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特許7030243管推進機に使用される着脱作業不要配管システム及びこれを用いた施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】管推進機に使用される着脱作業不要配管システム及びこれを用いた施工方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/00 20060101AFI20220225BHJP
   E21D 9/06 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
E21D9/00
E21D9/06 311Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021520297
(86)(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 CN2019084412
(87)【国際公開番号】W WO2020133847
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】201811638532.2
(32)【優先日】2018-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521148197
【氏名又は名称】中▲鉄▼工程装▲備▼集▲団▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHINA RAILWAY ENGINEERING EQUIPMENT GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO. 99 OF SIXTH AVENUE, ECONOMIC AND TECHNOLOGICAL DEVELOPMENT ZONE, ZHENGZHOU, HENAN 450016, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲賈▼ ▲連▼▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ゴン▼ 延民
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲曉▼宇
(72)【発明者】
【氏名】王 杜娟
(72)【発明者】
【氏名】▲賀▼ ▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲徳▼帆
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ 猛
(72)【発明者】
【氏名】薛 ▲廣▼▲記▼
(72)【発明者】
【氏名】范 磊
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-102996(JP,A)
【文献】特開平06-257387(JP,A)
【文献】特開平05-248184(JP,A)
【文献】特開2001-040990(JP,A)
【文献】特開平11-350862(JP,A)
【文献】特開平06-017593(JP,A)
【文献】実開平05-016896(JP,U)
【文献】特開昭57-108397(JP,A)
【文献】国際公開第2010/093775(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/00
E21D 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド体(40)と、推進管(402)と、前記シールド体(40)及び前記推進管(402)を推進する推進ジャッキ(60)とを備える管推進機に使用される着脱作業不要配管システムであって、
配管(201)が巻き取られた配管繰出し繰入り装置(20)と、ガイド装置(30)とを更に備え、
前記シールド体(40)の外側壁にシールド体配管ガイド溝(401)が設けられ、
前記推進管(402)の外側壁に推進管配管ガイド溝(403)が設けられ、
配管(201)は、前記ガイド装置(30)を通って前記推進管配管ガイド溝(403)及び前記シールド体配管ガイド溝(401)を介して前記シールド体(40)内に延設され、
前記シールド体配管ガイド溝(401)及び前記推進管配管ガイド溝(403)の夫々に密封部材(50)が設けられ
前記ガイド装置(30)は、ローラ架台(302)が設けられた支持台(301)を有し、
前記ローラ架台(302)には、複数のローラユニット(303)が列をなして設置されている、管推進機に使用される着脱作業不要配管システム。
【請求項2】
各前記ローラユニットは少なくとも三つのローラを含み、これらローラは、環状に閉止したフレームを形成するように頭尾接続されている、請求項に記載の管推進機に使用される着脱作業不要配管システム。
【請求項3】
前記シールド体配管ガイド溝(401)及び前記推進管配管ガイド溝(403)はいずれも台形の溝であり、
前記シールド体配管ガイド溝(401)と前記推進管配管ガイド溝(403)とは互いに対応し、
前記シールド体配管ガイド溝(401)には配管コネクタ(404)が設けられ、
前記配管(201)は、前記配管コネクタ(404)を通って前記シールド体(40)内に延設される、請求項1又は2に記載の管推進機に使用される着脱作業不要配管システム。
【請求項4】
前記密封部材(50)は、前記シールド体(40)と前記推進管(402)との間に設置されている弾性密封止水リング(501)と、前記シールド体配管ガイド溝(401)及び前記推進管配管ガイド溝(403)の夫々に設置される配管ガイド溝カバー板(504)とを含み、
前記シールド体配管ガイド溝(401)及び前記推進管配管ガイド溝(403)の夫々において、カバー板密封ストリップ(505)が対称に設けられ、
前記配管ガイド溝カバー板(504)と前記カバー板密封ストリップ(505)は互いに密封係合される、請求項に記載の管推進機に使用される着脱作業不要配管システム。
【請求項5】
前記シールド体配管ガイド溝(401)及び前記推進管配管ガイド溝(403)の夫々に下部密封ゴムブロック(502)及び上部密封ゴムブロック(503)が設けられ、
前記下部密封ゴムブロック(502)及び前記上部密封ゴムブロック(503)の夫々に半円形溝が設けられ、
前記下部密封ゴムブロック(502)及び前記上部密封ゴムブロック(503)は互いに組み合わせられる、請求項に記載の管推進機に使用される着脱作業不要配管システム。
【請求項6】
前記推進ジャッキ(60)は、複数の元押油圧シリンダ(601)が設けられた元押架台(603)を含み、
前記元押油圧シリンダ(601)は、一端が元押架台(603)に接続されていると共に、他端に押し当て部材(602)が設けられている、請求項1、又はに記載の管推進機に使用される着脱作業不要配管システム。
【請求項7】
前記配管繰出し繰入り装置(20)は、支圧壁(10)に設置されている配管架台(203)を含み、
前記配管架台(203)には、配管(201)が巻き取られた配管リール(202)が回動可能に枢設されている、請求項に記載の管推進機に使用される着脱作業不要配管システム。
【請求項8】
請求項1に記載の管推進機に使用される着脱作業不要配管システムを用いた施工方法であって、
カバー板密封ストリップ(505)及び下部密封ゴムブロック(503)を接着剤によってシールド体配管ガイド溝(401)内に接着し、配管コネクタ(404)をシールド体配管ガイド溝(401)内に取り付けるステップS1と、
カバー板密封ストリップ(505)及び下部密封ゴムブロック(503)を接着剤によって推進管配管ガイド溝(403)内に接着すると共に、弾性密封止水リング(501)を推進管(402)に接着し、推進管(402)をシールド体(40)の後方まで搬入するステップS2と、
配管(201)を推進管配管ガイド溝(403)及びシールド体配管ガイド溝(401)内に布設すると共に、配管(201)を配管コネクタ(404)によってシールド体(40)に取り付けてシールド体(40)内の配管又は集積弁ユニットと接続させるステップS3と、
配管(201)が取り付けられたステップS3の推進管配管ガイド溝(403)及びシールド体配管ガイド溝(401)内に上部密封ゴムブロック(502)及び配管ガイド溝カバー板(504)を接着し、配管(201)を推進管配管ガイド溝(403)及びシールド体配管ガイド溝(401)内に固定するステップS4と、
推進ジャッキ(60)による推進を開始し、元押油圧シリンダ(601)が押し当て部材(602)を介して推進管(402)を推進させると共に、配管繰出し繰入り装置(20)が回動して所定の速度で配管(201)を繰り出し、第一段目の推進管に対する推進を完成するステップS5と、
第一段目の推進管に対する推進を終了してから第二段目の推進管を坑内に搬入し、全ての推進管に対する推進が完成するまで、ステップS2からS5を繰り返すステップS6とを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル施工技術に関し、特に管推進機に使用される着脱作業不要配管システム及びこれを用いた施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
管推進工法とは、地面を開削せずに、油圧シリンダによって管推進機及び設置される推進管を地下において発進立坑から到達立坑まで推進する、非開削地下配管布設工法をいう。管推進機は、これによる掘削工事が簡単であり、穴形成率が高く、環境に優しいといった利点を有するため、都市の地下空間の開発において重用されるようになってきている。開削工法と比べると、道路交通や市民への影響がなく既存配管の移設を要さないという社会面での顕著なメリットと、浅い土被りや狭い空間での施工に対応できるという技術面での顕著な優位性とがあり、都市の公共配管事業、地下鉄駅への出入り口、都市下トンネル、共同溝、地下駐車場、地下モール、民間防空施設での広範的な応用が見込まれている。
【0003】
管推進機による工事中には、メインユニット及び推進管に対して電力、土壌改良材、摩擦低減泥水などを提供する必要がある。従来のシールドマシンによる工事とは異なり、中国国内や海外で開発、製造された管推進機による工事では、推進管を搬入するたびに、電力、土壌改良材、摩擦低減泥水などの提供用の配管を一旦取り外し、新たな推進管に通した後に接続し直すという作業が必要である。配管の頻繁な着脱は、施工効率にかなり大きく影響するだけでなく、着脱のたびに流失する泥水によるトンネル施工環境への汚染や、電気ケーブルの着脱に伴う比較的高い危険性をもたらす。このような施工面での欠点は、管推進機の発展の制約となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の管推進機による工事における配管の頻繁な着脱に起因する施工効率の低下を解決する、管推進機に使用される着脱作業不要配管システム及びこれを用いた施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る管推進機に使用される着脱作業不要配管システムの特徴は、
シールド体と、推進管と、前記シールド体及び前記推進管を推進する推進ジャッキとを備え、
配管が巻き取られた配管繰出し繰入り装置と、ガイド装置とを更に備え、
前記シールド体の外側壁にシールド体配管ガイド溝が設けられ、
前記推進管の外側壁に推進管配管ガイド溝が設けられ、
配管は、前記ガイド装置を通って前記推進管配管ガイド溝及び前記シールド体配管ガイド溝を介して前記シールド体内に延設され、
前記シールド体配管ガイド溝及び前記推進管配管ガイド溝の夫々に密封部材が設けられている点にある。
【0006】
前記ガイド装置は、ローラ架台が設けられた支持台を有し、前記ローラ架台には、複数のローラユニットが列をなして設置されている。
【0007】
各前記ローラユニットは少なくとも三つのローラを含み、これらローラは、環状に閉止したフレームを形成するように頭尾接続されている。
【0008】
前記シールド体配管ガイド溝及び前記推進管配管ガイド溝はいずれも台形の溝であり、前記シールド体配管ガイド溝と前記推進管配管ガイド溝とは互いに対応し、前記シールド体配管ガイド溝には配管コネクタが設けられ、前記配管は、前記配管コネクタを通って前記シールド体内に延設される。
【0009】
前記密封部材は、前記シールド体と前記推進管との間に設置されている弾性密封止水リングと、前記シールド体配管ガイド溝及び前記推進管配管ガイド溝の夫々に設置される配管ガイド溝カバー板とを含み、前記シールド体配管ガイド溝及び前記推進管配管ガイド溝の夫々において、カバー板密封ストリップが対称に設けられ、前記配管ガイド溝カバー板と前記カバー板密封ストリップは互いに密封係合される。
【0010】
前記シールド体配管ガイド溝及び前記推進管配管ガイド溝の夫々に下部密封ゴムブロック及び上部密封ゴムブロックが設けられ、前記下部密封ゴムブロック及び前記上部密封ゴムブロックの夫々に半円形溝が設けられ、前記下部密封ゴムブロック及び前記上部密封ゴムブロックは互いに組み合わせられる。
【0011】
前記推進ジャッキは、複数の元押油圧シリンダが設けられた元押架台を含み、前記元押油圧シリンダは、一端が元押架台に接続されていると共に、他端に押し当て部材が設けられている。
【0012】
前記配管繰出し繰入り装置は、支圧壁に設置されている配管架台を含み、前記配管架台には、配管が巻き取られた配管リールが回動可能に枢設されている。
【0013】
本発明に係る管推進機に使用される着脱作業不要配管システムを用いた施工方法の特徴は、
カバー板密封ストリップ及び下部密封ゴムブロックを接着剤によってシールド体配管ガイド溝内に接着し、配管コネクタをシールド体配管ガイド溝内に取り付けるステップS1と、
カバー板密封ストリップ及び下部密封ゴムブロックを接着剤によって推進管配管ガイド溝内に接着すると共に、弾性密封止水リングを推進管に接着し、推進管をシールド体の後方まで搬入するステップS2と、
配管を推進管配管ガイド溝及びシールド体配管ガイド溝内に布設すると共に、配管を配管コネクタによってシールド体に取り付けてシールド体内の配管又は集積弁ユニットと接続させるステップS3と、
配管が取り付けられたステップS3の推進管配管ガイド溝及びシールド体配管ガイド溝内に上部密封ゴムブロック及び配管ガイド溝カバー板を接着し、配管を推進管配管ガイド溝及びシールド体配管ガイド溝内に固定するステップS4と、
推進ジャッキによる推進を開始し、元押油圧シリンダが押し当て部材を介して推進管を推進させると共に、配管繰出し繰入り装置が回動して所定の速度で配管を繰り出し、第一段目の推進管に対する推進を完成するステップS5と、
第一段目の推進管に対する推進を終了してから第二段目の推進管を坑内に搬入し、全ての推進管に対する推進が完成するまで、ステップS2からS5を繰り返すステップS6とを含む点にある。
【発明の効果】
【0014】
従来の管推進法による工事と比べて、本発明による工事では、配管を取り外すことなくて推進を続行することができるため、作業効率が向上し工期を大幅に短縮できるという優位性が得られる。また、本発明によれば、コストを抑えることができると共に、着脱作業に伴う停電による被害を回避し、安全上のリスクをなくすことができる。更に、配管の着脱作業を不要とすることで泥水や水の漏れを回避でき、これにより、トンネル内での泥水、粉塵、汚水などによる汚染を防止して作業環境を改善することができ、作業の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下、本発明の実施形態を詳述するために使用される図面について簡単に説明する。以下説明する図面は本発明の実施形態の一部を示すものに過ぎず、当業者であれば創造的労力を伴うことなくこれらの図面から他の図面を得ることができることは明らかである。
図1】本発明の全体的な構造を示す模式図である。
図2】本発明における推進管の構造を示す軸側模式図である。
図3】本発明における推進管の構造を示す正面模式図である。
図4】本発明におけるシールド体の構造を示す模式図である。
図5】本発明におけるシールド体と推進管との密封接続構造を示す模式図である。
図6】本発明における配管ガイド装置の構造を示す模式図である。
図7】本発明におけるローラ架台の構造を示す模式図である。
図8】上部密封ゴムブロック及び下部密封ゴムブロックの構造を示す模式図である。
図9】推進管における配管ガイド溝の構造を示す横断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に含まれる技術構想について、図面を参照しながら明瞭かつ全面的に説明する。ここで説明する実施形態は、本発明の実施形態の一部に過ぎず全てではない。創作的労力を伴うことなく本発明の実施形態に基づいて当業者により得られる他の全ての実施形態は、本願の保護範囲内にある。
【0017】
第1実施形態
図1から3に示すように、管推進機に使用される着脱作業不要配管システムは、シールド体40、推進管402、推進ジャッキ60、配管繰出し繰入り装置20及びガイド装置30を備える。推進ジャッキ60は、推進管402及びシールド体40を推進するものである。配管繰出し繰入り装置20は、これに巻き取られた配管201の繰出し及び繰入りを行うものである。シールド体40の外側壁にはシールド体配管ガイド溝401が設けられ、推進管402の外側壁には推進管配管ガイド溝403が設けられている。推進管配管ガイド溝403とシールド体配管ガイド溝401とは互いに連通している。配管201は、ガイド装置30を通って推進管配管ガイド溝403及びシールド体配管ガイド溝401を介してシールド体40の内部に延設される。ガイド装置30は、配管が絡まらないように、推進管配管ガイド溝403に入る配管をガイドする。シールド体配管ガイド溝401と推進管配管ガイド溝403の夫々に密封部材50が設けられ、密封部材50は、水、泥水などの液体がシールド体又は推進管内に入らないように、シールド体配管ガイド溝401、推進管配管ガイド溝403の夫々の両端に設けられている。
【0018】
更に、図6及び図7に示すように、前記ガイド装置30は支持台301を有し、支持台301にはローラ架台302が設けられ、ローラ架台302にはローラユニット303が縦方向に列をなして設けられている。各ローラユニットは少なくとも三つのローラを含み、これらローラは、環状に閉止したフレームを形成するように頭尾接続されている。各ローラユニットは四つのローラを含んでもよい。この場合、四つのローラは、口字形をなすように二つずつが互いに平行に配置されている。配管は、繰出しや繰入りに際し絡まったり捻ったりしないように口字形のローラユニットに通されている。
【0019】
更に、前記シールド体配管ガイド溝401及び推進管配管ガイド溝403はいずれも台形の溝であり、底部側の溝幅が外部側の幅よりも小さい。シールド体配管ガイド溝401と推進管配管ガイド溝403とは、同一の平面に位置するように互いに対応している。シールド体配管ガイド溝401には配管コネクタ404が固設され、配管201は、配管コネクタ404を通ってシールド体40内に延設される。配管コネクタ404は、配管を固定するためのものであり、ねじコネクタ又は防水コネクタであってよい。配管コネクタ404により、シールド体内への配管の設置を円滑に行うことができ、且つ配管の安定性を確保することができる。
【0020】
第2実施形態
図4及び図5に示すように、本実施形態の管推進機に使用される着脱作業不要配管システムにおいて、前記密封部材50は、シールド体40と推進管402との間に設置されている密封、防水用の弾性密封止水リング501を含む。シールド体配管ガイド溝401及び推進管配管ガイド溝403の夫々に配管ガイド溝カバー板504が設けられ、また、シールド体配管ガイド溝401と推進管配管ガイド溝403の夫々において、カバー板密封ストリップ505が上下対称に設けられている。配管ガイド溝カバー板504とカバー板密封ストリップ505は互いに密封係合する。配管ガイド溝カバー板504は、推進管配管ガイド溝403及びシールド体配管ガイド溝401を確実に封止するように、接着剤によって推進管配管ガイド溝403及びシールド体配管ガイド溝401の外縁部に接着されている。
【0021】
更に、図8及び図9に示すように、前記シールド体配管ガイド溝401及び推進管配管ガイド溝403の夫々に下部密封ゴムブロック502及び上部密封ゴムブロック503が設けられている。下部密封ゴムブロック502及び上部密封ゴムブロック503の夫々に半円形溝が設けられている。下部密封ゴムブロック502及び上部密封ゴムブロック503が互いに組み合わせられることで、半円形溝が合体して円形溝を形成し、円形溝によって配管が位置決めされて固定される。下部密封ゴムブロック502は接着剤によって配管ガイド溝内に接着され、配管は半円形溝内に配置される。この状態で、上部密封ゴムブロック503が接着剤によって下部密封ゴムブロックに接着されて組み合わせられる。
【0022】
更に、前記推進ジャッキ60は、複数の元押油圧シリンダ601が設けられた元押架台603を含む。元押油圧シリンダ601は、一端が元押架台603に接続されていると共に、他端に押し当て部材602が設けられている。元押油圧シリンダ601の伸長に伴い押し当て部材602が推進管を前方に推進する。配管繰出し繰入り装置20は、支圧壁10に設置されている配管架台203を含む。配管架台203には、配管201が巻き取られた配管リール202が回動可能に枢設されている。配管の繰出し及び繰入りは、配管リールを回動させることによって行われる。
【0023】
その他の構造は第1実施形態のものと同様である。
【0024】
第3実施形態
本発明に係る管推進機に使用される着脱作業不要配管システムを用いた施工方法は、ステップS1からステップS6を含む。ステップS1において、カバー板密封ストリップ505及び下部密封ゴムブロック503を接着剤によってシールド体配管ガイド溝401内に接着し、配管コネクタ404をシールド体配管ガイド溝401内に取り付ける。配管コネクタ404はシールド体40に溶接される。配管コネクタ404により、シールド体の台形溝401内の配管201を抜け落ちないように掘進機のシールド体40に固定することができる。
【0025】
ステップS2において、カバー板密封ストリップ505及び下部密封ゴムブロック503を接着剤によって推進管配管ガイド溝403内に接着すると共に、弾性密封止水リング501を推進管402に接着し、その後推進管402をシールド体40の後方まで搬入する。カバー板密封ストリップ505、下部密封ゴムブロック503及び弾性密封止水リング501の接着は、推進管402の予備成形後に行われてもよく、即ち、推進管402の搬入に先立って行われてもよい。
【0026】
ステップS3において、配管201を推進管配管ガイド溝403及びシールド体配管ガイド溝401内に布設すると共に、配管201を配管コネクタ404によってシールド体40に取り付けてシールド体40内の配管又は集積弁ユニットと接続させる。
【0027】
ステップS4において、配管201が取り付けられたステップS3の推進管配管ガイド溝403及びシールド体配管ガイド溝401内に上部密封ゴムブロック502及び配管ガイド溝カバー板504を接着し、配管201を推進管配管ガイド溝403及びシールド体配管ガイド溝401内に固定する。
【0028】
ステップS5において、推進ジャッキ60による推進を開始し、元押油圧シリンダ601が押し当て部材602を介して推進管402を前方に移動させると共に、配管繰出し繰入り装置20が回動して所定の速度で配管201を繰り出し、これにより第一の推進管に対する推進を完成する。配管は推進管の推進速度と同一の速度で繰出される。
【0029】
ステップS6において、第一段目の推進管に対する推進を終了してから第二段目の推進管を坑内に搬入し、全ての推進管に対する推進が完成するまで、ステップS2からS5を繰り返す。
【0030】
その他の構造は第2実施形態のものと同様である。
【0031】
上記実施形態は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明を制限するものではない。本発明の技術的思想及び原則から逸脱しない如何なる変更、均等的置換および改善等を加えた内容もまた、本願の保護範囲内に含まれるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9