(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】真性糖尿病の処置および/または予防における使用のためのグルコラファニン
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7028 20060101AFI20220228BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20220228BHJP
A61K 36/31 20060101ALI20220228BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20220228BHJP
【FI】
A61K31/7028 ZMD
A61P3/10
A61K36/31
A23L33/105 ZNA
(21)【出願番号】P 2017567176
(86)(22)【出願日】2016-06-24
(86)【国際出願番号】 GB2016051898
(87)【国際公開番号】W WO2016207651
(87)【国際公開日】2016-12-29
【審査請求日】2019-05-30
(32)【優先日】2015-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500123706
【氏名又は名称】プラント・バイオサイエンス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミゼン, リチャード
【審査官】福山 則明
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104434941(CN,A)
【文献】特開2014-064567(JP,A)
【文献】特開2014-076045(JP,A)
【文献】国際公開第2014/008361(WO,A2)
【文献】BAHADORAN, Zahra et al.,International Journal of Food Sciences and Nutrition,2012年,Vol. 63, No. 7,pp. 767-771,DOI: 10.3109/09637486.2012.665043
【文献】MIRMIRAN, Paruin et al.,Journal of Functional Foods,2012年,Vol. 4,pp. 837-841,DOI: 10.1016/j,jff.2012.05.012
【文献】BAHADORAN, Zahra et al.,Diabetic Research and Clinical Practice,2012年,Vol. 96,pp. 348-354,DOI: 10.1016/j.diabres.2012.01.009
【文献】CONZATTI, Adriana et al.,Nutricion Hospitalaria,2015年02月,Vol. 31, No. 2,pp. 559-569,ISSN: 0212-1611
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61K 33/00-33/44
A61K 36/00-36/9068
A23L 33/00-33/29
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物を投与されなかった対象と比較して、前記組成物を投与された対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させることにおける使用のための、グルコラファニンを含む前記組成物であって、前記組成物は、前記対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回前記対象に断続的に投与されることを特徴とする、組成物。
【請求項2】
高グルコシノレートアブラナ科野菜、その部分、その抽出物またはその組合せから調製される組成物であって、
前記組成物を投与されなかった対象と比較して、前記組成物を投与された対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させることにおける使用のための組成物であって、前記組成物は、前記対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回前記対象に断続的に投与されることを特徴とする、組成物。
【請求項3】
グルコラファニンを含む前記組成物が、高グルコシノレートアブラナ科野菜、その部分またはその抽出物から調製される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記高グルコシノレートアブラナ科野菜、その部分またはその抽出物が、ブロッコリー植物、その部分またはその抽出物である、請求項2から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、1週間に約1~約3回前記対象に断続的に投与されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、1週間に1回前記対象に断続的に投与されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、前記対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように前記対象に断続的に投与されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、前記対象が、週用量約350~約500μモルのグルコラファニンを投与されるように前記対象に断続的に投与されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、前記対象が、週用量約350~約480μモルのグルコラファニンを投与されるように前記対象に断続的に投与されることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記対象が、前糖尿病性対象である、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、食料品、野菜抽出物および/または医薬組成物として製剤化される、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記食料品が、調製された食品生産物(好ましくはスープ)である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記高グルコシノレートブロッコリー植物、その部分またはその抽出物が、Myb28
Villosoa高グルコシノレートブロッコリー植物、その部分またはその抽出物である、請求項5から1
2のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させ、ならびに/または真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防し、ならびに/または真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を処置するためのグルコラファニンを含む組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
真性糖尿病、特に2型真性糖尿病は、先進国世界において特に急速に増加している一般的な代謝障害である。用語真性糖尿病は、長期にわたる高血糖レベルによって特徴づけられる代謝疾患の一群を指すために一般に使用される。主要な3つの型の糖尿病:1型真性糖尿病、2型真性糖尿病および妊娠糖尿病がある。
【0003】
2型真性糖尿病(インスリン非依存性糖尿病)は、インスリン抵抗性、インスリン欠乏および過血糖によって特徴づけることができる。
【0004】
2型糖尿病は、症状が散発性である場合があり、1型糖尿病に伴う症状より確実に軽度なので、長年診断されない場合がある。しかしながら、無処置の2型糖尿病罹患者において上昇した血糖レベルは、腎臓および眼のような他の組織の機能的障害に至る可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
第1の態様によれば、本発明は、
a.組成物を投与されなかった対象と比較して、前記組成物を投与された対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させ;および/または
b.対象において真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防し、真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を治療する、またはその組合せ;
における使用のためのグルコラファニンを含む前記組成物であって、前記組成物が、前記対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回前記対象に断続的に投与される、組成物を提供する。
【0006】
第2の態様において、本発明は、高グルコシノレートアブラナ科野菜、その部分、その抽出物またはその組合せから調製される組成物であって、
a.前記組成物を投与されなかった対象と比較して、前記組成物を投与された対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させ;および/または
b.対象において真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防し、真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を治療する、またはその組合せ;
に使用するための組成物であって、前記対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように、前記対象が、1週間に約1~約5回前記組成物を断続的に投与される、組成物を提供する。
【0007】
第3の態様によれば、空腹時血清グルコースレベルが上昇した対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させる;対象において真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防する;真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を有する対象を治療する;またはその組合せの方法であって、
a.グルコラファニン;および/または
b.高グルコシノレートアブラナ科野菜、その部分またはその抽出物から調製される組成物;
を含む組成物を対象に断続的に投与するステップを含み、
前記組成物が、前記対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回前記対象に断続的に投与される、方法が提供される。
【0008】
第4の態様において:
a.組成物を投与されなかった対象と比較して、前記組成物を投与された対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させ;および/または
b.対象において真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防し、真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を処置する、またはその組合せ;
のための医薬の製造のためのグルコラファニンを含む組成物の使用であって、組成物が、対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回前記対象に断続的に投与される、使用が提供される。
【0009】
第5の態様において:
a.組成物を投与されなかった対象と比較して、前記組成物を投与された対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させ;および/または
b.対象において真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防し、真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を処置する、またはその組合せ;
のための医薬の製造のための、高グルコシノレートアブラナ科野菜、その部分、その抽出物またはその組合せから調製される組成物の使用であって、対象が、前記対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回前記組成物を断続的に投与される、使用が提供される。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
a.組成物を投与されなかった対象と比較して、前記組成物を投与された対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させ;および/または
b.対象において真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防し、真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を治療する、またはその組合せ;
における使用のためのグルコラファニンを含む前記組成物であって、前記組成物が、前記対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回前記対象に断続的に投与される、組成物。
(項目2)
高グルコシノレートアブラナ科野菜、その部分、その抽出物またはその組合せから調製される組成物であって、
a.前記組成物を投与されなかった対象と比較して、前記組成物を投与された対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させ;および/または
b.対象において真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防し、真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を治療する、またはその組合せ;
に使用するための組成物であって、前記対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように、前記対象が、1週間に約1~約5回前記組成物を断続的に投与される、組成物。
(項目3)
空腹時血清グルコースレベルが上昇した対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させる;対象において真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防する;真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を有する対象を治療する;またはその組合せの方法であって、
a.グルコラファニン;および/または
b.高グルコシノレートアブラナ科野菜、その部分またはその抽出物から調製される組成物;
を含む組成物を対象に断続的に投与するステップを含み、
前記組成物が、前記対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回前記対象に断続的に投与される、方法。
(項目4)
グルコラファニンを含む前記組成物が、高グルコシノレートアブラナ科野菜、その部分またはその抽出物から調製される、項目1に記載の使用のための組成物または項目3に記載の方法。
(項目5)
前記高グルコシノレートアブラナ科野菜、その部分またはその抽出物が、ブロッコリー植物、その部分またはその抽出物である、項目2から4のいずれか一項に記載の使用のための組成物または方法。
(項目6)
前記組成物が、1週間に約1~約3回前記対象に断続的に投与される、前記項目のいずれか一項に記載の使用のための組成物または方法。
(項目7)
前記組成物が、1週間に1回前記対象に断続的に投与される、前記項目のいずれか一項に記載の使用のための組成物または方法。
(項目8)
前記組成物が、前記対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように前記対象に断続的に投与される、前記項目のいずれか一項に記載の使用のための組成物または方法。
(項目9)
前記組成物が、前記対象が、週用量約350~約500μモルのグルコラファニンを投与されるように前記対象に断続的に投与される、前記項目のいずれか一項に記載の使用のための組成物または方法。
(項目10)
前記組成物が、前記対象が、週用量約350~約480μモルのグルコラファニンを投与されるように前記対象に断続的に投与される、項目9に記載の使用のための組成物または方法。
(項目11)
前記対象が、前糖尿病性対象である、前記項目のいずれか一項に記載の使用のための組成物または方法。
(項目12)
前記組成物が、食料品、野菜抽出物および/または医薬組成物として製剤化される、前記項目のいずれか一項に記載の使用のための組成物または方法。
(項目13)
前記食料品が、調製された食品生産物(好ましくはスープ)である、項目14に記載の使用のための組成物または方法。
(項目14)
前記高グルコシノレートアブラナ科野菜、その部分、もしくはその抽出物および/またはブロッコリー植物、その部分もしくはその抽出物が、
a.配列番号1のヌクレオチド83、136、226、563、610、830、995、1116、1513、1577、1606、1620、1825、1863、1877もしくは2026に対応する位置での単一ヌクレオチド多型(SNP)、または
b.配列番号1のヌクレオチド323~332、ヌクレオチド521~524、ヌクレオチド783~786、ヌクレオチド909~914、ヌクレオチド1365~1369、1811~1821、もしくはヌクレオチド2046~2056に存在するヌクレオチドの番号における多型、または
c.配列番号1のヌクレオチド836~837、ヌクレオチド867~868、もしくはヌクレオチド943~944に存在するヌクレオチドの番号における多型、
からなる群から選択される少なくとも1つの多型は除いて、配列番号1を含む、項目5から13のいずれか一項に記載の使用のための組成物または方法。
(項目15)
前記高グルコシノレートアブラナ科野菜、その部分もしくはその抽出物および/またはブロッコリー植物、その部分もしくはその抽出物が、配列番号2または配列番号2と少なくとも97%の同一性を有する配列を含む、項目5から14のいずれか一項に記載の使用のための組成物または方法。
(項目16)
前記高グルコシノレートブロッコリー植物、その部分またはその抽出物が、Myb28Villosoa高グルコシノレートブロッコリー植物、その部分またはその抽出物である、項目5から15のいずれか一項に記載の使用のための組成物または方法。
(項目17)
実施例ならびに図面を参照して本明細書に実質的に記載される使用のための組成物および/または方法。
【0010】
次に、本発明の実施形態を、あくまで例として、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1-1】
図1は、グルコシノレートのレベルが増加した、ブロッコリー、例えばB.villosaのMyb28遺伝子座のコンセンサス配列(FT69)およびグルコシノレートのレベルが増加しない、ブロッコリー、例えばB.oleraceaのMyb28遺伝子座のコンセンサス配列(Oleracea)の間の配列アラインメントを示す。合計26の単一特徴多型(single feature polymorphism)(SFP)(そのうち、16のSNPおよび10のインデルがある)が、2202bpの全長を有する配列において検出される。
図1に示す配列アラインメントにおいて、SFPに網掛けがされている。これらのSFPは、B.villosa遺伝子移入を示す。
【
図1-2】
図1は、グルコシノレートのレベルが増加した、ブロッコリー、例えばB.villosaのMyb28遺伝子座のコンセンサス配列(FT69)およびグルコシノレートのレベルが増加しない、ブロッコリー、例えばB.oleraceaのMyb28遺伝子座のコンセンサス配列(Oleracea)の間の配列アラインメントを示す。合計26の単一特徴多型(single feature polymorphism)(SFP)(そのうち、16のSNPおよび10のインデルがある)が、2202bpの全長を有する配列において検出される。
図1に示す配列アラインメントにおいて、SFPに網掛けがされている。これらのSFPは、B.villosa遺伝子移入を示す。
【
図1-3】
図1は、グルコシノレートのレベルが増加した、ブロッコリー、例えばB.villosaのMyb28遺伝子座のコンセンサス配列(FT69)およびグルコシノレートのレベルが増加しない、ブロッコリー、例えばB.oleraceaのMyb28遺伝子座のコンセンサス配列(Oleracea)の間の配列アラインメントを示す。合計26の単一特徴多型(single feature polymorphism)(SFP)(そのうち、16のSNPおよび10のインデルがある)が、2202bpの全長を有する配列において検出される。
図1に示す配列アラインメントにおいて、SFPに網掛けがされている。これらのSFPは、B.villosa遺伝子移入を示す。
【
図2】
図2は、配列番号1、グルコシノレートレベルが増加しない、Brassica oleracea(ブロッコリー)由来のMyb28遺伝子座を含む核酸断片の配列を示す。SFP(SNPおよびインデル、例えば欠失させることができるヌクレオチドを含む)に網掛けがされている。SFP(インデル挿入)を間に挿入できるヌクレオチドに下線が引かれている。
【
図3】
図3は、配列番号2、グルコシノレートレベルが増加したBrassica villosa FT69(ブロッコリー)由来のMyb28遺伝子座を含む核酸断片の配列を示す。網掛けのヌクレオチドは、配列番号1とアラインメントしたときのSFP(SNPおよびインデルを含む)を示す。
【
図4】
図4は、マイクロモル/g新鮮重量で表された、標準、Beneforte(登録商標)およびBeneforte extraブロッコリーにおける、グルコラファニン含有量を示す。
【
図5】
図5は、Bakkavorにより提供され、スープを一人分ずつ冷凍するよう設計されたカートンに詰められた、ブロッコリーおよびスティルトンスープを示す。
【
図6】
図6は、標準、Beneforte(登録商標)およびBeneforte extraブロッコリーでできたスープ中のグルコラファニン(μモル/g新鮮重量)および総硫黄化合物(mg/100g乾燥重量)のレベルを示す。データが、Bakkavorにより製造されたブロッコリーおよびスティルトンスープから得られる。データは、平均±標準偏差として表され、統計的有意性は、対応のあるT検定を使用して決定される。
【
図7】
図7は、Beneforte extraブロッコリースープの摂取開始後の6ヵ月間を含む、6年の期間にわたる対象の空腹時血中グルコースレベルを示す。
【
図8】
図8は、Beneforte extraブロッコリースープを6ヵ月間摂取する対象のコホートの空腹時血中グルコースレベルを示す。データは、平均±標準偏差として表される。
【
図9】
図9は、Beneforte extraブロッコリースープを摂取する対象のコホートにおける、空腹時血中グルコースレベルのベースラインからの倍数変化を示し、統計的有意性は対応のあるT検定を使用して決定される。
【
図10】
図10は、Beneforte extraスープを摂取する対象のコホートにおける、ベースラインと比較した空腹時血中グルコースレベルの変化を示す。
【
図11】
図11は、対照の標準ブロッコリースープを摂取する対象のコホートにおける、ベースラインと比較した空腹時血中グルコースレベルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(詳細な説明)
最初に、本発明者らは、グルコラファニンを含む組成物が、対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回前記対象に断続的に投与された場合、前記組成物を投与されなかった対象と比較して、前記組成物を投与された対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させ;ならびに/または対象において真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防し、真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を処置する、またはその組合せ、において有用であることを示した。
【0013】
本発明者らは、高グルコシノレートアブラナ科野菜、その部分、その抽出物またはその組合せから調製された組成物が、対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニン(適切には例えば約300~約500μモルのグルコラファニン)を投与されるように1週間に約1~約5回前記対象に断続的に投与される場合、前記組成物を投与されなかった対象と比較して、前記組成物を投与された対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させ;ならびに/または対象において真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防し、真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を処置する、またはその組合せ、において有用であることも驚くべきことに見出した。
【0014】
さらに、本発明者らはまた、空腹時血清グルコースレベルが上昇した対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させる;対象において真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防する;真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を有する対象を治療する;またはその組合せの方法であって、
a.グルコラファニン;および/または
b.高グルコシノレートアブラナ科野菜、その部分またはその抽出物から調製される組成物;
を含む組成物を対象に断続的に投与するステップを含み、
前記組成物が、前記対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回前記対象に断続的に投与される、方法を提供した。
【0015】
好ましくは本発明による使用のための組成物は、グルコラファニンを含む。
【0016】
一実施形態において、組成物は、高グルコシノレートアブラナ科野菜から調製することができる。適切には、高グルコシノレートブロッコリー植物から調製される。
【0017】
別の実施形態において、組成物は、高グルコシノレートアブラナ科野菜の部分から調製することができる。適切には、高グルコシノレートブロッコリーの部分から調製される。
【0018】
さらなる実施形態において、組成物は、高グルコシノレートアブラナ科野菜の抽出物から調製することができる。適切には、高グルコシノレートブロッコリーの抽出物から調製される。
【0019】
適切には、本明細書に記載される組成物は、真性糖尿病の予防および/または治療に使用される。より好ましくは2型真性糖尿病に使用される。
【0020】
本明細書では用語「グルコラファニン」は、4-メチルスルフィニルブチルグルコシノレート(MSB)を意味する。用語「グルコラファニン」、「4-メチルスルフィニルブチルグルコシノレート」および/または「MSB」は、本明細書において互換的に使用される。本発明による使用のためのグルコラファニンは、任意の適切な供給源から得ることができる。グルコラファニンは、アブラナ科野菜から得ることができる。適切には、グルコラファニンは、ブロッコリーから得ることができる。
【0021】
理論に束縛されるものではないが、本発明による使用のためのグルコラファニンは、対象の体内で1つまたは複数のその誘導体に変換され得ると考えられている。いくつかの実施形態において、グルコラファニンは、本発明で観察される有利な効果を実現するその誘導体であることができる。
【0022】
用語「その誘導体」は、グルコラファニンから得られる化合物のことを指す。適切には、誘導体は、イソチオシアネートであることができる。イソチオシアネートは、一般式R-NCSを有する植物性化学物質(phytochemical)である。
【0023】
イソチオシアネートは、アブラナ科野菜中でグルコシノレートコンジュゲートとして天然に存在する。
【0024】
本発明において特定の目的のイソチオシアネートには:4-メチルスルフィニルブチル(別名スルフォラファンまたはSF);4-メチルチオブチル(別名エルシン);4-メルカプトブチル(別名サチビン);β-フェニルエチルイソチオシアネート(PE-ITC);イベリン(別名IB)および3-メチルチオプロピルが含まれ得る。
【0025】
一実施形態において、本発明によるイソチオシアネートは、エルシンおよび/または3-メチルチオプロピルであり得る。
【0026】
さらなる実施形態において、イソチオシアネートは、3-メチルチオプロピルであり得る。
【0027】
別の実施形態において、イソチオシアネートは、サチビンであり得る。
【0028】
好ましくは、イソチオシアネートおよび/またはグルコラファニンの誘導体は、4-メチルスルフィニルブチル(スルフォラファン)である。
【0029】
別の実施形態において、本発明による使用のための組成物は、スルフォラファンを含まなくてもよい。
【0030】
本発明による使用のための組成物は、グルコラファニンに加えて1つもしくは複数のさらなるグルコシノレートおよび/またはその誘導体を含むことができる。
【0031】
グルコシノレートは、硫黄、窒素およびグルコースから得られる基を含有する有機化合物のクラスである。それらは、アブラナ科野菜など、Brassicales目(特にBrassicaceae科)の多くの植物の二次代謝産物として存在する。
【0032】
グルコシノレートは、水溶性アニオンであり、グルコシドに属する。いずれのグルコシノレートも、硫黄原子を介してグリコン基に(硫酸化ケトオキシムを作る)および窒素原子を介して硫酸基に結合している中心炭素原子を含有する。加えて、中心炭素は側基に結合されており;異なるグルコシノレートは、異なる側基を有する。
【0033】
約120種の異なるグルコシノレートが、植物に天然に存在することが公知である。
【0034】
本発明によるグルコシノレートは、好ましくは脂肪族である。
【0035】
本発明において、以下のグルコシノレート:4-メチルスルフィニルブチルグルコシノレート、3-メチルスルフィニルプロピルグルコシノレート、4-メチルチオブチルグルコシノレートおよび3-メチルチオプロピルグルコシノレートのうち1つまたは複数が、重要であり得ると想定される。
【0036】
一実施形態において、グルコシノレートは、好ましくは4-メチルスルフィニルブチルグルコシノレート(MSB)および/または3-メチルスルフィニルプロピルグルコシノレート(MSP)であり得る。
【0037】
一実施形態において、本発明による使用のための組成物は、組成物を投与された対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させる。
【0038】
対象(例えばヒト対象)が、空腹時血清グルコースレベルの減少を示すかどうか決定するために、当業者は、本明細書に記載される組成物を投与された対象の空腹時血清グルコースレベルを、組成物を投与されなかった対象と比較することが意図される。空腹時血清グルコースレベルの差異を比較することにより、減少を決定することができる。
【0039】
対象の空腹時血清グルコースレベルの決定は、当技術分野で公知の任意の方法を使用して実現することができる。代表的には、空腹時血清グルコースレベルは、対象の血液試料を使用して測定することができる。適切には、空腹時血清グルコースレベルは、対象が絶食した後、例えば対象が少なくとも8時間絶食した場合の後に決定され得る。
【0040】
例として、空腹時のグルコース濃度は、Abbott CLINICAL CHEMISTRYによって提供されるグルコースアッセイ参照番号:3L82-20および3L82-40を使用して決定され得る。別法として、RANDOXから提供される市販キット、カタログ番号HA3830は、試料中の総ヘモグロビンおよびグリコレート化されたヘモグロビン(HbA1c)を決定することができる。これは、RX Daytona analyzerと組み合わせて使用することができる。
【0041】
用語「空腹時血清グルコースレベルを減少させる」は、本明細書の組成物を投与されなかった対象と比較して、対象の空腹時血清グルコースレベルを少なくとも約0.25mmol/L血液まで低下させることを意味し得る。
【0042】
一実施形態において、本明細書の組成物を投与されなかった対象と比較して、本発明の組成物を投与された対象の空腹時血清グルコースレベルは、少なくとも約0.5mmol/L血液まで低下し得る。
【0043】
別の実施形態において、本発明における使用のための組成物を投与されなかった対象と比較して、本発明の組成物を投与された対象の空腹時血清グルコースレベルは、少なくとも約1.0mmol/L血液まで低下し得る。
【0044】
適切には、本発明における使用のための組成物を投与されなかった対象と比較して、本発明の組成物を投与された対象の空腹時血清グルコースレベルは、少なくとも約1.5mmol/L血液まで低下し得る。
【0045】
本発明の組成物を投与される対象の空腹時血清グルコースレベルの減少を観察するための時間枠は、変動し得る。
【0046】
一実施形態において、対象は、本明細書の組成物を投与されなかった対象と比較して、少なくとも約2週間、適切には少なくとも約1ヵ月間の投与後に空腹時血清グルコースレベルの減少を示し得る。
【0047】
別の実施形態において、対象は、本明細書の組成物を投与されなかった対象と比較して、少なくとも約3ヵ月間の投与後に空腹時血清グルコースレベルの減少を示し得る。好ましくは約6ヵ月間未満の投与後である。
【0048】
さらなる実施形態において、対象は、本明細書の組成物を投与されなかった対象と比較して、少なくとも約6ヵ月間の投与後に空腹時血清グルコースレベルの減少を示し得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、対象は、本明細書の組成物を投与されなかった対象と比較して、少なくとも約1年間の投与後に空腹時血清グルコースレベルの減少を示し得る。
【0050】
一実施形態において、本発明の組成物を投与された対象の空腹時血清グルコースレベルは、少なくとも約2週間、少なくとも約1ヵ月間、少なくとも約6ヵ月間または少なくとも約1年間の投与後に本明細書の組成物を投与されなかった対象と比較して、少なくとも約0.25mmol/L血液まで低下し得る。好ましくは約6ヵ月間未満の投与後である。
【0051】
一実施形態において、本発明の組成物を投与された対象の空腹時血清グルコースレベルは、少なくとも約2週間、少なくとも約1ヵ月間、少なくとも約6ヵ月間または少なくとも約1年間の投与後に本明細書の組成物を投与されなかった対象と比較して、少なくとも約0.5mmol/L血液まで低下し得る。好ましくは約6ヵ月間未満の投与後である。
【0052】
一実施形態において、本発明の組成物を投与された対象の空腹時血清グルコースレベルは、少なくとも約2週間、少なくとも約1ヵ月間、少なくとも約6ヵ月間または少なくとも約1年間の投与後に本明細書の組成物を投与されなかった対象と比較して、少なくとも約1.0mmol/L血液まで低下し得る。好ましくは約6ヵ月間未満の投与後である。
【0053】
一実施形態において、本発明の組成物を投与された対象の空腹時血清グルコースレベルは、少なくとも約2週間、少なくとも約1ヵ月間、少なくとも約6ヵ月間または少なくとも約1年間の投与後に本明細書の組成物を投与されなかった対象と比較して、少なくとも約1.5mmol/L血液まで低下し得る。好ましくは約6ヵ月間未満の投与後である。
【0054】
アブラナ科野菜
一実施形態において、本発明の組成物における使用のためのグルコラファニンは、植物から供給され得る。
【0055】
グルコシノレートは、Capparales目の植物に存在する。この目には、約18種の科があり、そのうちのBrassicaceaeおよびCapparaceaeが最も大きい2つの科である。
【0056】
本発明による使用のための組成物は、アブラナ科野菜、その部分またはその抽出物から調製することができる。
【0057】
グルコシノレートを含有するBrassicaceae科のアブラナ科野菜(例えばアブラナ科野菜作物)には、以下のアブラナ科野菜作物がある:
・ブロッコリー
・ハナダイコン(Sisymbrium officinales;Eruca sativa(ルッコラ)、Diplotaxis erucoides(ロボウガラシ)、Diplotaxis tenuifolia(ワイルドルッコラ)およびBunias orientalis(トルコロケット)を含む);ならびに
・クレソン(Rorippa nasturtium aquaticumおよびNasturtium officinaleを含む)
・カリフラワー、
・ケール、
・カブ、
・コラード、
・芽キャベツ、
・キャベツ、および
・ラディッシュ。
【0058】
本明細書では用語「アブラナ科野菜」は、新鮮なアブラナ科野菜および/または加工されたアブラナ科野菜および/またはアブラナ科野菜からの抽出物を意味する。
【0059】
一実施形態において、本明細書では用語「アブラナ科野菜」は、新鮮なアブラナ科野菜を意味する。
【0060】
さらなる実施形態において、本明細書では用語「アブラナ科野菜」は、加工されたアブラナ科野菜を意味する。
【0061】
別の実施形態において、本明細書では用語「アブラナ科野菜」は、アブラナ科野菜からの抽出物を意味する。
【0062】
本明細書では用語「新鮮なアブラナ科野菜」は、生で摂取されるか任意の適切な方法によって調理されるかいずれかのアブラナ科野菜またはその一部を意味する。
【0063】
本明細書では用語「加工されたアブラナ科野菜」は、例えば小房化、個別急速凍結(IQF)、浸軟、均質化、乾燥、凍結、成形、等のようなさらなる加工ステップを少なくとも1つ受けたアブラナ科野菜を意味する。
【0064】
本明細書ではアブラナ科野菜の「抽出物」とは、本明細書に定義される新鮮なアブラナ科野菜の全部もしくは一部を抽出することによっておよび/または本明細書に定義される加工されたアブラナ科野菜の全部もしくは一部を抽出することによって得られる物質もしくは物質の混合物のことを指す。抽出は、化学薬品または機械的作用を使用して、例えばエタノールもしくは水などの溶媒によって、または圧力、蒸留もしくは蒸発によって実施することができる。一実施形態において、好ましくは、抽出物は水抽出物である。
【0065】
いくつかの実施形態において、アブラナ科野菜、その部分またはその抽出物は、ブロッコリー植物、その部分またはその抽出物であることができる。
【0066】
一実施形態において、適切には、抽出物は、アブラナ科野菜またはブロッコリーの抽出物を含有するグルコシノレートもしくは硫黄化合物を少なくとも含む。
【0067】
一実施形態において、抽出物は粗抽出物であることができる。粗抽出物を得るための方法は、当技術分野で公知である。公開されている方法には、例えば、Iris LeeおよびMary C. Boyce(Extraction and purification of Glucoraphanin by preparative High-performance Liquid Chromatography (HPLC)、J. Chem. Edu.、2011年)ならびにMark A. Berhowら(Purification of a sinapine-Glucoraphanin Salt from broccoli seeds、American Journal of Plant sciences、2010年)がある。
【0068】
アブラナ科野菜に関連する用語「その部分」は、アブラナ科野菜の別の一部から単離されたアブラナ科野菜の一部を含むアブラナ科野菜の任意の一部に関する。「その部分」は、小房、花序および/または茎を含み得る。適切には、用語「その部分」は、高グルコシノレートアブラナ科野菜の小房のことを指し得る。
【0069】
一実施形態において、本発明による使用のための組成物は、乾燥重量1グラム当たり少なくとも約5.00mgの硫黄、適切には乾燥重量1グラム当たり少なくとも約5.25mgの硫黄の硫黄濃度を含むアブラナ科野菜、その部分またはその抽出物から調製することができる。
【0070】
好ましくは乾燥重量1グラム当たり少なくとも約5.40mgの硫黄である。
【0071】
いくつかの実施形態において、本発明による使用のための組成物は、乾燥重量1グラム当たり約5.00mgの硫黄~乾燥重量1グラム当たり約7.00mgの硫黄の硫黄濃度を含むアブラナ科野菜、その部分またはその抽出物から調製することができる。適切には、乾燥重量1グラム当たり約5.25~約6.00mgの硫黄の硫黄濃度を含む。
【0072】
乾燥重量1グラム当たり約5.40mgの硫黄~乾燥重量1グラム当たり約5.80mgの硫黄の硫黄濃度を好ましくは含む。
【0073】
一実施形態において、本発明による使用のための組成物は、乾燥重量1グラム当たり少なくとも約5.00mgの硫黄、適切には乾燥重量1グラム当たり少なくとも約5.25mgの硫黄の硫黄濃度を含むブロッコリー植物、その部分またはその抽出物から調製することができる。
【0074】
好ましくは乾燥重量1グラム当たり少なくとも約5.40mgの硫黄である。
【0075】
いくつかの実施形態において、本発明による使用のための組成物は、乾燥重量1グラム当たり約5.00mgの硫黄~乾燥重量1グラム当たり約7.00mgの硫黄の硫黄濃度を含むブロッコリー植物、その部分またはその抽出物から調製することができる。適切には、乾燥重量1グラム当たり約5.25~約6.00mgの硫黄の硫黄濃度を含む。
【0076】
乾燥重量1グラム当たり約5.40mgの硫黄~乾燥重量1グラム当たり約5.80mgの硫黄の硫黄濃度を好ましくは含む。
【0077】
一実施形態において、本発明による使用のための組成物は、高グルコシノレートアブラナ科野菜から調製することができる。
【0078】
本明細書では用語「高グルコノレートアブラナ科野菜」は、グルコラファニンを少なくとも約20μモル/新鮮重量g含むアブラナ科野菜を意味する。
【0079】
一実施形態において、高グルコシノレートアブラナ科野菜は、グルコラファニンを少なくとも約30μモル/新鮮重量g含むことができる。好ましくは、高グルコシノレート野菜は、グルコラファニンを少なくとも約32μモル/新鮮重量g含むことができる。
【0080】
適切には、高グルコシノレートアブラナ科野菜は、グルコラファニンを約32μモル/新鮮重量g含むことができる。
【0081】
別の実施形態において、高グルコシノレートアブラナ科野菜は、グルコラファニンを約20~約50μモル/新鮮重量g含むことができる。適切には、グルコラファニン約25~約45μモル/新鮮重量gである。適切には、グルコラファニン約27~約45μモル/新鮮重量gである。より適切には、グルコラファニン約27~約40μモル/新鮮重量gである。
【0082】
別の実施形態において、高グルコシノレートアブラナ科野菜は、グルコラファニンを約27~約38μモル/新鮮重量g含むことができる。適切には、グルコラファニン約27~約35μモル/新鮮重量gである。より適切には、グルコラファニン約30~約35μモル/新鮮重量gである。
【0083】
一実施形態において、高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)は、Myb28に媒介される増加したグルコシノレートレベルを有するアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)であり得る。
【0084】
一実施形態において、Myb28に媒介される増加したグルコシノレートレベルを有するアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)は、Brassica villosa由来の多型Myb28座を含むことができる。好ましくは、Myb28に媒介される増加したグルコシノレートレベルを有するアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)は、Brassica villosa由来の多型Myb28座についてホモ接合性であり得る。
【0085】
一実施形態において、多型Myb28遺伝子座(本明細書では、「FT69」および/または「FT69(増加したグルコシノレート)」配列とも称する)は、
図1に示されるFT69配列として表される。
【0086】
別の実施形態において、Myb28-FT69(増加したグルコシノレート)配列は、配列番号2として示されるFT69配列として表される(
図3)。
【0087】
一実施形態において、高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)は:
a)配列番号1のヌクレオチド83、136、226、563、610、830、995、1116、1513、1577、1606、1620、1825、1863、1877もしくは2026に対応する位置での単一ヌクレオチド多型(single nucleotide polymorphism)(SNP)、または
b)配列番号1のヌクレオチド323~332、ヌクレオチド521~524、ヌクレオチド783~786、ヌクレオチド909~914、ヌクレオチド1365~1369、1811~1821、もしくはヌクレオチド2046~2056に存在するヌクレオチドの番号における多型、または
c)配列番号1のヌクレオチド836~837、ヌクレオチド867~868、もしくはヌクレオチド943~944に存在するヌクレオチドの番号における多型、
からなる群から選択される少なくとも1つの多型を除いて、配列番号1を含む高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)であり得る。
【0088】
好ましくは、高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)は、:
a)配列番号1のヌクレオチド83、136、226、563、610、830、995、1116、1513、1577、1606、1620、1825、1863、1877もしくは2026に対応する位置での単一ヌクレオチド多型(SNP)、または
【0089】
b)配列番号1のヌクレオチド323~332、ヌクレオチド521~524、ヌクレオチド783~786、ヌクレオチド909~914、ヌクレオチド1365~1369、1811~1821、もしくはヌクレオチド2046~2056に存在するヌクレオチドの番号における多型、または
配列番号1のヌクレオチド836~837、ヌクレオチド867~868、もしくはヌクレオチド943~944に存在するヌクレオチドの番号における多型、
からなる群から選択される少なくとも1つの多型を除いて、配列番号1を少なくとも2コピー含む高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)であり得る。
【0090】
言い換えれば、高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)は:
a)配列番号1のヌクレオチド83、136、226、563、610、830、995、1116、1513、1577、1606、1620、1825、1863、1877もしくは2026に対応する位置での単一ヌクレオチド多型(SNP)、または
b)配列番号1のヌクレオチド323~332、ヌクレオチド521~524、ヌクレオチド783~786、ヌクレオチド909~914、ヌクレオチド1365~1369、1811~1821、もしくはヌクレオチド2046~2056に存在するヌクレオチドの番号における多型、または
配列番号1のヌクレオチド836~837、ヌクレオチド867~868、もしくはヌクレオチド943~944に存在するヌクレオチドの番号における多型、
からなる群から選択される多型を1つもしくは複数有する配列番号1とホモ接合性である高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)であり得る。
【0091】
一実施形態において高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)は、配列番号2または配列番号2と少なくとも97%(少なくとも98%または少なくとも99%など)の同一性を有する配列を含む高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)であり得る。適切には、配列番号2または配列番号2と少なくとも97%(少なくとも98%または少なくとも99%など)の同一性を有する配列を少なくとも2コピー(例えば、ホモ接合性である)含む。
【0092】
適切には、高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)は、配列番号2を含む高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)であり得る。好ましくは配列番号2を少なくとも2コピー(例えば、ホモ接合性である)含む。
【0093】
適切には、Myb28に媒介される増加したグルコシノレートレベルを有する高グルコシノレートアブラナ科野菜は、EP2708607A2および/もしくはEP2708115A1(その内容を、その全体において本明細書に組み込む)に教示されならびに/またはそこに教示される方法の1つもしくは複数によって識別され得る。
【0094】
一実施形態において、高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくはBrassica)は、Brassica villosa由来のMyb28対立遺伝子(好ましくは少なくとも2つのMyb28対立遺伝子)を含み、Myb28対立遺伝子に遺伝的に連鎖しているBrassica villosa由来のELONG対立遺伝子を欠くことができる。そのような高グルコシノレートアブラナ科野菜は、EP2708115A1に教示されるものであり得る。
【0095】
高グルコシノレートブロッコリー
いくつかの実施形態において、本発明における使用のための組成物および/またはグルコラファニンを含む組成物は、高グルコシノレートブロッコリー植物、その部分、その抽出物またはその組合せから調製することができる。
【0096】
用語「ブロッコリー」および「ブロッコリー植物」は、本明細書において同義的に使用される。
【0097】
本明細書では、用語「ブロッコリー」は、新鮮なブロッコリーおよび/または加工されたブロッコリーおよび/またはブロッコリーの抽出物を意味する。
【0098】
一実施形態において、本明細書では用語「ブロッコリー」は、新鮮なブロッコリーを意味する。
【0099】
さらなる実施形態において、本明細書では用語「ブロッコリー」は、加工されたブロッコリーを意味する。
【0100】
別の実施形態において、本明細書では用語「ブロッコリー」は、ブロッコリーの抽出物を意味する。
【0101】
本明細書では用語「新鮮なブロッコリー」は、生で摂取されるか任意の適切な方法によって調理されるかいずれかのブロッコリー花序および茎を意味する。
【0102】
本明細書では用語「加工されたブロッコリー」は、例えば小房化、個別急速凍結(IQF)、浸軟、均質化、乾燥、凍結、成形、等のようなさらなる加工ステップを少なくとも1つ受けたブロッコリーを意味する。
【0103】
本明細書では「ブロッコリーの抽出物」または「ブロッコリー抽出物」とは、本明細書に定義される新鮮なブロッコリーの全部もしくは一部を抽出することによっておよび/または本明細書に定義される加工されたブロッコリーの全部もしくは一部を抽出することによって得られる物質もしくは物質の混合物のことを指す。抽出は、エタノールまたは水などの溶媒を使用して実施することができる。一実施形態において、好ましくは、抽出物は水抽出物である。一実施形態において、適切には、抽出物は、ブロッコリーのグルコシノレートを少なくとも含む。
【0104】
ブロッコリー(例えば高グルコシノレートブロッコリー)に関して、本明細書では用語「その部分」は、ブロッコリー植物の任意の一部のことを指す。いくつかの実施形態において、用語「その部分」は、ブロッコリー小房、花序および/または茎のことを指すことができる。適切には、用語「その部分」は、ブロッコリー小房のことを指し得る。
【0105】
適切には、用語「その部分」は、ブロッコリー花序のことを指し得る。好ましくは、高グルコシノレートブロッコリーのブロッコリー花序である。
【0106】
本明細書では用語「高グルコシノレートブロッコリー」はグルコラファニンを少なくとも約20μモル/新鮮重量g含むブロッコリーを意味する。一実施形態において、本明細書では用語「高グルコシノレートブロッコリー」は、グルコラファニンを少なくとも約25μモル/新鮮重量g含むブロッコリーを意味する。
【0107】
一実施形態において、高グルコシノレートブロッコリーは、グルコラファニンを少なくとも約30μモル/新鮮重量g含むことができる。好ましくは、高グルコシノレート野菜は、グルコラファニンを少なくとも約32μモル/新鮮重量g含むことができる。
【0108】
適切には、高グルコシノレートブロッコリーは、グルコラファニンを約32μモル/新鮮重量g含むことができる。
【0109】
別の実施形態において、高グルコシノレートブロッコリーは、グルコラファニンを約20~約50μモル/新鮮重量g含むことができる。適切には、グルコラファニン約25~約45μモル/新鮮重量gである。適切には、グルコラファニン約27~約45μモル/新鮮重量gである。より適切には、グルコラファニン約27~約40μモル/新鮮重量gである。
【0110】
別の実施形態において、高グルコシノレートブロッコリーは、グルコラファニンを約27~約38μモル/新鮮重量g含むことができる。適切には、グルコラファニン約27~約35μモル/新鮮重量gである。より適切には、グルコラファニン約30~約35μモル/新鮮重量gである。
【0111】
一実施形態において、高グルコシノレートブロッコリーは、Myb28に媒介される増加したグルコシノレートレベルを有し得る。
【0112】
一実施形態において、Myb28に媒介される増加したグルコシノレートレベルを有する高グルコシノレートブロッコリーは、Brassica villosa由来の多型Myb28座を含むことができる。好ましくは、Myb28に媒介される増加したグルコシノレートレベルを有する高グルコシノレートブロッコリーは、Brassica villosa由来の多型Myb28座についてホモ接合性であり得る。
【0113】
別の実施形態において、高グルコシノレートブロッコリーは:
a)配列番号1のヌクレオチド83、136、226、563、610、830、995、1116、1513、1577、1606、1620、1825、1863、1877もしくは2026に対応する位置での単一ヌクレオチド多型(SNP)、または
b)配列番号1のヌクレオチド323~332、ヌクレオチド521~524、ヌクレオチド783~786、ヌクレオチド909~914、ヌクレオチド1365~1369、1811~1821、もしくはヌクレオチド2046~2056に存在するヌクレオチドの番号における多型、または
c)配列番号1のヌクレオチド836~837、ヌクレオチド867~868、もしくはヌクレオチド943~944に存在するヌクレオチドの番号における多型、
からなる群から選択される少なくとも1つの多型を除いて、配列番号1を含む高グルコシノレートブロッコリーであり得る。
【0114】
好ましくは、高グルコシノレートブロッコリーは:
a)配列番号1のヌクレオチド83、136、226、563、610、830、995、1116、1513、1577、1606、1620、1825、1863、1877もしくは2026に対応する位置での単一ヌクレオチド多型(SNP)、または
b)配列番号1のヌクレオチド323~332、ヌクレオチド521~524、ヌクレオチド783~786、ヌクレオチド909~914、ヌクレオチド1365~1369、1811~1821、もしくはヌクレオチド2046~2056に存在するヌクレオチドの番号における多型、または
配列番号1のヌクレオチド836~837、ヌクレオチド867~868、もしくはヌクレオチド943~944に存在するヌクレオチドの番号における多型、
からなる群から選択される少なくとも1つの多型を除いて、配列番号1を少なくとも2コピー含む高グルコシノレートブロッコリーであり得る。
【0115】
言い換えれば、高グルコシノレートブロッコリーは:
a)配列番号1のヌクレオチド83、136、226、563、610、830、995、1116、1513、1577、1606、1620、1825、1863、1877もしくは2026に対応する位置での単一ヌクレオチド多型(SNP)、または
b)配列番号1のヌクレオチド323~332、ヌクレオチド521~524、ヌクレオチド783~786、ヌクレオチド909~914、ヌクレオチド1365~1369、1811~1821、もしくはヌクレオチド2046~2056に存在するヌクレオチドの番号における多型、または
配列番号1のヌクレオチド836~837、ヌクレオチド867~868、もしくはヌクレオチド943~944に存在するヌクレオチドの番号における多型、
からなる群から選択される多型を1つもしくは複数有する配列番号1とホモ接合性である高グルコシノレートブロッコリーであり得る。
【0116】
一実施形態において、高グルコシノレートブロッコリーは、配列番号2または配列番号2と少なくとも97%(少なくとも98%または少なくとも99%など)の同一性を有する配列を含む高グルコシノレートブロッコリーであり得る。適切には、配列番号2または配列番号2と少なくとも97%(少なくとも98%または少なくとも99%など)の同一性を有する配列を少なくとも2コピー(例えば、ホモ接合性である)含む。
【0117】
適切には、高グルコシノレートブロッコリーは、配列番号2を含む高グルコシノレートブロッコリーであり得る。好ましくは配列番号2を少なくとも2コピー(例えば、ホモ接合性である)含む。
【0118】
適切には、Myb28に媒介される増加したグルコシノレートレベルを有する高グルコシノレートブロッコリーは、EP2708607A2に教示されおよび/またはそこに教示される方法の1つもしくは複数によって識別されるものであり得る。
【0119】
一実施形態において、高グルコシノレートブロッコリーは、Brassica villosa由来のMyb28対立遺伝子(好ましくは少なくとも2つのMyb28対立遺伝子)を含み、Myb28対立遺伝子に遺伝的に連鎖しているBrassica villosa由来のELONG対立遺伝子を欠くことができる。そのような高グルコシノレートブロッコリーは、EP2708115A1に教示されるものであり得る。
【0120】
好ましくは、ブロッコリーはBrassica oleracea植物である。
【0121】
用語「Myb28Villosoa」は、Brassica villosaから得られるMyb28遺伝子を指すために本明細書で使用される。
【0122】
投与
本発明による使用のための組成物は、「断続的に投与される」ことができる。
【0123】
本明細書では用語「断続的に投与される」は、1週間に少なくとも1日間、適切には少なくとも2、3、4、5または6日間、対象が本発明における使用のための組成物を投与されないことを意味する。好ましくは、本明細書では用語「断続的」は、1週間に6日間、対象が本発明における使用のための組成物を投与されないことを意味する。
【0124】
したがって好ましくは、対象は、1週間またはそれ超、本発明による使用のための組成物を毎日投与されない。
【0125】
理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、連続投与と比較して、断続的投与によって有意に優れた結果を実現できると考えている。グルコラファニンの「パルス」を行うことは、対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させ、ならびに/または真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防し、ならびに/または真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を処置するのにより有益であると考えられる。グルコラファニンもしくはグルコラファニンの誘導体(スルフォラファンなど)を対象に絶え間なく投与することにより、対象の代謝および/または生理が、グルコラファニンおよび/またはその誘導体の連続的な存在に順応し、このことが、本発明における使用のための組成物の効果の減少をもたらすとさらに考えられる。
【0126】
本発明者らは、本発明による断続的な投与により、グルコラファニンの「パルス」が生じ、そのパルスが、組成物を投与された対象における代謝変化を誘発することを見出した。有利には、断続的な投与および観察された「パルス」効果により、対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させ、ならびに/または真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防し、ならびに/または真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を処置するには、対象に低用量のグルコラファニンを投与すれば十分であると考えられる。
【0127】
より低用量のグルコラファニンは、その投与に関連するあらゆる副作用のリスクも減少させることになる。
【0128】
本発明による使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように断続的に投与される。
【0129】
本発明による使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約2000μモルのグルコラファニンを投与されるように断続的に投与される。
【0130】
適切には、本発明による使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約1400μモルのグルコラファニンを投与されるように断続的に投与される。
【0131】
適切には、本発明による使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約950μモルのグルコラファニンを投与されるように断続的に投与される。
【0132】
適切には、本発明による使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約500μモルのグルコラファニンを投与されるように断続的に投与される。
【0133】
適切には、本発明による使用のための組成物は、対象が、週用量約350~約480μモルのグルコラファニンを投与されるように断続的に投与される。
【0134】
一実施形態において、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回対象に断続的に投与され得る。
【0135】
一実施形態において、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約2000μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回対象に断続的に投与され得る。
【0136】
一実施形態において、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約1400μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回対象に断続的に投与され得る。
【0137】
一実施形態において、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約950μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回対象に断続的に投与され得る。
【0138】
一実施形態において、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回対象に断続的に投与され得る。
【0139】
適切には、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約350~約480μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回対象に断続的に投与され得る。
【0140】
さらなる実施形態において、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約3回(適切には1週間に2回)対象に断続的に投与され得る。
【0141】
さらなる実施形態において、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約2000μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約3回(適切には1週間に2回)対象に断続的に投与され得る。
【0142】
さらなる実施形態において、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約1400μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約3回(適切には1週間に2回)対象に断続的に投与され得る。
【0143】
さらなる実施形態において、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約950μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約3回(適切には1週間に2回)対象に断続的に投与され得る。
【0144】
さらなる実施形態において本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約3回(適切には1週間に2回)対象に断続的に投与され得る。
【0145】
適切には本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約350~約480μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約3回(適切には1週間に2回)対象に断続的に投与され得る。
【0146】
さらなる実施形態において、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に1回対象に断続的に投与され得る。
【0147】
さらなる実施形態において、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約2000μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に1回対象に断続的に投与され得る。
【0148】
さらなる実施形態において、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約1400μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に1回対象に断続的に投与され得る。
【0149】
さらなる実施形態において、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約950μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に1回対象に断続的に投与され得る。
【0150】
適切には、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約300~約500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に1回対象に断続的に投与され得る。
【0151】
適切には、本発明における使用のための組成物は、対象が、週用量約350~約480μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に1回対象に断続的に投与され得る。
【0152】
特に好ましい実施形態において、対象は、本発明における使用のための組成物を1週間に1回投与され得る。
【0153】
いくつかの実施形態において、本発明における使用のための組成物は、約0.2μモル/ml~約1.7μモル/mlのグルコラファニン濃度を有することができる。適切には、約0.5μモル/ml~約1.5μモル/mlのグルコラファニン。好ましくは、約0.75μモル/ml~約1.5μモル/mlのグルコラファニン。
【0154】
用語「投与される」は、当業者に公知の任意の技術による送達を含む。
【0155】
本発明による使用のための組成物は、単独で投与されてもよいが、例えば組成物が、意図する投与経路および標準的な医薬慣行に関連して選択される適切な医薬賦形剤(excipient)、希釈剤(diluent)または担体との混合物である場合、医薬組成物として投与されてもよい。
【0156】
例えば、組成物は、即時、遅延、調節、持続、パルス、または制御放出用途のために錠剤、カプセル剤、卵形剤(ovules)、エリキシル剤、溶液剤もしくは懸濁剤の形態で(例えば、食料品(foodstuff)の形態(例えばスープ)など経口的にまたは局所的に)投与することができ、香味または着色剤を含有してもよい。
【0157】
好ましくは、組成物は経口投与できる。
【0158】
錠剤は、微結晶セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウムおよびグリシンなどの賦形剤、デンプン(好ましくはトウモロコシ、ジャガイモまたはタピオカデンプン)、デンプングリコール酸ナトリウム(sodium starch glycollate)、クロスカルメロースナトリウムおよび特定の複合ケイ酸塩などの崩壊剤、ならびにポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチンおよびアカシアなどの造粒結合剤を含有することができる。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリルおよびタルクなどの滑沢剤を含むことができる。
【0159】
類似の型の固形の組成物を、ゼラチンカプセル剤の充填剤として利用することもできる。この関連で好ましい賦形剤には、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖または高分子量ポリエチレングリコールがある。水性懸濁剤および/またはエリキシル剤の場合、作用物質は、様々な甘味剤もしくは香味剤、着色物質もしくは色素、乳化および/もしくは懸濁化剤、ならびに水、エタノール、プロピレングリコールおよびグリセリンなどの希釈剤、およびその組合せと組み合わせることができる。
【0160】
投与(送達)の経路には:経口(例えば錠剤、カプセル剤として、または摂取可能な溶液剤として)、局所、粘膜(例えば吸入のための鼻腔用スプレー(spray)剤またはエアゾール剤として)、経鼻、非経口(例えば注射可能な形態による)、胃腸、髄腔内、腹膜内、筋肉内、静脈内、子宮内、眼内、真皮内、頭蓋内、気管内、皮下、経皮、直腸、口内頬側、舌下のうちの1つまたは複数があるがこれに限定されない。
【0161】
本発明の組成物が非経口的に投与される場合、そのような投与の例は:作用物質を静脈内、動脈内、腹膜内、硬膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内もしくは皮下のうち1つもしくは複数で;および/または注入技術を使用することによって投与することを含む。
【0162】
非経口投与の場合、組成物は、他の物質、例えば、溶液を血液と等張にするのに十分な塩またはグルコースを含有し得る滅菌水溶液の形態で最もよく使用される。必要に応じて、水溶液は適切に緩衝されるべきである(好ましくはpH3~9)。滅菌状態下での適切な非経口製剤の調製は、当業技術者に周知の標準的な医薬技術によって容易に達成される。
【0163】
示した通り、本発明の組成物は、鼻腔内にまたは吸入によって投与することができ、乾粉末吸入器または適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA 134A(商標))もしくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EA(商標))などのヒドロフルオロアルカン、二酸化炭素もしくは他の適切なガスを使用する加圧容器、ポンプ、スプレーもしくはネブライザーからのエアゾール噴霧表現体(aerosol spray presentation)の形態で都合よく送達される。加圧エアゾールの場合、単位用量は、一定量を送達するための弁を備えることによって決定され得る。加圧容器、ポンプ、スプレーまたはネブライザーは、例えば、溶媒としてエタノールと噴射剤の混合物を使用して活性化合物の溶液剤もしくは懸濁剤を含有することができ、それらは、滑沢剤、例えばトリオレイン酸ソルビタンをさらに含有することができる。吸入器または送気器(insufflator)における使用のためのカプセル剤およびカートリッジ剤(例えば、ゼラチンでできている)は、作用物質とラクトースまたはデンプンのような適切な粉末基剤との粉末混合物を含有するように製剤化することができる。
【0164】
別法として、本発明の組成物は、坐剤もしくは膣坐剤の形態で投与することができ、またはゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、溶液剤、クリーム剤、軟膏剤または散布剤の形態で局所的に塗布されてもよい。本発明の作用物質は、皮膚にまたは経皮的に、例えば、皮膚パッチの使用によって投与することができる。それらは、肺または直腸経路で投与することもできる。それらは、眼経路で投与することもできる。眼使用の場合、化合物は、等張の、pH調整された、滅菌した生理食塩水中の微粉化した懸濁剤として、または好ましくは、等張の、pH調整された、滅菌した生理食塩水溶液として、任意選択で塩化ベンジルアルコニウムなどの防腐剤と組み合わせて製剤化することができる。別法として、それらは、ペトロラタムなどの軟膏剤中に製剤化されてもよい。
【0165】
皮膚への局所的な塗布の場合、本発明の組成物は、例えば:鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水のうちの1つもしくは複数との混合物に懸濁または溶解された活性化合物を含有する適切な軟膏剤として製剤化することができる。別法として、本発明の組成物は、例えば:鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルろう、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水のうちの1つもしくは複数の混合物に懸濁または溶解された適切なローション剤もしくはクリーム剤として製剤化することができる。
【0166】
本発明の組成物は、直接注射によって投与することができる。
【0167】
特に好ましい実施形態において、本発明における使用のための組成物は、経口投与することができる。
【0168】
いくつかの実施形態において、組成物が経口投与できる場合、高グルコシノレート野菜作物(例えば高グルコシノレートブロッコリー)の可食部分の形態で投与される。
【0169】
特に好ましい実施形態において、本発明における使用のための組成物は、食料品として投与することができる。適切には、液体食料品(例えばスープ)である。
【0170】
いくつかの実施形態において、食料品は食品生産物(food product)、好ましくは調理された食品生産物であることができる。適切には、調製された食品生産物は、スープであることができる。
【0171】
形態および製剤
本発明による使用のための組成物は、当業者に公知の任意の適切な様式で製剤化することができる。組成物は、公知の任意の供給源由来のグルコラファニンを含むことができる。グルコラファニンは、天然または合成起原であることができる。一実施形態において、グルコラファニンは、実質的に単離および/または精製されることができる。
【0172】
いくつかの実施形態において、本発明における使用のための組成物は、天然および/または合成グルコラファニンで補充されてもよい。適切には、組成物を補充できるグルコラファニンは、実質的に単離および/または精製された形態であることができる。
【0173】
他の実施形態において、本発明による使用のための組成物は、実質的に単離および/または精製された形態のグルコラファニンを含むまたはそれからなることができる。
【0174】
本明細書では用語「実質的に単離された」は、化合物(例えばグルコラファニン)が、夾雑物(例えば、天然に見いだされ得る夾雑物)のような存在し得る他の化合物を含まないことを意味する。用語「実質的に単離された」は、組成物が、目的の化合物(例えばグルコラファニン)を少なくとも約90重量/重量%濃度含むことを意味し得る。適切には、組成物は、目的の化合物を少なくとも約95重量/重量%濃度、より適切には、目的の化合物を少なくとも99重量/重量%濃度含むことができる。
【0175】
本明細書では用語「実質的に精製された」は、化合物(例えばグルコラファニン)が、夾雑物(例えば、天然に見出される可能性がある夾雑物)のような、存在し得る他の化合物から単離される過程を経たことを意味する。用語「実質的に精製された」は、組成物が、目的の化合物(例えばグルコラファニン)を少なくとも約90重量/重量%濃度含むことを意味し得る。適切には、組成物は、目的の化合物を少なくとも約95重量/重量%濃度、より適切には、目的の化合物を少なくとも99重量/重量%濃度含むことができる。
【0176】
一実施形態において、本発明による使用のための組成物は、粗抽出物、例えばアブラナ科野菜、例えば高グルコシノレートブロッコリーの粗抽出物であることができる。粗抽出物を得るための方法は、当技術分野で公知である。公開されている方法には、例えば、Iris LeeおよびMary C. Boyce(Extraction and purification of Glucoraphanin by preparative High-performance Liquid Chromatography (HPLC)、J. Chem. Edu.、2011年)ならびにMark A. Berhowら(Purification of a sinapine-Glucoraphanin Salt from broccoli seeds、American Journal of Plant sciences、2010年)がある。
【0177】
一実施形態において、本発明による使用のための組成物は、食料品、野菜抽出物および/または医薬組成物として製剤化することができる。
【0178】
そのような製剤は、当技術分野で公知の任意の形態をとることができ、例えば前の実施形態によって製剤化された組成物は、固体または液体形態であることができる。いくつかの実施形態において、組成物は、粉剤および/または錠剤として製剤化することができる。
【0179】
好ましい実施形態において、本発明による使用のための組成物は、抽出物(例えば野菜抽出物)として製剤化することができる。
【0180】
本発明の組成物は、食品(food)として、またはその調製に使用することができる。ここでは、用語「食品」は、広義に使用され、ヒト用食品および動物用食品(すなわち飼料)を網羅する。好ましい態様において、食品は、ヒト消費用である。
【0181】
食品は、使用および/もしくは適用様式ならびに/または投与様式に応じて溶液もしくは固形形態であることができる。
【0182】
機能性食品などの食品として、またはその調製に使用される場合、本発明の組成物は:栄養的に許容される担体、栄養的に許容される希釈剤、栄養的に許容される賦形剤、栄養的に許容されるアジュバント、栄養的に活性な成分のうち1つまたは複数と組み合わせて使用することができる。
【0183】
本発明の組成物は、食品成分として使用することができる。
【0184】
本明細書では、用語「食品成分」は、栄養補助剤および/もしくは食物繊維補助剤として機能性食品もしくは食料品に添加されるまたは添加することができる製剤を含む。ここで使用される食品成分という用語は、ゲル化、織地化、安定化、懸濁化、膜形成および組織化、多汁性の保持ならびに粘性を付加することなしに口あたりの改善を必要とする様々な産物に低レベルで使用できる製剤のことも指す。
【0185】
食品成分は、使用および/もしくは適用様式ならびに/または投与様式に応じて溶液もしくは固形形態であることができる。
【0186】
本発明の組成物は、食品補助剤であることができるか、またはそれに添加することができる。
【0187】
本発明の組成物は、機能性食品であることができるか、またはそれに添加することができる。
【0188】
本明細書では、用語「機能性食品」は、消費者に栄養効果および/または味覚満足感を提供できるだけでなく、さらなる有益な効果を送達することもできる食品を意味する。
【0189】
したがって、機能性食品は、食品に純粋な栄養効果以外の特定の機能的、例えば医学的または生理的利益をもたらすそれに組み込まれた構成要素または成分(本明細書に記載されるものなど)を有する通常の食品である。
【0190】
機能性食品について法的定義はないが、この領域を目的とする当事者の大部分は、それらが、特定の健康効果を有するとして販売されている食品であることに同意する。
【0191】
いくつかの機能性食品は、栄養機能食品(neutracuitical)である。ここでは、用語「栄養機能食品」は、消費者に栄養効果および/または味覚満足感を提供できるだけでなく、治療(または他の有益な)効果を送達することもできる食品を意味する。栄養機能食品は、食品と薬の伝統的な境界線を超えている。
【0192】
調査は、消費者が、心臓疾患に関する機能性食品要求を最も重視していることを示唆した。がんの予防は、消費者の興味を大いに引く栄養の別の態様であるが、興味深いことに、その予防は、消費者が、最も管理できないと感じる領域である。実際に、世界保健機関によると、がん症例の少なくとも35%は、食事に関連している。さらに、骨粗鬆症、消化管の健康および肥満効果に関連する要求も、機能性食品の購入を刺激し、市場の発達を促進する見込みがある主要因である。
【0193】
特定の態様の場合、食料品は飲料であることができる。
【0194】
本発明は、食品または食品成分を調製する方法であって、本発明による高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくは高グルコシノレートブロッコリー)または本発明による組成物を別の食品成分と混ぜるステップを含む、方法も提供する。調製する方法または食品成分も、本発明の別の態様である。
【0195】
一実施形態において、食料品は、高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくは高グルコシノレートブロッコリー)を含むことができる。
【0196】
適切には、食料品は高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくは高グルコシノレートブロッコリー)の小房を含むことができる。
【0197】
特に好ましい実施形態において、食料品は、加工および/または調製された食品生産物であり得る。
【0198】
加工および/または調製された食品生産物は、当技術分野で公知の任意の適切に加工および/または調製された食品生産物であることができる。
【0199】
一実施形態において、加工および/または調製された食品生産物は:スープ、ジュース、スムージー、スプレッド、ヨーグルト、ソース、肉汁、タルト、キッシュ、パイ、調製された野菜生産物(焼き野菜など)および混ぜ合わせた生産物(例えば混ぜ合わせた野菜生産物)からなる群から選択される1つまたは複数であることができる。
【0200】
いくつかの実施形態において、加工および/または調製された食品生産物は、スープ、肉汁および/またはソースであることができる。
【0201】
好ましくは、加工および/または調製された食品生産物は、スープであることができる。
【0202】
いくつかの実施形態において、アブラナ科野菜の抽出物を使用して、加工および/または調製された食品生産物を調製する場合、食品生産物は:ジュース、スムージー、ソース、スプレッドおよびヨーグルトからなる群から選択される1つまたは複数であることができる。
【0203】
他の実施形態において、前の実施形態の加工および/または調製された食料品は、高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくは高グルコシノレートブロッコリー)を含むことができる。
【0204】
適切には、高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくは高グルコシノレートブロッコリー)を含む加工および/または調製された食料品は:スープ、ソース、肉汁、タルト、キッシュ、パイ、調製された野菜生産物(焼き野菜など)および混ぜ合わせた生産物(例えば混ぜ合わせた野菜生産物)からなる群から選択される1つまたは複数であることができる。
【0205】
好ましくは、高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくは高グルコシノレートブロッコリー)を含む加工および/または調製された食料品は、スープ、肉汁およびソースからなる群から選択される1つまたは複数であることができる。
【0206】
より好ましくは、高グルコシノレートアブラナ科野菜(好ましくは高グルコシノレートブロッコリー)を含む加工および/または調製された食料品は、スープであることができる。
【0207】
そのようなスープの典型的な製法は、以下に提供される。
【0208】
一実施形態において、スープは、以下の成分:水、高グルコシノレートブロッコリー(28%)、新鮮な牛乳、シングルクリーム、さいの目に切ったオニオンポテト(onion potato)、スティルトンチーズ(4%)、コーンフラワー、ナタネ油、塩、黒コショウを含むことができる。
【0209】
一実施形態において、グルコラファニンを含む組成物は、グルコシノレート富化された野菜の抽出物を使用して製剤化することができる。
【0210】
一実施形態において、本発明における使用のための組成物は、高グルコシノレートアブラナ科野菜(高グルコシノレートブロッコリーなど)由来の抽出物を含むことができ、その抽出物は、高レベルのグルコシノレート(好ましくはグルコラファニン)も有する。
【0211】
一実施形態において、抽出物は、本明細書に定義される新鮮な高グルコシノレートアブラナ科野菜(高グルコシノレートブロッコリーなど)(生アブラナ科野菜(生ブロッコリーなど)を含める)の全部もしくは一部を抽出することによってまたは本明細書に定義される加工されたアブラナ科野菜(加工されたブロッコリーなど)の全部もしくは一部を抽出することによって得られる物質もしくは物質の混合物であることができる。
【0212】
抽出は、エタノールまたは水などの溶媒を使用して実施することができる。一実施形態において、好ましくは、抽出物は水抽出物である。
【0213】
一実施形態において、本発明による使用のための組成物は、Brassica植物、適切にはBrassica oleracea(例えばブロッコリー)植物由来の抽出物を含むことができる。
【0214】
特に好ましい実施形態において、本発明における使用のための組成物は、Myb28Villosoaホモ接合性植物由来の抽出物を含むことができる。
【0215】
好ましくは、組成物は、Myb28Villosoaホモ接合性ブロッコリー植物由来の抽出物を含むことができる。適切には、Myb28Villosoaホモ接合性ブロッコリー植物は、EP2708607A2に教示されるものであり、その文書を参照により本明細書に組み込む。
【0216】
本発明の組成物が、医薬組成物として製剤化される場合、そのような組成物は、治療上有効量の本発明の作用物質および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤(その組合せを含める)を含むことができる。
【0217】
医薬組成物は、ヒトおよび獣医学的薬におけるヒトまたは動物用法のためであってもよく、薬学的に許容される希釈剤、担体または賦形剤のうち任意の1つまたは複数を代表的には含むことになる。治療上の使用に許容できる担体または希釈剤は、医薬分野において周知であり、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.(A. R. Gennaro編、1985年)に記載されている。医薬用担体、賦形剤または希釈剤の選択は、意図する投与経路および標準的な医薬慣行に関連して選択することができる。医薬組成物は、担体、賦形剤または希釈剤として(またはそれに加えて)任意の適切な結合剤、滑沢剤、懸濁化剤、コーティング剤、可溶化剤を含むことができる。
【0218】
防腐剤、安定剤、色素および香味剤さえも、医薬組成物中に提供され得る。防腐剤の例には、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸およびp-ヒドロキシ安息香酸エステルがある。抗酸化剤および懸濁化剤も、使用できる。
【0219】
異なる送達系に応じて異なる組成物/製剤要件があり得る。例として、本発明の医薬組成物は、ミニポンプを使用して、または例えば鼻腔内スプレーもしくは吸入用エアゾールもしくは摂取可能な溶液として粘膜経路により、または非経口的に投与されるように製剤化することができ、非経口的な投与において組成物は、例えば静脈内、筋肉内もしくは皮下経路による送達のために注射可能な形態で製剤化される。別法として、製剤はいくつかの経路で投与されるように設計することができる。
【0220】
作用物質が、経口的にまたは胃腸粘膜を介して粘膜的に投与される場合、作用物質は、消化管を介して輸送の間安定した状態を保つことができるべきであり;例えば、タンパク質分解性分解に抵抗性であり、酸性pHで安定であり、胆汁による界面活性剤効果に抵抗性であるべきである。
【0221】
必要に応じて、医薬組成物は、吸入剤、坐剤もしくは膣坐剤の形態で、皮膚パッチの使用によりローション剤、溶液剤、クリーム剤、軟膏剤もしくは散布剤の形態で局所的に、デンプンもしくはラクトースなどの賦形剤を含有する錠剤の形態、または単独もしくは賦形剤との混合物のカプセル剤もしくは卵形剤の形態、または香味もしくは着色剤を含有するエリキシル剤、溶液剤もしくは懸濁剤の形態で経口的に投与することができ、またはそれらは非経口的に、例えば静脈内、筋肉内もしくは皮下に注射することができる。非経口投与の場合、組成物は、他の物質、例えば、溶液を血液と等張にするのに十分な塩または単糖を含有し得る滅菌水溶液の形態で最もよく使用され得る。口内頬側または舌下の投与の場合、組成物は、従来通りの様式で製剤化できる錠剤または口内錠の形態で投与できる。
【0222】
本発明における使用のための組成物(例えば食料品または食品生産物)は、任意の形態、例えば液体または固体であることができる。
【0223】
適切には、本発明による使用のための組成物は、凍結または凍結乾燥(フリーズドライ)することができる。
【0224】
適切には、本発明による使用のための組成物は、低温殺菌することができる(例えば70~80℃で5~20秒間低温殺菌する)。
【0225】
一実施形態において、本発明による使用のための組成物は、液体低温殺菌組成物であることができる。一実施形態において、本発明による使用のための組成物は、液体または低温殺菌スープ、ソース、肉汁もしくはブレンドされた生産物(例えばブレンドされた野菜生産物)のような液体低温殺菌食料品または食品生産物であることができる。
【0226】
一実施形態において、本発明における使用のための組成物は、凍結組成物であることができる。一実施形態において、本発明による使用のための組成物は、凍結スープ、ソース、肉汁またはブレンドされた生産物(例えばブレンドされた野菜生産物)のような凍結食料品もしくは食品生産物であることができる。
【0227】
個体/対象
本明細書では、用語「個体」および「対象」とは、脊椎動物、特に哺乳動物種のメンバーのことを指す。この用語は、家畜、スポーツ動物、霊長類およびヒトを含むが、これに限定されない。
【0228】
一実施形態において、好ましくは、対象はヒトである。
【0229】
真性糖尿病
本発明による使用のための組成物は、真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防および/または処置するのに特に有用である。
【0230】
用語「それに伴う状態」は、真性糖尿病によって引き起こされる追加の疾患および/または症状および/または合併症を意味する。本明細書では、「真性糖尿病に関連する状態」は:高血糖、頻尿、口渇感増強、糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン性高浸透圧性昏睡、足の潰瘍、インスリン抵抗性、インスリン欠乏および過血糖からなる群から選択される1つまたは複数を意味する。
【0231】
一実施形態において、本発明による使用のための組成物を使用して、真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防することができる。
【0232】
適切には、本発明による使用のための組成物を使用して、真性糖尿病を予防することができる。
【0233】
別の実施形態において、本発明による使用のための組成物を使用して、真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を処置することができる。
【0234】
適切には、本発明による使用のための組成物を使用して、真性糖尿病を処置することができる。
【0235】
用語「真性糖尿病」とは、長期にわたる高血糖レベルによって特徴づけられる代謝疾患の一群を指す。高血糖の症状には、頻尿、口渇感増強、空腹感増強がある。無処置のままにすると、糖尿病は、多くの合併症を引き起こし得る。急性合併症には、糖尿病性ケトアシドーシスおよび非ケトン性高浸透圧性昏睡がある。重篤な長期的合併症には、とりわけ腎不全、足の潰瘍および眼損傷があり得る。
【0236】
真性糖尿病には3つの主要な型:1型、2型および妊娠糖尿病がある。
【0237】
1型真性糖尿病は、対象が、十分な量のインスリンを産生できないことに代表的には起因する。1型真性糖尿病は、「インスリン依存性糖尿病」または「若年性糖尿病」と称することもできる。
【0238】
2型真性糖尿病は、対象によるインスリン抵抗性の発症によって代表的には特徴づけられる。この形態の糖尿病は、「非インスリン依存性糖尿病」または「成人期発症糖尿病」と称することもできる。理論に束縛されるものではないが、2型真性糖尿病の主原因は、過剰な体重および/または運動不足であると考えられる。
【0239】
妊娠糖尿病は、糖尿病の既往歴がある妊婦が、高血中グルコースレベルを発症し得る疾患の形態である。
【0240】
一実施形態において、本発明における使用のための組成物は、2型真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を処置ならびに/または予防するのに使用することができる。
【0241】
適切には、本発明における使用のための組成物は、2型真性糖尿病および/またはそれに伴う状態を処置するのに使用することができる。好ましくは、本発明における使用のための組成物は、2型真性糖尿病を治療するのに使用することができる。
【0242】
適切には、本発明における使用のための組成物は、2型真性糖尿病および/またはそれに伴う症状を予防するのに使用することができる。好ましくは、本発明における使用のための組成物は、2型真性糖尿病を予防するのに使用することができる。
【0243】
2型糖尿病は、インスリン抵抗性、インスリン欠乏および/または過血糖によって特徴づけることができる。
【0244】
本発明の他の実施形態において、組成物が、真性糖尿病および/またはそれに伴う状態を予防するために使用される場合、組成物は、前糖尿病性対象に投与することができる。
【0245】
本明細書では用語「前糖尿病性対象」は、2型糖尿病の初期段階を示している対象を意味する。例えば、空腹時高血糖および/または耐糖機能障害を示している対象である。適切には、「前糖尿病性対象」は、2型糖尿病と診断するのに十分な重症度の症状を示さない対象である。
【0246】
いくつかの実施形態において、「前糖尿病性対象」は、対象が示している症状を反転させ得る対象であることもできる。言い換えれば、前糖尿病性対象は、無疾患および/または生理的に正常な状態に回復できる対象であり得る。
【0247】
WHO糖尿病診断基準を、以下の表に示す:
【表3】
【0248】
一実施形態において、「前糖尿病性対象」は、約7.0mmol/L未満の空腹時血清グルコースレベルを示している対象であり得る。適切には、前糖尿病性対象は、約6.5mmol/L未満の空腹時血清グルコースレベルを示している対象であり得る。
【0249】
いくつかの実施形態において、「前糖尿病性対象」は、「正常」範囲の上限の空腹時血清グルコースレベルを示している対象であり得る。
【0250】
したがっていくつかの実施形態において、前糖尿病性対象は、約4.25~約7.0mmol/L、適切には約4.5~約6.5mmol/L、適切には約5.0~約6.5mmol/Lの空腹時血清グルコースレベルを示している対象であり得る。より適切には約5.5~約6.5mmol/Lである。
【0251】
本発明による組成物の使用により、真性糖尿病を予防できる。言い換えれば、真性糖尿病および/またはそれに伴う状態に関連して本明細書では用語「予防」は、対象が、本発明による組成物を投与されなかった対象と比較して真性糖尿病(例えば2型真性糖尿病)および/またはそれに伴う状態になりにくいおよび/または対象が、本発明による組成物を投与されなかった対象と比較して真性糖尿病(例えば2型真性糖尿病)および/もしくはそれに伴う状態に対抗または打ち勝つことがよりできることを意味する。
【0252】
いくつかの実施形態において、本明細書では用語「予防」は、対象において真性糖尿病および/またはそれに伴う状態の症状の反転を意味する。適切には、「予防」は、対象の空腹時血清グルコースレベルが、組成物の投与後に正常レベルに戻ることを意味し得る。
【0253】
この文脈において使用される用語「正常レベル」は、約3.5~約6.1mmol/Lの範囲の空腹時血清グルコースレベルのことを指す。適切には、約3.5~約5.0mmol/L、より適切には約3.5~約4.5mmol/Lの範囲である。
【0254】
発明の実施形態において、組成物を使用して、真性糖尿病を処置する場合、組成物は、真性糖尿病の症状を有するおよび/または罹患していると診断された対象に投与され得る。
【0255】
適切には、対象は、2型真性糖尿病に罹患している対象であり得る。
【0256】
真性糖尿病(例えば2型真性糖尿病)および/またはそれに伴う状態に罹患している対象の文脈において使用される用語「処置する」は、真性糖尿病(例えば2型真性糖尿病)および/またはそれに伴う状態を「管理する」目的で組成物を投与することを意味し得る。
【0257】
例えば本明細書では用語「処置」および/または「処置する」は、緩和的もしくは予防的であり得る。言い換えれば、組成物を投与したとき、対象は真性糖尿病(例えば2型真性糖尿病)および/またはそれに伴う状態を完全に治癒しないかも知れないが、真性糖尿病(例えば2型真性糖尿病)および/またはそれに伴う状態を寛解することができる。
【0258】
いくつかの実施形態において、用語「処置」および/または「処置する」は、真性糖尿病(例えば2型真性糖尿病)および/またはそれに伴う状態を管理することを意味する。
【0259】
糖尿病に罹患している個体は、7.1mmol/Lもしくはより高い空腹時血清グルコースレベルを有する個体であり得る。
【0260】
長所
本発明による使用のための組成物、方法および/または使用は、いくつかの別の長所を実現する。少なくともいくつかの長所について、以下で議論する。
【0261】
本発明による使用のための組成物および/または方法が、低用量のグルコラファニンの投与を可能にすることは、本発明者らによる将来性のある発見である。対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回対象に本発明の組成物を断続的に投与することは、空腹時血清グルコースレベルを減少させ、ならびに/または真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防および/もしくは処置することができることは大変な驚きである。グルコラファニンがそのような有利な技術効果を実現する可能性があるという開示が当技術分野にない場合、これは特に驚くべきである。
【0262】
例えば、使用のための組成物が単離および/または精製されたグルコラファニンを含む場合、低用量のグルコラファニンの使用は、大きな経済的な長所を有し得る。
【0263】
グルコラファニンを含む組成物の使用は、空腹時血清グルコースレベルを減少させ、ならびに/または真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防および/もしくは処置する際により効果的なので、対象が、週用量約300~約2500μモルのグルコラファニンを投与されるように1週間に約1~約5回対象に本発明による組成物(例えば、グルコラファニンを含む)を投与することは非常に有利である。例えば、そのような組成物を使用することは、グルコラファニンの誘導体(例えばスルフォラファン)を含む組成物を使用するより有利である。
【0264】
スルフォラファンは、アブラナ科野菜の活性化合物であり、特にグルコシノレートおよび/またはその誘導体が富化していると考えられている。しかしながら、理論に束縛されるものではないが、グルコラファニンの10%未満が、スルフォラファンに変換されると考えられる。したがって、約300~約2500μモルの低週用量のグルコラファニンの使用が、空腹時血清グルコースレベルおよび/または真性糖尿病の処置および/または予防に対してそのような顕著な効果を有する可能性があることは、さらに驚くべきである。加えてまたは別法として、スルフォラファンの使用には、望まれない副作用(例えば胃腸の障害および/または不快感および/または鼓腸)があると報告されているので、スルフォラファンなど他のグルコシノレートまたはその誘導体よりもグルコラファニンが富化されている組成物を使用することも有利である。理論に束縛されるものではないが、このことは、高用量のスルフォラファンが対象に投与される場合に特に当てはまると予想される。
【0265】
本発明者らは、本発明の組成物を含む物質を1週間に約1~約5回(好ましくは1週間に1または2回)を投与することが、空腹時血清グルコースレベルの減少および/もしくは真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態の予防および/もしくは処置に対する効果を増大ならびに/または改善できることを驚くべきことに見出した。
【0266】
理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、連続投与と比較して、断続的投与によって有意に優れた結果を実現できると考えている。グルコラファニンの「パルス」を行うことは、対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させ、ならびに/または真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防し、ならびに/または真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を処置するのにより有益であると考えられる。グルコラファニンもしくはグルコラファニンの誘導体(スルフォラファンなど)を対象に絶え間なく投与することにより、対象の代謝および/または生理が、グルコラファニンおよび/またはその誘導体の連続的な存在に順応し、このことが、本発明における使用のための組成物の効果の減少をもたらすとさらに考えられる。
【0267】
本発明者らは、本発明による断続的な投与により、グルコラファニンの「パルス」が生じ、そのパルスが、組成物を投与された対象における代謝変化を誘発することを見出した。有利には、断続的な投与および観察された「パルス」効果により、対象において空腹時血清グルコースレベルを減少させ、ならびに/または真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を予防し、ならびに/または真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態を処置するには、対象に低用量のグルコラファニンを投与すれば十分であると考えられる。
【0268】
より低用量のグルコラファニンは、その投与に関連するあらゆる副作用のリスクも減少させ得る。
【0269】
さらにまた、継続的な投与と比較して、断続的に投与される低用量の使用(例えば1週間に約1~約5回、好ましくは1週間に1または2回)は、より費用効率が高くおよび/または効果的な用量レジメンを可能にし得る。連日投与などの継続的な投与の場合、本発明の組成物をより多量に提供する必要があり、より大きな製造費用および/もしくは患者当たりの費用ならびに/または効率の減少および/もしくは浪費になり得る。
【0270】
加えて、本発明による断続的な投薬(例えば、1週間に1または2回)は、患者の服薬遵守を促すことができる。服薬遵守の高まりにより、一層効果的および/または有効な空腹時血清グルコースレベルの減少ならびに/または真性糖尿病および/もしくはそれに伴う状態の予防および/もしくは処置を得ることができる。
【0271】
別段の規定がない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語のすべては、この開示が属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。Singletonら、DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY、第20版、John Wiley and Sons, New York(1994年)ならびにHaleおよびMarham、THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY、Harper Perennial、NY(1991年)は、当業者にこの開示において使用される用語の多くの一般的な辞書を提供する。
【0272】
本開示は、本明細書に開示する典型的な方法および材料によって制限されることはなく、本明細書に記載されるものと類似もしくは同等の任意の方法および材料を、この開示の実施形態の実践または試験に使用することができる。数字の範囲は、範囲を定義している数のすべてを含む。特に明記しない限り、任意の核酸配列は、5’から3’方向に左から右に記述され;アミノ酸配列は、それぞれアミノからカルボキシ配向に左から右に記述される。
【0273】
本明細書に提供される見出しは、本明細書を全体として参照することにより得ることができる本開示の様々な態様または実施形態を制限しない。したがって、すぐ下に定義される用語は、本明細書を全体として参照することによって、より完全に定義される。
【0274】
アミノ酸は、アミノ酸名、3文字省略形または1文字省略形を使用して本明細書で称される。
【0275】
本明細書では用語「タンパク質」は、タンパク質、ポリペプチドおよびペプチドを含む。
【0276】
本明細書では、用語「アミノ酸配列」は、用語「ポリペプチド」および/または用語「タンパク質」と同義である。いくつかの例において、用語「アミノ酸配列」は、用語「ペプチド」と同義である。いくつかの例において、用語「アミノ酸配列」は、用語「酵素」と同義である。
【0277】
用語「タンパク質」および「ポリペプチド」は、本明細書において互換的に使用される。本開示および特許請求の範囲において、アミノ酸残基に対する従来通りの1文字および3文字コードを、使用することができる。アミノ酸の3文字コードは、IUPACIUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature(JCBN)に準拠して定義される通りである。ポリペプチドが、遺伝暗号の縮重のため2つ以上の核酸配列にコードされ得ることも理解される。
【0278】
用語の他の定義は、本明細書全体を通じて表示され得る。典型的な実施形態が、より詳細に記載される前に、この開示は、記載されている特定の実施形態に制限されず、それ自体が当然変化し得ることを理解されるべきである。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることになるので、本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態についてのみ記載するためのものであり、制限されることを意図するものではないことも、理解されるべきである。
【0279】
値の範囲が提供される場合、範囲の上下限の間の各間の値も、文脈に別段の明確な指図がない限り下限の単位の10分の1まで、特に開示されるものと理解される。記載されている任意の値の間のより小さい各範囲または記載されている範囲の間の値および記載されている範囲内にある他の任意の記載されているもしくは間の値は、この開示に包含される。これらのより小さい範囲の上下限は、その範囲にそれぞれ独立に含めるまたは除外することができ、制限のいずれか、いずれもないもしくは両方がより小さい範囲に含まれる各範囲も、この開示に包含され、記載されている範囲において特に除外される任意の制限を受ける。記載されている範囲が限度の一方または両方を含む場合、その含まれている限度のいずれか一方または両方を除外した範囲も、本開示に含まれる。
【0280】
本明細書ではおよび添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」および「the」が、文脈に別段の明確な指図がない限り複数への指示対象を含む点に注意されなければならない。したがって、例えば、「組成物」への言及は、そのような候補作用物質の複数を含み、「組成物」への言及は、1つまたは複数の組成物および当業者に公知のその等価物、等への言及を含む。
【0281】
本明細書において議論した刊行物は、本出願の出願日の前に、それらの開示のためだけに提供される。本明細書におけるいかなる刊行物も、そのような刊行物が、本文書に添付される特許請求の範囲の先行技術を構成することを認めると解釈されるべきでない。
【0282】
次に、本発明を、あくまで例として、以下の図および実施例を参照して説明する。
【実施例】
【0283】
(実施例1)
材料および方法
試料
本研究は、積極的サーベイランスで前立腺がんの低および中程度のリスクを有する18~80歳の100人の患者が参加する。
【0284】
ボランティアを、3つの治療アームのうちの1つにランダム化する。
・アームI 1週当たり1分量(各300g)の、標準ブロッコリーを含有するスープ
・アームII 1週当たり1分量(各300g)の、グルコラファニン富化ブロッコリー(Beneforte(登録商標))を含有するスープ
・アームIII 1週当たり1分量(各300g)の、Beneforte extraブロッコリーを含有するスープ
【0285】
ランダム化は、第三者により、電子ランダム化生成プログラム(www.randomization.com)を使用して実行される。これは、「ブロックランダム化」と呼ばれる方法を使用し、それにより、ボランティアが3つの研究アームに等しく配分される。
【0286】
血液および尿試料の収集は、ベースラインおよび食事介入12ヵ月後において行う。すべての研究試料を、網羅的遺伝子および代謝産物分析のために使用する。食事および身体活動評価を、介入開始前、6ヵ月で、およびもう一度、12ヵ月の介入期間の終了1週間前に行う。
【0287】
募集方針
募集は、78人のボランティアが研究を完了するまで継続する。12ヵ月の研究期間内の前立腺がんの臨床的進行による本研究の脱落率は、およそ25%であると見込まれる。研究チームは、およそ25%の脱落率を斟酌し、100人までの患者を募集する。積極的サーベイランスで低および中程度のリスクの前立腺がんを有し、18~80歳で、19.5から35kg/m2の間のBMIを有する患者が、NNUHのRobert Mills氏(顧問泌尿器科医)またはOmar Al Kadhi氏(研究医局員)により識別および募集される。
【0288】
スクリーニング基準
基本的な組入基準
・男性10人
・積極的サーベイランスで低および中程度の前立腺がんリスクと診断
・18~80歳
・19.5から35kg/m2の間のBMI
・喫煙者および非喫煙者
基本的な除外基準
・化学的予防療法を受けている者
・5α-レダクターゼ阻害剤またはテストステロン置換薬を定期的に服用している者
・ワルファリン治療を受けている者
・糖尿病と診断された者
・ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)および/または肝炎について高リスクと診断されたか、またはその疑いがある者
・ブロッコリースープの成分のうちのいずれかに対しアレルギーである者
・研究アウトカムに影響を及ぼし得る栄養補助食品または薬草剤(herbal remedy)を服用している者。但し、研究開始前の1ヵ月間それらの服用を中止する意思がボランティアにある場合を除く。一部の栄養補助食品は研究に影響を及ぼさない可能性があり、これは個別に評価されることに留意されたい。
・食事介入を伴う別の研究プロジェクトへの並行参加
・研究チームのメンバーと関係するか、または同居する人
【0289】
研究手順
本研究は、下に記載する研究を実行する意思のある18~80歳の間の78人のボランティアが参加する。
【0290】
食事評価
参加者はすでに、彼らの普段の食事の一部として、高レベルのアブラナ科野菜を摂取している可能性があるので、群のそれぞれにおいて、食事習慣を測定することを目指す。参加者には、介入に参加する資格が認められると、彼らの第1の日誌が送付され、この日誌は、彼らが本研究のスープを飲み始める前に記入する必要がある。ボランティアは、栄養補助食品または薬草治療剤(herbal treatment)を含む推定摂取量のIFR標準7日間食品日誌(food diary)を記入するよう依頼される。ボランティアは、家庭用計量計を分量サイズの指標として使用して、7日の期間(週末を含む7つの異なる日を組み込む)にわたって摂取した彼らの食事、飲料および栄養補助食品の摂取量を記録するよう指示される。日誌を記入する方法の詳細は、日誌の例とともに添付文書8に記載されている。6ヵ月後および12ヵ月の食事介入の終了1週間前に、介入の遵守を評価するため、第2および第3の7日間食事日誌が再び記入される。食物摂取量日誌を、「Diet Cruncher」または類似のプログラムを、英国食品成分表とともに使用して分析する。本発明者らはまた、一部の疫学研究内で前立腺がんのリスクと関連付けられ(るが、他の疫学研究では関連付けられない)、それゆえデータの解釈と関連し得る、日常的に摂食される食品(例えば、アブラナ科野菜、トマト、赤肉、牛乳および乳製品)の詳細を具体的に記録および提供するのに役立つ、追加の食品日誌を作成している。
【0291】
ボランティアは、すべてのアブラナ科野菜およびITC前駆体を含有する他の食品を、来院3前の2日間彼らの食事から除くよう依頼される。ボランティアは、回避すべき食品のリストをリマインドされ、必要であればその頁のコピーが再びボランティアに提供される。以前の研究に基づき、本発明者らは、ITC前駆体を含有する食品を少なくとも24時間回避することにより、ITCが循環器中に見出されないことを保証できる(Gasper, A.V.ら、Glutathione S-transferase M1 polymorphism and metabolism of sulforaphane from standard and high-glucosinolate broccoli. Am J Clin Nutr、2005年、82巻(6号):1283~91頁、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0292】
採血
研究看護師が、血液試料(38ml)をボランティアの腕の適切な静脈から、翼状針を使用して、ボランティアの静脈の状況の評価後に収集する。血液は、空腹時血中グルコースを測定するために、および糖化ヘモグロビン(HbA1c)を測定するために使用する。血液は、抗凝固剤(EDTA)と混合され、アリコートにされ、IFRに安全に輸送して戻し、必要とされるまで-80℃で保存できるまで、ドライアイス上に配置される。
【0293】
ヘモグロビンA1c濃度(HbA1c)の定量in vitro決定のための全血試料を使用する。HbA1cは、先行する6~8週にわたる平均日中血中グルコース濃度の指標である。食品研究所(Institute of Food Research)において、RX Daytona分析装置上での使用に好適なラテックス増強免疫比濁アッセイを使用することにより、分析を実施する。一例として、RANDOXから供給される市販のキット、カタログ番号HA3830は、試料内の総ヘモグロビンおよびHbA1cを決定可能であり、RX Daytona分析装置との併用に好適である。
【0294】
加えて、空腹時グルコース濃度を、Abbott CLINICAL CHEMISTRYにより供給されるグルコースアッセイ参照番号3L82-20および3L82-40を使用して決定する。
【0295】
研究用食事
ボランティアを、1年間普段の食事の一部として1週当たり1分量のブロッコリースープを摂取することが必要とされる、3つの食事群のうちの1つにランダムに割り当てる。3つのタイプのスープは、標準ブロッコリー-Myb28
villosa欠損(i)、グルコラファニン富化ブロッコリー(Beneforte(登録商標))-Myb28
villosaヘテロ接合性(ii)、またはBeneforte extraブロッコリー(Myb28
villosaホモ接合性)(iii)を含有する(ブロッコリータイプのそれぞれにおけるグルコラファニンならび加工スープにおけるグルコラファニンおよび硫黄含有量をそれぞれ詳細に示す
図4および
図6を参照のこと)。
【0296】
Beneforte(登録商標)およびBeneforte extraは、従来の育種法により開発された。標準ブロッコリー、BeneforteおよびBeneforte extraはすべて、同じ外観および風味を有し、したがって、二重盲検ヒト介入研究の実行を可能にする。
【0297】
ブロッコリースープの供給
3つのタイプのブロッコリースープが、大手の国際的な生鮮加工食品製造業者であるBakkavorにより調製される。標準、Beneforte(登録商標)およびBeneforte extraブロッコリースープのそれぞれについて、本発明者らは3つのレシピ(+サツマイモ、+チージーリーキ(cheesy leek)、+スティルトン)を有する。3つのブロッコリースープの成分表示、栄養情報およびアレルギー表示は、製造業者から提供された。研究の遵守を向上させるため、ボランティアは、3つのレシピの間で選択できる。Bakkavorは、冷凍スープを製造し、次いで、IFRに配送されるよう手配する(
図5)。IFRに配送されると、スープはIFR HNUの専用冷凍庫に貯蔵される。ボランティアは、参加者情報シートを読むことにより、スープを摂取する方法について伝えられ、手短に言うと、対象は、摂取前にスープを解凍および加熱するよう指示される。
【0298】
ブロッコリースープの成分は、以下の通りである。すなわち、水、ブロッコリー(28%)、新鮮な牛乳、シングルクリーム、さいの目に切ったオニオンポテト、スティルトンチーズ(4%)、コーンフラワー、ナタネ油、塩、黒コショウ。
【0299】
ブロッコリー(28%)は、標準ブロッコリー、Beneforte(登録商標)ブロッコリーまたはBeneforte Extraブロッコリーから選択された。
【0300】
食事および遵守のモニタリング
ボランティアに、12ヵ月の介入期間中、食事記録シートを記入し、彼らがスープを摂食するたびに記録するよう依頼する。これは、食事介入の遵守を補助し、また、7日間食事日誌と比較して使用することが意図されている。ボランティアは、進捗をモニターするため、研究チームのメンバーからの電話を受ける。研究チームのメンバーは、記録シートを収集し、空のスープ容器を数え、並行して冷凍スープを配送する。
【0301】
本発明者らは、ボランティアが介入期間中に休暇に出かけるよう要望し得ることを認める。ボランティアは、介入過程中に休暇に出かけることを、それらの日に摂取されるはずのブロッコリースープを旅行の前後に組み込むことが可能な場合に、許可される。本発明者らは、計画された休暇の日を通知するようボランティアに依頼し、そのことにより本発明者らは、記録をつけて、彼らの臨床研究日程をそれに従い変更できる。
【0302】
統計解析
サンプルサイズ算出
80%の検出力および0.66の標準偏差(遺伝子強度測定のlog2スケールに基づく)で、3つの食事群のうちの任意の2つの間の有意差(p<0.02)について1.5倍差を検出するためには、3つの食事群のそれぞれの26人の対象(総計78人)が必要であると見積もられた。
【0303】
データ解析
本研究から生成されたデータの統計解析を、異なる方法を使用することにより実施する。
【0304】
結果
空腹時グルコースデータを、上の材料および方法セクションに記載の通り、Beneforte Extraブロッコリーを用いて調製されたスープを投与された対象について得た。
図7は1人の個体の結果を示し、空腹時血中グルコースレベルが、Beneforte Extraブロッコリースープ(食事B)の投与開始の際に劇的に下降したことは明らかである。
【0305】
図8は、Beneforte Extraブロッコリースープの投与前、3ヵ月後および6ヵ月後の、個体の空腹時血清中グルコースレベルの統計解析を示す。1週当たり1回300mlの投与で、空腹時血清中グルコースレベルの明確な低減が観察できる。
【0306】
【0307】
【0308】
(実施例2)
材料および方法
40人のボランティアを、2つの治療アームのうちの1つにランダム化する。
・アーム1 1週当たり1分量(各300g)の標準ブロッコリー(Myb28villosa欠損)を含有するスープ
・アーム2 1週当たり1分量(各300g)のBeneforte extraブロッコリー(Myb28villosaホモ接合性)を含有するスープ
【0309】
ランダム化は、第三者により、電子ランダム化生成プログラム(www.randomization.com)を使用して実行できる。これは、「ブロックランダム化」と呼ばれる方法を使用し、それにより、ボランティアが2つの研究アームに等しく配分される。
【0310】
血液試料の収集は、ベースラインにおいておよび3ヵ月おきに24ヵ月まで行う。
【0311】
組入基準
・男性
・35~85歳
・20から32kg/m2の間のBMI
【0312】
除外基準
・化学的予防療法を受けている者
・糖尿病と診断された者および/または糖尿病を治療するために使用できる薬物を服用している者
・ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)および/または肝炎について高リスクと診断されたか、またはその疑いがある者
・ブロッコリースープの成分のうちのいずれかに対しアレルギーである者
・研究アウトカムに影響を及ぼし得る栄養補助食品または薬草剤を服用している者。但し、研究開始前の1ヵ月間それらの服用を中止する意思がボランティアにある場合を除く。一部の栄養補助食品は研究に影響を及ぼさない可能性があり、これは個別に評価されることに留意されたい。
・食事介入を伴う別の研究プロジェクトへの並行参加
・研究チームのメンバーと関係するか、または同居する人
【0313】
研究手順
本研究は、35~85歳の間の40人のボランティアが参加する。実行された本研究を下に記載する。
【0314】
ボランティアに、彼らの普段の食事を維持し、研究中に逸脱しないよう依頼する。
【0315】
採血:研究看護師が、血液試料(38ml)をボランティアの腕の適切な静脈から、翼状針を使用して、ボランティアの静脈の状況の評価後に採取する。血液は、空腹時血中グルコースを測定するために使用する。血液は、抗凝固剤(EDTA)と混合され、アリコートにされ、必要とされるまで-80℃で安全に保存できるまで、ドライアイス上に配置される。空腹時グルコース濃度を、Abbott Clinical Chemistryにより供給されるグルコースアッセイ参照番号3L82-20および3L82-40を使用して決定する。
【0316】
研究用食事
ボランティアを、6ヵ月間普段の食事の一部として1週当たり300mlの1分量のブロッコリースープを摂取することが必要とされる、2つの食事群のうちの1つにランダムに割り当てる。2つのタイプのスープは、標準ブロッコリー-Myb28villosa欠損、またはBeneforte extraブロッコリー(Myb28villosaホモ接合性)を含有する。Beneforte extraブロッコリーは、300mlの1分量当たり約450μモルのグルコラファニンを提供した。対照(標準ブロッコリー)は、300mlの1分量当たり100μモル未満のグルコラファニンを提供した。
【0317】
Beneforte extraは、従来の育種法により開発された。標準ブロッコリーおよびBeneforte extraはすべて、同じ外観および風味を有し、したがって、二重盲検ヒト介入研究の実行を可能にする。
【0318】
ブロッコリースープの供給
2つのタイプのブロッコリースープが、大手の国際的な生鮮加工食品製造業者であるBakkavorにより調製される。冷凍スープは専用冷凍庫に貯蔵される。ボランティアは、スープを摂取する方法について伝えられ、手短に言うと、対象は、摂取前にスープを解凍および加熱するよう指示される。ブロッコリースープの成分は、以下の通りである。すなわち、水、ブロッコリー(28%)、新鮮な牛乳、シングルクリーム、さいの目に切ったオニオンポテト、スティルトンチーズ(4%)、コーンフラワー、ナタネ油、塩、黒コショウ。ブロッコリー(28%)は、標準ブロッコリーまたはBeneforte Extraブロッコリーから選択された。
【0319】
遵守のモニタリング
対象に対象日誌をつけるよう依頼し、対象は毎日記入して試験製品の摂取を記録するよう求められる。ボランティアは、介入過程中に休暇に出かけることを、それらの日に摂取されるはずのブロッコリースープを旅行の前後に組み込むことが可能な場合に、許可される。本発明者らは、計画された休暇の日を通知するようボランティアに依頼し、そのことにより本発明者らは、記録をつけて、彼らの臨床研究日程をそれに従い変更できる。
【0320】
結果
空腹時血中グルコースは、ベースラインからの倍数変化として表される。統計解析は、対応のあるT検定による。
【0321】
Beneforte Extraスープ(アーム2、
図10)について、空腹時血中グルコースは3ヵ月後に10%低下し、その後、それに続く21ヵ月間、ベースラインのおよそ10%下に留まり続ける。3ヵ月ごとの各時点で、個体間で大きな変動がある12ヵ月の時点を除き、低下はベースラインと有意に異なる。これは、統計的例外を引き起こす単一の非空腹時血液試料による可能性がある。
【0322】
標準ブロッコリースープ(アーム1、
図11)について、3ヵ月後に平均空腹時血中グルコースの低減があるが、これは、ベースラインと有意には異ならない(P>0.05)。続く21ヵ月間、ベースラインから5%低減した9ヵ月での試料(P<0.05)を除き、ベースラインと有意差はない。
【0323】
本発明者らは、Beneforte Extraスープを含有するスープの300mlの1分量を摂取することは、空腹時血中グルコースの有意で持続的な低減をもたらす一方で、標準ブロッコリーを有するスープを摂取することは、空腹時血中グルコースの低減をもたらさないと結論付ける。
【0324】
上の本明細書に言及したすべての刊行物が、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の説明された方法およびシステムの様々な改変および変形形態が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなしに当業者に明らかであろう。本発明が特定の好ましい実施形態との関連で説明されたとはいえ、特許請求の範囲に記載の本発明が、かかる特定の実施形態に不当に限定されるべきでないことが理解されるべきである。実際、生化学および生物工学または関連分野の当業者にとって自明な、本発明を実施するための説明された形態の様々な改変は、以下の特許請求の範囲内であることが意図されている。
【配列表】