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特許7030367伸縮性を有する細幅レース編地及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】伸縮性を有する細幅レース編地及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   D04B 21/20 20060101AFI20220228BHJP
   D04B 21/12 20060101ALI20220228BHJP
   D04B 21/18 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
D04B21/20 A
D04B21/12
D04B21/18
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021091552
(22)【出願日】2021-05-31
【審査請求日】2021-09-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510194943
【氏名又は名称】金田繊維株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平
(72)【発明者】
【氏名】金田 友彰
【審査官】川口 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-050262(JP,A)
【文献】登録実用新案第3227635(JP,U)
【文献】特開2005-226169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04B 21/20
D04B 21/12
D04B 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性力を有する芯糸に鞘糸として他の糸が捲きつけられたカバーリング糸が使用され、編み立て方向に延びる複数の鎖編を形成する複数の地糸のみ又は、前記複数の地糸と編地幅方向に編み込まれる緯渡り糸によって編成された基本となるレース編地の幅方向両端に配された地糸を連結糸によって近接させるように編み込んで連結組織を形成するとともに、管状体に形成されており、
前記連結組織は、1本の連結糸によって前記基本となるレース編地の幅方向両端の一方端に配された地糸、他方端に配された地糸の順に編み込まれることにより、前記基本となるレース編地の幅方向両端に配された地糸が近接することによって形成された第一の連結部と、第一の連結部を形成後、前記基本となるレース編地幅方向両端の一方端を形成する地糸の隣に配された地糸、他方端を形成する地糸の隣に配された地糸の順に編み込まれることによって形成された第二の連結部から構成されるとともに、前記第一の連結部と前記第二の連結部が編み立て方向に交互に連続して形成されたものであって、前記第一の連結部が前記管状体の表面に突出せず空間部側に内包されていることを特徴とする伸縮性を有する細幅レース編地。
【請求項2】
弾性力を有する芯糸に鞘糸として他の糸が捲きつけられたカバーリング糸が使用され、編み立て方向に延びる複数の鎖編を形成する複数の地糸のみ又は、前記複数の地糸と編地幅方向に編み込まれる緯渡り糸によって編成された基本となるレース編地の幅方向の一方端に配された地糸と前記基本となるレース編地の幅方向中央部分に配された地糸を連結糸を介して近接させるように編み込んで形成する一方の連結部と、前記基本となるレース編地の幅方向他方端に配された地糸と前記基本となるレース編地の幅方向中央部分に配された地糸を別の連結糸を介して近接させるように編み込んで形成する他方の連結部によって連結組織が形成されるとともに、2本の管状体が連結した形態に形成されていることを特徴とする伸縮性を有する細幅レース編地。
【請求項3】
弾性力を有する芯糸に鞘糸として他の糸が捲きつけられたカバーリング糸が使用され、編み立て方向に延びる複数の鎖編を形成する少なくともN数×5本の地糸のみ又は、前記前記地糸と編地幅方向に編み込まれる緯渡り糸によって編成された基本となるレース編地を幅方向にN数等分し、N数等分されたレース編地のそれぞれの両端部に位置する地糸を、N数本の連結糸によって近接させるように編み込んで形成されたN数の連結部によって構成された連結組織を有し、N数本の管状体からなる形態になるとともに、N数等分されたレース編地のそれぞれの端部に位置する地糸が前記管状体の表面に突出せずに空間部側に内包されており、N数は1以上の整数であることを特徴とする伸縮性を有する細幅レース編地。
【請求項4】
弾性力を有する芯糸に鞘糸として他の糸が捲きつけられたカバーリング糸が使用され、編み立て方向に延びる複数の鎖編を形成する複数の地糸又は、前記複数の地糸と編地幅方向に編み込まれる緯渡り糸によって編成される基本となるレース編地を基に伸縮性を有する細幅レース編地を得るための製造方法であって、1本の連結糸によって前記基本となるレース編地の幅方向両端の一方端に配された地糸、他方端に配された地糸の順に編み込み、前記基本となるレース編地の幅方向両端に配された地糸を近接させることによって第一の連結部を形成し、第一の連結部を形成後、前記基本となるレース編地幅方向両端の一方端を形成する地糸の隣に配された地糸、他方端を形成する地糸の隣に配された地糸の順に編み込み、第二の連結部を形成して連結組織を構成するとともに、前記第一の連結部と前記第二の連結部が編み立て方向に交互に連続して形成することにより、管状体の形成と、前記第一の連結部が管状体の表面に突出させず空間部側に内包させることを特徴とする伸縮性を有する細幅レース編地の製造方法
【請求項5】
弾性力を有する芯糸に鞘糸として他の糸が捲きつけられたカバーリング糸が使用され、編み立て方向に延びる複数の鎖編を形成する複数の地糸又は、前記複数の地糸と編地幅方向に編み込まれる緯渡り糸によって編成される基本となるレース編地を基に伸縮性を有する細幅レース編地を得るための製造方法であって、前記基本となるレース編地の幅方向の一方端に配された地糸と前記基本となるレース編地の幅方向中央部部分に配された地糸を連結糸を介して近接させるように編み込んで一方の連結部を形成するとの同時に、前記基本となるレース編地の幅方向の他方端に配された地糸と前記基本となるレース編地の幅方向中央部分に配された地糸を別の連結糸を介して近接させるように編み込んで他方の連結部を形成して連結組織を構成することにより、2本の管状体が連結した形態に形成することを特徴とする伸縮性を有する細幅レース編地の製造方法。
【請求項6】
弾性力を有する芯糸に鞘糸として他の糸が捲きつけられたカバーリング糸が使用され、編み立て方向に延びる複数の鎖編を形成する少なくともN数×8本の地糸又は、前記地糸と編地幅方向に編み込まれる緯渡り糸によって編成される基本となるレース編地を基に伸縮性を有する細幅レース編地を得るための製造方法であって、前記基本となるレース編地を幅方向にN数等分し、N数本の連結糸によってN数等分されたそれぞれの両端に位置する地糸を近接させるように編み込んでN数の連結部を形成し、前記N数の連結部によって構成された連結組織を構成し、N数本の管状体が連結した形態にするとともに、N数等分されたレース編地のそれぞれの端部に位置する地糸が前記管状体の表面に突出せずに空間部側に内包されるように編成し、N数は1以上5以下の整数とすることを特徴とする伸縮性を有する細幅レース編地の製造方法。
【請求項7】
請求項1からうちいずれか一項に記載の伸縮性を有する細幅レース編地を、ラッセルレース編機によって複数同時に編成し、所定本数ごとに編機の巻き取り位置に配されたビームに巻き取って後工程に移行する特徴とする伸縮性を有する細幅レース編地の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生用マスクの耳ひもにも利用できる、伸縮性を有する細幅レース編地及び、その製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
衛生用マスクに設けられ、使用者の耳に係止される耳ひもには、装着が容易であること、使用時には鼻や口に対して適度な圧迫が求められることから、伸縮性を有するものが採用されているが、新型感染症の広まりを端緒に、衛生用マスクの需要が増大し、低コストでありながら使用感の優れた耳ひもの要望が高まっている。
【0003】
従来、伸縮性を有する耳ひもには、ポリエステル系ポリウレタンをフィルム状に押し出した後にテープ状にスリットしたエラストマテープのひもや、ゴム糸やポリウレタン弾性繊維の芯糸にポリエステル繊維やポリアミド繊維等の合成繊維や改質セルロース繊維等を鞘糸として巻き付けた多重カバーリング糸や撚糸等の加工糸のひも、また、ポリウレタン弾性繊維を混用し製紐機によって製造された組ひも等が用いられてきた。
しかし、新型感染症の広まりにより、衛生用マスクは使用時間が長くなるとともに、季節を問わず使用されることになり、需要の増加への対応と使用感の向上が求められている。
【0004】
例えば、特許文献1には、「(請求項1)マスク本体部の左右に備えられるマスク用耳ゴムであって、複数のゴム紐が編み込まれてなり、前記ゴム紐の周囲を個々に巻回するように繊維状部材が巻かれていることを特徴とするマスク用耳ゴム。」が開示され、また、「(請求項2)マスク本体部の左右に備えられるマスク用耳ゴムであって、複数のゴム紐が束ねられて形成された組が、複数編み込まれてなることを特徴とするマスク用耳ゴム。」が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、「(課題)風合いが良く、皮膚に直接接触しても不快感がなく、さらに、通常の筒状ヨコ編み機を使用して生産性良く製造できる伸縮性紐を提供する。として、(解決手段)筒状にヨコ編みされた編み紐であって、伸縮素材として、少なくとも一層としてポリトリメチレンテレフタレートを主成分とする層を含むサイドバイサイド型複合または偏芯シースコア型複合のポリエステル系複合繊維、又は、ポリウレタン弾性繊維と非伸縮性糸条とで構成された複合伸縮弾性糸を使用して編成され、かつ、30%以上の伸長率を有する伸縮性筒状ヨコ編み紐」が開示されている。
【0006】
そして、特許文献3には、「(課題)簡単な製造手段により、丸みのある形態で、柔軟性と伸縮性を有した紐状編地を提供する。として、(解決手段)伸縮性紐状編地はシングル針床で編成された複数のループ列からなる細幅編地であって、編成糸に少なくとも弾性糸を含み、幅方向にカールして紐状をなしている。編構造は、弾性糸によるニードルループ6、非弾性糸によるニードルループ7、そしてそれぞれのシンカーループ4、5を含み、幅方向の端部がカールする現象自体は片側針床で編成された編物において通常みられる現象であって、隣接するループ間にかけ橋をするシンカーループ4、5のニードルループ6、7近傍で屈曲している箇所が、編糸自身の剛性により真っすぐに戻ろうとする力により、シンカーループ4、5面側へ戻ろうとする力が作用するためにフリーな状態の端部がシンカーループ4、5面側に反り曲がる」細幅編地が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6404413号公報
【文献】特開2005-220497号公報
【文献】実用新案登録第3227635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の特許文献1や特許文献2に示された従来技術の場合、伸縮性を有する細幅の編地を形成する場合、一本の編地の形成に一台の編機が必要な場合が多く、低コストでありながら、増大する需要に対応する生産量をカバーすることが困難であり、特許文献3に示された従来技術では、同時に複数本の編地を形成できるが、編地の形状が不安定で、捻れやすく、衛生用マスクの耳ひもや、キャップの顎ひもに使用する場合、編地が広く肌に触れることになるので、夏場など使用環境によっては蒸れや肌荒れの原因となり、所望する優れた使用感を得ることができない。
【0009】
そこで、本願発明の目的は、捻れにくく形状維持が容易で、肌に触れて着圧がかかる面積をできるだけ小さくすることにより、使用環境を問わず使用感の優れた伸縮性を有する細幅レース編地及び、低コストを維持しつつ、生産性を向上させる伸縮性を有する細幅レース編地の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の伸縮性を有する細幅レース編地は、弾性力を有する芯糸に鞘糸として他の糸が捲きつけられたカバーリング糸が使用され、編み立て方向に延びる複数の鎖編を形成する複数の地糸のみ又は、前記複数の地糸と編地幅方向に編み込まれる緯渡り糸によって編成された基本となるレース編地の幅方向両端に配された地糸を連結糸によって近接させるように編み込んで連結組織を形成するとともに、管状体に形成されていることを特徴とする。
そして本発明における連結組織は、1本の連結糸によって前記基本となるレース編地の幅方向両端の一方端に配された地糸、他方端に配された地糸の順に編み込まれることにより、前記基本となるレース編地の幅方向両端に配された地糸が近接することによって形成された第一の連結部と、第一の連結部を形成後、前記基本となるレース編地幅方向両端の一方端を形成する地糸の隣に配された地糸、他方端を形成する地糸の隣に配された地糸の順に編み込まれることによって形成された第二の連結部から構成されるとともに、前記第一の連結部と前記第二の連結部が編み立て方向に交互に連続して形成されたものであって、前記第一の連結部が管状体の表面に突出せず空間部側に内包されていることを特徴とする。
本発明によれば、伸縮性を有する糸によって編成されることにより、あらゆる方向に伸縮可能となるだけでなく、断面略円形の管状に形成されることにより、内部に空間部を有し、細幅レース編地の側面に加えられる力に対し、クッション性を有することになる。
この空間部は、細幅レース編地に通気性や透湿性の付与し、蒸れや肌荒れを抑制にも貢献する。
さらに、第一の連結部を管状の細幅レース編地の表面側(外側)に突出させないように(断面略円形に)形成することにより、編地の側面においてシームレスな袋織や丸編と同様に違和感のない使用感を実現できる。
【0011】
本発明としては、弾性力を有する芯糸に鞘糸として他の糸が捲きつけられたカバーリング糸が使用され、編み立て方向に延びる複数の鎖編を形成する少なくともN数×5本の地糸のみ又は、前記前記地糸と編地幅方向に編み込まれる緯渡り糸によって編成された基本となるレース編地を幅方向にN数等分し、N数等分されたレース編地のそれぞれの両端部に位置する地糸を、N数本の連結糸によって近接させるように編み込んで形成されたN数の連結部によって構成された連結組織を有し、N数本の管状体からなる形態となり、N数は1以上の整数であることを特徴とする。
本発明によれば、所望する細幅レース編地の太さ、連結すべき管状体の数に応じ、地糸の数、地糸によって編成される基本となるレース編地を何等分して管状体するかを容易に定義でき、用途に応じた細幅レース編地を適宜提供することができる。
【0012】
また、本発明の伸縮性を有する細幅レース編地としては、弾性力を有する芯糸に鞘糸として他の糸が捲きつけられたカバーリング糸が使用され、編み立て方向に延びる複数の鎖編を形成する複数の地糸のみ又は、前記複数の地糸と編地幅方向に編み込まれる緯渡り糸によって編成された基本となるレース編地の幅方向の一方端に配された地糸と前記基本となるレース編地の幅方向中央部部分に配された地糸を連結糸を介して近接させるように編み込んで形成する一方の連結部と、前記基本となるレース編地の幅方向他方端に配された地糸と前記基本となるレース編地の幅方向中央部分に配された地糸を別の連結糸を介して近接させるように編み込んで形成する他方の連結部によって連結組織が形成されるとともに、2本の管状体が連結した形態に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、上記の基本となるレース編地と同様に平調であるが、強度を有し、捻れや撓みが生じ難い構成でありながら、肌に触れる面積が小さくなる特徴と、上記断面略円形の細幅レース編地同様の特徴も有していることから、蒸れや肌荒れを抑制し、使用感の優れた細幅レース編地となる。
【0013】
本発明の伸縮性を有する細幅レース編地の製造方法として、ラッセルレース編機によって複数同時に編成し、所定本数ごとに編機の巻き取り位置に配されたビームに巻き取って後工程に移行する特徴とする。
本発明によれば、1本の編地の製造に1台の編機が必要な他の製造方法と比較して、生産性の向上と製造コストの圧縮を実現するだけでなく、巻き取り手段を細幅レース編地を所定本数ごとに巻き取ることができるビームに変更することで、スムーズな後工程への移行が可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の伸縮性を有する細幅レース編地が衛生用マスクの耳ひもに採用された場合には、管状に形成されることにより、内部に空間を備え通気性や透湿性を有するとともに、細幅レース編地の幅方向両端が連結された連結部が肌に触れないので、編地の側面においてシームレスな袋織や丸編と同様に違和感のない使用感を実現する。
さらに、捻れや撓みを生じにくい平調でありながら、肌に触れて編地の収縮力がかかる面積を小さくできるので、蒸れや装着による痛みを解消し、使用感の優れた細幅レース編地となる。
上記の効果を得られる伸縮性を有する細幅レース編地をラッセルレース編機によって複数同時に編成することにより、1本の編地の製造に1台の編機が必要な他の製造方法と比較して、生産性の向上と製造コストの圧縮を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態に使用されるカバーリング糸の一形態を示す模式図である。
図2】本発明の実施の形態に使用されるカバーリング糸の別形態を示す模式図である。
図3】本発明の実施形態に使用される編機を示す概略図である。
図4】本発明の実施形態における基本となるレース編地の組織を示す模式図である。
図5】本発明の実施形態における基本となるレース編地の組織を示す模式図である。
図6】本発明の実施形態によって得られる各編地を示す画像である。
図7】本発明の第一の実施形態の伸縮性を有する細幅レース編地を示す斜視図である。
図8(a)】上記実施形態における地糸及び、連結糸の関係を示す模式図である。
図8(b)】上記実施形態における地糸及び、連結糸の関係を示す模式図である。
図8(c)】上記実施形態における地糸及び、連結糸の関係を示す模式図である。
図8(d)】上記実施形態における地糸及び、連結糸の関係を示す模式図である。
図8(e)】上記実施形態における地糸及び、連結糸の関係を示す模式図である。
図8(f)】上記実施形態における地糸及び、連結糸の関係を示す模式図である。
図9】本発明の第二の実施形態の伸縮性を有する細幅レース編地を示す斜視図である。
図10(a)】上記実施形態における地糸及び、連結糸の関係を示す模式図である。
図10(b)】上記実施形態における地糸及び、連結糸の関係を示す模式図である。
図10(c)】上記実施形態における地糸及び、連結糸の関係を示す模式図である。
図10(d)】上記実施形態における地糸及び、連結糸の関係を示す模式図である。
図10(e)】上記実施形態における地糸及び、連結糸の関係を示す模式図である
図11】本発明の第三の実施形態の伸縮性を有する細幅レース編地における地糸及び連結糸の関係を示す模式図。
図12】上記実施形態の伸縮性を有する細幅レース編地を示す斜視図である。
図13】本発明で得られる伸縮性を有する細幅レース編地の製造工程を示す図である。
図14】本発明の製造工程における綛揚げ工程を示す図である。
図15】本発明の製造工程における熱処理工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態)
本発明を実施するための形態を、具体的に図示した図面に基づいて、更に詳細に説明す
ると、次の通りである。
【0017】
(使用される糸)
図1及び、図2は本発明の実施の形態の伸縮性を有する細幅レース編地100の編成に用いられる糸の拡大模式図であり、芯糸となるポリウレタン、天然ゴム、合成ゴム等からなる弾性糸に他の紡績糸やフィラメント糸が巻きつけられたカバーリング糸Z(Z1)を示している。
カバーリング糸Zには、図1に示すように芯糸1aに対し、他の1本の糸(鞘糸)1bを巻きつけるシングルカバード・ヤーンZ1の他に、図2に示すような芯糸2aに対し、捲きつけた1本の糸(鞘糸)2bと逆方向にもう1本の糸2c(鞘糸)を巻きつけたダブルカバード・ヤーンZ2も適宜選択可能である。
また、レース編地全体にカバーリング糸Z(Z1及び/又はZ2)を採用することも、一部に採用することも可能であるが本実施の形態では、レース編地全体にカバーリング糸Z(Z1及び/又はZ2)を採用することにより、あらゆる方向に伸縮可能とするとともに、後述する製造工程における熱処理を行った際に、熱収縮率の相違による変形を防止した編地としている。
上記のカバーリング糸Z(Z1及び/又はZ2)を採用することで、本実施の形態の伸縮性を有する細幅レース編地100が衛生用マスクや耳ひもや、帽子の顎ひもとして使用されても、芯糸となる弾性糸が直接肌に触れることも抑制され、蒸れや肌荒れの防止に奏効する。
【0018】
(使用される編機)
本実施の形態の伸縮性を有する細幅レース編地100の編成には、ラッセルレース編機(編機R)が使用される。
ラッセルレース編機は経編機の一種であり、地糸、緯渡り糸、柄糸等、役割の異なる糸をそれぞれ編み針近傍に設けられる編成部に向けて導入する導糸手段としての筬を有する。具体的には、編機は、ジャガード筬であるジャガードバー、多数の柄筬、地筬によって実現される。このような各筬は、編み針が地糸を捕捉する編成部に向かって、編機側面からみて放射状に並ぶ。
編み針は、編機側面からみて前後方向に直交する方向に多数並んでおり、各編み針を保持する保持手段となるニードルバーに固定されている。ニードルバーは、各編み針を昇降運動する。またニードルバーが動作して、各筬に導糸されるそれぞれの糸が予め定める編成位置に導かれる。
それぞれの筬は、対応するそれぞれの糸を、編み針の昇降運動に同期させて、編み針に対して編機後方の空間で対応する各糸を、編み針が並ぶ方向に移動させるオーバーラップ(編目編成運動)と、編み針に対して編機前方の空間で対応する各糸を、編み針が並ぶ方向に移動させるアンダーラップ(挿入運動)とを行う。またこれらのラップ運動に加えて編み針が並ぶ方向に直交する方向に移動するいわゆるスイング(揺動運動)がなされる。具体的には、2つのスイング動作がある。
第1のスイング動作であるスイングイン(バックスイング)動作では、編み針の側方を通過して、編み針に対して編機後方の空間から編機前方の空間に対応する各糸を移動させる
また第2スイング動作であるスイングアウト(フロントスイング)動作では、編み針の側方を通過して、編み針に対して編機前方の空間から編機後方の空間に対応する各糸を移動させる。
各筬に取付けられたガイドが動作することによって、対応する各糸が編み針のまわりを予め定められる経路に従って通過し、対応する各糸を含むレース編地が編成される。
編成されたレース編地は通常、図3(a)に示すような編機側面からみて編成部よりも編機前方に備えられた巻き取り手段Wに巻き取られることになるが、本実施の形態において使用される編機Rは、一般的な編機では巻き取り手段Wが設けられる巻き取り位置に、編成された細幅レース編地100を所定本数ごとに巻き取るための「ビーム」と呼ばれる大きな巻き取りボビンが複数分割可能に並べられて配され、後工程がスムーズに行われるように改良されている(図3(b)に示すB)。
【0019】
(基本となる編地)
本実施の形態における、基本となるレース編地の組織に関して図4図5に示す。図4におけるVは地糸であって、編機Rによって地糸Vから編地の基本となる鎖編Cが複数形成されるとともに、隣り合う鎖編C同士が絡み合うように連結されていることを表したものであり、図5おけるSは緯渡り糸であって、緯渡り糸Sによって独立したそれぞれの鎖編Cを繋ぐように編み込まれている状態を示した図である。この複数の地糸Vのみ、または複数の地糸Vと緯渡り糸Sとの組合せにより基本となるレ-ス編地10が編成されていることを表している。図4及び、図5中に示された矢印Aは編み立て方向である。
なお、図4で示した地糸Vのみで絡み合うように連結させた実際のレース編地10の画像として図6中に示す。
当該レース編地10が上述の編機Rによって、編地の幅方向に同時に複数本編成されることになる。
ここで、本実施の形態では、鎖編Cを形成する地糸Vのみで編成されたレース編地10が使用されているが、隣り合う地糸Vを絡み合うように連結させるとともに、緯渡り糸Sを配することも可能で、図5に示すように緯渡り糸Sを用いて隣り合う独立した鎖編Cを繋ぐように配したレース編地としても良い。
なお図6に示した基本となるレース編地10では地糸Vは8本使用されているが、本実施の形態におけるレース編地10の地糸Vは所望するレース編地の幅に応じて幅方向に適宜選択可能である。
【0020】
(連結糸による第一の実施の形態)
この基本となるレース編地10から図7に示すような断面略円形の管状の細幅レース編地100となるように地糸Vと同じ筬から連結糸Mが導入される。
このとき、地糸Vは8本、連結糸Mは1本として以下、詳細に説明する。
連結糸Mは、上述の基本となる編地10を構成する複数の地糸Vと同じ編地の表側に配された筬から導入され、レース編地10の幅方向両端部を形成する地糸V(図8(a)に示すV1及び、V8)を近接させるように編み込むことにより連結組織40を形成するとともに、レース編地全体が幅方向に丸くなり断面略円形で管状細幅レース編地100(管状体T)が形成される。
ここで、図8(a)は、編み立て方向を上下方向、編地の幅方向を左右方向としたレース編地10の向きを正面と定義し、当該レース編地10を真下から見た図で、幅方向に8本の地糸V(V1~V8)が並んでいることを示しており、本実施の形態では緯渡り糸Sを用いていない。そして、編地の表側から連結糸Mが導入されていることを示している。
まず図8(b)に示すように連結糸Mを編み込む編み針(図示せず)が、レース編地10の幅方向両端部の一方に配された地糸V1をピックアップして連結糸Mを編み込み、次に図8(c)に示すように、レース編地10の幅方向両端部の他方に配された地糸V8をピックアップし連結糸Mを編み込むことで第一の連結部40aを形成する。
その後、図8(d)に示すように編み針は地糸V1の隣に配された地糸V2をピックアップして連結糸Mを編み込み、図8(e)に示すように地糸V8の隣に配された地糸V7ピックアップして連結糸Mを編み込むことで第二の連結部40bを形成する。
地糸V1→地糸V8→地糸V2→地糸V7→地糸V1・・・と幅方向左右を交互に編み込むこと及び、編地の幅方向両端部に配された地糸の編み込みと幅方向両端部に配された地糸の隣に配された地糸を交互に編み込むことで、第一の連結部40aと第二の連結部40bを編み立て方向Aに交互に連続して形成される連結組織40を形成し管状体Tとしての細幅レース編地100を編成するだけでなく、連結組織40を管状細幅レース編地100の表面側(外側)に突出させないように空間部側に内包させて(断面略円形に)形成することが可能となり、編地の側面においてシームレスな袋織や丸編と同様の形状と違和感のない使用感を実現する。
加えて、細幅レース編地100は空間部Xを有する(管状である)ことから細幅レース編地100の側面に加えられる力に対し、クッション性を有するとともに通気性や透湿性を付与し、蒸れや肌荒れを抑制にも貢献する。
なお、実際の細幅レース編地100を図6中に示す。
本実施の形態において、地糸Vを8本として説明したが、地糸Vを5本としても利用可能な細幅レース編地100(管状体T)を得ることができた。
【0021】
ここで、上記第一の実施の形態によって得られる細幅レース編地100の管状体Tを形成する連結糸Mに切れや解れが発生した場合、容易に管状体Tの形成が解消してしまい、レース編地10の状態に戻ってしまうという問題が生じる。
そこで、図8(f)に示すように、レース編地10の幅方向一方端に配された地糸V1を連結糸Mで編み込む前に、連結糸Mをレース編地10を構成する地糸VにV1、V2、V3・・・の順でレース編地10の他方端に配された地糸V8まで渡らせる。そしてレース編地10の幅方向一方端に配される地糸V1を連結糸M編み込んだあと、他方端側に移動し、地糸V8、V7、V6・・・V1の順で、連結糸Mを渡して他方端に配された地糸V8を編み込む。
このように、レース編地10の幅方向の一方端側に配された地糸V(地糸V1、V2)を編み込む前に、一方端側から他方端側へ連結糸Mを渡らせるステップ、他方端側に配された地糸V(地糸V8、V7)を編み込む前に他方端側から一方端側へ連結糸Mを渡らせるというステップを追加することで、連結糸Mの切れや解れが生じても、細幅レース編地100全体に影響を及ぼさない方法を見出した。
すなわち、地糸1→地糸8の順で地糸Vに連結糸Mを渡して地糸V1を編み込み、地糸8→地糸1の順で地糸Vに連結糸Mを渡して地糸V8を編み込み地糸V1、V8を近接させて第一の連結部40aを形成し、前記第一の連結部40aを形成後、地糸1→地糸8の順で地糸Vに連結糸Mを渡して地糸V2を編み込み、地糸8→地糸1の順で地糸Vに連結糸Mを渡して地糸V7を編み込み地糸V2、V7を近接させて第二の連結部40bを形成するステップを繰り返し連続して行うことで、編成中・編成後に連結糸Mの切れや解れが生じても、影響を最小限に抑えることができる細幅レース編地100が得られる。
【0022】
(第二の実施の形態)
さらに本願発明者は、上述の本発明の第一の実施の形態で得られる断面略円形の管状細幅レース編地100(管状体T)を形成するステップをさらに複雑化させ、連結糸Mを2本使用し、レース編地10の幅方向両端を形成する地糸だけでなく、レース編地10の幅方向中央部分Yも近接させることで、管状体Tを2本連結させた形態の細幅レース編地200が得られることを発案した。(図9)。
すなわち、地糸Vの本数を増やし(本実施の形態では17本)、レース編地10を幅方向に2等分する。そして2本の連結糸のうちの一方の連結糸Maにより、2等分された一方のレース編地10aの幅方向両端に位置する地糸を近接させて連結部41aを形成すると同時に、2等分したもう一方のレース編地10bも他方の連結糸Mbにより、レース編地10bの幅方向両端に位置する地糸を近接させて連結部41bを形成することで、断面略楕円形の管状体Tを二本連結させた形態の細幅レース編地200を得る。
上記細幅レース編地100の編成手順と同様に詳細を説明すると、図10(a)は、編み立て方向を上下方向、編地の幅方向を左右方向としたレース編地10の向きを正面と定義し、当該レース編地10を真下から見た図で、幅方向に17本の地糸V(V1~V17)が並び、緯渡り糸Sを用いずに、地糸により形成された鎖編のみでレース編地10を構成してていることを示した図である。そして、編地の表側から2本の連結糸Ma、Mbが導入されていることを示している。
以下、連結糸Mbの動きは、図11(a)に示した、地糸V9を通過するレース編地10を2等分する軸Lを基準に連結糸Maと線対称に表れるので説明を省略する。
まず図11(b)に示すように連結糸Maを編み込む編み針(図示せず)が、2等分されたレース編地10aの一方の端部に配される地糸V1をピックアップして連結糸Maを編み込み、次に図11(c)に示すように、2等分したレース編地10aの他方の端部に位置する地糸V8(レース編地10の幅方向の中央部分Yを形成する地糸V8)をピックアップして地糸V1とV8を近接させるように連結糸Maを編み込む。
その後、図11(d)に示すように編み針は地糸V1の隣に位置する地糸V2をピックアップして連結糸Maを編み込み、さらに図11(e)に示すように、再度地糸V8をピックアップして連結糸Maを編み込む。この動作を繰り返すことで連結部41aを形成するとともに、地糸V1が編地内部に形成された空間部側に内包されるので、連結部41aはレース編地の表面に突出しない形状となる。
ここで、他方の連結糸Mbも同様の動きを行うことにより、連結部41bが形成されるので、レース編地10の幅方向両端を形成する地糸V1と地糸V17が近接するだけでなく、レース編地10を2等分したレース編地10a及び、10bの端部に位置する(レース編地10の幅方向中央部分Yの)地糸V8、V9、V10も近接することにより連結組織41が形成され、管状体Tを2本連結させた形態の細幅レース編地200を得ることができる。
ここで得られる細幅レース編地200は、上記の基本となるレース編地10よりも、強度を有し、捻れや撓みが生じ難い構成でありながら、肌に触れる面積が小さくなる特徴と、上記断面円形の細幅レース編地100と同様に、連結組織41が編地表面に突出しない特徴と空間部を有していることから、蒸れや肌荒れを抑制し、使用感の優れた細幅レース編地となる。
なお、細幅レース編地200の実際の画像を図6中に示すが、上記第一の実施の形態でも示した通り、地糸本数を絞り、10本としても、ひと回りコンパクトな(管状体Tを2本連結させた形態の)細幅レース編地200を得ることができた。これにより、ひとつの編機Rにより同時に多くの細幅レース編地200を編成することができ、製造コスト、製造時間の圧縮に貢献することになる。
【0023】
(第三の実施の形態)
上記の連結糸Ma、Mbを用いた本願発明の実施の形態の他に、レース編地10を幅方向に3等分するとともに連結糸Mcを加え、3本の連結糸M(Ma、Mb、Mc)を編成部に導糸して、図11に示すように地糸を編み込むことにより、3つの連結部42a、42b、42cで構成される連結組織42がレース編地10の幅方向両端を形成する地糸Vを近接させるとともに、管状体Tを3本連結させた形態の細幅レース編地300を得ることができる(図12)。
【0024】
上記の本発明の実施の形態を考察すると、ひとつの法則に則って説明することができる。
すなわち、第一の実施の形態において、レース編地10の幅方向両端部に配される地糸V(V1及び、V8)を1本の連結糸Mを介して近接させるように編み込むことで、1つの連結組織40を形成し、1つの管状体Tとなった細幅レース編地100を得ることができ、第二の実施の形態では、レース編地10(を構成する複数の地糸V)を編地幅方向に2等分して、2等分されたレース編地10のそれぞれ両端部に位置することになる地糸V1とV8、地糸V10とV17をそれぞれ近接させるように編み込む2本の連結糸Ma及び、Mbによって2つの連結部が形成され、連結組織を構成し、管状体Tが2本連結した形態の細幅レース編地200を得ることができる。同様に、レース編地10を編地幅方向に3等分し、それぞれの両端部に位置する地糸Vを近接させるように3本の連結糸Ma、Mb、Mcで編み込んで3つの連結部42a、42b、42cにより連結組織42を構成し、管状体が3本連結した形態の細幅レース編地300が得られる。
このことから、N数は1以上の整数であることを条件に、少なくともN数×5本の地糸Vによって編成されるレース編地10を幅方向にN数等分し、N数本の連結糸Mを介して、N数等分された編地の幅方向両端に位置するそれぞれの地糸Vを近接させるように編み込んでN数の連結部を形成し、前記N数の連結部は連結組織を構成し、管状体TをN数本連結した形態の細幅レース編地が得られると定義できる。
N数を4、5・・・と変更していくことで地糸の本数、連結糸、形成される連結部、管状体の数が変動する。
この場合、N数は1以上で適宜選択可能であるが、捻れにくさや形状維持といった本願発明の課題に照らすと、特にN数は1以上5以下が好適である。
(製造工程)
編機Rの編成部によって複数同時に編成される編成工程を経て、上述の細幅レース編地100は所定本数ごとにビームBに巻き取られていく。そしてビームBに巻き取られた細幅レース編地100は図13に示すような工程を経て出荷状態となるが、以下にて詳細を説明する。
【0025】
(編成後の工程1 綛揚げ)
編成工程を経て複数同時に得られた細幅レース編地100は所定本数ごとにビームBに巻き取られ、次の工程である綛揚げに移行する。
綛揚げとは、ビームBに所定本数ごとに巻き取られた細幅レース編地100を一本ごとに、筒状の枠Fに巻きつけていき、一定の円周で、輪の状態とした「綛」に加工する工程であり、図14(a)に示すように行われる。綛Kはバラバラにならないように「ひびろ」と呼ばれる糸Hで留められる(図14(b))。
本実施の形態において、ひとつのビームに巻き取られる細幅レース編地の所定本数を10本とし、ひとつのビームから10束の綛Kが形成されることになるが、所定本数に関して特に機構上の限定は無く適宜選択可能である。
【0026】
(編成後の工程2 熱処理)
綛Kの状態となってまとめられた細幅レース編地100は、次の工程である熱処理に移行する。
通常、カバーリング糸を用いて編成された編地であっても伸縮性は乏しく、製品としては未完成であるが、熱処理によって編地(編地を編成するカバーリング糸)を加熱することによりはじめて、編地(編地を編成するカバーリング糸)が収縮し、伸縮性を有することになる。
本実施の形態では、加熱室で綛Kを竿に吊るし、ボイラー熱を利用し95℃で90分間加熱する(図15)。このとき、ひとつの綛を構成する細幅レース編地同士が重複しないように竿に吊るすことから、編地全体にまんべんなく熱が伝わるとともに、竿と接している細幅レース編地の一部以外はほぼ弛緩状態となっており、均一な収縮と、均一な伸縮性の付与が可能となる。
【0027】
上述の工程を経て、本実施の形態の細幅レース編地は出荷状態となるが、伸縮性を有し、編地表面に突出部が現れずシームレスで捻れにくく、接触面積が小さいという特徴を持った細幅レース編地は用途の制限はなく、例示した衛生用マスクの耳ひもや帽子の顎ひも以外にも多岐にわたる。
【符号の説明】
【0028】
100,200,300 細幅レース編地、
1a,2a 芯糸、
1b,2b,2c 鞘糸、
10,10a,10b 基本となるレース編地、
40,41,42 連結組織、
40a 第一の連結部、
40b 第二の連結部、
41a,42a,41b,42b,42c 連結部、
A 編み上げ方向、
B ビーム、
C 鎖編、
F 綛加工用の枠、
H ひびろ、
K 綛、
L レース編地を等分する軸、
M,Ma,Mb,Mc 連結糸、
R 編機、
S 緯渡り糸、
T 管状体、
V 地糸、
W 捲き取り手段、
X 空間部、
Y レース編地中央部分、
Z,Z1,Z2 カバーリング糸

【要約】
【課題】 捻れにくく形状維持が容易で、肌に触れて着圧がかかる面積をできるだけ小さくすることにより、使用環境を問わず使用感の優れた伸縮性を有する細幅レース編地及び、低コストを維持しつつ、生産性を向上させる伸縮性を有する細幅レース編地の製造方法を提供する。
【解決手段】 弾性力を有する芯糸に鞘糸として他の糸が捲きつけられたカバーリング糸Zが使用され、編み立て方向に延びる複数の鎖編を形成する複数の地糸Vのみ又は、前記複数の地糸Vと編地幅方向に編み込まれる緯渡り糸Sによって編成された基本となるレース編地10の幅方向両端に配された地糸Vを連結糸Mによって近接させるように編み込んで連結組織40を形成するとともに、管状体Tに形成されていることを特徴とする伸縮性を有する細幅レース編地100を得る。
【選択図】 図6

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図8(c)】
図8(d)】
図8(e)】
図8(f)】
図9
図10(a)】
図10(b)】
図10(c)】
図10(d)】
図10(e)】
図11
図12
図13
図14
図15