(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20220228BHJP
E02F 9/08 20060101ALI20220228BHJP
E02F 9/00 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
E02F9/08 Z
E02F9/00 C
(21)【出願番号】P 2018010020
(22)【出願日】2018-01-24
【審査請求日】2020-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奈賀 宏司
(72)【発明者】
【氏名】高野 善之
(72)【発明者】
【氏名】富澤 美帆
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-023943(JP,A)
【文献】特開2003-064721(JP,A)
【文献】特開2013-019181(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0043823(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0107190(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
E02F 9/08
E02F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、
前記下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、を備え、
前記上部旋回体は、水平方向に延びる旋回フレームと、
前記旋回フレームの上方に配置されて前後方向に延びるとともに、上面に座席
の座面部の下面が固定された上板部、及び、該上板部の前側から下方に延びて
前記旋回フレームに接続された前板部を有し、前記旋回フレーム上に前方側の運転スペースと、後方側の収容スペースとを区画する仕切部材と、
前記収容スペースに配置されるバッテリユニットと、 を備え、
前記バッテリユニットは、前記座席の
座面部の下方位置から
前記座席よりも後方の領域にわたって配置され、
前記上部旋回体は、
前記旋回フレームの幅方向に一対設けられて前記旋回フレームから上方に延びる支持部と、
一対の前記支持部の間を接続するように前記幅方向に延びて、前記上板部を支持する横梁と、
を有し、
前記バッテリユニットは、一対の前記支持部の間、かつ、前記横梁の下方で、一対の前記支持部及び前記横梁に囲まれるように、一対の前記支持部及び前記横梁の前記前後方向の前後にまたがって配置されている建設機械。
【請求項2】
前記旋回フレーム上における前記バッテリユニットの前記幅方向外側の少なくとも一方に側部収容部が設けられている請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記上部旋回体には作業機が設けられ、
前記側部収容部には、前記作業機を動作させる機器が収容されている請求項2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記上部旋回体は、前記一対の前記支持部によって下方から支持されているとともに前記運転スペースを覆うキャノピーをさらに有する請求項
1から3のいずれか一項に記載の建設機械。
【請求項5】
前記横梁には、前記幅方向の一部の領域で、前記前方を向く面から、前記後方に向かって凹部が設けられている請求項
1から4のいずれか一項に記載の建設機械。
【請求項6】
前記上部旋回体は、
一対の前記支持部の各々に設けられて、該支持部から前記前後方向の前後に延びて前記バッテリユニットを外周側から覆う車体カバーをさらに有する請求項
1から5のいずれか一項に記載の建設機械。
【請求項7】
前記車体カバーは、前記旋回フレーム上における前記バッテリユニットの前記幅方向外側の少なくとも一方に設けられた側部収容部を外部へ開放可能に前記旋回フレームに設けられている請求項
6に記載の建設機械。
【請求項8】
前記バッテリユニットの高さ寸法が、該バッテリユニットの前部に比べて後部の方が大きくなっており、前記前部が前記仕切部材の下方に配置されている請求項
1から7のいずれか一項に記載の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建設機械の一例として電動式ショベルが開示されている。電動式ショベルは、従来の油圧式ショベルのエンジンに代えて、バッテリによって駆動されるモータを備えている。モータを駆動するための多数のバッテリは、電動式ショベルの上部旋回体の旋回フレーム上の幅方向全域に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動式ショベルでは、エンジンを搭載した油圧式ショベルと同等の稼働時間を持続させるべく、できるだけ多くのバッテリを設ける要求が高まっている。しかしながら単にバッテリを多く搭載するためにバッテリの高さ方向の段数を多くすると、オペレータの後方視界が悪くなってしまうおそれがある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、多数のバッテリを設けることができるとともにオペレータの後方視界を確保可能な建設機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る建設機械は、下部走行体と、前記下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、を備え、前記上部旋回体は、水平方向に延びる旋回フレームと、前記旋回フレームの上方に配置されて前後方向に延びるとともに、上面に座席の座面部の下面が固定された上板部、及び、該上板部の前側から下方に延びて前記旋回フレームに接続された前板部を有し、前記旋回フレーム上に前方側の運転スペースと、後方側の収容スペースとを区画する仕切部材と、前記収容スペースに配置されるバッテリユニットと、を備え、前記バッテリユニットは、前記座席の座面部の下方位置から前記座席よりも後方の領域にわたって配置され、前記上部旋回体は、前記旋回フレームの幅方向に一対設けられて前記旋回フレームから上方に延びる支持部と、一対の前記支持部の間を接続するように前記幅方向に延びて、前記上板部を支持する横梁と、を有し、前記バッテリユニットは、一対の前記支持部の間、かつ、前記横梁の下方で、一対の前記支持部及び前記横梁に囲まれるように、一対の前記支持部及び前記横梁の前記前後方向の前後にまたがって配置されている。
【発明の効果】
【0006】
上記態様の建設機械によれば、多数のバッテリを設けることができるとともに、オペレータの後方視界を確保可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る電動式ショベルの側面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る電動式ショベルの上部旋回体から車体カバー及びキャノピーを取り除いた状態の側面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る電動式ショベルの上部旋回体から車体カバー及びキャノピーを取り除いた状態の平面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る電動式ショベルの上部旋回体から車体カバーを取り除いた状態の斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る電動式ショベルの上部旋回体の旋回フレーム上に各機器を配置した状態を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について
図1~
図5を参照して詳細に説明する。
<電動式ショベル(建設機械)>
図1に示すように、建設機械としての電動式ショベル200は、下部走行体210及び上部旋回体220を備えている。以下では、電動式ショベル200が水平面に設置された状態における重力が作用する方向を「上下方向」と称する。
【0009】
下部走行体210は、左右一対の履帯211を有している。これら履帯211が走行用油圧モータ(不図示)によって駆動されることで下部走行体210が走行する。下部走行体210の前部には、下部走行体210の車幅方向(以下、単に幅方向と称する。)に延びる排土板としてのブレード212が設けられている。該ブレード212は、油圧シリンダ(不図示)によって駆動されることで高さ位置が調整可能とされている。
【0010】
上部旋回体220は下部走行体210上に設けられている。
図2から
図5に示すように、上部旋回体220は、水平方向に延びる旋回フレーム1、旋回フレーム1から上方に延びる一対の支持部2、一対の支持部2に設けられた横梁5に支持された仕切部材3、及び旋回フレーム1上に設けられたバッテリユニット4を備えている。
さらに上部旋回体220は、一対の支持部2に支持されたキャノピー231、一対の支持部2に支持された車体カバー226を備えている。
【0011】
<旋回フレーム>
旋回フレーム1は、スイングサークル215を介して下部走行体210に接続されている。スイングサークル215は、上下方向に延びる旋回軸線を中心とした環状をなしている。旋回フレーム1は、スイングサークル215によって、下部走行体210に対して旋回軸線回りに旋回可能とされている。
【0012】
旋回フレーム1の前部には作業機221が設けられている。作業機221は、ブーム222、アーム223及びバケット224を有している。ブーム222が旋回フレーム1の前端に設けられたブラケット1aを介して支持されていることで、旋回フレーム1に作業機221が取り付けられている。作業機221は、ブーム222、アーム223及びバケット224がそれぞれ各油圧シリンダ219により駆動されることで掘削等の各種作業を行う。
【0013】
以下では、下部走行体210の前後方向方及び幅方向と上部旋回体220の前後方向及び幅方向とは一致しているものとする。
【0014】
<支持部>
図4に示すように支持部2は、旋回フレーム1の前後方向の略中央位置で幅方向に間隔をあけて一対設けられている。各々の支持部2は旋回フレーム1から上方に延びるように設けられている。各々の支持部2は柱状をなしている。
【0015】
<横梁>
横梁5は、一対の支持部2の間にわたって幅方向に延び、これら一対の支持部2を接続する柱状部材である。よって、横梁5と一対の支持部2とによって門型の部材が形成されている。
【0016】
図3に示すように横梁5には前方を向く面から後方に向かって凹むように凹部5aが設けられている。凹部5aは、本実施形態では幅方向の一方(本実施形態では幅方向の左側)に寄った位置に設けられている。凹部5aは、後方側に位置して幅方向に延びる底面6aと、底面6aの幅方向の両端縁から、前方に向かって幅方向の外側に向かう一対の内側面6bとによって形成されている。
【0017】
支持部2及び横梁5は、ROPS材(転倒時運転者保護構造材:Roll Over Protective Structures)によって一体に形成されている。
【0018】
<キャノピー>
キャノピー231は、旋回フレーム1上の運転スペースS1の天井部を形成し、運転スペースS1を区画している。キャノピー231は、各々の支持部2によって、下方から支持されている。
キャノピー231は、運転スペースS1の天井部を形成するフード232と、フード232の後部に設けられてフード232から下方に延びる後部支柱233と、フード232の前部に設けられてフード232から下方に延びる前部支柱234とを有している。
後部支柱233は幅方向に離れた位置に一対が設けられている。各々の後部支柱233の下端が対応する支持部2にそれぞれボルト等によって固定されている。
前部支柱234は幅方向に離れた位置に一対が設けられて、互いに下端で接続されていることでU字状をなしている。前部支柱234の下端は、支持部2の前方で旋回フレーム1の前部に固定されている。一対の前部支柱234の間にわたって補強バー235が設けられている。
【0019】
<車体カバー>
車体カバー226(
図1参照)は、各々の支持部2から前後に延びるとともに旋回フレーム1に対して着脱可能に取り付けられている。
【0020】
<仕切部材>
仕切部材3は、旋回フレーム1上で上記の運転スペースS1と、収容スペースS2とを区画する部材である。より詳細には、仕切部材3は支持部2から前後方向の前方に延びるとともに上面に座席237が設けられた上板部7と、上板部7の前端から下方に延びて旋回フレーム1に接続された前板部8とを有している。仕切部材3は平板状の部材である必要はなく、例えば曲面状の表面を有する部材であってもよい。
【0021】
上板部7は、一対の支持部2間にわたって配置され、これら一対の支持部2から前方に延びて、水平方向に広がる板状をなし、座席237の座面部238の下面に固定されている。
【0022】
前板部8は、上板部7の前端から屈曲して下方に延びる板状をなしている。前板部8の後方であって上板部7の下方には区画板9が設けられ、前板部8に隣接した位置に補助収容スペースS3が設けられている。補助収容スペースS3には、例えば工具箱等が収容可能となっている。前板部8には、補助収容スペースS3に対して前方からのアクセスを可能とするように、
図4に示す開閉蓋8aが設けられている。
【0023】
よって、上板部7の上方であって前板部8の前方側の空間が運転スペースS1となり、上板部7の下方であって前板部8の後方側の空間が収容スペースS2となる。
図3及び
図4に示すように運転スペースS1には、座席237の周囲にモニタ237a、操作レバー237b、及び手すり237c等が設けられている。
【0024】
<バッテリユニット>
バッテリユニット4は、複数のバッテリケース12、これらバッテリケース12のそれぞれに収容された複数のバッテリ11を有している。
【0025】
複数のバッテリケース12は、旋回フレーム1上であって、旋回フレーム1の後部の収容スペースS2に配置されている。例えば本実施形態のバッテリユニット4では、前部で上下方向に三段のバッテリケース12が積層されており、後部では上下方向に四段のバッテリケース12が積層されて設けられている。
【0026】
バッテリケース12の前部は、一対の支持部2によって幅方向から挟まれて前後にまたがって配置されて、座席237の座面部238の下方、及びキャノピー231のフード232の下方に配置されている。よってバッテリケース12の前部は、平面視で座面部238と重なる位置に配置されている。また、バッテリケース12の前部はフード232の下方に配置され、バッテリケース12の前部は平面視でフード232と重なる位置に配置されている。
バッテリケース12の後部は、支持部2の後方に配置されている。よって支持部2を挟んでバッテリユニット4の高さ寸法が、前部に比べて後部で大きくなっている。そしてバッテリユニット4の後部がカウンタウエイトの役割を果たしている。
【0027】
バッテリケース12の前部は、仕切部材3に固定されていない。バッテリケース12の前部は補助収容スペースS3と離れて配置されている。バッテリケース12は、旋回フレーム1上をスライド可能に設けられている。後部の車体カバー226を取り外すことで、バッテリケース12を後方に引っ張り、収容スペースS2からバッテリユニット4を抜き取ったり、バッテリケース12を前方に押し込むことで収容スペースS2へバッテリユニット4を設置したりすることが可能である。
【0028】
バッテリケース12の後部の上部には例えば、インバータ242及びフィルタボックス243等の機器が設けられている。インバータ242及びフィルタボックス243は、運転者の後方への視界を遮らない位置に配置されるとよい。本実施形態ではインバータ242及びフィルタボックス243の上端よりも上方に、座席237の背もたれ239が延びている。
インバータ242は、バッテリユニット4から供給される直流電力を任意の周波数の交流電力に変換して出力する。
フィルタボックス243は、油圧シリンダ219に供給される作動油から埃、粒子等を除去するフィルタを含む。
【0029】
バッテリ11は、インバータ242等に直流電力を供給する。バッテリ11は、各バッテリケース12の内側の収容空間に複数個ずつ設けられている。
【0030】
図5に示すように、収容スペースS2は、バッテリケース12が配置された旋回フレーム1上の幅方向の略中央位置の空間である。旋回フレーム1上には、この収容スペースS2に幅方向の外側で隣接して、バッテリケース12の幅方向外側の両側で、一対の側部収容部S2aが設けられている。本実施形態では一方の側部収容部S2a(本実施形態では幅方向の左側の側部収容部S2a)には、前から後ろに向かって順にメインモータ244及び油圧ポンプ245が設けられている。他方の側部収容部S2a(本実施形態では幅方向の右側の側部収容部S2a)には、パワーデリバリユニット246が設けられている。また側部収容部S2aには上述した支持部2が配置されている。
【0031】
メインモータ244は、インバータ242から出力される交流電力によって回転駆動される。
油圧ポンプ245は、メインモータ244によって駆動されることで、油圧シリンダ219によって作業機221を動作させるための油圧を生じさせる。
パワーデリバリユニット246は、バッテリユニット4のバッテリ11からの電力を各機器に配電する。
【0032】
ここで、上記の機器に加えて運転スペースS1の下部で、旋回フレーム1には、旋回用モータ241、油圧バルブ248、作動油タンク249、及び冷却ユニット250等の機器が設けられている。これらの機器へもパワーデリバリユニット246を通じてバッテリユニット4のバッテリ11からの電力が供給される。
【0033】
旋回用モータ241は、支持部2の前方で幅方向の略中央位置に配置されている。より詳細には、
図4及び
図5に示すように、支持部2の前方で幅方向の略中央位置に旋回フレーム1を上下方向に貫通する平面視で円形状のモータ挿通孔1bに、旋回用モータ241の軸部が挿入されて旋回用モータ241が旋回フレーム1に設けられている。旋回用モータ241は、インバータ242から出力される交流電力によって回転駆動される。旋回用モータ241の駆動力は、図示しないスイングピニオンを介してスイングサークル215に伝達される。これによって、上部旋回体220が下部走行体210に対して旋回駆動する。
油圧バルブ248は、支持部2の前方でかつ油圧ポンプ245の前方に配置されている。油圧バルブ248は、油圧ポンプ245によって生じさせられた油圧を各油圧シリンダ219に分配する。
作動油タンク249は、油圧ポンプ245に供給される作動油を貯留している。
冷却ユニット250は、作動油と外部の空気とを熱交換させることで作動油を冷却する。
【0034】
<作用効果>
上記構成の電動式ショベル200では、バッテリユニット4のバッテリケース12の前部の一部は座席237の座面部238の下方に配置されていることで、バッテリユニット4を座席237の後部のみに配置する必要がなくなる。よって、バッテリユニット4のバッテリ11の容量を増大させるために上下方向のバッテリケース12の積層数を増加させる必要がなく、上部旋回体220の後部で、上部旋回体220の全高が高くなることを回避できる。この結果、多数のバッテリ11を設け、バッテリユニット4の容量を増大させつつ、オペレータの後方の視界を確保することができる。
【0035】
また、バッテリユニット4の前部の一部が座席237の座面部238の下方に配置されていることで、バッテリユニット4の収容スペースS2を前後方向に拡大することができる。従って、バッテリユニット4を旋回フレーム1の幅方向の全域にわたって配置せずに、旋回フレーム1の幅方向中央位置の収容スペースS2のみに収めることができる。よって、所定のサービス員のみがバッテリユニット4へのアクセスを可能としつつも、バッテリユニット4の容量を増大させることができる。
【0036】
また、バッテリユニット4の側方となる幅方向外側には側部収容部S2aが設けられている。側部収容部S2aには、メンテナンスが必要な機器であるメインモータ244、油圧ポンプ245、及びパワーデリバリユニット246が配置されている。
【0037】
よってメンテナンス時等に、車体カバー226を旋回フレーム1から取り外すことで側部収容部S2aを上部旋回体220の外部へ開放し、これら側部収容部S2a内の機器に容易にアクセスすることができる。
【0038】
またバッテリユニット4は、側部収容部S2aによって幅方向から挟まれて幅方向中央位置に設けられた収容スペースS2に配置されている。従って、側部収容部S2a内の機器にアクセスした際に、不用意に作業者がバッテリユニット4に触れることを回避できる。
【0039】
また支持部2の間の横梁5には凹部5aが設けられている。この凹部5aによって、座席237の背もたれ239のリクライニングの可動域を大きくすることができる。また凹部5aによって横梁5の軽量化が可能となる。
【0040】
また、支持部2を設けたことで、車体カバー226の設置が容易となる。
【0041】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、収容スペースS2の幅方向外側の両側に側部収容部S2aが設けられる必要はなく、少なくとも収容スペースS2の幅方向外側のどちらかに側部収容部S2aが設けられればよい。また、必ずしも側部収容部S2aは設けられなくともよい。
【0042】
一対の支持部2は必ずしも設けられなくともよいし、一対の支持部2の間に横梁5は必ずしも設けられなくともよい。この場合、キャノピー231の一対の後部支柱233の間に横梁5の相当する補強部材を設けてもよい。
【0043】
キャノピー231の形状は上述の場合に限定されない。例えば、後部支柱233に代えて、幅方向の中央位置に一本のみの後部支柱が設けられてもよい。この場合、オペレータの後方視界を確保し易くなる。また、支柱とキャノピーを有する構造に代えて、キャブ構造を採用して運転スペースS1を設けてもよい。
【0044】
側部収容部S2aへは上記の機器に代えて工具箱等を設けてもよい。
【0045】
実施形態では、建設機械の例として、エンジンを搭載せずにモータによって油圧ポンプ245を駆動する電動式ショベル200について説明したがこれに限定されることはない。例えば、作業機221等の駆動も全て電動で行うショベルに本発明を適用してもよい。また、他の建設機械に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…旋回フレーム 1a…ブラケット 1b…モータ挿通孔 2…支持部 3…仕切部材 4…バッテリユニット 5…横梁 5a…凹部 6a…底面 6b…内側面 7…上板部 8…前板部 8a…開閉蓋 9…区画板 11…バッテリ 12…バッテリケース 200…電動式ショベル(建設機械) 210…下部走行体 211…履帯 212…ブレード 215…スイングサークル 219…油圧シリンダ 220…上部旋回体 221…作業機 222…ブーム 223…アーム 224…バケット 226…車体カバー 231…キャノピー 232…フード 233…後部支柱 234…前部支柱 235…補強バー 237…座席 237a…モニタ 237b…操作レバー 237c…手すり 238…座面部 239…背もたれ 241…旋回用モータ 242…インバータ 243…フィルタボックス 244…メインモータ 245…油圧ポンプ 246…パワーデリバリユニット 248…油圧バルブ 249…作動油タンク 250…冷却ユニット S1…運転スペース S2…収容スペース S2a…側部収容部 S3…補助収容スペース