(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】スプレーガンカップ、容器、及び使用の方法
(51)【国際特許分類】
B05B 7/24 20060101AFI20220225BHJP
B65D 25/16 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
B05B7/24
B65D25/16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021034875
(22)【出願日】2021-03-05
(62)【分割の表示】P 2018536797の分割
【原出願日】2017-01-12
【審査請求日】2021-03-05
(32)【優先日】2016-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】アナ エム.ヘグダール
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン シー.ピー.ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク エム.ピテラ
(72)【発明者】
【氏名】エリック オー.ニャリボ
【審査官】磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/084617(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3052058(JP,U)
【文献】実開昭57-181365(JP,U)
【文献】特表2019-503311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 7/24
B65D 25/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体出口を有する蓋本体と、
前記蓋本体の外周に配置され、蓋接続構造を備えるフランジと、
を備え、
前記蓋接続構造は、蓋係合部材を備えるフランジタブを備え、
前記フランジは、2つのフランジタブを分けるフランジ開口部を備え、
前記フランジ開口部には、適合するライナーの解放タブのためのクリアランスがある、スプレーガンカップ蓋。
【請求項2】
前記蓋係合部材は、蓋カム面を備える、請求項1に記載のスプレーガンカップ蓋。
【請求項3】
前記蓋係合部材は、適合するスプレーガンカップ容器に接続しているときに蓋の過回転を防止するための停止特徴部を備える、請求項1に記載のスプレーガンカップ蓋。
【請求項4】
前記蓋係合部材は、適合するスプレーガンカップ容器に蓋がスナップ嵌合するのを可能にするスナップ嵌合特徴部を備える、請求項1に記載のスプレーガンカップ蓋。
【請求項5】
前記フランジは、前記蓋本体とは別部品として構築され、フランジ保持特徴部によって前記蓋本体上に保持される、請求項1に記載のスプレーガンカップ蓋。
【請求項6】
前記フランジは、前記蓋本体に対して回転可能である、請求項1に記載のスプレーガンカップ蓋。
【請求項7】
容器接続構造を備えるスプレーガンカップ容器と、
請求項1に記載のスプレーガンカップ蓋と、
を備える、スプレーガンカップ。
【請求項8】
ライナーを備え、前記ライナーは、解放タブを備える、請求項7に記載のスプレーガンカップ。
【請求項9】
前記解放タブは、前記ライナーが蓋に組み付けられたときにフランジ開口部内に嵌合する、請求項8に記載のスプレーガンカップ。
【請求項10】
請求項7に記載のスプレーガンカップ容器に蓋を装着する方法であって、
前記蓋を前記スプレーガンカップ容器の開口端の上に配置するステップと、
前記蓋係合部材を前記スプレーガンカップ容器の容器係合部材と係合させることにより、前記蓋を前記スプレーガンカップ容器に装着するステップと、
前記フランジタブを持ち上げて前記容器係合部材から前記蓋係合部材を解放するステップと、
前記スプレーガンカップ容器から前記蓋を持ち上げるステップと、
を有する、方法。
【請求項11】
前記装着するステップは、前記フランジを回転させずに前記スプレーガンカップ容器に向かって軸方向に並進させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記フランジタブを持ち上げるステップ及び前記スプレーガンカップ容器から前記ライナーを持ち上げるステップは、前記スプレーガンカップ容器に対する前記フランジのいかなる回転も必要としない、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ステイン、プライマー、塗料、シーラーなどのコーティングを表面に噴霧するために、液体スプレーガンが一般に使用されている。液体スプレーガンに、噴霧する液体を収容した塗料カップを装備することが知られている。改善された塗料カップ、その構成要素、及びそれらを使用するための方法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0002】
塗料カップ及びその構成要素は、その典型的な環境で(例えば、自動車衝突修理工場の調色室内で)使用するとき、塗料で被覆されてしまう傾向があることが確認されている。この塗料の被覆は、塗装者に現実的な困難をもたらす可能性がある。例えば、塗料カップは購入時には(カップの内容物が見えるように)透明であり得るが、乾燥した塗料の蓄積により、最終的には内容物を見ることが困難又は不可能になる。特に、塗料の成分又は他の物質を正確な測定量で混合するのを容易にするために、透明な塗料カップの仕組みは多くの場合、カップの外側から見える混合比ゲージを含んでいる。混合比ゲージは別個の挿入物である場合も、又は塗料カップ自体の表面に表示される場合もある。塗料の蓄積に対抗し混合比ゲージの視認性を維持するためには、塗装者は、溶剤を使用して塗料カップをきれいにするか、又は新しい塗料カップを購入する必要がある。そして塗装者が汚染されたカップと交換するために新しいカップを購入せざるを得ない場合、大量のプラスチック材の廃棄が必要となる場合があり、また新しいカップの費用が高い場合がある。
【0003】
本開示は、改善されたスプレーガンカップ、スプレーガンカップ容器、及びそれらを使用する方法に関する。特定の実施形態では、スプレーガンカップ容器を製造するために使用する材料をより少なくすることができ、このことにより、より安価に製造でき、使用時により軽く、処分時に廃棄量がより少ないスプレーガンカップが得られる。本開示によるスプレーガンカップ容器はまた、その側壁に開口を設けるので、この側壁を通してスプレーガンカップの内容物の視認性を高めることも可能にできる。これは、塗料の混合中、適切な体積及び/又は成分の比が確実に使用されるようにするために、スプレーガンカップに加えられた様々な液体の液位を見ることを塗装者が望むことがあるときに、特に有益であり得る。開口が塗料で被覆されてしまうことはあり得ないので、側壁の残りの部分が塗料で被覆されてしまったとしても、スプレーガンカップの内容物を依然として容易に見ることができる。
【0004】
更に、スプレーガンカップ容器の側壁におけるブレース部材の性質及び配置により、このブレース部材は、開口の十分な部分を閉塞されないままに残し、このため、どのような高さからでも少なくとも1つの視線の方向から、スプレーガンカップの内容物が見える。言い換えれば、スプレーガンカップ内の液体の液位が確実に特定の高さにあるようにすることを塗装者が望む場合であって、この高さがある回転位置においてブレース部材によって視界から遮られている場合には、塗装者はその高さが見えるようになるまで、スプレーガンカップを回転するだけでよく、又はスプレーガンカップを別の方向から見るだけでよい。このようにして、塗装者は内容物の精確な液位を、スプレーガンカップ容器の不透明度に関係なくどの高さでも判定できる。
【0005】
本開示の一部の実施形態によるスプレーガンカップ容器は、塗料の混合中に、強度、剛性、及び構造を提供できる。一部の実施形態では、スプレーガンカップ容器は、噴霧中所定位置に置いておかれる。そのような実施形態では、スプレーガンカップ容器はまた、スプレーガンカップをスプレーガンに接続するときに、及び塗装工程自体において、強度、剛性、及び構造を提供することもできる。これらの利益は、製造のために必要な原材料の量を(切れ目のない壁を有する塗料カップと比較して)低減しつつ達成できる。
【0006】
一部の実施形態では、スプレーガンカップは、スプレーガンカップ容器に挿入可能なライナーを含み得る。そのような場合、スプレーガンカップ容器は、外側支持カップとしての役割を果たし得る。
【0007】
一部の実施形態では、スプレーガンカップは、組み込まれたフィルタを任意選択的に含み得る蓋部材を備え得る。組み込まれたフィルタは、使用者が塗料カップ自体の中で塗料を混合することを可能にすることによって、別個のフィルタの必要性を排除できる(すなわち、別の容器から塗料を移動させる必要がない)。移動ステップの数が少なくなっているので、無駄になる塗料の量が低減される。本開示の一部の実施形態において使用するのに好適な蓋部材及びライナーの例は、JosephらによるPCT公開第1998/032539号(あるいは米国公開第2004/0256484(A1)号、その開示は参照によってその全体が本明細書に組み込まれている)に見出すことができる。
【0008】
本開示によるスプレーガンカップ及びスプレーガンカップ容器は、塗料噴霧システムの使用時にあらゆる典型的な力に耐えるのに必要な構造を提供できる。スプレーガンカップ容器の一部によりその内容物の一部を見るのが妨げられている場合、容器、ライナー、又は(ある場合は)混合比ゲージを、回転又は他の方法で調節して、それまでスプレーガンカップ容器によって隠れていた内容物の部分が見えるようにできる。こうして、混合、接続、及び塗装工程の全体を通して必要となる十分な強度、剛性、及び構造を維持したまま、内容物の視認性が保証される。
【0009】
本開示によるスプレーガンカップ、容器、蓋、及びライナーは、既知のシステムと比較して、組立、使用、分解、及び洗浄を更に容易にすることができる。一部の実施形態では、蓋は独立したカラーを必要とすることなく容器に直接接続可能であり、蓋及び容器には、位置合わせを部分的に支援し同時に接続の時間を短くしミスを低減するための、相補的な接続特徴部が設けられる。
【0010】
更に、本開示による実施形態は、使用者が、ライナーでしっかりと封止されている蓋からライナーを分離するのを支援することができる。本明細書に開示する特徴は、この機能性を提供しつつ、ライナーの破断及び/又は塗料のこぼれの発生の可能性を低減することもできる。
【0011】
更に、一部の実施形態は、開口を有する容器を把持している使用者に、塗料が充填されたライナーを使用者が不適切に圧迫する又は締め付けるのを回避するよう導くための改善された触覚フィードバックを提供し、これによりコストのかさむこぼれの可能性を低減することができる。
【0012】
本明細書に開示する追加の実施形態は、スプレーガンカップ用の構成要素(例えば、蓋)を製造する際に柔軟性を高め、コストを低減することができる。例えば、本明細書に開示する蓋はモジュール式構成要素から組み立てることができるが、その利点を以下でより十分に説明する。
【0013】
本開示は以下の例示の実施形態を包含するが、これらに限定されるものではない。
実施形態1:スプレーガンカップ容器であって、
空洞内にライナーを受け入れるための開口端と、
開口端の反対側の基端部であって、基端部を通る基準平面が作業面Wと平行となるように、開口端が上を向いた状態で作業面に対して配置可能である、基端部と、
空洞を取り囲みかつ開口端を基端部に接続している側壁であって、スプレーガンカップ容器の外側から空洞を見ることのできる2つの開口を備える、側壁と、を備え、2つの開口はブレース部材によって上下に分割されており、このブレース部材の少なくとも一部は基準平面に対してブレース部材角度αで配設されている、スプレーガンカップ容器。
【0014】
実施形態2:ブレース部材角度αは、空洞内のどの垂直位置においても2つの開口の少なくとも一方を通して空洞が見えるようにするのに十分である、実施形態1のスプレーガンカップ容器。
【0015】
実施形態3:ブレース部材は空洞の周囲にブレース部材軌道Tを画定しており、ブレース部材軌道は円形ではない楕円を構成する、実施形態1又は2のスプレーガンカップ容器。
【0016】
実施形態4:ブレース部材角度αは少なくとも2度である、実施形態1~3のいずれか1つのスプレーガンカップ容器。
【0017】
実施形態5:ブレース部材角度αは30度以下である、実施形態1~4のいずれか1つのスプレンカップ容器。
【0018】
実施形態6:開口端は、開口端に蓋部材を固着できるようにするための容器接続構造を備える、実施形態1~5のいずれか1つのスプレーガンカップ容器。
【0019】
実施形態7:容器接続構造は、ねじ山付き接続部、らせんウェッジ接続部、スナップ嵌合接続部、押し嵌め接続部、ツイストロック接続部、クリップ接続部、ストラップ接続部、又はこれらの組み合わせ、のうちの1つによって蓋部材の固着を可能にする、実施形態1~5のいずれか1つのスプレーガンカップ容器。
【0020】
実施形態8:側壁はブレース部材と交差している1つ以上の概ね垂直な支持部材を備える、実施形態1~7のいずれか1つのスプレーガンカップ容器。
【0021】
実施形態9:
実施形態1~8のいずれか1つに記載のスプレーガンカップ容器と、
空洞内に配置されたライナーであって、スプレーガンカップ容器の開口端に対応する開口端を備える、ライナーと、を備える、スプレーガンカップ。
【0022】
実施形態10:開口を通して見え、ライナーの内容物の体積を示すための体積測定表示V位置を備える、実施形態9のスプレーガンカップ。
【0023】
実施形態11:体積測定表示はライナー上にある、実施形態10のスプレーガンカップ。
【0024】
実施形態12:体積測定表示は、スプレーガンカップ容器とライナーとの間に配置された挿入物上に設けられている、実施形態10のスプレーガンカップ。
【0025】
実施形態13:スプレーガンカップ容器の開口端に固着された蓋部材を備える、実施形態9~12のいずれか1つのスプレーガンカップ受容器。
【0026】
実施形態14:ライナーの開口端は、蓋部材とスプレーガンカップ容器の開口端との相互作用によって固着されている、実施形態13のスプレーガンカップ受容器。
【0027】
実施形態15:
実施形態1~8のいずれか1つに記載のスプレーガンカップ容器を作業面上に配置することと、
ライナーをスプレーガンカップ容器の開口端に挿入することと、
ライナーに液体を加えることと、
スプレーガンカップ容器の側壁の開口を通して液体の液位を見ることと、を含む、スプレーガンカップを使用する方法。
【0028】
実施形態16:ライナーをスプレーガンカップ容器の開口端内に挿入する前に、スプレーガンカップ容器の開口端内に体積測定表示を備える挿入物を挿入することを含む、実施形態15の方法。
【0029】
実施形態17:開口を通して体積測定表示を見ることによって液体の体積を判定することを含む、実施形態16の方法。
【0030】
実施形態18:ライナーに追加の液体を加えることと、スプレーガンカップ容器の側壁の開口を通して混じり合った液体の液位を見ることと、を含む、実施形態15~17のいずれか1つに記載の方法。
【0031】
実施形態19:スプレーガンカップ容器の開口端に蓋を固着することを含み、蓋が液体出口を備えている、実施形態15~18のいずれか1つに記載の方法。
【0032】
実施形態20:スプレーガンに液体出口を取り付けることを含む、実施形態19の方法。
【0033】
実施形態21:側壁上に、開口に直接隣接して配置された触覚フィードバック部材を備える、実施形態1~8のいずれか1つのスプレーガンカップ容器。
【0034】
実施形態22:触覚フィードバック部材は側壁から半径方向外向きに延びる突出部を備える、実施形態21のスプレーガンカップ容器。
【0035】
実施形態23:スプレーガンカップ容器は、側壁上に、開口に直接隣接して配置された触覚フィードバック部材を備える、実施形態9~14のいずれか1つのスプレーガンカップ。
【0036】
実施形態24:触覚フィードバック部材は側壁から半径方向外向きに延びる突出部を備える、実施形態23のスプレーガンカップ。
【0037】
実施形態25:ライナーに液体を加えた後で、開口に直接隣接する触覚フィードバック部材を備えるスプレーガンカップ容器の側壁を把持することと、触覚フィードバック部材からのフィードバックを使用して開口を通してライナーを把持するのを回避することと、を含む、実施形態15~20のいずれか1つの方法。
【0038】
実施形態26:
液体出口及び出口接続部材を備える蓋本体と、
適合するスプレーガンカップ容器に蓋を接続するための蓋接続構造を備えるフランジであって、蓋本体とは別部品として構築されフランジ保持特徴部によって蓋本体上に保持されるフランジと、を備える、スプレーガンカップ蓋。
【0039】
実施形態27:フランジは蓋本体に対して回転可能である、実施形態26の蓋。
【0040】
実施形態28:フランジは限定された円弧にわたって回転可能である、実施形態27の蓋。
【0041】
実施形態29:フランジの回転はフランジ回転制限特徴部によって制限される、実施形態28の蓋。
【0042】
実施形態30:フランジ回転制限特徴部はフランジ保持特徴部と相互作用して回転を制限する、実施形態29の蓋。
【0043】
実施形態31:フランジは蓋本体に対して回転に関して固定されている、実施形態26の蓋。
【0044】
実施形態32:液体が液体出口を出る前に液体を濾過するように配置されたフィルタを備える、実施形態26~31のいずれか1つの蓋。
【0045】
実施形態33:蓋本体は使用時に塗料を液体出口に送り込むように配置されている蓋本体内面を備える、実施形態26~32のいずれか1つの蓋。
【0046】
実施形態34:
液体出口を備える蓋本体と、
蓋本体の外周に配置され、蓋接続構造を備えるフランジと、を備え、蓋接続構造は、蓋係合部材を備えるフランジタブを備える、スプレーガンカップ蓋。
【0047】
実施形態35:蓋係合部材は蓋カム面を備える、実施形態34の蓋。
【0048】
実施形態36:蓋カム面は傾斜面、曲面、平面、又はこれらの組み合わせのうちの1つを備える、実施形態35の蓋。
【0049】
実施形態37:蓋本体は蓋本体内面を備え、蓋カム面は全体に蓋本体内面に面している、実施形態35又は36の蓋。
【0050】
実施形態38:フランジはフランジタブに対応するアクセス窓を備え、アクセス窓は蓋カム面にアクセスするための開口部を提供する、実施形態35~37のいずれか1つの蓋。
【0051】
実施形態39:フランジは2つのフランジタブを分けるフランジ開口部を備える、実施形態34~38のいずれか1つの蓋。
【0052】
実施形態40:フランジは少なくとも3つのフランジタブと少なくとも3つのフランジ開口部とを備える、実施形態39の蓋。
【0053】
実施形態41:フランジ開口部には、適合するライナーの解放タブのためのクリアランスがある、実施形態39又は40の蓋。
【0054】
実施形態42:フランジ開口部に近接している2つのフランジタブを接続するフランジ架橋部材を備える、実施形態39~41のいずれか1つの蓋。
【0055】
実施形態43:蓋係合部材は嵌め込みが容易な部分ねじ(easy-start partial thread)を備える、実施形態34~41のいずれか1つの蓋。
【0056】
実施形態44:蓋係合部材は、適合するスプレーガンカップ容器に接続しているときに蓋の過回転を防止するための停止特徴部を備える、実施形態34~43のいずれか1つの蓋。
【0057】
実施形態45:蓋係合部材は、適合するスプレーガンカップ容器に蓋がスナップ嵌合するのを可能にするスナップ嵌合特徴部を備える、実施形態34の蓋。
【0058】
実施形態46:フランジはフランジタブに対応するアクセス窓を備え、アクセス窓はスナップ嵌合特徴部にアクセスするための開口部を提供する、実施形態45の蓋。
【0059】
実施形態47:フランジは蓋本体とは別部品として構築され、フランジ保持特徴部によって蓋本体上に保持される、実施形態34~44のいずれか1つの蓋。
【0060】
実施形態48:蓋本体は出口接続部材を備える、実施形態34~44又は47のいずれか1つの蓋。
【0061】
実施形態49:フランジは蓋本体に対して回転可能である、実施形態47又は48の蓋。
【0062】
実施形態50:フランジは限定された円弧にわたって回転可能である、実施形態49の蓋。
【0063】
実施形態51:フランジの回転はフランジ回転制限特徴部によって制限される、実施形態50の蓋。
【0064】
実施形態52:フランジ回転制限特徴部はフランジ保持特徴部と相互作用して回転を制限する、実施形態51の蓋。
【0065】
実施形態53:フランジは蓋本体に対して回転に関して固定されている、実施形態47又は48の蓋。
【0066】
実施形態54:液体が液体出口を出る前に液体を濾過するように配置されたフィルタを備える、実施形態34~53のいずれか1つの蓋。
【0067】
実施形態55:蓋本体は使用時に塗料を液体出口に送り込むように配置されている蓋本体内面を備える、実施形態34~54のいずれか1つの蓋。
【0068】
実施形態56:
中心軸線を取り囲む開口端と、
嵌め込みが容易な部分ねじを備える容器係合部材を備える容器接続構造と、を備える、スプレーガンカップ容器。
【0069】
実施形態57:容器接続構造は、開口端の周縁部の周囲の空間によって分離された少なくとも2つの容器係合部材を備える、実施形態56のスプレーガンカップ容器。
【0070】
実施形態58:空間は、適合する蓋を中心軸線に沿ってスプレーガンカップ容器に、蓋とスプレーガンカップ容器との相対回転なしに装着したときに、蓋の蓋係合部材に対し完全なクリアランスを許容する大きさである、実施形態57のスプレーガンカップ容器。
【0071】
実施形態59:容器係合部材のうちの少なくとも1つは、適合する蓋の過回転を防止するための停止特徴部を備える、実施形態58のスプレーガンカップ容器。
【0072】
実施形態60:容器係合部材のうちの少なくとも1つは前方部分を備え、前方部分は、途中まで装着された蓋の逆回転を防止するような中心軸線に沿った高さに配置されている、実施形態58又は59のスプレーガンカップ容器。
【0073】
実施形態61:
蓋本体、
蓋本体の周縁部にあり、フランジ開口部によって分離された少なくとも2つのフランジタブを備えるフランジ、
を備える、蓋と、
解放タブを備えるライナーと、を備え、解放タブはライナーが蓋に組み付けられたときにフランジ開口部内に嵌合する、
スプレーガンカップ。
【0074】
実施形態62:
容器接続構造を備えるスプレーガンカップ容器と、
実施形態26~55のいずれか1つに記載の蓋と、を備える、スプレーガンカップ。
【0075】
実施形態63:ライナーを備える、実施形態62のスプレーガンカップ。
【0076】
実施形態64:ライナーは解放タブを備える、実施形態63のスプレーガンカップ。
【0077】
実施形態65:
実施形態56~60のいずれか1つに記載のスプレーガンカップ容器と、
嵌め込みが容易な部分ねじを備える蓋係合部材を備える蓋と、を備える、スプレーガンカップ。
【0078】
実施形態66:蓋係合部材は後方部分を備え、後方部分は、蓋が途中まで装着されたときに、後方部分が容器係合部材の前方部分に接触して蓋の逆回転を防止するような中心軸線に沿った高さに配置されている、実施形態65のスプレーガンカップ。
【0079】
実施形態67:ライナーを備える、実施形態65又は66のスプレーガンカップ。
【0080】
実施形態68:ライナーは解放タブを備える、実施形態67のスプレーガンカップ。
【0081】
実施形態69:実施形態56~60のいずれか1つに記載のスプレーガンカップ容器と、実施形態26~55のいずれか1つに記載の蓋と、を備える、スプレーガンカップ。
【0082】
実施形態70:ライナーを備える、実施形態69のスプレーガンカップ。
【0083】
実施形態71:ライナーは解放タブを備える、実施形態70のスプレーガンカップ。
【0084】
実施形態72:スプレーガンカップ容器に蓋を装着する方法であって、
開口端を備えるライナーを、容器係合構造を備えるスプレーガンカップ容器の開口端に、ライナーの開口端がスプレーガンカップ容器の開口端内に定置されるように挿入することと、
蓋をスプレーガンカップ容器の開口端の上に、蓋の蓋接続構造が容器接続構造と回転方向に位置合わせされるように配置することと、
蓋を中心軸線に沿ってライナーの開口端に押し込んで、ライナーの開口端を蓋のライナー封止部材の周囲で半径方向外向きに伸張させることと、
蓋をライナーに押し込んだ後に、蓋接続構造を回転させて容器接続構造と係合させて、蓋及びライナーをスプレーガンカップ容器に対して所定位置にロックすることと、を含む、方法。
【0085】
実施形態73:押し込むステップは、蓋接続構造を回転させる前に、本質的に蓋をライナー内のその最終位置に押し込むことを含む、実施形態72の方法。
【0086】
実施形態74:押し込むステップは、蓋リム部を押し込んでライナーリム部と接触させることを含む、実施形態73の方法。
【0087】
実施形態75:回転させるステップは、スプレーガンカップ容器のカム面を蓋カム面と係合させて、スプレーガンカップ容器に向かって蓋を引き込むような引込力を中心軸線に沿って加えることを含む、実施形態72~74のいずれか1つの方法。
【0088】
実施形態76:回転させるステップの後で、蓋接続構造を反対方向に回転させて、容器接続構造から蓋接続構造を脱離することと、
蓋からライナーを取り外すことと、を含む、実施形態72~75のいずれか1つの方法。
【0089】
実施形態77:蓋からライナーを取り外す前に、蓋をライナーと一緒にスプレーガンカップ容器から持ち上げることを含む、実施形態76の方法。
【0090】
実施形態78:蓋からライナーを取り外すことは、ライナー上の解放タブを把持して蓋封止部材からライナーを引きはがすことを含む、実施形態76又は77の方法。
【0091】
実施形態79:スプレーガンカップ容器に蓋を装着する方法であって、
蓋本体とフランジと蓋係合部材を有するフランジタブとを備える蓋を、スプレーガンカップ容器の開口端に配置することと、
蓋係合部材をスプレーガンカップ容器の容器係合部材と係合させることにより、蓋をスプレーガンカップ容器に装着することと、
フランジタブを持ち上げて蓋係合部材を容器係合部材から解放することと、
スプレーガンカップ容器から蓋を持ち上げることと、を含む、方法。
【0092】
実施形態80:装着するステップはスプレーガンカップ容器に対してフランジを回転させることを含む、実施形態79の方法。
【0093】
実施形態81:装着するステップは、フランジを回転させずにスプレーガンカップ容器に向かって軸方向に並進させることを含む、実施形態79の方法。
【0094】
実施形態82:フランジタブを持ち上げること及びスプレーガンカップ容器からライナーを持ち上げることは、スプレーガンカップ容器に対するフランジのいかなる回転も必要としない、実施形態79~81のいずれか1つの方法。
【0095】
実施形態83:
モジュール式蓋ベースと、
モジュール式蓋ベースとは独立して形成されモジュール式蓋ベースに境界面において接続されているモジュール式液体出口であって、適合するスプレーガンへの接続を可能にするための出口接続部材を備えるモジュール式液体出口と、を備える、スプレーガンカップ蓋。
【0096】
実施形態84:モジュール式蓋ベース又はモジュール式液体出口の少なくとも一方は、モジュール式蓋ベースにモジュール式液体出口が装着されたときに液密封止部を生成する封止特徴部を備える、実施形態83の蓋。
【0097】
実施形態85:封止特徴部は、モジュール式蓋ベース又はモジュール式液体出口の少なくとも一方に応じて円筒状の突出部上に位置決めされている、実施形態84の蓋。
【0098】
実施形態86:封止特徴部は少なくとも1つの半径方向の封止リブを備える、実施形態84又は85の蓋。
【0099】
実施形態87:モジュール式液体出口上の液体出口は内面を備え、モジュール式蓋ベースへのモジュール式液体出口の組み付けにより内面上に液密封止部が生成される、実施形態84~86のいずれか1つの蓋。
【0100】
実施形態88:モジュール式蓋ベース又はモジュール式液体出口の少なくとも一方は、組立時にモジュール式蓋ベース及びモジュール式液体出口を回転するように配置し保持するための位置合わせ特徴部を備える、実施形態83~87のいずれか1つの蓋。
【0101】
実施形態89:モジュール式液体出口は、スピン溶接、音波溶接、ツイストロック、接着剤、ねじ山、メカニカルファスナー、変形させた柱体、又はこれらの組み合わせのうちの1つによって、モジュール式蓋ベースに装着される、実施形態83~88のいずれか1つの蓋。
【0102】
実施形態90:モジュール式液体出口はモジュール式蓋ベースから非破壊的に取り外し可能である、実施形態83~89のいずれか1つの蓋。
【0103】
実施形態91:モジュール式液体出口はモジュール式蓋ベースとは異なる材料から構築されている、実施形態83~90のいずれか1つの蓋。
【0104】
実施形態92:モジュール式液体出口は、塗料をモジュール式液体出口を介してスプレーガンに直接供給できるようにスプレーガンカップ以外の塗料供給源に代替として接続するように適合されている、実施形態83~91のいずれか1つの蓋。
【0105】
実施形態93:特定のモデルのスプレーガンに合致するようにスプレーガンの蓋を設計する方法であって、
特定のスプレーガンのための塗料入口接続幾何形状を決定することと、
スプレーガン上の塗料入口接続幾何形状に合致する出口接続幾何形状を備えるモジュール式液体出口を構築することと、
モジュール式液体出口をモジュール式蓋ベースと一緒に包装することであって、モジュール式液体出口は蓋がスプレーガンに合致するようにモジュール式蓋ベースに装着されるように適合されている、ことと、を含む、方法。
【0106】
実施形態94:包装するステップは、モジュール式液体出口をモジュール式蓋ベースに装着してそれ以上の組み付けが必要ないようにすることを含む、実施形態93の方法。
【0107】
実施形態95:包装するステップは、後段の顧客又は最終使用者が後で組み立てられるように、モジュール式液体出口とモジュール式蓋ベースを組み付けないままにしておくことを含む、実施形態93の方法。
【0108】
実施形態96:単一のモジュール式蓋ベースに装着可能であるが複数のスプレーガンに合致する複数のモジュール式液体出口を設計することを含む、実施形態93~95のいずれか1つの方法。
【0109】
実施形態97:モジュール式液体出口を構築する前に、特定のスプレーガンに合致する蓋の提供を求める顧客からの要求を受け付けることを含む、実施形態96の方法。
【0110】
実施形態98:後段の顧客又は使用者に、モジュール式蓋ベースに特定のスプレーガン用のモジュール式液体出口を装着するように指示することを含む、実施形態93~97のいずれか1つの方法。
【0111】
実施形態99:モジュール式蓋ベースにモジュール式液体出口を装着して蓋を形成することと、蓋をスプレーガンに接続することと、を含む、スプレーガンの蓋を使用する方法。
【0112】
実施形態100:モジュール式蓋ベースにモジュール式液体出口を装着する前に、異なるスプレーガンに合致するように設計された少なくとも2つの異なるモジュール式液体出口から選択することと、装着すべき正しいモジュール式液体出口を決定することと、を含む、実施形態99の方法。
【0113】
実施形態101:モジュール式蓋ベースと、少なくとも2つのモジュール式液体出口と、を含む、スプレーガン蓋キット。
【0114】
実施形態102:少なくとも2つのモジュール式液体出口は、2つ以上のスプレーガン上の塗料入口接続幾何形状に合致するように設計された異なる出口接続部材を備える、実施形態101のキット。
【0115】
実施形態103:実施形態83~90のいずれか1つの蓋と、少なくとも1つの追加のモジュール式液体出口と、を含む、スプレーガン蓋キット。
【0116】
実施形態104:少なくとも2つのモジュール式液体出口は、2つ以上のスプレーガン上の塗料入口接続幾何形状に合致するように設計された異なる出口接続部材を備える、実施形態103のキット。
【0117】
実施形態105:実施形態56~60及び/又は65~82のいずれか1つに記載のスプレーガンカップ容器の使用を含むスプレーガンカップ容器又は方法であって、スプレーガンカップ容器及び/又は方法は実施形態1~25のいずれか1つの特徴を備える、スプレーガンカップ容器又は方法。
【0118】
実施形態106:空洞内にライナーを受け入れるための開口端と、空洞を取り囲みかつ開口端を基端部に接続している側壁であって、スプレーガンカップ容器の外側から空洞を見ることのできる開口を備える側壁と、側壁上に開口に直接隣接して配置された触覚フィードバック部材と、を備える、スプレーガンカップ容器。
【0119】
実施形態107:触覚フィードバック部材は側壁から半径方向外向きに延びる突出部を備える、実施形態106のスプレーガンカップ容器。
【0120】
これらの並びに他の態様、利点、及び代替形態は、添付の図面を適宜参照して以下の詳細な説明を読むことによって、当業者に明らかになるであろう。
【0121】
簡潔さのために、本明細書の全体を通して「塗料」という用語が使用されていることに留意すべきであるが、このことは、塗料とともに使用することにスプレーガンカップ容器を限定しないこと、及び、スプレーガンカップ容器が液体スプレーガンシステムで使用するのに好適なあらゆる液体とともに使用するのに好適であることが、理解されるであろう。
【0122】
加えて、「上部」、「下部」、「上側」、「下側」、「下」、「上」、「前」、「後」、「外向き」、「内向き」、「上方」、「下方」、「第1」、及び「第2」などの用語が本開示において使用され得るが、特に断らない限り、これらの用語はその相対的な意味においてのみ使用されることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【
図1A】本開示によるスプレーガンカップ容器の実施形態の等角図である。
【
図1B】本開示による
図1Aに提示したスプレーガンカップ容器の実施形態の側面図である。
【
図1C】本開示による体積測定表示を含むスプレーガンカップ容器の実施形態の側面図である。
【
図1D】本開示によるスプレーガンカップ容器の
図1Cの1D-1Dで切った断面図である。
【
図2】本開示によるスプレーガンカップ容器の実施形態の側面図である。
【
図3】本開示によるスプレーガンカップ容器の実施形態の側面図である。
【
図4A】本開示によるスプレーガンカップの実施形態の等角図である。
【
図4B】本開示による体積測定表示を含むスプレーガンカップの実施形態の等角図である。
【
図4C】本開示による体積測定表示を備える挿入物を含むスプレーガンカップの実施形態の分解等角図である。
【
図4D】本開示によるスプレーガンカップの実施形態の分解等角図である。
【
図5A】本開示によるスプレーガンカップの実施形態の等角図である。
【
図5B】本開示による体積測定表示を含むスプレーガンカップの実施形態の等角図である。
【
図5C】本開示による体積測定表示を備える挿入物を含むスプレーガンカップの実施形態の分解等角図である。
【
図5D】本開示によるスプレーガンカップの実施形態の分解等角図である。
【
図6】本開示によるスプレーガンカップの実施形態の等角図である。
【
図7】
図6のスプレーガンカップの分解等角図である。
【
図8】ライナーが取り外し特徴部無しで示されている、
図6のスプレーガンカップの代替の実施形態の分解等角図である。
【
図9】本開示によるライナーの実施形態の等角図である。
【
図10】本開示によるスプレーガンカップ容器の実施形態の等角図である。
【
図10A】素早く作動するねじ山特徴部を詳しく示す、
図10のスプレーガンカップ容器の詳細正面図である。
【
図11】本開示による蓋の実施形態の等角図である。
【
図12】本開示による蓋の実施形態の等角図である。
【
図13】本開示による蓋の実施形態の等角図である。
【
図14】本開示による蓋の実施形態の等角図である。
【
図15】本開示による蓋の実施形態の等角図である。
【
図16】本開示による蓋の実施形態の等角図である。
【
図17】本開示によるモジュール式構成要素を備える蓋の等角図である。
【
図18】本開示によるモジュール式構成要素を備える蓋の等角図である。
【
図19】本明細書に記載のモジュール式蓋構成要素を含むキットを描写した等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0124】
添付の図面において、要素によっては同一の又は等価なものが複数存在する場合があり、そのような場合、代表となる1つ以上の要素を1つの参照番号で指定する場合があることに留意すべきであるが、そのような参照番号はそのような同一の要素の全てに適用されることが理解されるであろう。
【0125】
図1A及び
図1Bは、本開示によるスプレーガンカップ容器100の例示の実施形態を描写している。スプレーガンカップ容器100は、内部空洞120へのアクセスを可能にする開口端110を備える。開口端110の反対側には基端部130がある。図示のように、基端部130は、基部を平坦な作業面W(
図1Aには図示せず)上に直接安定して載置できるようにする、任意選択の足部132を有する、本質的に平坦な構成を備える。足部132の個数、形状、及び配置は、必要に応じて変えることができる。一部の実施形態では、基端部130自体は平坦ではないが、追加の構造(すなわちホルダなど)の助けを得て、上記のような作業面上に動かないように保持できる。
【0126】
基端部130が平坦であってもそうでなくても、
図1Bに示すように、(上で示唆したように静止して直立している)基端部130を通って、作業面Wと平行に、基端部平面134を描くことができる。
【0127】
この実施形態では、側壁140は空洞120を取り囲んでおり、開口端110を基端部130に接続している。側壁140は、側壁140を貫通して空洞120の内容物が見えるようにする、(少なくとも2つであるが、この特定の実施形態では8つの)一連の開口150を備える。側壁140を構成するためにどれくらいの量の材料が必要となるかについての要件は存在しない。側壁140は開口端110と基端部130が接続される限りにおいて存在することが理解されるべきである。図示のように、開口150は、ブレース部材160及び支持部材166によって分割されている。一般に、支持部材166は、(中心軸線101に沿っておりかつ基端部平面134と直交する)軸方向における支持をもたらし、一方、ブレース部材160はとりわけ、開口端110と基端部130との間の中間位置において、スプレーガンカップ容器100にフープ強度をもたらす。示された実施形態では、4つの垂直支持部材166が存在する。しかしながら、異なる数(例えば、1つ、2つ、3つ、5つ、6つ、又は7つ以上)の支持部材166が存在し得ること、及び、支持部材166が垂直でなくてもよいか又は概ね垂直でさえあればよいことが、企図されている。「概ね垂直」とは、基端部130から開口端110までの支持部材の軌道の平均を表すように描かれた仮想的な直線が、垂直方向から+/-5度以内にあることを意味する。「垂直」という用語は、本明細書で使用される場合、平坦な基端部130が水平で平坦な作業面上に載置された状態でスプレーガンカップ容器100が載置されていると仮定したときの、幾何的な向きを指すことが理解されるべきである。
【0128】
一部の実施形態では、スプレーガンカップ容器100の側壁140は開口の程度が大きい場合があり、この場合、比較的最小限の支持構造(例えば、ブレース部材160及び/又は支持部材)が設けられる。そのような場合、充填ポリアミドなどの比較的強度の高い材料からスプレーカップ容器(特に側壁140)を構築するのが有利な場合がある。
【0129】
図1A及び
図1Bの実施形態では、スプレーガンカップ容器100がその開口端110に近接した容器接続構造170を備えることを更に見ることができる。この容器接続構造170は、別個の蓋部材300(
図1A~
図1Dには図示せず)を、スプレーガンカップ容器100に固着することを可能にする。図示のように、容器接続構造170はねじ山を備える。ただし、異なる接続機構を提供するために、他の接続構造(例えば、らせんウェッジ接続部、スナップ嵌合接続部、押し嵌め接続部、ツイストロック接続部、クリップ接続部、ラッチ接続部、ヒンジ式接続部、又はこれらの組み合わせ)を採用してもよい。
【0130】
ここで
図1Cに進むと、
図1A及び
図1Bに示す容器と同様のスプレーガンカップ容器100は、体積測定表示「V」を更に備えている。体積測定表示は、空洞120内の液体成分の体積及び/又は比率を判定する手段を塗装者に提供する。体積測定表示は、別個の挿入物600(例えば、
図4C及び
図5Cを参照)として提供されてもよく、ライナー200上に刻印若しくはその他の方法で配設されてもよく、又はその他の方法でスプレーガンカップ容器100と液体を収容できる空洞120との間に配置されてもよい。
【0131】
図1B及び
図1Cに見ることができるように、ブレース部材160は、空洞内120のどの高さでも体積測定表示を見ることを可能にする、好適なブレース部材160の角度αで配設されている。例えば、
図1Cに示すように「10oz.」の表示はブレース部材160の背後に隠れているが、体積測定表示を単に回転させるだけで(例えば、「12oz.」が右下の開口内に現れるように、体積測定表示を回転させることによって)、これを見ることができるようになる。別法として、又は加えて、同じ体積マーキングが2箇所以上に現れるように、体積測定表示を重複させてもよく、この場合、これらの場所のうちの少なくとも1つは、ブレース部材160によって視覚的に遮られていない。このようにして、ブレース部材160の配設によって、内容物の体積をどの液位でも正確に判定することを可能にできる。
【0132】
図1A及び
図1Bの例示の実施形態では、ブレース部材160の角度αの大きさは、基端部平面134を基準として約7.5度である。
図1Cの実施形態では(以下で記載する軌道「T」をより視覚的に明らかにするために)、ブレース部材160の角度αの大きさは、基端部平面134を基準として約25度である。ただし、ブレース部材160の角度α(又はより複雑な形状の場合は「複数の角度」)は、0度よりも大きく90度よりも小さい任意の角度として選ばれてよい(すなわちブレース部材160は、基端部平面134に対して平行でも垂直でもない)。このことにより、スプレーガンカップ容器100の構造要件が緩和されるとともに、本明細書で記載するように、少なくとも1つの開口を通して、空洞120のあらゆる液位において視認性が提供される。ブレース部材160は、開口150が、少なくとも部分的に、垂直方向に重なって配置されるように、少なくとも2つの開口150を分割すべきであり、この場合、スプレーガンカップ容器100のほとんどのサイズ及び幾何形状に対して、90度よりもはるかに小さい(例えば30度以下の)ブレース部材160の角度αが想定される。各図の実施形態に見ることができるように、開口150は、ブレース部材160の角度αで配設されたブレース部材によって、上側開口が下側開口よりも高いところに配置されるように分割されており、これにより、あらゆる液位において視認が可能になる。
【0133】
一部の実施形態では、異なる対応角度α
1、α
2、α
3、等を有する複数のブレース部材160により、より複雑な形状(例えば
図2及び
図3を参照)を形成できる。一部の実施形態では、ブレース部材160の角度αは、基端部平面134を基準として少なくとも約2度である。一部の実施形態では、ブレース部材160の角度αは、基端部平面134を基準として約30度以下である。一部の実施形態では、ブレース部材160の角度αは、基端部平面134を基準として約2度~約30度の範囲内にあり、4、7、11.5、16、及び25度を含むがこれらに限定されず、この範囲内の任意の角度を含む。
【0134】
図1Dの実施形態に示すように、ブレース部材160が空洞120に外接する際に従う軌道「T」は、円形ではない楕円として記述できる。本明細書で使用される場合、「円形ではない楕円」とは、離心率が0ではない楕円を意味する。スプレーガンカップ容器100の側壁140が概ね円筒形である実施形態では、離心率は、度を単位とするブレース部材160の角度αのサインとして計算できる(すなわち、離心率=SIN(α))。一般に、そのような実施形態に関しては、ブレース部材160の角度αが増加すると離心率は増加することになり、その逆も成り立つ。一部の実施形態では、軌道「T」の離心率は、少なくとも0.03である。一部の実施形態では、軌道「T」の離心率は、0.5以下である。一部の実施形態では、軌道「T」の離心率は、約0.03~約0.5の範囲内にある。
【0135】
本開示の範囲内に収まるためには軌道「T」が厳密に楕円形である必要はないことが、理解されるべきである。例えば、スプレーガンカップ容器100は、概ね円筒形であるが、その外形が基端部130から開口端110へと大きくなるように僅かな抜け勾配(例えば約3度)を有して形成されてよく、この結果、概ね楕円形であるが実際には僅かに「卵形状」である、ブレース部材160の角度αに沿った軌道「T」が得られる。
【0136】
他の実施形態では、ブレース部材160は1つ又は複数の異なる軌道に従ってよい。例えば、
図2及び
図3は、
図1A~
図1Dの実施形態とは異なる様式で配設された2つ以上のブレース部材160を備えるスプレーガンカップ500の容器の代替の実施形態を描写している。別法として又は組み合わせとして、ブレース部材160を、そのブレース部材160の角度αが側壁140の周囲でのその位置が変動するにつれて変動する軌道、例えば、正弦波、矩形波、又は鋸歯形パターン、に従うように設けることができる。そのような波又はパターンは反復的であるか又は不規則であってよい。更に、本明細書で描写するスプレーガンカップ500の容器の実施形態は全て概ね円形の断面を示しているが、これは必須ではない。例えば、任意の所与の高さにおけるスプレーガンカップ容器100の断面形状としては、六角形若しくは八角形などの多角形、又は本明細書に記載する機能上の目的の実現を可能にする任意の他の形状が挙げられる。例えば、どのような場合も、ブレース部材160は、本明細書の他の箇所で記載するように、空洞120の視認を可能にするように成形及び配設されることになる。
【0137】
図4Aは、例えば
図1Aに示すようなスプレーガンカップ容器100を備える、スプレーガンカップ500を描写している。この実施形態は、スプレーガンカップ容器100の空洞120内に配置されたライナー200を含む。ライナー200は、スプレーガンカップ容器100の開口端110に対応する開口端210(
図4C~
図4Dを参照)を有する。蓋部材300は、スプレーガンカップ容器100に、ライナー200に、又はその両方に固着されている。蓋部材300は、多くの方法で固着できる。
図4A~
図4Dに示すように、任意選択のカラー400(
図5A~
図5Dを参照)が、カラー400とスプレーガンカップ容器100との間で、カラー接続構造470(この場合はねじ山)を介して、蓋部材300及びライナー200を捕捉する。任意選択のカラー400をスプレーガンカップ500の残りの部分に取り付けるのを可能にするために、既に記載した容器接続構造170のいずれも、類似の様式で使用できる。加えて、又は代替として、蓋部材300自体に、カラー接続構造470を補完するための蓋接続構造370を設けることができる。そのような実施形態では、例えば、カラー400は、蓋部材300の下方から取り付けられて、蓋部材300とカラー400との間でライナー200を捕捉するように構成され得る。そのような実施形態では(及び本明細書に記載する他の実施形態では)、スプレーガンカップ容器は噴霧中スプレーガンカップとともに残っていてよいか、又は、蓋、ライナー、及びカラーは、噴霧中に1つのユニットとして、スプレーガンカップ容器100から脱着されるか若しくは取り外されてよい(この場合、スプレーガンカップ容器100は主に混合器としてのみ使用され得る)。
【0138】
図示のように、蓋部材300は、液体出口310と、スプレーガンの液体入口への蓋300の接続を可能にするための1つ以上の出口接続部材320と、を備える。出口接続部材320は、スプレーガンへの確実な液密の接続を促進する限り、液体出口310上に、その周囲に、それに隣接して、又はそれから離れて設けられてよい。任意選択的に、蓋は、スプレーガンカップ内の液体を噴霧前に濾過するためのフィルタ(図示せず)を備える。
【0139】
液体出口310及び/又は出口接続部材320は、蓋300の残りの部分と一体に形成されてもよい。別法として、これらの構成要素は、最初に、蓋300の残りの部分への接続を可能にする接続幾何形状を備える、別個のモジュール部品又は組立体として形成されてもよい。このような構成の例が
図17~
図18Aに描写されており、これらはそれぞれ、モジュール式蓋ベース304及びこれに接続されるモジュール式液体出口330を備える、例示的な蓋300を描写している。
図17A及び
図18Aは、
図17及び
図18の組立体を分解した状態でそれぞれ描写しており、一方、
図19は、モジュール式蓋ベース304を、様々なスプレーガンに合致するように構成された複数のモジュール式液体出口330を与えられたキットとして描写している(この場合、代替のスプレーガンが「B」、「C」、「D」、「E」、等と標示されている)。このような手法は、例えば、(i)別個のアダプタ、又は(ii)ガン毎にカスタムの蓋を製作するための別個の工具、のいずれも必要とすることなく、単一の蓋/容器の組み合わせが複数のスプレーガンに接続できるようにすることによって、有利であり得る。代わりに、共通のモジュール式蓋ベース304を単一の(より大きい可能性が高い)ツールで製造することができ、一方、より小さいモジュール式液体出口330(より小さい体積で製造されることが予想される)を、より小型で安価な工具及び設備で製造してもよい。この手法により、モジュール式蓋ベース用の工具を修正する必要なく、特定のスプレーガンへの接続幾何形状の変更、又は新たなスプレーガンの導入に対応することができる。
【0140】
本明細書に記載の蓋300(例えば、前段落に記載のキットの)にとって有用な出口接続部材320の例としては、例えば、米国出願第15/375,556号(3M整理番号第78953US002号、名称「Reservoir systems for hand-held spray guns and methods of use」、並びに、米国仮出願第号62/322,492号、同第62/279,619号、及び同第62/279,537号(それぞれ、3M整理番号第78171US002号、名称「Connector systems for hand-held spray guns」、同第77498US002号、名称「Wide-Mouthed Fluid Connector for Hand-Held Spray Guns」、及び同第77499US002号、名称「Button-Lock Fluid Connector for Hand-Held Spray Guns」)に示され記載されているものが挙げられ、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0141】
上記のように提供されるモジュール式液体出口330は、別法として、塗料供給ライン又はパウチ等の端部に取り付けるか又は予め組み付けて、次いでスプレーガン塗料入口に接続することができる。このようにして、モジュール式蓋ベース304、ライナー200、又はスプレーガンカップ容器100を必要とせずに、塗料を直接スプレーガンに供給することができる。
【0142】
モジュール式液体出口330及びモジュール式蓋ベース304を使用して蓋300を構築することにより、更なる利点を提供できるか、又は、それ以外で例えば射出成形を使用して可能となる場合と比較して、より複雑な幾何形状を実現可能に作り出すことが可能になる。例えば、所与の蓋300では、型のパーティングラインの位置及び特定の特徴部を形成するために要求される必要な摺動の軌道に起因して、射出成形部品に特定の幾何形状を形成することが不可能な場合がある。ただし、蓋300がモジュール式構成要素に分割される場合、個片の蓋ではアクセスできなかった各モジュール式構成要素の表面に直接アクセスするように、工具を設計することができる。これにより、更なる幾何学的複雑さを達成することができる。
【0143】
モジュール式蓋構成要素はまた、用途にとって望ましい様々な材料で構築することができる。例えば、モジュール式液体出口330にはエンジニアリングプラスチックを使用することが(スプレーガンとの確実で耐久性のある接続に必要な強度及び公差のために)望ましい場合があり、一方で、モジュール式蓋ベース304にはより低コストのポリマーを使用することができる。
【0144】
モジュール式液体出口330をモジュール式蓋ベース304に(又はその逆で)、様々な方法で固着することができる。例えば、スピン溶接、音波溶接、クォータターンロック、他の機械的ロック機構、糊/接着剤、ねじ切り、他のメカニカルファスナー即ち、ねじ、リベット、及び/又は、冷間成形/熱間成形され構成要素を所定位置に維持/保持し好適な防漏封止部を提供するようにキノコ形とされた、成形された柱体。
【0145】
図17~
図17Aに示す実施形態では、モジュール式液体出口330は、封止特徴部306及び位置合わせ特徴部309によってモジュール式蓋ベース304に対して位置決めされこれに固定される。この場合、封止特徴部306はモジュール式蓋ベース304上にあり、モジュール式蓋ベース304へのモジュール式液体出口330の組み付け時に液体出口310の内面311と相互作用して液密封止部を生成するように適合された1つ又は複数の半径方向の封止リブ308を備える、円筒状の突出部307を備える。同様に、位置合わせ特徴部309は、これら2つの部品を1つに位置決めするのを支援し、更に組み付け後のこれらの部品の相対回転に抵抗するのを支援する。所望であれば、組み付け後に、これら2つの部品を接着剤、溶接などで追加的に固着してもよい。別法として、モジュール式液体出口330とモジュール式蓋ベース304との間の嵌合は、更なるファスナー(例えば、摩擦嵌め、スナップ嵌合、ねじ山など)の助けがなくても十分に確実となるように構築されてもよい。封止特徴部306及び/又は位置合わせ特徴部309は、使用される場合、これら2つの部品間で適宜入れ替えてもよい。
【0146】
図18~
図18Aに示す実施形態では、モジュール式液体出口330は、溶接及び/又は接着剤などによってモジュール式蓋ベース304に固着される。この場合、接着接合部及び/又は溶接接合部は、モジュール式液体出口330をモジュール式蓋ベース304に組み付ける際に、液密封止部の保持及び生成の両方を行うように機能する。
【0147】
本明細書に記載し
図1~
図16Bにわたって描写した蓋300のいずれも、先行するいくつかの段落において記載し
図17~
図19に描写したように、モジュール式に構築できる及び/又はキットとして提供できることが理解されるべきである。
【0148】
図4Bは、本明細書の他の箇所で記載するような、体積測定表示Vを更に含む
図4Aにおけるような実施形態を描写している。
【0149】
図4Cは、挿入物600上に設けられた体積測定表示を含むスプレーガンカップ500の分解図を描写している。図示のように、挿入物600は、挿入時にスプレーガンカップ容器の空洞に合わせて変形可能なシートを備えてよいことが見て取れる。別法として、挿入物600を、変形させることなくスプレーガンカップ容器100に落下させることができる、事前成形されたユニットとして提供することができる。
【0150】
挿入物600、又はスプレーガンカップ容器100の対応する受入側の幾何形状は、挿入物600が空洞内で及び開口に対して調節され、この結果全体に回転しないように固定されるように、構築されてよい。そのような実施形態では、挿入物600には、上記したように、各液位がスプレーガンカップ容器の周囲の少なくとも1つの位置から見えるように、重複する体積測定表示「V」が設けられてよい。一部の実施形態では、挿入物600は、挿入物を2つ以上の位置において挿入し固定できるように、2つ以上の場所において調節可能であってよい。
【0151】
図4Dは、体積測定表示Vを含まないスプレーガンカップ500の分解図を描写しているが、この場合、空洞の内容物はそれにも関わらず、本明細書の他の箇所で記載されるように、少なくとも1つの開口を通してあらゆる液位において見ることができる。提供されている場合にライナー200の内容物が見えるようにするために、ライナーは全体に、透明又は半透明の材料から構築される。
【0152】
図5Aは、カラー400が使用されていない点で
図4Aに描写したものとは異なっている、スプレーガンカップ500を描写している。そうではなく、蓋部材300は、カラーを必要とせずに固着されるように適合されている。その他の点では上記したように構成されているが、蓋部材300には、別法としてカラー400上に設けられていてよい蓋接続構造370が設けられてよい。例えば、蓋部材300自体は、(蓋接続構造370を介して)スプレーガンカップ容器100内に、又は表面上に、又は両方の様式で、直接螺着されてよい。別法として(又は組み合わせとして)、蓋部材300は、
図1Aを参照して既に検討したような容器接続構造170を補完するための、蓋接続構造370(例えば、スナップ嵌合接続部、押し嵌め接続部、ツイストロック接続部、クリップ接続部、ラッチ接続部、ヒンジ式接続部、又はこれらの組み合わせ)を備え得る。
【0153】
図5Bは、本明細書の他の箇所で記載するような、体積測定表示Vを更に含む
図5Aにおけるような実施形態を描写している。
【0154】
図5Cは、挿入物600上に設けられた体積測定表示を含むスプレーガンカップ500の分解図を描写している。図示のように、挿入物600は、挿入時にスプレーガンカップ容器100の空洞に合わせて変形可能なシートを備えてよいことが見て取れる。別法として、挿入物600は、変形させることなくスプレーガンカップ容器100に落下させることができる、事前成形されたユニットとして提供することができる。
【0155】
図5Dは、体積測定表示を含まないスプレーガンカップ500の分解図を描写しているが、この場合、空洞の内容物はそれにも関わらず、本明細書の他の箇所で記載するように、少なくとも1つの開口を通してあらゆる液位において見ることができる。
図5C及び
図5Dの両方に示すように、蓋接続構造370は、補完的な容器接続構造170とのスナップ嵌合接続部を備える。提供されている場合にライナー200の内容物が見えるようにするために、ライナーは全体に、透明又は半透明の材料から構築される。
【0156】
図6から
図8は、
図5A~
図5Dの実施形態のように、別個のカラー400を必要とせず容器接続構造170に直接接続された蓋300を有する、スプレーガンカップ500の追加の実施形態を描写している。そのようなスプレーガンカップ500とともに使用するための例示的なライナーが
図9~
図9Aに示されており、一方、例示的なスプレーガンカップ容器が
図10~10Aに示されており、蓋300の様々な例示的な実施形態が
図11~
図16Bに描写されている。
【0157】
図6に描写された実施形態において、スプレーガンカップ容器100は1つ以上の開口150を備える。このような開口150は上記した様式で設けることができる(すなわち、1つ以上のブレース部材によって分割される)が、ここではブレース部材は示されていない。開口に隣接して、スプレーガンカップ容器100の外壁104から突出している1つ以上の触覚フィードバック部材152が設けられている。別法として、外壁104に凹部として、又は例えば、外壁104上のテクスチャとして、触覚フィードバック部材152を設けてもよい。触覚フィードバック部材は、使用者がスプレーガンカップ500を見なくても自身が開口に隣接した領域を把持していることが分かるようにし、この結果、使用者は、自身の手を適切に位置決めし、開口を通してライナー200に不用意に過剰な圧力を(例えば締め付けることによって)加えるのを回避することができる。ライナー200をこれが塗料で充填されているときに締め付けると、塗料のこぼれを引き起こし得ることが見出されている(塗料をライナー200の開口端210から出るように上向きに押しやること、又はライナー200の開口端210の過剰な変形により蓋300がライナー200から予期せず接続解除されることによって)。
【0158】
図6に示す開口150は、使用者がライナー200を蓋300から取り外すことを望むときに使用者を支援するために、追加的に使用することができる。このことは、例えば、ライナーに追加の液体を補充する又は加えるために望まれる場合がある。特に、使用者は、追加の液体を加えるために、開口150を通して親指以外の1本の指(又は親指及び親指以外の1本の指)を挿入してライナー200を把持し、押さえながら、蓋300をライナー200から慎重に持ち上げることができる。ライナー/蓋の分離を支援するための開口150のこの使用は、最初に蓋/ライナー組立体全体を容器から取り外しその後これら2つを分離する代替策よりも有利である場合があるが、その理由は、この場合、ライナー200が容器100によって本質的に支持されたままとすることができ、これによりこぼれのリスクが低減されるからである。
【0159】
図6~
図16Bに示す例示的なスプレーガンカップ容器は、
図1~
図5Dと比較して構成の異なる開口を備えているが、本明細書に記載の蓋300及びスプレーガンカップ容器100はいずれも、それぞれの容器、蓋、及び/又は任意選択的なカラー接続構造(それぞれ170、370、470)に対して必要な修正が行われれば、互いとともに使用され得ることが理解されるべきである。
【0160】
図11~
図16Bは、本明細書に記載のスプレーガンカップ500の容器に関して有用な蓋の様々な例示的な実施形態を描写している。例えば
図11A及び
図11Cに見ることができるように、蓋300は、1つ以上のライナー封止部材340を備えていてもよい。ライナー封止部材340は、提供されている場合、次のように機能する:ライナー200がスプレーガンカップ容器100の開口端110に挿入され、ライナー200の開口端110を通して塗料が加えられ、蓋300がライナー200(及び容器)の開口端110内に配置され、蓋300が中心軸線101に沿った方向で容器に固着され、このとき、ライナー200の開口端110がライナー封止部材340を覆って半径方向に伸張され、最終的に完全な封止係合の状態となる。ライナー封止部材340は、
図11~
図11E及び
図15~
図19に示すような、1つ以上の半径方向外向きに突出する特徴部を備えていてもよい。ライナー封止部材は、
図12~
図14Aに示すような、面取りされた又はその他のテーパ状の表面を追加的に(又は代替的に)備えていてもよい。
【0161】
蓋300はライナー封止部キャッチ342を更に備えていてもよく、その例は
図12~
図13Aに最も明確に描写されている。ライナー封止部キャッチ342は蓋340上でのライナー保持を強化することができ、一部の実施形態は、本明細書の他の箇所でより詳細に検討されるような「スナップ」動作を許容することによって、蓋300がライナー200内に確実に据えられたという触覚及び/又は聴覚による再確認を最終使用者に提供するのを支援できる。ライナー封止部キャッチ342は、上記したように面取りされた又はその他のテーパ状のライナー封止部材340とともに使用するのに特に適しているが、その理由は、このようなテーパ状の表面には、ライナー200が蓋から引き抜かれるのに抵抗するのを支援し得る他の特徴部(例えば、
図11~
図11E及び
図15~
図19においてライナー封止部材340とともに示されている半径方向外向きに突出する特徴部)が無い場合があるからである。ただし、これらの構造でも、ライナー封止部キャッチ342を追加の支持物として採用してもよい。
【0162】
使用後にスプレーガンカップ500全体(又は蓋300及びライナー200のみ)を廃棄してもよいが、追加の塗料を加えるか又は蓋300を新しいものと交換する(例えば、蓋300内のフィルタ301が目詰まりしたとき若しくは蓋上で塗料が乾燥したとき)かのいずれかのために、使用者が蓋300からライナー200を取り外すことを望む場合がある。しかし、ライナーはライナー封止部材340を覆って完全に封止するように伸張されているので、ライナー200を損傷すること又は塗料をこぼすことなくライナー200を蓋300から取り外すのは困難であり得ることが見出されている。したがって、ライナー200には、組み付け後の蓋300からのライナー200の容易な取り外しを促進する、1つ以上の解放タブ204が設けられてもよい。これらの解放タブ204は、
図7、
図9、及び
図9Aにより詳細に描写されている。
図8は、ライナー200が解放タブ204を任意選択的に備えていない実施形態を描写している。このような実施形態では、使用者は、ライナー解放タブ204の代わりに、開口150を通してライナー200を把持することを利用してもよい。解放タブ204は、単独で、又は開口150を通して把持することと併せて使用してもよい。
【0163】
蓋300は蓋本体360を備えていてもよく、その周縁部の周りにフランジ371を設けられてもよい。描写された実施形態では、フランジ371は、蓋接続構造370の少なくとも一部、特に蓋係合部材372を担持している。一部の実施形態では、フランジ371がその周縁部の周りで中断されるように、1つ以上の開口部380が設けられている。フランジ開口部380により、ライナー200を便利に把持し持ち上げることができるように、ライナー200上の解放タブ204がスプレーガンカップ500から延びるようにするための、クリアランスを実現できる。図示のように、フランジ開口部380は蓋接続構造370を貫通している。したがって、環状の中断部304に隣接してフランジタブ372が存在しており、この上に、容器接続構造170上の相補的な特徴部と相互作用するための蓋係合部材374が設けられている。一部の実施形態では(例えば、
図12~
図13Aを参照)、フランジ開口部380の存在により、ライナー封止部キャッチ342を形成するための工具(例えば、射出成形工具)へのアクセスが可能になり得る。
【0164】
示された実施形態では、容器係合部材172及び蓋係合部材372は嵌め込みが容易な部分ねじを備えており、この場合、蓋300は部分的な回転で容器100に容易に位置合わせされ取り付けられる。嵌め込みが容易な部分ねじを備える容器係合部材174が、
図10及び
図10Aにより詳細に示されている。図示のように、容器係合部材174は、スプレーガンカップ容器100の開口端110から離れる方を向くカム面176を備える。カム面176は、図示のように直線的に傾斜してもよく、又は平坦(傾斜していない)であっても、若しくは湾曲していてもよく、又は傾斜した、平坦な、及び/若しくは湾曲した部分の任意の組み合わせを含んでいてもよい。全体が平坦であれば、(別の箇所でより詳細に記載する)相補的な蓋カム面376上に、部品が相互作用するときにカム作用が促進されるように、傾斜又は湾曲した表面部分を設けることができる。カム面176はその特定の構成に関係なく、ライナー200が蓋300と容器との間の封止関係内に保持されるよう蓋300がスプレーガンカップ容器100に確実に取り付け可能となるように、蓋300上の相補的な構造と相互作用するように適合されている。
【0165】
特徴部176及び376は「カム面」と呼ばれるが、相互作用中にカム作用(本明細書では中心軸線に沿って力を加えることを含むものとして理解されるべきである)が生じることが厳密に必要な訳ではないことが理解されるべきである。むしろ、一部の実施形態では(例えば、以下で記載する特定のツイストロック実施形態を参照)、カム面(376、176)を担持し得る蓋係合部材(374)及び容器係合部材(174)は、装着及び/又は取り外し中に軸方向の力を加える必要はない。
【0166】
図示するように、容器係合部材174には、装着中の蓋300の過回転を防止し蓋300がスプレーガンカップ容器に完全に装着されたことを使用者に示す、停止特徴部178が追加的に装備される(例えば、
図10~
図10Aを参照)。停止特徴部178は、任意選択的に設けられるとき、(図示するように)カム面176と連続したものとして形成されてもよく、又は、カム面176から間隔を空けてもよい。停止特徴部178の存在は、過回転が係合特徴部の変形を引き起こし最終的に接続の潜在的な不具合につながり得る、使い捨て(例えばプラスチック)部品で特に有益であり得ることが見出されている。
【0167】
一実施形態では、蓋係合部材374は容器係合部材174と位置合わせされ協働するように適合されており、この場合、蓋300は、(i)ライナー200に「スナップ嵌合」することができ、(i)クロススレッドを生じることがなく、(iii)スプレーガンカップ容器への蓋の組み付けの開始時に誤った方向に回転されるのに抵抗することになる。これらの利益を実現するために、一連の設計特徴が採用される(示した実施形態では全ての特徴が一緒に使用されているものの、これらを不可分に連結されたものとして開示することは意図しておらず、その理由は、それぞれがそれ以外を必要とすることなく利益をもたらし得るからである)。
【0168】
1つの特徴は、隣接する容器係合部材174同士の間の空間を含み、この空間を、蓋係合部材374が、各部品上のカム面の係合前に、蓋がスプレーガンカップ容器(及び/又はライナー200)に当接して本質的に完全に据えられるまで(ただしまだ完全には封止及び締め付けされていない)完全に通過することができる。このようにして、例えば2つの部品をねじ締めに伴って徐々に一緒に前進させるのとは対照的に、1回の短い動作でライナーに蓋を「スナップ嵌合」することができる。この「スナップ」感覚及び/又は音は、(i)ライナー封止部材340がライナー200の開口端210内に素早く前進し、この結果、ライナー200の一部がライナー封止部材340を覆うように迅速に伸張し、その後弛緩することと、(ii)蓋リム部312がそれに応じて、蓋300が素早く落ち込んで接触するときにライナーリム部212/容器リム部112に衝突することと、の組み合わせから得られる。この短いスナップ感覚により、蓋300及びライナー200が確実に取り付けられたという触覚及び/又は聴覚による再確認を最終使用者に提供することができるが、蓋はスプレーガンカップ容器100に更に固着する必要がある。
【0169】
上記したような「スナップ」作用を介して蓋をライナー200内に本質的に完全に据えることのできる実施形態では、追加のカム作用(例えば、カム面176及び蓋カム面376による)を提供する必要がない場合がある。むしろ、構成要素の十分な保持が、カム作用の無いツイストロック接続部によって達成され得る。このような実施形態では、最終使用者は、(i)蓋係合部材(374)及び容器係合部材(174)を位置合わせし、(ii)蓋をライナーにスナップ嵌合し、(iii)蓋をひねって蓋係合部材374を容器係合部材174に対してカム作用の無い様式で係合させることになり、これにより、スプレーガンカップ容器から中心軸線に沿って蓋が引き抜かれるのが、それぞれの係合部材によって防止されるが、これらの係合部材は、スプレーガンカップ容器100又はライナーリム部212に対する蓋300の何らかの圧縮を必ずしももたらさない。
【0170】
次に、前段落で記載したように、蓋300がスプレーガンカップ容器100の上に据えられライナー200に装着されるときであって、回転して嵌め込みが容易な部分ねじに係合する前に、蓋係合部材374の後方部分379は、隣接する容器係合部材174の前方部分179と干渉する中心軸線101に沿った垂直位置に、蓋が逆方向に回転できないように位置決めされる。代わりに、最終使用者は、蓋を正しい向きに回転させるだけで、最終的に蓋及びライナーをスプレーガンカップ容器100に対してロックすることができる。
【0171】
したがって、蓋は、(i)回転方向に容易に位置合わせされ、(ii)スプレーガンカップ容器に対して正しい軸方向位置に容易に移され、(iii)確実な接続を再確認できるように所定位置でスナップ嵌合され、(iv)誤った方向に回転するのを防止され、(v)クロススレッドが生じるリスク無しに正しい方向に容易に回転されて、それぞれのカム面と係合して十分な封止及び締め付けが行われる。
【0172】
容器係合部材172を図示するような嵌め込みが容易な部分ねじとして提供することにより、蓋の装着をより短時間に行うことができるだけでなく、クロススレッドの可能性を防止し、余分な塗料が集まり組立体を詰まらせる可能性のある領域の数を減らし、洗浄を容易にすることができる。
【0173】
例えば、
図11に示すように、蓋は、各容器係合部材174に1つずつ対応する、4つのフランジタブ372を備える。フランジタブ372は、例えば
図11~
図12E及び
図15~
図16Bに示すように、蓋300の半径方向外周から中心軸線101に沿って突出する独立した部材として設けられていてもよい。別法として、
図13~
図14Aに示すように、フランジタブ372をフランジ架橋部材382で接続してもよい。いずれの場合も、フランジタブ372同士の間の領域内に、フランジ開口部380を設けてもよい。フランジ開口部380は、例えば、他の箇所で検討するようなライナー解放タブ204のためのクリアランスを実現でき、更に、最終使用者の指がアクセスできるようにして装着及び取り外しのために蓋300を把持するのを支援してもよい。このような追加的な把持機能性は、最終使用者が手袋を着用している可能性が高い場合に、及び、最終使用者の手(手袋をした又はそれ以外の)が濡れた塗料で滑りやすい可能性がある場合に、特に望ましい場合がある。
【0174】
フランジ開口部380を備える実施形態では、スプレーガンカップ容器から蓋300を解放するために、最終使用者がより容易にフランジタブ372を持ち上げるか又は必要に応じて上向きにこじることができるという点で、追加の利益を実現できる。このようなこじりは、フランジ371がフランジ開口部380によって中断されない場合には、かなり大きな力を必要とすることになる。このような持ち上げ又はこじりは、蓋300がスプレーガンカップ容器100にスナップ嵌合又は摩擦嵌めされる実施形態において有利であり得るが、所定位置に螺着されている蓋300の取り外しにも有用であり得る(例えば、こぼれ又は余分な塗料が組立体内で乾燥している場合、回転させて取り外すのが困難になる)。このような持ち上げ又はこじりの機能性は、架橋部材382が無い場合に最も良好に達成される可能性が高く、架橋部材382があっても、これに関わらず各フランジタブ372が他の各フランジタブ372とは独立して十分に持ち上がることができる限りは促進可能であることに、留意すべきである。
【0175】
一部の実施形態では(例えば、
図12~
図14Aを参照)、蓋係合部材374に対応するフランジ371に、1つ以上のアクセス窓373が設けられている。アクセス窓373は、射出成形工具において、通常であればフランジタブ372、例えば蓋係合部材374上の蓋カム面376の下にある特徴部の形成のために、摺動によりアクセスを可能にできる。例えば、
図14Aに示すように、蓋300の頂部から見ると、アクセス窓373を通して蓋カム面376を見ることができる。
【0176】
一部の実施形態では(例えば、
図11~
図14Aを参照)、フランジ371は蓋300と一体に形成されている(即ち、蓋本体360とフランジ371とが一体である)。他の実施形態では(例えば、
図15~
図16Bを参照)、フランジ371は、最初は蓋本体360とは独立して形成されており、その後取り付けられて競合する蓋300を形成する。このような場合、フランジ371は、蓋本体360への取り付け後、蓋本体360に対して回転するように構成してもよく(
図16~
図16Bのように)、又は、蓋本体360に対して回転に関して固定されてもよい(
図15~
図15Bのように)。蓋本体360に対して回転するように構成される場合、フランジ371と蓋本体360との相互作用により、蓋本体360をライナー200及び/又はスプレーガンカップ容器100に対して固定された封止関係に維持することができ、このときフランジ371は回転されて、蓋接続構造370を容器接続構造170に係合させる。このような相対移動により、(i)蓋とライナー及び/又はスプレーガンカップ容器との間に封止部を提供することと、(ii)蓋を装着するのに必要な回転力を小さくすることと、の両方を支援できる。
【0177】
別個の構成要素として提供される場合、フランジ371を、1つ以上のフランジ保持特徴部378を介して蓋300上に保持することができる。フランジ保持特徴部378を備える例示的な実施形態が、
図15~
図16Bに示されている。
図15~
図15Bに示す実施形態では、フランジ371は、蓋300に対して回転に関して固定されている。
図16~
図16Bに示す実施形態では、フランジ371は、蓋300に対して回転可能である。一部の実施形態では、中心軸線101を中心にした360度全体にわたって回転が許容されており、一方他の実施形態では、回転が部分的な、例えば90度の回転に制限されている場合がある。回転が制限される場合には、蓋本体360及び/又はフランジ371の一方又は両方に、フランジ回転制限特徴部377を設けてもよい(例えば、
図16C及び
図16Dを参照)。この例では、フランジ371にはフランジ回転制限特徴部377が設けられており、この場合これらは、蓋本体360上のフランジ保持特徴部378と接触するまで、所定の円弧にわたって回転するようになっている。
【0178】
別個のフランジ371を、このフランジ371が蓋本体360に対して回転できる場合であっても、蓋本体360に対して封止関係となるように組み付けることができる(例えば、封止ガスケットを提供すること等による)。ただし、これは通常は必須ではなく、その理由は、蓋本体360はライナー封止部材を(例えば、図に示すように蓋本体の下方から突出しているスカート上に)担持しており、更に、液体出口に塗料を送り込む蓋本体内面361を備えているからである。言い換えれば、蓋本体361はライナーからスプレーガン内へと塗料が流れるための液体導管を形成しており、このため、塗料の漏れ経路を作り出す心配なしに、別個のフランジ371を蓋本体に可動式に接続できる。
【0179】
一部の実施形態では、ライナー200は、蓋300とスプレーガンカップ容器100との間に挟持されたときに追加の封止機能性を提供できる、ライナーの開口端210を取り囲むライナーリム部212を備える。このような実施形態では、蓋300には蓋リム部312を設けてもよく、スプレーガンカップ容器100には開口端110を取り囲む容器リム部112を設けてもよい。
【0180】
このような実施形態では、カム面176が、蓋係合部材374上の蓋カム面376との相互作用を通して、蓋300がスプレーガンカップ容器100に取り付けられたときに中心軸線101に沿って締め付け力を加えることができるのが望ましい場合がある。このような場合、カム面176及び/又は蓋カム面376の一方又は両方には、接続中に中心軸線101に沿った蓋300と容器の相対的な締め付けの動作を引き起こすような幾何形状が与えられている。一実施形態では、このような幾何形状は、少なくとも部分的に、カム面176及び/又は蓋カム面376のいずれか一方又は両方に、上記したような傾斜した又は湾曲したカム面部分によって提供されてもよい。
【0181】
本明細書において様々な態様及び実施形態が開示されたが、当業者には他の態様及び実施形態が明らかであることが、更に諒解されるであろう。本明細書に開示した様々な態様及び実施形態は例示を目的としており、限定的であることを意図しておらず、その真の範囲と趣旨は以下の特許請求の範囲によって示される。本明細書に提示する主題の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書において概説的に記載し、各図に示した本開示の態様を、多種多様な異なる組み合わせで配置構成、置換、組み合わせ、分離、及び設計可能であることが、容易に理解されるであろう。これらの全てが本明細書において企図されている。