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  • 特許-サイドグリップアンカー 図1
  • 特許-サイドグリップアンカー 図2
  • 特許-サイドグリップアンカー 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】サイドグリップアンカー
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/41 20060101AFI20220228BHJP
   E04G 21/12 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
E04B1/41 503F
E04B1/41 503C
E04G21/12 105Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021187152
(22)【出願日】2021-11-17
【審査請求日】2021-11-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】721010799
【氏名又は名称】株式会社大光輝
(72)【発明者】
【氏名】大賀偉生
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-135026(JP,A)
【文献】特開2020-172746(JP,A)
【文献】特開平03-041205(JP,A)
【文献】特開2017-172168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/41
E04G 21/12
F16B 13/00 - 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドグリップアンカーは、サイドグリップアンカー本体、ガイド付きアンカー開補助基台、締め付けナットと薬液ガラス管で構成され、前記サイドグリップアンカー本体は、前記ガイド付きアンカー開補助基台のガイド貫通用孔をセンターに有し、一端部に締め付けナット用ネジを有し、他端部に前記ガイド付きアンカー開補助基台が、押し込まれると前記他端部が、押し広げられる切込みを数か所有する構成とし、開孔を掘削後に、前記開孔奥中央部に前記薬液ガラス管を置き、前記ガイド付きアンカー開補助基台をセットし、前記ガイド付きアンカー開補助基台の前記ガイド先端を前記サイドグリップアンカー本体のガイド貫通用孔一端部に差し込み、前記サイドグリップアンカー本体を回転しながら押し込んでいき、前記薬液ガラス管が、重圧で破壊され、前記薬液が、放出され、前記サイドグリップアンカー本体を回転しながらさらに押し込んで行くと、前記他端部に前記ガイド付きアンカー開補助基台が、食い込んできて、前記他端部が、押し広げられ、前記他端部が、前記開孔の側壁を掘削し、前記ガイド先端が、前記サイドグリップアンカー本体のガイド貫通用孔他端部に到着する事を特徴とするサイドグリップアンカー。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
あと施工アンカーの分野は、施工技術の優劣で、アンカーボルトの強度や耐久性に大きく影響が出てきます。
【背景技術】
【0002】
平成24年12月の笹子トンネル天井板落下事故は、記憶に新しいところです。
あの事故で、薬液注入神話が崩れました。
【0003】
あと施工アンカーの施工方法は、大きく2種類に分けられます。
打ち込み方式と薬液注入アンカー方式の2種類です。
【0004】
打ち込み方式は、キリで下孔を開け、下孔にアンカーボルトを挿入し、ピン若しくは、玉を打ち込み、アンカー先端部付近を拡張して、下孔の壁にくい込ませて固定します。
【0005】
薬液注入アンカー方式は、キリで下孔を開け、下孔に薬液を注入し、アンカーボルトを挿入し、化学反応で硬化させ、アンカー強度を増します。
笹子トンネルは、この方式のアンカーでした。
【0006】
特願2003-340526号は、あと施工アンカー工法に付いてのべられています。
【0007】
特願2016-216710号は、拡張アンカーについてのべられています。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特願2019-073420号 私の特許出願分です。
【文献】特願2021-186042号 私の特許出願分です。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
拡張打ち込み式のよいところは、下孔を開け、打ち込んですぐに作業が、済み、器具固定などが出来ることです。欠点は、アンカー先端を広げて、掘削した孔の側面に強く接触させるために、ハンマーなどで強く打ち込むので、周囲を破壊し、強度を弱める可能性があります。
【0010】
薬液注入アンカーは、下孔を開け、薬剤を下孔に注入し、アンカーボルトを挿入し、一定時間待てば、硬化します。薬液注入アンカーのよいところは、ハンマーなどで強く打ち込まないので、周囲を破壊する可能性がありません。欠点は、アンカーボルトが、まっすぐで、孔の側面との接触力が、薬液注入溶剤の硬化力に成り、硬化力が、弱いとアンカーボルトが、引っ張り力に負けて、すっぽ抜けてしまい大事故につながります。更に、施工後に薬液注入溶剤の硬化時間がかかりますので、硬化完了まで、待っておく必要が、有ります。
その間に少しでも動くと、不良施工になり強度の保証ができなくなります。
【0011】
打ち込み式の良い点と、薬液注入式の良い点を併せ持ち、更に接着強度を高めたアンカーボルトを開発することが課題です。
【課題を解決するための手段】
【0012】
現在の打ち込み式と薬液注入式で共通な点は、縦孔を削り、その縦孔の側壁とアンカー本体や薬液本体との接触圧のみで、アンカー強度を出しています。
本発明は、アンカーボルト挿入用縦孔を開削後、前記アンカーボルト挿入用縦孔の底部に薬液ガラス管を置き、その上にガイド付きアンカー開補助基台を設置し、振動ドリルで回転させながら、サイドグリップアンカー本体を降ろして行きます。
【0013】
薬液ガラス管は、破損し薬液が、流出します。さらに降ろして行くと、ガイド付きアンカー開補助基台にサイドグリップアンカー本体が、食い込んでいき、サイドグリップアンカー本体の先端が、押し広げられ、縦孔壁面を掘削します。
【発明の効果】
【0014】
従来の打ち込み式アンカーや薬液注入アンカーでは、出来なかった強度が、実現でき、経年変化してもオープンクリップの効果で、強度が落ちない。
【0015】
あと施工アンカーの安全性が格段に良くなる。
【0016】
薬液注入アンカーのように硬化時間を待たずに、打込ピンを打ち込み、前記拡張式アンカーを拡張させたらすぐに使用できます。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】現在のアンカーボルト施工イメージ図
図2】サイドグリップアンカー施工イメージ図
図3】締め付けナットイメージ図
【符号の説明】
【0018】
1 キリ回転中
2 開孔部断面図
3 打ち込み式アンカーボルト施工後イメージ図
4 薬液注入式アンカーボルト施工後イメージ図
5 開孔部断面
6 薬液ガラス管
7 サイドグリップアンカー
8 ガイド付きアンカー開補助基台
9 振動ドリル
10 締め付けナット
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、従来の打ち込み式アンカーボルト施工のイメージ図です。
先ず、回転中キリ1で、縦孔2を開けます。開孔部断面図のように縦孔2が、あきます。アンカーボルト3を縦孔に挿入します。打ち込みピンを打ち込みます。
ピンが入って行く事で、アンカーが拡張し、側壁に強力にコンタクトします。
打ち込み式アンカーの場合、アンカーボルト3が、拡張し、側壁にコンタクトすることで強力な接触力になります。この場合、施工完了すると、直ぐに使える状態です。
【0020】
同じく、図1の4は、従来の薬液注入式アンカーボルト施工イメージ図です。
先ず、回転中キリ1で、縦孔2を開けます。開孔部断面図のように縦孔が、あきます。縦孔2に薬液注入カプセル4を挿入し、カプセルの保護カバーを破砕し、硬化剤を放出し、アンカーボルト4を硬化材の中に挿入し硬化材の硬化を待ちます。薬剤によって1~時間待ちとなります。この待ち時間が、薬液注入アンカーの欠点と言えます。
【0021】
図2は、サイドグリップアンカー施工イメージ図です。
振動ドリル9は、回しながら叩いて、コンクリートを破壊したり孔をあけたりするコンクリート専用工具で、回転と打撃を同時に行います。
サイドグリップアンカー7は、サイドグリップアンカー本体7、ガイド付きアンカー開補助基台8、締め付けナット10と薬液ガラス管6で構成され、前記サイドグリップアンカー本体7は、前記ガイド付きアンカー開補助基台8のガイド貫通用孔をセンターに有し、一端部に締め付けナット用ネジを有し、他端部に前記ガイド付きアンカー開補助基台8が、押し込まれると前記他端部が、押し広げられる切込みを数か所有する構成とし、開孔を掘削後に、前記開孔奥中央部に前記薬液ガラス管6を置き、前記ガイド付きアンカー開補助基台をセットし、前記ガイド付きアンカー開補助基台の前記ガイド先端を前記サイドグリップアンカー本体のガイド貫通用孔一端部に差し込み、前記サイドグリップアンカー本体を回転しながら押し込んでいき、前記薬液ガラス管6が、重圧で破壊され、前記薬液が、放出され、前記サイドグリップアンカー本体を回転しながらさらに押し込んで行くと、前記他端部に前記ガイド付きアンカー開補助基台が、食い込んできて、前記他端部が、押し広げられ、前記他端部が、前記開孔の側壁を掘削し、前記ガイド先端が、前記サイドグリップアンカー本体のガイド貫通用孔他端部に到着し、セット完了です。
【0022】
図3は、サイドグリップ式薬液注入アンカー7は、一端部のネジを締め付けナット10で締め付けて、セット完了です。
【要約】
【課題】
打ち込み式の良い点と、薬液注入式の良い点を併せ持ち、更に接着強度を高めたアンカーボルトを開発することが課題です。
【解決手段】
現在の打ち込み式と薬液注入式で共通な点は、縦孔を削り、その縦孔の側壁とアンカー本体や薬液本体との接触圧のみで、アンカー強度を出しています。
本発明は、アンカーボルト挿入用縦孔を開削後、前記アンカーボルト挿入用縦孔の底部に薬液ガラス管を置き、その上にガイド付きアンカー開補助基台を設置し、振動ドリルで回転させながら、サイドグリップアンカー本体を降ろして行きます。薬液ガラス管は、破損し薬液が、流出します。さらに降ろして行くと、ガイド付きアンカー開補助基台にサイドグリップアンカー本体が、食い込んでいき、サイドグリップアンカー本体の先端が、押し広げられ、縦孔壁面を掘削します。
【選択図】 図2
図1
図2
図3