(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1339 20060101AFI20220228BHJP
【FI】
G02F1/1339 505
(21)【出願番号】P 2018050138
(22)【出願日】2018-03-16
【審査請求日】2020-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】椎名 秀樹
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/175709(WO,A1)
【文献】特開2009-042292(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107024813(CN,A)
【文献】特開2017-122790(JP,A)
【文献】特開2014-071410(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0122978(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104335111(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/133,1/1333,1/1334
G02F 1/1339-1/1341,1/1347
G02F 1/1343-1/1345,1/135
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部、及び、前記表示部を囲む非表示部を有する表示パネルを備え、
前記表示パネルは、
絶縁基板と、第1有機絶縁膜と、前記第1有機絶縁膜の上に配置された第2有機絶縁膜と、前記非表示部において前記第1有機絶縁膜及び前記第2有機絶縁膜
によって構成された土手部と、を備える第1基板と、
前記第1基板と対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板とを接着するシールと、を備え、
前記土手部は、前記第1有機絶縁膜と前記第2有機絶縁膜を貫通する第1スリットと、前記第1スリットによって分割された第1分割部及び第2分割部と、を有し、
前記絶縁基板側から前記第2基板側に突出し、前記表示部よりも前記表示パネルの外形端部の近傍に位置し、
前記シールは、前記第1スリット内に配置され
、
前記第1スリットのうち前記第2有機絶縁膜を貫通する部分の幅は、前記第1スリットのうち前記第1有機絶縁膜を貫通する部分の幅より大きい、表示装置。
【請求項2】
前記第1基板は、前記非表示部において前記第1有機絶縁膜及び前記第2有機絶縁膜を貫通する溝部を有し、
前記土手部は、前記表示パネルの端部と前記溝部との間に位置
し、
前記溝部の前記第1有機絶縁膜を貫通する部分の幅は、前記第1スリットの前記第1有機絶縁膜を貫通する部分の幅より大きく、
前記溝部の前記第2有機絶縁膜を貫通する部分の幅は、前記第1スリットの前記第2有機絶縁膜を貫通する部分の幅より大きく、
前記溝部の幅は、前記土手部の幅より大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1基板は、
前記表示部において、さらに、ドレイン電極を有するスイッチング素子と、
前記第1有機絶縁膜を前記ドレイン電極まで貫通する第1貫通孔において前記ドレイン電極に接する金属電極と、
前記金属電極と電気的に接続された画素電極と、を備える、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1基板は、さらに、前記第2有機絶縁膜を前記金属電極まで貫通する第2貫通孔において前記金属電極に接する透明電極と、
前記第2有機絶縁膜の上に位置し、前記透明電極まで貫通した第3貫通孔を有する無機絶縁膜と、を備え、
前記画素電極は、前記無機絶縁膜の上に位置し、前記第3貫通孔において前記透明電極に接する、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1分割部の前記第1有機絶縁膜の幅は、前記第1分割部の前記第2有機絶縁膜の幅より大きく、
前記第2分割部の前記第1有機絶縁膜の幅は、前記第2分割部の前記第2有機絶縁膜の幅より大きい、請求項1乃至4の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1スリットの側面は、前記第1有機絶縁膜と前記第2有機絶縁膜との間で段差を有する、請求項1乃至
5の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、第1方向に延出した第1端部及び第2端部と、前記第1方向と交差する第2方向に延出した第3端部及び第4端部と、前記表示部と前記第1端部との間の実装部と、を有し、
前記第1スリットは、前記第2端部と前記表示部との間、前記第3端部と前記表示部との間、及び、前記第4端部と前記表示部との間に位置する、請求項1乃至
6の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記土手部は、前記第1有機絶縁膜と前記第2有機絶縁膜を貫通する第2スリットと、前記第2スリットによって分割された第3分割部と、を有し、
前記シールは、前記第2スリット内に配置される、請求項1乃至
7の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記土手部は、前記第2有機絶縁膜を前記第1有機絶縁膜まで貫通する第3スリットを有する、請求項1乃至
8の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2基板は、
前記表示パネルの前記外形端部の近傍に位置し、前記第1基板側に突出したスペーサを備え、
前記土手部は、前記スペーサと対向する、請求項1乃至
9の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
さらに、前記シールに拡散された複数のフィラーを備え、
前記第1分割部と前記スペーサとの間の間隔、及び、前記第2分割部と前記スペーサとの間の間隔は、前記フィラーの径と略等しい、請求項
10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記土手部の端部、及び、前記スペーサの端部は、前記表示パネルの端部に位置する、請求項
10又は
11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記スペーサは、前記スペーサを貫通する第4スリットと、前記第4スリットによって分割された第4分割部及び第5分割部と、を有し、
前記シールは、前記第4スリット内に配置される、請求項
10乃至
12の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記表示パネルは、第1方向に延出した第1端部及び第2端部と、前記第1方向と交差する第2方向に延出した第3端部及び第4端部と、前記表示部と前記第1端部との間の実装部と、を有し、
前記第4スリットは、前記第2端部と前記表示部との間、前記第3端部と前記表示部との間、及び、前記第4端部と前記表示部との間に位置する、請求項
13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記スペーサは、前記スペーサを貫通する第5スリットと、前記第5スリットによって分割された第6分割部と、を有し、
前記シールは、前記第5スリット内に配置される、請求項
13又は
14に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチセンサを内蔵した表示装置が種々提案されている。一例では、表示パネルに形成された複数の電極がタッチセンシングモードである場合にセンサ電極の役割を果たし、表示モードである場合に共通電極の役割を果たす表示装置が開示されている。タッチセンシング方式としては、相互容量方式及び自己容量方式のいずれかが適用される。タッチセンシングモードでは、タッチ駆動電圧が信号ラインを通じてセンサ電極に印加されることにより、センシングが行われるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、信頼性の向上が可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、画像を表示する表示部、及び、前記表示部を囲む非表示部を有する表示パネルを備え、前記表示パネルは、第1有機絶縁膜と、前記第1有機絶縁膜の上に配置された第2有機絶縁膜と、前記非表示部において前記第1有機絶縁膜及び前記第2有機絶縁膜を有する土手部と、を備える第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とを接着するシールと、を備え、前記土手部は、前記第1有機絶縁膜と前記第2有機絶縁膜を貫通する第1スリットと、前記第1スリットによって分割された第1分割部及び第2分割部と、を有し、前記シールは、前記第1スリット内に配置される、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態の表示装置の外観を示す平面図である。
【
図2】
図2は、タッチセンサの一構成例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、画素と
図2に示したセンサ電極との関係を示す平面図である。
【
図4】
図4は、画素の基本構成及び等価回路を示す図である。
【
図5】
図5は、画素レイアウトの一例を示す平面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示したA-B線に沿った第1基板の断面図である。
【
図8】
図8は、
図6に示したC-D線に沿った表示パネルの断面図である。
【
図9】
図9は、
図6に示したE-F線に沿った第1基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
まず、本実施形態に係る表示装置DSPについて詳細に説明する。本実施形態においては、表示装置DSPが液晶表示装置である場合について説明する。
【0009】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの外観を示す平面図である。
一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上方(あるいは、単に上)と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を下方(あるいは、単に下)と称する。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0010】
ここでは、X-Y平面における表示装置DSPの平面図を示している。表示装置DSPは、表示パネルPNLと、フレキシブルプリント回路基板1と、ICチップ2と、回路基板3と、を備えている。
【0011】
表示パネルPNLは、液晶表示パネルであり、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、シールSEと、遮光層BMと、スペーサSP1乃至SP4と、後述する液晶層LCと、を備えている。また、表示パネルPNLは、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部NDAと、を備えている。第2基板SUB2は、第1基板SUB1と対向している。第1基板SUB1は、第2基板SUB2よりも第2方向Yに延出した実装部MAを有している。
【0012】
シールSEは、非表示部NDAに位置し、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接着している。遮光層BMは、非表示部NDAに位置している。シールSEは、平面視で、遮光層BMと重畳する位置に設けられている。
図1において、シールSEが配置された領域と、遮光層BMが配置された領域とでは、互いに異なる斜線で示し、シールSEと遮光層BMとが重畳する領域はクロスハッチングで示している。遮光層BMは、第2基板SUB2に設けられている。
【0013】
スペーサSP1乃至SP4は、いずれも非表示部NDAに位置している。スペーサSP1は、表示パネルPNLの最外周に位置している。スペーサSP2は、スペーサSP1よりも表示部DA側に位置している。スペーサSP1及びSP2は、シールSEと重畳している。スペーサSP3及びSP4は、シールSEよりも表示部DA側に位置している。
【0014】
表示部DAは、遮光層BMによって囲まれた内側に位置している。表示部DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。
【0015】
フレキシブルプリント回路基板1は、実装部MAに実装され、回路基板3に接続されている。ICチップ2は、フレキシブルプリント回路基板1に実装されている。なお、ICチップ2は、実装部MAに実装されてもよい。ICチップ2は、画像を表示する表示モードにおいて画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバDDを内蔵している。また、図示した例では、ICチップ2は、表示装置DSPへの物体の接近又は接触を検出するタッチセンシングモードを制御するタッチコントローラTCを内蔵している。図中において、ICチップ2は一点鎖線で示し、ディスプレイドライバDD及びタッチコントローラTCは点線で示している。
【0016】
本実施形態の表示パネルPNLは、第1基板SUB1の背面側からの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型、第2基板SUB2の前面側からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型、あるいは、透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型のいずれであってもよい。
【0017】
また、表示パネルPNLの詳細な構成について、ここでは説明を省略するが、表示パネルPNLは、基板主面に沿った横電界を利用する表示モード、基板主面の法線に沿った縦電界を利用する表示モード、基板主面に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モード、さらには、上記の横電界、縦電界、及び、傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応したいずれの構成を備えていてもよい。ここでの基板主面とは、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面と平行な面である。
【0018】
表示パネルPNLは、第1方向Xに延出した第1端部EG1及び第2端部EG2と、第2方向Yに延出した第3端部EG3及び第4端部EG4と、を有している。第1端部EG1は、表示部DAを介して第2端部EG2と対向している。第3端部EG3は、表示部DAを介して第4端部EG4と対向している。また、実装部MAは、表示部DAと第1端部EG1との間に位置している。第2基板SUB2は、実装部MA側の第5端部EG5を有している。
【0019】
図2は、タッチセンサTSの一構成例を示す平面図である。ここでは、自己容量方式のタッチセンサTSについて説明するが、タッチセンサTSは相互容量方式であってもよい。
【0020】
タッチセンサTSは、マトリクス状に配置された複数のセンサ電極Rx(Rx1、Rx2…)と、複数のセンサ配線L(L1、L2…)と、を備えている。複数のセンサ電極Rxは、表示部DAに位置し、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。1つのセンサ電極Rxは、1つのセンサブロックBを構成している。センサブロックBとは、タッチセンシングが可能な最小単位である。複数のセンサ配線Lは、表示部DAにおいて、それぞれ第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに並んでいる。センサ配線Lの各々は、例えば後述する信号線Sと重畳する位置に設けられている。また、センサ配線Lの各々は、非表示部NDAに引き出され、フレキシブルプリント回路基板1を介してICチップ2に電気的に接続されている。
【0021】
ここで、第1方向Xに並んだセンサ配線L1乃至L3と、第2方向Yに並んだセンサ電極Rx1乃至Rx3との関係に着目する。センサ配線L1は、センサ電極Rx1乃至Rx3と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。
【0022】
センサ配線L2は、センサ電極Rx2及びRx3と重畳し、センサ電極Rx2と電気的に接続されている。ダミー配線D20は、センサ配線L2から離間している。ダミー配線D20は、センサ電極Rx1と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。センサ配線L2及びダミー配線D20は、同一の信号線上に位置している。
【0023】
センサ配線L3は、センサ電極Rx3と重畳し、センサ電極Rx3と電気的に接続されている。ダミー配線D31は、センサ電極Rx1と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。ダミー配線D32は、ダミー配線D31及びセンサ配線L3から離間している。ダミー配線D32は、センサ電極Rx2と重畳し、センサ電極Rx2と電気的に接続されている。センサ配線L3、ダミー配線D31及びD32は、同一の信号線上に位置している。
【0024】
タッチセンシングモードにおいては、タッチコントローラTCは、センサ配線Lにタッチ駆動電圧を印加する。これにより、センサ電極Rxにはタッチ駆動電圧が印加され、センサ電極Rxでのセンシングが行われる。センサ電極Rxでのセンシング結果に対応したセンサ信号は、センサ配線Lを介してタッチコントローラTCに出力される。タッチコントローラTCあるいは外部のホストは、センシング信号に基づいて、表示装置DSPへの物体の接近又は接触の有無及び物体の位置座標を検出する。
なお、表示モードにおいては、センサ電極Rxは、コモン電圧(Vcom)が印加された共通電極として機能する。コモン電圧は、例えばディスプレイドライバDDに含まれる電圧供給部からセンサ配線Lを介して印加される。
【0025】
図3は、画素PXと
図2に示したセンサ電極Rxとの関係を示す平面図である。
図3において、第2方向Yに対して反時計回りに鋭角に交差する方向を方向D1と定義し、第2方向Yに対して時計回りに鋭角に交差する方向を方向D2と定義する。なお、第2方向Yと方向D1とのなす角度θ1は、第2方向Yと方向D2とのなす角度θ2とほぼ同一である。
【0026】
1つのセンサ電極Rxは、複数の画素PXに亘って配置されている。図示した例では、第2方向Yに沿って奇数行目に位置する画素PXは、方向D1に沿って延出している。また、第2方向Yに沿って偶数行目に位置する画素PXは、方向D2に沿って延出している。なお、ここでの画素PXとは、画素信号に応じて個別に制御することができる最小単位を示し、副画素と称する場合がある。また、カラー表示を実現するための最小単位を主画素MPと称する場合がある。主画素MPは、互いに異なる色を表示する複数の副画素PXを備えて構成されるものである。一例では、主画素MPは、副画素PXとして、赤色を表示する赤画素、緑色を表示する緑画素、及び、青色を表示する青画素を備えている。また、主画素MPは、白色を表示する白画素を備えていてもよい。
一例では、1つのセンサ電極Rxには、第1方向Xに沿って60~70個の主画素MPが配置され、第2方向に沿って60~70個の主画素MPが配置されている。
【0027】
図4は、画素PXの基本構成及び等価回路を示す図である。
複数の走査線Gは、走査線駆動回路GDに接続されている。複数の信号線Sは、信号線駆動回路SDに接続されている。なお、走査線G及び信号線Sは、必ずしも直線的に延出していなくてもよく、それらの一部が屈曲していてもよい。例えば、信号線Sは、その一部が屈曲していたとしても、第2方向Yに延出しているものとする。
【0028】
共通電極CEは、センサブロックB毎にそれぞれ設けられている。共通電極CEは、コモン電圧(Vcom)の電圧供給部CDに接続され、複数の画素PXに亘って配置されている。また、共通電極CEは、それぞれ上記の通りタッチコントローラTCにも接続され、タッチセンシングモードにおいてタッチ駆動電圧が印加されるセンサ電極Rxを形成している。
【0029】
各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。保持容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0030】
図5は、画素レイアウトの一例を示す平面図である。
走査線G1乃至G3は、それぞれ第1方向Xに沿って直線的に延出し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる。信号線S1乃至S3は、それぞれ概ね第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに間隔を置いて並んでいる。
【0031】
画素電極PE1及びPE2は、走査線G1及びG2の間に配置されている。画素電極PE1及びPE2は、第1方向Xに沿って並んでいる。画素電極PE3及びPE4は、走査線G2及びG3の間に配置されている。画素電極PE3及びPE4は、第1方向Xに沿って並んでいる。画素電極PE1及びPE3は信号線S1及びS2の間に配置され、画素電極PE2及びPE4は信号線S2及びS3の間に配置されている。
【0032】
画素電極PE1及びPE2は、それぞれ方向D1に沿って延出した帯電極Pa1及びPa2を有している。画素電極PE3及びPE4は、それぞれ方向D2に沿って延出した帯電極Pa3及びPa4を有している。図示した例では、帯電極Pa1乃至Pa4は、2本であるが、1本でもよいし、3本以上であってもよい。
【0033】
共通電極CE1は、画素PX1及びPX2に亘って配置されている。共通電極CE2は、画素PX3及びPX4に亘って配置されている。共通電極CE1及びCE2は、第2方向Yに並んでいる。共通電極CE1及びCE2は、
図2に示した1つのセンサ電極Rxに含まれている。共通電極CE1は、信号線S1乃至S3の上に重畳している。画素電極PE1及びPE2は、共通電極CE1の上に重畳している。共通電極CE2は、信号線S1乃至S3の上に重畳している。画素電極PE3及びPE4は、共通電極CE2の上に重畳している。図示した例では、走査線G2は、共通電極CE1及びCE2の間に位置している。
【0034】
ブリッジ部BRは、図中に斜線で示された領域に相当する。ブリッジ部BRは、共通電極CE1と共通電極CE2との間に位置し、信号線S2に重畳している。ブリッジ部BRは、共通電極CE1及び共通電極CE2と一体的に形成され、共通電極CE1及び共通電極CE2を電気的に接続している。ブリッジ部BRは、共通電極CE1及び共通電極CE2と同様にセンサ電極Rxに含まれている。
【0035】
図6は、
図5に示した画素の一例を示す平面図である。ここでは、
図5に示した走査線G1及びG2と信号線S1及びS2とで囲まれた画素PX1に着目して、主要部について説明する。なお、
図6は、第1基板SUB1上の構成を示している。
【0036】
スイッチング素子SWは、第1基板SUB1に配置されている。スイッチング素子SWは、走査線G2及び信号線S2と電気的に接続されている。スイッチング素子SWは、半導体層SCと、ドレイン電極DEと、を備えている。
【0037】
半導体層SCは、その一部分が信号線S2と重なるように配置され、他の部分が信号線S1及びS2の間に延出し、略U字状に形成されている。半導体層SCは、信号線S2と重なる位置において走査線G2と交差し、信号線S1とS2との間においても走査線G2と交差している。走査線G2において、半導体層SCと重畳する領域がそれぞれゲート電極GE1及びGE2として機能する。すなわち、図示した例のスイッチング素子SWは、ダブルゲート構造を有している。半導体層SCは、その一端部SCAにおいて貫通孔CH1を通じて信号線S2と電気的に接続され、また、その他端部SCBにおいて貫通孔CH2を通じてドレイン電極DEと電気的に接続されている。
【0038】
ドレイン電極DEは、島状に形成され、信号線S1と信号線S2との間に配置されている。なお、スイッチング素子SWにおいて、ドレイン電極DEはソース電極と称される場合がある。
【0039】
画素電極PE1は、複数の帯電極Pa1と一体の基部BSを備えている。基部BSは、ドレイン電極DEと重畳し、ドレイン電極DEと電気的に接続される。
【0040】
図7は、
図6に示したA-B線に沿った第1基板SUB1の断面図である。
第1基板SUB1は、絶縁基板10、絶縁膜11乃至16、半導体層SC、走査線G2、信号線S2、金属配線ML2、共通電極CE1、ブリッジ部BR、配向膜AL1などを備えている。
【0041】
絶縁基板10は、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの光透過性を有する基板である。絶縁膜11は、絶縁基板10の上に位置している。半導体層SCは、絶縁膜11の上に位置し、絶縁膜12によって覆われている。半導体層SCは、例えば、多結晶シリコンによって形成されているが、アモルファスシリコンや酸化物半導体によって形成されていてもよい。
【0042】
走査線G2の一部であるゲート電極GE1は、絶縁膜12の上に位置し、絶縁膜13によって覆われている。なお、図示しない他の走査線も、走査線G2と同一層に位置している。走査線G2は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。一例では、走査線G2は、モリブデン-タングステン合金によって形成されている。
【0043】
信号線S2は、絶縁膜13の上に位置し、絶縁膜(第1有機絶縁膜)14によって覆われている。なお、図示しない他の信号線も、信号線S2と同一層に位置している。信号線S2は、上記の金属材料や、上記の金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。一例では、信号線S2は、チタン(Ti)を含む第1層、アルミニウム(Al)を含む第2層、及び、チタン(Ti)を含む第3層がこの順に積層された積層体である。信号線S2は、絶縁膜12及び絶縁膜13を貫通する貫通孔CH1を通じて半導体層SCにコンタクトしている。
【0044】
金属配線ML2は、絶縁膜14の上に位置し、絶縁膜(第2有機絶縁膜)15によって覆われている。金属配線ML2は、上記の金属材料や、上記の金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。一例では、金属配線ML2は、チタン(Ti)を含む第1層、アルミニウム(Al)を含む第2層、及び、チタン(Ti)を含む第3層がこの順に積層された積層体、あるいは、モリブデン(Mo)を含む第1層、アルミニウム(Al)を含む第2層、及び、モリブデン(Mo)を含む第3層がこの順に積層された積層体である。
【0045】
共通電極CE1及びブリッジ部BRは、絶縁膜15の上に位置し、絶縁膜(無機絶縁膜)16によって覆われている。共通電極CE1及びブリッジ部BRは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成された透明電極である。共通電極CE1は、絶縁膜15を貫通する貫通孔CH3を通じて金属配線ML2にコンタクトしている。配向膜AL1は、絶縁膜16の上に位置している。
【0046】
絶縁膜11乃至13、及び、絶縁膜16は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの無機絶縁材料によって形成された無機絶縁膜であり、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。絶縁膜14及び15は、例えば、アクリル樹脂などの有機絶縁材料によって形成された有機絶縁膜である。
【0047】
上記の通り、共通電極CE1はセンサ電極Rxとしても機能し、金属配線ML2はセンサ電極Rxと電気的に接続されるセンサ配線Lとしても機能する。
【0048】
図8は、
図6に示したC-D線に沿った表示パネルPNLの断面図である。図示した例は、横電界を利用する表示モードが適用された例に相当する。
【0049】
第1基板SUB1において、信号線S1及びS2は、絶縁膜13の上に位置し、絶縁膜14によって覆われている。金属配線ML1及びML2は、それぞれ信号線S1及びS2の直上に位置している。画素電極PE1は、絶縁膜16の上に位置し、配向膜AL1によって覆われている。画素電極PE1は、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成された透明電極である。
【0050】
第2基板SUB2は、絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタCF、オーバーコート層OC、配向膜AL2などを備えている。
【0051】
絶縁基板20は、絶縁基板10と同様に、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する基板である。遮光層BM及びカラーフィルタCFは、絶縁基板20の第1基板SUB1と対向する側に位置している。カラーフィルタCFは、画素電極PE1と対向する位置に配置され、その一部が遮光層BMに重なっている。カラーフィルタCFは、赤色のカラーフィルタCFR、緑色のカラーフィルタCFG、青色のカラーフィルタCFBを有している。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。オーバーコート層OCは、透明な樹脂によって形成されている。配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。配向膜AL1及び配向膜AL2は、例えば、水平配向性を呈する材料によって形成されている。
【0052】
上述した第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、配向膜AL1及び配向膜AL2が対向するように配置されている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、所定のセルギャップが形成された状態でシールによって接着されている。液晶層LCは、配向膜AL1と配向膜AL2との間に保持されている。液晶層LCは、液晶分子LMを備えている。液晶層LCは、ポジ型(誘電率異方性が正)の液晶材料、あるいは、ネガ型(誘電率異方性が負)の液晶材料によって構成されている。
【0053】
偏光板PL1を含む光学素子OD1は、絶縁基板10に接着されている。偏光板PL2を含む光学素子OD2は、絶縁基板20に接着されている。なお、光学素子OD1及び光学素子OD2は、必要に応じて位相差板、散乱層、反射防止層などを備えていてもよい。
【0054】
このような表示パネルPNLにおいては、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されていないオフ状態において、液晶分子LMは、配向膜AL1及び配向膜AL2の間で所定の方向に初期配向している。このようなオフ状態では、照明装置ILから表示パネルPNLに向けて照射された光は、光学素子OD1及び光学素子OD2によって吸収され、暗表示となる。一方、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されたオン状態においては、液晶分子LMは、電界により初期配向方向とは異なる方向に配向し、その配向方向は電界によって制御される。このようなオン状態では、照明装置ILからの光の一部は、光学素子OD1及び光学素子OD2を透過し、明表示となる。
【0055】
図9は、
図6に示したE-F線に沿った第1基板SUB1の断面図である。なお、図示した第1基板SUB1において、絶縁膜13より下方の層及び配向膜AL1の図示を省略している。
【0056】
第1基板SUB1は、上記したドレイン電極DE、信号線S1及びS2、金属電極ME、透明電極TE、金属配線ML1及びML2、絶縁膜13乃至16、画素電極PE1、ブリッジ部BRを備えている。
【0057】
信号線S1及びS2、ドレイン電極DEは、絶縁膜13の上に位置し、絶縁膜14によって覆われている。ドレイン電極DEは、信号線S1及びS2と同一層に位置し、信号線S1及びS2と同一材料によって形成されている。絶縁膜14は、ドレイン電極DEまで貫通した貫通孔(第1貫通孔)CH11を有している。
【0058】
金属配線ML1及びML2、金属電極MEは、絶縁膜14の上に位置し、絶縁膜15によって覆われている。金属電極MEは、貫通孔CH11においてドレイン電極DEに接している。金属電極MEは、金属配線ML1及びML2と同一層に位置し、金属配線ML1及びML2と同一の金属材料によって形成されている。絶縁膜15は、絶縁膜14の上に位置し、金属電極MEまで貫通した貫通孔(第2貫通孔)CH21を有している。なお、本実施形態においては、絶縁膜14の膜厚は約2.5μmであり、絶縁膜15の膜厚は約1.5μmである。
【0059】
透明電極TE、ブリッジ部BRは、絶縁膜15の上に位置し、絶縁膜16によって覆われている。透明電極TEは、貫通孔CH21において金属電極MEに接している。透明電極TE及びブリッジ部BRは、
図5に示した共通電極CE1及びCE2と同一層に位置し、共通電極CE1及びCE2と同一の透明な導電材料によって形成されている。ブリッジ部BRは、信号線S2及び金属配線ML2の直上に位置している。絶縁膜16は、絶縁膜15の上に位置し、透明電極TEまで貫通した貫通孔(第3貫通孔)CH31を有している。
【0060】
画素電極PE1の基部BSは、絶縁膜16の上に位置し、図示しない配向膜AL1によって覆われている。画素電極PE1は、貫通孔CH31において透明電極TEに接している。また、画素電極PE1は、金属電極MEと電気的に接続されている。
【0061】
図10は、
図1に示したG-H線に沿った表示パネルPNLの断面図である。
図10は、表示パネルPNLの非表示部NDAを示している。
第1基板SUB1は、非表示部NDAにおいて周辺配線WR1乃至WR3と、周辺電極PREと、を備えている。周辺配線WR1は、絶縁膜12の上に配置され絶縁膜13によって覆われている。周辺配線WR1は、走査線と同層に配置され、走査線と同一材料によって形成されている。周辺配線WR2は、絶縁膜13の上に配置され絶縁膜14によって覆われている。周辺配線WR2は、信号線と同層に配置され、信号線と同一材料によって形成されている。周辺配線WR3及び周辺電極PREは、絶縁膜16の上に配置され、配向膜AL1によって覆われている。周辺配線WR3及び周辺電極PREは、画素電極と同層に配置され、画素電極と同一材料によって形成されている。
【0062】
第1基板SUB1は、非表示部NDAにおいて絶縁膜14及び15を絶縁膜13まで貫通する溝部GRを有している。溝部GRは、シールSEと重なる領域に位置している。本実施形態においては、溝部GRの幅W1は約90μmである。溝部GRによって、表示パネルPNLの外部から絶縁膜14及び15を伝わる水分の侵入経路を遮断することができる。
【0063】
絶縁膜16は、絶縁膜15の上に配置され、溝部GRの内部にも配置されている。絶縁膜16は、溝部GRの側面に接している。溝部GRの側面は、絶縁膜14及び15によって段差が形成されているため、絶縁膜16は、溝部GRの側面に付着しやすい。また、周辺電極PRE及び配向膜AL1は、溝部GRの内部にも配置されている。
【0064】
第1基板SUB1は、非表示部NDAにおいて、絶縁膜14及び15から構成された土手部BAを有している。土手部BAは、表示パネルPNLの第3端部EG3と溝部GRとの間に位置し、第2基板SUB2側に突出している。土手部BAは、スペーサSP1と対向している。また、土手部BAは、スリットSL1乃至SL3を有している。本実施形態においては、土手部BAの幅W2は約60μmである。
【0065】
遮光層BMは、絶縁基板20まで貫通するスリットSL11を有している。遮光層BMを伝わる水分の侵入経路をスリットSL11によって遮断することができる。なお、第1基板SUB1は、スリットSL11と重なる位置において、周辺配線WR1を備えているため、スリットSL11からの光漏れを抑制することができる。
【0066】
遮光層BMは、液晶層LCと重なる領域においてスリットSL12を有している。このため、遮光層BMを介した表示部DAへの電荷の移動経路をスリットSL12において遮断することができる。これにより、表示パネルPNLの製造工程において、静電気が表示部DAに集中するのを抑制し、表示パネルPNLが損傷するのを抑制することが可能である。なお、第1基板SUB1は、スリットSL12と重なる位置において、周辺配線WR2を備えているため、スリットSL12からの光漏れを抑制することができる。また、カラーフィルタCFR及びCFBは、スリットSL12内に第3方向Zに重なって配置されている。このため、周辺配線WR2の周囲を透過した光に対してもスリットSL12からの光漏れを抑制することができる。
【0067】
スペーサSP1乃至SP4は、第2基板SUB2に配置され、第1基板SUB1側に突出している。スペーサSP1乃至SP4は、樹脂材料によって形成されている。また、スペーサSP1及びSP2と重なる位置に高さ調整のためのカラーフィルタCFBが配置されている。本実施形態においては、スペーサSP1の幅W3は約50μmである。なお、配向膜AL2は、スペーサSP1乃至SP4を覆っていない。
【0068】
土手部BAの端部BAE、及び、スペーサSP1の端部SPEは、表示パネルPNLの第3端部EG3に位置している。すなわち、土手部BA及びスペーサSP1は、製造工程において表示パネルPNLが大判から単個にカットされる際に、表示パネルPNLを支持するための部材としてカットライン上に配置されている。そのため、表示パネルPNLのカット時にかかる力によって表示パネルPNLが変形するのを抑制し、カット不良を抑制することが可能となる。なお、
図1に示した表示パネルPNLの第2端部EG2及び第4端部EG4や、第2基板SUB2の第5端部EG5についても同様に、カットライン上に土手部BA及びスペーサSP1が位置している。
【0069】
図11は、
図10に示した領域ARの詳細な断面図である。
スリットSL1乃至SL3は、絶縁膜14及び15を絶縁膜13まで貫通している。シールSEは、スリットSL1乃至SL3内に入り込んでいる。また、土手部BAは、スリットSL1乃至SL3によって分割された分割部DD1乃至DD4を有している。分割部DD1は、第3端部EG3の表示部DA側に位置している。分割部DD2は、分割部DD1の表示部DA側に位置している。分割部DD3は、分割部DD2の表示部DA側に位置している。分割部DD4は、分割部DD3の表示部DA側に位置している。スリットSL1は、分割部DD1と分割部DD2との間に位置している。スリットSL2は、分割部DD2と分割部DD3との間に位置している。スリットSL3は、分割部DD3と分割部DD4との間に位置している。
【0070】
絶縁膜16は、分割部DD1乃至DD4を覆い、第3端部EG3まで延出している。また、配向膜AL1は、図示した例では、分割部DD3及びDD4を覆いスリットSL2まで延出し、分割部DD1及びDD2は覆っていない。なお、配向膜AL1は、図示した例に限らず、分割部DD1及びDD2を覆い第3端部EG3まで延出していても良い。
【0071】
絶縁膜14は、スリットSL1乃至SL3によって、分割部DD41乃至DD44に分割されている。絶縁膜15は、スリットSL1乃至SL3によって、分割部DD51乃至DD54に分割されている。すなわち、分割部DD1は分割部D41及びD51によって構成され、分割部DD2は分割部D42及びD52によって構成され、分割部DD3は分割部D43及びD53によって構成され、分割部DD4は分割部D44及びD54によって構成されている。
【0072】
分割部D41は幅W41を有し、分割部D42は幅W42を有し、分割部D43は幅W43を有し、分割部D44は幅W44を有している。本実施形態においては、幅W41乃至W44は、それぞれ10μm以上である。また、スリットSL1は分割部D41と分割部D42との間において幅W45を有し、スリットSL2は分割部D42と分割部D43との間において幅W46を有し、スリットSL3は分割部D43と分割部D44との間において幅W47を有している。本実施形態においては、幅W45乃至W47は、それぞれ3.5μm以上である。また、
図10に示したように、幅W41乃至W47を足し合わせた幅W2は、約60μmとなる。
【0073】
分割部D51は幅W51を有し、分割部D52は幅W52を有し、分割部D53は幅W53を有し、分割部D54は幅W54を有している。本実施形態においては、幅W51乃至W54は、それぞれ8μm以上である。また、スリットSL1は分割部D51と分割部D52との間において幅W55を有し、スリットSL2は分割部D52と分割部D53との間において幅W56を有し、スリットSL3は分割部D53と分割部D54との間において幅W57を有している。本実施形態においては、幅W55乃至W57は、それぞれ4μm以上である。
【0074】
分割部DD1において、分割部D41の幅W41は、分割部D51の幅W51より大きい。分割部DD2において、分割部D42の幅W42は、分割部D52の幅W52より大きい。分割部DD3において、分割部D43の幅W43は、分割部D53の幅W53より大きい。分割部DD4において、分割部D44の幅W44は、分割部D54の幅W54より大きい。また、スリットSL1において絶縁膜15を貫通する部分の幅W55は、絶縁膜14を貫通する部分の幅W45より大きい。同様に、スリットSL2において、幅W56は幅W46より大きい。スリットSL3において、幅W57は幅W47より大きい。
【0075】
スリットSL1は、側面SS1及びSS2を有している。スリットSL2は、側面SS3及びSS4を有している。スリットSL3は、側面SS5及びSS6を有している。側面SS1乃至SS6は、それぞれ絶縁膜14と絶縁膜15との間の段差を有している。絶縁膜14及び15が別々にパターニングされることでスリットSL1乃至SL3が形成されるため、側面SS1乃至SS6は段差を有している。
【0076】
複数のフィラー100は、シールSE中に拡散されている。フィラー100は、それぞれ径DMを有している。分割部DD1とスペーサSP1との間の間隔GP1、分割部DD2とスペーサSP1との間の間隔GP2、分割部DD3とスペーサSP1との間の間隔GP3、分割部DD4とスペーサSP1との間の間隔GP4は、フィラー100の径DMと略等しい。そのため、分割部DD1乃至DD4とスペーサSP1との間には、フィラー100が互いに第3方向Zに重ならずに介在している。径DMは、例えば、約0.5μmである。なお、フィラー100は接着力を有さず、第1基板SUB1及び第2基板SUBはシールSEの接着力によって接着される。
【0077】
例えば、土手部BAがスリットSL1乃至SL3を有していない場合には、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接着する際に、土手部BAとスペーサSP1の間からシールSEが押し出され、フィラー100が土手部BAとスペーサSP1との間に密集してしまう。そのため、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間の接着力が低下してしまう恐れがある。
【0078】
本実施形態によれば、土手部BAは、絶縁膜14及び絶縁膜15を貫通するスリットSL1乃至SL3を有している。シールSEは、スリットSL1乃至SL3の内部に入り込んでいる。そのため、フィラー100をシールSEとともにスリットSL1乃至SL3内に均等に分散させることができ、フィラー100が土手部BAとスペーサSP1との間に密集して配置されるのを抑制することができる。また、スリットSL1乃至SL3によって、シールSEと土手部BAとの間の接着面積を拡大することができる。したがって、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間の接着力が低下するのを抑制することができる。また、土手部BAがスリットSL1乃至SL3を有している場合にも、表示パネルPNLが大判から単個にカットされる際の土手部BAの支持機能を保つことができる。よって、表示装置DSPの信頼性を向上することができる。
なお、図示した例では、土手部BAは3本のスリットSL1乃至SL3を有しているが、土手部BAは1本又は2本のスリットを有していても良いし、4本以上のスリットを有していても良い。
【0079】
図12は、
図11に示した土手部BAのスリットSL1乃至SL3の位置を示す平面図である。
図12においては、溝部GRは右上がり斜線で示され、土手部BAは左上がり斜線で示されている。また、シールSEは、点線で示されている。
土手部BAは、第1方向Xに延出した第1部分BA1及び第2部分BA2と、第2方向Yに延出した第3部分BA3及び第4部分BA4と、を有している。第1部分BA1及び第2部分BA2は、それぞれ第3部分BA3及び第4部分BA4と繋がっている。第1部分BA1は、表示部DAと第1端部EG1との間に位置している。第2部分BA2は、表示部DAと第2端部EG2との間に位置している。第3部分BA3は、表示部DAと第3端部EG3との間に位置している。第4部分BA4は、表示部DAと第4端部EG4との間に位置している。土手部BAは、第2部分BA2、第3部分BA3、第4部分BA4において、スリットSL1乃至SL3を有している。すなわち、スリットSL1乃至SL3は、第2端部EG2と表示部DAとの間、第3端部EG3と表示部DAとの間、第4端部EG4と表示部DAとの間に位置している。
【0080】
溝部GRは、第1方向Xに延出した第1部分GR1及び第2部分GR2と、第2方向Yに延出した第3部分GR3及び第4部分GR4と、を有している。第1部分GR1及び第2部分GR2は、それぞれ第3部分GR3及び第4部分GR4と繋がっている。第1部分GR1は、土手部BAの第1部分BA1の表示部DA側に位置している。第2部分GR2は、土手部BAの第2部分BA2の表示部DA側に位置している。第3部分GR3は、土手部BAの第3部分BA3の表示部DA側に位置している。第4部分GR4は、土手部BAの第4部分BA4の表示部DA側に位置している。
【0081】
シールSEは、第1方向Xに延出した第1部分SE1及び第2部分SE2と、第2方向Yに延出した第3部分SE3及び第4部分SE4と、を有している。第1部分SE1及び第2部分SE2は、それぞれ第3部分SE3及び第4部分SE4と繋がっている。図示した例では、第1部分SE1は、溝部GRの第1部分GR1には重なっているが、土手部BAの第1部分BA1には重なっていない。第2部分SE2は、溝部GRの第2部分GR2及び土手部BAの第2部分BA2に重なっている。第3部分SE3は、溝部GRの第3部分GR3及び土手部BAの第3部分BA3に重なっている。第4部分SE4は、溝部GRの第4部分GR4及び土手部BAの第4部分BA4に重なっている。また、第1部分SE1の幅W21は、第2部分SE2の幅W22、第3部分SE3の幅W23、第4部分SE4の幅W24よりも大きい。
【0082】
なお、土手部BAは、第1部分BA1において、スリットSL1乃至SL3を有していない。非表示部NDAの第1端部EG1側の幅が、非表示部NDAの第2端部EG2乃至第4端部EG4側の幅より広いため、シールSEの第1部分SE1は土手部BAの第1部分BA1と重なる位置まで延出していない。そのため、第1部分BA1にはスリットSL1乃至SL3が形成されていなくても良い。また、シールSEの第1部分SE1は、第2部分SE2乃至第4部分SE4より大きい幅を有しているため、第1部分SE1の接着強度は、第2部分SE2乃至第4部分SE4のそれぞれの接着強度より強い。よって、第1部分SE1が土手部BAの第1部分BA1と重なっていたとしても、第1部分BA1にスリットSL1乃至SL3が形成されていなくても良い。
【0083】
次に、本実施形態の変形例について詳細に説明する。
図13は、
図11に示した本実施形態の第1変形例を示す断面図である。
図13は、
図11に示した構成と比較して、スペーサSP1がスリットSL21及びSL22を有している点で相違している。
スリットSL21及びSL22は、スペーサSP1をオーバーコート層OCまで貫通している。シールSEは、スリットSL21及びSL22内に入り込んでいる。また、スペーサSP1は、スリットSL21及びSL22によって分割された分割部SP11、SP12、SP13を有している。分割部SP11は、第3端部EG3の表示部DA側に位置している。分割部SP12は、分割部SP11の表示部DA側に位置している。分割部SP13は、分割部SP12の表示部DA側に位置している。スリットSL21は、分割部SP11と分割部SP12との間に位置している。スリットSL22は、分割部SP12と分割部SP13との間に位置している。
【0084】
分割部SP11は幅W11を有し、分割部SP12は幅W12を有し、分割部SP13は幅W13を有している。本実施形態においては、幅W11乃至W13は、それぞれ7μm以上である。また、スリットSL21は分割部SP11と分割部SP12との間において幅W14を有し、スリットSL22は分割部SP12と分割部SP13との間において幅W15を有している。本実施形態においては、幅W14及びW15は、それぞれ10μm以上である。また、
図10に示したように、幅W11乃至W15を足し合わせた幅W3は、約50μmとなる。
【0085】
分割部SP11は、土手部BAの分割部DD1と対向している。分割部SP12は、土手部BAの分割部DD2と対向している。分割部SP13は、土手部BAの分割部DD4と対向している。すなわち、スペーサSP1の分割部SP11乃至SP13は、それぞれ土手部BAの分割部DD1乃至DD4の何れかと対向する位置に配置される。
【0086】
スペーサSP1がスリットSL21及びSL22を有している場合にも、フィラー100をシールSEとともにスリットSL21及びSL22内に均等に分散させることができる。また、スリットSL21及びSL22によって、シールSEとスペーサSP1との間の接着面積を拡大することができる。また、スペーサSP1がスリットSL21及びSL22を有している場合にも、表示パネルPNLが大判から単個にカットされる際のスペーサSP1の支持機能を保つことができる。なお、図示した例では、スペーサSP1は2本のスリットSL21及びSL22を有しているが、スペーサSP1は1本のスリットを有していても良いし、3本以上のスリットを有していても良い。
このような変形例においても上記したのと同様の効果を得ることができる。
【0087】
図14は、
図13に示したスペーサSPのスリットSL21及びSL22の位置を示す平面図である。
図14においては、スペーサSP1は左上がり斜線で示されている。
スペーサSP1は、第1方向Xに延出した第1部分SPP1及び第2部分SPP2と、第2方向Yに延出した第3部分SPP3及び第4部分SPP4と、を有している。第1部分SPP1及び第2部分SPP2は、それぞれ第3部分SPP3及び第4部分SPP4と繋がっている。第1部分SPP1は、表示部DAと第1端部EG1との間に位置している。第2部分SPP2は、表示部DAと第2端部EG2との間に位置している。第3部分SPP3は、表示部DAと第3端部EG3との間に位置している。第4部分SPP4は、表示部DAと第4端部EG4との間に位置している。スペーサSP1は、第2部分SPP2、第3部分SPP3、第4部分SPP4において、スリットSL21及びSL22を有している。すなわち、スリットSL21及びSL22は、第2端部EG2と表示部DAとの間、第3端部EG3と表示部DAとの間、第4端部EG4と表示部DAとの間に位置している。
【0088】
図示した例では、シールSEの第1部分SE1は、スペーサSP1の第1部分SPP1に重なっていない。第2部分SE2は、スペーサSP1の第2部分SPP2に重なっている。第3部分SE3は、スペーサSP1の第3部分SPP3に重なっている。第4部分SE4は、スペーサSP1の第4部分SPP4に重なっている。
【0089】
なお、スペーサSP1は、第1部分SPP1において、スリットSL21及びSL22を有していない。非表示部NDAの第1端部EG1側の幅が、非表示部NDAの第2端部EG2乃至第4端部EG4側の幅より広いため、シールSEの第1部分SE1はスペーサSP1の第1部分SPP1と重なる位置まで延出していない。そのため、第1部分SPP1にはスリットSL21及びSL22が形成されていなくても良い。また、シールSEの第1部分SE1は、第2部分SE2乃至第4部分SE4より大きい幅を有しているため、第1部分SE1の接着強度は、第2部分SE2乃至第4部分SE4のそれぞれの接着強度より強い。よって、第1部分SE1がスペーサSP1の第1部分SPP1と重なっていたとしても、第1部分SPP1にスリットSL21及びSL22が形成されていなくても良い。
【0090】
図15は、
図11に示した本実施形態の第2変形例を示す断面図である。
図15は、
図11に示した構成と比較して、スリットSL1が絶縁膜14を貫通していない点で相違している。
すなわち、スリットSL1は、絶縁膜15を絶縁膜14まで貫通している。なお、スリットSL2及びSL3も、絶縁膜14を貫通していなくても良い。もしくは、スリットSL1乃至SL3のうち、何れか1つ又は2つのスリットが絶縁膜14を貫通しないスリットであっても良い。
このような変形例においても上記したのと同様の効果を得ることができる。
【0091】
以上説明したように、本実施形態によれば、信頼性の向上が可能な表示装置を得ることができる。
【0092】
本実施形態にて開示した主要な構成は、液晶表示装置に適用可能である。また、本明細書中の、略等しい、という表現は製造工程上の誤差を考慮したものである。また、本実施形態において、土手部BA等の第1基板SUB1上に配置される部材の幅は、最も絶縁基板10側で計測するものとし、スペーサSP1等の第2基板SUB2上に配置される部材の幅は、最も絶縁基板20側で計測するものとする。
【0093】
また、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0094】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、
SE…シール、DA…表示部、NDA…非表示部、14、15、16…絶縁膜、
BA…土手部、SL1、SL2、SL3、SL21、SL22…スリット、
DD1~DD4…分割部、DE…ドレイン電極、SW…スイッチング素子、
CH11、CH21、CH31…貫通孔、ME…金属電極、PE…画素電極、
TE…透明電極、GR…溝部、W41~W47、W51~W57…幅、
SS1~SS6…側面、EG1…第1端部、EG2…第2端部、EG3…第3端部、
EG4…第4端部、MA…実装部、SP1…スペーサ、100…フィラー、
DM…径、SP11、SP12、SP13…分割部。