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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】接触冷感機能を有する繊維製品
(51)【国際特許分類】
   D04B 21/00 20060101AFI20220228BHJP
   D01F 6/62 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
D04B21/00 B
D01F6/62 303F
D01F6/62 306F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021137695
(22)【出願日】2021-08-26
【審査請求日】2021-09-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年11月10日に下記のウェブサイトに掲載 https://www.iken-net.com 発行者 ダイセン株式会社 刊行物 繊維ニュース 令和2年12月16日付 発行日 令和2年12月16日 発行者 中部経済新聞社 刊行物 中部経済新聞 令和3年1月16日付 発行日 令和3年1月16日 発行者 中日新聞社 刊行物 中日新聞 令和3年6月18日付朝刊,第14面 尾張版 発行日 令和3年6月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509308447
【氏名又は名称】株式会社 維研
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100162293
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 久生
(72)【発明者】
【氏名】町田 正浩
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101619504(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112921428(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104726947(CN,A)
【文献】国際公開第2020/115928(WO,A1)
【文献】特開平09-117353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01F1/00-9/04
D04B21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀イオンを含有した無機化合物を添加したポリエステルからなる異形断面糸を主体とする繊維によって形成されており、
前記銀イオンを含有した無機化合物が、銀イオン含有溶解性ガラスであることを特徴とする接触冷感機能を有する繊維製品。
【請求項2】
Q-max値が0.10W/cm以上であり、保温率が20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の接触冷感機能を有する繊維製品。
【請求項3】
前記異形断面糸が、十字断面糸であることを特徴とする請求項1、または2に記載の接触冷感機能を有する繊維製品。
【請求項4】
通気度が、50cm/(cm・S)未満であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の接触冷感機能を有する繊維製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類、寝具、装身具等の繊維製品の形成に用いた場合に使用者に良好な接触冷感を提供可能な繊維製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、夏季用の肌着や寝具カバー等として、使用時にヒヤリとした涼しげな感触を提供可能な接触冷感に優れた繊維(接触冷感性繊維)を用いたものが研究されている。そして、そのような接触冷感性繊維としては、特許文献1の如く、吸水性ポリマーを内包させた多孔質無機粉末粒子(結晶性多孔質アルミノケイ酸塩、多孔質シリカ、多孔質アルミナ等)を把持させた合成樹脂繊維が開発されている。かかる合成樹脂繊維によれば、吸水性ポリマーに予め含有されている水分が蒸発するときの気化熱を使用者の体から奪う作用によって、使用者に接触冷感を与えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-235278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の合成樹脂繊維は、肌着や寝具カバーとして利用した場合には、ある程度の接触冷感を発現させることができるものの、十分な接触冷感を発現させるためには大量の多孔質無機粉末粒子を含有させる必要があるため、原料樹脂本来の特性が損なわれ、必ずしも良好な風合いや肌触りを提供することができなかった。また、特許文献1の合成樹脂繊維を用いた肌着や寝具カバーは、長期間に亘って繰り返して使用すると、どうしても多孔質無機粉末粒子が合成樹脂繊維から剥がれてしまうため、良好な接触冷感を発現させることができなくなる、という不具合もあった。
【0005】
本発明の目的は、上記特許文献1の如き従来の接触冷感タイプの繊維製品の有する問題点を解消し、衣類、寝具、装身具等の繊維製品の形成に用いた場合に使用者に良好な接触冷感(あるいは接触涼感)を提供可能であり、その良好な接触冷感を長期間に亘って発現させ続けることが可能である上、安価かつ容易に製造することができる繊維製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の内、請求項1に記載された発明は、銀イオンを含有した無機化合物を添加したポリエステルからなる異形断面糸を主体とする繊維によって形成されており、前記銀イオンを含有した無機化合物が、銀イオン含有溶解性ガラスであることを特徴とする接触冷感機能を有する繊維製品である。
【0007】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、Q-max値(JIS L 1927に準じた方法による測定値)が0.10W/cm以上であり、保温率(JIS L 1096に準じた方法による測定値)が20%以下であることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載された発明は、請求項1、または2に記載された発明において、前記異形断面糸が、十字断面糸であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載された発明は、請求項1~3のいずれかに記載された発明において、通気度が、50cm/(cm・S)未満であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の繊維製品は、熱伝導率の高い銀イオン含有無機化合物を本来の特性を阻害しない程度に添加してなるポリエステルフィラメントを主体とする繊維によって形成されているので、衣類(特に、夏用衣類)、寝具、装身具等に用いた場合に、使用者に良好な接触冷感を提供可能であり、その良好な接触冷感を長期間に亘って発現させ続けることができる上、安価かつ容易に製造することができる。
また、請求項1に記載の繊維製品は、主体であるポリエステルからなる異形断面糸中で銀イオン含有溶解性ガラスが均一に分散し易いため、銀イオン含有溶解性ガラスをきわめて少量だけ添加したものであっても、使用者に非常に良好な接触冷感を提供することができる。
【0012】
請求項2に記載の繊維製品は、Q-max値および保温率が所定の数値範囲内になるように調整されているため、触れた瞬間の接触冷感を良好なものとすることができる。
【0013】
請求項3に記載の繊維製品は、主体である銀イオン含有無機化合物を含有したポリエステルフィラメントが十字断面糸であるため、銀イオン含有無機化合物による高い熱伝導性と構成繊維の良好な肌触りとの相互作用によって、使用者に非常に良好な接触冷感を提供することができる。
【0015】
請求項4に記載の繊維製品は、熱伝導率の低い空気(外気)と体(身体)の表皮(肌)とを遮断することによって、銀イオン含有無機化合物による熱伝導性を効果的に高めることが可能となるため、使用者にきわめて良好な接触冷感を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】繊維製品を構成する異形断面糸の断面を示す説明図である。
図2】実施例で得られた異形断面糸の断面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る繊維製品は、銀イオン含有無機化合物を添加したポリエステルからなる異形断面糸を主体(すなわち、他のフィラメントとの交繊率(混合率)が50質量%以上、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは75質量%以上)とする繊維によって形成された織物あるいは編物である。すなわち、本発明に係る繊維製品は、銀イオン含有無機化合物を添加したポリエステルからなる異形断面糸中の銀(銀イオン)の高い熱伝導率(20℃で約418W/cmK)を利用して、本来のポリエステルの特性(速乾性、遮熱性等)を損なうことなく、使用者に良好な接触冷感を提供するものである。
【0018】
本発明に係る繊維製品(織物あるいは編物)に用いるポリエステルとしては、芳香族成分を含む芳香族系ポリエステルや脂肪族系ポリエステルを挙げることができる。さらに、芳香族系ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、あるいは、それらとイソフタル酸、イソフタル酸スルホネート、アジピン酸およびポリエチレングリコール等の第三成分とを共重合またはブレンドしたもの等を好適に用いることができる。また、脂肪族系ポリエステルとしては、ポリL乳酸、ポリD乳酸およびポリD,L乳酸からなるホモポリマー、またはポリ乳酸-グリコール酸共重合体等を好適に用いることができる。
【0019】
また、本発明に係る繊維製品(織物あるいは編物)は、主原料であるポリエステル(異形断面糸を構成するポリエステル)中に、銀イオン含有無機化合物を所定の割合(すなわち、0.5質量%以上10質量%以下)で添加する必要がある。銀イオン含有無機化合物としては、銀を無機化合物に担持させたものを好適に用いることができる。また、銀を担持させる担持体としては、ゼオライト、アパタイト、リン酸ジルコニウム、酸化チタン、シリカゲル、アルミニウム硫酸塩水酸化物、燐酸カルシウム、珪酸カルシウム等を挙げることができる。また、銀イオン含有無機化合物としては、リン酸系、硼酸系、珪酸系の各種のガラスの1種もしくは2種以上を成分としたガラスに銀を含有せしめた銀イオン含有溶解性ガラスを、特に好適に用いることができる。銀イオン含有無機化合物として、そのような銀イオン含有溶解性ガラスを用いることにより、少量の添加によって繊維製品の接触冷感を効果的に高めることが可能となる上、紡糸時に破断が起こりにくくなるので好ましい。なお、当該銀イオン含有溶解性ガラス中における銀イオンの含有率は特に限定されないが、5~50質量%であると、樹脂中への分散性が良好なものとなるので好ましく、10~40質量%であるとより好ましく、15~35質量%であると特に好ましい。加えて、銀を無機化合物に担持させたものと銀イオン含有溶解性ガラスとを併用することも可能である。
【0020】
また、銀イオン含有無機化合物としては、a)ゼオライトおよびガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機物に銀が担持されてなる無機系化合物、具体的には、a-1)ゼオライトに銀が担持されてなる無機系化合物、a-2)ガラスに銀が担持されてなる無機系化合物、a-3)ゼオライトに銀が担持された化合物とガラスに銀が担持された化合物との混合物、あるいは、b)ゼオライトおよびガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機物に、銀と亜鉛との両方が担持されてなる無機系化合物、具体的には、b-1)ゼオライトに銀と亜鉛とが担持されてなる無機系化合物、b-2)ガラスに銀と亜鉛とが担持されてなる無機系化合物、b-3)ゼオライトに銀および亜鉛が担持された化合物とガラスに銀および亜鉛が担持された化合物との混合物等も好適に用いることができる。
【0021】
なお、ゼオライトに銀が担持されてなる無機系化合物を作製する方法としては、シリカ/アルミナのモル比が2の細孔径4Å、ナトリウムの置換型のA型結晶ゼオライト(NaZL)100gをイオン交換水400gに分散させた20w%スラリーに、イオン交換水100gに硝酸銀5gを溶解させた硝酸銀水溶液を加え、しかる後、室温で所定の時間(たとえば、4時間)放置し、ナトリウムイオンと銀イオンのイオン交換反応によって銀イオン担持ゼオライト(AgZL)を得る方法等を採用することができる。加えて、銀イオン含有無機化合物として、a)ゼオライトおよびガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機物に銀が担持されてなる無機系化合物、あるいは、b)ゼオライトおよびガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機物に、銀と亜鉛との両方が担持されてなる無機系化合物を用いる場合には、銀イオン含有無機化合物中の銀の含有比率(モル比)が20~40%となるように調整するのが好ましい。
【0022】
さらに、ポリエステル中に添加する銀イオン含有無機化合物の粒径(平均値)を0.1~100μmに調整すると、ポリエステル中での銀イオン含有無機化合物の分散性が良好なものとなり、少量の添加で繊維製品の接触冷感を効果的に高めることが可能となるので好ましい。銀イオン含有無機化合物の粒径は、0.3~30μmであるとより好ましく、0.5~10μmであると特に好ましい。
【0023】
また、上記した銀イオン含有無機化合物のポリエステルに対する添加量は、0.5質量%以上10質量%以下以下であることが必要である。銀イオン含有無機化合物の添加量をそのような範囲内に調整することによって、原料樹脂中における銀イオン含有無機化合物の凝集を防止することが可能となり、繊維製品に良好な接触冷感を発現させることが可能になる。銀イオン含有無機化合物の添加量が0.5質量%未満であると、繊維製品の接触冷感が不十分になるので好ましくなく、反対に、銀イオン含有無機化合物の添加量が10質量%を上回ると、どのような方法を用いても銀イオン含有無機化合物の凝集を回避し難くなるばかりでなく、合成樹脂本来の特性が損なわれる上、紡糸時に破断し易くなるので好ましくない。銀イオン含有無機化合物の添加量は、0.7質量%以上8.0質量%以下であるとより好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下であると特に好ましい。
【0024】
また、原料樹脂中に銀イオン含有無機化合物を添加する方法は、特に限定されず、原料樹脂のモノマー中に銀イオン含有無機化合物を添加した後にモノマーを合成して樹脂化する方法(所謂、重合時添加法)や、銀イオン含有無機化合物を高濃度(10~50質量%)になるように添加した所謂マスターバッチを作製してそのマスターバッチを希釈して使用する方法(所謂、マスターバッチ法)、溶融させた樹脂中に銀イオン含有無機化合物を添加する方法等を好適に利用することができる。なお、マスターバッチ法を用いると、樹脂中への銀イオン含有無機化合物の分散性が良好となるので好ましい。
【0025】
加えて、高濃度の銀イオン含有無機化合物を含有したマスターバッチを作製する際には、銀イオン含有無機化合物とともに硫酸バリウムを添加するのが好ましい。硫酸バリウムを含有することによって、マスターバッチにおいて銀イオン含有無機化合物をより均一に分散させることが可能となる。硫酸バリウムの添加率は、特に限定されないが、銀イオン含有無機化合物の分散性および経済性の観点から、1.0~3.0質量%とするのが好ましい。さらに、添加する硫酸バリウムの粒径も、特に限定されないが、平均粒子径が0.1~8.0μmであると、銀イオン含有無機化合物の一次粒子間に入り込み易くなるため、銀イオン含有無機化合物の凝集をより効果的に防止することが可能となるので好ましく、0.8~1.8μmであると、一層好ましい。
【0026】
また、本発明に係る繊維製品(織物あるいは編物)の形成に用いる異形断面糸(すなわち、銀イオン含有無機化合物を添加したポリエステルからなるフィラメント)の太さは、特に限定されるものではないが、1~1,000デニール(すなわち、1~1,111dtex(デシテックス))の太さであると、繊維製品の接触冷感を効果的に高めることが可能となるので好ましく、10~500デニールの太さであるとより好ましく、50~300デニールの太さであると特に好ましい。さらに、本発明に係る繊維製品(織物あるいは編物)の形成に用いる異形断面糸としては、楕円状の断面を有するものや三角柱状の断面を有するものの他に、図1(a)の如く、円筒部分の外側に複数のフィン状体を放射状に設けた断面を有するもの、図1(b)の如く、複数の花弁状体を中心から放射状に設けた断面を有するもの、図1(c)の如く、扁平な葉状体状の断面を有するもの、図1(d)の如く、略W字状の断面を有するもの、図1(e)の如く、略Y字状の断面を有するもの、図1(f)、図1(g)の如く、十字状の断面を有するもの等を好適に用いることができる。それらの中でも、十字状の断面を有するもの(すなわち、十字断面糸)を用いると、銀イオン含有無機化合物による熱伝導(熱放出)機能と異形断面糸の良好な肌触りとの相乗的な作用によって、繊維製品の接触冷感を飛躍的に高めることが可能となるので特に好ましく、それらの十字断面糸の中でも、略同一の幅を有する2つのフィン状体が直交した形状のもの(図1(f)参照)であるとより好ましい。
【0027】
加えて、本発明に係る繊維製品(織物あるいは編物)は、上記した異形断面糸(すなわち、銀イオン含有無機化合物を添加したポリエステルからなるフィラメント)を主体(すなわち、他のフィラメントとの交繊率(混合率(重量比率))が50質量%以上)とした繊維(ファイバー)によって形成する必要があり、他のフィラメントとの交繊率が、55質量%以上であると好ましく、60質量%以上であるとより好ましく、75質量%以上であると特に好ましい。すなわち、本発明に係る繊維製品(織物あるいは編物)は、上記異形断面糸(すなわち、銀イオン含有無機化合物を添加したポリエステルからなるフィラメント)の重量比率が50質量%以上であれば、他の繊維(ポリエステル以外の合成繊維)や天然繊維(綿や麻等)と混紡したものでも良い。加えて、異形断面糸(すなわち、銀イオン含有無機化合物を添加したポリエステルからなるフィラメント)と交繊するフィラメントの太さも、特に限定されないが、1~1,000デニールの太さであると、繊維製品の接触冷感を効果的に高めることが可能となるので好ましく、10~500デニールの太さであるとより好ましく、50~300デニールの太さであると特に好ましい。また、異形断面糸(すなわち、銀イオン含有無機化合物を添加したポリエステルからなるフィラメント)と交繊するフィラメントは、異形断面糸に限らず、通常の円形断面のものを用いることができるが、異形断面糸を用いると、繊維製品の接触冷感をより効果的に高めることが可能となるので好ましく、十字断面糸を用いると、特に好ましい。
【0028】
また、本発明に係る繊維製品(織物あるいは編物)は、通気度が50cm/(cm・S)未満であると好ましい。通常の繊維製品は、通気度が50cm/(cm・S)以上であると通気性が良く冷感を提供できると言われているが、本発明に係る繊維製品は、そのような従来の考え方とは異なり、熱伝導率がきわめて低い空気と体(身体)の表皮(肌)とを分離しつつ、主体繊維の有する高い熱伝導性を効率的に発現させることによって、使用者に良好な冷感を提供可能としたものである。なお、通気度は、低くなりすぎると、発汗時に水蒸気が通過しにくくなるため、3~50cm/(cm・S)未満の範囲に調整すると好ましく、15~40cm/(cm・S)の範囲に調整するとより好ましい。
【0029】
加えて、本発明に係る繊維製品の原料樹脂(ポリエステル)中には、加工性、生産性向上や特性改善のために、原料樹脂の特性を阻害しない範囲内で、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料や染料等の着色剤、平滑剤、可塑剤、抗菌剤、防かび剤、消臭剤等の各種の添加剤を添加することも可能である。
【0030】
本発明に係る繊維製品は、良好な接触冷感を提供するものであるから、ブラウス、ドレスシャツ、カッターシャツ、ポロシャツ、スカート、スラックス、下着、靴下等の各種の衣類、手袋、帽子、ストール等の各種の装身具、タオル、ハンカチ、寝具、寝具カバー(シーツ、枕カバー、布団カバー)、ブランケット、布製のバックパック、布製のウエストポーチ、布製の靴等の使用者の肌(皮膚)に接触した状態で使用される様々な用途に好適に用いることができる。本発明に係る繊維製品を衣類とする場合には、夏用のものであっても、半袖ではなく長袖とするのが好ましい。熱伝導率の低い空気と体(身体)の表皮(肌)との接触を広い面積で遮断するとともに、本発明に係る繊維製品からなる熱伝導率の高い布によって効率的に熱を外部に伝導(放出)することによって、良好な接触冷感を提供することが可能になるからである。
【0031】
加えて、本発明に係る繊維製品は、口元を覆うように顔面に装着して使用するマスクの全体あるいは一部の形成材料として好適に用いることができ、かかる場合には、少なくとも、装着時に口の周囲に当たる部分を、本発明に係る繊維製品によって形成するのが好ましい。そのように、装着時に口の周囲に当たる部分を本発明に係る繊維製品で形成することによって、夏場でも暑苦しさを感じさせない装着感の良好なマスクを提供することが可能となる。加えて、マスクの装着時に口の周囲に当たる部分を、本発明に係る繊維製品によって形成する場合には、当該繊維製品を、銀イオン含有無機化合物を含有したポリエステル系樹脂繊維を緯糸とし、その緯糸よりも細いポリエステル系樹脂繊維(銀イオン含有無機化合物を含有を含有していないもの)を経糸として、経密度が緯密度より高くなるように平織りした織布とすることによって、マスクに良好な耐久強度ときわめて良好な装着感とを同時に発現させることが可能となるので、特に好ましい。
【実施例
【0032】
以下、本発明に係る繊維製品について実施例によって詳細に説明するが、本発明は、それらの実施例の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。また、実施例・比較例における物性、特性の評価方法は以下の通りである。
【0033】
<Q-max値>
カトーテック株式会社製 接触冷温感試験機KES-QMを用いて、JIS L 1927に準じた方法(所謂、室温+10℃加熱法)によって測定した。すなわち、実施例・比較例で得られた繊維製品(織物あるいは編物)である布を、10cm×10cmの大きさに3枚切り出し、接触冷温感試験機を用いて、温度=20±2℃、湿度=65%±2%RHの環境下で、高温側のT-Boxを温度30℃に設定するとともに、低温側を発泡スチロール製断熱材を用いて温度20℃に設定し、温度差=10℃の測定条件にてQmax(J/cm2/sec)を測定した。
【0034】
<保温率>
JIS L 1096に準じた方法により測定した。すなわち、人体に見立てた恒温発熱体からの熱損失(H)を測定するとともに、実施例・比較例で得られた繊維製品(織物あるいは編物)で恒温発熱体で覆ったときの熱損失(H)を測定し、下式(1)によって保温率(%)を算出した。
保温率(%)=(H-H)/H×100 ・・・(1)
【0035】
<接触冷感>
実施例・比較例で得られた繊維製品(織物あるいは編物)を手で触ったときの冷感(ヒヤリ感、涼感)を下記の4段階で官能評価した(5名の評価者の平均値)。
◎・・非常に冷たく感じる。
○・・冷たく感じる。
△・・わずかに冷たく感じる。
×・・冷たく感じない。
【0036】
<接触冷感持続性>
自動反転渦巻き電気洗濯機内で、約60℃の水中に合成洗剤(花王株式会社製 アタック)を0.66g/lの割合で溶解させ、浴比1:30にて強条件で15分間洗濯し、脱水し、3分間溜め濯ぎをして脱水した後、再度、3分間の溜め濯ぎおよび脱水を2回繰り返した。さらに、その洗濯から最終的な脱水までのサイクルを5回繰り返した後に、風乾した。しかる後、上記した方法と同様な方法によって、接触冷感を評価した。
【0037】
<着用時の冷感>
実施例・比較例で得られた衣類(ポロシャツ、カッターシャツ)を、屋外(温度=約30℃、直射日光が当たらない場所、風速=約2m/sec.)において着用し、着用時の冷感(ヒヤリ感、涼感)を、下記の4段階で官能評価した(5名の治験者の平均値)。なお、当該官能評価は、比較例2で得られたポロシャツを着用した際の冷感の評価結果を基準とした相対的な評価(すなわち、比較例2のポロシャツを着用したときと比べた評価)とした。
◎・・涼しく感じる。
○・・わずかに涼しく感じる。
△・・涼しさを感じない。
×・・暑く感じる。
【0038】
<通気度>
フラジール形試験機を使用し、JIS L 1096(通気性試)に準拠した方法で測定した。すなわち、所定の大きさ(約200mm×200mm)に裁断した試験片をフラジール形試験機に取り付け、試験片の片面側から125Paの圧力になるように空気を吸引し、そのときに試験片を通過する空気流量を測定し、当該空気流量と試験片の面積とから、下式(1)によって算出した(n=5)。
通気度(cm/(cm・s))=空気流量/試験片の面積 ・・・式(1)
【0039】
[実施例1]
<銀イオン含有無機化合物の高濃度マスターバッチの作製>
ポリエチレンテレフタレート(IV=0.55)68質量部、銀イオン含有無機化合物としての銀イオン含有溶解性ガラス(銀を含有させたリン酸・ホウ酸ガラス(富士ケミカル株式会社製 抗菌剤バクテキラーBM-103シリーズ、平均粒子径=10μm以下))30質量部、硫酸バリウム2質量部を溶融混練することによって、30質量%の銀イオン含有無機化合物を含有したポリエチレンテレフタレートのマスターバッチ(銀の含有量=6質量%)を作製した。
【0040】
<銀イオン含有ポリエチレンテレフタレート繊維の作製>
上記の如く得られたマスターバッチ10質量部、ポリエチレンテレフタレート(銀イオン含有無機化合物を含有しないもの、IV=0.61)90質量部を、押出機内で280℃で溶融混練して紡糸原料を得た。そして、その紡糸原料を、異形断面孔(48個の十字断面孔)から吐出して紡糸し、その糸条に、温度17℃、湿度70%、風速0.8m/分の条件で風を吹き付けた後に、紡糸油剤を塗布して、ローラーで360m/分の速度で引き取った。しかる後、その糸条を、表面温度90℃の加熱ローラーに接触せしめてガラス転移温度よりも高い温度まで加熱し、表面温度160℃の加熱ローラーによって5.0倍に延伸して仮撚りした後に、冷風を吹き付けて糸条をガラス転移温度よりも低い温度まで冷却して巻き取ることによって、48本の長繊維より構成されるポリエチレンテレフタレート繊維(十字断面糸からなる糸条体(モノフィラメントの集合体)、総繊度84dtex)を得た。なお、図2は、得られたポリエチレンテレフタレート繊維の単繊維の断面を示したものであり、得られたポリエチレンテレフタレート繊維の単繊維は、2つのトラック形の楕円を互いに直交するように中央で重ね合わせた形状の十字断面を有している。
【0041】
<混合繊維の作製>
さらに、上記の如く得られた銀イオン含有ポリエチレンテレフタレート繊維(十字断面糸からなる糸条体)と、72本の長繊維より構成されるポリエチレンテレフタレート糸(通常の円形断面を有するポリエチレンテレフタレートのフルダル糸からなる糸条体、総繊度84dtex)と、3本の長繊維より構成されるポリエチレンテレフタレート糸(通常の円形断面を有するポリエチレンテレフタレートのブライト糸からなる糸条体、総繊度44dtex)とを、混繊することによって、銀イオン含有十字断面糸、フルダル糸、ブライト糸の重量比率(%)が、それぞれ、56.5,28.3,15.2の繊維(混合繊維)を得た。
【0042】
<繊維製品の製造>
そして、上記の如く得られた銀イオン含有十字断面糸、フルダル糸およびブライト糸からなる混合繊維を、縦編みすることによって、ダブルデンピ組織を有する編み地からなるポロシャツ(長袖)を製造した。そして、得られた繊維製品(編み地)を用いて、上記した方法によって、Q-max値、保温率、通気度、接触冷感、接触冷感持続性および着用時冷感を評価した。評価結果を、繊維製品の性状とともに表1に示す。
【0043】
[実施例2]
銀イオン含有無機化合物の高濃度マスターバッチを製造する際に、ポリエチレンテレフタレートに添加する銀イオン含有無機化合物を、ゼオライトに銀が担持された化合物(銀のモル比=50%のAgZL)に変更した。そして、それ以外は、実施例1と同様にして、銀イオン含有ポリエチレンテレフタレート繊維(十字断面糸)、混合繊維を作製し、当該混合繊維によって実施例2の繊維製品(長袖のポロシャツ)を得た。そして、得られた繊維製品(ポロシャツの編み地)のQ-max値、保温率、通気度、接触冷感、接触冷感持続性および着用時冷感を、実施例1と同様な方法で評価した。評価結果を、繊維製品の性状とともに表1に示す。
【0044】
[実施例3]
実施例1と同様な方法によって、銀イオン含有溶解性ガラス(銀を含有させたリン酸・ホウ酸ガラス)を添加したポリエチレンテレフタレートからなる48本の長繊維より構成される十字断面糸を得た。そして、得られた銀イオン含有ポリエチレンテレフタレート繊維(十字断面糸)と、36本の長繊維より構成されるポリエチレンテレフタレート糸(通常の円形断面を有するポリエチレンテレフタレートのカチオン糸からなる糸条体、総繊度56dtex)とを混繊することによって、銀イオン含有十字断面糸、カチオン糸の重量比率(%)が、それぞれ、63.8,36.2の繊維(混合繊維)を得た。そして、得られた銀イオン含有十字断面糸およびカチオン糸からなる混合繊維を、丸編みすることによって、モクロディ組織を有する編み地からなる実施例3の繊維製品(長袖のポロシャツ)を製造した。そして、得られた繊維製品(ポロシャツの編み地)のQ-max値、保温率、通気度、接触冷感、接触冷感持続性および着用時冷感を、実施例1と同様な方法で評価した。評価結果を、繊維製品の性状とともに表1に示す。
【0045】
[実施例4]
実施例3と同様な方法によって、銀イオン含有十字断面糸、カチオン糸の重量比率(%)が、それぞれ、63.8,36.2の繊維(混合繊維)を得た。そして、得られた銀イオン含有十字断面糸およびカチオン糸からなる混合繊維を、丸編みすることによって、天竺組織を有する編み地からなる実施例4の繊維製品(長袖のポロシャツ)を製造した。そして、得られた繊維製品(ポロシャツの編み地)のQ-max値、保温率、通気度、接触冷感、接触冷感持続性および着用時冷感を、実施例1と同様な方法で評価した。評価結果を、繊維製品の性状とともに表1に示す。
【0046】
[実施例5]
銀イオン含有無機化合物の高濃度マスターバッチから銀イオン含有ポリエチレンテレフタレート繊維を作製する際に、高濃度マスターバッチとポリエチレンテレフタレート(銀イオン含有無機化合物を含有しないもの)との混合比率を、2質量部:98質量部に変更した。そして、それ以外は、実施例1と同様にして、銀イオン含有ポリエチレンテレフタレート繊維(十字断面糸)、混合繊維を作製し、当該混合繊維によって実施例5の繊維製品(長袖のポロシャツ)を得た。そして、得られた繊維製品(ポロシャツの編み地)のQ-max値、保温率、通気度、接触冷感、接触冷感持続性および着用時冷感を、実施例1と同様な方法で評価した。評価結果を、繊維製品の性状とともに表1に示す。
【0047】
[実施例6]
銀イオン含有無機化合物の高濃度マスターバッチから銀イオン含有ポリエチレンテレフタレート繊維を作製する際に、高濃度マスターバッチとポリエチレンテレフタレート(銀イオン含有無機化合物を含有しないもの)との混合比率を、40質量部:60質量部に変更した。そして、それ以外は、実施例1と同様にして、銀イオン含有ポリエチレンテレフタレート繊維(十字断面糸)、混合繊維を作製し、当該混合繊維によって実施例6の繊維製品(長袖のポロシャツ)を得た。そして、得られた繊維製品(ポロシャツの編み地)のQ-max値、保温率、通気度、接触冷感、接触冷感持続性および着用時冷感を、実施例1と同様な方法で評価した。評価結果を、繊維製品の性状とともに表1に示す。
【0048】
[実施例7]
実施例1と同様な方法によって得られた混合繊維を緯糸および経糸として、緯密度90本/吋、経密度90本/吋とした平織りによって織布を得た。そして、その織布を用いて実施例7の繊維製品(長袖のカッターシャツ)を製造した。そして、得られた繊維製品(カッターシャツの織り地)のQ-max値、保温率、接触冷感、通気度、接触冷感持続性および着用時冷感を、実施例1と同様な方法で評価した。実施例1の評価結果を、繊維製品の性状とともに表1に示す。
【0049】
[実施例8]
ポリエチレンテレフタレート(IV=0.55)68質量部、銀イオン含有無機化合物(ゼオライトに銀および亜鉛が担持された化合物とガラスに銀および亜鉛が担持された化合物との混合物、銀のモル比=40%、平均粒子径=2.0μm)30質量部、硫酸バリウム2質量部を溶融混練することによって、30質量%の銀イオン含有無機化合物を含有したポリエチレンテレフタレートのマスターバッチを作製した。さらに、得られたマスターバッチ10質量部、ポリエチレンテレフタレート(銀イオン含有無機化合物を含有しないもの、IV=0.61)90質量部を、押出機内で280℃で溶融混練して紡糸原料を得た。そして、その紡糸原料を用いて、実施例1と同様にして、銀イオン含有ポリエチレンテレフタレート繊維(十字断面糸)、混合繊維を作製し、当該混合繊維によって実施例8の繊維製品(半袖のポロシャツ)を得た。そして、得られた繊維製品(ポロシャツの編み地)のQ-max値、保温率、通気度、接触冷感、接触冷感持続性および着用時冷感を、実施例1と同様な方法で評価した。評価結果を、繊維製品の性状とともに表1に示す。
【0050】
[比較例1]
銀イオン含有無機化合物を含有しないポリエチレンテレフタレートからなる48本の長繊維より構成されるポリエチレンテレフタレート繊維(通常の円形断面を有するポリエチレンテレフタレートのフルダル糸からなる糸条体)と、36本の長繊維より構成されるポリエチレンテレフタレート糸(通常の円形断面を有するポリエチレンテレフタレートのカチオン糸からなる糸条体、総繊度56dtex)とを、混繊することによって混合繊維を得た。そして、得られた混合繊維を、丸編みすることによって、モクロディ組織を有する編み地からなる比較例1の繊維製品(半袖のポロシャツ)を製造した。そして、得られた繊維製品(ポロシャツの編み地)のQ-max値、保温率、通気度、接触冷感、接触冷感持続性および着用時冷感を、実施例1と同様な方法で評価した。評価結果を、繊維製品の性状とともに表1に示す。
【0051】
[比較例2]
綿100%で総繊度185dtexの綿糸を、丸編みすることによって、鹿の子組織を有する編み地からなる比較例2の繊維製品(半袖のポロシャツ)を製造した。そして、得られた繊維製品(ポロシャツの編み地)のQ-max値、保温率、通気度、接触冷感、接触冷感持続性および着用時冷感を、実施例1と同様な方法で評価した。評価結果を、繊維製品の性状とともに表1に示す。
【0052】
[比較例3]
銀イオン含有ポリエチレンテレフタレート繊維を作製する際に、紡糸原料(実施例2と同様に得られたマスターバッチと銀イオン含有無機化合物を含有しないポリエチレンテレフタレートとの溶融混練樹脂)を、円形断面孔(48個の円形断面孔)から吐出させて紡糸した。そして、それ以外は、実施例1と同様にして、ダブルデンピ組織を有する編み地からなる比較例2の繊維製品(半袖のポロシャツ)を製造した。そして、得られた繊維製品(ポロシャツの編み地)のQ-max値、保温率、通気度、接触冷感、接触冷感持続性および着用時冷感を、実施例1と同様な方法で評価した。評価結果を、繊維製品の性状とともに表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
表1から、実施例1~8で得られた繊維製品(すなわち、銀イオン含有無機化合物を含有したポリエチレンテレフタレートからなる異形断面糸を主体とする繊維からなる繊維製品)は、いずれも接触冷感、接触冷感の持続性および着用時冷感が良好であることが分かる。それに対して、銀イオン含有無機化合物を含有していないポリエチレンテレフタレートの異形断面糸を主体とする繊維からなる比較例1の繊維製品、綿糸からなる比較例2の繊維製品、および、銀イオン含有無機化合物を含有したポリエチレンテレフタレートの円形断面糸を主体とする繊維からなる比較例3の繊維製品は、いずれも、接触冷感、接触冷感持続性および着用時冷感が不良であることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明に係る繊維製品は、上記の如く優れた効果を奏するものであるから、良好な接触冷感が必要とされる衣類、寝具、マスク等の各種の用途に好適に用いることができる。
【要約】
【課題】衣類、寝具、装身具等に用いた場合に使用者に良好な接触冷感を提供可能である上、安価かつ容易に製造することができる繊維製品を提供する。
【解決手段】銀イオン含有無機化合物を含有したポリエチレンテレフタレートを通常のポリエチレンテレフタレートと溶融混練してなる紡糸原料を、異形断面孔から吐出して紡糸し、所定の倍率で延伸することによって十字断面糸を得た。さらに、その十字断面糸と、ポリエチレンテレフタレートのフルダル糸と、ポリエチレンテレフタレートのブライト糸とを混繊することによって混合繊維を得た。そして、その混合繊維を縦編みすることによって、ダブルデンピ組織を有する編み地からなるポロシャツを製造した。
【選択図】なし
図1
図2