(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】フレキシブル熱電素子及び製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 35/32 20060101AFI20220228BHJP
H01L 35/34 20060101ALI20220228BHJP
H01L 35/30 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
H01L35/32 A
H01L35/34
H01L35/30
(21)【出願番号】P 2016233434
(22)【出願日】2016-11-30
【審査請求日】2019-08-08
(31)【優先権主張番号】10-2016-0032734
(32)【優先日】2016-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】ウン、ヨン、イ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、グン、パク
(72)【発明者】
【氏名】サン、ハク、キム
(72)【発明者】
【氏名】ミ、ヨン、ソン
【審査官】田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0318591(US,A1)
【文献】米国特許第05022928(US,A)
【文献】特開2005-328000(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02620573(FR,A1)
【文献】国際公開第2014/152570(WO,A2)
【文献】特表2013-546175(JP,A)
【文献】特開2006-100346(JP,A)
【文献】特開2008-192970(JP,A)
【文献】特開2009-182143(JP,A)
【文献】特開2014-146708(JP,A)
【文献】特開2006-066822(JP,A)
【文献】特開2000-232244(JP,A)
【文献】特開昭59-000298(JP,A)
【文献】特開平08-222771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 35/32
H01L 35/34
H01L 35/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温部と低温部との間に熱電素子が備えられ、
前記熱電素子は、複数のP型素材と複数のN型素材がそれぞれ交互に配置されるリボン
型構造に形成され、前記P型素材区間と前記N型素材区間でフォールディングされてフォールディング部を形成し、フォールディングされた前記P型素材と前記N型素材との間に絶縁性フィラーが
部分的にコーティングされ
、
前記絶縁性フィラーは、
前記P型素材
の一面上に配置され、かつ、
前記N型素材
の他面上に配置されることを特徴とするフレキシブル熱電素子。
【請求項2】
前記高温部と前記熱電素子のフォールディング部との間には、前記高温部と前記熱電素子を連結して熱移動を可能にする接合材が備えられることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル熱電素子。
【請求項3】
前記低温部と前記熱電素子のフォールディング部との間には、前記低温部と前記熱電素子を連結して熱移動を可能にする接合材が備えられることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル熱電素子。
【請求項4】
前記接合材は複数個備えられ、前記熱電素子のフォールディング部にそれぞれ備えられることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のフレキシブル熱電素子。
【請求項5】
前記絶縁性フィラーは、ガラス系、セラミック系、ゴム系又は高分子系で形成されることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル熱電素子。
【請求項6】
前記接合材は、エポキシ又はセラミック系の絶縁性接合物質で形成されることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載のフレキシブル熱電素子。
【請求項7】
絶縁性フィラーが高温部と低温部に所定間隔離隔された状態で複数個形成され、
複数のP型素材と複数のN型素材が一体に備えられた熱電素子が、前記高温部と前記低温部との間に水平に備えられ、前記高温部と前記低温部の加圧時に前記絶縁性フィラーの間に前記熱電素子が挿入され、
前記熱電素子は、複数のP型素材と複数のN型素材がそれぞれ交互に配置されるリボン
型構造に形成され、
前記
熱電素子は、前記高温部と前記低温部の加圧時に
交互にフォールディングされ、
前記絶縁性フィラーは、
前記P型素材
の一面上に配置され、かつ、
前記N型素材
の他面上に配置されることを特徴とするフレキシブル熱電素子。
【請求項8】
PタイプまたはNタイプからなるリボン型フレキシブル構造の熱電素子をベンディングさせる第1段階と;
前記第1段階でベンディングされた熱電素子の一部を溶媒処理し、P型素材区間とN型素材区間が一体型に備えられるようにする第2段階と;
前記第2段階を介してP型素材区間とN型素材区間が一体に備えられた熱電素子を平坦化させる第3段階と;
前記第3段階を介して平坦化された熱電素子のP型素材とN型素材に絶縁性フィラーを部分的にコーティングする第4段階と;
前記第4段階で
絶縁性フィラーがコーティングされた熱電素子を、P型素材区間とN型素材区間でフォールディングさせる第5段階と;
前記第5段階でフォールディングされた熱電素子を、高温部と低温部との間に備えさせる第6段階;を含むことを特徴とするフレキシブル熱電素子の製造方法。
【請求項9】
前記第4段階で前記絶縁性フィラーは、前記P型素材の一面と前記N型素材の他面に備えられることを特徴とする請求項8に記載のフレキシブル熱電素子の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁性フィラーは、ガラス系、セラミック系、ゴム系又は高分子系で形成されることを特徴とする請求項9に記載のフレキシブル熱電素子の製造方法。
【請求項11】
前記第6段階は、前記フォールディングされた熱電素子と前記高温部及び前記低温部との間に熱移動通路である接合材が備えられるようにすることを特徴とする請求項8に記載のフレキシブル熱電素子の製造方法。
【請求項12】
前記接合材は、エポキシ又はセラミック系の絶縁性接合物質で形成されることを特徴とする請求項11に記載のフレキシブル熱電素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル熱電素子及び製造方法に関し、特にP型素材とN型素材を含む一つのフレキシブル熱電素子をフォールディングしてモジュールを構成し、高温部及び低温部と接触する部分で工程性を向上させ、コンタクト抵抗を減少させるためのフレキシブル熱電素子及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に有機物に基づいた熱電素子は、フィルム状からなり、厚さは数十ナノメートルから数十マイクロメートルで形成される。
【0003】
また、熱電素子はIn-plane(面内)方向への熱電性能に優れ、フィルムのIn-plane方向に温度勾配を与えればこそ発電することができる。
【0004】
一方、Out-of-plane(面外)方向では、厚さがかなり薄いため熱平衡を成すこととなり、温度勾配が生じないので発電が難しくなる。
【0005】
従来の熱電素子は、
図1に示すように、実際のシステムで高出力の発電のためには、高温部10と低温部20との間に熱電素子30を繰り返して高密度で配置しなければならず、さらにN型とP型の熱電素子を交互に配置することにより、素材等が電気的に直列連結されるようにしなければならない。
【0006】
しかし、従来には、熱電素子と高温部及び低温部との間に接合材40だけでなく、それぞれの熱電素子を連結させるための電極50が備えられることにより、電流移動通路に電極界面抵抗が発生することとなり、熱衝撃などによって界面脱離またはクラック生成時に電気抵抗が増加するか、電力が急減して故障が発生することとなる。
【0007】
また、数十マイクロメートルから数十ナノメートルの厚さのフィルムを裁断して整列させ、それぞれのフィルムをコンタクトさせることにより、工程性と費用的損失が高く、かつ、熱電素子の構成によって100マイクロメートルの厚さのフィルムを縦方向に立てることが不可能であり、立てることができるとしても工程的損失が大きくなる問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国登録特許 第10-1346568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記問題点を解消するためのフレキシブル熱電素子及び製造方法に関し、特にP型素材とN型素材を含む一つのフレキシブル熱電素子をフォールディングしてモジュールを構成し、高温部及び低温部と接触する部分で工程性を向上させ、コンタクト抵抗は減少させることに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような本発明は、高温部と低温部との間に熱電素子が備えられ、前記熱電素子は一定間隔でP型素材とN型素材が複数個形成され、前記P型素材区間と前記N型素材区間でフォールディングされてフォールディング部を形成し、フォールディングされた前記P型素材と前記N型素材との間に絶縁性フィラーがコーティングされるようにすることにより達成される。
【0011】
前記高温部と前記熱電素子のフォールディング部との間には、前記高温部と前記熱電素子を連結して熱移動を可能にする接合材が備えられるようにするのが好ましい。
【0012】
前記低温部と前記熱電素子のフォールディング部との間には、前記低温部と前記熱電素子を連結して熱移動を可能にする接合材が備えられるようにするのが好ましい。
【0013】
前記接合材は複数個備えられ、前記熱電素子のフォールディング部にそれぞれ備えられるようにするのが好ましい。
【0014】
前記絶縁性フィラーは、ガラス系、セラミック系、ゴム系又は高分子系で形成されるようにするのが好ましい。
【0015】
前記接合材は、エポキシ又はセラミック系の絶縁性接合物質で形成されるようにするのが好ましい。
【0016】
また、本発明は、絶縁性フィラーが高温部と低温部に所定間隔離隔された状態で複数個形成され、一定間隔で複数のP型素材とN型素材が一体に備えられた熱電素材が前記高温部と前記低温部との間に水平に備えられ、前記高温部と前記低温部の加圧時に、前記絶縁性フィラーの間に前記熱電素材が挿入されるようにすることにより達成される。
【0017】
また、本発明は、PタイプまたはNタイプからなるリボン型フレキシブル構造の熱電素子をベンディングさせる第1段階と;前記第1段階でベンディングされた熱電素子の一部を溶媒処理してP型素材区間とN型素材区間が一体型に備えられるようにする第2段階と;前記第2段階を介してP型素材区間とN型素材区間が一体に備えられた熱電素子を平坦化させる第3段階と;前記第3段階を介して平坦化された熱電素子のP型素材とN型素材に絶縁性フィラーを部分的にコーティングする第4段階と;前記第4段階で熱電素子がコーティングされた熱電素子をP型素材区間とN型素材区間でフォールディングさせる第5段階と;前記第5段階でフォールディングされた熱電素子を高温部と低温部との間に備えさせる第6段階;を含むことにより達成される。
【0018】
前記第4段階で前記絶縁性フィラーは、前記P型素材の一面と前記N型素材の他面に備えられるようにするのが好ましい。
【0019】
前記絶縁性フィラーは、ガラス系、セラミック系、ゴム系又は高分子系で形成されるようにするのが好ましい。
【0020】
前記第6段階は、前記フォールディングされた熱電素子と前記高温部及び前記低温部との間に熱移動通路である接合材が備えられるようにするのが好ましい。
【0021】
前記接合材は、エポキシ又はセラミック系の絶縁性接合物質で形成されるようにするのが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
以上のような本発明は、P型素材とN型素材を含む一つのフレキシブル熱電素子をフォールディングしてモジュールを構成することにより、高温部及び低温部と接触する部分で熱電素子の個別裁断及び整列が不要であり、電気的なコンタクト工程を除去しながら熱的なコンタクトのみ形成されるようにしてコンタクト抵抗を減少させ、これにより出力及び工程性を向上させ、P型素材とN型素材の基本素材が同一なので、二つの物質の間の熱膨張係数の差による破損を防止し、耐久性と安全性の増大に効果のある発明である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】本発明のフレキシブル熱電素子を示す断面図である。
【
図3】本発明のフレキシブル熱電素子の製造方法を示すフローチャートである。
【
図4】本発明のフレキシブル熱電素子の製造方法において、熱電素子の形成過程を示す図である。
【
図5】本発明のフレキシブル熱電素子の製造方法において、熱電素子の形成過程の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態を図面を参照して詳しく説明する。
【0025】
本発明のフレキシブル熱電素子は、
図2に示すように、高温部10と低温部20との間の熱電素子100がP型素材110の区間とN型素材120の区間でなされてフォールディングされ、フォールディングされた間に絶縁性フィラー130がコーティングされることを特徴とする。
【0026】
熱電素子100は、フレキシブルなリボン構造でなされて熱源構造である高温部10と低温部20との間に備えられる。
【0027】
このとき、熱電素子100は、一定間隔でP型素材110とN型素材120が複数個形成され、P型素材110の区間とN型素材120の区間でフォールディングされて複数のフォールディング部を形成する。
【0028】
また、フォールディングされたP型素材110とN型素材120との間には、熱伝導度の低い絶縁性フィラー130がコーティングされるようにして、熱電素子100のP型素材110とN型素材120を絶縁させるようにする。
【0029】
絶縁性フィラー130は、ガラス系、セラミック系、ゴム系又は高分子系で形成されるようにするのが好ましい。
【0030】
一方、高温部10と熱電素子100のフォールディング部との間には、接合材140が備えられるようにして、高温部10と熱電素子100を連結して熱移動通路を形成することにより、単に熱移動のみ可能にするのが好ましい。
【0031】
また、低温部20と熱電素子100のフォールディング部との間にも、接合材140が備えられるようにし、低温部20と熱電素子100を連結して熱移動を可能にする。
【0032】
このとき、接合材140は複数個備えられ、熱電素子100のフォールディング部にそれぞれ備えられるようにするのが好ましい。
【0033】
一方、接合材140は、エポキシ又はセラミック系の絶縁性接合物質で形成されるようにする。
【0034】
また、本発明は、
図5に示すように、絶縁性フィラー130が高温部10と低温部20に所定間隔離隔された状態で複数個形成され、一定間隔で複数のP型素材110とN型素材120が一体に備えられた熱電素材100が高温部10と低温部20との間に水平に備えられ、高温部10と低温部20に外力加圧時に絶縁性フィラー130の間に熱電素材130が挿入され得るようにするのが好ましい。
【0035】
つまり、絶縁性フィラー130が熱源構造である高温部10と低温部20に所定間隔離隔されて備えられた状態で、P型素材110とN型素材120が一体に備えられた平坦な熱電素子100を、高温部10と低温部20に備えられた絶縁性フィラー130の間に入れて加圧し、鋸歯が噛み合うように挟み込む方法で形成されてもよい。
【0036】
このように、本発明は、高温部10と低温部20との間に熱電素子100が備えられた状態で、熱電素子100が一定間隔でP型素材110とN型素材120が複数個形成され、P型素材110の区間とN型素材120の区間でフォールディングされてフォールディング部を形成し、フォールディングされたP型素材110とN型素材120との間に絶縁性フィラー130がコーティングされるようにし、熱電素子100と高温部10及び低温部20との間に接合材140が備えられるようにして、熱電素子100と高温部10及び低温部20を連結させて熱移動を可能にするとともに、電流移動は熱電素子100を介してのみ可能にすることにより、界面異常発生時に熱伝達が可能であり、電気的流れに影響がないようにする。
【0037】
また、本発明のフレキシブル熱電素子の製造方法は、
図3及び
図4に示すように、PタイプまたはNタイプの熱電素子100をベンディングさせる第1段階(S10)と、熱電素子100の一部を溶媒処理してP型素材110の区間とN型素材120の区間が形成されるようにする第2段階(S20)と、熱電素子100を平坦化させる第3段階(S30)と、P型素材110とN型素材120に絶縁性フィラー130を部分的にコーティングする第4段階(S40)と、熱電素子100をフォールディングさせる第5段階(S50)と、フォールディングされた熱電素子100を高温部10と低温部20との間に備えさせる第6段階(S60)を含む。一方、フレキシブル熱電素子に関する内容は
図2を参照する。
【0038】
第1段階(S10)は、PタイプまたはNタイプからなるリボン型フレキシブル構造の熱電素子100をベンディングさせて多数の区間で屈折が形成されるようにする段階である。
【0039】
第2段階(S20)は、第1段階(S10)でベンディングされた熱電素子100の一部をタイプ変化用溶媒処理溶液に浸漬し、溶媒処理を介して溶媒処理溶液に浸漬された部分の素材が変形されるようにし、P型素材110の区間とN型素材120の区間が一体型に備えられるようにする。
【0040】
第3段階(S30)は、第2段階(S20)を介してP型素材110の区間とN型素材120の区間が一体に備えられた熱電素子100を平坦化させる段階である。
【0041】
第4段階(S40)は、第3段階(S30)を介して平坦化された熱電素子100のP型素材110とN型素材120に絶縁性フィラー130を部分的にコーティングする段階である。
【0042】
このとき、第4段階(S40)で絶縁性フィラー130は、P型素材110の一面とN型素材120の他面に備えられるようにし、後述する第5段階(S50)の熱電素子100のフォールディング時に、熱電素子100のP型素材110とN型素材120を絶縁させ得るようにするのが好ましい。
【0043】
一方、絶縁性フィラー130は、ガラス系、セラミック系、ゴム系又は高分子系で形成され、絶縁性を向上させるようにするのが好ましい。
【0044】
第5段階(S50)は、第4段階(S40)で熱電素子100がコーティングされた熱電素子100を、P型素材110の区間とN型素材120の区間でフォールディングさせる段階である。
【0045】
第6段階(S60)は、第5段階(S50)でフォールディングされた熱電素子100を、高温部10と低温部20との間に備えさせてフレキシブル熱電素子100を完成する段階である。
【0046】
一方、第6段階(S60)は、フォールディングされた熱電素子100と高温部10及び低温部20との間に熱移動通路である接合材140が備えられるようにする段階を含ませる。
【0047】
このとき、接合材140は、エポキシ又はセラミック系の絶縁性接合物質で形成されるようにし、熱電素子100と高温部10及び低温部20との接合性を向上させるとともに、熱移動を容易にするのが好ましい。
【0048】
一方、本発明のフレキシブル熱電素子の製造方法は、
図5に示すように、絶縁性フィラー130が熱源構造である高温部10と低温部20に所定間隔離隔されて備えられた状態で、P型素材110とN型素材120が一体に備えられた平坦な熱電素子100を、高温部10と低温部20に備えられた絶縁性フィラー130の間に入れて加圧し、鋸歯が噛み合うように挟み込む方法で形成されてもよい。
【0049】
このように、本発明は、高温部10と低温部20との間に熱電素子100が備えられ、かつ、熱電素子100は一定間隔でP型素材110とN型素材120が複数個形成され、P型素材110の区間とN型素材120の区間でフォールディングされてフォールディング部を形成し、フォールディングされたP型素材110とN型素材120の間に絶縁性フィラー130がコーティングされるようにし、P型素材110とN型素材120を含む一つのフレキシブル熱電素子100をフォールディングしてモジュールを構成することにより、高温部10及び低温部20と接触する部分で熱電素子100の個別裁断及び整列が不要であり、電気的なコンタクト工程を除去しながら熱的なコンタクトのみ形成されるようにしてコンタクト抵抗を減少させ、これにより出力及び工程性を向上させ、P型素材110とN型素材120の基本素材が同一なので、二つの物質の間の熱膨張係数の差による破損を防止し、耐久性と安全性を増大させる。
【0050】
以上のように、本発明は、たとえ限定された実施形態と図面によって説明されたとしても、本発明はこれによって限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0051】
10 高温部 20 低温部
100 熱電素子 110 P型素材
120 N型素材 130 絶縁性フィラー
140 接合材