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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20220228BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20220228BHJP
   G02F 1/155 20060101ALI20220228BHJP
   G02F 1/167 20190101ALI20220228BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 308Z
G09F9/30 349E
G09F9/30 365
G02F1/1345
G02F1/155
G02F1/167
G02B5/30
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017152647
(22)【出願日】2017-08-07
(65)【公開番号】P2019032410
(43)【公開日】2019-02-28
【審査請求日】2020-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遊津 元希
(72)【発明者】
【氏名】日向野 敏行
(72)【発明者】
【氏名】日向野 絵美
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-128006(JP,A)
【文献】特開2009-086077(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0204183(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0047547(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G02F 1/1345
G02F 1/155
G02F 1/167
G02B 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域を有する可撓性の第1基板及び第2基板と、
前記第1基板にあり、複数の端子が形成された駆動領域と、
前記複数の端子に接続された外部駆動回路と、
前記複数の端子から前記表示領域側に延在する配線と、
前記配線に重畳する第1樹脂膜と、
前記第2基板の上に重ねられた偏光部材と、を備え、
前記偏光部材の端部は、前記第2基板の端部よりも前記表示領域側であり、
平面視において、前記第1樹脂膜と前記第2基板との間に隙間があり、
前記隙間を覆う第2樹脂膜を備える表示装置。
【請求項2】
前記第2樹脂膜は、前記第2基板の少なくとも一部を覆っている請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の端子から前記表示領域に向かう方向において、前記第1樹脂膜の幅は、前記駆動領域の幅の90%以上100%未満である請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
平面視において、前記偏光部材と前記第2樹脂膜とは重畳しない請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記外部駆動回路の配線の延在方向に交差する方向に延在する第1突起部をさらに備え、
前記第1突起部は、前記第1樹脂膜の近傍にある請求項1乃至のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記駆動領域には、前記第2基板又は前記第2基板の上に重ねられた導通部材に導通する導電パッドがあり、
前記導電パッドは、平面視において前記第1樹脂膜に重畳しない請求項1乃至のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記導電パッドの近傍に第2突起部をさらに備えている請求項に記載の表示装置。
【請求項8】
表示領域を有する可撓性の第1基板及び第2基板と、
前記第1基板にあり、複数の端子が形成された駆動領域と、
前記複数の端子に接続された外部駆動回路と、
前記複数の端子から前記表示領域側に延在する配線と、
前記配線に重畳する第1樹脂膜と、
前記外部駆動回路の配線の延在方向に交差する方向に延在する第1突起部と、を備え、
平面視において、前記第1樹脂膜と前記第2基板との間に隙間があり、
前記第1突起部は、前記第1樹脂膜の近傍にある表示装置。
【請求項9】
表示領域を有する可撓性の第1基板及び第2基板と、
前記第1基板にあり、複数の端子が形成された駆動領域と、
前記複数の端子に接続された外部駆動回路と、
前記複数の端子から前記表示領域側に延在する配線と、
前記配線に重畳する第1樹脂膜と、を備え、
平面視において、前記第1樹脂膜と前記第2基板との間に隙間があり、
前記駆動領域には、前記第2基板又は前記第2基板の上に重ねられた導通部材に導通する導電パッドがあり、
前記導電パッドは、平面視において前記第1樹脂膜に重畳せず、
前記導電パッドの近傍に第2突起部を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、可撓性の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
可撓性の表示装置は、ポリイミド樹脂等の可撓性材料から形成された基材を備えている。可撓性基材は、ガラスや石英等の基板の上に塗布され硬化したのち、界面にレーザー光を照射されて基板から剥離される(例えば、特許文献1及び2参照)。剛性の表示装置の製造工程には、可撓性基材を剥離するそのような工程が必要ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-227369号公報
【文献】特開2017-44715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、剛性の表示装置は、配線を保護するために駆動領域を樹脂膜等で覆われる。剛性の表示装置と同様にして可撓性の表示装置の駆動領域を樹脂膜で覆うと、樹脂膜に接着されたガラス基板を剥離できなくなってしまう。本開示の目的は、駆動領域に形成された配線を保護できる可撓性の表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示装置は、第1基板と、第2基板と、駆動領域と、外部駆動回路と、配線と、第1樹脂膜と、偏光部材と、を備えている。第1基板及び第2基板は、可撓性であり、表示領域を有している。駆動領域は、第1基板にあり、複数の端子が形成されている。外部駆動回路は、複数の端子に接続されている。配線は、複数の端子から表示領域側に延在している。第1樹脂膜は、配線に重畳している。偏光部材は、第2基板の上に重ねられている。偏光部材の端部は、第2基板の端部よりも表示領域側である。第1樹脂膜と第2基板との間には、平面視において隙間がある。表示装置は、当該隙間を覆う第2樹脂膜を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、各実施形態に共通する表示装置の概略的な構成を示す平面図である。
図2図2は、図1に示された表示領域における表示装置の構造を模式的に示す断面図である。
図3図3は、第1実施形態の表示装置の駆動領域を拡大して示す平面図である。
図4図4は、図3に示された第2樹脂膜の変形例を示す平面図である。
図5図5は、導電パッドを介して第2接着層をグラウンド電位に接続した例を示す断面図である。
図6図6は、図3中のF6-F6線に沿う断面図である。
図7図7は、第1実施形態の表示装置の製造方法の一例を示すフロー図である。
図8A図8Aは、図7に示されたST15の工程におけるワークの状態を模式的に示す断面図である。
図8B図8Bは、すでに第2ガラス基板が剥離された状態で第1ガラス基板を剥離した場合におけるワークの状態を模式的に示す断面図である。
図9図9は、図7に示されたST15の工程における駆動領域を示す断面図である。
図10図10は、第2実施形態の表示装置の概略的な構成を示す断面図である。
図11図11は、第3実施形態の表示装置の概略的な構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
いくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者が発明の主旨を保って適宜変更について容易に想到し得るものは、当然に本発明の範囲に含まれる。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。各図において、連続して配置される同一又は類似の要素について符号を省略することがある。また、本明細書及び各図において、既に説明した図と同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0008】
また、本明細書において「αはA,B又はCを含む」、「αはA,B及びCのいずれかを含む」、「αはA,B及びCからなる群から選択される一つを含む」といった表現は、特に明示がない限り、αがA~Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
【0009】
以下の説明において、表示装置の一例として液晶表示装置である表示装置DSPを開示する。ただし、本実施形態は、他種の表示装置に対して本実施形態に開示される個々の技術的思想の適用を妨げるものではない。本実施形態で開示する主要な構成は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置等の自発光型の表示装置、電気泳動素子等を有する電子ペーパ型の表示装置、Micro Electro Mechanical System(MEMS)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置等に適用可能である。表示装置DSPは、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、テレビ受像装置、車載装置、ゲーム機器、ウェアラブル端末等の種々の装置に用いることができる。
【0010】
図1は、各実施形態に共通する表示装置DSPの概略的な構成を示す平面図である。表示装置DSPは、表示面に画像を表示する表示パネル(液晶セル)PNLと、表示パネルPNLの駆動領域3に実装された外部駆動回路4と、を備えている。以下の説明において、表示パネルPNLの表示面から背面に向かって見ることを平面視と定義する。
【0011】
表示パネルPNLは、背面からの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過型であってもよいし、表示面に入射した光を選択的に反射させることで画像を表示する反射型であってもよい。透過型の場合、表示パネルPNLの背面に光を照射するバックライトBL(図2に示す)をさらに備えている。外部駆動回路4は、表示パネルPNLやバックライトBLの動作を制御する。
【0012】
表示パネルPNLは、第1基板(アレイ基板)SUB1と、第2基板(対向基板)SUB2と、シール部(接着剤)SEと、液晶層LCと、を備えている。第2基板SUB2は、第1乃至第4端面E1,E2,E3,E4を有する略矩形に形成されている。第2基板SUB2は、表示パネルPNLの厚み方向Zにおいて、第1基板SUB1に対向している。第1基板SUB1は、第2基板SUB2よりも大きく形成されており、第2基板SUB2から露出した駆動領域3を有している。
【0013】
シール部SEは、第2基板SUB2の第1乃至第4端面E1,E2,E3,E4に沿って環状に形成され、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接着している。液晶層LCは、シール部SEの内側において、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に配置されている。液晶層LCは、電気によって駆動され、光を選択的に透過する電気光学層の一例である。
【0014】
表示パネルPNLの表示面は、複数の画素PXがマトリクス状に配列された表示領域DAと、表示領域DAを囲む額縁状の非表示領域NDAと、を含んでいる。非表示領域NDAには、表示領域DAの画素PXに信号を供給する各種回路が形成されている。駆動領域3は、非表示領域NDAに含まれ、第2基板SUB2の第1端面E1から表示領域DAとは反対側に延出している。
【0015】
駆動領域3において、第1基板SUB1は、複数の端子31と、複数の配線32と、を備えている。複数の端子31は、外部駆動回路4に電気的に接続されている。端子31には、外部駆動回路4から様々な信号が供給される。複数の配線32は、複数の端子31から表示領域DA側に延在し、非表示領域NDAに形成された各種回路と端子31とを電気的に接続している。
【0016】
外部駆動回路4には、例えば制御モジュールCTRが実装されている。制御モジュールCTRは、表示装置DSPが搭載される電子機器のメインボード等から表示領域DAに表示するための1フレーム分の画像データを順次受信する。画像データには、例えば各画素PXの表示色等の情報が含まれる。制御モジュールCTRは、受信した画像データに基づいて各画素PXを駆動するための信号を表示パネルPNLに供給する。
【0017】
図2は、表示領域DAにおける表示装置DSPの構造を模式的に示す断面図である。図2に示す例では、表示装置DSPが、主として表示面にほぼ平行な横電界を利用する表示モードに対応した構成を有している。なお、表示装置DSPは、表示面に対して垂直な縦電界や、表示面に対して斜め方向の電界、或いはそれらを組み合わせて利用する表示モードに対応した構成を有していてもよい。
【0018】
図2に示すように、第1基板SUB1は、第1可撓性基材10と、第1乃至第5絶縁層11,12,13,14,15と、半導体層SCと、走査信号線Gと、映像信号線Sと、中継電極Srと、共通電極CEと、画素電極PEと、第1配向膜AL1と、を備えている。第1基板SUB1は、可撓性を有する第1可撓性基材10を基材とするため、湾曲させることができる。
【0019】
第1可撓性基材10は、例えばポリイミド樹脂等で形成されており、可撓性に加えて、透光性及び絶縁性を有している。第1可撓性基材10は、第2基板SUB2と対向する第1面10Aと、第1面10Aとは反対側の第2面10Bと、を有している。第1絶縁層11は、第1可撓性基材10の第1面10Aを覆っている。
【0020】
半導体層SCは、第1絶縁層11の上に形成されている。第2絶縁層12は、第1絶縁層11及び半導体層SCを覆っている。走査信号線Gは、第2絶縁層12の上に形成されている。第3絶縁層13は、第2絶縁層12及び走査信号線Gを覆っている。映像信号線S及び中継電極Srは、第3絶縁層13の上に形成されている。
【0021】
第4絶縁層14は、第3絶縁層13、映像信号線S及び中継電極Srを覆っている。第4絶縁層14は、例えばアクリル樹脂等の感光性樹脂で形成された有機絶縁層である。第4絶縁層14は、薄膜トランジスタの凹凸を平坦化する機能を有し、第1乃至第3及び第5絶縁層11,12,13,15や第1配向膜AL1よりも厚く形成されている。
【0022】
共通電極CEは、第4絶縁層14の上に形成されている。第5絶縁層15は、第4絶縁層14及び共通電極CEを覆っている。画素電極PEは、第5絶縁層15の上に形成されている。なお、第5絶縁層15の下に画素電極PEを形成し、第5絶縁層15の上に共通電極CEを形成してもよい。第1配向膜AL1は、第5絶縁層15及び画素電極PEを覆っている。
【0023】
第1及び第2コンタクトホールCH1,CH2は、第2及び第3絶縁層12,13を貫通している。第3コンタクトホールCH3は、第4及び第5絶縁層14,15を貫通している。映像信号線Sは、第1コンタクトホールCH1を通じて半導体層SCに接している。中継電極Srは、第2コンタクトホールCH2を通じて半導体層SCに接している。映像信号線S及び中継電極Srのいずれか一方がソース電極であり、いずれか他方がドレイン電極である。半導体層SC、ソース電極及びドレイン電極は、薄膜トランジスタ(TFT)を構成している。
【0024】
画素電極PEは、第3コンタクトホールCH3を通じて中継電極Srに接しており、半導体層SCに電気的に接続されている。画素電極PEにソース電極を介して電圧が供給されると、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成され、液晶層LCの液晶分子の配向を変化させる。これにより、液晶層LCを透過する光の量が制御される。
【0025】
第2基板SUB2は、第2可撓性基材20と、遮光層21と、カラーフィルタ層22と、オーバーコート層23と、第2配向膜AL2と、を備えている。なお、第1基板SUB1にカラーフィルタ層22を形成してもよい。第2可撓性基材20は、第1可撓性基材10と同様の樹脂材料で形成されている。第2基板SUB2は、可撓性を有する第2可撓性基材20を基材とするため、湾曲させることができる。
【0026】
第2可撓性基材20は、第1可撓性基材10の第1面10Aに対向する第3面20Aと、第3面20Aとは反対側の第4面20Bと、を有している。遮光層21は、第2可撓性基材20の第3面20Aに形成されている。カラーフィルタ層22は、第3面20A及び遮光層21を覆っている。カラーフィルタ層22は、画素PXを構成する副画素に対応する色に着色されている。
【0027】
オーバーコート層23は、カラーフィルタ層22を覆っている。第2配向膜AL2は、オーバーコート層23を覆っている。液晶層LCは、第1及び第2配向膜AL1,AL2の間に配置されている。第1及び第2配向膜AL1,AL2は、画素電極PEに電圧が印加されていない状態において、液晶層LCの液晶分子を配向させる。
【0028】
第1可撓性基材10の第2面10Bには、第1接着層AD1を介して第1偏光板PL1が貼り付けられている。なお、偏光した光を照射するバックライトBLを用いる場合、第1偏光板PL1を省略してもよい。第2可撓性基材20の第4面20Bには、第2接着層AD2を介して第2偏光板PL2が貼り付けられている。第2接着層AD2は、導電粒子を含んでいてもよい。第2偏光板PL2は、第2基板SUB2の上に重ねられた偏光部材の一例である。
【0029】
表示装置DSPは、タッチパネルを備えていてもよい。タッチパネルは、例えば、互いに対向するトランスミッター電極及びレシーバー電極から構成されたタッチセンサと、このタッチセンサを駆動するセレクター回路と、を有している。トランスミッター電極とレシーバー電極との間には、静電容量が形成される。セレクター回路は、タッチセンサのいずれの領域をセンシングするか時分割で切り替える。
【0030】
図2に示す例では、第1基板SUB1の共通電極CEがトランスミッター電極の機能を有している。この構成では、共通電極CEを画像表示に用いるか、共通電極CEをセンシングに用いるか、セレクター回路が時分割で切り替える。セレクター回路は、制御モジュールCTRに形成されてもよいし、非表示領域NDAに形成されてもよい。
【0031】
第2接着層AD2と第2基板SUB2との間には、レシーバー電極RXが配置されている。図示しないが、第2接着層AD2と第2基板SUB2との間にトランスミッター電極を配置してもよいし、トランスミッター電極及びレシーバー電極の両方を配置してもよい。トランスミッター電極及びレシーバー電極は、それぞれタッチパネル電極の一例である。
【0032】
[第1実施形態]
以下、図3乃至図9を参照して第1実施形態及びその変形例の表示装置DSPについて説明する。第1実施形態及び後述する各種実施形態は、駆動領域3の配線32を覆う第1樹脂膜51を備え、第1樹脂膜51の端部51Eと第2基板SUB2の第1端面E1との間に隙間OPが形成されていることが特徴の一つである。第1樹脂膜51は、例えば感光性のアクリル樹脂等から形成されている。
【0033】
図3は、第1実施形態の駆動領域3を拡大して示す平面図である。説明のために、外部駆動回路4内の配線4Wを露出させて示している。図3に示すように、駆動領域3に形成された複数の端子31は、第2基板SUB2の第1端面E1に平行な第1方向Xに沿って配列されている。
【0034】
外部駆動回路4の配線4Wは、第1方向Xに交差する第2方向Yに沿って延在している。第2方向Yは、複数の端子31から表示領域DAに向かう第2A方向YAと、第2A方向とは逆方向の第2B方向YBと、を含んでいる。図3に示す例では、第1及び第2方向X,Yは互いに直交している。
【0035】
第2方向Yにおいて、第1樹脂膜51の幅W1は、駆動領域3の幅W0の90%以上100%未満が好ましい。幅W1は、幅W0から隙間OPの幅W2を差し引いた残余である。幅W2の一例は、200μmである。なお、幅W2は、第1樹脂膜51の加工方法に応じて適宜選択され、これよりも狭くてもよいし広くてもよい。幅W2は、断面視において、図6に示すように第1樹脂膜51の底部を基準とする。
【0036】
なお、図3に示す例では、第2樹脂膜52の第1方向Xの幅は、第1樹脂膜51の第1方向Xの幅と同じにしている。しかしながら、図4に示すように、後述する導電パッド33と第2樹脂膜52が重畳しないように、第2樹脂膜52の第1方向Xにおける端部52Rは、導電パッド33よりも内側であってもよい。その場合、第2樹脂膜52の第1方向Xのおける端部52までの幅V2は、第1樹脂膜51の第1方向Xのおける端部51Rまでの幅V1よりも狭くなる。
【0037】
剛性の表示装置の場合、剛性基材に形成された駆動領域の幅がそのまま額縁領域の幅になるため、駆動領域の幅を限界まで狭くする必要があった。第1実施形態のように可撓性の表示装置であれば、可撓性の駆動領域3を背面側に折り返すことができるため、駆動領域3の幅W0は特に限定されない。幅W0の一例は、12mm程度である。その場合、第1樹脂膜51の幅W1は、幅W0の約98%になる。
【0038】
駆動領域3には、複数の端子31や複数の配線32に加えて、導電パッド33が形成されている。導電パッド33は、複数であってもよいし、単数であってもよい。導電パッド33は、導電パッド33は、平面視において第1樹脂膜51に重畳しないように形成され、例えば、第2基板SUB2に形成された導電部材又は第2基板SUB2に貼り合わされた導通部材に電気的に接続される。
【0039】
導通部材の一例は、導電粒子を含んだ第2接着層AD2(導電性接着剤)である。図5に示すように、第2接着層AD2と導電パッド33とを導電ペースト36で接続し、導電パッド33を介して第2接着層AD2をグラウンド電位に接続すれば、第2接着層AD2が外部からの静電気を遮蔽して表示パネルPNLを保護する導電膜として機能する。
【0040】
導通部材の他の一例は、タッチパネル電極である。タッチパネル電極は、トランスミッター電極及びレシーバー電極のいずれか一方であってもよいし、両方であってもよい。導電パッド33を介してタッチパネル電極をセレクター回路に接続すれば、外部駆動回路4にタッチパネルの駆動回路を搭載できる。結果として、画像表示用の外部駆動回路とタッチパネル用の外部駆動回路とを共通化できる。
【0041】
図6は、図3中のF6-F6線に沿う断面図である。図6に示すように、第1樹脂膜51と第2基板SUB2との隙間OPには、第2樹脂膜52が充填されている。第2樹脂膜52は、第1樹脂膜51と同様の材料から形成されている。隙間OPにおいて、第2偏光板PL2の端面E5は、第2基板SUB2の第1端面E1よりも表示領域DA側(第2A方向YA)に位置している。そのため、第2基板SUB2の第4面20Bの少なくとも一部は、第2偏光板PL2から露出している。
【0042】
第2樹脂膜52は、厚み方向Zにおいて第2基板SUB2よりも高く形成され、第2偏光板PL2から露出した第2可撓性基材20の第4面20Bを覆っている。換言すると、第2樹脂膜52は、第2基板SUB2の上に乗り上げて第4面20Bの少なくとも一部を上方から固定している。一方で、第2樹脂膜52は、厚み方向Zにおいて第2偏光板PL2よりも低く形成され、第2偏光板PL2の上に乗り上げていない。そのため、第2偏光板PL2と第2樹脂膜52とは平面視において重畳しない。
【0043】
第2樹脂膜52は、厚み方向Zにおいて第1樹脂膜51よりも高く形成されてもよいし、低く形成されてもよい。図6に示す例では、第2樹脂膜52が、第1樹脂膜51よりも高く形成され、平面視において第2基板SUB2の第1端面E1に面した第1樹脂膜51の端部51Eの一部に重畳している。そのため、第1樹脂膜51の端部51Eが第2樹脂膜52によって保護されている。
【0044】
図7は、表示装置DSPの製造方法の一例を示すフロー図である。表示装置DSPの製造方法は、第1基板SUB1を用意する工程と、第2基板SUB2を用意する工程と、第1基板SUB1及び第2基板SUB2を接着して外部駆動回路4を実装する工程と、を含んでいる。
【0045】
第1基板SUB1を用意するST1乃至ST3の工程について説明する。まず、第1ガラス基板の上面に第1可撓性基材10の材料を塗布し、塗布した材料を硬化させて第1可撓性基材10を形成する(第1可撓性基材形成ST1)。一例として、第1ガラス基板上にポリアミド酸を含んだ組成物を塗布し、300~500℃で熱処理してイミド化すれば、ポリイミドフィルムの第1可撓性基材10を形成できる。
【0046】
第1可撓性基材10の上に前述の走査信号線G、映像信号線S、半導体層SC、共通電極CE、画素電極PE、第1乃至第5絶縁層11,12,13,14,15等を積層した回路層30を形成する(回路層形成ST2)。図6に示された回路層30には、駆動領域の端子31や配線32も含まれる。回路層30の上に第1配向膜AL1の材料を塗布し、塗布した材料を硬化させて第1配向膜AL1を形成する(第1配向膜形成ST3)。ST1乃至ST3の工程を経て、複数の第1基板SUB1を含んだマザー基板を得る。
【0047】
次に、第2基板SUB2を用意するST4乃至ST6の工程について説明する。ST1の工程と同様にして、第2ガラス基板の上に第2可撓性基材20を形成する(第2可撓性基材形成ST4)。第2可撓性基材20の上に前述の遮光層21、カラーフィルタ層22、オーバーコート層23等を積層した着色層を形成する(着色層形成ST5)。ST3の工程と同様にして、着色層の上に第2配向膜AL2を形成する(第2配向膜形成ST6)。ST4乃至ST6の工程を経て、複数の第2基板SUB2を含んだマザー基板を得る。
【0048】
次に、第1及び第2基板SUB1,SUB2を接着して外部駆動回路FPCを実装するST7乃至ST13の工程について説明する。いずれか一方のマザー基板にシール部SEの材料を塗布し、シール部SEに囲まれた内側に液晶層LCの液晶材料を滴下する(液晶滴下ST7)。二枚のマザー基板を貼り合わせ、シール部SEを硬化させる(基板接着ST8)。なお、液晶層LCを注入する方法は、ST7及びST8の工程(ワン・ドロップ・フィル法)に限らない。先に第1及び第2基板SUB1,SUB2を接着し、後から液晶層LCを封入する真空注入法でもよい。
【0049】
第1及び第2ガラス基板とともに第1及び第2基板SUB1,SUB2を含んだマザー基板を切断し、複数のパネルに個片化する(セルカットST9)。レーザー光によって第2基板SUB2の一部を切除し、第1基板SUB1の端子31を露出させる(駆動領域形成ST10)。これにより、駆動領域3が形成される。なお、ST9及びST10の工程を一つの工程にまとめてもよい。第2基板SUB2と同時に切断された第2ガラス基板は、端面E6(図9中に一点鎖線で示す)が第2基板SUB2の第1端面E1と面一に形成されている。
【0050】
露出した端子31に外部駆動回路4を実装する(外部駆動回路実装ST11)。端子31の上に異方性導電フィルムを配置する。異方性導電フィルムは、均一に分散された導電粒子を含んだフィルム状の接着剤である。外部駆動回路4及び第1基板SUB1を上下から加圧すると同時に加熱する。異方性導電フィルムの一部が溶融し、外部駆動回路4と第1基板SUB1とが電気的及び機械的に接続される。
【0051】
隙間OPを残して駆動領域3に第1樹脂膜51の材料を塗布し、塗布した材料を硬化させて第1樹脂膜51を形成する(第1樹脂膜形成ST12)。事前に駆動領域3を保護することで、後に続く工程ST13乃至ST15の際に、駆動領域3の部材の破損を防止できる。第1可撓性基材10から第1ガラス基板を剥離する(第1ガラス基板剥離ST13)。透光性の第1ガラス基板を通じて第1可撓性基材10にレーザー光を照射すると、第1可撓性基材10がレーザー光を吸収して僅かに分解する。第1可撓性基材10と第1ガラス基板との界面に空隙が発生し、第1可撓性基材10から第1ガラス基板が剥離される(レーザーリフトオフ)。
【0052】
第1可撓性基材10の第2面10Bに第1接着層AD1を介して第1偏光板PL1を貼着する(第1偏光板貼着ST14)。第1偏光板PL1は、第1基板SUB1に剛性を付与する。第1ガラス基板を剥離するST13の工程と同様にして、第2可撓性基材20から第2ガラス基板を剥離する(第2ガラス基板剥離ST15)。このST15の工程における種々の課題については、図8A乃至図9を参照して後で詳しく説明する。
【0053】
第2可撓性基材20の第4面20Bに第2接着層AD2を介して第2偏光板PL2を貼着する(第2偏光板貼着ST16)。隙間OPに第2樹脂膜52の材料を塗布し、塗布した材料を硬化させて第2樹脂膜52を形成する(第2樹脂膜形成ST17)。得られたパネルにバックライトBLを組み付ければ、表示装置DSPが完成する。
【0054】
なお、ST17の工程の後に、外部駆動回路4を表示パネルPNLの背面に折り返す工程をさらに備えていてもよい。カバーガラス等の保護部材(筐体)に表示パネルPNLを貼り付ける工程をさらに備えていてもよいし、カバーガラスの曲面に沿うように表示パネルPNLの表示面を湾曲させる工程をさらに備えていてもよい。
【0055】
図8Aは、図7に示されたST15の工程におけるワークの状態を模式的に示す断面図であり、図8Bは、すでに第2ガラス基板が剥離された状態で第1ガラス基板を剥離した場合におけるワークの状態を模式的に示す断面図である。第1及び第2基板SUB1,SUB2の第1及び第2可撓性基材10,20は、ポリイミド樹脂等の樹脂材料から形成されている。
【0056】
ST13,ST15の工程において、第1及び第2ガラス基板GL1,GL2から剥離されると、可撓性の第1及び第2基板SUB2は収縮する。第2基板SUB2の厚みにおける樹脂材料(有機材料)の厚みの比率は、第1基板SUB1の厚みに対する樹脂材料(有機材料)の厚みの比率よりも高い。よって、第2基板SUB2は、硬い回路層30が厚く形成されている第1基板SUB1に比べて収縮が大きい。
【0057】
図8Aに示すように、第1偏光板PL1に支持された状態の第1基板SUB1であれば、第2基板SUB2から第2ガラス基板GL2が剥離されても、第1偏光板PL1が第1基板SUB1の形状を保持する。これによって、簡易に第2偏光板PL2を第2基板SUB2に貼り付けられる。これに対し、図8Bに示すように、第1偏光板PL1に支持されていない状態の第1基板SUB1では、第2基板SUB2が収縮すると、第2基板SUB2よりも収縮が小さい第1基板SUB1が縮れてしまうおそれがある。
【0058】
対策として、製造工程に使用されるものの最終製品の一部としては使用されない保護フィルムを第2面10Bに一時的に貼着して第1基板SUB1に剛性を付与することが考えられる。しかしながら、製造工程中のハンドリングを向上させるために保護フィルムを使用すると、保護フィルムを貼り付ける工程や保護フィルムを引き剥がす工程が増えて製造工程が長くなってしまう。保護フィルムを購入するためのコストも増加する。
【0059】
第1実施形態に係る図7の製造方法によれば、第2基板SUB2よりも収縮が小さい第1基板SUB1を第1ガラス基板GL1から第1偏光板PL1に貼り換えたのち、収縮が大きい第2基板SUB2を第2ガラス基板GL2から剥離することによって、保護フィルムを使用することなく第1基板SUB1の縮れを抑制できる。
【0060】
しかるに、第2ガラス基板GL2よりも先に第1ガラス基板GL1をワークから剥離して第1偏光板PL1に貼り換える場合、第1ガラス基板GL1に重畳するが第1偏光板PL1には重畳しない駆動領域3の剛性が懸念される。前述のように、コストの観点から保護フィルムは使用したくない。駆動領域3を保護するために樹脂膜を形成すると、樹脂膜に第2ガラス基板GL2が接着されて第2基板SUB2から剥離できなくなってしまう。
【0061】
図9は、図7に示されたST15の工程における駆動領域3を示す断面図である。仮に、図9中に二点鎖線で示すように、第2ガラス基板GL2に接触する第1樹脂膜51を形成すると、ST15の工程において第2ガラス基板GL2を剥離できなくなってしまう。これに対し、第1実施形態の表示装置DSPであれば、図9中に実線で示すように、ST15の工程において第1樹脂膜51の端部51Eと第2ガラス基板GL2の端面E6との間に隙間OPを形成している。
【0062】
以上のように構成された第1実施形態の表示装置DSPは、駆動領域3の配線32に重畳する第1樹脂膜51を備えている。第1樹脂膜51によって配線32を保護できるため、製造工程において配線32を保護するために保護フィルムを貼着する必要がない。保護フィルムを貼着する工程や保護フィルムを剥離する工程を省略して製造工程を簡略化できる。保護フィルムの調達コストも削減できる。なお、第1樹脂膜51は、第2方向Yにおける駆動領域3の幅W0の90%以上であり、ST15の工程において配線32を十分に保護できる。
【0063】
第1実施形態は、第1樹脂膜51の端部51Eと第2基板SUB2の第1端面E1との間に隙間OPがある。第2ガラス基板GL2の端面E6は、駆動領域3を形成するST10の工程において、第2基板SUB2の第1端面E1と面一に形成されている。第1実施形態は、可撓性の表示装置であるため、第2可撓性基材20から第2ガラス基板GL2を剥離する必要がある。仮に、駆動領域3に形成した第1樹脂膜51に第2ガラス基板GL2が接着されていると、第2ガラス基板GL2を剥離できなくなる。
【0064】
第1実施形態によれば、図9に示すように、ST15の工程において第1樹脂膜51の端部51Eと第2ガラス基板GL2の端面E6との間に隙間OPがある。第2ガラス基板GL2の剥離は、第1樹脂膜51に阻害されることがない。隙間OPには、ST15よりも後工程で第2樹脂膜52が形成される。駆動領域3を完全に覆う第1及び第2樹脂膜51,52によって、表示装置DSPの配線32を長期に亘って保護できる。
【0065】
第2樹脂膜52は、第4面20Bの少なくとも一部を覆うように第2基板SUB2の上に乗り上げている。図6に示す例では、第2偏光板PL2の端面E5が第2基板SUB2の第1端面E1よりも表示領域DA側に位置しており、第2樹脂膜52は、第2偏光板PL2から露出した第4面20Bを覆っている。第1実施形態は、第2樹脂膜52によって第2基板SUB2の第1端面E1を保護できるとともに第2基板SUB2を上方から固定できる。
【0066】
第1及び第2樹脂膜51,52が第2偏光板PL2に重畳していると、第2偏光板PL2を貼着するST16の工程において樹脂膜が邪魔になるおそれがある。第1実施形態では、第1及び第2樹脂膜51,52が第2偏光板PL2に重畳しないように形成されており、ST16の工程においてそれらが邪魔にならない。
その他、第1実施形態からは、種々の好適な効果を得ることができる。
【0067】
次に図10及び図11を参照して、第2及び第3実施形態の表示装置DSPについて説明する。なお、第1実施形態の構成と同一又は類似の機能を有する構成は、同一の符号を付して対応する第1実施形態の記載を参酌することとし、ここでの説明を省略する。また、その他の構成は、第1実施形態と同一である。
【0068】
[第2実施形態]
図10は、第2実施形態の表示装置DSPの概略的な構成を示す断面図である。第2実施形態は、第1樹脂膜51の近傍に第1突起部34が形成されている点が第1実施形態と異なる。第1突起部34は、駆動領域3の表面から厚み方向Zに突出し、第2基板SUB2の第1端面E1から隙間OPをあけて第1方向Xに延在している。換言すると、第1突起部34は、第1端面E1に沿って延びる凸条である。第1突起部34は、一条(一本)であってもよいし、二条以上であってもよい。
【0069】
第1突起部34は、例えば感光性のアクリル樹脂等から形成され、ST2の工程において形成できる。なお、第1突起部34に代えて、駆動領域3の表面から第3方向に陥没し、第1端面E1に沿って延びる凹条を形成してもよい。凹条を形成する場合、例えば、ハーフトーン処理等のマルチトーン処理によって第4絶縁層14の厚みを部分的に変化させればよい。或いは、第1及び第2樹脂膜51,52に異なる材料をそれぞれ使用し、第2樹脂膜52の材料と密着するが第1樹脂膜51の材料を弾く撥液性の材料を塗布してもよい。
【0070】
ST12の工程において、塗布された第1樹脂膜51の材料は、第1突起部34にせき止められ、表面張力によって第1突起部34に沿って広がる。第2実施形態によれば、第1樹脂膜51の塗布量がばらついても硬化前の第1樹脂膜51が第1突起部34を超えて広がることを防ぐことができる。第1樹脂膜51の端部51Eの形状を制御して隙間OPを所定の幅W0に調整できる。
【0071】
[第3実施形態]
図11は、第3実施形態の表示装置の概略的な構成を示す断面図である。第3実施形態は、導電パッド33の近傍に第2突起部35が形成されている点が第1実施形態と異なる。第2突起部35は、第1突起部34と同様の凸条であり、ST2の工程において形成できる。第2突起部35は、導電パッド33よりも一回り大きい環状に形成され、導電パッド33の周りを囲んでいる。図11に示す例では、第2突起部35を二重に形成している。なお、第2突起部35を一重に形成してもよいし、三重以上に形成してもよい。また、第2突起部35は、環の一部が途切れていてもよい。
【0072】
導電パッド33は、例えばインジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)やインジウム亜鉛酸化物(IZO:Indium Zinc Oxide)等で形成された透明導電膜である。このような導電パッド33の上に第1及び第2樹脂膜51,52を形成すると、ST13,ST15の工程において第1及び第2樹脂膜51,52が導電パッド33を起点に剥離することがある。第1及び第2樹脂膜51,52の剥離が広がると、駆動領域3に形成された配線32を十分に保護できなくなる。
【0073】
第3実施形態は、硬化前の第1及び第2樹脂膜51,52が導電パッド33の上に広がらないように第2突起部35によってせき止めることができる。導電パッド33を起点にした第1及び第2樹脂膜51,52の剥離を防いで駆動領域3に形成された配線32を確実に保護できる。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。各実施形態にて開示した構成は、適宜に組み合わせることができる。例えば、表示装置DSPの製造工程において、ST16及びST17の工程を入れ替えてもよい。第2樹脂膜52が小さければ第2接着層AD2の厚みで凸凹を吸収できる。
【符号の説明】
【0075】
3…駆動領域、4…外部駆動回路、4W…外部駆動回路の配線、31…駆動領域に形成された端子、32…駆動領域に形成された配線、33…導電パッド、34…第1突起部、35…第2突起部、51…第1樹脂膜、52…第2樹脂膜、AD2…第2接着層(導通部材の一例)、DA…表示領域、E1…第1端面(第2基板の端部の一例)、E5…第2偏光板の端面(偏光部材の端部の一例)、OP…第1樹脂膜と第2基板との間の隙間、PL2…第2偏光板(偏光部材の一例)、RX…レシーバー電極(導通部材の一例)、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、W0…駆動領域の幅、W1…第1樹脂膜の幅、X…第1方向(外部駆動回路の配線の延在方向に交差する方向の一例)、Y…第2方向(外部駆動回路の配線の延在方向の一例)、YA…表示領域側。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11