(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】超音波流量計
(51)【国際特許分類】
G01F 1/66 20220101AFI20220228BHJP
【FI】
G01F1/66 A
G01F1/66 101
(21)【出願番号】P 2018048092
(22)【出願日】2018-03-15
【審査請求日】2019-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000142425
【氏名又は名称】アズビル金門株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】特許業務法人山王内外特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100188880
【氏名又は名称】坂元 辰哉
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】小林 倫之
(72)【発明者】
【氏名】内藤 光
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-89123(JP,A)
【文献】特開2016-223800(JP,A)
【文献】特開2007-263874(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2759808(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00- 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れる流路と、
前記流路内を流れる流体中に伝播させた超音波を、前記流路における平坦な反射面に反射させて送受信し、その送受信時における超音波の伝播時間に基づいて、前記流路内を流れる流体の流量を測定する一対の超音波センサと、
前記流路における両側開口端の外周部に設けられ、リング状をなすOリング取付部と、
前記Oリング取付部に対して、当該Oリング取付部からその径方向外側に向けて突出して取り付けられるOリングとを備え
、
前記流路を形成する測定管は、前記Oリング取付部の周方向において分割された2つの半割り管を有し、
一方の半割り管には、前記一対の超音波センサが設けられ、他方の半割り管には、前記反射面が形成される
ことを特徴とする超音波流量計。
【請求項2】
前記流路は、
流路断面が、前記両側開口端に向かうに従って、円形に向けて徐々に変化する
ことを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、流体の流量を測定する超音波流量計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配管内を流れる流体の流量を測定する装置として、超音波流量計が提供されている。超音波流量計は、配管と連通する測定管と、この測定管の上流側及び下流側のそれぞれに配置された一対の超音波センサとを備えている。これにより、超音波流量計は、一対の超音波センサ間における超音波の伝播時間に基づいて、流体の流量を測定可能となっている。そして、このような、従来の超音波流量計としては、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記従来の超音波流量計を用いて、配管内を流れる流体の流量を測定する場合には、測定管の両側開口端は、例えば、Oリングを介して、配管内に嵌め込まれて接続される。また、上記従来の超音波流量計は、測定管の流路断面が矩形をなしている。これに対応して、Oリングが取り付けられる両側開口端の外周部分は、角部を有している。
【0005】
このため、Oリングは、角部を有する取り付け部に取り付けられることになるため、密着が不十分となり、上記取り付け部と配管内面との間で潰れ難くなってしまう。従って、従来の超音波流量計においては、配管との間におけるシール性が低下してしまい、測定精度が低下するおそれがある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、接続部品との間におけるシール性を確保しつつ、その接続部品と容易に接続することができる超音波流量計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る超音波流量計は、流体が流れる流路と、流路内を流れる流体中に伝播させた超音波を、流路における平坦な反射面に反射させて送受信し、その送受信時における超音波の伝播時間に基づいて、流路内を流れる流体の流量を測定する一対の超音波センサと、流路における両側開口端の外周部に設けられ、リング状をなすOリング取付部と、Oリング取付部に対して、当該Oリング取付部からその径方向外側に向けて突出して取り付けられるOリングとを備え、流路を形成する測定管は、Oリング取付部の周方向において分割された2つの半割り管を有し、一方の半割り管には、一対の超音波センサが設けられ、他方の半割り管には、反射面が形成されるものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、接続部品との間におけるシール性を確保しつつ、その接続部品と容易に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の実施の形態1に係る超音波流量計の外観斜視図である。
【
図2】この発明の実施の形態1に係る超音波流量計の平面図である。
【
図3】この発明の実施の形態1に係る超音波流量計の正面図である。
【
図4】この発明の実施の形態1に係る超音波流量計の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る超音波流量計の外観斜視図である。
図2はその平面図、
図3はその正面図、
図4はその側面図である。
図5は、
図2のV-V矢視断面図である。なお、
図1、
図3、
図4に記載した実線の矢印は、流体の流れ方向を示している。また、
図5に示した2点鎖線の矢印は、超音波の伝播経路を示している。
【0012】
図1から
図5に示すように、実施の形態1に係る超音波流量計10は、測定管11、一対の超音波センサ12a,12b、及び、Oリング13a,13bを備えている。
【0013】
測定管11は、筒状をなしており、その内部に軸方向に向けて延びる流路21を備えている。また、測定管11は、上下方向に2分割された2つの半割り管11a,11bを組み合わせた分割構造となっている。即ち、測定管11は、半割り管11a,11bを上下方向において突き合わせることにより、その内部に流路21が形成される。
【0014】
更に、測定管11は、上記流路21、測定部22、流路入口23、流路出口24、及び、Oリング取付部25,26を有している。即ち、測定管11は、流路入口23から流路21内に供給された流体の流量を、測定部22内で測定した後、その流量を測定した流体を、流路21内から流路出口24から排出する。
【0015】
測定部22内における流路21の流路断面は、矩形をなしている。また、流路入口23及び流路出口24は、円形をなしている。そして、流路21の上流側流路断面は、測定部22の流体流れ方向中間部から流路入口23に向かうに従って、矩形から円形に向けて徐々に変化している。同様に、流路21の下流側流路断面は、測定部22の流体流れ方向中間部から流路出口24に向かうに従って、矩形から円形に向けて徐々に変化している。
【0016】
図5に示すように、超音波センサ12a,12bは、流路21内を流れる流体の流量を測定するものである。この超音波センサ12a,12bは、測定部22の上部に設けられており、当該測定部22内における流路21の上流側及び下流側のそれぞれに配置されている。更に、超音波センサ12a,12bは、測定部22内における流路21と連通しており、その中心軸が流体流れ方向と交差するように傾斜して配置されている。
【0017】
従って、超音波センサ12aから送信された超音波は、流路21内を流れる流体中を上流側から下流側に向けて斜めに横切って伝播して、測定部22内における流路21の平坦な底面21aに反射した後、超音波センサ12bで受信される。一方、超音波センサ12bから送信された超音波は、流路21内を流れる流体中を下流側から上流側に向けて斜めに横切って伝播して、測定部22内における流路21の平坦な底面21aに反射した後、超音波センサ12aで受信される。
【0018】
そして、超音波センサ12a,12bは、超音波を交互に送受信することによって、その2つの伝播時間の差を求めた後、当該伝播時間差に基づいて、測定部22内の流路21を流れる流体の流量を測定する。即ち、超音波流量計10は、超音波センサ12a,12bから送信した超音波を、均一に反射させて、測定精度の低下を防止するために、凹凸が無く平坦な反射面を必要としており、測定部22内における流路21の流路断面を矩形にして、その流路21における平坦な底面21aを反射面としている。
【0019】
ここで、
図1から
図5に示した流路入口23及び流路出口24の各外周部は、流体供給管及び流体排出管等の接続部品内に嵌め込まれることになる。これに対応して、
図1から
図5に示すように、Oリング取付部25,26は、流路入口23及び流路出口24の各外周部に、その周方向に沿って形成されている。そして、Oリング13a,13bは、ゴム等の弾性材から形成されており、Oリング取付部25,26に取り付けられている。即ち、流路入口23及び流路出口24の各外周部は、Oリング13a,13bを介して、接続部品に接続されることになる。
【0020】
以上より、実施の形態1に係る超音波流量計10は、流路入口23及び流路出口24の各外周部にリング状をなすOリング取付部25,26を設け、このOリング取付部25,26にOリング13a,13bを取り付けている。これにより、超音波流量計10は、流路断面が矩形をなす流路21を備える場合であっても、流路入口23及び流路出口24の各外周部を、接続部品内に嵌め込むだけで、接続部品との間におけるシール性を確保しつつ、当該接続部品と容易に接続することができる。
【0021】
また、超音波流量計10は、流路21を形成する測定管11を、Oリング取付部25,26の周方向において2分割された半割り管11a,11bによる分割構造を採用している。このとき、超音波流量計10は、測定管11における両側開口端の各外周部となるOリング取付部25,26に、Oリング13a,13bを取り付けているため、当該Oリング13a,13bの弾性力を利用して、半割り管11a,11b同士を隙間無く突き合わせることができる。
【0022】
但し、上述した実施の形態1においては、流路断面が矩形をなす流路21の底面21aに、超音波センサ12a,12bから送信した超音波を反射させているが、平坦な反射面を有していれば、流路21の流路断面は、どのような形状であっても構わない。
【0023】
また、上述した実施の形態1においては、流路21の流路断面を、測定部22から流路入口23及び流路出口24に向かうに従って、矩形から円形に向けて徐々に変化させているが、Oリング取付部25,26となる流路入口23及び流路出口24の各外周部がリング状をなしていれば、流路入口23及び流路出口24は、どのような形状であっても構わない。
【0024】
更に、上述した実施の形態1においては、流路21形成する測定管11を、Oリング取付部25,26の周方向において2分割された分割構造としているが、Oリング取付部25,26がリング状をなしていれば、測定管11を3分割以上の複数分割された分割構造としても構わない。
【0025】
なお、本願発明は、その発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは、実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0026】
10 超音波流量計
11 測定管
11a,11b 半割り管
12a,12b 超音波センサ
13a,13b Oリング
21 流路
21a 底面
22 測定部
23 流路入口
24 流路出口
25,26 Oリング取付部