(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】空調管理装置、空調管理設定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/46 20180101AFI20220228BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20220228BHJP
F24F 11/56 20180101ALI20220228BHJP
【FI】
F24F11/46
F24F11/52
F24F11/56
(21)【出願番号】P 2018050690
(22)【出願日】2018-03-19
【審査請求日】2020-09-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】花田 裕一
(72)【発明者】
【氏名】朝妻 智裕
(72)【発明者】
【氏名】若林 靖英
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/023297(WO,A1)
【文献】特開2014-081123(JP,A)
【文献】特開昭63-156966(JP,A)
【文献】特開2001-141277(JP,A)
【文献】特開2005-337532(JP,A)
【文献】特開2014-070782(JP,A)
【文献】国際公開第2015/063985(WO,A1)
【文献】特開2004-324985(JP,A)
【文献】国際公開第2015/111173(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0345826(US,A1)
【文献】特開2018-162916(JP,A)
【文献】特開2013-064542(JP,A)
【文献】特開2015-087066(JP,A)
【文献】国際公開第2012/123989(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/193976(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/46
F24F 11/52
F24F 11/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調管理装置は、
ユーザ操作を入力する入力部と、
建物内の各ゾーンの空調を行う複数の系統の情報を記憶する記憶部と、
前記入力部により指定された前記ゾーンの空調を行う複数の前記系統それぞれを各制御周期において稼働させるか停止させるかの制御パターンを、前記制御周期の識別情報に対応付けて表示される、前記系統それぞれが割り当てられたシンボルに対して前記入力部により所定の操作を行って設定する設定画面を表示する表示制御部と、
前記設定画面において設定された前記制御周期ごとの前記制御パターンに従って複数の前記系統の稼働及び停止を指示する運転指示部と、
を備え
、
前記設定画面は、複数の前記制御周期それぞれに対応した前記制御パターンを設定するための領域である制御パターン設定領域を、前記制御周期の実行順に応じて並べて表示し、
前記制御パターン設定領域は、当該制御パターン設定領域に対応した前記制御周期の識別情報の表示と、前記系統それぞれが割り当てられた前記シンボルの表示とを含み、
同じ前記系統に割り当てられた前記シンボルは、複数の前記制御パターン設定領域それぞれにおける同じ位置に表示され、
前記表示制御部は、前記制御パターン設定領域における前記シンボルを、当該制御パターン設定領域に設定されている前記制御パターンにおいて当該シンボルに対応した前記系統を稼働させるか停止させるかに応じた態様で表示する、
空調管理装置。
【請求項2】
前記設定画面は、前記シンボルそれぞれに対応した前記系統の名称又は前記ゾーンにおけるレイアウトの表示、あるいは、前記レイアウトを表示させるボタンを含む、
請求項1に記載の空調管理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記設定画面における前記制御周期の識別情報の表示領域に対して前記入力部により行われた操作に基づいて、前記制御周期に対する制御パターンの設定を有効とするか否かを切り替える、
請求項1又は請求項2に記載の空調管理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、優先度が高い前記系統に対して停止を設定できないように前記設定画面を表示する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空調管理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記設定画面により設定された複数の前記制御パターンにおいて、優先度が高い前記系統の稼働率が閾値以下である場合に警告を出力する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空調管理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記記憶部から各制御周期の制御パターンを読み出し、前記設定画面に初期表示する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の空調管理装置。
【請求項7】
前記設定画面に初期表示される各制御周期の前記制御パターンは、過去に前記系統を運転した時の空調効率に基づいて生成される、
請求項6に記載の空調管理装置。
【請求項8】
前記系統それぞれは、室外機及び室外機を有する空調系統又は外調機及び給気口を有する外調機系統のいずれかである、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の空調管理装置。
【請求項9】
建物内の各ゾーンの空調を行う複数の系統の情報を記憶する記憶部から、入力部により指定された前記ゾーンの空調を行う複数の前記系統を読み出す読み出しステップと、
前記読み出しステップにおいて読み出された複数の前記系統それぞれを各制御周期において稼働させるか停止させるかの制御パターンを、前記制御周期の識別情報に対応付けて表示される、前記系統それぞれが割り当てられたシンボルに対して前記入力部により所定の操作を行って設定する設定画面を表示する表示制御ステップと、
前記設定画面において設定された前記制御周期ごとの前記制御パターンに従って複数の前記系統の稼働及び停止を指示する運転指示ステップと、
を有
し、
前記設定画面は、複数の前記制御周期それぞれに対応した前記制御パターンを設定するための領域である制御パターン設定領域を、前記制御周期の実行順に応じて並べて表示し、
前記制御パターン設定領域は、当該制御パターン設定領域に対応した前記制御周期の識別情報の表示と、前記系統それぞれが割り当てられた前記シンボルの表示とを含み、
同じ前記系統に割り当てられた前記シンボルは、複数の前記制御パターン設定領域それぞれにおける同じ位置に表示され、
前記表示制御ステップにおいては、前記制御パターン設定領域における前記シンボルを、当該制御パターン設定領域に設定されている前記制御パターンにおいて当該シンボルに対応した前記系統を稼働させるか停止させるかに応じた態様で表示する、
空調管理設定方法。
【請求項10】
コンピュータに、
建物内の各ゾーンの空調を行う複数の系統の情報を記憶する記憶部から、入力部により指定された前記ゾーンの空調を行う複数の前記系統を読み出す読み出しステップと、
前記読み出しステップにおいて読み出された複数の前記系統それぞれを各制御周期において稼働させるか停止させるかの制御パターンを、前記制御周期の識別情報に対応付けて表示される、前記系統それぞれが割り当てられたシンボルに対して前記入力部により所定の操作を行って設定する設定画面を表示する表示制御ステップと、
前記設定画面において設定された前記制御周期ごとの前記制御パターンに従って複数の前記系統の稼働及び停止を指示する運転指示ステップと、
を実行させ
、
前記設定画面は、複数の前記制御周期それぞれに対応した前記制御パターンを設定するための領域である制御パターン設定領域を、前記制御周期の実行順に応じて並べて表示し、
前記制御パターン設定領域は、当該制御パターン設定領域に対応した前記制御周期の識別情報の表示と、前記系統それぞれが割り当てられた前記シンボルの表示とを含み、
同じ前記系統に割り当てられた前記シンボルは、複数の前記制御パターン設定領域それぞれにおける同じ位置に表示され、
前記表示制御ステップにおいては、前記制御パターン設定領域における前記シンボルを、当該制御パターン設定領域に設定されている前記制御パターンにおいて当該シンボルに対応した前記系統を稼働させるか停止させるかに応じた態様で表示する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空調管理装置、空調管理設定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビルや工場における空調機は、夏期の外気温度が高くなる時期でも熱負荷を十分に冷却できる出力容量で設置される。しかし、外気温度が高くならない時期では、空調機容量が余剰となるため、低負荷で稼働する。特に、ビルマルチ空調の場合、同一空間に複数の空調系統が設置される。これらそれぞれの系統が低負荷で稼働すると、全体のエネルギー効率が低下する。このようなエネルギー効率の低下を防ぐために、「輪番制御」という技術がある。輪番制御では、周期的かつ空調系統単位で輪番的に各ビルマルチ空調機を停止させる。これにより、稼働しているビルマルチ空調機の負荷率を上げ、空調全体のエネルギー効率を向上させる。しかし、この輪番制御にはさまざまな制御パターンが存在するため、制御パターンの設定手段が複雑になる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、複数系統の空調のうち一部の系統を周期的に切り替えて停止させる輪番制御の設定を簡易に行うことができる空調管理装置、空調管理設定方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の空調管理装置は、入力部と、記憶部と、表示制御部と、運転指示部とを持つ。入力部は、ユーザ操作を入力する。記憶部は、建物内の各ゾーンの空調を行う複数の系統の情報を記憶する。表示制御部は、前記入力部により指定された前記ゾーンの空調を行う複数の前記系統それぞれを各制御周期において稼働させるか停止させるかの制御パターンを、前記制御周期の識別情報に対応付けて表示される、前記系統それぞれが割り当てられたシンボルに対して前記入力部により所定の操作を行って設定する設定画面を表示する。運転指示部は、前記設定画面において設定された前記制御周期ごとの前記制御パターンに従って複数の前記系統の稼働及び停止を指示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】同実施形態の空調管理装置の構成を示すブロック図。
【
図3】同実施形態の輪番制御パターン設定画面の表示例を示す図。
【
図4】同実施形態の輪番制御パターン設定画面の表示例を示す図。
【
図5】同実施形態の空調管理装置の処理を示すフロー図。
【
図7】同実施形態の輪番制御パターン設定画面の表示例を示す図。
【
図8】同実施形態の輪番制御パターン設定画面の表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の空調管理装置、空調管理設定方法及びプログラムを、図面を参照して説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、空調システム100の構成図である。空調システム100は、空調管理装置1と、運転装置2と、空調機3と、センサ4とを備える。空調管理装置1は、空調効率が向上するように空調機3の運転を管理する。運転装置2は、空調管理装置1からの指示に従って、空調機3に運転制御値を出力する。空調管理装置1と運転装置2とはLAN(Local Area Network)などの通信ネットワークにより接続される別の装置でもよく、空調管理装置1と運転装置2とは統合された1台の装置でもよい。
【0009】
空調機3は、運転装置2から受信した運転制御値に従って空調を行う。空調機3は、ビル用マルチエアコン30を備える。ビル用マルチエアコン30は、複数の空調系統を有する。各空調系統は、1台以上の室外機31と1台以上の室内機32とを有する。同図では、簡単のため各空調系統については室外機31と室内機32をそれぞれ1台ずつ示している。室内機32は、室外機31が生成した冷媒との熱交換により生成した冷風又は温風を空調対象のゾーンに給気する。
【0010】
ビルなどの建物の各フロアは1以上のゾーンに区切られる。ゾーンは、消費電力量が取得できる範囲の空調対象の空間(エリア)である。1つのゾーンは、1以上の空調系統により空調が行われる。
図1では、複数の空調系統により空調が行われる1つのゾーンについて示している。各ゾーンには1台以上のセンサ4が設置される。センサ4は、温度や湿度などを検出し、検出値を運転装置2に通知する。
【0011】
空調管理装置1は、ゾーンごとの空調効率の計算に必要な情報を取得する。空調効率の計算に必要な情報は、例えば、外気温度、各空調系統の稼働/停止状態、冷暖房モード及び消費電力量、室内機32又はセンサ4が計測した室内温度、給気温度、室内湿度、給気湿度等の情報を含む。空調管理装置1は、これらの情報を情報収集元の機器から直接又は運転装置2を介して取得する。空調効率には、例えば、冷暖房平均エネルギー消費効率を示すCOP(Coefficient Of Performance、成績係数)を用いることができる。ゾーン毎のCOPは、ゾーン内の室内機32の冷房能力又は暖房能力の合計を、消費電力により除算して算出される。
【0012】
空調管理装置1は、収集した情報を用いて、空調効率が向上するように空調機3の運転を管理する。例えば、空調管理装置1は、複数の空調系統それぞれの停止又は稼働、運転モード、給気温度、送風量等を運転装置2に指示する。また、空調管理装置1は、輪番制御を行う。輪番制御とは、同一のゾーンに設けられた複数の空調系統のうち稼働又は停止させる一部の空調系統を、所定時間毎の制御周期で輪番的に順に切り替えることである。運転装置2は、空調管理装置1からの指示に従って室外機31や室内機32へ制御信号を送信する。制御信号の例として、室外機31や室内機32へ発停を指示する制御信号、室外機31や室内機32における冷媒の流量を指示する制御信号、室内機32へ送風のためのファンの回転量を指示する制御信号等があるが、これらに限定されない。
【0013】
図2は、空調管理装置1の構成を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。空調管理装置1は、入力部11と、表示部12と、記憶部13と、通信部14と、処理部15とを備える。
【0014】
入力部11は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部11は、ユーザの指示を空調管理装置1に入力する際にユーザによって操作される。入力部11は、入力装置を空調管理装置1に接続するためのインタフェースであっても良い。この場合、入力部11は、入力装置においてユーザの入力に応じて生成された入力信号を空調管理装置1に入力する。また、入力部11は、空調管理装置1とネットワークを介して接続されるコンピュータ端末からユーザの指示を受信してもよい。
【0015】
表示部12は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。表示部12は、画像表示装置を空調管理装置1に接続するためのインタフェースであっても良い。この場合、表示部12は、画面データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。また、表示部12は、空調管理装置1とネットワークを介して接続されるコンピュータ端末に画面データを表示するための信号を送信してもよい。
【0016】
記憶部13は、空調機系統データ、輪番制御パターンデータ及び稼働履歴データを含む各種データを記憶する。空調機系統データは、ゾーンの識別情報と、そのゾーンの空調を行う複数の空調系統それぞれの識別情報及び名称と、そのゾーンにおける複数の空調系統の設置位置を示すレイアウトとを対応付けた情報である。さらに、空調機系統データは、優先度が高い空調系統を特定する情報を含んでもよい。輪番制御パターンデータは、輪番制御の各制御周期においてゾーン内の各空調系統を稼働させるか停止させるかの設定を示す。稼働履歴データは、ゾーンごとに、時刻の情報と、その時刻における各空調系統の稼働又は停止の状態、COP、外気温、室温等の情報とを対応付けた情報である。通信部14は、ネットワークを介して運転装置2を含む他の装置とデータを送受信する。
【0017】
処理部15は、表示制御部151と、運転指示部152と、稼働履歴生成部153とを備える。
表示制御部151は、輪番制御パターン設定画面の画面データを生成し、表示部12に表示する。輪番制御パターン設定画面は、輪番制御の制御パターンを設定する画面である。輪番制御パターン設定画面には、制御周期の識別情報と、指定されたゾーンの空調を行う複数の空調系統それぞれを表すシンボルとが対応付けて表示され、シンボルの表示に対して入力部11により所定の操作を行うことによって制御パターンを設定可能である。また、輪番制御パターン設定画面には、さらに、空調系統を表す各シンボルと空調系統名を対応付けた情報、又は、ゾーンにおける空調系統のレイアウトの表示が含まれる。
【0018】
運転指示部152は、輪番制御パターン設定画面を用いて設定された制御周期ごとの制御パターンに従って、複数の空調系統それぞれを運転又は停止するよう運転装置2に指示する。
【0019】
稼働履歴生成部153は、外気温度、ゾーンごとの各空調系統の稼働/停止状態、冷暖房モード及び消費電力量、室内機32又はセンサ4が計測した室内温度、給気温度、室内湿度、給気湿度等の情報を運転装置2、空調機3、センサ4等の外部装置から取得する。稼働履歴生成部153は、受信した情報を用いてCOPを算出し、取得した情報と算出したCOPとを対応付けた稼働履歴データを生成し、記憶部13に書き込む。
【0020】
図3は、輪番制御パターン設定画面500の表示例を示す図である。輪番制御パターン設定画面500は、系統表示領域510と、輪番制御パターン設定領域520とを含む。系統表示領域510には、1ゾーンの空調が可能な最大系統数である10系統分の空調系統それぞれを表すシンボル511と対応付けて空調系統の名称を表示可能である。同図では、系統を表すシンボル511として、丸で囲まれた数字を用いている。以下では、丸で囲まれた数字n(nは1以上10以下の整数)のシンボルをシンボルnと記載する。
【0021】
表示制御部151は、輪番制御パターンを設定する対象のゾーンの空調を行う空調系統の情報を空調機系統データから読み出し、シンボルnと対応付けて系統表示領域510に表示する。同図においては、表示制御部151は、系統表示領域510に、シンボル1、シンボル2、シンボル3、シンボル4、シンボル5のそれぞれと対応付けて、ゾーン1の空調を行う5つの空調系統の名称「空調系統A」、「空調系統B」、「空調系統C」、「空調系統D」、「空調系統E」を表示している。ゾーン1の空調系統数は5であるため、表示制御部151は、シンボル6~シンボル10には空調系統の名称を表示しない。この場合、表示制御部151は、系統表示領域510に、シンボル6~シンボル10を表示させないようにしてもよい。
【0022】
輪番制御パターン設定領域520は、10個の制御パターン設定領域521を含む。各制御パターン設定領域521は、制御パターン番号表示領域522と、系統選択領域523とを含む。
【0023】
表示制御部151は、制御パターン番号表示領域522に、制御パターン番号を表示する。制御パターン番号は、制御パターンを特定する識別情報であり、制御パターンの実行順を決める番号でもある。制御パターン番号表示領域522をクリックすることにより、その制御パターン番号表示領域522と同じ制御パターン設定領域521に含まれる系統選択領域523の設定を有効にするか無効にするかが切り替わる。同図では、制御パターン番号1~5の制御パターン番号表示領域522は有効を表す色、例えば白で表示される。一方、制御パターン番号6~10の制御パターン番号表示領域522は無効を表す色、例えば、灰色により表示される。
【0024】
例えば、この表示状態で制御パターン番号1の制御パターン番号表示領域522をクリックすると、制御パターン番号1の設定が有効から無効に切り替わり、制御パターン番号表示領域522の背景色は白から灰色に切り替わる。さらにもう一度、制御パターン番号1の制御パターン番号表示領域522をクリックすると、制御パターン番号1の設定が無効から有効に切り替わり、制御パターン番号表示領域522の背景色は灰色から白に切り替わる。なお、制御パターン番号表示領域522の背景色に加えて、又は、代えて、制御パターン番号の文字色や太さなどの表示の態様を、有効の設定か無効の設定かに応じて変更してもよい。以下では、有効が設定されている制御パターン番号表示領域522と同じ制御パターン設定領域521に含まれる系統選択領域523を「有効な系統選択領域523」と記載し、無効が設定されている制御パターン番号表示領域522と同じ制御パターン設定領域521に含まれる系統選択領域523を「無効な系統選択領域523」と記載する。
【0025】
系統選択領域523には、系統を表すシンボル1~シンボル10が表示されている。シンボルn(nは1以上N以下の整数)は、シンボルnと対応付けて系統表示領域510に表示されている名称の空調系統を表す。有効な系統選択領域523において、制御パターンの設定操作が可能である。例えば、系統選択領域523におけるシンボルnの表示をクリックすることにより、シンボルnが表す空調系統の稼働と停止が切り替わる。
【0026】
同図では、制御パターン番号1の系統選択領域523において、シンボル1、2に停止が設定され、シンボル3-5に稼働が設定されている。停止が設置されているシンボル1、2は例えば緑で、稼働が設定されているシンボル3-5は赤色で、空調系統が割り当てられていないシンボル6-10は灰色で表示される。
【0027】
例えば、この表示状態でシンボル1の表示をクリックすると、シンボル1の設定が停止から稼働に切り替わり、表示は緑から赤に切り替わる。さらに、もう一度シンボル1をクリックすると、シンボル1の設定が稼働から停止に切り替わり、表示は赤から緑に切り替わる。このように、系統を表すシンボルの表示をクリックするだけで、系統を稼働するか停止するかを簡易に設定可能である。なお、シンボルの表示色に加えて、又は、代えて、シンボルの表示部分の背景色、文字の太さ、シンボルの数字を囲む図形の形状(例えば、丸と四角など)、図形の線の太さや線の種類などの表示の態様を、稼働の設定か停止の設定かに応じて変更してもよい。
【0028】
表示制御部151は、無効な系統選択領域523には全シンボルを灰色により表示し、制御パターンの設定操作を受け付けない。なお、無効な系統選択領域523にも制御パターンの設定操作を可能としてもよい。ただし、運転指示部152は、無効な系統選択領域523に設定された制御パターンを、輪番制御を構成する制御パターンに含めない。
【0029】
設定ボタン530が選択されると、運転指示部152は、輪番制御実行時、有効な系統選択領域523に設定された制御パターンを、制御パターン番号が小さいものから順に制御周期ごとに切り替えて実行するよう運転装置2に指示する。運転指示部152は、最も大きな制御パターン番号の制御パターンの実行後、最も制御パターン番号が小さい制御パターンに戻る。例えば、運転指示部152は、30分ごとに番号1→番号2→・・・→番号10→番号1→…の順に制御パターンを切り替える。
図3の場合、番号5までが設定されているため、運転指示部152は、番号1→番号2→・・・→番号5→番号1→…の順に制御パターンを切り替える。運転装置2は、運転指示部152から指示された制御パターンに従って各空調系統に稼働又は停止を指示する。なお、制御周期は任意に設定可能である。
【0030】
なお、系統選択領域523において、空調系統が割り当てられていないシンボル6~10については、上記のように灰色などの所定の色により表示してクリックによる稼働や停止の設定ができないようにてもよく、表示しなくてもよい。
【0031】
図4は、輪番制御パターン設定画面501の表示例を示す図である。表示制御部151は、
図3の輪番制御パターン設定画面500に代えて、同図に示す輪番制御パターン設定画面501を表示してもよい。
図4に示す輪番制御パターン設定画面501と、
図3に示す輪番制御パターン設定画面500とが異なる点は、系統表示領域510に代えて系統レイアウト表示領域540を有する点である。系統レイアウト表示領域540は、輪番制御パターンを設定する対象のゾーンにおける空調系統のレイアウトを、系統を表すシンボル511と対応付けて表示する。
【0032】
なお、
図3に示す輪番制御パターン設定画面500にレイアウト表示ボタンを設けてもよい。表示制御部151は、レイアウト表示ボタンがクリックされたことを検出した場合に、輪番制御パターン設定画面501の系統レイアウト表示領域540に表示されているような空調系統のレイアウトを示す画面を表示部12に表示する。
【0033】
図5は、空調管理装置1の処理を示すフロー図である。以下では、空調管理装置1が輪番制御パターン設定画面500を表示する場合を例に説明するが、輪番制御パターン設定画面501を表示する場合も同様の処理を行う。
【0034】
空調管理装置1の入力部11は、輪番制御パターンの設定対象となるゾーン(以下、「対象ゾーン」と記載する)を特定する情報を入力する(ステップS10)。表示制御部151は、対象ゾーンの空調を行う系統の情報を記憶部13に記憶される空調機系統データから取得する(ステップS20)。系統の情報は、空調系統の数と、空調系統の名称と、レイアウトとのうち少なくとも一方を示す。表示制御部151は、対象ゾーンの輪番制御パターンデータが記憶部13に未登録の場合、読み出した各系統の情報に、それぞれシンボル511を対応付ける。対象ゾーンの空調系統の系統数がn(nは2以上10以下の整数)である場合、表示制御部151は、各空調系統それぞれにシンボル1~シンボルnを割り当てる(ステップS30)。
【0035】
表示制御部151は、各系統の情報とシンボルとの対応付けに基づいて輪番制御パターン設定画面500を生成し、表示部12に表示する(ステップS40)。なお、対象ゾーンの輪番制御パターンデータが記憶部13に未登録の初期状態では、制御パターン番号1~10の全ての制御パターンの設定が無効、かつ、各制御パターンの全ての系統が停止であるとする。
【0036】
表示制御部151は、入力部11によりいずれかの制御パターン番号表示領域522がクリックされたか否かを判断する(ステップS50)。表示制御部151は、制御パターン番号表示領域522がクリックされたと判断した場合(ステップS50:YES)、その制御パターン番号表示領域522の設定を、現在無効であれば有効に、現在有効であれば無効に切り替える。表示制御部151は、有効に切り替えた場合、制御パターン番号表示領域522の表示を、有効を表す態様に切り替え、さらに、系統選択領域523の設定操作を可能にする。また、表示制御部151は、無効に切り替えた場合、制御パターン番号表示領域522の表示を、無効を表す態様に切り替え、さらに、系統選択領域523の設定操作を制限とする(ステップS60)。
【0037】
表示制御部151は、制御パターン番号表示領域522がクリックされていないと判断した場合(ステップS50:NO)、又は、ステップS60の処理の後、入力部11により有効な系統選択領域523のいずれかのシンボルがクリックされたか否かを判定する(ステップS70)。表示制御部151は、有効な系統選択領域523のシンボルがクリックされたと判断した場合(ステップS70:YES)、そのシンボルの設定を現在稼働であれば停止に、現在停止であれば稼働に切り替える。表示制御部151は、稼働に切り替えた場合、クリックされたシンボルの表示を、稼働を表す態様に切り替え、停止に切り替えた場合は、停止を表す態様に切り替える(ステップS80)。
【0038】
表示制御部151は、系統選択領域523のシンボルがクリックされていないと判断した場合(ステップS70:NO)、又は、ステップS80の処理の後、入力部11により設定ボタン530がクリックされた否かを判断する(ステップS90)。表示制御部151は、設定ボタン530がクリックされていないと判断した場合(ステップS90:NO)、ステップS50からの処理を繰り返す。
【0039】
表示制御部151は、設定ボタン530がクリックされたと判断した場合(ステップS90:YES)、運転指示部152に設定完了を通知する。運転指示部152は、輪番制御パターン設定画面500の輪番制御パターン設定領域520の設定内容に基づいて輪番制御パターンデータを生成する(ステップS100)。すなわち、運転指示部152は、制御パターン番号表示領域522に有効が設定されている制御パターン設定領域521のそれぞれから、系統選択領域523内の各シンボルの稼働又は停止の設定を読み出す。運転指示部152は、特定した制御パターン設定領域521別に、制御パターン番号表示領域522が表示していた制御パターン番号と、各シンボルの識別情報と、シンボルに割り当てられた空調系統の識別情報及び名称と、シンボルに設定された稼働又は停止を示す情報とを対応付けた制御パターンデータを生成する。運転指示部152は、生成した制御パターンデータを制御パターン番号が小さい順に並べて、対象ゾーンの輪番制御パターンデータを生成し、対象ゾーンの識別情報と対応付けて記憶部13に書き込む。なお、制御パターン番号が連続していない場合、制御パターン番号が小さい順に番号を振りなおす。
【0040】
運転指示部152は、予め設定された対象ゾーンの輪番制御の開始時刻になると、又は、入力部11により対象ゾーンの輪番制御の開始が入力されると、対象ゾーンの輪番制御パターンデータを記憶部13から読み出す。運転指示部152は、読み出した輪番制御パターンデータに従って輪番制御を行い、空調系統の稼働及び停止を運転装置2に指示する(ステップS110)。
【0041】
なお、表示制御部151は、対象ゾーンの輪番制御パターンデータがすでに記憶部13に登録されている場合、ステップS30の処理を行わず、輪番制御パターンデータから系統とシンボルの対応付けを読み出す。そして、表示制御部151は、ステップS40において、対象ゾーンの輪番制御パターンデータの設定内容を輪番制御パターン設定領域520に表示する輪番制御パターン設定画面500を生成し、表示部12に表示する。
【0042】
なお、表示制御部151は、ユーザが設定ボタン530を選択したときに、全シンボルに停止が設定されている場合、又は、全シンボルに稼働が設定されている場合に、エラーを表示部12に表示してもよい。
【0043】
なお、表示制御部151は、優先度が高い空調系統のシンボルについては稼働を設定して系統選択領域523に表示し、クリックによる切換えが行えないようにしてもよい。あるいは、表示制御部151は、ユーザが設定ボタン530を選択したときに、優先度が高い空調系統の稼働率を算出し、算出した稼働率が予め設定された閾値未満(閾値の上限は100%)であると判断した場合、警告を出力してもよい。例えば、優先度が高い空調系統Aについて、有効な制御パターン番号1~5のうち、制御パターン番号2~4に稼働が、制御パターン番号1、5に停止が設定されている場合、稼働率は60%である。閾値が80%であれば、表示制御部151は、稼働率が閾値に達していないため、空調系統Aの稼働率が閾値80%よりも低い旨を知らせるメッセージを表示部12に表示する。ユーザが入力部11により設定終了を入力した場合、運転指示部152は、制御パターン設定画面に設定された内容に従って輪番制御パターンデータを生成する。表示制御部151は、ユーザが入力部11により設定のやり直しを入力した場合には、設定ボタン530がクリックされたときの制御パターン設定画面を表示する。
【0044】
また、記憶部13にゾーン毎のモデルとなるデフォルトの輪番制御パターンデータを記憶しておいてもよい。あるいは、モデルの輪番制御パターンデータは、他のゾーンの輪番制御パターンデータとしてもよい。表示制御部151は、対象ゾーンのモデルとなる輪番制御パターンデータを記憶部13から読み出し、読み出した輪番制御パターンデータを表す初期表示の制御パターン設定画面を生成し、表示部12に表示する。
【0045】
また、表示制御部151は、過去に対象ゾーンの輪番制御を行ったなかでCOPが所定よりも良いときの輪番制御パターンデータを上記のモデルパターンとしてもよい。具体的には、表示制御部151は、記憶部13を参照し、過去に対象ゾーンの輪番制御を行ったときの稼働履歴データの中から外気温度が、これから行う輪番制御時の予測の外気温度と近く、かつ、COPが所定条件よりも良いときの稼働履歴データを特定する。表示制御部151は、特定した稼働履歴データが得られたときの対象ゾーンの輪番制御パターンデータをモデルパターンとして記憶部13から読み出す。
【0046】
また、対象ゾーンの輪番制御を行っているとき、及び、行っていないときの両者の稼働履歴データを用いて、外気温度等を入力として、COPが高い輪番制御パターンデータを生成するモデルパターン生成処理を機械学習してもよい。表示制御部151は、機械学習されたパターン生成処理により、これから行う輪番制御時の予測の外気温度などを入力として生成された輪番制御パターンデータを上記のモデルパターンとする。
【0047】
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、空調機の系統の種別は全て空調系統である。本実施形態では、空調機が外調機をさらに備える。この場合、空調管理装置1は、第1の実施形態における空調の系統を、空調系統及び外調機系統の2種類とする。すなわち、第1の実施形態における空調系統の一部を外調機系統と置き換えて同様の処理を行う。以下では、第1の実施形態との差分を中心に説明する。
【0048】
図6は、空調システム100aの構成図である。同図に示す空調システム100aが
図1に示す第1の実施形態の空調システム100と異なる点は、空調機3に代えて空調機3aを備える点である。空調機3aは、ビル用マルチエアコン30に加えて、1以上の外調機系統を備える。ビル用マルチエアコン30は、第1の実施形態と同様である。1つの外調機系統は、1以上の外調機34と1以上の給気口35を有する。外調機34は、ビル内に敷設されたダクトを介して、ゾーンに設けられた給気口35から外気をゾーン内に給気し、ゾーン内の空気を外に排気することによって、ビル内を換気する。さらに、外調機34は、冷媒との熱交換により生成した冷風を、各ゾーンにより給気する機能を有してもよい。
【0049】
各ゾーンは、ビル用マルチエアコン30の1以上の空調系統と、1以上の外調機系統の外調機34により空調が行われる。各ゾーンに設置されたセンサ4は、温度や湿度に加え、二酸化炭素濃度を検出し、検出値を運転装置2に通知する。空調管理装置1は、ゾーンごとに第1の実施形態と同様に空調効率を計算し、空調効率が向上するように空調機3aの運転を管理する。例えば、空調管理装置1は、ビル用マルチエアコン30に第1の実施形態と同様の制御を行い、さらに、各外調機系統の外調機34の停止又は稼働、給気温度等を運転装置2に指示する。運転装置2は、空調管理装置1からの指示に従って第1の実施形態と同様の制御信号等をビル用マルチエアコン30に出力する。さらに、運転装置2は、外調機34へ制御信号を送信する。制御信号の例として、外調機34へ発停を指示する制御信号、外調機34における冷媒の流量を指示する制御信号、外調機34へファンの回転量等を指示する制御信号等があるが、これらに限定されない。
【0050】
図7は、本実施形態の表示制御部151が表示部12に表示する輪番制御パターン設定画面502の画面イメージを示す図である。輪番制御パターン設定画面503の画面イメージは、
図3に示す第1の実施形態の輪番制御パターン設定画面501と同様である。ただし、輪番制御パターン設定画面502の系統表示領域510aには、シンボル511と対応付けられたビル用マルチエアコン30の空調系統の名称に加えて、シンボル511と対応付けられた外調機系統の名称が表示される。同図では、外調機系統の名称として、その外調機系統に設置される外調機34の名称を用いている。記憶部13に記憶される空調機系統データは、ゾーンの識別情報と、そのゾーンの空調を行う空調系統及び外調機系統それぞれの識別情報及び名称と、そのゾーンにおける空調系統及び外調機系統それぞれの設置位置を示すレイアウトとを対応付けた情報である。表示制御部151は、輪番制御パターンを設定する対象のゾーンの空調を行う空調系統及び外調機系統の情報を空調機系統データから読み出し、シンボルnと対応付けて系統表示領域510aに表示する。このように系統の種類によらず、外調機系統には空調系統と同様にシンボル511が割り当てられるため、輪番制御パターン設定画面501と同様の操作により外調機系統の稼働及び停止を含めた制御パターンを設定することができる。
【0051】
図8は、輪番制御パターン設定画面503の画面イメージを示す図である。本実施形態の表示制御部151は、
図7の輪番制御パターン設定画面502に代えて、同図に示す輪番制御パターン設定画面503を表示してもよい。
図7に示す輪番制御パターン設定画面502と、
図8に示す輪番制御パターン設定画面503とが異なる点は、系統表示領域510aに代えて、系統レイアウト表示領域540aを有する点である。系統レイアウト表示領域540aは、輪番制御パターンを設定する対象のゾーンにおける空調系統及び外調機系統のレイアウトを、系統を表すシンボル511と対応付けて表示する。なお、輪番制御パターン設定画面503に示すレイアウトでは室外機31は表示していない。各レイアウトにおいては、ゾーン内において各空調系統及び各外調機系統が主にカバーする空間を点線で示している。各空調系統が主にカバーする空間と各外調機系統が主にカバーする空間とは重複してもよい。なお、同図に示す輪番制御パターン設定画面503では、空調系統のレイアウトと外調機系統のレイアウトとを別に示しているが、1つのレイアウトで示してもよい。
【0052】
輪番制御パターン設定画面502又は503の設定ボタン530がクリックされた場合、運転指示部152は、輪番制御パターン設定領域520の設定内容に基づいて輪番制御パターンデータを生成する。すなわち、運転指示部152は、制御パターン番号表示領域522に有効が設定されている制御パターン設定領域521別に、制御パターン番号と、各シンボルの識別情報と、シンボルと対応付けられた空調系統又は外調機系統の識別情報及び名称と、シンボルに設定された稼働又は停止を示す情報とを対応付けた制御パターンデータを生成する。運転指示部152は、生成した制御パターンデータを制御パターン番号が小さい順に並べて輪番制御パターンデータを生成し、対象ゾーンの識別情報と対応付けて記憶部13に書き込む。
【0053】
運転指示部152は、対象ゾーンの輪番制御の開始時刻になると、又は、入力部11により対象ゾーンの輪番制御の開始が入力されると、対象ゾーンの輪番制御パターンデータを記憶部13から読み出す。運転指示部152は、読み出した輪番制御パターンデータに従って輪番制御を行い、空調機3aの空調系統及び外調機系統の稼働及び停止を運転装置2に指示する。ただし、輪番制御パターンデータに従って外調機34を停止させているときに、対象ゾーンのセンサ4から閾値を超える二酸化炭素濃度の検出値を受信した場合、停止していた外調機34の稼働を運転装置2に指示する。
【0054】
以上説明した実施形態によれば、輪番制御パターン設定画面により、制御周期ごとに、各空調系統の運転及び停止、又は、各空調系統及び各外調機系統の運転及び停止を設定可能である。また、輪番制御パターン設定画面では、例えば、10周期分の制御周期を設定可能としておき、10周期目の制御を終えたら、1周期目に戻るように輪番制御を行うことができる。また、制御周期番号をクリックすることによって、10周期以内の任意の制御周期数の輪番制御も設定可能である。
【0055】
また、実際の系統の名称に制御パターンの設定に用いるシンボルを紐付け、そのシンボルに対してクリックなどの所定のユーザ操作を行って各系統の稼働と停止を設定するため、特定のゾーンに依存せずに制御パターンを設定可能である。また、シンボルと実際の空調系統及び外調機系統の名称やレイアウトとの対応付けを表示することによって、系統を確認しながら稼働又は停止を設定可能である。例えば、縦の行に制御周期、横の列に空調系統の名称及び外調機系統の名称を表示して1つの表で運転/停止の設定をする画面では、名称が長くなると1画面に表示できなくなるが、本実施形態では、1画面に表示が可能である。なお、所定のユーザ操作は、クリックに限定されない。例えば、所定のユーザ操作は、ダブルクリックでもよく、表示部12がタッチパネルであれば、シンボルの表示部分を所定回タップする操作であってもよい。
【0056】
このように10周期、10系統分の制御パターンを可能な輪番制御パターン設定画面を用意しておくことで、ユーザは、同じ設定フォームによって複数ゾーンの設定を行うことが可能となる。また、例えば、系統数が5であれば、3系統ずつ稼働させる、2系統ずつ稼働させる、同時に稼働又は停止させる系統を隣接した又は隣接しない系統とする、同じ制御パターンを続けて行うなど、さまざまな輪番制御パターンをユーザが柔軟にかつ簡易に設定可能である。
【0057】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、表示制御部を持つことにより、指定されたゾーンの空調を行う複数の系統それぞれを各制御周期において稼働させるか停止させるかの制御パターンを、輪番制御パターン設定画面に各制御周期の識別情報に対応付けて表示される、各系統それぞれが割り当てられたシンボルに対して入力部によりクリック等の所定の操作を行い、設定することができる。従って、ユーザは簡易な操作により、輪番制御の制御パターンを設定することが可能となる。
【0058】
上述した実施形態における空調管理装置1及び運転装置2の一部又は全ての機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、空調管理装置1及び運転装置2の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0060】
1…空調管理装置、2…運転装置、3…空調機、3a…空調機、4…センサ、11…入力部、12…表示部、13…記憶部、14…通信部、15…処理部、30…ビル用マルチエアコン、31…室外機、32…室内機、34…外調機、35…給気口、151…表示制御部、152…運転指示部、153…稼働履歴生成部、100…空調システム、100a…空調システム