(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】継手ブロックおよびこれを用いた流体制御装置
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20220228BHJP
【FI】
F16K27/00 B
(21)【出願番号】P 2019509199
(86)(22)【出願日】2018-03-13
(86)【国際出願番号】 JP2018009650
(87)【国際公開番号】W WO2018180449
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-01-20
(31)【優先権主張番号】P 2017062857
(32)【優先日】2017-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】110002893
【氏名又は名称】特許業務法人KEN知財総合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100186750
【氏名又は名称】藤本 健司
(72)【発明者】
【氏名】工藤 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】堂屋 英宏
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-273868(JP,A)
【文献】国際公開第2006/115084(WO,A1)
【文献】特開2016-205409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に配列される複数の流体機器と、
継手ブロックと、
前記サブ流路の前記第1開口部と接続される管路部材とを備え、
前記継手ブロックは、互いに対向する上面および底面、前記上面から前記底面側に向けて延びる側面を画定する継手ブロックであって、
前記継手ブロック内を長手方向の一端側から他端側に向かって延びる流路と、前記上面において一端側と他端側とで開口する一端側開口部および他端側開口部とを有するメイン流路と、
前記継手ブロック内を長手方向の一端側から他端側に向かって延びる流路と、前記上面において一端側で開口する第1開口部および下流側で開口する第2開口部とを有し、前記第1および第2開口部は、前記長手方向において、前記一端側開口部および前記他端側開口部の間に配置されたサブ流路と、
一端部が前記メイン流路に接続され、他端部が前記上面で開口し、かつ、前記長手方向において、前記サブ流路の前記第2開口部と前記メイン流路の前記他端側開口部との間で開口する第3開口部を有する接続流路と、を有し、
前記メイン流路は、上面視において前記サブ流路および前記接続流路と一部が重複するように配置されてお
り、
前記複数の流体機器のうち少なくとも一つの流体機器は、前記継手ブロックの前記上面の前記第2開口部及び前記第3開口部上に設置され、前記第2開口部及び前記第3開口部を連通する流路を画定するボディを有する、流体制御装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの流体機器は、バルブ装置である、請求項
1に記載の流体制御装置。
【請求項3】
前記管路部材を通じて第1のガスが供給され、
前記メイン流路には、前記第1のガス以外の第2のガスが供給される、
請求項
1又は2に記載の流体制御装置。
【請求項4】
請求項
1ないし3のいずれかに記載の流体制御装置を用いた半導体製造方法であって、
前記メイン流路に連通する最下流側端部は、処理チャンバに接続され、
前記サブ流路の全てを、前記接続流路を介して前記メイン流路と連通させ、前記サブ流路の第1開口部を通じてパージガスを前記処理チャンバに供給し、
前記サブ流路の前記接続流路を介した前記メイン流路との連通を遮断し、前記メイン流路を通じて前記処理チャンバにパージガス以外のガスを供給する、半導体製造方法。
【請求項5】
請求項
1ないし3のいずれかに記載の流体制御装置を含む半導体製造装置であって、
前記メイン流路に連通する最下流側端部は、処理チャンバに接続され、
前記サブ流路の全てが、前記接続流路を介して前記メイン流路と連通し、
前記サブ流路の第1開口部を通じてパージガスが前記処理チャンバに供給され、前記サブ流路の前記接続流路を介した前記メイン流路との連通を遮断し、前記メイン流路を通じて前記処理チャンバにパージガス以外のガスが供給される、
半導体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継手ブロックおよびこれを用いた流体制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体製造装置等の処理チャンバへ各種のガスを供給するために使用される流体制御装置として、引用文献1に開示されたものが知られている。
引用文献1に開示された流体制御装置は、共通のプレート上に上流側から下流側に向けて延びる、複数のプロセスガスアセンブリ50,52,54,56,58が並列され、加えて、プロセスガスアセンブリ58の隣にパージガスアセンブリ60が配置されている。パージガスアセンブリ60はパージガスを必要に応じてプロセスガスアセンブリのガス流路に供給する役割を果たす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような流体制御装置では、インターロック、すなわち安全装置を必ず備えている。特許文献1では、複数のプロセスガスアセンブリの上流側に手動バルブ130、および、パージガスアセンブリの上流側に手動バルブ176が設けられ、手動バルブ130,176の下流側に隣接して自動バルブ134,280がそれぞれ設けられている。
ところで、上記のような流体制御装置の分野においては、各種ガスの供給制御により一層高い応答性が求められており、このためには流体制御装置をできるだけ小型化、集積化して、ガス供給先である処理チャンバのより近くに設置する必要がある。
また、半導体ウエハの大口径化等の処理対象物の大型化が進んでおり、これに合わせて流体制御装置から処理チャンバ内へ供給する流体の供給流量も増加させる必要がある。
流体制御装置を単に小型化したのでは、流体流路の断面積も小さくなり、供給流量も減少してしまう。
【0005】
本発明の一の目的は、流体制御装置を小型化するのに適した継手ブロックを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の継手ブロックを用いて、流体の供給流量を減少させることなく、より一層の小型化、集積化された流体制御装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記の流体制御装置を用いた半導体製造方法および半導体製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る継手ブロックは、互いに対向する上面および底面、前記上面から前記底面側に向けて延びる側面を画定する継手ブロックであって、
前記継手ブロック内を長手方向の一端側から他端側に向かって延びる流路と、前記上面において一端側と他端側とで開口する一端側開口部および他端側開口部とを有するメイン流路と、
前記継手ブロック内を長手方向の一端側から他端側に向かって延びる流路と、前記上面において一端側で開口する第1開口部および下流側で開口する第2開口部とを有し、前記第1および第2開口部は、前記長手方向において、前記一端側開口部および前記他端側開口部の間に配置されたサブ流路と、
一端部が前記メイン流路に接続され、他端部が前記上面で開口し、かつ、前記長手方向において、前記サブ流路の前記第2開口部と前記メイン流路の前記他端側開口部との間で開口する第3開口部を有する接続流路と、を有し、
前記メイン流路は、上面視において、前記サブ流路および前記接続流路と一部が重複するように配置され、かつ、前記サブ流路とは独立に形成されている。
【0007】
本発明に係る流体制御装置は、一方向に配列される複数の流体機器と、
請求項1に記載の継手ブロックと、
前記サブ流路の前記第1開口部と接続される管路部材とを備え、
前記複数の流体機器のうち少なくとも一つの流体機器は、前記継手ブロックの前記上面の前記第2開口部及び前記第3開口部上に設置され、前記第2開口部及び前記第3開口部を連通する流路を画定するボディを有する。
【0008】
本発明に係る半導体製造方法は、上記の流体制御装置を用いた半導体製造方法であって、
前記メイン流路に連通する最下流側端部は、処理チャンバに接続され、
前記サブ流路の全てを、前記接続流路を介して前記メイン流路と連通させ、前記サブ流路の第1開口部を通じてパージガスを前記反応炉に供給し、
前記サブ流路の前記接続流路を介した前記メイン流路との連通を遮断し、前記メイン流路を通じて前記反応炉にパージガス以外のガスを供給する、ことを特徴とする。
本発明の半導体製造装置は、上記の流体制御装置を含む半導体製造装置であって、
前記メイン流路に連通する最下流側端部は、処理チャンバに接続され、
前記サブ流路の全てが、前記接続流路を介して前記メイン流路と連通し、
前記サブ流路の第1開口部を通じてパージガスが前記処理チャンバに供給され、前記サブ流路の前記接続流路を介した前記メイン流路との連通を遮断し、前記メイン流路を通じて前記処理チャンバにパージガス以外のガスが供給される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プロセスガス等が流通するメイン流路により互いに接続される一方向に配列された複数の流体機器を含む流体制御アセンブリに、パージガス等が流通するサブ流路およびサブ流路を開閉するバルブ装置等の流体機器を集約化でき、流体制御装置の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本発明の一実施形態に係る流体制御装置の斜視図。
【
図3A】本発明の他の実施形態に係る流体制御装置の一部断面を含む正面図。
【
図3B】
図3Aの流体制御装置に用いられる継手ブロックの断面図。
【
図4】本発明のさらに他の実施形態に係る流体制御装置の一部断面を含む正面図。
【
図5】流体制御装置1が適用される半導体製造装置の構成例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面においては、機能が実質的に同様の構成要素には、同じ符号を使用することにより重複した説明を省略する。
図1A~
図1Cは、本発明の一実施形態に係る流体制御装置1の構造を示す図である。なお、
図1A~
図1Cにおける矢印A1,A2は流体機器の配列される方向を示しており、ここではA1,A2を長手方向とし、A1が上流側、A2が下流側を示すものとする。矢印B1,B2は、長手方向に直交する幅方向を示すものとする。
流体制御装置1は、半導体製造装置等の処理チャンバへ各種のガスを供給するために使用される。
ここで、流体制御装置1について説明する前に、流体制御装置1が適用される半導体製造装置の構成例を
図5に示す。
半導体製造装置1000は、流体制御装置1、処理チャンバ600、真空ポンプ800を含む。
流体制御装置1には、ガス供給源502から各種のガスGが供給され、パージガス供給源501からパージガスPGが供給される。
流体制御装置1を通ったガスは、処理チャンバ600内のシャワープレート601に供給される。シャワープレート601の下方に設けられたステージ602上には、ウエハWが置かれる。シャワープレート601からのガスによりウエハWは処理される。シャワープレート601とステージ602との間には、電源により電圧が印可される。ウエハWの処理の際には、真空ポンプ800により、処理チャンバ600内は減圧される。
【0012】
図1A~
図1Cからわかるように、ベース板金100上には、それぞれ長手方向A1,A2に延びる複数(3つの)流体制御アセンブリAS1,AS2,AS3が幅方向B1,B2に配列されている。
流体制御アセンブリAS1,AS2,AS3は、互いに共通の構造を有しており、ベース板金100上の長手方向A1,A2に一列に配列された継手ブロック60,50,61,62,63,64と、これら複数の継手ブロック上に固定された流体機器としての手動バルブ110、自動バルブ120、手動バルブ130、自動バルブ140、自動バルブ150、マスフローコントローラ(MFC)160、自動バルブ170とを有する。
継手ブロック60は、パージガスPG以外のガスGSが導入される管部60aが側面に突出して形成され、これと連通するブロック内部に形成された流路60bは上面で開口し、手動バルブ110のボディに形成された流路の底面側開口と接続される。
継手ブロック60の開口部と手動バルブ110の開口部との周囲には、金属や樹脂で形成されたリング状のシール部材SLが設けられ、シール部材SLは継手ブロック60と手動バルブ110のボディとを締結するボルトの締め付け力により圧せられ、開口部間が密封される。このシール構造は、他の継手ブロックと流体機器のボディとの間でも同様である。
継手ブロック61は、流路61aにより手動バルブ110と自動バルブ120との間を流体接続している。
継手ブロック62は、流路62aにより自動バルブ150とマスフローコントローラ(MFC)160との間を流体接続している。
継手ブロック63は、流路63aによりマスフローコントローラ(MFC)160と自動バルブ170との間を流体接続している。
継手ブロック64は、継手ブロック60と共通の構造を有し、自動バルブ170と流体接続された流路64bを通じてガスGS又はパージガスPGを管部64aから出力する。管部64aは、半導体製造装置1000の処理チャンバ600に配管を介して接続される。
【0013】
図2A~
図2Cは、継手ブロック50の構造を示す図である。
図2A~
図2Cにおいて、矢印C1,C2は長手方向を示す、C1が長手方向上流側、C2が長手方向下流側を示すものとする。矢印D1,D2は長手方向C1,C2に直交する幅方向を示すものとする。
継手ブロック50は、直方体形状に形成された金属製のブロックであり、互いに対向する上面50aおよび底面50bと、上面50aから底面50b側に向けて延びる上流側および下流側の端面50c,50dと、上面50aから底面50b側に向けて延びかつ長手方向C1,C2に沿った2つの側面50e1,50e2を画定している。55は流体機器のボディや配管継手を上面に締結するためのボルトがねじ込まれるねじ穴であり、56は継手ブロック50をベース板金100に取り付けるためのボルトが挿入される貫通孔である。
【0014】
メイン流路51は、継手ブロック50内を長手方向C1,C2の上流側から下流側に向かって延びる流路(長路部)51aと、上面50aに対して垂直に延び流路51aと上流側において接続されている流路51bと、上面50aに対して斜めに傾斜するように延びて下流側において流路51aと接続されている流路51cとを有する。流路51aの下流側端部は、開口部58と連通しており、開口部58を通じて閉塞部材200が流路51aの下流側端部に溶接等の固定手段によって設けられ、流路51aの下流側端部は閉塞されている。
メイン流路51は、流路51bが上面50aにおいて開口する一端側開口部としての上流側開口部51dと流路51cが上面50aにおいて開口する他端側開口部としての下流側開口部51eとを有する。上流側開口部51dおよび下流側開口部51eの外周部には、上記したシール部材SLを圧するための円環状の突起とシール部材SLを保持する保持部を有するが、詳細については省略する。また、本実施形態におけるすべての継手ブロックの上面における開口部も同様の構成を有する。
本実施形態においては、他端側開口部としての下流側開口部51eから流路(長路部)51aに延びる流路が、上面50aから長手方向に沿って斜めに延びている。しかしながら、一端側開口部としての上流側開口部51dから長路部51aに垂直に延びる流路51bについても、上面50aから長手方向に沿って斜めに延びることとしてもよいし、上流側開口部51dから延びる流路51bのみが長手方向に沿って斜めに延びることとしてもよい。
【0015】
サブ流路52Aは、継手ブロック50内を長手方向C1,C2の上流側から下流側に向かって延びる互いに逆向きに傾斜し内部で接続された流路52a,52bを含み、上面50aにおいて上流側と下流側とで開口する第1開口部52cおよび第2開口部52dを有する。第1および第2の開口部は、長手方向C1,C2において、上流側開口部51dおよび下流側開口部51eの間に配置されている。
サブ流路52Bは、サブ流路52Aの下流側に形成され、サブ流路52Aと同様に、流路52a,52bを含み、上面50aにおいて上流側と下流側とで開口する第1開口部52cおよび第2開口部52dを有する。
【0016】
接続流路53は、上面50aに対して傾斜するように形成されて、継手ブロック50内の一端部がメイン流路51の流路51cの途中に接続されている。接続流路53の他端部は、上面50aで開口する第3開口部としての開口部53aを有する。開口部53aは、長手方向C1,C2において、サブ流路52Bの第2開口部52dとメイン流路51の下流側開口部51eとの間に位置している。本実施形態においては、接続流路53は、上面50aから長手方向の他端側に斜めに延びることとしたが、接続流路53は、上面50aに垂直に開けられてメイン流路51と接続されるものであってもよい。
【0017】
ここで、上記したメイン流路51、サブ流路52A,52B、接続流路53の位置関係について説明する。
図2Bに示すように、メイン流路51、サブ流路52A,52B、接続流路53は、上面視において、重複するように、配置されている。これに加えて、メイン流路51は、
図2Cに示すように、サブ流路52A,52Bを底面50b側から迂回するように形成されている。これにより、メイン流路51は、接手ブロック50内でサブ流路52A又は52Bと異なる経路に配置され、互いに接続することなく独立した流路を形成している。サブ流路52A又は52Bは、長手方向に複数配置されることとしたが、1つであっても3つ以上であってもよい。
なお、本実施形態では、メイン流路51、サブ流路52A,52B、接続流路53が上面視で重なるように配置されているが、本発明はこれに限定されるわけではなく、一部が重なるように配置されていればよい。また、本実施形態では、メイン流路51、サブ流路52A,52B、接続流路53の開口部は一直線上に配置されているが、本発明はこれに限定されるわけではなく、各開口部の位置が幅方向D1,D2においてずれている構成を採用することも可能である。
【0018】
メイン流路51は、
図1Cに示すように、自動バルブ120のボディに形成された流路と流体接続されてパージガスPG以外の調圧されたガスGSが流通する。
サブ流路52Aの第1開口部52cは、
図1Cに示すように、パージガス供給用のガス供給管181が流体接続される。複数の流体制御アセンブリAS1~AS3の継手ブロック50のサブ流路52Aの第1開口部52cには、それぞれガス供給管181が流体接続され、これらのガス供給管181は、
図1B等に示すように、ガス供給管182により互いに流体接続され、ガス供給管182は、
図1Aに示すように、装置の外方から導かれたガス供給管180に流体接続される。ガス供給管180を通じて外部からパージガスPGが供給される。
サブ流路52Aの第2開口部52dとサブ流路52Bの第1開口部52cとは、手動バルブ130のボディの底面に開口する2つの開口部と流体接続され、サブ流路52Aとサブ流路52Bとは、手動バルブ130の流路を介して流体接続される。
サブ流路52Bの第2開口部52dと接続流路53の開口部53aとは、自動バルブ140のボディの底面に開口する2つの開口部とそれぞれ流体接続され、サブ流路52Bとメイン流路51とは、自動バルブ140の流路および接続流路53を介して流体接続される。
【0019】
上記構成の流体制御装置1において、処理チャンバ600にパージガスPG以外のガスGSを供給する際には、所定の条件がすべて揃うと、手動バルブ110が開放され、自動バルブ120も開放され、手動バルブ130および自動バルブ140が閉鎖される。これにより、継手ブロック50のメイン流路51は、これに連通する最下流側端部である継手ブロック64の管部64aを通じて処理チャンバ600に流体接続される。そして、継手ブロック60の管部60aを通じて供給されるガスGSは、メイン流路51を流通し、最終的に、処理チャンバ600に供給される。
上記構成の流体制御装置1において、処理チャンバ600にパージガスPGを供給する際には、所定の条件がすべて揃うと、手動バルブ110が閉鎖され、自動バルブ120も閉鎖され、手動バルブ130および自動バルブ140が開放される。これにより、継手ブロック50の全てのサブ流路52A,52Bは、接続流路53を介してメイン流路51に流体接続され、ガス供給管180から供給されるパージガスPGはサブ流路52A,52B、接続流路53およびメイン流路51を流通し、最終的に、処理チャンバ600に供給される。
【0020】
本実施形態によれば、継手ブロック50をもちいて、パージガス供給経路を、パージガスPG以外のプロセスガスやクリーニングガス等のガス供給経路に集約化することで、パージガスPGのための独立したパージガスアセンブリが不要となり、装置の寸法、特に、幅方向B1,B2の寸法を小さくできる。
なお、本実施形態で説明した継手ブロック50は、パージガスPGの供給系統とパージガス以外のガスGSの供給系統を集約する場合を例示したが、このようなガスの組み合わせ以外にも適用可能である。
上記実施形態では、継手ブロック50の上面50aを平面としたが、これに限定されるわけではなく、曲面であって段差や凹凸があってもよい。
【0021】
図3Aおよび
図3Bは、本発明の他の実施形態を示す図である。なお、上記実施形態に係る流体制御装置1と
図3Aに示す流体制御装置1Bとでは、手動バルブ110,130および自動バルブ120に代えて、ハイブリッドバルブ210,220を用い、継手ブロック50に代えて継手ブロック50Bを用いた点が異なる。
ハイブリッドバルブ210,220は、自動および手動で作動可能なバルブである。
継手ブロック50Bは、サブ流路52Bを有しておらず、サブ流路52Aのみを有しており、他の構成は上記した継手ブロック50と同様である。
このような継手ブロック50Bを採用することで、装置のさらなる小型化が可能となる。
【0022】
図4は、本発明のさらに他の実施形態を示す図である。
図4に示す流体制御装置1Cにおいては、継手ブロック50を、接続流路53が配置される他端側を上流側に配置し、他端側を下流側に配置している。
この構成によれば、手動バルブ110と自動バルブ120を閉じ、かつ、手動バルブ130および自動バルブ140を開いてパージガスPGを供給すると、パージガスをサブ流路52A,53Bおよび接続流路53を通じてメイン流路51内を流通させることができ、メイン流路51内のパージ処理を確実に実施できる。
【符号の説明】
【0023】
1,1B,1C 流体制御装置
50,50B 継手ブロック
51 メイン流路
52A,52B サブ流路
53 接続流路
60,61,62,63,64 継手ブロック
110 自動バルブ(流体機器)
120 自動バルブ(流体機器)
130 手動バルブ(流体機器)
140 フィルタ(流体機器)
150 自動バルブ(流体機器)
160 マスフローコントローラ(流体機器)
170 自動バルブ(流体機器)
180,181,182 ガス供給管
210,220 ハイブリッドバルブ
AS1~AS3 流体制御アセンブリ
GS ガス
PG パージガス
A1,A2 長手方向(一方向)
B1,B2 幅方向
C1,C2 長手方向