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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】接触冷感測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 25/18 20060101AFI20220228BHJP
【FI】
G01N25/18 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017253061
(22)【出願日】2017-12-28
(65)【公開番号】P2019120507
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2020-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】518001003
【氏名又は名称】株式会社Profid
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(74)【代理人】
【識別番号】100148910
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 岳志
(72)【発明者】
【氏名】柴田 博史
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-052956(JP,A)
【文献】特開2016-070819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を支持するための試料支持部と、この試料支持部に載置した試料から離間する待機位置及び前記試料に当接する測定位置との間で移動可能なセンサ部と、前記待機位置にあるセンサ部に接触し該センサ部の温度を所定の温度に保つための熱源部と、前記センサ部を移動させる為の駆動部と、接触冷感測定を開始するための操作を受け付ける操作部と、前記操作部からの操作を受け付けたことを示す信号を受けて前記センサ部を前記待機位置から前記測定位置まで移動させるよう前記駆動部を作動させる制御、及び前記センサ部から出力される信号に基づきセンサ部と試料との間の熱流量を決定する処理を行う制御部とを備えたものであって、
前記センサ部が、前記試料及び前記熱源部に当接可能な金属板と、この金属板に接続され前記制御部に向け信号を出力するセンサ要素とを備えており、
前記センサ部が前記待機位置から前記測定位置まで移動するまでの間、前記熱源部と前記金属板との間の空間を囲う断熱材を備えている接触冷感測定装置。
【請求項2】
試料を支持するための試料支持部と、この試料支持部に載置した試料から離間する待機位置及び前記試料に当接する測定位置との間で移動可能なセンサ部と、前記待機位置にあるセンサ部に接触し該センサ部の温度を所定の温度に保つための熱源部と、前記センサ部を移動させる為の駆動部と、接触冷感測定を開始するための操作を受け付ける操作部と、前記操作部からの操作を受け付けたことを示す信号を受けて前記センサ部を前記待機位置から前記測定位置まで移動させるよう前記駆動部を作動させる制御、及び前記センサ部から出力される信号に基づきセンサ部と試料との間の熱流量を決定する処理を行う制御部とを備えたものであって、
前記センサ部は前記待機位置でのみ前記熱源部に接触し、前記駆動部は前記センサ部の前記待機位置から前記測定位置までの移動の距離及び移動の軌跡が各測定で同一であるようにセンサ部を移動させ、前記制御部は前記センサ部の移動速度が各測定で同一であるように制御する接触冷感測定装置。
【請求項3】
前記センサ部が、前記試料及び前記熱源部に当接可能な金属板と、この金属板に接続され前記制御部に向け信号を出力するセンサ要素とを備えている請求項記載の接触冷感測定装置。
【請求項4】
前記金属板が、前記センサ部の移動方向から見て円形である請求項1又は3記載の接触冷感測定装置。
【請求項5】
前記待機位置が前記測定位置よりも上方に位置する請求項1、2、3又は4記載の接触冷感測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌が物体に触れた際の熱移動量を測定する接触冷感測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、衣服の快適性を表す指標として、人の皮膚の冷温感を評価することが考えられている(例えば、非特許文献1を参照)。前記非特許文献1においては、前記冷温感に関係する量として、布の熱吸収特性を測定し、熱吸収に伴う熱流量のピーク値をqmaxとして定義している。
【0003】
このような熱流量のピーク値qmaxを測定するための装置として、以下のようなものが知られている(例えば、非特許文献2を参照)。このものは、試料を支持するための試料支持部と、この試料支持部に支持させた試料から離間する待機位置及び前記試料に当接する測定位置をとり得るセンサ部と、前記待機位置にあるセンサ部に接触し該センサ部の温度を所定の温度に保つための熱源部と、前記センサ部から出力される信号に基づき接触冷感を決定する処理を行う制御部とを備えている。
【0004】
しかして、従来のこの種の装置においてqmaxを測定する際には、あらかじめセンサ部を熱源部に接触させた状態からセンサ部を手動操作により移動させて試料支持部に移動させるようにしている。このような構成では、センサ部を移動させる際の移動距離、移動の軌跡、移動速度等が測定ごとに異なるため、センサ部が試料支持部に達するまでの温度変化がばらつき、そのことに起因して測定値がばらつくという不具合が発生し得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】川端季雄、「布の熱・水分移動特性測定装置の試作とその応用」、繊維機械学会誌論文集、1984年、第39号、p.38-49
【文献】“KES-F7”,製品パンフレット,カトーテック株式会社,2017年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の点に着目し、測定値のばらつきを抑制できる構成を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決すべく、本発明に係る接触冷感測定装置は、以下に述べるような構成を有する。すなわち請求項1の発明に係る接触冷感測定装置は、試料を支持するための試料支持部と、この試料支持部に載置した試料から離間する待機位置及び前記試料に当接する測定位置との間で移動可能なセンサ部と、前記待機位置にあるセンサ部に接触し該センサ部の温度を所定の温度に保つための熱源部と、前記センサ部を移動させる為の駆動部と、接触冷感測定を開始するための操作を受け付ける操作部と、前記操作部からの操作を受け付けたことを示す信号を受けて前記センサ部を前記待機位置から前記測定位置まで移動させるよう前記駆動部を作動させる制御、及び前記センサ部から出力される信号に基づきセンサ部と試料との間の熱流量を決定する処理を行う制御部とを備えたものであって、前記センサ部が、前記試料及び前記熱源部に当接可能な金属板と、この金属板に接続され前記制御部に向け信号を出力するセンサ要素とを備えており、前記センサ部が前記待機位置から前記測定位置まで移動するまでの間、前記熱源部と前記金属板との間の空間を囲う断熱材を備えている。
また、請求項2記載の発明に係る接触冷感測定装置は、試料を支持するための試料支持部と、この試料支持部に載置した試料から離間する待機位置及び前記試料に当接する測定位置との間で移動可能なセンサ部と、前記待機位置にあるセンサ部に接触し該センサ部の温度を所定の温度に保つための熱源部と、前記センサ部を移動させる為の駆動部と、接触冷感測定を開始するための操作を受け付ける操作部と、前記操作部からの操作を受け付けたことを示す信号を受けて前記センサ部を前記待機位置から前記測定位置まで移動させるよう前記駆動部を作動させる制御、及び前記センサ部から出力される信号に基づきセンサ部と試料との間の熱流量を決定する処理を行う制御部とを備えたものであって、前記センサ部は前記待機位置でのみ前記熱源部に接触し、前記駆動部は前記センサ部の前記待機位置から前記測定位置までの移動の距離及び移動の軌跡が各測定で同一であるようにセンサ部を移動させ、前記制御部は前記センサ部の移動速度が各測定で同一であるように制御する。
【0008】
れらのようなものであれば、測定のたびごとに前記駆動部によりセンサ部を移動させることによって、前記待機位置から前記測定位置までの移動距離、移動の軌跡、移動速度を常に同一にすることができ、これらのばらつきに起因する測定値のばらつきを抑制することができる。
【0009】
また、請求項1記載の発明の構成によれば、前段で述べた効果が得られる上に、前記センサ部が、前記待機位置から前記測定位置まで移動するまでの間、前記熱源部と前記金属板との間の空間を囲う断熱材を備えていることから、前記金属板から試料と反対側の空間に熱が逃げないようにすることができるので、測定値をさらに安定させることができる。
【0010】
前記請求項2に係る発明におけるセンサ部の態様の一つとして、前記試料及び前記熱源部に当接可能な金属板と、この金属板に接続され前記制御部に向け信号を出力するセンサ要素とを備えているものが挙げられる。
【0011】
特に、前記金属板が、前記センサ部の移動方向から見て円形であれば、前記熱源部により前記金属板を加熱する際に、金属板の全体をより速やかに一定温度とすることができる。
【0012】
測定の間試料を安定して試料支持部に支持させるための構成として、前記待機位置が前記測定位置よりも上方に位置するものが挙げられる。このようなものであれば、試料支持部の上面に試料を載置することにより試料を支持させることができるからである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、測定を行う際におけるセンサ部の待機位置から測定位置までの移動距離、移動の軌跡、移動速度を常に同一にすることができるので、測定値のばらつきを抑制することができる
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る接触冷感測定装置を示す概略図。
図2】同実施形態に係る接触冷感測定装置のセンサ部近傍を示す底面側斜視図。
図3】同実施形態に係る接触冷感測定装置のセンサ部近傍を示す正面図。
図4】同実施形態に係る接触冷感測定装置のセンサ部近傍を示す左側面図。
図5図4におけるA-A断面図。
図6】同実施形態に係る接触冷感測定装置の作動説明図。
図7】同実施形態に係る画面出力装置の表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態を、図1図7を参照しつつ以下に示す。
【0016】
本実施形態に係る接触冷感測定装置1は、恒温室内に設置されるものであり、図1に示すように、試料Sを支持するための試料支持部5を有するベース2と、前記試料支持部5に載置した試料Sから離間する待機位置(W)及び前記試料Sに当接する測定位置(M)との間で移動可能なセンサ部6、前記待機位置(W)にあるセンサ部6に接触し該センサ部6の温度を所定の温度に保つための熱源部たるヒータ7及び前記センサ部6を移動させる為の駆動部8を有するボディ3と、接触冷感測定を開始するための操作を受け付ける操作部9及び前記操作部9からの操作を受け付けたことを示す信号を受けて前記センサ部6が前記待機位置(W)から前記測定位置(M)まで移動させるよう前記駆動部8を作動させる制御、及び前記センサ部6から出力される信号に基づきセンサ部6と試料Sとの間の熱流量を決定する処理を行う制御部10を有するコントローラ4とを備えている。
【0017】
前記ベース2はその全体が前記恒温室と同一の温度となっており、その平面視中央部に前記試料支持部5を有する。この試料支持部5は、その上面が、試料Sを載置するための載置面5aとなっており、試料Sを下方から支持する。ここで、図示は省略するが、前記試料支持部5の載置面5aは例えば銅板により構成されており、その下方にペルチェ素子が配されている。そして、前記制御部10は、このペルチェ素子を介して前記載置面5aの温度が例えば恒温室の室内温度と等しい状態を保つ制御も行っている。
【0018】
前記ボディ3は、図2図5に示すように、前記ベース2に対して相対移動不能に固定され、下部が円筒状、上部が角柱状をなすフレーム21と、このフレーム21内に配された前記ヒータ7と、前記ヒータ7を前記フレーム21内に固定するヒータ支持具23と、前記フレーム21内に配され前記待機位置(W)及び前記測定位置(M)の間で昇降移動可能なセンサ部6と、このセンサ部6を昇降移動させるための動力を供給する前記駆動部8とを備えている。前記ヒータ7は、前記フレーム21の内径よりもやや小さな外径を有し、平面視円形をなしている。前記ヒータ支持具23は、前記フレーム21内部における前記ヒータ7よりも上方に固定された円盤状の固定板25と、この固定板25と前記ヒータ7とを接続する棒状の接続部27とを備えている。前記センサ部6は、その底面を形成し前記待機位置(W)において前記ヒータ7に接触するとともに前記測定位置(M)においては前記試料支持部5に載置した試料Sに接触する金属板29と、この金属板29の上面に接続され前記制御部10に向け信号を出力するセンサ要素30と、前記金属板29の周縁から起立する周壁31と、この周壁31の上縁を接続する頂板33とを備えている。前記金属板29は、センサ部6の移動方向すなわち上下方向から見て円形をなしている。また、前記周壁31の内側には、前記センサ部6が前記待機位置(W)から前記測定位置(M)まで移動するまでの間、前記ヒータ7と前記金属板29との間の空間を囲う断熱材35を配している。さらに、前記頂板33の上面には、前記ヒータ支持具23の固定板25に設けたガイド孔25aを貫通し前記待機位置(W)と前記測定位置(M)との間の移動の方向をガイドするためのガイド37を上方に向けて突設している。前記駆動部8は、前記センサ部6の頂板33から上方に伸びるねじ軸39と、このねじ軸39に螺合し図示しないモータからの回転駆動力の供給を受けて回転するボールナットを内部に有するボールナット機構41とを利用した、送りねじ機構として周知のものである。なお、前記図2図5においては、半割した状態のフレーム21を想像線で示している。また、図3及び図5では、前記測定位置(M)に配された状態のセンサ部6を想像線で示している。図2及び図4では、前記待機位置(W)に配された状態のセンサ部6のみを示している。
【0019】
前記コントローラ4は、CPU、メモリ、入出力インタフェース等を備え、画面出力装置43及びキーボードやトラックパッドといった入力装置45を有するノートパソコンに代表される情報処理装置として周知のものを利用した制御部10と、この制御部10と前記センサ部6との間に位置し前記センサ部6からの信号を増幅して前記制御部10に入力する図示しないアンプとを具備する。
【0020】
前記制御部10は、測定を行っていないときには前記ヒータ7を室温より所定温度、例えば10℃高い温度に保温させる制御、及び前記画面出力装置43に測定を開始させるための図7に示すようなボタン44及びカーソル46を表示させ、前記入力装置45によりカーソル46を移動させて前記ボタン44をクリックする等の入力を受け付けることにより前記入力装置45を操作部9として機能させる制御を行っている。
【0021】
以下、接触冷感の測定を行う手順、及びこの測定の際の各部の作動を説明する。ここで、図6は、センサ部6が前記測定位置(M)まで移動した状態における、前記図5に対応する図である。
【0022】
測定に先立ち、前記試料支持部5の載置面5aを発泡スチロール等により形成された保温材で覆っておき、載置面5aの表面温度を恒温室の目標室温と等しい温度、例えば20℃に保っておく。その一方で、前記センサ部6を待機位置(W)に配しておき、前記金属板29を前記ヒータ7に接触させ、前記金属板29の温度を前記恒温室の目標室温より10℃又は20℃高い所定温度、例えば30℃に保っておく。
【0023】
次いで、測定開始にあたって、前記試料支持部5の載置面5aを覆う保温材を取り外して前記載置面5aを露出させ、図5に示すように、この載置面5aに試料5を載置する。
【0024】
それから、前記操作部9すなわち前記画面出力装置43に操作開始のための前記図7に示すようなボタン44を表示させ、測定を開始させるための操作を受け付けるようにする。
【0025】
前記入力装置45に操作が加えられ、そのことを示す信号が制御部10に入力されると、各部は以下のように作動する。
【0026】
まず、前記制御部10は、前記センサ部6を前記待機位置(W)から前記測定位置(M)まで移動させるべく前記駆動部8を作動させる制御を行う。具体的には、前記制御部10から前記駆動部8の図示しないモータに作動を開始させる信号が出力され、これを受けて駆動部8のモータが前記ボールナット機構41内のナットを所定の速度で回転させ、このナットに螺合するねじ軸39も所定の速度で回転しつつ所定の速度でセンサ部6を前記待機位置(W)から前記測定位置(M)に向けて移動させる。
【0027】
このとき、センサ部6の金属板29は前記ヒータ7から離間して試料Sに向かい移動する。その際、この金属板29と前記ヒータ7との空間は前記断熱材35により囲われているため、この空間内の温度は前記ヒータ7の表面温度にほぼ保たれる。
【0028】
そして、前記金属板29が試料Sに達すると、すなわち図6に示すように前記センサ部6が前記測定位置(M)に達すると、前記金属板29と前記試料Sとの間で熱が移動し、前記金属板29の温度が変化する。前記センサ部6のセンサ要素30からは、この温度変化を示す信号が出力され、前記アンプにより増幅されて前記制御部10に入力される。ここで、前記待機位置(W)から前記測定位置(M)までの移動距離は資料の厚さが同じである限りは測定ごとに一定であり、その移動の軌跡も測定ごとに一定である。
【0029】
前記制御部10は、この温度変化の速度すなわち熱流量に基づきその熱流量のピーク値であるqmaxの値を決定するとともに、この温度変化の積分量に基づき熱移動量を決定する。
【0030】
すなわち本実施形態によれば、前記待機位置(W)から前記測定位置(M)までの移動距離及びその移動の軌跡が測定ごとに一定であり、さらに移動速度も各測定で同一であるので、これらのばらつきに起因するqmax等の測定値のばらつきを抑制することができる。
【0031】
なお、本発明は以上に述べた実施の形態に限らない。
【0032】
例えば、試料支持部とセンサ部との位置関係、及び待機位置と測定位置との位置関係は、上述した実施形態におけるもの、すなわち前記試料支持部が前記センサ部の下方に位置し、前記待機位置が前記測定位置よりも上方に位置するものに限らず、例えば、試料支持部の高さ位置とセンサ部の高さ位置とがほぼ同一であり、前記待機位置と前記測定位置とがほぼ水平方向に離間するもの等を採用してもよい。但し、上述した実施形態のような待機位置と測定位置との位置関係を採用することにより、試料支持部の上面に試料を載置することにより試料を支持させることができるので、測定の間試料を安定して試料支持部に支持させておくことができる点で優れている。
【0033】
また、センサ部の構成も、上述した実施形態におけるもの、すなわち試料及び熱源部に当接可能な金属板と、この金属板に接続され制御部に向け信号を出力するセンサ要素とを備えているものに限らず、例えば、試料及び熱源部に当接可能な金属板を電極とする熱電対の一部であってもよい。
【0034】
さらに、センサ部を構成する金属板の形状も、上述した実施形態におけるもののような円形に限らず、矩形状等、種々の形状を採用できる。しかしながら、上述した実施形態のような円形の金属板を採用した場合、熱源部により前記金属板を加熱する際に、金属板の全体をより速やかに一定温度とすることができるので、測定に要する時間を短縮できるという優れた点が存在する。
【0035】
そして、センサ部の内部構造も、上述した実施形態におけるものに限らず、種々の構成を採用できる。但し、上述した実施形態のように、センサ部が待機位置から測定位置まで移動するまでの間、熱源部と金属板との間の空間を囲う断熱材を備えているものであれば、前記金属板から試料と反対側の空間に熱が逃げないようにすることができるので、測定値をさらに安定させることができるという優れた点が存在する。
【0036】
加えて、センサ部が試料に急激に衝き当たることを抑制すべく、ショックアブソーバをセンサ部と駆動部の駆動源(モータ)との間に設けてもよい。
【0037】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0038】
1…接触冷感測定装置
5…試料支持部
6…センサ部
7…熱源部(ヒータ)
8…駆動部
9…操作部
10…制御部
S…試料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7