(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1343 20060101AFI20220228BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20220228BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
G02F1/13357
(21)【出願番号】P 2017191511
(22)【出願日】2017-09-29
【審査請求日】2020-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沼田 雄大
(72)【発明者】
【氏名】奥山 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】大植 善英
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-156718(JP,A)
【文献】特開2002-296610(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0209243(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343
G02F 1/1368
G02F 1/1334
G02F 1/1335
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣り合う第1配線及び第2配線と、前記第1配線及び前記第2配線と交差する第3配線と、を備えた第1基板と、
前記第1基板と対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に保持され、配向処理されたポリマーと液晶分子とを含む液晶層と、
第1方向に沿って並んだ発光部を含む発光素子と、を備え、
前記第1配線及び前記第2配線は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延出し、
前記第3配線は、前記発光素子に近接する側に位置する第1辺を有し、
前記第1辺は、前記第1配線と前記第2配線との間において、曲線状の第1湾曲部
と,
曲線状の第3湾曲部と、を有し、
前記第3湾曲部は、前記第1湾曲部と反対側に凸となっている、表示装置。
【請求項2】
前記第3配線は、前記発光素子から離間した側に位置する第2辺を有し、
前記第2辺は、前記第1配線と前記第2配線との間において、前記第1湾曲部に沿って湾曲した第2湾曲部を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1基板は、前記第1配線及び前記第3配線と電気的に接続されたスイッチング素子を備え、
前記第1湾曲部は、前記スイッチング素子と前記第2配線との間に位置する、請求項1
または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1湾曲部は、前記発光素子側に向かって凸となっている、請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1湾曲部は、前記発光素子から離間する側に向かって凸となっている、請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1湾曲部の曲率半径は、前記第1配線と前記第2配線との間隔の半分以下である、請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1基板は、前記第1配線と前記第2配線との間に位置する画素電極をさらに備え、
前記第3配線は、前記発光素子と前記画素電極との間に位置し、
前記画素電極は、前記第3配線と対向した第3辺を有し
前記第3辺は、曲線状に湾曲している、請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、入射した光を拡散する拡散状態と入射した光を透過させる透過状態とを切り替え可能な高分子分散型液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystal:以下、『PDLC』と称する場合がある)を用いた表示装置が種々提案されている。PDLCを用いた表示装置では、複数の点光源を含む照明装置が、表示パネルの一端側又は両端側に配置される場合がある。表示パネルは、直線状に延出した複数の配線を含むことが多い。
【0003】
このような配線は、点光源から表示パネルに入射された光に対して指向性の強い散乱を生じさせる場合がある。この結果、表示パネルを観察する方向によって輝度が変化するなどの表示品位の低下が生じる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-92682号公報
【文献】特開2016-57338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態の目的は、表示品位の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、
隣り合う第1配線及び第2配線と、前記第1配線及び前記第2配線と交差する第3配線と、を備えた第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に保持され、配向処理されたポリマーと液晶分子とを含む液晶層と、第1方向に沿って並んだ発光部を含む発光素子と、を備え、前記第1配線及び前記第2配線は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延出し、前記第3配線は、前記発光素子に近接する側に位置する第1辺を有し、前記第1辺は、前記第1配線と前記第2配線との間において、曲線状の第1湾曲部を有する、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本実施形態における表示装置の構成例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した表示パネルの構成例を示す断面図である。
【
図4】
図4は、直線状の溝を備える導光板における光の散乱を示す図である。
【
図5】
図5は、半球状の凹部を備える導光板における光の散乱を示す図である。
【
図7】
図7は、
図6に示す画素のA-B線に沿った断面図である。
【
図8】
図8は、透明状態の液晶層を模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、散乱状態の液晶層を模式的に示す図である。
【
図10】
図10は、液晶層が透明状態である場合の表示パネルを示す断面図である。
【
図11】
図11は、液晶層が散乱状態である場合の表示パネルを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、いくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
図1は、本実施形態における表示装置DSPの構成例を示す平面図である。図中において、第1方向X及び第2方向Yは互いに交差し、第3方向Zは第1方向X及び第2方向Yと交差している。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、互いに90度以外の角度で交差していてもよい。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を「上」と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を「下」と称する。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよいし、第1部材から離間していてもよい。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面に向かってみることを平面視という。
【0010】
本実施形態においては、表示装置の一例として、高分子分散型液晶を適用した表示装置について説明する。表示装置DSPは、表示パネルPNL、配線基板F1乃至F3、及び、ここでは図示しない光源ユニットを備えている。
【0011】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2を備えている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、平面視で重畳している。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DA、及び、表示領域DAを囲む額縁状の非表示領域NDAを備えている。表示領域DAは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2が重畳している領域に位置している。表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、複数の走査線G、及び、複数の信号線Sを備えている。なお、走査線Gの数と信号線Sの数とは、等しくてもよく、異なっていてもよい。図示した例では、走査線Gは、それぞれ第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。信号線Sは、それぞれ第2方向Yに延出し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。
【0012】
第1基板SUB1は、第1方向Xに沿って延出した端部E11及びE12と、第2方向Yに沿って延出した端部E13及びE14とを有している。第2基板SUB2は、第1方向Xに沿って延出した端部E21及びE22と、第2方向Yに沿って延出した端部E23及びE24とを有している。図示した例では、平面視で、端部E11及びE21、端部E13及びE23、及び、端部E14及びE24は、それぞれ重畳しているが、重畳していなくてもよい。端部E22は、平面視で、端部E12と表示領域DAとの間に位置している。第1基板SUB1は、端部E12と端部E22との間に延出部Exを有している。
【0013】
配線基板F1乃至F3は、それぞれ延出部Exに接続され、この順に第1方向Xに並んでいる。配線基板F1は、ゲートドライバGD1を備えている。配線基板F2は、ソースドライバSDを備えている。配線基板F3は、ゲートドライバGD2を備えている。なお、配線基板F1乃至F3は、単一の配線基板に置換されてもよい。
【0014】
複数の信号線Sは、非表示領域NDAに引き出され、ソースドライバSDに接続されている。複数の走査線Gは、非表示領域NDAに引き出され、ゲートドライバGD1及びGD2に接続されている。図示した例では、奇数番目の走査線Gは、端部E14と表示領域DAとの間に引き出され、ゲートドライバGD2に接続されている。また、偶数番目の走査線Gは、端部E13と表示領域DAとの間に引き出され、ゲートドライバGD1に接続されている。なお、ゲートドライバGD1及びGD2と各走査線Gとの接続関係は図示した例に限らない。
【0015】
図2は、
図1に示した表示装置DSPの断面図である。ここでは、第2方向Y及び第3方向Zによって規定されるY-Z平面における表示装置DSPの断面において、主要部のみを説明する。表示パネルPNLは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持された液晶層30を備えている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、シール40によって接着されている。
【0016】
光源ユニットLUは、発光素子LS、配線基板F4などを備えている。発光素子LSは、配線基板F4に接続されている。図示した例では、発光素子LSは、延出部Exの上に位置している。また、発光素子LSは、配線基板F1乃至F3と第2基板SUB2との間に位置している。発光素子LSは、端部E22と対向する発光部EMを有している。発光素子LSは、発光部EMから端部E22に向けて光を照射する。端部E22から入射した光は、後述するように、第2方向Yに沿って表示パネルPNLを伝播する。なお、発光素子LSは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の両方の端部と対向していてもよく、例えば、端部E11及びE21と対向していてもよい。
【0017】
図3は、
図2に示した表示パネルPNLの構成例を示す断面図である。第1基板SUB1は、透明基板10、配線11、絶縁層12、画素電極13、及び、配向膜14を備えている。第2基板SUB2は、透明基板20、共通電極21、及び、配向膜22を備えている。なお、第2基板SUB2は、配線11と重畳する遮光層を備えていない。
【0018】
透明基板10及び20は、ガラス基板やプラスチック基板などの絶縁基板である。配線11は、モリブデン、タングステン、アルミニウム、チタン、銀などの不透明な金属材料によって形成されている。図示した配線11は、第1方向Xに延出しているが、第2方向Yに延出していてもよい。絶縁層12は、透明な絶縁材料によって形成されている。画素電極13及び共通電極21は、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成されている。画素電極13は、画素PX毎に配置されている。共通電極21は、複数の画素PXに亘って配置されている。配向膜14及び22は、X-Y平面に略平行な配向規制力を有する水平配向膜であってもよいし、第3方向に略平行な配向規制力を有する垂直配向膜であってもよい。
【0019】
液晶層30は、配向膜14と配向膜22との間に位置している。液晶層30は、高分子化合物であるポリマー31と、液晶分子32と、を含む高分子分散型液晶を備えている。一例では、ポリマー31は、液晶性ポリマーである。ポリマーは、例えば、液晶性モノマーが配向膜14及び22の配向規制力によって所定の方向に配向した状態で重合されることによって得られる。一例では、配向膜14及び22の配向処理方向は第1方向Xであり、配向膜14及び22は第1方向Xに沿った配向規制力を有している。このため、ポリマー31は、第1方向Xに沿って延びた筋状に形成される。液晶分子32は、ポリマー31の隙間に分散され、その長軸が第1方向Xに沿うように配向される。なお、図中の拡大部分において、ポリマー31は右上がりの斜線で示し、液晶分子32は右下がりの斜線で示している。
【0020】
ポリマー31及び液晶分子32の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。液晶分子32は、正の誘電率異方性を有するポジ型の液晶性分子であってもよいし、負の誘電率異方性を有するネガ型の液晶性分子であってもよい。ポリマー31及び液晶分子32の各々の電界に対する応答性は異なる。ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性より低い。
【0021】
次に、
図4及び
図5を参照して、媒質中に設けられた散乱体の形状と光の散乱との関係について説明する。ここでは、点光源PLから出射された光が導光板LGを伝搬する場合を想定する。
【0022】
図4は、導光板LGが散乱体として直線状の溝SAを備える場合を示している。
図4(a)は、導光板LGの一例を示す平面図である。図示した例では、溝SAは、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って間隔をおいて並んでいる。点光源PLは、導光板LGの第2方向Yの一端側に配置されている。
図4(b)は、
図4(a)に示す導光板LGの断面図である。溝SAは、一例では、略三角形状の断面を有している。溝SAは、導光板LGのX-Y平面と平行な2つの面のうちの、一方の面LGAに形成されている。導光板LGを伝搬する光は、溝SAにおいて散乱される。具体的には、導光板LGを伝搬する光は、溝SAに到達すると、導光板LGと例えば空気との界面において散乱される。図示した例では、導光板LGを伝搬する光は、溝SAの点光源PL側に位置する面によって散乱される。
【0023】
上記の構成において、点光源PLから導光板LGへ入射した光が散乱される方向は、その入射方向に依存する。換言すると、溝SAのように、光が散乱される面が直線状に延出している場合、指向性の強い散乱が生じる。
図4(a)に示す例では、第2方向Yに沿って導光板LGに入射した光LAは、例えば位置Aにおいて散乱され、ほぼ第2方向Yに沿って出射している。また、点光源PLから出射された光のうち、第2方向Yから角度θだけずれた方向D1に沿って導光板LGに入射した光LBは、例えば位置Bにおいて散乱され、ほぼ方向D1に沿って出射している。なお、
図4(a)では、散乱前の光を破線の矢印で示し、散乱後の光を実線の矢印で示している。
【0024】
図4(c)は、X-Y平面における散乱光の分布を模式的に示す図である。ここでは、位置Aにおいて散乱された散乱光SLAの強度が所定値以上となる領域を右上がりの斜線を付して示し、位置Bにおいて散乱された散乱光SLBの強度が所定値以上となる領域を右下がりの斜線を付して示している。なお、グラフにおいて、位置A及びBは、各領域の端部がグラフの原点に位置するように補正されている。散乱光SLAは、主に第2方向Yに沿って分布している。一方、散乱光SLBは、方向D1に沿って分布している。したがって、方向D1に沿って導光板LGを見る観測者は、散乱光SLAを視認せず、散乱光SLBのみを視認する。この結果、観測者からは、導光板LGにおいて輝度の高い領域がスジ状に分布するように見える。換言すると、導光板の輝度分布は、観測者の観測方向によって変化する。
【0025】
図5は、導光板LGが散乱体として島状の凹部SBを備える場合を示している。
図5(a)は、導光板LGの一例を示す平面図である。図示した例では、凹部SBは、第1方向X及び第2方向Yに沿ってマトリクス状に並んでいる。点光源PLは、導光板LGの第2方向Yの一端側に配置されている。
図5(b)は、
図5(a)に示す導光板LGの断面図である。凹部SBは、X-Y平面と平行な面LGAに設けられている。凹部SBは、一例では、半球状である。すなわち、凹部SBは、曲面を有している。導光板LGを伝搬する光は、凹部SBの曲面において散乱される。
【0026】
上記の構成において、点光源PLから導光板LGへ入射した光が散乱される方向は、その入射方向にほとんど依存しない。換言すると、凹部SBのように、光が散乱される面が曲面状である場合、散乱光の指向性が弱められる。
図5(a)に示す例では、光LA及びLBは、位置A及びBにおいて、いずれも凹部SBから広がるように散乱されている。
【0027】
図5(c)は、X-Y平面における散乱光の分布を模式的に示す図である。ここでは、位置Aにおいて散乱された散乱光SLAの強度が所定値以上となる領域を右上がりの斜線を付して示し、位置Bにおいて散乱された散乱光SLBの強度が所定値以上となる領域を右下がりの斜線を付して示している。
図4(c)と比較して、散乱光SLA及びSLBの分布領域は、円形に近く、且つ重なりが大きい。したがって、方向D1に沿って導光板LGを見る観測者は、散乱光SLAと散乱光SLBの両方を視認することができる。換言すると、導光板の輝度分布は、観測者の観測方向にほとんど依存しない。
【0028】
図6は、
図3に示す画素PXの一例を示す平面図である。図示した例では、画素PXは、第1方向Xに沿って並ぶ2本の信号線S1及びS2と、第2方向Yに沿って並ぶ2本の走査線G1及びG2とで区画されている。走査線G1は、走査線G2よりも発光素子LSに近接している。
【0029】
図示した例では、発光素子LSは、第1方向に沿って延出している。具体的には、発光素子LSは、第1方向Xに沿って並んだ複数の発光部EMを備えている。発光部EMと発光部EMとの間隔が十分に大きい場合、発光部EMは、点光源とみなされる場合がある。発光素子LSから出射された光は、巨視的に第2方向Yに沿って表示パネルPNL内を伝搬する。
【0030】
信号線S1及びS2は、発光素子LSから離間する方向に沿って延出している。すなわち、信号線S1及びS2は、第2方向Yに沿って延出している。換言すると、信号線S1及びS2は、発光素子LSから出射され表示パネルPNLを伝搬する光Lの伝搬方向に沿って延出している。図示した例では、信号線S1及びS2は、直線状に延出し、後述するスイッチング素子SWの近傍を除きほぼ一定の幅を有する帯状に形成されている。
【0031】
走査線G1及びG2は、信号線S1及びS2とそれぞれ交差している。換言すると、走査線G1及びG2は、光Lの伝搬方向と交差する方向に延出している。
図5を参照して説明したように、光が散乱される面が曲面状である場合、散乱光の指向性が弱められる。したがって、本実施形態において、走査線G1及びG2は、信号線S1と信号線S2との間において湾曲している。図示した例では、走査線G1及びG2は、発光素子LS側に向かって凸となっている。
【0032】
より具体的には、走査線G1は、発光素子LS側に位置する辺E1と、辺E1と反対側の辺(発光素子LSから離間する側の辺)E2とを有している。図示した例では、辺E1と辺E2との間隔は、スイッチング素子SWの近傍を除いてほぼ一定である。
【0033】
辺E1は、信号線S1と信号線S2との間において、曲線状に湾曲した湾曲部CR1を有している。辺E2は、信号線S1と信号線S2との間において、湾曲部CR1に沿って湾曲した湾曲部CR2を有している。湾曲部CR1及びCR2は、いずれも発光素子LS側に向かって凸となっている。すなわち、信号線S1と信号線S2との間に位置する辺E1は、信号線S1及びS2と重なる辺E1よりも発光素子LSに近接している。同様に、信号線S1と信号線S2との間に位置する辺E2は、信号線S1及びS2と重なる辺E2よりも発光素子LSに近接している。図示した例では、辺E1及びE2は、信号線S1と信号線S2との略中央において、発光素子LSに最も近接している。
【0034】
一例では、湾曲部CR1及びCR2の形状は、円周状である。図示した例では、湾曲部CR1の曲率半径R1は、信号線S1と信号線S2との間隔(ピッチ)P1の半分の長さとほぼ等しい。曲率半径R1は、間隔P1の半分以下であることが好ましい。なお、湾曲部CR1及びCR2の形状は、曲線状であればよく、円周状に限定されない。例えば、湾曲部CR1及びCR2は、楕円の周状でもよく、複数の曲率半径を有する形状であってもよく、互いに形状が異なっていてもよい。また、後述するように、湾曲部CR1及びCR2は、発光素子LSから離間する方向に向かって凸となっていてもよい。さらに、辺E1及びE2は、複数の湾曲部を有していてもよい。
【0035】
走査線G2は、走査線G1と同様の形状である。すなわち、走査線G2は、発光素子LS側に位置する辺E3と、辺E3と反対側の辺(発光素子LSから離間する側の辺)E4とを有している。辺E3及びE4は、信号線S1と信号線S2との間において、発光素子LS側に向かって凸となるように湾曲している。
【0036】
画素PXは、スイッチング素子SWと、画素電極13とを備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタである。図示した例では、スイッチング素子SWは、走査線G1及び信号線S1と電気的に接続されている。スイッチング素子SWは、第1方向Xにおいて、信号線S2よりも信号線S1に近接し、第2方向Yにおいて、走査線G2よりも走査線G1に近接している。上述の湾曲部CR1は、第1方向Xにおいて、スイッチング素子SWと信号線S2との間に設けられている。
【0037】
スイッチング素子SWは、半導体層SC、ゲート電極GE、ソース電極SE、及び、ドレイン電極DEを備えている。ゲート電極GEは、走査線G1と一体的に形成されている。図示した例では、スイッチング素子SWは、半導体層SCの下にゲート電極GEが位置するボトムゲート型であるが、半導体層SCの上にゲート電極GEが位置するトップゲート型であってもよい。半導体層SCは、例えばアモルファスシリコンによって形成されるが、多結晶シリコンや酸化物半導体によって形成されてもよい。ソース電極SEは、信号線S1と一体的に形成され、半導体層SCに接触している。ドレイン電極DEは、ソース電極SEから離間し、半導体層SCに接触している。画素電極13は、ドレイン電極DEの上に重畳し、コンタクトホールCHにおいてドレイン電極DEに接触している。
【0038】
画素電極13は、信号線S1と信号線S2との間で、且つ走査線G1と走査線G2との間に配置されている。走査線G1は、第2方向Yにおいて、画素電極13と発光素子LSとの間に位置している。図示した例では、画素電極13は、スイッチング素子SWの近傍を除き、信号線S1及びS2と走査線G1及びG2とによって囲まれた領域とほぼ同形状に形成されている。画素電極13は、走査線G1と対向する辺13a、走査線G2と対向する辺13b、信号線S1と対向する辺13c、及び信号線S2と対向する辺13dを有している。辺13aは、辺E2に沿って湾曲している。辺13bは、辺E3に沿って湾曲している。辺13c及び13dは、第2方向Yに沿って直線状に延出している。
【0039】
走査線G1と走査線G2との間には、容量線Cが配置されている。容量線Cは、画素電極13と重なっている。一例では、容量線Cは、画素電極13の下方で、走査線G2側に位置している。容量線Cと画素電極13とが重畳する部分は、蓄積容量を形成する。本実施形態において、容量線Cは、走査線G1及びG2と同様に湾曲している。すなわち、図示した例では、容量線Cの走査線G1側の辺E5は、辺E3と同様に湾曲している。容量線Cの走査線G2側の辺E6は、平面視で辺13bと一致している。
【0040】
上記の構成において、表示パネルPNLを伝搬する光Lは、表示パネルPNLに配置された各種配線のうち、主に、光Lの伝搬方向と交差する方向に沿った配線によって散乱される。ここでは、走査線G1及びG2、容量線Cなどが上記の配線に相当する。なお、走査線G1において、辺E1で散乱される光の量は、辺E2で散乱される光の量より多い。また、走査線G2において、辺E3で散乱される光の量は、辺E4で散乱される光の量より多い。
【0041】
図6では、辺E1及びE3によって散乱される光を細い実線の矢印で模式的に示している。辺E1において、湾曲部CR1において散乱された光は、湾曲部CR1からほぼ等方的に拡散される。このような湾曲部CR1は、例えば
図5(a)に示す凹部SBに相当する。辺E3においても同様に、辺E3の湾曲部において散乱された光は、ほぼ等方的に拡散される。なお、図示は省略するが、辺13aにおいて散乱された光についても同様である。
【0042】
図7は、
図6に示す画素PXのA-B線に沿った断面図である。
【0043】
第1基板SUB1において、ゲート電極GE及び図示しない走査線G及び容量線Cは、透明基板10の上に位置し、例えば
図3に示した配線11に相当する。絶縁層121は、ゲート電極GE及び透明基板10を覆っている。半導体層SCは、ゲート電極GEの直上において、絶縁層121の上に位置している。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、絶縁層121の上に位置し、それぞれ半導体層SCに接触している。絶縁層122は、半導体層SC、ソース電極SE、ドレイン電極DE、及び、絶縁層121を覆っている。絶縁層123は、絶縁層122を覆っている。絶縁層121乃至123は、例えば
図3に示した絶縁層12に相当する。絶縁層121及び122は、シリコン窒化物やシリコン酸化物などの透明な無機絶縁材料によって形成されている。絶縁層123は、アクリル樹脂などの透明な有機絶縁材料によって形成されている。画素電極13は、絶縁層123の上に位置している。画素電極13は、絶縁層122及び123を貫通するコンタクトホールCHにおいて、ドレイン電極DEに接触している。配向膜14は、画素電極13及び絶縁層123を覆っている。
【0044】
第2基板SUB2において、共通電極21は、透明基板20の下に位置している。配向膜22は、共通電極21を覆っている。液晶層30は、配向膜14及び22に接触している。
【0045】
図8は、透明状態の液晶層30を模式的に示す図である。図示した例は、液晶層30に電圧が印加されていない状態(例えば画素電極13と共通電極21との間の電位差がほぼゼロである状態)に相当する。ポリマー31の光軸Ax1及び液晶分子32の光軸Ax2は、互いに平行である。図示した例では、光軸Ax1及び光軸Ax2は、いずれも第1方向Xに平行である。ポリマー31及び液晶分子32は、ほぼ同等の屈折率異方性を有している。つまり、ポリマー31及び液晶分子32の常光屈折率は互いにほぼ同等であり、また、ポリマー31及び液晶分子32の異常光屈折率は互いにほぼ同等である。このため、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zを含むあらゆる方向において、ポリマー31と液晶分子32との間にほとんど屈折率差がない。このため、第3方向Zに沿って液晶層30に入射した光L1は、液晶層30内でほとんど散乱されることなく透過する。同様に、第3方向Zに対して傾斜した斜め方向に入射した光L2及びL3についても、液晶層30内でほとんど散乱されることはない。このため、高い透明性が得られる。
図6に示した状態を『透明状態』と称する。例えば、光L3は、
図3に示した発光素子LSから照射された光に相当し、液晶層30においてほとんど散乱されることなく、第2方向Yの矢印で示した向きとは逆向きに伝播する。
【0046】
図9は、散乱状態の液晶層30を模式的に示す図である。図示した例は、液晶層30に電圧が印加された状態(例えば画素電極13と共通電極21との間の電位差がしきい値以上である状態)に相当する。上記の通り、ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性より低い。一例では、ポリマー31の配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子32の配向方向は、液晶層30にしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。つまり、図示したように、光軸Ax1は第1方向Xとほとんど平行であるのに対して、光軸Ax2は第1方向Xに対して傾斜している。液晶分子32がポジ型液晶性分子である場合には、液晶分子32は、その長軸が電界に沿うように配向する。画素電極13と共通電極21との間の電界は、第3方向Zに沿って形成される。このため、液晶分子32は、その長軸あるいは光軸Ax2が第3方向Zに沿うように配向する。つまり、光軸Ax1及びAx2は、互いに交差する。したがって、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zを含むあらゆる方向において、ポリマー31と液晶分子32との間に大きな屈折率差が生ずる。これにより、液晶層30に入射した光L1乃至L3は、液晶層30内で散乱される。
図7に示した状態を『散乱状態』と称する。
【0047】
図10は、液晶層30が透明状態である場合の表示パネルPNLを示す断面図である。発光素子LSから照射された光L11は、端部E22から表示パネルPNLに入射し、透明基板20、液晶層30、透明基板10などを伝播する。配線11及び画素電極13と重畳する液晶層30は、透明状態である。このため、光L11は、液晶層30でほとんど散乱されず、透明基板10の下面10B及び透明基板20の上面20Tからほとんど漏れ出すことはない。
【0048】
表示パネルPNLに入射する外部光L12は、液晶層30でほとんど散乱されることなく透過する。つまり、下面10Bから表示パネルPNLに入射した外部光は上面20Tを透過し、上面20Tから表示パネルPNLに入射した外部光は下面10Bを透過する。このため、ユーザは、表示パネルPNLを上面20T側から観察した場合には、表示パネルPNLを透かして下面10B側の背景を視認することができる。同様に、ユーザは、表示パネルPNLを下面10B側から観察した場合には、表示パネルPNLを透かして上面20T側の背景を視認することができる。
【0049】
図11は、液晶層30が散乱状態である場合の表示パネルPNLを示す断面図である。発光素子LSから照射された光L21は、端部E22から表示パネルPNLに入射し、透明基板20、液晶層30、透明基板10などを伝播する。図示した例では、配線11と重畳する液晶層30は透明状態に維持されている。また、画素電極131と重畳する液晶層30は透明状態である。このため、光L21は、液晶層30のうち配線11及び画素電極131と重畳する領域でほとんど散乱されない。一方、画素電極132と重畳する液晶層30は散乱状態である。このため、光L21は、液晶層30のうち画素電極132と重畳する領域で散乱される。光L21のうち、一部の散乱光L211は上面20Tを透過し、一部の散乱光L212は下面10Bを透過し、他の散乱光は表示パネルPNL内を伝播する。
【0050】
画素電極131と重畳する領域では、表示パネルPNLに入射する外部光L22は、
図9に示した外部光L12と同様に、液晶層30でほとんど散乱されることなく透過される。画素電極132と重畳する領域では、下面10Bから入射した外部光L23は、液晶層30で散乱された後に、その一部の光L231が上面20Tを透過する。また、上面20Tから入射した外部光L24は、液晶層30で散乱された後に、その一部の光L241が下面10Bを透過する。
【0051】
このため、ユーザは、表示パネルPNLを上面20T側から観察した場合には、画素電極132と重畳する領域で光L21の色を視認することができる。加えて、一部の外部光L231が表示パネルPNLを透過するため、ユーザは、表示パネルPNLを透かして下面10B側の背景を視認することもできる。同様に、ユーザは、表示パネルPNLを下面10B側から観察した場合には、画素電極132と重畳する領域で光L21の色を視認することができる。加えて、一部の外部光L241が表示パネルPNLを透過するため、ユーザは、表示パネルPNLを透かして上面20T側の背景を視認することもできる。なお、画素電極131と重なる領域では、液晶層30が透明状態であるため、光L21の色はほとんど視認されず、ユーザは、表示パネルPNLを透かして背景を視認することができる。
【0052】
以上の本実施形態によれば、走査線G1において、少なくとも、発光素子LS側に位置する辺E1は、湾曲部CR1を有している。このため、表示パネルPNLを伝搬する光Lが辺E1によって散乱される場合であっても、散乱された光は、湾曲部CR1を起点としてほぼ等方的に拡散される。換言すると、表示パネルPNLにおいて、散乱光の指向性が弱められる。したがって、表示パネルPNLにおいて散乱光の輝度のムラを抑制することができ、表示品位の低下を抑制することができる。
【0053】
さらに、本実施形態によれば、画素電極13において、発光素子LS側に位置する辺13aが湾曲している。また、容量線Cにおいて、少なくとも発光素子LS側に位置する辺E5が湾曲している。したがって、辺13a、及び辺E5によって散乱される光も、湾曲部CR1によって散乱された光と同様に、指向性が弱められる。この結果、表示品位の低下を抑制することができる。
【0054】
なお、本実施形態は、例えば走査線G1及びG2が第2方向Yに沿って延出し、信号線S1及びS2が走査線G1及びG2と交差する方向に延出した表示装置にも適用できる。この場合、信号線S1及びS2を、走査線G1と走査線G2との間において湾曲させることで、同様の効果を得ることができる。
【0055】
図12は、画素PXの他の例を示す平面図である。
図12に示す例は、走査線G1及びG2が発光素子LSから離間する側に向かって凸となっている点で、
図6に示す例と相違している。
【0056】
より具体的には、走査線G1において、湾曲部CR1及びCR2は、発光素子LSから離間する側に向かって凸になっている。信号線S1と信号線S2との間に位置する辺E1は、信号線S1及びS2と重なる辺E1よりも発光素子LSから離間している。同様に、信号線S1と信号線S2との間に位置する辺E2は、信号線S1及びS2と重なる辺E2よりも発光素子LSから離間している。図示した例では、辺E1及びE2は、信号線S1と信号線S2との略中央において、発光素子LSに最も離間している。
【0057】
図示した例では、スイッチング素子SWは、信号線S2及び走査線G2と電気的に接続されている。走査線G2は、走査線G1と同様の形状である。画素電極13において、辺13aは辺E2に沿って湾曲し、辺13bは辺E3に沿って湾曲している。すなわち、辺13a及び13bは、いずれも発光素子LSから離間する側に凸となっている。また、図示した例では、容量線Cは、走査線G1側に位置し、辺E2に沿って湾曲している。辺E5は、平面視で辺13aと一致している。また、辺E6は、辺E5と同様に湾曲している。
【0058】
図において細い実線の矢印で示すように、辺E1において、湾曲部CR1によって散乱された光は、辺E1と発光素子LSとの間で集光された後、ほぼ等方的に広がる。辺E3においても同様に、辺E3の湾曲部で反射された光は、辺E3と辺E2との間で集光された後、ほぼ等方的に広がる。なお、図示は省略するが、辺13aにおいて散乱された光についても同様である。したがって、本例においても、
図6に示す例と同様の効果を得ることができる。
【0059】
図13は、画素PXの他の例を示す平面図である。
図13に示す例は、辺E1及びE2が複数の湾曲部を有している点で、
図12に示す例と相違している。
【0060】
辺E1は、第1方向Xに沿って並ぶ2つの湾曲部CR11及びCR12を有している。辺E2は、湾曲部CR11に沿って湾曲した湾曲部CR21と、湾曲部CR12に沿って湾曲した湾曲部CR22とを有している。湾曲部CR11、CR12、CR21、及びCR22は、いずれも発光素子LSから離間する側に向かって凸となっている。図示した例では、湾曲部CR11の曲率半径と湾曲部CR12の曲率半径は、ほぼ等しいが、それぞれ異なっていてもよい。
【0061】
画素電極13において、辺13aは、辺E2に沿って2つの湾曲部を有し、辺13bは、辺E3に沿って2つの湾曲部を有している。容量線Cにおいて、辺E5は、平面視で辺13aと一致しており、辺E2に沿って湾曲している。本例においても、
図12に示す例と同様の効果を得ることができる。
【0062】
図14は、画素PXの他の例を示す平面図である。
図14に示す例は、辺E1が部分的に直線状に延出している点で、
図13に示す例と相違している。なお、図示した例では、湾曲部CR11、CR12、CR21、CR22は、いずれも発光素子LSへ向かう側に凸となっている。
【0063】
辺E1は、信号線S1と信号線S2との間で、且つスイッチング素子SWが設けられる側に、直線状に延出した直線部LN1を有している。図示した例では、直線部LN1は、湾曲部CR12と信号線S2との間、具体的には、湾曲部CR12とゲート電極GEとの間に位置している。一例では、直線部LN1は、第1方向Xに沿って延出している。辺E2は、直線部LN1に沿って延出した直線部LN2を有している。また、図示した例では、辺13a及び辺E5は、直線部LN1に沿った直線部を有している。本例においても、
図13に示す例と同様の効果を得ることができる。
【0064】
図15は、画素PXの他の例を示す平面図である。
図15に示す例は、湾曲部CR11と湾曲部CR12とが逆方向に凸となっている点で、
図13に示す例と相違している。なお、図示した例では、スイッチング素子SWは、信号線S1及び走査線G1に電気的に接続されている。
【0065】
図示した例では、湾曲部CR11及びCR21は、発光素子LS側に向かって凸となっている。湾曲部CR12及びCR22は、発光素子LSから離間する側に向かって凸となっている。なお、湾曲部CR11及びCR21は、発光素子LSから離間する側に向かって凸となり、湾曲部CR12及びCR22は、発光素子LS側に向かって凸となってもよい。また、図示した例では、湾曲部CR11、CR12、CR21、及びCR22は、円周に沿っているが、他の形状でもよい。例えば、辺E1及びE2は、正弦波に沿った形状であってもよい。
【0066】
辺13aは、辺E2に沿って、発光素子LS側に凸となる領域と発光素子LSから離間する側に凸となる領域とを有している。同様に、辺13bは、辺E3に沿って、発光素子LS側に凸となる領域と発光素子LSから離間する側に凸となる領域とを有している。図示した例では、容量線Cは、走査線G2側に位置し、辺13bと同様に湾曲している。本例においても、
図13に示す例と同様の効果を得ることができる。
【0067】
図16は、画素PXの他の例を示す平面図である。
図16に示す例は、画素電極13が走査線G1及びG2と重なっている点で、
図6に示す例と相違している。すなわち、画素電極13の形状は、信号線S1及びS2と走査線G1及びG2とによって囲まれる領域の形状と異なっている。一例では、画素電極13は、略四角形である。辺13a及び13bは、第1方向Xに沿って直線状に延出している。
【0068】
図示した例では、走査線G2と容量線Cとは、信号線S1と信号線S2との間において、そのほとんどが画素電極13と重なっている。換言すると、走査線G2と容量線Cとは、辺13bよりも発光素子LS側に位置している。一方、走査線G1は、信号線S1と信号線S2との間において、そのほとんどが、画素電極13と重なっていない。図示した例では、走査線G1は、辺13aより発光素子LS側に位置し、画素電極13と第2方向Yに隣り合う画素電極13Aと重なっている。本例においても、
図6に示す例と同様の効果を得ることができる。
【0069】
図17は、画素PXの他の例を示す平面図である。
図17に示す例は、信号線S1と信号線S2との間において、辺E2が直線状に延出している点で、
図6に示す例と相違している。辺E1は、第1方向Xに沿って並んだ複数の湾曲部CR1を有している。換言すると、信号線S1と信号線S2との間において、辺E1と辺E2との間隔は、一定ではない。このような走査線G1は、発光素子LSと対向する側に複数の凸部を有しているとみなすことができる。図示した例では、走査線G2及び容量線Cは、走査線G1と同様の形状である。画素電極13において、辺13aは、辺E2に沿って直線状に延出している。一方、辺13bは、辺E3に沿って、複数の湾曲部を有している。
【0070】
本例においても、
図6に示す例と同様の効果を得ることができる。さらに、本例によれば、画素PXにおける走査線G1及びG2の長さを短縮することができるため、走査線G1及びG2の抵抗を小さくすることができる。
【0071】
図18は、画素PXの他の例を示す平面図である。
図18に示す例は、第2方向Yにおいて画素PXを挟んで2つの発光素子LS1及びLS2が設けられている点で、
図12に示す例と相違している。図示した例では、発光素子LS2、走査線G2、走査線G1、及び発光素子LS1は、この順で第2方向Yに沿って並んでいる。
【0072】
発光素子LS1から出射された光LL1は、
図12に示す例と同様に散乱される。すなわち、光LL1は、走査線G1において、主に辺E1において散乱され、走査線G2において、主にE3において散乱される。辺E1において、湾曲部CR1によって散乱された光は、図において細い実線の矢印で示すように、辺E1と発光素子LSとの間で集光された後、ほぼ等方的に拡散される。辺E3においても同様に、辺E3の湾曲部で散乱された光は、辺E3と辺E2との間で集光された後、ほぼ等方的に拡散される。なお、辺13aにおいて散乱される光についても同様である。
【0073】
発光素子LS2から出射された光LL2は、
図6に示す例と同様に散乱される。すなわち、光LL2は、走査線G1において、主に辺E2において散乱され、走査線G2において、主に辺E4において散乱される。辺E2において、湾曲部CR2によって散乱された光は、図において細い実線の矢印で示すように、ほぼ等方的に拡散される。辺E4においても同様に、辺E4の湾曲部において散乱された光は、ほぼ等方的に拡散される。なお、辺13bにおいて散乱される光についても同様である。
【0074】
本例によれば、表示装置DSPは、第2方向Yに沿って対向する2つの発光素子LS1及びLS2を備えている。発光素子LS1から出射した光LL1は、第2方向Yと反対方向に伝搬し、発光素子LS2から出射した光LL2は、第2方向Yに伝搬する。したがって、表示パネルPNLを伝搬する光が一方向に減衰することを抑制することができる。
【0075】
さらに、本例によれば、走査線G1において、発光素子LS1側に位置する辺E1は、湾曲部CR1を有し、発光素子LS2側に位置する辺E2は、湾曲部CR2を有している。光LL1は、主に湾曲部CR1を起点として等方的に拡散され、光LL2は、主に湾曲部CR2を起点として等方的に拡散される。したがって、走査線G1を挟んで両側に発光素子LS1及びLS2が設けられている場合であっても、表示パネルPNLにおいて、散乱光の指向性が弱められる。この結果、本例においても、表示パネルPNLにおいて散乱光の輝度のムラを抑制することができ、表示品位の低下を抑制することができる。
【0076】
なお、この発明は、上記各実施形態そのものに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0077】
以上の各例において、信号線S1は、第1配線に相当し、信号線S2は、第2配線に相当する。走査線G1は、第3配線に相当する。辺E1は、第1辺に相当する。辺E2は、第2辺に相当する。湾曲部CR1及びCR11は、第1湾曲部に相当する。湾曲部CR2は、第2湾曲部に相当する。湾曲部CR12は、第3湾曲部に相当する。辺13aは、第3辺に相当する。
【符号の説明】
【0078】
DSP…表示装置 PNL…表示パネル
LS…発光素子 EM…発光部
SUB1…第1基板 13…画素電極 13a,13b…辺
SUB2…第2基板 30…液晶層 31…ポリマー 32…液晶分子
S1,S2…信号線 G1,G2…走査線 E1,E2,E3,E4…辺
CR1,CR11,CR12,CR2,CR21,CR22…湾曲部