(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20220228BHJP
F25C 1/25 20180101ALN20220228BHJP
F25D 25/00 20060101ALN20220228BHJP
【FI】
F25D23/00 302E
F25C1/25 305F
F25D25/00 G
(21)【出願番号】P 2017226773
(22)【出願日】2017-11-27
【審査請求日】2020-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】磯野 啓博
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-128629(JP,A)
【文献】特開2002-107019(JP,A)
【文献】特開2007-178082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
F25C 1/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
氷を生成するための水を貯蔵する給水タンクと、
野菜を貯蔵する野菜室とを備え、
前記給水タンク内で発生した水蒸気を前記野菜室に導入し、
前記給水タンクは前記野菜室に配置される冷蔵庫であって、
前記給水タンクの下方に容器が配置され、前記容器の上部に、前記給水タンク側と前記給水タンクとは反対側とを仕切る容器仕切壁部が設けられ、
前記野菜室の出し入れに用いるレールとは別途に第2のレールが設けられ、前記給水タンクは前記第2のレールに沿って引き出されることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記給水タンクは開口部を備え、前記開口部が透湿シートで塞がれていることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記給水タンクを前記野菜室の上部に配置するための支持部を備え、
前記支持部は、
前記野菜室の天井から下方へ延び出して前記給水タンクの収容域を前記野菜室上部で区分けるための仕切板部と、
前記仕切板部から前記収容域側へ張り出して前記野菜室の出し入れ方向に延び、前記給水タンクにスライド移動可能に当接して支える前記第2のレールのレール部と、
前記仕切板部に配置され、前記収容域からの水蒸気を流出させる仕切板開口部とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記野菜室の内側壁で前記レール部に対向する位置に、前記収容域側へ張り出して前記野菜室の出し入れ方向に延び、前記給水タンクにスライド移動可能に当接して支える前記第2のレールの第2レール部を備えることを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記給水タンク内に配置されて水を前記給水タンク外に送り出すポンプと、
前記ポンプに対向するように前記仕切板部に配置され、前記ポンプを磁気結合により動作させるモータとを備えることを特徴とする請求項3または4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記容器は、
前記野菜室内に配置され下段野菜室を形成する下段野菜容器と、
前記下段野菜容器上に載置され、前記給水タンクの下方側に位置する上段浅底野菜室と、前記上段浅底野菜室に隣接する上段主野菜室とを形成する上段野菜容器とを備え、
前記
容器仕切壁部は
、前記上段浅底野菜室と前記上段主野菜室とを区画する
ように前記上段野菜容器に設けられるセパレート板部を有し、
前記セパレート板部が、前記仕切板部を介して前記給水タンクとは反対側に配置され、かつ、前記セパレート板部の上端は前記仕切板部の下端よりも上方に位置することで、前記上段主野菜室の高さが前記セパレート板部の少なくとも上端にまで到達していることを特徴とする請求項3~5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の冷蔵庫には、野菜容器に蓋体を設け、蓋体の開口に透湿膜を設けたものがある。この野菜容器を用いると、野菜に含まれる水分により野菜容器内の湿度を保つことができ、野菜の鮮度を維持できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、野菜の収納量が少ないときは、野菜からの水分が不足し、野菜容器内の湿度が低下し、野菜の鮮度維持が難しくなる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、野菜の収納量が少なくても野菜室内の湿度を維持できる冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の冷蔵庫は、氷を生成するための水を貯蔵する給水タンクと、野菜を貯蔵する野菜室とを備え、給水タンク内で発生した水蒸気を野菜室に導入することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】(a)は、
図1の矢視A-Aの断面図であって実施形態の冷蔵庫の要部を説明する正面断面図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。
【
図3】
図1の矢視B-Bの断面図であり、実施形態の冷蔵庫の要部を説明する側面断面図である。
【
図4】実施形態の冷蔵庫の給水タンクの斜視図である。
【
図5】実施形態の冷蔵庫の給水タンクの水をタンク外に送り出す構成を説明する平面断面図である。
【
図6】実施形態の冷蔵庫を構成する上段野菜容器の斜視図である。
【
図7】実施形態の冷蔵庫の仕切板開口部の形状の一例を示す説明図である。
【
図8】実施形態の冷蔵庫の仕切板開口部の形状の一例を示す説明図である。
【
図9】実施形態の冷蔵庫の仕切板開口部の形状の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。なお、以下の説明では、左右方向X、前後方向Y、上下方向Zとは、冷蔵庫を正面から見たときの方向を示し、また、右、左、上、下、奥、手前とは、特に規定がない場合には冷蔵庫を正面から見たときの位置や側などを示す。
【0009】
図1は、実施形態に係る冷蔵庫の全体構造を示す斜視図である。同図に示す冷蔵庫1は、その本体が内箱と外箱との間に真空断熱材等を挟んで構成される断熱箱体3で構成され、この断熱箱体3は、天井となる上面壁を構成する上面板状部5、底面壁を構成する底面板状部7、左側壁を構成する左側板状部9、右側壁を構成する右側板状部11および背面壁を構成する背面板状部13で構成されている。
【0010】
また、断熱箱体3の開口側(冷蔵庫正面側)には、観音開き式の冷蔵室扉15、引き出し式の野菜室扉17、引き出し式の製氷室扉19、引き出し式の第1冷凍室扉21、および引き出し式の第2冷凍室扉23が取り付けられている。なお、第2冷凍室扉23は、製氷室扉19の横に並んで設けられている。そして、冷蔵室扉15、野菜室扉17、製氷室扉19、第1冷凍室扉21および第2冷凍室扉23の奥の断熱箱体3内には、それぞれ冷蔵室、野菜室、製氷室、第1冷凍室および第2冷凍室が設けられている。
【0011】
図2で、(a)は、
図1の矢視A-Aの断面図であって実施形態の冷蔵庫の要部を説明する正面断面図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。
図2(a)では、内箱と外箱を区別せずに、冷蔵庫の左側壁を左側壁27、右側壁を右側壁29として示す。
【0012】
図3は、
図1の矢視B-Bの断面図であり、実施形態の冷蔵庫の要部を示す側面断面図である。野菜室31と冷蔵室32は仕切壁35で仕切られ、野菜室31と製氷室33、および野菜室31と第2冷凍室34は仕切壁36で仕切られる。仕切壁35、36は、何れも水平に(左右方向Xおよび前後方向Yに平行に)配置されている。
【0013】
(野菜室)
図4は、実施形態の冷蔵庫の給水タンクの斜視図である。
図5は、実施形態の冷蔵庫の給水タンクの水をタンク外に送り出す構成を説明する平面断面図である。
図6は、実施形態の冷蔵庫を構成する上段野菜容器の斜視図である。
【0014】
図1~
図6に示すように、野菜室31には、野菜室扉17とともに引き出し可能な下段野菜容器41と、下段野菜容器41の上に載置される上段野菜容器42と、製氷室33に保存する氷を生成するための水Lを貯蔵する給水タンク43とが配置されている。
【0015】
(給水タンク関連)
野菜室31には、給水タンク43を野菜室31の上部に配置するための支持部45が設けられている。支持部45は、仕切壁35(野菜室31の天井を形成している壁)から下方へ延び出して給水タンク43の収容域31tを野菜室上部で区分けるための仕切板部45bと、仕切板部45bから収容域31t側へ張り出して給水タンク43のフランジ部43f(後述)にスライド移動可能に当接して支えるレール部45rと、仕切板部45bに配置され、収容域31tからの水蒸気を流出させる仕切板開口部45mとを備える。仕切板部45bおよびレール部45rは、野菜室31内で、野菜室31の出し入れ方向である前後方向Yに延びている。
【0016】
そして野菜室31の左側壁27の内側壁27iでレール部45rに対向する位置には、レール状の第2レール部46rが配置されている。第2レール部46rは、収容域31t側へ張り出して野菜室31の出し入れ方向(前後方向Y)に延び、給水タンク43のフランジ部43fにスライド移動可能に当接して支える。従って、給水タンク43は仕切板部45bに隣接するとともに左側壁27にも隣接するように野菜室31内で保持される。
【0017】
給水タンク43は、タンク容器43vと、取り外し可能なタンク蓋43cとを有する。タンク蓋43cはタンク開口部43mを備え、透湿性を有する透湿シート43sがタンク開口部43mを塞いでいる。
【0018】
タンク蓋43cにはスライド移動式の給水口蓋部43w(
図4参照)が設けられ、給水口蓋部43wをスライド移動させることで給水口(図示せず)が露出してタンク容器43vへの給水が可能となる。透湿シート43sは空気と水蒸気とを通す材料で構成される。よって、給水タンク43の内部と外部は、給水口蓋部43wを閉じた状態であっても空気と水蒸気とが透湿シート43sを通過可能である。また、透湿シート43sはゴミや埃を通さないので、野菜についたゴミや埃が給水タンク43に入るのを防止できる。
【0019】
また、給水タンク43内には、水をタンク外に取り出すためのポンプ56が配置されている(
図5参照)。また、ポンプ56に対向する仕切板部45bの位置には、ポンプ56を磁気結合により動作させるためのモータ57が配置されている。そして、モータ57の回転に伴って回転する磁石片が、ポンプ56の羽に接続された磁石片と磁気結合してポンプ56の羽が回転し、ポンプ56に接続されたホース内の圧力が変化して給水タンク43内の水がタンク外に流れ出る構成になっている。なお、後述するように給水タンク43の下方に上段浅底野菜室42pが形成されているので、給水タンク43内の水量を充分に確保するには給水タンク43の幅や奥行きを長くすること(左右方向Xや前後方向Yの長さを長くする)ことが好ましい。
【0020】
(下段野菜容器および上段野菜容器)
下段野菜容器41には、透湿ユニット44(
図3参照)が取り付けられている。透湿ユニット44は、空気と水蒸気を通し、ゴミや埃を通さない透湿シート(図示せず)を内包している。よって、下段野菜容器41の下段野菜室41h内の湿度を維持し、汚れを防止できる構成にされている。また下段野菜容器41には、下段野菜室41h内を手前側空間41fと奥側空間41bとに分ける分離部41sが底部に配置されている。
【0021】
図2、
図3、
図6に示すように、上段野菜容器42は、給水タンク43の下方側に位置する上段浅底野菜室42pと、上段浅底野菜室42pに隣接する上段主野菜室42qとを形成している。
【0022】
詳細に説明すると、上段野菜容器42は、上段浅底野菜室42pを構成する底板部42v1と、上段浅底野菜室42pと上段主野菜室42qとを区画するセパレート板部42sと、底板部42v1の周囲から上方に延びる側壁部42w1と、上段主野菜室42qを構成する底板部42v2と、底板部42v2の周囲から上方に延びる側壁部42w2とを備える。
【0023】
セパレート板部42sは仕切板部45bを介して給水タンク43とは反対側に配置されており、セパレート板部42sの上端42suは仕切板部45bの下端45bvよりも上方に位置している。そして、上段浅底野菜室42pの上方には給水タンク43が位置しており、上段浅底野菜室42pを形成する側壁部42w1の高さh1は、上段主野菜室42qを形成する側壁部42w2の高さh2よりも小さくされている。この構成により、上段主野菜室42qの高さが、少なくともセパレート板部42sの上端42suにまで達し、更にはほぼ側壁部42w2の高さにまで到達している。
【0024】
また、セパレート板部42sの上端42suは側壁部42w1の上端よりも高く側壁部42w2の上端よりも低くされている。
【0025】
また、側壁部42w1の左側(冷蔵庫正面側から見て左側)には、左側へ鍔状に張り出す張出部42k1が配置されており、側壁部42w2の右側(冷蔵庫正面側から見て右側)には、右側へ鍔状に張り出す張出部42k2が配置されている。そして、下段野菜容器41の上端部には鍔部41eが張り出しており、野菜室扉17を閉じた状態では、下段野菜容器41の鍔部41eに張出部42k1、42k2が載せられる構成になっている(
図2参照)。
【0026】
下段野菜容器41の手前側空間41fや上段野菜容器42に野菜等を出し入れするには、野菜室扉17を使用者が手前(
図3の紙面右方向)に引く。これにより、野菜室扉17とともに下段野菜容器41が引き出され、下段野菜容器41の上に置かれる上段野菜容器42も引き出される。給水タンク43は、上段浅底野菜室42pの上方に配置されるので、上段野菜容器42は引き出す際には給水タンク43に干渉せず、上段野菜容器42を安定して引き出すことができる。また、野菜室扉17とともに上段野菜容器42を戻す際も同様である。
【0027】
また、下段野菜容器41の奥側空間41bに野菜等を出し入れする際は、下段野菜容器41を引き出した状態で、上段野菜容器42を奥側(
図3の紙面左方向)に押し入れる。給水タンク43は、上段浅底野菜室42pの上方に配置されるので、押し入れる際に上段野菜容器42は給水タンク43に干渉せず、上段野菜容器42を安定して押し入れることができる。
【0028】
また、野菜室扉17を引き出した状態であれば、上段野菜容器42の位置によらず、給水タンク43のフランジ部43fをレール部45r、第2レール部46rに乗せたままま手前にスライド移動させることで、給水タンク43を野菜室31から取り出せ、給水後に戻すことができる。給水タンク43は、上段浅底野菜室42pの上方に配置されるので、給水タンク43を出し入れする際に上段野菜容器42に干渉せず、給水タンク43を安定して出し入れできる。
【0029】
なお、実施形態では、給水タンク43内で発生した水蒸気を野菜室31に導入するのに、給水タンク43にタンク開口部43mを設け、野菜室31に配置したが、これに限るものではない。
【0030】
例えば、給水タンク43を冷蔵室32に配置し、給水タンク43のタンク開口部と野菜室31とをホースなどで接続し、給水タンク43で発生した水蒸気を吸引し、ホースなどを介して野菜室31に導入してもよい。その場合、ホース内などに透湿シートを配置することで、水蒸気を野菜室31に導入し且つゴミや埃が給水タンク43に戻ることを防止できる。
【0031】
(チルド室)
図2に示すように、冷蔵室32の下方部分には、冷蔵庫1の左側壁27の内側から右側壁29の内側までの幅を有するチルド室50が設けられている。すなわち、冷蔵庫1の内箱いっぱいまで幅を広げたチルド室50が設けられている。チルド室50には、その幅をほぼ全て使用して、上段トレー51と下段トレー52とが設けられている。
【0032】
このように、給水タンク43は野菜室31に配置されるので、給水タンク43をチルド室50と横並びに配置する場合とは異なり、冷蔵庫1の左側壁27の内側から右側壁29の内側までの幅を有するチルド室50を設けることができる。よって、上段トレー51と下段トレー52との幅も長くすることができ、給水タンク43をチルド室50と横並びに配置する場合に比べ、チルド室50の利便性が大幅に高まっている。
【0033】
また、チルド室50の幅を冷蔵庫1の内箱いっぱいまで幅を広げることができるので、幅の狭い冷蔵庫でも、閉塞感を感じずに使用することができる。
【0034】
以上説明したように、実施形態に係る冷蔵庫1では、給水タンク43内で発生した水蒸気は野菜室31に導入される。よって、水蒸気が野菜室31の湿度を高めるので、野菜の収納量が少なくても野菜室31内の湿度を維持できる。
【0035】
また、給水タンク43は野菜室31に配置されるので、給水タンク43から発生した水蒸気は、野菜室導入用の配管を設けなくても野菜室31に入れることができ、冷蔵庫1の構成を簡素にできる。
【0036】
また、給水タンク43はタンク開口部43mを備え、タンク開口部43mが透湿シート43sで塞がれている。従って、タンク開口部43mから透湿シート43sを通過した水蒸気が野菜室31内に入るので、大規模な構造変更や収納物の落下防止策が不要である。また、透湿シート43sによって湿度過多、結露を簡単に防止し易く、しかも、タンク開口部43mからの水蒸気の流量を透湿シート43sによって調整すること、すなわち、野菜が収納されるゾーン(下段野菜室41h、上段浅底野菜室42p、上段主野菜室42q)の調湿を行うことができる。また、タンク開口部43mを透湿シート43sで塞いでいるので、野菜についたゴミや埃が給水タンク43に入るのを防止できる。
【0037】
また、冷蔵庫1は、野菜室31に給水タンク43を支える支持部45を備えている。そして支持部45は、野菜室31の天井から下方へ延び出して給水タンク43の収容域31tを野菜室上部で区分けるための仕切板部45bと、仕切板部45bから収容域31t側へ張り出して給水タンク43にスライド移動可能に当接して支えるレール部45rと、仕切板部45bに配置され、収容域31tからの水蒸気を流出させる仕切板開口部45mとを備える。これにより、簡易な構造で給水タンク43を野菜室31に配置することができ、しかも、給水タンク43から出た水蒸気を仕切板開口部45mから野菜室31に導入し易い。なお、仕切板開口部45mの寸法、個数などを、野菜室31の容量等に基づいて予め調整しておくことにより、野菜室31の湿度を適度な湿度に維持し易い。
【0038】
また、冷蔵庫1は、野菜室31の内側壁27iでレール部45rに対向する位置に、収容域31t側へ張り出して給水タンク43にスライド移動可能に当接して支える第2レール部46rを備える。これにより、支持部45で支持する力を半減させることができるので支持部45の構造を簡素にでき、また、給水タンク43とレール部45r、第2レール部46rとのスライド移動をスムーズにし易い。
【0039】
また、冷蔵庫1は、給水タンク43内に配置されて水をタンク外に送り出すポンプ56と、ポンプ56に対向するように仕切板部45bに配置され、ポンプ56を磁気結合により動作させるモータ57とを備える。これにより、ポンプ56とモータ57の位置関係を簡素化し、位置ずれを防止することができる。また、給水タンク43をセットするだけで、ポンプ56とモータ57の磁石片を磁気結合でき、水を給水タンク43外に取り出すことができる。
【0040】
また、給水タンク43を野菜室31に配置したことで、冷蔵庫の左側壁から右側壁までの幅を有するチルド室50を設けることができ、チルド室50の収納量を増やすことができる。また、チルド室50を閉塞感を感じずに使用できる。
【0041】
また、上段野菜容器42では、上段主野菜室42qの高さは上段浅底野菜室42pよりも高くされているので、野菜室31内の給水タンク横のスペースの有効活用が図られている。そして、セパレート板部42sの上端42suは側壁部42w1の上端よりも高く側壁部42w2の上端よりも低くされており、上段主野菜室42qと上段浅底野菜室42pとの間で野菜を容易に移動させることができ、しかも、野菜室扉17の引出しおよび収納を安定して行うことができる。
【0042】
なお、給水タンク43のタンク蓋43cに透湿シート43sを設けることは必須ではない。透湿シート43sを設けないで野菜についたゴミや埃が給水タンク43に入るのを防止するには、例えば、タンク蓋43cに多数の小さい孔を形成してタンク開口部とすればよい。また、例えば、タンク蓋43cにラビリンス構造を設け、気体(水蒸気)を通すが物体(ゴミや埃)を通さないようにしてもよい。
【0043】
また、仕切板開口部45mの形状としては種々の形状が考えられる。例えば、
図7に示すように、仕切板部45bの長手方向に沿った仕切板開口部45m1でもよく、これにより、簡易な形状の仕切板開口部にすることができる。また、
図8に示すように、貫通孔状の仕切板開口部45m2が配列されていてもよく、これにより、多数の仕切板開口部45m2を形成しても仕切板部45bの強度を充分に保つことが可能である。また、
図9に示すように、上下方向Zに沿った仕切板開口部45m3を仕切板部45bの長手方向に沿って配列してもよく、これにより、多数の仕切板開口部45m3を形成しても仕切板部45bの強度を充分に保つことが可能であるとともに、開口面積をコントロールし易い。
【0044】
また、セパレート板部42sの上辺部は、奥側から手前側にかけて下がるように傾斜していてもよい。これにより、上段主野菜室42qと上段浅底野菜室42pとの間で野菜を更に移動させ易くなる。
【0045】
以上、実施形態を挙げて説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1 冷蔵庫
27i 内側壁
31 野菜室
31t 収容域
41 下段野菜容器
41h 下段野菜室
42 上段野菜容器
42p 上段浅底野菜室
42q 上段主野菜室
42s セパレート板部
42su 上端
43 給水タンク
43m タンク開口部
43s 透湿シート
45 支持部
45b 仕切板部
45bv 下端
45m 仕切板開口部
45m1 仕切板開口部
45m2 仕切板開口部
45m3 仕切板開口部
45r レール部
46r 第2レール部
56 ポンプ
57 モータ