(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1368 20060101AFI20220228BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
G02F1/1368
G09F9/30 338
(21)【出願番号】P 2018037619
(22)【出願日】2018-03-02
【審査請求日】2020-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】椎名 秀樹
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-180928(JP,A)
【文献】特開2017-083760(JP,A)
【文献】特開2006-163407(JP,A)
【文献】特開2009-128893(JP,A)
【文献】特開2010-026237(JP,A)
【文献】特開2005-300821(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0184935(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/1343-1/1345
1/135-1/1368
G09F9/00-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子と、
共通電極と、
前記共通電極を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜を貫通する第1コンタクトホールにおいて前記スイッチング素子と電気的に接続された第1画素電極と、
前記絶縁膜を貫通する第2コンタクトホールにおいて前記共通電極と電気的に接続された透明導電膜と、を備え、
前記第1画素電極及び前記透明導電膜は、同層において第1方向に並び、
前記第1画素電極は、画像を表示する表示部において前記共通電極に対向し、
前記透明導電膜は、前記表示部を囲む非表示部において前記共通電極に対向し、
前記共通電極は、前記表示部及び前記非表示部に亘って配置され、
平面視で、前記第1コンタクトホールの大きさは、前記第2コンタクトホールの大きさとは異な
り、
前記第1画素電極は、複数の帯電極を備え、
前記透明導電膜は、線状電極であり、
前記線状電極の幅は、前記帯電極の幅より大きく、
さらに、前記第1画素電極と前記線状電極との間に位置する信号線を備え、
前記帯電極と前記信号線との間隔は、前記線状電極と前記信号線との間隔と同等である、表示装置。
【請求項2】
前記線状電極は、前記帯電極と平行な方向に延出している、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項3】
さらに、前記信号線と交差する走査線と、
前記走査線と交差し、前記信号線及び前記第1画素電極と電気的に接続された前記スイッチング素子の半導体層と、
前記走査線と交差し、前記線状電極に重畳し、電気的にフローティングのダミー半導体層と、を備えた、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項4】
平面視で、前記第2コンタクトホールのエッジと前記透明導電膜のエッジとの距離は、1μm以上である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
さらに、無機絶縁膜と、前記無機絶縁膜上に位置する
前記スイッチング素子のドレイン電極と、
前記ドレイン電極を覆い前記無機絶縁膜に積層された有機絶縁膜と、を備え、
前記信号線は、前記無機絶縁膜上に位置し、前記有機絶縁膜によって覆われ、
前記共通電極は、前記有機絶縁膜上に位置し、
前記第1画素電極は、前記有機絶縁膜を貫通する第3コンタクトホールにおいて前記ドレイン電極と電気的に接続され、
前記第3コンタク
トホール及び前記第
1コンタクトホールにおいて、前記ドレイン電極と前記第1画素電極は、接続電極で中継されており、
前記第2コンタクトホールの直下において、前記有機絶縁膜が前記無機絶縁膜に積層され、前記信号線と同層の導電層が存在しない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
さらに、第2画素電極を備え、
前記第1画素電極及び前記第2画素電極は、第2方向に並び、
前記第2画素電極及び前記透明導電膜は、第1方向に並んでいる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
スイッチング素子と、
共通電極と、
前記共通電極を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜を貫通する第1コンタクトホールにおいて前記スイッチング素子と電気的に接続された第1画素電極と、
前記絶縁膜を貫通する第2コンタクトホールにおいて前記共通電極と電気的に接続された透明導電膜と、を備え、
前記第1画素電極及び前記透明導電膜は、同層において第1方向に並び、
前記第1画素電極は、画像を表示する表示部において前記共通電極に対向し、
前記透明導電膜は、前記表示部を囲む非表示部において前記共通電極に対向し、
前記共通電極は、前記表示部及び前記非表示部に亘って配置され、
平面視で、前記第1コンタクトホールの大きさは、前記第2コンタクトホールの大きさとは異なり、
さらに、前記非表示部に位置する固定電位の配線と、
前記第1画素電極及び前記透明導電膜と同層に位置し、前記共通電極と電気的に接続された電極と、を備え、
前記電極は、前記第1画素電極及び前記配線から離間し、前記第1画素電極と前記配線との間に広がっている
、表示装置。
【請求項8】
スイッチング素子と、
共通電極と、
前記共通電極を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜を貫通する第1コンタクトホールにおいて前記スイッチング素子と電気的に接続された第1画素電極と、
前記絶縁膜を貫通する第2コンタクトホールにおいて前記共通電極と電気的に接続された透明導電膜と、を備え、
前記第1画素電極及び前記透明導電膜は、同層において第1方向に並び、
前記第1画素電極は、画像を表示する表示部において前記共通電極に対向し、
前記透明導電膜は、前記表示部を囲む非表示部において前記共通電極に対向し、
前記共通電極は、前記表示部及び前記非表示部に亘って配置され、
平面視で、前記第1コンタクトホールの大きさは、前記第2コンタクトホールの大きさとは異なり、
前記透明導電膜は、第1電極部と、前記第1電極部とは異なる方向に延出した第2電極部とを有し、
前記第1画素電極及び前記第1電極部は、第1方向に並び、
前記第1画素電極及び前記第2電極部は、第2方向に並んでいる
、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置の表示品位を向上するための技術が種々検討されている。一例では、表示部の外側に画素電極と同層のダミー画素電極を配置することで、導電膜をパターニングして形成される画素電極の寸法精度を均一化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、表示品位の低下を抑制できる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、
スイッチング素子と、共通電極と、前記共通電極を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜を貫通する第1コンタクトホールにおいて前記スイッチング素子と電気的に接続された第1画素電極と、前記絶縁膜を貫通する第2コンタクトホールにおいて前記共通電極と電気的に接続された透明導電膜と、を備え、前記第1画素電極及び前記透明導電膜は、同層において第1方向に並び、前記第1画素電極は、画像を表示する表示部において前記共通電極に対向し、前記透明導電膜は、前記表示部を囲む非表示部において前記共通電極に対向し、前記共通電極は、前記表示部及び前記非表示部に亘って延出し、平面視で、前記第1コンタクトホールの大きさは、前記第2コンタクトホールの大きさとは異なる、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの外観を示す平面図である。
【
図2】
図2は、タッチセンサTSの一構成例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示したセンサ電極Rx及び画素PXを示す平面図である。
【
図4】
図4は、画素PXの基本構成及び等価回路を示す図である。
【
図5A】
図5Aは、
図1に示した直線部E14付近の領域AR1を拡大した平面図である。
【
図5B】
図5Bは、
図1に示した直線部E14付近の領域AR1を拡大した他の平面図である。
【
図6】
図6は、
図5Bに示した画素電極PE11及び線状電極EL11を拡大した平面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示したA-B線に沿った第1基板SUB1の断面図である。
【
図8A】
図8Aは、線状電極EL11とコンタクトホールCH11とが重畳した状態を示す平面図である。
【
図8B】
図8Bは、線状電極EL11とコンタクトホールCH11とが重畳した状態を示す他の平面図である。
【
図9】
図9は、
図5Bに示したC-D線に沿った表示パネルPNLの断面図である。
【
図10】
図10は、
図1に示したラウンド部R12付近の領域AR2の一構成例を示す平面図である。
【
図11】
図11は、
図1に示したラウンド部R12付近の領域AR2の他の構成例を示す平面図である。
【
図12】
図12は、
図1に示したラウンド部R12付近の領域AR2の他の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
本実施形態においては、表示装置DSPの一例として、液晶表示装置について説明する。なお、本実施形態にて開示する主要な構成は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子等を有する自発光型の表示装置、電気泳動素子等を有する電子ペーパ型の表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置などにも適用可能である。
【0009】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの外観を示す平面図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端側の位置を上と称し、矢印の先端とは逆側の位置を下と称する。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0010】
ここでは、X-Y平面における表示装置DSPの平面図を示している。表示装置DSPは、表示パネルPNLと、フレキシブルプリント回路基板1と、ICチップ2と、を備えている。
【0011】
表示パネルPNLは、液晶表示パネルであり、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、後述する液晶層LCと、シールSEと、遮光層LSと、を備えている。表示パネルPNLは、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部NDAとを備えている。第2基板SUB2は、第1基板SUB1に対向している。第1基板SUB1は、第2基板SUB2よりも第2方向Yに延出した実装部MAを有している。
【0012】
シールSEは、非表示部NDAに位置し、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接着するとともに、液晶層LCを封止している。遮光層LSは、非表示部NDAに位置している。シールSEは、平面視で、遮光層LSと重畳する位置に設けられている。
図1において、シールSEが配置された領域と、遮光層LSが配置された領域とでは、互いに異なる斜線で示し、シールSEと遮光層LSとが重畳する領域はクロスハッチングで示している。遮光層LSは、第2基板SUB2に設けられている。
【0013】
表示部DAは、遮光層LSによって囲まれた内側に位置している。表示部DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。表示部DAは、第1方向Xに沿って延出した一対の縁部E1及びE2と、第2方向Yに沿って延出した一対の縁部E3及びE4と、4つのラウンド部R1乃至R4と、を有している。表示パネルPNLは、第1方向Xに沿って延出した一対の直線部E11及びE12と、第2方向Yに沿って延出した一対の直線部E13及びE14と、2つのラウンド部R11及びR12と、を有している。ラウンド部R11及びR12は、それぞれラウンド部R1及びR2の外側に位置している。ラウンド部R11の曲率半径は、ラウンド部R1の曲率半径と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0014】
フレキシブルプリント回路基板1及びICチップ2は、実装部MAに実装されている。なお、ICチップ2は、フレキシブルプリント回路基板1に実装されてもよい。ICチップ2は、画像を表示する表示モードにおいて画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバDDを内蔵している。図示した例では、ICチップ2は、表示装置DSPへの物体の接近又は接触を検出するタッチセンシングモードを制御するタッチコントローラTCを内蔵している。
【0015】
本実施形態の表示パネルPNLは、第1基板SUB1の背面側からの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型、第2基板SUB2の前面側からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型、あるいは、透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型のいずれであってもよい。
また、表示パネルPNLの詳細な構成について、ここでは説明を省略するが、表示パネルPNLは、基板主面に沿った横電界を利用する表示モード、基板主面の法線に沿った縦電界を利用する表示モード、基板主面に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モード、さらには、上記の横電界、縦電界、及び、傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応したいずれの構成を備えていてもよい。ここでの基板主面とは、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面と平行な面である。
【0016】
図2は、タッチセンサTSの一構成例を示す平面図である。ここでは、自己容量方式のタッチセンサTSについて説明するが、タッチセンサTSは相互容量方式であってもよい。タッチセンサTSは、複数のセンサ電極Rx(Rx1、Rx2…)と、複数のセンサ配線L(L1、L2…)と、を備えている。複数のセンサ電極Rxは、表示部DAに位置し、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。1つのセンサ電極Rxは、タッチセンシングが可能な最小単位であるセンサブロックを構成している。複数のセンサ配線Lは、表示部DAにおいて、それぞれ第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに並んでいる。センサ配線Lの各々は、例えば後述する信号線Sと重畳する位置に設けられている。また、センサ配線Lの各々は、非表示部NDAに引き出され、ICチップ2に電気的に接続されている。
【0017】
ここで、第1方向Xに並んだセンサ配線L1乃至L3と、第2方向Yに並んだセンサ電極Rx1乃至Rx3との関係に着目する。センサ配線L1は、センサ電極Rx1乃至Rx3と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。センサ配線L2は、センサ電極Rx2及びRx3と重畳し、センサ電極Rx2と電気的に接続されている。ダミー配線D20は、センサ配線L2から離間している。ダミー配線D20は、センサ電極Rx1と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。センサ配線L2及びダミー配線D20は、同一の信号線上に位置している。センサ配線L3は、センサ電極Rx3と重畳し、センサ電極Rx3と電気的に接続されている。ダミー配線D31は、センサ電極Rx1と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。ダミー配線D32は、ダミー配線D31及びセンサ配線L3から離間している。ダミー配線D32は、センサ電極Rx2と重畳し、センサ電極Rx2と電気的に接続されている。センサ配線L3、ダミー配線D31及びD32は、同一の信号線上に位置している。
【0018】
タッチセンシングモードにおいては、タッチコントローラTCは、センサ配線Lにタッチ駆動電圧を印加する。これにより、センサ電極Rxにはタッチ駆動電圧が印加され、センサ電極Rxでのセンシングが行われる。センサ電極Rxでのセンシング結果に対応したセンサ信号は、センサ配線Lを介してタッチコントローラTCに出力される。タッチコントローラTCあるいは外部のホストは、センサ信号に基づいて、表示装置DSPへの物体の接近又は接触の有無及び物体の位置座標を検出する。
なお、表示モードにおいては、センサ電極Rxは、コモン電圧(Vcom)が印加された共通電極CEとして機能する。コモン電圧は、タッチ駆動電圧とは異なる電圧であり、例えばディスプレイドライバDDに含まれる電圧供給部からセンサ配線Lを介して印加される。
【0019】
非表示部NDAにおいては、配線WL1乃至WL3が配置されている。図示した例では、配線WL1乃至WL3は、直線部E13、ラウンド部R11、直線部E11、ラウンド部R12、及び、直線部E14に沿って配置されている。配線WL1乃至WL3のうち、配線WL2が最も表示部DAに近接している。配線WL1は、配線WL2と配線WL3との間に位置している。一例では、配線WL1の電位は、配線WL2及び配線WL3の電位とは異なる固定電位である。また、配線WL2の電位は、配線WL3の電位と同電位である。例えば、配線WL2及び配線WL3には、コモン電圧が印加される。配線WL1の電位は、配線WL2の電位に対して相対的に低電位であってもよいし、高電位であってもよい。配線WL1は、その電位が配線WL2の電位よりも低電位である場合に、正極性の不純物イオンを捕捉するイオントラップ配線として機能する。あるいは、配線WL1は、その電位が配線WL2の電位よりも高電位である場合に、負極性の不純物イオンを捕捉するイオントラップ配線として機能する。
【0020】
図3は、
図2に示したセンサ電極Rx及び画素PXを示す平面図である。
図3において、第2方向Yに対して反時計回りに鋭角に交差する方向を方向D1と定義し、第2方向Yに対して時計回りに鋭角に交差する方向を方向D2と定義する。なお、第2方向Yと方向D1とのなす角度θ1は、第2方向Yと方向D2とのなす角度θ2とほぼ同一である。
【0021】
1つのセンサ電極Rxは、複数の画素PXに亘って配置されている。図示した例では、第2方向Yに沿って奇数行目に位置する画素PXは、方向D1に沿って延出している。また、第2方向Yに沿って偶数行目に位置する画素PXは、方向D2に沿って延出している。なお、ここでの画素PXとは、画素信号に応じて個別に制御することができる最小単位を示し、副画素と称する場合がある。また、カラー表示を実現するための最小単位を主画素MPと称する場合がある。主画素MPは、互いに異なる色を表示する複数の副画素PXを備えて構成されるものである。一例では、主画素MPは、副画素PXとして、赤色を表示する赤画素、緑色を表示する緑画素、及び、青色を表示する青画素を備えている。また、主画素MPは、白色を表示する白画素を備えていてもよい。
一例では、1つのセンサ電極Rxには、第1方向Xに沿って60~70個の主画素MPが配置され、第2方向に沿って60~70個の主画素MPが配置されている。
【0022】
図4は、画素PXの基本構成及び等価回路を示す図である。複数本の走査線Gは、走査線駆動回路GDに接続されている。複数本の信号線Sは、信号線駆動回路SDに接続されている。なお、走査線G及び信号線Sは、必ずしも直線的に延出していなくてもよく、それらの一部が屈曲していてもよい。例えば、信号線Sは、その一部が屈曲していたとしても、第2方向Yに延出しているものとする。
【0023】
共通電極CEは、センサブロックB毎にそれぞれ設けられている。共通電極CEは、コモン電圧(Vcom)の電圧供給部CDに接続され、複数の画素PXに亘って配置されている。また、共通電極CEは、それぞれ上記の通りタッチコントローラTCにも接続され、センサ電極Rxとしても機能する。
各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWのゲート電極GEと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWのソース電極SEと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWのドレイン電極DEと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。保持容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0024】
図5A及び
図5Bは、
図1に示した直線部E14付近の領域AR1を拡大した平面図である。
図5Aでは、第1基板SUB1に含まれる半導体層SC、走査線G、及び、信号線Sの各層を図示し、
図5Bでは、走査線G、信号線S、画素電極PEの各層を図示している。なお、共通電極CEの層は、点線で示している。配線WL2と直線部E13との間の構成については図示を省略している。
【0025】
図5Aに示すように、走査線G11乃至G13は、それぞれ第1方向Xに沿って直線的に延出し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる。信号線S11乃至S14は、それぞれ概ね第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。走査線G11乃至G13、及び、信号線S11乃至S14は、互いに交差している。共通電極CEは、表示部DA及び非表示部NDAに亘って配置されている。
表示部DAにおいては、走査線G11乃至G13の各々と、複数の半導体層SCとが交差している。また、信号線S11乃至S14の各々には、複数の半導体層SCが電気的に接続されている。信号線S13及び14の間に位置する画素PXE1乃至PXE3は、表示部DAにおける最外画素に相当する。つまり、画素PXE1乃至PXE3は、画素PXのうち、最も非表示部NDAに近接している画素、あるいは、最も直線部E14に近接している画素に相当する。例えば、画素PXE1における半導体層SC11は、走査線G11と2か所で交差し、コンタクトホールCH1において信号線S14と電気的に接続されている。
非表示部NDAにおいては、走査線G11乃至G13の各々と、複数のダミー半導体層DSCとが交差している。各ダミー半導体層DSCは、いずれの信号線S11乃至S14とも電気的に接続されず、電気的にフローティングである。表示部DAに近接したダミー半導体層DSCは、共通電極CEに重畳している。表示部DAから離間したダミー半導体層DSCは、固定電位の配線WL2に重畳している。
配線WL2は、共通電極CEから離間している。配線WL2は、第1層WL21及び第2層WL22を備えている。第1層WL21は、信号線Sと同一層に位置し、信号線Sと同一材料によって形成された金属層である。第2層WL22は、共通電極CEと同一層に位置し、共通電極CEと同一材料によって形成された透明導電層であり、第1層WL21の上に重畳している。なお、第1層WL21と第2層WL22との間には、絶縁膜が介在している。
【0026】
図5Bに示すように、画素電極PEは、表示部DAにおいて、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。また、各画素電極PEは、表示部DAにおいて共通電極CEに対向している。例えば、走査線G11及びG12の間に位置する画素電極PE1は、方向D1に沿って延出した複数の帯電極Pa1を有している。また、走査線G12及びG13の間に位置する画素電極PE2は、方向D2に沿って延出した複数の帯電極Pa2を有している。図示した例では、帯電極Pa1及びPa2は、それぞれ2本であるが、3本以上であってもよい。また、帯電極Pa1の本数が帯電極Pa2の本数と異なっていてもよい。
画素PXE1の画素電極PE11は、
図5Aに示した半導体層SC11と電気的に接続されている。画素PXE2の画素電極PE12は、画素電極PE1と同一形状である。画素電極PE11、及び、画素PXE3の画素電極PE13は、画素電極PE2と同一形状である。
【0027】
線状電極EL11及びEL13は、非表示部NDAに位置している。線状電極EL11及びEL13は、いずれも、画素電極PEと同層に位置し、画素電極PEと同一材料によって形成された透明導電膜(あるいは透明電極)である。線状電極EL11及びEL13は、非表示部NDAにおいて、共通電極CEに対向している。画素電極PE11及び線状電極EL11は、第1方向Xに並んでいる。また、画素電極PE12及び線状電極EL13は、第1方向Xに並び、しかも、画素電極PE13及び線状電極EL13も第1方向Xに並んでいる。画素電極PE11と線状電極EL11との間、及び、画素電極PE12と線状電極EL13との間には、信号線S14が位置している。
【0028】
線状電極EL13についてより詳細に説明すると、線状電極EL13は、走査線G12と交差し、第2方向Yに並んだ2つの画素PXE2及びPXE3に隣接して設けられている。線状電極EL13は、方向D1に沿って延出した電極部131と、方向D2に沿って延出した電極部132と、基部133と、を有している。画素電極PE12及び電極部131が第1方向Xに並び、画素電極PE13及び電極部132が第1方向Xに並んでいる。基部133は、走査線G13と信号線S14との交差部の近傍に位置し、コンタクトホールCH13において共通電極CEと電気的に接続されている。
【0029】
配線WL2は、さらに、第3層WL23を備えている。第3層WL23は、画素電極PE11及び線状電極EL11などと同一層に位置し、画素電極PEと同一材料によって形成された透明導電層である。
【0030】
図5Bに示した例において、画素電極PE11は第1画素電極に相当する。あるいは、画素電極PE12は第1画素電極に相当し、画素電極PE13は第2画素電極に相当する。
【0031】
図6は、
図5Bに示した画素電極PE11及び線状電極EL11を拡大した平面図である。
【0032】
スイッチング素子SWは、走査線G11及び信号線S14と電気的に接続されている。図示した例のスイッチング素子SWは、ダブルゲート構造を有している。スイッチング素子SWは、半導体層SC11と、ドレイン電極DE11と、を備えている。なお、スイッチング素子SWにおいて、ドレイン電極DE11はソース電極と称される場合がある。半導体層SC11は、その一部分が信号線S14と重なるように配置され、他の部分が信号線S13及びS14の間に延出し、略U字状に形成されている。半導体層SC11は、信号線S14と重なる領域、及び、信号線S13及びS14の間の領域において、それぞれ走査線G11と交差している。走査線G11において、半導体層SC11と重畳する領域がそれぞれゲート電極GEとして機能する。信号線S14は、コンタクトホールCH1において半導体層SC11の一端部SCAと電気的に接続されている。ドレイン電極DE11は、島状に形成され、信号線S13及びS14の間に配置されている。ドレイン電極DE11は、コンタクトホールCH2において半導体層SC11の他端部SCBと電気的に接続されている。
画素電極PE11は、複数の帯電極Pa2と一体の基部BSを備えている。基部BSは、ドレイン電極DE11と重畳している。基部BSは、ドレイン電極DE11と電気的に接続される。図示した例において、ドレイン電極DE11と画素電極PE11との接続構造について簡単に説明する。ドレイン電極DE11と基部BSとの間には、接続電極RE11が配置されている。接続電極RE11は、共通電極CEと同一材料によって形成された透明電極であり、共通電極CEと同じ工程で形成される。接続電極RE11は、コンタクトホールCH3においてドレイン電極DE11と電気的に接続されている。基部BSは、コンタクトホールCH10において接続電極RE11と電気的に接続されている。
【0033】
線状電極EL11は、電極部112と、基部113と、を有している。基部113は、コンタクトホールCH11において共通電極CEと電気的に接続されている。基部113は、平面視で、コンタクトホールCH11の全体と重畳している。ここでのコンタクトホールCH11とは、共通電極CEと基部113との間に介在する絶縁膜を貫通する孔であり、平面視で、絶縁膜と共通電極CEとの境界を示している。つまり、基部113は、コンタクトホールCH11から露出した共通電極CEの全体を覆っている。
【0034】
画素電極PE11及び線状電極EL11に着目する。帯電極Pa2の幅W11と、電極部112の幅W12とを比較すると、幅W12は、幅W11より大きい。なお、ここでの幅W11及びW12は、第1方向Xに沿った長さである。
電極部112は、帯電極Pa2と平行な方向に延出している。図示した例では、帯電極Pa2及び電極部112は、いずれも方向D2に沿って延出している。
帯電極Pa2と信号線S14との間隔D11は、電極部112と信号線S14との間隔D12と同等である。間隔D11及びD12は、第1方向Xに沿った長さである。
コンタクトホールCH10の大きさは、コンタクトホールCH11の大きさとは異なる。図示した例では、平面視で、コンタクトホールCH11の大きさは、コンタクトホールCH10の大きさより大きい。なお、コンタクトホールCH10の大きさとは、例えば、コンタクトホールCH10内における接続電極RE11の面積として定義することができ、同様に、コンタクトホールCH11の大きさとは、コンタクトホールCH11内における共通電極CEの面積として定義することができる。
ダミー半導体層DSCの一つは、線状電極EL11に重畳している。
【0035】
図6に示した例において、画素電極PE11は第1画素電極に相当し、コンタクトホールCH10は第1コンタクトホールに相当し、コンタクトホールCH11は第2コンタクトホールに相当する。
【0036】
図7は、
図6に示したA-B線に沿った第1基板SUB1の断面図である。図示した例は、横電界を利用する表示モードの一つであるFFS(Fringe Field Switching)モードが適用された例に相当する。
【0037】
第1基板SUB1は、絶縁基板10、絶縁膜11乃至15、半導体層SC11、ダミー半導体層DSC、ドレイン電極DE11、信号線S14、接続電極RE11、共通電極CE、画素電極PE11、線状電極EL11、配向膜AL1などを備えている。
【0038】
絶縁基板10は、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの光透過性を有する基板である。絶縁膜11は、絶縁基板10の上に位置している。半導体層SC11は、絶縁膜11の上に位置し、絶縁膜12によって覆われている。ドレイン電極DE11及び信号線S14は、絶縁膜13の上に位置し、絶縁膜14によって覆われている。接続電極RE11及び共通電極CEは、絶縁膜14の上に位置し、絶縁膜15によって覆われている。接続電極RE11は、絶縁膜14を貫通するコンタクトホールCH3においてドレイン電極DE11にコンタクトしている。図示した共通電極CEは、絶縁膜14の平坦な上面14Aに位置しており、絶縁膜11乃至14のいずれのコンタクトホールとも重畳しない。画素電極PE11及び線状電極EL11は、絶縁膜15の上に位置し、配向膜AL1によって覆われている。画素電極PE11の基部BSは、絶縁膜15を貫通するコンタクトホールCH10において接続電極RE11にコンタクトしている。線状電極EL11の基部113は、絶縁膜15を貫通するコンタクトホールCH11において共通電極CEにコンタクトしている。配向膜AL1は、コンタクトホールCH11において、共通電極CEとコンタクトすることはなく、線状電極EL11の上に直接積層されている。コンタクトホールCH11の直下においては、絶縁膜14が絶縁膜13の上に直接積層され、信号線S14と同層の導電層が存在しない。つまり、ダミー半導体層DSCと共通電極CEとの間では、絶縁膜13が絶縁膜12の上に直接積層され、絶縁膜14が絶縁膜13の上に直接積層され、共通電極CEはダミー半導体層DSCにコンタクトしていない。信号線S14の直上においては、絶縁膜15が絶縁膜14の上に直接積層されている。
【0039】
信号線S14及びドレイン電極DE11は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。接続電極RE11、共通電極CE、画素電極PE11、及び、線状電極EL11は、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成された透明電極である。
絶縁膜11乃至13、及び、絶縁膜15は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの無機絶縁材料によって形成された無機絶縁膜であり、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。絶縁膜14は、例えば、アクリル樹脂などの有機絶縁材料によって形成された有機絶縁膜である。
【0040】
上記の通り、コンタクトホールCH11は、コンタクトホールCH10より大きい。これは、コンタクトホールCH10及びCH11のそれぞれの下層の構造上の相違に起因している。すなわち、コンタクトホールCH10は、その一部がコンタクトホールCH3と重なるため、絶縁膜14の段差の影響を受ける。一方で、コンタクトホールCH11は、平坦な上面14Aと重なる。このため、絶縁膜14をエッチングする際に、コンタクトホールCH10及びCH11にそれぞれ対応した領域でエッチング条件が異なり、コンタクトホールCH10及びCH11のそれぞれの大きさに差が生ずる。
【0041】
本実施形態では、コンタクトホールCH11がたとえ拡張されたとしても、コンタクトホールCH11から露出した共通電極CEは、その全体が線状電極EL11によって覆われている。したがって、コンタクトホールCH11からの水分浸入を抑制することができる。
【0042】
コンタクトホールCH11からの水分浸入は、例えば共通電極CEと絶縁膜15との剥離を招くおそれがある。表示部DAの画素PXにおいて、共通電極CEと絶縁膜15との剥離が生じた場合には、画素電極PEと共通電極CEとの間で液晶印加電圧を保持できなくなり、表示不良(黒ムラ)を招く。
発明者は、コンタクトホールCH11の全体が線状電極で覆われた第1サンプルと、コンタクトホールCH11の一部が線状電極で覆われた第2サンプルとを用意し、高温高湿環境に放置する実験を行った。実験条件として、温度は85℃であり、湿度は85%であり、放置時間は240時間とした。実験の結果、第2サンプルでは黒ムラが生じたが、第1サンプルでは黒ムラは生じなかった。このような実験によれば、水分浸入による黒ムラ発生を抑制する観点では、コンタクトホールCH11の全体を線状電極で覆うことが有効であることが確認された。
したがって、本実施形態によれば、表示品位の低下を抑制することができる。
【0043】
図8A及び
図8Bの各々は、線状電極EL11とコンタクトホールCH11とが重畳した状態を示す平面図である。図示した各構成例では、基部113のエッジ113E及びコンタクトホールCH11のエッジCHEは、いずれも長方形状に形成されているが、これに限らず、円形状、楕円形状等の他の形状に形成されていてもよい。
【0044】
図8Aに示した構成例では、基部113の一端部113Aは幅W21を有し、基部113の他端部113Bは幅W22を有している。幅W21及びW22は、第2方向Yに沿った長さである。幅W21は、幅W22と同等である。コンタクトホールCH11は、一端部113Aと他端部113Bとの間に位置している。エッジCHEの全体は、基部113に重畳している。つまり、平面視で、エッジ113Eは、エッジCHEと交差することなく、エッジ113Eの全体がエッジCHEよりも外側に位置している。エッジ113EとエッジCHEとの最短距離Lは、1μm以上であり、望ましくは2μm以上であり、より望ましくは2.25μm以上である。
【0045】
図8Bに示した構成例は、
図8Aに示した構成例と比較して、基部113が拡張された点で相違している。具体的には、他端部113Bが一端部113Aよりも第2方向Yに沿って拡張されている。幅W22は、幅W21より大きい。このため、
図8Aに示した構成例と比較して、エッジ113Eの全体がエッジCHEよりもさらに外側に位置し、エッジ113EとエッジCHEとの最短距離Lを拡大される。このような構成例によれば、線状電極EL11とコンタクトホールCH11との間に相対的なずれが生じたとしても、コンタクトホールCH11の全体が線状電極EL11によって覆われるため、水分浸入を抑制することができる。
【0046】
図9は、
図5Bに示したC-D線に沿った表示パネルPNLの断面図である。第1基板SUB1の構成については、
図7を参照して説明した通りである。なお、
図7では、図示と説明を省略したが、例えば絶縁膜14は絶縁膜141及び絶縁膜142の2層構造で形成され、金属配線ML13及びML14は絶縁膜141と絶縁膜142との間に配置されてもよい。金属配線ML13は、信号線S13の直上に位置し、信号線S13と平行に延出している。金属配線ML14は、信号線S14の直上に位置し、信号線S14と平行に延出している。これらの金属配線ML13及びML14は、
図2を参照して説明したタッチセンサTSのセンサ配線(L1、L2、L3・・・)あるいはダミー配線Dを形成することができる。この場合、表示部DAに形成される共通電極CEは、絶縁膜142上に形成され絶縁膜142に形成されたコンタクトホールを介してセンサ配線Lと電気的に接続される。絶縁膜141は、絶縁膜13と絶縁膜142との間に位置し、スイッチング素子を覆い、平坦な上面(絶縁膜142と接する面、あるいは、センサ配線Lと接する面)を形成する。絶縁膜141は有機材料で形成され、絶縁膜142は絶縁膜141と同じ有機材料で形成されてもよいし、無機材料で形成されてもよい。さらに、センサ配線Lと同一材料であり同一工程で形成される接続電極が接続電極RE11とドレイン電極DEとの間に形成されてもよい。
【0047】
第2基板SUB2は、絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタCF、オーバーコート層OC、配向膜AL2などを備えている。絶縁基板20は、絶縁基板10と同様に、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの光透過性を有する基板である。遮光層BM及びカラーフィルタCFは、絶縁基板20の第1基板SUB1と対向する側に位置している。カラーフィルタCFは、画素電極PE11と対向している。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。オーバーコート層OCは、透明な樹脂によって形成されている。カラーフィルタCFとしては、赤カラーフィルタ、緑カラーフィルタ、青カラーフィルタなどが含まれる。配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。配向膜AL1及びAL2は、例えば、水平配向性を呈する材料によって形成されている。
【0048】
上述した第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、配向膜AL1及びAL2が対向するように配置されている。第1基板SUB1と第2基板SUB2との間のセルギャップは、例えば2~5μmである。
液晶層LCは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に位置し、配向膜AL1と配向膜AL2との間に保持されている。液晶層LCは、液晶分子LMを備えている。液晶層LCは、ポジ型(誘電率異方性が正)の液晶材料、あるいは、ネガ型(誘電率異方性が負)の液晶材料によって構成されている。
【0049】
偏光板PL1を含む光学素子OD1は、絶縁基板10に接着されている。偏光板PL2を含む光学素子OD2は、絶縁基板20に接着されている。なお、光学素子OD1及びOD2は、必要に応じて位相差板、散乱層、反射防止層などを備えていてもよい。照明装置ILは、白色の照明光で表示パネルPNLの第1基板SUB1を照明する。
【0050】
このような表示パネルPNLにおいては、画素電極PE11と共通電極CEとの間に電界が形成されていないオフ状態において、液晶分子LMは、配向膜AL1及びAL2の間で所定の方向に初期配向している。このようなオフ状態では、照明装置ILから表示パネルPNLに向けて照射された照明光は、光学素子OD1及びOD2によって吸収され、暗表示となる。一方、画素電極PE11と共通電極CEとの間に電界が形成されたオン状態においては、液晶分子LMは、電界により初期配向方向とは異なる方向に配向し、その配向方向は電界によって制御される。このようなオン状態では、照明装置ILからの照明光の一部は、光学素子OD1及びOD2を透過し、明表示となる。
【0051】
図10は、
図1に示したラウンド部R12付近の領域AR2の一構成例を示す平面図である。
【0052】
図示したように、領域AR2においては、各行において第1方向Xに並んだ画素電極PEの個数が異なる。行とは、第1方向Xに並んだ画素によって構成されるものである。各行において、最外画素に配置された画素電極PEXと線状電極EL1とは第1方向Xに並んでいる。図示した例では、線状電極EL1は、各行にそれぞれ1つ設けられ、1つの線状電極EL1と1つの画素電極PEXとが第1方向Xに並んでいる。
【0053】
線状電極EL1と配線WL2との間には、画素電極PEX及び線状電極EL1と同層に位置する電極EL2が配置されている。電極EL2は、複数のコンタクトホールCH20において、共通電極CEと電気的に接続されている。つまり、線状電極EL1及び電局EL2は、いずれも共通電極CEと電気的に接続されており、同電位である。電極EL2は、画素電極PEXのみならず、他の画素電極PEから離間しており、配線WL2からも離間している。電極EL2は、画素電極PE及び線状電極EL1と、配線WL2との間の隙間に亘って広がっている。
【0054】
一例では、電極EL2は、線状電極EL1の第1部分EL1Aと配線WL2との間に幅W31を有し、線状電極EL1の第2部分EL1Bと配線WL2との間に幅W32を有している。第1部分EL1Aは、第2部分EL1BよりもコンタクトホールCH11に近接している。幅W31は、幅W32よりも大きい。これらの幅W31及びW32は、第1方向Xに沿った長さである。
また、電極EL2は、画素電極PEXと配線WL2との間に幅W41を有し、線状電極EL1と配線WL2との間に幅W42を有している。幅W41は、幅W42よりも大きい。これらの幅W41及びW42は、第2方向Yに沿った長さである。
【0055】
画素電極PE、線状電極EL1、及び、電極EL2は、同一の透明導電膜をパターニングすることで形成される。本構成例によれば、パターニングの際に、最外画素の画素電極PEXが表示部DAの中央付近の画素電極PEと比較して細線化されることを抑制することができる。したがって、画素電極PEの寸法精度を均一化することができる。
【0056】
図11は、
図1に示したラウンド部R12付近の領域AR2の他の構成例を示す平面図である。
図11に示した構成例は、
図10に示した構成例と比較して、線状電極EL1を省略し、画素電極PEXと電極EL2とが第1方向Xに並んだ点で相違している。上記の通り、線状電極EL1は電極EL2と同電位であるため、線状電極は省略することができる。なお、画素電極PEXと電極EL2との間隔D21は、画素電極PEと画素電極PEXとの間隔D22と同等である。これらの間隔D21及びD22は、第1方向Xに沿った長さである。
このような構成例においても、
図10に示した構成例と同様の効果が得られる。
【0057】
図12は、
図1に示したラウンド部R12付近の領域AR2の他の構成例を示す平面図である。
図示した構成例は、
図1に示した構成例と比較して、電極EL2を省略し、線状電極EL1が略L字状に屈曲している点で相違している。すなわち、線状電極EL1は、第1電極部101と、第1電極部101とは異なる方向に延出した第2電極部102と、を有している。第1電極部101は、第2電極部102よりもコンタクトホールCH11に近接している。第1電極部101は、画素電極PEXと平行に延出している。画素電極PEX及び第1電極部101は、第1方向Xに並んでいる。第2電極部102は、第1電極部101に繋がっている。第2電極部102は、第1方向Xに沿って延出している。第2電極部102及び画素電極PEXは、第2方向Yに並んでいる。また、第2電極部102は、他の画素電極PEとも第2方向Yに並んでいる。
このような構成例においても、
図10に示した構成例と同様の効果が得られる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【0059】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0060】
例えば、本実施形態においては、赤画素、緑画素、及び、白画素のそれぞれの画素幅が同一であるが、これらの画素幅が異なっていてもよい。また、本実施形態においては、赤画素、緑画素、及び、白画素のそれぞれの画素電極が同一形状を有しているが、これらの画素電極の形状が異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0061】
DSP…表示装置 PNL…表示パネル
SUB1…第1基板 SUB2…第2基板 LC…液晶層
CE…共通電極 RE…接続電極
PE…画素電極 EL1…線状電極