(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】エアフィルター清掃装置、ショーケース及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
B01D 46/10 20060101AFI20220228BHJP
F24F 8/90 20210101ALI20220228BHJP
A47F 3/00 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
B01D46/10
F24F8/90 110
A47F3/00
(21)【出願番号】P 2018023458
(22)【出願日】2018-02-13
【審査請求日】2021-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】横山 広
(72)【発明者】
【氏名】桑原 龍也
(72)【発明者】
【氏名】森 伸彦
(72)【発明者】
【氏名】小出 剛之
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-255300(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0325217(US,A1)
【文献】特開2011-043264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00 - 46/54
F24F 13/08 - 13/32
F24F 8/00 - 8/99
F24F 7/04 - 7/06
F25D 19/00 - 19/04
A47F 1/00 - 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアフィルターと、
回転軸とブラシ体とを備えた回転清掃体と、
ダストボックスと、を有するエアフィルター清掃装置において、
前記エアフィルターは、前記回転清掃体と当接する位置に設置され、
前記回転清掃体は、その長手方向が略鉛直方向に一致するように設置され、
前記ダストボックスは、前記回転清掃体の前記ブラシ体から吐き出された塵埃を受けるように形成され、
前記ダストボックスは、内壁に複数の仕切り板が設置されており、
前記仕切り板は、塵埃を前記回転清掃体から遠ざける為に、前記回転清掃体から離れるに従い下方に傾斜するように設置されていることを特徴とするエアフィルター清掃装置。
【請求項2】
エアフィルターはフィルター体と、該フィルター体を複数個に区画する格子枠とを備えており、
仕切り板の回転清掃体側の端部は、前記エアフィルターの前記格子枠の延長線上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルター清掃装置。
【請求項3】
仕切り板は、回転清掃体のブラシ体に当接していることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアフィルター清掃装置。
【請求項4】
仕切り板は、回転清掃体側の端部の厚み方向の断面が、鋭角となるように形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のエアフィルター清掃装置。
【請求項5】
架台内に設けられた凝縮器と、該凝縮器に空気を送る送風ファンと、
前記凝縮器の前面に配置し請求項1~4のいずれか1項に記載のエアフィルター清掃装置と、を備えたことを特徴とするショーケース。
【請求項6】
空気吸入口から吸入した空気を空気吹出口に導く風路を有する本体と、該本体内に、送風ファンと、請求項1~4のいずれか1項に記載のエアフィルター清掃装置と、を備えたことを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアフィルターを清掃する回転清掃体を備えたエアフィルター清掃装置と、このエアフィルター清掃装置を備えたショーケース及び空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ショーケース等の内部に設置され、エアフィルターに付着している塵埃等を除去するエアフィルター清掃装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1のエアフィルター清掃装置は、凝縮器の前面に配置され左右方向に移動が可能なエアフィルターが通過する位置に設置され、回転ブラシがエアフィルターに当接してエアフィルターに付着している塵埃を除去すると共に、回転ブラシに付着した塵埃は、凹凸形状を有する除塵部により剥離する構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のエアフィルター清掃装置は、除塵部により剥離された塵埃が回転ブラシ近傍で局所的に堆積することにより、回転ブラシに再付着するという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、エアフィルターに付着した塵埃を除去すると共に、一旦除去した塵埃が回転ブラシに再付着することを防ぐことができるエアフィルター清掃装置と、このエアフィルター清掃装置を備えたショーケース及び空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1のエアフィルター清掃装置の発明は、エアフィルターと、回転軸とブラシ体とを備えた回転清掃体と、ダストボックスと、を有するエアフィルター清掃装置において、前記エアフィルターは、前記回転清掃体と当接する位置に設置され、前記回転清掃体は、その長手方向が略鉛直方向に一致するように設置され、前記ダストボックスは、前記回転清掃体の前記ブラシ体から吐き出された塵埃を受けるように形成され、前記ダストボックスは、内壁に複数の仕切り板が設置されており、前記仕切り板は、塵埃を前記回転清掃体から遠ざける為に、前記回転清掃体から離れるに従い下方に傾斜するように設置されていることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明では、回転清掃体を、その長手方向が略鉛直方向に一致するように設置していることから、ブラシ体から吐き出された塵埃は、重力により下方に落ちてダストボックスに収容される。そして、ダストボックスに設置された仕切り板は、回転清掃体から離れるに従い下方に傾斜するように設置されていることから、塵埃が回転清掃体に再付着することを防ぐことができる。また、ダストボックスの内壁に仕切り板を複数設置することにより、塵埃がダストボックス内で局所的に溜まるのを防ぐことができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1のエアフィルター清掃装置の発明において、エアフィルターはフィルター体と、該フィルター体を複数個に区画する格子枠とを備えており、仕切り板の回転清掃体側の端部は、前記エアフィルターの前記格子枠の延長線上に形成されていることを特徴としている。したがって、塵埃の切れ目に仕切り板を配置することで、綿状又は絨毯状の塵埃を分断し易くなり、回転清掃体の近傍に塵埃が溜まることを防ぐことができ、回転清掃体に塵埃が再付着することを防ぐことができる。また、塵埃収容時の抵抗を軽減することができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2のエアフィルター清掃装置の発明において、仕切り板は、回転清掃体のブラシ体に当接していることを特徴としている。したがって、塵埃が回転清掃体から分離されるのと同時に仕切り板で誘導することができる為、回転清掃体への塵埃の再付着をより防止することができる。また、仕切り板によって、綿状又は絨毯状の塵埃を回転清掃体から剥離すること及び分断することができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1~3のいずれかのエアフィルター清掃装置の発明において、仕切り板は、回転清掃体側の端部の厚み方向の断面が、鋭角となるように形成されていることを特徴としている。したがって、綿状又は絨毯状に堆積した塵埃を切断することができる為、回転清掃体の近傍に塵埃が溜まること及び回転清掃体への塵埃の再付着を防ぐことができる。
【0012】
請求項5のショーケースの発明は、架台内に設けられた凝縮器と、該凝縮器に空気を送る送風ファンと、前記凝縮器の前面に配置し請求項1~4のいずれかのエアフィルター清掃装置と、を備えたことを特徴としている。したがって、ショーケースに設置されたエアフィルター清掃装置において塵埃の収容効率を高めることができ、ダストボックスに溜まった塵埃の取り出し回数を減らすことができる。
【0013】
請求項6の空気調和機の発明は、空気吸入口から吸入した空気を空気吹出口に導く風路を有する本体と、該本体内に、送風ファンと、請求項1~4のいずれかのエアフィルター清掃装置と、を備えたことを特徴としている。したがって、空気調和機に設置されたエアフィルター清掃装置において塵埃の収容効率を高めることができ、ダストボックスに溜まった塵埃の取り出し回数を減らすことができる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1のエアフィルター清掃装置の発明は、塵埃が回転清掃体に再付着することを防ぐことができ、塵埃がダストボックス内で局所的に溜まるのを防ぐことができ、塵埃の収容効率を高めることができる。また、請求項2のエアフィルター清掃装置の発明は、回転清掃体の近傍に塵埃が溜まることを防ぐことができると共に、塵埃を分断し易くすることができる。また、請求項3のエアフィルター清掃装置の発明は、回転清掃体への塵埃の再付着をより防止することができると共に、綿状又は絨毯状の塵埃を回転清掃体から剥離すること及び分断することができる。また、請求項4のエアフィルター清掃装置の発明は、綿状又は絨毯状に堆積した塵埃を切断することができる為、回転清掃体の近傍に塵埃が溜まること及び回転清掃体への塵埃の再付着を防ぐことができる。
【0015】
請求項5のショーケースの発明は、ショーケースに設置されたエアフィルター清掃装置において塵埃の収容効率を高めることができ、ダストボックスに溜まった塵埃の取り出し回数を減らすことができる。また、請求項6の空気調和機の発明は、空気調和機に設置されたエアフィルター清掃装置において塵埃の収容効率を高めることができ、ダストボックスに溜まった塵埃の取り出し回数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】(a)本発明に係るショーケースの斜視図(b)本発明に係るエアフィルター清掃装置の斜視図
【
図4(a)】エアフィルター清掃装置の清掃時の状態を示す正面図(初期位置)
【
図4(b)】エアフィルター清掃装置の清掃時の状態を示す正面図(中間位置)
【
図4(c)】エアフィルター清掃装置の清掃時の状態を示す正面図(終端位置)
【
図6】(a)~(c)仕切り板の実施例を示す斜視図
【
図7】(a)エアフィルター清掃装置の清掃時の状態を示す断面図(初期位置)(b)エアフィルター清掃装置の清掃時の状態を示す断面図(中間位置)(c)エアフィルター清掃装置の清掃時の状態を示す断面図(終端位置)
【
図8】(a)本発明に係る空気調和機を正面方向から視た斜視図(b)本発明に係る空気調和機を背面方向から視た斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
図1(a)は、本発明に係るショーケースを示す斜視図であり、
図1(b)は、本発明に係るエアフィルター清掃装置の斜視図である。また、
図2は、本発明に係るショーケースの一部断面図である。これらの図を用いて本発明に係るショーケース及びエアフィルター清掃装置の概要を以下に説明する。
【0019】
本発明に係るショーケース1は、正面に開閉扉2a、2a・を備えた箱型形状のケーシング2と、ケーシング2の上部に設けられ、ケーシング2内に供給する冷気を生成する冷媒回路などを収容した架台3とで構成されている。ケーシング2は、食品などを陳列する陳列棚4と、冷媒回路で生成された冷気が吹き出される吹き出し口(図示せず)と、吹き出し口から吹き出された冷気が陳列棚4を通過後に吸い込まれる吸い込み口(図示せず)と、陳列棚4を照らすLEDランプ(図示せず)とを備えている。尚、吸い込み口から吸い込まれた冷気は冷媒回路に戻され、再び吹き出し口から吹き出される。
【0020】
架台3の前面には着脱可能な前面パネル5が取り付けられており、架台3内には冷媒回路を構成する圧縮機(図示せず)、凝縮器6、蒸発器(図示せず)と、冷媒回路や蛍光灯などの制御を行う基板を収容した電装ボックス(図示せず)とが配置されている。尚、前面パネル5の凝縮器6と対向する箇所には、凝縮器6へ外気を供給するための複数の吸気口7が形成されている。また、凝縮器6の後方には吸気口7を介して外気を凝縮器6に供給する送風ファン8が配置されている。
【0021】
前面パネル5の吸気口7と凝縮器6との間には、凝縮器6に供給される外気に含まれる塵埃を捕集するエアフィルター9と、エアフィルター9に付着した塵埃を除去する回転清掃体11と、ダストボックス12とを有するエアフィルター清掃装置10が設けられている。
【0022】
エアフィルター清掃装置10は、清掃装置本体10aに回転清掃体11とダストボックス12が設置されており、清掃装置本体10aには、エアフィルター9の長手方向に沿って配設されたラック(図示せず)に噛み合いつつ回転するピニオンギア13aと、ピニオンギアにより回転させる駆動ギアA13b、駆動ギアB13cとが設けられている。よって、図示しないモータによってピニオンギア13aを回転させると、駆動ギアA13bが回転し一体となって清掃装置本体10aがエアフィルター9の長手方向に沿って移動する。そして、駆動ギアA13bと噛みあいながら駆動ギアB13cも回転し、連結している回転清掃体11が回転する構成としている。尚、エアフィルター9は、フィルター体9aと、フィルター体9aを複数に区画する格子枠9bとを備えている。
【0023】
図3は、清掃装置本体の斜視図であり、
図3を使用して清掃装置本体について説明する。清掃装置本体10aは、その一部がダストボックス12を構成していると共に、回転軸11aとブラシ体11bとを備えた回転清掃体11を回転自在に軸支している。また、ダストボックス12の開口部を塞ぐ開閉可能な蓋体14を備えており、蓋体14の長手方向の端部には、櫛歯状の除塵体15が設けられている。尚、
図3は、蓋体14が開いた状態を示しており、蓋体14を閉じた状態では、除塵体15が回転清掃体11のブラシ体11bにくい込むように当接した状態となる。
【0024】
ダストボックス12は、
図3に示すように、回転清掃体11のブラシ体11bから吐き出された塵埃を受けるように形成されており、内壁12aには複数の仕切り板16a、16aが設置されている。この仕切り板16aは、塵埃を回転清掃体11から遠ざける為に、回転清掃体11から離れるに従い下方に傾斜するように設置されている。尚、
図3においてダストボックス12の底面12bを傾斜させていないが、底面12bを仕切り板16aと同様に、回転清掃体11から離れるに従い下方に傾斜するように形成してもよく、この構成も本発明に含まれる。また、蓋体14にも複数の仕切り板16b,16bが設置されている。この仕切り板16bは、16aと同様に塵埃を回転清掃体11から遠ざける為に、回転清掃体11から離れるに従い下方に傾斜するように設置されており、蓋体14を閉じた状態で、仕切り板16aの側部と仕切り板16bの側部とが当接して一枚の仕切り板16となる構成としている。尚、回転清掃体11は、その長手方向が略鉛直方向に一致するように設置するが、これは塵埃が仕切り板16a上を滑り回転清掃体11から遠ざかる効果が発揮される状態を示している。また、回転清掃体11は、回転軸11aにブラシ体11bを螺旋状に巻いて形成されており、本実施例のように仕切り板16をブラシ体11bに当接させた場合は、螺旋の傾斜方向は、仕切り板16の傾斜方向と一致させることによって、回転清掃体11の回転時の抵抗を軽減させている。
【0025】
図4(a)は、エアフィルター清掃装置の清掃時の状態を示す正面図(初期位置)であり、
図4(b)は、エアフィルター清掃装置の清掃時の状態を示す正面図(中間位置)であり、
図4(c)は、エアフィルター清掃装置の清掃時の状態を示す正面図(終端位置)である。また、
図5は、
図4(b)の一部拡大図である。尚、これらの図はダストボックスの内部構造が見えるように清掃装置本体の一部を透過して図示している。これらの図を用いて本発明に係るエアフィルター清掃装置の動作について説明する。
【0026】
図4(a)は、清掃装置本体10aが初期位置であるエアフィルター9の長手方向の一方の端部にある状態を示している。ショーケース1の冷蔵又は冷凍運転時は、前述のとおり送風ファン8により吸気口7から外気を凝縮器6に供給する際に、フィルター体9aには塵埃Aが付着して堆積し、綿状又は絨毯状の塊となる。プラスチック等の合成樹脂で形成されている格子枠9bには塵埃は付着しないので、塵埃Aは格子枠9b毎に区画された塊となる。ここで、仕切り板16の回転清掃体11側の端部は、エアフィルター9の格子枠9bの延長線上に形成されている。また、仕切り板16は、回転清掃体11のブラシ体11bに当接させている。尚、フィルター体9aに付着する塵埃Aは、エアフィルター清掃装置10の設置位置によって異なる。エアフィルター清掃装置10を床面に近い場所に設置した場合には糸くずや砂等も含まれることになる。また、本実施例では塵埃Aを綿状又は絨毯状の塊として図示しているが、塊となっておらず薄くフィルター体9aに堆積した塵埃や、部分的に付着した塵埃など、その形状や付着位置は使用環境によって様々な状態が想定される。
【0027】
図4(b)及び
図5は、清掃装置本体10aがエアフィルター9の長手方向の中間部の位置にある状態を示している。清掃装置本体10aは初期位置(
図4(a))から、後述する清掃終端位置(
図4(c))に向かい移動する。その際、フィルター体9aに堆積した塵埃Aは、まず、回転清掃体11によって剥離される。次に、仕切り板16によって綿状又は絨毯状の塵埃Aが分断される。ここで、図示しないが塵埃Aが薄い綿状又は微細な塵埃の場合であっても、回転清掃体11に付着した塵埃は除塵体15の櫛歯先端で掻き取られながら次第に塊状に集積して、その後、仕切り板16により分断される。そして、仕切り板16は、回転清掃体11から離れるに従い下方に傾斜するように設置されているので、分断された塵埃Aをダストボックス12の奥へと誘導する。したがって、回転清掃体11の近傍に塵埃Aが溜まることを防ぐことができ、回転清掃体11に塵埃Aが再付着することを防ぐことができる。また、塵埃Aの切れ目に仕切り板16を配置することで、塵埃A収容時の抵抗を軽減させている。さらにまた、仕切り板16の下面も回転清掃体11から離れるに従い下方に傾斜しているため、分断された塵埃Aが下面に当接した後、ダストボックス12の下奥へ誘導することができる。
【0028】
図4(c)は、清掃装置本体10aが複数回の清掃動作を終了した後の清掃終端位置である、エアフィルター9の長手方向の他方の端部にある状態を示している。この状態では、塵埃Aは自重により仕切り板16によって区画された各ダストボックス12の図面上、左下に堆積することとなり、図面上、右上に隙間ができることから、回転清掃体11への塵埃Aの再付着を防止することができる。尚、本実施形態において仕切り板16は2枚となっているがこれに限定するものではない。仕切り板16の設置枚数を増やすことによって塵埃Aをダストボックス12内へ効率よく収容することができる。また、仕切り板16の鉛直方向からの傾斜角度は、図示したよりも大きく傾けることで塵埃Aをダストボックス12の奥へ誘導することができる。但し、仕切り板16の傾斜角度を大きくした場合、塵埃Aが仕切り板16の下面に当接する際の抵抗が大となるため、好適な仕切り板16の水平方向からの傾斜角度は0度より大きく45度以下である。また、仕切り板16は、回転清掃体11から離れるに従い下方に傾斜するように設置されていればよく、曲面状の仕切り板や、段差を備えた仕切り板も本発明に含まれる。
【0029】
図6(a)~(c)は、仕切り板の実施例を示す斜視図である。
図6(a)~(c)に示す仕切り板16c、16d、16eは、塵埃排出作業時の怪我の防止の為に先端に丸みを持たせていると共に、仕切り板16c、16eは塵埃を切断し易くなるよう鋭角に形成されている。
図6(a)に示す仕切り板16cは、下面に傾斜面が形成されている。したがって、仕切り板16cの上面の塵埃を誘導するだけでなく、下面に当接する塵埃も下方へ誘導することができる。また、
図6(b)に示す仕切り板16dは、先端部の板厚を薄くしている。これにより、仕切り板16dの根元部の強度を確保している。この場合、先端部(回転清掃体側端部)の板厚は、エアフィルターの格子枠の幅より小となるよう設計することで、塵埃の切れ目に当接させることができ塵埃を切断し易くすることができる。尚、仕切り板の板厚が均一に薄い場合も本発明に含まれる。また、
図6(c)に示す仕切り板16eは、先端部の上面に傾斜面が形成されている。これにより、回転清掃体に対向する位置に先端部を配置することでより塵埃をより切断し易くすることができる。
【0030】
図7(a)は、エアフィルター清掃装置の清掃時の状態を示す断面図(初期位置)であり、
図7(b)は、エアフィルター清掃装置の清掃時の状態を示す断面図(中間位置)であり、
図7(c)エアフィルター清掃装置の清掃時の状態を示す断面図(終端位置)である。
図7(a)は、清掃装置本体10aが初期位置であるエアフィルター9の長手方向の一方の端部にある状態を示している。この状態では、仕切り板16は、回転清掃体11に当接している。また、
図7(b)は、清掃装置本体10aがエアフィルター9の長手方向の中間部の位置にある状態を示している。また、黒矢印は回転清掃体11の回転方向を示している。この状態では、回転清掃体11から送り出された塵埃Aがダストボックス12の曲面で形成されている内壁を伝い、弧を描きながらダストボックス12の奥へと移送される。内壁が曲面となっているため、送り込まれた塵埃Aはダストボックス12の奥まで到達した後も内壁によって過度な抵抗を受けることなく、スムーズに移送することができる。また、
図7(c)は、清掃装置本体10aが複数回の清掃動作を終了した後の清掃終端位置である、エアフィルター9の長手方向の他方の端部にある状態を示している。この状態では、複数回の清掃動作により堆積した塵埃Aが圧縮され分断された塊となって蜷局を巻くようにダストボックス12内に収容されている。内壁が曲面となっているため、塊となった多数の塵埃Aをダストボックス12内部に順番に弧を描きながら誘導することができるため、内部空間を有効活用できると共に、収容効率を上げることができる。
【0031】
図8(a)は、本発明に係る空気調和機を正面方向から視た斜視図であり、
図8(b)は、本発明に係る空気調和機を背面方向から視た斜視図である。本発明に係る空気調和機20は、吸込み口21と排気口22a、22bを有する本体23と、本体23に形成され、吸込み口21と排気口22a、22bとを連通する通過風路(図示せず)と、室内の浮遊塵埃を含む外気を吸込み口21から吸引して排気口22a、22bから排出する送風機(図示せず)と、本発明に係るエアフィルター清掃装置(図示せず)とを備えている。また、本体23の両側面近傍には、通過風路を構成する通気口(図示せず)が形成されている。
【0032】
本体23は、本体カバーA23aと、この本体カバーA23aに対して着脱自在な本体カバーB23bとを備えており、本体カバーA23aの正面側には、排気口22a、22bが形成されている。また、本体カバーA23aの背面側の中央には、本体カバーB23bが着脱自在に取り付けられており、本体カバーB23bには、取っ手25と、吸込み口21とが形成されている。そして、本体カバーB23bを取り外すことによって、エアフィルター(図示せず)を掃除機等によって清掃することを可能としている。
【0033】
本発明に係る空気調和機20は、前述のように構成されており、吸込み口21から吸引された室内の浮遊塵埃を含む外気は、エアフィルター清掃装置によって塵埃が取り除かれた後、両側の通気口を経て、排気口22a、22bより排出される。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係るエアフィルター清掃装置は、エアフィルターに付着している塵埃等を除去するために、ショーケースや空気調和機に設置されて利用される。
【符号の説明】
【0035】
1 ショーケース
2 ケーシング
2a 開閉扉
3 架台
4 陳列棚
5 前面パネル
6 凝縮器
7 吸気口
8 送風ファン
9 エアフィルター
9a フィルター体
9b 格子枠
10 エアフィルター清掃装置
10a 清掃装置本体
11 回転清掃体
11a 回転軸
11b ブラシ体
12 ダストボックス
12a 内壁
12b 底面
13a ピニオンギア
13b 駆動ギアA
13c 駆動ギアB
14 蓋体
15 除塵体
16、16a、16b、16c、16d、16e 仕切り板