IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社フォーラムエンジニアリングの特許一覧

<>
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図1
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図2
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図3
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図4
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図5
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図6
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図7
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図8
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図9
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図10
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図11
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図12
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図13
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図14
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図15
  • 特許-シラバスを利用したマッチング装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】シラバスを利用したマッチング装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220228BHJP
【FI】
G06Q10/10 322
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018052946
(22)【出願日】2018-03-20
(65)【公開番号】P2019164678
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】502419269
【氏名又は名称】株式会社フォーラムエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(72)【発明者】
【氏名】竹内 政博
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-044280(JP,A)
【文献】特開平11-338881(JP,A)
【文献】特開2004-240925(JP,A)
【文献】特開2005-332037(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0231330(US,A1)
【文献】▲高▼橋 和生,技術用語の類似度を用いた研究室配属支援システムの検討,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2016年01月14日,第115巻 第410号,pp.47-51,ISSN 0913-5685
【文献】野澤 孝之,シラバス-専門用語の相互クラスタリングを用いたカリキュラム分析システムの改善,知能と情報,日本,日本知能情報ファジィ学会,2005年10月15日,第17巻 第5号,pp.569-586,ISSN 1347-7986
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
求人者が求めるスキル項目の集合を含む要求スキル情報を生成する第1受付部と、
前記要求スキル情報を記憶する第1記憶部と、
求職者の履修科目の情報である履修科目情報の入力を受け付ける第2受付部と、
前記履修科目情報を記憶する第2記憶部と、
科目ごとに定められたシラバスを受け付ける第3受付部と、
様々なシラバスの集合であるシラバス群の情報を記憶する第3記憶部と、
前記要求スキル情報、前記履修科目情報、および前記シラバス群の情報に基づいて前記求人者の要求能力と前記求職者の保有能力とのマッチングスコアを計算するスコア計算部と、を備え、
前記スコア計算部は、
前記履修科目情報に含まれる個々の履修科目と結びつくシラバスを履修シラバスとして前記第3記憶部から抽出する抽出処理と、
スキルに関連する用語として前記履修シラバスに含まれているシラバス要素の集合と、前記要求スキル情報とに基づいて、前記マッチングスコアを計算するスコア計算処理と、
を実行することを特徴とするシラバスを利用したマッチング装置。
【請求項2】
前記マッチング装置は、
予め定義された複数のクラスタの夫々が、如何なるスキル群に割り当てられているかを記憶している第4記憶部と、
前記シラバスの夫々が前記複数のクラスタの何れに結び付いているかを定めたシラバス・クラスタ結合規則を記憶している第5記憶部と、を更に備え、
個々のシラバスが前記複数のクラスタの何れに結び付くかは、当該シラバスに含まれているシラバス要素の集合に基づいて決定されており、
前記スコア計算処理は、
前記シラバス・クラスタ結合規則に従って、前記履修シラバスの夫々を適切なクラスタに割り振るシラバス割り振り処理と、
前記要求スキル情報に含まれるスキル項目の夫々を、当該スキル項目が属するべきスキル群をカバーするクラスタに割り振るスキル項目割り振り処理と、
前記複数のクラスタに割り振られた前記履修シラバスの分布と前記スキル項目の分布との対比に基づいて前記マッチングスコアを計算する計算実行処理と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のマッチング装置。
【請求項3】
前記マッチング装置は、
前記スキル項目の夫々が前記シラバスの何れに結び付いているかを定めたスキル項目・シラバス結合規則を記憶している第6記憶部を更に備え、
個々のスキル項目が個々のシラバスに結び付くか否か、当該シラバスに当該スキル項目に対応するシラバス要素が含まれているか否かに基づいて決定されており、
前記スキル項目割り振り処理は、
前記要求スキル情報に含まれるスキル項目の夫々を、前記スキル項目・シラバス結合規則に従って、対応するシラバスに結び付けるスキル項目・シラバス結合処理と、
当該対応するシラバスに結び付くクラスタを前記シラバス・クラスタ結合規則に従って決定する決定処理と、
前記スキル項目の夫々を、当該決定処理により決定されたクラスタに割り振る処理と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載のマッチング装置。
【請求項4】
前記計算実行処理は、
全クラスタに割り振られた配点の合計が満点となるように、個々のクラスタに対して、前記スキル項目の分布に基づいて配点を割り振る配点設定処理と、
クラスタごとに、当該クラスタに割り振られた前記履修シラバスに結び付く前記履修科目の成績および単位数に基づいて、獲得スコアを計算する獲得スコア計算処理と、
クラスタごとに、前記成績が基準成績であり、かつ、前記単位数が基準単位数である場合の前記獲得スコアを、基準スコアとして計算する基準スコア計算処理と、
クラスタごとに、次式に従ってクラスタスコアを計算するクラスタスコア計算処理と、
(クラスタスコア)=(配点)×(獲得スコア)/(基準スコア)
全クラスタの前記クラスタスコアの和を前記マッチングスコアとして計算する処理と、
を含むことを特徴とする請求項2または3に記載のマッチング装置。
【請求項5】
前記要求スキル情報は、前記スキル項目ごとに定められた重要度を含み、
前記配点設定処理は、
前記要求スキル情報に含まれている前記スキル項目の夫々について、前記重要度を反映させたスキル項目点を設定するスキル項目点設定処理と、
クラスタごとに、前記スキル項目点を合計してクラスタ合計点を計算する処理と、
次式に従って個々のクラスタの配点を計算する処理と、
(配点)=(満点)*(当該クラスタのクラスタ合計点)/(全クラスタのクラスタ合計点の和)
を含むことを特徴とする請求項4に記載のマッチング装置。
【請求項6】
前記スキル項目の集合をスキルの関連性に従ってツリー構造とした辞書ノードツリーを記憶する第7記憶部を更に備え、
前記求人者が求めるスキル項目は、前記第1受付部を介して直接指定される直接スキル項目と、前記辞書ノードツリーにおいて当該直接スキル項目と密接な関係を有する間接スキル項目とを含み、
直接スキル項目と間接スキル項目の夫々に適用する重みを記憶する第8記憶部を更に備え、
前記スキル項目点設定処理は、前記直接スキル項目の前記スキル項目点には直接スキル項目の重みを反映させ、前記間接スキル項目の前記スキル項目点には間接スキル項目の重みを反映させる処理を更に含むことを特徴とする請求項5に記載のマッチング装置。
【請求項7】
前記シラバスは、前記科目を提供する教育機関の偏差値の情報を含み、
前記獲得スコア計算処理は、前記履修科目を提供した教育機関の偏差値を前記獲得スコアに反映させる処理を含むことを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項に記載のマッチング装置。
【請求項8】
前記シラバスは、前記科目の難易度の情報を含み、
前記獲得スコア計算処理は、前記履修科目の難易度を前記獲得スコアに反映させる処理を含むことを特徴とする請求項4乃至7の何れか1項に記載のマッチング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シラバスを利用したマッチング装置に係り、特に、学生の採用を希望する企業と就職を希望する学生とのマッチングスコアを算出するうえで好適なシラバスを利用したマッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2003-162651号公報)には、求人情報と求職情報との一致度に基づいて求人側の要求と、求職側のスキルとのマッチングスコアを計算するシステムが開示されている。特許文献1において、求人情報は、受注した分野の業務を行う人材を求める求人側企業によって提供される。一方、求職情報は、各分野の知識を有する人材群を派遣可能な求職側企業により提供される。
【0003】
求人情報には、例えば、業種、業務に用いられるオペレーティングシステム(OS)、開発言語、データベース(DB)、開発工程などの項目が含まれる。他方、求職情報には、例えば、求職者のコンピュータに関わる業務歴ごとに、職種、OS、開発言語、DB、開発工程などの項目が含まれる。
【0004】
特許文献1には、それらの項目ごとの一致不一致を判断し、その結果をマッチングスコアとして数値化する手法が開示されている。このような手法によれば、求人側企業の要求と、求職側企業に属する個々の求職者のスキルとの親和性を適切に数値化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-162651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、就職を希望する学生の採否を企業が判断する際には、学生が履修科目の成績表を提出し、企業が、その成績表から、望ましい能力をその学生が有しているかを判断するのが一般的である。特許文献1の手法によれば、例えば、企業から、求める能力に関連する科目が求人情報として提供され、かつ、学生から成績表が求職情報として提供されれば、企業と学生のマッチングスコアを算出することができる。このようなマッチングスコアが分かれば、企業は、採用活動に要する労力を削減することができ、また、学生は、自己の能力を高く評価してくれる企業を容易に見分けることができる。
【0007】
しかしながら、学生が履修する科目は、科目名が同じであっても、必ずしもその内容が一緒ではない。このため、企業が求める能力に関連する科目と、学生の成績表に記載されている履修科目との一致不一致は、企業が求める能力と学生が持っている能力とのマッチング度合いを正しく表さない場合がある。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、科目ごとに準備されるシラバスの内容を利用することにより、求人者が求める能力と、求職者が持っている能力との合致度を正しく表すマッチングスコアを算出するマッチング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、シラバスを利用したマッチング装置であって、
求人者が求めるスキル項目の集合を含む要求スキル情報を生成する第1受付部と、
前記要求スキル情報を記憶する第1記憶部と、
求職者の履修科目の情報である履修科目情報の入力を受け付ける第2受付部と、
前記履修科目情報を記憶する第2記憶部と、
科目ごとに定められたシラバスを受け付ける第3受付部と、
様々なシラバスの集合であるシラバス群の情報を記憶する第3記憶部と、
前記要求スキル情報、前記履修科目情報、および前記シラバス群の情報に基づいて前記求人者の要求能力と前記求職者の保有能力とのマッチングスコアを計算するスコア計算部と、を備え、
前記スコア計算部は、
前記履修科目情報に含まれる個々の履修科目と結びつくシラバスを履修シラバスとして前記第3記憶部から抽出する抽出処理と、
スキルに関連する用語として前記履修シラバスに含まれているシラバス要素の集合と、前記要求スキル情報とに基づいて、前記マッチングスコアを計算するスコア計算処理と、
を実行することを特徴とする。
【0010】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記マッチング装置は、
予め定義された複数のクラスタの夫々が、如何なるスキル群に割り当てられているかを記憶している第4記憶部と、
前記シラバスの夫々が前記複数のクラスタの何れに結び付いているかを定めたシラバス・クラスタ結合規則を記憶している第5記憶部と、を更に備え、
個々のシラバスが前記複数のクラスタの何れに結び付くかは、当該シラバスに含まれているシラバス要素の集合に基づいて決定されており、
前記スコア計算処理は、
前記シラバス・クラスタ結合規則に従って、前記履修シラバスの夫々を適切なクラスタに割り振るシラバス割り振り処理と、
前記要求スキル情報に含まれるスキル項目の夫々を、当該スキル項目が属するべきスキル群をカバーするクラスタに割り振るスキル項目割り振り処理と、
前記複数のクラスタに割り振られた前記履修シラバスの分布と前記スキル項目の分布との対比に基づいて前記マッチングスコアを計算する計算実行処理と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のマッチング装置。
【0011】
また、第3の発明は、第2の発明において、前記マッチング装置は、
前記スキル項目の夫々が前記シラバスの何れに結び付いているかを定めたスキル項目・シラバス結合規則を記憶している第6記憶部を更に備え、
個々のスキル項目が個々のシラバスに結び付くか否か、当該シラバスに当該スキル項目に対応するシラバス要素が含まれているか否かに基づいて決定されており、
前記スキル項目割り振り処理は、
前記要求スキル情報に含まれるスキル項目の夫々を、前記スキル項目・シラバス結合規則に従って、対応するシラバスに結び付けるスキル項目・シラバス結合処理と、
当該対応するシラバスに結び付くクラスタを前記シラバス・クラスタ結合規則に従って決定する決定処理と、
前記スキル項目の夫々を、当該決定処理により決定されたクラスタに割り振る処理と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載のマッチング装置。
【0012】
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、前記計算実行処理は、
全クラスタに割り振られた配点の合計が満点となるように、個々のクラスタに対して、前記スキル項目の分布に基づいて配点を割り振る配点設定処理と、
クラスタごとに、当該クラスタに割り振られた前記履修シラバスに結び付く前記履修科目の成績および単位数に基づいて、獲得スコアを計算する獲得スコア計算処理と、
クラスタごとに、前記成績が基準成績であり、かつ、前記単位数が基準単位数である場合の前記獲得スコアを、基準スコアとして計算する基準スコア計算処理と、
クラスタごとに、次式に従ってクラスタスコアを計算するクラスタスコア計算処理と、
(クラスタスコア)=(配点)×(獲得スコア)/(基準スコア)
全クラスタの前記クラスタスコアの和を前記マッチングスコアとして計算する処理と、
を含むことを特徴とする。
【0013】
また、第5の発明は、第4の発明において、
前記要求スキル情報は、前記スキル項目ごとに定められた重要度を含み、
前記配点設定処理は、
前記要求スキル情報に含まれている前記スキル項目の夫々について、前記重要度を反映させたスキル項目点を設定するスキル項目点設定処理と、
クラスタごとに、前記スキル項目点を合計してクラスタ合計点を計算する処理と、
次式に従って個々のクラスタの配点を計算する処理と、
(配点)=(満点)*(当該クラスタのクラスタ合計点)/(全クラスタのクラスタ合計点の和)
を含むことを特徴とする。
【0014】
また、第6の発明は、第5の発明において、
前記スキル項目の集合をスキルの関連性に従ってツリー構造とした辞書ノードツリーを記憶する第7記憶部を更に備え、
前記求人者が求めるスキル項目は、前記第1受付部を介して直接指定される直接スキル項目と、前記辞書ノードツリーにおいて当該直接スキル項目と密接な関係を有する間接スキル項目とを含み、
直接スキル項目と間接スキル項目の夫々に適用する重みを記憶する第8記憶部を更に備え、
前記スキル項目点設定処理は、前記直接スキル項目のスキル項目点には直接スキル項目の重みを反映させ、前記間接スキル項目のスキル項目点には間接スキル項目の重みを反映させる処理を更に含むことを特徴とする。
【0015】
また、第7の発明は、第4乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記シラバスは、前記科目を提供する教育機関の偏差値の情報を含み、
前記獲得スコア計算処理は、前記履修科目を提供した教育機関の偏差値を前記獲得スコアに反映させる処理を含むことを特徴とする。
【0016】
また、第8の発明は、第4乃至第7の発明の何れかにおいて、
前記シラバスは、前記科目の難易度の情報を含み、
前記獲得スコア計算処理は、前記履修科目の難易度を前記獲得スコアに反映させる処理を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明によれば、求職者は、科目ではなくスキル要素を指定することで求人者に対する要求能力を示すことができる。一方、求職者は、スキル要素ではなく履修科目情報により自己の保有能力を示すことができる。スコア計算部では、履歴科目と結び付く履修シラバスが抽出される。履修シラバスに含まれるシラバス要素の集合は、求職者が履修科目を介して取得した全てのスキルの集合であり、求職者の保有能力をスキルのリストで表すものとなる。他方、求人者が求めるスキル項目の集合である要求スキル情報は、求人者の要求能力をスキルのリストで表したものである。このため、それら両者を基礎としてマッチングスコアを計算する本発明によれば、求人者の要求能力と求職者の保有能力との整合性を正しく表すマッチングスコアを計算することができる。
【0018】
第2の発明によれば、個々のシラバスは、夫々に含まれているシラバス要素の集合に基づいて、何れかのクラスタに割り振られている。シラバスに「この講義では○○に代えて××を学ぶ」のような記述がある場合、○○は、講義では触れられることがないが、スキルに関連する用語であるためシラバス要素として取り上げられることがある。このような場合でも、一般には、大多数のシラバス要素が講義で触れられるスキルに関連する用語であるため、シラバスとクラスタの結び付けは正しく行うことができる。本発明では、求職者が履修科目を特定すれば、その履修科目と結び付く履修シラバスが何れかのクラスタに割り振られる。上記の通りシラバスとクラスタは正しく結びついている。このため、複数のクラスタ上の履修シラバスの分布は、それらのクラスタ上の求職者の履修科目の分布、つまり、求職者の保有能力の分布を正しく表す。求人者が指定するスキル項目と求職者の履修科目に結び付くシラバス要素とを直接対比すると、上記の○○のような用語に関するスキルについて誤った整合判断がなされることがある。これに対して、本発明では、求人者の要求能力と求職者の保有能力が、複数のクラスタ上の両者の分布で判断される。この場合、上記の○○のような用語に起因する誤りが生じ無いため、より正しいマッチングスコアを得ることができる。
【0019】
第3の発明によれば、スキル項目は、関連するシラバス要素が含まれるシラバスと結び付けられる。個々のシラバスは、シラバス要素に基づいて何れかのクラスタに結び付けられる。本発明では、上記2つの結び付きを繋げることにより、個々のスキル項目を何れかのクラスタに結びつけることができる。このため、本発明によれば、求人者が求めるスキル項目の、複数のクラスタ上での分布を、簡単な処理により正確に生成することができる。
【0020】
第4の発明によれば、スキル項目の分布に基づいて各クラスタの配点が算出される。そして、(配点)×(獲得スコア)/(基準スコア)の演算式により、クラスタごとのクラスタスコアが計算される。対象クラスタに関するスキルのマスタ度合いは、そのクラスタに属する履修科目の単位数が多いほど、また、それらの履修科目の生成が良いほど、高いと推定できる。本発明では、「獲得スコア」が、対象クラスタに結び付く履修科目の単位数と成績に基づいて計算されるため、その値は、当該クラスタに関連するスキルのマスタ度合いを表すものとなる。基準スコアは、基準成績と基準単位数に対応する獲得スコアである。従って、上記演算式のうち(獲得スコア)/(基準スコア)の部分は、(求人者のマスタ度合い)/(基準のマスタ度合い)で表される比率に等しい。上記の演算式において、(配点)は、求人者から見たそのクラスタの重要性である。このため、上記の演算式によれば、クラスタの重要性と、そのクラスタについての求職者のマスタ度合いとが反映された数値がクラスタスコアとなる。本発明によれば、そのようなクラスタスコアの和をマッチングスコアとすることで、求人者の要求能力と求職者の保有能力との整合性を正しく数値化することができる。
【0021】
第5の発明によれば、求人者は、スキル項目ごとに重要度を定めることができる。そして、本発明では、スキル項目ごとに、その重要度が反映されたスキル項目点が設定され、更に、個々のクラスタに結び付くスキル項目点の合計がクラスタ合計点とされる。このようにして設定されるクラスタ合計点を用いて、(満点)*(当該クラスタのクラスタ合計点)/(全クラスタのクラスタ合計点の和)の演算式により(配点)を計算すれば、個々のスキル項目に与えられた重要度を、適切に(配点)に反映させることができる。
【0022】
第6の発明によれば、スキル項目は、辞書ノードツリーによってツリー状に整理されている。求人者が辞書ノード上のスキル項目を指定すると、そのスキル項目が直接スキル項目として認識されると共に、ツリー構造においてその直接スキル項目と密接な関係を有するスキル項目が間接スキル項目として認識される。そして、直接スキル項目および間接スキル項目は、夫々シラバスを介して何れかのクラスタに結び付けられる。これにより、本発明によれば、求人者の要求能力を、間接スキル項目をも含む分布で表すことができる。また、本発明では、直接スキル項目のスキル項目点には「直接」に見合う重みが与えられ、また、間接スキル項目のスキル項目点には「間接」に見合った重みが与えられる。このため、本発明で計算される(配点)には、直接スキル項目の有無が間接スキル項目の有無より大きく反映される。その結果、求人者の意図を正しく反映した(配点)を設定することができる。
【0023】
第7の発明によれば、求職者の獲得スコアに、履修科目を提供した教育機関の偏差値を反映させることができる。一般に、科目についての履修者のマスタ度合いは、その科目を提供する教育機関の水準、即ち偏差値と相関を有する。本発明によれば、偏差値の影響を獲得スコアに反映させることにより、マッチングスコアの精度を更に高めることができる。
【0024】
第8の発明によれば、求職者の獲得スコアに、履修科目の難易度を反映させることができる。一般に、科目についての履修者のマスタ度合いは、その科目の難易度が高いほど高くなる。本発明によれば、履修科目の難易度の影響を獲得スコアに反映させることにより、マッチングスコアの精度をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施の形態1のマッチング装置を含むネットワークの概要を説明するための図である。
図2図1に示す管理サーバのハードウェア構成を説明するための図である。
図3】求職者である学生が成績を入力するための入力画面の一例を示す図である。
図4】スキルの関連性に従ってツリー構造とされたスキル項目の集合を含む辞書ノードツリーの例を示す図である。
図5】求人者が要求能力を特定するために入力する情報の一例を示す図である。
図6】教育機関である大学が科目ごとに発行するシラバスに含まれる情報の一部である。
図7図6に示す項目のうち授業概要、学習到達目標、授業計画等として提供される文章例を示す図である。
図8】辞書ノードツリーの辞書ノードとシラバスとの結び付きを説明するための図である。
図9】本発明の実施の形態1において、求人者が求めるスキル項目並びに求職者の履修科目が割り振られる複数のクラスタの一覧の例を示す図である。
図10】シラバスとクラスタとの結び付きを説明するための図である。
図11】求職者の履修科目を複数のクラスタに割り振る手法を説明するための図である。
図12】辞書ノードツリーの辞書ノードとシラバスとの結び付きの具体例を示す図である。
図13】求人者によって指定されたスキル項目(即ち辞書ノード)を複数のクラスタに割り振る手法を説明するための図である。
図14】複数のクラスタの夫々に与える配点を計算する手法を説明するための図である。
図15】特定のクラスタについて求職者が有する獲得スコアを計算するための準備処理を説明するための図である。
図16】特定のクラスタについてのクラスタスコアを計算する手法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1のマッチング装置を含むネットワークの概要を説明するための図である。本実施形態のマッチング装置は管理サーバ10を備えている。管理サーバ10はネットワーク12を介して、複数の端末14,16と繋がっている。図1において、符号14を付して示す端末は、人材を募集する求人者である企業の端末である。また、符号16を付して示す端末は、就職を希望する学生等の求職者の端末である。以下、これらを「求人者端末14」及び「求職者端末16」と称する。
【0027】
図2は、管理サーバ10のハードウェア構成を示す。管理サーバ10は、一般的なコンピュータシステムで構成されており、中央プロセッサ(CPU)18を備えている。CPU18には、通信バス20を介してROM22、RAM24、ストレージ26等のメモリが接続されている。通信バス20には、更に、通信インターフェース28、並びに、ユーザインターフェースとなる操作部30及び表示部32が接続されている。管理サーバ10は、ROM22に格納されているプログラムをCPU18が実行することにより、マッチング装置としての機能を実現する。
【0028】
図3は、求職者端末16に表示される成績入力画面34の一例を示す。本実施形態におおいて、求職者である学生には、自己の保有能力を明らかにするために、この画面34において、大学名、履修科目名、科目ごとの成績等を含む履修科目情報を入力することが求められる。図3に示す成績入力画面34には大学の偏差値が表示されている。この偏差値の情報は、入力された大学名に応じて、管理サーバ10側から求職者端末16に提供される。
【0029】
成績入力画面34では、図3に示す情報に加えて、各科目の単位数および難易度、更には、成績が何段階評価であるか、などの情報を入力させることとしてもよい。また、科目の難易度は、その科目が何学年で提供されるのか、の情報に置き換えてもよい。この場合、高学年で提供される科目ほど難易度が高いと判断されることになる。
【0030】
図4は、管理サーバ10が記憶する辞書ノードツリー36の一例を示す。辞書ノードツリーには、ツリー構造に階層化された複数の辞書ノード38が含まれている。辞書ノード38は何れも、スキルの内容や分野を表す項目(以下、「スキル項目」と称す)としての意味を有し、上位概念と下位概念、或いは全体と部分、といった関連に従って整理されている。例えば、「製品・部品」の辞書ノード38には、「自動車関連」を含む幾つかの製品または部品の辞書ノード38が結び付けられている。また、「自動車関連」の辞書ノード38には「内装部品」を含む幾つかの自動車関連要素の辞書ノード38が結び付けられている。図4では表示を省略しているが、辞書ノード38の夫々には、「1001」「1002」・・・といった固有コードが与えられている。
【0031】
図5は、求人者である企業が、特定の求人案件について求職者に求める能力(以下、「要求能力」とする)を明らかにするために提供する要求スキル情報の一例を示す。この要求スキル情報は、求人者端末14から入力される。本実施形態において、求人者には、求人案件毎に要求するスキル項目を辞書ノード38で指定すること、および個々のスキル項目の重要度を指定すること、が求められる。図5に示す案件例では、辞書ノード「1001」に対応するスキル項目が重要度「5」で求められており、また、辞書ノード「1002」に対応するスキル項目が重要度「4」で求められている。重要度は、1~5の5段階であり、数値があがるほど重要度が増すものとする。
【0032】
社会経験を持たない学生等の求職者は、一般に、スキルによって自己の保有能力を明らかにすることが難しい。このため、就職を希望する学生は、通常、図1に示すような履修科目の情報を企業に提出する。他方、求人者である企業は、履修科目そのものではなく、図4の辞書ノード38が示すようなスキル項目に着目して求人者の採用条件を設定するのが通常である。そして、企業の採用活動では、学生の履修科目や成績から要求スキルの習熟度合いを推定し、学生の保有能力がその要求を満たしているか否かを判断することになる。
【0033】
しかしながら、科目名が同じであっても、例えばその科目を提供する教育機関が異なれば、科目の実体が異なったものとなることがある。このため、求人者が、履修科目そのものに着目して求職者の能力を判断すると、能力上の適正が低い求職者を採用してしまうこと、或いは、能力上の適正が高い求職者を不採用としてしまうことが起こり得る。
【0034】
図6は、本実施形態において管理サーバ10が保管しているシラバスに含まれる情報の例を列記している。大学等の教育機関は、学生に提供する科目の夫々について、その科目の概要や到達目標を概説するシラバスを準備する。本実施形態では、管理サーバ10が、多数の大学等が科目ごとに発行する膨大なシラバスの情報を保管している。但し、シラバスの情報は必ずしも管理サーバ10に保管しておく必要はなく、管理サーバ10または他のコンピュータから、管理サーバ10の管理者が必要に応じてその情報にアクセスできる状態になっていればよい。
【0035】
図6に列記される項目のうち「配当年次」とは、このシラバスに係る科目が何年次の学生に提供されるものであるかを示す。本実施形態では、配当年次が高いほど、科目の難易度が高いと判断される。図6に示す項目のうち「成績(スケール統一後)」とは、このシラバスに係る科目の成績が何段階で評価されるかに関わる情報である。科目の成績は、優・良・可・不可のような4段階で示されることもあれば、より多くの段階で示されることもある。この欄の情報は、評価規則の異なる様々な成績を比較可能な状態に揃えるために用いられる。この情報は、学生等の求人者に補完させることとしてもよい。
【0036】
図7は、シラバスに含まれる科目の「概要」の一例を示す。この例には、○○大学、工学部、機械システム工学科の『システム制御II』の概要が示されている。求職者が提出した履修科目情報を評価する際に、このようなシラバスを合わせて参照すれば、個々の履修科目の実体を正しく把握することができる。そして、履修科目の実体が正しく判れば、求職者の履修科目が、自己の要求するスキル項目群をどの程度カバーしているかを正しく判断することができる。そこで、本実施形態では、企業等から提供される要求スキル情報と、学生等から提出される履修科目情報を、シラバスの情報を介在させたうえで対比させ、その対比の結果から両者のマッチングスコアを計算することとした。以下、マッチングスコアを算出するために本実施形態において行われる具体的処理の内容を説明する。
【0037】
図8は、辞書ノードツリー36とシラバス40との結び付きを説明するための図である。具体的には、図8の右側に示すシラバスツリーは、単一のシラバス40に含まれる複数のシラバス要素42をツリー構造状に表したものである。一つのシラバス40には、スキルに関連する様々なキーワードが含まれている。ここでは、そのようなキーワードを「シラバス要素」と称する。例えば、上記図7に示すシラバスには、「システム制御」「古典制御理論」「制御理論」「制御システム」「周波数領域」「解析」「設計法」「現代制御理論」「時間領域」「設計」といったシラバス要素が含まれている。このようなシラバス要素42は、既存のソフトウェアを用いてシラバス40から抽出し、図8に示すように整理することができる。
【0038】
図8の左側には、ツリー構造に整理された複数の辞書ノード38を有する辞書ノードツリー36(図4参照)が示されている。辞書ノード38は、上記の通り、求人者である企業等が求職者に求めるスキル項目を指定するために用いられるものであり、夫々が特定のスキル項目としての意味を有している。そして、本実施形態において、辞書ノード38の夫々は、関連が認められる全てのシラバス40と予め結び付けられている。管理サーバ10は、その結び付きに関する情報を記憶している。
【0039】
特定の辞書ノード38が特定のシラバス40と結び付くか否かは、その辞書ノード38と関連するシラバス要素42が、そのシラバス40に含まれているかにより判断される。辞書ノード38とシラバス要素42が関連するか否かは、既定の規則に従って判断される。例えば、両者が一致する場合は、それらの関連が認められる。より具体的には、辞書ノード38が「内燃機関」を意味する場合は、シラバス要素42として「内燃機関」を含む全てのシラバス40が、その辞書ノード38に関連するとして結び付けられる。更に、「内燃機関」と関連する用語として「機関」等の同義語または類義語を定義しておき、それらの同義語または類義語を含むシラバス40を「内燃機関」と対応するものに含めてもよい。
【0040】
履修科目の科目名は、その科目が取り扱うスキル項目を実体的に明らかにするものではない。このため、科目名そのものと辞書ノード38との対比から、両者が合致しているか否かを判断するのは困難である。また、シラバス40そのものは、シラバス要素42の集合、つまり、スキル要素の集合である。このため、シラバス40そのものと辞書ノード38との対比から、それらが合致しているか否かを判断することも困難である。
【0041】
これに対して、シラバス要素42は、辞書ノード38と同様に単一のスキル項目を指し示す概念である。このため、シラバス要素42と辞書ノード38については、両者の対比に基づいて合致の有無を判断することが可能である。このため、指定された辞書ノード38の集合と、履修科目のシラバス40に含まれるシラバス要素42の集合とを対比させれば、求人者の要求能力と求職者の保有能力とのマッチングスコアをある程度の精度で計算することができる。
【0042】
しかしながら、シラバスの中には現実には科目の中で取り扱われることのないスキル項目に関連するシラバス要素が含まれていることがある。例えば、上記図7に示すシラバスは、『システム制御II』の科目では「古典制御理論」ではなく「現代制御理論」を取り扱うことを明らかにしている。この場合、「古典制御理論」は、抽出のためのソフトウェアや手作業チェックの仕方によっては、科目中で取り扱われないにも関わらずシラバス要素として抽出されてしまうことがある。
【0043】
このため、辞書ノード38とシラバス要素42とを直接対比させた場合、上記の「古典制御理論」のようなシラバス要素42については、求職者が対応スキルを有しないにも関わらず、求職者がそのスキルを有しているものとしてマッチングスコアが計算されることになる。この点、辞書ノード38とシラバス要素42との直接対比の結果に基づいてマッチングスコアを計算する手法は、必ずしも理想的なものではない。
【0044】
図9は、本実施形態において用いられるクラスタ44の一覧を示す。図9に示すクラスタ44は、スキルの分野46ごと、例えば、「機械」「電気」「材料」「物理」等の分野46ごとに整理されている。この例において「機械」の分野46には、「機械工学」「○○学」「××学」といった典型的な科目名が付された複数のクラスタ44が属している。他の分野46についても同様である。個々のクラスタ44は、大学等の教育機関から収集した多数のシラバスから抽出したシラバス要素にクラスタ分析を施し、その分析の結果に基づいて設定された有限個数のクラスタのうちの一つである。クラスタ44の総数は任意に設定することができるが、例えば、22個程度であってもよい。
【0045】
図10は、シラバス40とクラスタ44との結び付きを説明するための図である。上述した通り、単一のシラバス40には、複数のシラバス要素42が含まれている。同じシラバス40に含まれる個々のシラバス要素42は、互いに異なるクラスタ44に属することがある。しかし、単一のシラバス40に含まれるシラバス要素42の多くは、そのシラバス40が属するべきクラスタ44に集中し易い。
【0046】
本実施形態では、個々のシラバス40を、そこに含まれるシラバス要素42が最も集中する単一のクラスタ44だけに結び付けることとしている。このような手法によれば、科目中で取り扱われないシラバス要素42の影響が抑えられ、シラバス40を、高い確率で適切なクラスタ44に結び付けることができる。管理サーバ10は、図9に示すクラスタ44の情報に加えて、個々のシラバス40がどのクラスタ44と結び付いているかを記憶している。
【0047】
図11は、求職者の履修科目をクラスタに割り振る手法を説明するための図である。図11の上段は、管理サーバ10が、同一大学の同一学部単位でシラバスの情報を整理した状態を示している。この例では、○○大学の工学部が提供する各科目のシラバスが収集され、以下に例示するような結び付けがなされている。
・科目AAA-クラスタ(1)
・科目BBB-クラスタ(2)
・科目CCC-クラスタ(3)
・科目DDD-クラスタ(1)



上記の「AAA」等は、単なる科目名ではなく、大学名、学部名の別を含む固有の科目名を意味しているものとする。以下、このような意味合いを持つ科目名は、必要に応じて「科目ノード」と称することがある。
【0048】
学生等の求職者から提出される履修科目情報(図3参照)には、履修科目が列記されている。管理サーバ10は、大学名、学部名、科目名に基づき、履修科目の夫々につきシラバスを特定する。以下、履修科目について特定されたシラバスを特に「履修シラバス」と称す。管理サーバ10は、履修科目の数と同数の履修シラバスを認識した後、図11に示す情報を参照して、それらの履修科目が、どのクラスタと結び付いているかを認識する。
【0049】
図11の下段は、履修科目の夫々を、対応するクラスタに割り振った状態を示す。ここには、履修科目Aが科目ノードAAAでありクラスタ(1)に結び付き、履修科目Bが科目ノードCCCでありクラスタ(3)に結び付き、また、履修科目Cが、クラスタ(3)に結び付く他の科目ノードであった場合を例示している。尚、図11には便宜上4つのクラスタだけを示しているが、ここには、図9を参照して説明した有限個数(例えば22個)のクラスタが存在しているものとする。
【0050】
履修科目情報に含まれる全ての履修科目が、図11の下段に示すように適切なクラスタに割り振られると、履修科目の(即ち履修シラバスの)、クラスタ上での分布を得ることができる。そして、この分布は、求職者が保有するスキル項目の分布として捕らえることができる。更に、履修シラバスとクラスタとの結び付きが上記の通りほぼ適正であることから、この分布は、求職者の保有能力を表すものとして信頼することができる。
【0051】
図12は、辞書ノードとシラバス(科目ノード)との結び付きを具体的に示した一例を示す。管理サーバ10は、全ての辞書ノードとシラバス(科目ノード)との関係を記憶しており、図12に示す例はその一部である。この例では、辞書ノード「1003」の下位に「1001」「1005」「1004」で示す辞書ノードが繋がっており、辞書ノード「1005」の下位に更に辞書ノード「1002」が繋がっている。
【0052】
個々の辞書ノードは、図8を参照して説明した通り、その辞書ノード(38)が意味するスキル項目に対応するシラバス要素(42)を含むシラバス(40)の全てと結び付けられる。図12に示す例では、以下の結び付きが示されている。
・辞書ノード「1003」は「AAA」のシラバス(科目ノード)と結び付く。
・辞書ノード「1004」は「BBB」のシラバス(科目ノード)と結び付く。
・辞書ノード「1005」は「CCC」のシラバス(科目ノード)と結び付く。
・辞書ノード「1002」は「DDD」「EEE」「FFF」のシラバス(科目ノード)と結び付く。
【0053】
図12において、「1001」と「1002」が二重枠で囲まれているのは、それらの辞書ノードが、要求するスキル項目として求人者に指定されたことを表している。ところで、上記図5には、求人者による要求スキル情報の入力例が示されている。以下、求人者が、図5に示すように、辞書ノード「1001」を重要度「5」で要求し、辞書ノード「1002」を重要度「4」で要求した場合について説明する。
【0054】
図13は、求人者が指定した辞書ノードをクラスタに割り振る手法を説明するための図である。図13の上段は、管理サーバ10が、図12に示す結び付きの関係に基づいて、辞書ノード「1001」「1002」に結び付くシラバス(科目ノード)を抽出した結果を示す。
【0055】
本実施形態では、特定の辞書ノードが指定された場合、先ず、当該辞書ノードに直接結び付いているシラバス(科目ノード)が抽出される。以下、このノードを「直接科目ノード」と称す。直接科目ノードが存在しない場合は、更に、他の辞書ノードを一つだけ介して結び付いているシラバス(科目ノード)が抽出される。以下、このノードを「間接科目ノード」と称す。
【0056】
図12に示す例では、辞書ノード「1001」に直接科目ノードが結び付いていない。他方、この辞書ノード「1001」には、「1003」「1004」「1005」の辞書ノードを介して「AAA」「BBB」「CCC」の科目ノードが結び付いている。この場合、辞書ノード「1001」については、「AAA」「BBB」「CCC」の3つが間接科目ノードとして抽出される。
【0057】
指定されているもう一つの辞書ノード「1002」には、「DDD」「EEE」「FFF」のシラバス(科目ノード)が直接結び付いている。この場合、辞書ノード「1002」については、「DDD」「EEE」「FFF」が直接科目ノードとして抽出される。
【0058】
図13の上段に示す図表中、辞書ノード「1001」に関する3行は、上記の処理により「AAA」「BBB」「CCC」が間接科目ノードとして抽出された結果を表している。また、同図表中、辞書ノード「1002」に関する3行は、「DDD」「EEE」「FFF」が直接科目ノードとして抽出された結果を表している。
【0059】
尚、本実施形態では、特定の辞書ノードについて直接科目ノードが認められた場合は間接科目ノードを抽出しないこととしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、直接科目ノードが認められる場合にも間接科目ノードを抽出することとしてもよい。例えば、図12に示す例では、辞書ノード「1002」についても、「1005」を介して結び付いている「CCC」を間接科目ノードとして抽出してもよい。
【0060】
図13上段の図表には更に、「直接」の科目ノードには「1.0」の重みが与えられ、かつ、「間接」の科目ノードには「0.8」の重みが与えられることが示されている。直接科目ノードのスキルは、間接科目ノードのスキルに比して、求人者の要求をより満足させると考えられる。上記の「重み」は、後述の処理により、マッチングスコアにその差を反映させるために用いられる。
【0061】
図13中段に示す図表は、直接科目ノード又は間接科目ノードとして抽出された「AAA」「BBB」「CCC」「DDD」「EEE」「FFF」の夫々が、どのクラスタに属しているかを示している。管理サーバ10は、上記の通り、個々のシラバスがどのクラスタと結び付いているかを記憶している。図13中段の図表に示す情報は、その記憶に基づいて管理サーバ10により生成される。
【0062】
図13の下段は、抽出された直接科目ノードおよび間接科目ノードの全てを、対応するクラスタに割り振った状態を示す。図13中段の情報によれば、「AAA」「DDD」「FFF」の3つがクラスタA-(1)に属している。また、「BBB」がクラスタA-(2)に、「CCC」「EEE」の2つがクラスタA-(3)に夫々属している。図13下段には、それらの関係に合致する分布が示されている。尚、図13には、便宜上クラスタを4つだけ示しているが、クラスタは、図11の場合と同様に所定の有限個数存在しているものとする。
【0063】
要求スキル情報に含まれる全てのスキル項目(辞書ノード)が、図13の下段に示すように適切なクラスタに割り振られると、求人者が求めるスキル項目のクラスタ上での分布を得ることができる。そして、この分布を図11下段に示す分布と対比させれば、求人者の要求能力と、求職者の保有能力とが、どの程度合致しているかを判断することができる。以下、管理サーバ10が、これらの分布に基づいて、要求能力と保有能力の合致度を表すマッチングスコアを計算する手法について説明する。
【0064】
図14は、求人者から提供される要求スキル情報に基づいてクラスタごとの配点を計算する手法を説明するための図である。図14上段の図表は、図13の処理で抽出された直接科目ノードおよび間接科目ノードに関する情報を整理したものである。「AAA」「BBB」「CCC」は、上記の通り、辞書ノード「1001」の間接科目ノードである。辞書ノード「1001」には、図5に示す通り、重要度「5」が与えられている。また、「間接」の科目ノードには上記の通り「0.8」の重み(図13参照)が与えられる。図14上段の図表中「AAA」「BBB」「CCC」の行には、結び付くクラスタの情報に加えて、それら「重要度」と「重み」の情報が記載されている。
【0065】
同図表に示される「DDD」「EEE」「FFF」は、辞書ノード「1002」の直接科目ノードである。これらの行には、それらに結び付くクラスタの情報に加えて、辞書ノード「1002」に与えられている重要度「4」(図5参照)と、「直接」の科目ノードに与えられる重み「0.8」(図13参照)が記載されている。
【0066】
図14の2段目に示す図表は、クラスタ合計点の計算手法を示している。クラスタ合計点の演算は、クラスタごとに行われる。一つのクラスタについては、先ず、そのクラスタに属する科目ノードの夫々について「スキル項目点」が計算される。この「スキル項目点」は、個々の科目ノードに与えられている重要度と重みの積算値である。クラスタに属する全ての科目ノードについて「スキル項目点」が計算されたら、それらが合算される。その合算の結果得られた値が「クラスタ合計点」である。
【0067】
図14上段の図表は、クラスタA-(1)に「AAA」「DDD」「FFF」の3つが属していることを示している。「AAA」の重要度は「5」、重みは「0.8」である。従って、「AAA」のスキル項目点は(5*0.8)となる。「DDD」「FFF」については、何れも重要度が「4」、重みが「1.0」である。従って、それらのスキル項目点は、共に(4*1.0)となる。そして、クラスタ合計点は、スキル項目点の合計であるから、次式の通りとなる。
A-(1)クラスタ合計点=(5*0.8)+(4*1.0)+(4*1.0)
=12.0
【0068】
同様にして、クラスタA-(2)、クラスタA-(3)のクラスタ合計点は、次式の通りとなる。
A-(2)クラスタ合計点=(5*0.8)=4.0
A-(3)クラスタ合計点=(5*0.8)+(4*1.0)=8.0
【0069】
図14の3段目に示す図表は、個々のクラスタに与えられる配点を計算する手法を示している。各クラスタの配点は、全てのクラスタの配点の和が満点の100となるように、次式により計算される。
(配点)=(満点)*
(各クラスタのクラスタ合計点)/(全クラスタのクラスタ合計点の和)
【0070】
図14に示す例では、各クラスタの配点は下記の通り計算される。
A-(1)配点=100*12.0/(12.0+4.0+8.0)=50.0
A-(2)配点=100* 4.0/(12.0+4.0+8.0)=16.7
A-(3)配点=100* 8.0/(12.0+4.0+8.0)=33.3
【0071】
図14下段の図表は、全てのクラスタに配点を配分した様子を示している。クラスタ(4)に示されている通り、直接または間接の科目ノードが一つも属しないクラスタについては、配点がゼロとなる。以上の処理によれば、科目ノードが多いクラスタほど高い配点が与えられる。また、直接科目ノードの比率が高いほど、クラスタの配点が高くなる。このため、本実施形態の手法によれば、要求スキルに関する求人者の意図を適切にクラスタの配点に反映させることができる。
【0072】
図15は、特定のクラスタ(n)について、求職者が有する獲得スコアを計算するための準備処理を説明するための図である。この処理は、全てのクラスタについて、クラスタごとに行われる。
【0073】
上記図11を参照して説明した通り、本実施形態では、履修科目情報に含まれる全ての履修科目が、有限個数のクラスタの何れかに割り振られる。図15上段の図表は、クラスタ(n)に4つの履修科目が割り振られた例を示している。また、この図表は、夫々の履修科目について、成績、難易度、単位数の情報が付されている様子を示している。
【0074】
「成績」は、履修科目情報として提出された成績を(成績)/(成績の評価段階数)で正規化し、正規化後の値に基づいて新たに設定された値である。本実施形態では、全ての成績が1.0~2.0の範囲内の適当な値に設定し直されるものとする。「難易度」は、各科目の配当年度に基づいて、1.0~1.4の範囲内の適当な値に設定される。
【0075】
クラスタ(n)のスキルに関する求人者の能力は、このクラスタ(n)に属する履修科目の成績が良いほど高いと考えられる。同様に、その能力は、それらの履修科目の難易度が高いほど、また、単位数が多いほど高いと考えられる。図15下段の図表は、それらの要素を数値化するための「成績*難易度 平均値」、「単位和」および「単位和係数」の計算例を示している。
【0076】
ここでは、4科目の成績と難易度を所定の規則に当て嵌めることで「成績*難易度 平均値」が1.96と計算されている。また、「単位和」は10、「単位和係数」は1.10と計算されている。単位和係数は、取得単位数が多いほどスキルの習得度が大きく高まることを数値化するための係数であり、ここでは、次式により計算される。
(単位和係数)=1+(単位和)/100
尚、本実施形態では、クラスタごとに上限単位数を決定することとしている。上記の「単位和」は、その上限単位数を上限として設定される。
【0077】
図16は、特定のクラスタ(n)について、クラスタスコアを計算する手法を説明するための図である。クラスタスコアは、個々のクラスタについての求職者の得点である。全てのクラスタスコアの合計が、マッチングスコアとなる。
【0078】
管理サーバ10は、クラスタ(n)について「成績*難易度 平均値」、「単位和」および「単位和係数」を計算し、それらを次式に当て嵌めて「獲得スコア」を計算する。
(獲得スコア)=(成績*難易度 平均値)*(単位和)
*(偏差値係数)*(単位和係数)
但し、上記式中の「偏差値係数」は、求職者が属する大学等の教育機関の偏差値に基づいて設定される値である。この偏差値係数は、具体的には、各教育機関の偏差値が高いほど大きな値となる。本実施形態では、管理サーバ10が、シラバスから読み出した偏差値に応じて、1.0~1.4の範囲内で適当な偏差値係数を設定する。
【0079】
管理サーバ10は、また、クラスタ(n)について「基準スコア」を計算する。基準スコアは、上記の獲得スコアの満点として想定される値である。具体的には、基準スコアは、上記演算式の(成績)に(基準成績2.0)を、(難易度)に(基準難易度1.2)を、(単位和)に(上限単位数)を、(偏差値係数)に(基準偏差値係数1.0)を、また、(単位和係数)に(上限単位和係数)を、夫々代入することで次式のように演算される。
(基準スコア)=(基準成績)*(基準難易度)*(上限単位数)
*(基準偏差値係数)*(上限単位和係数)
【0080】
但し、クラスタ(n)の上限単位数は、一般的な学生の卒業単位数120を、配点の比の通りに各クラスタに割り振った際に、当該クラスタ(n)に割り当てられる単位数に基づいて設定される数値である。また、上限単位和係数とは、単位和に上限単位数を当て嵌めて計算した単位和係数である。
【0081】
管理サーバ10は、上記の計算を終えると、次に、次式に従ってクラスタ(n)のクラスタスコアを計算する。
(クラスタスコア)=(配点)*(獲得スコア)/(基準スコア)
【0082】
クラスタ(n)の上限単位数が10、配点が50点、求職者の偏差値係数が1.2であるとすれば、クラスタスコアは以下の通りとなる。
(クラスタスコア)=50*(1.96*10*1.2*1.10)
/(2.0*1.2*10*1.0*1.10)
=49
【0083】
管理サーバ10は、全てのクラスタについてクラスタスコアを計算した後、それらを合算してマッチングスコアを生成する。個々のクラスタスコアは、そのクラスタに関するスキルについての求人者の要求能力を、求職者がどの程度満たしているかを数値で表している。そして、それらの合算値であるマッチングスコアは、総合的な求人者の要求能力を、求職者の総合的な保有能力がどの程度満たしているかを数値で表すものとなる。
【0084】
このようなマッチングスコアによれば、企業等の求人者は、求職者が履修してきた内容の全情報を活用して、求職者の保有能力を正確に評価することができる。そのうえ、個々のシラバスを手作業で参照する必要がないため、極めて簡便にその評価を利用することができる。一方、学生等の求人者も、このようなマッチングスコアが利用できれば、自己の保有能力を高く評価して貰える求人者を簡単に探し出すことができる。このため、本実施形態のマッチング装置は、求人者および求職者の双方にとって極めて有益な効果を提供することができる。
【0085】
ところで、上記の実施形態では、マッチングスコアの精度を上げるために、求人者の要求するスキル項目(辞書ノード)と、求職者の履修科目とを、夫々クラスタに展開し、クラスタ同士を対比することとしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものでない。即ち、本発明は、求人者が要求するスキル項目(辞書ノード)と、求職者が提出する履修科目情報とを、シラバスを介在させたうえで対比させる点に特徴を有しており、求人者が指定した辞書ノードと、求職者の履修科目に結び付くシラバス要素との合致度合いをマッチングスコアとしてもよい。
【0086】
また、上述した実施形態では、個々の辞書ノードをシラバス(科目ノード)に結び付け(図12参照)、更に、その科目ノードがどのクラスタに結び付いているかに従って、辞書ノードをクラスタに展開することとしている(図13参照)。しかしながら、辞書ノードをクラスタに展開する手法はこれに限定されるものではない。例えば、全ての辞書ノードにクラスタ分析を施して、個々の辞書ノードがどのクラスタに属するかを、シラバスを解することなく直接定義することとしてもよい。
【0087】
また、上述した実施形態では、求人者の要求するスキル項目、並びに求職者の履修科目が、技術系のものとされているが、本発明の適用は技術系に限定されるものではない。即ち、本発明は、例えば、法律系、経済系、クリエイティブ系など、様々な求人求職の分野に適用することが可能である。
【0088】
また、上述した実施形態では、管理サーバ10がネットワーク12を介して求人者端末14および求職者端末16と接続される構成を採用しているが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、求人者の情報および求職者の情報を、管理サーバ10の入力インターフェースから入力するようなスタンドアローンの構成であってもよい。
【0089】
また、上述した実施形態では、求人者の指定した辞書ノードをクラスタに展開するにあたって、直接科目ノードと間接科目ノードを抽出することとしているが、この構成は必須のものではない。例えば、間接科目ノードの抽出は省略してもよい。
【0090】
尚、上述した実施形態では、求人者が指定する辞書ノード「1001」「1002」並びにそれらに結び付く間接科目ノード「AAA」「BBB」「CCC」および直接科目ノード「DDD」「EEE」「FFF」が前記第1の発明における「スキル項目」に相当し、それらに「重要度」を加えた情報が前記第1の発明における「要求スキル情報」に相当し、管理サーバ10が、その要求スキル情報を生成することにより前記第1の発明における「第1受付部」が実現されている。また、上記の実施形態では、管理サーバ10が、上記の要求スキル情報を記憶することで前記第1の発明における「第1記憶部」が、求職者端末16から図3に示すような履修科目と成績の情報を受け付けることにより前記第1の発明における「第2受付部」が、その情報を記憶することにより前記第1の発明における「第2記憶部」が、各科目についてのシラバスを受け付けることにより前記第1の発明における「第3受付部」が、それらのシラバスを記憶することにより前記第1の発明における「第3記憶部」が、夫々実現されている。また、上記の実施形態では、管理サーバ10がマッチングスコアを計算することにより前記第1の発明における「スコア計算部」が実現されており、その計算に際して管理サーバ10が、図11に示すように履修科目と結びつく履修シラバスを抽出することにより前記第1の発明における「抽出処理」が、図11に示すような履修科目のクラスタ分布と図13に示すような科目ノードのクラスタ分布とに基づいてマッチングスコアを計算することにより前記第1の発明における「スコア計算処理」が、それぞれ実現されている。
【0091】
また、上述した実施形態では、図9に示す個々のクラスタに割り当てられているスキルの分野が前記第2の発明における「スキル群」に相当していると共に、管理サーバ10が図9に示す情報を記憶していることにより前記第2の発明における「第4記憶部」が実現されている。また、図10に示すシラバス40とクラスタの結び付きの規則が前記第2の発明における「シラバス・クラスタ結合規則」に相当し、管理サーバ10がその規則を記憶していることにより前記第2の発明における「第5記憶部」が実現されている。また、管理サーバ10が、図11に示すように履修シラバスの夫々をクラスタに割り振ることにより前記第2の発明における「シラバス割り振り処理」が、図13に示すようにスキル項目(辞書ノード)の夫々をクラスタに割り振ることにより前記第2の発明における「スキル項目割り振り処理」が、それらの分布に基づいてマッチングスコアを計算することにより前記第2の発明における「計算実行処理」が、夫々実現されている。
【0092】
また、上述した実施形態では、図12に示すようなスキル項目(辞書ノード)とシラバスとの結び付きの規則が前記第3の発明における「スキル項目・シラバス結合規則」に相当しており、管理サーバ10がその規則を記憶していることにより前記第3の発明における「第6記憶部」が実現されている。また、管理サーバ10が、図12に示すように、指定された辞書ノード「1001」「1002」を対応するシラバス「AAA」~「FFF」に結び付けることにより前記第3の発明における「スキル項目・シラバス結合処理」が、図13中段に示すように、それらのシラバスと結び付くクラスタA-(1)~A-(3)を決定することにより前記第3の発明における「決定処理」が、それぞれ実現されている。
【0093】
また、上述した実施形態では、管理サーバ10が、図14に示す手順で個々のクラスタに配点を割り振ることにより前記第4の発明における「配点設定処理」が、図15および図16に示す手順でクラスタごとに獲得スコアを計算することにより前記第4の発明における「獲得スコア計算処理」が、クラスタごとに基準スコアを計算することにより前記第4の発明における「基準スコア計算処理」が、クラスタごとにそれらに基づいてクラスタスコアを計算することにより前記第4の発明における「クラスタスコア計算処理」が、それぞれ実現されている。
【0094】
また、上述した実施形態では、管理サーバ10が、図14に示すように、科目ノードごとに重要度が反映されたスキル項目点(5*0.8、4*1.0など)を計算することにより前記第5の発明における「スキル項目点設定処理」が実現されている。
【0095】
また、上述した実施形態では、管理サーバ10が、図4または図12に示すような辞書ノードツリーを記憶していることにより前記第6の発明における「第7記憶部」が、図13上段に示すような「重み」の情報を記憶していることにより前記第6の発明における「第8記憶部」が、それぞれ実現されている。
【符号の説明】
【0096】
10 管理サーバ
14 求人者端末
16 求職者端末
34 成績入力画面
36 辞書ノードツリー
38 辞書ノード
40 シラバス
42 シラバス要素
44 クラスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16