取り出しユニット。
【請求項9】
前記操作装置(3)は、前記支持部材(4)に対して前記袋(B)の前記内容物(A)を保持する係止装置を備えることを特徴とする、請求項
3乃至8のいずれか一項記載の取り出しユニット。
【請求項10】
前記閉鎖隔壁(9)が前記開
位置にあるとき、前記第2環境(8)は、前記第1環境(7)の清浄度クラス及び内圧より高い清浄度クラス及び内圧を有し、前記第2環境(8)の気体が前記第1環境(7)へ流出することを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項記載の取り出しユニット。
【請求項11】
前記少なくとも1つの保持装置(15)は、前記袋(B)のシートと結合する吸着カップを備えることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項記載の取り出しユニット。
【請求項12】
前記グリッパー(2)は、前記袋(B)の前記開口端部の前記フラップを密封して閉じた状態に保つことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項記載の取り出しユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、医薬品及び化学分野における、袋の中の内容物を取り出す取り出しユニットである。
【背景技術】
【0002】
特定の利点のある袋の目的は、容器(例えばバイアル、薬瓶、シリンジ、カープル等)を収納することと、外部環境から分離することである。
【0003】
これらの容器は、残留物が(塵等も)容器内部に存在しないことを確実とし、表面からすべての汚染物質を除去するために、洗浄及び殺菌処理を受ける。
【0004】
これらの容器はまた、通常ネストに集められ、ネストもまた、類似の洗浄及び殺菌処理を受ける。
【0005】
ネストは次に殺菌済のタブに配置され、塵又は他の微粒子が容器(外側へ開いた上部開口部がある)へ侵入するのを防止する目的を有する保護シートによって覆われる。
【0006】
タブ(保護ホイル、ネスト、及び容器を含む)の上縁は、外部とタブの内部とを完全に分離するために、取り外せないように密封フィルムが取り付けられる。
【0007】
このように閉じられたタブは、(タブと密封フィルムの外側もいずれにせよ殺菌済でなければならないので)第2の保護バリアを構成する、通常重合材料で作成される袋の中に配置される。
【0008】
このようにして、容器が望まず汚染されないことが保証され、このように包装される容器を運搬することができる。
【0009】
一旦、さまざまな種類の特定物質が充填される工場に容器が到着すると、まずは容器を袋を開封するステーションへ、その後開口フィルムが除去されるステーションへ、最後は容器をそれぞれの充填位置まで移動させるために、容器を操作することが必要となる。
【0010】
これらの作業は、特定の微粒子(パーティクル)の清浄度クラスを有する環境で実行される(充填動作は汚染リスクが最も低い環境で行われる)。
【0011】
環境及び生成物は、認証ISO14644/1に従って定義される清浄度クラスによって特定される。つまり、最も高い清浄度クラス(微粒子が最少数の環境)は実質的に、少なくとも「ISO 5Class」(又はISO 4、3、2、1Classも可)と定義される環境である。
【0012】
袋開封作業は、袋が運搬される環境より汚染リスクが低い環境で実施されるのが適切である。一方で、保護フィルムを除去するために更なる制約をステップに課すことによって、汚染リスクが最も低い環境(例えば、清浄度クラスがISO Class5以下の環境)でのみ、タブの保護フィルムが取り除かれる。
【0013】
袋内部の雰囲気でさえ非常に低い清浄度クラスの値(故にISO Class5以下)であると明記する。
【0014】
従って、包装体の運搬及び分配工程全体で最も繊細な作業の1つは、袋の内容物(すなわち、充填容器を保持するネストが収納されるタブ)が、汚染リスクが高い環境からリスクの低い環境(雰囲気中の微粒子及び汚染物質が最小)へ運搬される際に生じることは明白である。
【0015】
それらの環境は、異なる清浄度クラスにより識別される。ここで、さらに制限的パラメータを備えたクラス(Class)は、その相対雰囲気中の微粒子及び汚染物質の最小数を意味する。
【0016】
袋の内容物が清浄度クラスが低い環境に引き出される場合、内容物(上記で説明した具体的場合における、タブ)は、微粒子等が存在し得る汚染にさらされる。
【0017】
逆に、高い清浄度クラスを有する環境で袋から内容物を取り出すことは、微粒子が潜在的に堆積しているかもしれない表面(袋の外側)を導入することを意味するので、環境が汚染されることになる。
【0018】
袋からの内容物の取り出しが、2つの環境を分離している壁にある開口部付近で実行されることが知られている。しかしこの前提は、内容物が、低い清浄度クラスを有する環境に短い時間さらされ、汚染される可能性を示唆する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の主要な目的は、袋の内容物の汚染リスクを最低限にする医薬品及び化学分野に関する袋からの内容物取り出しユニットを提供することによって、上記の課題を解決することである。
【0020】
この課題の範囲内で、本発明の目的の1つは、袋から取り出すの間の袋の内容物の汚染リスクを最低限にする、医薬品及び化学分野のための袋からの内容物の取り出しユニットを提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、袋の内容物が、袋の内容物が処理される作業環境に要求されるより低い汚染レベルに分類される環境に決してさらされない、医薬品及び化学分野のための袋から内容物の取り出しユニットを提供することである。
【0022】
本発明の更なる目的は、コストの削減及び比較的シンプルな実用的な製造及び安全な適用を有する、医薬品及び化学分野のための袋から内容物を取り出すユニットを提供することである。
【0023】
この課題及びこれらの目的は、請求項1による医薬品及び化学分野のための、袋から内容物を取り出すユニットによって達成される。
【0024】
本発明の更なる特性及び利点は、添付の図面において、非限定的な実施例として図示される本発明による、医薬品及び化学分野のための袋から内容物を取り出すユニットの好適であるが排他的でない実施例の説明により明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】第1の作業ステップの、本発明による医薬品及び化学分野のための、袋から内容物を取り出すユニットの模式的な側面図である。
図1aは、
図1の拡大詳細図である。
【
図2】第2の作業段階(ステップ)における、
図1の取り出しユニットの模式的な側面図である。
図2aは、
図2の拡大詳細図である。
【
図3】第3の作業ステップの、
図1の取り出しユニットの第1実施例の模式的な側面図である。
【
図4】第4の作業ステップの、
図1の取り出しユニットの第1実施例の模式的な側面図である。
【
図5】第3の作業ステップの、
図1の取り出しユニットの第2実施例の模式的な側面図である。
【
図6】第4の作業ステップの、
図1の取り出しユニットの第2実施例の模式的な側面図である。
【
図7】第3の作業ステップの、
図1の取り出しユニットの第3実施例の模式的な側面図である。
【
図8】第4の作業ステップの、
図1の取り出しユニットの第3実施例の模式的な側面図である。
【
図9】第3の作業ステップの、
図1の取り出しユニットの第4の実施例の模式的な側面図である
【
図10】第4の作業ステップの、
図1の取り出しユニットの第4の実施例の模式的な側面図である。
【0026】
これらの図では具体的に、医薬品及び化学分野における袋Bから内容物Aを取り出すユニットは通常「1」で示される。
【0027】
袋Bは、通常密閉されており、好適には重合材料で作成される。
【0028】
内容物Aは多種多様であってよく、そして内容物Aは袋の中に入れられる。明らかに利点のある可能な実施例によれば、複数の容器(例えばバイアル、シリンジ、薬瓶、カープル等)がネストに挿入され、ネストはタブに収納され、内容物Aはこのタブから成り得ることが示されている。
【0029】
また、他の性質や他の特性を有する他の容器が(本発明の取り出しユニットで)処理されることも除外されない。
【0030】
いずれの場合も、袋Bは、2枚の対向するフラップ(終端部)で形成される開口端部を備えていると想定される。袋が重合材料シートで作成される場合(主たる適用の利点の仮定)、この対向するフラップは、対向する袋Bの表面を作るシート部分(面)から成る。
【0031】
本発明のユニット1は、異なる清浄度クラスの第1環境7と第2環境8との間に分離壁6を備える。
【0032】
分離壁6は、第1環境7と第2環境8間で連通する開口部5を有する。
開口部5には可動式の閉鎖隔壁9が備えられ、閉鎖隔壁9が開口部5を閉じている閉位置と、開口部5を開放している(開いている)開位置との間で、閉鎖隔壁9は動くことができる。
【0033】
本発明の取り出しユニット1は、第1環境7に収納され、袋Bの開口端部のフラップをしっかりと密封し保つよう構成されるグリッパー(把持部)2を更に備える。
【0034】
本発明によると、各閉鎖隔壁9は好適には、グリッパー2の顎部11それぞれに対して結合要素10を有する。顎部11と結合要素10のうち少なくとも1つには、袋Bのための少なくとも1つの保持装置15が備えられている。
閉鎖隔壁9が開位置へ移動する(互いに離隔する)とき、閉鎖隔壁9により顎部が離隔し、保持装置15により袋Bの開口端部が続いて開き、分離壁6上の開口部5を介して、第2環境8と、袋の内部及び対応する内容物Aとが連通する。
【0035】
グリッパー2は好適には、第1環境7に収納される操作装置(マニピュレータ)3と一体化している。
【0036】
操作装置3は、袋Bのための支持部材4を備え、開口部5に支持部材4を移動させる軌跡に沿って移動可能である。
【0037】
図3及び4で一例として非限定的な例として図示される、明らかに実用的な利点の可能な実施例を特に参照すると、取り出しユニット1は、アクチュエータによって制御される握持ユニット12を適宜備えることができる。
【0038】
握持ユニット12は、第2環境8内に有用に設置され握持ユニット12が第2環境8内に完全に収まった縮退配置と、閉鎖隔壁9が開配置にあり、握持ユニット12が分離壁6の開口部5を介して第1環境7内に少なくとも部分的に突き出た伸長配置との間で移動することができる。
【0039】
第2環境8内に内容物Aを引き込むために、伸長配置において握持ユニット12の端部13が、袋Bの中で内容物Aを取り外し可能に把持するよう構成されることを示しており、これは有用であると考えられる。
【0040】
このように取り外し可能に把持することにより、握持ユニット12が伸長配置から縮退配置へ移動するときに、内容物Aを第2環境内に確実に引き込む。
【0041】
添付された
図5及び6に一例として非制限的に図示される別の実施例によると、操作装置3は、袋Bのための支持部材4の実質的近隣に配置されるプッシャー14を有利には備えることができる。
【0042】
閉鎖隔壁9が開構成にあり(故に開口部5は開いている)、グリッパー2の顎部11は離れており、袋Bは開放され第2環境8と連通しているとき、プッシャー14は、内容物Aの側面を捕らえる(当接する)ことができる。
【0043】
内容物Aをプッシャー14でこのように突き当てることにより、第1環境7から開口部5を介して第2環境8まで内容物を移動させることができる。
【0044】
添付の
図9及び10に例として図示される更なる実施例を特に参照すると(図面によって、本発明教示の適用は限定されない)、袋Bのための支持部材4は、操作装置3の動きによって、内容物Aが袋Bの中で安定している実質的に水平な配置と、内容物Aが第2環境8に摺動することができる傾斜した配置と、の間で正しい方向(角度)に向けられる。
【0045】
保持装置15の動きにより、袋Bの開口部が開放された状態で、支持部材4が傾斜した配置で保たれると、内容物Bが第2環境8へ摺動するようになる。
【0046】
上記記載にはない、そして、添付の
図7及び8に一例として図示される(但し限定されないが)本発明の一実施例によれば、支持部材4は、袋Bの内容物Aを係止するために、自動保持装置(例えば、吸着カップ、クランプ、可動グリッパ等)を有効に備えることができる。
【0047】
各支持部材4の傾斜配置に応じて、開口部5を介した第2環境8への内容物Aの摺動の拒否/承認に対応して袋Bの内容物Aの係止及び解放が保持装置により可能となる。
【0048】
上記最後の実施例を特に参照して、支持部材4が傾斜した状態で、閉鎖隔壁9への支持部材4の連結(具体的には結合要素10へのグリッパー2の顎部11の連結)が可能であることが示される。この場合、閉鎖隔壁9が開かれると(故に袋B口も開く)、保持装置のみが、いつ第2環境8に内容物Aが摺動開始可能かを決定することになる。
【0049】
特に医薬品分野では、第1環境7及び第2環境8の清浄度クラスが異なるという状態が生じる。第2環境8は、第1環境7よりも清浄度クラスが高く、そして内圧も高く開口部5を介して、第2環境8から第1環境7へと気体が流出することになる。
【0050】
閉鎖隔壁9が移動する間、保持装置15が、その表面上で袋Bシートの表面に接着して保持するので、少なくとも1つの保持装置15が閉鎖隔壁9から離隔した位置で、袋Bの口部を開くことができる。
【0051】
いくつかの可能な実施例によれば、少なくとも1つの保持装置15は、袋Bの表面シート部に結合するように構成される吸着カップを備えることができる。
【0052】
また、それぞれの結合要素11の表面と接続されて配置され、袋Bシートを把持するよう形成された、任意の形状及び/又は寸法の、少なくとも1つのスリットを有する吸引回路(真空配管)を備えることも可能である。
【0053】
本発明は有利には、医薬品及び化学分野のための、袋Bから内容物Aを取り出すユニット1を提供することによって、上記の課題を解決する。この内容物が最も清潔なレベルの環境にのみさらされるので、袋Bの内容物Aの汚染リスクは最小となる。
【0054】
有利には、本発明の取り出しユニット1は、袋Bの内容物Aが処理されなければならない操作環境8の汚染リスクを最小とする。事実、内容物Aだけがこの操作環境8に到達し、各袋Bの表面は決して開口部5を通過しない。
【0055】
さらに本発明の取り出しユニット1により、内容物Aが処理される環境の清浄度より高い清浄度クラスを有する環境に、袋Bの内容物Aが露出しないようにする。
【0056】
明らかに適用可能な利点の一実施例によれば、例えば内容物Aは、清浄度がISO Class「5」以下である環境にのみさらされ、そして清浄度ISO Class「5」以下は、その内容物Aが処理される環境クラスである。
【0057】
このように考えられる本発明は、発明の概念の範囲内の複数の変更及び変形例すべてを設けることができる。さらに、詳細すべては他の技術的に等価な要素と置き換えることができる。
【0058】
例示の実施例において、具体例に関連して与えられる個々の特徴は、実際、他の実施例中にある他の異なる特徴と置き換え可能である。
【0059】
実質的に、サイズだけでなく使用される材料も、要件及び従来技術に従ういずれのものであってもよい。