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  • 特許-箱体および箱連結体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】箱体および箱連結体
(51)【国際特許分類】
   A47C 4/02 20060101AFI20220228BHJP
   A47B 3/12 20060101ALI20220228BHJP
   A47B 85/06 20060101ALI20220228BHJP
   A47B 85/04 20060101ALI20220228BHJP
   A47C 19/00 20060101ALI20220228BHJP
   A47C 5/00 20060101ALI20220228BHJP
   A47B 3/00 20060101ALN20220228BHJP
【FI】
A47C4/02 A
A47B3/12 Z
A47B85/06
A47B85/04
A47C19/00 B
A47C5/00 A
A47C4/02 F
A47B3/00 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017180349
(22)【出願日】2017-09-20
(65)【公開番号】P2019054960
(43)【公開日】2019-04-11
【審査請求日】2020-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】517241824
【氏名又は名称】株式会社タケナカダンボール
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】門田 光史
(72)【発明者】
【氏名】高田 将平
(72)【発明者】
【氏名】竹中 利文
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-097709(JP,U)
【文献】登録実用新案第3177323(JP,U)
【文献】実開平03-029037(JP,U)
【文献】特開平11-178645(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0133475(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 4/02
A47B 3/12
A47B 85/06
A47B 85/04
A47C 19/00
A47C 5/00
A47B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の胴部と、
前記胴部の下側の開口部を覆っている底板と、
前記胴部の上側の開口部を覆っている頂板と、を備え、
前記頂板の上面を椅子の座面、机の上面またはベッドの上面として使用可能な家具用の段ボール製の箱体であって、
前記胴部は、
前記底板の前後の縁部に連設された前後の端壁と、
前記両端壁に取り付けられた左右の側壁と、を有し、
前記胴部の外周面には、前記端壁の側端部および前記側壁の側端部が突出しており、
前記端壁の側端部の下縁部および前記側壁の側端部の下縁部には、板状部材を差し込み可能な凹部が形成され
前記凹部に前記板状部材を差し込み、前記板状部材の下部を前記胴部の下縁部よりも突出させることで、前記頂板の高さを調整可能なことを特徴とする箱体。
【請求項2】
複数の箱体を連結した箱連結体であって、
前記箱体は、
筒状の胴部と、
前記胴部の下側の開口部を覆っている底板と、
前記胴部の上側の開口部を覆っている頂板と、を備え、
前記頂板の上面を椅子の座面、机の上面またはベッドの上面として使用可能な家具用の段ボール製の箱連結体であって、
前記胴部は、
前記底板の前後の縁部に連設された前後の端壁と、
前記両端壁に取り付けられた左右の側壁と、を有し、
前記胴部の外周面には、前記端壁の側端部および前記側壁の側端部が突出しており、
前記端壁の側端部の下縁部および前記側壁の側端部の下縁部には、板状部材を差し込み可能な凹部が形成され、
一方の前記箱体の前記凹部に、前記板状部材の一端が差し込まれているとともに、
他方の前記箱体の前記凹部に、前記板状部材の他端が差し込まれており、
前記板状部材の下部を前記胴部の下縁部よりも突出させることで、前記頂板の高さを調整可能なことを特徴とする箱連結体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱体および箱連結体に関する。
【背景技術】
【0002】
椅子や机として使用する段ボール製の箱体としては、筒状の胴部と、胴部の上側の開口部を覆っている頂板と、を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3100180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
二つの箱体を用意し、一方の箱体を椅子とし、他方の箱体を机とした場合に、椅子の座面と机の上面とが同じ高さであると、利用者が椅子に座ったときに机を使い難い。そこで、前記した従来の箱体では、椅子用の箱体とは別に、椅子用の箱体よりも高い机用の箱体を用意している。
しかしながら、災害時の避難所などにおいて箱体を使用する場合には、寸法の異なる複数の種類の箱体を用意するのが難しいという問題がある。また、寸法の異なる複数の種類の箱体を用意しようとすると、製造コストが高くなるという問題がある。
また、前記した従来の箱体では、同じ箱体を並べて、ベッドとして使用したときに、箱体同士が離間してしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、前記した問題を解決し、高さを変えることができるとともに、他の箱体に着脱自在な箱体およびその箱体を用いた箱連結体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、箱体であって、筒状の胴部と、前記胴部の下側の開口部を覆っている底板と、前記胴部の上側の開口部を覆っている頂板と、を備えている。前記頂板の上面を椅子の座面、机の上面またはベッドの上面として使用可能な家具用の段ボール製の箱体である。前記胴部は、前記底板の前後の縁部に連設された前後の端壁と、前記両端壁に取り付けられた左右の側壁と、を有している。前記胴部の外周面には、前記端壁の側端部および前記側壁の側端部が突出している。前記端壁の側端部の下縁部および前記側壁の側端部の下縁部には、板状部材を差し込み可能な凹部が形成されている。前記凹部に前記板状部材を差し込み、前記板状部材の下部を前記胴部の下縁部よりも突出させることで、前記頂板の高さを調整可能である。
【0007】
本発明の箱体では、凹部に板状部材の上部を差し込み、箱体の前後または左右に板状部材を取り付けることで、箱体を高くすることができる。このように、本発明の箱体は、使用目的に応じて高さを容易に変えることができる。また、箱体から板状部材を取り外すことで、箱体の高さを容易に戻すことができる。
本発明の箱体では、底板が設けられているため、頂板を開閉することで、胴部内に物品を収納することができる。
【0008】
本発明では、一方の前記箱体の前記凹部に、前記板状部材の一端を差し込むとともに、他方の前記箱体の前記凹部に、前記板状部材の他端を差し込むことで、複数の箱体を連結した箱連結体を形成することができる。
【0009】
このように、本発明では、箱体同士を容易かつ確実に連結することができるため、箱連結体を使用したときに箱体同士が離間するのを防ぐことができる。
なお、一方の箱体の凹部に板状部材の上部を差し込むとともに、他方の箱体の凹部に板状部材の上部を差し込むことで、箱体同士を連結しつつ、箱連結体の高さを変えることもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の箱体によれば、使い勝手の良い椅子、机またはベッドなどの家具を災害時に提供することができる。また、複数の同じ箱体を用いて家具を形成することができるため、製造コストを低減することができる。また、多数の箱体の部品を備蓄し易いとともに、交換部品を用意し易い。さらに、複数の箱体を連結した箱連結体を使用したときに、箱体同士が離間するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る箱体における胴部を示した分解斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る箱体の側壁に中間壁を取り付ける段階を示した斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る箱体の側壁に中間壁を取り付けた状態を示した斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る箱体の胴部に頂板を取り付ける段階を示した斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る箱体の頂板を開いた状態を示した斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る箱体を示した斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る箱体に高さ調整板を取り付ける段階を示した斜視図である。
図8】本発明の実施形態に係る箱体に高さ調整板を取り付けた状態を示した斜視図である。
図9】本発明の実施形態に係る箱体に連結板を取り付ける段階を示した斜視図である。
図10】本発明の実施形態に係る箱連結体を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、前後左右方向とは、本実施形態の箱体および箱連結体を説明する上で便宜上設定したものであり、箱体および箱連結体の構成を限定するものではない。
【0013】
本実施形態の箱体1は、図6に示すように、災害時の避難所などにおいて椅子または机として使用することができる。さらに、図10に示すように、複数の箱体1を連結した箱連結体2をベッドとして使用することができる。
【0014】
箱体1は、図6に示すように、角筒状の胴部10と、胴部10の下側の開口部を覆っている底板20と、胴部10の上側の開口部を覆っている頂板30と、を備えている。箱体1は、段ボール製の複数のシートを組み合わせることで形成されている。
【0015】
底板20は、図1に示すように、四角形の平板である。底板20の前縁部には、図2に示すように、前側の端壁11が垂直に立ち上げられるとともに、底板20の後縁部には、後側の端壁11が垂直に立ち上げられている。端壁11は、四角形の平板であり、前後の端壁11,11は同じ形状である。
【0016】
端壁11は、二枚の平板11a,11bを内外に重ねた二重壁である。図1に示すように、内側の平板11aは、底板20の前後の縁部に罫線を介して連設されている。外側の平板11bは、底板20および内側の平板11aから独立しており、内側の平板11aの外面に重ねられている。
【0017】
端壁11の左右方向の長さは、図2に示すように、底板20の左右方向の長さよりも大きく形成されている。端壁11の左右の側端部11c,11cは、底板20の左右の縁部よりも突出している。
【0018】
前後の端壁11,11には、図2に示すように、左右の側壁12,12が取り付けられている。
側壁12は、図1に示すように、四角形の平板であり、一枚のシートを二つ折りにして重ねた二重壁である。
側壁12の前後方向の長さは、底板20の前後方向の長さよりも大きく形成されている。側壁12の前後の側端部12c,12cは、底板20の前後の縁部よりも突出している。
【0019】
図2に示すように、側壁12の上縁部に形成された凹部と、端壁11の下縁部に形成された凹部とを組み合わせることで、側壁12の前部が前側の端壁11に取り付けられるとともに、側壁12の後部が後側の端壁11に取り付けられている。
これにより、前後の端壁11,11および左右の側壁12,12によって、角筒状の胴部10が形成されている。
【0020】
胴部10の左右の外面には、前後の端壁11,11の側端部11c,11cが突出している。また、胴部10の前後の外面には、左右の側壁12,12の側端部12c,12cが突出している。このように、胴部10の外周面には、前後の端壁11,11および左右の側壁12,12の側端部11c,12cが突出している。
【0021】
端壁11の左右の側端部11c,11cの下縁部には、図1に示すように、上方に向けて窪んでいる第一凹部15a,15aが形成されている。
左右の第一凹部15a,15aの間隔は、底板20の左右方向の長さと同じ大きさである。つまり、左右の第一凹部15a,15aの間に底板20が配置されている。
【0022】
側壁12の側端部12cの下縁部には、上方に向けて窪んでいる第二凹部15bが形成されている。
前後の第二凹部15b,15bの間隔は、底板20の前後方向の長さと同じ大きさである。つまり、前後の第二凹部15b,15bの間に底板20が配置されている。
【0023】
第一凹部15aおよび第二凹部15bの溝幅は、後記する高さ調整板51(図8参照)および連結板52(図10参照)の厚さと同一か僅かに狭く形成されている。また、第一凹部15aおよび第二凹部15bに連結板52(図8参照)を差し込んだときに、連結板52の下縁部が胴部10の下縁部よりも下方に突出しないように、第一凹部15aおよび第二凹部15bの高さが形成されている。
【0024】
左右の側壁12,12の上縁部の中央部には、図3に示すように、中間壁13が取り付けられている。中間壁13は、左右の側壁12,12の上縁部に形成された凹部に差し込まれている。
中間壁13は、図2に示すように、四角形の平板であり、二枚の平板を重ねた二重壁である。中間壁13の左右方向の長さは、端壁11の左右方向の長さと同じ長さに形成されている。したがって、中間壁13の左右の側端部13c,13cは、図3に示すように、胴部10の外周面から突出している。
【0025】
頂板30は、図6に示すように、左右一対の分割頂板30a,30aによって形成されている。左右の分割頂板30a,30aが胴部10の左右方向の中央部において突き合わされることで、胴部10の上側の開口部が塞がれている。
分割頂板30aは、図4に示すように、下板31と、下板31の外縁部に連設された外側板32と、外側板32の上縁部に連設された上板33と、上板33の内縁部に連設された内側板34と、を備えている。
【0026】
下板31は、前後方向に帯状に延びている。下板31の前後方向の長さは、側壁12の前後方向の長さと同じである。
外側板32は、下板31の外縁部に罫線を介して連設されており、下板31に対して垂直に立ち上げられている。
上板33は、外側板32の上縁部に罫線を介して連設されており、外側板32に対して垂直に延びている。上板33は、胴部10の内側に向けて延びている。上板33は、下板31に平行している。上板33の左右方向の長さは、端壁11の左右方向の長さの半分の大きさである。
内側板34は、上板33の内縁部に罫線を介して連設されており、上板33に対して垂直に垂れ下がっている。
【0027】
下板31の内縁部に形成された凹部を、前後の端壁11,11の側端部11c,11cおよび中間壁13の側端部13cに形成された凹部に組み合わせることで、下板31が胴部10の側面に取り付けられている(図5参照)。
また、内側板34の下縁部に形成された凹部を、前後の端壁11,11の上縁部および中間壁13の上縁部に形成された凹部に組み合わせることで、内側板34が胴部10の上部に取り付けられている。
【0028】
本実施形態の箱体1は、図6に示すように、椅子として使用することができる。本実施形態の箱体1では、端壁11、側壁12および中間壁13が二重壁であるため、椅子として十分な強度が確保されている。
【0029】
本実施形態の箱体1では、端壁11、側壁12、中間壁13および頂板30は、差し込み式によって組み立てられているため、接着剤やテープを用いることなく、容易に組み立てることができる。また、箱体1が損傷したときには、損傷した部位を容易に交換することができる。さらに、箱体1の使用後には容易に分解することができる。
【0030】
本実施形態の箱体1では、図5に示すように、分割頂板30aの下板31に対して外側板32、上板33および内側板34を傾動させることで、頂板30を開閉することできる。本実施形態の箱体1では、底板20が設けられているため、頂板30を開閉させることで、胴部10内に物品を収納することができる。
【0031】
本実施形態の箱体1では、図8に示すように、二枚の高さ調整板51,51を取り付けて上面を高くすることができる。
高さ調整板51は、図7に示すように、二枚の段ボール製のシートを重ねた板状部材である。高さ調整板51は、四角形に形成されており、左右方向の長さは、端壁11の左右方向の長さと同じである。
【0032】
箱体1を高くする場合には、図8に示すように、胴部10の前面において、左右の第二凹部15b,15bに、前側の高さ調整板51の上部を差し込む。同様に、胴部10の後面において、左右の第二凹部15b,15b(図1参照)に後側の高さ調整板51の上部を差し込む。
【0033】
このようにして、箱体1に高さ調整板51の上部を取り付けると、高さ調整板51の下部は胴部10の下縁部よりも下方に突出する。これにより、二枚の高さ調整板51,51が脚部となり、箱体1が高くなる。
【0034】
そして、高さ調整板51を取り付けた箱体1を机として使用し、高さ調整板51を取り付けていない箱体1(図6参照)を椅子として使用すると、椅子の座面よりも机の上面が高くなるため、箱体1を机として使い易くなる。
【0035】
なお、本実施形態では、箱体1の前後に高さ調整板51を取り付けているが、両端壁11,11の側端部11c,11cに形成された第一凹部15a,15aに高さ調整板の上部を差し込むことで、箱体1を高くすることもできる。つまり、箱体1の左右に高さ調整板を取り付けてもよい。
【0036】
本実施形態の箱体1は、図10に示すように、複数の箱体1を連結板52によって連結することで、箱連結体2を形成することができる。この箱連結体2は、災害時の避難所などにおいて仮設のベッドや複数人掛けの椅子などとして使用することができる。
連結板52は、図9に示すように、一枚の段ボール製のシートを二つ折りにして重ねた板状部材である。連結板52は、四角形に形成されている。図10に示すように、連結板52を第一凹部15aおよび第二凹部15bに差し込んだときに、連結板52が胴部10の下縁部から下方に突出しないように、連結板52の高さが形成されている。
【0037】
前後に並べた二つの箱体1,1を連結する場合には、図9に示すように、前側の箱体1の後端部と後側の箱体1の前端部とを突き合せる。
そして、図10に示すように、前側の箱体1の後側の第一凹部15aに、連結板52の前部を差し込む。また、後側の箱体1の前側の第一凹部15aに、連結板52の後部を差し込む。
これにより、前後の箱体1,1が連結板52によって連結される。なお、前後の箱体1,1を一枚の連結板52によって連結することもできるが、二枚の連結板52を用いて、前後の箱体1,1の左右両側を連結することが好ましい。
【0038】
左右に並べた二つの箱体1,1を連結する場合には、図9に示すように、左側の箱体1の右端部と右側の箱体1の左端部とを突き合せる。
そして、図10に示すように、左側の箱体1の右側の第二凹部15bに、連結板52の左側部を差し込む。また、右側の箱体1の左側の第二凹部15bに、連結板52の右側部を差し込む。
これにより、左右の箱体1,1が連結板52によって連結される。なお、左右の箱体1,1を一枚の連結板52によって連結することもできるが、二枚の連結板52を用いて、左右の箱体1,1の前後両側を連結することが好ましい。
なお、図10で示される箱連結体2は、箱体2を前後および左右に各々二つずつ連結したものであるが、連結板52を使用することで、箱体2を任意の方向に任意の数だけ連結した箱連結体2を得ることができる。
【0039】
本実施形態の箱体1によれば、前後または左右に並べた箱体1に連結板52を取り付けることで、複数の箱体1を容易かつ確実に連結することができる。これにより、災害時の避難所において、箱連結体2をベッドなどとして使用することができ、さらに、箱連結体2を使用したときに、箱体1が離間するのを防ぐことができる。
【0040】
なお、第一凹部15aおよび第二凹部15bに連結板52の上部を差し込み、連結板52の下部を胴部10の下縁部よりも下方に突出させた場合には、箱体1同士を連結しつつ、箱連結体2を高くすることができる。このようにすることで、箱連結体2を大きな机として使用することもできる。
【0041】
以上のような本実施形態の箱体1では、図6図8および図10に示すように、高さ調整板51または連結板52の板状部材を箱体1に着脱することで、使い勝手の良い椅子、机またはベッドなどの家具を災害時に提供することができる。
また、複数の同じ箱体1を用いて各種の家具を形成することができるため、製造コストを低減することができる。また、多数の箱体1の部品を備蓄し易いとともに、交換部品を用意し易い。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態の箱体1では、図6に示すように、端壁11および側壁12が二重壁に形成されているが、端壁11および側壁12を一枚の壁によって形成してもよい。
また、図7に示す高さ調整板51および図9に示す連結板52も一枚の板によって形成してもよい。
【0043】
本実施形態では、頂板30が左右の分割頂板30a,30aによって形成されているが、頂板30を一つの部材によって形成してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 箱体
2 箱連結体
10 胴部
11 端壁
11c 側端部
12 側壁
12c 側端部
13 中間壁
13c 側端部
15a 第一凹部
15b 第二凹部
20 底板
30 頂板
30a 分割頂板
31 下板
32 外側板
33 上板
34 内側板
51 調整板
52 連結板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10