(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】ガス種特定精度調整装置、簡易式ガス種特定装置、ガス種特定システム、ガス種特定精度調整方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 33/00 20060101AFI20220228BHJP
G01N 30/88 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
G01N33/00 C
G01N30/88 G
(21)【出願番号】P 2018079281
(22)【出願日】2018-04-17
【審査請求日】2020-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 順一
(72)【発明者】
【氏名】久米 高生
(72)【発明者】
【氏名】小森 光徳
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-214054(JP,A)
【文献】特開2015-141135(JP,A)
【文献】特開2018-163076(JP,A)
【文献】特開2018-169263(JP,A)
【文献】国際公開第2017/137565(WO,A1)
【文献】特表2019-505001(JP,A)
【文献】特開2004-108857(JP,A)
【文献】特開2010-203795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/00
G01N 1/00- 1/44
G01N 30/88
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のガス成分の各々の濃度と、前記複数種類のガス成分の各々に対して各々定められた複数の閾値のうちの対応する閾値とを比較することで試料ガスの種類を特定する簡易式ガス種特定装置よりも前記試料ガスの種類を高精度に特定する高精度ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類が、前記簡易式ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類と異なる場合に、前記試料ガスについて、前記高精度ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類が前記簡易式ガス種特定装置によって特定されるように前記複数の閾値のうちの特定の閾値を変更する変更部
を含み、
前記試料ガスの種類は、LPG単独に由来するガス、大気ガスに由来するガス、都市ガス単独に由来するガス、発酵ガス単独に由来するガス、LPG及び発酵ガスの混合ガスに由来するガス、LPG及び都市ガスの混合ガスに由来するガス、都市ガス及び発酵ガスの混合ガスに由来するガス、並びに、都市ガス、LPG、及び発酵ガスの混合ガスに由来するガスであり、
前記高精度ガス種特定装置は、ガスクロマトグラフによる分析結果に基づいて前記試料ガスの種類を特定する
ガス種特定精度調整装置。
【請求項2】
前記高精度ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類を特定するガス種特定情報を受け付ける受付部を更に含み、
前記変更部は、前記受付部により受け付けられた前記ガス種特定情報により特定された前記試料ガスの種類が、前記簡易式ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類と異なる場合に、前記試料ガスについて、前記受付部により受け付けられた前記ガス種特定情報により特定された前記試料ガスの種類が前記簡易式ガス種特定装置によって特定されるように前記特定の閾値を変更する請求項1に記載のガス種特定精度調整装置。
【請求項3】
前記高精度ガス種特定装置は、前記複数種類のガス成分の各々の濃度を測定する機能を有しており、
前記変更部は、前記受付部により受け付けられた前記ガス種特定情報により特定された前記試料ガスの種類が、前記簡易式ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類と異なる場合に、前記試料ガスについて、前記受付部により受け付けられた前記ガス種特定情報により特定された前記試料ガスの種類が前記簡易式ガス種特定装置によって特定されるように、前記高精度ガス種特定装置により測定された濃度に従って前記特定の閾値を変更する請求項2に記載のガス種特定精度調整装置。
【請求項4】
前記特定の閾値の変更内容の指示を受け付ける受付部を更に含み、
前記変更部は、前記高精度ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類が、前記簡易式ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類と異なる場合に、前記試料ガスについて、前記高精度ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類が前記簡易式ガス種特定装置によって特定されるように、前記受付部によって受け付けられた前記指示に従って前記特定の閾値を変更する請求項1に記載のガス種特定精度調整装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のガス種特定精度調整装置と、
複数種類のガス成分の各々の濃度と、前記複数種類のガス成分の各々に対して各々定められた複数の閾値のうちの対応する閾値とを比較した結果に基づいて前記試料ガスの種類を特定するガス信号を出力する出力部と、
を含む簡易式ガス種特定装置。
【請求項6】
複数種類のガス成分の各々の濃度と、前記複数種類のガス成分の各々に対して各々定められた複数の閾値のうちの対応する閾値とを比較することで試料ガスの種類を特定する簡易式ガス種特定装置と、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のガス種特定精度調整装置と、
を含むガス種特定システム。
【請求項7】
前記簡易式ガス種特定装置よりも前記試料ガスの種類を高精度に特定する高精度ガス種特定装置を更に含む請求項6に記載のガス種特定システム。
【請求項8】
簡易式ガス種特定装置により、複数種類のガス成分の各々の濃度と、前記複数種類のガス成分の各々に対して各々定められた複数の閾値のうちの対応する閾値とを比較することで試料ガスの種類を特定し、
高精度ガス種特定装置により、
ガスクロマトグラフによる分析結果に基づいて、前記簡易式ガス種特定装置よりも前記試料ガスの種類を高精度に特定し、
変更部により、前記高精度ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類と、前記簡易式ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類とが異なる場合に、前記試料ガスについて、前記高精度ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類が前記簡易式ガス種特定装置によって特定されるように前記複数の閾値のうちの特定の閾値を変更することを含
み、
前記試料ガスの種類は、LPG単独に由来するガス、大気ガスに由来するガス、都市ガス単独に由来するガス、発酵ガス単独に由来するガス、LPG及び発酵ガスの混合ガスに由来するガス、LPG及び都市ガスの混合ガスに由来するガス、都市ガス及び発酵ガスの混合ガスに由来するガス、並びに、都市ガス、LPG、及び発酵ガスの混合ガスに由来するガスである
ガス種特定精度調整方法。
【請求項9】
コンピュータを、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のガス種特定精度調整装置に含まれる前記変更部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス種特定精度調整装置、簡易式ガス種特定装置、ガス種特定システム、ガス種特定精度調整方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、可燃性の試料ガスに含まれるメタンの濃度を基に係数を算出し、算出した係数を、試料ガスに含まれるメタン以外のガスの濃度に乗じること等により、試料ガスに含まれるガス成分の種類を特定する簡易式ガス種特定装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
簡易式ガス種特定装置では、試料ガス中のメタンの濃度が予め定められた濃度以上であり、メタンの濃度に対するエタン、プロパン、及びブタンの濃度の割合が所定値未満の場合に試料ガスが発酵ガス単独に由来するガスであると常に特定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、簡易式ガス種特定装置よりもガスの種類を高精度に特定可能な高精度ガス種特定装置(例えば、ガスクロマトグラフ等が搭載された装置)によって特定されるガスの種類と、簡易式ガス種特定装置によって特定される特定されるガスの種類とが異なってしまうことがある。
【0006】
本発明は、簡易式ガス種特定装置よりも試料ガスの種類を高精度に特定する高精度ガス種特定装置による特定結果を用いない場合に比べ、簡易式ガス種特定装置による試料ガスの種類の特定精度を向上させることができるガス種特定精度調整装置、簡易式ガス種特定装置、ガス種特定システム、ガス種特定精度調整方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のガス種特定精度調整装置は、複数種類のガス成分の各々の濃度と、前記複数種類のガス成分の各々に対して各々定められた複数の閾値のうちの対応する閾値とを比較することで前記試料ガスの種類を特定する簡易式ガス種特定装置よりも前記試料ガスの種類を高精度に特定する高精度ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類が、前記簡易式ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類と異なる場合に、前記試料ガスについて、前記高精度ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類が前記簡易式ガス種特定装置によって特定されるように前記複数の閾値のうちの特定の閾値を変更する変更部を含む。
【0008】
上記目的を達成するために、請求項5に記載の簡易式ガス種特定装置は、請求項1から請求項4の何れか1項に記載のガス種特定精度調整装置と、複数種類のガス成分の各々の濃度と、前記複数種類のガス成分の各々に対して各々定められた複数の閾値のうちの対応する閾値とを比較した結果に基づいて前記試料ガスの種類を特定するガス信号を出力する出力部と、を含む。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項6に記載のガス種特定システムは、複数種類のガス成分の各々の濃度と、前記複数種類のガス成分の各々に対して各々定められた複数の閾値のうちの対応する閾値とを比較することで試料ガスの種類を特定する簡易式ガス種特定装置と、請求項1から請求項4の何れか1項に記載のガス種特定精度調整装置と、を含む。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項8に記載のガス種特定精度調整方法は、簡易式ガス種特定装置が、複数種類のガス成分の各々の濃度と、前記複数種類のガス成分の各々に対して各々定められた複数の閾値のうちの対応する閾値とを比較することで前記試料ガスの種類を特定し、高精度ガス種特定装置が、前記簡易式ガス種特定装置よりも前記試料ガスの種類を高精度に特定し、変更部が、前記高精度ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類と、前記簡易式ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類とが異なる場合に、前記試料ガスについて、前記高精度ガス種特定装置により特定された前記試料ガスの種類が前記簡易式ガス種特定装置によって特定されるように前記複数の閾値のうちの特定の閾値を変更することを含む。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項9に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項1から請求項4の何れか1項に記載のガス種特定精度調整装置に含まれる前記変更部として機能させるためのプログラムとされている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡易式ガス種特定装置よりも試料ガスの種類を高精度に特定する高精度ガス種特定装置による特定結果を用いない場合に比べ、簡易式ガス種特定装置による試料ガスの種類の特定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係るガス種特定システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係るガス種特定システムに含まれる簡易式ガス種特定装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係るガス種特定システムに含まれる高精度ガス種特定装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係るガス種特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係るガス種特定精度調整処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】実施形態に係る簡易式ガス種特定装置に含まれるCPUの本発明に係る要部機能の一例を示すブロック図である。
【
図11】実施形態に係るガス種特定精度調整処理が実行されることによってディスプレイに表示される精度調整要否画面の一例を示す画面図である。
【
図12】実施形態に係るガス種特定精度調整処理が実行されることによってディスプレイに表示されるモード指示画面の一例を示す画面図である。
【
図13】実施形態に係るガス種特定精度調整処理が実行されることによってディスプレイに表示される閾値調整画面の一例を示す画面図である。
【
図14】実施形態に係るガス種特定精度調整処理に含まれるアラート処理が実行された場合にディスプレイに表示される閾値調整画面の一例を示す画面図である。
【
図15】実施形態に係るガス種特定精度調整処理が実行されることによってディスプレイに表示される濃度受付画面の一例を示す画面図である。
【
図16】実施形態に係るガス種特定システムの構成の変形例を示すブロック図である。
【
図17】実施形態に係るガス種特定精度調整プログラムが記憶された記憶媒体からガス種特定精度調整プログラムが簡易式ガス種特定装置にインストールされる態様の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0015】
一例として
図1に示すように、ガス種特定システム10は、簡易式ガス種特定装置12及び高精度ガス種特定装置14を備えている。簡易式ガス種特定装置12は、ガス種特定精度調整装置16を備えている。高精度ガス種特定装置14は、ガスクロマトグラフ18を備えている。
【0016】
簡易式ガス種特定装置12は、複数種類のガス成分の各々の濃度と、複数種類のガス成分の各々に対して各々定められた複数の閾値(以下、単に「複数の閾値」と称する)のうちの対応する閾値とを比較することで試料ガスの種類を特定する。ガス種特定精度調整装置16は、複数の閾値のうちの特定の閾値(以下、単に「特定の閾値」と称する)を変更することで試料ガスの種類を特定する精度を調整する。
【0017】
ここで、複数種類のガス成分とは、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、及び炭酸ガスを指す。また、試料ガスとは、由来不明ガスがフィルタリングされることによって由来不明ガスからダストや水分等が除去されて得られたガスを指す。また、由来不明ガスとは、土壌等を経由して地中又は地表への漏出する由来が不明のガスを指す。
【0018】
高精度ガス種特定装置14は、簡易式ガス種特定装置12よりも試料ガスの種類を高精度に特定する。また、高精度ガス種特定装置14は、複数種類のガス成分の各々の濃度を測定する機能を有する。つまり、高精度ガス種特定装置14では、ガスクロマトグラフ18が、試料ガスの分析、すなわち、ガスクロマトグラフィーの原理によって試料ガスの含まれるガス成分を特定し、且つ、特定したガス成分の濃度を測定する。そして、高精度ガス種特定装置14では、ガスクロマトグラフ18による分析結果に基づいて試料ガスの種類が特定される。
【0019】
一例として
図2に示すように、簡易式ガス種特定装置12は、サンプリングノズル22、濃度検出部24、ポンプ26、駆動装置28、制御装置40、通信装置41、記憶装置43、受付デバイス46、ディスプレイ48、及び外部I/F30を備えている。なお、本実施形態において、「I/F」とは、インタフェース(Interface)の略称を指す。
【0020】
制御装置40は、CPU34、ROM36、及びRAM38を備えている。なお、ここで、CPUとは、“Central Processing Unit”の略称を指す。また、ROMとは、“Read Only Memory”の略称を指す。更に、RAMとは、“Random Access Memory”の略称を指す。
【0021】
CPU34、ROM36、及びRAM38は、バスライン32に接続されている。バスライン32は、外部I/F30に接続されている。すなわち、制御装置40は、バスライン32を介して外部I/F30に接続されている。
【0022】
CPU34は、簡易式ガス種特定装置12の全体を制御する。ROM36は、簡易式ガス種特定装置12の基本的な動作を制御するプログラムや各種パラメータ等を記憶するメモリである。RAM38は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。
【0023】
外部I/F30は、簡易式ガス種特定装置12の電気系デバイス(以下、「第1電気系デバイス」と称する)と接続されており、CPU34の制御下で動作し、CPU34と第1電気系デバイスとの間での各種情報の送受信を司る。なお、
図2に示す例では、第1電気系デバイスの一例として、濃度検出部24、駆動装置28、通信装置41、記憶装置43、受付デバイス46、及びディスプレイ48が示されている。
【0024】
通信装置41は、外部に設置されている第1通信装置(後述)との間で、CPU34の制御下で通信を行うことにより各種情報の送受信を行う。すなわち、通信装置41は、第1通信装置から送信された情報を受信し、受信した情報を外部I/F30及びバスライン32を介してCPU34に出力する。また、通信装置41は、CPU34からバスライン32及び外部I/F30を介して入力された情報を第1通信装置に送信する。なお、第1通信装置の一例としては、高精度ガス種特定装置14、パーソナル・コンピュータ(図示省略)、サーバ(図示省略)、及びスマートデバイス(図示省略)のうちの少なくとも1つが挙げられる。
【0025】
また、通信装置41は、複数のGPS衛星からの電波を受信し、受信結果を示す受信結果情報をCPU34に出力する。CPU34は、通信装置41から入力された受信結果情報に基づいて簡易式ガス種特定装置12の現在位置を算出する。なお、GPSとは、“Global Positioning System”の略称を指す。
【0026】
記憶装置43は、ガス種特定プログラム50及びガス種特定精度調整プログラム53を記憶している。記憶装置43の一例としては、HDD、EEPROM、又はSSDが挙げられる。なお、ここで、HDDとは、“Hard Disk Drive”の略称を指す。また、EEPROMとは、“Electrically Erasable Programmable Read Only Memory”の略称を指す。また、SSDとは、“Solid State Drive”の略称を指す。
【0027】
受付デバイス46は、本発明に係る受付部の一例である。受付デバイス46は、キーボード、マウス、及びタッチパネル等を有しており、ユーザによる各種指示を受け付ける。受付デバイス46は、受け付けた指示の内容を示す信号(以下、「第1指示内容信号」と称する)を外部I/F30及びバスライン32を介してCPU34に出力する。CPU34は、受付デバイス46から入力された第1指示内容信号に応じた処理を実行する。
【0028】
ディスプレイ48は、例えば、LCD又はOELD等である。ディスプレイ48は、CPU34の指示に従って、メニュー画面等の各種画面を表示する。なお、ここで、LCDとは、“Liquid Crystal Display”の略称を指す。また、OELDとは、“Organic Electroluminescence Display”の略称を指す。
【0029】
駆動装置28は、ポンプ26に接続されており、CPU34からの指示に従って、吸引用のポンプ26を制御する。
【0030】
サンプリングノズル22はガス管42を介して濃度検出部24に接続されており、濃度検出部24は、ガス管44を介してポンプ26に接続されている。従って、ポンプ26が作動することで、外部からサンプリングノズル22に、由来不明ガスが引き込まれ、サンプリングノズル22から濃度検出部24に、試料ガスが引き込まれる。
【0031】
サンプリングノズル22は、例えば、地中又は地表において、ガスを採取する箇所として予め定められた箇所で用いられる。サンプリングノズル22が予め定められた箇所に設置された状態でポンプ26が作動すると、ポンプ26の吸引力により、サンプリングノズル22は由来不明ガスを採取する。
【0032】
サンプリングノズル22には、フィルタ(図示省略)が充填されており、ポンプ26の吸引力により、由来不明ガスがフィルタを透過し、これにより、ダストや水分等が除去され、試料ガスが得られる。
【0033】
濃度検出部24は、ポンプ26の吸引力により、サンプリングノズル22からガス管42を介して試料ガスを取り込み、取り込んだ試料ガスに含まれるメタン、エタン、プロパン、及び炭酸ガス等の各種ガス成分を個々に検出する。そして、濃度検出部24は、検出したガス成分毎の濃度を検出し、検出した濃度を示す濃度情報を外部I/F30に出力する。CPU34は、外部I/F30を介して濃度検出部24から濃度情報を取得する。
【0034】
なお、
図2に示す例では、ガス種特定精度調整装置16は、外部I/F30、バスライン32、制御装置40、通信装置41、記憶装置43、受付デバイス46、及びディスプレイ48を備えている。
【0035】
一例として
図3に示すように、高精度ガス種特定装置14は、ガスクロマトグラフ18、制御装置51、バスライン58、外部I/F60、記憶装置62、受付デバイス64、ディスプレイ66、及び通信装置68を備えている。
【0036】
制御装置51は、CPU52、ROM54、及びRAM56を備えており、バスライン58を介して外部I/F60に接続されている。
【0037】
外部I/F60は、高精度ガス種特定装置14の電気系デバイス(以下、「第2電気系デバイス」と称する)と接続されており、CPU52の制御下で動作し、CPU52と第2電気系デバイスとの間での各種情報の送受信を司る。なお、
図3に示す例では、第2電気系デバイスの一例として、ガスクロマトグラフ18、記憶装置62、受付デバイス64、ディスプレイ66、及び通信装置68が示されている。
【0038】
ガスクロマトグラフ18は、CPU52の制御下で作動する。CPU52は、ガスクロマトグラフ18による分析結果、すなわち、ガスクロマトグラフ18によって特定されたガス成分の種類、及び、ガスクロマトグラフ18によって測定されたガス成分の濃度を、外部I/F60及びバスライン58を介して取得する。CPU52は、ガスクロマトグラフ18による分析結果に基づいて試料ガスの種類を特定する。
【0039】
記憶装置62は、CPU52の制御下で作動する。記憶装置62は、各種プログラム及びパラメータ等の各種情報を記憶しており、CPU52は、外部I/F60及びバスライン58を介して、記憶装置62から各種情報を取得する。記憶装置62の一例としては、HDD、EEPROM、又はSSDが挙げられる。
【0040】
受付デバイス64は、キーボード、マウス、及びタッチパネル等を有しており、ユーザによる各種指示を受け付ける。受付デバイス64は、受け付けた指示の内容を示す信号(以下、「第2指示内容信号」と称する)を外部I/F60及びバスライン58を介してCPU52に出力する。CPU52は、受付デバイス64から入力された第2指示内容信号に応じた処理を実行する。
【0041】
ディスプレイ66は、例えば、LCD又はOELD等である。ディスプレイ66は、CPU52の指示に従って、特定された試料ガスの種類を示す情報、ガスクロマトグラフ18による分析結果、及びメニュー画面等の各種画面を表示する。
【0042】
通信装置68は、外部に設置されている第2通信装置(後述)との間で、CPU52の制御下で通信を行うことにより各種情報の送受信を行う。すなわち、通信装置68は、第2通信装置から送信された情報を受信し、受信した情報を外部I/F60及びバスライン58を介してCPU52に出力する。また、通信装置68は、CPU52からバスライン58及び外部I/F60を介して入力された情報を第2通信装置に送信する。なお、第2通信装置の一例としては、簡易式ガス種特定装置12、パーソナル・コンピュータ(図示省略)、サーバ(図示省略)、及びスマートデバイス(図示省略)のうちの少なくとも1つが挙げられる。
【0043】
図2に示す例において、CPU34は、記憶装置43からガス種特定プログラム50を読み出し、読み出したガス種特定プログラム50をRAM38に展開する。CPU34は、RAM38に展開したガス種特定プログラム50を実行することで、一例として
図10に示す出力部70として動作する。また、CPU34は、記憶装置43からガス種特定精度調整プログラム53を読み出し、読み出したガス種特定精度調整プログラム53をRAM38に展開する。CPU34は、RAM38に展開したガス種特定精度調整プログラム53を実行することで、一例として
図10に示す変更部72として動作する。
【0044】
図10に示す例において、出力部70は、複数種類のガス成分の各々の濃度と、複数の閾値のうちの対応する閾値とを比較した結果に基づいて試料ガスの種類を特定するガス信号を出力する。
【0045】
図10に示す例において、変更部72は、予め定められた条件を満足した場合に、試料ガスについて、高精度ガス種特定装置14により特定された試料ガスの種類が簡易式ガス種特定装置12によって特定されるように特定の閾値を変更する。ここで、予め定められた条件とは、高精度ガス種特定装置14により特定された試料ガスの種類が、簡易式ガス種特定装置12により特定された試料ガスの種類と異なる、との条件を指す。
【0046】
また、一例として
図10に示すように、CPU34は、処理部74としても動作する。処理部74は、CPU34を出力部70及び変更部72として動作させるために必要な処理を行う。
【0047】
次に、ガス種特定システム10の本発明に係る部分の作用として、CPU34がガス種特定プログラム50に従うことで、CPU34によって実行されるガス種特定処理について
図4~
図6を参照して説明する。
【0048】
なお、
図4~
図6に示すガス種特定処理は、下記の表1に示す組成例に基づいて設計された処理である。なお、表1は、都市ガス及びLPGの一般的な組成例である。
【0049】
【0050】
図4に示すガス種特定処理では、ステップ100で、処理部74は、濃度検出部24から濃度情報を取得し、その後、ステップ102へ移行する。
【0051】
ステップ102で、処理部74は、ステップ100で取得した濃度情報を参照して、試料ガス中のメタンの濃度が30ppm(parts per million)以上であるか否かを判定する。なお、ここで言う「30ppm」は、複数の閾値のうちの1つである。
【0052】
ステップ102において、試料ガス中のメタンの濃度が30ppm未満の場合は、判定が否定されて、
図5に示すステップ104へ移行する。ステップ102において、試料ガス中のメタンの濃度が30ppm以上の場合は、判定が肯定されて、ステップ110へ移行する。
【0053】
図5に示すステップ104で、処理部74は、ステップ100で取得した濃度情報を参照して、試料ガス中のプロパンの濃度が10ppm以上であるか否かを判定する。なお、本ステップ104で用いられる“10ppm”はあくまでも一例であり、他の濃度が採用されてもよい。なお、ここで言う「10ppm」は、複数の閾値のうちの1つである。
【0054】
ステップ104において、試料ガス中のプロパンの濃度が10ppm以上の場合は、ステップ106へ移行する。ステップ104において、試料ガス中のプロパンの濃度が10ppm未満の場合は、ステップ108へ移行する。
【0055】
ステップ106で、出力部70は、試料ガスがLPG(液化石油ガス:Liquid Petroleum Gas)単独に由来するガスであることを示すLPG信号をガス信号としてディスプレイ48及び記憶装置43に出力し、その後、本ガス種特定処理を終了する。
【0056】
ディスプレイ48は、LPG信号が入力されると、試料ガスがLPG単独に由来するガスであることを示すメッセージや画像等を表示する。記憶装置43は、入力されたLPG信号と、現在時刻と、現在位置情報と、ステップ100で取得された濃度情報とを対応付けて記憶する。
【0057】
ここで、現在時刻は、例えば、簡易式ガス種特定装置12に内蔵されているRTC(図示省略)から処理部74によって取得される。なお、RTCとは、“Real Time Clock”の略称を指す。
【0058】
また、ここで、現在位置情報とは、簡易式ガス種特定装置12の現在位置を示す情報を指す。現在位置情報の一例としては、処理部74がGPSを利用して算出した緯度、経度、及び高度を示す座標が挙げられる。
【0059】
ステップ108で、出力部70は、試料ガスが大気ガスに由来するガスであることを示す大気ガス信号をガス信号としてディスプレイ48及び記憶装置43に出力し、その後、本ガス種特定処理を終了する。
【0060】
ディスプレイ48は、大気ガス信号が入力されると、ディスプレイ48に対して、試料ガスが大気ガス単独に由来するガスであることを示すメッセージや画像等を表示する。記憶装置43は、入力された大気ガス信号と、現在時刻と、現在位置情報と、ステップ100で取得された濃度情報とを対応付けて記憶する。
【0061】
図4に示すステップ110で、処理部74は、ステップ100で取得した濃度情報により示されるメタンの濃度を下記の式(1)に代入することでY値を算出し、その後、ステップ112へ移行する。
【0062】
(Y値)=100/(メタンの濃度)・・・・(1)
【0063】
ステップ112で、処理部74は、特定可燃性ガスの濃度比率を算出し、算出した濃度比率が1未満であるか、1以上100未満であるか、100以上であるかを判定する。
【0064】
なお、ここで言う「特定可燃性ガス」とは、エタン及びプロパンを指す。また、ここで言う「特定可燃性ガスの濃度比率」とは、ステップ100で取得された濃度情報により示されるエタンの濃度とプロパンの濃度との和に対して、ステップ110で算出されたY値を乗じて得た値を指す。
【0065】
なお、本実施形態では、特定可燃性ガスの濃度比率も、他のガス成分の濃度と同様に、本発明に係る濃度の一例である。また、ステップ112の判定で用いられる“1”及び“100”は、あくまでも一例であり、他の値が採用されてもよい。また、ステップ112において、算出された濃度比率と比較される“1”及び“100”の各々は、複数の閾値のうちの1つである。
【0066】
ステップ112において、特定可燃性ガスの濃度比率が100以上の場合は、
図6に示すステップ114へ移行する。ステップ112において、特定可燃性ガスの濃度比率が1以上100未満の場合は、ステップ124へ移行する。ステップ112において、特定可燃性ガスの濃度比率が1未満の場合は、ステップ134へ移行する。
【0067】
図6に示すステップ114で、処理部74は、エタンの濃度比率を算出し、算出した濃度比率が0.5以上であるか否かを判定する。ここで言う「エタンの濃度比率」とは、ステップ100で取得された濃度情報により示されるエタンの濃度に対して、ステップ110で算出されたY値を乗じて得た値を指す。なお、本実施形態では、エタンの濃度比率も、他のガス成分の濃度と同様に、本発明に係る濃度の一例である。ステップ114で用いられる“0.5”はあくまでも一例であり、他の値が採用されてもよい。また、ステップ114で用いられる“0.5”は、複数の閾値のうちの1つである。
【0068】
ステップ114において、エタンの濃度比率が0.5未満の場合は、ステップ116へ移行する。ステップ114において、エタンの濃度比率が0.5以上の場合は、ステップ118へ移行する。
【0069】
ステップ116で、出力部70は、試料ガスがLPG及び発酵ガスの混合ガスに由来するガスであることを示すLPG・発酵ガス信号をガス信号としてディスプレイ48及び記憶装置43に出力し、その後、本ガス種特定処理を終了する。
【0070】
ディスプレイ48は、LPG・発酵ガス信号が入力されると、試料ガスがLPG及び発酵ガスの混合ガスに由来するガスであることメッセージや画像等を表示する。記憶装置43は、入力されたLPG・発酵ガス信号と、現在時刻と、現在位置情報と、ステップ100で取得された濃度情報とを対応付けて記憶する。
【0071】
ステップ118で、処理部74は、ステップ100で取得した濃度情報を参照して、試料ガス中の炭酸ガスの濃度が500ppm以上であるか否かを判定する。なお、本ステップ118で用いられる“500ppm”はあくまでも一例であり、他の濃度が採用されてもよい。また、本ステップ118で用いられる“500ppm”は、複数の閾値のうちの1つである。
【0072】
ステップ118において、試料ガス中の炭酸ガスの濃度が500ppm未満の場合は、ステップ120へ移行する。ステップ118において、試料ガス中の炭酸ガスの濃度が500ppm以上の場合は、ステップ122へ移行する。
【0073】
ステップ120で、出力部70は、試料ガスがLPG及び都市ガスの混合ガスに由来するガスであることを示すLPG・都市ガス信号をガス信号としてディスプレイ48及び記憶装置43に出力し、その後、本ガス種特定処理を終了する。
【0074】
ディスプレイ48は、LPG・都市ガス信号が入力されると、試料ガスがLPG及び都市ガスの混合ガスに由来するガスであることメッセージや画像等を表示する。記憶装置43は、入力されたLPG・都市ガス信号と、現在時刻と、現在位置情報と、ステップ100で取得された濃度情報とを対応付けて記憶する。
【0075】
ステップ122で、出力部70は、試料ガスが都市ガス、LPG、及び発酵ガスの混合ガスに由来するガスであることを示す都市・LPG・発酵ガス信号をガス信号としてディスプレイ48及び記憶装置43に出力し、その後、本ガス種特定処理を終了する。
【0076】
ディスプレイ48は、都市・LPG・発酵ガス信号が入力されると、試料ガスが都市ガス、LPG、及び発酵ガスの混合ガスに由来するガスであることメッセージや画像等を表示する。記憶装置43は、入力された都市・LPG・発酵ガス信号と、現在時刻と、現在位置情報と、ステップ100で取得された濃度情報とを対応付けて記憶する。
【0077】
図4に示すステップ124で、処理部74は、エタンの濃度比率を算出し、算出した濃度比率が0.5以上であるか否かを判定する。なお、本ステップ124で用いられる“0.5”はあくまでも一例であり、他の値が採用されてもよい。また、本ステップ124で用いられる“0.5”は、複数の閾値のうちの1つである。
【0078】
ステップ124において、エタンの濃度比率が0.5未満の場合は、ステップ126へ移行する。ステップ124において、エタンの濃度比率が0.5以上の場合は、ステップ128へ移行する。
【0079】
ステップ126で、出力部70は、LPG・発酵ガス信号をガス信号としてディスプレイ48及び記憶装置43に出力し、その後、本ガス種特定処理を終了する。
【0080】
ディスプレイ48は、LPG・発酵ガス信号が入力されると、試料ガスがLPG及び発酵ガスの混合ガスに由来するガスであることを示すメッセージや画像等を表示する。記憶装置43は、入力されたLPG・発酵ガス信号と、現在時刻と、現在位置情報と、ステップ100で取得された濃度情報とを対応付けて記憶する。
【0081】
ステップ128で、処理部74は、ステップ100で取得した濃度情報を参照して、試料ガス中の炭酸ガスの濃度が500ppm以上であるか否かを判定する。なお、本ステップ128で用いられる“500ppm”はあくまでも一例であり、他の濃度が採用されてもよい。また、本ステップ128で用いられる“500ppm”は、複数の閾値のうちの1つである。
【0082】
ステップ128において、試料ガス中の炭酸ガスの濃度が500ppm未満の場合は、ステップ130へ移行する。ステップ128において、試料ガス中の炭酸ガスの濃度が500ppm以上の場合は、ステップ132へ移行する。
【0083】
ステップ130で、出力部70は、試料ガスが都市ガス単独に由来するガスであることを示す都市ガス信号をガス信号としてディスプレイ48及び記憶装置43に出力し、その後、本ガス種特定処理を終了する。
【0084】
ディスプレイ48は、都市ガス信号が入力されると、試料ガスが都市ガス単独に由来するガスであることを示すメッセージや画像等を表示する。記憶装置43は、入力された都市ガス信号と、現在時刻と、現在位置情報と、ステップ100で取得された濃度情報とを対応付けて記憶する。
【0085】
ステップ132で、出力部70は、試料ガスが都市ガス及び発酵ガスの混合ガスに由来するガスであることを示す都市・発酵ガス信号をガス信号としてディスプレイ48及び記憶装置43に出力し、その後、本ガス種特定処理を終了する。
【0086】
ディスプレイ48は、都市・発酵ガス信号が入力されると、試料ガスが都市ガス及び発酵ガスの混合ガスに由来するガスであることメッセージや画像等を表示する。記憶装置43は、入力された都市・発酵ガス信号と、現在時刻と、現在位置情報と、ステップ100で取得された濃度情報とを対応付けて記憶する。
【0087】
ステップ134で、処理部74は、ステップ100で取得した濃度情報を参照して、試料ガス中のプロパンの濃度が1ppm以上であるか否かを判定する。なお、本ステップ134で用いられる“1ppm”はあくまでも一例であり、他の濃度が採用されてもよい。また、本ステップ134で用いられる“1ppm”は、複数の閾値のうちの1つである。
【0088】
ステップ134において、試料ガス中のプロパンの濃度が1ppm以上の場合は、ステップ136へ移行する。ステップ134において、試料ガス中のプロパンの濃度が1ppm未満の場合は、ステップ138へ移行する。
【0089】
ステップ136で、処理部74は、エタンの濃度比率を算出し、算出した濃度比率が1ppm以上であるか否かを判定する。なお、本ステップ136で用いられる“1ppm”はあくまでも一例であり、他の濃度が採用されてもよい。また、本ステップ136で用いられる“1ppm”は、複数の閾値のうちの1つである。
【0090】
ステップ136において、エタンの濃度比率が1以上の場合は、ステップ132へ移行する。ステップ136において、エタンの濃度比率が1未満の場合は、ステップ138へ移行する。
【0091】
ステップ138で、処理部74は、試料ガスが発酵ガス単独にガスであることを示す発酵ガス信号をガス信号としてディスプレイ48及び記憶装置43に出力し、その後、本ガス種特定処理を終了する。
【0092】
ディスプレイ48は、発酵ガス信号が入力されると、試料ガスが発酵ガス単独に由来するガスであることを示すメッセージや画像等を表示する。記憶装置43は、入力された発酵ガス信号と、現在時刻と、現在位置情報と、ステップ100で取得された濃度情報とを対応付けて記憶する。
【0093】
なお、以下では、説明の便宜上、発酵ガス信号、都市・発酵ガス信号、都市ガス信号、LPG・発酵ガス信号、都市・LPG・発酵ガス信号、LPG・都市ガス信号、LPG信号、及び大気ガス信号を区別して説明する必要がない場合、「ガス信号」と称する。
【0094】
次に、ガス種特定システム10の本発明に係る部分の作用として、CPU34がガス種特定精度調整プログラム53に従うことで、CPU34によって実行されるガス種特定精度調整処理について
図7~
図9を参照して説明する。なお、ガス種特定精度調整処理は、受付デバイス46によってガス種特定精度調整処理の実行を開示する指示が受け付けられた場合にCPU34によって実行される。
【0095】
また、以下では、説明の便宜上、記憶装置43にガス信号が、対応する現在時刻、現在位置情報、及び濃度情報と共に記憶装置43に記憶されていることを前提として説明する。また、以下では、高精度ガス種特定装置14によって、試料ガスの種類、試料ガスに含まれるガス成分、及び試料ガスに含まれるガス成分の濃度が判明されていることを前提として説明する。なお、高精度ガス種特定装置14による分析に供される試料ガスは、上述したガス種特定処理に供された試料ガスを採取した箇所を掘削して特定された漏洩箇所から採取されたガスであるが、本発明はこれに限らない。例えば、高精度ガス種特定装置14による分析に供される試料ガスは、上述したガス種特定処理に供された試料ガスであってもよい。
【0096】
図7に示すガス種特定精度調整処理では、ステップ150で、処理部74は、ガス信号指定情報が受付デバイス46によって受け付けられたか否かを判定する。ガス信号指定情報は、記憶装置43に既に記憶されているガス信号を一意に特定することが可能な情報である。ここでは、ガス信号指定情報の一例として、記憶装置43に既に記憶されているガス信号に対応付けられて記憶装置43に記憶されている現在時刻及び現在位置情報が採用されている。なお、ここでは、ガス信号指定情報として現在時刻及び現在位置情報を例示しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、現在時刻又は現在位置情報がガス信号指定情報として採用されてもよいし、現在時刻又は現在位置情報以外にガス信号を一意に特定することが可能な情報がガス信号指定情報として採用されてもよい。
【0097】
ステップ150において、ガス信号指定情報が受付デバイス46によって受け付けられていない場合は、判定が否定されて、ステップ152へ移行する。ステップ150において、ガス信号指定情報が受付デバイス46によって受け付けられた場合は、判定が肯定されて、ステップ154へ移行する。
【0098】
ステップ152で、処理部74は、ガス種特定精度調整処理を終了する条件(以下、「終了条件」と称する)を満足したか否かを判定する。終了条件の一例としては、ガス種特定精度調整処理の実行が開始されてから予め定められた時間(例えば、1分)が経過した、との条件が挙げられる。終了条件の他例としては、ガス種特定精度調整処理を終了する指示が受付デバイス46によって受け付けられた、との条件が挙げられる。
【0099】
ステップ152において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ150へ移行する。ステップ152において、終了条件を満足していない場合は、判定が肯定されて、ガス種特定精度調整処理を終了する。
【0100】
ステップ154で、処理部74は、ステップ150において受付デバイス46によって受け付けられたガス信号指定情報に対応するガス信号を記憶装置43から読み出し、その後、ステップ156へ移行する。
【0101】
ステップ156で、処理部74は、受付デバイス46によってガス種特定情報が受け付けられたか否かを判定する。ここで、ガス種特定情報とは、高精度ガス種特定装置14によって特定された試料ガスの種類を特定する情報を指す。
【0102】
ステップ156において、受付デバイス46によってガス種特定情報が受け付けられていない場合は、判定が否定されて、ステップ158へ移行する。ステップ156において、受付デバイス46によってガス種特定情報が受け付けられた場合は、判定が肯定されて、ステップ160へ移行する。
【0103】
ステップ158で、処理部74は、終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ158において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ156へ移行する。ステップ158において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ガス種特定精度調整処理を終了する。
【0104】
ステップ160で、処理部74は、ガス種が異なるか否かを判定する。ここで、ガス種が異なるとは、ステップ154で読み出したガス信号により示される試料ガスの種類と、ステップ156において受付デバイス46によって受け付けられたガス種特定情報により特定される試料ガスの種類とが異なることを意味する。
【0105】
ステップ160において、ガス種が異なっていない場合は、判定が否定されて、ガス種特定精度調整処理を終了する。ステップ160において、ガス種が異なる場合は、判定が肯定されて、ステップ162へ移行する。
【0106】
ステップ162で、処理部74は、一例として
図11に示すように、ディスプレイ48に対して、精度調整要否画面48Aの表示を開始させ、その後、ステップ164へ移行する。
図11に示す例では、精度調整要否画面48Aには、メッセージ48A1と、「はい」ボタン48A2と、「いいえ」ボタン48A3と、が表示されている。
【0107】
図11に示す例では、メッセージ48A1として、「ガス種の特定精度を上げますか?」とのメッセージが示されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、簡易式ガス種特定装置12による試料ガスの種類の特定精度の調整の要否をユーザに問うメッセージであれば如何なるメッセージであってもよい。また、簡易式ガス種特定装置12による試料ガスの種類の特定精度の調整の要否をユーザに対して知覚可能に問う情報であれば、メッセージ、画像、記号、及び音声情報の少なくとも1つであってもよい。
【0108】
「はい」ボタン48A2は、メッセージ48A1による問いに同意する場合に受付デバイス46によって受け付けられた指示に従って押される。これに対し、「いいえ」ボタン48A3は、メッセージ48A1による問いに同意しない場合に受付デバイス46によって受け付けられた指示に従って押される。
【0109】
ステップ164で、処理部74は、精度調整が必要か否かを判定する。ここで、精度調整が必要な場合とは、「はい」ボタン48A2が押された場合を意味する。これに対し、精度調整が不要の場合とは、「いいえ」ボタン48A3が押された場合を意味する。
【0110】
ステップ164において、精度調整が必要の場合は、判定が肯定されて、ステップ166へ移行する。ステップ164において、精度調整が不要の場合は、判定が否定されて、ガス種特定精度調整処理を終了する。
【0111】
ステップ166で、処理部74は、一例として
図12に示すように、ディスプレイ48に対して、動作モード指示画面48Bの表示を開始させ、その後、ステップ168へ移行する。
図12に示す例では、メッセージ48B1と、ガス種反映モードボタン48B2と、閾値指示モードボタン48B3と、濃度指示モードボタン48B4と、が表示されている。
【0112】
図12に示す例では、メッセージ48B1として、「以下の何れかの動作モードをご指定下さい。」とのメッセージが示されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、ガス種反映モード、閾値指示モード、及び濃度指示モードの何れかの指定をユーザに促すメッセージであれば如何なるメッセージあってもよい。また、ガス種反映モード、閾値指示モード、及び濃度指示モードの何れかの指定をユーザに対して知覚可能に促す情報であれば、メッセージ、画像、記号、及び音声情報のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0113】
ここで、ガス種反映モードとは、高精度ガス種特定装置14によって特定された試料ガスの種類を、簡易式ガス種特定装置12による特定結果に反映させる動作モードを指す。すなわち、ガス種反映モードでは、簡易式ガス種特定装置12によって特定される試料ガスの種類として、高精度ガス種特定装置14によって特定された試料ガスの種類となるように複数の閾値のうちの特定の閾値が変更される。なお、以下では、説明の便宜上、簡易式ガス種特定装置12によって特定される試料ガスの種類を「簡易式試料ガス種」とも称する。また、以下では、説明の便宜上、高精度ガス種特定装置14によって特定された試料ガスの種類を「高精度試料ガス種」とも称する。
【0114】
ここで、特定の閾値とは、複数の閾値のうち、高精度試料ガス種を示すガス信号を出力部70に対して出力させるための判定で用いられる閾値を指す。例えば、高精度試料ガス種がLPGであり、簡易式試料ガス種が大気ガスであった場合、特定の閾値とは、ステップ104の判定で用いられる“10ppm”を指す。
【0115】
また、例えば、高精度試料ガス種がLPG及び発酵ガスの混合ガスであり、簡易式試料ガス種がLPG及び都市ガスの混合ガスであった場合、特定の閾値とは、ステップ112,114,118の各判定で用いられる各閾値のうちの少なくとも1つを指す。ステップ112の判定で用いられる閾値は、“1”及び“100”であり、ステップ114の判定で用いられる閾値は、“0.5”であり、ステップ118の判定で用いられる閾値は、“500ppm”である。
【0116】
また、例えば、高精度試料ガス種がLPG及び発酵ガスの混合ガスであり、簡易式試料ガス種が都市ガスであった場合、特定の閾値とは、ステップ124,128の各判定で用いられる各閾値のうちの少なくとも1つを指す。ステップ124の判定で用いられる閾値は、“0.5”であり、ステップ128の判定で用いられる閾値は、“500ppm”である。
【0117】
更に、例えば、高精度試料ガス種がLPGであり、簡易式試料ガス種がLPG及び都市ガスの混合ガスであった場合、特定の閾値とは、ステップ102,104,112,114,118の各判定で用いられる各閾値のうちの少なくとも1つを指す。ステップ102の判定で用いられる閾値は、“30ppm”である。
【0118】
なお、特定の閾値に、既に変更済みの閾値が含まれる場合が考えられる。既に変更済みの閾値が含まれる場合とは、例えば、先に、出力部70によって出力されるガス信号を大気ガス信号からLPG・発酵ガス信号に変更させ、後に、出力部70によって出力されるガス信号をLPG信号から都市ガス信号に変更させる場合を指す。
【0119】
この場合、先のガス信号の変更では、ステップ102,104、112、124の各判定で用いられる各閾値に、特定の閾値、すなわち、変更対象となる閾値が含まれることがある。これに対し、後のガス信号の変更では、ステップ102,112,124,128の各判定で用いられる各閾値に特定の閾値が含まれることがある。この場合、特定の閾値を含めて、高精度ガス種特定装置14により特定された試料ガスの種類と同じ試料ガスの種類を示すガス信号を出力させるための判定に供した全ての閾値が変更部72によって必要に応じて微調整されるようにしてもよい。
【0120】
すなわち、先のガス信号の変更によって特定可能となった試料ガスの種類の特定精度の低下が最低限に抑えられるように、閾値を用いた判定が行われるステップで用いられる閾値に対して、変更部72によって最適化処理が実行されてもよい。
【0121】
なお、変更部72は、最適化処理を実行せずに、先のガス信号の変更よりも後のガス信号の変更を優先して実行するようにしてもよい。すなわち、変更部72は、先のガス信号の変更結果を無視して、後のガス信号の変更結果のみを、高精度ガス種特定装置14により特定された試料ガスの種類と同じ試料ガスの種類に見合うようにしてもよい。例えば、先ず、出力部70によって出力されるガス信号がLPG・発酵ガス信号から都市ガス信号に変更されてから、次いで、出力部70によって出力されるガス信号が都市・発酵ガス信号から発酵ガス信号に変更されるようにする場合、変更部72は、出力部70によって出力されるガス信号をLPG・発酵ガス信号から都市ガス信号に変更させるために必要な判定が行われるステップで用いられる閾値を変更した結果を無視して、出力部70によって出力されるガス信号を都市・発酵ガス信号から発酵ガス信号に変更させるように、関連する判定ステップで用いられる閾値を変更する。
【0122】
ここで、出力部70によって出力されるガス信号をLPG・発酵ガス信号から都市ガス信号に変更させるために必要な判定が行われるステップとは、例えば、ステップ102,112,124,128を指す。これに対し、ここで言う「関連する判定ステップ」とは、出力部70によって出力されるガス信号を都市・発酵ガス信号から発酵ガス信号に変更させるために必要な判定が行われるステップを指す。出力部70によって出力されるガス信号を都市・発酵ガス信号から発酵ガス信号に変更させるために必要な判定が行われるステップとは、例えば、ステップ102,112,124,128,134,136を指す。
【0123】
閾値指示モードとは、特定の閾値の変更内容をユーザに指示させ、ユーザの指示に従って変更部72が特定の閾値を変更する動作モードを指す。閾値指示モードでは、特定の閾値の変更内容の指示が受付デバイス46によって受け付けられ、受け付けられた指示に従って変更部72によって特定の閾値が変更される。
【0124】
濃度指示モードとは、高精度ガス種特定装置14によって特定された試料ガスの種類と、試料ガスに含まれるガス成分について高精度ガス種特定装置14によって測定された濃度とに基づいて変更部72が特定の閾値を変更する動作モードを指す。
【0125】
図12に示す例において、ガス種反映モードボタン48B2は、ユーザがガス種反映モードを指定する場合に、受付デバイス46によって受け付けられた指示に従って押される。閾値指示モードボタン48B3は、ユーザが閾値指示モードを指定する場合に、受付デバイス46によって受け付けられた指示に従って押される。濃度指示モードボタン48B4は、ユーザが濃度指示モードを指定する場合に、受付デバイス46によって受け付けられた指示に従って押される。
【0126】
ステップ168で、処理部74は、ガス種反映モード、閾値指示モード、及び濃度指示モードの何れかの動作モードを指示するモード指示情報が受付デバイス46によって受け付けられたか否かを判定する。
【0127】
ステップ168において、モード指示情報が受付デバイス46によって受け付けられていない場合は、判定が否定されて、ステップ170へ移行する。ステップ168において、モード指示情報が受付デバイス46によって受け付けられた場合は、判定が肯定されて、ステップ172へ移行する。
【0128】
ステップ170で、処理部74は、終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ170において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ168へ移行する。ステップ170において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ガス種特定精度調整処理を終了する。
【0129】
ステップ172で、処理部74は、受付デバイス46によって受け付けられたモード指示情報によりガス種反映モードが指示されているか否かを判定する。ステップ172において、受付デバイス46によって受け付けられたモード指示情報によりガス種反映モードが指示されていない場合は、判定が否定されて、
図8に示すステップ174へ移行する。ステップ172において、受付デバイス46によって受け付けられたモード指示情報によりガス種反映モードが指示されている場合は、判定が肯定されて、ステップ176へ移行する。
【0130】
ステップ176で、変更部72は、ステップ156において受付デバイス46によって受け付けられたガス種特定情報に応じて特定の閾値を変更し、その後、ガス種特定精度調整処理を終了する。
【0131】
ステップ176では、ステップ156において受付デバイス46によって受け付けられたガス種特定情報により特定される試料ガスの種類が簡易式ガス種特定装置12によって特定されるように特定の閾値が変更部72によって変更される。すなわち、ステップ176では、ステップ154のガス信号に対応付けられた濃度情報から、ガス種特定情報により特定される試料ガスの種類と同じ試料ガスの種類を示すガス信号が出力部70によって出力されるように特定の閾値が変更部72によって変更される。
【0132】
図8に示すステップ174で、処理部74は、受付デバイス46によって受け付けられたモード指示情報により閾値指示モードが指示されているか否かを判定する。ステップ174において、受付デバイス46によって受け付けられたモード指示情報により閾値指示モードが指示されていない場合は、判定が否定されて、
図9に示すステップ190へ移行する。ステップ174において、受付デバイス46によって受け付けられたモード指示情報により閾値指示モードが指示されている場合は、判定が肯定されて、ステップ178へ移行する。
【0133】
ステップ178で、処理部74は、一例として
図13に示すように、ディスプレイ48に対して、閾値調整画面48Cの表示を開始させ、その後、ステップ180へ移行する。
【0134】
図13に示す例では、閾値入力領域80と、メッセージ81と、スクロールバー82とが表示されている。
【0135】
メッセージ81は、ユーザに閾値の入力を促すメッセージである。
図13に示す例では、メッセージ81の一例として、「閾値を入力して下さい。」というメッセージが示されているが、本発明はこれに限定されず、ユーザに閾値の入力を促す他のメッセージであってもよい。
【0136】
閾値入力領域80は、ガス成分の種類毎に分けられている。
図13に示す例では、閾値入力領域80A,80B,80Cが示されている。閾値入力領域80Aは、
図4に示すステップ102の判定で用いられる閾値、すなわち、メタンの濃度の閾値に関する入力領域である。閾値入力領域80Bは、第1のプロパンの濃度の閾値に関する入力領域である。第1のプロパンの濃度の閾値とは、
図5に示すステップ104の判定で用いられる閾値を指す。閾値入力領域80Cは、第1のエタン濃度比率の閾値に関する入力領域である。第1のエタン濃度比率の閾値とは、
図6に示すステップ114の判定で用いられる閾値を指す。
【0137】
なお、以下の説明において、特定可燃性ガスの濃度比率の閾値とは、
図4に示すステップ112の判定で用いられる閾値を指す。また、以下の説明において、第1の炭酸ガスの濃度の閾値とは、
図6に示すステップ118の判定で用いられる閾値を指す。また、以下の説明において、第2の炭酸ガスの濃度の閾値とは、
図4に示すステップ128の判定で用いられる閾値を指す。また、以下の説明において、第2のエタン濃度比率の閾値とは、
図4に示すステップ124の判定で用いられる閾値を指す。また、以下の説明において、第2のプロパンの濃度の閾値とは、
図4に示すステップ134の判定で用いられる閾値を指す。また、以下の説明において、第3のエタン濃度比率の閾値とは、
図4に示すステップ136の判定で用いられる閾値を指す。
【0138】
閾値入力領域80Aは、メッセージ80A1と、入力可能範囲情報80A2と、入力欄80A3とを有する。メッセージ80A1は、メタンの濃度の閾値に関する入力領域であることを示すメッセージである。入力可能範囲情報80A2は、入力欄80A3に入力可能な閾値の上限と下限とを示す情報である。入力欄80A3は、メタンの濃度の閾値が入力される欄である。入力欄80A3には、受付デバイス46によって受け付けられた指示に応じた値が入力される。
【0139】
閾値入力領域80Bは、メッセージ80B1と、入力可能範囲情報80B2と、入力欄80B3とを有する。メッセージ80B1は、第1のプロパンの濃度の閾値に関する入力領域であることを示すメッセージである。入力可能範囲情報80B2は、入力欄80B3に入力可能な閾値の上限と下限とを示す情報である。入力欄80B3は、第1のプロパンの濃度の閾値が入力される欄である。入力欄80B3には、受付デバイス46によって受け付けられた指示に応じた値が入力される。
【0140】
閾値入力領域80Cは、メッセージ80C1は、第1のエタン濃度比率の閾値に関する入力領域であることを示すメッセージである。入力可能範囲情報80C2は、入力欄80C3に入力可能な閾値の上限と下限とを示す情報である。入力欄80C3は、第1のエタン濃度比率の閾値が入力される欄である。入力欄80C3には、受付デバイス46によって受け付けられた指示に応じた値が入力される。
【0141】
なお、スクロールバー82は、受付デバイス46によって受け付けられた指示に従って、
図13の上下方向に閾値調整画面48Cをスクロールさせる。閾値調整画面48Cをスクロールさせると、例えば、特定可燃性ガスの濃度比率の閾値に関する閾値入力領域、第1の炭酸ガスの濃度の閾値に関する閾値入力領域、第2の炭酸ガスの濃度の閾値に関する閾値入力領域、第2のエタン濃度比率の閾値に関する閾値入力領域、第2のプロパンの濃度の閾値に関する閾値入力領域、及び第3のエタン濃度比率の閾値に関する閾値入力領域がディスプレイ48に表示される。
【0142】
閾値調整画面48Cにおいて、閾値入力領域80A,80B,80C以外の閾値入力領域にも、閾値入力領域80A,80B,80Cと同様に、ガス成分毎に、該当のガス成分の閾値に関する入力領域であることを示すメッセージと、入力可能範囲情報と、入力欄とが設けられている。
【0143】
以下では、説明の便宜上、閾値入力領域80A,80B,80C及びこれら以外の閾値入力領域を区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「閾値入力領域」と称する。また、以下では、説明の便宜上、各閾値入力領域に設けられている入力可能範囲情報を区別して説明する必要がない場合、単に「入力可能範囲」と称する。更に、以下では、各閾値入力領域に設けられている入力欄を区別して説明する必要がない場合、単に「入力欄」と称する。なお、本実施形態では、入力可能範囲が、変更部72により、上述した最適化処理が行われた結果に応じて変更されるが、本発明はこれに限らず、例えば、入力可能範囲は、固定されていてもよい。
【0144】
ステップ180で、処理部74は、受付デバイス46によって閾値の変更内容の指示が受け付けられたか否かを判定する。すなわち、ステップ180では、受付デバイス46によって受け付けられた指示に応じて、閾値入力領域内の入力欄に値が入力されたか否かが判定される。
【0145】
ステップ180において、受付デバイス46によって閾値の変更内容の指示が受け付けられていない場合、判定が否定されて、ステップ182へ移行する。ステップ180において、受付デバイス46によって閾値の変更内容の指示が受け付けられた場合、判定が肯定されて、ステップ184へ移行する。
【0146】
ステップ182で、処理部74は、終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ182において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ180へ移行する。ステップ182において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ガス種特定精度調整処理を終了する。
【0147】
ステップ184で、処理部74は、ステップ180にて受付デバイス46によって受け付けられた指示に応じて入力欄に入力された閾値が、ステップ156において受付デバイス46によって受け付けられたガス種特定情報に応じた閾値であるか否かを判定する。すなわち、ステップ184では、ステップ180にて受付デバイス46によって受け付けられた指示に応じて入力欄に入力された閾値が採用されることによって、ガス種特定情報により特定された試料ガスの種類と同じ試料ガスの種類を示すガス信号が出力部70によって出力されるか否かが判定される。
【0148】
ステップ184において、ステップ180にて受付デバイス46によって受け付けられた指示に応じて入力欄に入力された閾値が、ステップ156において受付デバイス46によって受け付けられたガス種特定情報に応じた閾値でない場合、判定が否定されて、ステップ186へ移行する。ステップ184において、ステップ180にて受付デバイス46によって受け付けられた指示に応じて入力欄に入力された閾値が、ステップ156において受付デバイス46によって受け付けられたガス種特定情報に応じた閾値の場合、判定が肯定されて、ステップ188へ移行する。
【0149】
ステップ188で、変更部72は、特定の閾値、すなわち、現時点で採用されている閾値を、ステップ180において受付デバイス46によって受け付けられた指示に応じて入力欄に入力された閾値に変更し、その後、ガス種特定精度調整処理を終了する。
【0150】
ステップ186で、処理部74は、アラート処理を実行し、その後、ステップ180へ移行する。ここで、アラート処理とは、入力欄に入力された閾値が不適切であることをユーザに対して報知する処理を指す。
【0151】
アラート処理は、例えば、入力欄に入力された閾値が入力可能範囲外の値である場合に実行される。また、アラート処理は、ステップ180にて受付デバイス46によって受け付けられた指示に応じて入力欄に入力された閾値が採用されることによって、ガス種特定情報により特定された試料ガスの種類と同じ試料ガスの種類を示すガス信号が出力部70によって出力されない場合に実行される。
【0152】
ステップ186では、一例として
図14に示すように、アラート処理として、メッセージ81に代えてメッセージ84をディスプレイ48に対して表示させる処理が処理部74によって実行されている。なお、アラート処理は、メッセージ84をディスプレイ48に対して表示させる処理に限定されない。例えば、可視表示処理、可聴表示処理、及び永久可視表示処理のうちの少なくとも1つがアラート処理として処理部74によって実行されるようにしてもよい。ここで、可視表示処理とは、ディスプレイ48に対してメッセージ81を可視表示させる処理を指す。可聴表示処理とは、スピーカ(図示省略)により音声でユーザに対して報知する処理を指す。永久可視表示処理とは、プリンタ(図示省略)により用紙等の記録媒体にメッセージ81に相当するメッセージが印刷されることによりユーザに対して報知する処理を指す。
【0153】
図9に示すステップ190で、処理部74は、一例として
図15に示すように、ディスプレイ48に対して、濃度受付画面48Dの表示を開始させ、その後、ステップ192へ移行する。
【0154】
一例として
図15に示すように、濃度受付画面48Dは、メッセージ48D1、濃度入力欄48D2,48D3,48D4,48D5、及び確定ボタン48D6を有する。メッセージ48D1は、各種ガス成分について高精度ガス種特定装置14により測定された濃度の入力をユーザに促すメッセージである。ここで、各種ガス成分とは、メタン、プロパン、エタン、及び炭酸ガスを指す。
【0155】
図15には、メッセージ48D1の一例として、「高精度ガス種特定装置により測定された濃度を入力して下さい。」とのメッセージが示されている。なお、以下では、説明の便宜上、各種ガス成分について高精度ガス種特定装置14により測定された濃度を「高精度濃度」と称する。
【0156】
図15に示す例において、濃度入力欄48D2には、メタンについての高精度濃度が、受付デバイス46によって受け付けられた指示に従って入力される。濃度入力欄48D3には、プロパンについての高精度濃度が、受付デバイス46によって受け付けられた指示に従って入力される。濃度入力欄48D4には、エタンについての高精度濃度が、受付デバイス46によって受け付けられた指示に従って入力される。濃度入力欄48D5には、炭酸ガスについての高精度濃度が、受付デバイス46によって受け付けられた指示に従って入力される。
【0157】
確定ボタン48D6は、濃度入力欄48D2,48D3,48D4,48D5に入力された高精度濃度を確定する場合に受付デバイス46によって受け付けられた指示に応じて押される。
【0158】
ステップ192で、処理部74は、受付デバイス46によって各種ガス成分について高精度濃度情報が受け付けられてから確定ボタン48D6が押されたか否かを判定する。ステップ192において、受付デバイス46によって各種ガス成分について高精度濃度情報を受け付けられてから確定ボタン48D6が押されていない場合は、判定が否定されて、ステップ194へ移行する。ステップ192において、受付デバイス46によって各種ガス成分について高精度濃度情報を受け付けられてから確定ボタン48D6が押された場合は、判定が肯定されて、ステップ196へ移行する。
【0159】
ステップ194で、処理部74は、終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ194において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ192へ移行する。ステップ194において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ガス種特定精度調整処理を終了する。
【0160】
ステップ196で、変更部72は、ステップ192において受付デバイス46によって受け付けられた高精度濃度情報に従って特定の閾値を変更し、その後、ガス種特定精度調整処理を終了する。
【0161】
ステップ196では、ステップ156において受付デバイス46によって受け付けられたガス種特定情報により特定された試料ガスの種類と同じ試料ガスの種類を示すガス信号が出力部70によって出力されるように、ステップ192において受付デバイス46によって受け付けられた高精度濃度情報に従って特定の閾値が変更部72によって変更される。ここで言う「特定の閾値」とは、ガス種特定情報により特定された試料ガスの種類と同じ試料ガスの種類を示すガス信号を出力部70に対して出力させるために必要な判定が行われるステップで用いられる閾値を指す。
【0162】
以上説明したように、本実施形態に係るガス種特定システム10では、高精度ガス種特定装置14により特定された試料ガスの種類が、簡易式ガス種特定装置12により特定された試料ガスの種類と異なる場合(ステップ160:Y)、試料ガスについて、高精度ガス種特定装置14により特定された試料ガスの種類が簡易式ガス種特定装置12により特定されるように複数の閾値のうちの特定の閾値が変更部72によって変更される(ステップ176,188,196)。
【0163】
従って、本実施形態に係るガス種特定システム10によれば、簡易式ガス種特定装置12よりも試料ガスの種類を高精度に特定する高精度ガス種特定装置14による特定結果を用いない場合に比べ、簡易式ガス種特定装置12による試料ガスの種類の特定精度を向上させることができる。この結果、簡易式ガス種特定装置12の活用により、高精度ガス種特定装置14の使用頻度を減らすことが可能となる。
【0164】
また、本実施形態に係るガス種特定システム10では、受付デバイス46によってガス種特定情報が受け付けられる(ステップ156:Y)。そして、受付デバイス46によって受け付けられたガス種特定情報により特定された試料ガスの種類が、簡易式ガス種特定装置12により特定された試料ガスの種類と異なる場合(ステップ160:Y)、試料ガスについて、受付デバイス46によって受け付けられたガス種特定情報により特定された試料ガスの種類が簡易式ガス種特定装置12により特定されるように複数の閾値のうちの特定の閾値が変更部72によって変更される(ステップ176)。
【0165】
従って、本実施形態に係るガス種特定システム10によれば、ガス種特定情報を用いない場合に比べ、簡易式ガス種特定装置12による試料ガスの種類の特定精度の向上に要する手間を軽減することができる。
【0166】
また、本実施形態に係るガス種特定システム10では、受付デバイス46によって受け付けられたガス種特定情報により特定された試料ガスの種類が、簡易式ガス種特定装置12により特定された試料ガスの種類と異なる場合(ステップ160:Y)、試料ガスについて、受付デバイス46によって受け付けられたガス種特定情報により特定された試料ガスの種類が簡易式ガス種特定装置12により特定されるように高精度濃度情報に従って複数の閾値のうちの特定の閾値が変更部72によって変更される(ステップ196)。
【0167】
従って、本実施形態に係るガス種特定システム10によれば、高精度濃度情報を用いない場合に比べ、簡易式ガス種特定装置12による試料ガスの種類の特定精度を向上させることができる。
【0168】
また、本実施形態に係るガス種特定システム10では、受付デバイス46によって閾値の変更内容の指示が受け付けられる(ステップ180:Y)。そして、高精度ガス種特定装置14により特定された試料ガスの種類が、簡易式ガス種特定装置12により特定された試料ガスの種類と異なる場合(ステップ160:Y)、試料ガスについて、高精度ガス種特定装置14により特定された試料ガスの種類が簡易式ガス種特定装置12により特定されるように複数の閾値のうちの特定の閾値が、受付デバイス46によって受け付けられた指示に従って変更部72により変更される(ステップ188)。
【0169】
従って、本実施形態に係るガス種特定システム10によれば、受付デバイス46によって受け付けられた指示に従って複数の閾値のうちの特定の閾値が変更されない場合に比べ、特定の閾値としてユーザの意図に反した値が用いられることを抑制することができる。
【0170】
なお、上記実施形態では、簡易式ガス種特定装置12と高精度ガス種特定装置14とが通信可能に接続されていない場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図16に示すように、簡易式ガス種特定装置12と高精度ガス種特定装置14とがネットワーク202を介して通信可能に接続されていてもよい。
【0171】
図16に示す例では、複数の簡易式ガス種特定装置12が
図2に示す通信装置41を介してネットワーク202に接続されている。また、高精度ガス種特定装置14は
図3に示す通信装置41を介してネットワーク202に接続されている。よって、高精度ガス種特定装置14は、ネットワーク202を介して、特定の情報を複数の簡易式ガス種特定装置12のうちの特定の簡易式ガス種特定装置12に対して送信するようにしてもよい。高精度ガス種特定装置14から送信された特定の情報は、特定の簡易式ガス種特定装置12の通信装置41によって受信され、CPU34による処理に供される。ここで、特定の情報とは、例えば、閾値の変更内容の指示(
図8のステップ180参照)を示す閾値変更内容指示情報、ガス種特定情報(
図7のステップ156参照)、及び高精度濃度情報(
図9のステップ196参照)のうちの少なくとも1つを指す。
【0172】
また、一例として
図16に示すように、ネットワーク202にサーバ204が接続されていてもよい。この場合、高精度ガス種特定装置14は、サーバ204に対して、互いに関連する高精度濃度情報及びガス種特定情報を含む試料ガス情報をサーバ204に送信し、サーバ204は、高精度ガス種特定装置14から送信された試料ガス情報を受信する。そして、サーバ204は、受信した試料ガス情報を蓄積する。サーバ204は、ガス種特定情報毎に高精度濃度情報を蓄積し、高精度濃度情報により示される高精度濃度の統計値を算出する。統計値とは、例えば、平均値又は中央値等を指す。サーバ204は、定期的に又は簡易式ガス種特定装置12の要求に応じて、ガス種特定情報毎に高精度濃度の統計値を簡易式ガス種特定装置12に送信する。簡易式ガス種特定装置12の変更部72は、ガス種特定情報毎の高精度濃度の統計値に従って特定の閾値を変更する。
【0173】
また、上記実施形態では、簡易式ガス種特定装置12にガス種特定精度調整装置16が内蔵されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図16に示すサーバ204にガス種特定精度調整装置16に相当する装置を搭載するようにしてもよい。この場合、サーバ204がネットワーク202を介して簡易式ガス種特定装置12を制御することで特定の閾値を変更する。
【0174】
また、上記実施形態では、ガス信号を記憶装置43及びディスプレイ48に出力する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、簡易式ガス種特定装置12は、簡易式ガス種特定装置12と通信可能なパーソナル・コンピュータ、スマートデバイス、及びサーバ装置等のうちの少なくとも1つの外部装置(図示省略)にガス信号を送信するようにしてもよい。
【0175】
この場合、外部装置は、ガス信号を受信し、受信したガス信号に応じた処理を実行すればよい。外部装置でのガス信号に応じた処理の一例としては、ディスプレイによる可視表示、音声再生装置により音声が出力されることによる可聴表示、及びプリンタを用いて用紙に記録する永久可視表示のうちの少なくとも1つの表示が挙げられる。また、外部装置でのガス信号に応じた処理の他例としては、特定のメモリにガス信号を記憶する処理が挙げられる。
【0176】
また、上記実施形態では、特定可燃性ガスとしてエタン及びプロパンを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定可燃性ガスはエタン、プロパン、及びブタンであってもよい。なお、この場合、ステップ112で算出される「特定可燃性ガスの濃度比率」とは、ステップ100で取得された濃度情報により示されるエタンの濃度とプロパンの濃度とブタンの濃度の和に対して、ステップ110で算出されたY値を乗じて得た値を指す。
【0177】
また、上記実施形態では、特定可燃性ガスの濃度比率を用いて複数種類のガス成分信号が選択的に出力される場合について説明したが、特定可燃性ガスの濃度そのものを用いて複数種類のガス成分信号が選択的に出力されるようにしてもよい。
【0178】
また上記実施形態では、エタンの濃度比率を用いて複数種類のガス成分信号が選択的に出力される場合について説明したが、エタンの濃度そのものを用いて複数種類のガス成分信号が選択的に出力されるようにしてもよい。
【0179】
また、上記実施形態では、ガス種特定精度調整プログラム53を記憶装置43から読み出す場合を例示したが、必ずしも最初から記憶装置43に記憶させておく必要はない。例えば、
図17に示すように、SSD、USB(Universal Serial Bus)メモリ、又はDVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)等の任意の可搬型の記憶媒体300に先ずはガス種特定精度調整プログラム53を記憶させておいてもよい。この場合、記憶媒体300のガス種特定精度調整プログラム53が簡易式ガス種特定装置12にインストールされ、インストールされたガス種特定精度調整プログラム53がCPU34によって実行される。
【0180】
また、通信網(図示省略)を介して簡易式ガス種特定装置12に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部にガス種特定精度調整プログラム53を記憶させておき、ガス種特定精度調整プログラム53が簡易式ガス種特定装置12の要求に応じてダウンロードされて簡易式ガス種特定装置12にインストールされるようにしてもよい。また、ガス種特定精度調整プログラム53のインストール先は、簡易式ガス種特定装置12に限定されず、例えば、
図16に示すサーバ204であってもよい。
【0181】
また、上記実施形態で説明したガス種特定精度調整処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0182】
また、上記実施形態では、CPU34,52等の汎用プロセッサを例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、汎用プロセッサに代えて専用プロセッサを用いてもよいし、汎用プロセッサ及び専用プロセッサによって分散処理が実行されるようにしてもよい。
【0183】
また、上記実施形態では、コンピュータを利用したソフトウェア構成によりガス種特定精度調整処理が実現される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、コンピュータを利用したソフトウェア構成に代えて、Field-Programmable Gate Array(FPGA)又はApplication Specific Integrated Circuit(ASIC)等のハードウェア構成のみによってガス種特定精度調整処理が実行されるようにしてもよい。また、ガス種特定精度調整処理は、ソフトウェア構成とハードウェア構成との組み合わせで実行されるようにしてもよい。
【0184】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【符号の説明】
【0185】
10 ガス種特定システム
12 簡易式ガス種特定装置
14 高精度ガス種特定装置
16 ガス種特定精度調整装置
34 CPU
40 制御装置
46 受付デバイス
53 ガス種特定精度調整プログラム
70 出力部
72 変更部