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特許7030180ディスプレイユニット及びディスプレイユニットの作動方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】ディスプレイユニット及びディスプレイユニットの作動方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20220225BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20220225BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
G02F1/1335 510
G02F1/133 535
G02F1/13357
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020503320
(86)(22)【出願日】2018-07-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 EP2018069935
(87)【国際公開番号】W WO2019020573
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】17182980.7
(32)【優先日】2017-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ゼインストラ,ミシール ハンス
【審査官】岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-097233(JP,A)
【文献】特開2004-233888(JP,A)
【文献】特開2006-023614(JP,A)
【文献】特開平09-265087(JP,A)
【文献】特開平06-342268(JP,A)
【文献】米国特許第04838661(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1335
G02F 1/13
G02F 1/133
G02F 1/13357
G02B 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ出力を生成するディスプレイユニットであって、
第1の光源と、
第1の偏光方向において前記第1の光源からの光を偏光させるように配置される第1の背面偏光子と、
第2の光源と、
前記第1の偏光方向に対して直交する第2の偏光方向において前記第2の光源からの光を偏光させるように配置される第2の背面偏光子とを含み、
前記第1の光源及び前記第2の光源は、前記第1の光源からの光が前記第2の背面偏光子を通過せず、前記第2の光源からの光が前記第1の背面偏光子を通過しない、ように配置され、
当該ディスプレイユニットは、
第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に位置付けられる液晶層とを含み、
前記第1の基板、前記第2の基板、及び前記液晶層は、前記第1の背面偏光子によって偏光された前記第1の光源からの光を受光し、前記第2の背面偏光子によって偏光された前記第2の光源からの光を受光する、ように配置され、
当該ディスプレイユニットは、
光を偏光するように配置される正面偏光子を含み、該正面偏光子は、前記ディスプレイ出力を生成するために前記液晶層を通過した光を偏光させるためにあり、
前記ディスプレイユニットは、前記第1の光源からの光が前記ディスプレイ出力をポジティブディスプレイ出力として生成し、前記第2の光源からの光が前記ディスプレイ出力をネガティブディスプレイ出力として生成する、ように構成され
前記ディスプレイユニットは、制御ユニットを更に含み、該制御ユニットは、前記第1の光源及び前記第2の光源のアクティブ化及び非アクティブ化を独立して制御する
ディスプレイユニット。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記第1の光源が光を生成して前記ポジティブディスプレイ出力を生成している間に、前記第2の光源をオフにするか或いは非アクティブ化するように構成される、請求項1に記載のディスプレイユニット。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記第2の光源が光を生成して前記ネガティブディスプレイ出力を生成している間に、前記第1の光源をオフにするか或いは非アクティブ化するように構成される、請求項又はに記載のディスプレイユニット。
【請求項4】
前記第1の光源及び前記第2の光源の両方からの光は、前記ディスプレイ出力を混合されたディスプレイ出力として生成する、請求項又はに記載のディスプレイユニット。
【請求項5】
前記制御ユニットは、前記第1の光源及び/又は前記第2の光源を制御して、それらによって生成される光の強度を調整するように構成され、且つ/或いは、前記第1の光源及び/又は前記第2の光源を制御して、それらによって生成される光の色を調整するように構成される、請求項乃至のうちのいずれか1項に記載のディスプレイユニット。
【請求項6】
半透明部分を含む外側ハウジングと、
請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載のディスプレイユニットとを含む、
ライト装置であって、
前記ディスプレイユニットは、前記外側ハウジングの一部で前記ディスプレイ出力を生成するように配置され、
前記ディスプレイユニットの前記第1の光源は、前記第1の光源によって生成される光が、前記半透明部分に、並びに前記第1の基板、前記第2の基板及び前記液晶層に入射する、ように配置される、
ライト装置。
【請求項7】
前記ディスプレイユニットは、前記外側ハウジングの前記半透明部分の一部で前記ディスプレイ出力を生成するように構成される、請求項に記載のライト装置。
【請求項8】
少なくとも、前記ディスプレイユニットの前記正面偏光子は、前記半透明部分に一体化されるか、或いは前記外側ハウジングの内側又は外側で前記半透明部分に隣接して配置される、請求項又はに記載のライト装置。
【請求項9】
ディスプレイ出力を生成するためにディスプレイユニットを作動させる方法であって、
前記ディスプレイユニットは、第1の光源と、第1の偏光方向において前記第1の光源からの光を偏光させるように配置される第1の背面偏光子と、第2の光源と、前記第1の偏光方向に対して直交する第2の偏光方向において前記第2の光源からの光を偏光させるように配置される第2の背面偏光子とを含み、前記第1及び第2の光源は、前記第1の光源からの光が前記第2の背面偏光子を通過せず、前記第2の光源からの光が前記第1の背面偏光子を通過しない、ように配置され、前記ディスプレイユニットは、第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に位置付けられる液晶層とを含み、前記第1の基板、前記第2の基板、及び前記液晶層は、前記第1の背面偏光子によって偏光された前記第1の光源からの光を受光し、前記第2の背面偏光子によって偏光された前記第2の光源からの光を受光する、ように配置され、前記ディスプレイユニットは、前記第1の偏光方向又は前記第2の偏光方向の1つにおいて光を偏光するように配置される正面偏光子を含み、該正面偏光子は、前記ディスプレイ出力を生成するために前記液晶層を通過した光を偏光させるためにあり、当該方法は、
前記第1の光源を作動させて光を生成して前記ディスプレイ出力をポジティブディスプレイ出力として生成するステップと、
前記第2の光源を作動させて光を生成して前記ディスプレイ出力をネガティブディスプレイ出力として生成するステップとを含み、
前記ディスプレイユニットは、制御ユニットを更に含み、該制御ユニットは、前記第1の光源及び前記第2の光源のアクティブ化及び非アクティブ化を独立して制御する
方法。
【請求項10】
当該方法は、
前記第1の光源が光を生成して前記ポジティブディスプレイ出力を生成している間に、前記第2の光源をオフにするか或いは非アクティブ化するステップを更に含む、
請求項に記載の方法。
【請求項11】
当該方法は、
前記第2の光源が光を生成して前記ネガティブディスプレイ出力を生成している間に、前記第1の光源をオフにするか或いは非アクティブ化するステップを更に含む、
請求項又は10に記載の方法。
【請求項12】
当該方法は、
前記第1の光源及び/又は前記第2の光源を制御して、それらによって生成される光の強度を調整し、且つ/或いは前記第1の光源及び/又は前記第2の光源を制御して、それらによって生成される光の色を調整するステップを更に含む、
請求項乃至11のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
当該方法は、
前記第1の光源によって生成される前記光の明るさ又は強度を徐々に減少させることによって、並びに/或いは前記第2の光源によって生成される前記光の明るさ又は強度を徐々に増大させることによって、前記ポジティブディスプレイ出力から前記ネガティブディスプレイ出力への漸進的な移行をもたらすステップを更に含む、
請求項乃至12のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
当該方法は、
前記第2の光源によって生成される前記光の明るさ又は強度を徐々に減少させることによって、並びに/或いは前記第1の光源によって生成される前記光の明るさ又は強度を徐々に増大させることによって、前記ネガティブディスプレイ出力から前記ポジティブディスプレイ出力への漸進的な移行をもたらすステップを更に含む、
請求項乃至13のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ可読媒体を含む、コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読媒体は、その上に具現されるコンピュータ可読コードを有し、該コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータ又はプロセッサによって実行されるときに、前記コンピュータ又は前記プロセッサに請求項乃至14のうちのいずれか1項に記載の方法を実行させるように構成される、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ライト装置(light apparatus)のような、電子デバイスにおける使用のための改良されたディスプレイユニット、及びディスプレイユニットの改良された作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
標準的なアラーム時計(目覚まし時計)又はアラームとしての電話の代替として、いわゆるウェイクアップライト(目覚ましライト)(wake-up light)を夜間スタンド又はベッドサイドテーブルに置くことができる。ウェイクアップライトを使用して、生成される光の強度を徐々に増加させて、ユーザがより自然に目覚めるのを助けることができる。場合によっては、ウェイクアップライトによって生成される光の色を調整して、日の出の間に生成される色を模倣することができる。この照明又は目覚まし機能を提供することに加えて、ウェイクアップライトは、典型的には、時間、アラーム時刻、ウェイクアップライトの設定などのような情報をユーザに表示するためのディスプレイも含む。この情報は、ウェイクアップライトがオフにされているときに、並びにウェイクアップライトが光を生成しているときに、見えなければならない。Philips Wake-Up Light HF3520は、このタイプのウェイクアップライトの一例である。
【0003】
これらのディスプレイは、典型的には、(ウェイクアップライト装置が大きすぎないよう)ウェイクアップライトの主照明部分の近くに配置されるので、ディスプレイユニットは、そのようなライトが使用されることがある全ての状況において、特にウェイクアップライトがオンにされて光を生成しているときに、情報がユーザに見えることを可能にするように設計されなければならない。例えば、情報は、ウェイクアップライトがオンにされて光を生成しているか或いはオフにされているか否かに拘わらず、昼間及び夜間の両方で明瞭に見えなければならない。これらのディスプレイは、典型的には、ウェイクアップ光源がオフにされる夜間の間に情報が見られることを可能にするために背面照明される液晶ディスプレイ(LCD)パネルを利用し、バックライトは、ウェイクアップ光源が光を生成しているときに、ウェイクアップ光源と「競争(compete)」しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、異なる照明条件においてユーザに表示される情報の視認性を向上させるためにディスプレイを統合することができる、ウェイクアップライトや光治療デバイス及びムード照明デバイスのような他の装置で使用することができる、ディスプレイユニットの改良の必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、ディスプレイ出力を生成するディスプレイユニットが提供され、ディスプレイユニットは、第1の光源と、第1の偏光方向において第1の光源からの光を偏光させるように配置される第1の背面偏光子と、第2の光源と、第1の偏光方向に対して直交する第2の偏光方向において第2の光源からの光を偏光させるように配置される第2の背面偏光子と、第1の基板と、第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に位置付けられる液晶層とを含み、第1の基板、第2の基板、及び液晶層は、第1の背面偏光子によって偏光された第1の光源からの光を受光し、第2の背面偏光子によって偏光された第2の光源からの光を受光する、ように配置され、ディスプレイユニットは、光を偏光するように配置される正面偏光子を含み、正面偏光子は、液晶層を通過した光を偏光させるためにあり、第1の光源を作動させて光を生成することは、ポジティブディスプレイ出力を生成し、第2の光源を作動させて光を生成することは、ネガティブディスプレイ出力を生成する。
【0006】
幾つかの実施形態において、ディスプレイユニットは、制御ユニットを更に含む。
【0007】
幾つかの実施形態において、制御ユニットは、第1の光源が光を生成してポジティブディスプレイ出力を生成している間に、第2の光源をオフにするか或いは非アクティブ化するように構成される。
【0008】
幾つかの実施形態において、制御ユニットは、第2の光源が光を生成してネガティブディスプレイ出力を生成している間に、第1の光源をオフにするか或いは非アクティブ化するように構成される。
【0009】
幾つかの実施形態において、制御ユニットは、第1の光源及び第2の光源を作動させて、光を同時に生成して、混合されたディスプレイ出力を生成する、ように構成される。
【0010】
幾つかの実施形態において、制御ユニットは、第1の光源及び/又は第2の光源を制御して、それらによって生成される光の強度を調整するように構成され、且つ/或いは、第1の光源及び/又は第2の光源を制御して、それらによって生成される光の色を調整するように構成される。
【0011】
第2の態様によれば、半透明部分を含む外側ハウジングと、上述のディスプレイユニットとを含む、ライト装置が提供され、ディスプレイユニットは、外側ハウジングの一部でディスプレイ出力を生成するように配置され、ディスプレイユニットの第1の光源は、第1の光源によって生成される光が半透明部分に、並びに第1の基板、第2の基板及び液晶層に入射する、ように配置される。
【0012】
幾つかの実施形態において、ディスプレイユニットは、外側ハウジングの半透明部分の一部でディスプレイ出力を生成するように構成される。
【0013】
幾つかの実施形態において、少なくとも、ディスプレイユニットの正面偏光子は、外側ハウジングの内又は上に含められる。
【0014】
第3の態様によれば、ディスプレイ出力を生成するためにディスプレイユニットを作動させる方法が提供され、ディスプレイユニットは、第1の光源と、第1の偏光方向において第1の光源からの光を偏光させるように配置される第1の背面偏光子と、第2の光源と、第1の偏光方向に対して直交する第2の偏光方向において第2の光源からの光を偏光させるように配置される第2の背面偏光子と、第1の基板と、第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に位置付けられる液晶層とを含み、第1の基板、第2の基板、及び液晶層は、第1の背面偏光子によって偏光された第1の光源からの光を受光し、第2の背面偏光子によって偏光された第2の光源からの光を受光する、ように配置され、ディスプレイユニットは、第1の偏光方向又は第2の偏光方向の1つにおいて光を偏光するように配置される正面偏光子を含み、正面偏光子は、液晶層を通過した光を偏光させるためにあり、当該方法は、第1の光源を作動させて光を生成してディスプレイ出力をポジティブディスプレイ出力として生成するステップと、第2の光源を作動させて光を生成してディスプレイ出力をネガティブディスプレイ出力として生成するステップとを含む。
【0015】
幾つかの実施形態において、方法は、第1の光源が光を生成してポジティブディスプレイ出力を生成している間に、第2の光源をオフにするか或いは非アクティブ化するステップを更に含む。
【0016】
幾つかの実施形態において、方法は、第2の光源が光を生成してネガティブディスプレイ出力を生成している間に、第1の光源をオフにするか或いは非アクティブ化するステップを更に含む。
【0017】
幾つかの実施形態において、方法は、第1の光源及び第2の光源を操作動させて同時に光を生成して、混合されたディスプレイ出力を生成するステップを更に含む。
【0018】
幾つかの実施形態において、方法は、第1の光源及び/又は第2の光源を制御して、それらによって生成される光の強度を調整し、且つ/或いは第1の光源及び/又は第2の光源を制御して、それらによって生成される光の色を調整するステップを更に含む。
【0019】
幾つかの実施形態において、方法は、第1の光源によって生成される光の明るさ又は強度を徐々に減少させることによって、並びに/或いは第2の光源によって生成される光の明るさ又は強度を徐々に増大させることによって、ポジティブディスプレイ出力からネガティブディスプレイ出力への漸進的な移行を提供するステップを更に含む。
【0020】
幾つかの実施形態において、方法は、第2の光源によって生成される光の明るさ又は強度を徐々に減少させることによって、並びに/或いは第1の光源によって生成される光の明るさ又は強度を徐々に増大させることによって、ネガティブディスプレイ出力からポジティブディスプレイ出力への漸進的な移行を提供するステップを更に含む。
【0021】
第4の態様によれば、コンピュータ可読媒体を含む、コンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータ可読媒体は、その上に具現されるコンピュータ可読コードを有し、コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータ又はプロセッサによって実行されるときに、コンピュータ又はプロセッサに上述の方法を実行させるように構成される。
【0022】
幾つかの実施形態において、コンピュータ又はプロセッサは、上述のようにディスプレイユニットを作動させるように構成され或いは適合される。
【0023】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載する(複数の)実施形態から明らかであり、それ(それら)を参照して解明されるであろう。
【0024】
次に、以下の図面を参照して、ほんの一例として、本発明の例示的な実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】(a)は、ポジティブディスプレイ出力を生成するように構成されたディスプレイユニットを示しており、(b)は、ポジティブディスプレイ出力を示している。
図2】(a)は、ネガティブディスプレイ出力を生成するように構成されたディスプレイユニットを示しており、(b)は、ネガティブディスプレイ出力を示している。
図3】Philips HF3520 Wake-Up Lightの正面の表現である。
図4】例示的なライト装置の正面の表現である。
図5】本発明のある実施形態に従ったディスプレイユニットを例示する図である。
図6図5のディスプレイユニットを作動させる方法を例示するフローチャートである。
図7】本発明のある実施形態に従ったディスプレイユニットを含むライト装置を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
液晶ディスプレイ(LCD)パネルは、ユーザに情報を表示する際に使用するためによく知られており、様々な電子デバイスに組み込まれている。LCDパネルは、LCDパネルを照らすための光を提供するためのバックライトを備えることができ、偏光子を使用して、LCDパネルを通過する光から表示される情報を作り出す。図1及び図2は、LCDパネルを使用して情報を表示することができる2つの方法を例示している。
【0027】
図1(a)は、いわゆる「ポジティブ(陽)(positive)」ディスプレイ出力を作り出す従来的なLCDベースのディスプレイユニット2の1つの実施を示している。ディスプレイユニット2は、(ユーザの視点からLCDパネルの背後に配置されるので「バックライト(backlight)」とも呼ぶ)光源4と、2つの基板の間に挟装される液晶層を含むLCDパネル6であって、2つの偏光子の間に配置されるLCDパネル6と、バックライト4とLCDパネル6との間にある背面偏光子8(後方偏光子)(back polarizer)と、バックライト4に対してLCDパネル6の反対側に配置される正面偏光子10(前方偏光子)(front polarizer)とを含む。背面偏光子8及び正面偏光子10は、それらが光を偏光する方向が直交する(即ち、互いに対して90°である)ように配置される。例えば、図1(a)に示すように、背面偏光子8は、垂直方向の整列を有することができ(よって、バックライト4からの光は、垂直方向に偏光されたLCDパネル6を通過し)、正面偏光子10は、水平方向の整列を有することができる(よって、水平方向の成分を有するLCDパネル6からの光のみが、正面偏光子10を通過する)。LCDパネル6内の液晶層に印加される電場がないときに、液晶は光導波路として作用し、偏光の平面を4分の1回転(90°)だけ回転させるので、正面偏光子10に到達する光はそれを通過することができる。このディスプレイユニット2によって生成されるディスプレイ出力12の一例が図1(a)及び図1(b)に示されている。よって、この構成は、表示されるべき情報を共に形成するセグメント14が暗く(よって、バックライト4からの光が、これらのセグメント14のために偏光子8、12及びLCDパネル6によって遮断され)、バックグラウンド16が、偏光子8、12及びLCDパネル6を通過したバックライト4からの光によって点灯される、ポジティブディスプレイ出力12を生成する。表示されるべき情報に基づいてLCDパネル6を制御して、セグメント14のうちのどのセグメントがポジティブディスプレイ出力12において暗いかを決定する。
【0028】
図2(a)は、いわゆる「ネガティブ(陰)(negative)」ディスプレイ出力を作り出す従来的なLCDベースのディスプレイユニット22の1つの実施を示している。ネガティブディスプレイは、表示されるべき情報を表すセグメントが照明され、バックグラウンドが暗いという点において、ポジティブディスプレイと逆である。正面偏光子及び背面偏光子が同じ方向において光を偏光するように正面偏光子及び背面偏光子を配置することによってネガティブディスプレイ出力を得ることができる。より詳細には、ディスプレイユニット22は、光源/バックライト24と、LCDパネル26とを含む。LCDパネル26は、2つの偏光子、即ち、バックライト24とLCDパネル26との間にある背面偏光子28と、バックライト24に対してLCD26の反対側にある正面偏光子30との間に位置付けられる。背面偏光子28及び正面偏光子30は、それらが光を偏光する方向が同じになるように、配置される。例えば、図2(a)に示すように、背面偏光子28及び正面偏光子30は、両方とも水平方向の整列を有することができる。このディスプレイユニット22によって生成されるディスプレイ出力32の一例が図2(a)及び図2(b)に示されている。よって、この構成は、表示されるべき情報を共に形成するセグメント34がバックライト24からの光によって点灯され、残余のセグメント及びバックグラウンド36が暗い(よって、バックライト24からの光はディスプレイ32のこれらの部分において遮断される)、ネガティブディスプレイ出力32を生成する。表示される情報に基づいてLCDパネル26を制御して、セグメント34のうちのどのセグメントがネガティブディスプレイ出力32において点灯されるかを決定する。
【0029】
グラフィカルLCD(例えば、ドットマトリクスディスプレイ)の場合には、ピクセルが駆動される方法に基づいてポジティブディスプレイ出力又はネガティブディスプレイ出力を提供することが可能であるが(例えば、ネガティブディスプレイを用いるならば、ピクセルはポジティブディスプレイに対して反転される)、典型的には、ポジティブディスプレイ出力又はネガティブディスプレイ出力を使用するか否かの選択は、ディスプレイユニットの設計中に行われ、変更することはできない(これは特にバックグラウンドが点灯されないセグメント化されたディスプレイに当て嵌まる)。しかしながら、ウェイクアップライト又は類似の装置におけるような特定の用途においては、ある時間に亘ってポジティブディスプレイ出力を提供し、ある時間に亘ってネガティブディスプレイ出力を提供するように、ディスプレイユニットを作動させることが、有用であり得る。
【0030】
例えば、Philips Wake-Up Light HF3520には、Wake-Up Lightの主光源(即ち、「ウェイクアップ」光を提供する光源)によって照らされる正面シェル(ハウジング)が提供され、主光源によって照らされないデバイスの正面の下部に設けられるそれ自体のバックライトを有するLCDベースのディスプレイユニットが提供される。これは図3に例示されている。図3は、Philips HF3520 Wake-Up Lightの正面の表現であり、ウェイクアップライト42は、ライト42の主光源によって照らされる照明部分44と、時間のような情報48を表示するディスプレイ部分46とを有する、ハウジング43を含む。照明部分44及びディスプレイ部分46は、両方ともハウジング43の半透明部分であるが(実際には、Philips HF3520において、前面全体が単一の半透明シェルであるが)、ディスプレイ部分46は、ウェイクアップライト42の主光源によって照らされない。Philips HF3520 Wake-Up Lightにおいて、ディスプレイ部分46の背後のディスプレイユニットは、ウェイクアップライトが「ウェイクアップ」ライトを生成しているときに、ディスプレイのバックグラウンドが(照らされない)ディスプレイ部分46に対して目立たないように、そして、ウェイクアップライトが光を生成していないときに(例えば、環境が暗い夜間に)、必要以上に光を放射しないように、ネガティブディスプレイ出力を生成するように構成される。
【0031】
ハウジング43のディスプレイ部分46は、照明部分44を照らす光源によって照らされないので、ディスプレイ部分46の存在は、(照明部分44を同じ明るさ(brightness)に維持するために)ウェイクアップライト42の全体的なサイズを増加させるか、或いはより大きな照明部分44と同じレベルの光出力を生成するようより明るい光を必要とし、(その場合には、ウェイクアップライトがオンであるときにディスプレイ部分46が依然として見えることを補償するために、ディスプレイ部分46の明るさも増加させられる必要があることがある)。
【0032】
従って、ディスプレイ情報/ディスプレイ出力を、別個のディスプレイ部分46ではなく、照明部分44に示すことができる、ライト装置を提供し得ることが望ましい。そのような装置の正面図が図4に示されている。このライト装置52は、半透明部分54(この例では、前面全体)を有するハウジング53又はシェルを含み、情報56は、ハウジング53内のディスプレイユニットによって半透明部分54内又は上に表示されるので、それはライト装置52を見ているユーザに見える。ライト装置52の正面表面の円形の形状は例示的であるにすぎず、他の形状又は構成を使用し得ることが理解されるであろう。同様に、この例は、正面表面の全体として半透明部分54を示しているが、他の設計が可能であること、例えば、半透明部分54は境界を有し得ることが理解されるであろう。
【0033】
よって、この例示的な装置52では、ライト装置52の主光源が半透明部分54を照らしているときに(即ち、LCDパネルのバックグラウンド部分を示さずに)情報56の「クリーンな(clean)」表示を提供するために、装置52の内側のディスプレイユニットは、ディスプレイユニットバックライトが、ライト装置52の主光源によって照らされる半透明部分54の周囲部分と同じ色と明るさを有するポジティブディスプレイ出力のバックグラウンドのための光を提供する、ポジティブディスプレイを提供するように作動しなければならない。しかしながら、主光源による光出力とディスプレイユニットによる光出力との整合(matching)を達成することは実際には困難であり得るし、上記のように、ポジティブディスプレイ出力は、主光源がオフにされるときには(特に装置52の周囲の環境が暗いときには)最適でなく、ネガティブディスプレイ出力が好ましい。
【0034】
当業者は、LCDディスプレイ内のピクセル又はセグメントが駆動される方法が、ポジティブディスプレイ出力又はネガティブディスプレイ出力が提供されるか否かを決定し得ることを理解するであろう。フルピクセル/セグメントディスプレイの場合(即ち、LCDパネルの全ての要素が駆動される/制御可能である場合)、ピクセル又はセグメントが駆動される方法を反転すること(よって、アクティブなピクセル又はセグメントが非アクティブピクセル又はセグメントになり、逆もまた同様であること)は、(例えば、図1(b)及び図2(b)から分かるように)情報の有用な表示を依然として提供することができる。しかしながら、これは、バックグラウンド16、36が駆動されない/制御可能でないディスプレイに当て嵌らない。何故ならば、その場合には、アクティブ/非アクティブピクセル/セグメントのみが反転され、これは不正確になる或いは判読不能になる情報をもたらすからである。加えて、ポジティブディスプレイ出力及びネガティブディスプレイ出力を提供するためにアクティブ/非アクティブピクセル/セグメントの制御を反転することは、ディスプレイユニットが、光源が光を常に生成しないときのウェイクアップライトのようなライト装置において使用されるときに適しておらず、よって、ポジティブディスプレイ出力とネガティブディスプレイ出力との間を切り替える代替的な機構が必要とされる。更に、ピクセルをポジティブ又はネガティブのいずれかにするようにピクセルを制御することによって、漸進的な変化をもたらす可能性は、グレースケールのレベル又は色の数に依存する。ディスプレイが白黒(モノクローム)であるときには、1つのステップでポジティブからネガティブにまたその逆に切り替えることが可能なだけである。
【0035】
したがって、本発明は、ポジティブディスプレイ出力及びネガティブディスプレイ出力を選択的に提供するように制御されることができ、かつ、ライト装置の主光源が光を生成している間に並びにライト装置の主光源が光を生成していないときに情報が表示されるべきであるライト装置における使用に適した、ディスプレイユニットを提供することによって、これらの問題に対処する。よって、本発明に従ったディスプレイユニットを含む、ウェイクアップライト、光治療デバイス又はムード照明デバイスのような、ライト装置は、主光源が作動しているときに主光源によって照らされる装置のハウジングの一部にポジティブディスプレイ出力の形態の情報の表示を提供することができ、主光源がアクティブでないときにネガティブディスプレイ出力の形態の情報の表示を提供することができる(或いはライト装置の設計要件に依存してその逆もまた同様である)。
【0036】
本発明によれば、LCDパネルは、ディスプレイユニットにポジティブディスプレイ出力及びネガティブディス婦異例出力を提供させるために選択的に使用される2つの光源を備える。本発明に従ったディスプレイユニットの例示的な実施形態が図5に示されている。
【0037】
よって、ディスプレイユニット102は、2つの基板105a、105bの間に挟装される或いは位置付けられる液晶層を含む、LCDパネル104を含む。基板107a、107bは、ガラス又は任意の他の適切な材料から形成されることができ、基板105a、105bの一方又は両方は、複数の電極を含むことができ、各電極は、LCDパネル104の特定のピクセル又はディスプレイセグメントと関連付けられる。従来のように、特定のピクセル又はセグメントに対応する基板105a、105b上の電極又は複数の電極を使用して、液晶層内のそのピクセル又はセグメントについての液晶の偏光方向を変更又は設定し、それにより、ディスプレイユニット102の出力に影響を与えることができる。幾つかの実施形態において、液晶層は、(例えば、電極によって)液晶層(又はその部分)に印加される電場がないときに、液晶が光導波路として作用し、入射光の偏光の平面を4分の1回転(90°)だけ回転させるような、液晶層であることができる。これらの実施形態では、電場が液晶層(又はその部分)に印加されるとき、液晶は、電場と整列し、液晶は、入射光の偏光の平面をもはや回転しない。代替的な実施形態において、液晶層は、液晶層(又はその部分)に印加される電場がないときに、液晶が光導波路として作用し、入射光の偏光の平面を4分の1回転以外の量(例えば、45°)だけ回転させ、電場が印加されるときに、電場が印加されないときと比較して90°だけ光の回転をもたらすために、液晶が入射光の偏光の平面を対応する量(例えば、-45°)だけ回転させるように作用するような、液晶層であることができる。
【0038】
ディスプレイユニット102は、(第1の「バックライト」とも呼ぶ)第1の光源106や、第1の光源106とLCDパネル104との間にある第1の背面偏光子108も含む。第1の背面偏光子108は、第1の光源106からの光を第1の偏光方向において偏光するように構成される。図5に示される例示的な構成において、第1の背面偏光子108は、垂直方向の整列を有する(よって、光を垂直方向に偏光する)が、任意の他の偏光方向を使用し得ることが理解されるであろう。第1の光源106は、1つ又はそれよりも多くのLEDを含む発光ダイオード(LED)ベースの光源であることができる。1つ又はそれよりも多くのLEDは、個々に及び/又は組み合わせにおいて所望の色の光及び/又は所望の明るさ若しくは輝度(luminance)の光を生成するように制御可能である1つ又はそれよりも多くの色を有するLEDを含むことができる。LEDの代替として、第1の光源106は、1つ又はそれよりも多くの有機LED(OLED)、ハロゲン電球、白熱電球、又は低圧水銀電球であることができる。
【0039】
ディスプレイユニット102は、LCDパネル104と第1の背面偏光子108との間に位置付けられる或いは配置される拡散器又は拡散パネル109も含む。拡散器109は、LCDパネル104が入射光によってより均一に照らされるように、入射光をその上で拡散する或いは「広げる」ように作用する。幾つかの実施形態において、拡散器109は、例えば、LCDパネル104から出る光が拡散器109を通過するように、ディスプレイユニット102内の異なる場所にあってもよいことが理解されよう。
【0040】
第1の光源106及び第1の背面偏光子108は、第1の光源106によって放射される或いは生成される光が第1の背面偏光子108によって偏光され、この偏光された光が拡散器109を介してLCDパネル104に入射するように、配置される。
【0041】
第1の光源106及び第1の背面偏光子108に加えて、ディスプレイユニット102は、第2の光源110と、第2の背面偏光子112とを含む。第2の光源110を第2の「バックライト」とも呼ぶ。第2の背面偏光子112は、第2の光源110と拡散器109とLCDパネル104との間に設けられる。第2の背面偏光子112は、第2の偏光方向において第2の光源110からの光を偏光するために設けられる。第2の光源110及び第2の背面偏光子112は、第2の光源110によって放射される或いは生成される光が第2の背面偏光子112によって偏光され、この偏光された光が拡散器109を介してLCDパネル104に入射するように、配置される。第2の光源110は、1つ又はそれよりも多くのLEDを含む発光ダイオード(LED)ベースの光源であることができる。1つ又はそれよりも多くのLEDは、個々に及び/又は組み合わせにおいて所望の色の光及び/又は所望の明るさ若しくは輝度の光を生成するように制御可能である1つ又はそれよりも多くの色を有するLEDを含むことができる。LEDの代替として、第2の光源110は、1つ又はそれよりも多くの有機LED(OLED)、ハロゲン電球、白熱電球、又は低圧水銀電球であることができる。
【0042】
第2の光源110からの光を使用して第1の光源106とは反対のディスプレイモードにあるディスプレイを形成することができるように、第2の偏光方向は、第1の背面偏光子108の第1の偏光方向に対して直交する(即ち、第2の偏光方向は、第1の偏光方向に対して90°だけ回転される)。図5に示される例示的な構成において、第1の背面偏光子108は、垂直方向の整列/垂直な偏光方向を有し、従って、第2の背面偏光子112は、水平方向の整列/水平な偏光方向を有する。もちろん、第1の背面偏光子108の偏光方向が第2の背面偏光子112の偏光方向と反対である(即ち、直交する)ことを条件として、他の偏光方向を使用し得ることが理解されるであろう。
【0043】
第1の光源106及び第1の背面偏光子108は、第1の光源106からの光が第2の背面偏光子112を通過して拡散器109及びLCDパネル104に向かわず、第2の光源110からの光が第1の背面偏光子108を通過して拡散器109及びLCDパネル104に向かわないという意味で、第2の光源110及び第2の背面偏光子112との別個の光路を形成する。幾つかの実施では、第1の光源106からの光が第2の背面偏光子112に入射できないように、第1の光源106を第2の背面偏光子112から実質的に又は完全に光学的に分離されることができ、同様に、第2の光源110からの光が第1の背面偏光子108に入射できないように、第2の光源110を第1の背面偏光子108から実質的に又は完全に光学的に分離されることができる。
【0044】
ディスプレイユニット102は、光源106、110とは反対のLCDパネル104の側に配置された正面偏光子114も含む。正面偏光子114は、ディスプレイ出力を生成するためにLCDパネル104を透過する或いは通過する光を偏光するように構成される。正面偏光子114の偏光方向、及びLCDパネル104のピクセル/セグメントが駆動される方法は、第1の光源106及び第2の光源110のうちのどれを用いてポジティブディスプレイ出力及びネガティブディスプレイ出力をもたらすかを決定する。
【0045】
図5に示す例示的な構成において、正面偏光子114は、第2の背面偏光子112と同じ偏光方向、即ち、第1の背面偏光子108の偏光方向とは反対の偏光方向を有する(しかしながら、LCDパネル104内の液晶が入射光に及ぼす影響に依存して、正面偏光子114の偏光方向は異なり得ることが理解されるであろう)。従って、LCDパネル104内のピクセル/セグメントが適切に駆動されるならば、第1の光源106からの光は、それが第1の背面偏光子108、LCDパネル104及び正面偏光子114を通過した後に、(例えば、図1(b)に示すように)ポジティブディスプレイ出力を形成することができ、第2の光源110からの光は、それが第2の背面偏光子112、LCDパネル104及び正面偏光子114を通過した後に、(例えば、図2(b)に示すように)ネガティブディスプレイ出力を形成することができる。LCDパネル104内のピクセル/セグメントの駆動が上記に対して反転されるならば、第1の光源106からの光は、それが第1の背面偏光子108、LCDパネル104及び正面偏光子114を通過した後に、(例えば、図2(b)に示すように)ネガティブディスプレイ出力を形成することができ、第2の光源110からの光は、それが第2の背面偏光子112、LCDパネル104及び正面偏光子114を通過した後に、(例えば、図1(b)に示すように)ポジティブディスプレイ出力を形成することができる。上記のいずれの場合においても、LCDパネル104は、第1の光源106及び第2の光源110のどちらが光を生成しているかに拘わらず、同じように駆動される(即ち、LCDパネル104が駆動される方法は、アクティブ光源106、110が変更されるときに反転されない)ことが留意されるべきである。換言すれば、特定の情報(例えば、特定の時間)を表示するために使用される制御信号は、ディスプレイ出力がポジティブであるかネガティブであるかに拘わらず同じである。本発明によれば、ポジティブディスプレイ出力とネガティブディスプレイ出力との間の切替えは、LCDパネル104のための光を生成する光源106、110を単に切り替えることによってもたらされる。
【0046】
正面偏光子114の偏光方向が、第1の背面偏光子108と同じ偏光方向であり、よって、(LCDパネル104が同じように駆動されて)第2の背面偏光子112の偏光方向と反対であるならば、第1の光源106からの光は、(例えば、図2(b)に示すような)ネガティブディスプレイ出力を形成し、第2の光源110からの光は、(例えば、図1(b)に示すような)ポジティブディスプレイ出力を形成することが、当業者によって理解されるであろう。
【0047】
最後に、図5の表示ユニット102は、制御ユニット116を含む。制御ユニット116は、LCDパネル104を制御して、(例えば、第1の基板105a及び/又は第2の基板105b上の電極に適切な制御信号を提供することによって)所要の情報の表示をもたらすためにあることができる。幾つかの実施形態において、制御ユニット116は、第1の光源106及び/又は第2の光源110を制御することができる。特に、制御ユニット116は、第1の光源106及び第2の光源110のアクティブ化(起動)及び非アクティブ化(停止)を制御することができる。追加的に又は代替的に、第1の光源106及び第2の光源110のうちの少なくとも1つのアクティブ化及び非アクティブ化は、ディスプレイユニット102のユーザによって制御されることができる。
【0048】
更なる実施形態において、制御ユニット116は、第1の光源106によって生成される光及び/又は第2の光源110によって生成される光の明るさ又は強度を制御又は調整するように構成されることができる。制御ユニット116は、追加的に又は代替的に、第1の光源106によって生成される光及び/又は第2の光源110によって生成される光の色を制御又は調整するように構成されてよい。
【0049】
制御ユニット116は、本明細書に記載する様々な機能を実行するために、ソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて、数多くの方法で実施されることができる。制御ユニット116は、所要の機能を実行するために及び/又は所要の機能をもたらすよう制御ユニット116の構成要素を制御するために、ソフトウェア又はコンピュータプログラムコードを用いてプログラムされてよい1つ又はそれよりも多くのマイクロプロセッサ又はデジタル信号プロセッサ(DSP)を含んでよい。制御ユニット116は、幾つかの機能を実行するための専用ハードウェア(例えば、増幅器、前置増幅器、アナログデジタル変換器(ADC)及び/又はデジタルアナログ変換器(DAC))と、他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば、1つ又はそれよりも多くのプログラムされたマイクロプロセッサ、コントローラ、DSP及び関連する回路構成)との組み合わせとして実装されてよい。本開示の様々な実施形態において利用されることがある構成要素の例は、従来的なマイクロプロセッサ、DSP、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むが、これらに限定されない。
【0050】
様々な実装において、制御ユニット116は、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROMのような、揮発性及び不揮発性コンピュータメモリのような、1つ又はそれよりも多くのメモリユニット(図示せず)と関連付けられてよく、或いはそれらを含んでよい。制御ユニット116又は関連するメモリユニットは、本明細書に記載する方法を実行するために制御ユニット116内のプロセッサによって実行されることができるプログラムコードを格納するために使用されることもできる。
【0051】
図6のフローチャートは、本発明のある実施形態に従ったディスプレイユニット102を作動させる方法を例示している。
【0052】
本方法の第1のステップであるステップ201では、第1の光源106を作動させて光を生成し、これはディスプレイユニット102からのポジティブディスプレイ出力を生成する。他のステップであるステップ203では、第2の光源110を作動させて光を生成し、これはディスプレイユニット102からのネガティブディスプレイ出力を生成する。よって、光源の選択は、ディスプレイユニット102がポジティブディスプレイ出力を生成するか或いはネガティブディスプレイ出力を生成するかを決定する。
【0053】
ステップ201及び203は、図示の順序で実行される必要がなく、ディスプレイユニット102は、ネガティブディスプレイ出力に続いて、ポジティブディスプレイ出力を生成するように作動可能であることが理解されるであろう。
【0054】
本方法の幾つかの実施形態において、ディスプレイユニット102のディスプレイ「モード」(即ち、ディスプレイ出力がポジティブであるかネガティブであるか)の制御は、単に、第1の光源106及び第2の光源110のいずれが光を生成しているかの結果である。従って、この制御は、ユーザが光源106、110を手動でアクティブ化することによって或いはユーザがディスプレイ出力のタイプ(即ち、ポジティブ又はネガティブ)についての好みを選択することによって提供されることができる。他の実施形態では、本方法は、制御ユニット116によって実行されることができる。これらの実施形態において、制御ユニット116は、例えば、周囲照明条件、アラームタイマなどに基づいて、どの光源をアクティブ化するかを決定してよい。
【0055】
幾つかの実施態様において、ディスプレイユニット102は、第1の光源106が非アクティブされる/オフにされるように、第2の光源110が自動的にアクティブされる/オンされるように、並びに逆も同様であるように、構成されることができる。このようにして、光源のうちの少なくとも1つは、常にアクティブであり、それにより、ユーザのためのディスプレイ出力を提供する。
【0056】
幾つかの実施形態では、第1の光源106を作動させて光を生成するとき、制御ユニット116は、第2の光源110のオフにするか或いは非アクティブ化することができるので、第1の光源106からの光は、ポジティブディスプレイ出力を生成することができる。幾つかの実施形態では、第2の光源110を作動させて光を生成するとき、制御ユニット116は、第1の光源106をオフにするか或いは非アクティブ化することができるので、第2の光源110からの光は、ネガティブディスプレイ出力を生成することができる。
【0057】
幾つかの実施形態では、第1の光源及び第2の光源を同時に作動させることができる。これは「混合された(mixed)」ディスプレイ出力をもたらす。ディスプレイ出力は、(図1(b)に示すような)純粋なポジティブディスプレイ出力又は(図2(b)に示すような)純粋なネガティブディスプレイ出力ではないという意味において混合される。例えば、ディスプレイのバックグラウンドは、第1の光源106の色を有することができ、アクティブなセグメント/ピクセルは、第2の光源110の色を有することができる(或いは逆もまた同様である)。主光源の明るさが徐々に増加又は減少するウェイクアップライト又は他のライト装置においてディスプレイユニット102が使用されるときに特に有用であり得る幾つかの実施形態において、制御ユニット116は、ポジティブディスプレイ出力からネガティブディスプレイ出力への(又はその逆の)漸進的な移行をもたらすために、光源106、110の各々の光源の明るさ又は強度を調整することができる。
【0058】
例えば、ポジティブディスプレイ出力からネガティブディスプレイ出力への漸進的な移行をもたらすために、制御ユニット116は、第2の光源110によって生成される光の明るさ又は強度を徐々に増加させながら、第1の光源106によって生成される光の明るさ又は強度を徐々に減少させることができる。ネガティブディスプレイ出力からポジティブディスプレイ出力への漸進的な移行をもたらすために、制御ユニット116は、第1の光源106によって生成される光の明るさ又は強度を徐々に増加させながら、第2の光源110によって生成される光の明るさ又は強度を漸進的に減少させることができる。これらの例のいずれにおいても、光源のうちの一方の光源の明るさ又は強度が調整されることができる一方で、光源のうちの他方の光源の明るさ又は強度は一定に維持されることが理解されるであろう。これは光源のうちの一方が他方の光源よりもはるかに高い初期設定の明るさ又は強度レベルを有する場合に有用なことがある。
【0059】
図7は、ウェイクアップライトのようなライト装置におけるディスプレイユニット102の例示的な使用を示している。ライト装置120は、半透明部分を有する外側ハウジング又はシェルを含む。(時間、アラーム時刻、装置の設定などのような)情報は、それが照明装置120を見るユーザに見えるように、ハウジングの内側のディスプレイユニット102によって半透明部分122の部分内又は上に表示されるべきである。ディスプレイユニット102の正面偏光子114は、そして、任意的に、ディスプレイユニット102のLCDパネル104も、ハウジングの半透明部分122に一体化されることができ、或いは(ハウジングの内側又は外側のいずれかにある)半透明部分122に隣接して配置されることができる。半透明部分122は、(ディスプレイユニット102が拡散パネル109を含まない限り)拡散特性を有することが好ましい。ハウジングの半透明部分122は、充填剤若しくは着色化合物を含むことができる、ポリカーボネートのようなプラスチック、又はポリメチルメタクリレート(PMMA)又はガラスのようなより透明材料から形成されることができる。充填剤は、半透明部分122に吸収される光に起因する損失を最小限に抑えるために、高い反射特性を有することが好ましい。充填剤の一例は、二酸化チタンであるが、当業者は、使用することができる他のタイプの充填剤を知っているであろう。
【0060】
上述のように、ディスプレイユニット102の第1の光源106は、ポジティブディスプレイ出力(よって、点灯されたバックグラウンド及び暗いピクセル/セグメント)を提供することができる。ディスプレイユニット102がライト装置120内で使用されるときには、この機能に加えて、第1の光源106は、ライト装置120のための主光源であることもできる。よって、第1の光源106は、半透明部分122の主照明を提供する。このようにして、第1の光源106をアクティブ化して光を生成するとき、第1の光源106は、半透明部分122を照らし、ディスプレイユニット102内のLCDパネル104のためのバックライトも提供する。従って、ポジティブディスプレイ出力は、半透明部分122の残部を照らす同じ光源(即ち、同じ色とほぼ同じ明るさを備える光源)によって背面照明され、それにより、半透明部分122に外見上「シームレス(seamless)」なポジティブディスプレイ出力を提供する。第2の光源110は、ライト装置120の主光源がオフにされるときに、LCDパネル104のためのバックライトを提供するよう、ディスプレイユニット102内に設けられる。よって、主光源が(例えば、ウェイクアップライトのために夜間に)オフにされるとき、第2光源110はオンにされ、ネガティブディスプレイ出力として情報を提供する。
【0061】
ネガティブディスプレイ出力が暗い環境で使用されるべきライト装置120においてディスプレイユニット102が使用される実施形態において、第2の光源110の色は、高いレベルの照明を引き起こすことなく可読性を最適化するように選択されることができる。例えば、第2の光源110の色は、琥珀色又は赤色であり得るが、当業者は、白色を含む他の色を使用し得ることを理解するであろう。
【0062】
(特にウェイクアップライトの場合の)幾つかの実施形態において、(図6には示されていない)制御ユニット116は、例えば、日の出の色を模倣するために、第1の光源106によって生成される光の色を制御することができる。制御ユニット116は、追加的に又は代替的に、第2の光源110によって生成される光の色を制御してもよい。
【0063】
上述のように、幾つかの実施形態において、制御ユニット116は、第1の光源106及び/又は第2の光源110によって生成される光の強度又は明るさを調整するように構成されることができる。これは、例えば、ウェイクアップライトが、生成される光の明るさを徐々に増加させるときに、制御ユニット116が、ポジティブディスプレイ出力からネガティブディスプレイ出力への又はその逆への漸進的な移行をもたらすことを可能にする。
【0064】
第1の光源106によって生成される光の色は、ポジティブディスプレイ出力におけるバックグラウンド及びアクティブでないピクセル/セグメントの色を決定し、第2の光源110によって生成される光の色は、ネガティブディスプレイ出力におけるアクティブなピクセル/セグメントの色を決定する。ことが理解されるであろう。従って、LCDパネル104のための2つのバックライト光源の使用は、ディスプレイ出力の異なる色設定(colour configurations)を提供し得ることを意味する。これらの色設定は、製造中にプリセットされることができ、ユーザ設定又はユーザの好みに従って設定されることができる。一例では、ネガティブモードにおいて、ディスプレイ出力のバックグラウンドは、黒色であることができ、情報を伝達するセグメント又はピクセルは、選択される色(例えば、白色、黄色、赤色、青色など)であることができる。別の例では、ポジティブディスプレイモードにおいて、情報を伝達するセグメント又はピクセル(即ち、アクティブ化されたピクセル/セグメント)は、黒色であることができ、バックグラウンドは、選択される色を有してよい。更に別の例では、バックグラウンドは、選択される色を有することができ、情報を伝達するセグメント又はピクセル(即ち、アクティブ化されたピクセル/セグメント)は、異なる選択される色を有することができ(それは混合された出力を有する場合に当て嵌まる)。
【0065】
従って、ディスプレイユニットの2つのバックライト光源のうちのどの1つがアクティブ化されるかに基づいてポジティブディスプレイ出力又はネガティブディスプレイ出力を提供するために使用することができる改良されたディスプレイユニットが提供される。
【0066】
当業者は、特許請求される発明を実施する際に、図面、本開示及び添付の特許請求の範囲の研究から、開示の実施形態に対する変更を理解し、実施することができる。請求項において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形の表現は、複数を排除しない。特定の手段が相互に異なる従属項に列挙されている単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用し得ないことを示さない。請求項の如何なる引用符号も、その範囲を限定するものと解釈されてならない。
図1(a)】
図1(b)】
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4
図5
図6
図7