(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】エアコンブース
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20220228BHJP
E04B 1/343 20060101ALI20220228BHJP
F24F 1/031 20190101ALI20220228BHJP
【FI】
E04H1/12 306Z
E04H1/12 A
E04B1/343 B
F24F1/031
(21)【出願番号】P 2020031737
(22)【出願日】2020-02-27
【審査請求日】2020-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】514198220
【氏名又は名称】株式会社プロボックス
(74)【代理人】
【識別番号】100078776
【氏名又は名称】安形 雄三
(74)【代理人】
【識別番号】100121887
【氏名又は名称】菅野 好章
(74)【代理人】
【識別番号】100200333
【氏名又は名称】古賀 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100204205
【氏名又は名称】田中 富雄
(72)【発明者】
【氏名】米倉 正
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-093471(JP,U)
【文献】登録実用新案第3148139(JP,U)
【文献】実開平06-016507(JP,U)
【文献】国際公開第2019/013283(WO,A1)
【文献】特開2014-114987(JP,A)
【文献】特開2019-065677(JP,A)
【文献】特開平06-049905(JP,A)
【文献】特開2006-329530(JP,A)
【文献】米国特許第9290927(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0047826(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0162293(US,A1)
【文献】特開2020-063864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/12
E04B 1/343
E04G 21/28
F24F 1/02-1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨組構造体及び前記骨組構造体を覆う隔壁で囲まれ、移動可能であって、土台を有し、外部に対して開閉可能な直方体状の空間を形成する筐体と、前記空間を温調する少なくとも一つの空調装置とを備えるエアコンブースであって、
前記隔壁は断熱材で成り、
前記隔壁にはエアコン用開口部付き隔壁が備えられており、
前記空調装置は室内機と室外機とを一体化した一体型エアコンであり、前記一体型エアコンが前記エアコン用開口部付き隔壁に設置され、
前記骨組構造体は、中空構造を有する棒材同士を、中空構造を有する連結材で連結して組み立てられ、前記棒材と前記連結材とを離脱して分解することができ、
前記骨組構造体に、各対角線上にターンバックル付補助ワイヤが連結されており、
密着保持部材によって、前記隔壁と前記骨組構造体とは脱着自在に密着し得ることを特徴とする
組立式エアコンブース。
【請求項2】
前記隔壁が透明素材である請求項1に記載の
組立式エアコンブース。
【請求項3】
前記棒材及び前記連結材により前記骨組構造体が平面視多角形となる請求項1又は2に記載の組立式エアコンブース。
【請求項4】
骨組構造体及び前記骨組構造体を覆うシートで囲まれ、移動可能であって、土台を有し、外部に対して開閉可能な直方体状の空間を形成する筐体と、前記空間を温調する少なくとも一つの空調装置とを備えるエアコンブースであって、
前記シートは断熱材で成ると共に、柔軟性を有する複数枚のシートで構成され、前記複数枚のシートのそれぞれは、第1ファスナー及び第2ファスナーを有し、前記第1ファスナーと前記第2ファスナーとを係合することによって、前記骨組構造体を前記複数枚のシートで覆うようになっており、
前記骨組構造体にはファスナー付シート開口部が備えられており、
前記空調装置は室内機と室外機とを一体化した一体型エアコンであり、前記一体型エアコンが前記ファスナー付シート開口部に設置され、
前記骨組構造体は、中空構造を有する棒材同士を、中空構造を有する連結材で連結して組み立てられ、前記棒材と前記連結材とを離脱して分解することができ
、
前記骨組構造体に、各対角線上にターンバックル付補助ワイヤが連結されていることを特徴とする
組立式エアコンブース。
【請求項5】
骨組構造体及び前記骨組構造体を覆うシートで囲まれ、移動可能であって、土台を有し、外部に対して開閉可能な直方体状の空間を形成する筐体と、前記空間を温調する少なくとも一つの空調装置とを備えるエアコンブースであって、
前記シートは断熱材で成ると共に、柔軟性を有し、空調装置取付用開口部を備えた一体型被覆シートで構成され、
前記空調装置は室内機と室外機とを一体化した一体型エアコンであり、前記一体型エアコンが、前記一体型被覆シートに設けられたエアコン取付開口部に設置され、
前記骨組構造体は、中空構造を有する棒材同士を、中空構造を有する連結材で連結して組み立てられ、前記棒材と前記連結材とを離脱して分解することができ
、
前記骨組構造体に、各対角線上にターンバックル付補助ワイヤが連結されていることを特徴とする
組立式エアコンブース。
【請求項6】
前記棒材及び前記連結材により前記骨組構造体が平面視多角形となる
請求項4又は5に記載の
組立式エアコンブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機能を備え、工事現場等の設置現場への搬入、及び組立が容易なエアコンブースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化等により、熱中症を発症する例が多発している。例えば、空調の効かない屋外での作業となる作業現場等においては熱中症が発生する場合が多い。そのため、作業者等の熱中症等による体調異変を早期に把握して、熱中症等の発生を未然に防止するため、エアコンが効いた空間で休息をとることができる設備が求められている。
【0003】
従来、作業現場(工事現場等)、仮設店舗、現場事務所、及びオフィス等として利用される組立式ブース及び組立家屋(ユニットハウス)は、様々なデザイン、形状のものが提案されている。
【0004】
例えば、実用新案登録第3176963号公報(特許文献1)には、工場で組立てられ工事現場へトラック輸送される工事現場用ハウスが記載されている。また、該工事現場用ハウスは、室内で使用する照明やエアコンディショナー等の電気機器が使用できるものである。
【0005】
また、実開平6-16507号公報(特許文献2)には、エアコン装置の室外機を室内機から切り離す電気工事も一切不要であって、道路交通法等を遵守した安全な輸送が経済的にできるエアコン装置付ユニットハウスが記載されている。
【0006】
また、特開2006-329530号公報(特許文献3)には、折り畳み式の構造によって簡易に組み立て可能であって、所望の場所に要保冷物を冷蔵、冷凍又は冷却する局所空調空間を設けられた移動式空調設備が記載されている。該移動式空調設備は、空調装置の室内機及び室外機を冷媒配管で接続することによって、所望の局所空間に空調された快適作業空間を創出できるものでもある。
【0007】
また、特開2016-023420号公報(特許文献4)には、天井部材を吊り上げ、両天井支持部材をそれぞれ起立状態にまで回動させることによって組み立てられる、折り畳み可能な仮設店舗や現場事務所、又はオフィス等として利用される組立家屋(ユニットハウス)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】実用新案登録第3176963号公報
【文献】実開平6-16507号公報
【文献】特開2006-329530号公報
【文献】特開2016-023420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示された工事現場用ハウスは、室内で使用する照明やエアコンディショナー等の電気機器が使用できるため、人間に対してはある程度の快適感を与えることができるものの、該工事現場用ハウスは、工場で組み立てられて後、トラックで輸送するためには、積載性及び輸送コスト等の問題がある。
【0010】
また、特許文献2に記載されたエアコン装置付ユニットハウスは、エアコンの室外機をエアコン装置付ユニットハウス内部に引き込むことによって、積載性は改善されるものの、ユニットハウス自体は解体されないままであるため、依然として、積載性及び輸送コスト等には、問題がある。
【0011】
次に、特許文献3に開示された移動式空調設備は、折り畳み式の構造によって簡易に組み立て可能であって、上部フレーム及び下部フレームが折り畳まれることで移動に便利であるものの、室外機及び室内機を有するボックス自体は解体されないため、依然として、積載性及び輸送コスト等には、問題が残る。
【0012】
次に、特許文献4に記載された組立家屋(ユニットハウス)は、各天井支持部材と床部材との鉛直方向に関する間隔が拡がることを防止している為、折り畳み状態での姿勢を維持する事ができるため、折り畳んだ状態での吊り上げ作業や搬送作業等の作業性の向上を図れるものの、天井部材及び床部材は、それぞれ解体されることもなく、天井部材及び床部材の面積を有する荷物を輸送する必要が残るため、依然として、積載性及び輸送コスト等には、問題が残る。その上、該組立家屋(ユニットハウス)には、エアコン又は空調装置を備えるものではない。
【0013】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、折り畳み式等の構造によってではなく、各組立部品(パーツ)を簡易に組み立てること及び分解することによって、積載性及び輸送コスト等を大幅に改善できるエアコンブースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、骨組構造体及び前記骨組構造体を覆う隔壁で囲まれ、移動可能であって、土台を有し、外部に対して開閉可能な直方体状の空間を形成する筐体と、前記空間を温調する少なくとも一つの空調装置とを備える組立式エアコンブースに関し、本発明の上記目的は、前記隔壁は断熱材で成り、前記隔壁にはエアコン用開口部付き隔壁が備えられており、前記空調装置は室内機と室外機とを一体化した一体型エアコンであり、前記一体型エアコンが前記エアコン用開口部付き隔壁に設置され、前記骨組構造体は、中空構造を有する棒材同士を、中空構造を有する連結材で連結して組み立てられ、前記棒材と前記連結材とを離脱して分解することができ、前記骨組構造体に、各対角線上にターンバックル付補助ワイヤが連結されており、密着保持部材によって、前記隔壁と前記骨組構造体とは脱着自在に密着し得ることにより達成される。
【0015】
また、本発明は、骨組構造体及び前記骨組構造体を覆うシートで囲まれ、移動可能であって、土台を有し、外部に対して開閉可能な直方体状の空間を形成する筐体と、前記空間を温調する少なくとも一つの空調装置とを備える組立式エアコンブースに関し、本発明の上記目的は、前記シートは断熱材で成ると共に、柔軟性を有する複数枚のシートで構成され、前記複数枚のシートのそれぞれは、第1ファスナー及び第2ファスナーを有し、前記第1ファスナーと前記第2ファスナーとを係合することによって、前記骨組構造体を前記複数枚のシートで覆うようになっており、前記骨組構造体にはファスナー付シート開口部が備えられており、前記空調装置は室内機と室外機とを一体化した一体型エアコンであり、前記一体型エアコンが前記ファスナー付シート開口部に設置され、前記骨組構造体は、中空構造を有する棒材同士を、中空構造を有する連結材で連結して組み立てられ、前記棒材と前記連結材とを離脱して分解することができ、前記骨組構造体に、各対角線上にターンバックル付補助ワイヤが連結されていることにより、或いは、前記シートは断熱材で成ると共に、柔軟性を有し、空調装置取付用開口部を備えた一体型被覆シートで構成され、前記空調装置は室内機と室外機とを一体化した一体型エアコンであり、前記一体型エアコンが、前記一体型被覆シートに設けられたエアコン取付開口部に設置され、前記骨組構造体は、中空構造を有する棒材同士を、中空構造を有する連結材で連結して組み立てられ、前記棒材と前記連結材とを離脱して分解することができ、前記骨組構造体に、各対角線上にターンバックル付補助ワイヤが連結されていることにより達成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の組立式エアコンブースによれば、折り畳み式等の構造によってではなく、各組立部品(パーツ)を簡易に組み立て、及び分解することができるため、積載性及び輸送コスト等を大幅に改善できるという格別の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るエアコンブースの骨組組立体を示す分解斜視図である。
【
図2】
図1の各パーツを連結した状態の骨組構造体(ラーメン構造体)の斜視図である。
【
図3】頂点部ジョイントの側面にL字状マジックテープが張り付けられた様子を示す図である。
【
図4】棒材の側面に長方形状マジックテープが貼り付けられた様子を示す図である。
【
図5】隔壁の4隅に、頂点部ジョイントに配置されたL字状マジックテープに対応するようにL字状マジックテープが貼り付けられた様子を示す図である。
【
図6】入口左側面隔壁の形状、及びマジックテープが張り付けられた様子を示す図である。
【
図7】入口右側面隔壁の形状、及びマジックテープが張り付けられた様子を示す図である。
【
図8】骨組構造体の上面部及び側面部に、隔壁、入口左側面隔壁、及び入口右側面隔壁を貼り付ける様子を示す図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係るエアコンブースにおいて、骨組構造体にエアコンが配置された様子を示す図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係るエアコンブースの骨組構造体の平面図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係るエアコンブースの骨組構造体の正面図である。
【
図12】本発明の第2実施形態に係るエアコンブースの骨組構造体の側面図である。
【
図13】本発明の第2実施形態に係るエアコンブースの骨組構造体の斜視図である。
【
図14】本発明の第2実施形態に係るエアコンブースにおいて、骨組構造体の上部に一体型エアコンが配置された様子を示す図である。
【
図15】本発明の第3実施形態に係るエアコンブースの骨組構造体を覆うファスナー付シートの平面図である。
【
図16】本発明の第3実施形態に係るエアコンブースにおいて、エアコンが設置される位置にファスナー付シート開口部が設けられたファスナー付シートの平面図である。
【
図17】本発明の第3実施形態に係るエアコンブースの骨組構造体を覆う4つのファスナー付シートの分解斜視図である。
【
図18】本発明の第3実施形態に係るエアコンブースにおいて、骨組構造体の上面部及び側面部に、ファスナー付シートを引っ掛け、骨組構造体の上部に一体型エアコンが配置された様子を示す図である。
【
図19】本発明の第4実施形態に係るエアコンブースの骨組構造体を覆う一体型被覆シートの斜視図である。
【
図20】本発明の第4実施形態に係るエアコンブースの骨組構造体を覆う一体型被覆シートを折り畳んだ様子を示す平面図である。
【
図21】本発明の第4実施形態に係るエアコンブースにおいて、骨組構造体に一体型被覆シートを被せて、エアコンがエアコン取付開口部を介して設置された様子を示す図である。
【
図22】本発明の変形例に係るエアコンブースの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施形態を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0019】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るエアコンブース1の一実施形態について、以下に
図1~
図9を参照して説明する。なお、全図を通し、同一又は類似の構成要素には同符号を付している。
図1は本発明の第1実施形態に係るエアコンブース1の骨組構造体10を示す分解斜視図である。
【0020】
図2は、
図1の各パーツを連結した状態の骨組構造体(ラーメン構造体)10の斜視図である。
図1及び
図2に示すように、骨組構造体10は、棒状骨組部材としての棒材11と、棒材11を連結するジョイント(連結材)12としての頂点部ジョイント(端ジョイント)12a、4辺中継ぎジョイント(中間ジョイント)12b、及びT字状ジョイント12cとを備えている。
【0021】
骨組構造体10に関しては、交差方向である直交方向に配置された複数の棒材11を頂点部ジョイント12a、4辺中継ぎジョイント(中間ジョイント)12b、T字状ジョイント12cによって構成した立体格子から成っている。
【0022】
本発明の第1実施形態に係るエアコンブース1の骨組構造体10は、全体として長方体状(箱状)に形成され、上面部(図示せず)、下面部(図示せず)、及び4つの側面部(図示せず)を備えている。
【0023】
次に、棒材11について説明する。棒材11の両端は、軸方向に略直交する端面を有している。棒材11は矩形断面を有し、長尺中空状に形成されていると好適である。このため、骨組構造体10は、軽量、且つ長方体状(箱状)の内外周側に対する曲げ剛性が向上しているものである。
【0024】
次に、ジョイント(連結材)12について説明する。本発明の第1実施形態に係るエアコンブース1の骨組組立体10で用いられるジョイント12は、頂点部ジョイント12a、4辺中継ぎジョイント12b及びT字状ジョイント12cの3種類である。
【0025】
まず、頂点部ジョイント12aは、一対の端支持筒部(図示せず)がL字状に一体に結合されていると共に、これらに一体の端支持筒部が追加されている。すなわち、頂点部ジョイント12aは、互いに略直交する3つの端支持筒部を備えるように、一体に結合されている。なお、各端支持筒部は、矩形断面の中空状であり、各端支持筒部の内周側には棒材11の断面に対応した嵌合穴(図示せず)が形成されている。このため、嵌合穴内には、棒材11の端部が軸方向に挿入されて嵌合支持され得る。なお、端支持筒部と棒材11との間は、例えばボルト、ナットの締結によって位置決め及び抜け止めが行われるように加工されていても良い。
【0026】
そして、
図1及び
図2に示すように、頂点部ジョイント12aは、棒材11の端部間を結合するものであり、例えば7000系のアルミ合金等の軽量材料から成っている。
図1及び
図2のように、頂点部ジョイント12aは、骨組構造体10の8箇所の頂点部に配置されている。
【0027】
次に、4辺中継ぎジョイント12bは、頂点部ジョイントと同様に互いに略直交する3つの端支持筒部を備えるように、一体に結合されていると共に、これらに一体の端支持筒部が追加されたものである。このため、4辺中継ぎジョイント12bの各端支持筒部は、一直線上に配置された2辺と、互いに略直交する2辺とを連結(中継ぎ)して、それぞれを一体結合することができるものである。
【0028】
さらに、T字状ジョイント12cの各端支持筒部は、一直線上の2辺、及び該2辺と互いに略直交する1辺を連結(中継ぎ)して、それぞれを一体結合するものである。すなわち、T字状ジョイント12cの各端支持筒部は、T字状に配置された3つの端支持筒部を、一体に結合されたものである。このため、
図1及び
図2に示すように、T字状ジョイント12cは、骨組構造体10の上面部と下面部との中間、且つ側面部に配置される。以上のようにして骨組構造体10は土台13の上で組み立てられる。
【0029】
次に、隔壁14の形状、及び隔壁14の骨組構造体10への貼り付け方法について説明する。
【0030】
隔壁14と骨組構造体10とは脱着自在に密着し得るような材質、及び構成が選択される。例えば、骨組構造体10と隔壁14とがマジックテープ(登録商標)15で止め着けてセットされることが好適である。そのため、予め棒材11、各ジョイント12及び各隔壁14には、それぞれの形状の合ったマジックテープが貼り付けられる。
【0031】
具体的には、
図3に示すように頂点部ジョイント12aの側面には、L字状にジョイント側マジックテープ15aが張り付けられる。また、
図4に示すように棒材11の側面には、I字状ジョイント側マジックテープ(長方形状マジックテープ)15bが貼り付けられる。
【0032】
そして、
図5に示すように、隔壁14aの4隅には、頂点部ジョイント12aに貼り付けられたジョイント側マジックテープ15aに対応するようにL字状隔壁側マジックテープ15cが貼り付けられる。また、2つのT字状ジョイント12c及び4つの頂点部ジョイント12aで囲まれた側面部(以下、出入口側面部と称する。)から、ユーザは、エアコンブース1に出入りすることができる。
【0033】
出入口側面部に貼り付ける入口左側隔壁14b及び入口右側隔壁14cを、
図6及び
図7に示す。
図6及び
図7に示すように、入口左側隔壁14b及び入口右側隔壁14cのそれぞれの長辺は、骨組構造体10の略高さに相当し、入口左側隔壁14b及び入口右側隔壁14cのそれぞれの短辺の長さは、骨組構造体10の略横幅の1/2に相当する。
【0034】
図6に示すように、入口左側隔壁14bの左側の頂点部には、頂点部ジョイント12aに貼り付けられたジョイント側マジックテープ15aに対応するようにL字状隔壁側マジックテープ15cが貼り付けられ、右側の頂点部には、棒材11に貼り付けられたI字状ジョイント側マジックテープ15bの略半分の長さのI字状隔壁側マジックテープ15dが張り付けられる。さらに、入口左側隔壁14b及び入口右側隔壁14cの長辺には、T字状ジョイント12cに貼り付けたI字状ジョイント側マジックテープ15b(図示せず)に対応するようなI字状隔壁側マジックテープ15dが貼り付けられる。そして、
図7に示すように、マジックテープの配置に関して、入口左側隔壁14bと入口右側隔壁14cとは、鏡面対称の配置である。
【0035】
骨組構造体10の上面部及び側面部(出入口側面部を含む)に、隔壁14a、入口左側隔壁14b及び入口右側隔壁14cを貼り付ける様子を、
図8に示す。
【0036】
このような構成であるため、入口左側隔壁14b及び入口右側隔壁14cは、骨組構造体10の出入口側面部に貼り付けることができる。また、入口左側隔壁14b及び入口右側隔壁14cは、骨組構造体10の出入口側面部に取外し自在である。すなわち、骨組構造体10から入口左側隔壁14b又は入口右側隔壁14cを引き剥がして、ユーザはエアコンブース1に出入りできる。
【0037】
なお、
図8に示すように、エアコン16を骨組構造体10に設置できるように、エアコン16の大きさに合わせて、エアコン用開口部付き隔壁14a´は、適宜変更されることが好適である。また、隔壁14a、エアコン用開口部付き隔壁14a´、入口左側隔壁14b及び入口右側隔壁14cが貼り付けられた骨組構造体10に、エアコン16を配置したエアコンブース1を
図9に示す。なお、エアコン16としては、窓に取り付けられる一体型エアコンが好適である。エアコン16は、少なくとも窓枠部材(図示せず)とエアコン本体(図示せず)とで構成されている。そして、窓枠部材は、窓の形状及び寸法に合わせて伸縮する構造を有している。このため、一体型エアコンは、様々な寸法の窓枠に取付けられる。例えば、骨組構造体10の棒材の間に、エアコン16は容易に設置される。
【0038】
なお、本発明の第1実施形態に係るエアコンブース1における、隔壁14a~14cの特性に関して、透明であることが好適である。
【0039】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るエアコンブース2について、図を用いて説明する。
本発明の第2実施形態に係るエアコンブース2では、4本中継ぎジョイント、十字ジョイント及びターンバックル付き補助ワイヤを用いて、内部空間の拡充及びその強度の補強する構成を付加した点で、本発明の第1実施形態に係るエアコンブース1と相違し、その余の点の構成は略同じである。よって、第1実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
図10は、本発明の第2実施形態に係るエアコンブース2の骨組構造体20の平面図、
図11はその正面図、
図12はその側面図、
図13はその斜視図である。
【0041】
図12は、骨組構造体20における出入口を設けられない側面の様子を示す側面図である。
図13は、骨組構造体20の全体構成を示す斜視図である。
【0042】
骨組構造体20に関して、ジョイント12(頂点部ジョイント12a、4辺中継ぎジョイント12b、T字状ジョイント12c、十字状ジョイント12d)を用いて、棒材11同士を連結することによって、平面視多角形(平面視四角形)となる屋根枠組20A、側面出入口枠組20Bと側壁枠組20Cとが形成される。
【0043】
図10に示す例では、骨組構造体20は、平面視正方形状になるように形成されている。屋根枠組20Aは、棒材11とジョイント12(頂点部ジョイント12a、4辺中継ぎジョイント12b、及び十字状ジョイント12d)により、4つの正方形を組み合わせた形に形成されている。同様に、
図11に示すように、側面出入口枠組20Bは、棒材11とジョイント12(頂点部ジョイント12a、4辺中継ぎジョイント12b及びT字状ジョイント12c)により、正方形及び長方形を組み合わせた形に形成されている。側壁枠組20Cも、棒材11とジョイント12(頂点部ジョイント12a、4辺中継ぎジョイント12b及び十字状ジョイント12d)により、4つの正方形を組み合わせた形に形成されている。
【0044】
また、屋根枠組20A、側面出入口枠組20B及び側壁枠組20Cにおける頂点部ジョイント12aには、2本のワイヤW1及びW2が対角線状に連結される。そして、2本のうちの少なくとも一本のワイヤに、そのワイヤの張力を調整するためのターンバックルTが介在している。さらに、側面出入口枠組20Bにおける頂点部ジョイント12a及びT字状ジョイント12cには、2本のワイヤW3、W4が対角線状に連結される。例えば、ワイヤW3、W4は、
図11に示すように連結される。
【0045】
このように骨組構造体20は、内部空間の拡充及び強度を補強するような簡易な構成となっている。なお、設置面の頂点部ジョイント12a及びT字状ジョイント12cの各下端は、皿型(図示せず)に形成され、ピン等によって地面(床)に固定されるようにしても良い。
【0046】
そして、骨組構造体20の屋根枠組20A及び側壁枠組20Cには、隔壁14aが貼り付けられる。側面出入口枠組20B(出入口側面部を含む)には、隔壁14a、入口左側隔壁14b及び入口右側隔壁14cが貼り付けられる。
【0047】
また、隔壁14a、エアコン用開口部付き隔壁14a´、14b、及び14cを貼り付けた骨組構造体2にエアコン16を配置したエアコンブース2を
図14に示す。
図14に示すように、骨組構造体20の側面上部には、エアコン16が2つ配置されるようにしても良い。
【0048】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るエアコンブース3について、図を用いて説明する。
骨組構造体を覆うものに関して、本発明の第3実施形態に係るエアコンブースでは、隔壁に代えて、ファスナー付シートを用いる点で、本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係るエアコンブース1及び2と相違し、その余の点の構成は略同じである。よって、第1実施形態及び第2実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
図15は、ファスナー付シート34の平面図である。
図16は、エアコン16が設置される位置にファスナー付シート開口部が設けられたファスナー付シート35の平面図である。そして、
図17は、本発明の第3実施形態に係るエアコンブース3の骨組構造体10を覆う4つのファスナー付シート34の分解斜視図である。骨組構造体10の上面部、及び側面部(出入口側面部を含む)に、ファスナー付シート34を引っ掛け、さらにエアコン16を配置した様子を
図18に示す。
【0050】
図15、
図16及び
図17に示すように、ファスナー付シート34は、それぞれ互いに連結可能な第1ファスナー34a及び第2ファスナー34bをそれぞれの長方形状の側面部の長辺、及び三角形状の部分の斜辺(稜線)に沿って備えている。辺34cに沿って側面部と三角状の部分を折り曲げる。
【0051】
図18に示すように、4枚のファスナー付シート34の長方形状の部分は、骨組構造体10の4つの側面に配置される。また、4枚のファスナー付シート34の三角形状の部分は、骨組構造体10の上面(天井部)に配置される。辺34cに沿う帯状の取付部34dが設けられている。例えば、取付部34dには、ファスナー付シート34を骨組構造体10に引っ掛けるためのフック(図示せず)を取り付けるための穴(図示せず)が所定間隔で設けられているようにしても良い。
【0052】
このように、本発明の第3実施形態に係るエアコンブース3では、4枚のファスナー付シート34の3角形状の部分により正方形状の天井面を形成し、該天井面の4辺に接続される長方形状の4つの側面が形成される。
【0053】
また、互いに隣接する4枚のファスナー付シート34の第1ファスナー34a及び第2ファスナー34bを連結するにより、骨組構造体10を覆うように構成することができる。
【0054】
特に、ファスナー付シート34には、それぞれ互いに連結する4箇所の第1ファスナー34a及び第2ファスナー34bの繋ぎ目の部分が少なく、組み立てが容易である。
【0055】
なお、
図18に示すように、エアコン16を骨組構造体10に設置できるように、エアコン16の大きさに合わせて、ファスナー付シート34にファスナー付シート開口部34eを適宜設けることが好適である。
【0056】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係るエアコンブース4について、図を用いて説明する。
骨組構造体を覆うものに関して、本発明の第4実施形態に係るエアコンブースでは、隔壁に代えて、エアコン取付用開口部を備えた一体型被覆シートを用いる点で、本発明の第1実施形態に係るエアコンブース1と相違し、その余の点の構成は略同じである。
【0057】
よって、第1実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0058】
図19は、本発明の第4実施形態に係るエアコンブース4の骨組構造体10を覆う一体型被覆シート44の斜視図である。そして、
図20は、本発明の第4実施形態に係るエアコンブースの骨組構造体10を覆う一体型被覆シート44を折り畳んだ様子を示す平面図である。
図21は、本発明の第4実施形態に係るエアコンブース4において、骨組構造体10の上面部及び側面部に、一体型被覆シート44を被せて、骨組構造体10の内部を外部環境から遮蔽し、さらにエアコン16が一体型被覆シート44に設けられたエアコン取付開口部44fを介して設置された様子を示す図である。
【0059】
図19に示すように、一体型被覆シート44は、底面側に底面開口部44eを有する直方体状であって、骨組構造体10に一体型被覆シート44を被せることによって、骨組構造体10の内部の空間を外部環境から遮蔽(遮断)できる。そして、一体型被覆シート44に設けられたエアコン取付開口部44fに、一体型エアコン16は設置される。なお、一体型被覆シート44の少なくとも一側面に出入口開口部44gが設けられる。さらに、出入口開口部44gの開口形状に対応した出入口扉部44hが設けられる。
【0060】
そして、出入口開口部44gと出入口扉部44hとの位置関係に関しては、出入口扉部44hと、一体型被覆シート44とが繋がっていても良いし、また別々に分離できても良い。例えば、出入口開口部44gにマジックテープ44iを、出入口扉部44hにマジックテープ44jを、それぞれが外周部において重なるように配置することによって、出入口開口部44gと出入口扉部44hとが開閉できるようにしても良い。
【0061】
そして、
図20に示すように、本発明の第4実施形態に係るエアコンブース4の骨組構造体10を覆う一体型被覆シート44は、柔軟性を有する素材であるため、折り畳むことができる。例えば、一体型被覆シート44は、
図19及び
図20に示す谷折線44a、44b、44c、山折線44dに沿って折り畳むことによって、直方体状の形態から平板状の形態を変換できる。なお、
図19及び
図20に示す連結点a及びbは、谷折線44a、44b、44c、山折線44d同士が会合する位置(点)を示す。連結点a及びbは、折り目の方向、又は谷折りと山折りとが変わる点(位置)である。
図21に示すように、一体型被覆シート44に設けられたエアコン取付開口部44fには、エアコン16を設置できる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各実施形態は、好ましい一例を示したものであり、同様な効果と特徴を有する他の構造又は構成は、本発明の範疇である。そして、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
【0063】
まず、本発明の各実施形態に係るエアコンブースにおいて、長さを統一した一種類の棒材11を使用するような例を挙げたが、異なる長さの複数の種類の棒材を採用しても良い。例えば、長さの異なる二種類の棒材11a及び棒材11bを組み合わせたような骨組構造体を用いてエアコンブース構成するようにしても良い。例えば、本発明の各実施形態に係るエアコンブースにおいて、骨組構造体10、20の上面(天井部)を地面に対して、略水平になっているが、上面(天井部)が適宜傾斜した非水平状態に調整することによって、雨水の進入を防止できるようにしても良い。
【0064】
また、棒材の断面に関しても、長方形状、円形状の他に限定されないで、どのような断面形状を採用しても良い。そして、ジョイント(連結材)の端支持筒部に関しても棒材の断面と整合がとれていれば、同様にどのような断面形状を採用しても良い。
【0065】
さらに、棒材及びジョイント(連結材)の材質に関しても、金属、木材、及び合成樹脂等が挙げられるが、骨組構造体としての強度が確保できれば、特に限定されないで、どのような材料を採用しても良い。そして、ジョイント(連結材)と棒材の材質の組み合わせに関しても、同様である。
【0066】
また、本発明の第2実施形態に係るエアコンブース2において、屋根枠組の形状を略正方形にするように、ジョイント(連結材)の端支持筒部同士の成す角度に関して、直角(90°)であるという例を挙げたが、例えば、屋根枠組の形状を略六方形にするように、ジョイント(連結材)の端支持筒部同士の成す角度の一部を120°の角度に設計変更するようにしても良い。同様に、本発明の第2実施形態に係るエアコンブース2において、側面出入口枠組又は側壁枠組の形状を略六方形にするように、ジョイント(連結材)の端支持筒部同士の成す角度の一部を120°の角度に設計変更するようにしても良い。
【0067】
以上のように説明した設計変更を組み合わせることによって、屋根枠組20Aに関しては、棒材11、及びジョイント12(頂点部ジョイント12aと十字状ジョイント12d)とにより正四角錐状(図示せず)に形成されるようにしても良い。
【0068】
さらに、本発明の各実施形態に係るエアコンブースにおいて、屋根枠組、側面出入口枠組又は側壁枠組の形状を任意の多角形にできるように、ジョイント(連結材)の端支持筒部同士の成す角度を任意の角度に設計変更するようにしても良い。
【0069】
また、本発明の各実施形態に係るエアコンブースにおける隔壁の材質に関して、特に指定していないが、一般的なテント材が挙げられる。なお、隔壁としては、断熱性を有する素材が好適である。例えば、骨組構造体の内側空間を作る内壁部材と、その内壁部材の外側に位置(配置)した外壁部材と、該内壁部材と該外壁部材との間に形成した空間とを有するような二重構造のシートによって構成されるテント材又は隔壁材等が挙げられる。さらに、発砲スチロール、段ボールの素材、簾(すだれ)等に用いられる素材等の簡便且つ安価な材料を採用しても良い。隔壁としては、赤外線又は紫外線を遮断する特性を有するような素材が好適である。また、本発明の各実施形態に係るエアコンブースにユーザが出入りするのに、利便性が確保できるように、側面部の一部をカーテンで仕切るようにしても良い。隔壁を巻き取るような機構を設けて、ユーザが出入りするのに、利便性が確保できるようにしても良い。なお、本発明の各実施形態に係るエアコンブースにおける隔壁の形状に関して、四角形の例を示したが、これらの例に限定されるようなものではない。
【0070】
また、本発明の各実施形態に係るエアコンブースにおいて、ジョイント12と隔壁14を脱着自在に固定する密着保持部材として、マジックテープを挙げたが、密着保持部材としては、脱着自在に固定できるものであれば、マジックテープに限定されない。例えば、マグネット又はフック等を密着保持部材として採用しても良い。
【0071】
また、本発明の第3実施形態に係るエアコンブース3における ファスナー付シート34の材質に関して、透明性のあるシートが好適である。特に指定していないが、一般的なクリーンルームに用いられる透明ビニールシート、又はテント材等が挙げられる。なお、ファスナー付シート34としては、断熱性若しくは赤外線又は紫外線を遮断する特性を有する素材が好適である。また、本発明の第3実施形態に係るエアコンブース3における隔壁として、ファスナー付シート34を用いることを示したが、本発明の第3実施形態に係るエアコンブース3において、隔壁同士を連結する方法として、ファスナー以外にも、隔壁同士を結合できれば、特に限定されるものではなく、例えば、ボタン、紐、ホック等を採用しても良い。
【0072】
次に、本発明の各実施形態に係るエアコンブースにおける隔壁に関して、適宜に開閉可能な窓又は通気口等を設けても良く、それらの設置位置は特に限定されない。本発明の各実施形態に係るエアコンブースの骨組構造体の内側空間を明るくするためLEDランプの照明器具等の照明を設置しても良い。また、LEDランプの照明器具等には、係止部材又はフックを設けることにより、骨組構造体の内部に骨組構造体に照明器具を取り付けるようにしても良い。その際、照明用の電源は、外部から供給しても良いし、また、電源装置(例えば、電池等が挙げられる。)を内部空間に設置しても良い。
【0073】
また、本発明の各実施形態に係るエアコンブースの骨組構造体の内側空間に各種センサを設置しても良い。本発明の各実施形態に係るエアコンブースの骨組構造体の内部空間に、例えば、人感センサとしてドップラー効果を用いるドップラーセンサを設置しても良い。そして、ドップラーセンサによって、該内部空間に向けて輻射されたマイクロ波の反射波を解析して、ユーザの有無又はユーザの生体に関する情報を検知することができる。これらの情報によって、該内部空間の温度及び湿度をエアコン(空調装置)で制御するようにしても良い。さらに、ユーザ(利用者)の健康状態や熱中症程度等を考慮(判断)して、エアコンで制御するようにしても良い。
【0074】
また、ユーザの生体に関する情報に基づいて、登録されたユーザを識別して、登録(記録)された制御情報(例えば、エアコン設定温度、湿度、風量、稼働時間、エアコンの停止時間等が挙げられる。)を用いてエアコンを制御するようにしても良い。
【0075】
さらに、本発明の各実施形態に係るエアコンブースにインジケータを設けても良く、該インジケータにおいて、エアコンブースの利用状況、エアコンブースの内部空間の状態(例えば、利用人数、温度、湿度等が挙げられる。)表示するようにしても良い。
【0076】
また、本発明の各実施形態に係るエアコンブースに用いられるエアコンとして、窓枠に設置できる一体型エアコンを用いるような説明をしたが、一体型エアコンに代えて、エアコン室外機16a、エアコン室内機16b及び冷媒パイプ16cから成る分離型エアコンを用いることによって、本発明の変形例に係るエアコンブース100を構成しても良い。
図22は、本発明の変形例に係るエアコンブース100の構成を示す図である。
図22に示すように、エアコンブース100における骨組構造体10の上部内側には、エアコン室内機16aが配置され、骨組構造体10の下部外側には、エアコン室外機16aが配置される。なお、冷媒パイプ16cを差し込める孔を設けた冷媒パイプ用開口部付き隔壁14a´´を介して、エアコン室内機16bとエアコン室外機16aが繋げられるようにしても良い。
【0077】
また、エアコン室内機を機械部品で固定できるように、エアコン室内機用ベースパネル(図示せず)骨組構造体10に配置しても良い。その際、エアコン室内機用ベースパネルにエアコン室内機16bを機械部品(例えばボルト及びナットが挙げられる)で固定することもできる。さらに、エアコン室外機16aは、エアコン用フレームボックス(図示せず)に収められて、設置面(例えば、地面)から所定の高さを調整することができる。
【0078】
また、本発明の各実施形態に係るエアコンブースにおいて、土台に骨組構造体を設置することを示したが、ファスナー付シート又は一体型シートを採用した隔壁の下端部に、エアコンブースの転倒やズレ動きを防止するため、設置面(地面)に対して、杭(ペグ)が地中に打ち込まれるようにしても良い。例えば、隔壁としてハトメ付きシートを採用して、ロープを通して隔壁を地面に固定しても良いし、また、エアコンブースの張り出し部分には柱を立ててロープで引っ張りながら、ロープを杭(ペグ)で設置面(地面)に固定するような一般的な方法でも良い。
【0079】
また、本発明の各実施形態に係るエアコンブースにおいて、地面に設置した土台の上に、骨組構造体を設置することを示したが、コンクリート上に設置するようにしても良い。例えば、本発明の各実施形態に係るエアコンブースが、骨組構造体10、20にアンカーボルトの上端を通して、ナットで締め付けることにより、アンカーボルトを植え込まれた基礎コンクリートに固定接地されるようにしても良い。
【0080】
このような基礎コンクリートが形成された場所では、本発明の各実施形態に係るエアコンブースは、より簡単で短期間に設置又は施工が可能である。
【符号の説明】
【0081】
1、2、3、4、100・・・・エアコンブース
10、20・・・・・・・・・・骨組構造体
11・・・・・・・・・・・・・棒材
12・・・・・・・・・・・・・ジョイント(連結材)
12a・・・・・・・・・・・・頂点部ジョイント(端ジョイント)
12b・・・・・・・・・・・・4辺中継ぎジョイント(中間ジョイント)
12c・・・・・・・・・・・・T字状ジョイント
12d・・・・・・・・・・・・十字状ジョイント
13・・・・・・・・・・・・・土台
14a・・・・・・・・・・・・隔壁
14b・・・・・・・・・・・・入口左側隔壁
14c・・・・・・・・・・・・入口右側隔壁
15・・・・・・・・・・・・・マジックテープ
15a・・・・・・・・・・・・L字状ジョイント側マジックテープ
15b・・・・・・・・・・・・I字状ジョイント側マジックテープ
15c・・・・・・・・・・・・L字状隔壁側マジックテープ
15d・・・・・・・・・・・・I字状隔壁側マジックテープ
16・・・・・・・・・・・・・エアコン(一体型エアコン、空調装置)
16a・・・・・・・・・・・・エアコン室外機
16b・・・・・・・・・・・・エアコン室内機
16c・・・・・・・・・・・・冷媒パイプ(電線コード)
34・・・・・・・・・・・・・ファスナー付シート
34a・・・・・・・・・・・・第1ファスナー
34b・・・・・・・・・・・・第2ファスナー
34c・・・・・・・・・・・・辺
34d・・・・・・・・・・・・取付部
34e・・・・・・・・・・・・ファスナー付シート開口部
44・・・・・・・・・・・・・一体型被覆シート
44a~44c・・・・・・・・谷折線
44d・・・・・・・・・・・・山折線
44e・・・・・・・・・・・・底面開口部
44f・・・・・・・・・・・・エアコン取付開口部
44g・・・・・・・・・・・・出入口開口部
44h・・・・・・・・・・・・出入口扉部
44i・・・・・・・・・・・・マジックテープ
44j・・・・・・・・・・・・マジックテープ
a、b・・・・・・・・・・・・連結点
W1、W2、W3、W4・・・・ワイヤ
T・・・・・・・・・・・・・・ターンバックル