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特許7030287短寿命放射性医薬品に対する輸液システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】短寿命放射性医薬品に対する輸液システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/168 20060101AFI20220228BHJP
   A61M 36/06 20060101ALI20220228BHJP
   A61M 39/22 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
A61M5/168 504
A61M36/06
A61M39/22 100
【請求項の数】 41
(21)【出願番号】P 2019533648
(86)(22)【出願日】2017-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2017084102
(87)【国際公開番号】W WO2018115286
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-12-18
(31)【優先権主張番号】16205836.6
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520237638
【氏名又は名称】メドトレース・ファーマ・エーエス
【氏名又は名称原語表記】MedTrace Pharma A/S
【住所又は居所原語表記】Diplomvej 381, 2800 Kongens Lyngby, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ステンフェルト、マルティン
(72)【発明者】
【氏名】キリステンセン、ルネ・ウィーク
(72)【発明者】
【氏名】ラーセン、ペーテル
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-306609(JP,A)
【文献】特表2008-506428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/14-5/175
A61M 36/06
A61B 5/055
G01T 1/00-7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の放射性溶液を、ソースから受容体に送達するための輸液システムであって、
- 放射線検出器と、
- 廃棄位置および受容体位置を有する第1の弁と、
- ボーラス導管30、廃棄導管40、及び受容体導管50と、を備え、ここで、各導管は、前記第1の弁に接続される弁端部を有し、したがって、前記第1の弁は、前記廃棄位置で廃棄流路を、前記受容体位置で受容体流路を確立することができ、前記受容体流路は、前記廃棄流路とは異なるものであり、
前記廃棄流路は、前記ボーラス導管30および前記廃棄導管により画定され、前記受容体流路は、前記ボーラス導管30および受容体導管50により画定され、
前記ボーラス導管30は、前記ソースから放射性医薬品溶液を受け取るように適合されたボーラス入口を備え、前記廃棄導管は、前記廃棄導管40から流出するように適合された廃棄出口を備え、前記受容体導管50は、前記受容体導管から受容体へと流出するように適合された受容体出口を備え、
前記ボーラス導管は、測定セクションおよび特定の内部容積を備え、前記放射線検出器は、前記測定セクションに存在する前記放射性医薬品溶液の放射能の参照レベルを決定するように動作可能である、輸送システムにおいて
前記廃棄流路が、前記ボーラス入口と、前記廃棄出口の間に液体連通を確立し、前記受容体流路が、前記ボーラス入口と前記受容体出口の間に液体連通を確立し、前記放射性溶液は3分未満の放射能半減期を有する放射性医薬品であることを特徴とする、液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
【請求項2】
- 入口位置およびフラッシング位置を有する第2の弁と、
- フラッシング導管およびソース導管と、各導管は、前記第2の弁に接続される弁端部を有し、前記ソース導管は、前記第2の弁が前記入口位置にあるとき、前記放射性溶液を前記ソースから前記ボーラス導管の中に移送するように適合される、
- フラッシング液を備えるフラッシング液貯蔵器と、前記フラッシング液貯蔵器は、前記フラッシング導管に接続される、
- 前記第2の弁が前記フラッシング位置にあるとき、前記フラッシング液を、前記フラッシング液貯蔵器から、前記フラッシング導管を通して、前記ボーラス導管の中へと移送するように適合されたフラッシングデバイスと
を備える、請求項に記載の液体の放射性溶液を、ソースから受容体に送達するための輸液システム。
【請求項3】
第2の放射線検出器54および/または泡検出器55が、受容体導管50に隣接して配置される、請求項又はに記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
【請求項4】
前記ボーラス導管の前記特定の内部容積は、0.1~50mlである、請求項からのいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
【請求項5】
前記ボーラス導管の前記特定の内部容積は、1~10mlである、請求項1から3のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
【請求項6】
前記ボーラス導管の前記特定の内部容積は、2mlである、請求項1から3のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
【請求項7】
前記受容体は、前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液をヒトまたは動物の体内に静脈内(IV)投与するためのデバイスである、請求項からのいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
【請求項8】
- 前記放射性溶液の前記受容体への注入速度は、0.05~7ml/秒であり、および/または
- 前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液は、5秒未満で前記ボーラス導管から外に移動され、および/または、
- 前記液体の放射性溶液は、10秒未満で前記受容体導管から外に出て前記受容体へと移送される、請求項からのいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
【請求項9】
- 前記放射性溶液の前記受容体への注入速度は、1~5ml/秒であり、および/または
- 前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液は、2.5秒未満で前記ボーラス導管から外に移動され、および/または、
- 前記液体の放射性溶液は、5秒未満で前記受容体導管から外に出て前記受容体へと移送される、請求項1から7のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
【請求項10】
- 前記放射性溶液の前記受容体への注入速度は、2ml/秒であり、および/または
- 前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液は、1秒で前記ボーラス導管から外に移動され、および/または、
- 前記液体の放射性溶液は、3秒未満で前記受容体導管から外に出て前記受容体へと移送される、請求項1から7のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
【請求項11】
前記測定セクションは、渦巻き形状、または螺旋形状、またはコイル形状をしている、請求項から10のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
【請求項12】
前記放射線検出器の一部が、前記測定セクション内に配置され、したがって、前記測定セクションが、前記放射線検出器の前記一部を包み、前記放射線検出器は、前記測定セクションにおける前記放射性溶液の放射能レベルを決定するように動作可能である、請求項1に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
【請求項13】
放射能の望ましい最終レベル、および最終容積を有する液体の放射性溶液を準備する方法であって、
- 作成される前記放射性溶液の放射能の前記望ましい最終レベル、および最終容積を決定するステップと、
- 廃棄位置および投与位置を有する第1の弁を提供するステップと、
- ボーラス導管30、廃棄導管40、および投与導管50を提供するステップと、ここで、各導管が、前記第1の弁に接続される弁端部を有し、したがって、前記第1の弁は、前記廃棄位置で廃棄流路を確立し、前記投与位置で投与流路を確立することができ、前記投与流路は、前記廃棄流路とは異なっており、前記ボーラス導管は、測定セクションおよび内部容積を備え、前記内部容積は、前記放射性溶液の前記望ましい最終容積にほぼ等しいものであり、
- 前記第1の弁を前記廃棄位置に配置するステップと、
- 前記放射性溶液の第1の量を、前記廃棄流路を通して移送するステップと、ここで、前記放射性溶液の前記第1の量は、放射能の前記望ましい最終レベルに少なくともほぼ等しい、またはそれを超える放射能の初期レベル、および前記ボーラス導管の前記内部容積よりも大きい初期容積を有するものであり、
- 放射線検出器を提供するステップと、ここで、前記放射線検出器は、前記測定セクションにおける前記放射性溶液の放射能レベルを測定するように動作可能であり、
- 前記測定セクションに存在する前記放射性溶液の放射能の参照レベルを測定するステップと、を備え、
放射能の前記参照レベルが、放射能の事前の最終レベルにほぼ等しいとき、前記方法は、
- 前記第1の弁を前記投与位置に配置するステップと、
- 前記ボーラス導管内に存在する前記放射性溶液を、前記投与流路を通して移送するステップと、をさらに備え、したがって、前記放射性溶液が、前記投与流路の端部に達したとき、前記放射性溶液が、放射能の前記望ましい最終レベルを有することを特徴とする、液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項14】
前記放射性溶液の放射能の前記事前の最終レベルは、放射能の前記望ましい最終レベルから、多くても±10%異なる、請求項1に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項15】
前記放射性溶液の放射能の前記事前の最終レベルは、放射能の前記望ましい最終レベルから、多くても±7%異なる、請求項13に記載の液体の放射性溶液を準備する方法。
【請求項16】
前記放射性溶液の放射能の前記事前の最終レベルは、放射能の前記望ましい最終レベルから、多くても±5%異なる、請求項13に記載の液体の放射性溶液を準備する方法。
【請求項17】
- 入口位置およびフラッシング位置を有する第2の弁を提供するステップと、
- フラッシング導管およびソース導管を提供するステップと、ここで、各導管は、前記第2の弁に接続される弁端部を有し、前記ソース導管は、前記第2の弁が前記入口位置にあるとき、前記放射性溶液の前記第1の量をソスから前記ボーラス導管へと移送するように適合されるものであり、
- フラッシング液を備えるフラッシング液貯蔵器を提供するステップと、ここで、前記フラッシング液貯蔵器は、前記フラッシング導管に接続されるものであり、
- 前記第2の弁が前記フラッシング位置にあるとき、前記フラッシング液を、前記フラッシング液貯蔵器から、前記フラッシング導管を通して前記ボーラス導管の中へと移送するように適合されたフラッシングデバイスを提供するステップと、をさらに備える、請求項13から16のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項18】
- 前記放射性溶液の第1の量を、前記廃棄流路を通して移送する前記ステップの前に、前記第2の弁を前記フラッシング位置に配置し、前記フラッシング液を、前記フラッシング導管を通し、前記ボーラス導管を通して移送するステップ、をさらに備える、請求項1に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項19】
前記ボーラス導管内に存在する前記放射性溶液を、前記投与流路を通して移送する前記ステップは、
- 前記第2の弁を前記フラッシング位置に配置し、前記フラッシング液を、前記フラッシング導管を通し、前記ボーラス導管および前記投与導管を通して移送するステップを備え、それにより、前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液が、前記投与流路を通って前記投与流路の端部へと移動される、請求項1又は1に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項20】
第2の放射線検出器54および/または泡検出器55が、投与導管50に隣接して配置される、請求項1から19のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項21】
前記ボーラス導管の特定の内部容積は、0.1~50mlである、請求項1から20のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項22】
前記ボーラス導管の特定の内部容積は、1~10mlである、請求項13から20のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項23】
前記ボーラス導管の特定の内部容積は、2mlである、請求項13から20のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項24】
前記放射性溶液は、21分未満の放射能半減期を有する放射性医薬品を備える、請求項1から2のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項25】
前記放射性溶液は、10分未満の放射能半減期を有する放射性医薬品を備える、請求項13から23のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項26】
前記放射性溶液は、3分未満の放射能半減期を有する放射性医薬品を備える、請求項13から23のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項27】
前記投与流路から出る前記放射性溶液の注入速度は、0.05~7ml/秒である、請求項1から26のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項28】
前記投与流路から出る前記放射性溶液の注入速度は1~5ml/秒である、請求項13から26のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項29】
前記投与流路から出る前記放射性溶液の注入速度は、2ml/秒である、請求項13から26のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項30】
前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液は、5秒未満で前記ボーラス導管から外に移動される、請求項1から2のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項31】
前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液は、2.5秒未満で前記ボーラス導管から外に移動される、請求項13から29のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項32】
前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液は、1秒で前記ボーラス導管から外に移動される、請求項13から29のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項33】
前記液体の放射性溶液は、10秒未満で前記投与導管から外に移送される、請求項1から32のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項34】
前記液体の放射性溶液は、5秒未満で前記投与導管から外に移送される、請求項13から32のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項35】
前記液体の放射性溶液は、3秒未満で前記投与導管から外に移送される、請求項13から32のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項36】
前記測定セクションは、渦巻き形状、または螺旋形状、またはコイル形状をしている、請求項1から35のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項37】
前記放射線検出器の一部が、前記測定セクション内に配置され、したがって、前記測定セクションが、前記放射線検出器の前記一部を包み、前記放射線検出器は、前記測定セクションにおける前記放射性溶液の放射能レベルを決定するように動作可能である、請求項36に記載の液体の放射性溶液を準備する方法
【請求項38】
請求項1から37のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を準備する方法において、請求項から12のいずれか一項に記載の輸液システムを使用すること。
【請求項39】
ボーラスは、実質的に円筒形の本体または境界、前記ボーラスの前記内部容積の全体を通して変化しない(均質な)放射能プロファイルを有する、請求項又はに記載の液体の放射性溶液を、ソースから受容体に送達するための輸液システム。
【請求項40】
前記受容体は、受容器、IVバッグ、またはカテーテルなどのデバイスである、請求項、又は3のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を、ソースから受容体に送達するための輸液システム。
【請求項41】
前記受容体は、前記輸液システムと流体連通した状態のヒトの患者を備え、したがって、前記放射性溶液は直接、前記患者に搬送され得る、請求項39、又は40のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を、ソースから受容体に送達するための輸液システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の態様では、液体の放射性溶液をソースから受容体へと送達する非外科的な方法に関し、第2の態様では、液体の放射性溶液をソースから患者に送達するための輸液システムに関し、また第3の態様では、液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射性同位体(放射性核種とも呼ばれる)は、薬物療法、撮像、および研究においていくつかの用途を有する。陽電子、ベータマイナス粒子、高エネルギーガンマ電子、またはオージェ電子を、細胞核の近傍で放出することにより、様々な撮像/測定技法が、ヒトの体内における生理学的なプロセスを撮像し、測定することが可能になる。放射性同位体は、静脈に注射された場合、腫瘍学の分野において、細胞死を誘導する治療として、さらに使用され得る。
【0003】
18F、11C、15O、14O、82Rb、および13Nなどの放射性同位体は、通常、PETにおいて使用される放射性医薬品への標識付けに使用される。今日、病院または臨床環境において静脈内(I.V.)注射に対する非放射性の医薬品の投与は、通常、知られた薬物学的な用量強度の標準溶液から容積的に行われる。他の用途では、投与は、知られた用量強度から非放射性医薬品の特定の容積を吸入し、吸入された用量を、投薬用の逆作用のない溶液、すなわち、注射用の生理的食塩水または水とシリンジ内で混合することにより行われる。しかし、これらの放射性同位体に関連する半減期は非常に短く、通常、分の程度(ほぼ2時間の半減期を有する18Fを除く)であるので、この方法は、放射性医薬品の分野において使用され得ない。酸素-15(15O)は、122.24秒の半減期を有しており、局所脳血流量(rCBF)を定量化するために、また局所心筋血流量(rMBF)を定量化するために、PETにおいて使用される最も適した放射性同位体の1つである。
【0004】
ヒトが使用する放射性医薬品を製造するための要件に準拠した放射性の水を作成する大部分のシステムは、認定された試験所環境、すなわち、通常、ホットセルに収容された合成デバイスへと移動されるが、ホットセルにおいて、放射性ガス混合物は、触媒反応プロセス、またはH2の注入と併せた約800℃への加熱のいずれかを用いて、15O-O2からH2 15Oへと変換される。変換されたH2 15Oは、次いで、通常、貯蔵器内の食塩水溶液へと気泡化され、したがって、前記溶液内にH2 15Oが閉じ込められる。このH2 15O溶液は、ソース溶液と呼ばれることが多い。
【0005】
ソース溶液は、次いで、貯蔵器から吸入室(draw up room)もしくは同様のものへと手作業で搬送され、患者に対して望ましい用量が、次いで、通常、シリンジへと手動で吸入され、シリンジは、次いで、PET走査室へと手作業で移送される。
【0006】
放射性医薬品の放射性の性質に起因して、ソース溶液内の有効濃度は、その医薬品に固有の放射性同位体(または複数の同位体)の崩壊定数に比例した割合で、常に指数的に減少することになる。
【0007】
このため、今日、放射性医薬品が投与される方法は、ベクレルまたはキュリーで放射能を測定し、患者に望ましい線量で注入する時点を調節することにより行われる。通常、手動の処方下で、望ましい放射能量の2倍またはそれ以上のものが、線量校正器で測定され、抽出される。タイマが開始され、適切な放射性同位体の崩壊に起因して放射能が減少し、望ましいレベルに達したとき、抽出された量が患者に搬送される。放射性同位体の短い半減期のため、抽出および注入のタイミングは、患者に搬送される放射能の実際量を決定するために非常に正確である必要がある。
【0008】
15Oの短い半減期のため、望ましい線量の放射能レベルが知られているのと同時に一定用量の容積を可能にする様式で、用量を手動で抽出するこの方法は可能ではない。GMP製造、または製薬の慣行に関する現在の規則の下で、前述の方法でしか15Oを使用することが可能でなく、この場合、個々の患者の投与に関して、放射能レベルは一定に保たれるが、同じ患者への複数の用量に対して一定容積を有すること、あるいは同じ放射能線量を受ける患者間の投与容積が一定になるのと同様な様式で一定容積を有することは可能でない。これらの制約に起因して、また15OH2Oは、主として灌流作用薬として使用されるため、その現在の実際の臨床的用途は、研究目的の範囲に限られているが、それは、広く臨床的に利用することは、PET走査装置、およびソフトウェアのアルゴリズム手段によって、体内のO-15 H2Oの流れを評価するために、容積的な投与における一貫性、および投与容積ならびに注入速度の知識が必要になるからである。
【0009】
放射性同位体を、認定された試験所から患者が待っているスキャナ場所へと手作業で扱うことは、患者に関しては安全であるが、医療従事者への繰り返される放射能暴露に起因して、医療従事者は、抽出および注入が行われるごとに望ましくない危険な放射線を受けるため、日常的な患者の検査には適していない。
【0010】
さらに手作業は、放射性同位体の十分に決定された容積を投薬できるようにするが、特定の時間点において、規定された正確な放射能を有する正確な容積を提供することができない。
【0011】
問題の解決策は、放射性医薬品を含む均質に分散された基幹(stem)溶液を使用することであり、個々の患者に望ましい線量になるまで放射能が崩壊するのを待ちながら、この放射性医薬品を知られた固定の容積へと投与をすることである。
【0012】
基幹溶液の指数的な崩壊があるため、このような方法は、現在、臨床的な環境において、実用的ではない。最初は、有効濃度(ベクレル/ml)は高い、または非常に高く、後に、有効濃度は、低く、または非常に低くなる。前述の方法において、固定された容積で投与するために、処方された投与容積が、処方された放射能線量をもはや含むことができない時点において、遮断レベルが存在し、基幹溶液内の残りの用量は、廃棄される必要があることになる。固定の容積を維持することを望むため、放射性医薬品を廃棄することは非常にコストがかかり、同時に、今日、最も臨床的に使用される放射性医薬品の性質は、生体内の目標物に選択的に拘束すること、または代謝過程に関与すること、または相互作用のない灌流作用物質として働くことのいずれかであるという意味で、その方法は実際的ではない。
【0013】
しかし、放射性医薬品の選択が存在し、放射性医薬品の固有の目的は、フローマーカとして働くことであり、放射性医薬品の不明確な拘束または代謝は、非常に望ましくない。特にこのクラスの放射性医薬品の場合、放射能線量ならびに容積と注入速度の両方に関して、有効に投与する手段が非常に望ましいが、それは、非常に均質な注入プロファイルの生成を可能にするからであり、また注入間と、注入中との両方で、注入速度を変えることにより、注入プロファイルは、異なる臨床的用途に適するようにさらに変更され得る。
【0014】
したがって、高い精度で(したがって、所与の時間点において、容積および放射能に関して明確に決定されている)、また患者と医療従事者の両方に対して危険が無視できる状態で、指定された量の放射性溶液(H2 15Oなど)を投与する、および/またはいくつかの実施形態では注入することのできる輸液システムが求められている。
【発明の概要】
【0015】
本発明および/または本開示の目的は、前述の欠点の1つまたは複数のものを回避する、解決する、または低減する、放射性溶液を送達するための輸液システムと、放射性溶液を投与する方法と、放射性溶液を送達する方法とを提供することに関することが分かる。
【0016】
本発明によれば、これらのおよび他の目的は、液体の放射性溶液をソースから受容体に送達する非外科的な方法により満たすことができ、方法は、
受容体に送達される放射性溶液の放射能の望ましい受容体レベルおよび受容体容積を決定するステップと、
廃棄位置および受容体位置を有する第1の弁を提供するステップと、
ボーラス導管、廃棄導管、および受容体導管を提供するステップと、各導管は、前記第1の弁に接続される弁端部を有し、したがって、第1の弁は、廃棄位置で廃棄流路を、受容体位置で受容体流路を確立することができ、受容体流路は、前記廃棄流路とは異なっており、ボーラス導管は、測定セクションおよび内部容積を備え、内部容積は、受容体に送達される放射性溶液の望ましい受容体容積とほぼ等しい、
前記第1の弁を廃棄位置に配置するステップと、
前記放射性溶液の第1の量を、前記廃棄流路を通して移送するステップと、前記放射性溶液の第1の量が、放射能の望ましい受容体レベルに少なくともほぼ等しい、またはそれを超える放射能の初期レベル、および前記ボーラス導管の内部容積よりも大きい初期容積を有する、
放射線検出器を提供するステップと、放射線検出器は、前記測定セクション内の放射性溶液の放射能レベルを測定するように動作可能である、
前記測定セクションに存在する前記放射性溶液の放射能の参照レベルを測定するステップと
を備え、
放射能の参照レベルが、放射能の注入レベルにほぼ等しいとき、方法は、
第1の弁を受容体位置に配置するステップと、
ボーラス導管内に存在する放射性溶液を、受容体流路を通して移送するステップと
をさらに備える。
【0017】
放射能濃度は、核種の放射能の減少に起因して、時間と共に変化することになるので、参照時間を提供することが常に必要である。放射能を含むすべての記述と同様に、標準化の参照日付と時間とを含めることが必要である。21分未満の半減期を有する放射性核種の場合、日付に加えて、時刻を含む参照時間のより正確な記述が必要である。
【0018】
したがって、本方法の最大の力点のうちの1つは、放射能も知りつつ、知られた容積を適正に投薬する能力にある。フロートレーサ(flow tracer)に対しては特に、容積および注入率に基づく注入プロファイルを知ることが重要である。しかし、規制上の理由で、すなわち、放射能線量のため、今までは、注入される放射能線量を知ることに対して、容積の正確さを犠牲にする必要があった。
【0019】
IV注入に関する一般的な規制上の要件は、医療の実施中に、また製薬の実施中に注入容積が知られていることを要求する。強度と同様に、すなわち、用量の放射能は、放射能/mlで記述され、または非放射性薬剤に対してはmg/mlで記述される。臨床的な重要性は二次的なものであるが、標準の放射性溶液の容積は、多くの患者における血流に対する正確で、比較可能なデータベースを可能にするので重要である。さらに本発明による方法およびシステムは、個々の患者の再現性を高める。
【0020】
本開示に関して、「受容体」という用語は、放射性溶液に対する宛先として理解される。放射性溶液は、この宛先から、システムおよび周囲の状況に応じて、どこか別の所に搬送され得る。
【0021】
受容体は、いくつかの実施形態では、受容体/投与流路の端部とすることができる。
【0022】
受容体は、いくつかの実施形態では、受容器またはIVバッグなど、投与流路/受容体流路の端部にあるデバイスとすることができる。
【0023】
受容体は、いくつかの実施形態では、患者、または患者と直接の流体接続状態にあるカテーテルとすることができる。
【0024】
ボーラスは、実施形態では、受容体から患者に搬送され得る。
【0025】
したがって、当業者であれば、受容体は、システム設定に応じて、様々なデバイスまたは患者の変形形態であり得ることが理解されよう。
【0026】
本開示に関して、「ボーラス」という用語は、放射性溶液の特定量であり、その量は、明確に定義された容積と放射能レベルとを有するものとして定義され得る。
【0027】
実施形態では、前記ボーラスは、実質的に円筒形の本体を有し、またボーラスの容積の全体を通して均質な放射能分布を有する。
【0028】
別の実施形態では、前記ボーラスは、実質的に円筒形の本体を有し、またボーラスの容積の全体を通して均質に分散された放射能成分を有する。
【0029】
別の実施形態では、前記ボーラスは、実質的に円筒形の本体を有し、また前記実質的に円筒形の本体の長手方向軸に沿って測定された一定の放射能プロファイルを有する。
【0030】
実施形態では、前記ボーラスは、実質的に円筒形の本体を有し、またボーラスの容積および/または境界内の任意の点で、区別できない放射能濃度を有する。
【0031】
実施形態では、前記ボーラスは、実質的に円筒形の本体を有し、またボーラスの容積および/または境界内の任意の2点の間で放射能濃度において無視できる差を有する。
【0032】
21分未満の放射能半減期を有する放射性医薬品の投与される線量(D)が患者に投与された場合、および/または投与されたとき、前記線量は、スキャナの検出限界、局所的なスキャナ設定、および条件、ならびに個々の患者の年令、体重、性別、および民族性に適したサイズのものとすべきである。(D)のサイズは、PET-スキャナの改良された検出機能の出現に伴い現在のレベルから減少する可能性が高く、またさらに「合理的に達成可能な限り低く」(ALARA)原理を満たす法規の変更によっても低下する可能性が高いことが予見されるが、(D)は、線量を投与する診断理由の主な実行が不可能になる点まで、またはそれを超えて減少させるべきではない。(D)は、5MBqから最高で5000MBqの範囲内である可能性が高いが、現在(D)は、好ましくは、250~500MBqの範囲内であり、また近い将来、100~250MBqの範囲内であることが好ましい。遠い将来において、(D)は、好ましくは、10~100MBq内であろう。最も好ましくは、(D)は、400MBqであり、医療活動内における放射能線量の投与の標準偏差として許容可能な最高で10%の範囲のプラスまたはマイナスである。
【0033】
同様に、ボーラス容積(V)は、体内への迅速な導入を可能にし、また個々の患者の年令、体重、性別、および民族性に関して適したサイズのものとすべきである。様々な診断目的に対して、(V)は、0.05ml~50mlの範囲内となる。好ましくは、(V)は、1~5mlの範囲内であり、最も好ましくは、(V)は、2mlであり、医療活動内における医薬品容積の投与の標準偏差として許容可能な最高で10%の範囲のプラスまたはマイナスである。(V)のサイズは、改良された投与ライン、またはポンプ機能の出現に伴って、現在のレベルから減少する可能性のあることが予見される。
【0034】
注入速度(S)は、体内に容積(V)の急速な導入を可能にするように十分速く、また個々の患者の年令、体重、性別、および民族性に関して適切なものにすべきである。(S)は、0.1ml/s~5ml/sの範囲内であり、1ml/s~3ml/sの範囲内であることが好ましい。(S)は、最も好ましくは2ml/sである。(S)は、放射線検出器からの改良されたPETスキャナデータ取得の出現に伴って増加できる可能性が高い。しかし、より低い注入速度が、本発明のいくつかの用途に対して適切となる可能性もある。
【0035】
加えて、「放射能濃度」という用語は、概して、放射性溶液の溶液に適用される。溶液の放射能濃度は、溶液の単位容積当たりの放射能の量を指す。放射能濃度に関する単位の例は、ミリリットル当たりメガベクレル(MBq/ml)となる。放射能濃度は、核種の放射能における減少により、時間と共に変化するので、参照時間を提供することが常に必要である。短寿命の放射性核種の場合、参照時間は、日付に加えて時刻を含むより正確なものである。
【0036】
注入前にボーラスの正確な特性を知ることは最も重要な基本であること、また注入およびボーラスは、同じ患者に対してだけではなく、患者のグループ全体、または患者群にわたっても再現可能であることが当業者にはよく知られている。これは、第1、第2、および第3の態様により、本発明で可能である。
【0037】
このことの臨床的な重要性は、心虚血に対して2mlの注入された容積を用いると、1回の心拍中に、心臓の右側において、放射性溶液の注入されたボーラス全体(またはそのかなりの部分)を捕捉し、心臓の右側に関して、今日知られているものよりもはるかに多くのことを学ぶことが可能である。
【0038】
その後、放射性溶液は肺を通り、そこで、より大きな容積で、溶液の実質的な混合が行われる。
【0039】
さらに、大きな容積の溶液は心臓に戻り、冠状動脈および3本の副動脈を通って心筋へと流れる。
【0040】
重要なのは、休止状態の心臓と負荷のかかった心臓との間の相対的な流れである。したがって、両方の調査において、ボーラスの再現性は、比較のために非常に重要である。
【0041】
1回の拍出量/機能、または心臓自体のその右側への血液供給のいずれに関しても、心臓の右側を検査するための実行可能な撮像技法が現在存在しない。
【0042】
したがって、厳密な明確に定義されたボーラスを送達できることは、現在の輸液システムおよび送達方法と比較して、著しい差を生ずることになる。
【0043】
さらに従来技術の輸液システムにおいては、O-15水と比較して、FDGなどの同位体のいくつかのものは、比較的長い半減期と、かなり長い作成時間(FDGの場合、約4時間、O-15水の場合、約5分)とを有し、それは、FDGは、過剰に作成されたFDGが保管され得る実際の保存期間を有することを意味し、それはO-15水では可能ではなく、O-15水は、作成された後、短時間で実際的に無価値になるためである。
【0044】
受容体へと移送され得る液体の放射性溶液を取得するために、従来技術のシステムは、複数の異なる容器において、高い放射性同位体(18F-標識付きFDGなど)と食塩水などの希釈液とを部分的に手作業で混合/希釈する必要がある。本発明による液体の放射性溶液を送達する輸液システムおよび方法は、ループを過剰に満たし、したがって、ループが充填された後、さらなる希釈液または放射性同位体を加える必要を回避するという点で、はるかに簡単化され、容易である。
【0045】
液体の放射性溶液は、放射性医薬品と溶液媒体とを備える均質な放射性溶液であり、その組合せは、現在の医薬品規格に従って注入可能な媒体を構成することを理解されたい。
【0046】
本発明の範囲において、「受容体に送達される放射性溶液の望ましい受容体容積にほぼ等しい内部容積」とは、内部容積が、放射性溶液の望ましい受容体容積から、多くても±5%、好ましくは、多くても2%、より好ましくは、多くても1%異なるものとして解釈されるべきである。
【0047】
実施形態では、内部容積は、放射性溶液の望ましい受容体容積から、多くても±5%、好ましくは、多くても2%、より好ましくは、多くても1%異なる。
【0048】
放射能の望ましい受容体レベルを決定するとき、そのレベルは、放射能の注入レベルの測定から、放射性溶液の受容体への実際の注入までの放射能の起こり得る変化を考慮に入れることができる。
【0049】
当業者であれば、2つの異なる位置(廃棄位置および受容体/投与位置など)を有する弁は、弁をこれらの位置だけを有するように限定するものではないことが理解されよう。
【0050】
本開示によれば、「弁」という用語はまた、複数の入口と出口とを有する弁を備える。
【0051】
実施形態では、第1の弁は三方弁である。
【0052】
本開示によれば、「初期レベルの放射能を有する前記放射性溶液の第1の量」という表現など、放射能レベルを参照するとき、放射能のこのレベルは、所与の時間点において、均質な溶液内の放射性同位体により放出された電離放射線の量として理解されるべきである。放射能の測定単位はベクレル(Bq)である。同位体の崩壊のため、放射能のこのレベルは、時間と共に減少する。
【0053】
実施形態では、第1および第3の態様による方法、または第2の態様による輸液システムは、PET(陽電子放射断層撮影法)走査技術、またはSPECT(単一光子放射型コンピュータ断層撮影法)走査技術を用いる血流撮像における放射性溶液の使用に関する。
【0054】
受容体(受容体がヒトの患者である場合)に達する放射能の量の線量計算は、目標の臓器に対して、目標の臓器の方向に放射する近傍の臓器から得られた放射能で重み付けされる。
【0055】
放射性O-15を用いる利点の1つは、臓器に付着しない(無視できる量)ことであり、また狭いボーラスとの関係は(狭い容積および放射能、迅速な注入)除去を不要にすることである。
【0056】
実施形態では、ボーラス導管は、ソースから放射性医薬品溶液を受け入れるように適合されたソース入口を備え、廃棄導管は、前記廃棄導管から流出するように適合された廃棄出口を備え、また受容体/投与導管は、前記受容体/投与導管から流出するように適合された受容体/投与出口を備える。
【0057】
本明細書で使用される場合、「放射性溶液の放射能の注入レベルは、放射能の望ましい受容体レベルから、多くても±10%異なる」という表現は、溶液が注入された時点において、溶液の特定の放射能(例えば、Bqで測定される)が、操作者により決定された所定の望ましい受容体レベルから、多くても±10%異なることを意味する。例えば、溶液の望ましい受容体レベルが200Bqである場合、本発明の輸液システムによって実際に送達される溶液は、180~220Bqの範囲の特定の放射能を有することになる。
【0058】
しかし、本発明による輸液システムは、放射能レベルと溶液の容積の両方に関して、±10%よりも狭い制限を用いて動作することができる。大部分の場合、±7%、±5%、±2%、およびさらに±1%の範囲が可能である。
【0059】
本発明において、放射能の注入レベルは、注入(ボーラス導管に存在する溶液の受容体への移送)が開始される所与の時点で測定された放射能レベルとして理解されたい。本発明では、放射能の参照レベルは、ボーラス導管に存在する液体の放射能レベルとして理解されたい。参照レベルは、連続的に測定されることが好ましい。
【0060】
実施形態では、放射性溶液の放射能の注入レベルは、放射能の望ましい受容体/最終レベルから、多くても±10%、好ましくは、多くても±7%、より好ましくは、多くても±5%異なる。
【0061】
実施形態では、放射性溶液の放射能の注入レベルは、放射能の望ましい受容体/最終レベルにほぼ等しい。
【0062】
実施形態では、前記ボーラス導管の内部容積は、放射性溶液の望ましい受容体/最終容積から、多くても±10%、好ましくは、多くても±7%、より好ましくは、多くても±5%異なる。
【0063】
それにより、受容体に送達される放射性溶液は、よく知られた容積、放射能レベル、および移送速度を有し、それは、溶液の注入プロファイルを決定し、受容体に視覚化することを可能にする。
【0064】
これは、受容体が、放射性溶液がその後に続いて受容体から患者に移送され得る手段である場合、または受容体が患者であり、放射性溶液が直接患者に移送される場合の両方である。
【0065】
実施形態では、第1の弁は、第3の位置を有し、第1の弁の第3の位置は、ボーラス導管の弁端部を閉じて、ボーラス導管内の放射性溶液が、第1の弁を通って流れないようにする。
【0066】
本開示によれば、「静脈内ボーラス注入」という用語は、無視できる時間期間にわたり、静脈内経路を介するボーラスの投与と定義され得る。
【0067】
実施形態では、液体の放射性溶液を送達/投与する方法は、
入口位置およびフラッシング位置を有する第2の弁を提供するステップと、
フラッシング導管およびソース導管を提供するステップと、各導管は、前記第2の弁に接続される弁端部を有し、ソース導管は、第2の弁が入口位置にあるとき、前記放射性溶液の第1の量を、ソースからボーラス導管へと移送するように適合される、
フラッシング液を備えるフラッシング液貯蔵器を提供するステップと、前記フラッシング液貯蔵器は、前記フラッシング導管に接続される、
第2の弁がフラッシング位置にあるとき、フラッシング液を、フラッシング液貯蔵器から、前記フラッシング導管を通してボーラス導管の中へと移送するように適合されたフラッシングデバイスを提供するステップと
をさらに備える。
【0068】
実施形態では、前記放射性溶液の第1の量は、ボーラス導管の内部容積よりも1~2倍大きい容積を有する。
【0069】
それにより、ボーラス導管は、均質な状態で放射性溶液だけで完全に充填され、またフラッシング溶液のいずれかの残留物も、ボーラス導管から除去されることが保証される。
【0070】
ボーラス導管が完全に充填されたとき、適切な放射性医薬品が、なお残っている放射能の適切なレベルを有するように、ボーラス導管は、均質な放射性溶液で過充填されることを理解されたい。これはまた、3分未満の半減期を有する同位体に対しても適用可能である。
【0071】
実施形態では、フラッシングデバイスは、コンピュータ制御のシリンジである。
【0072】
実施形態では、第2の弁は三方弁である。
【0073】
第1および第2の弁は、複数の入口と出口とを有する同じ弁であり得ることを理解されたい。
【0074】
実施形態では、前記放射性溶液の第1の量を、前記廃棄流路を通して移送するステップの前に、第2の弁は、フラッシング位置に配置され、またフラッシング液が、フラッシング導管を通して、またボーラス導管を通して移送される。
【0075】
実施形態では、第1の弁が廃棄位置に配置され、したがって、フラッシング液は、廃棄流路を通って移送される。
【0076】
フラッシング液は、廃棄流路を通って流れることができ、したがって、フラッシング液は、廃棄出口を通って輸液システムから出る。
【0077】
したがって、ボーラス導管内に存在するどんな残留物も、システムの外へとフラッシングされることになり、したがって、放射性溶液の第1の量がボーラス導管の中へと移送されたとき、二次汚染が生ずることなく、均質な溶液が得られるようになる。
【0078】
実施形態では、第1の弁は、受容体/投与位置に配置され、したがって、フラッシング液は、受容体/投与流路を通って移送され得る。
【0079】
それにより、フラッシング液(食塩水など)を、受容体/投与流路の端部に、および/または受容体に直接移送することが可能である。いくつかの実施形態では、受容体は、生物学的な管(すなわち、動脈または静脈)とすることができる。ここで、いくつかの状況では、生物学的な管が開いており、つぶれていないことを保証するために、放射性溶液の第1の量の移送を開始するまで、少量の食塩水を管の中に連続的に移送することが望ましい。
【0080】
実施形態では、ボーラス導管内に存在する放射性溶液を、受容体/投与流路を通って移送するステップは、
第2の弁をフラッシング位置に配置し、フラッシング液を、フラッシング導管を通し、ボーラス導管および受容体/投与導管を通して移送するステップを備え、それにより、ボーラス導管内の液体の放射性溶液が、受容体/投与流路を通って受容体へと移動される。
【0081】
それにより、フラッシング液は、それ自体の前にある放射性溶液を、受容体まで、または受容体/投与流路の最後までずっと押す。
【0082】
放射性溶液のボーラスは、各端部で、フラッシング液の少量の希釈を受けることになるが、これは、ボーラスのあらゆる移送において再現性があり、限られているので、受容体に達したとき、ボーラスの効果に影響を与えることはない。
【0083】
実施形態では、ボーラス導管の特定の内部容積は、約0.1~50ml、好ましくは、約1~10ml、および最も好ましくは、約2mlである。
【0084】
実施形態では、輸液システム全体は交換可能である。
【0085】
さらにまたは代替的に、ボーラス導管は交換可能である。
【0086】
それにより、特定の輸液システム、および/または特定の内部容積を有するボーラス導管は、異なる患者、および/または異なる測定要件に対して選択され得る。
【0087】
したがって、異なる要件を有する異なる測定間を切り換える、容易で、費用効果のある方法を提供するが、なお患者間で二次汚染のないことを保証する。
【0088】
実施形態では、受容体に対する放射性溶液の注入速度は、約0.05~7ml/秒、好ましくは、約1~5ml/秒、また最も好ましくは、約2ml/秒である。
【0089】
本開示に関して、「移送速度」という用語は、「注入速度」という用語と相互に交換可能に使用される。両方の用語は、液体が移送される速度であると理解される。
【0090】
受容体に送達される放射性溶液は、厳密な容積を有し、迅速に送達されることが重要である。「厳密な」によって、溶液量は、明確に定義され正確であるが、さらに再現性のある容積を有することを意味する。
【0091】
このように、本システムは、高い放射能濃度を有する放射性溶液を移送できるように十分速く、効率的であり、したがって、注入されるボーラスの容積が低く保たれ得る。
【0092】
これは、異なる受容体の間で比較され得る標準化された手順を保証する。
【0093】
例えば、PET(陽電子放射断層撮影法)走査技術、またはSPECT(光子放射型コンピュータ断層撮影法)走査方法を用いる心臓測定に対する血流撮像における放射性溶液の使用において、放射性溶液の最適な受容体容積は、約2mlであり、最適な移送速度は、約2ml/秒である。
【0094】
2ml容積と2ml/秒の速度を用いるこの例では、ボーラス導管内の放射性の容積は、ほぼ1秒で空になる。
【0095】
実施形態では、フラッシング導管およびボーラス導管を通してフラッシング液を移送するステップでは、ボーラス導管内の液体の放射性溶液は、約5秒未満、好ましくは2.5秒未満、およびより好ましくは、約1秒で前記ボーラス導管から外に移動される。
【0096】
実施形態では、ボーラス導管内の液体の放射性溶液を、受容体導管を通して受容体に移送するステップでは、液体の放射性溶液が、約10秒未満、好ましくは5秒未満、より好ましくは約3秒未満で前記受容体導管から出て前記受容体へと移送される。
【0097】
これまでの従来技術のシステムは、放射性溶液(O-15など)水を、ソース(ホットセルなど)から受容体(患者など)に移送するために、最高で約2分以上必要となる。
【0098】
液体の放射性溶液(O-15水など)を送達する輸液システムおよび方法は、最高で20mlの最大容積で2ml/秒の好ましい移送速度を用いて、ソースから受容体に、放射性溶液を20秒未満で移送することができる。
【0099】
廃棄流路(2mlのボーラス導管と共に)を介する放射性溶液の第1の量の移送開始から、選択された放射性溶液は、約10秒未満で、いつでも患者に移送することができる。
【0100】
実施形態では、測定セクションは、渦巻き形状、または螺旋形状、またはコイル形状、またはループ形状をしている。
【0101】
実施形態では、測定セクションは、少なくとも15巻きを備える。
【0102】
実施形態では、放射線検出器は、前記測定セクションが放射線検出器の前記部分を包むように配置され、放射線検出器は、測定セクションにおける溶液の放射能レベルを決定するように動作可能である。
【0103】
ループ構成における原理は、放射性の容積が、放射能センサの中心線に沿って対称的に、またその比較的近くに配置されることである。これは、毎日交換されるループの配置の何らかの変動も、放射能センサの測定に対して最小の影響を有することを保証する。配置における変動は、例えば、ループ部分の内側の幾何形状における製作変動により生ずる可能性がある。ループ構成の原理は、誤配置が、放射性の容積の何らかの部分をわずかにセンサに接近させ、何らかの部分を同様に遠くになるようにして、センサによって実際に感知されるのはわずかな変動だけであるように保証する。
【0104】
ボーラス導管が2ml容積の放射性溶液を備える例示的な実施形態では、ループ構成は、巻き数、コイル長さ、管の内径、および放射能センサの周りに配置されるある程度の距離であるその構成の変数に変化が生じた場合であっても、センサの測定の安定性に同じ原理の効果を得ることができる。
【0105】
別の実施形態では、ボーラス導管は5mlを備える。ここで、その変数は、所与のループの正確な形状を画定することになり、ループ構成の原理に大きな影響を与えるものではない。
【0106】
さらにループ原理は、任意の適切な手段によって、放射性の容積が、放射能センサの周りにその中心軸に沿って対称的に、また比較的その近くに配置されることを保証する別の構成によっても形成され得る。
【0107】
実施形態では、第1の弁および第2の弁は、コイル形状の測定セクションに隣接して配置される。
【0108】
実施形態では、ボーラス導管の長さは、測定セクションの長さにほぼ等しい。
【0109】
実施形態では、無菌フィルタが、ソースとボーラス導管の間に配置され、したがって、ソースからの放射性溶液は、ボーラス導管に達する前に前記無菌フィルタを通って流れる。
【0110】
無菌フィルタは、通気性フィルタとすることができる。これは、輸液システムに入る前に、溶液中の何らかの残存空気を確実に吐出され得るようにする。
【0111】
これは、受容体の安全性と均質な放射性溶液を保証するさらなる安全機能である。
【0112】
実施形態では、ソースは、注入可能な放射性医薬品に関する基準を満たすことのできる液体形態の放射性ソースとすることができる。前記ソースは、放射能発生器、またはサイクロトロン、または任意の放射能放出物質に接続され得る。
【0113】
本発明は、すべての現在知られている放射能ソースを、液体形態で適用するように適合可能であり、それにより妨げられない本発明は、投与の正確さに関するその目的を維持することを理解されたい。
【0114】
実施形態では、放射性溶液は、21分未満、好ましくは、10分未満、より好ましくは、3分未満の放射能半減期を有する放射性医薬品を備える。
【0115】
実施形態では、放射性医薬品の同位体は、O-14、O-15、N-13、Rb-82など、ベータプラス崩壊を受けることのできる放射線同位体を備える群から選択される。
【0116】
別の実施形態では、放射性医薬品の同位体は、21分より少ない半減期を有するO-19、O-20など、ベータマイナス崩壊を受けることのできる同位体を備える群から選択され、それにより、ベータマイナス崩壊の放射能の性質が、放射能崩壊から直接、または拡散を介してのいずれかにより同位体の撮像特性を生ずる。
【0117】
当業者であれば、本明細書で述べる本発明は、同位体の撮像特性とは独立して、治療用の放射性医薬品を投与するためにも使用され得るが、ここで、治療用要素は、同位体のベータマイナス崩壊に関連することが理解されよう。
【0118】
実施形態では、放射性溶液を送達する輸液システムおよび/または方法は、治療用の放射性医薬品を備える。
【0119】
さらに別の実施形態では、放射性医薬品の同位体は、21分より少ない半減期を有するアルファ崩壊を受けることのできる同位体を備える群から選択され、それにより、アルファ崩壊の放射能の性質が、放射能崩壊から直接、または拡散を介してのいずれかにより同位体の撮像特性を生ずる。
【0120】
当業者であれば、本明細書で述べる本発明は、同位体の撮像特性とは独立して、治療用の放射性医薬品を投与するためにも使用され得るが、ここで、治療用要素は、同位体のアルファ崩壊に関連することが理解されよう。
【0121】
別の実施形態では、放射性医薬品の同位体は、21分より少ない半減期を有する同位体を放出するオージェ電子を備える群から選択され、それにより、オージェ電子放出の放射能の性質が、放射能の崩壊から直接、または拡散を介してのいずれかにより、同位体の撮像特性を生ずる。
【0122】
当業者であれば、本明細書で述べられる本発明は、同位体の撮像特性とは独立して、治療用の放射性医薬品を投与するためにも使用され得るが、ここで、治療用要素は、同位体のオージェ電子放出特性に関連することが理解されよう。
【0123】
これは、PETまたはSPECTを用いた測定のための血流撮像において、比較的短寿命の放射性医薬品を使用できるようにする。
【0124】
実施形態では、受容体は、前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液をヒトまたは動物の体に静脈内(IV)投与するためのデバイスである。
【0125】
実施形態では、IV投与するためのデバイスは、注射針、および/または末梢静脈カテーテル、および/または動脈カテーテルである。
【0126】
実施形態では、方法は、治療方法である。
【0127】
第2の態様では、本発明は、液体の放射性溶液をソースから受容体に送達するための輸液システムに関し、前記システムは、
放射線検出器と、
廃棄位置および受容体位置を有する第1の弁と、
ボーラス導管、廃棄導管、および受容体導管とを備え、各導管は、前記第1の弁に接続される弁端部を有し、したがって、第1の弁は、廃棄位置で廃棄流路を、また受容体位置で受容体流路を確立することができ、受容体流路は、前記廃棄流路とは異なる、
ここにおいて、廃棄流路は、ボーラス導管および廃棄導管により画定され、また受容体流路は、ボーラス導管および受容体導管により画定される、
ここにおいて、ボーラス導管は、ソースから放射性医薬品溶液を受け取るように適合されたボーラス入口を備え、廃棄導管は、前記廃棄導管から流出するように適合された廃棄出口を備え、また受容体導管は、前記受容体導管から受容体へと流出するように適合された受容体出口を備え、
ここにおいて、ボーラス導管は、測定セクションおよび特定の内部容積を備え、放射線検出器は、前記測定セクションに存在する溶液の放射能の参照レベルを決定するように動作可能であり、
ここにおいて、廃棄流路が、前記ボーラス入口と前記廃棄出口の間に液体連通を確立し、また受容体流路が、ボーラス入口と受容体出口の間に液体連通を確立する。
【0128】
実施形態では、測定セクションは、ボーラス入口から弁端部の方向に延びる。
【0129】
実施形態では、方法は、PET(陽電子放射断層撮影法)走査技術、またはSPECT(光子放射型コンピュータ断層撮影法)走査法を用いる血流撮像で使用される放射性溶液の移送に関する。
【0130】
実施形態では、輸液システムは、
入口位置およびフラッシング位置を有する第2の弁と、
フラッシング導管およびソース導管と、各導管は前記第2の弁に接続される弁端部を有し、ソース導管は、第2の弁が入口位置にあるとき、放射性溶液をソース導管からボーラス導管の中に移送するように適合される、
フラッシング液を備えるフラッシング液貯蔵器と、前記フラッシング液貯蔵器は、前記フラッシング導管に接続される、
第2の弁がフラッシング位置にあるとき、フラッシング液をフラッシング液貯蔵器から、前記フラッシング導管を通して、ボーラス導管の中へと移送するように適合されたフラッシングデバイスと
を備える。
【0131】
実施形態では、フラッシング液貯蔵器は、前記フラッシング導管に直接接続され得る。
【0132】
実施形態では、フラッシングデバイスは、フラッシング導管に接続され得る。
【0133】
代替の実施形態では、フラッシングデバイスは、フラッシング貯蔵器およびポンプにより形成される。ポンプおよびフラッシング貯蔵器は、フラッシング導管に接続される。ポンプは、液体を、フラッシング貯蔵器の中に、またはそこから外にポンプ送りするように適合される。
【0134】
本明細書の内容において、「ポンプ」という用語は、任意のタイプの適切なポンプと見なされ得る。
【0135】
実施形態では、ポンプは、容積形ポンプである。
【0136】
容積形ポンプは、固定量を取込み、その取り込まれた容積を排出パイプへと強制する(変位させる)ことにより、流体を移動させる。
【0137】
実施形態では、ボーラス導管の特定の内部容積は、約0.1~50ml、好ましくは、約1~10ml、および最も好ましくは、約2mlである。
【0138】
実施形態では、測定セクションは、渦巻き形状、または螺旋形状、またはコイル形状をしている。
【0139】
実施形態では、測定セクションは、少なくとも1巻き、好ましくは1~50巻き、より好ましくは、5~25巻きを備える。
【0140】
巻き数は、望ましい投与容積、および導管の内径に対して選択される。
【0141】
実施形態では、放射線検出器の一部が、測定セクション内に配置され、前記測定セクションは、放射線検出器の前記部分を包むようにする。
【0142】
実施形態では、無菌フィルタが、ソースとボーラス導管の間に配置され、したがって、ソースからの放射性溶液は、ボーラス導管に達する前に、前記無菌フィルタを通って流れる。
【0143】
実施形態では、第2の放射線検出器および/または泡検出器が、受容体導管に隣接して配置される。
【0144】
第2の放射線検出器および/または泡検出器は、輸液システムの安全レベルを高める。
【0145】
第2の放射線検出器および/または泡検出器は、コンピュータ手段に接続され得る。
【0146】
放射線検出器は、輸液システムにおける上流の漏れを検出するように適合される。
【0147】
ボーラス導管内の放射性溶液の受容体への移送が開始された後、放射線検出器は、事前に選択された警告レベルおよび/または警報レベルを測定する。これらのレベルは、輸液システムの用途に応じて変わる可能性がある。レベルは、ほぼゼロとすることができる。
【0148】
レベルは、放射線の予想されるレベルに対して低すぎるもの、および/または高すぎるものの両方とすることができる。
【0149】
レベルは、自動的に、または手動で選択され得る。
【0150】
測定された放射線量が、警告レベルに達した場合、警告標示が示され得る。警告標示は、視覚的なものおよび/または可聴のもの、あるいはそれらの組合せとすることができる。
【0151】
測定された放射線量が、警報レベルに達した場合、受容体への液体の移送は、中断され得る。
【0152】
実施形態では、第2の放射線検出器は、ボーラス注入プロファイルを記録し、注入中にそのプロファイルをユーザに報告し、またコンピュータ手段は、バッチレポートで注入プロファイルに記録する。
【0153】
さらに第2の放射線検出器は、追加の安全機構として、第1の放射線検出器に結合され得るが、ポンプが注入を開始し、放射能が、第1の放射線検出器を十分速やかに離れておらず、および/または第3の放射線検出器に予想された時間枠内に達していない場合、コンピュータ手段はまた、注入を停止する。
【0154】
タイムスタンプ推定を備える二重に結合された検出器のこの特徴は、シリンジと受容体導管へのコネクタとの間の漏れを有する危険を保護する。
【0155】
特徴はまた、シリンジが真空を吸い込み、注入が開始されると計画通りの注入を完了するには不十分な容積を有することになる危険を保護する。
【0156】
泡検出器は、前記ボーラス導管から受容体に移送される放射性溶液中の空気の存在を検出するように適合される。泡検出器が、事前に選択された警報レベルに等しい、またはそれを超える空気量を検出した場合、放射性溶液の受容体への移送は中断され得る。
【0157】
実施形態では、輸液システムは無菌の輸液システムである。
【0158】
実施形態では、放射性溶液は、21分未満、好ましくは、10分未満、より好ましくは、3分未満の放射能半減期を有する放射性医薬品を備える。
【0159】
実施形態では、受容体導管は、第2の無菌フィルタを備える。
【0160】
実施形態では、廃棄導管は、逆止め弁および/またはポンプを備える。
【0161】
ポンプは、蓄積された液体を、第1の無菌フィルタから廃棄出口に移送するように適合される。ポンプ機能は、前方運動だけであり、ポンプの主な目的は、無菌フィルタを横断してボーラス導管への放射性溶液のより迅速な移送を容易にすることである。
【0162】
いくつかの実施形態では、ポンプは容積形ポンプである。
【0163】
受容体システムはまた、逆止め弁を備えることができる。逆止め弁は、一方向の逆止め弁とすることができる。
【0164】
逆止め弁は、受容体からシステムへの起こり得る逆流を阻止し、それにより、普通であれば、その寸法(無菌フィルタにおける細孔の寸法に相当する22マイクロメートル未満)に起因して、無菌フィルタで捕捉されないはずの、例えば、ウイルスの二次汚染を阻止する。
【0165】
実施形態では、前記受容体は、前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液をヒトまたは動物の体に静脈内(IV)投与するためのデバイスである。
【0166】
実施形態では、IV投与のためのデバイスは、注射針、および/または末梢静脈カテーテル、および/または動脈カテーテルである。
【0167】
実施形態では、第2の態様による輸液システムは、コンピュータ制御される。
【0168】
実施形態では、コンピュータ制御された輸液システムはまた、手動で制御され得る。
【0169】
輸液システムはまた、データ記憶ユニットを備えたコンピュータ手段を備えることができる。データ記憶ユニットは、輸液システムの様々な要素から受け取ったデータを記憶するように動作可能である。
【0170】
データは、注入速度、ポンプ速度プロファイル、測定セクション容積、ボーラス導管容積、第2の放射線検出器により測定される放射線プロファイル、第1の放射線検出器により測定される放射線プロファイル、泡検出器からの測定値などとすることができる。
【0171】
コンピュータ手段は、ディスプレイを備えることができ、ディスプレイは、前記データを視覚的に表示するように適合される。
【0172】
輸液システムがコンピュータ制御される場合であっても、ユーザは、設定を手動で上書きすることができる。
【0173】
それにより、ユーザは、状況に応じて、受容体への移送を開始または遅延させることができる。
【0174】
第1または第2の態様の別の実施形態では、放射性医薬品の液体の溶液は、前記ボーラス導管から移動される前に、望ましい放射能レベルが、自然の放射能崩壊によって得られるまで、適切な保持時間の間、ボーラス導管内に保持される。
【0175】
別の態様では、本発明は、第1の態様による液体の放射性溶液を送達する方法において、第2の態様による輸液システムを使用することに関する。
【0176】
別の実施形態では、本発明は、第1の態様による液体の放射性溶液を送達する方法により取得することが可能な放射性溶液のボーラスに関する。
【0177】
第3の態様では、本発明は、放射能の望ましい最終レベル、および最終容積を有する液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法に関し、方法は、
- 作成される放射性溶液の放射能の前記望ましい最終レベル、および最終容積を決定するステップと、
- 廃棄位置および投与位置を有する第1の弁を提供するステップと、
- ボーラス導管30、廃棄導管40、および投与導管50を提供するステップと、各導管は、前記第1の弁に接続される弁端部を有し、したがって、第1の弁は、廃棄位置で廃棄流路を、また投与位置で投与流路を確立することができ、投与流路は、前記廃棄流路とは異なっており、ボーラス導管は、測定セクションおよび内部容積を備え、内部容積は、放射性溶液の望ましい最終容積にほぼ等しい、
- 前記第1の弁を廃棄位置に配置するステップと、
- 前記放射性溶液の第1の量を、前記廃棄流路を通して移送するステップと、前記放射性溶液の第1の量は、放射能の望ましい最終レベルに少なくともほぼ等しい、またはそれを超える放射能の初期レベル、および前記ボーラス導管の内部容積よりも大きい初期容積を有する、
- 放射線検出器を提供するステップと、放射線検出器は、前記測定セクションにおける放射性溶液の放射能レベルを測定するように動作可能である、
- 前記測定セクションに存在する前記放射性溶液の放射能の参照レベルを測定するステップと、
ここにおいて、放射能の参照レベルが、放射能の事前の最終レベルにほぼ等しいとき、方法は、
- 第1の弁を投与位置に配置するステップと、
- ボーラス導管内に存在する放射性溶液を、投与流路を通して移送するステップと
をさらに備え、したがって、前記放射性溶液が、投与流路の端部に達したとき、放射性溶液が、放射能の望ましい最終レベルを有する。
【0178】
21分未満の放射能半減期を有する放射性医薬品の投与される線量(D)は、スキャナの検出限界、局所的なスキャナ設定、および条件、ならびに個々の患者の年令、体重、性別、および民族性に適したサイズのものとすべきである。
【0179】
ボーラス容積(V)は、その後に体内への迅速な導入を可能にし、また個々の患者の年令、体重、性別、および民族性に関して適したサイズのものとすべきである。様々な診断目的に対して、(V)は、0.05~50mlの範囲内になる。
【0180】
注入速度(S)は、その後に体内に容積(V)の迅速な導入を可能にするように十分速く、また個々の患者の年令、体重、性別、および民族性に関して適切なものにすべきである。当業者であれば、本発明の範囲において、第1および第3の態様に関して述べられた方法は、いくつかの実施形態では、外科手術または療法によってヒトまたは動物の体の治療を行うための方法、およびヒトまたは動物の体に対して実施される診断方法の範囲に含まれない可能性があり、それは、本発明による方法は、いくつかの実施形態では、技術的な性格のものであって、これらの実施形態では、生きているヒトまたは動物の体で実施されないからであり、「受容体」という用語は、本発明の範囲において、放射性溶液を受け取るデバイス/手段とすることができることが理解されよう。
【0181】
当業者であれば、上記の実施形態、選択肢、および展開の任意のもの、およびすべては、本発明に従って互いに組み合わせられることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0182】
本発明の実施形態の拘束しない例を示す添付の概略的な図面において、
図1】本発明による輸液システムの概略図。
図2】輸液システムの実施形態の一部の図。
図3】本発明による輸液システムの実施形態の概略図。
図4】作成システム6および受容体システム200に接続された輸液システムの別の実施形態の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0183】
図1は、本発明による輸液システム1の第1の実施形態を示しており、輸液システムは、液体の放射性溶液を受容体2に送達するのに適している。
【0184】
放射性溶液は、以下のステップを備える本発明による方法の実施形態に従って、ソース6から受容体2へと移送される。
【0185】
輸液システム1は、廃棄位置および受容体位置を有する第1の弁20と、放射線検出器10と、ボーラス導管30と、廃棄導管40と、受容体導管50とを備え、各導管30、40、50は、前記第1の弁20に接続される弁端部31、41、51を有する。
【0186】
第1の弁20は、廃棄位置で廃棄流路を確立し、廃棄流路は、ボーラス導管30および廃棄導管40によって画定される。
【0187】
第1の弁20は、受容体位置で受容体流路を確立し、受容体流路は、ボーラス導管30および受容体導管50によって画定される。
【0188】
受容体流路は、前記廃棄流路とは異なる。
【0189】
ボーラス導管30は、ソース6から放射性医薬品溶液を受け取るように適合されたボーラス入口32を備える。
【0190】
ボーラス導管30は、特定の内部容積を備える。
【0191】
ボーラス入口32は、弁入口端部31の反対側にある。
【0192】
ボーラス導管30内を通る液体の流れは、ボーラス入口32から弁端部31の方向であることが好ましい。
【0193】
ボーラス導管30を通る流れは、放射性溶液および/またはフラッシング液のいずれかであり得る。
【0194】
第1の弁20は三方弁であることが好ましい。
【0195】
廃棄導管40は、前記廃棄導管40から外に流れるように適合された廃棄出口42を備える。
【0196】
廃棄導管40を通る流れは、放射性溶液および/またはフラッシング液のいずれかとすることができる。
【0197】
受容体導管50は、前記受容体導管50から受容体2へと流れ出るように適合された受容体出口52を備える。
【0198】
受容体導管50を通る流れは、放射性溶液および/またはフラッシング液のいずれかとすることができる。
【0199】
受容体出口52は、受容体2と流体連通状態にある。
【0200】
ボーラス導管30は、測定セクション300を備える。放射線検出器10が、測定セクション300に対して配置され、したがって、放射線検出器10は、前記測定セクション300に存在する溶液の放射能の参照レベルを決定することができる。
【0201】
測定セクション300の実施形態は、図2で示される。
【0202】
廃棄流路は、前記ボーラス入口32と前記廃棄出口42の間で液体連通を確立する。受容体流路は、ボーラス入口32と受容体出口52の間で液体連通を確立する。
【0203】
輸液システム1は、第2の弁21をさらに備える。第2の弁は、入口位置と、フラッシング位置と、吸入位置とを有する。
【0204】
輸液システム1は、フラッシング導管60とソース導管70とをさらに備える。
【0205】
フラッシング導管60は、弁端部62と反対側のフラッシングソース端部61とを備える。ソース導管70は弁端部72を備える。各弁端部62、72は、前記第2の弁21に接続される。
【0206】
ボーラス導管30のボーラス入口32はまた、前記第2の弁に接続される。
【0207】
ソース導管70は、第2の弁21が入口位置にあるとき、放射性溶液を、ソース6からボーラス導管30に移送するように適合される。
【0208】
輸液システム1は、フラッシング液を備えるフラッシング液貯蔵器80をさらに備える。
【0209】
フラッシング液は、食塩水溶液であることが好ましい。
【0210】
フラッシング液はまた、リン酸緩衝食塩水などの緩衝処理された食塩水溶液とすることもできる。
【0211】
実施形態では、溶液は、ほぼ受容体の血漿に近いモル浸透圧濃度、好ましくは、受容体の血漿と同様の浸透性がある、またはほぼ等しい浸透性であると考えられるものである。
【0212】
実施形態では、フラッシング液貯蔵器80は、フラッシング導管60のフラッシングソース弁端部61に接続され得る。
【0213】
輸液システム1は、第3の弁22をさらに備え、第3の弁は、第1、第2、第3の位置を有する。第3の弁は、フラッシング導管60のフラッシングソース端部61に接続される。
【0214】
実施形態では、第3の弁は三方弁とすることができる。
【0215】
フラッシング液貯蔵器80は、フラッシング貯蔵器導管81をさらに備える。フラッシング貯蔵器導管81は、第3の弁22に接続された一端83と、フラッシング液貯蔵器80に接続された別の反対側端部82とを有する。
【0216】
フラッシング貯蔵器導管81は、フラッシング液貯蔵器80と第3の弁22の間で液体を流すことができる。
【0217】
フラッシング液貯蔵器80とフラッシング貯蔵器導管81の間に、コネクタが配置され得る。
【0218】
輸液システム1は、フラッシングデバイス90をさらに備える。フラッシングデバイス90は、シリンジとすることができる。シリンジは、自動および/または手動で制御され得る。
【0219】
フラッシングデバイス90は、前記フラッシングデバイス90に接続される一端92と、第3の弁22に接続される別の反対側の端部93とを有するフラッシングデバイス導管91を備える
フラッシングデバイス90は、液体をそれ自体の中に、および/または液体をそれ自体の中から、またその外に移送するように適合される。
【0220】
第1の位置にある第3の弁22は、フラッシングデバイス90とフラッシング液貯蔵器80の間で流体連通を確立する。この位置では、フラッシングデバイス90は、フラッシング液を、フラッシング貯蔵器導管81、第3の弁22、およびフラッシングデバイス導管91を通して、フラッシング液貯蔵器80から、それ自体90の中へと移送することができる。
【0221】
移送はまた、フラッシングデバイス90から、フラッシング液貯蔵器80に向けてとすることもできる。
【0222】
第2の位置にある第3の弁22は、フラッシングデバイス90とフラッシング導管60の間で流体連通を確立する。第2の弁21の位置に応じて、フラッシングデバイス90とソース導管70、およびそれによりソース6との間、および/またはフラッシングデバイス90と廃棄流路の間、および/またはフラッシングデバイス90と受容体流路の間で、流体連通がさらに確立される。
【0223】
第1の位置にある第3の弁22は、フラッシングデバイス90が、フラッシング貯蔵器80からそれ自体90に、一定量のフラッシング液を移送できるようにする。
【0224】
その後に、第3の弁22を第2の位置に配置し、また第2の弁21をフラッシング位置に配置することは、フラッシングデバイス90が、それ自体90に含まれる一定量のフラッシング液をボーラス導管30へと移送できるようにする。
【0225】
吸入位置にある第2の弁21は、ソース導管70とフラッシング導管60の間の流体連通を確立する。第3の弁22が、同時にその第2の位置にある場合、フラッシングデバイス90とソース6の間で流体連通が確立される。
【0226】
これは、フラッシングデバイス90が、存在する一定量の放射性溶液をソースからそれ自体90の中へと移送できるようにする。
【0227】
その後に、第3の弁22を第1の位置に配置することは、フラッシングデバイス90が、一定量のフラッシング液を、フラッシング貯蔵器80からそれ自体90に移送できるようにする。
【0228】
それにより、放射性溶液は、一定量のフラッシング液と混合され得る。
【0229】
代替的には、または加えて、第3の弁22が第2の位置に配置され、第2の弁21がフラッシング位置に配置されると、これは、フラッシングデバイス90が、それ自体90の一定量の内容物をボーラス導管30の中に移送できるようにする。
【0230】
フラッシングデバイス90は、事前に選択された速度で液体を移送するように適合される。速度設定は、輸液システムの使用法に応じて変化することができる。
【0231】
速度はまた、1回の移送中に変わることができ、したがって、受容体に入る移送された液体は、特定の注入プロファイルを有する。注入プロファイルは、放射線検出器を用いて測定され得る。
【0232】
フラッシングデバイス90は、一定容積の液体を含むように適合され、前記液体の容積は、フラッシングデバイス90から受容体2への流路を画定する導管の全体の内部容積に少なくともほぼ等しい、またはそれを超えるものである。
【0233】
図1で示された特定の実施形態では、フラッシングデバイス90から受容体2までの流路を画定する導管は、フラッシングデバイス導管91、フラッシング導管60、ボーラス導管30、および受容体導管50である。
【0234】
フラッシングデバイスが含むように適合された液体の容積は、最高で250mlであることが好ましいが、より好ましくは、最高で100ml、また最も好ましくは、最高で60mlである。
【0235】
フラッシングデバイスが含むように適合された液体の容積は、最小で、フラッシングデバイスから受容体への流路全体のフラッシングを可能にするサイズのものとすべきであることを理解されたい。
【0236】
フラッシングデバイス90は、力センサ94を備える。力センサ94は、液体を移送するのに使用される力の量を絶えず測定するように適合される。
【0237】
力センサ94は、事前に選択された警告レベルおよび/または警報レベルを有することができる。これらのレベルは、輸液システムの使用法に応じて変わり得る。
【0238】
レベルは、移送の事前に選択された速度に対して、低すぎるもの、および/または高すぎるものの両方とすることができる。
【0239】
レベルは、自動的に、または手動で選択され得る。
【0240】
使用された力の測定量が警告レベルに達した場合、警告標示が示され得る。警告標示は、視覚的なもの、および/または可聴のもの、あるいはそれらの組合せとすることができる。
【0241】
使用された力の測定量が警報レベルに達した場合、受容体への液体の移送は、中断され得る。
【0242】
ボーラス導管30の特定の内部容積は、約0.1~50ml、好ましくは約1~10ml、また最も好ましくは、約2mlである。
【0243】
輸液システム1は、第2の放射線検出器54および/または泡検出器55をさらに備える。
【0244】
第2の放射線検出器54は、受容体導管50に対して配置され、したがって、放射線検出器54は、前記ボーラス導管30から前記受容体2へ移送される溶液の放射能レベルを決定することができる。
【0245】
廃棄導管40は、逆止め弁49を備える。逆止め弁は一方向の逆止め弁である。
【0246】
廃棄導管40は、崩壊導管43を備える。
【0247】
崩壊導管43の長さは、廃棄へと移送される液量に依存し得る。これはさらに、例えば、ソースから輸液システムへと移送される放射性溶液の量に依存する。
【0248】
廃棄導管は、適切なサイズの外部の収集容器に接続され得る。
【0249】
図1の輸液システムは、本発明の第1の態様による方法で使用され得る。
【0250】
図1はまた、本発明による輸液システムの実施形態を示しており、輸液システム1は、ソース6から受容体2に液体の放射性溶液を送達するのに適している。
【0251】
ソース6から受容体2への液体の放射性溶液の送達を開始する前に、適切な輸液システム1が選択され、輸液システムは、行われる送達のタイプに依存する。
【0252】
新しい受容体システム200が、受容体間で確実に二次汚染が生じないように選択される。
【0253】
輸液システム1を受容体2に接続する前に、輸液システム内に何らかの液体が存在する場合、回復モード設定が開始され、輸液システムは、フラッシング液で洗浄される。フラッシング液は、廃棄出口42および/または受容体システム出口252を介してシステムから流出する。
【0254】
実施形態では、システムのフラッシングは、第2の弁21をフラッシング位置に配置し、第3の弁22を第3の位置に配置し、フラッシング液をフラッシング貯蔵器80から、フラッシング導管60を通り、ボーラス導管30を通り、フラッシング中に位置が変化し得る第1の弁20の位置に応じて、廃棄導管40、および/または受容体導管50および受容体システム200を通って移送することにより行われる。
【0255】
ソース6から受容体2への放射性溶液の送達を開始するために、以下のステップが実施される。
【0256】
第3の弁22は、第1の位置に配置される。
【0257】
フラッシングデバイス90は、フラッシング液の一定量をフラッシング液貯蔵器80から、フラッシング貯蔵器導管81、第3の弁22、およびフラッシングデバイス導管91を介して、それ自体へと移送する。
【0258】
第3の弁22は、次いで、第2の位置に配置される。
【0259】
受容体に送達される放射性溶液の望ましい受容体放射能レベル、および受容体容積が決定される。
【0260】
第1の弁20が廃棄位置に配置される。
【0261】
第2の弁21が、入口位置に配置される。
【0262】
前記放射性溶液の第1の量が、前記ソース導管70および廃棄流路を通って移送される。
【0263】
前記放射性溶液の第1の量は、放射能の望ましい受容体レベルに少なくともほぼ等しい、またはそれを超える放射能の初期レベルと、前記ボーラス導管の内部容積より大きい初期容積とを有する。
【0264】
第1の放射線検出器10は、前記測定セクションにおいて、放射性溶液の放射能の参照レベルを測定する。
【0265】
放射能の参照レベルが、放射能の注入レベルにほぼ等しいとき、第1の弁20は、受容体位置に配置され、第2の弁21は、フラッシング位置に配置される。
【0266】
フラッシング液は、次いで、フラッシングデバイス導管91、第3の弁22、フラッシング導管60、第2の弁21、ボーラス導管30、第1の弁20、受容体導管50、および受容体システム200を通って移送され、それにより、ボーラス導管30内の液体の放射性溶液は、受容体流路を通って受容体に移送される。
【0267】
図2は、測定セクション300および放射線検出器10の実施形態を示す。
【0268】
測定セクション300はコイル形状をしている。
【0269】
放射線検出器10の部分11は、測定セクション300内に配置される。
【0270】
前記測定セクション300は、放射線検出器の前記部分11を包んでいる。
【0271】
実施形態では、合計のボーラス導管30の容積は、約2mlであり、ボーラス導管の全長は1.85mであり、また導管は、1.25mmの内径を有する。
【0272】
実施形態では、測定セクション300の合計の内部容積は、ボーラス導管30の合計の内部容積にほぼ等しい。
【0273】
図3は、本発明による輸液システム1の実施形態を示す。
【0274】
第1の無菌フィルタ631がソース6とソース導管70の間に配置される。この無菌フィルタ631は、ソース6からの放射性溶液が、ソース導管および/またはボーラス導管30に達する前に前記無菌フィルタ631を通って流れるように配置される。
【0275】
輸液システム1は、無菌の輸液システムである。
【0276】
輸液システム1は、受容体システム200をさらに備える。受容体システム200は、受容体導管50と受容体2の間に配置される。受容体システムは、受容体導管50と受容体2の間に流体連通を確立する。
【0277】
受容体システム200は、受容体流路の一部を形成することができる。
【0278】
受容体システム200は、受容体システム導管250を備える。導管250は、前記受容体システム導管250から受容体2へと流れるように適合された受容体システム出口252を備える。
【0279】
受容体システム導管250はまた、受容体システム出口252の反対側の輸液システム端部251を備える。輸液システム端部251は、受容体導管50の受容体出口52に接続される。
【0280】
受容体システム200は、輸液システム端部251と受容体システム出口252の間に配置された無菌フィルタ260をさらに備え、したがって、前記受容体システム導管250内で輸液システム端部251から受容体システム出口252に向けて移送される液体は、受容体に達する前に無菌フィルタ260を通過する。
【0281】
受容体システム200はまた、逆止め弁209を備える。逆止め弁は、一方向の逆止め弁である。
【0282】
逆止め弁は、受容体からシステムへの起こり得る逆流を阻止し、それにより、例えば、ウイルスなどの二次汚染を阻止する。
【0283】
逆止め弁209は、無菌フィルタ260と受容体システム出口252の間で、無菌フィルタ260の下流に配置される。
【0284】
受容体2は、前記ボーラス導管30内の前記液体の放射性溶液を、ヒトまたは動物の体内に静脈内(IV)投与するためのデバイスである。IV投与のためのデバイスは、注射針、および/または末梢静脈カテーテル、および/または動脈カテーテルとすることができる。
【0285】
図4は、輸液システムの別の実施形態の概略図を示しており、輸液システムは、作成システム6と受容体システム200とに接続される。
【0286】
実施形態では、輸液システム、および/または作成システム6、および/または受容体システム200は、交換可能である。
【0287】
それにより、固定されたハードワイヤードシステム(破線の外側の要素)は、全体システム内に存在し、また異なるシステム部分6、1、200は、所望に応じて変更され得る。
【0288】
こうすることは、異なる要件を有する異なる測定間で切り換える、容易で費用効果の高い方法を提供するが、患者間で二次汚染のないこと、およびシステム全体が無菌であることをなお保証する。
【0289】
作成システム6は、関連する破線の内側のすべてのものを備える。作成システム6およびハードワイヤードシステムは、いくつかの接続で、すなわち、接続609、611、614、619、621、および624により接続される。
【0290】
作成システム6は、毎日交換され得る。
【0291】
新しい作成システム6がハードワイヤードシステムに接続されたとき、RFIDシステムID読取り装置633は、そのシステムが、以前に使用されていないことを保証するために、作成システムのRFIDシステムIDタグ632上の情報を読み取ることができる。
【0292】
実施形態では、輸液システム1もまたRFIDシステムIDタグを備え、および/またはハードワイヤシステムは、その輸液システムが前に使用されていないことを保証するための関連するRFIDシステムID読取り装置を備える。
【0293】
本明細書で、O-15 H2Oを用いて例示される放射性溶液を作成するプロセスは、以下で、また図4に関して述べられる。
【0294】
放射性のO-15 O2ガスがサイクロトロン(図示せず)から送達され、水素と混合される。キャリアガスとして窒素が使用される。このガスは、以下では、「O-15 H2Oガス」と述べられる。
【0295】
ガスは、入口接続600を介して作成システム6に入り、弁601および/または別の弁602へと移送される。
【0296】
弁601および弁602の位置は同時に制御され、したがって、それらは、常に並行して位置を変更し、それにより、システムを通るガスの方向を制御する。放射性ガスは、弁601から弁602へと直接通過し(図4では、ガスは、弁601の後、左側に移送される)、次いで、出口接続603の方向に進む、またはガスは、他の要素(612、616、618、619など)を通って回りループバックされる前に、システムの中に移送され(その場合、図4で、ガスは弁601の後、右に進む)、次いで、接続603で外に出る。
【0297】
ガスの送達が開始すると、ガスは、システムの外に直接送られる。したがって、弁601は、放射性O-15 O2ガスを直接弁602に向けて送る位置にあり、次いで、弁602は、放射性ガスを出口接続603の方向に送る位置になる。
【0298】
弁602の構成は、放射性のO-15 O2を、弁602から接続619の方向に通過しないようにする。
【0299】
逆止め弁618は、混合器617の方向にガスが逆流しないことを保証するために存在する。
【0300】
混合器617は、それに接続された5本の管を有し、すべてが上部に入り、異なる高さで混合器の内側で終了し、その開口部は、混合器617の底部を向いている。
【0301】
O-15 O2ガスの送達が開始すると、食塩水貯蔵器622からの食塩水の混合器617への充填も開始する。
【0302】
ポンプ620は、食塩水貯蔵器622からの食塩水を、混合器617へと延び、前記混合器617の上部付近で終了する管を通してポンプ送りする動作を開始する。
【0303】
ポンプ623も動作を開始する。ポンプ623は、空気および/または過剰の水を混合器617から外に別の管を介してポンプ送りする。この管は、前記混合器617の底部から一定の距離にある混合器の内側に位置し、それにより、混合器617の中に充填され得る食塩水の最大容積を画定する。
【0304】
ポンプ623が空気をポンプで排出している間に、システム内の負圧を回避するために(すなわち、加圧下で)、弁607は、空気を、圧縮機606および無菌フィルタ605を通過させてシステム内に入れるように、オン位置に設定される。
【0305】
圧縮機606がオンではない場合、それは、その出口側が加圧下にあるとき、その入口(図4の606の下方)から、その出口(図4の606の上方)へと、空気を通過させ得る機能を備える。
【0306】
混合器617が充填されたとき、それは、食塩水を食塩水貯蔵器622の中に移送するまたは食塩水貯蔵器622から移送する管により画定される容積未満、またはそれにほぼ等しい容積を維持することになる。これは、事前設定の値に依存する、またはユーザが要求した作成食塩水容積によることができる。
【0307】
次に、ポンプ620は動作を停止し、その後にポンプ623が動作を停止する。弁607は、ポンプ623が動作していないときもはや必要ではないので、無菌フィルタ605、および圧縮機606を通ってシステムに空気が入らないようにするためにオフ位置に設定される。
【0308】
弁601および弁602の位置は、O-15 O2ガスが、混合器617を通過できるように、いまや並列に変更される。
【0309】
混合器617への途上において、ガスは、
- ガスの流量が、規定された許容範囲内にあることを保証するための流量センサ604と、
- ガスの圧力が規定の許容範囲内にあることを保証するために、T字管に接続される圧力センサ608と、
- 接続609と、
- ガスが無菌であることを保証するための無菌フィルタ610と、
- そこからの別の接続611と、
- O15-H2Oガスを生成するために中で加熱されるオーブン612と
を通過する。
【0310】
オーブン612の温度は、温度センサ613により監視される。
【0311】
O15-H2Oガスは、次いで、混合器の中へと延びた、混合器617の底部の比較的近くに配置された末端部(図面からは見えない)を有する管を通って混合器617に最終的に入る前に、別の接続614と別の逆止め弁615を通される。
【0312】
それにより、O15-H2Oガスは、混合器617の中に存在する食塩水を介して泡立ち、混合器617の中で、管を介して混合器617から出る前に、放射性のO15-H2Oの非常に大きな割合が溶解し、前記管は、混合器617の上部の比較的近くに配置された開口部を有する。
【0313】
いまや大部分が窒素キャリアガスからなるガスは、逆止め弁618および接続619を通り、接続603の方向にガスを送る弁602を通過し、そこでガスは、作成システムから出る。
【0314】
混合器617内のガスの泡立ては、混合器617における要求される作成レベルが、放射線センサ616で検出されるまで続く。
【0315】
弁601および602は、再度、並行して位置を変更する。弁601は、放射性O-15 O2ガスを弁602の方向に直接送る位置に設定され、弁602は、放射性ガスを出口接続603の方向に送る位置に設定される。
【0316】
混合器617の放射性O-15 H2Oは、次いで、シリンジ630の中に吸入されるが、弁629は、これを可能にする位置に設定される。
【0317】
O-15 H2Oがそれを通して吸入される混合器617の内側の管は、混合器のほぼ底部に配置されたその開口部を有しており、すべてのO-15 H2Oが、確実に吸入されるようにする。
【0318】
シリンジ630の容積は、混合器617内のO-15 H2Oの最大容積よりも大きいので、空気も又シリンジ630へと吸入される。
【0319】
次に、シリンジの内容物を無菌フィルタ631の方向に通すことができるように、弁629の位置が変更される。
【0320】
シリンジ630の内容物は、したがって、無菌フィルタ631に向けて空になり、まずO-15 H2Oがフィルタを通過し、その後に空気が通過し、空気は、通気性のフィルタである無菌フィルタ631から、外に排出される。
【0321】
それにより、O-15 H2Oの作成が完了する。
【0322】
その後に輸液システムに入るO-15 HOの量は、放射性溶液の第1の量と呼ばれる。
【0323】
作成システム6(すなわち、ソース)から受容体2へのO-15 HOの移送は、図1図3に関して説明される。
【0324】
当業者であれば、「投与位置」という用語は「受容体位置」に相当し、「投与導管」は「受容体導管」に相当し、「投与出口」は「受容体に相当し、「投与流路」は「受容体流路」に相当し、「最終レベル」は「受容体レベル」に相当すること、およびその用語は、同じ要素に対するものであるが、混乱を避けるために異なる請求項で使用されることが理解されよう。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 液体の放射性溶液をソースから受容体に送達する非外科的な方法であって、
- 前記受容体に送達される前記放射性溶液の放射能の望ましい受容体レベルおよび受容体容積を決定するステップと、
- 廃棄位置および受容体位置を有する第1の弁を提供するステップと、
- ボーラス導管30、廃棄導管40、および受容体導管50を提供するステップと、ここで、各導管は、前記第1の弁に接続される弁端部を有し、したがって、前記第1の弁は、前記廃棄位置で廃棄流路を確立し、前記受容体位置で受容体流路を確立することができ、前記受容体流路は、前記廃棄流路とは異なっており、前記ボーラス導管は、測定セクションおよび内部容積を備え、前記内部容積は、前記受容体に送達される前記放射性溶液の前記望ましい受容体容積にほぼ等しいものであり、
- 前記第1の弁を前記廃棄位置に配置するステップと、
- 前記放射性溶液の第1の量を、前記廃棄流路を通して移送するステップと、ここで、前記放射性溶液の前記第1の量が、放射能の前記望ましい受容体レベルに少なくともほぼ等しい、またはそれを超える放射能の初期レベル、および前記ボーラス導管の前記内部容積よりも大きい初期容積を有するものであり、
- 放射線検出器を提供するステップと、ここで、前記放射線検出器は、前記測定セクション内の前記放射性溶液の放射能レベルを測定するように動作可能であり、
- 前記測定セクションに存在する前記放射性溶液の放射能の参照レベルを測定するステップと、を備え、
放射能の前記参照レベルが、放射能の注入レベルにほぼ等しいとき、前記方法は、
- 前記第1の弁を前記受容体位置に配置するステップと、
- 前記ボーラス導管内に存在する前記放射性溶液を、前記受容体流路を通して移送するステップと、をさらに備えることを特徴とする、液体の放射性溶液を送達する非外科的な方法。
[2] 前記放射性溶液の放射能の前記注入レベルは、放射能の前記望ましい受容体レベルから、多くても±10%、好ましくは、多くても±7%、より好ましくは、多くても±5%異なる、[1]に記載の液体の放射性溶液を送達する非外科的な方法。
[3] - 入口位置およびフラッシング位置を有する第2の弁を提供するステップと、
- フラッシング導管およびソース導管を提供するステップと、ここで、各導管は、前記第2の弁に接続される弁端部を有し、前記ソース導管は、前記第2の弁が前記入口位置にあるとき、前記放射性溶液の前記第1の量を、前記ソースから前記ボーラス導管へと移送するように適合されるものであり、
- フラッシング液を備えるフラッシング液貯蔵器を提供するステップと、ここで、前記フラッシング液貯蔵器は、前記フラッシング導管に接続されるものであり、
- 前記第2の弁が前記フラッシング位置にあるとき、前記フラッシング液を、前記フラッシング液貯蔵器から、前記フラッシング導管を通して前記ボーラス導管の中へと移送するように適合されたフラッシングデバイスを提供するステップと、をさらに備える、[1]または[2]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達する非外科的な方法。
[4] - 前記放射性溶液の第1の量を、前記廃棄流路を通して移送する前記ステップの前に、前記第2の弁を前記フラッシング位置に配置し、前記フラッシング液を、前記フラッシング導管を通し、前記ボーラス導管を通して移送するステップ、をさらに備える、[3]に記載の液体の放射性溶液を送達する非外科的な方法。
[5] 前記ボーラス導管内に存在する前記放射性溶液を、前記受容体流路を通して移送する前記ステップが、
- 前記第2の弁を前記フラッシング位置に配置し、前記フラッシング液を、前記フラッシング導管を通し、前記ボーラス導管および前記受容体導管を通して移送するステップを備え、それにより、前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液が、前記受容体流路を通って前記受容体へと移動される、[3]又は[4]に記載の液体の放射性溶液を送達する非外科的な方法。
[6] 液体の放射性溶液を、ソースから受容体に送達するための輸液システムであって、
- 放射線検出器と、
- 廃棄位置および受容体位置を有する第1の弁と、
- ボーラス導管30、廃棄導管40、及び受容体導管50と、を備え、ここで、各導管は、前記第1の弁に接続される弁端部を有し、したがって、前記第1の弁は、前記廃棄位置で廃棄流路を、前記受容体位置で受容体流路を確立することができ、前記受容体流路は、前記廃棄流路とは異なるものであり、
前記廃棄流路は、前記ボーラス導管30および前記廃棄導管により画定され、前記受容体流路は、前記ボーラス導管30および受容体導管50により画定され、
前記ボーラス導管30は、前記ソースから放射性医薬品溶液を受け取るように適合されたボーラス入口を備え、前記廃棄導管は、前記廃棄導管40から流出するように適合された廃棄出口を備え、前記受容体導管50は、前記受容体導管から受容体へと流出するように適合された受容体出口を備え、
前記ボーラス導管は、測定セクションおよび特定の内部容積を備え、前記放射線検出器は、前記測定セクションに存在する前記放射性医薬品溶液の放射能の参照レベルを決定するように動作可能であり、
前記廃棄流路が、前記ボーラス入口と、前記廃棄出口の間に液体連通を確立し、前記受容体流路が、前記ボーラス入口と前記受容体出口の間に液体連通を確立することを特徴とする、液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
[7] - 入口位置およびフラッシング位置を有する第2の弁と、
- フラッシング導管およびソース導管と、各導管は、前記第2の弁に接続される弁端部を有し、前記ソース導管は、前記第2の弁が前記入口位置にあるとき、前記放射性溶液を前記ソースから前記ボーラス導管の中に移送するように適合される、
- フラッシング液を備えるフラッシング液貯蔵器と、前記フラッシング液貯蔵器は、前記フラッシング導管に接続される、
- 前記第2の弁が前記フラッシング位置にあるとき、前記フラッシング液を、前記フラッシング液貯蔵器から、前記フラッシング導管を通して、前記ボーラス導管の中へと移送するように適合されたフラッシングデバイスと
を備える、[6]に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
[8] 第2の放射線検出器54および/または泡検出器55が、受容体導管50に隣接して配置される、[1]から[5]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達する非外科的な方法、または[6]又は[7]に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
[9] 前記ボーラス導管の前記特定の内部容積は、約0.1~50ml、好ましくは、約1~10ml、最も好ましくは、約2mlである、[1]から[5]、もしくは[8]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達する非外科的な方法、または[6]から[8]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
[10] 前記放射性溶液は、21分未満、好ましくは、10分未満、より好ましくは、3分未満の放射能半減期を有する放射性医薬品を備える、[1]から[5]、もしくは[8]から[9]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達する非外科的な方法、または[6]から[9]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
[11] 前記受容体は、前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液をヒトまたは動物の体内に静脈内(IV)投与するためのデバイスである、[1]から[5]、もしくは[8]から[10]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達する非外科的な方法、または[6]から[10]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
[12] - 前記放射性溶液の前記受容体への注入速度は、約0.05~7ml/秒、好ましくは、約1~5ml/秒、最も好ましくは、約2ml/秒であり、および/または
- 前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液は、約5秒未満、好ましくは、2.5秒未満、より好ましくは、約1秒で前記ボーラス導管から外に移動され、および/または、
- 前記液体の放射性溶液は、約10秒未満、好ましくは、5秒未満、より好ましくは、約3秒未満で前記受容体導管から外に出て前記受容体へと移送される、[1]から[5]、もしくは[8]から[11]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達する非外科的な方法、または[6]から[11]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
[13] 前記測定セクションは、渦巻き形状、または螺旋形状、またはコイル形状をしている、[1]から[5]、もしくは[8]から[12]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達する非外科的な方法、または[6]から[12]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
[14] 前記放射線検出器の一部が、前記測定セクション内に配置され、したがって、前記測定セクションが、前記放射線検出器の前記一部を包み、前記放射線検出器は、前記測定セクションにおける前記放射性溶液の放射能レベルを決定するように動作可能である、[13]に記載の液体の放射性溶液を送達する非外科的な方法、または[13]に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
[15] [1]から[5]、または[8]から[14]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達する方法において、[6]から[14]のいずれか一項に記載の輸液システムを使用すること。
[16] 放射能の望ましい最終レベル、および最終容積を有する液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法であって、
- 作成される前記放射性溶液の放射能の前記望ましい最終レベル、および最終容積を決定するステップと、
- 廃棄位置および投与位置を有する第1の弁を提供するステップと、
- ボーラス導管30、廃棄導管40、および投与導管50を提供するステップと、各導管が、前記第1の弁に接続される弁端部を有し、したがって、前記第1の弁は、前記廃棄位置で廃棄流路を確立し、前記投与位置で投与流路を確立することができ、前記投与流路は、前記廃棄流路とは異なっており、前記ボーラス導管は、測定セクションおよび内部容積を備え、前記内部容積は、前記放射性溶液の前記望ましい最終容積にほぼ等しいものであり、
- 前記第1の弁を前記廃棄位置に配置するステップと、
- 前記放射性溶液の第1の量を、前記廃棄流路を通して移送するステップと、ここで、前記放射性溶液の前記第1の量は、放射能の前記望ましい最終レベルに少なくともほぼ等しい、またはそれを超える放射能の初期レベル、および前記ボーラス導管の前記内部容積よりも大きい初期容積を有するものであり、
- 放射線検出器を提供するステップと、ここで、前記放射線検出器は、前記測定セクションにおける前記放射性溶液の放射能レベルを測定するように動作可能であり、
- 前記測定セクションに存在する前記放射性溶液の放射能の参照レベルを測定するステップと、を備え、
放射能の前記参照レベルが、放射能の事前の最終レベルにほぼ等しいとき、前記方法は、
- 前記第1の弁を前記投与位置に配置するステップと、
- 前記ボーラス導管内に存在する前記放射性溶液を、前記投与流路を通して移送するステップと、をさらに備え、したがって、前記放射性溶液が、前記投与流路の端部に達したとき、前記放射性溶液が、放射能の前記望ましい最終レベルを有することを特徴とする、液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法。
[17] 前記放射性溶液の放射能の前記事前の最終レベルは、放射能の前記望ましい最終レベルから、多くても±10%、好ましくは、多くても±7%、より好ましくは、多くても±5%異なる、[16]に記載の液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法。
[18] - 入口位置およびフラッシング位置を有する第2の弁を提供するステップと、
- フラッシング導管およびソース導管を提供するステップと、ここで、各導管は、前記第2の弁に接続される弁端部を有し、前記ソース導管は、前記第2の弁が前記入口位置にあるとき、前記放射性溶液の前記第1の量を前記ソース導管から前記ボーラス導管へと移送するように適合されるものであり、
- フラッシング液を備えるフラッシング液貯蔵器を提供するステップと、ここで、前記フラッシング液貯蔵器は、前記フラッシング導管に接続されるものであり、
- 前記第2の弁が前記フラッシング位置にあるとき、前記フラッシング液を、前記フラッシング液貯蔵器から、前記フラッシング導管を通して前記ボーラス導管の中へと移送するように適合されたフラッシングデバイスを提供するステップと、をさらに備える、[16]又は[17]に記載の液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法。
[19] - 前記放射性溶液の第1の量を、前記廃棄流路を通して移送する前記ステップの前に、前記第2の弁を前記フラッシング位置に配置し、前記フラッシング液を、前記フラッシング導管を通し、前記ボーラス導管を通して移送するステップ、をさらに備える、[18]に記載の液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法。
[20] 前記ボーラス導管内に存在する前記放射性溶液を、前記投与流路を通して移送する前記ステップは、
- 前記第2の弁を前記フラッシング位置に配置し、前記フラッシング液を、前記フラッシング導管を通し、前記ボーラス導管および前記投与導管を通して移送するステップを備え、それにより、前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液が、前記投与流路を通って前記投与流路の端部へと移動される、[18]又は[19]に記載の液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法。
[21] 第2の放射線検出器54および/または泡検出器55が、投与導管50に隣接して配置される、[16]から[20]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法。
[22] 前記ボーラス導管の特定の内部容積は、約0.1~50ml、好ましくは、約1~10ml、最も好ましくは、約2mlである、[16]から[21]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法。
[23] 前記放射性溶液は、21分未満、好ましくは、10分未満、より好ましくは、3分未満の放射能半減期を有する放射性医薬品を備える、[16]から[22]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法。
[24] 前記投与流路から出る前記放射性溶液の注入速度は、約0.05~7ml/秒、好ましくは、約1~5ml/秒、最も好ましくは、約2ml/秒である、[16]から[23]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法。
[25] 前記ボーラス導管内の前記液体の放射性溶液は、約5秒未満、好ましくは、2.5秒未満、より好ましくは、約1秒で前記ボーラス導管から外に移動される、[16]から[23]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法。
[26] 前記液体の放射性溶液は、約10秒未満、好ましくは、5秒未満、より好ましくは約3秒未満で前記投与導管から外に移送される、[16]から[23]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法。
[27] 前記測定セクションは、渦巻き形状、または螺旋形状、またはコイル形状をしている、[16]から[26]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法。
[28] 前記放射線検出器の一部が、前記測定セクション内に配置され、したがって、前記測定セクションが、前記放射線検出器の前記一部を包み、前記放射線検出器は、前記測定セクションにおける前記放射性溶液の放射能レベルを決定するように動作可能である、[27]に記載の液体の放射性溶液を投与する非外科的な方法。
[29] [16]から[28]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を投与する方法において、[6]から[14]のいずれか一項に記載の輸液システムを使用すること。
[30] 前記ボーラス導管は、実質的に円筒形の本体または境界を、前記ボーラス導管の前記内部容積の全体を通して変化しない(均質な)放射能プロファイルを有する、[6]又は[7]に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
[31] 前記受容体は、受容器、IVバッグ、またはカテーテルなどのデバイスである、[6]、[7]、又は[30]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
[32] 前記受容体は、前記輸液システムと流体連通した状態のヒトの患者を備え、したがって、前記放射性溶液は直接、前記患者に搬送され得る、[6]、[7]、[30]、又は[31]のいずれか一項に記載の液体の放射性溶液を送達するための輸液システム。
図1
図2
図3
図4